説明

携帯端末、ロック状態解除プログラムおよびロック状態解除方法

【構成】携帯電話機10は、タッチ操作を検出するタッチパネル36を有している。また、携帯電話機10には、タッチ操作によって電話機能などが実行されないように制限するか、またはタッチ操作が受け付けられないようにするロック状態を設定することができる。そして、ロック状態が設定されている場合、ロック状態の解除に関するタッチ操作は検出される。たとえば、ロック状態が設定されている状態で、キー入力操作がされると、ディスプレイ30には、テープのように見える長手のオブジェクト(To)が表示される。また、オブジェクト(To)と交差するスライドが使用者によって行われると、プロセッサ24は、ロック状態を解除する。
【効果】ロック状態を解除するためのタッチ操作がオブジェクト(To)の表示によって促されるため、ロック状態の解除方法が、使用者が利用する言語に関係なく伝えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末、ロック状態解除プログラムおよびロック状態解除方法に関し、特にロック状態を設定することができる、携帯端末、ロック状態解除プログラムおよびロック状態解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロック状態を設定することができる携帯端末は広く知られており、この種の装置の一例が特許文献1に開示されている。この背景技術のテレビジョン受像機は、リモコンにおける任意の操作キーをロックすることができる、キーロック機能を有する。たとえば、ロックされたキーが操作されると、ロック解除手順OSD(On Screen Display)が表示部に表示される。そして、一定時間内にロック解除操作が行われると、キーロックを解除する。
【特許文献1】特開2007−13530号公報[H04N 5/445, H04Q 9/00]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1のテレビジョン受像機において、ロック解除方法が特定の言語で表示された場合、使用者がロック解除の手順を理解できないことが考えられる。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、ロック状態解除プログラムおよびロック状態解除方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、ロック状態の解除方法を、使用者が利用する言語に関係なく伝えることができる、携帯端末、ロック状態解除プログラムおよびロック状態解除方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、タッチパネルおよびタッチパネルへの接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末であって、ロック状態が設定されているときにオブジェクトを表示する表示部、タッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作が行われたか否かを判断する判断部、および判断部がタッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作が行われたと判断されたとき、ロック状態を解除する解除部を備える、携帯端末である。
【0008】
第1の発明では、携帯端末(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)は、タッチパネル(38)に対して行われる指などの接触部材による接触(タッチ操作)を検出する接触検出部(36)を有する。また、携帯端末には、タッチパネルに対する接触に基づく所定の処理(電話機能)が実行しないロック状態を設定できる。
【0009】
表示部(24,S21)は、携帯端末に上記ロック状態が設定されているときに、たとえば入力操作がされると、帯のように見えるオブジェクトを表示する。判断部(24,S27,S37)は、たとえば、帯のように見えるオブジェクトを、接触部材を移動させて交差するように移動させる操作(スライド操作)が行われたかを判断する。解除部(24,S43)は、上記のような操作が行われたと判断されたとき、ロック状態を解除する。
【0010】
第1の発明によれば、ロック状態を解除するための操作がオブジェクトの表示によって促されるため、ロック状態の解除方法を、使用者が利用する言語に関係なく伝えることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に従属し、オブジェクトは、所定の関数によって定義され、判断部は、タッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって、関数が成立するかを判断する。
【0012】
第2の発明では、オブジェクトは、たとえば一次関数によって定義される。また、判断部は、接触部材を移動させる操作における現在の座標によって、上記一次関数が成立するかを判断する。
【0013】
第2の発明によれば、オブジェクトが所定の関数によって定義されるため、オブジェクトと接触部材を移動させる操作との交差を、所定の関数に基づき容易に判断することができる。
【0014】
第3の発明は、第2の発明に従属し、オブジェクトは、第1関数および第2関数によって定義され、判断部は、タッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって、第1関数が成立するかを判断する第1判断部およびタッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって、第2関数が成立するかを判断する第2判断部を含み、解除部は、第1判断部がタッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって第1関数が成立すると判断した後に、第2判断部がタッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって第2関数が成立すると判断したとき、ロック状態を解除する。
【0015】
第3の発明では、第1関数は、長手のオブジェクトの上側の線(上境界線La)に対応している。また、第2関数は、長手のオブジェクトの下側の線(下境界線Lb)に対応している。第1判断部(24,S27)は、接触部材を移動する操作によって示される座標によって、上述した第1関数が成立するかを判断する。第2判断部(24,S37)は、現在の接触位置(タッチ位置)の座標によって、上述した第2関数が成立するかを判断する。そして、解除部は、接触部材を移動する操作の軌跡が所定の長さを持つオブジェクトを通過すると、第1関数が成立した後に、第2関数が成立するため、ロック状態を解除する。
【0016】
第3の発明によれば、ロック状態を解除するために、2つの関数を利用することで、誤操作によってロック状態が解除されないようにできる。
【0017】
第4の発明は、第3の発明に従属し、第1判断部によってタッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって第1関数が成立すると判断されたとき、オブジェクトを第1表示状態に変更する第1変更部をさらに備える。
【0018】
第4の発明では、第1変更部(24,S33,S35)は、下方向に接触部材を移動させる操作がされ、現在の接触位置の座標によって第1関数が成立すると判断されたとき、オブジェクトを、途中に切れ目が入ったかのような第1表示状態に変更する。
【0019】
第4の発明によれば、使用者は、ロック状態を解除するための操作が有効であることを知ることができる。
【0020】
第5の発明は、第3の発明または第4の発明に従属し、第2判断部によってタッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって第2関数が成立すると判断されたとき、オブジェクトを第2表示状態に変更する第2変更部をさらに備える。
【0021】
第5の発明では、第2変更部(24,S41)は、下方向に接触部材を移動させる操作がされ、その操作の軌跡がオブジェクトと交差し終えたとき、オブジェクトを、2つに分かれた第2表示状態に変更する。
【0022】
第5の発明によれば、使用者は、第2表示状態のオブジェクトを見ることで、ロック状態を解除する操作が正常に終了したことを知ることができる。
【0023】
第6の発明は、タッチパネル(38)およびタッチパネルへの接触部材の接触を検出する接触検出部(36)を有し、接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末(10)のプロセッサ(24)を、ロック状態が設定されているときにオブジェクトを表示する表示部(S21)、タッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作が行われたか否かを判断する判断部(S27,S37)、および判断部がタッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作が行われたと判断されたとき、ロック状態を解除する解除部(S43)として機能させる、ロック状態解除プログラムである。
【0024】
第6の発明でも、第1の発明と同様に、ロック状態を解除するための操作がオブジェクトの表示によって促されるため、ロック状態の解除方法を、使用者が利用する言語に関係なく伝えることができる。
【0025】
第7の発明は、タッチパネル(38)およびタッチパネルへの接触部材の接触を検出する接触検出部(36)を有し、接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末(10)のロック状態解除方法であって、ロック状態が設定されているときにオブジェクトを表示し(S21)、タッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作が行われたか否かを判断し(S27,S37)、そしてタッチパネルに対してタッチパネルに対してオブジェクトと交差するよう接触部材を接触させて移動する操作が行われたと判断されたとき、ロック状態を解除する(S43)、ロック状態解除方法である。
【0026】
第7の発明でも、第1の発明と同様に、ロック状態を解除するための操作がオブジェクトの表示によって促されるため、ロック状態の解除方法を、使用者が利用する言語に関係なく伝えることができる。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、ロック状態を解除するための操作が、オブジェクトの表示によって促されるため、ロック状態の解除方法を、使用者が利用する言語に関係なく伝えることができる。
【0028】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の電気的な構成を示す図である。
【図2】図2は図1に示す携帯電話機の外観を示す図である。
【図3】図3は図1に示す携帯電話機に設定されたロック状態を解除する手順の一例を示す図である。
【図4】図4は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【図5】図5は図1に示すプロセッサのロック状態設定処理を示すフロー図である。
【図6】図6は図1に示すプロセッサのロック状態解除処理を示すフロー図である。
【図7】図7は図1に示すディスプレイに表示されるオブジェクトの他の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図1に示すディスプレイに表示されるオブジェクトのその他の一例を示す図解図である。
【図9】図9は図1に示すディスプレイに表示されるオブジェクトのさらにその他の一例を示す図解図である。
【図10】図10は図1に示すディスプレイに表示されるオブジェクトの他の一例を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照して、この実施例の携帯電話機10は、携帯端末の一種であり、CPUまたはコンピュータと呼ばれるプロセッサ24を含む。また、このプロセッサ24には、無線通信回路14、A/D16、D/A20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34およびタッチパネル制御回路36が接続される。無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D16にはマイク18が接続され、D/A20にはアンプ(図示せず)を介してスピーカ22が接続される。また、表示ドライバ28には、ディスプレイ30が接続される。そして、タッチパネル制御回路36にはタッチパネル38が接続される。
【0031】
プロセッサ24は、制御用のICであり、携帯電話機10の全体制御を司る。また、RAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータが記録される。
【0032】
A/D16は、当該A/D16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、アンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。
【0033】
キー入力装置26は、図2(A)に示す、通話キー26a、メニューキー26bおよび終話キー26cを備える。また、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。なお、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、クリック音が鳴る。そして、使用者は、クリック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得ることができる。
【0034】
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。また、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するVRAMを含む。そして、プロセッサ24は、ディスプレイ30に表示する画像データを、このVRAMに記憶させる。
【0035】
タッチパネル38は、指などの物体(接触部材)が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式で、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル38に触れたことを検出する。また、タッチパネル38は、ディスプレイ30の画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。たとえば、タッチパネル38は、その表面を指で、押したり、撫でたり(擦ったり)、触られたりすることにより操作されると、その操作を検出する。そして、接触検出部として機能するタッチパネル制御回路36は、タッチパネル38に指が触れると、その指の位置を特定し、操作された位置を示す座標のデータをプロセッサ24に出力する。つまり、使用者は、タッチパネル38の表面を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯電話機10に入力することができる。
【0036】
ここで、使用者がタッチパネル38の表面を指で触れる操作を「タッチ」と言うことにする。一方、タッチパネル38から指を離す操作を「タッチを離す」または「リリース」と言うことにする。タッチによって示された座標を「タッチ点(第1位置)」、リリースによって示された座標を「リリース点(第2位置)」と言うことにする。また、タッチパネル38の表面を撫でる操作を「スライド」、「スライドタッチ操作」または「接触部材を接触させて移動する操作」と言うことにする。さらに、使用者がタッチパネル38の表面をタッチして、続けてリリースする操作を「タッチアンドリリース」と言うことにする。そして、タッチ、リリース、スライドおよびタッチアンドリリースなどのタッチパネル38に対して行う操作を、まとめて「タッチ操作(接触)」と言うことにする。
【0037】
なお、タッチ操作は指だけに限らず、導電体が先端に取り付けられたタッチペンなど、その他の物体によって行われてもよい。また、タッチパネル38の検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。
【0038】
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
【0039】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0040】
また、相手の電話機からの発呼信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、電話着信(着呼と言うこともある。)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。さらに、プロセッサ24は電話着信をユーザに通知するために、携帯電話機10を振動させたり、図示しないLEDを発光させたりする。
【0041】
そして、使用者が、通話キー26aを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話着信処理を実行し、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
【0042】
また、通話可能状態に移行した後に終話キー26cによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
【0043】
図2(A)は、携帯電話機10の表面の外観を示す外観図であり、図2(B)は携帯電話機10の裏面の外観を示す外観図である。図2(A)を参照して、携帯電話機10は、ストレート型の形状をしており、平面矩形の筐体Cを有する。図示しないマイク18は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたマイク18に通じる開口OP2は筐体Cの長さ方向一方の表面に設けられる。同じく、図示しないスピーカ22は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたスピーカ22に通じる開口OP1は、筐体Cの長さ方向他方の表面に設けられる。ディスプレイ30は、モニタ画面が筐体Cの表面側から見えるように取り付けられる。そして、ディスプレイ30にはタッチパネル38が設けられる。また、キー入力装置26は、通話キー26a、メニューキー26bおよび終話キー26cを含む。そして、これらのキーは筐体Cの表面に設けられる。
【0044】
たとえば、使用者は、ディスプレイ30に表示されたダイヤルキーに対して、タッチ操作を行うことで電話番号を入力し、通話キー26aによって電話発信操作を行う。そして、使用者は、通話が終了すると、終話キー26cによって通話終了操作を行う。また、使用者は、ディスプレイ30に表示されたソフトキーおよびメニューに対してタッチ操作を行うことで、メニューの選択や確定を行う。そして、使用者は、終話キー26cを長押しすることで携帯電話機10の電源をオン/オフする。
【0045】
なお、図2(A),(B)において、アンテナ12、無線通信回路14、A/D16、D/A20、プロセッサ24、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、タッチパネル制御回路36は筐体Cに内蔵されているため、図2(A),(B)では図示されない。
【0046】
ここで、携帯電話機10は、電話機能などの携帯電話機10で利用可能な機能を制限するか、またはタッチパネル制御回路36がタッチを受け付けないようにするロック機能を有している。たとえば、終話キー26cが操作されると、ディスプレイ30およびタッチパネル38の電源がオフとなるとともにロック状態が設定され、電話機能などを実行するためのタッチ操作が無効になる。さらに、ロック状態が設定された状態で、ディスプレイ30の電源がオンにされると、タッチパネル38の電源も同時にオンにされるため、タッチ操作が検出されるようになる。そして、後述するタッチ操作が行われると、ロック状態が解除される。
【0047】
まず、図3(A)を参照して、ロック状態が設定されている状態で、メニューキー26bが操作されると、ディスプレイ30の電源がオンになり、ロック画面が表示される。また、ディスプレイ30の表示領域は、状態表示領域60および機能表示領域62から構成される。状態表示領域60には、アンテナ12による電波受信状態を示すアイコン(ピクトと言うこともある。)、二次電池の残電池容量を示すアイコンおよび現在日時が表示される。そして、状態表示領域60に表示される現在時刻は、図示しないRTC(Real Time Clock)が出力する時刻情報に基づく。
【0048】
次に、機能表示領域62に表示されるロック画面は、長手のオブジェクトToが表示される。このオブジェクトToは、テープのように見える画像で示され、所定の第1関数および第2関数によって定義されている。そして、オブジェクトToと背景との境界を示す、上境界線Laおよび下境界線Lbは第1関数および第2関数と対応する。そして、使用者は、タッチパネル38に対してタッチし、軌跡がオブジェクトToと交差するようにスライドを行うと、ロック状態を解除することができる。以下、上境界線Laと下境界線Lbとを特に区別しない場合には「境界線L」と言うことにし、第1関数と第2関数とを特に区別しない場合には「関数」と言うことにする。
【0049】
図3(B)を参照して、使用者がスライドを行っているときに、現在のタッチ位置が上境界線La上に存在するようになると、オブジェクトToは切れ目が入った第1表示状態に変更される。つまり、使用者の指がオブジェクトToに触れたような状態になると、オブジェクトToはスライドによって切れ目が入ったように表示される。これにより、使用者は、ロック状態を解除するためのタッチ操作が有効であることを知ることができる。
【0050】
次に、図3(C)を参照して、さらにスライドして、現在のタッチ位置が下境界線Lb上に存在するようになると、オブジェクトToは、第1オブジェクトToaと第2オブジェクトTobとに分かれた第2表示状態に変更される。つまり、使用者によるスライドがオブジェクトToと交差し終えると、オブジェクトToはスライドによって破られたように表示される。また、2つに分かれたオブジェクトToの表示は、所定時間(たとえば、1秒)後に消去される。そして、オブジェクトToの表示が消去されるともにロック状態は解除され、図3(D)に示すように、待機状態であることを示す待機画像がディスプレイ30に表示される。したがって、使用者は、第2表示状態のオブジェクトToを見ることで、ロック状態を解除する操作が正常に終了したことを知ることができる。
【0051】
また、本実施例では、上境界線Laおよび下境界線Lbに対する指の接触は、各境界線に対応する関数に現在のタッチ位置を示す座標を代入して判断される。たとえば、現在のタッチ位置を示す座標によって第1関数が成立すれば、使用者の指が上境界線Laと接触したと判断される。また、現在のタッチ位置を示す座標によって第2関数が成立すれば、使用者の指が下境界線Lbと接触したと判断される。そして、本実施例では、スライドによって変化するタッチ位置の座標によって、第1関数と第2関数との両方が成立すれば、ロック状態が解除される。
【0052】
このように、本実施例では、ロック状態を解除するために、2つの関数を利用することで、誤操作によってロック状態の解除が行われることを防止することができる。また、オブジェクトToが所定の関数によって定義されるため、オブジェクトToとスライドとの交差を、所定の関数に基づき容易に判断することができる。
【0053】
なお、第1関数のみが成立した状態でリリースされた場合、オブジェクトToは、図3(B)に示す第1表示状態から、図3(A)に示す表示状態に戻る。
【0054】
また、タッチ点がオブジェクトToの表示範囲に含まれる場合、そのタッチを無効とする。つまり、スライドがオブジェクトToの内部から始まる場合、指が各境界線に触れてもオブジェクトToの表示状態は全く変更されず、ロック状態も解除されない。そして、このような操作がされた場合、操作が誤っていることを使用者に通知してもよい。
【0055】
また、オブジェクトToが表示される位置は、交差するスライドが行えるのであれば、図3(A)に示す位置だけに限られない。
【0056】
また、図3(B)で示される切れ目の位置は、タッチ位置に対応して表示される。つまり、タッチ位置が接触した位置に合わせて切れ目の中心が表示される。ただし、他の実施例では、タッチ位置が接触した位置に関係なく、切れ目が表示されてもよい。また、オブジェクトToの切れ目は、タッチ位置に応じて変化してもよい。たとえば、スライドの距離が短ければ切れ目は小さく表示され、スライドの距離が長くなるにつれて、切れ目も大きく表示される。
【0057】
また、他の実施例では、下境界線Lbに第1関数が対応し、上境界線Laに第2関数が対応してもよい。そして、上記実施例では、下方向スライドによってロック状態が解除されたが、上方向のスライドによってロック状態が解除されるようになる。この場合、下境界線Lb上に存在するようになると、図3(B)に示す切れ目は上下が反転して表示される。ただし、その他の実施例では、成立する関数の順番を定義することで、誤操作を防止してもよい。たとえば、その他の実施例では、下方向のスライドによってされ、軌跡がオブジェクトToと交差したとしても、ロック状態が解除されないように出来る。
【0058】
また、本実施例では、タッチパネル制御回路36およびタッチパネル38の電源をオフにすることで、タッチを無効にしている。したがって、携帯電話機10の消費電力がより抑えられる。ただし、他の実施例では、タッチパネル制御回路36およびタッチパネル38の電源をオフにすることなく、プロセッサ24が入力されたタッチ座標を無視する処理を実行することで、タッチが無効にされてもよい。
【0059】
図4は、RAM34のメモリマップ300を示す図である。RAM34のメモリマップ300には、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。
【0060】
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムは、ロック状態設定プログラム310およびロック状態解除プログラム312などから構成されている。ロック状態設定プログラム310は、携帯電話機10にロック状態を設定するためのプログラムである。ロック状態解除プログラム312は、携帯電話機10に設定されたロック状態を解除するためのプログラムである。
【0061】
なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、電話着信状態を通知するためのプログラムおよび通話状態を確立するためのプログラムなどが含まれる。
【0062】
データ記憶領域304には、タッチバッファ330および交差演算バッファ332などが設けられるとともに、タッチ座標マップデータ334、オブジェクトデータ336および境界関数データ338などが記憶される。また、データ記憶領域304には、ロックフラグ340および無操作カウンタ342なども設けられる。
【0063】
タッチバッファ330には、タッチパネル制御回路36から出力されるタッチ点を示す座標、リリース点を示す座標、現在のタッチ位置を示す座標およびスライドによる軌跡を表す複数の座標が一時的に記憶される。交差演算バッファ332には、スライドによって示される現在のタッチ位置の座標を、第1関数および第2関数に代入する演算が実行されたときに利用されるバッファである。
【0064】
タッチ座標マップデータ334は、タッチ操作におけるタッチ座標と、ディスプレイ30の表示座標とを対応付けるためのデータである。つまり、プロセッサ24は、タッチ座標マップデータ334に基づいて、タッチパネル38に対して行われたタッチ操作の結果を、ディスプレイ30の表示に対応づける。オブジェクトデータ336は、ディスプレイ30に表示される、オブジェクトToの画像データである。境界関数データ338は、上境界線Laに対応する第1関数および下境界線Lbに対応する第2関数を示すデータである。なお、境界関数データ338は、ディスプレイ30に表示されるオブジェクトの形状および位置によって変化する。
【0065】
ロックフラグ340は、ロック状態が設定されているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、ロックフラグ340は、1ビットのレジスタで構成される。ロックフラグ340がオン(成立)にされると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、ロックフラグ340がオフ(不成立)にされると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。
【0066】
無操作カウンタ342は、一定時間(たとえば、60秒)を計測するためのカウンタであり、初期化されるとカウントを開始する。また、無操作カウンタ342は無操作タイマとも呼ばれ、無操作タイマが実行されると、無操作カウンタ342は初期化されてカウントを開始する。そして、無操作タイマは、キー操作またはタッチ操作が行われる毎に初期化される。
【0067】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、RTCが出力するデータを一時的に記憶するバッファや、GUIを表示するための画像データなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0068】
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図5に示すロック状態設定処理および図6に示すロック状態解除処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0069】
図5はロック状態設定処理のフロー図である。たとえば、携帯電話機10の電源がオンにされると、プロセッサ24はステップS1で、操作がされていないか否かを判断する。つまり、プロセッサ24は、タッチ操作やキー操作が一定時間行われなかったため、無操作タイマが満了したか否かを判断する。ステップS1で“YES”であれば、たとえば60秒間、タッチ操作およびキー操作がされなければ、プロセッサ24はステップS5に進む。一方、ステップS1で“NO”であれば、つまり無操作タイマが満了していなければ、プロセッサ24はステップS3で、ロック状態を設定する操作がされたか否かを判断する。たとえば、プロセッサ24は、終話キー26cが操作されたか否かを判断する。ステップS3で“NO”であれば、つまりロック状態を設定する操作がされなければ、プロセッサ24はステップS1に戻る。
【0070】
一方、ステップS3で“YES”であれば、つまりロック状態を設定する操作がされれば、プロセッサ24はステップS5で、ディスプレイ30の電源をオフにする。つまり、プロセッサ24は、ディスプレイ30の電源をオフにする命令を、電源回路に出す。続いて、プロセッサ24は、ステップS7でロック状態を設定し、ロック状態設定処理を終了する。つまり、プロセッサ24は、ステップS7で、ロックフラグ340をオフに設定する。
【0071】
なお、他の実施例では、ロック状態が設定されてからディスプレイ30の電源がオフにされてもよい。この場合、図5のロック状態設定処理では、ステップS5とステップS7との順番が入れ替わる。つまり、他の実施例では、ステップS7の処理が実行されてからステップS5の処理が実行される。
【0072】
図6はロック状態解除処理のフロー図である。たとえば、ロック状態が設定されているときにメニューキー26bが操作されると、プロセッサ24はステップS21で、ロック画面を表示する。つまり、プロセッサ24は、ディスプレイ30の電源をオンにする命令を出した後に、図3(A)に示すロック画面をディスプレイ30に表示する。なお、ステップS21の処理を実行するプロセッサ24は表示部として機能する。
【0073】
続いて、プロセッサ24は、ステップS23でタッチされたか否かを判断する。つまり、タッチパネル制御回路36によってタッチが検出されたか否かを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまりタッチパネル制御回路36によってタッチが検出されていなければ、プロセッサ24はステップS23の処理を繰り返し実行する。
【0074】
また、ステップS23で“YES”であれば、つまりタッチパネル制御回路36によってタッチが検出されていれば、プロセッサ24はステップS25で、スライドされたか否かを判断する。たとえば、プロセッサ24は、タッチバッファ330から前回検出されたタッチ位置の座標と今回検出されたタッチ位置の座標とを読み出し、その2つの座標が異なるか否かを判断する。ステップS25で“NO”であれば、つまりスライドされなければ、プロセッサ24はステップS29に進む。一方、ステップS25で“YES”であれば、つまりスライドされると、プロセッサ24はステップS27で、スライドオブジェクトToと交差し始めたか否かを判断する。たとえば、プロセッサ24は、タッチバッファ330から現在のタッチ位置を示す座標を読み出し、境界関数データ338から第1関数および第2関数を読み出し、読み出した座標によって第1関数または第2関数が成立するか否かを判断する。そして、ステップS27の処理が実行される毎に、交差演算バッファ332に演算結果が格納される。
【0075】
ステップS27で“NO”であれば、たとえば現在のタッチ位置がオブジェクトToと離れた位置であり、タッチ位置を示す座標によって第1関数が成立しなければ、プロセッサ24はステップS29で、リリースされたか否かを判断する。つまり、タッチパネル38から指が離されたか否かを判断する。また、ステップS29で“NO”であれば、つまりタッチパネル38にタッチされたままであれば、プロセッサ24はステップS25に戻る。一方、ステップS29で“YES”であれば、つまりタッチパネル38から指が離されれば、プロセッサ24はステップS23に戻る。
【0076】
また、ステップS27で“YES”であれば、つまり現在のタッチ位置がオブジェクトToの上境界線Laまたは下境界線Lb上に存在していれば、プロセッサ24はステップS31で上から交差し始めたか否かを判断する。つまり、プロセッサ24は、現在のタッチ位置を示す座標によって、上境界線Laと対応する第1関数が成立したか否かを判断する。ステップS31で“YES”であれば、たとえば、図3(B)に示すように、スライドがオブジェクトToの上から交差し始めていれば、プロセッサ24はステップS33で、オブジェクトToの表示を上から破れている状態(第1表示状態)に変更し、ステップS37に進む。たとえば、プロセッサ24は、図3(B)に示すように、上からの切れ目が入ったオブジェクトToを、ディスプレイ30に表示する。
【0077】
一方、ステップS31で“NO”であれば、つまり現在のタッチ位置を示す座標によって下境界線Lbと対応する第2関数が成立していれば、プロセッサ24はステップS35で、オブジェクトToの表示を、下から破れている状態(第1表示状態)に変更し、ステップS37に進む。つまり、プロセッサ24は、下から切れ目が入ったオブジェクトToを、ディスプレイ30に表示する。なお、ステップS33またはステップS35の処理を実行するプロセッサ24は第1変更部として機能する。
【0078】
続いて、プロセッサ24は、ステップS37で、スライドがオブジェクトToと交差し終えたか否かを判断する。たとえば、上境界線Laに対応する第1関数が既に成立していれば、プロセッサ24は現在のタッチ位置を示す座標によって下境界線Lbと対応する第2関数が成立するか否かを判断する。なお、ステップS27,S37の処理を実行するプロセッサ24は判断部として機能する。また、特に、ステップS27の処理を実行するプロセッサ24は第1判断部として機能し、ステップS37の処理を実行するプロセッサ24は第2判断部として機能する。
【0079】
ステップS37で“NO”であれば、たとえばタッチ位置を示す座標によって下境界線Lbと対応する第2関数が成立しなければ、プロセッサ24はステップS39で、リリースされたか否かを判断する。つまり、プロセッサ24は、ステップS29と同様、タッチパネル38から指が離されたか否かを判断する。ステップS39で“NO”であれば、つまり現在のタッチ位置がオブジェクトToの表示座標内に含まれていれば、プロセッサ24はステップS37に戻る。一方、ステップ39で“YES”であれば、つまりスライドの軌跡がオブジェクトToと交差し終える前にスライドが中断されると、プロセッサ24はステップS21に戻る。たとえば、オブジェクトToが図3(B)に示す第1表示状態であれば、オブジェクトToは図3(A)に示す状態に戻される。
【0080】
また、ステップS37で“YES”であれば、たとえば現在のタッチ位置によって下境界線Lbと対応する第2関数が成立すれば、プロセッサ24はステップS41で、オブジェクトToの表示を、完全に破れた状態(第2表示状態)に変更する。つまり、プロセッサ24は、図3(C)のように、2つに分かれたオブジェクトToaおよびオブジェクトTobを、ディスプレイ30に表示する。なお、ステップS41の処理を実行するプロセッサ24は第2変更部として機能する。
【0081】
続いて、プロセッサ24は、ステップS43で、ロック状態を解除し、ロック状態解除処理を終了する。つまり、プロセッサ24は、ロックフラグ340をオフにする。なお、ステップS43の処理を実行するプロセッサ24は解除部として機能する。
【0082】
以上の説明から分かるように、携帯電話機10は、タッチ操作を検出するタッチパネル36を有している。また、携帯電話機10には、タッチ操作によって携帯電話機に備えられた所定の機能が実行されないように制限するロック状態を設定することができる。そして、ロック状態が設定されている場合、ロック状態の解除に関するタッチ操作は検出される。たとえば、ロック状態が設定されている状態で、キー入力操作がされると、ディスプレイ30には、テープのように見える長手のオブジェクトToが表示される。また、オブジェクトToと交差するスライドが使用者によって行われると、プロセッサ24は、ロック状態を解除する。
【0083】
このように、ロック状態を解除するためのタッチ操作がオブジェクトToの表示によって促されるため、ロック状態の解除方法を、使用者が利用する言語に関係なく伝えることができる。
【0084】
なお、本実施例では、オブジェクトToの境界線Lは直線で表されていたが、他の実施例では、曲線であってもよいし頂点を含んでいてもよい。つまり、各境界線Lに対応する関数は一次関数だけに限らず、多種多様な関数が対応してもよい。たとえば、図7に示すように、境界線Lが曲線の場合、各境界線Lには三次関数またはサイン、コサインなどの三角関数が対応する。また、図8に示すように、境界線Lが頂点を複数もつ三角波の場合、各境界線Lには三角形関数が対応する。
【0085】
また、オブジェクトToを構成する2つの境界線Lは必ずしも平行である必要はない。たとえば、図9に示す上境界線Laと下境界線Lbとのように、交点を持つ2つの関数が2つの境界線Lに対応してもよい。
【0086】
また、他の実施例では、オブジェクトToは、帯状ではなく、三角形や円などの図形で示されてもよい。
【0087】
また、他の実施例では、複数のオブジェクトToが表示されてもよい。そして、複数のオブジェクトToが表示される場合には、全てのオブジェクトToと交差するようにスライドされると、ロック状態が解除される。たとえば、図10(A)−(E)を参照して、ディスプレイ30には、オブジェクトTo1およびオブジェクトTo2が表示される。また、各オブジェクトToの上境界線Laおよび下境界線Lbは、第1関数および第2関数で定義される。
【0088】
次に、図10(B)に示すように、スライドの位置が上境界線La1に接触するとオブジェクトTo1に切れ目が入る。また、スライドがさらに続けられ、現在の位置が下境界線Lb1に接触すると、オブジェクトToは、図10(C)のように、オブジェクトTo1aとオブジェクトTo1bとに分かれる。
【0089】
ここで、使用者が指をリリースせずにさらにスライドを続けると、図10(D)に示すように、オブジェクトTo2に切れ目が入り、図10(E)に示すようにオブジェクトTo2がオブジェクトTo2aとオブジェクトTo2bとに分かれる。そして、2つのオブジェクトToが破れた表示になると、ロック状態が解除される。
【0090】
このように、2本のオブジェクトToが同時に表示される場合、全てのオブジェクトToと交差するスライド操作が行われなければ、ロック状態は解除されない。
【0091】
ただし、図10(C)の状態では、2つに分かれたオブジェクトToの表示は、使用者の操作が正しく行われていることを通知するために消去されてもよい。また、図10(C)の表示がされたまま、スライドが全く移動しなかったり、リリースされたりした場合は、誤操作の可能性が高いため、2つのオブジェクトToの表示は、図10(A)の状態に戻される。
【0092】
また、他の実施例では、ロック状態が設定されていることを明確にするために、ロック画面では、図3(D)に示す待機画面に対して、オブジェクトToを重ねて表示してもよい。この場合、初めて本携帯電話機10を利用する使用者であっても、使用者が利用する言語に関わらず、オブジェクトToに対するスライドを行いやすくなる。
【0093】
また、他の実施例では、使用者がタッチした位置に合わせてハサミやナイフなどの刃物を示すアイコンを表示し、オブジェクトToに対するスライドを促すようにしてもよい。
【0094】
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W-CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。さらに、ディスプレイ30にはLCDモニタが利用されるが、有機ELパネルなどの他の表示装置が利用されてもよい。
【0095】
また、ロック状態設定プログラム310およびロック状態制御プログラム312は、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blu-ray Disc)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体にこれらのプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、ロック状態設定プログラム310およびロック状態制御プログラム312が、本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られてもよい。
【0096】
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)などに適用されてもよい。
【0097】
そして、本明細書中で挙げた、一定時間および所定時間などの具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 … 携帯電話機
12 … アンテナ
14 … 無線通信回路
24 … プロセッサ
26 … キー入力装置
34 … RAM
36 … タッチパネル制御回路
38 … タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルおよび前記タッチパネルへの接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、前記接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末であって、
前記ロック状態が設定されているときにオブジェクトを表示する表示部、
前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作が行われたか否かを判断する判断部、および
前記判断部が前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作が行われたと判断されたとき、前記ロック状態を解除する解除部を備える、携帯端末。
【請求項2】
前記オブジェクトは、所定の関数によって定義され、
前記判断部は、前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって、前記関数が成立するかを判断する、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記オブジェクトは、第1関数および第2関数によって定義され、
前記判断部は、前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって、前記第1関数が成立するかを判断する第1判断部および前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって、前記第2関数が成立するかを判断する第2判断部を含み、
前記解除部は、前記第1判断部が前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって前記第1関数が成立すると判断した後に、前記第2判断部が前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって前記第2関数が成立すると判断したとき、前記ロック状態を解除する、請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第1判断部によって前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって前記第1関数が成立すると判断されたとき、前記オブジェクトを第1表示状態に変更する第1変更部をさらに備える、請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第2判断部によって前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作によって示される座標によって前記第2関数が成立すると判断されたとき、前記オブジェクトを第2表示状態に変更する第2変更部をさらに備える、請求項3または4記載の携帯端末。
【請求項6】
タッチパネルおよび前記タッチパネルへの接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、前記接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末のプロセッサを、
前記ロック状態が設定されているときにオブジェクトを表示する表示部、
前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作が行われたか否かを判断する判断部、および
前記判断部が前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作が行われたと判断されたとき、前記ロック状態を解除する解除部として機能させる、ロック状態解除プログラム。
【請求項7】
タッチパネルおよび前記タッチパネルへの接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、前記接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末のロック状態解除方法であって、
前記ロック状態が設定されているときにオブジェクトを表示し、
前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作が行われたか否かを判断し、そして
前記タッチパネルに対して前記タッチパネルに対して前記オブジェクトと交差するよう前記接触部材を接触させて移動する操作が行われたと判断されたとき、前記ロック状態を解除する、ロック状態解除方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−70297(P2012−70297A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214693(P2010−214693)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】