説明

携帯端末装置

【課題】モバイルTV専用インターフェースを持たないメインCPUにも、モバイルTV受信機能を簡単に追加することができる携帯端末装置を提供すること。
【解決手段】携帯端末装置100全体を制御するとともに、モバイルTVバックエンド処理LSI120間をホストI/F141、カメラI/F142及びオーディオI/F143により接続するセルラーベースバンドLSI110と、モバイルTV機能を実現するモバイルTVバックエンド処理LSI120とを備え、モバイルTVバックエンド処理LSI120内に、セルラーベースバンドLSI110からの制御信号に基づいて携帯電話向けカメラモジュール125の映像信号とモバイルTV用映像信号とを選択する選択回路122を設け、いずれか一方の映像信号をカメラI/F142に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付き携帯電話機等の通信端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型で、低消費電力のイメージセンサが開発されたことに伴い、PDA(Personal Digital Assistants)や携帯電話機などの携帯型装置にカメラを内蔵することが可能となり、内蔵カメラにより撮影した画像を、メモ代わりに印刷物を撮影したり、電子メールで即座に送信できることが可能となっている。
【0003】
特許文献1には、相互に仕様の異なる複数の撮像装置と、これらの撮像装置のいずれか一つを選択する選択手段を備え、用途によって使い分ける撮像装置搭載携帯電話機が記載されている。
【0004】
また、モバイルTV放送信号を受信する機能を備えた携帯電話機は、RF部やベースバンド部からなるモバイルTV受信モジュールと、AVデコード処理やデータ放送を処理するためのバックエンド処理を行うメインCPUなどから構成され、それぞれが専用のインターフェースにより接続されている。例えば、メインCPUには、アプリケーションLSIのように、データ放送やAVストリームが多重された映像サービスを受信するためのモバイルTV受信専用インターフェースが装備されている。また、特許文献2に記載のナビゲーションサービスでは、モバイルTV受信モジュールとして、ISDB−T(日本地上デジタルテレビジョン放送方式)、DVB−H(欧州通信規格機構デジタルビデオ放送地上波)受信モジュールのようにMPEG2−TS(Moving Picture Experts Group 2 - Transport Stream)を出力する専用のインターフェースを装備し、相互に接続したモバイルTV受信システムが開示されている。
【特許文献1】特開2004−64350号公報
【特許文献2】特表2005−509166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来のカメラ付き携帯端末装置にあっては、ほとんどの携帯電話にはカメラインターフェースを持ったメインCPUが使用されている。一方、ISDB−TやT−DMB、DVB−HといったモバイルTV受信機能は、サービスが開始されたばかりでありメインCPUにはモバイルTV専用インターフェースを持っていないものが多い。更に、従来携帯電話などをはじめとするモバイルTV端末を受信するような小型携帯機器開発メーカは、テレビ視聴及び録画機能を開発した経験が少なく、その機能を実現できるプログラムを開発することが困難である。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、モバイルTV専用インターフェースを持たないメインCPUにも、モバイルTV受信機能を簡単に追加することができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末装置は、特定プログラムを実行する外部特定機能部と、前記外部特定機能部を制御するホストインターフェースと、カメラインターフェースと、前記外部特定機能部からの出力と前記カメラインターフェースへの入力とを選択し、該選択した信号を前記カメラインターフェースに接続する制御を行う制御手段とを備える構成を採る。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、既設のカメラI/F142を、モバイルTV視聴用映像信号入力I/Fと共有することができ、セルラーベースバンドLSI110の汎用性確保とコストアップ回避、さらに回路面積の低減を図るとともに、モバイルデジタルテレビ専用のインターフェースを備えていないアプリケーションLSIでモバイルデジタルテレビ機能を実現することができる。
【0009】
また、モバイルデジタルテレビの視聴、記録機能を実現するソフトウェアを端末メーカが独自に作成する必要がなくなり、モバイルデジタルテレビ機能を備えた端末を容易に開発することができる。
【0010】
したがって、テレビ視聴の機能を有したモバイルTV視聴システムを従来の携帯電話システムなどに容易に追加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態の携帯端末装置は、モバイルTVシステムをカメラ付き携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)に適用した例である。
【0013】
図1において、携帯端末装置100は、セルラーベースバンドLSI110、制御プログラム111aを有するROM111、RAM112、表示装置113、音声出力装置114、セルラーRFモジュール115、モバイルTVバックエンド処理LSI120、バックエンド処理ブロック121、選択回路122,123、フロントエンドモジュール124、携帯電話向けカメラモジュール125、オーディオコーディック126、マイクロフォン127、制御プログラム131aを有するROM131、RAM132、ホストインターフェース(I/F)141、カメラインターフェース(I/F)142,152、オーディオインターフェース(I/F)143、及び専用インターフェース(I/F)151を備えて構成される。なお、図示は省略するが、携帯端末装置100は、電話機能キー、十字キー、モードキー,ダイヤルキーなどからなりユーザ操作によるデータを入力するキー入力装置、スピーカ等を備える。
【0014】
セルラーベースバンドLSI110は、CPU等からなり携帯端末装置100全体を制御するとともに、モバイルTVバックエンド処理LSI120間をホストI/F141、カメラI/F142及びオーディオI/F143により接続し、携帯電話向けカメラモジュール125からの映像信号を入力するカメラI/F142を、モバイルTV視聴用映像信号入力I/Fと共有することで、モバイルTV受信機能を持つ。
【0015】
ROM111は、携帯端末装置100が動作する際に必要な制御プログラム111aや通信制御データ等の固定データ等を記憶する読出し専用の半導体メモリである。RAM112は、表示や通信に関するデータ、演算に使用するデータ及び演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリとして使用される。携帯端末装置100で処理されるプログラムは、このRAMに展開されて実行される。また、RAMの一部は、電気的に書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM(electrically erasable programmable ROM)からなり、EEPROMに書き込むプログラムを変えることによって、特に携帯端末装置100における各種の仕様を変更することができる。
【0016】
表示装置113は、ドットマトリクス構成のカラー表示可能なLCDディスプレイ,EL(Electro Luminescence)、白色LEDバックライト及び各ドライバ等で構成され、受信情報,画像やテキスト情報などの情報をカラー表示する。音声出力装置114は、オーディオ信号を出力するアンプ,スピーカなどである。セルラーRFモジュール115は、携帯端末装置100の無線通信の送受信を制御する。
【0017】
モバイルTVバックエンド処理LSI120は、バックエンド処理ブロック121、選択回路122及び選択回路123を備え、モバイルTV受信のフロントエンド処理を施す。
【0018】
バックエンド処理ブロック121は、フロントエンドモジュール124から入力されたMPEG2−TS(Moving Picture Experts Group 2 - Transport Stream)形式のビットストリームをAV分離するとともにデコードし、映像信号161と音声信号162として選択回路122と選択回路123に出力する。
【0019】
選択回路122は、バックエンド処理ブロック121から出力された映像信号161と携帯電話向けカメラモジュール125に接続されたカメラI/F152から入力された映像信号171とを選択する。
【0020】
選択回路123は、バックエンド処理ブロック121から出力された音声信号162とオーディオコーディック126から出力された音声信号172とを選択する。
【0021】
上記選択回路122及び選択回路123により、一対のAVデジタル信号が選択され、セルラーベースバンドLSI110に搭載されているカメラI/F142及びオーディオI/F143を介して入力される。
【0022】
フロントエンドモジュール124は、モバイルTV受信のフロントエンド処理を施す。フロントエンドモジュール124は、専用I/F151を介してモバイルTVバックエンド処理LSI120と接続される。
【0023】
携帯電話向けカメラモジュール125は、携帯端末装置100に内蔵された例えば200万画素のCCD(Charge Coupled Device)(エリア型固体撮像素子)カメラである。このカメラは、単焦点レンズを有し、通常撮影時とバーコード読み取り時とで焦点深度が切換えられる。また、ズーム機能を有する。
【0024】
オーディオコーディック126は、音声合成LSIからなりマイクロフォン127から入力された音声データをデジタル信号処理し、デジタル信号処理した音声信号172を選択回路123の一方の入力端子に入力する。
【0025】
ROM131は、モバイルTVバックエンド処理LSI120が動作する際に必要な制御プログラム131aや通信制御データ等の固定データ等を記憶する。RAM132は、モバイルTVバックエンド処理LSI120の演算に使用するデータ及び演算結果等を一時的に記憶する。
【0026】
ホストI/F141は、セルラーベースバンドLSI110がモバイルTVバックエンド処理LSI120のバックエンド処理ブロック121を制御するためのコマンドやデータ放送を通知する。
【0027】
カメラI/F142は、モバイルTVバックエンド処理LSI120の選択回路122により選択された映像信号161をセルラーベースバンドLSI110に入力する。
【0028】
オーディオI/F143、オーディオコーディック126から出力された音声信号172を、モバイルTVバックエンド処理LSI120を介してセルラーベースバンドLSI110に入力する。
【0029】
専用I/F151は、フロントエンドモジュール124とバックエンド処理ブロック121とを接続し、MPEG2−TS形式ビットストリームデータを送受信する。
【0030】
カメラI/F152は、携帯電話向けカメラモジュール125から出力された映像信号171を、モバイルTVバックエンド処理LSI120に入力する。
【0031】
本実施の形態では、モバイルTVバックエンド処理LSI120が選択回路123を備えることを特徴としており、携帯電話向けカメラモジュール125から出力された映像信号171はそのままセルラーベースバンドLSI110のカメラI/F142に入力されるのではなく、一旦モバイルTVバックエンド処理LSI120の選択回路123を経由し、選択回路123の選択結果としてモバイルTVバックエンド処理LSI120に入力される。
【0032】
図2は、上記携帯端末装置100に搭載されたモバイルTVシステムの構成を示すブロック図である。
【0033】
図2において、モバイルTVシステム200は、ベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210、モバイルTVバックエンドLSI220、表示装置230、カメラ240、フラッシュROM250、SDRAM260、オーディオDAC270、スピーカ271、チューナIC281及びOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器282からなるチューナモジュール280を備えて構成される。
【0034】
ベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210は、図1のセルラーベースバンドLSI110に対応し、モバイルTVバックエンドLSI220は、図1のモバイルTVバックエンド処理LSI120に対応する。また、表示装置230は、図1の表示装置113に、カメラ240は、図1の携帯電話向けカメラモジュール125に、チューナモジュール280は、図1のセルラーRFモジュール115にそれぞれ対応する。
【0035】
ベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210は、モバイルTVアプリケーション実行部211、フォントROM212、OS(Operating System)213、シリアルI/F214、カメラIn I/F215、SDカードI/F216、GPIO(General Port Input Output )217を備えて構成される。
【0036】
モバイルTVアプリケーション実行部211は、OS213上でシリアルI/F214及びカメラIn I/F215から入力されるデータを基にフォントROM212を使用して画像合成処理を実行する。画像合成処理データはRGB出力され、表示装置230により表示される。モバイルTVアプリケーション実行部211は、EPG(Electronic Program Guide)蓄積211a、通信制御211b、ブラウザ211c、字幕211d、動画211e、画像合成処理211fの各処理を行う。
【0037】
GPIO217は、システム応用の際に汎用入出力端子で使用されるI/Oである。GPIO217出力が、モバイルTVバックエンドLSI220の選択回路225の切り替え制御信号となる。
【0038】
モバイルTVバックエンドLSI220は、モバイルTV視聴システム221及びOS221A、フォーマット変換部222、ビデオOut I/F223、カメラIn I/F224、選択回路225、シリアルI/F226、I2S(Inter IC Sound Interface) I/F227、I2C(Inter IC Controller) I/F228、TS(Transport Stream) I/F229を備えて構成される。モバイルTV視聴システム221は、図3で後述するCPU310がOS221A上でモバイルTV視聴のための各制御、すなわち映像系ではモバイルTV視聴制御ミドルウェア221a、ビデオ再生221b及びオーディオ再生221cを実行するとともに、通信系ではホストCPU通信制御221d及びデータ放送抽出221eを実行する。
【0039】
モバイルTV視聴制御ミドルウェア221aは、具体的にはTSデコード制御処理221a−1、PSI(Serial Port Interface)/SI制御処理221a−2、AV ES抽出処理221a−3を実行し、AV ES抽出処理結果をビデオ再生221b及びオーディオ再生221cに渡す。ビデオ再生221bは、ビデオデコーダ221b−1により映像データを再生してフォーマット変換部222に出力する。また、オーディオ再生221cは、オーディオデコーダ221c−1によりオーディオデータを再生してI2S I/F227に出力する。
【0040】
一方、データ放送抽出221eは、カルーセル抽出処理221e−1により伝送制御情報に含まれるTSからカルーセルデータを抽出し、モジュールファイル作成処理221e−2によりモジュールファイルを作成してホストCPU通信制御221dに渡す。ホストCPU通信制御221dは、モジュールファイルを使ってシリアルI/F226との間でデータを入出力する。
【0041】
フォーマット変換部222は、YUV420形式のビデオ再生出力をYUV422形式の出力に変換する。
【0042】
ビデオOut I/F223は、YUV422形式のビデオ信号を出力する。
【0043】
カメラIn I/F224は、カメラ240で撮影された映像データをYUV形式の映像データに変換して選択回路225の一方に入力する。
【0044】
選択回路225は、GPIO217出力を基にビデオOut I/F223の出力とカメラ240入力とのいずれかを選択し、カメラIn I/F215に出力する。選択回路225は、GPIO217出力が“H”のときビデオ出力を、“L”のときカメラ入力を選択する。因みに、従来例では、選択回路225に相当する選択手段はなくカメラ240出力はそのまま、ベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210に入力されていた。
【0045】
I2S I/F227は、音声データを出力する。I2C I/F228は、外部映像エンコーダ及びデコーダへのインターフェースを提供する。TS I/F229は、MPEG2−TSを入力する。
【0046】
フラッシュROM250及びSDRAM260は、一括読書きのFlashROM又はSRAMなどの不揮発性メモリからなり、モバイルTVバックエンドLSI220との間でデータの読出し又はデータの読書きを行う。フラッシュROM250及びSDRAM260は、図1の携帯端末装置100本体と装着可能なカード型記憶媒体である。
【0047】
オーディオDAC270は、I2S I/F227からのI2Sデータをアナログ信号に変換・増幅してスピーカ271により出力する。
【0048】
チューナモジュール280は、モバイルTV視聴制御ミドルウェア221aのI2C I/F228からの制御信号により制御される。チューナモジュール280は、チューナIC281により受信アンテナで受信されたRF帯周波数信号が図示しないLNA(Low Noise Amplifier)で増幅後、ベースバンド帯周波数信号へ周波数変換され、OFDM復調器282によりFFTが入力信号に対して高速フーリエ変換処理を施すことにより、各サブキャリア毎の受信信号を得る。サブキャリア毎の受信信号は、等化器によりデータ歪みが補正され、OFDM復調信号となる。復調されたMPEG2−TSは、TS I/F229に出力され、TS I/F229は入力されたMPEG2−TSをTSデコード制御処理221a−1に渡す。
【0049】
図3は、上記モバイルTVバックエンドLSI220の構成を示すブロック図である。図3は、図2に示すモバイルTVバックエンドLSI220をハード的構成で示すとともに、その要部を示している。
【0050】
図3において、モバイルTVバックエンドLSI220は、CPU310、メディアプロセッサ311、DMAC(Direct Memory Access Controller)312、フォーマット変換ブロック313、画像合成ブロック314、AV入出力ブロック315、メモリコントローラ316、TS I/F317、内部バス318、ビデオ選択回路321、オーディオ選択回路322、メモリ350、及びチューナ360を備えて構成される。
【0051】
CPU310は、モバイルTV視聴制御ミドルウェアを実行する。また、入出力デバイス制御、データ放送処理、及びTSデコード処理を担当する。
【0052】
メディアプロセッサ311は、ビデオ再生/オーディオ再生などの映像や音楽等の高速デジタル処理を専用で実行する信号処理やリアルタイム処理が高性能なプロセッサである。
【0053】
DMAC312は、CPU310を介さずに直接各装置とメモリ間で内部バス318を介してデータを行うDMA制御を行う。DMAC312は、DMA要求が発行されるとCPU310に対して内部バス318の開放を要求し、CPU310が内部バス318を解放できる場合は、バス使用の許可信号を出すとともに、バスをハイインピーダンス状態とする。
【0054】
フォーマット変換ブロック313は、RGB⇒YUV変換/YUV⇒RGB変換処理を行う。また、フォーマット変換ブロック313は、ビデオ出力フォーマットに合わせる。
【0055】
画像合成ブロック314は、カメラ画像やビデオデコード画像、字幕画面を合成する。また、画像回転なども実施する。
【0056】
AV入出力ブロック315は、オーディオ入出力 I/Fやビデオ入出力 I/Fを制御する。
【0057】
メモリコントローラ316は、ワークメモリやフレームバッファとしてのメモリアクセスを制御する。
【0058】
TS I/F317は、チューナ360からのMPEG2−TSを入力する。
【0059】
ビデオ選択回路321は、カメラ入力331とビデオデコード出力332の出力選択を行う。オーディオ選択回路322は、オーディオ入力333とオーディオデコード出力334の出力選択を行う。ビデオ選択回路321及びオーディオ選択回路322は、いずれも選択決定に選択レジスタ方式と端子選択方式のどちらか一方を想定している。ビデオ選択回路321及びオーディオ選択回路322は、図1では選択回路122及び選択回路123に対応する。また、ビデオ選択回路321は、図2では選択回路225に対応する。
【0060】
メモリ350は、図1のRAM132の他、図2のフラッシュROM250及びSDRAM260が含まれる。
【0061】
チューナ360は、ここでは図2のチューナモジュール280である。
【0062】
以下、上述のように構成された携帯端末装置の動作を説明する。
【0063】
セルラーベースバンドLSI110に搭載されているカメラI/F142は、携帯電話向けカメラモジュール125に接続されたカメラI/F152と基本的には同一のカメラI/Fである。従来では携帯電話向けカメラモジュール125の映像信号を、そのままカメラI/F142に接続していた。本実施の形態では、携帯端末装置100は、モバイルTV機能を実現するモバイルTVバックエンド処理LSI120を新たに備えており、モバイルTVバックエンド処理LSI120は、モバイルTVの映像信号及びオーディオ信号をセルラーベースバンドLSI110に出力する必要がある。しかし、セルラーベースバンドLSI110の汎用性確保とコストアップ回避、さらに回路面積の低減の観点から、セルラーベースバンドLSI110には、モバイルTV映像信号入力用の専用I/Fを設けたくない。そこで、カメラ付き携帯電話機用としてセルラーベースバンドLSI110に既設されているカメラI/F142を、モバイルTVバックエンド処理LSI120からのモバイルTV用映像信号入力用I/Fとして兼用させる。そのため、モバイルTVバックエンド処理LSI120内に、セルラーベースバンドLSI110からの制御信号に基づいて携帯電話向けカメラモジュール125の映像信号とモバイルTV用映像信号とを選択する選択回路122を設け、いずれか一方の映像信号をカメラI/F142に出力することで、モバイルデジタルテレビ専用のインターフェースを備えていないアプリケーションLSIでモバイルデジタルテレビ機能の実現を可能にする。
【0064】
図1に示すように、携帯端末装置100は、携帯電話機の通話機能及びAV処理などの基本アプリケーション機能を有するセルラーベースバンドLSI110と、モバイルTV受信機能を有するモバイルTVバックエンド処理LSI120とを備え、セルラーベースバンドLSI110とモバイルTVバックエンド処理LSI120とは、ホストI/F141により相互に接続される。
【0065】
モバイルTVバックエンド処理LSI120には、フロントエンドモジュール124、携帯電話向けカメラモジュール125、及びオーディオコーディック126が接続される。
【0066】
フロントエンドモジュール124は、専用I/F151を介してモバイルTVバックエンド処理LSI120のバックエンド処理ブロック121にMPEG2−TS形式ビットストリームデータを出力する。モバイルTVバックエンド処理LSI120に入力されたMPEG2−TS形式のビットストリームは、バックエンド処理ブロック121によりAV分離・デコードされ、映像信号161と音声信号162として出力される。
【0067】
携帯電話向けカメラモジュール125は、カメラI/F152を介してモバイルTVバックエンド処理LSI120に映像信号を出力し、マイクロフォン127の音声データはオーディオコーディック126によりデジタル信号化され、デジタル音声I/Fを介してモバイルTVバックエンド処理LSI120に出力される。
【0068】
本実施の形態のモバイルTVバックエンド処理LSI120は、モバイルTV受信機能とカメラ入力を選択する選択回路122と、モバイルTV受信機能とマイクロフォン入力を選択する選択回路123とを備えることを特徴とする。
【0069】
選択回路122及び選択回路123は、セルラーベースバンドLSI110からの制御信号により切替え動作し、選択回路122は、バックエンド処理ブロック121から出力された映像信号161とカメラI/F152から入力された映像信号171とのいずれかを選択する。また、選択回路123は、バックエンド処理ブロック121から出力された音声信号162と、オーディオコーディック126から入力された音声信号172とのいずれかを選択する。セルラーベースバンドLSI110からの制御信号は、具体的には図2及び図3に示すGPIO出力である。セルラーベースバンドLSI110に対応するモバイルTVバックエンドLSI220(図2及び図3)は、カメラ機能及びAV処理などの基本アプリケーション機能の実行時に、外部に対してGPIOを用いて制御信号を送出することができる。
【0070】
このように、モバイルTVバックエンド処理LSI120に設置された選択回路122及び選択回路123により、バックエンド処理ブロック121から出力されるモバイルTVの映像信号161及び音声信号162と、カメラI/F152及びオーディオコーディク126から出力される映像信号171及び音声信号172とのいずれかの、一対のAVデジタル信号が選択される。選択回路122及び選択回路123により選択された一対のAVデジタル信号は、セルラーベースバンドLSI110に搭載されているカメラI/F142及びオーディオI/F143を介してセルラーベースバンドLSI110に入力され、セルラーベースバンドLSI110は、カメラI/F142及びオーディオI/F143に入力された映像信号及びオーディオ信号をそれぞれ表示装置113と音声出力装置114とに出力する。
【0071】
モバイルTV受信機能とカメラ入力の選択動作について、図2及び図3を参照してさらに詳細に説明する。
【0072】
図1のモバイルTVバックエンド処理LSI120の選択回路122は、図2のモバイルTVバックエンドLSI220の選択回路225に対応する。選択回路225は、ベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210のGPIO217出力を基にビデオOut I/F223の出力とカメラ240入力とのいずれかを選択し、選択したYUV422形式のビデオ信号をベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210のカメラIn I/F215に出力する。ここでは、GPIOを用いて端子選択方式により選択決定している。例えば、選択回路225は、GPIO217出力が“H”のときビデオ出力を、“L”のときカメラ入力を選択する。
【0073】
さらに具体的に見ると、図1のモバイルTVバックエンド処理LSI120の選択回路122及び選択回路123は、図3のモバイルTVバックエンドLSI220のビデオ選択回路321及びオーディオ選択回路322に対応する。ビデオ選択回路321は、ベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210のGPIO出力を基にAV入出力ブロック315の映像出力YUV/RGBとカメラIn入力331とのいずれかを選択し、選択したYUV形式のRGB映像信号をベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210のビデオOut出力332に出力する。また、オーディオ選択回路322は、ベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210のGPIO出力を基にAV入出力ブロック315のオーディオ出力PCMとオーディオIn入力333とのいずれかを選択し、選択したPCMオーディオ信号をベースバンドLSI/メインアプリケーションLSI210のオーディオOut出力334に出力する。
【0074】
以上説明したように、本実施の形態によれば、携帯端末装置100全体を制御するとともに、モバイルTVバックエンド処理LSI120間をホストI/F141、カメラI/F142及びオーディオI/F143により接続するセルラーベースバンドLSI110と、モバイルTV機能を実現するモバイルTVバックエンド処理LSI120とを備え、モバイルTVバックエンド処理LSI120内に、セルラーベースバンドLSI110からの制御信号に基づいて携帯電話向けカメラモジュール125の映像信号とモバイルTV用映像信号とを選択する選択回路122を設け、いずれか一方の映像信号をカメラI/F142に出力することで、携帯電話向けカメラモジュール125からの映像信号を入力する既設のカメラI/F142を、モバイルTV視聴用映像信号入力I/Fと共有することができる。これにより、セルラーベースバンドLSI110の汎用性確保とコストアップ回避、さらに回路面積の低減を図るとともに、モバイルデジタルテレビ専用のインターフェースを備えていないアプリケーションLSIでモバイルデジタルテレビ機能を実現することができる。
【0075】
また、セルラーベースバンドLSI110の汎用性が確保されるので、モバイルデジタルテレビの視聴、記録機能を実現するソフトウェアを端末メーカが独自に作成する必要がなくなり、モバイルデジタルテレビ機能を備えた端末を容易に開発することが可能となる。
【0076】
なお、本実施の形態では、選択回路122,123等を制御する制御信号としてセルラーベースバンドLSI110からのGPIO出力(H/L)に基づく端子選択方式を採用しているが、制御コードをレジスタに転送し該レジスタ値により出力経路を制御する選択レジスタ方式を採用してもよく、同様の効果を得ることができる。
【0077】
また、本実施の形態は、カメラ付き携帯電話機本体には特殊な装置は不要であるため、本体の設計変更や部材の追加などを行うことなく直ちに実施が可能である利点がある。
【0078】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態の携帯端末装置は、モバイルTVシステムをカメラ付き携帯電話機/PHSに適用した例である。図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
【0079】
図4において、携帯端末装置400は、セルラーベースバンドLSI110、制御プログラム111aを有するROM111、RAM112、表示装置113、音声出力装置114、セルラーRFモジュール115、アナログTVチューナモジュール410、モバイルTVバックエンド処理LSI420、バックエンド処理ブロック121、選択回路122,123、ビデオA/D変換器421、及びオーディオA/D変換器422、フロントエンドモジュール124、制御プログラム131aを有するROM131、RAM132、ホストI/F141、カメラI/F142、オーディオI/F143、及び専用I/F151を備えて構成される。
【0080】
携帯端末装置400は、図1の携帯電話向けカメラモジュール125及びオーディオコーディック126に代えてアナログTVチューナモジュール410を有する。
【0081】
モバイルTVバックエンド処理LSI420は、バックエンド処理ブロック121、選択回路122,123、ビデオA/D変換器421、及びオーディオA/D変換器422を備え、モバイルTV受信のフロントエンド処理を施す。
【0082】
アナログTVチューナモジュール410は、アナログTV放送を受信する。アナログTVチューナモジュール410により受信されたアナログ映像信号411とアナログ音声信号412は、モバイルTVバックエンド処理LSI420に入力され、ビデオA/D変換器421及びオーディオA/D変換器422によりデジタル信号に変換され、デジタル変換後の映像信号431と音声信号432は選択回路122と選択回路123にそれぞれ入力される。
【0083】
選択回路122及び選択回路123は、セルラーベースバンドLSI110からの制御信号により切替え動作し、選択回路122は、バックエンド処理ブロック121から出力された映像信号161とアナログTVチューナモジュール410から入力されデジタル信号に変換された映像信号431とのいずれかを選択する。また、選択回路123は、バックエンド処理ブロック121から出力された音声信号162とアナログTVチューナモジュール410から入力されデジタル信号に変換された音声信号432とのいずれかを選択する。
【0084】
このように、本実施の形態によれば、カメラ付き携帯電話機用としてセルラーベースバンドLSI110に既設されているカメラI/F142を、モバイルTVバックエンド処理LSI420からのモバイルTV用映像信号入力用I/Fとして兼用させる。そのため、モバイルTVバックエンド処理LSI120内に、セルラーベースバンドLSI110からの制御信号に基づいてアナログTVチューナモジュール410の映像信号とモバイルTV用映像信号とを選択する選択回路122を設け、いずれか一方の映像信号をカメラI/F142に出力することで、デジタルテレビとアナログテレビのどちらか感度の良い方を選択することが可能になり、受信エリアを拡大することができる。
【0085】
(実施の形態3)
実施の形態1,2は、基本的なモバイルTV付き携帯電話機への適用例について説明した。実施の形態3では、複数のカメラ画像を合成して、一枚の画像として出力する監視カメラのような携帯端末装置について説明する。
【0086】
図5は、本発明の実施の形態3の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。本実施の形態は、監視カメラ機能を実現するカメラ撮影システムに適用した例である。
【0087】
図5において、カメラ撮影システム500は、メインCPU510、ビデオエンコーダ511、ROM111、RAM112、表示装置113、主記憶装置512、アプリケーションLSI520、合成ブロック521、カメラモジュール531〜534、ROM541、RAM542、ホストI/F141、及びカメラI/F142を備えて構成される。
【0088】
メインCPU510は、カメラ撮影システム500全体を制御するとともに、アプリケーションLSI520間をコマンド送受信インターフェースであるホストI/F141及び合成画像を送信するカメラI/F142により接続し、既設のカメラI/F142にアプリケーションLSI520の合成ブロック521からの映像信号を入力する。
【0089】
図6は合成ブロック521のカメラ映像を合成例を示す図である。
【0090】
合成ブロック521は、複数のカメラ画像を合成する。ここでは、図6に示すように、複数のカメラモジュール531〜534から出力されるカメラ映像A〜Dを合成し、一枚の画像として出力する。
【0091】
ビデオエンコーダ511は、アプリケーションLSI520からカメラI/F142を介して入力された映像信号を、主記憶装置512で記憶できる形式にビデオ符号化する。このビデオ符号化はデータ圧縮処理を含む。
【0092】
主記憶装置512は、例えばHDDにより構成され、ビデオ符号化された映像データを記憶する。
【0093】
本実施の形態によれば、メインCPU510が有するカメラI/F142を介してアプリケーションLSI520の合成ブロック521からの映像信号が入力される。メインCPU510に既設されているカメラI/F142を、アプリケーションLSI520からの映像信号入力用I/Fとして兼用させている。したがって、メインCPU510の汎用性確保とコストアップ回避、さらに回路面積の低減を図ることができる。
【0094】
なお、本実施の形態では、4台のカメラを接続した場合の監視カメラシステムの場合の例について説明したが、カメラの数は2つ以上であればよい。
【0095】
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。本実施の形態は、マイクロフォンからの音声と音楽再生を合成するモバイル機器システムに適用した例である。
【0096】
図7において、モバイル機器システム600は、メインCPU610、録音機能ブロック611、出力制御ブロック612、主記憶装置613、D/A変換器614、スピーカ615、ROM111、RAM112、アプリケーションLSI620、音楽再生ブロック621、音声合成ブロック622、半導体メモリ623、マイクロフォン631、A/D変換器632、ROM641、RAM642、ホストI/F141、及びオーディオI/F143を備えて構成される。
【0097】
メインCPU610は、モバイル機器システム600全体を制御するとともに、アプリケーションLSI620間をコマンド送受信インターフェースであるホストI/F141及び音声信号を送信するオーディオI/F143により接続し、既設のオーディオI/F143にアプリケーションLSI620の音声合成ブロック622からの音声信号を入力する。
【0098】
音楽再生ブロック621は、音楽を再生する。音楽再生ブロック621は、アプリケーションLSI620のアプリケーション実行に伴い再生した音楽を半導体メモリ623に保存し、また音声合成ブロック622に出力する。
【0099】
音声合成ブロック622は、マイクロフォン631からの音声信号と音楽再生ブロック621からのオーディオ信号とを合成する。合成されたオーディオ信号は、オーディオI/F143を介してメインCPU610の録音機能ブロック611及び出力制御ブロック612に出力される。
【0100】
録音機能ブロック611は、アプリケーションLSI620からオーディオI/F143を介して入力されたオーディオ信号を、主記憶装置613で記憶できる形式に符号化して記憶する。この符号化はデータ圧縮処理を含む。
【0101】
主記憶装置613は、例えばHDDにより構成され、符号化された音声データを記憶する。
【0102】
出力制御ブロック612は、オーディオI/F143を介して入力されたオーディオ信号をD/A変換器614に出力し、スピーカ615により放音させる。
【0103】
本実施の形態によれば、メインCPU610が有するオーディオI/F143を介してアプリケーションLSI620の音声合成ブロック622からのオーディオ信号が入力される。メインCPU610に既設されているオーディオI/F143を、アプリケーションLSI620からの音声信号入力用I/Fとして兼用させている。したがって、メインCPU610の汎用性確保とコストアップ回避、さらに回路面積の低減を図ることができる。
【0104】
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。図1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。本実施の形態は、SDカードなどのメモリに蓄積された動画ファイルとモバイルテレビの映像を合成するモバイルTV付き携帯電話に適用した例である。
【0105】
図8において、携帯端末装置700は、セルラーベースバンドLSI110、制御プログラム111aを有するROM111、RAM112、表示装置113、音声出力装置114、セルラーRFモジュール115、アプリケーションLSI720、配信データ再生ブロック721、合成処理ブロック722、携帯電話向けカメラモジュール125、オーディオコーディック126、マイクロフォン127、制御プログラム731aを有するROM731、RAM732、ホストI/F141、カメラI/F142,152、及びLAN接続I/F741を備えて構成される。
【0106】
セルラーベースバンドLSI110は、アプリケーションLSI720間をホストI/F141、カメラI/F142及びオーディオI/F143により接続し、携帯電話向けカメラモジュール125からの映像信号を入力するカメラI/F142を、映像信号入力I/Fと共有し、オーディオI/F143を、オーディオ信号入力I/Fと共有することで、ネットワーク配信データ受信機能を持つ。
【0107】
配信データ再生ブロック721は、ネットワーク配信データを再生する。
【0108】
合成処理ブロック722は、携帯電話向けカメラモジュール125からの映像信号及びオーディオコーディック126からの音声信号と配信データ再生ブロック721からの映像信号751及び音声信号752とを合成する。例えば、合成処理ブロック722は、カメラ撮影画像と、インターネットなどのネットワークから配信された映像を合成し、表示用画像を作成する。合成されたオーディオ信号は、カメラI/F142及びオーディオI/F143を介してセルラーベースバンドLSI110に出力される。
【0109】
本実施の形態によれば、セルラーベースバンドLSI110が有するカメラI/F142及びオーディオI/F143を介してアプリケーションLSI720の合成処理ブロック722からの映像信号及びオーディオ信号が入力される。セルラーベースバンドLSI110に既設されているカメラI/F142及びオーディオI/F143を、アプリケーションLSI720からの映像及び音声信号入力用I/Fとして兼用させている。したがって、IP電話によるテレビ電話会議システムに適用することができ、セルラーベースバンドLSI110の汎用性確保とコストアップ回避、さらに回路面積の低減を図ることができる。
【0110】
(実施の形態6)
図9は、本発明の実施の形態6の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。図1及び図7と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。本実施の形態は、SDカードなどのメモリに蓄積された動画ファイルとモバイルテレビの映像を合成するモバイルTV付き携帯電話に適用した例である。
【0111】
図9において、携帯端末装置800は、セルラーベースバンドLSI110、制御プログラム111aを有するROM111、RAM112、表示装置113、音声出力装置114、セルラーRFモジュール115、アプリケーションLSI820、バックエンド処理ブロック121、配信データ再生ブロック821、合成処理ブロック822、半導体メモリ823、制御プログラム831aを有するROM831、RAM832、ホストI/F141、カメラI/F142、及び専用I/F151を備えて構成される。
【0112】
セルラーベースバンドLSI110は、アプリケーションLSI820間をホストI/F141、カメラI/F142及びオーディオI/F143により接続し、携帯電話向けカメラモジュール(図示略)からの映像信号を入力するカメラI/F142を、映像信号入力I/Fと共有し、オーディオI/F143を、オーディオ信号入力I/Fと共有することで、ネットワーク配信データ受信機能を持つ。
【0113】
配信データ再生ブロック821は、ネットワーク配信データを再生する。
【0114】
合成処理ブロック822は、バックエンド処理ブロック121からの映像信号161及び音声信号162と配信データ再生ブロック821からの映像信号851及び音声信号852とを合成する。例えば、合成処理ブロック822は、SDカードなどの半導体メモリ823に蓄積された動画ファイルとモバイルテレビの映像を合成する。合成された映像信号861及びオーディオ信号862は、カメラI/F142及びオーディオI/F143を介してセルラーベースバンドLSI110に出力される。
【0115】
本実施の形態によれば、セルラーベースバンドLSI110が有するカメラI/F142及びオーディオI/F143を介してアプリケーションLSI820の合成処理ブロック822からの映像信号及びオーディオ信号が入力される。セルラーベースバンドLSI110に既設されているカメラI/F142及びオーディオI/F143を、アプリケーションLSI820からの映像及び音声信号入力用I/Fとして兼用させている。したがって、SDカードなどのメモリに蓄積された動画ファイルとモバイルテレビの映像を合成するモバイルテレビ付き携帯電話に適用することができ、セルラーベースバンドLSI110の汎用性確保とコストアップ回避、さらに回路面積の低減を図ることができる。
【0116】
なお、本発明の携帯電話機、携帯端末装置、カメラ撮影システム及びモバイル機器システムは、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0117】
例えば、携帯端末装置としてカメラ付き携帯電話機に適用した例について説明したが、携帯電話機に限らずPDA(Personal Digital Assistants)など情報機器機能を持った又はその融合された装置に適用可能である。また、携帯パソコンに代表される情報機器機能に融合された装置であってもよく、全てのシステムに適用可能である。
【0118】
また、上記携帯端末装置を構成する各処理部等の種類、設定情報の種類・形式などは前述した実施形態に限られない。
【0119】
また、本実施の形態では携帯電話機、携帯端末装置、カメラ撮影システム及びモバイル機器システムという名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、画像表示装置等であってもよい。
【0120】
以上説明した携帯端末装置は、携帯端末装置を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明に係る携帯端末装置は、カメラ付き携帯電話機等の通信端末装置に適用可能である。本発明は、昨今の携帯電話端末に搭載するアプリケーションLSI及び、ベースバンドLSIに標準搭載されているカメラ入力インターフェースと、最近サービスが本格化したモバイルTV視聴に必要となるモバイルTV受信インターフェースを共有することで、モバイルTV専用インターフェースを持たないメインCPUにも、モバイルTV受信機能を簡単に追加することができる装置とプログラムを備えたシステムの用途に有用である。また、制御プログラムとして携帯電話機などの電子機器に組み込むことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施の形態1の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図2】上記実施の形態1の携帯端末装置に搭載されたモバイルTVシステムの構成を示すブロック図
【図3】上記実施の形態1の携帯端末装置のモバイルTVバックエンドLSIの構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態3の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図6】上記実施の形態3の携帯端末装置の合成ブロックのカメラ映像を合成例を示す図
【図7】本発明の実施の形態4の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態5の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態6の携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0123】
100,400,700,800 携帯端末装置
110 セルラーベースバンドLSI
111,131,541,641,731,831 ROM
112,132,542,642,732,832 RAM
113 表示装置
114 音声出力装置
115 セルラーRFモジュール
120,420 モバイルTVバックエンド処理LSI
121 バックエンド処理ブロック
122,123 選択回路
124 フロントエンドモジュール
125 携帯電話向けカメラモジュール
126 オーディオコーディック
127,631 マイクロフォン
141 ホストインターフェース(I/F)
142,152 カメラインターフェース(I/F)
143 オーディオインターフェース(I/F)
151 専用インターフェース(I/F)
410 アナログTVチューナモジュール
421 ビデオA/D変換器
422 オーディオA/D変換器
500 カメラ撮影システム
510,610 メインCPU
511 ビデオエンコーダ
512,613 主記憶装置
520,620,720,820 アプリケーションLSI
521 合成ブロック
531〜534 カメラモジュール
600 モバイル機器システム
611 録音機能ブロック
612 出力制御ブロック
614 D/A変換器
615 スピーカ
621 音楽再生ブロック
622 音声合成ブロック
623,823 半導体メモリ
721,821 配信データ再生ブロック
722,822 合成処理ブロック


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定プログラムを実行する外部特定機能部と、
前記外部特定機能部を制御するホストインターフェースと、
カメラインターフェースと、
前記外部特定機能部からの出力と前記カメラインターフェースへの入力とを選択し、該選択した信号を前記カメラインターフェースに接続する制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記カメラインターフェースは、カメラモジュールからの撮像データを入力することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記外部特定機能部は、モバイルテレビを受信するモバイルテレビモジュールであることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記外部特定機能部からの出力と前記カメラインターフェースへの入力とを合成し、該合成した信号を前記カメラインターフェースに接続する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記外部特定機能部は、前記カメラインターフェースと同一機能の機能部側カメラインターフェースと、
前記外部特定機能部からの出力と前記機能部側カメラインターフェースへの入力とを選択する選択手段とを備え、
前記選択手段により選択された信号を前記カメラインターフェースに入力することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記外部特定機能部は、前記カメラインターフェースと同一機能の機能部側カメラインターフェースと、
前記外部特定機能部からの出力と前記機能部側カメラインターフェースへの入力とを合成する合成手段とを備え、
前記合成手段により合成された信号を前記カメラインターフェースに入力することを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−219174(P2008−219174A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50489(P2007−50489)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】