携帯機器捜索システム、その動作制御方法、及び動作制御プログラム
【課題】本発明は、捜索範囲が広範囲にわたる場合や他の電話がない場合でも紛失した携帯機器の捜索が可能な携帯機器捜索システムを提供する。
【解決手段】携帯機器20は、携帯用電子キー10からの駆動信号を捜索信号として受信し又は他の携帯機器から出力される捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線で受信すると共に受信された捜索信号が予め記憶部に記憶された登録捜索信号とを照合する受信照合部23、照合結果が不一致と判定された場合に捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線で送信出力する発信変換部25、照合結果が一致すると判定された場合に捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部26を含む。
【解決手段】携帯機器20は、携帯用電子キー10からの駆動信号を捜索信号として受信し又は他の携帯機器から出力される捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線で受信すると共に受信された捜索信号が予め記憶部に記憶された登録捜索信号とを照合する受信照合部23、照合結果が不一致と判定された場合に捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線で送信出力する発信変換部25、照合結果が一致すると判定された場合に捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部26を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器捜索システム、携帯機器、携帯機器の動作制御方法、及び携帯機器動作制御プログラム等に係り、特に紛失した携帯機器の所在を複数の他の携帯機器を利用して探知し得るようにした携帯機器捜索システム、携帯機器、携帯機器の動作制御方法、及び携帯機器動作制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内などのある程度限られた場所で携帯電話を紛失しその携帯電話を捜索する場合、例えば他の電話(例えば他の携帯電話など)を使って紛失した携帯電話の呼び出し音を鳴らすなどして、おおよその位置や近くにあるかどうかを確認していた。
このような携帯電話などの携帯機器を紛失した場合に、当該携帯機器を捜索するような捜索システムの関連技術としては例えば特許文献1などが挙げられる。
特許文献1では、自動車等にキーなしでロック・アンロックを行うキーレスエントリシステムに用いられる携帯電子キーなどの携帯機器が紛失した場合、その携帯電子キーを携帯電話を用いて探すための捜索システムが開示されている。
【0003】
又、一般的なキーレスエントリシステムとしては特許文献2などが挙げられる。
更に、特許文献3では、指向性を有するアレイアンテナを搭載した移動端末が、近傍の端末から電波が到来する方向を推定することによって、他の携帯電話を中継局として利用し、基地局の存在する通信エリア外から携帯電話の通信を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−45993号公報
【特許文献2】特開2000−248501号公報
【特許文献3】特開2006−166321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した関連技術において、近くに他の電話がない場合には、紛失した携帯電話を探すことができない、という不都合があった。
【0006】
加えて、特許文献1及び特許文献2では、捜索対象となる機器が通信可能圏外にあるなど捜索範囲が比較的広範囲にわたる場合には電子キーなどの携帯機器を探すことができない、という不都合があった。
更に、特許文献3では、携帯電話用の電波を用いて基地局との通信を確立するものであり、通信システムを構築するに際しては、免許や資格、通信費や電波利用料金などが必要であり、また基地局など専用の通信設備を設置する必要があった。
【0007】
本発明の目的は、上述の関連技術の課題を解決することにあり、捜索範囲が広範囲にわたる場合や他の電話がない場合であっても紛失した携帯電話などの携帯機器を専用の通信設備を設置することを要せずに探し出すことが可能な携帯機器捜索システム、携帯機器、携帯機器の動作制御方法、及び携帯機器動作制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の携帯機器捜索システムは、駆動信号を発信する電子キーシステム用の携帯用電子キーと、この携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器とを備え、前記各携帯機器は、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部と、この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信出力する発信変換部と、前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の携帯機器は、電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器であって、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部と、この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信出力する発信変換部と、前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の携帯機器の動作制御方法は、電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器の動作制御方法であって、先ず、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを受信照合部が判定し、続いて、この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により発信変換部が送信出力し、前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動する報知部が前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する、ことを特徴としている。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の携帯機器動作制御プログラムは、電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器が備えたコンピュータに実行させる携帯機器動作制御プログラムであって、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合機能と、この受信照合機能での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信処理する発信変換機能と、前記受信照合機能での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知するための報知用動作を行う機能と、を前記コンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯電子キーが捜索対象の携帯機器に捜索信号を送信し、携帯機器がこの捜索信号に基づいて照合し、この照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器を経由して他の携帯機器に捜索信号を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯機器であることを外部へ報知するように構成したので、携帯電子キーを用いて各携帯機器を次々と経由していく形式で捜索を行うことができ、これにより、捜索対象となる機器が通信可能圏外にあるなど捜索範囲が広範囲にわたる場合や他の電話がない場合であっても紛失した携帯電話などの専用の通信設備を設置することなく探し出すことが可能になるという、前述した関連技術にない優れた携帯機器捜索システム、携帯機器、携帯機器の動作制御方法、及び携帯機器動作制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムの基本的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムの詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索の概要を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索の概要を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの階層構造を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムの詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図10】図9の一部の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図11】図9の一部の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】同図(A)〜(F)は、本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける台数番号情報の割り当てを説明するための説明図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの捜索範囲を説明するための説明図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの捜索範囲を説明するための説明図である。
【図20】本発明の一実施形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの階層構造を説明するための説明図である。
【図21】本発明の一実施形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの階層構造を説明するための説明図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態による携帯機器捜索システムの詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索の概要を説明するための説明図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図25】本発明の一実施形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、このような本発明の「携帯機器捜索システム」の好適な実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(携帯機器捜索システムに用いられる電子キーシステムについて)
先ず、携帯機器捜索システムの説明に先立って電子キーシステムについて説明する。
【0015】
電子キーシステムとしては、例えば、車両など周囲の無線通信エリア内に正規の携帯電子キー(即ち、その車両などに専用の携帯電子キー)が入ると前記車両などのドアをアンロックするための処理が行われるスマートキーシステム(スマートキーレスエントリーシステム)がある。
この場合、電子キーシステムは、例えば自動車においては、車両の使用者に携帯される携帯電子キーが、車載装置から送信される要求(要求信号)に応答して、認証用のコードを含んだ開閉用信号を送信し、車載装置が、携帯電子キーから受信したコードと当該車載装置のメモリ内に予め登録されているコードとが一致していれば、ドアのアンロック/ロックやエンジンの始動又はそれらの許可といった所定の動作を行う。
【0016】
又、電子キーシステムは、使用者がその正規の携帯電子キーに設けられているボタンスイッチを押すことで車両や建物などのドアのロック/アンロックが行われるリモートキーレスエントリーシステムを含む。
この場合、電子キーシステムは、例えば自動車においては、車両の使用者等がキーシリンダに所定のキーによるロック・アンロックを行うことなく、携帯可能な携帯電子キーにて所定のボタンスイッチ操作を行うことにより、その操作に応じて送信される認証用のコードを含んだ開閉用信号を送信し、車載装置が、携帯電子キーから受信したコードと当該車載装置のメモリ内に予め登録されているコードとが一致していれば、ドアのアンロック/ロックを行う。
更に、電子キーシステムは、このスマートキーシステム(スマートキーレスエントリーシステム)とリモートキーレスエントリーシステムとの双方を兼ねたシステムであってもよい。
【0017】
(携帯機器捜索システムの基本的構成)
次に、本第1実施形態における携帯機器捜索システムの基本的構成について説明する。図1に示すように、携帯機器捜索システム1は、駆動信号を発信する電子キーシステム用の携帯用電子キー10と、この携帯電子キー10を用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器の一例である携帯電話20とを備えている。
【0018】
携帯電話20は、前記携帯用電子キー10からの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器(例えば携帯電話20など)から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を例えば特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器(例えば携帯電話20など)に予め備えられた記憶部の一部又は一例である暗号化情報記憶部22bに記憶されている個別に異なる登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部23を備えている。
【0019】
又、携帯電話20は、この受信照合部23での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器(例えば携帯電話20など)に例えば特定小電力無線により外部へ送信出力する発信変換部25を備えている。
【0020】
更に、携帯電話20は、前記受信照合部23での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部26を備えている。
【0021】
このような携帯機器捜索システム1の基本的構成によれば、携帯電子キー10が捜索対象の携帯電話20に捜索信号(携帯機器識別情報)を送信し、携帯電話20がこの捜索信号(携帯機器識別情報)に基づいて照合し、この照合結果が不一致の場合にはこの携帯電話20を経由して他の携帯電話20に捜索信号(携帯機器識別情報)を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯電話20の所在位置を外部へ報知するための報知用動作を実行するように構成したので、携帯電子キー10を用いて各携帯電話20を次々と経由していく形式で捜索を行うことができ、これにより、捜索対象となる機器が通信可能圏外にあるなど捜索範囲が広範囲にわたる場合や他の電話がない場合であっても紛失した携帯電話20などの携帯機器を探し出すことが可能になる。
【0022】
又、携帯機器捜索システム1の基本的構成において、携帯電話20は、受信照合部23での照合結果が一致した場合には報知部26を稼動すると共に前記受信照合部23での照合結果が不一致の場合には発振変換部25を稼動する制御手段の一部又は一例である制御部24を備えてよい。更に、携帯電話20は、各基準値を設定する設定部21Aを含む入力部21を備えてよい。
【0023】
(携帯機器捜索システムの構成)
次に、携帯機器捜索システム1のより具体的な詳細構成について説明することとする。図2は、本発明における第1実施の形態の携帯機器捜索システムの詳細構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
本第1実施形態の携帯機器捜索システム1は、前述した電子キーシステムの携帯電子キー10の送信信号(捜索信号)を利用した携帯電話20などの携帯機器を次々経由することにより当該携帯電話捜索するものである。
【0025】
図2を参照すると、この携帯機器捜索システム1では、電子キーシステムに用いられる携帯電子キー10と、この携帯電子キー10と無線通信可能な携帯電話20とを備えている。
より具体的には、図3に示すように、この携帯機器捜索システム1では、例えば無指向性の特定小電力無線を用いることにより、例えば、1台目の携帯電話20−1、2台目の携帯電話20−2、・・・・のように各携帯電話20を次々経由して紛失した携帯電話20を捜索するものである。
【0026】
ここで、本第1実施形態では、次々経由させる際の捜索範囲を制約するための捜索範囲制約情報の一例として、携帯電話20が捜索信号を受信した際の受信回数情報を利用する場合について説明する。
この場合、携帯電子キー10から送信される捜索信号には、携帯機器識別情報のみを含んでいればよく、携帯電子キー10から送信される捜索信号には捜索範囲制約情報を付する必要がなく、携帯電子キー10側の構成を簡略化できる。
又、捜索信号に捜索範囲制約情報(受信回数情報)を付する必要があるのは、図3に示す携帯電話20―1以降の送信過程としてもよい。
【0027】
(携帯電子キーの詳細構成)
携帯電子キー10は、図1に示すように、電子キーシステムの電子キー機能11aと、捜索対象となる携帯機器20を捜索するための携帯機器捜索機能11bとを有するものであり、それを実現するために図2に示すように、操作入力手段としてのボタンスイッチ12と、このボタンスイッチ12の押下に基づいて捜索信号を送信するための発振を行う発振手段の一例又は一部である発振部14と、を備えている。
【0028】
ボタンスイッチ12は、図1の前記電子キー機能11aと前記携帯機器捜索機能11bとの稼働を開始するものであり、本第1実施形態では、押下時間が(特定の押下時間閾値より)短い第1の押下時間となる場合には電子キー機能11aが稼動し、押下時間が(特定の押下時間閾値より)長い第2の押下時間となる場合には、携帯機器捜索機能11bが稼動するようになっている。
【0029】
ここで、「ボタンスイッチ12」は、物理的釦形状を有するハードウエア構成のボタンスイッチ(操作入力部)、或いは表示部の表示画面上にソフトウエア的に構成されたボタンスイッチ(表示操作部)のいずれであってもよい。表示操作部はポインティングデバイスで選択する方式、タッチパネルで選択する方式のいずれであってもよい。
【0030】
発振部14は、操作入力手段としてのボタンスイッチ12の押下時間に応じて前記電子キー機能11aのための発振(発信)動作と前記携帯機器捜索機能11bのための発振動作とを切り替えることができるものである。
【0031】
発振部14は、前記携帯機器捜索機能11bが稼働した場合には、捜索開始要求に応じて前記携帯電話20などの携帯機器を固有に識別するための照合を目的とする携帯機器識別情報(例えば携帯電話番号情報など)を含む捜索信号を前記携帯電話20に無線送信する第1発振機能を備えている。ここで、無線送信する際には、特定小電力無線機能で送信を行う。
すなわち、発振部14は、捜索信号を例えば無指向性の特定小電力無線により送信可能な特定小電力無線送受信モジュールを備えた構成となっている。
【0032】
更に、発振部14は、前記電子キー機能11aが稼働した場合には、自動車等の鍵搭載機器に物理キーなしで無線送信によりロック・アンロックなどを行うための開閉用信号を無線送信する第2発振機能を備えている。
ここで、第1発振機能と第2発振機能とでは、送信電力及び周波数帯がそれぞれ異なるように信号出力する機能を有する。
【0033】
(携帯電話の詳細構成)
携帯電話20は、図2に示すように、種々の操作入力を行うための入力部21と、携帯電子キー10の発振部14からの携帯機器識別情報(携帯電話番号情報など)を含む捜索信号を受信するとともにこの捜索信号(携帯機器識別情報)に基づいて照合を行う照合手段としての受信照合部23と、予め登録された情報を種々の暗号化手法にて暗号化された状態で記憶した暗号化情報記憶部22bと、受信照合部23での照合結果に応じて外部に対して報知を行う報知部26と、受信照合部23での照合結果に応じて送信されてきた捜索信号(携帯機器識別情報)を他の携帯電話(たとえば図3に示す携帯電話20−2、20−3など)に送信するための発振動作を行う発振変換部25と、受信照合部23での照合結果が一致した場合には報知部26を稼動すると共に前記受信照合部23での照合結果が不一致の場合には発振変換部25を稼動する制御手段の一部又は一例である制御部24と、を備えている。
【0034】
暗号化情報記憶部22bは、予め登録された登録捜索信号に含まれる登録携帯機器識別情報を種々の暗号化手法にて暗号化された状態で記憶した照合用登録携帯機器識別情報記憶部22b―1を備えている。
【0035】
又、暗号化情報記憶部22bは、捜索信号を受信した受信回数を計数した結果である受信回数情報を捜索範囲制約情報の一例として記憶する捜索範囲制約情報記憶部22b―3を備えている。
例えば、図3に示す携帯電話20―1の捜索範囲制約情報記憶部22b―3には、受信回数情報として「1」が記憶され、携帯電話20―2の捜索範囲制約情報記憶部22b―3には、受信回数情報として「2」が記憶され、携帯電話20―3の捜索範囲制約情報記憶部22b―3には、受信回数情報として「3」が記憶される。
【0036】
更に、図2において、暗号化情報記憶部22bは、捜索範囲制約にかかる設定条件情報例えば受信回数閾値などを記憶する設定条件情報記憶部22b―4を備えている。
ここで、照合用登録携帯機器識別情報記憶部22b―1の登録携帯機器識別情報や設定条件情報記憶部22b―4の設定条件情報は、本第1実施形態では、入力部21などを利用して登録並びに設定できるように構成されている。
【0037】
受信照合部23は、携帯電子キー10から送信される前記携帯機器識別情報を受信しこの携帯機器識別情報が予め暗号化情報記憶部22に記憶された登録携帯機器識別情報と一致するか否かを照合するものである。
すなわち、受信照合部23は、携帯電子キー10から送信された捜索信号に含まれる携帯機器識別情報と予め暗号化情報記憶部22の照合用登録携帯機器識別情報記憶部22b―1に記憶された登録捜索信号に含まれる登録携帯機器識別情報とを照合する照合機能23aを備えている。
【0038】
又、この受信照合部23は、携帯電子キー10から送信された捜索信号を受信する捜索信号受信機能23bを備えている。
【0039】
ここで、携帯電話20からの捜索信号は、前記携帯機器を識別するための照合用の携帯機器識別情報と、前記各携帯機器20にかかる捜索範囲を制約するための捜索範囲制約情報とを含む。
この場合、受信照合部23は、前記捜索信号に含まれている前記捜索範囲制約情報の内容を計数する計数部としての計数機能23dを備えている。
【0040】
具体的には、受信照合部23の計数機能23dは、捜索信号の受信回数を計数する(捜索信号に含まれている前記捜索範囲制約情報に基づいてこれを取り出してその内容を計数する)受信回数計数機能を備えている。計数機能23dは、携帯電子キー10から送信された捜索信号の場合には、1を計数する。又、計数機能23dは、携帯電話20から送信された捜索信号の場合には、前記捜索信号に含まれている前記捜索範囲制約情報を取り出してその内容を計数する。これにより、前記捜索範囲制約情報として受信された前記捜索信号の受信回数情報を含むことになる。
更に、計数機能23dは、計数された受信回数情報(捜索範囲制約情報の内容)を捜索範囲制約情報記憶部22b―3に記憶する。
【0041】
又、受信照合部23は、照合するに際して暗号化情報記憶部22の暗号化された登録携帯機器識別情報やその他の各種情報などを読み出す処理の際には当該情報を復号化する復号化機能を備えている。又、受信照合部23は、暗号化情報記憶部22への種々の情報の書き込み処理の際には当該情報を暗号化する暗号化機能を備えてよい。
【0042】
更に、受信照合部23は、キーレスエントリ機能の受信機能を備えてよい。更に又、受信照合部23は、照合結果情報(照合結果一致、照合結果不一致)を制御部24に渡す機能を備えている。
【0043】
制御部24は、携帯機器捜索支援機能を装備した捜索支援用の制御モジュールを含み、受信照合部23にて照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器としての携帯電話20―1を経由して他の携帯機器としての携帯電話20―2などに前記捜索信号(携帯機器識別情報)を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯機器としての携帯電話20−1の所在位置を外部へ報知するための報知用動作を行う機能を備えている。
【0044】
又、制御部24は、照合結果が合致しない場合、送信されてきた携帯機器識別情報が暗号化データである場合には携帯機器識別情報を暗号化情報記憶部22に記憶させ、前記携帯機器識別情報が暗号化されていない場合には暗号化して暗号化情報記憶部22に記憶させるように受信照合部23に対して指示を行う機能を備えている。
【0045】
更に、制御部24は、照合結果が合致しない場合、暗号化情報記憶部22から暗号化データである携帯機器識別情報が発振変換部25へ伝わり、近辺の他の携帯電話20―2などに捜索信号が送信されるように暗号化情報記憶部22に対して指示を行う機能を備えている。
【0046】
又、制御部24は、計数部としての計数機能23dで計数される前記捜索範囲制約情報(一例として受信回数情報など)が予め設定されている基準値(受信回数閾値など)以上の場合に作動し前記発信変換部25の捜索信号送信出力を停止制御する信号停止制御機能24dを備えている。
【0047】
更に、制御部24は、捜索範囲制約情報の一例である受信回数情報と、設定条件情報の一例である受信回数の閾値とを比較することで、捜索範囲制約情報が当該捜索範囲制約情報にかかる設定条件未満であるかどうかを判定する捜索範囲判定機能24bを備えている。
【0048】
又、制御部24は、計算された捜索範囲制約情報(受信回数情報)を携帯機器識別情報とに付加することで、捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する捜索範囲制約情報付加機能24cを備えている。
【0049】
発振変換部25は、送信されてきた携帯機器識別情報を他の携帯電話(たとえば図3に示す携帯電話20−2など)に送信するための捜索信号送信機能25aを備えている。
【0050】
ここで、発振部14と受信照合部23との間の通信構造、及び発振変換部25と他の携帯電話の受信照合部23との通信構造は、特定小電力無線機能で通信を行うことができる。特定小電力無線は、免許や資格、通信費や電波利用料金が不要である。
すなわち、前記受信照合部23は、前記携帯機器識別情報を受信するに際しては特定小電力無線で受信する機能を備えている。発振変換部25は、前記携帯機器識別情報を送信するに際しては特定小電力無線で送信する機能を備えている。
【0051】
更に、発振変換部25は、捜索信号を送信する前に、前処理として後述する通信接続確立処理によって送信相手先を特定する相手先特定機能25bを備えている。
【0052】
又、前記携帯機器20の発振変換部25は、送受信される前記携帯機器識別情報を暗号化する機能を備えている。
【0053】
更に、受信照合部23と発振変換部25は、本来の携帯電話用アンテナを共有し、データの送受信をする構成としてもよい。
【0054】
報知部26は、受信照合部23の照合結果が合致した場合、音声出力部から呼び出し音を鳴らしたり、バイブレータ機能による振動動作、ランプ点灯動作などをする機能が内在されている。すなわち、報知部26は、紛失時専用呼び出しパターンにて呼び出し音、バイブレータ機能、ランプ点灯のうち1又は複数を鳴動する機能を備えている。
【0055】
また、暗号化情報記憶部22bにより情報の機密性が保たれる。暗号化データの読み出しは、制御部24では行なわず、受信照合部23が照合を行なうことで、制御部24からの情報流出を防ぐことを可能としている。更に、暗号化情報記憶部22bへの情報の書き込みは入力部21より可能である。
【0056】
更に、携帯電話20は、種々の情報等を表示するための表示部(スクリーン)や通常の携帯電話として機能するためのその他の各部を備えている。例えばその他の各部は、各種信号・データを送受信するための携帯電話用送受信部、各種プログラム・各種データを記憶しておく外部記憶部(例えばメモリ等)、これらの制御を司る中央制御部などを含んでよい。
【0057】
(各携帯電話間の通信の仕組み)
更に、図3に示すように、携帯電子キー10は、捜索信号を例えば無指向性の特定小電力無線により送信する機能を備えている。
又、携帯電話20の受信照合部23は、捜索信号を例えば無指向性の特定小電力無線により受信する機能を備えている。更に、携帯電話20の発信変換部25は、捜索信号を例えば無指向性の特定小電力無線により送信する機能を備えている。
【0058】
ここで、特定小電力無線として電子キーの発振部14と同様の発振機能及びその信号を受信する受信機能を用いる他、例えばブルートゥース、Zigbee(登録商標)などを用いてもよい。この場合、受信照合部23の一部である特定小電力無線受信機能と、発信変換部25の一部である特定小電力無線送信機能とは、専用の特定小電力無線送受信モジュールにより構成してよい。特定小電力無線送受信モジュールには、全周方向で無指向性に近い性能を有する送受信兼用のアンテナを備えてよい。これにより、特定小電力無線に関しては電波の到来方向を推定する機能が不要となる。
【0059】
更に、例えば、携帯電子キー10及び携帯電話20のそれぞれに特定小電力無線送受信モジュールを装備しておくのが望ましい。
この場合、捜索信号を送信する前に、前処理として携帯電子キー10と携帯電話20ととの間の通信接続確立処理を行うと、各送信先に固有のアドレスを割り当てることによって、送信先を識別できるという利点がある。
【0060】
具体的には、例えば図3に示すように、携帯電子キー10は、例えば半径10m程度の通信可能圏AR1内にて他の携帯電話20―1にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する。
このパケットに対する応答パケットを携帯電子キー10が受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報やデバイス情報が含まれている。
このようにして携帯電子キー10を中心とした通信可能圏AR1内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理により通信接続確立処理を行う。
この通信接続確立処理の後に、携帯電子キー10は、携帯電話20―1に対して捜索信号(照合用の携帯機器識別情報例えば携帯電話番号など)を送信するとよい。
【0061】
携帯電話20―1と携帯電話20―2との間の通信も同様にして、携帯電話20―1は、例えば半径10m程度の通信可能圏AR2内にて他の携帯電話20―2にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する。
このパケットに対する応答パケットを携帯電話20―1が受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
このようにして携帯電話20―1を中心とした通信可能圏AR2内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理により通信接続確立処理を行う。
この通信接続確立処理の後に、携帯電話20―1は、携帯電話20―2に対して捜索信号(照合用の携帯機器識別情報例えば携帯電話番号など)を送信するとよい。
【0062】
以降、携帯電話20―2と携帯電話20―3との間の通信なども同様である。
【0063】
(動作手順について)
(全体の動作)
次に、上述のような構成を有する携帯機器捜索システムにおける全体の動作手順について、図2乃至図3を参照しつつ説明する。図2は、携帯機器捜索システムにおける動作手順の一例を示すフローチャートである。
【0064】
本第1実施形態に係る携帯機器捜索時の動作手順は、駆動信号を発信する電子キーシステム用の携帯用電子キー10と、この携帯電子キー10を用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器20とを備えた携帯機器捜索システムを対象とするものである。
【0065】
基本的手順として、先ず、前記携帯用電子キー10からの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器としての携帯電話20から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器としての各携帯電話20に各々予め備えられた記憶部としての暗号化情報記憶部22bに記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを受信照合部23が判定する(ステップS110〜S112:受信照合ステップ、受信照合機能)。
【0066】
続いて、この受信照合部23での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器としての携帯電話20に発信変換部25が特定小電力無線により送信出力する(ステップS130〜S131:捜索信号送信ステップ、捜索信号送信機能)。
【0067】
更に、前記受信照合部23での照合結果が一致すると判定された場合に作動する報知手段としての報知部26が、前記捜索にかかる携帯機器としての携帯電話20であることを外部に報知する(ステップS113:報知用動作ステップ、報知用動作機能)。
【0068】
(詳細動作)
以下、これを更に詳述する。
先ず、図4に示すように、携帯電子キー10の発振部14が、ボタンスイッチ12の押下時間を計数し、押下時間が特定の閾値より長いか短いかを判定する(ステップS101:押下時間判定ステップ、押下時間判定機能)。
【0069】
このステップS101において、押下時間が長いと判定された場合には、発振部14は、携帯機器捜索機能を稼動する(ステップS103)。
すなわち、携帯電話を紛失した場合、ユーザーは携帯電子キー10のボタンスイッチ12を長押しすることにより携帯機器捜索を実行できる。
【0070】
一方、このステップS101において、押下時間が短いと判定された場合には、発振部14は、電子キー機能を稼動する(ステップS102)。
すなわち、車のドア開閉などの通常のキーレスエントリシステムを使用する場合は、ユーザーは、携帯電子キー10のボタンスイッチ12を長押ししないで、短く押すことで使用可能となる。
【0071】
そして、携帯電子キー10のボタンスイッチ12が短い時間押された場合には、車のドア開閉用の信号を連続して出力する(開閉用信号出力ステップ、開閉用信号出力機能)。
一方、ボタンスイッチ12を長押しの際は、携帯電子キー10の発振部14は、上述の通信接続確立処理を実施し(ステップS104)、その後、特定の捜索信号(例えば携帯電話番号情報などの携帯機器識別情報)を出力する(ステップS105:捜索信号出力ステップ、捜索信号出力機能)。
【0072】
携帯電話20―1の受信照合部23は、携帯電子キー10からの特定の捜索信号(例えば携帯電話番号情報などの携帯機器識別情報)を受信する(ステップS110:)。
【0073】
又、携帯電話20―1の受信照合部23は、受信した捜索信号を復調し、当該捜索信号から携帯機器識別情報例えば携帯電話番号などを取り出す(ステップS110a)。
【0074】
更に、携帯電話20―1の受信照合部23が捜索信号を受信すると、捜索範囲制約情報の一例としてこの受信回数を計数し(ステップS110b)、受信回数情報を捜索範囲制約情報記憶部22b―3に記憶する。
【0075】
また、携帯電話20―1の受信照合部23は、照合用登録携帯機器識別情報記憶部22b―1より登録捜索信号に含まれる登録携帯機器識別情報を取り出す(ステップS111)。
【0076】
そして、受信照合部23は、携帯電子キー10からの捜索信号に含まれる携帯機器識別情報と予め記憶されている登録捜索信号に含まれる(登録携帯機器識別情報)とを照合する(ステップS112:照合ステップ)。
【0077】
照合結果が合致した場合(ステップS112の「Yes」)、制御部24が携帯電話20のキー操作を無効にし、報知部26にて報知用動作(例えば捜索専用の動作パターンの呼び出し音を鳴らしたり、ランプなどを捜索専用の動作パターンにて点灯したりなどの動作)を実行するようにする(ステップS107:報知用動作ステップ、報知用動作機能)。
【0078】
一方、照合結果が不一致の場合(ステップS112の「No」)、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より捜索範囲制約情報を取得する(ステップS120:捜索範囲制約情報取得ステップ、捜索範囲制約情報取得機能)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を取り出す(ステップS121:設定条件情報取得ステップ、設定条件情報取得機能)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報と設定条件情報とを比較する(ステップS122:捜索範囲制約情報判定ステップ、捜索範囲制約情報判定機能)。
【0079】
捜索範囲制約情報が設定条件以上の場合(ステップS122の「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0080】
一方、捜索範囲制約情報が設定条件未満の場合(ステップS122の「Yes」)、携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための捜索範囲制約情報を計算する(ステップS125:送信用捜索範囲制約情報計算ステップ、送信用捜索範囲制約情報計算機能)。
【0081】
続いて、携帯電話20―1の制御部24は、計算された捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126:捜索信号生成ステップ、捜索信号生成機能)。
【0082】
このステップS120〜S126において、捜索範囲制約情報が一例として受信回数情報である場合は、図5に示すようになる。
【0083】
すなわち、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より捜索範囲制約情報の一例である受信回数情報を取得する(ステップS120a:受信回数情報取得ステップ、受信回数情報取得機能)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から基準値に関する情報(例えばこの場合受信回数の閾値)を取り出す(ステップS121a:受信回数閾値情報取得ステップ、受信回数閾値情報取得機能)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報の一例である受信回数情報と、設定条件情報の一例である受信回数の閾値とを比較する(ステップS122a:受信回数判定ステップ、受信回数判定機能)。
【0084】
受信回数情報が閾値以上の場合(ステップS122aの「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0085】
一方、受信回数情報が予め特定した閾値未満の場合(ステップS122aの「Yes」)、携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための受信回数情報を計算する(ステップS125a:送信用受信回数情報計算ステップ、送信用受信回数情報計算機能)。例えば、捜索範囲制約情報記憶部22b―3の受信回数がnの場合は、例えばn+1としたりする。
【0086】
続いて、携帯電話20―1の制御部24は、計算された受信回数情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126a)。
【0087】
図4に説明を戻すと、携帯電話20―1の発振変換部25は、携帯電話20−1と次の携帯電話20−2との間の通信接続確立処理を行う(ステップS130)。
【0088】
そして、携帯電話20―1の発振変換部25は、次の携帯電話20−2に捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を送信する(ステップS131:捜索信号出力ステップ、捜索信号出力機能)。
【0089】
携帯電話20―1から携帯電話20―2に捜索信号を送信する前に、携帯電話20―1と携帯電話20―2との間の通信接続確立処理は、携帯電子キー10と携帯電話20―1との間の通信接続確立処理と同様にして行うこともできる。
【0090】
次の携帯電話20−2が、携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信してからの処理は、携帯電話20―1の場合のステップS110〜ステップS131と同様の処理を繰り返せまよい(ステップS160)。ただし、受信回数などの数値が異なる。
【0091】
例えば、次の携帯電話20−2が、捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信すると、復調し、次の携帯電話20−2における受信照合部23で携帯電話20―1からの携帯機器識別情報の照合を行う。
この照合結果が合致した場合、携帯電話20―2のキー操作を無効にし、呼び出し音を鳴らす。
【0092】
一方、照合結果が不一致の場合、携帯電話20―2は、さらに次の携帯電話20−3に捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報を含む捜索信号を送信する。
このようにして、いずれかの携帯電話20が報知用動作を実行する(ステップS110〜S131:ステップS160)を繰り返す。
【0093】
(各携帯電話間の通信接続確立処理の通信手順)
ここで、携帯電話20−1と携帯電話20―2との間の通信接続確立処理の通信手順について、図6を用いて簡単に説明する。
携帯電話20―1は、例えば半径10m程度の通信可能圏AR2内にて他の携帯電話20―2にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する(ステップS103a)。
これによって、携帯電話20―1の特定小電力無線送受信モジュールは、他の固有アドレスを取得するための他固有アドレス取得要求を出力する。
【0094】
このパケットに対する応答パケット(他固有アドレス情報を含むパケット)が携帯電話20―2より送信され(ステップS130b)、携帯電話20―1が応答パケットを受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
【0095】
同様にして、通信可能圏内の他の全ての携帯機器について固有アドレス、デバイスクラスなどの情報を取得する(ステップS130c)。
更に、携帯電話20−1と携帯電話20―2との間でその他の必要情報を相互に交換する(ステップS130d、ステップS130e)。
【0096】
このようにして携帯電話20―1を中心とした通信可能圏AR2内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理により通信接続確立処理を行う(ステップS130)。
この通信接続確立処理の後に、携帯電話20―1は、携帯電話20―2に対して捜索信号(照合用の携帯機器識別情報例えば携帯電話番号など)を送信する(ステップS131)。
【0097】
以上のように本実施の形態によれば、以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果は、上述した受信照合部23と発信変換部25と報知部26と暗号化情報記憶部22bとを備えたことにより、電子キーシステムに用いる送受信機における暗号解読情報(照合用情報)例えば携帯電話番号などを予め携帯電話20の暗号化情報記憶部22bに装備しておくことで、電子キー(送信側)を使用して、他の電話をもっていなくても、携帯電話20を次々と経由して探索し、発見後外部へ報知用動作を行う(例えば呼び出し音を鳴らすなど)ことで位置を知らせることを可能にしたことである。
【0098】
第2の効果は、上述した受信照合部23の復号化機能と発信変換部25又は制御部24の暗号化機能とを備えたことにより、暗号化データを携帯電話間で送受信できることである。携帯電話20内の暗号化機能を利用し、ショートメール程度であれば暗号化されたデータに変換し、例えば最大10m程度内などの携帯電話に対して特定小電力無線機能により、携帯電話用の固定アンテナを使用せずに送受信が可能である。
この際、10m以内ごとに携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・が必ずあるような状況であれば、携帯電話1台目20―1から、次々と携帯電話20―2、20―3、・・・を経由させて、例えば特定の携帯電話20―3に至るまでのデータの送受信が携帯電子キー10から又は経路途中の携帯電話20―1、20―2から可能となる。この際、暗号によりデータはやり取りされ、受信照合部23にて特定の携帯電話20―3のみで暗号化データが解読され、経路途中の携帯電話20―1、20―2からの個人情報漏洩、送受信電波傍受による情報漏洩はないがためにセキュリティも万全となる。
【0099】
第3の効果は、上述した受信照合部23及び発信変換部25の各特定小電力無線機能により例えば10m内などの携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・を次々と経由することで確実なデータの送受信が可能となる。
【0100】
更に、前述した関連技術では、他の携帯電話を中継局として利用するためには、指向性を有するアレイアンテナを用いて電波が到来する方向を推定する必要があった。これに対して本実施の形態では、発振変換部25や受信照合部23が備えている特定小電力無線送受信モジュールとして、例えばブルートゥースなどを用いることにより、無指向性の特定小電力無線により送受信が可能となる。このため、指向性を有するアレイアンテナを用いて電波が到来する方向を推定する必要がない。又、通信システムを構築するに際しては、免許や資格、通信費や電波利用料金などが不要であり、さらには専用の通信設備を設置することも不要となるため、簡単にシステム導入を図ることができる。
【0101】
このように本第1実施形態では、携帯電話20にキーレスエントリシステム受信機側の暗号化情報を予め入力しておくことにより、携帯電話紛失時にキーレスエントリシステムの携帯電子キー10を使用し、近辺にある携帯電話20―1に設けた特定小電力無線機能を使用して携帯電話20―2、20―3、・・・を経由し、対象となる携帯電話の呼び出し音を作動させ、携帯電話を捜索することができる。
【0102】
すなわち、本第1実施形態では、自動車のキーレスエントリシステムの携帯電子キー10(送信側)を長押しすることで、近辺にある携帯電話20―1が携帯電子キー10からの送信信号を受信し、さらに別の携帯電話へと電子キーと同じ特定小電力無線機能を使用して送信し、携帯電話20―2、20―3、・・・を次々と経由していくことで、対象となる携帯電話にたどりつき、紛失時専用呼び出し音を鳴らすことにより位置を知らせることを可能にした。
【0103】
この際、携帯電話20にも携帯電子キー10同様の送信機能を持たせることで、キーレスエントリシステムの携帯電子キー10の送信信号は最大10m程度の送信能力を利用し、携帯電話用の固定アンテナを経由せず、不特定の携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・を経由させることで、捜索範囲を広げることやデータの送受信を行うことを可能とした。
【0104】
ここで、図2に示すブロック図における一部の各ブロックは、コンピュータにより実行可能なプログラムにより機能化された状態を示すソフトウエアモジュール構成であってもよい。
【0105】
すなわち、物理的構成は例えば一又は複数のCPU(或いは一又は複数のCPUと一又は複数のメモリ)等ではあるが、各部(回路・手段)によるソフトウエア構成は、プログラムの制御によってCPUが発揮する複数の機能を、それぞれ複数の部(手段)による構成要素として表現したものである。
【0106】
CPUがプログラムによって実行されている動的状態(プログラムを構成する各手順を実行している状態)を機能表現した場合、CPU内に各部(手段)が構成されることになる。プログラムが実行されていない静的状態にあっては、各手段の構成を実現するプログラム全体(或いは各手段の構成に含まれるプログラム各部)は、メモリなどの記憶領域に記憶されている。
【0107】
以上に示した各部(手段)は、プログラムにより機能化されたコンピュータをプログラムの機能と共に実現し得るように構成しても、また、固有のハードウエアにより恒久的に機能化された複数の電子回路ブロックからなる装置で構成してもよい。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現でき、いずれかに限定されるものではない。
【0108】
[第2の実施の形態]
次に、本発明にかかる第2の実施の形態について、図7乃至図17に基づいて説明する。以下には、前述した第1実施形態と実質的に同一の構成要素については説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0109】
本第2実施形態では、携帯機器捜索システムを構成する捜索経路(捜索ネットワーク)が階層的ツリー構造を有し、かつ、捜索範囲制約情報として送信回数情報と送信台数情報を組み合わせて用いる点が第1実施形態と異なる。
【0110】
具体的には、携帯機器捜索システム4では、図7に示すように、前記携帯電子キー10から携帯電話20―1に捜索信号S105cを送信する点は同じであるが、その後、捜索信号S105cを受信した携帯電話20―1が、携帯電話20―1を中心とした例えば半径r=10m程度の通信可能圏AR2内にて他の2つの携帯電話20―2、20―3の存在確認及び識別を行いつつ、2つの携帯電話20―2、20―3のそれぞれに捜索信号S131c―1、S131c―2を送信する。
【0111】
同様にして、捜索信号S131c―1を受信した携帯電話20―2が、携帯電話20―2を中心とした例えば半径r=10m程度の通信可能圏AR3内にて他の2つの携帯電話20―4、20―5の存在確認及び識別を行いつつ、2つの携帯電話20―4、20―5のそれぞれ捜索信号S131c―3、S131c―4を送信する。
【0112】
同じように、捜索信号S131c―2を受信した携帯電話20―3が、携帯電話20―3を中心とした例えば半径r=10m程度の通信可能圏AR4内にて他の2つの携帯電話20―6、20―7の存在確認及び識別を行いつつ、2つの携帯電話20―6、20―7のそれぞれ捜索信号S131c―5、S131c―6を送信する。
【0113】
ここで、捜索信号S105cは、捜索範囲制約情報の一部である送信回数情報と携帯機器識別情報(携帯電話番号など)とを含む。
又、各捜索信号S131c―1、S131c―2、S131c―3、S131c―4、S131c―5、S131c―6は、捜索範囲制約情報の一例である送信回数情報及び送信台数情報と、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)とを含む。
【0114】
これによって、図8に示す携帯機器捜索システム4のように、捜索経路(捜索ネットワーク)における階層的ツリー構造は、第0層には携帯電子キー10を有する。第1層には携帯電話1台目20―1を有する。第2層には、携帯電話1台目20―1をマスターとするスレーブの携帯電話2台目20―2及び携帯電話3台目20―3を有する。第3層の上層には、携帯電話2台目20―2をマスターとするスレーブの携帯電話4台目20―4及び携帯電話5台目20―5を有する。第3層の下層には、携帯電話3台目20―3をマスターとするスレーブの携帯電話6台目20―6及び携帯電話7台目20―7を有する。
【0115】
ここで、本第2実施形態では、送信回数情報は各階層間で共通の計数値とする。例えば、第0層から第1層へは、送信回数が1回目となり、第1層から第2層へは、送信回数が2回目となり、第2層から第3層へは、送信回数が3回目となる。
このため、例えば、携帯電話2台目20―2から携帯電話4台目20―2への送信回数と、携帯電話3台目20―3から携帯電話6台目20―6への送信回数とは同じ回数となる。
【0116】
また、送信台数にかかる台数番号の割り当てルールは、図8に示すように、各階層でマスターがスレーブに対して順次割り当てる方式となっている。
ただし、例えば、携帯電話3台目20―3が、スレーブの携帯電話6台目20―6及び携帯電話7台目20―7の各台数番号を割り当てる場合、捜索済みの最大台数番号が5台目であることを携帯電話3台目20―3が知っておく必要がある。
【0117】
このため、各携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・は、相互に情報を授受することによって互いの情報を得、それぞれの携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・が全階層的ツリー構造の情報を持つような仕組みが必要となる。
【0118】
以下、このための構成について図9を参照して説明する。
(携帯電話の詳細構成)
本第2実施形態における携帯機器捜索システム4では、図9に示すように、携帯電話20の暗号化情報記憶部22bに、通信接続確立処理の際に必要となる携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が記憶されている接続確立用固有アドレス情報記憶部22b―2を備えている。
【0119】
更に、暗号化情報記憶部22bに、捜索過程で他の携帯機器から通信によって得られた他の携帯機器及び捜索ネットワーク全体にかかる管理情報を記憶した他携帯機器管理情報記憶部22b―5を備えている。
【0120】
この他携帯機器管理情報記憶部22b―5は、例えば図11に示すように、マスターに直接従属する全スレーブ(例えば1台目に対する2台目、3台目)に関する情報を示すマスター用携帯機器管理テーブル22cを備えている。
このマスター用携帯機器管理テーブル22cでは、他の携帯機器のアドレス情報と台数番号情報とデバイスクラスなどの情報が対応づけられている。
【0121】
更に、他携帯機器管理情報記憶部22b―5は、例えば図11に示すように、マスターに直接従属する全スレーブへの捜索信号の送信状況を示す捜索信号送信状況テーブル22dを備えている。
この捜索信号送信状況テーブル22dは、スレーブの台数番号情報と捜索信号が送信済みであるのか未送信であるのかを示す情報とが対応づけられている。
【0122】
更に、他携帯機器管理情報記憶部22b―5は、例えば図11に示すように、捜索中の捜索ネットワーク全体にかかる階層的ツリー構造の情報を収集記憶した階層構造テーブル22eを備えている。
この階層構造テーブル22eは、各階層毎の台数番号を示す情報と、各携帯機器(ノード)の通信接続関係(リンク)を示す情報とを有する。さらに、各台数番号に各々対応して照合結果を示す情報(照合一致、照合不一致)を書き込むようにしてもよい。
【0123】
又、図9に示すように、携帯電話20の入力部21には、捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報(基準値)を設定するための設定部としての捜索範囲制約情報設定部21aを備えている。
そして、この捜索範囲制約情報設定部21aから設定された設定条件情報は、設定条件情報記憶部22b―4に記憶される。
本第2実施形態では、捜索範囲制約情報として送信回数情報及び送信台数情報を用いるため、例えば図10に示すように、捜索範囲制約情報設定部21aは、送信台数の閾値を設定可能な送信台数設定部21a―2と、送信回数の閾値を設定可能な送信回数設定部21a―1とを備えている。
これにより、設定条件情報記憶部22b―4には、予め設定された送信台数の閾値と送信回数の閾値とが記憶される。
【0124】
また、前記捜索範囲制約情報が、送信された前記捜索信号の送信回数情報と送信された前記捜索信号にかかる前記携帯機器の送信台数情報を含む場合、これに対応して、計数機能23eには、送信されてきた捜索信号に含まれる捜索範囲制約情報のうち送信回数情報に基づいてこれを取り出して計数する送信回数計数部(送信回数計数機能)と、送信されてきた捜索信号に含まれる捜索範囲制約情報のうち送信台数情報に基づいてこれを取り出して計数する送信台数計数部(送信台数計数機能)と、を備えて構成されている。
【0125】
又、捜索範囲判定機能24bは、その判定機能として、送信回数情報と送信回数閾値とを比較することで、送信回数が送信回数閾値未満であるかどうかを判定する送信回数判定機能と、送信台数情報と送信台数閾値とを比較することで、送信台数が送信台数閾値未満であるかどうかを判定する送信台数判定機能と、を備えている。
【0126】
信号停止制御機能24dは、送信回数が送信回数閾値以上でかつ送信台数が送信台数閾値以上である場合に作動し前記発信変換部25の捜索信号送信出力を停止制御する。すなわち、計数された前記送信回数が予め設定した基準値以上の場合で、計数された前記送信台数が予め設定した基準値以上の場合に停止制御する。
【0127】
又、捜索範囲制約情報付加機能24cは、計算された送信回数情報と送信台数情報とを携帯機器識別情報に付加することで、送信回数情報と送信台数情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する機能を備えている。
【0128】
更に、例えば、携帯電話20―2における発信変換部25は、前記照合結果が一致した場合には、送信されてきた前記携帯機器識別情報の送信元の携帯電話20―1に照合が一致した旨(照合結果情報)を通知する通知送信機能25cを備えている。
この場合、前記送信元の携帯電話20―1における受信照合部23は、当該通知を受け取る通知受信機能23cを備えている。
【0129】
この場合、前記送信元の携帯電話20―1における制御部24は、当該通知を受け取ると、前記携帯機器識別情報を送り込む前記送信先の携帯電話20が2以上ある場合には、前記照合が一致した前記送信先の携帯電話20―2以外の他の送信先携帯電話20―3に対して、当該他の送信先携帯電話20―3にかかる照合動作を中止するように指令する、もしくは前記携帯機器識別情報の送信を中止する機能を備えている。
【0130】
さらに、携帯電話20には、捜索支援用のこれらの各部とは独立して、携帯電話機能部27を備えている。
【0131】
ここで、前記各携帯機器としての各携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・と前記携帯用電子キー10とをノードとする捜索ネットワークが、階層的ツリー構造を構成する。この場合、前記ノードがマスターとなる前記携帯機器としての携帯電話20―1の制御部24が、計数された前記送信台数が予め設定した基準値未満の場合に作動し、前記マスターに従属するスレーブとなる全ての他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3について当該各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に各々送信するための各送信台数情報を各々計算する送信台数計算機能と、前記各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に送信する各捜索信号に各々含まれる前記各携帯機器識別情報に、計算された前記各送信台数情報を各々付与する機能とを含む捜索範囲制約情報付加機能24cを備えている。
【0132】
更に、前記ノードがマスターとなる前記携帯機器としての携帯電話20−1の制御部24の捜索範囲制約情報付加機能24cが、計数された前記送信回数が予め設定した基準値未満の場合に作動し、前記マスターとなる前記携帯機器としての携帯電話20−1から前記スレーブとなる前記各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に各々送信するための前記各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に共通の送信回数情報を計算する送信回数計算機能と、前記各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に送信する各捜索信号に各々含まれる前記各携帯機器識別情報に、計算された前記共通の送信回数情報を各々付与する機能とを備えている。
【0133】
又、前記携帯機器としての携帯電話20−1の前記発信変換部25の相手先特定機能25bは、前記捜索信号を送信するに先立って通信可能圏内における前記他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3などとの間で通信接続確立処理を行うとともに、送信先となる前記他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3などを特定するための固有アドレス情報を取得して送信相手先を特定する。
【0134】
更に、前記携帯電話20−2の前記発信変換部25は、前記照合結果が一致した場合には送信されてきた前記捜索信号の送信元の携帯機器としての携帯電話20−1に照合が一致した旨を通知する通知送信機能25cを備えている。
【0135】
前記送信元の携帯機器としての携帯電話20−1における制御部24は、前記通知を受け取ると当該通知を受けた携帯機器としての携帯電話20−2以外の他のスレーブとなる携帯機器としての携帯電話20―3への捜索信号送信出力を停止制御する機能を備えている。
【0136】
又、前記各携帯電話20―1、20―2、・・が、前記各基準値を設定する設定部としての捜索範囲制約情報設定部21aを各々備えている。
【0137】
ここで、本第2実施形態の制御部24は、前記他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3などに前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、前記携帯電子キー10からの送信を1回目とし前記携帯機器識別情報の前記携帯機器での送受信経由過程で生じる前記携帯機器識別情報の送信回数を計数した送信回数情報を前記携帯機器識別情報に付して送信するように処理動作を制御する機能を備えている。
【0138】
又、制御部24は、前記他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3などに前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、各携帯電話20―1、20―2、・・を順次経由して当該各携帯電話20―1、20―2、・・にて各々照合を行う捜索過程において前記照合結果が不一致となった前記携帯機器としての携帯電話20―1、20―2などの台数を示す送信台数情報を前記携帯機器識別情報に付して送信するように処理動作を制御する機能を備えている。
【0139】
更に、前記各携帯機器としての各携帯電話20―1、20―2、・・は、前記捜索する範囲を設定するために前記送信回数情報にかかる送信回数閾値を設定する第一の設定手段としての送信回数設定部21a―1を予め装備された操作入力手段としての入力部21にそれぞれ併設してもよい。
この場合、制御部24は、送信されてくる前記携帯機器識別情報に付された前記送信回数情報に基づいて計数された送信回数が前記第一の設定手段にて設定された前記送信回数閾値と一致した場合には、前記照合結果が不一致となっても前記他の携帯機器としての携帯電話20―2、20―3などへの前記携帯機器識別情報の送信を不許可とする機能を備えている。
【0140】
又更に、前記各携帯機器としての各携帯電話20―1、20―2、・・は、前記捜索する範囲を設定するために前記送信台数情報にかかる送信台数閾値を設定する第二の設定手段としての送信台数設定部21a―2を予め装備された操作入力手段としての入力部21にそれぞれ併設してもよい。
この場合、前記制御部24は、送信されてくる前記携帯機器識別情報に付された前記送信台数情報に基づいて計数された送信台数が前記第二の設定手段にて設定された前記送信台数閾値と一致した場合には、前記照合結果が不一致となっても前記他の携帯機器としての携帯電話20―2などへの前記携帯機器識別情報の送信を不許可とする機能を備えている。
【0141】
又更に、前記制御部24は、前記照合結果が一致した場合には、送信されてきた前記携帯機器識別情報の送信元の携帯機器としての携帯電話20―1に照合が一致した旨を通知する機能を備えている。
この場合、前記送信元の携帯機器としての携帯電話20―1における制御部24は、当該通知を受け取ると、前記携帯機器識別情報を送り込む前記送信先の携帯機器としての携帯電話20―2、20―3などが2以上ある場合には、前記照合が一致した前記送信先の携帯機器としての携帯電話20―2以外の他の送信先携帯機器としての携帯電話20―3に対して、当該他の送信先携帯機器としての携帯電話20―3にかかる照合動作を中止するように指令する、もしくは前記携帯機器識別情報の送信を中止する機能を備えている。
【0142】
(動作手順について)
次に、上述のような構成を有する携帯機器捜索システムにおける全体の動作手順について、図12を参照しつつ説明する。図12は、携帯機器捜索システムにおける動作手順の一例を示すフローチャートである。
【0143】
(全体動作)
先ず、図12に示すように、携帯電子キー10の発振部14が、ボタンスイッチ12の押下時間を計数し、押下時間が特定の閾値より長いか短いかを判定する(ステップS101)。
【0144】
このステップS101において、押下時間が長いと判定された場合には、発振部14は、携帯機器捜索機能を稼動する(ステップS103)。
すなわち、携帯電話を紛失した場合、ユーザーは携帯電子キー10のボタンスイッチ12を長押しすることにより携帯機器捜索を実行できる。
【0145】
一方、このステップS101において、押下時間が短いと判定された場合には、発振部14は、電子キー機能を稼動する(ステップS102)。
すなわち、車のドア開閉などの通常のキーレスエントリシステムを使用する場合は、ユーザーは、携帯電子キー10のボタンスイッチ12を長押ししないで、短く押すことで使用可能となる。
【0146】
そして、携帯電子キー10のボタンスイッチ12が短い時間押された場合には、車のドア開閉用の信号を連続して出力する(開閉用信号出力ステップ、開閉用信号出力機能)。
一方、ボタンスイッチ12を長押しの際は、携帯電子キー10の発振部14は、捜索範囲制約情報のうち送信回数情報を1回目として計数し(ステップS211)、捜索範囲制約情報の一部である送信回数情報と携帯機器識別情報(携帯電話番号など)とを含む捜索信号を生成する(ステップS212)。
【0147】
続いて、携帯電子キー10は、例えば半径10m程度の通信可能圏内にて他の携帯電話20―1にアクセスするための通信接続確立処理を実施する(ステップS104)。
【0148】
具体的には、携帯電子キー10は、例えば半径10m程度の通信可能圏内にて他の(ブルートゥース機器を搭載した携帯機器又は電子機器の一例である)携帯電話20―1にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する。
このパケットに対する応答パケットを携帯電子キー10が受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
このようにして携帯電子キー10を中心とした通信可能圏内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理により通信接続確立処理を行う。
【0149】
この通信接続確立処理の後に、携帯電子キー10は、携帯電話20―1に対して特定の捜索信号(例えば携帯電話番号情報などの携帯機器識別情報と送信回数情報などの捜索範囲制約情報の一部)を出力する(ステップS105:捜索信号出力ステップ、捜索信号出力機能)。
【0150】
次に、携帯電話20―1の受信照合部23は、携帯電子キー10からの特定の捜索信号(例えば携帯電話番号情報などの携帯機器識別情報と送信回数情報などの捜索範囲制約情報の一部)を受信する(ステップS110)。
【0151】
又、携帯電話20―1の受信照合部23は、受信した捜索信号を復調し、当該捜索信号から携帯機器識別情報例えば携帯電話番号、捜索範囲制約情報例えば送信回数情報を取り出し、暗号化情報記憶部22bの所定の記憶領域に一時格納しておく。
【0152】
また、携帯電話20―1の受信照合部23は、照合用の登録携帯機器識別情報記憶部22b―1より登録捜索信号に含まれる登録携帯機器識別情報を取り出す(ステップS111)。
【0153】
そして、受信照合部23は、携帯電子キー10からの捜索信号に含まれる携帯機器識別情報と予め記憶されている登録捜索信号に含まれる(登録携帯機器識別情報)とを照合する(ステップS112:照合ステップ)。
【0154】
照合結果が合致した場合(ステップS112の「Yes」)、制御部24が携帯電話20のキー操作を無効にし、報知部26にて報知用動作(例えば捜索専用の動作パターンの呼び出し音を鳴らしたり、ランプなどを捜索専用の動作パターンにて点灯したりなどの動作)を実行するようにする(ステップS107:報知用動作ステップ、報知用動作機能)。
【0155】
一方、照合結果が不一致の場合(ステップS112の「No」)、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より捜索範囲制約情報を取得する(ステップS120)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を取り出す(ステップS121)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報と設定条件情報とを比較する(ステップS122)。
【0156】
捜索範囲制約情報が設定条件以上の場合(ステップS122の「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0157】
一方、捜索範囲制約情報が設定条件未満の場合(ステップS122の「Yes」)、携帯電話20―1の制御部24は、通信可能圏内の他の携帯電話20−2、20−3などとの通信接続確立処理を行う(ステップS124)。
【0158】
続いて、携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための捜索範囲制約情報を計算する(ステップS125)。
【0159】
続いて、携帯電話20―1の制御部24は、計算された捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126)。
【0160】
(ステップS120〜S126の具体的計算例)
ここで、このステップS120〜S126において、捜索範囲制約情報が一例として送信回数情報と送信台数情報である場合は、図14に示すようになる。
【0161】
すなわち、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より送信されてきて記憶された捜索範囲制約情報の一例である送信回数情報を取得しこの値を計数する(ステップS120b:送信回数情報取得ステップ、送信回数情報取得機能)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から基準値に関する情報(例えば送信回数の閾値)を取り出す(ステップS121b:送信回数閾値情報取得ステップ、送信回数閾値情報取得機能)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報の一例である送信回数情報と、設定条件情報の一例である送信回数の閾値とを比較する(ステップS122b:送信回数判定ステップ、送信回数判定機能)。
【0162】
送信回数情報が閾値以上の場合(ステップS122bの「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0163】
一方、送信回数情報が閾値未満の場合(ステップS122bの「Yes」)、携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための捜索範囲制約情報としての送信回数を計算する(ステップS125b:送信用送信回数情報計算ステップ、送信用送信回数情報計算機能)。
例えば、捜索範囲制約情報記憶部22b―3の送信回数mの場合は、例えばm+1としたりする。
【0164】
次に、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より送信されてきて記憶された捜索範囲制約情報の一例である送信台数情報を取得しこの値を計数する(ステップS120c:送信台数情報取得ステップ、送信台数情報取得機能)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から基準値に関する情報(例えばこの場合送信台数の閾値)を取り出す(ステップS121c:送信台数閾値情報取得ステップ、送信台数閾値情報取得機能)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報の一例である送信台数情報と、設定条件情報の一例である送信台数の閾値とを比較する(ステップS122c:送信台数判定ステップ、送信台数判定機能)。
【0165】
送信台数情報が閾値以上の場合(ステップS122cの「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0166】
一方、送信台数情報が閾値未満の場合(ステップS122bの「Yes」)、携帯電話20―1の発振変換部25は、通信可能圏内の他の携帯電話20−2、20−3などとの通信接続確立処理を行う(ステップS124c)。
【0167】
ここで、携帯電話20−1と携帯電話20―2との間の通信接続確立処理の通信手順について、図13を用いて簡単に説明する。
携帯電話20―1は、例えば半径10m程度の通信可能圏AR2内にて他の携帯電話20―2にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する(ステップS124a)。
これによって、携帯電話20―1の特定小電力無線送受信モジュールは、他の固有アドレスを取得するための他固有アドレス取得要求を出力する。
このように、マスターは、捜索ネットワークを構成する際に、周辺に存在するスレーブのアドレスなどの情報収集を行う。
スレーブは、マスターに発見されるためにマスターからの要求を待ち受ける。
【0168】
このパケットに対する応答パケット(他固有アドレス情報を含むパケット)が携帯電話20―2より送信され(ステップS124b)、携帯電話20―1が応答パケットを受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
【0169】
同様にして、通信可能圏内の他の全ての携帯機器(例えば携帯電話20−3など)について固有アドレス、デバイスクラスなどの情報を取得する(ステップS124d)。
更に、携帯電話20−1と携帯電話20―2との間でその他の必要情報を相互に交換する(ステップS124e、ステップS124f)。例えば、マスターは、スレーブを通信接続確立状態に移行させるために、スレーブに対し、アクティブメンバーアドレス、マスターのアドレスおよびクロックの位相情報を通知する。更に、マスターとスレーブ相互でリンク情報の交換を行う。
【0170】
このようにして携帯電話20―1を中心とした通信可能圏AR2内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理(例えば問い合わせ状態にかかる処理)により通信接続確立処理を行う(ステップS124)。
【0171】
具体的には、携帯電話20−1と次の携帯電話20−2との間の通信接続確立処理、携帯電話20−1と次の携帯電話20−3との間の通信接続確立処理を行う(ステップS124c)。
【0172】
ここで、携帯電話20−1には、通信可能圏AR2内にかかる他の携帯電話の識別情報が取得され蓄積されるので、この情報をもとに携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための送信台数情報を計算する(ステップS125c:送信用送信台数情報計算ステップ、送信用送信台数情報計算機能)。
例えば、捜索範囲制約情報記憶部22b―3に記憶されている送信台数情報がkの場合は、携帯電話20−2に対して例えばk+1、携帯電話20−3に対して例えばk+2とする計算を行い、当該計算値をそれぞれのアドレスに割り当て、図11に示すマスター用携帯機器管理テーブル22cに書き込む。
【0173】
そして、携帯電話20―1の制御部24は、携帯電話20−2に送信するための計算された送信回数情報と計算された送信台数情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126c)
【0174】
その後、携帯電話20―1の発振変換部25は、次の携帯電話20−2に捜索範囲制約情報(計算された送信回数情報と計算された送信台数情報)と携帯機器識別情報(携帯電話番号情報)とを含む捜索信号を送信する(ステップS131:捜索信号出力ステップないしは機能)。
例えば、携帯電話20−1の発振変換部25は、次の携帯電話20−2に送信回数情報「2」と送信台数情報「2」と携帯機器識別情報(携帯電話番号情報)とを含む捜索信号を送信する。
捜索信号を送信すると、携帯電話20―1の制御部24は、図11に示す捜索信号送信状況テーブル22dに携帯電話20−2用の捜索信号の送信が完了したことを書き込む。
【0175】
続いて、携帯電話20―1の発振変換部25は、次の携帯電話20−2からの応答処理を行う(ステップS140)。
【0176】
次に、携帯電話20―1の制御部24は、図11に示す捜索信号送信状況テーブル22dを参照して、捜索信号が未送信の他の携帯機器があるかどうかを判定する(ステップS151)。
このステップS151の判定において、未送信の他の携帯機器がある場合(図12に示すステップS151の「Yes」)、ステップS124に戻り、未送信の他の携帯機器について捜索信号を送信するようにする。
具体的には、携帯電話20―1の制御部24は、携帯電話20−3に送信するための計算された送信回数情報と計算された送信台数情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126c)
【0177】
その後、携帯電話20―1の発振変換部25は、次の携帯電話20−3に送信回数情報「2」と送信台数情報「3」と携帯機器識別情報(携帯電話番号情報)とを含む捜索信号を送信する。
捜索信号を送信すると、携帯電話20―1の制御部24は、図11に示す捜索信号送信状況テーブル22dに携帯電話20−3用の捜索信号の送信が完了したことを書き込む。
【0178】
一方、このステップS151の判定において、未送信の他の携帯機器がない場合(図12に示すステップS151の「No」)、処理を終了する。
【0179】
次の携帯電話20−2が、携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信してからの処理は、携帯電話20―1の場合のステップS110〜ステップS151と同様の処理を繰り返せまよい(ステップS160)。
ただし、送信回数や送信台数などの数値が異なる。
【0180】
例えば、次の携帯電話20−2が、捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信すると、復調し、次の携帯電話20−2における受信照合部23で携帯電話20―1からの携帯機器識別情報の照合を行う。
この照合結果が合致した場合、携帯電話20―2のキー操作を無効にし、呼び出し音を鳴らす。
【0181】
一方、照合結果が不一致の場合、携帯電話20―2は、さらに次の携帯電話20−4に捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報を含む捜索信号を送信する。
このようにして、いずれかの携帯電話20が呼び出し音を鳴らまで(ステップS110〜ステップS151:ステップS160)を繰り返す。
【0182】
(ステップS125の詳細処理)
ここで、ステップS125の送信台数を計算するための詳細処理について、図16を用いて説明する。
先ず、携帯電話20−1は、捜索信号送信状況テーブルを参照し、最小の台数番号の携帯機器が送信済みとなっているかどうかを判定する(ステップS125a―1)。
【0183】
携帯電話20−1は、送信済みとなっている場合(図16に示すステップS125a―1の「Yes」)、ステップS127の処理を行う。
一方、未送信となっている場合(図16に示すステップS125a―1の「No」)、携帯電話20−1は、捜索信号を送信する必要のあるスレーブ数情報を取得する(ステップS125a―2)。
【0184】
続いて、本機器の台数番号情報を取得する(ステップS125a―3)。
【0185】
次いで、携帯電話20−1は、階層情報テーブルを参照し、スレーブに割り当てる台数番号を計算する(ステップS125a―4)。
【0186】
そして、携帯電話20−1は、階層情報テーブルを更新する(ステップS125a―5)。
【0187】
さらに、携帯電話20−1は、捜索信号送信状況テーブルに計算された台数番号などの必要な情報を書き込む(ステップS125a―6)。
【0188】
次に、携帯電話20−1は、捜索信号送信状況テーブルを参照し、未送信の携帯機器の台数番号情報を取得する(ステップS125a―7)。
【0189】
(ステップS140の詳細処理)
更に、ステップS140の応答通知を受けた場合の詳細処理について、図15を用いて説明する。
先ず、携帯電話20−1は、他の携帯機器からの応答通知を受信する(ステップS140a)。
この応答通知には、捜索信号を送信した送信先における照合結果情報(照合一致、照合不一致)が含まれている。
【0190】
次に、携帯電話20−1は、他の携帯機器において照合結果が一致したのかどうかを判定する(ステップS140b)。
他の携帯機器の照合結果が一致していない場合(図15に示すステップS140bの「No」)、図12に示すステップS124に戻る。
【0191】
一方、他の携帯機器の照合結果が一致した場合(図15に示すステップS140bの「Yes」)、携帯電話20−1は、捜索信号を送信したさらに他の携帯機器があるかどうかを判定する(ステップS140c)。
このステップS140cの判定の結果、さらに他の携帯機器がある場合(図15に示すステップS140cの「Yes」)、携帯電話20−1は、当該さらに他の携帯機器への捜索信号を停止する、もしくは捜索中止信号を送信する(ステップS140d)。
【0192】
一方、このステップS140cの判定の結果、さらに他の携帯機器がない場合(図15に示すステップS140cの「No」)、このステップS140の処理を終了する。
【0193】
これらの一連のステップによって、複数のスレーブのうちいずれか一つのスレーブで照合結果が一致したことが判明した場合、マスターは、他の全てのスレーブに対して捜索を中止することができる。
【0194】
(捜索の具体的な例)
次に、捜索の具体的な例として、図8に示すように、7台目の携帯電話20−7を紛失した捜査対象の携帯電話とし、1台目の携帯電話20−1で合致しない場合を説明する。
【0195】
発振変換部25より、暗号に変換された特定信号が発振される。この際、携帯電話20―1は送信台数情報と送信回数情報とを特定信号に付加する。特定信号(送信信号)は、携帯機器識別情報(携帯電話番号情報)と送信台数情報と送信回数情報とにより構成され、これらが暗号化された状態で送信される。
【0196】
先ず、1台目の携帯電話20―1から特定信号が発振される(図13に示すステップS131)。
この際、送信台数情報は例えば1台とし、送信回数情報は例えば2回とする。
2台目の携帯電話20−2が当該特定信号を受信すると、1台目の携帯電話20−1に対して、受信したことを通知する(図13に示すステップS141)。
この通知には、送信台数情報例えば2台を含んでもよい。
【0197】
この際、2台目の携帯電話20−2において照合結果が合致した場合、合致したことを1台目の携帯電話20―1に通知する。
そして、通知を受け取った1台目の携帯電話20−1は、3台目の携帯電話20−3に対する発振を取りやめるよう指令する(図13に示すステップS301)。
又、2台目の携帯電話20−2は、合致と同時に呼び出し音を鳴らす。
【0198】
一方、2台目の携帯電話20−2において照合結果が合致しなかった場合、その旨を1台目の携帯電話20−1に通知する。そして、当該通知を受け取った1台目の携帯電話20−1は、3台目の携帯電話20―3に照合を続行する指令もしくは特定信号の送信などを行う。
この指令では、送信台数情報として例えば3台を含んでよい。
【0199】
同様の動作を2台目の携帯電話20−2が、4台目の携帯電話20−4及び5台目の携帯電話20−5に対して実施する。
更に、同様の動作を3台目の携帯電話20−2が、6台目の携帯電話20−6及び7台目の携帯電話20−7に対して実施する。
【0200】
そして、図8に示すように、近辺にある携帯電話20―1〜携帯電話20−7を経由し、紛失した携帯電話を探し続け、紛失した7台目の携帯電話20−7にて照合結果が合致し、呼び出し音を鳴らす。
また、送信台数情報と送信回数情報をあらかじめ決定しておくことにより、無限に通知することが防止可能である。
【0201】
(捜索経路が階層的ツリー構造となる場合における送信台数情報の計数手法)
ここで、図8に示す例において、送信台数情報の計数手法について説明する。
携帯電話1台目20―1をマスターとし、この携帯電話1台目20―1の通信可能圏内(例えば直径約10メートル程度)にある他の携帯電話を全てスレーブとして2台目以降を割り当てる。
【0202】
携帯電話1台目20―1は、通信可能圏内にてアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する。このパケットに対する応答パケットを携帯電話1台目20―1が受信した場合に、応答パケットを早く受信したもの順に2台目、3台目と割り当てるようにしてもよい。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
早く受信した応答パケットに第1の固有アドレスが格納されていれば、当該第1の固有アドレスに対応する携帯機器に対して2台目を割り当て、この対応関係を他携帯機器管理情報記憶部22b―5におけるマスター用携帯機器管理テーブル22cに書き込む。
次に受信した応答パケットに第2の固有アドレスが格納されていれば、当該第2の固有アドレスに対応する携帯機器に対して3台目を割り当て、この対応関係を他携帯機器管理情報記憶部22b―5におけるマスター用携帯機器管理テーブル22cに書き込む。
このようにして携帯電話1台目20―1を中心とした通信可能圏内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理(例えば問い合わせ状態にかかる処理)により通信接続確立処理を行う。
【0203】
他携帯機器管理情報記憶部22b―5には、その他、1台目がマスター(階層的ツリー構造における木の根:親)で第1階層、2台目および3台目がスレーブ(階層的ツリー構造における木の枝:子)で第2階層となる階層構造を定義した階層構造テーブル22eを含む。
又、応答パケットが受信されない場合は、前記パケットの連続発信動作を続行する。
【0204】
通信接続確立処理により通信接続が確立されると(この場合携帯電話1台目20―1と携帯電話2台目20―2との間の通信接続、携帯電話1台目20―1と携帯電話3台目20―3との間の通信接続)、携帯電話1台目20―1と携帯電話2台目20―2との間で情報の授受を行う。又、携帯電話1台目20―1と携帯電話3台目20―3との間で情報の授受を行う。
携帯電話1台目20―1はマスターであり、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークの情報は必ずマスターを経由するため、携帯電話1台目20―1の他携帯機器管理情報記憶部22b―5には、捜索ネットワークの全体構成情報が蓄積される。
【0205】
情報の授受に際しては、先ず、携帯電話1台目20―1と携帯電話2台目20―2との間で情報の授受を行い、その後、携帯電話1台目20―1と携帯電話3台目20―3との間で情報の授受を行うように台数番号に応じた優先順位を規定する。
【0206】
携帯電話1台目20―1と携帯電話2台目20―2との間で情報の授受を行うに際しては、捜索対象の携帯電話番号などの携帯機器識別情報と送信台数情報「2台目」と送信回数情報「2回目」とを捜索信号として携帯電話1台目20―1が第2の固有アドレスである携帯電話2台目20―2に送る。
【0207】
次に、携帯電話2台目20―2は、送信されてきた携帯電話番号と、予め携帯電話2台目20―2の記憶部に格納されている携帯電話番号とを照合する。
照合結果が一致の場合、携帯電話2台目20―2は、第1の固有アドレスである携帯電話1台目20―1に照合結果が一致した旨の通知を送信する。
照合結果が一致である旨の通知を受信すると、携帯電話1台目20―1は、携帯電話1台目20―1と携帯電話3台目20―3との間の通信接続を遮断するため発信を取りやめる。
【0208】
一方、照合結果が不一致の場合、携帯電話2台目20―2は、第1の固有アドレスである携帯電話1台目20―1に照合結果が不一致である旨の通知を送信する。
照合結果が不一致である旨の通知を受信すると、携帯電話1台目20―1は、捜索対象の携帯電話番号などの携帯機器識別情報と送信台数情報「3台目」と送信回数情報「2回目」とを捜索信号として第3の固有アドレスである携帯電話3台目20―3に送る。
【0209】
次に、携帯電話3台目20―3は、送信されてきた携帯電話番号と、予め携帯電話3台目20―3の記憶部に格納されている携帯電話番号とを照合する。
照合結果が一致の場合、携帯電話3台目20―3は、第1の固有アドレスである携帯電話1台目20―1に照合結果が一致した旨の通知を送信する。
照合結果が一致である旨の通知を受信すると、携帯電話1台目20―1は、携帯電話2台目20―1に携帯電話4台目などへの捜索信号の発信を取りやめるよう指示する。
【0210】
一方、照合結果が不一致の場合、携帯電話3台目20―3は、第1の固有アドレスである携帯電話1台目20―1に照合結果が不一致である旨の通知を送信する。
照合結果が不一致である旨の通知を受信すると、携帯電話1台目20―1は、捜索を続行するよう携帯電話2台目20―1に指示する。
この際、携帯電話1台目20―1は、階層構造テーブルに、照合結果情報を各機器に対応づけて書き込んでもよい。
【0211】
携帯電話2台目20―2は、携帯電話3台目20―3でも照合結果が不一致で捜索指示を受けると、携帯電話1台目20―1における階層構造テーブルの階層構造情報を取得し、自身の階層構造テーブルに書き込む。
【0212】
ここで、前述と同様にして、携帯電話2台目20―2をマスターとし、この携帯電話2台目20―2の通信可能圏内(例えば直径約10メートル程度)にある他の携帯電話を全てスレーブとして4台目以降を割り当てる。
すなわち、この階層構造情報及び照合結果情報と、自身の台数情報「2台目」とに基づいて、次に割り当てる台数番号を計数する。
第1階層の1台目、第2階層の2台目および3台目が全て照合不一致となっているので、2台目をマスターとするスレーブは、第3階層の上段として4台目、5台目を割り当てる。
【0213】
第1階層の1台目、第2階層の2台目および3台目、第3階層上段の4台目および5台目が全て照合不一致となる場合、3台目をマスターとするスレーブは、第3階層の下段として6台目、7台目を割り当てる。
【0214】
(台数番号情報決定ルールにかかる台数番号情報取得過程)
このような台数番号の割り当てにおいて、図17(A)〜(F)に示すように、携帯電話1台目20―1から携帯電話2台目20―2に台数番号情報「2」が割り当てられる。
さらに、携帯電話1台目20―1からスレーブである携帯電話3台目20―3に台数番号情報「3」が割り当てられる。
【0215】
次に、携帯電話2台目20―2から携帯電話4台目20―4に台数番号情報「4」が割り当てられる場合、携帯電話2台目20―2は、階層構造において割り当て番号が最大のものが台数番号情報「3」であることを携帯電話1台目20―1を通じて取得する。
このため、携帯電話2台目20―2の階層構造テーブルには、携帯電話1台目20―1における階層構造テーブルからの情報を取得して全階層構造情報を有するようにする。
次に、携帯電話2台目20―2からスレーブである携帯電話5台目20―5に台数番号情報「5」が割り当てられる。
そして、携帯電話1台目20―1の階層構造テーブルには、携帯電話2台目20―2における階層構造テーブルからの情報を取得して全階層構造情報を有するようにする。
【0216】
次に、携帯電話3台目20―3から携帯電話6台目20―6に台数番号情報「6」が割り当てられる場合、携帯電話3台目20―3は、階層構造において割り当て番号が最大のものが台数番号情報「5」であることを携帯電話2台目20―2及びを携帯電話1台目20―1を通じて取得する。
このため、携帯電話3台目20―2の階層構造テーブルには、携帯電話1台目20―1における階層構造テーブルからの情報、携帯電話2台目20―2における階層構造テーブルからの情報を取得して全階層構造情報を有するようにする。
次に、携帯電話3台目20―2からスレーブである携帯電話7台目20―7に台数番号情報「7」が割り当てられる。
そして、携帯電話1台目20―1の階層構造テーブルには、携帯電話3台目20―3における階層構造テーブルからの情報を取得して全階層構造情報を有するようにする。
このようにして、各携帯電話20の各階層構造テーブルで相互に情報を交換しあい、各携帯電話20における各階層構造テーブルには全階層構造情報を有するようにする。
【0217】
(捜索範囲の設定)
捜索範囲を設定する場合、図18に示すように、送信回数の閾値を設定することによって、例えばc1、c2、c3、c4のように、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークの各階層毎に範囲を設定できる。
【0218】
又、送信回数の閾値と送信台数の閾値と階層グループなどの設定を組み合わせることによって、図19に示すように、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークのうち、一の枝については送信回数及び台数が所定の範囲までで、他の枝については送信回数及び台数が所定の範囲までとなるように捜索範囲を個別に設定するようにしてもよい。
【0219】
更に、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークのうち、図20に示すように、あるノードの部分30、40については、携帯電話以外の他の電子機器を中継器として用いる場合であってもよい。
【0220】
又更に、階層的ツリー構造は、携帯電話20−1を根とする場合に限らず、図21に示すように、携帯電子キーを根とする構造であってもよい。
【0221】
以上のように本実施の形態によれば、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークにおいて、送信回数と送信台数とを組み合わせて設定することで、捜索範囲をより詳細に設定することができる。
【0222】
その他の構成およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した実施の形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をプログラム化(ソフトウエアプログラム)し、コンピュータに実行させてもよい。
【0223】
[第3の実施の形態]
次に、本発明にかかる第3の実施の形態について、図22に基づいて説明する。以下には、前記第1実施形態の実質的に同一の構成要素に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図22は、本発明の携帯機器捜索システムの第3実施形態の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0224】
上述の各実施形態では、捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を予め携帯機器側で設定する場合について説明したが、本第3実施形態では、携帯電子キー側で設定しこの設定条件情報をも捜索信号として設定する場合の例を示す。
【0225】
具体的には、図22に示すように、本第3の実施形態の携帯機器捜索システム5では、携帯電子キー10が、前記第1実施形態と同様の構成に加え、捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を設定するための捜索範囲制約情報設定部15と、この捜索範囲制約情報設定部15にて設定された設定条件情報を格納する設定条件情報記憶部17と、捜索範囲制約情報設定部15にて設定された設定条件情報を設定条件情報記憶部17に格納するとともに、この設定条件情報を発振部14で捜索信号に含まれる携帯機器識別情報に付与するように制御する電子キー用制御部16とをさらに備えている。
【0226】
捜索範囲制約情報設定部15は、送信回数閾値を設定する機能、送信台数閾値を設定する機能を備えている。捜索範囲制約情報設定部15は、前記各基準値を設定する電子キー側設定部として機能する。
設定条件情報記憶部17は、送信回数閾値、送信台数閾値に関する情報が記憶される。
電子キー用制御部16は、この電子キー側設定部にて設定された前記各基準値を設定条件情報として前記捜索信号送信前に予め前記携帯機器識別情報に付与する手段として機能する。
発振部14は、前記設定条件情報と前記携帯機器識別情報とを含む前記捜索信号を発振する。
【0227】
これによって、携帯電子キー10から送信される捜索信号S105bには、図23に示すように、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)と捜索範囲制約情報(例えば送信回数「1」)と設定条件情報(例えば送信回数閾値と送信台数閾値)とが含まれる。
【0228】
更に、携帯電話1台目20−1から携帯電話2台目20−2に送信される捜索信号S131bには、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)と捜索範囲制約情報(例えば送信回数「2」と送信台数「2」)と設定条件情報(例えば送信回数閾値と送信台数閾値)とが含まれる。
【0229】
前記各携帯機器20―1、20―2、・・・の制御部24は、前記捜索信号に含まれる前記設定条件情報を取り出して前記基準値とする。
【0230】
このような携帯機器捜索システム500における動作は、図24に示すように、ステップS103の後、携帯電子キー10の電子キー用制御部16が、捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を設定条件情報記憶部17から取得する(ステップS201)。
【0231】
そして、携帯電子キー10の電子キー用制御部16が、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)と捜索範囲制約情報(例えば送信回数「1」)と設定条件情報(例えば送信回数閾値と送信台数閾値)とを含む捜索信号を生成する(ステップS202)。
その他は前記第1実施形態と同様の処理を行う。
【0232】
更に、携帯電話20−1においては、ステップS121で設定条件情報を取得するに際にしては、送信されてきた捜索信号の中に含まれる設定条件情報を取り出したものを取得するようにする。捜索信号の中に含まれる設定条件情報を取り出したものは、一旦設定条件情報記憶部22b−4に記憶され、これを読み出す。
【0233】
そして、携帯電話20−1においては、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)と捜索範囲制約情報(例えば送信回数と送信台数)と設定条件情報(例えば送信回数閾値と送信台数閾値)とを含む捜索信号を生成する(ステップS126)。
その他は前記第1実施形態と同様の処理を行う。
【0234】
以上で説明したように、本第3の実施の形態によると、捜索範囲は利用者側で任意に設定できる。
【0235】
その他の構成およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した実施の形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をプログラム化(ソフトウエアプログラム)し、コンピュータに実行させてもよい。
【0236】
[その他の各種変形例]
また、本発明にかかる装置及び方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。
例えば、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。すなわち、上記実施の形態では、捜索例として送信回数が3回で携帯電話が7台目で見つかる場合を示したが、本発明は、これらの回数、個数を制限するものではない。
更に、捜索ネットワークにおける各携帯機器の台数番号の割り当てルールは、上述のようなものに限らず、種々のものが想定されうる。
【0237】
更に、前記携帯機器としての携帯電話20―1における前記制御部24は、前記他の携帯機器としての携帯電話20−2に前記捜索信号を送信するに際し、前記他の携帯電話としての携帯電話20−2におけるGPS機能を稼働させるためのGPS機能稼働開始情報を前記携帯機器識別情報に付する機能を備えている。更に、GPS機能を稼働させるためのGPS機能稼働開始情報を前記携帯機器識別情報に付して送信するように処理動作を制御する機能を備えている。
この場合、前記他の携帯電話20−1における制御部24は、前記GPS機能稼働開始情報に基づいてGPS機能を稼働させ、自身の位置情報を予め指定した送信先に対して送信する機能を備えている。すなわち、前記他の携帯電話20−1における制御部24は、自身の位置情報を予め指定した送信先である第三の情報機器に対して送信する位置情報送信機能と、前記照合が一致した場合に当該位置情報送信機能を稼動する機能とを備えている。
【0238】
これにより、携帯電話探索時に呼び出し音の変わりにGPS機能を使用し、居場所の通知をあらかじめ指定しておいた通信相手に伝えることが可能である。
【0239】
更に、図25に示すように、ステップS120からステップS125までの捜索範囲にかかる一連の判定処理を、照合判定前のステップS110とステップS111の間で処理するようにしてもよい。
【0240】
また、捜索範囲の設定には基準値として1つの閾値を設定する場合について説明したが、捜索ネットワークの階層構造が複雑となる場合には、サブツリー毎にグループ化し、グループ毎に閾値を設定するようにしてもよい。また、このように設定しても所定の時間経過後、発見できない場合、前記閾値を段階的に上げていき、捜索範囲を段階的に広げるように、前記各携帯電話の捜索支援用の制御部が制御するようにしてもよい。
更に、携帯電話20−1における制御部24は、前記他の携帯機器としての携帯電話20―2に前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、前記他の携帯電話20―2におけるGPS機能を稼働させるためのGPS機能稼働開始情報を前記携帯機器識別情報に付して送信するように処理動作を制御する機能を備えている。
この場合、前記他の携帯機器としての携帯電話20−2における制御部24は、前記照合が一致しない場合に、自身の位置情報を予め指定した送信先である第三の情報機器に対して送信するとともに階層構造テーブルの情報を前記第三の情報機器に送信する機能を備えてもよい。
これにより、捜索中の捜索ネットワーク構造と地図情報とを組み合わせて捜索経過が第三の情報機器にて把握できるようにしてもよい。
【0241】
又、携帯機器は、携帯電話に限らず、プログラム制御により動作しネットワーク関連の通信機能並びにブルートゥース機器を搭載した携帯機器又は電子機器であれば、携帯電話機能を搭載し無線通信機能を有する情報機器(PDA)、情報家電機器(携帯音楽プレーヤ・携帯ゲーム機)などのモバイルコンピュータ、またはこれに類するコンピュータなどいかなるコンピュータでもよい。
例えば、ブルートゥース機器を搭載したテレビやプリンタ、パソコンといった他の電子機器を、当該捜索システムの中継機として利用しても良い。
【0242】
更に、図3に示す携帯電話1台目を利用し、電子キーの送信距離(例えば最大10m程度)内にある携帯電話に探索対象となる携帯電話番号以外のあらかじめ規定したデータ信号(例えばGPS機能稼働開始信号)を送ることで、携帯電話用の固定アンテナを使用せずに、データ交換が可能となるようにしてもよい。
【0243】
又、携帯電子キー10は、電子キー機能としてロック・アンロックを行うための開閉用信号を送信する鍵制御用無線送信部を備えており、これを前記発振部とは独立して設けてよい。
【0244】
又、上述の例では、階層的ツリー構造の根が携帯電話1台目20―1となる捜索ネットワークについて説明したが、捜索ネットワークの構造例としてはこれに限るものではなく、階層的ツリー構造の根が携帯電子キー10となる場合や、携帯電子キー10から携帯電話s台目20―sまでが数珠繋ぎ構成で当該携帯電話s台目20―sを階層的小ツリー構造の根となるような階層的ツリー構造であってもよい。
【0245】
さらに、捜索ネットワークは、完全d分木などのような階層ツリー構造に限らず、メッシュなどの種々のネットワークトポロジであってもよい。
【0246】
又、本発明の一実施形態に係る携帯機器捜索における動作手順は、電子キーシステムに用いられる携帯電子キー10と、この携帯電子キー10を用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器としての携帯電話20とを備えた携帯機器捜索システムを対象とするものである。
【0247】
この動作手順では、次のようにしてもよい。先ず、捜索開始要求に応じて前記携帯機器としての携帯電話20を固有に識別するための携帯機器識別情報を前記携帯電子キー10が送信する(ステップS103〜S105:発信ステップ、発信機能)。
【0248】
次に、前記携帯電子キー10から送信された前記携帯機器識別情報を受信しこの携帯機器識別情報が予め当該携帯機器としての携帯電話20に備えられた登録携帯機器識別情報と一致するか否かを前記携帯機器としての携帯電話20が備えた受信照合部23が照合する(ステップS110〜S112:照合ステップ、照合機能)。
【0249】
しかる後、この照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器20としての携帯電話20を経由して他の携帯機器としての携帯電話20―2などに前記携帯機器識別情報を送信する動作を前記携帯機器としての携帯電話20が備えた制御部24が実行する(ステップS131:制御ステップ、制御機能)。
【0250】
又、この携帯機器捜索における動作手順では、前記照合結果が不一致の場合には、さらに続いて、前記他の携帯電話20―2が前記携帯機器識別情報を受信しこの携帯機器識別情報が予め当該他の携帯機器としての携帯電話20―2に備えられた既登録携帯機器識別情報と一致するか否かを前記他の携帯機器としての携帯電話20―2が備えた受信照合部23が照合する(他の照合ステップ、他の照合機能)。
【0251】
次に、当該他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる照合結果が一致した場合には当該携帯機器としての携帯電話20―2の所在位置を外部へ報知するための報知用動作を前記他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる制御部24が実行するとともに、送信されてきた前記携帯機器識別情報にかかる送信元の前記携帯機器としての携帯電話20―1に対して前記他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる照合が一致した旨の通知を返送する(照合一致情報通知ステップ、照合一致情報通知機能)。
【0252】
しかる後、当該通知を前記携帯機器としての携帯電話20−1が受け取ると、前記携帯機器識別情報を送り込む前記他の携帯機器としての携帯電話が一方(20―2)及び他方(20―3)のそれぞれ有する場合には、前記通知の送信元である前記一方の他の携帯機器としての携帯電話20―2以外の他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3に対して、当該他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3にかかる照合動作を中止するように指令する、もしくは前記他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3にかかる前記携帯機器識別情報の送信を中止する(他の照合中止指令ステップないしは機能)。
【0253】
更に、この携帯機器捜索における動作手順では、ステップS109で当該他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる照合結果が不一致の場合には、送信されてきた前記携帯機器識別情報にかかる送信元の前記携帯機器としての携帯電話20―1に対して前記他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる照合が不一致である旨の不一致通知を返送する(照合不一致情報通知ステップ、照合不一致情報通知機能)。
【0254】
続いて、当該不一致通知を前記携帯機器としての携帯電話20―1が受け取ると、前記携帯機器識別情報を送り込む前記他の携帯機器としての携帯電話20が一方(20―2)及び他方(20―3)のそれぞれ有する場合には、前記不一致通知の送信元である前記一方の他の携帯機器としての携帯電話20―2以外の他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3に対して、当該他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3にかかる前記携帯機器識別情報の送信を続行もしくは行う(他の照合開始指令ステップ、他の照合開始指令機能)。
【0255】
更に、この携帯機器捜索における動作手順では、ステップS131で前記他の携帯機器としての携帯電話20―2に前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、前記携帯電子キー10からの送信を1回目とし前記携帯機器識別情報の前記携帯機器としての携帯電話20での送受信経由過程で生じる前記携帯機器識別情報の送信回数を計数した送信回数情報を前記携帯機器識別情報に付して送信する。
【0256】
又更に、この携帯機器捜索における動作手順では、ステップS131で前記他の携帯機器としての携帯電話20―2に前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、前記各携帯機器としての携帯電話を順次経由して当該各携帯機器としての携帯電話20で各々照合を行う捜索過程において前記照合結果が不一致となった前記携帯機器としての携帯電話20の台数を示す送信台数情報を前記携帯機器識別情報に付して送信する。
【0257】
又、本発明の一実施形態に係る携帯機器捜索における携帯電子キー10側の動作手順は、先ず、電子キーシステムの電子キー機能と、捜索対象となる携帯機器を捜索するための携帯機器捜索機能とのうちいずれか一方の稼働を指示する要求を操作入力手段としてのボタンスイッチ12の押下時間に応じて出力する。
続いて、前記要求に応じて前記電子キー機能と前記携帯機器捜索機能とを発振部14における切り替え制御機能が切り替え制御する。
しかる後、前記携帯機器捜索機能が稼働した場合には、前記携帯機器としての携帯電話20を識別するための携帯機器識別信号を発振部14が前記携帯機器器としての携帯電話20に送信する。
【0258】
更に、携帯機器捜索における携帯機器側の動作手順は、次のようにしてもよい。先ず、前記携帯電子キー10から送信された携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信照合部23における捜索信号受信機能23bが受信する。
続いて、この携帯機器識別情報が予め携帯機器としての携帯電話20に備えられた登録携帯機器識別情報と一致するか否かを受信照合部23における照合機能23aが照合する。
しかる後、この照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器としての携帯電話20―1などを経由して他の携帯機器としての携帯電話20―2などに前記携帯機器識別情報を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯機器としての携帯電話20―1などの所在位置を外部へ報知するための報知用動作を制御部24が実行する。
このように、携帯電話20に電子キーシステムの送受信側情報を入力し、電子キーを長押しすることで、携帯電話20を次々と経由して、簡単に携帯電話捜索が可能となる。この際、携帯電子キー10を長押しすることで携帯電話20を次々と経由し、捜索範囲に制限がなくなる。
【0259】
更に、本発明の一実施形態における携帯電話捜索システムの携帯電子キー10では、電子キーシステムの電子キー機能と、捜索対象となる携帯機器を捜索するための携帯機器捜索機能との稼働を開始するための操作入力手段としてのボタンスイッチ12と、前記ボタンスイッチ12の押下時間に応じて前記電子キー機能と前記携帯機器捜索機能とを切り替え制御する切り替え制御機能を備え、前記この切り替え制御機能にて前記携帯機器捜索機能が稼働した場合には、前記携帯機器としての携帯電話20を固有に識別するための携帯機器識別情報を前記携帯機器としての携帯電話20に送信する発振部14と、を備えた構成としてもよい。この場合、発振部14と、この発振部14とは独立して設けられたキー用の発振部と、発振部14及びキー用の発振部の切り替え制御機能であるコントローラとを備えてよい。
【0260】
又、前記切り替え制御機能は、前記操作入力手段としてのボタンスイッチ12の押下時間に応じて設定された捜索対象範囲となる前記携帯電話20を次々と経由するようにしてもよい。
【0261】
又、携帯電話20側の制御部24は、受信照合部23にてこの照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器としての携帯電話20―1などを経由して他の携帯機器としての携帯電話20―2などに前記携帯機器識別情報を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯機器としての携帯電話20―1などの所在位置を外部へ報知するための報知用動作を行う機能を備えた構成としてもよい。
【0262】
更に、一方の携帯機器としての携帯電話20−1における発信変換部25と他方の携帯機器としての携帯電話20−2における受信照合部23との間で前記捜索信号を送受信するに際しては、それに先立って通信接続確立処理において前記一方の携帯機器としての携帯電話20−1における発信変換部25は送信先となる前記他方の携帯機器としての携帯電話20−2を特定するための他方の固有アドレス情報を取得し、前記他方の携帯機器としての携帯電話20−2における受信照合部23は前記一方の携帯機器としての携帯電話20−1を特定するための一方の固有アドレス情報を取得するようにしてもよい。
その後、前記受信照合部23は、前記捜索信号として携帯機器識別情報を、前記携帯用電子キー10若しくは前記他の携帯機器としての携帯電話20―2から受信し、当該受信された携帯機器識別情報が前記記憶部に記憶されている登録携帯機器識別情報とを照合し一致するか否かを判定するようにしてよい。
【0263】
更に、携帯電子キー10からの捜索信号を受けた場合に捜索対象ではない携帯電話20―1〜20―6のうちの一又は複数の制御部24は、対象携帯電話20―7がGPS機能を働かせるためのデータを捜索信号に含むように追加する機能を備えている。これにより、対象携帯電話20―7が位置情報をあらかじめ指定しておいた第三の情報機器に送信することもでき、より捜索位置の把握が確実となる。
【0264】
又、送信台数と送信回数を設定することにより、適切な捜索範囲を設定する。また、送信台数と送信回数を増加することにより、捜索範囲を広げることができる。さらに、送信台数と送信回数を制限することにより、無限に捜索することを防止できる。
【0265】
また、特定信号は、通常の携帯電話通信のための回線以外の「特定小電力無線機能」の通信で送信する。つまり、電波法等の規制が緩い、但し送信距離が短い特定小電力無線機能を使用することで、容易にかり安価に実現可能となる。また、携帯電話20のための電波が弱い場所(いわゆる通話エリア)でも特別な施設を設置することなくシステムが稼働し使用することができ、災害時などにおいても有用となる。
【産業上の利用可能性】
【0266】
本発明は、携帯機器捜索システム全般に利用できる。
【符号の説明】
【0267】
1・・・・ 携帯機器捜索システム
10・・・ 携帯電子キー
12・・・ ボタンスイッチ
14・・・ 発振部
20―1、20―2、20―3、20―4、20―5、20―6、20―7・・・・・・・・携帯電話(携帯機器)
21・・・ 入力部
22b・・・ 暗号化情報記憶部
23・・・ 受信照合部
23d・・ 計数機能(計数部)
24・・・ 制御部
25・・・ 発振変換部
26・・・ 報知部
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器捜索システム、携帯機器、携帯機器の動作制御方法、及び携帯機器動作制御プログラム等に係り、特に紛失した携帯機器の所在を複数の他の携帯機器を利用して探知し得るようにした携帯機器捜索システム、携帯機器、携帯機器の動作制御方法、及び携帯機器動作制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内などのある程度限られた場所で携帯電話を紛失しその携帯電話を捜索する場合、例えば他の電話(例えば他の携帯電話など)を使って紛失した携帯電話の呼び出し音を鳴らすなどして、おおよその位置や近くにあるかどうかを確認していた。
このような携帯電話などの携帯機器を紛失した場合に、当該携帯機器を捜索するような捜索システムの関連技術としては例えば特許文献1などが挙げられる。
特許文献1では、自動車等にキーなしでロック・アンロックを行うキーレスエントリシステムに用いられる携帯電子キーなどの携帯機器が紛失した場合、その携帯電子キーを携帯電話を用いて探すための捜索システムが開示されている。
【0003】
又、一般的なキーレスエントリシステムとしては特許文献2などが挙げられる。
更に、特許文献3では、指向性を有するアレイアンテナを搭載した移動端末が、近傍の端末から電波が到来する方向を推定することによって、他の携帯電話を中継局として利用し、基地局の存在する通信エリア外から携帯電話の通信を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−45993号公報
【特許文献2】特開2000−248501号公報
【特許文献3】特開2006−166321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した関連技術において、近くに他の電話がない場合には、紛失した携帯電話を探すことができない、という不都合があった。
【0006】
加えて、特許文献1及び特許文献2では、捜索対象となる機器が通信可能圏外にあるなど捜索範囲が比較的広範囲にわたる場合には電子キーなどの携帯機器を探すことができない、という不都合があった。
更に、特許文献3では、携帯電話用の電波を用いて基地局との通信を確立するものであり、通信システムを構築するに際しては、免許や資格、通信費や電波利用料金などが必要であり、また基地局など専用の通信設備を設置する必要があった。
【0007】
本発明の目的は、上述の関連技術の課題を解決することにあり、捜索範囲が広範囲にわたる場合や他の電話がない場合であっても紛失した携帯電話などの携帯機器を専用の通信設備を設置することを要せずに探し出すことが可能な携帯機器捜索システム、携帯機器、携帯機器の動作制御方法、及び携帯機器動作制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の携帯機器捜索システムは、駆動信号を発信する電子キーシステム用の携帯用電子キーと、この携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器とを備え、前記各携帯機器は、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部と、この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信出力する発信変換部と、前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の携帯機器は、電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器であって、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部と、この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信出力する発信変換部と、前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の携帯機器の動作制御方法は、電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器の動作制御方法であって、先ず、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを受信照合部が判定し、続いて、この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により発信変換部が送信出力し、前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動する報知部が前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する、ことを特徴としている。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の携帯機器動作制御プログラムは、電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器が備えたコンピュータに実行させる携帯機器動作制御プログラムであって、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合機能と、この受信照合機能での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信処理する発信変換機能と、前記受信照合機能での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知するための報知用動作を行う機能と、を前記コンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯電子キーが捜索対象の携帯機器に捜索信号を送信し、携帯機器がこの捜索信号に基づいて照合し、この照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器を経由して他の携帯機器に捜索信号を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯機器であることを外部へ報知するように構成したので、携帯電子キーを用いて各携帯機器を次々と経由していく形式で捜索を行うことができ、これにより、捜索対象となる機器が通信可能圏外にあるなど捜索範囲が広範囲にわたる場合や他の電話がない場合であっても紛失した携帯電話などの専用の通信設備を設置することなく探し出すことが可能になるという、前述した関連技術にない優れた携帯機器捜索システム、携帯機器、携帯機器の動作制御方法、及び携帯機器動作制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムの基本的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムの詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索の概要を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索の概要を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの階層構造を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムの詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図10】図9の一部の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図11】図9の一部の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の詳細処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】同図(A)〜(F)は、本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける台数番号情報の割り当てを説明するための説明図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの捜索範囲を説明するための説明図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの捜索範囲を説明するための説明図である。
【図20】本発明の一実施形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの階層構造を説明するための説明図である。
【図21】本発明の一実施形態による携帯機器捜索システムにおける捜索ネットワークの階層構造を説明するための説明図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態による携帯機器捜索システムの詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける捜索の概要を説明するための説明図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図25】本発明の一実施形態による携帯機器捜索システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、このような本発明の「携帯機器捜索システム」の好適な実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(携帯機器捜索システムに用いられる電子キーシステムについて)
先ず、携帯機器捜索システムの説明に先立って電子キーシステムについて説明する。
【0015】
電子キーシステムとしては、例えば、車両など周囲の無線通信エリア内に正規の携帯電子キー(即ち、その車両などに専用の携帯電子キー)が入ると前記車両などのドアをアンロックするための処理が行われるスマートキーシステム(スマートキーレスエントリーシステム)がある。
この場合、電子キーシステムは、例えば自動車においては、車両の使用者に携帯される携帯電子キーが、車載装置から送信される要求(要求信号)に応答して、認証用のコードを含んだ開閉用信号を送信し、車載装置が、携帯電子キーから受信したコードと当該車載装置のメモリ内に予め登録されているコードとが一致していれば、ドアのアンロック/ロックやエンジンの始動又はそれらの許可といった所定の動作を行う。
【0016】
又、電子キーシステムは、使用者がその正規の携帯電子キーに設けられているボタンスイッチを押すことで車両や建物などのドアのロック/アンロックが行われるリモートキーレスエントリーシステムを含む。
この場合、電子キーシステムは、例えば自動車においては、車両の使用者等がキーシリンダに所定のキーによるロック・アンロックを行うことなく、携帯可能な携帯電子キーにて所定のボタンスイッチ操作を行うことにより、その操作に応じて送信される認証用のコードを含んだ開閉用信号を送信し、車載装置が、携帯電子キーから受信したコードと当該車載装置のメモリ内に予め登録されているコードとが一致していれば、ドアのアンロック/ロックを行う。
更に、電子キーシステムは、このスマートキーシステム(スマートキーレスエントリーシステム)とリモートキーレスエントリーシステムとの双方を兼ねたシステムであってもよい。
【0017】
(携帯機器捜索システムの基本的構成)
次に、本第1実施形態における携帯機器捜索システムの基本的構成について説明する。図1に示すように、携帯機器捜索システム1は、駆動信号を発信する電子キーシステム用の携帯用電子キー10と、この携帯電子キー10を用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器の一例である携帯電話20とを備えている。
【0018】
携帯電話20は、前記携帯用電子キー10からの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器(例えば携帯電話20など)から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を例えば特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器(例えば携帯電話20など)に予め備えられた記憶部の一部又は一例である暗号化情報記憶部22bに記憶されている個別に異なる登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部23を備えている。
【0019】
又、携帯電話20は、この受信照合部23での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器(例えば携帯電話20など)に例えば特定小電力無線により外部へ送信出力する発信変換部25を備えている。
【0020】
更に、携帯電話20は、前記受信照合部23での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部26を備えている。
【0021】
このような携帯機器捜索システム1の基本的構成によれば、携帯電子キー10が捜索対象の携帯電話20に捜索信号(携帯機器識別情報)を送信し、携帯電話20がこの捜索信号(携帯機器識別情報)に基づいて照合し、この照合結果が不一致の場合にはこの携帯電話20を経由して他の携帯電話20に捜索信号(携帯機器識別情報)を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯電話20の所在位置を外部へ報知するための報知用動作を実行するように構成したので、携帯電子キー10を用いて各携帯電話20を次々と経由していく形式で捜索を行うことができ、これにより、捜索対象となる機器が通信可能圏外にあるなど捜索範囲が広範囲にわたる場合や他の電話がない場合であっても紛失した携帯電話20などの携帯機器を探し出すことが可能になる。
【0022】
又、携帯機器捜索システム1の基本的構成において、携帯電話20は、受信照合部23での照合結果が一致した場合には報知部26を稼動すると共に前記受信照合部23での照合結果が不一致の場合には発振変換部25を稼動する制御手段の一部又は一例である制御部24を備えてよい。更に、携帯電話20は、各基準値を設定する設定部21Aを含む入力部21を備えてよい。
【0023】
(携帯機器捜索システムの構成)
次に、携帯機器捜索システム1のより具体的な詳細構成について説明することとする。図2は、本発明における第1実施の形態の携帯機器捜索システムの詳細構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
本第1実施形態の携帯機器捜索システム1は、前述した電子キーシステムの携帯電子キー10の送信信号(捜索信号)を利用した携帯電話20などの携帯機器を次々経由することにより当該携帯電話捜索するものである。
【0025】
図2を参照すると、この携帯機器捜索システム1では、電子キーシステムに用いられる携帯電子キー10と、この携帯電子キー10と無線通信可能な携帯電話20とを備えている。
より具体的には、図3に示すように、この携帯機器捜索システム1では、例えば無指向性の特定小電力無線を用いることにより、例えば、1台目の携帯電話20−1、2台目の携帯電話20−2、・・・・のように各携帯電話20を次々経由して紛失した携帯電話20を捜索するものである。
【0026】
ここで、本第1実施形態では、次々経由させる際の捜索範囲を制約するための捜索範囲制約情報の一例として、携帯電話20が捜索信号を受信した際の受信回数情報を利用する場合について説明する。
この場合、携帯電子キー10から送信される捜索信号には、携帯機器識別情報のみを含んでいればよく、携帯電子キー10から送信される捜索信号には捜索範囲制約情報を付する必要がなく、携帯電子キー10側の構成を簡略化できる。
又、捜索信号に捜索範囲制約情報(受信回数情報)を付する必要があるのは、図3に示す携帯電話20―1以降の送信過程としてもよい。
【0027】
(携帯電子キーの詳細構成)
携帯電子キー10は、図1に示すように、電子キーシステムの電子キー機能11aと、捜索対象となる携帯機器20を捜索するための携帯機器捜索機能11bとを有するものであり、それを実現するために図2に示すように、操作入力手段としてのボタンスイッチ12と、このボタンスイッチ12の押下に基づいて捜索信号を送信するための発振を行う発振手段の一例又は一部である発振部14と、を備えている。
【0028】
ボタンスイッチ12は、図1の前記電子キー機能11aと前記携帯機器捜索機能11bとの稼働を開始するものであり、本第1実施形態では、押下時間が(特定の押下時間閾値より)短い第1の押下時間となる場合には電子キー機能11aが稼動し、押下時間が(特定の押下時間閾値より)長い第2の押下時間となる場合には、携帯機器捜索機能11bが稼動するようになっている。
【0029】
ここで、「ボタンスイッチ12」は、物理的釦形状を有するハードウエア構成のボタンスイッチ(操作入力部)、或いは表示部の表示画面上にソフトウエア的に構成されたボタンスイッチ(表示操作部)のいずれであってもよい。表示操作部はポインティングデバイスで選択する方式、タッチパネルで選択する方式のいずれであってもよい。
【0030】
発振部14は、操作入力手段としてのボタンスイッチ12の押下時間に応じて前記電子キー機能11aのための発振(発信)動作と前記携帯機器捜索機能11bのための発振動作とを切り替えることができるものである。
【0031】
発振部14は、前記携帯機器捜索機能11bが稼働した場合には、捜索開始要求に応じて前記携帯電話20などの携帯機器を固有に識別するための照合を目的とする携帯機器識別情報(例えば携帯電話番号情報など)を含む捜索信号を前記携帯電話20に無線送信する第1発振機能を備えている。ここで、無線送信する際には、特定小電力無線機能で送信を行う。
すなわち、発振部14は、捜索信号を例えば無指向性の特定小電力無線により送信可能な特定小電力無線送受信モジュールを備えた構成となっている。
【0032】
更に、発振部14は、前記電子キー機能11aが稼働した場合には、自動車等の鍵搭載機器に物理キーなしで無線送信によりロック・アンロックなどを行うための開閉用信号を無線送信する第2発振機能を備えている。
ここで、第1発振機能と第2発振機能とでは、送信電力及び周波数帯がそれぞれ異なるように信号出力する機能を有する。
【0033】
(携帯電話の詳細構成)
携帯電話20は、図2に示すように、種々の操作入力を行うための入力部21と、携帯電子キー10の発振部14からの携帯機器識別情報(携帯電話番号情報など)を含む捜索信号を受信するとともにこの捜索信号(携帯機器識別情報)に基づいて照合を行う照合手段としての受信照合部23と、予め登録された情報を種々の暗号化手法にて暗号化された状態で記憶した暗号化情報記憶部22bと、受信照合部23での照合結果に応じて外部に対して報知を行う報知部26と、受信照合部23での照合結果に応じて送信されてきた捜索信号(携帯機器識別情報)を他の携帯電話(たとえば図3に示す携帯電話20−2、20−3など)に送信するための発振動作を行う発振変換部25と、受信照合部23での照合結果が一致した場合には報知部26を稼動すると共に前記受信照合部23での照合結果が不一致の場合には発振変換部25を稼動する制御手段の一部又は一例である制御部24と、を備えている。
【0034】
暗号化情報記憶部22bは、予め登録された登録捜索信号に含まれる登録携帯機器識別情報を種々の暗号化手法にて暗号化された状態で記憶した照合用登録携帯機器識別情報記憶部22b―1を備えている。
【0035】
又、暗号化情報記憶部22bは、捜索信号を受信した受信回数を計数した結果である受信回数情報を捜索範囲制約情報の一例として記憶する捜索範囲制約情報記憶部22b―3を備えている。
例えば、図3に示す携帯電話20―1の捜索範囲制約情報記憶部22b―3には、受信回数情報として「1」が記憶され、携帯電話20―2の捜索範囲制約情報記憶部22b―3には、受信回数情報として「2」が記憶され、携帯電話20―3の捜索範囲制約情報記憶部22b―3には、受信回数情報として「3」が記憶される。
【0036】
更に、図2において、暗号化情報記憶部22bは、捜索範囲制約にかかる設定条件情報例えば受信回数閾値などを記憶する設定条件情報記憶部22b―4を備えている。
ここで、照合用登録携帯機器識別情報記憶部22b―1の登録携帯機器識別情報や設定条件情報記憶部22b―4の設定条件情報は、本第1実施形態では、入力部21などを利用して登録並びに設定できるように構成されている。
【0037】
受信照合部23は、携帯電子キー10から送信される前記携帯機器識別情報を受信しこの携帯機器識別情報が予め暗号化情報記憶部22に記憶された登録携帯機器識別情報と一致するか否かを照合するものである。
すなわち、受信照合部23は、携帯電子キー10から送信された捜索信号に含まれる携帯機器識別情報と予め暗号化情報記憶部22の照合用登録携帯機器識別情報記憶部22b―1に記憶された登録捜索信号に含まれる登録携帯機器識別情報とを照合する照合機能23aを備えている。
【0038】
又、この受信照合部23は、携帯電子キー10から送信された捜索信号を受信する捜索信号受信機能23bを備えている。
【0039】
ここで、携帯電話20からの捜索信号は、前記携帯機器を識別するための照合用の携帯機器識別情報と、前記各携帯機器20にかかる捜索範囲を制約するための捜索範囲制約情報とを含む。
この場合、受信照合部23は、前記捜索信号に含まれている前記捜索範囲制約情報の内容を計数する計数部としての計数機能23dを備えている。
【0040】
具体的には、受信照合部23の計数機能23dは、捜索信号の受信回数を計数する(捜索信号に含まれている前記捜索範囲制約情報に基づいてこれを取り出してその内容を計数する)受信回数計数機能を備えている。計数機能23dは、携帯電子キー10から送信された捜索信号の場合には、1を計数する。又、計数機能23dは、携帯電話20から送信された捜索信号の場合には、前記捜索信号に含まれている前記捜索範囲制約情報を取り出してその内容を計数する。これにより、前記捜索範囲制約情報として受信された前記捜索信号の受信回数情報を含むことになる。
更に、計数機能23dは、計数された受信回数情報(捜索範囲制約情報の内容)を捜索範囲制約情報記憶部22b―3に記憶する。
【0041】
又、受信照合部23は、照合するに際して暗号化情報記憶部22の暗号化された登録携帯機器識別情報やその他の各種情報などを読み出す処理の際には当該情報を復号化する復号化機能を備えている。又、受信照合部23は、暗号化情報記憶部22への種々の情報の書き込み処理の際には当該情報を暗号化する暗号化機能を備えてよい。
【0042】
更に、受信照合部23は、キーレスエントリ機能の受信機能を備えてよい。更に又、受信照合部23は、照合結果情報(照合結果一致、照合結果不一致)を制御部24に渡す機能を備えている。
【0043】
制御部24は、携帯機器捜索支援機能を装備した捜索支援用の制御モジュールを含み、受信照合部23にて照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器としての携帯電話20―1を経由して他の携帯機器としての携帯電話20―2などに前記捜索信号(携帯機器識別情報)を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯機器としての携帯電話20−1の所在位置を外部へ報知するための報知用動作を行う機能を備えている。
【0044】
又、制御部24は、照合結果が合致しない場合、送信されてきた携帯機器識別情報が暗号化データである場合には携帯機器識別情報を暗号化情報記憶部22に記憶させ、前記携帯機器識別情報が暗号化されていない場合には暗号化して暗号化情報記憶部22に記憶させるように受信照合部23に対して指示を行う機能を備えている。
【0045】
更に、制御部24は、照合結果が合致しない場合、暗号化情報記憶部22から暗号化データである携帯機器識別情報が発振変換部25へ伝わり、近辺の他の携帯電話20―2などに捜索信号が送信されるように暗号化情報記憶部22に対して指示を行う機能を備えている。
【0046】
又、制御部24は、計数部としての計数機能23dで計数される前記捜索範囲制約情報(一例として受信回数情報など)が予め設定されている基準値(受信回数閾値など)以上の場合に作動し前記発信変換部25の捜索信号送信出力を停止制御する信号停止制御機能24dを備えている。
【0047】
更に、制御部24は、捜索範囲制約情報の一例である受信回数情報と、設定条件情報の一例である受信回数の閾値とを比較することで、捜索範囲制約情報が当該捜索範囲制約情報にかかる設定条件未満であるかどうかを判定する捜索範囲判定機能24bを備えている。
【0048】
又、制御部24は、計算された捜索範囲制約情報(受信回数情報)を携帯機器識別情報とに付加することで、捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する捜索範囲制約情報付加機能24cを備えている。
【0049】
発振変換部25は、送信されてきた携帯機器識別情報を他の携帯電話(たとえば図3に示す携帯電話20−2など)に送信するための捜索信号送信機能25aを備えている。
【0050】
ここで、発振部14と受信照合部23との間の通信構造、及び発振変換部25と他の携帯電話の受信照合部23との通信構造は、特定小電力無線機能で通信を行うことができる。特定小電力無線は、免許や資格、通信費や電波利用料金が不要である。
すなわち、前記受信照合部23は、前記携帯機器識別情報を受信するに際しては特定小電力無線で受信する機能を備えている。発振変換部25は、前記携帯機器識別情報を送信するに際しては特定小電力無線で送信する機能を備えている。
【0051】
更に、発振変換部25は、捜索信号を送信する前に、前処理として後述する通信接続確立処理によって送信相手先を特定する相手先特定機能25bを備えている。
【0052】
又、前記携帯機器20の発振変換部25は、送受信される前記携帯機器識別情報を暗号化する機能を備えている。
【0053】
更に、受信照合部23と発振変換部25は、本来の携帯電話用アンテナを共有し、データの送受信をする構成としてもよい。
【0054】
報知部26は、受信照合部23の照合結果が合致した場合、音声出力部から呼び出し音を鳴らしたり、バイブレータ機能による振動動作、ランプ点灯動作などをする機能が内在されている。すなわち、報知部26は、紛失時専用呼び出しパターンにて呼び出し音、バイブレータ機能、ランプ点灯のうち1又は複数を鳴動する機能を備えている。
【0055】
また、暗号化情報記憶部22bにより情報の機密性が保たれる。暗号化データの読み出しは、制御部24では行なわず、受信照合部23が照合を行なうことで、制御部24からの情報流出を防ぐことを可能としている。更に、暗号化情報記憶部22bへの情報の書き込みは入力部21より可能である。
【0056】
更に、携帯電話20は、種々の情報等を表示するための表示部(スクリーン)や通常の携帯電話として機能するためのその他の各部を備えている。例えばその他の各部は、各種信号・データを送受信するための携帯電話用送受信部、各種プログラム・各種データを記憶しておく外部記憶部(例えばメモリ等)、これらの制御を司る中央制御部などを含んでよい。
【0057】
(各携帯電話間の通信の仕組み)
更に、図3に示すように、携帯電子キー10は、捜索信号を例えば無指向性の特定小電力無線により送信する機能を備えている。
又、携帯電話20の受信照合部23は、捜索信号を例えば無指向性の特定小電力無線により受信する機能を備えている。更に、携帯電話20の発信変換部25は、捜索信号を例えば無指向性の特定小電力無線により送信する機能を備えている。
【0058】
ここで、特定小電力無線として電子キーの発振部14と同様の発振機能及びその信号を受信する受信機能を用いる他、例えばブルートゥース、Zigbee(登録商標)などを用いてもよい。この場合、受信照合部23の一部である特定小電力無線受信機能と、発信変換部25の一部である特定小電力無線送信機能とは、専用の特定小電力無線送受信モジュールにより構成してよい。特定小電力無線送受信モジュールには、全周方向で無指向性に近い性能を有する送受信兼用のアンテナを備えてよい。これにより、特定小電力無線に関しては電波の到来方向を推定する機能が不要となる。
【0059】
更に、例えば、携帯電子キー10及び携帯電話20のそれぞれに特定小電力無線送受信モジュールを装備しておくのが望ましい。
この場合、捜索信号を送信する前に、前処理として携帯電子キー10と携帯電話20ととの間の通信接続確立処理を行うと、各送信先に固有のアドレスを割り当てることによって、送信先を識別できるという利点がある。
【0060】
具体的には、例えば図3に示すように、携帯電子キー10は、例えば半径10m程度の通信可能圏AR1内にて他の携帯電話20―1にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する。
このパケットに対する応答パケットを携帯電子キー10が受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報やデバイス情報が含まれている。
このようにして携帯電子キー10を中心とした通信可能圏AR1内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理により通信接続確立処理を行う。
この通信接続確立処理の後に、携帯電子キー10は、携帯電話20―1に対して捜索信号(照合用の携帯機器識別情報例えば携帯電話番号など)を送信するとよい。
【0061】
携帯電話20―1と携帯電話20―2との間の通信も同様にして、携帯電話20―1は、例えば半径10m程度の通信可能圏AR2内にて他の携帯電話20―2にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する。
このパケットに対する応答パケットを携帯電話20―1が受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
このようにして携帯電話20―1を中心とした通信可能圏AR2内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理により通信接続確立処理を行う。
この通信接続確立処理の後に、携帯電話20―1は、携帯電話20―2に対して捜索信号(照合用の携帯機器識別情報例えば携帯電話番号など)を送信するとよい。
【0062】
以降、携帯電話20―2と携帯電話20―3との間の通信なども同様である。
【0063】
(動作手順について)
(全体の動作)
次に、上述のような構成を有する携帯機器捜索システムにおける全体の動作手順について、図2乃至図3を参照しつつ説明する。図2は、携帯機器捜索システムにおける動作手順の一例を示すフローチャートである。
【0064】
本第1実施形態に係る携帯機器捜索時の動作手順は、駆動信号を発信する電子キーシステム用の携帯用電子キー10と、この携帯電子キー10を用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器20とを備えた携帯機器捜索システムを対象とするものである。
【0065】
基本的手順として、先ず、前記携帯用電子キー10からの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器としての携帯電話20から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器としての各携帯電話20に各々予め備えられた記憶部としての暗号化情報記憶部22bに記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを受信照合部23が判定する(ステップS110〜S112:受信照合ステップ、受信照合機能)。
【0066】
続いて、この受信照合部23での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器としての携帯電話20に発信変換部25が特定小電力無線により送信出力する(ステップS130〜S131:捜索信号送信ステップ、捜索信号送信機能)。
【0067】
更に、前記受信照合部23での照合結果が一致すると判定された場合に作動する報知手段としての報知部26が、前記捜索にかかる携帯機器としての携帯電話20であることを外部に報知する(ステップS113:報知用動作ステップ、報知用動作機能)。
【0068】
(詳細動作)
以下、これを更に詳述する。
先ず、図4に示すように、携帯電子キー10の発振部14が、ボタンスイッチ12の押下時間を計数し、押下時間が特定の閾値より長いか短いかを判定する(ステップS101:押下時間判定ステップ、押下時間判定機能)。
【0069】
このステップS101において、押下時間が長いと判定された場合には、発振部14は、携帯機器捜索機能を稼動する(ステップS103)。
すなわち、携帯電話を紛失した場合、ユーザーは携帯電子キー10のボタンスイッチ12を長押しすることにより携帯機器捜索を実行できる。
【0070】
一方、このステップS101において、押下時間が短いと判定された場合には、発振部14は、電子キー機能を稼動する(ステップS102)。
すなわち、車のドア開閉などの通常のキーレスエントリシステムを使用する場合は、ユーザーは、携帯電子キー10のボタンスイッチ12を長押ししないで、短く押すことで使用可能となる。
【0071】
そして、携帯電子キー10のボタンスイッチ12が短い時間押された場合には、車のドア開閉用の信号を連続して出力する(開閉用信号出力ステップ、開閉用信号出力機能)。
一方、ボタンスイッチ12を長押しの際は、携帯電子キー10の発振部14は、上述の通信接続確立処理を実施し(ステップS104)、その後、特定の捜索信号(例えば携帯電話番号情報などの携帯機器識別情報)を出力する(ステップS105:捜索信号出力ステップ、捜索信号出力機能)。
【0072】
携帯電話20―1の受信照合部23は、携帯電子キー10からの特定の捜索信号(例えば携帯電話番号情報などの携帯機器識別情報)を受信する(ステップS110:)。
【0073】
又、携帯電話20―1の受信照合部23は、受信した捜索信号を復調し、当該捜索信号から携帯機器識別情報例えば携帯電話番号などを取り出す(ステップS110a)。
【0074】
更に、携帯電話20―1の受信照合部23が捜索信号を受信すると、捜索範囲制約情報の一例としてこの受信回数を計数し(ステップS110b)、受信回数情報を捜索範囲制約情報記憶部22b―3に記憶する。
【0075】
また、携帯電話20―1の受信照合部23は、照合用登録携帯機器識別情報記憶部22b―1より登録捜索信号に含まれる登録携帯機器識別情報を取り出す(ステップS111)。
【0076】
そして、受信照合部23は、携帯電子キー10からの捜索信号に含まれる携帯機器識別情報と予め記憶されている登録捜索信号に含まれる(登録携帯機器識別情報)とを照合する(ステップS112:照合ステップ)。
【0077】
照合結果が合致した場合(ステップS112の「Yes」)、制御部24が携帯電話20のキー操作を無効にし、報知部26にて報知用動作(例えば捜索専用の動作パターンの呼び出し音を鳴らしたり、ランプなどを捜索専用の動作パターンにて点灯したりなどの動作)を実行するようにする(ステップS107:報知用動作ステップ、報知用動作機能)。
【0078】
一方、照合結果が不一致の場合(ステップS112の「No」)、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より捜索範囲制約情報を取得する(ステップS120:捜索範囲制約情報取得ステップ、捜索範囲制約情報取得機能)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を取り出す(ステップS121:設定条件情報取得ステップ、設定条件情報取得機能)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報と設定条件情報とを比較する(ステップS122:捜索範囲制約情報判定ステップ、捜索範囲制約情報判定機能)。
【0079】
捜索範囲制約情報が設定条件以上の場合(ステップS122の「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0080】
一方、捜索範囲制約情報が設定条件未満の場合(ステップS122の「Yes」)、携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための捜索範囲制約情報を計算する(ステップS125:送信用捜索範囲制約情報計算ステップ、送信用捜索範囲制約情報計算機能)。
【0081】
続いて、携帯電話20―1の制御部24は、計算された捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126:捜索信号生成ステップ、捜索信号生成機能)。
【0082】
このステップS120〜S126において、捜索範囲制約情報が一例として受信回数情報である場合は、図5に示すようになる。
【0083】
すなわち、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より捜索範囲制約情報の一例である受信回数情報を取得する(ステップS120a:受信回数情報取得ステップ、受信回数情報取得機能)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から基準値に関する情報(例えばこの場合受信回数の閾値)を取り出す(ステップS121a:受信回数閾値情報取得ステップ、受信回数閾値情報取得機能)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報の一例である受信回数情報と、設定条件情報の一例である受信回数の閾値とを比較する(ステップS122a:受信回数判定ステップ、受信回数判定機能)。
【0084】
受信回数情報が閾値以上の場合(ステップS122aの「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0085】
一方、受信回数情報が予め特定した閾値未満の場合(ステップS122aの「Yes」)、携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための受信回数情報を計算する(ステップS125a:送信用受信回数情報計算ステップ、送信用受信回数情報計算機能)。例えば、捜索範囲制約情報記憶部22b―3の受信回数がnの場合は、例えばn+1としたりする。
【0086】
続いて、携帯電話20―1の制御部24は、計算された受信回数情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126a)。
【0087】
図4に説明を戻すと、携帯電話20―1の発振変換部25は、携帯電話20−1と次の携帯電話20−2との間の通信接続確立処理を行う(ステップS130)。
【0088】
そして、携帯電話20―1の発振変換部25は、次の携帯電話20−2に捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を送信する(ステップS131:捜索信号出力ステップ、捜索信号出力機能)。
【0089】
携帯電話20―1から携帯電話20―2に捜索信号を送信する前に、携帯電話20―1と携帯電話20―2との間の通信接続確立処理は、携帯電子キー10と携帯電話20―1との間の通信接続確立処理と同様にして行うこともできる。
【0090】
次の携帯電話20−2が、携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信してからの処理は、携帯電話20―1の場合のステップS110〜ステップS131と同様の処理を繰り返せまよい(ステップS160)。ただし、受信回数などの数値が異なる。
【0091】
例えば、次の携帯電話20−2が、捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信すると、復調し、次の携帯電話20−2における受信照合部23で携帯電話20―1からの携帯機器識別情報の照合を行う。
この照合結果が合致した場合、携帯電話20―2のキー操作を無効にし、呼び出し音を鳴らす。
【0092】
一方、照合結果が不一致の場合、携帯電話20―2は、さらに次の携帯電話20−3に捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報を含む捜索信号を送信する。
このようにして、いずれかの携帯電話20が報知用動作を実行する(ステップS110〜S131:ステップS160)を繰り返す。
【0093】
(各携帯電話間の通信接続確立処理の通信手順)
ここで、携帯電話20−1と携帯電話20―2との間の通信接続確立処理の通信手順について、図6を用いて簡単に説明する。
携帯電話20―1は、例えば半径10m程度の通信可能圏AR2内にて他の携帯電話20―2にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する(ステップS103a)。
これによって、携帯電話20―1の特定小電力無線送受信モジュールは、他の固有アドレスを取得するための他固有アドレス取得要求を出力する。
【0094】
このパケットに対する応答パケット(他固有アドレス情報を含むパケット)が携帯電話20―2より送信され(ステップS130b)、携帯電話20―1が応答パケットを受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
【0095】
同様にして、通信可能圏内の他の全ての携帯機器について固有アドレス、デバイスクラスなどの情報を取得する(ステップS130c)。
更に、携帯電話20−1と携帯電話20―2との間でその他の必要情報を相互に交換する(ステップS130d、ステップS130e)。
【0096】
このようにして携帯電話20―1を中心とした通信可能圏AR2内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理により通信接続確立処理を行う(ステップS130)。
この通信接続確立処理の後に、携帯電話20―1は、携帯電話20―2に対して捜索信号(照合用の携帯機器識別情報例えば携帯電話番号など)を送信する(ステップS131)。
【0097】
以上のように本実施の形態によれば、以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果は、上述した受信照合部23と発信変換部25と報知部26と暗号化情報記憶部22bとを備えたことにより、電子キーシステムに用いる送受信機における暗号解読情報(照合用情報)例えば携帯電話番号などを予め携帯電話20の暗号化情報記憶部22bに装備しておくことで、電子キー(送信側)を使用して、他の電話をもっていなくても、携帯電話20を次々と経由して探索し、発見後外部へ報知用動作を行う(例えば呼び出し音を鳴らすなど)ことで位置を知らせることを可能にしたことである。
【0098】
第2の効果は、上述した受信照合部23の復号化機能と発信変換部25又は制御部24の暗号化機能とを備えたことにより、暗号化データを携帯電話間で送受信できることである。携帯電話20内の暗号化機能を利用し、ショートメール程度であれば暗号化されたデータに変換し、例えば最大10m程度内などの携帯電話に対して特定小電力無線機能により、携帯電話用の固定アンテナを使用せずに送受信が可能である。
この際、10m以内ごとに携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・が必ずあるような状況であれば、携帯電話1台目20―1から、次々と携帯電話20―2、20―3、・・・を経由させて、例えば特定の携帯電話20―3に至るまでのデータの送受信が携帯電子キー10から又は経路途中の携帯電話20―1、20―2から可能となる。この際、暗号によりデータはやり取りされ、受信照合部23にて特定の携帯電話20―3のみで暗号化データが解読され、経路途中の携帯電話20―1、20―2からの個人情報漏洩、送受信電波傍受による情報漏洩はないがためにセキュリティも万全となる。
【0099】
第3の効果は、上述した受信照合部23及び発信変換部25の各特定小電力無線機能により例えば10m内などの携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・を次々と経由することで確実なデータの送受信が可能となる。
【0100】
更に、前述した関連技術では、他の携帯電話を中継局として利用するためには、指向性を有するアレイアンテナを用いて電波が到来する方向を推定する必要があった。これに対して本実施の形態では、発振変換部25や受信照合部23が備えている特定小電力無線送受信モジュールとして、例えばブルートゥースなどを用いることにより、無指向性の特定小電力無線により送受信が可能となる。このため、指向性を有するアレイアンテナを用いて電波が到来する方向を推定する必要がない。又、通信システムを構築するに際しては、免許や資格、通信費や電波利用料金などが不要であり、さらには専用の通信設備を設置することも不要となるため、簡単にシステム導入を図ることができる。
【0101】
このように本第1実施形態では、携帯電話20にキーレスエントリシステム受信機側の暗号化情報を予め入力しておくことにより、携帯電話紛失時にキーレスエントリシステムの携帯電子キー10を使用し、近辺にある携帯電話20―1に設けた特定小電力無線機能を使用して携帯電話20―2、20―3、・・・を経由し、対象となる携帯電話の呼び出し音を作動させ、携帯電話を捜索することができる。
【0102】
すなわち、本第1実施形態では、自動車のキーレスエントリシステムの携帯電子キー10(送信側)を長押しすることで、近辺にある携帯電話20―1が携帯電子キー10からの送信信号を受信し、さらに別の携帯電話へと電子キーと同じ特定小電力無線機能を使用して送信し、携帯電話20―2、20―3、・・・を次々と経由していくことで、対象となる携帯電話にたどりつき、紛失時専用呼び出し音を鳴らすことにより位置を知らせることを可能にした。
【0103】
この際、携帯電話20にも携帯電子キー10同様の送信機能を持たせることで、キーレスエントリシステムの携帯電子キー10の送信信号は最大10m程度の送信能力を利用し、携帯電話用の固定アンテナを経由せず、不特定の携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・を経由させることで、捜索範囲を広げることやデータの送受信を行うことを可能とした。
【0104】
ここで、図2に示すブロック図における一部の各ブロックは、コンピュータにより実行可能なプログラムにより機能化された状態を示すソフトウエアモジュール構成であってもよい。
【0105】
すなわち、物理的構成は例えば一又は複数のCPU(或いは一又は複数のCPUと一又は複数のメモリ)等ではあるが、各部(回路・手段)によるソフトウエア構成は、プログラムの制御によってCPUが発揮する複数の機能を、それぞれ複数の部(手段)による構成要素として表現したものである。
【0106】
CPUがプログラムによって実行されている動的状態(プログラムを構成する各手順を実行している状態)を機能表現した場合、CPU内に各部(手段)が構成されることになる。プログラムが実行されていない静的状態にあっては、各手段の構成を実現するプログラム全体(或いは各手段の構成に含まれるプログラム各部)は、メモリなどの記憶領域に記憶されている。
【0107】
以上に示した各部(手段)は、プログラムにより機能化されたコンピュータをプログラムの機能と共に実現し得るように構成しても、また、固有のハードウエアにより恒久的に機能化された複数の電子回路ブロックからなる装置で構成してもよい。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現でき、いずれかに限定されるものではない。
【0108】
[第2の実施の形態]
次に、本発明にかかる第2の実施の形態について、図7乃至図17に基づいて説明する。以下には、前述した第1実施形態と実質的に同一の構成要素については説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0109】
本第2実施形態では、携帯機器捜索システムを構成する捜索経路(捜索ネットワーク)が階層的ツリー構造を有し、かつ、捜索範囲制約情報として送信回数情報と送信台数情報を組み合わせて用いる点が第1実施形態と異なる。
【0110】
具体的には、携帯機器捜索システム4では、図7に示すように、前記携帯電子キー10から携帯電話20―1に捜索信号S105cを送信する点は同じであるが、その後、捜索信号S105cを受信した携帯電話20―1が、携帯電話20―1を中心とした例えば半径r=10m程度の通信可能圏AR2内にて他の2つの携帯電話20―2、20―3の存在確認及び識別を行いつつ、2つの携帯電話20―2、20―3のそれぞれに捜索信号S131c―1、S131c―2を送信する。
【0111】
同様にして、捜索信号S131c―1を受信した携帯電話20―2が、携帯電話20―2を中心とした例えば半径r=10m程度の通信可能圏AR3内にて他の2つの携帯電話20―4、20―5の存在確認及び識別を行いつつ、2つの携帯電話20―4、20―5のそれぞれ捜索信号S131c―3、S131c―4を送信する。
【0112】
同じように、捜索信号S131c―2を受信した携帯電話20―3が、携帯電話20―3を中心とした例えば半径r=10m程度の通信可能圏AR4内にて他の2つの携帯電話20―6、20―7の存在確認及び識別を行いつつ、2つの携帯電話20―6、20―7のそれぞれ捜索信号S131c―5、S131c―6を送信する。
【0113】
ここで、捜索信号S105cは、捜索範囲制約情報の一部である送信回数情報と携帯機器識別情報(携帯電話番号など)とを含む。
又、各捜索信号S131c―1、S131c―2、S131c―3、S131c―4、S131c―5、S131c―6は、捜索範囲制約情報の一例である送信回数情報及び送信台数情報と、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)とを含む。
【0114】
これによって、図8に示す携帯機器捜索システム4のように、捜索経路(捜索ネットワーク)における階層的ツリー構造は、第0層には携帯電子キー10を有する。第1層には携帯電話1台目20―1を有する。第2層には、携帯電話1台目20―1をマスターとするスレーブの携帯電話2台目20―2及び携帯電話3台目20―3を有する。第3層の上層には、携帯電話2台目20―2をマスターとするスレーブの携帯電話4台目20―4及び携帯電話5台目20―5を有する。第3層の下層には、携帯電話3台目20―3をマスターとするスレーブの携帯電話6台目20―6及び携帯電話7台目20―7を有する。
【0115】
ここで、本第2実施形態では、送信回数情報は各階層間で共通の計数値とする。例えば、第0層から第1層へは、送信回数が1回目となり、第1層から第2層へは、送信回数が2回目となり、第2層から第3層へは、送信回数が3回目となる。
このため、例えば、携帯電話2台目20―2から携帯電話4台目20―2への送信回数と、携帯電話3台目20―3から携帯電話6台目20―6への送信回数とは同じ回数となる。
【0116】
また、送信台数にかかる台数番号の割り当てルールは、図8に示すように、各階層でマスターがスレーブに対して順次割り当てる方式となっている。
ただし、例えば、携帯電話3台目20―3が、スレーブの携帯電話6台目20―6及び携帯電話7台目20―7の各台数番号を割り当てる場合、捜索済みの最大台数番号が5台目であることを携帯電話3台目20―3が知っておく必要がある。
【0117】
このため、各携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・は、相互に情報を授受することによって互いの情報を得、それぞれの携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・が全階層的ツリー構造の情報を持つような仕組みが必要となる。
【0118】
以下、このための構成について図9を参照して説明する。
(携帯電話の詳細構成)
本第2実施形態における携帯機器捜索システム4では、図9に示すように、携帯電話20の暗号化情報記憶部22bに、通信接続確立処理の際に必要となる携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が記憶されている接続確立用固有アドレス情報記憶部22b―2を備えている。
【0119】
更に、暗号化情報記憶部22bに、捜索過程で他の携帯機器から通信によって得られた他の携帯機器及び捜索ネットワーク全体にかかる管理情報を記憶した他携帯機器管理情報記憶部22b―5を備えている。
【0120】
この他携帯機器管理情報記憶部22b―5は、例えば図11に示すように、マスターに直接従属する全スレーブ(例えば1台目に対する2台目、3台目)に関する情報を示すマスター用携帯機器管理テーブル22cを備えている。
このマスター用携帯機器管理テーブル22cでは、他の携帯機器のアドレス情報と台数番号情報とデバイスクラスなどの情報が対応づけられている。
【0121】
更に、他携帯機器管理情報記憶部22b―5は、例えば図11に示すように、マスターに直接従属する全スレーブへの捜索信号の送信状況を示す捜索信号送信状況テーブル22dを備えている。
この捜索信号送信状況テーブル22dは、スレーブの台数番号情報と捜索信号が送信済みであるのか未送信であるのかを示す情報とが対応づけられている。
【0122】
更に、他携帯機器管理情報記憶部22b―5は、例えば図11に示すように、捜索中の捜索ネットワーク全体にかかる階層的ツリー構造の情報を収集記憶した階層構造テーブル22eを備えている。
この階層構造テーブル22eは、各階層毎の台数番号を示す情報と、各携帯機器(ノード)の通信接続関係(リンク)を示す情報とを有する。さらに、各台数番号に各々対応して照合結果を示す情報(照合一致、照合不一致)を書き込むようにしてもよい。
【0123】
又、図9に示すように、携帯電話20の入力部21には、捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報(基準値)を設定するための設定部としての捜索範囲制約情報設定部21aを備えている。
そして、この捜索範囲制約情報設定部21aから設定された設定条件情報は、設定条件情報記憶部22b―4に記憶される。
本第2実施形態では、捜索範囲制約情報として送信回数情報及び送信台数情報を用いるため、例えば図10に示すように、捜索範囲制約情報設定部21aは、送信台数の閾値を設定可能な送信台数設定部21a―2と、送信回数の閾値を設定可能な送信回数設定部21a―1とを備えている。
これにより、設定条件情報記憶部22b―4には、予め設定された送信台数の閾値と送信回数の閾値とが記憶される。
【0124】
また、前記捜索範囲制約情報が、送信された前記捜索信号の送信回数情報と送信された前記捜索信号にかかる前記携帯機器の送信台数情報を含む場合、これに対応して、計数機能23eには、送信されてきた捜索信号に含まれる捜索範囲制約情報のうち送信回数情報に基づいてこれを取り出して計数する送信回数計数部(送信回数計数機能)と、送信されてきた捜索信号に含まれる捜索範囲制約情報のうち送信台数情報に基づいてこれを取り出して計数する送信台数計数部(送信台数計数機能)と、を備えて構成されている。
【0125】
又、捜索範囲判定機能24bは、その判定機能として、送信回数情報と送信回数閾値とを比較することで、送信回数が送信回数閾値未満であるかどうかを判定する送信回数判定機能と、送信台数情報と送信台数閾値とを比較することで、送信台数が送信台数閾値未満であるかどうかを判定する送信台数判定機能と、を備えている。
【0126】
信号停止制御機能24dは、送信回数が送信回数閾値以上でかつ送信台数が送信台数閾値以上である場合に作動し前記発信変換部25の捜索信号送信出力を停止制御する。すなわち、計数された前記送信回数が予め設定した基準値以上の場合で、計数された前記送信台数が予め設定した基準値以上の場合に停止制御する。
【0127】
又、捜索範囲制約情報付加機能24cは、計算された送信回数情報と送信台数情報とを携帯機器識別情報に付加することで、送信回数情報と送信台数情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する機能を備えている。
【0128】
更に、例えば、携帯電話20―2における発信変換部25は、前記照合結果が一致した場合には、送信されてきた前記携帯機器識別情報の送信元の携帯電話20―1に照合が一致した旨(照合結果情報)を通知する通知送信機能25cを備えている。
この場合、前記送信元の携帯電話20―1における受信照合部23は、当該通知を受け取る通知受信機能23cを備えている。
【0129】
この場合、前記送信元の携帯電話20―1における制御部24は、当該通知を受け取ると、前記携帯機器識別情報を送り込む前記送信先の携帯電話20が2以上ある場合には、前記照合が一致した前記送信先の携帯電話20―2以外の他の送信先携帯電話20―3に対して、当該他の送信先携帯電話20―3にかかる照合動作を中止するように指令する、もしくは前記携帯機器識別情報の送信を中止する機能を備えている。
【0130】
さらに、携帯電話20には、捜索支援用のこれらの各部とは独立して、携帯電話機能部27を備えている。
【0131】
ここで、前記各携帯機器としての各携帯電話20―1、20―2、20―3、・・・と前記携帯用電子キー10とをノードとする捜索ネットワークが、階層的ツリー構造を構成する。この場合、前記ノードがマスターとなる前記携帯機器としての携帯電話20―1の制御部24が、計数された前記送信台数が予め設定した基準値未満の場合に作動し、前記マスターに従属するスレーブとなる全ての他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3について当該各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に各々送信するための各送信台数情報を各々計算する送信台数計算機能と、前記各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に送信する各捜索信号に各々含まれる前記各携帯機器識別情報に、計算された前記各送信台数情報を各々付与する機能とを含む捜索範囲制約情報付加機能24cを備えている。
【0132】
更に、前記ノードがマスターとなる前記携帯機器としての携帯電話20−1の制御部24の捜索範囲制約情報付加機能24cが、計数された前記送信回数が予め設定した基準値未満の場合に作動し、前記マスターとなる前記携帯機器としての携帯電話20−1から前記スレーブとなる前記各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に各々送信するための前記各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に共通の送信回数情報を計算する送信回数計算機能と、前記各他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3に送信する各捜索信号に各々含まれる前記各携帯機器識別情報に、計算された前記共通の送信回数情報を各々付与する機能とを備えている。
【0133】
又、前記携帯機器としての携帯電話20−1の前記発信変換部25の相手先特定機能25bは、前記捜索信号を送信するに先立って通信可能圏内における前記他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3などとの間で通信接続確立処理を行うとともに、送信先となる前記他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3などを特定するための固有アドレス情報を取得して送信相手先を特定する。
【0134】
更に、前記携帯電話20−2の前記発信変換部25は、前記照合結果が一致した場合には送信されてきた前記捜索信号の送信元の携帯機器としての携帯電話20−1に照合が一致した旨を通知する通知送信機能25cを備えている。
【0135】
前記送信元の携帯機器としての携帯電話20−1における制御部24は、前記通知を受け取ると当該通知を受けた携帯機器としての携帯電話20−2以外の他のスレーブとなる携帯機器としての携帯電話20―3への捜索信号送信出力を停止制御する機能を備えている。
【0136】
又、前記各携帯電話20―1、20―2、・・が、前記各基準値を設定する設定部としての捜索範囲制約情報設定部21aを各々備えている。
【0137】
ここで、本第2実施形態の制御部24は、前記他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3などに前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、前記携帯電子キー10からの送信を1回目とし前記携帯機器識別情報の前記携帯機器での送受信経由過程で生じる前記携帯機器識別情報の送信回数を計数した送信回数情報を前記携帯機器識別情報に付して送信するように処理動作を制御する機能を備えている。
【0138】
又、制御部24は、前記他の携帯機器としての携帯電話20−2、20―3などに前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、各携帯電話20―1、20―2、・・を順次経由して当該各携帯電話20―1、20―2、・・にて各々照合を行う捜索過程において前記照合結果が不一致となった前記携帯機器としての携帯電話20―1、20―2などの台数を示す送信台数情報を前記携帯機器識別情報に付して送信するように処理動作を制御する機能を備えている。
【0139】
更に、前記各携帯機器としての各携帯電話20―1、20―2、・・は、前記捜索する範囲を設定するために前記送信回数情報にかかる送信回数閾値を設定する第一の設定手段としての送信回数設定部21a―1を予め装備された操作入力手段としての入力部21にそれぞれ併設してもよい。
この場合、制御部24は、送信されてくる前記携帯機器識別情報に付された前記送信回数情報に基づいて計数された送信回数が前記第一の設定手段にて設定された前記送信回数閾値と一致した場合には、前記照合結果が不一致となっても前記他の携帯機器としての携帯電話20―2、20―3などへの前記携帯機器識別情報の送信を不許可とする機能を備えている。
【0140】
又更に、前記各携帯機器としての各携帯電話20―1、20―2、・・は、前記捜索する範囲を設定するために前記送信台数情報にかかる送信台数閾値を設定する第二の設定手段としての送信台数設定部21a―2を予め装備された操作入力手段としての入力部21にそれぞれ併設してもよい。
この場合、前記制御部24は、送信されてくる前記携帯機器識別情報に付された前記送信台数情報に基づいて計数された送信台数が前記第二の設定手段にて設定された前記送信台数閾値と一致した場合には、前記照合結果が不一致となっても前記他の携帯機器としての携帯電話20―2などへの前記携帯機器識別情報の送信を不許可とする機能を備えている。
【0141】
又更に、前記制御部24は、前記照合結果が一致した場合には、送信されてきた前記携帯機器識別情報の送信元の携帯機器としての携帯電話20―1に照合が一致した旨を通知する機能を備えている。
この場合、前記送信元の携帯機器としての携帯電話20―1における制御部24は、当該通知を受け取ると、前記携帯機器識別情報を送り込む前記送信先の携帯機器としての携帯電話20―2、20―3などが2以上ある場合には、前記照合が一致した前記送信先の携帯機器としての携帯電話20―2以外の他の送信先携帯機器としての携帯電話20―3に対して、当該他の送信先携帯機器としての携帯電話20―3にかかる照合動作を中止するように指令する、もしくは前記携帯機器識別情報の送信を中止する機能を備えている。
【0142】
(動作手順について)
次に、上述のような構成を有する携帯機器捜索システムにおける全体の動作手順について、図12を参照しつつ説明する。図12は、携帯機器捜索システムにおける動作手順の一例を示すフローチャートである。
【0143】
(全体動作)
先ず、図12に示すように、携帯電子キー10の発振部14が、ボタンスイッチ12の押下時間を計数し、押下時間が特定の閾値より長いか短いかを判定する(ステップS101)。
【0144】
このステップS101において、押下時間が長いと判定された場合には、発振部14は、携帯機器捜索機能を稼動する(ステップS103)。
すなわち、携帯電話を紛失した場合、ユーザーは携帯電子キー10のボタンスイッチ12を長押しすることにより携帯機器捜索を実行できる。
【0145】
一方、このステップS101において、押下時間が短いと判定された場合には、発振部14は、電子キー機能を稼動する(ステップS102)。
すなわち、車のドア開閉などの通常のキーレスエントリシステムを使用する場合は、ユーザーは、携帯電子キー10のボタンスイッチ12を長押ししないで、短く押すことで使用可能となる。
【0146】
そして、携帯電子キー10のボタンスイッチ12が短い時間押された場合には、車のドア開閉用の信号を連続して出力する(開閉用信号出力ステップ、開閉用信号出力機能)。
一方、ボタンスイッチ12を長押しの際は、携帯電子キー10の発振部14は、捜索範囲制約情報のうち送信回数情報を1回目として計数し(ステップS211)、捜索範囲制約情報の一部である送信回数情報と携帯機器識別情報(携帯電話番号など)とを含む捜索信号を生成する(ステップS212)。
【0147】
続いて、携帯電子キー10は、例えば半径10m程度の通信可能圏内にて他の携帯電話20―1にアクセスするための通信接続確立処理を実施する(ステップS104)。
【0148】
具体的には、携帯電子キー10は、例えば半径10m程度の通信可能圏内にて他の(ブルートゥース機器を搭載した携帯機器又は電子機器の一例である)携帯電話20―1にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する。
このパケットに対する応答パケットを携帯電子キー10が受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
このようにして携帯電子キー10を中心とした通信可能圏内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理により通信接続確立処理を行う。
【0149】
この通信接続確立処理の後に、携帯電子キー10は、携帯電話20―1に対して特定の捜索信号(例えば携帯電話番号情報などの携帯機器識別情報と送信回数情報などの捜索範囲制約情報の一部)を出力する(ステップS105:捜索信号出力ステップ、捜索信号出力機能)。
【0150】
次に、携帯電話20―1の受信照合部23は、携帯電子キー10からの特定の捜索信号(例えば携帯電話番号情報などの携帯機器識別情報と送信回数情報などの捜索範囲制約情報の一部)を受信する(ステップS110)。
【0151】
又、携帯電話20―1の受信照合部23は、受信した捜索信号を復調し、当該捜索信号から携帯機器識別情報例えば携帯電話番号、捜索範囲制約情報例えば送信回数情報を取り出し、暗号化情報記憶部22bの所定の記憶領域に一時格納しておく。
【0152】
また、携帯電話20―1の受信照合部23は、照合用の登録携帯機器識別情報記憶部22b―1より登録捜索信号に含まれる登録携帯機器識別情報を取り出す(ステップS111)。
【0153】
そして、受信照合部23は、携帯電子キー10からの捜索信号に含まれる携帯機器識別情報と予め記憶されている登録捜索信号に含まれる(登録携帯機器識別情報)とを照合する(ステップS112:照合ステップ)。
【0154】
照合結果が合致した場合(ステップS112の「Yes」)、制御部24が携帯電話20のキー操作を無効にし、報知部26にて報知用動作(例えば捜索専用の動作パターンの呼び出し音を鳴らしたり、ランプなどを捜索専用の動作パターンにて点灯したりなどの動作)を実行するようにする(ステップS107:報知用動作ステップ、報知用動作機能)。
【0155】
一方、照合結果が不一致の場合(ステップS112の「No」)、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より捜索範囲制約情報を取得する(ステップS120)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を取り出す(ステップS121)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報と設定条件情報とを比較する(ステップS122)。
【0156】
捜索範囲制約情報が設定条件以上の場合(ステップS122の「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0157】
一方、捜索範囲制約情報が設定条件未満の場合(ステップS122の「Yes」)、携帯電話20―1の制御部24は、通信可能圏内の他の携帯電話20−2、20−3などとの通信接続確立処理を行う(ステップS124)。
【0158】
続いて、携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための捜索範囲制約情報を計算する(ステップS125)。
【0159】
続いて、携帯電話20―1の制御部24は、計算された捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126)。
【0160】
(ステップS120〜S126の具体的計算例)
ここで、このステップS120〜S126において、捜索範囲制約情報が一例として送信回数情報と送信台数情報である場合は、図14に示すようになる。
【0161】
すなわち、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より送信されてきて記憶された捜索範囲制約情報の一例である送信回数情報を取得しこの値を計数する(ステップS120b:送信回数情報取得ステップ、送信回数情報取得機能)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から基準値に関する情報(例えば送信回数の閾値)を取り出す(ステップS121b:送信回数閾値情報取得ステップ、送信回数閾値情報取得機能)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報の一例である送信回数情報と、設定条件情報の一例である送信回数の閾値とを比較する(ステップS122b:送信回数判定ステップ、送信回数判定機能)。
【0162】
送信回数情報が閾値以上の場合(ステップS122bの「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0163】
一方、送信回数情報が閾値未満の場合(ステップS122bの「Yes」)、携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための捜索範囲制約情報としての送信回数を計算する(ステップS125b:送信用送信回数情報計算ステップ、送信用送信回数情報計算機能)。
例えば、捜索範囲制約情報記憶部22b―3の送信回数mの場合は、例えばm+1としたりする。
【0164】
次に、携帯電話20―1は、捜索範囲制約情報記憶部22b―3より送信されてきて記憶された捜索範囲制約情報の一例である送信台数情報を取得しこの値を計数する(ステップS120c:送信台数情報取得ステップ、送信台数情報取得機能)。
また、携帯電話20―1の制御部24は、設定条件情報記憶部22b―4から基準値に関する情報(例えばこの場合送信台数の閾値)を取り出す(ステップS121c:送信台数閾値情報取得ステップ、送信台数閾値情報取得機能)。
そして、携帯電話20―1の制御部24は、捜索範囲制約情報の一例である送信台数情報と、設定条件情報の一例である送信台数の閾値とを比較する(ステップS122c:送信台数判定ステップ、送信台数判定機能)。
【0165】
送信台数情報が閾値以上の場合(ステップS122cの「No」)、携帯電話20―1の制御部24は、捜索信号の送信動作を停止することで、捜索動作の稼働を停止する(ステップS123)。
【0166】
一方、送信台数情報が閾値未満の場合(ステップS122bの「Yes」)、携帯電話20―1の発振変換部25は、通信可能圏内の他の携帯電話20−2、20−3などとの通信接続確立処理を行う(ステップS124c)。
【0167】
ここで、携帯電話20−1と携帯電話20―2との間の通信接続確立処理の通信手順について、図13を用いて簡単に説明する。
携帯電話20―1は、例えば半径10m程度の通信可能圏AR2内にて他の携帯電話20―2にアクセスするためにアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する(ステップS124a)。
これによって、携帯電話20―1の特定小電力無線送受信モジュールは、他の固有アドレスを取得するための他固有アドレス取得要求を出力する。
このように、マスターは、捜索ネットワークを構成する際に、周辺に存在するスレーブのアドレスなどの情報収集を行う。
スレーブは、マスターに発見されるためにマスターからの要求を待ち受ける。
【0168】
このパケットに対する応答パケット(他固有アドレス情報を含むパケット)が携帯電話20―2より送信され(ステップS124b)、携帯電話20―1が応答パケットを受信することで通信接続による双方の相手先が特定される。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
【0169】
同様にして、通信可能圏内の他の全ての携帯機器(例えば携帯電話20−3など)について固有アドレス、デバイスクラスなどの情報を取得する(ステップS124d)。
更に、携帯電話20−1と携帯電話20―2との間でその他の必要情報を相互に交換する(ステップS124e、ステップS124f)。例えば、マスターは、スレーブを通信接続確立状態に移行させるために、スレーブに対し、アクティブメンバーアドレス、マスターのアドレスおよびクロックの位相情報を通知する。更に、マスターとスレーブ相互でリンク情報の交換を行う。
【0170】
このようにして携帯電話20―1を中心とした通信可能圏AR2内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理(例えば問い合わせ状態にかかる処理)により通信接続確立処理を行う(ステップS124)。
【0171】
具体的には、携帯電話20−1と次の携帯電話20−2との間の通信接続確立処理、携帯電話20−1と次の携帯電話20−3との間の通信接続確立処理を行う(ステップS124c)。
【0172】
ここで、携帯電話20−1には、通信可能圏AR2内にかかる他の携帯電話の識別情報が取得され蓄積されるので、この情報をもとに携帯電話20―1の制御部24は、次に送信するための送信台数情報を計算する(ステップS125c:送信用送信台数情報計算ステップ、送信用送信台数情報計算機能)。
例えば、捜索範囲制約情報記憶部22b―3に記憶されている送信台数情報がkの場合は、携帯電話20−2に対して例えばk+1、携帯電話20−3に対して例えばk+2とする計算を行い、当該計算値をそれぞれのアドレスに割り当て、図11に示すマスター用携帯機器管理テーブル22cに書き込む。
【0173】
そして、携帯電話20―1の制御部24は、携帯電話20−2に送信するための計算された送信回数情報と計算された送信台数情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126c)
【0174】
その後、携帯電話20―1の発振変換部25は、次の携帯電話20−2に捜索範囲制約情報(計算された送信回数情報と計算された送信台数情報)と携帯機器識別情報(携帯電話番号情報)とを含む捜索信号を送信する(ステップS131:捜索信号出力ステップないしは機能)。
例えば、携帯電話20−1の発振変換部25は、次の携帯電話20−2に送信回数情報「2」と送信台数情報「2」と携帯機器識別情報(携帯電話番号情報)とを含む捜索信号を送信する。
捜索信号を送信すると、携帯電話20―1の制御部24は、図11に示す捜索信号送信状況テーブル22dに携帯電話20−2用の捜索信号の送信が完了したことを書き込む。
【0175】
続いて、携帯電話20―1の発振変換部25は、次の携帯電話20−2からの応答処理を行う(ステップS140)。
【0176】
次に、携帯電話20―1の制御部24は、図11に示す捜索信号送信状況テーブル22dを参照して、捜索信号が未送信の他の携帯機器があるかどうかを判定する(ステップS151)。
このステップS151の判定において、未送信の他の携帯機器がある場合(図12に示すステップS151の「Yes」)、ステップS124に戻り、未送信の他の携帯機器について捜索信号を送信するようにする。
具体的には、携帯電話20―1の制御部24は、携帯電話20−3に送信するための計算された送信回数情報と計算された送信台数情報と携帯機器識別情報とを含む捜索信号を生成する(ステップS126c)
【0177】
その後、携帯電話20―1の発振変換部25は、次の携帯電話20−3に送信回数情報「2」と送信台数情報「3」と携帯機器識別情報(携帯電話番号情報)とを含む捜索信号を送信する。
捜索信号を送信すると、携帯電話20―1の制御部24は、図11に示す捜索信号送信状況テーブル22dに携帯電話20−3用の捜索信号の送信が完了したことを書き込む。
【0178】
一方、このステップS151の判定において、未送信の他の携帯機器がない場合(図12に示すステップS151の「No」)、処理を終了する。
【0179】
次の携帯電話20−2が、携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信してからの処理は、携帯電話20―1の場合のステップS110〜ステップS151と同様の処理を繰り返せまよい(ステップS160)。
ただし、送信回数や送信台数などの数値が異なる。
【0180】
例えば、次の携帯電話20−2が、捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信すると、復調し、次の携帯電話20−2における受信照合部23で携帯電話20―1からの携帯機器識別情報の照合を行う。
この照合結果が合致した場合、携帯電話20―2のキー操作を無効にし、呼び出し音を鳴らす。
【0181】
一方、照合結果が不一致の場合、携帯電話20―2は、さらに次の携帯電話20−4に捜索範囲制約情報と携帯機器識別情報を含む捜索信号を送信する。
このようにして、いずれかの携帯電話20が呼び出し音を鳴らまで(ステップS110〜ステップS151:ステップS160)を繰り返す。
【0182】
(ステップS125の詳細処理)
ここで、ステップS125の送信台数を計算するための詳細処理について、図16を用いて説明する。
先ず、携帯電話20−1は、捜索信号送信状況テーブルを参照し、最小の台数番号の携帯機器が送信済みとなっているかどうかを判定する(ステップS125a―1)。
【0183】
携帯電話20−1は、送信済みとなっている場合(図16に示すステップS125a―1の「Yes」)、ステップS127の処理を行う。
一方、未送信となっている場合(図16に示すステップS125a―1の「No」)、携帯電話20−1は、捜索信号を送信する必要のあるスレーブ数情報を取得する(ステップS125a―2)。
【0184】
続いて、本機器の台数番号情報を取得する(ステップS125a―3)。
【0185】
次いで、携帯電話20−1は、階層情報テーブルを参照し、スレーブに割り当てる台数番号を計算する(ステップS125a―4)。
【0186】
そして、携帯電話20−1は、階層情報テーブルを更新する(ステップS125a―5)。
【0187】
さらに、携帯電話20−1は、捜索信号送信状況テーブルに計算された台数番号などの必要な情報を書き込む(ステップS125a―6)。
【0188】
次に、携帯電話20−1は、捜索信号送信状況テーブルを参照し、未送信の携帯機器の台数番号情報を取得する(ステップS125a―7)。
【0189】
(ステップS140の詳細処理)
更に、ステップS140の応答通知を受けた場合の詳細処理について、図15を用いて説明する。
先ず、携帯電話20−1は、他の携帯機器からの応答通知を受信する(ステップS140a)。
この応答通知には、捜索信号を送信した送信先における照合結果情報(照合一致、照合不一致)が含まれている。
【0190】
次に、携帯電話20−1は、他の携帯機器において照合結果が一致したのかどうかを判定する(ステップS140b)。
他の携帯機器の照合結果が一致していない場合(図15に示すステップS140bの「No」)、図12に示すステップS124に戻る。
【0191】
一方、他の携帯機器の照合結果が一致した場合(図15に示すステップS140bの「Yes」)、携帯電話20−1は、捜索信号を送信したさらに他の携帯機器があるかどうかを判定する(ステップS140c)。
このステップS140cの判定の結果、さらに他の携帯機器がある場合(図15に示すステップS140cの「Yes」)、携帯電話20−1は、当該さらに他の携帯機器への捜索信号を停止する、もしくは捜索中止信号を送信する(ステップS140d)。
【0192】
一方、このステップS140cの判定の結果、さらに他の携帯機器がない場合(図15に示すステップS140cの「No」)、このステップS140の処理を終了する。
【0193】
これらの一連のステップによって、複数のスレーブのうちいずれか一つのスレーブで照合結果が一致したことが判明した場合、マスターは、他の全てのスレーブに対して捜索を中止することができる。
【0194】
(捜索の具体的な例)
次に、捜索の具体的な例として、図8に示すように、7台目の携帯電話20−7を紛失した捜査対象の携帯電話とし、1台目の携帯電話20−1で合致しない場合を説明する。
【0195】
発振変換部25より、暗号に変換された特定信号が発振される。この際、携帯電話20―1は送信台数情報と送信回数情報とを特定信号に付加する。特定信号(送信信号)は、携帯機器識別情報(携帯電話番号情報)と送信台数情報と送信回数情報とにより構成され、これらが暗号化された状態で送信される。
【0196】
先ず、1台目の携帯電話20―1から特定信号が発振される(図13に示すステップS131)。
この際、送信台数情報は例えば1台とし、送信回数情報は例えば2回とする。
2台目の携帯電話20−2が当該特定信号を受信すると、1台目の携帯電話20−1に対して、受信したことを通知する(図13に示すステップS141)。
この通知には、送信台数情報例えば2台を含んでもよい。
【0197】
この際、2台目の携帯電話20−2において照合結果が合致した場合、合致したことを1台目の携帯電話20―1に通知する。
そして、通知を受け取った1台目の携帯電話20−1は、3台目の携帯電話20−3に対する発振を取りやめるよう指令する(図13に示すステップS301)。
又、2台目の携帯電話20−2は、合致と同時に呼び出し音を鳴らす。
【0198】
一方、2台目の携帯電話20−2において照合結果が合致しなかった場合、その旨を1台目の携帯電話20−1に通知する。そして、当該通知を受け取った1台目の携帯電話20−1は、3台目の携帯電話20―3に照合を続行する指令もしくは特定信号の送信などを行う。
この指令では、送信台数情報として例えば3台を含んでよい。
【0199】
同様の動作を2台目の携帯電話20−2が、4台目の携帯電話20−4及び5台目の携帯電話20−5に対して実施する。
更に、同様の動作を3台目の携帯電話20−2が、6台目の携帯電話20−6及び7台目の携帯電話20−7に対して実施する。
【0200】
そして、図8に示すように、近辺にある携帯電話20―1〜携帯電話20−7を経由し、紛失した携帯電話を探し続け、紛失した7台目の携帯電話20−7にて照合結果が合致し、呼び出し音を鳴らす。
また、送信台数情報と送信回数情報をあらかじめ決定しておくことにより、無限に通知することが防止可能である。
【0201】
(捜索経路が階層的ツリー構造となる場合における送信台数情報の計数手法)
ここで、図8に示す例において、送信台数情報の計数手法について説明する。
携帯電話1台目20―1をマスターとし、この携帯電話1台目20―1の通信可能圏内(例えば直径約10メートル程度)にある他の携帯電話を全てスレーブとして2台目以降を割り当てる。
【0202】
携帯電話1台目20―1は、通信可能圏内にてアクセスコードをもつパケットを連続的に発信する。このパケットに対する応答パケットを携帯電話1台目20―1が受信した場合に、応答パケットを早く受信したもの順に2台目、3台目と割り当てるようにしてもよい。
この際、応答パケットには携帯機器固有のアドレス情報およびデバイス情報が含まれている。
早く受信した応答パケットに第1の固有アドレスが格納されていれば、当該第1の固有アドレスに対応する携帯機器に対して2台目を割り当て、この対応関係を他携帯機器管理情報記憶部22b―5におけるマスター用携帯機器管理テーブル22cに書き込む。
次に受信した応答パケットに第2の固有アドレスが格納されていれば、当該第2の固有アドレスに対応する携帯機器に対して3台目を割り当て、この対応関係を他携帯機器管理情報記憶部22b―5におけるマスター用携帯機器管理テーブル22cに書き込む。
このようにして携帯電話1台目20―1を中心とした通信可能圏内にかかる他の携帯電話の存在確認及び識別を行いつつ、種々の処理(例えば問い合わせ状態にかかる処理)により通信接続確立処理を行う。
【0203】
他携帯機器管理情報記憶部22b―5には、その他、1台目がマスター(階層的ツリー構造における木の根:親)で第1階層、2台目および3台目がスレーブ(階層的ツリー構造における木の枝:子)で第2階層となる階層構造を定義した階層構造テーブル22eを含む。
又、応答パケットが受信されない場合は、前記パケットの連続発信動作を続行する。
【0204】
通信接続確立処理により通信接続が確立されると(この場合携帯電話1台目20―1と携帯電話2台目20―2との間の通信接続、携帯電話1台目20―1と携帯電話3台目20―3との間の通信接続)、携帯電話1台目20―1と携帯電話2台目20―2との間で情報の授受を行う。又、携帯電話1台目20―1と携帯電話3台目20―3との間で情報の授受を行う。
携帯電話1台目20―1はマスターであり、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークの情報は必ずマスターを経由するため、携帯電話1台目20―1の他携帯機器管理情報記憶部22b―5には、捜索ネットワークの全体構成情報が蓄積される。
【0205】
情報の授受に際しては、先ず、携帯電話1台目20―1と携帯電話2台目20―2との間で情報の授受を行い、その後、携帯電話1台目20―1と携帯電話3台目20―3との間で情報の授受を行うように台数番号に応じた優先順位を規定する。
【0206】
携帯電話1台目20―1と携帯電話2台目20―2との間で情報の授受を行うに際しては、捜索対象の携帯電話番号などの携帯機器識別情報と送信台数情報「2台目」と送信回数情報「2回目」とを捜索信号として携帯電話1台目20―1が第2の固有アドレスである携帯電話2台目20―2に送る。
【0207】
次に、携帯電話2台目20―2は、送信されてきた携帯電話番号と、予め携帯電話2台目20―2の記憶部に格納されている携帯電話番号とを照合する。
照合結果が一致の場合、携帯電話2台目20―2は、第1の固有アドレスである携帯電話1台目20―1に照合結果が一致した旨の通知を送信する。
照合結果が一致である旨の通知を受信すると、携帯電話1台目20―1は、携帯電話1台目20―1と携帯電話3台目20―3との間の通信接続を遮断するため発信を取りやめる。
【0208】
一方、照合結果が不一致の場合、携帯電話2台目20―2は、第1の固有アドレスである携帯電話1台目20―1に照合結果が不一致である旨の通知を送信する。
照合結果が不一致である旨の通知を受信すると、携帯電話1台目20―1は、捜索対象の携帯電話番号などの携帯機器識別情報と送信台数情報「3台目」と送信回数情報「2回目」とを捜索信号として第3の固有アドレスである携帯電話3台目20―3に送る。
【0209】
次に、携帯電話3台目20―3は、送信されてきた携帯電話番号と、予め携帯電話3台目20―3の記憶部に格納されている携帯電話番号とを照合する。
照合結果が一致の場合、携帯電話3台目20―3は、第1の固有アドレスである携帯電話1台目20―1に照合結果が一致した旨の通知を送信する。
照合結果が一致である旨の通知を受信すると、携帯電話1台目20―1は、携帯電話2台目20―1に携帯電話4台目などへの捜索信号の発信を取りやめるよう指示する。
【0210】
一方、照合結果が不一致の場合、携帯電話3台目20―3は、第1の固有アドレスである携帯電話1台目20―1に照合結果が不一致である旨の通知を送信する。
照合結果が不一致である旨の通知を受信すると、携帯電話1台目20―1は、捜索を続行するよう携帯電話2台目20―1に指示する。
この際、携帯電話1台目20―1は、階層構造テーブルに、照合結果情報を各機器に対応づけて書き込んでもよい。
【0211】
携帯電話2台目20―2は、携帯電話3台目20―3でも照合結果が不一致で捜索指示を受けると、携帯電話1台目20―1における階層構造テーブルの階層構造情報を取得し、自身の階層構造テーブルに書き込む。
【0212】
ここで、前述と同様にして、携帯電話2台目20―2をマスターとし、この携帯電話2台目20―2の通信可能圏内(例えば直径約10メートル程度)にある他の携帯電話を全てスレーブとして4台目以降を割り当てる。
すなわち、この階層構造情報及び照合結果情報と、自身の台数情報「2台目」とに基づいて、次に割り当てる台数番号を計数する。
第1階層の1台目、第2階層の2台目および3台目が全て照合不一致となっているので、2台目をマスターとするスレーブは、第3階層の上段として4台目、5台目を割り当てる。
【0213】
第1階層の1台目、第2階層の2台目および3台目、第3階層上段の4台目および5台目が全て照合不一致となる場合、3台目をマスターとするスレーブは、第3階層の下段として6台目、7台目を割り当てる。
【0214】
(台数番号情報決定ルールにかかる台数番号情報取得過程)
このような台数番号の割り当てにおいて、図17(A)〜(F)に示すように、携帯電話1台目20―1から携帯電話2台目20―2に台数番号情報「2」が割り当てられる。
さらに、携帯電話1台目20―1からスレーブである携帯電話3台目20―3に台数番号情報「3」が割り当てられる。
【0215】
次に、携帯電話2台目20―2から携帯電話4台目20―4に台数番号情報「4」が割り当てられる場合、携帯電話2台目20―2は、階層構造において割り当て番号が最大のものが台数番号情報「3」であることを携帯電話1台目20―1を通じて取得する。
このため、携帯電話2台目20―2の階層構造テーブルには、携帯電話1台目20―1における階層構造テーブルからの情報を取得して全階層構造情報を有するようにする。
次に、携帯電話2台目20―2からスレーブである携帯電話5台目20―5に台数番号情報「5」が割り当てられる。
そして、携帯電話1台目20―1の階層構造テーブルには、携帯電話2台目20―2における階層構造テーブルからの情報を取得して全階層構造情報を有するようにする。
【0216】
次に、携帯電話3台目20―3から携帯電話6台目20―6に台数番号情報「6」が割り当てられる場合、携帯電話3台目20―3は、階層構造において割り当て番号が最大のものが台数番号情報「5」であることを携帯電話2台目20―2及びを携帯電話1台目20―1を通じて取得する。
このため、携帯電話3台目20―2の階層構造テーブルには、携帯電話1台目20―1における階層構造テーブルからの情報、携帯電話2台目20―2における階層構造テーブルからの情報を取得して全階層構造情報を有するようにする。
次に、携帯電話3台目20―2からスレーブである携帯電話7台目20―7に台数番号情報「7」が割り当てられる。
そして、携帯電話1台目20―1の階層構造テーブルには、携帯電話3台目20―3における階層構造テーブルからの情報を取得して全階層構造情報を有するようにする。
このようにして、各携帯電話20の各階層構造テーブルで相互に情報を交換しあい、各携帯電話20における各階層構造テーブルには全階層構造情報を有するようにする。
【0217】
(捜索範囲の設定)
捜索範囲を設定する場合、図18に示すように、送信回数の閾値を設定することによって、例えばc1、c2、c3、c4のように、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークの各階層毎に範囲を設定できる。
【0218】
又、送信回数の閾値と送信台数の閾値と階層グループなどの設定を組み合わせることによって、図19に示すように、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークのうち、一の枝については送信回数及び台数が所定の範囲までで、他の枝については送信回数及び台数が所定の範囲までとなるように捜索範囲を個別に設定するようにしてもよい。
【0219】
更に、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークのうち、図20に示すように、あるノードの部分30、40については、携帯電話以外の他の電子機器を中継器として用いる場合であってもよい。
【0220】
又更に、階層的ツリー構造は、携帯電話20−1を根とする場合に限らず、図21に示すように、携帯電子キーを根とする構造であってもよい。
【0221】
以上のように本実施の形態によれば、階層的ツリー構造を有する捜索ネットワークにおいて、送信回数と送信台数とを組み合わせて設定することで、捜索範囲をより詳細に設定することができる。
【0222】
その他の構成およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した実施の形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をプログラム化(ソフトウエアプログラム)し、コンピュータに実行させてもよい。
【0223】
[第3の実施の形態]
次に、本発明にかかる第3の実施の形態について、図22に基づいて説明する。以下には、前記第1実施形態の実質的に同一の構成要素に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図22は、本発明の携帯機器捜索システムの第3実施形態の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0224】
上述の各実施形態では、捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を予め携帯機器側で設定する場合について説明したが、本第3実施形態では、携帯電子キー側で設定しこの設定条件情報をも捜索信号として設定する場合の例を示す。
【0225】
具体的には、図22に示すように、本第3の実施形態の携帯機器捜索システム5では、携帯電子キー10が、前記第1実施形態と同様の構成に加え、捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を設定するための捜索範囲制約情報設定部15と、この捜索範囲制約情報設定部15にて設定された設定条件情報を格納する設定条件情報記憶部17と、捜索範囲制約情報設定部15にて設定された設定条件情報を設定条件情報記憶部17に格納するとともに、この設定条件情報を発振部14で捜索信号に含まれる携帯機器識別情報に付与するように制御する電子キー用制御部16とをさらに備えている。
【0226】
捜索範囲制約情報設定部15は、送信回数閾値を設定する機能、送信台数閾値を設定する機能を備えている。捜索範囲制約情報設定部15は、前記各基準値を設定する電子キー側設定部として機能する。
設定条件情報記憶部17は、送信回数閾値、送信台数閾値に関する情報が記憶される。
電子キー用制御部16は、この電子キー側設定部にて設定された前記各基準値を設定条件情報として前記捜索信号送信前に予め前記携帯機器識別情報に付与する手段として機能する。
発振部14は、前記設定条件情報と前記携帯機器識別情報とを含む前記捜索信号を発振する。
【0227】
これによって、携帯電子キー10から送信される捜索信号S105bには、図23に示すように、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)と捜索範囲制約情報(例えば送信回数「1」)と設定条件情報(例えば送信回数閾値と送信台数閾値)とが含まれる。
【0228】
更に、携帯電話1台目20−1から携帯電話2台目20−2に送信される捜索信号S131bには、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)と捜索範囲制約情報(例えば送信回数「2」と送信台数「2」)と設定条件情報(例えば送信回数閾値と送信台数閾値)とが含まれる。
【0229】
前記各携帯機器20―1、20―2、・・・の制御部24は、前記捜索信号に含まれる前記設定条件情報を取り出して前記基準値とする。
【0230】
このような携帯機器捜索システム500における動作は、図24に示すように、ステップS103の後、携帯電子キー10の電子キー用制御部16が、捜索範囲制約情報にかかる設定条件情報を設定条件情報記憶部17から取得する(ステップS201)。
【0231】
そして、携帯電子キー10の電子キー用制御部16が、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)と捜索範囲制約情報(例えば送信回数「1」)と設定条件情報(例えば送信回数閾値と送信台数閾値)とを含む捜索信号を生成する(ステップS202)。
その他は前記第1実施形態と同様の処理を行う。
【0232】
更に、携帯電話20−1においては、ステップS121で設定条件情報を取得するに際にしては、送信されてきた捜索信号の中に含まれる設定条件情報を取り出したものを取得するようにする。捜索信号の中に含まれる設定条件情報を取り出したものは、一旦設定条件情報記憶部22b−4に記憶され、これを読み出す。
【0233】
そして、携帯電話20−1においては、携帯機器識別情報(携帯電話番号など)と捜索範囲制約情報(例えば送信回数と送信台数)と設定条件情報(例えば送信回数閾値と送信台数閾値)とを含む捜索信号を生成する(ステップS126)。
その他は前記第1実施形態と同様の処理を行う。
【0234】
以上で説明したように、本第3の実施の形態によると、捜索範囲は利用者側で任意に設定できる。
【0235】
その他の構成およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した実施の形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をプログラム化(ソフトウエアプログラム)し、コンピュータに実行させてもよい。
【0236】
[その他の各種変形例]
また、本発明にかかる装置及び方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。
例えば、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。すなわち、上記実施の形態では、捜索例として送信回数が3回で携帯電話が7台目で見つかる場合を示したが、本発明は、これらの回数、個数を制限するものではない。
更に、捜索ネットワークにおける各携帯機器の台数番号の割り当てルールは、上述のようなものに限らず、種々のものが想定されうる。
【0237】
更に、前記携帯機器としての携帯電話20―1における前記制御部24は、前記他の携帯機器としての携帯電話20−2に前記捜索信号を送信するに際し、前記他の携帯電話としての携帯電話20−2におけるGPS機能を稼働させるためのGPS機能稼働開始情報を前記携帯機器識別情報に付する機能を備えている。更に、GPS機能を稼働させるためのGPS機能稼働開始情報を前記携帯機器識別情報に付して送信するように処理動作を制御する機能を備えている。
この場合、前記他の携帯電話20−1における制御部24は、前記GPS機能稼働開始情報に基づいてGPS機能を稼働させ、自身の位置情報を予め指定した送信先に対して送信する機能を備えている。すなわち、前記他の携帯電話20−1における制御部24は、自身の位置情報を予め指定した送信先である第三の情報機器に対して送信する位置情報送信機能と、前記照合が一致した場合に当該位置情報送信機能を稼動する機能とを備えている。
【0238】
これにより、携帯電話探索時に呼び出し音の変わりにGPS機能を使用し、居場所の通知をあらかじめ指定しておいた通信相手に伝えることが可能である。
【0239】
更に、図25に示すように、ステップS120からステップS125までの捜索範囲にかかる一連の判定処理を、照合判定前のステップS110とステップS111の間で処理するようにしてもよい。
【0240】
また、捜索範囲の設定には基準値として1つの閾値を設定する場合について説明したが、捜索ネットワークの階層構造が複雑となる場合には、サブツリー毎にグループ化し、グループ毎に閾値を設定するようにしてもよい。また、このように設定しても所定の時間経過後、発見できない場合、前記閾値を段階的に上げていき、捜索範囲を段階的に広げるように、前記各携帯電話の捜索支援用の制御部が制御するようにしてもよい。
更に、携帯電話20−1における制御部24は、前記他の携帯機器としての携帯電話20―2に前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、前記他の携帯電話20―2におけるGPS機能を稼働させるためのGPS機能稼働開始情報を前記携帯機器識別情報に付して送信するように処理動作を制御する機能を備えている。
この場合、前記他の携帯機器としての携帯電話20−2における制御部24は、前記照合が一致しない場合に、自身の位置情報を予め指定した送信先である第三の情報機器に対して送信するとともに階層構造テーブルの情報を前記第三の情報機器に送信する機能を備えてもよい。
これにより、捜索中の捜索ネットワーク構造と地図情報とを組み合わせて捜索経過が第三の情報機器にて把握できるようにしてもよい。
【0241】
又、携帯機器は、携帯電話に限らず、プログラム制御により動作しネットワーク関連の通信機能並びにブルートゥース機器を搭載した携帯機器又は電子機器であれば、携帯電話機能を搭載し無線通信機能を有する情報機器(PDA)、情報家電機器(携帯音楽プレーヤ・携帯ゲーム機)などのモバイルコンピュータ、またはこれに類するコンピュータなどいかなるコンピュータでもよい。
例えば、ブルートゥース機器を搭載したテレビやプリンタ、パソコンといった他の電子機器を、当該捜索システムの中継機として利用しても良い。
【0242】
更に、図3に示す携帯電話1台目を利用し、電子キーの送信距離(例えば最大10m程度)内にある携帯電話に探索対象となる携帯電話番号以外のあらかじめ規定したデータ信号(例えばGPS機能稼働開始信号)を送ることで、携帯電話用の固定アンテナを使用せずに、データ交換が可能となるようにしてもよい。
【0243】
又、携帯電子キー10は、電子キー機能としてロック・アンロックを行うための開閉用信号を送信する鍵制御用無線送信部を備えており、これを前記発振部とは独立して設けてよい。
【0244】
又、上述の例では、階層的ツリー構造の根が携帯電話1台目20―1となる捜索ネットワークについて説明したが、捜索ネットワークの構造例としてはこれに限るものではなく、階層的ツリー構造の根が携帯電子キー10となる場合や、携帯電子キー10から携帯電話s台目20―sまでが数珠繋ぎ構成で当該携帯電話s台目20―sを階層的小ツリー構造の根となるような階層的ツリー構造であってもよい。
【0245】
さらに、捜索ネットワークは、完全d分木などのような階層ツリー構造に限らず、メッシュなどの種々のネットワークトポロジであってもよい。
【0246】
又、本発明の一実施形態に係る携帯機器捜索における動作手順は、電子キーシステムに用いられる携帯電子キー10と、この携帯電子キー10を用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器としての携帯電話20とを備えた携帯機器捜索システムを対象とするものである。
【0247】
この動作手順では、次のようにしてもよい。先ず、捜索開始要求に応じて前記携帯機器としての携帯電話20を固有に識別するための携帯機器識別情報を前記携帯電子キー10が送信する(ステップS103〜S105:発信ステップ、発信機能)。
【0248】
次に、前記携帯電子キー10から送信された前記携帯機器識別情報を受信しこの携帯機器識別情報が予め当該携帯機器としての携帯電話20に備えられた登録携帯機器識別情報と一致するか否かを前記携帯機器としての携帯電話20が備えた受信照合部23が照合する(ステップS110〜S112:照合ステップ、照合機能)。
【0249】
しかる後、この照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器20としての携帯電話20を経由して他の携帯機器としての携帯電話20―2などに前記携帯機器識別情報を送信する動作を前記携帯機器としての携帯電話20が備えた制御部24が実行する(ステップS131:制御ステップ、制御機能)。
【0250】
又、この携帯機器捜索における動作手順では、前記照合結果が不一致の場合には、さらに続いて、前記他の携帯電話20―2が前記携帯機器識別情報を受信しこの携帯機器識別情報が予め当該他の携帯機器としての携帯電話20―2に備えられた既登録携帯機器識別情報と一致するか否かを前記他の携帯機器としての携帯電話20―2が備えた受信照合部23が照合する(他の照合ステップ、他の照合機能)。
【0251】
次に、当該他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる照合結果が一致した場合には当該携帯機器としての携帯電話20―2の所在位置を外部へ報知するための報知用動作を前記他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる制御部24が実行するとともに、送信されてきた前記携帯機器識別情報にかかる送信元の前記携帯機器としての携帯電話20―1に対して前記他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる照合が一致した旨の通知を返送する(照合一致情報通知ステップ、照合一致情報通知機能)。
【0252】
しかる後、当該通知を前記携帯機器としての携帯電話20−1が受け取ると、前記携帯機器識別情報を送り込む前記他の携帯機器としての携帯電話が一方(20―2)及び他方(20―3)のそれぞれ有する場合には、前記通知の送信元である前記一方の他の携帯機器としての携帯電話20―2以外の他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3に対して、当該他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3にかかる照合動作を中止するように指令する、もしくは前記他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3にかかる前記携帯機器識別情報の送信を中止する(他の照合中止指令ステップないしは機能)。
【0253】
更に、この携帯機器捜索における動作手順では、ステップS109で当該他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる照合結果が不一致の場合には、送信されてきた前記携帯機器識別情報にかかる送信元の前記携帯機器としての携帯電話20―1に対して前記他の携帯機器としての携帯電話20―2にかかる照合が不一致である旨の不一致通知を返送する(照合不一致情報通知ステップ、照合不一致情報通知機能)。
【0254】
続いて、当該不一致通知を前記携帯機器としての携帯電話20―1が受け取ると、前記携帯機器識別情報を送り込む前記他の携帯機器としての携帯電話20が一方(20―2)及び他方(20―3)のそれぞれ有する場合には、前記不一致通知の送信元である前記一方の他の携帯機器としての携帯電話20―2以外の他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3に対して、当該他方の他の携帯機器としての携帯電話20―3にかかる前記携帯機器識別情報の送信を続行もしくは行う(他の照合開始指令ステップ、他の照合開始指令機能)。
【0255】
更に、この携帯機器捜索における動作手順では、ステップS131で前記他の携帯機器としての携帯電話20―2に前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、前記携帯電子キー10からの送信を1回目とし前記携帯機器識別情報の前記携帯機器としての携帯電話20での送受信経由過程で生じる前記携帯機器識別情報の送信回数を計数した送信回数情報を前記携帯機器識別情報に付して送信する。
【0256】
又更に、この携帯機器捜索における動作手順では、ステップS131で前記他の携帯機器としての携帯電話20―2に前記携帯機器識別情報を送信するに際しては、前記各携帯機器としての携帯電話を順次経由して当該各携帯機器としての携帯電話20で各々照合を行う捜索過程において前記照合結果が不一致となった前記携帯機器としての携帯電話20の台数を示す送信台数情報を前記携帯機器識別情報に付して送信する。
【0257】
又、本発明の一実施形態に係る携帯機器捜索における携帯電子キー10側の動作手順は、先ず、電子キーシステムの電子キー機能と、捜索対象となる携帯機器を捜索するための携帯機器捜索機能とのうちいずれか一方の稼働を指示する要求を操作入力手段としてのボタンスイッチ12の押下時間に応じて出力する。
続いて、前記要求に応じて前記電子キー機能と前記携帯機器捜索機能とを発振部14における切り替え制御機能が切り替え制御する。
しかる後、前記携帯機器捜索機能が稼働した場合には、前記携帯機器としての携帯電話20を識別するための携帯機器識別信号を発振部14が前記携帯機器器としての携帯電話20に送信する。
【0258】
更に、携帯機器捜索における携帯機器側の動作手順は、次のようにしてもよい。先ず、前記携帯電子キー10から送信された携帯機器識別情報を含む捜索信号を受信照合部23における捜索信号受信機能23bが受信する。
続いて、この携帯機器識別情報が予め携帯機器としての携帯電話20に備えられた登録携帯機器識別情報と一致するか否かを受信照合部23における照合機能23aが照合する。
しかる後、この照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器としての携帯電話20―1などを経由して他の携帯機器としての携帯電話20―2などに前記携帯機器識別情報を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯機器としての携帯電話20―1などの所在位置を外部へ報知するための報知用動作を制御部24が実行する。
このように、携帯電話20に電子キーシステムの送受信側情報を入力し、電子キーを長押しすることで、携帯電話20を次々と経由して、簡単に携帯電話捜索が可能となる。この際、携帯電子キー10を長押しすることで携帯電話20を次々と経由し、捜索範囲に制限がなくなる。
【0259】
更に、本発明の一実施形態における携帯電話捜索システムの携帯電子キー10では、電子キーシステムの電子キー機能と、捜索対象となる携帯機器を捜索するための携帯機器捜索機能との稼働を開始するための操作入力手段としてのボタンスイッチ12と、前記ボタンスイッチ12の押下時間に応じて前記電子キー機能と前記携帯機器捜索機能とを切り替え制御する切り替え制御機能を備え、前記この切り替え制御機能にて前記携帯機器捜索機能が稼働した場合には、前記携帯機器としての携帯電話20を固有に識別するための携帯機器識別情報を前記携帯機器としての携帯電話20に送信する発振部14と、を備えた構成としてもよい。この場合、発振部14と、この発振部14とは独立して設けられたキー用の発振部と、発振部14及びキー用の発振部の切り替え制御機能であるコントローラとを備えてよい。
【0260】
又、前記切り替え制御機能は、前記操作入力手段としてのボタンスイッチ12の押下時間に応じて設定された捜索対象範囲となる前記携帯電話20を次々と経由するようにしてもよい。
【0261】
又、携帯電話20側の制御部24は、受信照合部23にてこの照合結果が不一致の場合にはこの携帯機器としての携帯電話20―1などを経由して他の携帯機器としての携帯電話20―2などに前記携帯機器識別情報を送信する一方、当該照合結果が一致した場合には当該携帯機器としての携帯電話20―1などの所在位置を外部へ報知するための報知用動作を行う機能を備えた構成としてもよい。
【0262】
更に、一方の携帯機器としての携帯電話20−1における発信変換部25と他方の携帯機器としての携帯電話20−2における受信照合部23との間で前記捜索信号を送受信するに際しては、それに先立って通信接続確立処理において前記一方の携帯機器としての携帯電話20−1における発信変換部25は送信先となる前記他方の携帯機器としての携帯電話20−2を特定するための他方の固有アドレス情報を取得し、前記他方の携帯機器としての携帯電話20−2における受信照合部23は前記一方の携帯機器としての携帯電話20−1を特定するための一方の固有アドレス情報を取得するようにしてもよい。
その後、前記受信照合部23は、前記捜索信号として携帯機器識別情報を、前記携帯用電子キー10若しくは前記他の携帯機器としての携帯電話20―2から受信し、当該受信された携帯機器識別情報が前記記憶部に記憶されている登録携帯機器識別情報とを照合し一致するか否かを判定するようにしてよい。
【0263】
更に、携帯電子キー10からの捜索信号を受けた場合に捜索対象ではない携帯電話20―1〜20―6のうちの一又は複数の制御部24は、対象携帯電話20―7がGPS機能を働かせるためのデータを捜索信号に含むように追加する機能を備えている。これにより、対象携帯電話20―7が位置情報をあらかじめ指定しておいた第三の情報機器に送信することもでき、より捜索位置の把握が確実となる。
【0264】
又、送信台数と送信回数を設定することにより、適切な捜索範囲を設定する。また、送信台数と送信回数を増加することにより、捜索範囲を広げることができる。さらに、送信台数と送信回数を制限することにより、無限に捜索することを防止できる。
【0265】
また、特定信号は、通常の携帯電話通信のための回線以外の「特定小電力無線機能」の通信で送信する。つまり、電波法等の規制が緩い、但し送信距離が短い特定小電力無線機能を使用することで、容易にかり安価に実現可能となる。また、携帯電話20のための電波が弱い場所(いわゆる通話エリア)でも特別な施設を設置することなくシステムが稼働し使用することができ、災害時などにおいても有用となる。
【産業上の利用可能性】
【0266】
本発明は、携帯機器捜索システム全般に利用できる。
【符号の説明】
【0267】
1・・・・ 携帯機器捜索システム
10・・・ 携帯電子キー
12・・・ ボタンスイッチ
14・・・ 発振部
20―1、20―2、20―3、20―4、20―5、20―6、20―7・・・・・・・・携帯電話(携帯機器)
21・・・ 入力部
22b・・・ 暗号化情報記憶部
23・・・ 受信照合部
23d・・ 計数機能(計数部)
24・・・ 制御部
25・・・ 発振変換部
26・・・ 報知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号を発信する電子キーシステム用の携帯用電子キーと、この携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器とを備え、
前記各携帯機器は、
前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部と、
この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信出力する発信変換部と、
前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部と、
を備えていることを特徴とする携帯機器捜索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記捜索信号と同等の捜索信号は、前記携帯機器を識別するための照合用の携帯機器識別情報と、前記各携帯機器にかかる捜索範囲を制約するための捜索範囲制約情報とを含み、
前記各携帯機器の受信照合部は、前記捜索信号に含まれている前記捜索範囲制約情報の内容を計数する計数部を備え、
前記各携帯機器は、この計数部で計数される前記捜索範囲制約情報の内容が予め設定した基準値以上の場合に作動し前記発信変換部の捜索信号送信出力を停止制御する制御部を設けたことを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記捜索範囲制約情報は、送信された前記捜索信号の送信回数情報を含み、
前記計数部が、前記捜索信号に含まれている前記送信回数情報に基づいてこれを計数する送信回数計数機能を備え、
前記制御部が、計数された前記送信回数が予め設定した基準値以上の場合に前記捜索信号送信出力を停止制御する、
ことを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記捜索範囲制約情報は、送信された前記捜索信号にかかる前記携帯機器の送信台数情報を含み、
前記計数部が、前記捜索信号に含まれている前記送信台数情報に基づいてこれを計数する送信台数計数機能を備え、
前記制御部が、計数された前記送信台数が予め設定した基準値以上の場合に前記捜索信号送信出力を停止制御する、
ことを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記捜索範囲制約情報は、受信された前記捜索信号の受信回数情報を含み、
前記計数部が、前記捜索信号に含まれている前記受信回数情報に基づいてこれを計数する受信回数計数機能を備え、
前記制御部が、計数された前記受信回数が予め設定した基準値以上の場合に前記捜索信号送信出力を停止制御する、
ことを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記各携帯機器と前記携帯用電子キーとをノードとする捜索ネットワークが、階層的ツリー構造を構成し、
前記ノードがマスターとなる前記携帯機器の制御部が、
計数された前記送信台数が予め設定した基準値未満の場合に作動し、前記マスターに従属するスレーブとなる全ての他の携帯機器について当該各他の携帯機器に各々送信するための各送信台数情報を各々計算する送信台数計算機能と、
前記各他の携帯機器に送信する各捜索信号に各々含まれる前記各携帯機器識別情報に、計算された前記各送信台数情報を各々付与する機能と、
を備えていることを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記ノードがマスターとなる前記携帯機器の制御部が、
計数された前記送信回数が予め設定した基準値未満の場合に作動し、前記マスターとなる前記携帯機器から前記スレーブとなる前記各他の携帯機器に各々送信するための前記各他の携帯機器に共通の送信回数情報を計算する送信回数計算機能と、
前記各他の携帯機器に送信する各捜索信号に各々含まれる前記各携帯機器識別情報に、計算された前記共通の送信回数情報を各々付与する機能と、
を備えていることを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記携帯機器の前記発信変換部は、
前記捜索信号を送信するに先立って通信可能圏内における前記他の携帯機器との間で通信接続確立処理を行うとともに、送信先となる前記他の携帯機器を特定するための固有アドレス情報を取得して送信相手先を特定する機能を備えている、
ことを特徴とする携帯機器捜索システム。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記発信変換部は、
前記照合結果が一致した場合には送信されてきた前記捜索信号の送信元の携帯機器に照合が一致した旨を通知する機能を備え、
前記送信元の携帯機器における制御部は、前記通知を受け取ると当該通知を受けた携帯機器以外の他のスレーブとなる携帯機器への捜索信号送信出力を停止制御する機能を備えている、
ことを特徴とする携帯機器捜索システム。
【請求項10】
請求項9に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記各携帯機器が、前記各基準値を設定する設定部を備えていることを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項11】
請求項10に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記制御部は、
前記他の携帯機器に前記捜索信号を送信するに際し、前記他の携帯機器におけるGPS機能を稼働させるためのGPS機能稼働開始情報を前記携帯機器識別情報に付する機能を備え、
前記他の携帯機器における制御部は、
前記GPS機能稼働開始情報に基づいてGPS機能を稼働させ、自身の位置情報を予め指定した送信先に対して送信する機能を備えている、
ことを特徴とする携帯機器捜索システム。
【請求項12】
電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器であって、
前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部と、
この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信出力する発信変換部と、
前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部と、
を備えていることを特徴とする携帯機器
【請求項13】
電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器の動作制御方法であって、
先ず、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを受信照合部が判定し、
続いて、この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に発信変換部が特定小電力無線により送信出力し、
前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動する報知部が前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する、
ことを特徴とする携帯機器の動作制御方法。
【請求項14】
電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器が備えたコンピュータに実行させる携帯機器動作制御プログラムであって、
前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合機能と、
この受信照合機能での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信処理する発信変換機能と、
前記受信照合機能での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知するための報知用動作を行う機能と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする携帯機器動作制御プログラム。
【請求項1】
駆動信号を発信する電子キーシステム用の携帯用電子キーと、この携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる1以上の携帯機器とを備え、
前記各携帯機器は、
前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部と、
この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信出力する発信変換部と、
前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部と、
を備えていることを特徴とする携帯機器捜索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記捜索信号と同等の捜索信号は、前記携帯機器を識別するための照合用の携帯機器識別情報と、前記各携帯機器にかかる捜索範囲を制約するための捜索範囲制約情報とを含み、
前記各携帯機器の受信照合部は、前記捜索信号に含まれている前記捜索範囲制約情報の内容を計数する計数部を備え、
前記各携帯機器は、この計数部で計数される前記捜索範囲制約情報の内容が予め設定した基準値以上の場合に作動し前記発信変換部の捜索信号送信出力を停止制御する制御部を設けたことを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記捜索範囲制約情報は、送信された前記捜索信号の送信回数情報を含み、
前記計数部が、前記捜索信号に含まれている前記送信回数情報に基づいてこれを計数する送信回数計数機能を備え、
前記制御部が、計数された前記送信回数が予め設定した基準値以上の場合に前記捜索信号送信出力を停止制御する、
ことを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記捜索範囲制約情報は、送信された前記捜索信号にかかる前記携帯機器の送信台数情報を含み、
前記計数部が、前記捜索信号に含まれている前記送信台数情報に基づいてこれを計数する送信台数計数機能を備え、
前記制御部が、計数された前記送信台数が予め設定した基準値以上の場合に前記捜索信号送信出力を停止制御する、
ことを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記捜索範囲制約情報は、受信された前記捜索信号の受信回数情報を含み、
前記計数部が、前記捜索信号に含まれている前記受信回数情報に基づいてこれを計数する受信回数計数機能を備え、
前記制御部が、計数された前記受信回数が予め設定した基準値以上の場合に前記捜索信号送信出力を停止制御する、
ことを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記各携帯機器と前記携帯用電子キーとをノードとする捜索ネットワークが、階層的ツリー構造を構成し、
前記ノードがマスターとなる前記携帯機器の制御部が、
計数された前記送信台数が予め設定した基準値未満の場合に作動し、前記マスターに従属するスレーブとなる全ての他の携帯機器について当該各他の携帯機器に各々送信するための各送信台数情報を各々計算する送信台数計算機能と、
前記各他の携帯機器に送信する各捜索信号に各々含まれる前記各携帯機器識別情報に、計算された前記各送信台数情報を各々付与する機能と、
を備えていることを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記ノードがマスターとなる前記携帯機器の制御部が、
計数された前記送信回数が予め設定した基準値未満の場合に作動し、前記マスターとなる前記携帯機器から前記スレーブとなる前記各他の携帯機器に各々送信するための前記各他の携帯機器に共通の送信回数情報を計算する送信回数計算機能と、
前記各他の携帯機器に送信する各捜索信号に各々含まれる前記各携帯機器識別情報に、計算された前記共通の送信回数情報を各々付与する機能と、
を備えていることを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記携帯機器の前記発信変換部は、
前記捜索信号を送信するに先立って通信可能圏内における前記他の携帯機器との間で通信接続確立処理を行うとともに、送信先となる前記他の携帯機器を特定するための固有アドレス情報を取得して送信相手先を特定する機能を備えている、
ことを特徴とする携帯機器捜索システム。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記発信変換部は、
前記照合結果が一致した場合には送信されてきた前記捜索信号の送信元の携帯機器に照合が一致した旨を通知する機能を備え、
前記送信元の携帯機器における制御部は、前記通知を受け取ると当該通知を受けた携帯機器以外の他のスレーブとなる携帯機器への捜索信号送信出力を停止制御する機能を備えている、
ことを特徴とする携帯機器捜索システム。
【請求項10】
請求項9に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記各携帯機器が、前記各基準値を設定する設定部を備えていることを特徴とする携帯機器探索システム。
【請求項11】
請求項10に記載の携帯機器捜索システムにおいて、
前記制御部は、
前記他の携帯機器に前記捜索信号を送信するに際し、前記他の携帯機器におけるGPS機能を稼働させるためのGPS機能稼働開始情報を前記携帯機器識別情報に付する機能を備え、
前記他の携帯機器における制御部は、
前記GPS機能稼働開始情報に基づいてGPS機能を稼働させ、自身の位置情報を予め指定した送信先に対して送信する機能を備えている、
ことを特徴とする携帯機器捜索システム。
【請求項12】
電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器であって、
前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合部と、
この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信出力する発信変換部と、
前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する報知部と、
を備えていることを特徴とする携帯機器
【請求項13】
電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器の動作制御方法であって、
先ず、前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを受信照合部が判定し、
続いて、この受信照合部での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に発信変換部が特定小電力無線により送信出力し、
前記受信照合部での照合結果が一致すると判定された場合に作動する報知部が前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知する、
ことを特徴とする携帯機器の動作制御方法。
【請求項14】
電子キーシステムに用いられる携帯電子キーを用いて捜索される捜索対象となる携帯機器が備えたコンピュータに実行させる携帯機器動作制御プログラムであって、
前記携帯用電子キーからの駆動信号を捜索信号として受信し若しくは他の携帯機器から出力される前記捜索信号と同等の捜索信号を特定小電力無線により受信すると共に、当該受信された捜索信号が前記各携帯機器に予め備えられた記憶部に記憶されている登録捜索信号とを照合し一致するか否かを判定する受信照合機能と、
この受信照合機能での照合結果が不一致と判定された場合には前記受信した捜索信号を他の携帯機器に特定小電力無線により送信処理する発信変換機能と、
前記受信照合機能での照合結果が一致すると判定された場合に作動し前記捜索にかかる携帯機器であることを外部に報知するための報知用動作を行う機能と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする携帯機器動作制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2010−220058(P2010−220058A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66573(P2009−66573)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
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