携帯用電子機器
【課題】携帯機器における日本語文字入力の操作性向上
【解決手段】
握持筐体としての例えば本体部の前面側の第1の入力操作部(正面キー3)で子音を指定し、また本体部の背面側等の第2の入力操作部(背面キー6)で母音を指定するという操作により、ユーザーが意図する文字(ひらがな、カタカナ等)が入力されるようにする。側面キー5は入力文字種の選択や漢字変換操作などのために用いる。正面キー3、背面キー6、側面キー5は、それぞれ親指、人差し指、中指で操作できる位置に配置する。
【解決手段】
握持筐体としての例えば本体部の前面側の第1の入力操作部(正面キー3)で子音を指定し、また本体部の背面側等の第2の入力操作部(背面キー6)で母音を指定するという操作により、ユーザーが意図する文字(ひらがな、カタカナ等)が入力されるようにする。側面キー5は入力文字種の選択や漢字変換操作などのために用いる。正面キー3、背面キー6、側面キー5は、それぞれ親指、人差し指、中指で操作できる位置に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の携帯用電子機器に関し、特に文字入力が行われる携帯用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−128909号公報
【特許文献2】特開2003−333157号公報
【特許文献3】特開2000−236376号公報
【0003】
携帯電話器等の通信用機器、PDAやパーソナルコンピュータ等の携帯型の情報処理装置、或いは小型のHDD(ハードディスクドライブ)や固体メモリを内蔵し音楽や映像を記録再生するオーディオ・ビデオ機器など、使用者が持ち歩くことのできる各種の電子機器が普及している。
そしてこれらの携帯用電子機器においてユーザーが文字入力を行う機会は多い。例えば携帯電話の場合、電子メール送信文の作成のために頻繁に文字入力を行う。情報処理装置やオーディオ・ビデオ機器でも電子メール、メモ入力、ファイル名入力、曲名入力などとして文字入力が行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯用の機器の場合、装置が小型であることや使用性を考慮して、操作キーは最小限とされ、また1つの操作キーが複数の入力に兼用されることが多い。そのため日本語文字入力の場合などは、例えば1つのキーにひらがなの数文字が割り当てられ、1つの文字を選択するために、入力キーを何回も押さなければならないというのが現状である。このため、特に電子メールなどのための文字入力において入力操作に時間や労力がかかるという問題がある。
【0005】
なお、上記特許文献1,2,3には、携帯電話装置において正面側及び背面側に操作キーを設けたものが記載されている。例えば撮像機能を備えた携帯電話において、背面側に設けたキーによって撮像操作のための操作キーを背面側に配置したり、或いはシフトキー、スクロールキー、決定キー、クリアキーなど、入力操作時の補助的な操作にかかるキーを背面側に配置することが開示されている。しかしながら、文字入力自体の操作性を向上させるという問題は解決されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記問題に鑑み、携帯用電子機器において日本語等の文字入力の操作性を向上させ、電子メール等のための文字入力を簡易かつ迅速に実行できるようにすることを目的とする。
【0007】
このため本発明の携帯用電子機器は、入力操作時に握持する握持筐体の第1の面に配置され、少なくとも子音指定が可能とされた第1の入力操作部と、上記握持筐体の第2の面に配置され、少なくとも母音指定が可能とされた第2の入力操作部と、表示部と、上記第1の入力操作部で指定された子音と上記第2の入力操作部で指定された母音に基づいて入力文字を選定し、上記表示部に表示させる制御部とを備えるようにする。
また、上記第1の入力操作部が配置される上記第1の面は上記握持筐体の正面とされ、上記第2の入力操作部が配置される上記第2の面は上記握持筐体の背面又は上面とされるものとする。
さらに上記握持筐体の第3の面に配置された第3の入力操作部を備え、上記制御部は、上記第3の入力操作部の操作に応じて入力モードを選定し、選定された入力モードに従って、上記第1、第2の入力操作部の指定操作に基づいて入力文字を選定する。
また、使用者が片手で上記握持筐体を握持した状態において、上記第1,第2,第3の入力操作部は、上記第1の入力操作部は親指で、上記第2の入力操作部は人差し指で、上記第3の入力操作部は中指で、それぞれ操作可能な位置に配置されている。
【0008】
また携帯用電子機器の本体部が片手で握持可能な形状に形成され、該本体部としての筐体が上記握持筐体とされるものとする。
また、この場合、上記本体部は、上記表示部が形成された本体上部と、上記第1,第2の入力操作部が形成された本体下部とが、軸部で接合された折り畳み可能な構造とされるとともに、折り畳みから開かれた状態において、上記本体上部と上記本体下部で略ブーメラン形が形成されるようにもする。
【0009】
或いは、上記握持筐体は、本体部とは別筐体として形成されるものとする。
また、上記握持筐体は、本体部に対して着脱自在な別筐体として形成されているとともに、上記表示部は、上記本体部に対して別筐体で設けられ、上記本体部と上記表示部がリストバンドに取り付けられて腕時計型に形成されているものとする。
また上記握持筐体における上記第1,第2の入力操作部による入力情報は、上記握持筐体と上記本体部の間に設けられた伝送コードにより、上記本体部側に供給される。
或いは、上記握持筐体には無線送信部が、また上記本体部には無線受信部が設けられ、上記握持筐体における上記第1,第2の入力操作部による入力情報は、上記無線送信部及び無線受信部による無線伝送により、上記本体部側に供給される。
【0010】
第1又は第2の入力操作部としては、以下の構成をもつ。
上記第1の入力操作部は複数の入力キーを有すると共に、上記各入力キーは、握持時に親指の付け根となる位置からみて、概略放射状に配置されている。
また上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部は、複数の入力キーを有すると共に、同一面に配されている複数の入力キーの形状は、複数種類とされている。
また上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部は、複数の入力キーを有すると共に、同一面に配されている複数の入力キーの高さは、複数種類とされている。
また、上記第1の入力操作部は、それぞれ子音指定が可能な複数の入力キーを有すると共に、日本語の濁音又は半濁音に相当する子音のキーは、その濁音符又は半濁音符を外した清音に相当する子音のキーと隣接するように配置されている。
【0011】
即ち本発明は、第1の入力操作部で子音を指定し、第2の入力操作部で母音を指定するという操作により、ユーザーが意図する文字が入力されるようにすることを基本とし、さらに上記各構成により操作性を向上させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、握持筐体の第1の面(例えば正面)の第1の入力操作部で子音を指定し、握持筐体の第2の面(例えば背面又は上面)の第2の入力操作部で母音を指定するという操作により、ユーザーが意図する文字が入力されるため、ユーザーは入力しようと意図する文字を直接的に選んで操作できる。つまり、同じキーを何度も押して入力しようとする文字を選ぶという手間のかかる操作は不要となる。これにより、電子メールその他のための文字入力の時間が短縮され、また操作も簡単となる。さらに子音、母音に分かれてキーが設定されていることで、ユーザーが操作に慣れてキー配置を把握すれば、いわゆるブラインドタッチでの文字入力が容易となり、文字入力の容易性はさらに高まることになる。
また、上記握持筐体の側面などの第3の面に配置された第3の入力操作部によって入力モード操作ができるようにすれば、入力したい文字種(例えばひらがな、カタカナ、アルファベット、文字サイズ、数字などの別)の指定もダイレクトに実行でき、従来のように入力モードを選んでから文字入力を行うという面倒な操作が不要となる。これも文字入力操作の簡易化、迅速化に寄与する。
【0013】
第1,第2,第3の入力操作部は、使用者が片手で上記握持筐体を握持した状態において、それぞれ親指、人差し指、中指で、それぞれ操作可能な位置に配置されることで、上記の子音指定、母音指定、入力モードの各操作を、容易に同時的に実行できる。しかも、小指、薬指で装置自体を握持しておけるため、片手で文字入力を実行できる。
また、上記第1の入力操作部における複数の入力キーが、握持時に親指の付け根となる位置からみて概略放射状に配置されていることで、入力操作のための親指の動きも楽なものとなり、操作性を向上させる。また、放射状のような特殊なキー配置とすることで、ユーザーが視認せずに各キーの種別(文字)を把握することが容易となり、ブラインド操作に適している。
さらに、上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部の複数の入力キーの形状又は高さが複数種類とされていることも、入力キーを視認せずに判別することを容易化し、これもブラインド操作を容易化する。
また、上記第1の入力操作部では、日本語の濁音又は半濁音に相当する子音のキーは、その濁音符又は半濁音符を外した清音に相当する子音のキーと隣接するように配置することも、ユーザーがキー配置を把握することの容易性を促す。
これらのことで、入力操作性は一層向上される。
【0014】
また携帯用電子機器の本体部は、本体上部と本体下部が軸部で接合された折り畳み可能な構造とされるとともに、折り畳みから開かれた状態において、上記本体上部と上記本体下部で略ブーメラン形が形成されるようにすることで、ユーザーが自然に片手で本体下部を握持した状態において、表示部がユーザー正面で傾かない状態となり、表示内容が見やすいものとなる。
また本体部と握持筐体を別体とすることで、腕時計型などの多様な機器形態が実現でき、また握持筐体を用いた入力操作性を向上できる。
腕時計型とする場合、本体部と表示部が手首に巻装された状態で握持筐体が取り外されるため、手首に位置する表示部をみながら掌の中で握持筐体を握持して入力するという、非常に使用性の良い、入力操作態様も実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の携帯用電子機器の実施の形態として、折り畳み式の携帯電話機、腕時計型の携帯電話機をそれぞれ例に挙げて説明する。
【0016】
<折り畳み式携帯電話機>
まず、本体部が折り畳み式の構造を持つ携帯電話機の例を説明する。
図1(a)(b)は本例の携帯電話機において本体を開いた状態の正面図、背面図であり、また図2(a)(b)は本体を折り畳んだ状態の側面図、正面図である。
図からわかるように、この携帯電話機は、本体上部1と本体下部2が、軸部14で回動可能に接合された折り畳み可能型とされる。通話や電子メールの確認や文字入力は、図1のように開いた状態で行われる。
【0017】
図1及び図2(b)からわかるように、本体上部1の下辺と本体下部2の上辺、即ち軸部14が形成される辺は、水平より傾斜された形状となっている。そして軸部14は、その傾斜された辺に平行に形成される。
このため図2(b)のように、折り畳んだ状態では、平面形状は、長方形の上辺が傾いた形状とされるとともに、開いた状態では図1に示すように、本体上部1と本体下部2が略ブーメラン形となるようにされている。つまり開いた状態において、本体上部1と本体下部2の側面のラインが図1(a)に示す角度θを形成するが、この角度θは180°より小さい。例えば角度θが160°〜170°程度となるように設定されている。
【0018】
本体上部1には、図1(a)に示すように、折り畳んだときに内面側となる面に、表示部8、スピーカ部7が形成されている。また、図2(b)に示すように、折り畳んだ状態で外側となる面に、サブ表示部9,スピーカ部10が形成されている。
本体下部2には、図1(a)に示すように、その正面側に各種入力のための操作キー3,4が配置されている。以下、本体正面に配置される操作キー3,4を正面キーと呼ぶ。
また図1(b)に示すように本体下部2の背面側にも操作キー(以下、背面キー)6が配置されている。
さらに、本体下部2の側面にも操作キー(以下、側面キー)5が形成されている。
即ち、本体下部2の正面が第1の面、背面が第2の面、側面が第3の面として、それぞれ第1,第2,第3の入力操作部が形成されていることになる。
【0019】
なお、この図1では、正面キー3として14個のキー、正面キー4として9個のキー、背面キー6として8個のキー、側面キー5として1個のキーを配置した例を示しているが、正面キー3,4、背面キー6、側面キー5としてのそれぞれのキー数や配置位置、キーの形状、キーの種別(押圧キー、シーソーキーなどの別)などは、この例に限られるものではない。またキー形態ではなくジョグダイヤルやジョグボール形態の操作子が設けられても良い。
【0020】
本体下部2の正面側下方にはマイク部13が形成される。また側面側下部には、ユーザーが握持した際に小指、薬指が位置するグリップ部11が形成される。さらに背面側にはユーザーの小指及び薬指を通すことのできるリング12が形成されている。
ユーザーは、図5に示すように小指及び薬指をリング12に通した上で、その指先がグリップ部11に乗せられるようにすることで、親指、人差し指、中指が自由な状態のまま本携帯電話機を安定して持つことができる。
【0021】
図3に本例の携帯電話機の内部構成例を示す。
CPU21は、機器全体の制御を行う。即ち発信、受信、通話、電子メール等のデータ送受信、入力監視、日時計数、入力文字生成プロセス処理などを行う。
またCPU21は、メイン表示部8、サブ表示部9の表示動作を制御する。例えば発信ダイヤル、受信電話番号、電子メール等の送受信データの文字や画像表示、アイコン表示、メニュー表示、モード表示、日時表示などを実行させる。
ROM25にはCPU21の動作プログラム、処理定数などが記憶される。
RAM26は、CPU21がワーク領域として用いたり、各種処理過程でのデータ保存に用いられる。
不揮発性メモリ27には、例えば処理係数、ユーザーが登録した電話番号、メールアドレス、ウェブアドレス、履歴情報、送受信した電子メール文書データ、ダウンロードプログラムなどが保存される。
【0022】
通信部28は、CPU21の制御に基づいて通話のための音声信号の送信/受信処理や、電子メールデータ、ダウンロード/アップロードデータなどの送受信処理を行う。このため、送信に関しては音声信号や各種データについてエンコード、通信フォーマットへの変換、送信用の変調を行う。また受信に関しては、復調やデコードを行う。
アンテナ29は音声やデータの送受信のためのアンテナであり、例えば携帯電話機の本体内に配置されている。
音声処理部30は、通話音声のコーデックや復調、増幅、着信音の出力処理を行う。通話時において、通信部28でデコードされた音声データは、音声処理部30においてオーディオデコード処理され、またイコライジング、増幅等の処理されてスピーカ部7から出力される。
またマイク部13から入力されるユーザーの音声は、音声処理部で増幅処理、フィルタリング、コーデック処理等がなされた後、通信部28に送られ、送信出力される。
また着信音、着信メロディなどの音声はCPU21の指示により音声処理部30が発生させ、スピーカ部10から出力する。
【0023】
振動部33は、いわゆるバイブレータ機構及びその駆動回路であり、振動を発生させる。通話や電子メールの着信時において、CPU21が振動部33を制御し、振動発生動作を実行させることになる。
電源部31は、一次電池又は二次電池としてのバッテリー31aを電源とし、各回路部に必要な動作電源電圧V1,V2・・・を供給する。電源部31による動作電源電圧供給のオン/オフは、ユーザーの操作に基づいてCPU21が制御する。
【0024】
正面キー3,4に対しては例えばキーマトリクス接点構造の正面キー入力検出部22が設けられ、正面キー3,4の或るキーが押されたことの情報が正面キー入力検出部22からCPU21に供給される。同様に、背面キー6に対して背面キー入力検出部23、側面キー5に対して側面キー入力検出部24が設けられ、或るキーが押されたことの情報がCPU21に供給される。
CPU21は、各入力検出部22,23,24によって検出された押圧キーの情報に基づいて、ユーザーの操作を認識し、所要の処理を行う。また文字入力モードとされているときは、正面キー入力検出部22で押圧が検出された正面キー3,4のうちの或るキーと、背面キー入力検出部23で押圧が検出された背面キー6のうちの或るキーとの組み合わせにより、入力文字を選定する。具体的には後述するように、正面キー3又は4で選ばれた子音と、背面キー6で選ばれた母音により、入力文字を認識する。また、文字入力の場合は、側面キー5の操作状態により、ひらがな、カタカナ、文字の大小などのモードを設定し、それに応じて正面キー3又は4と、背面キー6の操作により入力される文字種を選定する。
CPU21は、入力操作に基づいて選定した文字についてはメイン表示部8に表示させ、ユーザーに文書作成中のモニタとして提示する。
【0025】
以下、このような構成の本例の携帯電話機における文字入力操作例を説明する。
上記のように本体下部2には、正面キー3,4、背面キー6、側面キー5が設けられており、ユーザーはこれらのキーを用いて電子メール送信文書作成などのための文字入力を行うことができる。
特に本例の場合は、文字入力の際に、正面キー3で子音を指定し、背面キー6で母音を指定する方式をとり、正面キー3の1つと背面キー6の1つを同時に押すことで、或る文字を直接的に入力できることが大きな特徴となる。
【0026】
ユーザーが携帯電話機を握持して入力操作を行う際の様子を図4,図5に示す。図4は正面方向から見た状態、図5は背面方向から見た状態を示している。
図のようにユーザーが右手で本体下部2を保持するときにおいては、小指と薬指をリング12に通した上で、その指先がグリップ部11を握るようにする。
なお、リング12に指を通すことによっては、必ずしもグリップ部11を或る程度の力で握り込まなくても、携帯電話機を安定して保持できる。また、本例ではリング12が設けられた構造例を示しているが、リング12が設けられない構成も考えられる。その場合は、単に小指と薬指でグリップ部を軽く握ることで、十分安定して保持できる。
また側面が指に合わせて側面が軽く凹状とされたグリップ部11が設けられることが、安定保持に好適であるが、リング12を設けるか否かに関わらず、凹状のグリップ部11が設けられない構成例も考えられる。
実際には、リング12や側面が凹状のグリップ部11が設けられていなくとも、本体下部2の下端側を小指と薬指のみで握持することが可能である。但し、リング12やグリップ部11の少なくとも一方が設けられていれば、安定保持により好適になり、しかも、握持した状態で、親指、人差し指、中指を、より自由に動かすことができる。
【0027】
また図4のようにユーザーが主に小指と薬指で携帯電話機を保持する場合、その本体下部2は多少傾斜してもたれることが普通となる。このとき、本体上部1を開いた状態で、上述したように本体下部2と本体上部1が角度θをもつことが好適となる。即ち本体下部2が斜め方向に保持されても、本体上部1はほぼ垂直になり、つまり表示部8はユーザーの正面で傾かない。これによってユーザーにとっては表示部8が見やすくなり、かつこのために無意識にでも手首を曲げることが不要となるため扱いやすくなる。
【0028】
図4,図5のように主に小指と薬指で保持した状態では、親指は自然に正面キー3のあたりに位置する。もちろん正面キー4も、親指で操作可能である。また、人差し指は背面キー6のあたりに、さらに中指は側面キー5のあたりに、それぞれ位置することになる。
また、特に本例では正面キー3は、図4の状態でユーザーの親指の付け根のあたりを中心として略放射状となるように各キーが配置されており、これは握持した状態での親指の自然な動きのままで各キーを操作でできるという利点を生み出している。
【0029】
正面キー3,4、背面キー6、側面キー5のそれぞれのキーに対してどのような操作内容、入力内容を割り当てるかは、携帯電話機として必要とされる電話番号入力や発信先指定、着信応答、回線切断等の基本的な操作のためのキー設定や、携帯電話機に搭載される機能、例えばウェブアクセス機能、ゲーム機能などのためのキー設定にも関わり、さらにそれらに必要な操作内容、入力可能とする文字種、キー数の設定、その他各種の設計事情によるものである。このため実際のキー設定は非常に多様に考えられるが、特に日本語文字入力という観点で例を挙げる。
【0030】
図1等に示した例、即ち正面キー3として14個のキーを設け、また背面キー6として8個のキーを設け、側面キー5として1個のキーを設ける例を述べると次のようになる。
14個の正面キー3には、子音として図6に示す「K」「S」「T」「N」「H」「M」「R」「W」「G」「Z」「D」「F」「B」「P」を割り当てる。
8個の背面キー6には、母音としての「a」「i」「u」「e」「o」と、「ya」「yu」「yo」を割り当てる。
側面キー5は、ひらがな/カタカナの入力文字種モードの指定に用いるものとする。
【0031】
この場合、正面キー3の1つのキーと、背面キー6の1つのキーを同時に押すことで、図6のようにひらがな1字(又は記号)が入力されるようにする。
例えば正面キー3の「K」キーと背面キー6の「a」キーを押すことで、「か」が入力される。また正面キー3の「N」キーと背面キー6の「ya」キーを押すことで、「にゃ」が入力される。正面キー3の「W」キーと背面キー6の「i」キーを押すことで、句点「、」が入力される。
また、「あ」「い」「う」「え」「お」「や」「ゆ」「よ」については、それぞれ背面キー6に割り当てられているキーのみを押す。
さらに、側面キー5を継続して押しながら、正面キー3の1つのキーと、背面キー6の1つのキーを同時に押すこと、つまり3つのキーを同時に押すことで、図6の表の文字がカタカナで入力されるものとする。
例えばこのような入力方式をとることで、ひらがな50音、カタカナ50音、及び文章中で多用する記号「、」「。」「〜」「?」「!」について、ダイレクトに入力できることになる。
また、このようにしてダイレクトに指定して入力したひらがなの漢字変換に側面キー5を利用できる。即ち、側面キー5のみを押す操作は、未確定文字の漢字変換操作とすればよい。例えば未確定文字がある時点で、側面キー5を単押しすることで、候補漢字が切り換えられていくようにする。
候補漢字を確定させる操作は、正面キー4の1つとして決定キーを設けるようにしても良いし、又は側面キー5のダブルクリック的な操作で行われるようにしてもよい。
もちろん漢字変換の候補の一つとしてアルファベット等の漢字以外を含めてもよい。
【0032】
基本的に、図6のように正面キー3と背面キー6により子音と母音を指定して日本語文字を入力すること以外については、キーの割り当てや操作方式は非常に多様に考えられる。
側面キー5として2つ或いは3つのキーを設ければ、より操作性を向上させることもできる。
例えば側面キー5の1つを入力モード選択、1つを漢字変換キー、1つを決定キーとすることが考えられる。
入力モード選択としては、上記のように、押さなければひらがな、押している間はカタカナとする以外にも、トグル操作的に切り換えられることも可能である。即ち入力モード選択キーを押す毎に、入力モードが、ひらがな、カタカナ、数字、記号、アルファベット大文字、アルファベット小文字が順に切り換えられるようにする。そして、入力する文字種を決めた上で、正面キー3(又は4)と背面キー6により、任意の文字を入力していくことも考えられる。
数字については、正面キー3に上記子音と兼用して割り当てても良いし、正面キー4側に12個のキーを設け、「0」〜「9」及び「*」「#」を割り当てても良い。
アルファベットについては、正面キー3,4を合わせて26個のキーが設けられるようにし、それぞれにアルファベットの文字を割り当ててもよいし、上記の図6の設定の背面キー6の母音用のアルファベット5文字と、正面キー3の子音用のアルファベット14文字をそのまま使用し、残りの「C」「J」「L」「Q」「V」「X」「Y」の7文字を正面キー4側に割り当てても良い。
【0033】
このようにキー配置や文字の割当、或いは入力方式は多様に考えられるが、図7に一例として、他のキー配置例を示す。
この例は、本体下部2において正面キー3Aとして15個のキーが通常の配列で配置され、また正面キー4Aとして9個のキーが配置されている。
また背面キー6Aとして8個のキーが配置され、側面キー5Aとして3つのキーが配置されている。
例えばこの図7のキー配置例は、正面キーを一般的なキー配置としても本発明を適用できることを示している。つまりこのように正面側を一般的なキー配置としても、背面キー6A、側面キー5Aを設けることで、上述した操作方法による簡易且つ迅速な文字入力が可能となるものである。
【0034】
ところで、この場合、例えば8個の背面キー6Aは、母音としての「a」「i」「u」「e」「o」と、「ya」「yu」「yo」を割り当てている。
正面キー3Aの15個のキーは、一般的な携帯電話機におけるダイヤル数値「0」〜「9」及び関連操作のための「*」「#」等に割り当てられると共に、それと重複して、それぞれに15個の子音が割り当てられる。ここでいう子音は「K」「S」「T」「N」「H」「M」「R」「W」「G」「Z」「D」「F」「B」「P」の14個であるが、さらに「a」も割り当てるようにしている。
正面キー3Aと背面キー6Aによる入力文字は図8のようになる。つまり、正面キー3における「a」のキーは、「あ」〜「よ」の小文字である「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」「ゃ」「ゅ」「ょ」をモード操作を使わずに入力できるようにするものである。
3つの側面キー5Aは、それぞれ上述したように、文字種選択、漢字変換、決定操作などに設定されればよい。
【0035】
以上説明してきたように、本実施の形態の携帯電話機では、正面キー3(又は3A)で子音を指定し、背面キー6(又は6A)で母音を指定するという操作により、ユーザーが意図する日本語文字をダイレクトに入力できるため、同じキーを何度も押して入力する文字を選ぶという手間のかかる操作は不要となる。これにより、電子メールその他のための文字入力の時間が短縮され、また操作も簡単となる。
また、側面キー5(又は5A)によって入力モード操作を行うことで、入力したい文字種(例えばひらがな、カタカナなどの別)の指定も容易となり、入力操作はさらに迅速に実行できる。
もちろん上記のように正面キー3,4、背面キー6、側面キー5は、使用者が片手で携帯電話機を握持した状態において、それぞれ親指、人差し指、中指で操作可能な位置に配置されているため、上記の子音指定、母音指定、入力モードの各操作を、容易に同時的に実行できる。しかも、小指、薬指で装置自体を安定して保持できることで、親指、人差し指、中指の自由度が増し、操作が困難になることはない。
また、ユーザーが使い慣れて子音、母音のキー配置を覚え、キーを見ずに行うブラインド操作での入力を行うことができるようになれば、文字入力の容易性の効果は一層高まるものとなる。
【0036】
ところで本例では単に固定的にリング12を設けているが、リング12を設けない例だけでなく、リング12自体が本体下部2に収納可能な機構を設けることも考えられる。
例えば本体を折り畳むとリング12が本体内に収納され、本体を開くと、図1,図2に示したようにリング12がせり出してくるような機構とすれば、通常持ち歩く際や机上等においておく際にリング12が邪魔にならずに便利なものとなる。
また折り畳み式の携帯電話機としての例を挙げたが、折り畳み式ではない携帯電話機にも、正面キー、背面キー、側面キーを有する本例の構成を適用できる。
【0037】
<腕時計型携帯電話機I>
続いて、腕時計型の携帯電話機としての実施の形態を説明する。
図9は腕時計型携帯電話機の外観を示している。
この携帯電話機は、大きく分けて表示ユニット50、本体ユニット60、入力ユニット70としての異なる筐体部位を備える。
そして表示ユニット50と本体ユニット60は、リストバンド40によってつながれ、また入力ユニット70は本体ユニット60に対して着脱自在とされている。図9(a)は入力ユニット70が本体ユニット60に嵌め込まれている状態であり、図9(b)は入力ユニット70の使用時に本体ユニット60から取り外した状態を示している。
【0038】
図面上、斜線部として示したリストバンド40の両端部41は、留め金、或いはマジックテープ(登録商標)、或いはマグネットなどを利用した、ユーザーの手首への巻装のための固定部とされる。
リストバンド40によって手首に装着された状態を図10,図11に示している。図10のように、例えば手の甲側に表示ユニット70が位置した場合、図11(a)のようにてのひら側に本体ユニット60及び入力ユニット70が位置することになる。図11(b)はてのひら側の本体ユニット60から入力ユニット70が取り外された状態を示している。
【0039】
表示ユニット50は、液晶パネルなどの表示部51を有し、図10の状態でユーザーは表示内容を視認できる。
本体ユニット60は、その表面上に、入力ユニット70の形状に略対応した装着部61が形成される。この携帯電話機を使用していないときは、入力ユニット70は装着部61に嵌め込まれた状態で係止保持されることになる。
また通話、メール送信などとして携帯電話機を使用する場合は、本体ユニット60の装着部から入力ユニット70を取り外すが、その際、入力ユニット70に形成されている爪部74を指に引っかけることで容易に取り外しができるようにされている。
【0040】
本体ユニット60の装着部61の底面には、通話に用いるマイク62が配置されている。また本体ユニット60の内部構成は後述するが、本体ユニット60と表示ユニット50における信号や電源電圧の伝送のためにリストバンド40内にフレキシブル基板などによる信号伝送路が形成されている。
【0041】
入力ユニット70と本体ユニット60は、伝送コード63で各種信号や電源電圧の伝送が行われる。
本体ユニット60の装着部61の底面にはコード口64が形成され、入力ユニット70を取り外した際には、このコード口64から伝送コード63が引き出される。コード口64の内部にはコード巻取り機構が設けられており、入力ユニット70を装着する時には伝送コード63の巻取りが行われて伝送コード63が本体ユニット60内に収納される。
【0042】
入力ユニット70には、通話や着信音出力等に用いるスピーカ部75が設けられる。
また、図11(b)に示したように入力ユニット70の背面側には撮像部76としてのレンズが形成されている。
そしてこの入力ユニット70には、各種入力のための多数の操作キーが形成されている。入力ユニット70の正面図、上面図、側面図を図14(a)(b)(c)に示しており、各操作キーについては後述するが、入力ユニット70の正面側には複数の操作キーとして少なくとも子音指定を行うための正面キー71が、上面には同じく複数の操作キーとして少なくとも母音指定を行うための上面キー72が、さらに側面には1個又は複数個の操作キー(図では3つの操作キー)としてのモード操作等のための側面キー73が形成されている。
即ち、入力ユニット70の正面が第1の面、上面が第2の面、側面が第3の面として、それぞれ第1,第2,第3の入力操作部が形成されていることになる。
【0043】
なお、この図9、図11、図14に示した例では、正面キー71として15個のキー、上面キー72として8個のキー、側面キー73として3個のキーを配置した例を示しているが、正面キー71、上面キー72、側面キー73としてのそれぞれのキー数や配置位置、キーの形状、キーの種別(押圧キー、シーソーキーなどの別)などは、この例に限られるものではない。またキー形態ではなくジョグダイヤルやジョグボール形態の操作子が設けられても良い。
【0044】
図13に本例の腕時計型携帯電話機の内部構成例を示す。なお、上記図3で述べた構成と同一部分は同一符号を付し、その動作機能の重複説明は避ける。
この場合、本体ユニット60内には、CPU21,ROM25,RAM26、不揮発性メモリ27、通信部28,アンテナ29,音声処理部30,バッテリー31aを電源とする電源部31、振動部33、及びマイク部62が設けられる。
上述のように表示部51は本体ユニット60と別筐体である表示ユニット50内に設けられるため、CPU21はリストバンド40内に形成された伝送路を介して表示部51を制御し、例えば発信ダイヤル、受信電話番号、電子メール等の送受信データの文字や画像表示、アイコン表示、メニュー表示、モード表示、日時表示などを実行させる。
また、電源部31からの、表示部51に対する動作電源電圧V2も、リストバンド40内に形成された電源電圧用の伝送路を介して供給される。
【0045】
入力ユニット70内には、正面キー71、及び正面キーに対する例えばキーマトリクス接点構造の正面キー入力検出部85が設けられ、正面キー71の或るキーが押されたことの情報が入力判定部77に供給される。同様に、上面キー72に対して上面キー入力検出部86、側面キー73に対して側面キー入力検出部87が設けられ、或るキーが押されたことの情報が入力判定部77に供給される。
入力判定部77は、各入力検出部85,86,87によって検出された押圧キーの情報に基づいて、ユーザーの操作を認識し、その操作情報を伝送コード63内の伝送路によりCPU21に供給する。CPU21は操作情報に応じて所要の処理を行う。
特にCPU21により文字入力モードとされているときは、入力判定部77は、正面キー入力検出部85で押圧が検出された正面キー71のうちの或るキーと、上面キー入力検出部86で押圧が検出された上面キー72のうちの或るキーとの組み合わせにより、入力文字を選定する。即ち、正面キー71で選ばれた子音と、上面キー72で選ばれた母音により、入力文字を認識する。また、文字入力の場合は、側面キー73の操作状態により、ひらがな、カタカナ、文字の大小などのモードを設定し、それに応じて正面キー71と、上面キー72の操作により入力される文字種を選定する。
入力判定部77は、このようにして判定した入力文字情報をCPU21に伝える。CPU21は、入力操作に基づいて入力判定部77で選定された文字については表示部51に表示させ、ユーザーに文書作成中のモニタとして提示する。
なお、この例では入力判定部77で入力文字の選定を行うものとしたが、各入力検出部85,86,87によって検出された押圧キーの情報をそのままCPU21に伝送し、CPU21が入力判定処理を行うようにしても良い。
【0046】
また本例の場合、入力ユニット70側にスピーカ部75が設けられている。このため音声処理部30によって復調または生成された音声信号、即ち通話音声、着信音、着信メロディ等の音声信号は、伝送コード63内のオーディオ伝送路でスピーカ75側に送られ、音声として出力されることになる。
また入力ユニット70には撮像部76が設けられている。撮像部76としてはレンズ光学系やCCDセンサ或いはCMOSセンサ等を有する撮像素子部を有して構成され、撮像画像信号を出力する。撮像画像信号は画像データ処理部78でデジタルデータ化され、必要な画像処理(輝度処理、色処理、ホワイトバランス、画像補正など)やデータ圧縮処理などが施されて、伝送コード63内の伝送路を介してCPU21に撮像画像データとして供給される。
CPU21は、ユーザーの撮像操作に応じて、撮像部76及び画像データ処理部78の撮像動作を実行させるとともに、供給された撮像画像データをRAM26あるいは不揮発性メモリ27に格納したり、ユーザーの操作に応じて電子メールに添付して送信させるなどの処理を行う。
また、電源部31からの、入力ユニット70内の各回路部に対する動作電源電圧V3は、伝送コード63で内に形成された電源電圧用の伝送路を介して供給される。
【0047】
以下、このような構成の本例の腕時計型携帯電話機における文字入力操作例を説明する。
上記のように入力ユニット70には、正面キー71、上面キー72、側面キー73が設けられており、ユーザーはこれらのキーを用いて電子メール送信文書作成などのための文字入力を行うことができる。
この場合、文字入力の際に、正面キー71で子音を指定し、上面キー72で母音を指定する方式をとり、正面キー71の1つと上面キー72の1つを同時に押すことで、或る文字を直接的に入力できることが大きな特徴となる。
【0048】
ユーザーが入力操作を行う際の様子を図12に示す。ユーザーは、本体ユニット60から入力ユニット70を取り外し、図12のように入力ユニット70を握持する。このとき親指は入力ユニット70の正面、人差し指は入力ユニット70の上面、中指は入力ユニット70の側面に位置させる。入力ユニット70のサイズにもよるが、薬指や小指は入力ユニット70の下方を軽く支える程度でよい。
従って、親指で正面キー71を操作し、人差し指で上面キー72を操作し、中指で側面キー73を操作できる。
具体的な操作は例えば上述した折り畳み式携帯電話機の説明において述べたものと同様でよく、また多様に考えられるが、正面キー71として子音の「K」「S」「T」「N」「H」「M」「R」「W」「G」「Z」「D」「F」「B」「P」等のキーを配置し、上面キー72として母音としての「a」「i」「u」「e」「o」と、「ya」「yu」「yo」のキーを配置することで、その組み合わせで上記図6や図8のような各文字の入力が可能となる。
また側面キー73は、ひらがな/カタカナの入力文字種モードの指定や、漢字変換などに用いることができる。
そしてこれによって上述した折り畳み式携帯電話機の例と同様に、ユーザーは意図する日本語文字をダイレクトに入力できるため、同じキーを何度も押して入力する文字を選ぶという手間のかかる操作は不要となり、電子メールその他のための文字入力の時間の短縮や操作の簡易化が実現される。
【0049】
また、図12のように手に入力ユニット70を握持している状態では、図10のように手首の手の甲側に位置する表示部51をみながら入力操作を行うことができ、特にブラインドタッチで入力ユニット70を操作しながらの入力文字確認に好適である。
また通話時においては、図12のように入力ユニット70を引き出した状態で、入力ユニット70を耳の近辺に持っていけばよい。すると、入力ユニット70に設けられたスピーカ75が耳の近辺に、また本体ユニット60に設けられたマイク62が口の近辺に位置するため、困難なく通話ができる。
【0050】
ところで本例の場合、入力ユニット70は図14に示すようにキー配置がなされており、特にブラインドタッチ入力の容易性を高めるように工夫がされている。
図14(b)に示すように、上面キー72としては8個のキーが「a」「i」「u」「e」「o」「ya」「yu」「yo」として形成されているが、図面上、左から順に、横長形状の「a」「i」のキー、縦長形状の[u]のキー、横長形状の「e」「o」のキー、縦長形状の[yu]のキー、横長形状の「ya」「yo」のキーが、それぞれ配置されている。キーの形状として縦長キーと横長キーという2種類がこのように配置されていることで、ユーザーが上面を視認せずに人差し指で触れることで各キーを区別し易いものとなっている。
なお、このような複数種類のキー形状及びそれによる効果は、図1に示した背面キー6についても同様に言えることである。
【0051】
また図14(a)のように、正面キー71としては3個ずつ5行の配列で15個のキーが形成されている。
上から1行目の左側のキーは、発信/通話開始(着信応答)操作と「D」入力が兼用された横長キーとされる。
1行目の中央のキーは、「Z」入力の円形キーとされる。
1行目の右側のキーは通話終了(回線切断)操作と「G」入力が兼用された横長キーとされる。
2行目の左側のキーは、「1」及び「T」の入力のための円形キーである。
2行目の中央のキーは、「2」及び「S」の入力のための縦長キーである。
2行目の右側のキーは、「3」及び「K」の入力のための円形キーである。
3行目の左側のキーは、「4」及び「N」の入力のための横長キーである。
3行目の中央のキーは、「5」の入力及び決定(エンター)操作のための円形キーである。
3行目の右側のキーは、「6」及び「W」の入力のための横長キーである。
4行目の左側のキーは、「7」及び「H」の入力のための円形キーである。
4行目の中央のキーは、「8」及び「M」の入力のための縦長キーである。
4行目の右側のキーは、「9」及び「R」の入力のための円形キーである。
5行目の左側のキーは、「*」及び「B」の入力のための横長キーである。
5行目の中央のキーは、「0」及び「P」の入力のための円形キーである。
5行目の右側のキーは、「#」及び「F」の入力のための横長キーである。
【0052】
また、図14(c)からわかるように、2行目、3行目、4行目の各キーは、その筐体正面からの突出高さがH2とされていることに対し、1行目、5行目の各キーは、その突出高さが、より高いH1とされている。
【0053】
このようにキーの形状として、円形、横長、縦長と複数種類が用いられること、またキーの高さとして、H1,H2という2種類の高さのキーが形成されること、さらに各キーへの数字や文字の割当によって、ユーザーが入力ユニット70の正面を視認しなくとも、各キーを判別しやすいようにしている。
【0054】
まず、1行目、5行目のキーの高さがH1とされていることで、5行のキー配置の上端及び下端を親指で認識し易いものとされる。
そして上端の1行目の3つのキーは、横長、円形、横長とされている。従って、親指で触れたときの円形形状の触感で行の中央のキーを認識でき、発信又は「D」操作は、その左のキーと判断でき、同様に、通話終了又は「G」操作は、その右のキーと判断できる。
下端である5行目の3つのキーも、同様に判別できる。
【0055】
また上記のように中央3行の9個のキーは高さの低いキーとして認識できることに加え、その9個の中央に位置する3行目の「5」キーは円形とされ、その左右が横長キー、上下が縦長キーとされる。これにより、「5」キーを容易に判別でき、「5」キーを中心に、親指を上下左右に滑らせて、9個の各キーを判別できる。
そして通話時等のダイヤル操作のための数字キーは、2行〜4行のキーで、「1」〜「9」が割り当てられているため、ダイヤル操作や数字入力の際に、キーの高さと形状により、触感で各数字を認識しやすい。
【0056】
このようにキーの形状と高さの違いによって、15個の各キーを判別しやすくしている。
そしてさらに子音としてのアルファベットの割当が上記のようになされていることで、子音指定も判別しやすいようにしている。
図14(a)からわかるように、3行目中央の決定キーを中心として、右上から反時計回りに、「K」「S」「T」「N」「H」「M」「R」「W」という順序で8個のキーが配置される。これは、順に日本語五十音の「か行」「さ行」「た行」「な行」「は行」「ま行」「ら行」「わ行」の子音である。つまり上面キー72のみで入力できる「あ行」「や行」を除いて、五十音の順に反時計回りで配列されているため、ユーザーにとっては各子音の位置が覚えやすく、また上記のキー形状と合わせて触感で判別し易い。
【0057】
さらには、「G」キーつまり「が行」は、「K」キーつまり「か行」の上に隣接配置される。
また「D」キーつまり「だ行」は、「T」キーつまり「た行」の上に隣接配置される。
「B」キーつまり「ば行」は、「H」キーつまり「は行」の下に隣接配置される。
「P」キーつまり「ぱ行」は、「H」キーつまり「は行」の右下に隣接配置される。
即ち、日本語の濁音又は半濁音に相当する子音のアルファベットキーは、その濁音符又は半濁音符を外した清音に相当する子音のアルファベットキーと隣接するように配置されている。
これによって濁音や半濁音の入力するための子音キーの位置もわかりやすい。
【0058】
また、以上のことから、中央の「5」キーはブラインド操作時の基準ポイントとして親指を位置させることが適切であることが理解されるが、すると、この「5」キーを漢字変換やメニュー操作などの際の決定キーとされることが操作上、非常に便利なものとなることが理解される。
【0059】
このようにキーの形状、高さ、子音配置の工夫によって、入力ユニット70の各キーを触感で判別し易くすることにより、ブラインドタッチでの入力操作を実行し易くし、図12のような入力操作時の操作容易性や入力時間の短縮を促進する。
【0060】
なお、キー配置、形状、各キーへの割当などは非常に多様に考えられることはいうまでもない。
もちろん入力ユニット70の正面に、上記15個のキーの他に、発信先選択、モード操作、カーソル操作などのための十字キー等が形成されてもよい。
また、この例のように数字入力キーと文字入力キーが兼用される場合には、文字入力モードの際に、数字をダブルクリック(短時間2回押し)などで入力できるようにしてもよい。
つまり、例えば文字入力モードの場合は、側面キー73で文字種等を選択することが考えられるが、数字については単押しかダブルクリックで区別して入力できるようにする。例えば文字入力モードの場合、2行目中央のキーは「2」ではなく「S」入力とされるが、これをダブルクリック操作した場合は「2」が入力されたと判定するようにする。すると、電子メール等で文書を作成している過程での数字を入力したいとき、文字種変更の操作を行わなくても良いため、入力操作が簡単化できる。
【0061】
また、図15に示すようなキー配置も考えられる。
この例は、日本語文字入力については上記同様であるが、アルファベット入力についても考慮した例である。
即ち、正面キー71における3行目中央の「5」及び「決定」キーに、さらに「C」入力キーとしての機能を与える。
また上面キー72の「ya」キーに「Y」入力、「yu」キーに「X」入力、「yo」キーに「V」入力としての機能を与える。
また側面キー73としての3つのキーに「J」「L」「Q」の各入力機能を与える。
このようにすると、正面キー71、上面キー72、側面キー73としての合計26個のキーにアルファベット26文字がそれぞれ割り当てられることになる。
そして例えば入力モードを日本語入力からアルファベット入力に切り換えることで、各キーがアルファベット入力キーとして機能するようにするものである。
【0062】
具体的な例は次のようになる。
まず、日本語入力モードでは、上述したきたように正面キー71と上面キー72での母音及び子音で日本語文字入力がなされ、側面キー73や正面キー71の3行目中央の決定キー等を用いて漢字変換や入力確定を行う。また日本語入力モードからは側面キー73を用いて入力モードをアルファベット入力モードに切り換えるようにする。
アルファベット入力モードとされた状態では、上記のようにA〜Zの各文字が、26個のキーのそれぞれで直接的に入力されるようにする。
特にアルファベット入力モードの場合、或るキーをワンクリックすることで、そのキーに割り当てられたアルファベットの大文字が入力され、またダブルクリックで、そのキーに割り当てられたアルファベットの小文字が入力されるようにするとよい。
アルファベット入力モードから再び日本語入力モードに戻す場合は、例えば側面キー73の1つを長押し(例えば2秒以上押し続けるなど)するものとする。
【0063】
通常、メール文書作成時などは、日本語文字とアルファベットを混在させることも多いが、この図15のようにアルファベット入力を考慮したキー設定とすることで、日本語だけでなく英字入力も簡易化され、より使用性の良いものとすることができる。
なお、キーの総数が27個以上などの場合、アルファベット文字に割り当てていないキーにより入力モード切換を行うようにして良いことはいうまでもない。
【0064】
なお、本例のような腕時計型携帯電話機の場合、ユーザーは振動部33での着信振動が直接的に手首に伝わるため、いつでもバイブレータによる着信報知を認識し易いという利点もある。
【0065】
<腕時計型携帯電話機II>
続いて、同じく腕時計型の携帯電話機としての他の実施の形態を説明する。
図16(a)(b)に本例の腕時計型携帯電話機の外観を示している。上記図9と同様に図16(a)には、入力ユニット70が本体ユニット60に取り付けられた状態、図16(b)は入力ユニット70が取り外された状態を示しており、表示ユニット50、本体ユニット60、入力ユニット70を備えた腕時計型携帯電話機とされる。
上記図9の例と異なるのは、本例では入力ユニット70と本体ユニット60が互いに無線伝送方式で信号伝送を行うようにした点である。従って、図16(b)のように、本体ユニット60の装着部61から入力ユニット70を取り外した場合、入力ユニット70は完全に別体とされ、図9のような伝送コードは用いられない。
入力ユニット70において操作キー(正面キー71、上面キー72、側面キー73)やスピーカ部75が設けられることは上記例と同様である。
【0066】
図17に内部構成例を示す。本体ユニット60には、上記図13に示した本体ユニット60の構成に加えて受信復調部82,変調送信部83が設けられる。
本体ユニット60における電源部31は、本体ユニット60内の各回路部及び表示ユニット50における表示部51に電源電圧V1,V2を供給する。
一方、入力ユニット70は、図13と同様に、正面キー71、正面キー入力検出部85、上面キー72,上面キー入力検出部86、側面キー73、側面キー入力検出部87、入力判定部77、スピーカ75が設けられるが、加えて変調送信部81,受信復調部84,及び電源部32を備える。
電源部32は、一次電池又は二次電池としてのバッテリ32aを電源として、入力ユニット70内の各回路部に動作電源電圧V3を供給する。
なお、バッテリ32aとして二次電池が用いられ、入力ユニット70が本体ユニット60に装着されている状態では、本体ユニット60側の電源部31から入力ユニット70のバッテリ32aに充電が行われるようにしてもよい。
【0067】
この場合、入力ユニット70の入力判定部77から出力される入力情報、即ち正面キー71、上面キー72、側面キー73の操作に係る情報は、変調送信部81に供給され、所定の変調処理、増幅処理が行われ、電波送信される。
電波により送信された変調信号は、本体ユニット60の受信復調部82で受信され、復調されて操作入力情報としてCPU21に供給されることになる。
また、通話音声、着信音などを出力する際は、それらの音声信号が音声処理部30から変調送信部83に供給され、所定の変調処理、増幅処理が行われ、電波送信される。電波により送信された変調信号は、入力ユニット70の受信復調部84で受信され、復調及び増幅されてスピーカ75に供給され、音声として出力されることになる。
【0068】
なお、無線伝送の際の変調方式は任意であり、FM変調、位相変調、デジタル変調など各種のものが採用できる。また、入力操作情報の無線伝送の変調方式と、音声信号の無線伝送の変調方式は、同一方式でも良いし、異なる方式でもよい。
さらに、ここでは電波を利用した伝送を述べたが、赤外線伝送など他の伝送方式も考えられる。
また、図17の例では図13に示した撮像部76及び画像データ処理部78を設けていないが、これらを入力ユニット70に設ける場合、撮像画像データについても本体ユニット60側に無線伝送できるようにすればよい。
【0069】
本例は、このように入力ユニット70と本体ユニット60の間で無線伝送方式を採用する。すると、入力ユニット70の取り扱いが容易となるとともに、例えば図18のような使用形態に好適となる。
即ち、腕時計型携帯電話機は、通所の腕時計と同様に左手首に巻装されるようにしたうえで、右手で入力ユニット70を握持して入力操作を行うことが容易にできるものとなる。入力ユニット70を用いた入力操作については、ここでは繰り返しの説明を避けるが、図9〜図14で述べた腕時計型携帯電話機Iと同様であり、その操作性は向上されているが、いわゆるコードレスとしての入力ユニット70を用いることで、その使用性はさらに向上されるものとなる。
なお、もちろん表示部51には時刻表示を行うことができるため、本例の携帯電話機を腕時計の代わりとしても利用できる。
また、この場合の入力ユニット70においても、図15で説明したようにアルファベット26文字を各キーに割り当てる構成も考えられる。
【0070】
ところで、図16,図17ではマイク62を本体ユニット60に設けた例としているが、本例のように入力ユニット70をコードレス型とした場合、マイク62も入力ユニット70側に設けることも適切である。そのようにすると、通話時には、入力ユニット70を耳の付近に当てた状態でよく、例えば左手に巻装した本体ユニット60側を口元に位置させる必要が無くなるためである。
その場合マイクは、入力ユニット70の下部に設けるか、或いは入力ユニット70の下部から、例えばロッドアンテナのようにマイクを引き出せるようにすると良い。
もちろんマイク入力音声は、変調されて本体ユニット60側に無線伝送されるようにすればよい。
【0071】
図19,図20に、マイク62を入力ユニット70側に設けた例を示している。図19(a)は入力ユニット70を本体ユニット60に装着した状態、図19(b)は入力ユニット70を本体ユニット60から取り外した状態を示している。
例えばマイク62は入力ユニット70の端部から引き出されるロッド62aの先端に取り付けられる。つまり、本体ユニット60に装着する場合は、ロッド62aを入力ユニット70内に押し込んだ、図19(a)の状態とする。
また通話の際には、入力ユニット70を本体ユニット60から取り外した後、図19(b)に示すようにロッド62aを引き出す。
入力ユニット70を右手に持った状態は図20に示すようになり、この状態で右手を頭部付近に持っていくことで、スピーカ75は耳元に、またマイク62は口の付近に位置し、通話が可能となる。即ち通話時には、ユーザーは片手に持った入力ユニット70のみを意識していればよい。
なお、ロッド62aは、本体ユニット60側との無線通信のためのアンテナとして利用しても良い。
【0072】
さらに、図13に示した撮像部76及び画像データ処理部78を、図17において表示ユニット50側に設ける構成例も考えられる。
そして例えば図20のような使用状態として、ユーザーが表示部51を見ながら入力ユニット70を側頭部にあてて通話をしている際に、ユーザーの顔が表示ユニット50に設けられている撮像部76によって撮像されるようにする。CPU21は、撮像部76で撮像された画像を通話音声や入力文字と共に通信先に送信されるようにする。また、CPU21は通話相手側から送信されてきた画像を表示部51に表示させる。
このような構成とすることで、本例の腕時計型の携帯電話機を用いていわゆるテレビ電話を実現することができる。
もちろん撮像部76及び表示部51で実現するテレビ電話機能を利用することで、ユーザーは、知人同士での会話だけでなく、例えば商品購入の際の希望商品を画面で伝えたり、或いは相手先の商品を画像で確認するなど、携帯電話機及びブロードバンドネットワークを有効利用することが可能となる。
また、通話ではなく、表示ユニット50側の撮像部76で撮像した静止画像或いは動画像を、入力ユニット70を用いて入力した文字データと共に送信することでも、ユーザーにとって適切な意志の伝達のための通信が可能となる。
【0073】
<変形例>
ところで本発明としては、上記の各実施の形態に限らず、各種の変形例が考えられる。
図14においてキーの高さ、形状、アルファベット配置について述べたが、そのような構成は、折り畳み式携帯電話機の正面キー3などの構成としての採用できる。
また、図1に示した正面キー3の放射状の配置を、入力ユニット70の正面キー71の配置として採用しても良い。
また、腕時計型携帯電話機の構成において、CPU21,通信部28,音声処理部30など、携帯電話機としての主要な構成部位を本体ユニット60に配置したが、これらを表示ユニット50内に配置する構成も考えられる。
また入力ユニット70は本体ユニット70側に着脱されない、全く別の筐体とされてもよい。
さらに本発明は、携帯電話機だけでなく、PDA、携帯用オーディオ・ビデオ機器など、他の種の電子機器でも適用でき、それらの機器における文字入力の操作性向上効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態の折り畳み式携帯電話機の正面図及び背面図である。
【図2】実施の形態の折り畳み式携帯電話機を折り畳んだ状態の側面図及び正面図である。
【図3】実施の形態の折り畳み式携帯電話機の内部構成例のブロック図である。
【図4】実施の形態の折り畳み式携帯電話機の使用状態の説明図である。
【図5】実施の形態の折り畳み式携帯電話機の使用状態の説明図である。
【図6】実施の形態の携帯電話機の文字入力例の説明図である。
【図7】実施の形態の他のキー配置例の説明図である。
【図8】実施の形態の携帯電話機の他の文字入力例の説明図である。
【図9】実施の形態の腕時計型携帯電話機の外観の説明図である。
【図10】実施の形態の腕時計型携帯電話機の装着時の説明図である。
【図11】実施の形態の腕時計型携帯電話機の装着時の説明図である。
【図12】実施の形態の腕時計型携帯電話機の使用状態の説明図である。
【図13】実施の形態の腕時計型携帯電話機の内部構成例のブロック図である。
【図14】実施の形態の腕時計型携帯電話機の入力ユニットの正面図、上面図、側面図である。
【図15】実施の形態の腕時計型携帯電話機の入力ユニットのキー配置例の説明図である。
【図16】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の外観の説明図である。
【図17】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の内部構成例のブロック図である。
【図18】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の使用状態の説明図である。
【図19】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の他の例の外観の説明図である。
【図20】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の他の例の使用状態の説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1 本体上部、2 本体下部、3,4,71 正面キー、5,73 側面キー、6 背面キー、8 表示部、11 グリップ部、12 リング、14 軸部、21 CPU、40 リストバンド、50 表示ユニット、51 表示部、60 本体ユニット、61 装着部、70 入力ユニット、72 上面キー
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の携帯用電子機器に関し、特に文字入力が行われる携帯用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−128909号公報
【特許文献2】特開2003−333157号公報
【特許文献3】特開2000−236376号公報
【0003】
携帯電話器等の通信用機器、PDAやパーソナルコンピュータ等の携帯型の情報処理装置、或いは小型のHDD(ハードディスクドライブ)や固体メモリを内蔵し音楽や映像を記録再生するオーディオ・ビデオ機器など、使用者が持ち歩くことのできる各種の電子機器が普及している。
そしてこれらの携帯用電子機器においてユーザーが文字入力を行う機会は多い。例えば携帯電話の場合、電子メール送信文の作成のために頻繁に文字入力を行う。情報処理装置やオーディオ・ビデオ機器でも電子メール、メモ入力、ファイル名入力、曲名入力などとして文字入力が行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯用の機器の場合、装置が小型であることや使用性を考慮して、操作キーは最小限とされ、また1つの操作キーが複数の入力に兼用されることが多い。そのため日本語文字入力の場合などは、例えば1つのキーにひらがなの数文字が割り当てられ、1つの文字を選択するために、入力キーを何回も押さなければならないというのが現状である。このため、特に電子メールなどのための文字入力において入力操作に時間や労力がかかるという問題がある。
【0005】
なお、上記特許文献1,2,3には、携帯電話装置において正面側及び背面側に操作キーを設けたものが記載されている。例えば撮像機能を備えた携帯電話において、背面側に設けたキーによって撮像操作のための操作キーを背面側に配置したり、或いはシフトキー、スクロールキー、決定キー、クリアキーなど、入力操作時の補助的な操作にかかるキーを背面側に配置することが開示されている。しかしながら、文字入力自体の操作性を向上させるという問題は解決されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記問題に鑑み、携帯用電子機器において日本語等の文字入力の操作性を向上させ、電子メール等のための文字入力を簡易かつ迅速に実行できるようにすることを目的とする。
【0007】
このため本発明の携帯用電子機器は、入力操作時に握持する握持筐体の第1の面に配置され、少なくとも子音指定が可能とされた第1の入力操作部と、上記握持筐体の第2の面に配置され、少なくとも母音指定が可能とされた第2の入力操作部と、表示部と、上記第1の入力操作部で指定された子音と上記第2の入力操作部で指定された母音に基づいて入力文字を選定し、上記表示部に表示させる制御部とを備えるようにする。
また、上記第1の入力操作部が配置される上記第1の面は上記握持筐体の正面とされ、上記第2の入力操作部が配置される上記第2の面は上記握持筐体の背面又は上面とされるものとする。
さらに上記握持筐体の第3の面に配置された第3の入力操作部を備え、上記制御部は、上記第3の入力操作部の操作に応じて入力モードを選定し、選定された入力モードに従って、上記第1、第2の入力操作部の指定操作に基づいて入力文字を選定する。
また、使用者が片手で上記握持筐体を握持した状態において、上記第1,第2,第3の入力操作部は、上記第1の入力操作部は親指で、上記第2の入力操作部は人差し指で、上記第3の入力操作部は中指で、それぞれ操作可能な位置に配置されている。
【0008】
また携帯用電子機器の本体部が片手で握持可能な形状に形成され、該本体部としての筐体が上記握持筐体とされるものとする。
また、この場合、上記本体部は、上記表示部が形成された本体上部と、上記第1,第2の入力操作部が形成された本体下部とが、軸部で接合された折り畳み可能な構造とされるとともに、折り畳みから開かれた状態において、上記本体上部と上記本体下部で略ブーメラン形が形成されるようにもする。
【0009】
或いは、上記握持筐体は、本体部とは別筐体として形成されるものとする。
また、上記握持筐体は、本体部に対して着脱自在な別筐体として形成されているとともに、上記表示部は、上記本体部に対して別筐体で設けられ、上記本体部と上記表示部がリストバンドに取り付けられて腕時計型に形成されているものとする。
また上記握持筐体における上記第1,第2の入力操作部による入力情報は、上記握持筐体と上記本体部の間に設けられた伝送コードにより、上記本体部側に供給される。
或いは、上記握持筐体には無線送信部が、また上記本体部には無線受信部が設けられ、上記握持筐体における上記第1,第2の入力操作部による入力情報は、上記無線送信部及び無線受信部による無線伝送により、上記本体部側に供給される。
【0010】
第1又は第2の入力操作部としては、以下の構成をもつ。
上記第1の入力操作部は複数の入力キーを有すると共に、上記各入力キーは、握持時に親指の付け根となる位置からみて、概略放射状に配置されている。
また上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部は、複数の入力キーを有すると共に、同一面に配されている複数の入力キーの形状は、複数種類とされている。
また上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部は、複数の入力キーを有すると共に、同一面に配されている複数の入力キーの高さは、複数種類とされている。
また、上記第1の入力操作部は、それぞれ子音指定が可能な複数の入力キーを有すると共に、日本語の濁音又は半濁音に相当する子音のキーは、その濁音符又は半濁音符を外した清音に相当する子音のキーと隣接するように配置されている。
【0011】
即ち本発明は、第1の入力操作部で子音を指定し、第2の入力操作部で母音を指定するという操作により、ユーザーが意図する文字が入力されるようにすることを基本とし、さらに上記各構成により操作性を向上させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、握持筐体の第1の面(例えば正面)の第1の入力操作部で子音を指定し、握持筐体の第2の面(例えば背面又は上面)の第2の入力操作部で母音を指定するという操作により、ユーザーが意図する文字が入力されるため、ユーザーは入力しようと意図する文字を直接的に選んで操作できる。つまり、同じキーを何度も押して入力しようとする文字を選ぶという手間のかかる操作は不要となる。これにより、電子メールその他のための文字入力の時間が短縮され、また操作も簡単となる。さらに子音、母音に分かれてキーが設定されていることで、ユーザーが操作に慣れてキー配置を把握すれば、いわゆるブラインドタッチでの文字入力が容易となり、文字入力の容易性はさらに高まることになる。
また、上記握持筐体の側面などの第3の面に配置された第3の入力操作部によって入力モード操作ができるようにすれば、入力したい文字種(例えばひらがな、カタカナ、アルファベット、文字サイズ、数字などの別)の指定もダイレクトに実行でき、従来のように入力モードを選んでから文字入力を行うという面倒な操作が不要となる。これも文字入力操作の簡易化、迅速化に寄与する。
【0013】
第1,第2,第3の入力操作部は、使用者が片手で上記握持筐体を握持した状態において、それぞれ親指、人差し指、中指で、それぞれ操作可能な位置に配置されることで、上記の子音指定、母音指定、入力モードの各操作を、容易に同時的に実行できる。しかも、小指、薬指で装置自体を握持しておけるため、片手で文字入力を実行できる。
また、上記第1の入力操作部における複数の入力キーが、握持時に親指の付け根となる位置からみて概略放射状に配置されていることで、入力操作のための親指の動きも楽なものとなり、操作性を向上させる。また、放射状のような特殊なキー配置とすることで、ユーザーが視認せずに各キーの種別(文字)を把握することが容易となり、ブラインド操作に適している。
さらに、上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部の複数の入力キーの形状又は高さが複数種類とされていることも、入力キーを視認せずに判別することを容易化し、これもブラインド操作を容易化する。
また、上記第1の入力操作部では、日本語の濁音又は半濁音に相当する子音のキーは、その濁音符又は半濁音符を外した清音に相当する子音のキーと隣接するように配置することも、ユーザーがキー配置を把握することの容易性を促す。
これらのことで、入力操作性は一層向上される。
【0014】
また携帯用電子機器の本体部は、本体上部と本体下部が軸部で接合された折り畳み可能な構造とされるとともに、折り畳みから開かれた状態において、上記本体上部と上記本体下部で略ブーメラン形が形成されるようにすることで、ユーザーが自然に片手で本体下部を握持した状態において、表示部がユーザー正面で傾かない状態となり、表示内容が見やすいものとなる。
また本体部と握持筐体を別体とすることで、腕時計型などの多様な機器形態が実現でき、また握持筐体を用いた入力操作性を向上できる。
腕時計型とする場合、本体部と表示部が手首に巻装された状態で握持筐体が取り外されるため、手首に位置する表示部をみながら掌の中で握持筐体を握持して入力するという、非常に使用性の良い、入力操作態様も実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の携帯用電子機器の実施の形態として、折り畳み式の携帯電話機、腕時計型の携帯電話機をそれぞれ例に挙げて説明する。
【0016】
<折り畳み式携帯電話機>
まず、本体部が折り畳み式の構造を持つ携帯電話機の例を説明する。
図1(a)(b)は本例の携帯電話機において本体を開いた状態の正面図、背面図であり、また図2(a)(b)は本体を折り畳んだ状態の側面図、正面図である。
図からわかるように、この携帯電話機は、本体上部1と本体下部2が、軸部14で回動可能に接合された折り畳み可能型とされる。通話や電子メールの確認や文字入力は、図1のように開いた状態で行われる。
【0017】
図1及び図2(b)からわかるように、本体上部1の下辺と本体下部2の上辺、即ち軸部14が形成される辺は、水平より傾斜された形状となっている。そして軸部14は、その傾斜された辺に平行に形成される。
このため図2(b)のように、折り畳んだ状態では、平面形状は、長方形の上辺が傾いた形状とされるとともに、開いた状態では図1に示すように、本体上部1と本体下部2が略ブーメラン形となるようにされている。つまり開いた状態において、本体上部1と本体下部2の側面のラインが図1(a)に示す角度θを形成するが、この角度θは180°より小さい。例えば角度θが160°〜170°程度となるように設定されている。
【0018】
本体上部1には、図1(a)に示すように、折り畳んだときに内面側となる面に、表示部8、スピーカ部7が形成されている。また、図2(b)に示すように、折り畳んだ状態で外側となる面に、サブ表示部9,スピーカ部10が形成されている。
本体下部2には、図1(a)に示すように、その正面側に各種入力のための操作キー3,4が配置されている。以下、本体正面に配置される操作キー3,4を正面キーと呼ぶ。
また図1(b)に示すように本体下部2の背面側にも操作キー(以下、背面キー)6が配置されている。
さらに、本体下部2の側面にも操作キー(以下、側面キー)5が形成されている。
即ち、本体下部2の正面が第1の面、背面が第2の面、側面が第3の面として、それぞれ第1,第2,第3の入力操作部が形成されていることになる。
【0019】
なお、この図1では、正面キー3として14個のキー、正面キー4として9個のキー、背面キー6として8個のキー、側面キー5として1個のキーを配置した例を示しているが、正面キー3,4、背面キー6、側面キー5としてのそれぞれのキー数や配置位置、キーの形状、キーの種別(押圧キー、シーソーキーなどの別)などは、この例に限られるものではない。またキー形態ではなくジョグダイヤルやジョグボール形態の操作子が設けられても良い。
【0020】
本体下部2の正面側下方にはマイク部13が形成される。また側面側下部には、ユーザーが握持した際に小指、薬指が位置するグリップ部11が形成される。さらに背面側にはユーザーの小指及び薬指を通すことのできるリング12が形成されている。
ユーザーは、図5に示すように小指及び薬指をリング12に通した上で、その指先がグリップ部11に乗せられるようにすることで、親指、人差し指、中指が自由な状態のまま本携帯電話機を安定して持つことができる。
【0021】
図3に本例の携帯電話機の内部構成例を示す。
CPU21は、機器全体の制御を行う。即ち発信、受信、通話、電子メール等のデータ送受信、入力監視、日時計数、入力文字生成プロセス処理などを行う。
またCPU21は、メイン表示部8、サブ表示部9の表示動作を制御する。例えば発信ダイヤル、受信電話番号、電子メール等の送受信データの文字や画像表示、アイコン表示、メニュー表示、モード表示、日時表示などを実行させる。
ROM25にはCPU21の動作プログラム、処理定数などが記憶される。
RAM26は、CPU21がワーク領域として用いたり、各種処理過程でのデータ保存に用いられる。
不揮発性メモリ27には、例えば処理係数、ユーザーが登録した電話番号、メールアドレス、ウェブアドレス、履歴情報、送受信した電子メール文書データ、ダウンロードプログラムなどが保存される。
【0022】
通信部28は、CPU21の制御に基づいて通話のための音声信号の送信/受信処理や、電子メールデータ、ダウンロード/アップロードデータなどの送受信処理を行う。このため、送信に関しては音声信号や各種データについてエンコード、通信フォーマットへの変換、送信用の変調を行う。また受信に関しては、復調やデコードを行う。
アンテナ29は音声やデータの送受信のためのアンテナであり、例えば携帯電話機の本体内に配置されている。
音声処理部30は、通話音声のコーデックや復調、増幅、着信音の出力処理を行う。通話時において、通信部28でデコードされた音声データは、音声処理部30においてオーディオデコード処理され、またイコライジング、増幅等の処理されてスピーカ部7から出力される。
またマイク部13から入力されるユーザーの音声は、音声処理部で増幅処理、フィルタリング、コーデック処理等がなされた後、通信部28に送られ、送信出力される。
また着信音、着信メロディなどの音声はCPU21の指示により音声処理部30が発生させ、スピーカ部10から出力する。
【0023】
振動部33は、いわゆるバイブレータ機構及びその駆動回路であり、振動を発生させる。通話や電子メールの着信時において、CPU21が振動部33を制御し、振動発生動作を実行させることになる。
電源部31は、一次電池又は二次電池としてのバッテリー31aを電源とし、各回路部に必要な動作電源電圧V1,V2・・・を供給する。電源部31による動作電源電圧供給のオン/オフは、ユーザーの操作に基づいてCPU21が制御する。
【0024】
正面キー3,4に対しては例えばキーマトリクス接点構造の正面キー入力検出部22が設けられ、正面キー3,4の或るキーが押されたことの情報が正面キー入力検出部22からCPU21に供給される。同様に、背面キー6に対して背面キー入力検出部23、側面キー5に対して側面キー入力検出部24が設けられ、或るキーが押されたことの情報がCPU21に供給される。
CPU21は、各入力検出部22,23,24によって検出された押圧キーの情報に基づいて、ユーザーの操作を認識し、所要の処理を行う。また文字入力モードとされているときは、正面キー入力検出部22で押圧が検出された正面キー3,4のうちの或るキーと、背面キー入力検出部23で押圧が検出された背面キー6のうちの或るキーとの組み合わせにより、入力文字を選定する。具体的には後述するように、正面キー3又は4で選ばれた子音と、背面キー6で選ばれた母音により、入力文字を認識する。また、文字入力の場合は、側面キー5の操作状態により、ひらがな、カタカナ、文字の大小などのモードを設定し、それに応じて正面キー3又は4と、背面キー6の操作により入力される文字種を選定する。
CPU21は、入力操作に基づいて選定した文字についてはメイン表示部8に表示させ、ユーザーに文書作成中のモニタとして提示する。
【0025】
以下、このような構成の本例の携帯電話機における文字入力操作例を説明する。
上記のように本体下部2には、正面キー3,4、背面キー6、側面キー5が設けられており、ユーザーはこれらのキーを用いて電子メール送信文書作成などのための文字入力を行うことができる。
特に本例の場合は、文字入力の際に、正面キー3で子音を指定し、背面キー6で母音を指定する方式をとり、正面キー3の1つと背面キー6の1つを同時に押すことで、或る文字を直接的に入力できることが大きな特徴となる。
【0026】
ユーザーが携帯電話機を握持して入力操作を行う際の様子を図4,図5に示す。図4は正面方向から見た状態、図5は背面方向から見た状態を示している。
図のようにユーザーが右手で本体下部2を保持するときにおいては、小指と薬指をリング12に通した上で、その指先がグリップ部11を握るようにする。
なお、リング12に指を通すことによっては、必ずしもグリップ部11を或る程度の力で握り込まなくても、携帯電話機を安定して保持できる。また、本例ではリング12が設けられた構造例を示しているが、リング12が設けられない構成も考えられる。その場合は、単に小指と薬指でグリップ部を軽く握ることで、十分安定して保持できる。
また側面が指に合わせて側面が軽く凹状とされたグリップ部11が設けられることが、安定保持に好適であるが、リング12を設けるか否かに関わらず、凹状のグリップ部11が設けられない構成例も考えられる。
実際には、リング12や側面が凹状のグリップ部11が設けられていなくとも、本体下部2の下端側を小指と薬指のみで握持することが可能である。但し、リング12やグリップ部11の少なくとも一方が設けられていれば、安定保持により好適になり、しかも、握持した状態で、親指、人差し指、中指を、より自由に動かすことができる。
【0027】
また図4のようにユーザーが主に小指と薬指で携帯電話機を保持する場合、その本体下部2は多少傾斜してもたれることが普通となる。このとき、本体上部1を開いた状態で、上述したように本体下部2と本体上部1が角度θをもつことが好適となる。即ち本体下部2が斜め方向に保持されても、本体上部1はほぼ垂直になり、つまり表示部8はユーザーの正面で傾かない。これによってユーザーにとっては表示部8が見やすくなり、かつこのために無意識にでも手首を曲げることが不要となるため扱いやすくなる。
【0028】
図4,図5のように主に小指と薬指で保持した状態では、親指は自然に正面キー3のあたりに位置する。もちろん正面キー4も、親指で操作可能である。また、人差し指は背面キー6のあたりに、さらに中指は側面キー5のあたりに、それぞれ位置することになる。
また、特に本例では正面キー3は、図4の状態でユーザーの親指の付け根のあたりを中心として略放射状となるように各キーが配置されており、これは握持した状態での親指の自然な動きのままで各キーを操作でできるという利点を生み出している。
【0029】
正面キー3,4、背面キー6、側面キー5のそれぞれのキーに対してどのような操作内容、入力内容を割り当てるかは、携帯電話機として必要とされる電話番号入力や発信先指定、着信応答、回線切断等の基本的な操作のためのキー設定や、携帯電話機に搭載される機能、例えばウェブアクセス機能、ゲーム機能などのためのキー設定にも関わり、さらにそれらに必要な操作内容、入力可能とする文字種、キー数の設定、その他各種の設計事情によるものである。このため実際のキー設定は非常に多様に考えられるが、特に日本語文字入力という観点で例を挙げる。
【0030】
図1等に示した例、即ち正面キー3として14個のキーを設け、また背面キー6として8個のキーを設け、側面キー5として1個のキーを設ける例を述べると次のようになる。
14個の正面キー3には、子音として図6に示す「K」「S」「T」「N」「H」「M」「R」「W」「G」「Z」「D」「F」「B」「P」を割り当てる。
8個の背面キー6には、母音としての「a」「i」「u」「e」「o」と、「ya」「yu」「yo」を割り当てる。
側面キー5は、ひらがな/カタカナの入力文字種モードの指定に用いるものとする。
【0031】
この場合、正面キー3の1つのキーと、背面キー6の1つのキーを同時に押すことで、図6のようにひらがな1字(又は記号)が入力されるようにする。
例えば正面キー3の「K」キーと背面キー6の「a」キーを押すことで、「か」が入力される。また正面キー3の「N」キーと背面キー6の「ya」キーを押すことで、「にゃ」が入力される。正面キー3の「W」キーと背面キー6の「i」キーを押すことで、句点「、」が入力される。
また、「あ」「い」「う」「え」「お」「や」「ゆ」「よ」については、それぞれ背面キー6に割り当てられているキーのみを押す。
さらに、側面キー5を継続して押しながら、正面キー3の1つのキーと、背面キー6の1つのキーを同時に押すこと、つまり3つのキーを同時に押すことで、図6の表の文字がカタカナで入力されるものとする。
例えばこのような入力方式をとることで、ひらがな50音、カタカナ50音、及び文章中で多用する記号「、」「。」「〜」「?」「!」について、ダイレクトに入力できることになる。
また、このようにしてダイレクトに指定して入力したひらがなの漢字変換に側面キー5を利用できる。即ち、側面キー5のみを押す操作は、未確定文字の漢字変換操作とすればよい。例えば未確定文字がある時点で、側面キー5を単押しすることで、候補漢字が切り換えられていくようにする。
候補漢字を確定させる操作は、正面キー4の1つとして決定キーを設けるようにしても良いし、又は側面キー5のダブルクリック的な操作で行われるようにしてもよい。
もちろん漢字変換の候補の一つとしてアルファベット等の漢字以外を含めてもよい。
【0032】
基本的に、図6のように正面キー3と背面キー6により子音と母音を指定して日本語文字を入力すること以外については、キーの割り当てや操作方式は非常に多様に考えられる。
側面キー5として2つ或いは3つのキーを設ければ、より操作性を向上させることもできる。
例えば側面キー5の1つを入力モード選択、1つを漢字変換キー、1つを決定キーとすることが考えられる。
入力モード選択としては、上記のように、押さなければひらがな、押している間はカタカナとする以外にも、トグル操作的に切り換えられることも可能である。即ち入力モード選択キーを押す毎に、入力モードが、ひらがな、カタカナ、数字、記号、アルファベット大文字、アルファベット小文字が順に切り換えられるようにする。そして、入力する文字種を決めた上で、正面キー3(又は4)と背面キー6により、任意の文字を入力していくことも考えられる。
数字については、正面キー3に上記子音と兼用して割り当てても良いし、正面キー4側に12個のキーを設け、「0」〜「9」及び「*」「#」を割り当てても良い。
アルファベットについては、正面キー3,4を合わせて26個のキーが設けられるようにし、それぞれにアルファベットの文字を割り当ててもよいし、上記の図6の設定の背面キー6の母音用のアルファベット5文字と、正面キー3の子音用のアルファベット14文字をそのまま使用し、残りの「C」「J」「L」「Q」「V」「X」「Y」の7文字を正面キー4側に割り当てても良い。
【0033】
このようにキー配置や文字の割当、或いは入力方式は多様に考えられるが、図7に一例として、他のキー配置例を示す。
この例は、本体下部2において正面キー3Aとして15個のキーが通常の配列で配置され、また正面キー4Aとして9個のキーが配置されている。
また背面キー6Aとして8個のキーが配置され、側面キー5Aとして3つのキーが配置されている。
例えばこの図7のキー配置例は、正面キーを一般的なキー配置としても本発明を適用できることを示している。つまりこのように正面側を一般的なキー配置としても、背面キー6A、側面キー5Aを設けることで、上述した操作方法による簡易且つ迅速な文字入力が可能となるものである。
【0034】
ところで、この場合、例えば8個の背面キー6Aは、母音としての「a」「i」「u」「e」「o」と、「ya」「yu」「yo」を割り当てている。
正面キー3Aの15個のキーは、一般的な携帯電話機におけるダイヤル数値「0」〜「9」及び関連操作のための「*」「#」等に割り当てられると共に、それと重複して、それぞれに15個の子音が割り当てられる。ここでいう子音は「K」「S」「T」「N」「H」「M」「R」「W」「G」「Z」「D」「F」「B」「P」の14個であるが、さらに「a」も割り当てるようにしている。
正面キー3Aと背面キー6Aによる入力文字は図8のようになる。つまり、正面キー3における「a」のキーは、「あ」〜「よ」の小文字である「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」「ゃ」「ゅ」「ょ」をモード操作を使わずに入力できるようにするものである。
3つの側面キー5Aは、それぞれ上述したように、文字種選択、漢字変換、決定操作などに設定されればよい。
【0035】
以上説明してきたように、本実施の形態の携帯電話機では、正面キー3(又は3A)で子音を指定し、背面キー6(又は6A)で母音を指定するという操作により、ユーザーが意図する日本語文字をダイレクトに入力できるため、同じキーを何度も押して入力する文字を選ぶという手間のかかる操作は不要となる。これにより、電子メールその他のための文字入力の時間が短縮され、また操作も簡単となる。
また、側面キー5(又は5A)によって入力モード操作を行うことで、入力したい文字種(例えばひらがな、カタカナなどの別)の指定も容易となり、入力操作はさらに迅速に実行できる。
もちろん上記のように正面キー3,4、背面キー6、側面キー5は、使用者が片手で携帯電話機を握持した状態において、それぞれ親指、人差し指、中指で操作可能な位置に配置されているため、上記の子音指定、母音指定、入力モードの各操作を、容易に同時的に実行できる。しかも、小指、薬指で装置自体を安定して保持できることで、親指、人差し指、中指の自由度が増し、操作が困難になることはない。
また、ユーザーが使い慣れて子音、母音のキー配置を覚え、キーを見ずに行うブラインド操作での入力を行うことができるようになれば、文字入力の容易性の効果は一層高まるものとなる。
【0036】
ところで本例では単に固定的にリング12を設けているが、リング12を設けない例だけでなく、リング12自体が本体下部2に収納可能な機構を設けることも考えられる。
例えば本体を折り畳むとリング12が本体内に収納され、本体を開くと、図1,図2に示したようにリング12がせり出してくるような機構とすれば、通常持ち歩く際や机上等においておく際にリング12が邪魔にならずに便利なものとなる。
また折り畳み式の携帯電話機としての例を挙げたが、折り畳み式ではない携帯電話機にも、正面キー、背面キー、側面キーを有する本例の構成を適用できる。
【0037】
<腕時計型携帯電話機I>
続いて、腕時計型の携帯電話機としての実施の形態を説明する。
図9は腕時計型携帯電話機の外観を示している。
この携帯電話機は、大きく分けて表示ユニット50、本体ユニット60、入力ユニット70としての異なる筐体部位を備える。
そして表示ユニット50と本体ユニット60は、リストバンド40によってつながれ、また入力ユニット70は本体ユニット60に対して着脱自在とされている。図9(a)は入力ユニット70が本体ユニット60に嵌め込まれている状態であり、図9(b)は入力ユニット70の使用時に本体ユニット60から取り外した状態を示している。
【0038】
図面上、斜線部として示したリストバンド40の両端部41は、留め金、或いはマジックテープ(登録商標)、或いはマグネットなどを利用した、ユーザーの手首への巻装のための固定部とされる。
リストバンド40によって手首に装着された状態を図10,図11に示している。図10のように、例えば手の甲側に表示ユニット70が位置した場合、図11(a)のようにてのひら側に本体ユニット60及び入力ユニット70が位置することになる。図11(b)はてのひら側の本体ユニット60から入力ユニット70が取り外された状態を示している。
【0039】
表示ユニット50は、液晶パネルなどの表示部51を有し、図10の状態でユーザーは表示内容を視認できる。
本体ユニット60は、その表面上に、入力ユニット70の形状に略対応した装着部61が形成される。この携帯電話機を使用していないときは、入力ユニット70は装着部61に嵌め込まれた状態で係止保持されることになる。
また通話、メール送信などとして携帯電話機を使用する場合は、本体ユニット60の装着部から入力ユニット70を取り外すが、その際、入力ユニット70に形成されている爪部74を指に引っかけることで容易に取り外しができるようにされている。
【0040】
本体ユニット60の装着部61の底面には、通話に用いるマイク62が配置されている。また本体ユニット60の内部構成は後述するが、本体ユニット60と表示ユニット50における信号や電源電圧の伝送のためにリストバンド40内にフレキシブル基板などによる信号伝送路が形成されている。
【0041】
入力ユニット70と本体ユニット60は、伝送コード63で各種信号や電源電圧の伝送が行われる。
本体ユニット60の装着部61の底面にはコード口64が形成され、入力ユニット70を取り外した際には、このコード口64から伝送コード63が引き出される。コード口64の内部にはコード巻取り機構が設けられており、入力ユニット70を装着する時には伝送コード63の巻取りが行われて伝送コード63が本体ユニット60内に収納される。
【0042】
入力ユニット70には、通話や着信音出力等に用いるスピーカ部75が設けられる。
また、図11(b)に示したように入力ユニット70の背面側には撮像部76としてのレンズが形成されている。
そしてこの入力ユニット70には、各種入力のための多数の操作キーが形成されている。入力ユニット70の正面図、上面図、側面図を図14(a)(b)(c)に示しており、各操作キーについては後述するが、入力ユニット70の正面側には複数の操作キーとして少なくとも子音指定を行うための正面キー71が、上面には同じく複数の操作キーとして少なくとも母音指定を行うための上面キー72が、さらに側面には1個又は複数個の操作キー(図では3つの操作キー)としてのモード操作等のための側面キー73が形成されている。
即ち、入力ユニット70の正面が第1の面、上面が第2の面、側面が第3の面として、それぞれ第1,第2,第3の入力操作部が形成されていることになる。
【0043】
なお、この図9、図11、図14に示した例では、正面キー71として15個のキー、上面キー72として8個のキー、側面キー73として3個のキーを配置した例を示しているが、正面キー71、上面キー72、側面キー73としてのそれぞれのキー数や配置位置、キーの形状、キーの種別(押圧キー、シーソーキーなどの別)などは、この例に限られるものではない。またキー形態ではなくジョグダイヤルやジョグボール形態の操作子が設けられても良い。
【0044】
図13に本例の腕時計型携帯電話機の内部構成例を示す。なお、上記図3で述べた構成と同一部分は同一符号を付し、その動作機能の重複説明は避ける。
この場合、本体ユニット60内には、CPU21,ROM25,RAM26、不揮発性メモリ27、通信部28,アンテナ29,音声処理部30,バッテリー31aを電源とする電源部31、振動部33、及びマイク部62が設けられる。
上述のように表示部51は本体ユニット60と別筐体である表示ユニット50内に設けられるため、CPU21はリストバンド40内に形成された伝送路を介して表示部51を制御し、例えば発信ダイヤル、受信電話番号、電子メール等の送受信データの文字や画像表示、アイコン表示、メニュー表示、モード表示、日時表示などを実行させる。
また、電源部31からの、表示部51に対する動作電源電圧V2も、リストバンド40内に形成された電源電圧用の伝送路を介して供給される。
【0045】
入力ユニット70内には、正面キー71、及び正面キーに対する例えばキーマトリクス接点構造の正面キー入力検出部85が設けられ、正面キー71の或るキーが押されたことの情報が入力判定部77に供給される。同様に、上面キー72に対して上面キー入力検出部86、側面キー73に対して側面キー入力検出部87が設けられ、或るキーが押されたことの情報が入力判定部77に供給される。
入力判定部77は、各入力検出部85,86,87によって検出された押圧キーの情報に基づいて、ユーザーの操作を認識し、その操作情報を伝送コード63内の伝送路によりCPU21に供給する。CPU21は操作情報に応じて所要の処理を行う。
特にCPU21により文字入力モードとされているときは、入力判定部77は、正面キー入力検出部85で押圧が検出された正面キー71のうちの或るキーと、上面キー入力検出部86で押圧が検出された上面キー72のうちの或るキーとの組み合わせにより、入力文字を選定する。即ち、正面キー71で選ばれた子音と、上面キー72で選ばれた母音により、入力文字を認識する。また、文字入力の場合は、側面キー73の操作状態により、ひらがな、カタカナ、文字の大小などのモードを設定し、それに応じて正面キー71と、上面キー72の操作により入力される文字種を選定する。
入力判定部77は、このようにして判定した入力文字情報をCPU21に伝える。CPU21は、入力操作に基づいて入力判定部77で選定された文字については表示部51に表示させ、ユーザーに文書作成中のモニタとして提示する。
なお、この例では入力判定部77で入力文字の選定を行うものとしたが、各入力検出部85,86,87によって検出された押圧キーの情報をそのままCPU21に伝送し、CPU21が入力判定処理を行うようにしても良い。
【0046】
また本例の場合、入力ユニット70側にスピーカ部75が設けられている。このため音声処理部30によって復調または生成された音声信号、即ち通話音声、着信音、着信メロディ等の音声信号は、伝送コード63内のオーディオ伝送路でスピーカ75側に送られ、音声として出力されることになる。
また入力ユニット70には撮像部76が設けられている。撮像部76としてはレンズ光学系やCCDセンサ或いはCMOSセンサ等を有する撮像素子部を有して構成され、撮像画像信号を出力する。撮像画像信号は画像データ処理部78でデジタルデータ化され、必要な画像処理(輝度処理、色処理、ホワイトバランス、画像補正など)やデータ圧縮処理などが施されて、伝送コード63内の伝送路を介してCPU21に撮像画像データとして供給される。
CPU21は、ユーザーの撮像操作に応じて、撮像部76及び画像データ処理部78の撮像動作を実行させるとともに、供給された撮像画像データをRAM26あるいは不揮発性メモリ27に格納したり、ユーザーの操作に応じて電子メールに添付して送信させるなどの処理を行う。
また、電源部31からの、入力ユニット70内の各回路部に対する動作電源電圧V3は、伝送コード63で内に形成された電源電圧用の伝送路を介して供給される。
【0047】
以下、このような構成の本例の腕時計型携帯電話機における文字入力操作例を説明する。
上記のように入力ユニット70には、正面キー71、上面キー72、側面キー73が設けられており、ユーザーはこれらのキーを用いて電子メール送信文書作成などのための文字入力を行うことができる。
この場合、文字入力の際に、正面キー71で子音を指定し、上面キー72で母音を指定する方式をとり、正面キー71の1つと上面キー72の1つを同時に押すことで、或る文字を直接的に入力できることが大きな特徴となる。
【0048】
ユーザーが入力操作を行う際の様子を図12に示す。ユーザーは、本体ユニット60から入力ユニット70を取り外し、図12のように入力ユニット70を握持する。このとき親指は入力ユニット70の正面、人差し指は入力ユニット70の上面、中指は入力ユニット70の側面に位置させる。入力ユニット70のサイズにもよるが、薬指や小指は入力ユニット70の下方を軽く支える程度でよい。
従って、親指で正面キー71を操作し、人差し指で上面キー72を操作し、中指で側面キー73を操作できる。
具体的な操作は例えば上述した折り畳み式携帯電話機の説明において述べたものと同様でよく、また多様に考えられるが、正面キー71として子音の「K」「S」「T」「N」「H」「M」「R」「W」「G」「Z」「D」「F」「B」「P」等のキーを配置し、上面キー72として母音としての「a」「i」「u」「e」「o」と、「ya」「yu」「yo」のキーを配置することで、その組み合わせで上記図6や図8のような各文字の入力が可能となる。
また側面キー73は、ひらがな/カタカナの入力文字種モードの指定や、漢字変換などに用いることができる。
そしてこれによって上述した折り畳み式携帯電話機の例と同様に、ユーザーは意図する日本語文字をダイレクトに入力できるため、同じキーを何度も押して入力する文字を選ぶという手間のかかる操作は不要となり、電子メールその他のための文字入力の時間の短縮や操作の簡易化が実現される。
【0049】
また、図12のように手に入力ユニット70を握持している状態では、図10のように手首の手の甲側に位置する表示部51をみながら入力操作を行うことができ、特にブラインドタッチで入力ユニット70を操作しながらの入力文字確認に好適である。
また通話時においては、図12のように入力ユニット70を引き出した状態で、入力ユニット70を耳の近辺に持っていけばよい。すると、入力ユニット70に設けられたスピーカ75が耳の近辺に、また本体ユニット60に設けられたマイク62が口の近辺に位置するため、困難なく通話ができる。
【0050】
ところで本例の場合、入力ユニット70は図14に示すようにキー配置がなされており、特にブラインドタッチ入力の容易性を高めるように工夫がされている。
図14(b)に示すように、上面キー72としては8個のキーが「a」「i」「u」「e」「o」「ya」「yu」「yo」として形成されているが、図面上、左から順に、横長形状の「a」「i」のキー、縦長形状の[u]のキー、横長形状の「e」「o」のキー、縦長形状の[yu]のキー、横長形状の「ya」「yo」のキーが、それぞれ配置されている。キーの形状として縦長キーと横長キーという2種類がこのように配置されていることで、ユーザーが上面を視認せずに人差し指で触れることで各キーを区別し易いものとなっている。
なお、このような複数種類のキー形状及びそれによる効果は、図1に示した背面キー6についても同様に言えることである。
【0051】
また図14(a)のように、正面キー71としては3個ずつ5行の配列で15個のキーが形成されている。
上から1行目の左側のキーは、発信/通話開始(着信応答)操作と「D」入力が兼用された横長キーとされる。
1行目の中央のキーは、「Z」入力の円形キーとされる。
1行目の右側のキーは通話終了(回線切断)操作と「G」入力が兼用された横長キーとされる。
2行目の左側のキーは、「1」及び「T」の入力のための円形キーである。
2行目の中央のキーは、「2」及び「S」の入力のための縦長キーである。
2行目の右側のキーは、「3」及び「K」の入力のための円形キーである。
3行目の左側のキーは、「4」及び「N」の入力のための横長キーである。
3行目の中央のキーは、「5」の入力及び決定(エンター)操作のための円形キーである。
3行目の右側のキーは、「6」及び「W」の入力のための横長キーである。
4行目の左側のキーは、「7」及び「H」の入力のための円形キーである。
4行目の中央のキーは、「8」及び「M」の入力のための縦長キーである。
4行目の右側のキーは、「9」及び「R」の入力のための円形キーである。
5行目の左側のキーは、「*」及び「B」の入力のための横長キーである。
5行目の中央のキーは、「0」及び「P」の入力のための円形キーである。
5行目の右側のキーは、「#」及び「F」の入力のための横長キーである。
【0052】
また、図14(c)からわかるように、2行目、3行目、4行目の各キーは、その筐体正面からの突出高さがH2とされていることに対し、1行目、5行目の各キーは、その突出高さが、より高いH1とされている。
【0053】
このようにキーの形状として、円形、横長、縦長と複数種類が用いられること、またキーの高さとして、H1,H2という2種類の高さのキーが形成されること、さらに各キーへの数字や文字の割当によって、ユーザーが入力ユニット70の正面を視認しなくとも、各キーを判別しやすいようにしている。
【0054】
まず、1行目、5行目のキーの高さがH1とされていることで、5行のキー配置の上端及び下端を親指で認識し易いものとされる。
そして上端の1行目の3つのキーは、横長、円形、横長とされている。従って、親指で触れたときの円形形状の触感で行の中央のキーを認識でき、発信又は「D」操作は、その左のキーと判断でき、同様に、通話終了又は「G」操作は、その右のキーと判断できる。
下端である5行目の3つのキーも、同様に判別できる。
【0055】
また上記のように中央3行の9個のキーは高さの低いキーとして認識できることに加え、その9個の中央に位置する3行目の「5」キーは円形とされ、その左右が横長キー、上下が縦長キーとされる。これにより、「5」キーを容易に判別でき、「5」キーを中心に、親指を上下左右に滑らせて、9個の各キーを判別できる。
そして通話時等のダイヤル操作のための数字キーは、2行〜4行のキーで、「1」〜「9」が割り当てられているため、ダイヤル操作や数字入力の際に、キーの高さと形状により、触感で各数字を認識しやすい。
【0056】
このようにキーの形状と高さの違いによって、15個の各キーを判別しやすくしている。
そしてさらに子音としてのアルファベットの割当が上記のようになされていることで、子音指定も判別しやすいようにしている。
図14(a)からわかるように、3行目中央の決定キーを中心として、右上から反時計回りに、「K」「S」「T」「N」「H」「M」「R」「W」という順序で8個のキーが配置される。これは、順に日本語五十音の「か行」「さ行」「た行」「な行」「は行」「ま行」「ら行」「わ行」の子音である。つまり上面キー72のみで入力できる「あ行」「や行」を除いて、五十音の順に反時計回りで配列されているため、ユーザーにとっては各子音の位置が覚えやすく、また上記のキー形状と合わせて触感で判別し易い。
【0057】
さらには、「G」キーつまり「が行」は、「K」キーつまり「か行」の上に隣接配置される。
また「D」キーつまり「だ行」は、「T」キーつまり「た行」の上に隣接配置される。
「B」キーつまり「ば行」は、「H」キーつまり「は行」の下に隣接配置される。
「P」キーつまり「ぱ行」は、「H」キーつまり「は行」の右下に隣接配置される。
即ち、日本語の濁音又は半濁音に相当する子音のアルファベットキーは、その濁音符又は半濁音符を外した清音に相当する子音のアルファベットキーと隣接するように配置されている。
これによって濁音や半濁音の入力するための子音キーの位置もわかりやすい。
【0058】
また、以上のことから、中央の「5」キーはブラインド操作時の基準ポイントとして親指を位置させることが適切であることが理解されるが、すると、この「5」キーを漢字変換やメニュー操作などの際の決定キーとされることが操作上、非常に便利なものとなることが理解される。
【0059】
このようにキーの形状、高さ、子音配置の工夫によって、入力ユニット70の各キーを触感で判別し易くすることにより、ブラインドタッチでの入力操作を実行し易くし、図12のような入力操作時の操作容易性や入力時間の短縮を促進する。
【0060】
なお、キー配置、形状、各キーへの割当などは非常に多様に考えられることはいうまでもない。
もちろん入力ユニット70の正面に、上記15個のキーの他に、発信先選択、モード操作、カーソル操作などのための十字キー等が形成されてもよい。
また、この例のように数字入力キーと文字入力キーが兼用される場合には、文字入力モードの際に、数字をダブルクリック(短時間2回押し)などで入力できるようにしてもよい。
つまり、例えば文字入力モードの場合は、側面キー73で文字種等を選択することが考えられるが、数字については単押しかダブルクリックで区別して入力できるようにする。例えば文字入力モードの場合、2行目中央のキーは「2」ではなく「S」入力とされるが、これをダブルクリック操作した場合は「2」が入力されたと判定するようにする。すると、電子メール等で文書を作成している過程での数字を入力したいとき、文字種変更の操作を行わなくても良いため、入力操作が簡単化できる。
【0061】
また、図15に示すようなキー配置も考えられる。
この例は、日本語文字入力については上記同様であるが、アルファベット入力についても考慮した例である。
即ち、正面キー71における3行目中央の「5」及び「決定」キーに、さらに「C」入力キーとしての機能を与える。
また上面キー72の「ya」キーに「Y」入力、「yu」キーに「X」入力、「yo」キーに「V」入力としての機能を与える。
また側面キー73としての3つのキーに「J」「L」「Q」の各入力機能を与える。
このようにすると、正面キー71、上面キー72、側面キー73としての合計26個のキーにアルファベット26文字がそれぞれ割り当てられることになる。
そして例えば入力モードを日本語入力からアルファベット入力に切り換えることで、各キーがアルファベット入力キーとして機能するようにするものである。
【0062】
具体的な例は次のようになる。
まず、日本語入力モードでは、上述したきたように正面キー71と上面キー72での母音及び子音で日本語文字入力がなされ、側面キー73や正面キー71の3行目中央の決定キー等を用いて漢字変換や入力確定を行う。また日本語入力モードからは側面キー73を用いて入力モードをアルファベット入力モードに切り換えるようにする。
アルファベット入力モードとされた状態では、上記のようにA〜Zの各文字が、26個のキーのそれぞれで直接的に入力されるようにする。
特にアルファベット入力モードの場合、或るキーをワンクリックすることで、そのキーに割り当てられたアルファベットの大文字が入力され、またダブルクリックで、そのキーに割り当てられたアルファベットの小文字が入力されるようにするとよい。
アルファベット入力モードから再び日本語入力モードに戻す場合は、例えば側面キー73の1つを長押し(例えば2秒以上押し続けるなど)するものとする。
【0063】
通常、メール文書作成時などは、日本語文字とアルファベットを混在させることも多いが、この図15のようにアルファベット入力を考慮したキー設定とすることで、日本語だけでなく英字入力も簡易化され、より使用性の良いものとすることができる。
なお、キーの総数が27個以上などの場合、アルファベット文字に割り当てていないキーにより入力モード切換を行うようにして良いことはいうまでもない。
【0064】
なお、本例のような腕時計型携帯電話機の場合、ユーザーは振動部33での着信振動が直接的に手首に伝わるため、いつでもバイブレータによる着信報知を認識し易いという利点もある。
【0065】
<腕時計型携帯電話機II>
続いて、同じく腕時計型の携帯電話機としての他の実施の形態を説明する。
図16(a)(b)に本例の腕時計型携帯電話機の外観を示している。上記図9と同様に図16(a)には、入力ユニット70が本体ユニット60に取り付けられた状態、図16(b)は入力ユニット70が取り外された状態を示しており、表示ユニット50、本体ユニット60、入力ユニット70を備えた腕時計型携帯電話機とされる。
上記図9の例と異なるのは、本例では入力ユニット70と本体ユニット60が互いに無線伝送方式で信号伝送を行うようにした点である。従って、図16(b)のように、本体ユニット60の装着部61から入力ユニット70を取り外した場合、入力ユニット70は完全に別体とされ、図9のような伝送コードは用いられない。
入力ユニット70において操作キー(正面キー71、上面キー72、側面キー73)やスピーカ部75が設けられることは上記例と同様である。
【0066】
図17に内部構成例を示す。本体ユニット60には、上記図13に示した本体ユニット60の構成に加えて受信復調部82,変調送信部83が設けられる。
本体ユニット60における電源部31は、本体ユニット60内の各回路部及び表示ユニット50における表示部51に電源電圧V1,V2を供給する。
一方、入力ユニット70は、図13と同様に、正面キー71、正面キー入力検出部85、上面キー72,上面キー入力検出部86、側面キー73、側面キー入力検出部87、入力判定部77、スピーカ75が設けられるが、加えて変調送信部81,受信復調部84,及び電源部32を備える。
電源部32は、一次電池又は二次電池としてのバッテリ32aを電源として、入力ユニット70内の各回路部に動作電源電圧V3を供給する。
なお、バッテリ32aとして二次電池が用いられ、入力ユニット70が本体ユニット60に装着されている状態では、本体ユニット60側の電源部31から入力ユニット70のバッテリ32aに充電が行われるようにしてもよい。
【0067】
この場合、入力ユニット70の入力判定部77から出力される入力情報、即ち正面キー71、上面キー72、側面キー73の操作に係る情報は、変調送信部81に供給され、所定の変調処理、増幅処理が行われ、電波送信される。
電波により送信された変調信号は、本体ユニット60の受信復調部82で受信され、復調されて操作入力情報としてCPU21に供給されることになる。
また、通話音声、着信音などを出力する際は、それらの音声信号が音声処理部30から変調送信部83に供給され、所定の変調処理、増幅処理が行われ、電波送信される。電波により送信された変調信号は、入力ユニット70の受信復調部84で受信され、復調及び増幅されてスピーカ75に供給され、音声として出力されることになる。
【0068】
なお、無線伝送の際の変調方式は任意であり、FM変調、位相変調、デジタル変調など各種のものが採用できる。また、入力操作情報の無線伝送の変調方式と、音声信号の無線伝送の変調方式は、同一方式でも良いし、異なる方式でもよい。
さらに、ここでは電波を利用した伝送を述べたが、赤外線伝送など他の伝送方式も考えられる。
また、図17の例では図13に示した撮像部76及び画像データ処理部78を設けていないが、これらを入力ユニット70に設ける場合、撮像画像データについても本体ユニット60側に無線伝送できるようにすればよい。
【0069】
本例は、このように入力ユニット70と本体ユニット60の間で無線伝送方式を採用する。すると、入力ユニット70の取り扱いが容易となるとともに、例えば図18のような使用形態に好適となる。
即ち、腕時計型携帯電話機は、通所の腕時計と同様に左手首に巻装されるようにしたうえで、右手で入力ユニット70を握持して入力操作を行うことが容易にできるものとなる。入力ユニット70を用いた入力操作については、ここでは繰り返しの説明を避けるが、図9〜図14で述べた腕時計型携帯電話機Iと同様であり、その操作性は向上されているが、いわゆるコードレスとしての入力ユニット70を用いることで、その使用性はさらに向上されるものとなる。
なお、もちろん表示部51には時刻表示を行うことができるため、本例の携帯電話機を腕時計の代わりとしても利用できる。
また、この場合の入力ユニット70においても、図15で説明したようにアルファベット26文字を各キーに割り当てる構成も考えられる。
【0070】
ところで、図16,図17ではマイク62を本体ユニット60に設けた例としているが、本例のように入力ユニット70をコードレス型とした場合、マイク62も入力ユニット70側に設けることも適切である。そのようにすると、通話時には、入力ユニット70を耳の付近に当てた状態でよく、例えば左手に巻装した本体ユニット60側を口元に位置させる必要が無くなるためである。
その場合マイクは、入力ユニット70の下部に設けるか、或いは入力ユニット70の下部から、例えばロッドアンテナのようにマイクを引き出せるようにすると良い。
もちろんマイク入力音声は、変調されて本体ユニット60側に無線伝送されるようにすればよい。
【0071】
図19,図20に、マイク62を入力ユニット70側に設けた例を示している。図19(a)は入力ユニット70を本体ユニット60に装着した状態、図19(b)は入力ユニット70を本体ユニット60から取り外した状態を示している。
例えばマイク62は入力ユニット70の端部から引き出されるロッド62aの先端に取り付けられる。つまり、本体ユニット60に装着する場合は、ロッド62aを入力ユニット70内に押し込んだ、図19(a)の状態とする。
また通話の際には、入力ユニット70を本体ユニット60から取り外した後、図19(b)に示すようにロッド62aを引き出す。
入力ユニット70を右手に持った状態は図20に示すようになり、この状態で右手を頭部付近に持っていくことで、スピーカ75は耳元に、またマイク62は口の付近に位置し、通話が可能となる。即ち通話時には、ユーザーは片手に持った入力ユニット70のみを意識していればよい。
なお、ロッド62aは、本体ユニット60側との無線通信のためのアンテナとして利用しても良い。
【0072】
さらに、図13に示した撮像部76及び画像データ処理部78を、図17において表示ユニット50側に設ける構成例も考えられる。
そして例えば図20のような使用状態として、ユーザーが表示部51を見ながら入力ユニット70を側頭部にあてて通話をしている際に、ユーザーの顔が表示ユニット50に設けられている撮像部76によって撮像されるようにする。CPU21は、撮像部76で撮像された画像を通話音声や入力文字と共に通信先に送信されるようにする。また、CPU21は通話相手側から送信されてきた画像を表示部51に表示させる。
このような構成とすることで、本例の腕時計型の携帯電話機を用いていわゆるテレビ電話を実現することができる。
もちろん撮像部76及び表示部51で実現するテレビ電話機能を利用することで、ユーザーは、知人同士での会話だけでなく、例えば商品購入の際の希望商品を画面で伝えたり、或いは相手先の商品を画像で確認するなど、携帯電話機及びブロードバンドネットワークを有効利用することが可能となる。
また、通話ではなく、表示ユニット50側の撮像部76で撮像した静止画像或いは動画像を、入力ユニット70を用いて入力した文字データと共に送信することでも、ユーザーにとって適切な意志の伝達のための通信が可能となる。
【0073】
<変形例>
ところで本発明としては、上記の各実施の形態に限らず、各種の変形例が考えられる。
図14においてキーの高さ、形状、アルファベット配置について述べたが、そのような構成は、折り畳み式携帯電話機の正面キー3などの構成としての採用できる。
また、図1に示した正面キー3の放射状の配置を、入力ユニット70の正面キー71の配置として採用しても良い。
また、腕時計型携帯電話機の構成において、CPU21,通信部28,音声処理部30など、携帯電話機としての主要な構成部位を本体ユニット60に配置したが、これらを表示ユニット50内に配置する構成も考えられる。
また入力ユニット70は本体ユニット70側に着脱されない、全く別の筐体とされてもよい。
さらに本発明は、携帯電話機だけでなく、PDA、携帯用オーディオ・ビデオ機器など、他の種の電子機器でも適用でき、それらの機器における文字入力の操作性向上効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態の折り畳み式携帯電話機の正面図及び背面図である。
【図2】実施の形態の折り畳み式携帯電話機を折り畳んだ状態の側面図及び正面図である。
【図3】実施の形態の折り畳み式携帯電話機の内部構成例のブロック図である。
【図4】実施の形態の折り畳み式携帯電話機の使用状態の説明図である。
【図5】実施の形態の折り畳み式携帯電話機の使用状態の説明図である。
【図6】実施の形態の携帯電話機の文字入力例の説明図である。
【図7】実施の形態の他のキー配置例の説明図である。
【図8】実施の形態の携帯電話機の他の文字入力例の説明図である。
【図9】実施の形態の腕時計型携帯電話機の外観の説明図である。
【図10】実施の形態の腕時計型携帯電話機の装着時の説明図である。
【図11】実施の形態の腕時計型携帯電話機の装着時の説明図である。
【図12】実施の形態の腕時計型携帯電話機の使用状態の説明図である。
【図13】実施の形態の腕時計型携帯電話機の内部構成例のブロック図である。
【図14】実施の形態の腕時計型携帯電話機の入力ユニットの正面図、上面図、側面図である。
【図15】実施の形態の腕時計型携帯電話機の入力ユニットのキー配置例の説明図である。
【図16】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の外観の説明図である。
【図17】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の内部構成例のブロック図である。
【図18】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の使用状態の説明図である。
【図19】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の他の例の外観の説明図である。
【図20】実施の形態の無線伝送による腕時計型携帯電話機の他の例の使用状態の説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1 本体上部、2 本体下部、3,4,71 正面キー、5,73 側面キー、6 背面キー、8 表示部、11 グリップ部、12 リング、14 軸部、21 CPU、40 リストバンド、50 表示ユニット、51 表示部、60 本体ユニット、61 装着部、70 入力ユニット、72 上面キー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作時に握持する握持筐体の第1の面に配置され、少なくとも子音指定が可能とされた第1の入力操作部と、
上記握持筐体の第2の面に配置され、少なくとも母音指定が可能とされた第2の入力操作部と、
表示部と、
上記第1の入力操作部で指定された子音と上記第2の入力操作部で指定された母音に基づいて入力文字を選定し、上記表示部に表示させる制御部と、
を備えたことを特徴とする携帯用電子機器。
【請求項2】
本体部が片手で握持可能な形状に形成され、該本体部としての筐体が上記握持筐体とされることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項3】
上記握持筐体は、本体部とは別筐体として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項4】
上記第1の入力操作部が配置される上記第1の面は上記握持筐体の正面とされ、
上記第2の入力操作部が配置される上記第2の面は上記握持筐体の背面又は上面とされることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項5】
上記握持筐体の第3の面に配置された第3の入力操作部をさらに備え、
上記制御部は、上記第3の入力操作部の操作に応じて入力モードを選定し、選定された入力モードに従って、上記第1、第2の入力操作部の指定操作に基づいて入力文字を選定することを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項6】
使用者が片手で上記握持筐体を握持した状態において、上記第1,第2,第3の入力操作部は、
上記第1の入力操作部は親指で、
上記第2の入力操作部は人差し指で、
上記第3の入力操作部は中指で、
それぞれ操作可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の携帯用電子機器。
【請求項7】
上記本体部は、上記表示部が形成された本体上部と、上記第1,第2の入力操作部が形成された本体下部とが、軸部で接合された折り畳み可能な構造とされるとともに、
折り畳みから開かれた状態において、上記本体上部と上記本体下部で略ブーメラン形が形成されることを特徴とする請求項2に記載の携帯用電子機器。
【請求項8】
上記握持筐体は、本体部に対して着脱自在な別筐体として形成されているとともに、
上記表示部は、上記本体部に対して別筐体で設けられ、
上記本体部と上記表示部がリストバンドに取り付けられて腕時計型に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項9】
上記握持筐体における上記第1,第2の入力操作部による入力情報は、上記握持筐体と上記本体部の間に設けられた伝送コードにより、上記本体部側に供給されることを特徴とする請求項3に記載の携帯用電子機器。
【請求項10】
上記握持筐体には無線送信部が、また上記本体部には無線受信部が設けられ、
上記握持筐体における上記第1,第2の入力操作部による入力情報は、上記無線送信部及び無線受信部による無線伝送により、上記本体部側に供給されることを特徴とする請求項3に記載の携帯用電子機器。
【請求項11】
上記第1の入力操作部は複数の入力キーを有すると共に、
上記各入力キーは、握持時に親指の付け根となる位置からみて、概略放射状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項12】
上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部は、複数の入力キーを有すると共に、
同一面に配されている複数の入力キーの形状は、複数種類とされていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項13】
上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部は、複数の入力キーを有すると共に、
同一面に配されている複数の入力キーの高さは、複数種類とされていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項14】
上記第1の入力操作部に設けられた、子音指定が可能な複数の入力キーにおいては、
日本語の濁音又は半濁音に相当する子音のキーは、その濁音符又は半濁音符を外した清音に相当する子音のキーと隣接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項1】
入力操作時に握持する握持筐体の第1の面に配置され、少なくとも子音指定が可能とされた第1の入力操作部と、
上記握持筐体の第2の面に配置され、少なくとも母音指定が可能とされた第2の入力操作部と、
表示部と、
上記第1の入力操作部で指定された子音と上記第2の入力操作部で指定された母音に基づいて入力文字を選定し、上記表示部に表示させる制御部と、
を備えたことを特徴とする携帯用電子機器。
【請求項2】
本体部が片手で握持可能な形状に形成され、該本体部としての筐体が上記握持筐体とされることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項3】
上記握持筐体は、本体部とは別筐体として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項4】
上記第1の入力操作部が配置される上記第1の面は上記握持筐体の正面とされ、
上記第2の入力操作部が配置される上記第2の面は上記握持筐体の背面又は上面とされることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項5】
上記握持筐体の第3の面に配置された第3の入力操作部をさらに備え、
上記制御部は、上記第3の入力操作部の操作に応じて入力モードを選定し、選定された入力モードに従って、上記第1、第2の入力操作部の指定操作に基づいて入力文字を選定することを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項6】
使用者が片手で上記握持筐体を握持した状態において、上記第1,第2,第3の入力操作部は、
上記第1の入力操作部は親指で、
上記第2の入力操作部は人差し指で、
上記第3の入力操作部は中指で、
それぞれ操作可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の携帯用電子機器。
【請求項7】
上記本体部は、上記表示部が形成された本体上部と、上記第1,第2の入力操作部が形成された本体下部とが、軸部で接合された折り畳み可能な構造とされるとともに、
折り畳みから開かれた状態において、上記本体上部と上記本体下部で略ブーメラン形が形成されることを特徴とする請求項2に記載の携帯用電子機器。
【請求項8】
上記握持筐体は、本体部に対して着脱自在な別筐体として形成されているとともに、
上記表示部は、上記本体部に対して別筐体で設けられ、
上記本体部と上記表示部がリストバンドに取り付けられて腕時計型に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項9】
上記握持筐体における上記第1,第2の入力操作部による入力情報は、上記握持筐体と上記本体部の間に設けられた伝送コードにより、上記本体部側に供給されることを特徴とする請求項3に記載の携帯用電子機器。
【請求項10】
上記握持筐体には無線送信部が、また上記本体部には無線受信部が設けられ、
上記握持筐体における上記第1,第2の入力操作部による入力情報は、上記無線送信部及び無線受信部による無線伝送により、上記本体部側に供給されることを特徴とする請求項3に記載の携帯用電子機器。
【請求項11】
上記第1の入力操作部は複数の入力キーを有すると共に、
上記各入力キーは、握持時に親指の付け根となる位置からみて、概略放射状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項12】
上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部は、複数の入力キーを有すると共に、
同一面に配されている複数の入力キーの形状は、複数種類とされていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項13】
上記第1の入力操作部、及び/又は上記第2の入力操作部は、複数の入力キーを有すると共に、
同一面に配されている複数の入力キーの高さは、複数種類とされていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項14】
上記第1の入力操作部に設けられた、子音指定が可能な複数の入力キーにおいては、
日本語の濁音又は半濁音に相当する子音のキーは、その濁音符又は半濁音符を外した清音に相当する子音のキーと隣接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図11】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−74716(P2006−74716A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−297483(P2004−297483)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【出願人】(504296220)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【出願人】(504296220)
【Fターム(参考)】
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