説明

携帯端末、制御方法、制御システムおよびプログラム

【課題】一時的な通信障害による認証異常を許容し、不要な機能抑制を防止する携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末100は、認証情報を内包する認証信号をICカードから間欠的に受け付け、認証情報を取得する認証情報取得部11と、取得された認証情報に基づいてICカードとの認証処理を実行する認証処理部12と、認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やし、認証処理が正常に処理されるとき、カウント値をクリアするカウント部13と、カウント値がしきい値を超えたとき、携帯端末100が有する機能のうち少なくとも一つを抑制する機能抑制部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、制御方法、制御システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表される携帯端末装置には、種々の個人情報が集約されている。それに伴い、携帯端末装置に記憶される情報の漏洩防止に関する技術が種々開発されている。
【0003】
この種の技術として、特許文献1(特開2007−300587号公報)には次のような携帯端末が記載されている。この携帯端末は、ICカードから識別情報を取得して認証処理を行い、認証処理により異常と判定されたとき、携帯端末の使用を不能にすることができる。これにより、この携帯端末が紛失や盗難等のためICカードと通信できない領域に持ち出されたとき、第三者の不正使用を防止することができる。
【特許文献1】特開2007−300587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記技術は、携帯端末がICカードと通信可能な領域に位置しているにも関わらず、一時的な通信障害等によって認証処理が異常と判定され、携帯端末の使用が制限されるという問題点があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一時的な認証異常を許容し、不要な機能抑制を防止する携帯端末、制御方法、制御システムおよびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、認証情報を記憶しているICカードと通信可能な携帯端末であって、前記認証情報を内包する認証信号を前記ICカードから間欠的に受け付け前記認証情報を取得する認証情報取得手段と、取得された前記認証情報に基づいて認証処理を実行する認証処理手段と、前記認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やし、前記認証処理が正常に処理されるとき、前記カウント値をクリアするカウント手段と、前記カウント値がしきい値を超えたとき、前記携帯端末が有する機能のうち少なくとも一つを抑制する機能抑制手段と、を備えることを特徴とする携帯端末が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、認証情報を記憶しているICカードと通信可能な携帯端末を制御する制御方法であって、前記認証情報を内包する認証信号を前記ICカードから間欠的に受け付け、前記認証情報を取得する認証情報取得ステップと、取得された前記認証情報に基づいて前記ICカードとの認証処理を実行する認証処理ステップと、前記認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やすカウントステップと、前記認証処理が正常に処理されるとき、前記カウント値をクリアするカウントクリアステップと、前記カウント値がしきい値を超えたとき、前記携帯端末が有する機能を抑制する機能抑制ステップと、を備えることを特徴とする制御方法が提供される。
【0008】
さらに、本発明によれば、認証情報を記憶しているICカードと、前記ICカードと通信可能な携帯端末と、を備え、前記携帯端末は、間欠的に前記ICカードから前記認証情報を内包する認証信号を受け付け、前記認証情報を取得する認証情報取得手段と、取得された前記認証情報に基づいて前記ICカードとの認証処理を実行する認証処理手段と、前記認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やし、前記認証処理が正常に処理されるとき、前記カウント値をクリアするカウント手段と、前記経過時間または前記異常判定回数のうち少なくとも一方がしきい値を超えたとき、前記携帯端末が有する機能を抑制する機能抑制手段と、を含むことを特徴とする制御システムが提供される。
【0009】
さらに、本発明によれば、認証情報を記憶しているICカードと通信可能な携帯端末が備えるプロセッサに実行させるプログラムであって、前記認証情報を内包する認証信号を前記ICカードから間欠的に受け付け、前記認証情報を取得する認証情報取得処理と、取得された前記認証情報に基づいて前記ICカードとの間で実行される認証処理と、前記認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やすカウント処理と、前記認証処理が正常に処理されるとき、前記カウント値をクリアするカウントクリア処理と、前記カウント値がしきい値を超えたとき、前記携帯端末が有する機能を抑制する機能抑制処理と、をプロセッサに実行させることを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、認証処理において正常に処理されなくても、カウント値がしきい値を超えるまで、機能を抑制しないので、一時的な通信障害による認証異常を許容することができる。また、本発明は、認証処理において正常に処理されたとき、カウント値をクリアするので、断続的に発生する認証異常を許容することができる。
【0011】
本発明によれば、一時的な認証異常を許容し、不要な機能抑制を防止する携帯端末、制御方法、制御システムおよびプログラムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態の携帯端末とICカードとを備えた制御システムの構成図である。
【0014】
制御システム1000は、認証情報を記憶しているICカード200と、ICカード200と通信可能な携帯端末100と、を備えることができる。
【0015】
本実施形態においてICカード200は非接触型ICカードであってもよく、電磁波を用いて携帯端末100と無線接続可能であってもよい。
【0016】
また、この無線通信の方式や用いられる電磁波の周波数帯は、いずれでもよく、適宜選択可能である。
【0017】
また、携帯端末100は、無線基地局300との間で無線通信可能であってもよい。そして、無線基地局300を介してネットワーク400に接続してもよい。なお、ネットワーク400は、インタネット回線でもよく、電話回線網であってもよく、これらを組み合わせたネットワークであってもよい。
【0018】
図2は、本実施形態の携帯端末の構成図である。
【0019】
上述のように携帯端末100は、認証情報を記憶しているICカード200と通信可能である。そして、携帯端末100は、認証情報を内包する認証信号をICカード200から間欠的に受け付け、認証情報を取得する認証情報取得部11を備えてもよい。また、携帯端末100は、取得された認証情報に基づいてICカード200との認証処理を実行する認証処理部12を備えてもよい。さらに、携帯端末100は、認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やし、認証処理が正常に処理されるとき、カウント値をクリアするカウント部13を備えてもよい。さらに、携帯端末100は、カウント値がしきい値を超えたとき、携帯端末100が有する機能のうち少なくとも一つを抑制する機能抑制部14を備えてもよい。
【0020】
認証情報取得部11、認証処理部12、カウント部13および機能抑制部14は、データ処理部1に内包されてもよい。
【0021】
さらに、携帯端末100は、ICカード200を含む多様な非接触ICカードとの無線通信においてアンテナとして機能するICカードアンテナ部2を備えてもよい。
【0022】
さらに、携帯端末100は、ユーザの操作入力を受け付ける操作入力部3を備えてもよい。操作入力部3は、キーを押下する方式でもよく、タッチパネル方式でもよい。
【0023】
さらに、携帯端末100は、ユーザに対して操作画面等を表示する表示部4を備えてもよい。
【0024】
さらに、携帯端末100は、データ処理部1が処理したデータや変数等を記憶する記憶部5を備えてもよい。また、データ処理部1は記憶部5に記憶されているプログラム等を読み込み、実行してもよい。
【0025】
さらに、携帯端末100は、無線基地局300との無線通信においてアンテナとして機能する無線通信アンテナ部6を備えてもよい。
【0026】
データ処理部1に内包される構成の全部または一部は、ハードウェアで実現されてもよい。あるいは、プロセッサに処理を実行させるプログラム(またはプログラムコード)で実現されてもよい。本実施形態において、プロセッサはデータ処理部1であってもよく、記憶媒体は記憶部5であってもよい。
【0027】
データ処理部1に内包される構成がプログラムによって実現される場合、このプログラムは、認証情報を記憶しているICカード200と通信可能な携帯端末100が備えるデータ処理部1(プロセッサ)に実行させてもよい。そして、このプログラムは、認証情報を内包する認証信号をICカード200から間欠的に受け付け、認証情報を取得する認証情報取得処理をデータ処理部1に実行させてもよい。また、このプログラムは、取得された認証情報に基づいてICカード200との間で実行される認証処理をデータ処理部1に実行させてもよい。さらに、このプログラムは、認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やすカウント処理をデータ処理部1に実行させてもよい。さらに、このプログラムは、認証処理が正常に処理されるとき、カウント値をクリアするカウントクリア処理をデータ処理部1に実行させてもよい。さらに、このプログラムは、カウント値がしきい値を超えたとき、携帯端末100が有する機能を抑制する機能抑制処理をデータ処理部1に実行させてもよい。
【0028】
認証情報取得部11において、認証信号を受け付ける時間間隔は等間隔であってもよく、そうでなくてもよい。
【0029】
認証処理部12が実行する上記認証処理の方式はいずれでもよい。例えば、携帯端末100とICカード200とに対して定められた特有の識別情報が認証情報に含まれており、認証処理部12は所定時間ごとに受け付けた認証信号に内包される識別情報を取得して、携帯端末100に記憶している識別情報と照合して一致したとき、認証処理を正常に処理可能としてもよい。また、認証処理部12は、上記所定時間内に当該識別情報を取得できないときに認証異常としてもよく、取得した識別情報が携帯端末100に記憶している識別情報と照合して一致しないときに認証異常としてもよい。
【0030】
カウント部13は、認証異常の回数をカウントしてもよく、認証異常が発生してからの経過時間をカウントしてもよい。また、カウント部13は、認証異常の回数および認証異常が発生してからの経過時間の双方をカウントしてもよい。
【0031】
機能抑制部14は、カウント部13がカウントしたカウント値がしきい値を超えたとき、携帯端末100が有する機能を抑制してもよい。なお、しきい値は複数回の認証異常を許容する値とする方が望ましい。カウント部13が認証異常の回数をカウントしている場合、しきい値は少なくとも2以上の整数であることが望ましい。カウント部13が、認証異常が発生してからの経過時間をカウントしている場合、認証情報取得部11が認証信号を複数回受け付けることが可能な時間をしきい値とすることが望ましい。
【0032】
機能抑制部14が、携帯端末100が有する機能を抑制するとは、具体的には以下のようなことが挙げられる。たとえば、携帯端末100は、電源をオフにされてもよい。また、操作入力部3は、ユーザの操作入力受付をロックされてもよい。さらに、表示部4は、全てまたは一部の画面表示ができなくなってもよい。さらに、記憶部5に記憶されている全てまたは一部のデータの閲覧または編集ができなくなってもよい。ここに挙げた事例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0033】
以上の構成によって、携帯端末100は、認証処理において正常に処理されなくても、カウント値が一方がしきい値を超えるまで、携帯端末100が有する機能を抑制しないので、一時的な通信障害による認証異常を許容することができる。また、携帯端末100は、認証処理において正常に処理されたとき、カウント値をクリアするので、断続的に発生する認証異常を許容することができる。
【0034】
なお、本実施形態の携帯端末100は、以下のような構成を追加してもよい。または、上述した構成は、以下のような処理をさらに実行してもよい。
【0035】
機能抑制部14は、カウント値がしきい値を超えたとき、携帯端末100が異常状態にあることを示すアラーム情報を生成してもよい。そして、携帯端末100は、アラーム情報に基づいて生成されたアラーム信号を送信するアラーム信号送信部15を備えてもよい。
【0036】
この場合、アラーム信号送信部15はアラーム信号を、無線基地局300を介して、ネットワーク400に接続される装置のいずれに送信してもよい。例えば、携帯端末100を提供している企業に設置されている管理サーバ(図示せず)に送信されてもよく、ユーザの自宅や勤務先に設置されている固定端末(図示せず)に送信されてもよい。また、アラーム信号の出力方式は、電子メール、ファックスおよび電話のうちいずれでもよく、これらを組み合わせてもよい。
【0037】
これにより、カウント値がしきい値を超えたとき、携帯端末100を提供する企業やユーザに携帯端末100が異常状態にあることを通知することができる。
【0038】
さらに、通話機能を有している携帯端末100において、機能抑制部14が通話機能をロックすることができてもよい。この場合、通話中であれば(通話機能が動作しているとき)、通話機能をロック(抑制)しなくてもよい。通話機能以外でも、メールの閲覧、編集またはゲームのプレイ等、ユーザの操作入力を継続的に要する機能が動作しているときは、機能抑制部14は当該機能を抑制しなくてもよい。
【0039】
これにより、ユーザが機能を使用している最中に、その機能が抑制されることを防ぐことができる。
【0040】
さらに、ICカードアンテナ部2を用いて電子マネー取引を行う電子マネー機能を有している携帯端末100において、機能抑制部14が電子マネー機能をロックすることができてもよい。この場合、機能抑制部14は、電子マネー機能が動作しているとき、しきい値を大きくしてもよい。電子マネー機能以外でも、無線通信を要する機能が動作しているときは、機能抑制部14はしきい値を大きくしてもよい。
【0041】
本実施形態のICカード200以外の非接触ICカード、または本実施形態の認証処理以外に用いられるICカードリーダ(図示せず)との通信にICカードアンテナ部2が用いられる場合、ノイズが大きくなるので、認証情報が正常に伝達されない恐れがある。よって、このような通信を必要とする機能が動作しているときは、しきい値を大きくすることにより、機能抑制部14が不要に機能を抑制することを防ぐことができる。
【0042】
さらに、携帯端末100は、ユーザの操作入力によりしきい値を任意の値に設定するしきい値入力部16を備えてもよい。
【0043】
これにより、ユーザは携帯端末100の使用環境に応じて、しきい値を任意に設定することができる。
【0044】
図3は、本実施形態の携帯端末を制御する制御方法を表すフローチャートである。
【0045】
本実施形態の制御方法は、認証情報を記憶しているICカード200と通信可能な携帯端末100を制御する制御方法である。本実施形態の制御方法は、認証情報を内包する認証信号をICカード200から間欠的に受け付け認証情報を取得する認証情報取得ステップ(ステップS102)を備えてもよい。また、本実施形態の制御方法は、取得された認証情報に基づいてICカード200との認証処理を実行する認証処理ステップ(ステップS103)を備えてもよい。さらに、本実施形態の制御方法は、認証処理が正常に処理されないとき(ステップS104のNO)、カウント値を増やすカウントステップ(ステップS105)を備えてもよい。さらに、本実施形態の制御方法は、認証処理が正常に処理されるとき(ステップS104のYES)、カウント値をクリアするカウントクリアステップ(ステップS106)を備えてもよい。さらに、本実施形態の制御方法は、カウント値がしきい値を超えたとき(ステップS107のYES)、携帯端末100が有する機能を抑制する機能抑制ステップ(ステップS108)を備えてもよい。
【0046】
さらに、本実施形態の制御方法は、カウントクリアステップ(ステップS106)から認証情報取得ステップ(ステップS102)に移行してもよい。
【0047】
さらに、本実施形態の制御方法は、カウント値がしきい値を超えないとき(ステップS107のNO)、認証情報取得ステップ(ステップS102)に移行してもよい。
【0048】
以上のステップによって、本実施形態の制御方法は、認証処理において正常に処理されなくても、カウント値が一方がしきい値を超えるまで、携帯端末100が有する機能を抑制しないので、一時的な通信障害による認証異常を許容することができる。また、本実施形態の制御方法は、認証処理において正常に処理されたとき、カウント値をクリアするので、断続的に発生する認証異常を許容することができる。
【0049】
なお、本実施形態の制御方法は、以下のようなステップを追加してもよい。または、上述したステップは、以下のような処理をさらに実行してもよい。
【0050】
機能制御ステップ(ステップS108)は、カウント値がしきい値を超えたとき、携帯端末100が異常状態にあることを示すアラーム情報を生成してもよい。この場合、本実施形態の制御方法は、アラーム情報に基づいて生成されたアラーム信号を送信するアラーム信号送信ステップ(ステップS109)を備えてもよい。
【0051】
機能制御ステップ(ステップS108)は、携帯端末100が有する機能のうち第1の機能(例えば通話機能)が動作しているとき、第1の機能(通話機能)を抑制しなくてもよい。
【0052】
機能制御ステップ(ステップS108)は、携帯端末100が有する機能のうち第2の機能(例えば電子マネー機能)が動作しているとき、しきい値を大きくしてもよい。
【0053】
本実施形態の制御方法は、ユーザの操作入力によりしきい値を任意の値に設定するしきい値入力ステップ(ステップS101)を備えてもよい。
【0054】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0055】
図2では、認証情報取得部11がデータ処理部1に内包され、ICカードアンテナ部2がデータ処理部1に接続している構成としている。しかし、認証情報取得部11は、データ処理部1に内包されず、ICカードアンテナ部2と一体的な構成としてもよい。この場合、データ処理部1(認証処理部12)は認証情報取得部11から認証情報を取得してもよい。
【0056】
機能抑制部14が、携帯端末100が有するいずれかの機能が動作しているとき、動作中の機能を抑制しないことを上述した。この場合、図2には図示していないが、携帯端末100はユーザが任意に当該機能を選択できる手段を備えてもよい。
【0057】
機能抑制部14が、携帯端末100が有するいずれかの機能が動作しているとき、しきい値を大きくすることを上述した。この場合、図2には図示していないが、携帯端末100はユーザが任意に当該機能を選択できる手段を備えてもよい。
【0058】
また、図3に記載の制御方法は、しきい値入力ステップ(ステップS101)を認証情報取得ステップ(ステップS102)の前に実行するように記載されている。しかし、しきい値入力ステップ(ステップS101)を実行する順序は、他のステップの処理と相反しない範囲で変更可能である。
【0059】
さらに、図3に記載の制御方法は、カウントクリアステップ(ステップS106)から認証情報取得ステップ(ステップS102)に移行するように記載されている。しかし、カウントクリアステップ(ステップS106)が実行された後、制御方法は終了としてもよい。
【0060】
さらに、図3に記載の制御方法は、カウント値がしきい値を超えないとき(ステップS107のNO)、認証情報取得ステップ(ステップS102)に移行するように記載されている。しかし、カウント値がしきい値を超えないとき(ステップS107のNO)、制御方法は終了としてもよい。
【0061】
認証情報取得ステップ(ステップS102)は、間欠的に認証信号を受け付け、認証情報を取得する。よって、他のステップから積極的に認証情報取得ステップ(ステップS102)へ移行しなくても、制御方法は認証処理を繰り返すことができる。
【0062】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各構成要素の機能などを具体的に説明したが、その機能などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態の携帯端末とICカードとを備えた制御システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の携帯端末の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の携帯端末を制御する制御方法を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 データ処理部
2 ICカードアンテナ部
3 操作入力部
4 表示部
5 記憶部
6 無線通信アンテナ部
11 認証情報取得部
12 認証処理部
13 カウント部
14 機能抑制部
15 アラーム信号送信部
16 しきい値入力部
100 携帯端末
200 ICカード
300 無線基地局
400 ネットワーク
1000 制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証情報を記憶しているICカードと通信可能な携帯端末であって、
前記認証情報を内包する認証信号を前記ICカードから間欠的に受け付け、前記認証情報を取得する認証情報取得手段と、
取得された前記認証情報に基づいて前記ICカードとの認証処理を実行する認証処理手段と、
前記認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やし、前記認証処理が正常に処理されるとき、前記カウント値をクリアするカウント手段と、
前記カウント値がしきい値を超えたとき、前記携帯端末が有する機能のうち少なくとも一つを抑制する機能抑制手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記機能抑制手段は、前記カウント値が前記しきい値を超えたとき、前記携帯端末が異常状態にあることを示すアラーム情報を生成する請求項1に記載の携帯端末において、
前記アラーム情報に基づいて生成されたアラーム信号を送信するアラーム信号送信手段をさらに備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯端末において、
前記機能抑制手段は、前記機能のうち第1の機能が動作しているとき、前記第1の機能を抑制しないことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載の携帯端末において、
前記機能抑制手段は、前記機能のうち第2の機能が動作しているとき、前記しきい値を大きくすることを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかに記載の携帯端末において、
ユーザの入力した任意の値を前記しきい値とするしきい値入力手段を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
認証情報を記憶しているICカードと通信可能な携帯端末を制御する制御方法であって、
前記認証情報を内包する認証信号を前記ICカードから間欠的に受け付け、前記認証情報を取得する認証情報取得ステップと、
取得された前記認証情報に基づいて前記ICカードとの認証処理を実行する認証処理ステップと、
前記認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やすカウントステップと、
前記認証処理が正常に処理されるとき、前記カウント値をクリアするカウントクリアステップと、
前記カウント値がしきい値を超えたとき、前記携帯端末が有する機能のうち少なくとも一つを抑制する機能抑制ステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項7】
前記機能抑制ステップは、前記カウント値が前記しきい値を超えたとき、前記携帯端末が異常状態にあることを示すアラーム情報を生成する請求項6に記載の制御方法において、
前記アラーム情報に基づいて生成されたアラーム信号を送信するアラーム信号送信ステップをさらに備えることを特徴とする制御方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の制御方法において、
前記機能抑制ステップは、前記機能のうち第1の機能が動作しているとき、前記第1の機能を抑制しないことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
請求項6乃至8いずれかに記載の制御方法において、
前記機能抑制ステップは、前記機能のうち第2の機能が動作しているとき、前記しきい値を大きくすることを特徴とする制御方法。
【請求項10】
請求項6乃至9いずれかに記載の制御方法において、
ユーザの入力した任意の値を前記しきい値とするしきい値入力ステップを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
認証情報を記憶しているICカードと、
前記ICカードと通信可能な携帯端末と、を備え、
前記携帯端末は、
前記認証情報を内包する認証信号を前記ICカードから間欠的に受け付け、前記認証情報を取得する認証情報取得手段と、
取得された前記認証情報に基づいて前記ICカードとの認証処理を実行する認証処理手段と、
前記認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やし、前記認証処理が正常に処理されるとき、前記カウント値をクリアするカウント手段と、
前記カウント値がしきい値を超えたとき、前記携帯端末が有する機能を抑制する機能抑制手段と、
を含むことを特徴とする制御システム。
【請求項12】
認証情報を記憶しているICカードと通信可能な携帯端末が備えるプロセッサに実行させるプログラムであって、
前記認証情報を内包する認証信号を前記ICカードから間欠的に受け付け、前記認証情報を取得する認証情報取得処理と、
取得された前記認証情報に基づいて前記ICカードとの間で実行される認証処理と、
前記認証処理が正常に処理されないとき、カウント値を増やすカウント処理と、
前記認証処理が正常に処理されるとき、前記カウント値をクリアするカウントクリア処理と、
前記カウント値がしきい値を超えたとき、前記携帯端末が有する機能を抑制する機能抑制処理と、
をプロセッサに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−154198(P2010−154198A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329879(P2008−329879)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】