説明

携帯型電子機器及びコンピュータプログラム

【課題】 娯楽性の高い携帯型電子機器及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 携帯型電話機1は、検出手段にて外部雰囲気の温度を検出し(S101)、検出した温度を、記録手段に記録している閾値と比較して、検出した温度及び閾値の大小関係が所定の関係にあるか否かを判定し(S102)、検出した温度及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合(S102:YES)、記録手段に記録している音声データに基づく音声を音声出力手段から出力し(S103)、記録手段に記録している指示情報に基づいて、パケット交換網上の装置に記録されているファイル又はプログラムにアクセスするデータ通信を実行し(S104)、実行したデータ通信にて取得したデータをブラウザの処理により、ウェブページとして表示手段に表示する(S105)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
音声を出力する手段を備える携帯型電子機器、及び該携帯型電子機器を実現するためのコンピュータプログラムに関し、特に娯楽性を高めた携帯型電子機器及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯型電話機が広く普及している。携帯型電話機では、着呼時、電子メールの受信時、及び予め設定している時刻に到達した場合に、例えば着信音、着信メロディと呼ばれる音声を出力する。また携帯型電話機の紛失防止を目的として、落下時の衝撃を検知して警報を出力する携帯型電話機が特許文献1に提案されている。
【特許文献1】特開2001−177639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら携帯型電話機に対しては、特許文献1に開示されている様な実用的な技術もさることながら、娯楽性が強く求められている。特に現行での携帯型電話機の購買(交換を含む)層の中心をなす若年層にとっては、その娯楽性が購買動機の主要因となり得るからである。即ち携帯型電話機は、購買意欲を刺激する娯楽性の向上という課題を有している。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、周囲の温度等の外部に関する状況を検出し、その状況に応じて音声の出力、所定のウェブページへの接続等の処理を実行することにより、娯楽性を高め、消費者の購買意欲を刺激する携帯型電話機等の携帯型電子機器、及び該携帯型電子機器を実現するためのコンピュータプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る携帯型電子機器は、音声を出力する手段を備える携帯型電子機器において、温度を検出する検出手段と、該検出手段が検出した温度を予め設定している閾値と比較する手段と、比較により検出した温度及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合、予め記録している音声データに基づく音声を出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明では、外部の温度に応じて、「暑いよう。」という様な音声を出力することにより、携帯型電子機器を擬人化し、娯楽性を高めることが可能である。
【0007】
第2発明に係る携帯型電子機器は、パケット交換網を介したデータ通信機能を備える携帯型電子機器において、外部に関する状況を数値として検出する検出手段と、該検出手段が検出した数値を予め設定している閾値と比較する手段と、比較により検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合、予め記録している音声データに基づく音声を出力する手段と、及び、予め記録しているパケット交換網上の位置を指示する指示情報に基づいて、データ通信を実行する手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明では、外部に関する状況に応じて、音声を出力すると共に、指示情報に基づくデータ通信により、所定のウェブページを表示させるので、音声と、ウェブページとを連動させて、新たな娯楽性を提供することが可能である。
【0009】
第3発明に係る携帯型電子機器は、音声を出力する手段を備える携帯型電子機器において、外部に関する状況を数値として検出する検出手段と、該検出手段が検出した数値を予め設定している閾値と比較する手段と、比較により、検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した回数を計数する手段と、計数した回数に応じて、予め記録している音声データに基づく音声を出力する音声出力手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明では、検出した数値が所定の条件を満足した回数が所定回数に到達した場合に、「暑いよう。」という様な音声を出力することにより、携帯型電子機器を擬人化し、娯楽性を高めることが可能である。
【0011】
第4発明に係る携帯型電子機器は、第3発明において、前記音声出力手段は、計数した回数に応じて異なる音声を出力するように構成していることを特徴とする。
【0012】
本発明では、「ちょっと暑いなあ。」、「暑い。」、「暑くて死にそう。」という様に段階的に出力する音声を変更することにより、状況により変更される音声にて心情の変化を表現することができるので、更なる擬人化を行い、娯楽性を高めることが可能である。
【0013】
第5発明に係る携帯型電子機器は、第4発明において、音声データを加工する加工手段を更に備え、前記音声出力手段が出力する異なる音声は、一の音声データを異なる方法にて加工した加工音声データに基づく音声であることを特徴とする。
【0014】
本発明では、例えば「暑い。」という音声を出力する音声データに対し、音量、速度、周波数、アクセント、抑揚等の音に関する要素を変更する加工処理を行うことにより、更なる擬人化を行い、娯楽性を高めることが可能である。
【0015】
第6発明に係る携帯型電子機器は、第2発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記検出手段は、外部に関する状況として、外部雰囲気の温度を検出するように構成していることを特徴とする。
【0016】
本発明では、外部の温度に応じて、「暑いよう。」等の音声を出力することにより、携帯型電子機器を擬人化し、娯楽性を高めることが可能である。
【0017】
第7発明に係る携帯型電子機器は、第2発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記検出手段は、外部に関する状況として、外部から加えられる物理的な力の程度を検出するように構成していることを特徴とする。
【0018】
本発明では、押圧センサにより、外部から押下される圧力を検知し、また加速度センサ、振動ジャイロ等の外部から加えられる力による動きを検知して、「重いよう。」、「地震だ。」等の音声を出力することにより、携帯型電子機器を擬人化し、娯楽性を高めることが可能である。
【0019】
第8発明に係る携帯型電子機器は、第1発明乃至第7発明のいずれかにおいて、電話機能を更に備えることを特徴とする。
【0020】
本発明では、携帯型電話機に適用することにより、消費者の購買意欲を刺激することが可能である。
【0021】
第9発明に係るコンピュータプログラムは、音声を出力する出力手段、外部に関する状況を数値として検出する検出手段、及びパケット交換網を介してデータ通信を行う通信手段を備えるコンピュータにて実行されるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記検出手段が検出した数値を予め設定されている閾値と比較させる手順と、コンピュータに、比較により検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合に、予め記録している音声データに基づく音声を前記出力手段から出力させる手順と、コンピュータに、比較により検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合に、予め記録しているパケット交換網上の位置を指示する指示情報に基づいて、通信手段により、データ通信を実行させる手段とを実行させることを特徴とする。
【0022】
本発明では、携帯型電話機等のコンピュータにて実行し、外部に関する状況に応じて、音声を出力すると共に、指示情報に基づくデータ通信により、所定のウェブページを表示させるので、音声と、ウェブページとを連動させて、新たな娯楽性を提供することが可能である。
【0023】
第10発明に係るコンピュータプログラムは、音声を出力する出力手段、及び外部に関する状況を数値として検出する検出手段を備えるコンピュータにて実行されるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記検出手段が検出した数値を予め設定されている第1閾値と比較させる手順と、コンピュータに、比較により、検出した数値及び第1閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した回数を計数させる手順と、コンピュータに、計数した回数を予め設定している第2閾値と比較させる手順と、コンピュータに、比較により、計数した回数が第2閾値に到達していると判定したときに、予め記録している音声データに基づく音声を、前記出力手段から出力させる手順とを実行させることを特徴とする。
【0024】
本発明では、携帯型電話機等のコンピュータにて実行し、検出した数値が所定の条件を満足した回数が所定回数に到達した場合に、「暑いよう。」という様な音声を出力することにより、携帯型電子機器を擬人化し、娯楽性を高めることが可能である。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る携帯型電子機器及びコンピュータプログラムでは、例えば携帯型電話機に適用され、外部の温度、外部からの圧力、外部から加えられる力等の外部に関する状況を数値として検出する検出手段を備え、検出した数値を予め設定している閾値と比較し、比較により検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係であると判定した場合に、予め記録している音声データに基づく音声を出力し、更には、インターネット等のパケット交換網上の位置を指示する指示情報に基づくデータ通信、即ちウェブページへのアクセスを行う。
【0026】
この構成により、本発明では、外部に関する状況に応じて、例えば「暑いよう。」、「重いよう。」、「地震だ。」等の音声を出力させることにより、携帯型電子機器を擬人化することが可能であり、更には音声の出力と共に、所定のウェブページ、例えばその時の気温等の気象状況を示すウェブページを表示させるので、音声と、ウェブページとを連動させて、新たな娯楽性を提供することが可能である等、優れた効果を奏する。そしてこのように新たな娯楽性を提供することにより、消費者の購買意欲を刺激して、消費を向上させ、産業の発展に貢献することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0027】
さらに本発明は、検出手段が検出した数値を第1閾値と比較し、比較により検出した数値及び第1閾値の大小関係が所定の関係であると判定した回数を計数し、計数した回数が第2閾値に到達したと判定した場合に、予め記録している音声データに基づく音声を出力する。しかも本発明では、複数段階の第2閾値を設定し、比較の対象となる第2閾値に応じて異なる音声を出力する。
【0028】
この構成により、本発明では、「ちょっと暑いなあ。」、「暑い。」、「暑くて死にそう。」という様に段階的に出力する音声を変更することができるので、状況により変更される音声にて心情の変化を表現することができ、更なる擬人化を行い、娯楽性を高めることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0029】
しかも本発明では、複数の音声を夫々異なる音声データとして記録しておくのではなく、例えば「暑い。」という音声を出力する音声データに対し、音質、速度、周波数、アクセント、抑揚等の音に関する要素を変更する加工処理を行うことにより、更なる擬人化を行い、娯楽性を高めることが可能である等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0031】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における携帯型電話機の構成を示すブロック図である。図1中1は、本発明の携帯型電話機であり、携帯型電話機1は、各種通信処理、音声入出力処理、画像表示処理等の各種処理を制御するCPU(Central Processing Unit) 等の制御手段10と、各種処理に必要な本発明の実施の形態1におけるコンピュータプログラム21及びデータ等の各種情報を記録するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記録手段11とを備えている。そして記録手段11に記録されている本発明のコンピュータプログラム21に含まれる各種手順を制御手段10の制御にて実行することにより、携帯型電話機1は、本発明の携帯型電子機器として動作する。携帯型電話機1が備える記録手段11には、本発明のコンピュータプログラム21だけでなく、C−HTML(Compact Hyper-Text Markup Language)、MML(Mobile Markup Language)、HDML(Handheld Device Markup Language) 等のページ記述言語で記述された各種情報をウェブページとして表示するための閲覧用ソフトウェアプログラム(以下、ブラウザという)等の様々なプログラムが記録されている。さらに記録手段11には、音声の出力に用いられる音声データ、インターネット等のパケット交換網31上の装置に記録されているファイル又はプログラムの位置を指示するURL(Universal Resource Locator)等の指示情報、後述する処理の判定に用いられる閾値等の様々なデータが記録されている。
【0032】
また携帯型電話機1は、パケット交換網31を介したデータ通信、無線電話回線網32を介した電話通信等の通信網を介した通信を制御する通信制御手段12と、電話通信用のデジタル音声情報、ページ記述言語で記述された各種デジタルデータ等の情報を送受信するアンテナ及びその付属回路等の通信手段13とを備えている。
【0033】
さらに携帯型電話機1は、スピーカ等の音声出力手段14と、マイク等の音声入力手段15と、音声出力手段14から出力される音声信号及び音声入力手段15から入力される音声信号の変換処理を行う音声処理手段16とを備えている。音声処理手段16による変換処理とは、音声出力手段14から出力すべくデジタル信号をアナログ音声信号に変換する処理、及び音声入力手段15から入力された音声に基づくアナログ音声信号をデジタル信号に変換する処理である。
【0034】
さらに携帯型電話機1は、英数字、記号、各種命令等のキー入力を受け付ける押釦等のキー入力手段17と、キー入力手段17からキー入力された情報、送受信する情報等の各種情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示手段18とを備えている。
【0035】
さらに携帯型電話機1は、外部雰囲気の温度等の外部に関する状況を数値として検出する温度計を用いた検出手段19を備える。なおここでは外部の温度を検出する検出手段19を用いた処理を例示するが、本発明はこれに限らず、外部から加えられる物理的な力の程度を数値として検出する検出手段19、具体的には、外部から押下される圧力を検知する押圧センサ、また加速度センサ、振動ジャイロ等の外部から加えられる力による動きを検知するモーションコントロールセンサ等の検出手段19を用いる様にしても良い。
【0036】
次に本発明の実施の形態1における携帯型電話機1の処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態1における携帯型電話機1の処理を示すフローチャートである。携帯型電話機1は、コンピュータプログラム21を実行する制御手段10の制御により、検出手段19にて外部に関する状況を数値として検出、ここでは外部雰囲気の温度を検出し(S101)、検出した温度を、記録手段11に記録している閾値と比較して、検出した温度及び閾値の大小関係が所定の関係にあるか否かを判定する(S102)。ここでは閾値として摂氏30度が設定されており、所定の関係とは、検出した温度が摂氏30度以上であるという関係を示すものとする。
【0037】
ステップS102において、検出した温度及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合(S102:YES)、携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、記録手段11に記録している音声データに基づく音声を音声出力手段14から出力し(S103)、記録手段11に記録している指示情報に基づいて、パケット交換網31上の装置に記録されているファイル又はプログラムにアクセスするデータ通信を実行し(S104)、実行したデータ通信にて取得したデータを、ブラウザの処理によりウェブページとして表示手段18に表示し(S105)、処理を終了する。ステップS103にて出力される音声は、温度及び閾値の比較結果に関連し、「暑いなあ。」等の携帯型電話機1を擬人化した音声を出力することで娯楽性を高めることができる。ステップS104では、温度及び閾値の比較結果に関連したウェブページ、例えば携帯型電話機が暑がっている擬人化した画像を表示するウェブページ、暑さから連想される海の画像を表示するウェブページ等の娯楽性の高いウェブページを表示させる。なお単に娯楽性だけを求めるのでなく、温度及び比較結果に関連する気象情報等の実用的な情報を配信するウェブページ、ビアガーデン等の広告情報を配信するウェブページであっても良い。さらにステップS103にて出力する音声は、記録手段11に予め記録している音声を出力するのではなく、ステップS104にてアクセスしたウェブページからダウンロードした音声データに基づく音声を出力する様にしても良い。なお閾値は複数段階設定しても良く、またその閾値に応じてアクセスするウェブページを切り替える様にしても良い。
【0038】
ステップS102において、検出した温度及び閾値の大小関係が所定の関係にはないと判定した場合(S102:NO)、処理を終了する。なおステップS101〜S105に示した処理は、30分等の所定時間毎に実行される。
【0039】
前記実施の形態1では、検出した温度が所定値以上である場合に、音声を出力し、ウェブページを表示させる形態を示したが、本発明はそれに限らず、様々な検出手段に応じた音声を出力し、ウェブページを表示させる等、様々な形態に展開することが可能である。例えば検出手段が押圧センサである場合、検出した圧力を示す数値が閾値以上となった場合に「重いよう。」等の音声を出力させる。また検出手段が加速度センサ、振動ジャイロ等の外部から加えられる力による動きを検知するモーションコントロールセンサである場合、検出した動きを示す数値が閾値以上となった場合に「地震だ。」等の音声を出力させる。またモーションコントロールセンサを用いる場合、野球、テニス、ゴルフ等のゲームに連動させ、使用者が、携帯型電話機を例えばゴルフクラブに見立てて振った場合に、その動きを検知し「ナイスショット!」等の音声を出力し、検出した動きに応じて、ゴルフに連動したゲームに関するウェブページにアクセスするようにしても良い。
【0040】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2における携帯型電話機の構成を示すブロック図である。図3中1は、本発明の実施の形態2における携帯型電話機であり、携帯型電話機1は、記録手段11を備え、記録手段11には、本発明の実施の形態2におけるコンピュータプログラム22が記録されている。また記録手段11には、後述する処理により用いられる複数の回数基準値が記録されている。なおその他の構成については、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の符号を付し、その機能については、実施の形態1を参照するものとし、詳細な説明を省略する。そして記録手段11に記録されている本発明のコンピュータプログラム22に含まれる各種手順を制御手段10の制御にて実行することにより、携帯型電話機1は、本発明の携帯型電子機器として動作する。
【0041】
次に本発明の実施の形態2における携帯型電話機1の処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態2における携帯型電話機1の処理を示すフローチャートである。携帯型電話機1は、コンピュータプログラム22を実行する制御手段10の制御により、記録手段11に設定される計数カウンタを初期化、即ち計数カウンタに「0」を設定する(S201)。計数カウンタにて示される数値は、後述する処理により、検出手段19が検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係であると判定した回数を示す。
【0042】
携帯型電話機1は、コンピュータプログラム22を実行する制御手段10の制御により、検出手段19にて外部に関する状況を数値として検出、ここでは外部雰囲気の温度を検出し(S202)、検出した温度を、記録手段11に記録している閾値と比較して、検出した温度及び閾値の大小関係が所定の関係にあるか否かを判定する(S203)。ここでは閾値として摂氏30度が設定されており、所定の関係とは、検出した温度が摂氏30度以上であるという関係を示すものとする。
【0043】
ステップS203において、検出した温度及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合(S203:YES)、携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、計数カウンタに「1」を加算する(S204)。
【0044】
そして携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、計数カウンタの数値を記録手段11に記録している回数基準値と比較する(S205)。回数基準値は、第1回数基準値及び第2回数基準値の複数段階に設定されており、ステップS205では、計数カウンタの数値と第1回数基準値とを比較する。なお第1回数基準値として「3」、第2回数基準値として「5」が夫々設定されているものとして以降の説明を行う。
【0045】
ステップS205において、計数カウンタにて示される数値が第1回数基準値に到達していないと判定した場合(S205:NO)、携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、記録手段11に記録している第1音声データに基づく第1音声を音声出力手段14から出力する(S206)。そして携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、30分等の所定時間待機後、ステップS202へ戻り、以降の処理を繰り返す。ステップS205にて、第1回数基準値に到達していないと判定する場合は、計数カウンタの値が「1」又は「2」である場合である。
【0046】
ステップS205において、計数カウンタにて示される数値が第1回数基準値に到達していると判定した場合(S205:YES)、携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、計数カウンタの数値を記録手段11に記録している第2回数基準値と比較する(S207)。
【0047】
ステップS207において、計数カウンタにて示される数値が第2回数基準値に到達していないと判定した場合(S207:NO)、携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、記録手段11に記録している第2音声データに基づく第2音声を音声出力手段14から出力する(S208)。そして携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、30分等の所定時間待機後、ステップS202へ戻り、以降の処理を繰り返す。ステップS207にて、第2回数基準値に到達していないと判定する場合は、計数カウンタの値が3又は4である場合である。
【0048】
ステップS207において、計数カウンタにて示される数値が第2回数基準値に到達していると判定した場合(S207:YES)、携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、記録手段11に記録している第3音声データに基づく第3音声を音声出力手段14から出力する(S209)。そして携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、30分等の所定時間待機後、ステップS202へ戻り、以降の処理を繰り返す。ステップS207にて、第2回数基準値に到達していると判定する場合は、計数カウンタの値が5以上である場合である。
【0049】
ステップS203において、検出した温度及び第1閾値の大小関係が所定の関係にないと判定した場合(S203:NO)、携帯型電話機1は、制御手段10の制御により、30分等の所定時間待機後、ステップS201へ戻り、以降の処理を繰り返す。
【0050】
ステップS205にて出力する第1音声、ステップS208にて出力する第2音声及びステップS209にて出力する第3音声としては、例えば第1音声が「ちょっと暑いなあ。」、第2音声が「暑い。」、そして第3音声が「暑くて死にそう。」という様に段階的に文言が異なる音声を出力させる。これらの音声データは、例えば有名人、アニメのキャラクタを演じる声優等の人物の発声をサンプリングして用いることで娯楽要素を高めることが可能である。
【0051】
なお文言が異なる音声データを夫々用意する様にするのではなく、一の音声データを異なる方法にて加工した複数の加工音声データを生成し、生成した複数の加工音声データを、夫々第1音声データ、第2音声データ及び第3音声データとして用いる様にしても良い。具体的には、「暑い。」という文言を発声させる音声データに対して、音量、速度、周波数、アクセント、抑揚等の音に関する要素を加工する様にしても良い。例えば第1音声として子供の様な音質で小さく「暑い。」と発声し、第2音声として音量、速度、周波数、アクセント及び抑揚を変化させ、けだるさをだした音質で「暑〜い。」と発声し、第3音声として、音質、速度、周波数及びアクセントを変化させ、強く怒る様な音質で「暑いっ。」と発声する。
【0052】
さらに音声出力手段14から音声を出力させるだけでなく、第2閾値との比較結果に応じて表示手段18に夫々異なる画像を表示する様にしても良い。具体的には、第2閾値との比較結果に応じて、実在する動物又は仮想的な動物の卵を示す画像、動物の幼生を示す画像、そして動物の成体を示す画像を出力する様にしても良い。
【0053】
前記実施の形態2では、温度を検出する検出手段を用いる形態を示したが、本発明はこれに限らず、押圧センサ、モーションコントロールセンサ等の様々な検出手段を用いることが可能である
【0054】
また前記実施の形態1及び実施の形態2では、携帯型電子機器として携帯型電話機を用いる形態を示したが、本発明はこれに限らず、PDA(Personal Digital Assistants) 等の様々な携帯型電子機器に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1における携帯型電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における携帯型電話機の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2における携帯型電話機の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態2における携帯型電話機1の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 携帯型電話機
10 制御手段
11 記録手段
12 通信制御手段
13 通信手段
14 音声出力手段
15 音声入力手段
16 音声処理手段
17 入力手段
18 表示手段
19 検出手段
21,22 コンピュータプログラム
31 パケット交換網
32 無線電話回線網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を出力する手段を備える携帯型電子機器において、
温度を検出する検出手段と、
該検出手段が検出した温度を予め設定している閾値と比較する手段と、
比較により検出した温度及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合、予め記録している音声データに基づく音声を出力する手段と
を備えることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
パケット交換網を介したデータ通信機能を備える携帯型電子機器において、
外部に関する状況を数値として検出する検出手段と、
該検出手段が検出した数値を予め設定している閾値と比較する手段と、
比較により検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合、
予め記録している音声データに基づく音声を出力する手段と、
及び、予め記録しているパケット交換網上の位置を指示する指示情報に基づいて、データ通信を実行する手段と
を備えることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項3】
音声を出力する手段を備える携帯型電子機器において、
外部に関する状況を数値として検出する検出手段と、
該検出手段が検出した数値を予め設定している閾値と比較する手段と、
比較により、検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した回数を計数する手段と、
計数した回数に応じて、予め記録している音声データに基づく音声を出力する音声出力手段と
を備えることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項4】
前記音声出力手段は、計数した回数に応じて異なる音声を出力するように構成していることを特徴とする請求項3に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
音声データを加工する加工手段を更に備え、
前記音声出力手段が出力する異なる音声は、一の音声データを異なる方法にて加工した加工音声データに基づく音声である
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯型電子機器。
【請求項6】
前記検出手段は、外部に関する状況として、外部雰囲気の温度を検出するように構成していることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の携帯型電子機器。
【請求項7】
前記検出手段は、外部に関する状況として、外部から加えられる物理的な力の程度を検出するように構成していることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の携帯型電子機器。
【請求項8】
電話機能を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の携帯型電子機器。
【請求項9】
音声を出力する出力手段、外部に関する状況を数値として検出する検出手段、及びパケット交換網を介してデータ通信を行う通信手段を備えるコンピュータにて実行されるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、前記検出手段が検出した数値を予め設定されている閾値と比較させる手順と、
コンピュータに、比較により検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合に、予め記録している音声データに基づく音声を前記出力手段から出力させる手順と、
コンピュータに、比較により検出した数値及び閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した場合に、予め記録しているパケット交換網上の位置を指示する指示情報に基づいて、通信手段により、データ通信を実行させる手段と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
音声を出力する出力手段、及び外部に関する状況を数値として検出する検出手段を備えるコンピュータにて実行されるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、前記検出手段が検出した数値を予め設定されている第1閾値と比較させる手順と、
コンピュータに、比較により、検出した数値及び第1閾値の大小関係が所定の関係にあると判定した回数を計数させる手順と、
コンピュータに、計数した回数を予め設定している第2閾値と比較させる手順と、
コンピュータに、比較により、計数した回数が第2閾値に到達していると判定したときに、予め記録している音声データに基づく音声を、前記出力手段から出力させる手順と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−319471(P2006−319471A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137756(P2005−137756)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】