説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】装置本体を構成する複数の筐体の開閉操作がどのように行われたかの操作状況に応じて同一の情報を継続して表示するかを制御できるようにする。
【解決手段】CPU1は、ファイルオープン操作によって表示部8にファイル内容が表示されている状態において、閉操作が行われたのちに開操作が行われた際に、その閉操作は当該ファイル内容の表示を開始してから所定時間内での閉操作であるか否かに基づいて表示部8に当該ファイル内容を継続して表示させるか否かを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、第1筐体と第2筐体とを開閉可能に連結した携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1筐体と、表示部を備えた第2筐体とを開閉可能に連結することによって、この表示部の向きを縦方向に変更したり、横方向に変更したりするようにした2方向開閉式の携帯端末装置が存在している(特許文献1参照)。この2方向開閉式の携帯端末装置は、第1筐体に対して第2筐体を第1及び第2開閉方向への開閉を可能としたもので、表示部の向きを縦向きから横向きに変更したり、横向きから縦向きに変更したりする場合に、第1筐体に対して第2筐体が開いている状態において、一旦、第2筐体の表示部を閉じた状態にしてから他の方向に第2筐体を開くようにしている。
【特許文献1】特開2005−286425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、一般に、開閉式の携帯端末装置において、表示部に何等かの情報が表示されている状態で、その表示部が閉じられた場合に、情報セキュリティの観点から表示情報を強制的に終了するようにした強制機能が備えられているが、上述した2方向開閉式の携帯端末装置においては、表示向きが誤りに気づいた場合のように、一時的にでも第2筐体を閉じてしまうと、上述した強制終了機能が働いてその情報表示が強制的に終了してしまう。この場合、情報を所定時間以上表示させたのち、表示部を閉じたとしても、その情報を見終わったうえでの閉操作である可能性が高いため、この閉操作に応答して情報を直ちに終了させてもよいが、表示向きを正すための一時的な閉操作でも強制終了させると、表示向きの変更後、その情報を再表示させるための操作が必要となり、ユーザに大きな負担をかけてしまう。
【0004】
この発明の課題は、装置本体を構成する複数の筐体を開閉する開閉操作がどのように行われたかの開閉状況に応じて同一の情報を継続して表示するか否かを制御できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、第1筐体と、表示部を備えた第2筐体とを開閉可能に連結した携帯端末装置であって、前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いていると共に前記表示部が露出している状態で情報表示が指示された際に、その情報を前記第2筐体の表示部に表示させる第1の表示制御手段と、前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いている状態で前記第2筐体を閉じる閉操作が行われた際に、前記情報を表示させてから第1所定時間内での当該閉操作であるか否かを判別する第1の判別手段と、前記閉操作後に前記第2筐体を開く開操作が行われた際に、前記判別手段による判別結果に応じて前記表示部に前記情報を継続して表示させるか否かを制御する第2の表示制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0006】
請求項1に従属する発明として、前記第1筐体に対して前記第2筐体を第1開閉方向への開閉と第2開閉方向への開閉を可能とする2方向開閉機構を備え、前記第1開閉方向への閉操作後に、前記第2開閉方向への開操作が行われたか否かを判別する第2の判別手段を更に備え、前記第2の表示制御手段は、前記第1の判別手段によって第1所定時間内での閉操作であることが判別され、かつ、前記第2の判別手段によって第2開閉方向への開操作が行われたことが判別された場合に、前記情報が第2開閉方向の向きとなるように当該情報を回転表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記第1の判別手段は、前記情報を表示させてから第1所定時間内に閉操作が行われたか否かを判別するほか、この閉操作後に前記第2筐体を開く開操作が行われた際に、第2所定時間内での当該開操作であるか否かを判別し、前記第2の表示制御手段は、前記第1の判別手段によって閉操作が第1所定時間内に行われ、かつ、第2所定時間内での開操作であることが判別された際に、前記表示部に前記情報を継続表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0008】
また、上述した課題を解決するために請求項4記載の発明は、第1筐体と、表示部を備えた第2筐体とを開閉可能に連結した携帯端末装置であって、前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いていると共に前記表示部が露出している状態で情報のオープン指示があった際に、その情報を前記第2筐体の表示部に表示させる第1の表示制御手段と、前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いている状態で前記第2筐体を閉じる閉操作に応答して当該情報がクローズされてから所定時間内に前記第2筐体を開く開操作が行われたか否かを判別する判別手段と、この判別手段による判別結果に応じて前記情報を再オープンして前記表示部に継続表示させるか否かを制御する第2の表示制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に従属する発明として、前記第1筐体に対して前記第2筐体を第1開閉方向への開閉と第2開閉方向への開閉を可能とする2方向開閉機構を備え、前記第1開閉方向への閉操作後に、前記第2開閉方向への開操作が行われたか否かを判別する第2の判別手段を更に備え、前記第2の表示制御手段は、前記第1の判別手段によって所定時間内での開操作であることが判別され、かつ、前記第2の判別手段によって第2開閉方向への開操作であることが判別された場合に、前記情報が第2開閉方向の向きとなるように当該情報を回転表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0010】
また、上述した課題を解決するために請求項6記載の発明は、コンピュータに対して、第1筐体に対して前記第2筐体が開いていると共に前記表示部が露出している状態で情報表示が指示された際に、その情報を前記第2筐体の表示部に表示する機能と、前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いている状態で前記第2筐体を閉じる閉操作が行われた際に、前記情報を表示させてから第1所定時間内での当該閉操作であるか否かを判別する機能と、前記閉操作後に前記第2筐体を開く開操作が行われた際に、前記判別結果に応じて前記表示部に前記情報を継続して表示させるか否かを制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決するために請求項7記載の発明は、コンピュータに対して、前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いていると共に前記表示部が露出している状態で情報のオープン指示があった際に、その情報を前記第2筐体の表示部に表示する機能と、前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いている状態で前記第2筐体を閉じる閉操作に応答して当該情報がクローズされてから所定時間内に前記第2筐体を開く開操作が行われたか否かを判別する機能と、前記判別結果に応じて前記情報を再オープンして前記表示部に継続表示させるか否かを制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、装置本体を構成する複数の筐体を開閉する開閉操作がどのように行われたかの開閉状況に応じて同一の情報を継続して表示するか否かを制御することができ、利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施形態1)
以下、図1〜図3を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
この実施形態は、携帯端末装置として携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
この携帯電話装置は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在の開閉式携帯電話装置で、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などのほか、強制終了機能が備えられている。この強制終了機能は、任意のファイルを選択してその表示を指示するファイルオープン操作に応じてそのファイル内容が表示されている状態において、装置本体を構成する操作部筐体に対して表示部筐体が閉じられた際に、一定の条件下で当該ファイルを強制的に終了(ファイルクローズ)させる機能である。
【0014】
CPU1は、記憶部2内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置の全体動作を制御する中核的な中央演算処理装置である。記憶部2は、内部メモリであり、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には後述する図3に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納され、また、そのデータ領域には各種のデータを記憶管理するデータフォルダDFなどが設けられている。記録メディア3は、着脱自在な可搬型メモリ(外部メモリ)で、例えば、SDカード、ICカードなどによって構成され、撮影画像などを保存する。メモリ4は、ワーク領域を有する内部メモリであり、必要に応じてメモリ4内の各種のデータは、記憶部2にセーブされる。
【0015】
電話通信部5は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局(図示せず)との間でデータの送受信を行う電話通信手段で、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部6を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部6から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0016】
操作部7は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、数値キー、文字キーのほか、ファイルのオープン/クローズキーなどが設けられており、CPU1は、操作部7からの入力信号に応じた処理を実行する。表示部8は、例えば、高精細液晶あるいは有機ELを使用し、待受画像などを表示する。スタイル検出部9は、装置本体のスタイルを検出するもので、例えば、磁気センサ、電気的又は機械的なマイクロスイッチなどを有する構成で、CPU1は、スタイル検出センサ9からの各検出信号に基づいて装置本体の各スタイルを判別するようにしている。計時部10は、現在日時を計測する時計部や時間を計測するタイマを構成する。
【0017】
図2は、2方向開閉式(2ウェイオープンタイプ)の携帯電話装置の外観図である。
この2方向開閉式(2ウェイオープンタイプ)の携帯電話装置は、矩形(長方形)の装置本体を構成する操作部筐体(第1筐体)Aと表示部筐体(第2筐体)Bとをヒンジ部Cを介して開閉可能に連結して成るもので、この操作部筐体Aと表示部筐体Bとの連結状態に応じて複数のスタイル(レギュラーオープンスタイル、ワイドオープンスタイル、クローズスタイル)に変更可能となっている。なお、操作部筐体Aの内面側には、図1で示した操作部7が配置され、また、表示部筐体Bの内面側には、図1で示した表示部8が配置されている。
【0018】
図2(1)は、操作部筐体Aに対して表示部筐体Bを縦方向に開いた縦開き状態のオープンスタイル(所謂、レギュラーオープンスタイル)を示した図で、このスタイルでは長方形の表示部8が縦長の向きとなる。なお、図2(1)で示した矢印方向は、操作部筐体Aに対して表示部筐体Bがヒンジ部Cを介して縦に開閉する方向(縦開閉方向)を示している。図2(2)は、操作部筐体Aに対して表示部筐体Bを横方向に開いた横開き状態のオープンスタイル(所謂、ワイドオープンスタイル)を示した図で、このスタイルでは長方形の表示部8が横長の向きとなる。なお、図2(2)で示した矢印方向は、操作部筐体Aに対して表示部筐体Bがヒンジ部Cを介して横に開閉する方向(横開閉方向)を示している。
【0019】
このような2ウェイオープンタイプの携帯電話装置においては、レギュラーオープンスタイルからワイドオープンスタイルへの変更時、あるいはワイドオープンスタイルからレギュラーオープンスタイルへの変更時には、一旦、操作部筐体Aと表示部筐体Bとを折り畳んで閉じた状態(クローズスタイル)に変更してから行うようにしている。図2(3)は、クローズスタイルからワイドオープンスタイルへの変更途中(半開き状態)を示している。このように2ウェイオープンタイプでは、クローズスタイルの状態において表示部筐体Bの長辺部、短辺部のいずれに指をかけながら表示部筐体Bを持ち上げることによって縦方向にも横方向にも開くことが可能な構成となっている。
【0020】
この操作部筐体Aと表示部筐体Bとが開いていると共に表示部8が露出している状態(上述したいずれかのオープンスタイル)において、CPU1は、ファイルオープン操作が行われると、そのファイル内容を読み出して表示部8に表示させる。この状態において、表示部筐体Bを閉じる閉操作(表示部8を閉じる閉操作)が行われると、CPU1は、その閉操作は表示部8にファイル内容を表示させてから所定時間内(例えば、2秒以内)での閉操作であるかを判別するようにしている。そして、この閉操作後に表示部筐体Bを開く開操作が行われると、上述した所定時間内での閉操作か否かの判別結果に応じて表示部8に当該ファイル内容を継続して表示させるか否かを制御するようにしている。
【0021】
すなわち、ファイルオープン操作に応じてそのファイル内容を表示させてから所定時間(例えば、2秒)経過する前に、一旦、表示部筐体Bを閉じる閉操作が行われた場合でも、その後、表示部筐体Bを開く開操作が行われたときには、当該ファイル内容を継続して表示させるようにしている。この場合、第1開閉方向への閉操作後に第2開閉方向への開操作が行われた場合には、ファイル内容が第2開閉方向の向きとなるように当該ファイル内容を90度回転表示させる。なお上述した縦開閉方向、横開閉方向のうち、そのいずれか一方の方向を第1開閉方向とすると、他の方向が第2開閉方向となる(以下、同様)。
【0022】
次に、この第1実施形態における携帯電話装置の動作概念を図3に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
なお、図3は、携帯電話装置の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図3のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0023】
図3は、ファイルオープン操作が行われた際に実行開始される動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU1は、任意のファイルを選択してその表示を指示するファイルオープン操作に応じてデータフォルダDFからその選択ファイルを読み出して当該ファイルをオープンする(ステップA1)。そして、スタイル検出部9からの検出結果に基づいて現在のオープンスタイルはレギュラーオープンスタイルか、ワイドオープンスタイルかを判別し(ステップA2)、そのオープンスタイルに応じた向きにファイル内容を表示部8に表示させる(ステップA3)。例えば、レギュラーオープンスタイルであれば、ファイル内容を縦長の向きに表示させ、ワイドオープンスタイルであれば、ファイル内容を横長の向きに表示させる。このようにファイル内容を表示させたのちは、計時部10内におけるタイマの計測動作を開始させる(ステップA4)。
【0024】
そして、オープンスタイルにおいて表示部筐体Bを閉じる閉操作が行われたかを調べたり(ステップA5)、何らかの操作が行われたかを調べたりする(ステップA12)。いま、何らかの操作が行われたときには(ステップA12でYES)、それがファイルのクローズを指示する操作であれば(ステップA13でYES)、表示部8に表示されているファイル内容を消去して当該ファイルをクローズしたのち(ステップA11)、図3のフローの終了となるが、その他の操作として、例えば、ページ切り替え操作、編集操作などが行われた場合には(ステップA12でNO)、その操作に応じた処理として、ページ切り替え処理、編集処理などを実行したのち(ステップA14)、上述のステップA5に戻り、操作待ち状態となる。
【0025】
また、オープンスタイルにおいて表示部筐体Bを閉じる閉操作が行われたときには(ステップA5でYES)、タイマ計測時間は所定時間(例えば、2秒)t1を経過したか(タイムアウトか)、つまり、ファイル内容の表示を開始してから所定時間t1内に閉操作が行われたかを調べる(ステップA6)。ここで、所定時間経過後の閉操作であれば(ステップA6でYES)、表示部8に表示されているファイル内容を見終わったうえでの閉操作であると判断し、表示中のファイル内容を消去して当該ファイルをクローズしたのち(ステップA11)、図3のフローの終了となるが、所定時間t1が経過する前の閉操作であれば(ステップA6でNO)、今回の閉操作は瞬間的・一時的な閉操作(仮の閉操作)の可能性が高いために、次のステップA8に移り、上述のタイマ時間をリセットしてその計測動作をスタートさせる。
【0026】
そして、この閉操作後に、表示部筐体Bを開く開操作が行われたかを調べ(ステップA8)、開操作が行われなければ、ステップA10に移り、タイマ計測時間は所定時間(例えば、3秒)t2を経過したか(タイムアウトか)、つまり、閉操作を行ってから所定時間t2を経過したかを調べる。ここで、所定時間t2が経過してもクローズスタイルのままであれば(ステップA10でYES)、再オープンする意思がないものと判断して、表示中のファイル内容を消去して当該ファイルをクローズしたのち(ステップA11)、図3のフローの終了となる。
【0027】
また、閉操作後、所定時間t2が経過する前に開操作が行われたときには(ステップA8でYES)、それは他方向への開操作か、つまり、第1開閉方向への閉操作後に第2開閉方向への開操作が行われたかを調べる(ステップA9)。ここで、同一方向への開操作が行われた場合、つまり、レギュラーオープンスタイルからクローズスタイルに変更したのち、再びレギュラーオープンスタイルに変更するための開操作が行われた場合、あるいはワイドオープンスタイルからクローズスタイルに変更したのち再びワイドオープンスタイルに変更するための開操作が行われた場合には(ステップA9でNO)、この閉操作後、所定時間t2が経過する前であっても、表示中のファイル内容を消去して当該ファイルをクローズしたのち(ステップA11)、図3のフローの終了となる。
【0028】
また、閉操作後、所定時間t2が経過する前に他方向への開操作が行われたときには(ステップA9でYES)、上述のステップA3に戻り、変更後のオープンスタイルに応じた向きに当該ファイル内容を表示部8に継続して表示させる。すなわち、第1開閉方向への閉操作後に第2開閉方向への開操作が行われた場合、例えば、レギュラーオープンスタイルからクローズスタイルに変更したのち、ワイドオープンスタイルに変更するための開操作が行われた場合、あるいはワイドオープンスタイルからクローズスタイルに変更したのち、レギュラーオープンスタイルに変更するための開操作が行われた場合には、ファイル内容が第2開閉方向の向きとなるように当該ファイル内容を90度回転させて継続表示させる。
【0029】
以上のように、この第1実施形態においてCPU1は、ファイルオープン操作によって表示部8にファイル内容が表示されている状態で閉操作後に開操作が行われた際に、その閉操作は当該ファイル内容の表示を開始してから所定時間t1内での閉操作であるか否かに基づいて表示部8に当該ファイル内容を継続して表示させるか否かを制御するようにしたので、その開閉操作がどのように行われたかの操作状況に応じて同一のファイル内容を継続して表示させることができる。この場合、2方向開閉式(2ウェイオープンタイプ)の携帯電話装置において、スタイルを変更するために、一旦、閉操作を行ってから開操作を行ったとしても、瞬間的・一時的な閉操作(仮の閉操作)であると予測して、同一のファイル内容を継続して表示させるようにしたので、改めてファイルをオープンする操作が不要となり、利便性を向上させることが可能となる。
【0030】
第1開閉方向への閉操作後に、第2開閉方向への開操作が行われた場合には、ファイル内容が第2開閉方向の向きとなるように当該ファイル内容を回転表示させるようにしたので、表示の向きをスタイルに応じて変更することができる。
【0031】
ファイル内容の表示を開始してから所定時間t1内に閉操作が行われ、かつ、この閉操作後の所定時間t2内に開操作が行われた場合に、当該ファイル内容を継続して表示させるようにしたので、瞬間的な仮の閉操作であるかを、より正確に予測することが可能となる。
【0032】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、ファイル内容が表示されている状態で閉操作後に開操作が行われた際に、その閉操作はファイル内容を表示を開始してから所定時間t1内での閉操作であるか否かに基づいて当該ファイル内容を継続して表示させるか否かを制御するようにしたが、この第2実施形態においては、ファイル内容が表示されている状態で閉操作後に開操作が行われた際に、その閉操作時にファイルクローズを行ってから所定時間内に開操作が行われたか否かに基づいて当該ファイルを再オープンして継続表示させるか否かを制御するようにしたものである。
ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0033】
図4は、この第2実施形態において、ファイルオープン操作が行われた際に実行開始される動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU1は、ファイルオープン操作に応じてデータフォルダDFから選択指定されたファイルを読み出して当該ファイルをオープンしたのち(ステップB1)、スタイル検出部9からの検出結果に基づいて現在のオープンスタイルはレギュラーオープンスタイルか、ワイドオープンスタイルかを判別し(ステップB2)、そのオープンスタイルに応じた向きにファイル内容を表示部8に表示させる(ステップB3)。
【0034】
そして、表示部筐体Bを閉じる閉操作が行われたかを調べたり(ステップB4)、何らかの操作が行われたかを調べたりする(ステップB11)。いま、何らかの操作が行われたときには(ステップB11でYES)、それがファイルクローズ操作であれば(ステップB12でYES)、表示中のファイル内容を消去して当該ファイルをクローズしたのち(ステップB13)、図4のフローの終了となるが、その他の操作として、例えば、ページ切り替え操作などが行われた場合には(ステップB12でNO)、その操作に応じた処理として、ページ切り替え処理などを実行したのち(ステップB14)、上述のステップB4に戻る。
【0035】
一方、表示部筐体Bを閉じる閉操作が行われたときには(ステップB4でYES)、表示中のファイル内容を消去して当該ファイルをクローズしたのち(ステップB5)、計時部10内のタイマの計測動作を開始させる(ステップB6)。そして、この閉操作後に、表示部筐体Bを開く開操作が行われたかを調べ(ステップB7)、開操作が行われなければ、ステップB10に移り、タイマ計測時間は所定時間(例えば、3秒)t2を経過したか(タイムアウトか)、つまり、閉操作を行ってから所定時間t2を経過したかを調べる。ここで、所定時間t2が経過してもクローズスタイルのままであれば(ステップB10でYES)、再オープンする意思がないものと判断して、図4のフローの終了となる。
【0036】
また、閉操作を行ってから所定時間t2が経過する前に開操作が行われたときには(ステップB7でYES)、それは他方向への開操作か、つまり、第1開閉方向への閉操作後に第2開閉方向への開操作が行われたかを調べる(ステップB8)。ここで、同一方向への開操作が行われた場合には、図4のフローの終了となるが、他方向への開操作であれば(ステップB8でYES)、この閉操作に応答して前回クローズしたファイルを再オープンしたのち(ステップB9)、上述のステップB3に戻り、変更後のオープンスタイルに応じた向きに当該ファイル内容を表示部8に継続して表示させる。すなわち、第1開閉方向への閉操作後に第2開閉方向への開操作が行われた場合、ファイル内容が第2開閉方向の向きとなるように当該ファイル内容を90度回転させて継続表示させる。
【0037】
以上のように、この第2実施形態においてCPU1は、ファイルオープン操作によって表示部8にファイル内容が表示されている状態において、閉操作に応答して当該ファイルをクローズしてから開操作が行われた際に、その開操作は当該ファイルのクローズ後、所定時間t2内での開操作であるか否かに基づいて当該ファイルを再オープンして表示部8に継続して表示させるか否かを制御するようにしたので、その開閉操作がどのように行われたかの操作状況に応じて同一のファイル内容を継続して表示させることができる。この場合、2方向開閉式(2ウェイオープンタイプ)の携帯電話装置において、スタイルを変更するために、一旦、閉操作を行ってから開操作を行ったとしても、瞬間的・一時的な閉操作(仮の閉操作)であると予測して、同一のファイル内容を継続して表示させるようにしたので、改めてファイルをオープンする操作が不要となり、利便性を向上させることが可能となる。
【0038】
第1開閉方向への閉操作後に、第2開閉方向への開操作が行われた場合には、ファイル内容が第2開閉方向の向きとなるように当該ファイル内容を回転表示させるようにしたので、表示の向きをスタイルに応じて変更することができる。
【0039】
なお、上述した各実施形態において、ファイル内容の表示を開始してから所定時間t1内に閉操作が行われたかを調べたり、この閉操作を行ってから所定時間t2を経過したかを調べたりする場合に、所定時間t1、t2の値は2秒や3秒に限らず、予めユーザ操作によって設定した値であってもよい。
【0040】
上述した各実施形態においては、開閉操作がどのように行われたかの操作状況に応じて同一のファイル内容を継続して表示させるようにしたが、ファイル内容の表示に限らず、表示対象の情報は、受信メール内容、アドレス帳レコード、スケジュール帳レコードなどであってよい。
【0041】
上述した各実施形態においては、2方向開閉式の携帯電話装置として、2ウェイオープンタイプの携帯電話装置に適用した場合を例示したが、これに限らず、第1筐体に対して第2筐体が開いている状態で、一旦、第2筐体の表示部を閉じた状態にしてから他の方向に第2筐体を開くようにした携帯電話装置であれば、2ウェイオープンタイプに限らず、任意である。
その他、第1筐体と第2筐体とを開閉可能に連結して成る携帯端末装置としては、例えば、PDA(個人用の携帯情報端末)、デジタルカメラ、電子腕時計、音楽再生機などであっても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】携帯端末装置として適用した携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】2方向開閉式(2ウェイオープンタイプ)の携帯電話装置の外観図で、(1)は、操作部筐体Aと表示部筐体Bとを縦に開いた縦開き状態のオープンスタイル(レギュラーオープンスタイル)を示した図、(2)は、操作部筐体Aと表示部筐体Bとを横に開いた横開き状態のオープンスタイル(ワイドオープンスタイル)を示した図。
【図3】ファイルオープン操作が行われた際に実行開始される動作を示したフローチャート。
【図4】第2実施形態において、ファイルオープン操作が行われた際に実行開始される動作を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0043】
1 CPU
2 記憶部
7 操作部
8 表示部
9 スタイル検出部
10 計時部
DF データフォルダ
A 操作部筐体
B 表示部筐体
C ヒンジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、表示部を備えた第2筐体とを開閉可能に連結した携帯端末装置であって、
前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いていると共に前記表示部が露出している状態で情報表示が指示された際に、その情報を前記第2筐体の表示部に表示させる第1の表示制御手段と、
前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いている状態で前記第2筐体を閉じる閉操作が行われた際に、前記情報を表示させてから第1所定時間内での当該閉操作であるか否かを判別する第1の判別手段と、
前記閉操作後に前記第2筐体を開く開操作が行われた際に、前記判別手段による判別結果に応じて前記表示部に前記情報を継続して表示させるか否かを制御する第2の表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記第1筐体に対して前記第2筐体を第1開閉方向への開閉と第2開閉方向への開閉を可能とする2方向開閉機構を備え、
前記第1開閉方向への閉操作後に、前記第2開閉方向への開操作が行われたか否かを判別する第2の判別手段を更に備え、
前記第2の表示制御手段は、前記第1の判別手段によって第1所定時間内での閉操作であることが判別され、かつ、前記第2の判別手段によって第2開閉方向への開操作が行われたことが判別された場合に、前記情報が第2開閉方向の向きとなるように当該情報を回転表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記第1の判別手段は、前記情報を表示させてから第1所定時間内に閉操作が行われたか否かを判別するほか、この閉操作後に前記第2筐体を開く開操作が行われた際に、第2所定時間内での当該開操作であるか否かを判別し、
前記第2の表示制御手段は、前記第1の判別手段によって閉操作が第1所定時間内に行われ、かつ、第2所定時間内での開操作であることが判別された際に、前記表示部に前記情報を継続表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
第1筐体と、表示部を備えた第2筐体とを開閉可能に連結した携帯端末装置であって、
前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いていると共に前記表示部が露出している状態で情報のオープン指示があった際に、その情報を前記第2筐体の表示部に表示させる第1の表示制御手段と、
前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いている状態で前記第2筐体を閉じる閉操作に応答して当該情報がクローズされてから所定時間内に前記第2筐体を開く開操作が行われたか否かを判別する判別手段と、
この判別手段による判別結果に応じて前記情報を再オープンして前記表示部に継続表示させるか否かを制御する第2の表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
前記第1筐体に対して前記第2筐体を第1開閉方向への開閉と第2開閉方向への開閉を可能とする2方向開閉機構を備え、
前記第1開閉方向への閉操作後に、前記第2開閉方向への開操作が行われたか否かを判別する第2の判別手段を更に備え、
前記第2の表示制御手段は、前記第1の判別手段によって所定時間内での開操作であることが判別され、かつ、前記第2の判別手段によって第2開閉方向への開操作であることが判別された場合に、前記情報が第2開閉方向の向きとなるように当該情報を回転表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の携帯端末装置。
【請求項6】
コンピュータに対して、
第1筐体に対して前記第2筐体が開いていると共に前記表示部が露出している状態で情報表示が指示された際に、その情報を前記第2筐体の表示部に表示する機能と、
前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いている状態で前記第2筐体を閉じる閉操作が行われた際に、前記情報を表示させてから第1所定時間内での当該閉操作であるか否かを判別する機能と、
前記閉操作後に前記第2筐体を開く開操作が行われた際に、前記判別結果に応じて前記表示部に前記情報を継続して表示させるか否かを制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項7】
コンピュータに対して、
前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いていると共に前記表示部が露出している状態で情報のオープン指示があった際に、その情報を前記第2筐体の表示部に表示する機能と、
前記第1筐体に対して前記第2筐体が開いている状態で前記第2筐体を閉じる閉操作に応答して当該情報がクローズされてから所定時間内に前記第2筐体を開く開操作が行われたか否かを判別する機能と、
前記判別結果に応じて前記情報を再オープンして前記表示部に継続表示させるか否かを制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−109537(P2010−109537A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277921(P2008−277921)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】