説明

携帯端末の受信帯域切替回路及びその方法

【課題】携帯端末のカメラ動作時に、カメラ制御部が輻射するクロック高調波ノイズの影響を受けない周波数帯域に切り替える。
【解決手段】アンテナ1は受信信号を受信する。シンセサイザ2はローカル信号30を生成する。受信部3は受信信号を復調し、復調データ31を制御部4に送出する。カメラ制御部6はクロック発振器7を有しカメラ8を制御する。クロック発振器7はカメラ制御の基準クロックを発生する。制御部4は操作部5からのカメラ開始信号32を入力すると、カメラ制御部6にカメラ起動信号33を出力し、携帯端末20の受信帯域を指定した帯域に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末の受信帯域切替回路及びその方法に関し、特にカメラ付き携帯端末のカメラ動作時に発生するノイズの影響を受けない携帯端末の受信帯域切替回路及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯電話、携帯端末等においては、カメラ機能が付加している端末が増加している。しかしながら、カメラ動作時のノイズの影響により携帯端末の受信特性が影響を受けることになる。
【0003】
従来の携帯端末の受信帯域切替回路及びその方法は、携帯電話の受信処理や撮像処理の優先モードを設定することで、ノイズの影響のないタイミングを図りカメラ撮像している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、無線通信動作期間とカメラ撮影時のフラッシュ部への充電動作期間或いは撮像表示期間とが重ならないように動作モードを自動的に制御しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−110664号公報(第2−3頁、図2)
【特許文献2】特開2003−163759号公報(第4−8頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の携帯端末の受信帯域切替回路及びその方法は、カメラ動作時のノイズの影響により携帯端末の受信特性が影響を受けることになる。このため、特許文献1ではカメラ撮像モードに較べて受信モードを優先させるか、受信モードに較べてカメラ撮像モードを優先させるかのモード動作の切替え設定している。携帯端末の保持者が常にモード切替えを行うことは使用上不便になるという欠点を有している。
【0007】
また、特許文献2ではカメラモード設定中に着信、発信等の無線通信モードが生じると、カメラモード設定が解除され、無線通信モードが優先されることになる。カメラ撮影が中断されることになり操作上不便であるという欠点を有している。
【0008】
本発明の目的は、携帯端末のカメラ動作時に、カメラ、カメラ制御部が輻射するクロック高調波ノイズが受信帯域内に発生した場合、携帯端末が待ち受けするチャネルの受信帯域を制限し、クロック高調波ノイズと同じ周波数帯域を使用しないようにする。このことにより、動作モードの優先を気にすることなく安定した受信特性が得られる携帯端末の受信帯域切替回路及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯端末の受信帯域切替回路は、
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待受けチャネルがノイズ発生帯域であるかどうかを判定する判定手段と;
前記待受けチャネルがノイズ発生帯域である場合、前記待受けチャネルを前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替える切替手段と;
を備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明の携帯端末の受信帯域切替回路は、
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待受けチャネルがノイズ発生帯域であるかどうかを判定する判定手段と;
前記携帯端末の受信レベルと受信閾値とを比較する比較手段と;
前記待受けチャネルがノイズ発生帯域であり、前記受信レベルが前記受信閾値に較べて低い場合、前記待受けチャネルを前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替える切替手段と;
を備えたことを特徴としている。
【0011】
また、前記切替手段は、カメラ動作停止時に、前記待受けチャネルを元の受信帯域に戻すことを特徴としている。
【0012】
本発明の携帯端末の受信帯域切替回路は、
携帯端末の待ち受けチャネルの受信帯域を検出する検出手段と;
前記携帯端末の待ち受けチャネルがノイズ発生受信帯域の場合、シンセサイザへチャネル切替信号を送出するチャネル切替手段と;
前記チャネル切替信号により、前記シンセサイザは前記携帯端末の待ち受けチャネルを前記ノイズ発生受信帯域外の受信帯域に切り替える切替制御手段と;
を備えたことを特徴としている。
【0013】
本発明の携帯端末の受信帯域切替回路は、
携帯端末の待ち受けチャネルの受信帯域を検出する検出手段と;
前記携帯端末の受信レベルと受信閾値とを比較する比較手段と;
前記待ち受け中のチャネルがノイズ発生受信帯域内で、前記受信レベルが前記受信閾値以上である場合は強電界として前記待ち受けチャネルは前記携帯端末の受信帯域とし、前記受信レベルが前記受信閾値以下の場合は中・弱電界として、シンセサイザへチャネル切替信号を送出するチャネル切替手段と;
前記チャネル切替信号により、前記シンセサイザは前記携帯端末の待ち受けチャネルを前記ノイズ発生受信帯域外の受信帯域に切り替える切替制御手段と;
を備えたことを特徴としている。
【0014】
また、前記切替制御手段は、カメラ動作停止時に、前記待受けチャネルを元の受信帯域に戻すことを特徴としている。
【0015】
本発明の携帯端末は、
受信信号を受信するアンテナと、ローカル信号を生成するシンセサイザと、前記ローカル信号を入力して周波数変換し復調する受信部と、カメラを駆動させるカメラ制御部と、キー入力する操作部と、制御部とを備えた携帯端末であって、
前記制御部は、
前記操作部からのキー操作でカメラ開始信号を入力すると、前記携帯端末の待ち受けチャネルが予め設定したノイズ発生帯域の受信帯域の場合に、前記シンセサイザへチャネル切替信号を送出し、前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴としている。
【0016】
本発明の携帯端末は、
受信信号を受信するアンテナと、ローカル信号を生成するシンセサイザと、前記ローカル信号を入力して周波数変換し復調する受信部と、カメラを駆動させるカメラ制御部と、キー入力する操作部と、制御部と、受信レベルを判定する受信レベル判定回路とを備えた携帯端末であって、
前記制御部は、
前記操作部からのキー操作でカメラ開始信号を入力すると、前記携帯端末の待ち受けチャネルが予め設定したノイズ発生帯域の受信帯域であり、前記受信レベル判定回路により前記受信レベルが受信閾値に較べて小さいと判定された場合に、前記シンセサイザへチャネル切替信号を送出し、ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴としている。
【0017】
また、前記制御部は、カメラ動作停止時に、前記待受けチャネルを元の受信帯域に戻すことを特徴としている。
【0018】
本発明の携帯端末の受信帯域切替方法は、
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待受けチャネルがノイズ発生帯域であるかどうかを判定し、
前記待受けチャネルがノイズ発生帯域である場合、前記待受けチャネルを前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴としている。
【0019】
本発明の携帯端末の受信帯域切替方法は、
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待受けチャネルがノイズ発生帯域であるかどうかを判定し、
前記携帯端末の受信レベルと受信閾値とを比較し、
前記待受けチャネルがノイズ発生帯域であり、前記受信レベルが前記受信閾値に較べて低い場合、前記待受けチャネルを前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴としている。
【0020】
本発明の携帯端末の受信帯域切替方法は、
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待ち受けチャネルの受信帯域を検出し、
前記携帯端末の待ち受けチャネルがノイズ発生受信帯域の場合、シンセサイザへチャネル切替信号を送出し、
前記チャネル切替信号により、前記シンセサイザは前記携帯端末の待ち受けチャネルを前記ノイズ発生受信帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴としている。
【0021】
本発明の携帯端末の受信帯域切替方法は、
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待ち受けチャネルの受信帯域を検出し、
前記携帯端末の受信レベルと受信閾値とを比較し、
前記待ち受け中のチャネルがノイズ発生受信帯域内で、前記受信レベルが前記受信閾値以上である場合は強電界として前記待ち受けチャネルは前記携帯端末の受信帯域とし、前記受信レベルが前記受信閾値以下の場合は中・弱電界として、シンセサイザへチャネル切替信号を送出し、
前記チャネル切替信号により、前記シンセサイザは前記携帯端末の待ち受けチャネルを前記ノイズ発生受信帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴としている。
【0022】
また、カメラ動作停止時に、前記待受けチャネルを元の受信帯域に戻すことを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の携帯端末の受信帯域切替回路及びその方法は、カメラが動作している時、携帯端末装置の受信帯域は、クロック信号の高調波ノイズが輻射しない受信帯域で待ち受けを行うことができる。このため、高調波ノイズによる受信特性への影響は無くなり、安定した受信特性が得られるという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
図1は本発明の携帯端末の受信帯域切替回路及びその方法の一つの実施の形態を示すブロック図である。
【0026】
図1に示す携帯端末20は、受信信号を受信するアンテナ1と、ローカル信号30を生成するシンセサイザ2と、受信部3とから構成されている。
【0027】
また、クロックノイズ発信源9と、利用者がキー入力する操作部5と、シンセサイザ2、受信部3、操作部5およびクロックノイズ発信源9と接続する制御部4とから構成されている。
【0028】
なお、クロックノイズ発信源9は、カメラ8と、クロック発振器7を含みカメラ8を駆動させるカメラ制御部6とを有している。
【0029】
受信部3は、受信信号をアンテナ1から入力すると増幅し、シンセサイザ2からのローカル信号30を入力して周波数変換しIF信号を生成し、復調した復調データ31を制御部4に送出する。
【0030】
カメラ8の制御はクロック発振器7を有するカメラ制御部6により行われる。クロック発振器7はカメラ制御の基準クロックを発生する。クロック発振器7で生成されるクロック信号の高調波成分はノイズ源となり受信帯域内に入る。クロックノイズ発信源9はクロック信号の高調波ノイズをアンテナ1あるいは受信部3に輻射し、高調波ノイズと受信チャネルが重なった場合、携帯端末20の受信特性を劣化させる。
【0031】
制御部4は操作部5からのカメラ開始信号32を入力すると、カメラ制御部6にカメラ起動信号33を出力すると共に、携帯端末20の受信帯域を指定した帯域に切り替えるため、シンセサイザ2にチャネル切替信号34を送出する。
【0032】
さらに制御部4は、操作部5よりカメラ終了信号35を入力すると、カメラ制御部6にカメラ停止信号36を出力すると共に、チャネル切替信号34により携帯端末20の受信帯域を元の帯域に戻す。
【0033】
図2はクロック信号の高調波ノイズを示す図である。縦軸はレベルを示し、横軸は周波数を示す。
【0034】
図2を参照すると、「N1」はクロックノイズ発信源、「N2」は2次高調波ノイズ、「N3」は3次高調波ノイズ、「Nm」はm次高調波ノイズを示す。「B」は携帯端末20の受信帯域であり、m次高調波ノイズNmは受信帯域B内に位置する。
【0035】
また、m次高調波ノイズNmが発生する受信帯域をBNとし、受信帯域B内でm次高調波ノイズNmが発生する帯域外の受信帯域をB1、B2とする。
【0036】
図3は図1の本実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【0037】
次に、図1、図2および図3を参照して本実施の形態の動作をより詳細に説明する。
【0038】
図3のステップ1(以下、ステップS1と記す)において、携帯端末20が受信帯域Bで待ち受け中、ステップS2にて利用者がカメラを使用する場合を説明する。
【0039】
カメラ使用開始のため、操作部5からのキー操作でカメラ開始信号32を出力すると、ステップS4にて制御部4はカメラ制御部6にカメラ起動信号33を出力する。このカメラ起動信号33により、受信帯域をB1、B2に切り替える。同時に、カメラ制御部6はカメラ起動信号33の入力により、カメラ8に電源供給を開始する。
【0040】
ステップS5で携帯端末20の待ち受けチャネルが予め設定したクロック信号高調波ノイズ発生帯域である受信帯域BNであると制御部4が判定した場合、ステップS6で制御部4はシンセサイザ2へチャネル切替信号34を送出する。このチャネル切替信号34により、シンセサイザ2は受信帯域B1、B2に切り替える。切り替え後、ステップS7で待ち受けチャネルは受信帯域B1、B2で待ち受けの状態となる。
【0041】
ステップS5で携帯端末20の待ち受けチャネルが受信帯域B1、B2であると制御部4が判定した場合、ステップS7に進み、待ち受けチャネルは受信帯域B1、B2のまま待ち受けの状態となる。ステップS2で利用者がカメラを使用しない場合、ステップS3で携帯端末20の待ち受けチャネルは受信帯域Bで待ち受けのままとなり、ステップS1へ戻る。
【0042】
ステップS8で利用者がカメラの使用をやめる場合、操作部5からのキー操作でカメラ終了信号35を制御部4に出力する。ステップS9で制御部4はカメラ制御部6にカメラ停止信号36を出力すると共に、携帯端末20の受信帯域をBに切り替える。
【0043】
カメラ制御部6はカメラ停止信号36の入力によりカメラ8の電源供給を停止する。ステップS10で待ち受けチャネルは受信帯域Bのチャネルで待ち受けの状態となり、ステップS1へ戻る。ステップS8で利用者がカメラの使用を継続する場合、ステップS7へ戻り受信帯域B1、B2で待ち受ける。
【0044】
従って、カメラ8が動作している時は、携帯端末20の受信帯域は、クロック信号の高調波ノイズNmが輻射しない受信帯域B1、B2で待ち受けを行うため、高調波ノイズNmによる受信特性への影響は無くなる。
【0045】
図4は本発明の携帯端末の受信帯域切替回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【0046】
図5はクロック信号の高調波ノイズと受信レベル判定値を示す図である。縦軸はレベルを示し、横軸は周波数を示す。
【0047】
図5を参照すると、「N1」はクロックノイズ発信源、「N2」は2次高調波ノイズ、「N3」は3次高調波ノイズ、「Nm」はm次高調波ノイズを示す。「B」は携帯端末20の受信帯域であり、m次高調波ノイズNmは受信帯域B内に位置する。
【0048】
また、m次高調波ノイズNmが発生する受信帯域をBNとし、受信帯域B内でm次高調波ノイズNmが発生する帯域外の受信帯域をB1、B2とする。「Fc」は受信信号波、「A」は受信レベル判定値である。受信レベル判定値Aより受信レベルが高い場合は強電界と判定し、逆に低い場合は中・弱電界と判定する。
【0049】
また、図6は図4の第2の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【0050】
なお、図4において図1に示す構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
次に第2の実施の形態の動作について、図4、図5および図6を用いて説明する。
【0052】
図4において、図1の第1の実施の形態との差分は受信レベル判定回路10を追加している点である。受信レベル判定回路10は受信部3が出力する受信レベル37をモニターし、受信レベル37が図5に示す予め設定されたレベルA以上であれば強電界であると判断し、制御部4に判定結果38を送出する。
【0053】
また、モニターした受信レベル37がレベルA以下の場合は中・弱電界であると判断し、制御部4に判定結果38を送出する。
【0054】
図6のフロー図のステップS1において携帯端末20が受信帯域Bで待ち受け中、ステップS2にて利用者がカメラを使用する場合を説明する。まず、操作部5からのキー操作でカメラ開始信号32を制御部4に出力する。
【0055】
ステップS11で制御部4は待ち受け中のチャネルが受信帯域BN内で、受信レベル判定回路10の判定結果38により受信レベルがA以上である場合(YES)は強電界とし、ステップS3に進み待ち受けチャネルは受信帯域BのままとなりステップS1へ戻る。
【0056】
ステップS11で制御部4は待ち受け中のチャネルが受信帯域BNで、受信レベル判定回路10の判定結果38により受信レベルがA以下の場合(NO)は中・弱電界とする。ステップS4にて制御部4はカメラ制御部6にカメラ起動信号33を出力すると共に、受信帯域をB1、B2に切り替える。カメラ制御部6はカメラ起動信号33の入力によりカメラ8の電源供給を開始する。
【0057】
ステップS5で携帯端末20の待ち受けチャネルが予め設定した受信帯域BNであると制御部4が判定した場合、ステップS6で制御部4はシンセサイザ2へチャネル切替信号34を送出する。このチャネル切替信号34によりシンセサイザ2は受信帯域B1、B2に切り替える。
【0058】
切り替え後、ステップS7で待ち受けチャネルは受信帯域B1、B2で待ち受けの状態となる。ステップS5で携帯端末20の待ち受けチャネルが受信帯域B1、B2であると制御部4が判定した場合、ステップS7に進み、待ち受けチャネルは受信帯域B1、B2のまま待ち受けの状態となる。
【0059】
ステップS2で利用者がカメラを使用しない場合、ステップS3で携帯端末20の待ち受けチャネルは受信帯域Bで待ち受けのままとなり、ステップS1へ戻る。ステップS8で利用者がカメラの使用をやめる場合、操作部5からのキー操作でカメラ終了信号35を制御部4に出力する。ステップS9で制御部4はカメラ制御部6にカメラ停止信号36を出力し、携帯端末20の受信帯域をBに切り替える。
【0060】
カメラ制御部6はカメラ停止信号36の入力によりカメラ8の電源供給を停止する。ステップS10で待ち受けチャネルは受信帯域Bのチャネルで待ち受けの状態となり、ステップS1へ戻る。ステップS8で利用者がカメラの使用を継続する場合、ステップS7へ戻り受信帯域B1、B2で待ち受ける。
【0061】
従って、カメラ8が動作している時は、携帯端末20の受信レベル37が予め設定された受信レベルA以上(強電界)である場合、待ち受けチャネルは受信帯域Bで行う。受信レベル37が予め設定された受信レベルA以下(中・弱電界)である場合、待ち受けチャネルは受信帯域B1、B2で行う。仮にクロック信号の高調波ノイズNmと受信チャネルが重なっても受信レベル37は強電界であるため、受信特性に大きな影響はない。つまり、受信レベル37が中・弱電界時はクロック信号の高調波ノイズNmが輻射しない受信帯域B1、B2で待ち受けを行うため、高調波ノイズNmによる受信特性への影響は無くなる。
【0062】
なお、本発明は、カメラ動作時に限定するものではなく、受信帯域にノイズが発生する回路が起動した場合にも応用することができる。
【0063】
上述の通り、携帯端末20のカメラ動作時に、カメラ8、カメラ制御部6から輻射するクロック高調波ノイズが受信帯域内に発生した場合、携帯端末20が待ち受けするチャネルの受信帯域を制限し、クロック高調波ノイズと同じ周波数帯域を使用しないようにすることにより、安定した受信特性が得られる。
【0064】
すなわち、カメラが動作している時、携帯端末20の受信帯域は、クロック信号の高調波ノイズNmが輻射しない受信帯域B1、B2で待ち受けを行う。このため、高調波ノイズNmによる受信特性への影響は無くなり、安定した受信特性を得ることができる。
【0065】
また、カメラが動作している時は、携帯端末20の受信レベルが予め設定された受信レベルA以上(強電界)である場合、待ち受けチャネルは受信帯域Bで行う。従って、仮にクロック信号の高調波ノイズNmと受信チャネルが重なっても受信レベルは強電界であるので、受信特性に大きな影響はない。
【0066】
また、受信レベルが予め設定された受信レベルA以下(中・弱電界)である場合、待ち受けチャネルは受信帯域B1、B2で行う。従って、受信レベルが中・弱電界時はクロック信号の高調波ノイズNmが輻射しない受信帯域B1、B2で待ち受けを行うので、高調波ノイズNmによる受信特性への影響は無くなり、安定した受信特性を得ることができる。
【0067】
なお、携帯端末は受信帯域の変更を基地局宛に通知することになる。
【0068】
このように、カメラ、カメラ周辺回路から輻射するノイズ対策としてのシールド構造、対策部品を削減することができ、コストダウン、小型化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明携帯端末の受信帯域切替回路の一つの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】クロック信号の高調波ノイズを示す図である。
【図3】図1の本実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の携帯端末の受信帯域切替回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】クロック信号の高調波ノイズと受信レベル判定値を示す図である。
【図6】図4の第2の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1 アンテナ
2 シンセサイザ
3 受信部
4 制御部
5 操作部
6 カメラ制御部
7 クロック発振器
8 カメラ
9 クロックノイズ発信源
10 受信レベル判定回路
20 携帯端末
30 ローカル信号
31 復調データ
32 カメラ開始信号
33 カメラ起動信号
34 チャネル切替信号
35 カメラ終了信号
36 カメラ停止信号
37 受信レベル
38 判定結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待受けチャネルがノイズ発生帯域であるかどうかを判定する判定手段と;
前記待受けチャネルがノイズ発生帯域である場合、前記待受けチャネルを前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替える切替手段と;
を備えたことを特徴とする携帯端末の受信帯域切替回路。
【請求項2】
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待受けチャネルがノイズ発生帯域であるかどうかを判定する判定手段と;
前記携帯端末の受信レベルと受信閾値とを比較する比較手段と;
前記待受けチャネルがノイズ発生帯域であり、前記受信レベルが前記受信閾値に較べて低い場合、前記待受けチャネルを前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替える切替手段と;
を備えたことを特徴とする携帯端末の受信帯域切替回路。
【請求項3】
前記切替手段は、カメラ動作停止時に、前記待受けチャネルを元の受信帯域に戻すことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の携帯端末の受信帯域切替回路。
【請求項4】
携帯端末の待ち受けチャネルの受信帯域を検出する検出手段と;
前記携帯端末の待ち受けチャネルがノイズ発生受信帯域の場合、シンセサイザへチャネル切替信号を送出するチャネル切替手段と;
前記チャネル切替信号により、前記シンセサイザは前記携帯端末の待ち受けチャネルを前記ノイズ発生受信帯域外の受信帯域に切り替える切替制御手段と;
を備えたことを特徴とする携帯端末の受信帯域切替回路。
【請求項5】
携帯端末の待ち受けチャネルの受信帯域を検出する検出手段と;
前記携帯端末の受信レベルと受信閾値とを比較する比較手段と;
前記待ち受け中のチャネルがノイズ発生受信帯域内で、前記受信レベルが前記受信閾値以上である場合は強電界として前記待ち受けチャネルは前記携帯端末の受信帯域とし、前記受信レベルが前記受信閾値以下の場合は中・弱電界として、シンセサイザへチャネル切替信号を送出するチャネル切替手段と;
前記チャネル切替信号により、前記シンセサイザは前記携帯端末の待ち受けチャネルを前記ノイズ発生受信帯域外の受信帯域に切り替える切替制御手段と;
を備えたことを特徴とする携帯端末の受信帯域切替回路。
【請求項6】
前記切替制御手段は、カメラ動作停止時に、前記待受けチャネルを元の受信帯域に戻すことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の携帯端末の受信帯域切替回路。
【請求項7】
受信信号を受信するアンテナと、ローカル信号を生成するシンセサイザと、前記ローカル信号を入力して周波数変換し復調する受信部と、カメラを駆動させるカメラ制御部と、キー入力する操作部と、制御部とを備えた携帯端末であって、
前記制御部は、
前記操作部からのキー操作でカメラ開始信号を入力すると、前記携帯端末の待ち受けチャネルが予め設定したノイズ発生帯域の受信帯域の場合に、前記シンセサイザへチャネル切替信号を送出し、前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
受信信号を受信するアンテナと、ローカル信号を生成するシンセサイザと、前記ローカル信号を入力して周波数変換し復調する受信部と、カメラを駆動させるカメラ制御部と、キー入力する操作部と、制御部と、受信レベルを判定する受信レベル判定回路とを備えた携帯端末であって、
前記制御部は、
前記操作部からのキー操作でカメラ開始信号を入力すると、前記携帯端末の待ち受けチャネルが予め設定したノイズ発生帯域の受信帯域であり、前記受信レベル判定回路により前記受信レベルが受信閾値に較べて小さいと判定された場合に、前記シンセサイザへチャネル切替信号を送出し、ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴とする携帯端末。
【請求項9】
前記制御部は、カメラ動作停止時に、前記待受けチャネルを元の受信帯域に戻すことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の携帯端末。
【請求項10】
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待受けチャネルがノイズ発生帯域であるかどうかを判定し、
前記待受けチャネルがノイズ発生帯域である場合、前記待受けチャネルを前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴とする携帯端末の受信帯域切替方法。
【請求項11】
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待受けチャネルがノイズ発生帯域であるかどうかを判定し、
前記携帯端末の受信レベルと受信閾値とを比較し、
前記待受けチャネルがノイズ発生帯域であり、前記受信レベルが前記受信閾値に較べて低い場合、前記待受けチャネルを前記ノイズ発生帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴とする携帯端末の受信帯域切替方法。
【請求項12】
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待ち受けチャネルの受信帯域を検出し、
前記携帯端末の待ち受けチャネルがノイズ発生受信帯域の場合、シンセサイザへチャネル切替信号を送出し、
前記チャネル切替信号により、前記シンセサイザは前記携帯端末の待ち受けチャネルを前記ノイズ発生受信帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴とする携帯端末の受信帯域切替方法。
【請求項13】
携帯端末のカメラ動作時に、前記携帯端末の待ち受けチャネルの受信帯域を検出し、
前記携帯端末の受信レベルと受信閾値とを比較し、
前記待ち受け中のチャネルがノイズ発生受信帯域内で、前記受信レベルが前記受信閾値以上である場合は強電界として前記待ち受けチャネルは前記携帯端末の受信帯域とし、前記受信レベルが前記受信閾値以下の場合は中・弱電界として、シンセサイザへチャネル切替信号を送出し、
前記チャネル切替信号により、前記シンセサイザは前記携帯端末の待ち受けチャネルを前記ノイズ発生受信帯域外の受信帯域に切り替えることを特徴とする携帯端末の受信帯域切替方法。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか1項に記載の携帯端末の受信帯域切替方法において、
カメラ動作停止時に、前記待受けチャネルを元の受信帯域に戻すことを特徴とする携帯端末の受信帯域切替方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−211259(P2006−211259A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−20133(P2005−20133)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】