説明

携帯型音響機器及び携帯型電子機器

【課題】携帯型電子機器において、記録媒体の空き容量が不足している場合でも、メモリカードを交換することなく、録音や撮像を行うことができ、ユーザが、音声データや画像データを記憶するチャンスを逃さないようにする。
【解決手段】制御部は、メモリカードの空き容量を検出し、撮像データを保存できるか否かの判断を行う(S2)。メモリカードの空き容量が不足している場合は(S2でNO)、制御部が、「メモリカードの空き容量が不足しています。録音を継続しますか(音声データを保存しますか)?」等のメッセージを表示部に表示する(S4)。音声データを保存する場合は(S5でYES)、ユーザが、メモリカードの中から消去対象となる音声データを選択すると(S6)、制御部は、選択された音声データをメモリカードから消去する(S7)。続いて、制御部は、マイクロフォンから出力された音声データをメモリカードに保存し(S8)、録音処理を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカード装着タイプのICレコーダやiPOD(Apple社の商品名)等の携帯型音響機器、携帯電話、及びディジタルカメラ等の携帯型電子機器に関し、特にデータの保存の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型音響機器、携帯電話、及びディジタルカメラ等の携帯型電子機器は、録音した音声データや、撮像した画像データ(以下、撮像データという)を、例えばスマートメディア(株式会社東芝の商品名)、コンパクトフラッシュ(登録商標)(米国SanDisk社の商品名)、メモリスティック(ソニー株式会社の商品名)等のメモリカードに保存する。
【0003】
この種の機器においては、メモリカードの空き容量が不足している場合、ユーザがメモリカードを交換しなければ、音声データや画像データの記憶を行うことができないので、ユーザは音声データや画像データを記憶するチャンスを逃してしまうという問題がある。
【0004】
例えば、メモリカード装着タイプのICレコーダの場合は、会議中に、メモリカードの空き容量が不足してしまうと、ユーザがメモリカードを交換しなければ、録音を行うことができないので、ユーザは会議内容の音声データを記憶するチャンスを逃してしまう。
【0005】
次に、図8を参照して、携帯型電子機器が撮影装置である場合を例に、従来の携帯型電子機器における上記の問題について説明する。まず、電源が投入されると、撮像装置はメモリカードの空き容量が十分あるか否かの判断を行う(S101)。十分空き容量がある場合は(S101でYES)、ユーザによる撮像が行われると(S102)、撮像装置は、撮像データを一時メモリであるキャッシュメモリ(SDRAM)に展開し(S103)、撮像データをメモリカードに保存し(S104)、再びS101以降の処理を行う。
【0006】
一方、メモリカードの空き容量が十分に無い場合は(S101でNO)、撮像装置は、空き容量が不足している旨のメッセージを表示し(S105)、ユーザにメモリカードの交換を促す。そして、メモリカードが交換されたか否かを判断する(S106)。メモリカードが交換された場合(S106でYES)、撮像装置は、交換されたメモリカードについて上述と同様に空き容量の判断を行う(S101)。メモリカードが交換されていない場合は(S106でNO)、再び空き容量が不足している旨のメッセージの表示を行う(S105)。そのため、メモリカードの空き容量が不足している場合、メモリカードを交換しなければ撮像を行うことができないので、ユーザは撮像したい瞬間(以下、シャッターチャンスという)を逃してしまうという問題がある。
【0007】
上記問題に対して、特許文献1は、ユーザが撮像ボタンを押した際に、画像記録部が空き容量を判断し、空き容量が不足していると判断した場合、有効度順に撮像済みの撮像データを表示部に表示するものである。しかし、この発明では、記録されている撮像データを消去しなければ、新しい撮像データを記録することができない。従って、ユーザがシャッターチャンスを逃してしまう可能性がある。
【0008】
また、特許文献2は、メモリカードの空き容量が少なく、撮像を行うことができないと判断した場合、管理データに基いて、メモリカードに保存してある撮像データを選択して外部に送信し、送信した撮像データをメモリから消去するものである。しかし、この発明では、ディジタルカメラと外部の記憶装置とが通信等により接続されていない場合、撮像データを外部に送信することができず、撮像を行うことができない。従って、ユーザがシャッターチャンスを逃してしまう可能性がある。
【0009】
また、特許文献3は、撮像データの保存先を変更できるものであるが、撮像データを保存するメモリカードの空き容量が不足している場合でも、撮像を行うことができる概念は示されていない。そのため、上記特許文献1乃至3に記載された発明では、上記問題を解決できない。
【特許文献1】特開2002−369125号公報
【特許文献2】特開平10―304231号公報
【特許文献3】特開2002−094851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、記録媒体の空き容量が不足している場合でも、メモリカードを交換することなく、録音や撮像を行うことができ、ユーザが、音声データや画像データを記憶するチャンスを逃すことの少ない携帯型音響機器及び携帯型電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、音声を電気信号に変換するマイクロフォンと、操作用のボタン等を有する操作手段と、各種のメッセージ等を表示するための表示手段と、装置本体に着脱自在で、前記マイクロフォンから出力された音声の電気信号のデータ(以下、音声データという)を保存するための記録媒体と、前記音声データの前記記録媒体への保存を制御する保存制御手段とを備えた携帯型音響機器において、前記記録媒体の空き容量を検出する記録容量検出手段をさらに備え、前記保存制御手段は、前記マイクロフォンから出力された音声データを前記記録媒体に保存する際に、前記記録容量検出手段により、前記記録媒体の空き容量を検出して、前記音声データを前記記録媒体に保存できるか否かを判断し、この判断の結果、保存できない場合に、前記記録媒体の空き容量が不足している旨のメッセージ、及び前記マイクロフォンから出力された音声データを前記記録媒体に保存するか否かの選択を促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、ユーザが、前記操作手段を用いて、前記音声データを前記記録媒体に保存することを選択したときに、ユーザに、前記記録媒体に保存されている音声データの中から、消去対象となる音声データを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、ユーザが前記操作手段を用いて消去対象となる音声データを選択したときに、選択された音声データを前記記録媒体から消去するものである。
【0012】
請求項2の発明は、被写体を撮像するための撮像手段と、操作用のボタン等を有する操作手段と、撮像した画像や各種のメッセージ等を表示するための表示手段と、撮像した画像のデータ(以下、撮像データという)を展開するための一時記憶手段と、装置本体に着脱自在で、前記撮像データを保存するための記録媒体と、前記一時記憶手段に展開された撮像データの前記記録媒体への保存を制御する保存制御手段とを備えた携帯型電子機器において、前記記録媒体の空き容量を検出する記録容量検出手段をさらに備え、前記保存制御手段は、前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存する際に、前記記録容量検出手段により、前記記録媒体の空き容量を検出して、前記撮像データを前記記録媒体に保存できるか否かを判断し、この判断の結果、保存できない場合に、前記記録媒体の空き容量が不足している旨のメッセージ、及び前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存するか否かの選択を促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、ユーザが、前記操作手段を用いて、前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存することを選択したときに、ユーザに、前記記録媒体に保存されている撮像データの中から、消去対象となる撮像データを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、ユーザが前記操作手段を用いて消去対象となる撮像データを選択したときに、選択された撮像データを前記記録媒体から消去し、前記一時記録手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存するものである。
【0013】
請求項3の発明は、音声データや画像データ等のデータを入力するための入力手段と、操作用のボタン等を有する操作手段と、各種のメッセージ等を表示するための表示手段と、装置本体に着脱自在で、前記入力手段により入力されたデータを保存するための記録媒体と、前記データの前記記録媒体への保存を制御する保存制御手段とを備えた携帯型電子機器において、前記記録媒体の空き容量を検出する記録容量検出手段をさらに備え、前記保存制御手段は、前記入力手段により入力されたデータを前記記録媒体に保存する際に、前記記録容量検出手段により、前記記録媒体の空き容量を検出して、前記データを前記記録媒体に保存できるか否かを判断し、この判断の結果、保存できない場合に、ユーザに、前記記録媒体に保存されているデータの中から、消去対象となるデータを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、ユーザが前記操作手段を用いて消去対象となるデータを選択したときに、選択されたデータを前記記録媒体から消去するものである。
【0014】
請求項4の発明は、被写体を撮像するための撮像手段と、操作用のボタン等を有する操作手段と、撮像した画像や各種のメッセージ等を表示するための表示手段と、撮像した画像のデータ(以下、撮像データという)を展開するための一時記憶手段と、装置本体に着脱自在で、前記撮像データを保存するための記録媒体と、前記一時記憶手段に展開された撮像データの前記記録媒体への保存を制御する保存制御手段とを備えた携帯型電子機器において、前記記録媒体の空き容量を検出する記録容量検出手段をさらに備え、前記保存制御手段は、前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存する際に、前記記録容量検出手段により、前記記録媒体の空き容量を検出して、前記撮像データを前記記録媒体に保存できるか否かを判断し、この判断の結果、保存できない場合に、ユーザに、前記記録媒体に保存されている撮像データの中から、消去対象となる撮像データを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、ユーザが前記操作手段を用いて消去対象となる撮像データを選択したときに、選択された撮像データを前記記録媒体から消去し、前記一時記録手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存するものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4に記載の携帯型電子機器において、前記保存制御手段は、前記撮像データを前記記録媒体に保存できるか否かの判断の結果、保存できない場合に、前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存するか否かの選択を促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、ユーザが、前記操作手段を用いて、前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存することを選択したときに、ユーザに、前記記録媒体に保存されている撮像データの中から、消去対象となる撮像データを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、記録媒体の空き容量が不足している場合でも、記録媒体を交換することなく録音や撮像を行うことができるため、ユーザは、音声データや画像データを記憶するチャンスを逃さないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。第1の実施形態によるICレコーダ(請求項における携帯型音響機器及び携帯型電子機器)は、請求項1及び3に対応する。図1は、第1の実施形態によるICレコーダの外観を示す。
【0018】
ICレコーダ1は、メモリカード装着タイプのものであり、音声を電気信号に変換し、電子データとしてメモリカード8(請求項における記録媒体)に保存するものである。メモリカード8は、ICレコーダ1の装着口10から着脱自在である。ICレコーダ1は、音声を電気信号に変換するマイクロフォン2と、録音ボタン3等の操作用のボタンを有する操作部5と、各種のメッセージ等を表示するための表示部4(表示手段)と、マイクロフォン2から出力された音声の電気信号のデータ(以下、音声データという)を記憶(録音)するためのメモリカード8と、音声データのメモリカード8への保存の制御を含む、装置各部の制御を行う制御部7(保存制御手段、記録容量検出手段)を有している。また、ICレコーダ1は、制御部7により用いられる制御用のプログラムを含む各種のプログラムやデータを記憶するための内部メモリ9と、録音した音声の再生時に再生した音声を出力するためのスピーカ6とを有している。
【0019】
次に、ICレコーダ1における録音処理について図2を参照して説明する。ユーザにより録音ボタン3が押下されて録音が開始されると(S1)、制御部7は、メモリカード2の空き容量を検出し、新たな音声データを保存できるか否かの判断を行う(S2)。メモリカード2に保存できる場合は(S2でYES)、制御部7は、マイクロフォン2から出力された音声データをメモリカード8に保存し(S3)、録音処理を終了する。
【0020】
一方、メモリカード2の空き容量が不足している場合は(S2でNO)、制御部7が、「メモリカードの空き容量が不足しています。録音を継続しますか(音声データを保存しますか)?」等の空き容量が不足している旨のメッセージ、及び録音を継続するか否か(音声データをメモリカード2に保存するか否か)の選択を促すためのメッセージを表示部4に表示する(S4)。そして、ユーザは、操作部5を操作することにより、録音を継続するか否か(音声データをメモリカード2に保存するか否か)の選択を行う(S5)。
【0021】
音声データを保存しない場合(S5でNO)、録音処理を終了する。
【0022】
音声データを保存する場合(S5でYES)、ユーザがメモリカード8の中から、消去対象となる音声データを選択すると(S6)、制御部7は選択された音声データをメモリカード8から消去する(S7)。続いて、制御部7は、マイクロフォン2から出力された音声データをメモリカード8に保存し(S8)、録音処理を終了する。
【0023】
上記のように、第1の実施形態に係るICレコーダ1によれば、メモリカード8の空き容量を検出し、音声データを保存できるか否かを判断する。空き容量が不足している場合は、ユーザが選択したメモリカード8内の音声データを消去することにより、マイクロフォン2から出力された音声データをメモリカード8に保存することができる。そのため、メモリカード8の空き容量が不足している場合でも、メモリカード8を交換することなく、撮像を行えるため、ユーザは、音声データを記憶するチャンスを逃さないようにすることができる。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。第2の実施形態による撮像装置(請求項における携帯型電子機器)は、請求項2乃至5に対応する。図3(a)(b)は、第2の実施形態による撮像装置の前面と背面を示し、図4は、同撮像装置の内部構成を示す。
【0025】
撮像装置11は、撮像した情報を電気信号に変換し、電子データとして外部のメモリカード12(記録媒体)に保存するものであり、メモリカード12は、撮像装置11の装着部12に着脱自在である。撮像装置11は、被写体を撮像するための撮像ユニット21(撮像手段)と、操作用のボタン等を有する操作部24と、撮像した画像や各種のメッセージ等を表示するための表示部23(表示手段)と、撮像した画像のデータ(以下、撮像データという)等を一時的に保存するためのSDRAM26(一時記憶手段)と、メモリカード12を装着するための装着部22と、装着部22に装着されるメモリカード12と、装置各部を制御する制御部25(保存制御手段)とを備えている。
【0026】
制御部25は、メモリカード12の空き容量を検出する記録容量検出手段151を有している。制御部25は、記録容量検出手段151が検出した検出結果を用いて、撮像データを保存することができるか否かの判断を行う。
【0027】
次に、撮像装置11における撮像処理について図5を参照して説明する。ユーザにより撮像が行われると(S11)、制御部25は、撮像された撮像データをSDRAM26に展開する(S12)。そして、記録容量検出手段151を用いて、メモリカード12の空き容量を検出し、撮像データを保存できるか否かの判断を行う(S13)。メモリカード12に保存できる場合は(S13でYES)、SDRAM26に展開した撮像データをメモリカード12に保存し(S14)、撮像処理は終了する。
【0028】
一方、メモリカード12の空き容量が不足している場合は(S13でNO)、制御部25が、「メモリカードの空き容量が不足しています。撮像データを保存しますか?」等の空き容量が不足している旨のメッセージ、及び撮像データをメモリカード12に保存するか否かの選択を促すためのメッセージを表示部23に表示する(S15)。そして、ユーザは、操作部24を操作することにより、撮像データを保存するか否かの選択を行う(S16)。
【0029】
撮像データを保存しない場合(S16でNO)、SDRAM26に展開した撮像データを破棄し(S20)、撮像処理を終了する。
【0030】
撮像データを保存する場合(S16でYES)、ユーザがメモリカード12の中から、消去対象となる撮像データを選択すると(S17)、撮像装置11の制御部25は選択された撮像データをメモリカード12から消去する(S18)。続いて、SDRAM26に展開された撮像データをメモリカード12に保存し(S19)、撮像処理を終了する。
【0031】
上記のように、第2の実施形態に係る撮像装置によれば、SDRAM26に撮像データを展開した後に、メモリカード12の空き容量を検出し、撮像データを保存できるか否かを判断する。空き容量が不足している場合は、ユーザが選択したメモリカード12内の撮像データを消去することにより、SDRAM26に展開した撮像データをメモリカード12に保存することができる。そのため、メモリカード12の空き容量が不足している場合でも、メモリカード12を交換することなく、撮像を行えるため、ユーザは、撮像したい瞬間(以下、シャッターチャンスという)を逃すことなく撮像を行うことができ、かつ、撮像した画像データを保存することができる。
【0032】
次に、本発明の第3の実施形態に係る撮像装置について説明する。第3の実施形態による撮像装置11(請求項における携帯型電子機器)も、上記第2の実施形態による撮像装置11と同様、請求項2乃至5に対応する。この撮像装置11は、9枚連続して撮像が行えること以外は、第2の実施形態に係る撮像装置の構成と同様である。連続して撮像を行う場合の連続撮像処理について図6を参照して説明する。なお、第3の実施形態においては、9枚連続して撮像する場合を示すが、これに限られず、任意の枚数を連続して撮像されるものでもよい。
【0033】
ユーザにより、9枚連続して撮像が行われると(S21)、制御部25は、全ての撮像データをSDRAM26に展開し(S22)、その内の1枚の撮像データを取り出し(S23)、図3と同様に、メモリカード12にこの撮像データを保存するための空き容量があるか否かを判断する(S24)。空き容量が十分な場合は(S24でYES)、メモリカード12に撮像データを保存する(S25)。そして、制御部25は、S23の処理で取り出されていない撮像データがあるか否かを判断し(S32)、撮像データがある場合(S32でYES)は、再びS23以降の処理を行う。取り出されていない撮像データがない場合は(S32でNO)、連続撮像処理を終了する。
【0034】
一方、空き容量が不足している場合は(S24でNO)、図5と同様に、空き容量が不足している旨のメッセージ、及び撮像データを保存するか否かの選択を促すためのメッセージを表示部23に表示する(S26)。そして、ユーザが撮像データを保存するか否かの選択を行い(S27)、撮像データを保存する場合は(S27でYES)、制御部25は、ユーザに、メモリカード12に保存されている撮像データの中から、消去対象となる撮像データを選択するように促すためのメッセージを表示部23に表示する。そして、ユーザが操作部24を用いて、消去対象となる撮像データを選択すると、ユーザが選択した撮像データをメモリカード12から消去し(S28、S29)、代わりに撮像した撮像データを保存し(S30)、S32の処理を行う。撮像データ保存しない場合は(S27でNO)、SDRAM26から該当の撮像データを破棄し(S31)、S32の処理を行う。
【0035】
上記のように、第3の実施形態に係る撮像装置11によれば、メモリカード12の空き容量が不足している場合でも、メモリカード12を交換することなく連続撮像が行えるため、ユーザは、シャッターチャンスを逃すことなく、連続撮像を行うことができ、かつ、連続撮像した撮像データを保存することができる。
【0036】
次に、本発明の第4の実施形態に係る撮像装置について説明する。この撮像装置11は、撮像を行った際に、メモリカード12の空き容量が不足していた場合、別のメモリカード12と入れ替えることができること以外は、第2の実施形態に係る撮像装置11の構成と同様である。この撮像装置11の撮像処理について図7を参照して説明する。
【0037】
図5に示す処理と同様に、ユーザにより撮像が行われると(S41)、制御部25は、撮像された撮像データをSDRAM26に展開し(S42)、撮像データをメモリカード12に保存できるか否かの判断を行う(S43)。メモリカード12に保存できる場合は(S43でYES)、メモリカード12に撮像データを保存し(S44)、撮像処理を終了する。
【0038】
メモリカード12の空き容量が不足している場合(S43でNO)、制御部25は、表示部23に「メモリカードの空き容量が不足しています。メモリカードを交換してください」等の空き容量が不足している旨のメッセージ、及びユーザにメモリカード12の交換を促すためのメッセージの表示を行い(S45)、ユーザがメモリカード12を交換したか否かの判断を行う(S46)。
【0039】
ユーザがメモリカード12を交換した場合(S46でYES)、制御部25は、再びS43以下の処理を行い、交換されたメモリカード12に十分な空き容量があれば、メモリカード12に撮像データの保存を行い(S44)、撮像処理を終了する。
【0040】
上記のように、第4の実施形態に係る撮像装置11によれば、撮像を行った後に、メモリカード12の交換を行うことができるため、メモリカード12の空き容量が不足している場合でも、ユーザは、シャッターチャンスを逃すことなく、撮像を行うことができ、かつ、撮像した画像データを保存することができる。
【0041】
なお、上記の各実施形態では、本発明を、音声データを録音するICレコーダ、及び静止画の撮像データを保存する撮像装置に適用した場合の例を示したが、これに限られず、iPOD(Apple社の商品名)等の携帯型音響機器、及びディジタルカメラ付きの携帯電話、動画を撮影してメモリカードに保存する撮像装置等の画像の撮像処理を行う携帯型電子機器に本発明を適用してもよい。
【0042】
また、上記の各実施形態は、組み合わせることができる。例えば、第2と第4の実施形態に係る撮像装置を組み合わせて、メモリカード12に空き容量が不足している場合、ユーザはメモリカード12内の撮像データを消去するか、または、別のメモリカード12に入れ替えるかのどちらかを選択できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るICレコーダの外観を示す図。
【図2】上記ICレコーダにおける録音処理のフローチャート。
【図3】(a)(b)は、それぞれ本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の前面図と背面図。
【図4】上記撮像装置の内部構成を示すブロック図。
【図5】上記撮像装置における撮像処理のフローチャート。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る撮像装置の連続撮像処理のフローチャート。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る撮像装置の撮像処理のフローチャート。
【図8】従来の撮像装置の撮像処理のフローチャート。
【符号の説明】
【0044】
1 ICレコーダ(携帯型音響機器、携帯型電子機器)
2 マイクロフォン(入力手段)
4 表示部(表示手段)
5 操作部(操作手段)
7 制御部(保存制御手段、記録容量検出手段)
8 メモリカード(記録媒体)
11 撮像装置(携帯型電子機器)
12 メモリカード(記録媒体)
21 撮像ユニット(撮像手段、入力手段)
23 表示部(表示手段)
24 操作部(操作手段)
25 制御部(保存制御手段)
26 SDRAM(一時記憶手段)
151 記録容量検出手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を電気信号に変換するマイクロフォンと、
操作用のボタン等を有する操作手段と、
各種のメッセージ等を表示するための表示手段と、
装置本体に着脱自在で、前記マイクロフォンから出力された音声の電気信号のデータ(以下、音声データという)を保存するための記録媒体と、
前記音声データの前記記録媒体への保存を制御する保存制御手段とを備えた携帯型音響機器において、
前記記録媒体の空き容量を検出する記録容量検出手段をさらに備え、
前記保存制御手段は、
前記マイクロフォンから出力された音声データを前記記録媒体に保存する際に、前記記録容量検出手段により、前記記録媒体の空き容量を検出して、前記音声データを前記記録媒体に保存できるか否かを判断し、
この判断の結果、保存できない場合に、前記記録媒体の空き容量が不足している旨のメッセージ、及び前記マイクロフォンから出力された音声データを前記記録媒体に保存するか否かの選択を促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、
ユーザが、前記操作手段を用いて、前記音声データを前記記録媒体に保存することを選択したときに、ユーザに、前記記録媒体に保存されている音声データの中から、消去対象となる音声データを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、
ユーザが前記操作手段を用いて消去対象となる音声データを選択したときに、選択された音声データを前記記録媒体から消去することを特徴とする携帯型音響機器。
【請求項2】
被写体を撮像するための撮像手段と、
操作用のボタン等を有する操作手段と、
撮像した画像や各種のメッセージ等を表示するための表示手段と、
撮像した画像のデータ(以下、撮像データという)を展開するための一時記憶手段と、
装置本体に着脱自在で、前記撮像データを保存するための記録媒体と、
前記一時記憶手段に展開された撮像データの前記記録媒体への保存を制御する保存制御手段とを備えた携帯型電子機器において、
前記記録媒体の空き容量を検出する記録容量検出手段をさらに備え、
前記保存制御手段は、
前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存する際に、前記記録容量検出手段により、前記記録媒体の空き容量を検出して、前記撮像データを前記記録媒体に保存できるか否かを判断し、
この判断の結果、保存できない場合に、前記記録媒体の空き容量が不足している旨のメッセージ、及び前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存するか否かの選択を促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、
ユーザが、前記操作手段を用いて、前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存することを選択したときに、ユーザに、前記記録媒体に保存されている撮像データの中から、消去対象となる撮像データを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、
ユーザが前記操作手段を用いて消去対象となる撮像データを選択したときに、選択された撮像データを前記記録媒体から消去し、前記一時記録手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存することを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項3】
音声データや画像データ等のデータを入力するための入力手段と、
操作用のボタン等を有する操作手段と、
各種のメッセージ等を表示するための表示手段と、
装置本体に着脱自在で、前記入力手段により入力されたデータを保存するための記録媒体と、
前記データの前記記録媒体への保存を制御する保存制御手段とを備えた携帯型電子機器において、
前記記録媒体の空き容量を検出する記録容量検出手段をさらに備え、
前記保存制御手段は、
前記入力手段により入力されたデータを前記記録媒体に保存する際に、前記記録容量検出手段により、前記記録媒体の空き容量を検出して、前記データを前記記録媒体に保存できるか否かを判断し、
この判断の結果、保存できない場合に、ユーザに、前記記録媒体に保存されているデータの中から、消去対象となるデータを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、
ユーザが前記操作手段を用いて消去対象となるデータを選択したときに、選択されたデータを前記記録媒体から消去することを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項4】
被写体を撮像するための撮像手段と、
操作用のボタン等を有する操作手段と、
撮像した画像や各種のメッセージ等を表示するための表示手段と、
撮像した画像のデータ(以下、撮像データという)を展開するための一時記憶手段と、
装置本体に着脱自在で、前記撮像データを保存するための記録媒体と、
前記一時記憶手段に展開された撮像データの前記記録媒体への保存を制御する保存制御手段とを備えた携帯型電子機器において、
前記記録媒体の空き容量を検出する記録容量検出手段をさらに備え、
前記保存制御手段は、
前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存する際に、前記記録容量検出手段により、前記記録媒体の空き容量を検出して、前記撮像データを前記記録媒体に保存できるか否かを判断し、
この判断の結果、保存できない場合に、ユーザに、前記記録媒体に保存されている撮像データの中から、消去対象となる撮像データを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、
ユーザが前記操作手段を用いて消去対象となる撮像データを選択したときに、選択された撮像データを前記記録媒体から消去し、前記一時記録手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存することを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項5】
前記保存制御手段は、
前記撮像データを前記記録媒体に保存できるか否かの判断の結果、保存できない場合に、前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存するか否かの選択を促すためのメッセージを前記表示手段に表示し、
ユーザが、前記操作手段を用いて、前記一時記憶手段に展開された撮像データを前記記録媒体に保存することを選択したときに、ユーザに、前記記録媒体に保存されている撮像データの中から、消去対象となる撮像データを選択するように促すためのメッセージを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項4に記載の携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−240771(P2007−240771A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61701(P2006−61701)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】