説明

携帯情報端末装置

【課題】安定した保持が行えると同時に、観察者の顔と装置との相対的な位置関係の制約が少ない携帯情報端末装置を提供する。
【解決手段】把持部3と、表示面1aを有する表示部1と、ビームコンバイナ2と、ビームコンバイナ2を表示部1に対して開閉可能に支持するビームコンバイナ開閉部材6と、表示部1を把持部3に対して開閉可能に支持する表示部開閉部材5と、表示部開閉部材5の近傍に変位可能に設けられ、集音機能を有する集音ユニット11を備え、ビームコンバイナ2が格納された状態と展開された状態とで、集音ユニット11の位置を異ならせることができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶パネルなどの表示素子を有する携帯情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一人の人間が複数のコンピュータを使用するネットワーク社会、いわゆるユビキタス・ネットワーク社会が提唱されている。ユビキタス・ネットワーク社会では、インターネット等の情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境が実現できる。このようなアクセスに使う携帯情報端末装置は、パソコンに限られず、例えば携帯電話等も用いることができる。
【0003】
また、携帯電話も通話とディスプレイ認識とを同時に行える表示機能付き携帯情報端末装置としての構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に開示されている構成では、小型のディスプレイをホログラム素子により遠方に拡大投影する。これにより、例えば通話をしながら表示画像情報を見ることができる。さらに、ホログラム素子を介して遠方の物体の透過像を同時に観察できる。この表示機能付き携帯情報端末装置は、実視野の像に重畳させてデジタル情報を表示する、いわゆるシースルービュアー(see−through viewer)として用いることができる。
【特許文献1】特開2001−308997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術の表示機能付き携帯情報端末装置は、使用者(観察者)の顔の前で装置を保持する構成となっている。そのため、安定して保持することが難しい。また、マイクの位置が決まっているので、観察者の顔と装置との相対的な位置関係が限定される。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、安定した保持が行えると同時に、観察者の顔と装置との相対的な位置関係の制約が少ない携帯情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による携帯情報端末装置は、情報入力部を有する把持部と、前記情報入力部で入力した情報又は外部から得た情報を表示する表示面を有する表示部と、ビームコンバイナと、前記ビームコンバイナを前記表示部に対して開閉可能に支持するビームコンバイナ開閉部材と、前記把持部に対して前記表示部を開閉可能に支持する表示部開閉部材と、前記表示部開閉部材の近傍に変位可能に設けられ、集音機能を有する集音ユニットを備えたことを特徴とする。
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記集音ユニットが、棒状部材と、回転機構と、マイクロフォンを有し、前記回転機構が、前記表示部開閉部材の近傍に設けられ、前記棒状部材の一端は、前記回転機構に接続され、前記マイクロフォンが、前記棒状部材の一端とは異なる位置に設けられているのが好ましい。
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記棒状部材が、伸縮自在な構造を有していることを特徴とする。
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記集音ユニットが、移動機構と、マイクロフォンを有し、前記移動機構が、前記把持部の一端から他端に沿って移動可能に設けられ、前記マイクロフォンが、前記移動機構に設けられているのが好ましい。
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記集音ユニットが、形状可変部材と、マイクロフォンを有し、前記形状可変部材の一端が、前記表示部開閉部材の近傍に接続され、前記マイクロフォンが、前記形状可変部材の一端とは異なる位置に設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、安定した保持が行えると同時に、観察者の顔と装置との相対的な位置関係の制約が少ない携帯情報端末装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
図1は、一実施形態にかかる携帯情報端末装置における説明図を示している。図1では、携帯情報端末装置の表示部とビームコンバイナとの位置、及びこれらと観察像との関係を示している。なお、図1中、Eは観察者の眼球である。
本実施形態の携帯情報端末装置は、情報入力部(図示省略)を有する把持部3と、表示面1aを有する表示部1と、ビームコンバイナ2を有している。表示面1aは、画像(情報)を表示する。ビームコンバイナ2は、表示面1aに表示された画像(情報)を、拡大するような光学的パワーを持つ。このビームコンバイナ2は、ハーフミラーで構成されている。また、把持部3と表示部1の接続部には、表示部開閉部材5が設けられている。また、表示部1とビームコンバイナ2の接続部には、ビームコンバイナ開閉部材6が設けられている。
表示部1の表示面1aに表示された画像(情報)は、ビームコンバイナ2で反射されて観察者の瞳Eに導かれる。観察者の瞳Eからは、ビームコンバイナ2を隔てた所定の位置に、表示面1aに表示された画像(情報)の虚像が、拡大形成される。よって、観察者は、この虚像を拡大観察できる。
【0009】
さらに、本実施形態の携帯情報端末装置では、集音ユニット7が、表示部開閉部材5の近傍に設けられている。集音ユニット7は、表示部1に対してその位置を変化させることができるようになっている。通常は、把持部3の側面に格納されている。そして、シースルービュアーで会話が必要になった時に、格納位置から、所定の位置に移動させる。この所定の位置は、使用者が携帯情報端末装置をシースルービュアーとして用いた時に、使用者の口に近い位置である。
【0010】
なお、本実施形態の携帯情報端末では、表示面1aで表示された画像をビームコンバイナ2で反射して、観察者の瞳に導くように構成している。このような構成の携帯情報端末装置においては、ビームコンバイナ2が、表示面1aに対して偏心配置されている。このため、ビームコンバイナ2を介して観察される像に偏心収差が生じやすい。
しかるに、本実施形態のように、ビームコンバイナ2に非対称なパワーを持たせている。具体的には、仮想線Lに沿う方向において、徐々にパワーが変化するように、ビームコンバイナ2の光学面を形成する。このようにすれば、表示面1aに対しビームコンバイナ2が偏心していることにより偏心収差が発生しても、この偏心収差を補正することができる。
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
図2は、実施例1の携帯情報端末装置を、側方からみた概略図である。ここで、(a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナを展開した状態を示している。図3は、携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと観察者の瞳位置との関係を示す説明図である。
【0013】
実施例1の携帯情報端末装置は、情報入力部4を有する把持部3と、表示面1aを有する表示部1と、光学的パワーを有するビームコンバイナ2と、表示部開閉部材5を有している。ここで、表示面1aは、情報入力部4で入力した情報、又は外部から受信した情報を表示する。また、表示部開閉部材5は、表示部1を把持部3に対して開閉可能に支持している。このような構成により、実施例1の携帯情報端末装置は、所謂折り畳みタイプの携帯電話機として構成されている。
そして、更に、ビームコンバイナ2が、ビームコンバイナ開閉部材6を介して、表示部1に接続されている。この接続位置は、表示部1の一端側であって、表示部開閉部材5と対向する位置である。このビームコンバイナ開閉部材6によって、表示部1に対して所定の角度で、ビームコンバイナ2を固定することができる。このような構成により、実施例1の携帯情報端末装置は、図3に示すように、シースルービュアーとしても構成されている。
【0014】
表示部開閉部材5は、図4に示すように、円筒部5bと円筒部5aと、バネ5cと、球状部材5dと、ピン5eと、止め具5fを有している。ここで、円筒部5bは、表示部1の一端に一体形成されている。また、円筒部5aは、把持部3の一端に一体形成されている。
円筒部5aには、長手方向に沿って、中央に貫通孔5a1が形成されている。そして、円筒部5aの一端には、ピン5eの頭部を収納するための凹部5a2が、他端には、バネ5cを取り付けるための取付部(図示省略)が、それぞれ形成されている。
円筒部5bの中央には、長手方向に沿って、中央に貫通孔5b1が形成されている。そして、円筒部5bの一端には、止め具5fを収納するための凹部(図示省略)が、他端には、球状部材5dの一部を嵌合可能な係止溝5b2,5b3が、それぞれ形成されている。
【0015】
そして、表示部開閉部材5では、バネ5cを円筒部5aの取付部に取り付けるとともに、バネ5cの先端に球状部材5dを取り付けている。そして、この状態で、ピン5eを円筒部5aの凹部5a2側から、円筒部5a,5bの貫通孔5a1,5b1に通し、その先端を止め具5fで止めている。このような構成により、表示部開閉部材5は、表示部1を把持部3に対し開閉可能に支持している。
また、表示部開閉部材5では、表示部1を展開したときに、球状部材5dが係止溝5b2,5b3に嵌合し、且つ、バネ5cに付勢される。このようにすることで、表示部1と把持部3を、任意の角度で固定することができるようになっている。
なお、表示部開閉部材5の具体的な構成は、上記構成に限定されるものではない。例えば、円筒部5a,5bのそれぞれに磁石を備えた係止部を設け、互いの係止部が当接したときに、表示部1と把持部3が固定されるように構成してもよい。
【0016】
ビームコンバイナ開閉部材6は、円筒部6aと係止部6bと、円筒部6cと、係止爪6c2と、図示省略したピン及び止め具を有している。ここで、円筒部6aと係止部6bは、表示部1の他端に一体形成されている。一方、円筒部6cは、ビームコンバイナ2の一端に一体形成されている。また、係止爪6c2は、円筒部6cに一体形成されている。
円筒部6a,6cには、中央に貫通孔6a1,6c1がそれぞれ形成されている。係止部6b及び係止爪6c2にはそれぞれ磁石が設けられている。
【0017】
そして、ビームコンバイナ開閉部材6は、図示省略したピンを円筒部6a,6cの貫通孔6a1,6c1に通し、その先端を図示省略した止め具で止めて構成されている。このような構成により、ビームコンバイナ開閉部材6は、ビームコンバイナ2を、表示部1に対し開閉可能に支持している。
また、ビームコンバイナ開閉部材6は、ビームコンバイナ2を展開したときに、係止爪6c2が係止部6bに当接し、且つ、互いの磁力でその状態を保持することで、ビームコンバイナ2を表示部1に対して固定することができるようになっている。
なお、ビームコンバイナ開閉部材6は、上記構成に限定されるものではない。例えば、表示部開閉部材5における球状部材5dが係止溝5b2,5b3に嵌合し、且つ、バネ5cに付勢される構成と同様に構成してもよい。
【0018】
このような構成によって、図3に示すように、表示面1aに表示された情報が、観察者の瞳E方向に反射されるようになっている。このように、実施例1の携帯情報端末装置は、携帯電話としての使用と、シースルービュアーとしての使用が可能になる。
【0019】
さらに、実施例1の携帯情報端末装置では、図5に示すように、集音ユニット7が、把持部3の側面3aに設けられている。図5は、図4において、把持部3をXの方向から見たときの様子を示す。集音ユニット7は、回転機構7a、棒状部材7b及びマイクロフォン7cを有する。回転機構7aは、把持部3の側面3aに設けられている。そして、回転機構7aに、棒状部材7bの一端が接続されている。また、棒状部材7bの他端には、マイクロフォン7cが接続されている。
回転機構7aは、公知の回転機構が用いられる。なお、少なくとも2つの位置で、マイクロフォン7cの位置を固定できるようにするのが好ましい。この固定には、クリック機構を用いればよい。このような回転機構7aとしては、例えば、上述の、表示部開閉部材5の構造を利用すればよい。
【0020】
2つの位置のうち、1つの位置は、図5に示すAの位置である。これは、携帯情報端末装置を携帯電話として使用した時に、使用者の声を集音可能とする位置である。よって、マイクロフォン7cの位置が把持部3の側面3aの端部とほぼ一致するように、棒状部材7bの長さが設定されている。もう1つの位置は、図5に示すBの位置である。これは、携帯情報端末装置をシースルービュアーとして使用した時に、使用者の声を集音可能とする位置である。
このように、回転機構7aによって、マイクロフォン7cを、使用者の口の近傍に位置させることができる。そのため、携帯電話として使用した時であっても、シースルービュアーとして使用した時であっても、使用者の声を確実に集音することができる。
【0021】
なお、図4に示す構成では、ビームコンバイナ2を展開し左手で把持部3を掴みビームコンバイナ2を通して観察できるように、携帯情報端末装置(あるいは保持している手)を、使用者の頭部の左側に当接して保持する。すると、ビームコンバイナ2が、把持部3の右側に来るとともに、携帯情報端末装置よりも下に、使用者の口が位置する。そのため、本実施例では、把持部3の側面3aに、集音ユニット7が設けられている。なお、右手で使用する装置では、把持部3の側面3bに、集音ユニット7を設けることになる。
また、集音ユニット7は、表示部1の側面に配置されるように設けてもよい。そして、ビームコンバイナ2を展開した場合に、ビームコンバイナ開閉部材6側に、マイクロフォン7cが位置するようにする。このようにすれば、集音ユニット7を、アンテナとして使用することもできる。この場合、マイクロフォン7cの位置は、図5の位置Bよりも、更に使用者の口から離れた位置になる。よって、マイクロフォン7cとしては、より高い集音能力を持つものを用いるのが好ましい。
また、棒状部材7bは、伸縮可能に構成しても良い。このようにすれば、使用者の口からマイクロフォン7cまでの距離を調節することができる。
【0022】
以上のように、本実施例の携帯情報端末装置は、シースルービュアーとして使用する場合、携帯情報端末装置を、観察者の頭部の左側に当接させて保持する構成になっている。よって、携帯情報端末装置を、安定して保持することができる。更に、集音ユニットが移動可能になっているので、確実に使用者の声を集音することができる。
【実施例2】
【0023】
図6は、実施例2にかかる携帯情報端末装置の概略構成を示す斜視図である。ここで、(a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナと表示面構成部を展開した状態を示している。図7は、携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと観察者の瞳位置との関係を示す説明図である。
【0024】
実施例2の携帯情報端末装置は、情報入力部4を有する把持部3と、表示部1と、光学的パワーを有するビームコンバイナ2と、外枠部開閉手段5を有している。ここで、表示部1は、表示面1aと、表示面1aの周りを囲む外枠部1bとを有する。なお、図中1a’は表示面1aを含む表示面構成部である。ここで、表示面1aは、情報入力部4で入力した情報、又は外部から受信した情報を表示する。また、外枠部開閉手段5は、表示部1の外枠部1bを把持部3に対して開閉可能に支持している。このような構成により、実施例2の携帯情報端末装置は、所謂折り畳みタイプの携帯電話機として構成されている。
そして、更に、ビームコンバイナ2が、ビームコンバイナ開閉部材6を介して、表示部1に接続されている。この接続位置は、表示部1の一端側であって、表示部開閉部材5と対向する位置である。このビームコンバイナ開閉部材6によって、表示部1に対して所定の角度で、ビームコンバイナ2を固定することができる。このような構成により、実施例2の携帯情報端末装置は、図7に示すように、シースルービュアーとしても構成されている。
【0025】
表示部開閉部材5、ビームコンバイナ開閉部材6は、実施例1で説明したとおりである。また、表示面回動部材9は、表示面1aを外枠部1bに対して回動可能に支持し、且つ、表示面1aを所定量回動させたときの状態を保持する構成を有する。表示面回動部材9としては、公知の回転機構を用いればよい。よって、具体的な構成について、詳細な説明は省略する。
【0026】
実施例2の携帯情報端末装置では、図8(a)に示すように、集音ユニット8が、把持部3の側面3aに設けられている。図8は、図6において、把持部3をXの方向から見たときの様子を示す。集音ユニット8は、移動機構8a及びマイクロフォン8cを有する。移動機構8aは、把持部3の側面3aに設けられている。そして、移動機構8aに、マイクロフォン8cが搭載されている。
移動機構8aは、公知の移動機構が用いられる。例えば、図8(b)に示すような、アリ溝8bを利用したスライド機構である。なお、少なくとも2つの位置で、マイクロフォン8cの位置を固定できるようにするのが好ましい。この固定には、クリック機構を用いればよい。
【0027】
2つの位置のうち、1つの位置は、図8に示すAの位置である。これは、携帯情報端末装置を携帯電話として使用した時に、使用者の声を集音可能とする位置である。よって、マイクロフォン8cの位置が把持部3の端部とほぼ一致するように、アリ溝の長さが設定されている。もう1つの位置は、図8に示すBの位置である。これは、携帯情報端末装置をシースルービュアーとして使用した時に、使用者の声を集音可能とする位置である。
このように、移動機構8aによって、マイクロフォン8cを、使用者の口の近傍に位置させることができる。そのため、携帯電話として使用した時であっても、シースルービュアーとして使用した時であっても、使用者の声を確実に集音することができる。
【0028】
なお、図6に示す構成では、ビームコンバイナ2を展開し左手で把持部3を掴みビームコンバイナ2を通して観察できるように、携帯情報端末装置(あるいは保持している手)を、使用者の頭部の左側に当接して保持する。すると、ビームコンバイナ2が、把持部3の右側に来るとともに、携帯情報端末装置よりも下に、使用者の口が位置する。そのため、本実施例では、把持部3の側面3aに、集音ユニット8が設けられている。なお、右手で使用する装置では、把持部3の側面3bに、集音ユニット8を設けることになる。
【0029】
以上のように、本実施例の携帯情報端末装置は、シースルービュアーとして使用する場合、携帯情報端末装置を、観察者の頭部の左側に当接させて保持する構成になっている。よって、携帯情報端末装置を、安定して保持することができる。更に、集音ユニットが移動可能になっているので、確実に使用者の声を集音することができる。
【実施例3】
【0030】
図9は、実施例3にかかる携帯情報端末装置の概略構成を示す斜視図である。ここで、 (a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナを展開した状態を示している。図10、携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと観察者の瞳位置との関係を示す説明図である。
【0031】
実施例3の携帯情報端末装置は、情報入力部4を有する把持部3と、表示面1aを有する表示部1と、光学的パワーを有するビームコンバイナ2と、表示部開閉手段5を有している。ここで、表示面1aは、情報入力部4で入力した情報、又は外部から受信した情報を表示する。また、表示部開閉手段5は、表示部1を把持部3に対して開閉可能に支持する。このような構成により、実施例1の携帯情報端末装置は、所謂折り畳みタイプの携帯電話機として構成されている。
そして、更に、ビームコンバイナ2が、ビームコンバイナ開閉部材6、ビームコンバイナ連結部材10及びビームコンバイナ移動部材11を介して、表示部1に接続されている。このような構成により、実施例3の携帯情報端末装置は、図10に示すように、シースルービュアーとしても構成されている。
【0032】
表示部開閉部材5、実施例1で説明したとおりである。また、ビームコンバイナ連結部材10は、棒状部材である。また、ビームコンバイナ開閉部材6、ビームコンバイナ移動部材11は、公知の回転機構を用いればよい。よって、具体的な構成について、詳細な説明は省略する。
【0033】
ビームコンバイナ連結部材10には、一端にビームコンバイナ2が接続され、他端に表示部1が接続されている。そして、ビームコンバイナ移動部材11は、ビームコンバイナ連結部材10を表示部1に対して、移動可能に支持している。移動方向は、ビームコンバイナ2が表示面1aから離れる方向である。なお且つ、ビームコンバイナ移動部材11は、ビームコンバイナ連結部材10を所定量移動させた時に、その位置での状態を保持できるような機構を有している。また、ビームコンバイナ開閉部材6は、ビームコンバイナ2をビームコンバイナ連結部材10に対して開閉可能に支持している。なお且つ、ビームコンバイナ開閉部材6は、ビームコンバイナ2を所定量展開したとき、その位置での状態を保持できるような機構を有している。
【0034】
実施例3の携帯情報端末装置では、図11に示すように、集音ユニット12が、把持部3の側面3aに設けられている。図11は、図9において、把持部3をXの方向から見たときの様子を示す。集音ユニット12は、可撓部材12a及びマイクロフォン12cを有する。可撓部材12aは、把持部3の側面3aに設けられている。そして、可撓部材12aの一端に、マイクロフォン11cが接続されている。可撓部材11aの他端は、表示部開閉部材5の近傍に固定されている。
【0035】
可撓部材11aは、例えば、フレキシブルチューブのような構造を有している。そして、所定の力を加えると自由に変形する。そして、変形後に加えた力を無くすと、変形した状態を保持する。よって、把持部3に対して、マイクロフォン12cの位置を自由に設定できる。
【0036】
マイクロフォン12cは、少なくとも2つの位置で固定されるのが望ましい。2つの位置のうち、1つの位置は、図11に示すAの位置である。これは、携帯情報端末装置を携帯電話として使用した時に、使用者の声を集音可能とする位置である。よって、マイクロフォン12cの位置が把持部3の端部とほぼ一致するように、可撓部材12aの長さが設定されている。もう1つの位置は、図11に示すBの位置である。これは、携帯情報端末装置をシースルービュアーとして使用した時に、使用者の声を集音可能とする位置である。
このように、可撓部材12aによって、マイクロフォン12cを、使用者の口の近傍に位置させることができる。そのため、携帯電話として使用した時であっても、シースルービュアーとして使用した時であっても、使用者の声を確実に集音することができる。
【0037】
なお、図9に示す構成では、ビームコンバイナ2を展開し左手で把持部3を掴みビームコンバイナ2を通して観察できるように、携帯情報端末装置(あるいは保持している手)を、使用者の頭部の左側に当接して保持する。すると、ビームコンバイナ2が、把持部3の右側に来るとともに、携帯情報端末装置よりも下に、使用者の口が位置する。そのため、本実施例では、把持部3の側面3aに、集音ユニット12が設けられている。なお、右手で使用する装置では、把持部3の側面3bに、集音ユニット12を設けることになる。
【0038】
以上のように、本実施例の携帯情報端末装置は、シースルービュアーとして使用する場合、携帯情報端末装置を、観察者の頭部の左側に当接させて保持する構成になっている。よって、携帯情報端末装置を、安定して保持することができる。更に、集音ユニットが移動可能になっているので、確実に使用者の声を集音することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態にかかる携帯情報端末装置を示す図である。
【図2】実施例1の携帯情報端末装置を、側方からみた概略図であって、(a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナを展開した状態を示す図である。
【図3】実施例1の携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと観察者の瞳位置との関係を示す図である。
【図4】表示部開閉部材、ビームコンバイナ開閉の構造を示す図である。
【図5】実施例1の集音ユニットの構造を示す図である。
【図6】実施例2の携帯情報端末装置を、側方からみた概略図であって、(a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナを展開した状態を示す図である。
【図7】実施例2の携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと観察者の瞳位置との関係を示す図である。
【図8】実施例2の集音ユニットの構造を示す図である。
【図9】実施例3の携帯情報端末装置を、側方からみた概略図であって、(a)は表示部を閉じた状態、(b)は表示部を展開した状態、(c)は(b)の状態からビームコンバイナを展開した状態を示す図である。
【図10】実施例3の携帯情報端末装置における表示部とビームコンバイナ、及びビームコンバイナと観察者の瞳位置との関係を示す図である。
【図11】実施例3の集音ユニットの構造を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 表示部
1a 表示面
1a’ 表示面構成部
1b 外枠部
2 ビームコンバイナ
3 把持部
3a 把持部の側面
4 情報入力部
5 外枠部開閉手段
5a,5b 円筒部
5a1,5b1 貫通孔
5a2 凹部
5b2,5b3 係止溝
5c バネ
5d 球状部材
5e ピン
5f 止め具
6 ビームコンバイナ開閉手段
6a,6c 円筒部
6a1,6c1 貫通孔
6b 係止部
6c2 係止爪
7,8,12 集音ユニット
7a 回転機構
7b 棒状部材
7c,8c,12c マイクロフォン
8a 移動機構
8b アリ溝
9 表示面回動部材
10 ビームコンバイナ連結部材
11 ビームコンバイナ移動部材
12a 可撓部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報入力部を有する把持部と、
前記情報入力部で入力した情報又は外部から得た情報を表示する表示面を有する表示部と、
ビームコンバイナと、
前記ビームコンバイナを前記表示部に対して開閉可能に支持するビームコンバイナ開閉部材と、
前記表示部を前記把持部に対して開閉可能に支持する表示部開閉部材と、
前記表示部開閉部材の近傍に変位可能に設けられ、集音機能を有する集音ユニットを備えたことを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項2】
前記集音ユニットが、棒状部材と、回転機構と、マイクロフォンを有し、
前記回転機構が、前記表示部開閉部材の近傍に設けられ、
前記棒状部材の一端が、前記回転機構に接続され、
前記マイクロフォンが、前記棒状部材の一端とは異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末装置。
【請求項3】
前記棒状部材が、伸縮自在な構造を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯情報端末装置。
【請求項4】
前記集音ユニットが、移動機構と、マイクロフォンを有し、
前記移動機構が、前記把持部の一端から他端に沿って移動可能に設けられ、
前記マイクロフォンが、前記移動機構に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末装置。
【請求項5】
前記集音ユニットが、形状可変部材と、マイクロフォンを有し、
前記形状可変部材の一端が、前記表示部開閉部材の近傍に接続され、
前記マイクロフォンが、前記形状可変部材の一端とは異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−148315(P2006−148315A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333133(P2004−333133)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】