説明

携帯端末装置

【課題】操作性の良いタッチパネルを備える携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯端末装置1は、ユーザによる操作の対象となる操作画像を表示する表示部と、前記表示部の表示画面上でのユーザによる接触操作を検出するタッチセンサと、を有するタッチパネル部20と、表面に前記タッチパネル部20を有する、略矩形の筐体10と、前記タッチパネル部20の表面から突出し、前記筐体10の短手方向に延びるリブ30とを備える。ユーザは、リブ30に隣接して表示されるアイコン等の操作画像を自身の指でタッチして操作する際に、リブ30を触覚により認識し、リブ30に沿って指を動かすことで操作画像をタッチする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力操作用のタッチパネルを備える携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力操作用のタッチパネルを備える携帯電話端末や携帯型情報端末(PDA、Personal Digital Assistant)といった携帯端末装置がある(例えば、特許文献1参照)。このような携帯端末装置のタッチパネルは、表示画面に重ねて配置された透明なタッチセンサを備えている。このようなタッチセンサは、ユーザが表示画面に表示されたキーやアイコンを指でタッチすると、タッチされた位置を検出する。そして、その検出された位置に基づいて、携帯端末装置はユーザが画面上のキーやアイコンを操作したか否かを判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−163278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような画面に表示されたキーやアイコンをユーザが指で操作する場合、触覚だけでは画面上のどの位置にキーやアイコンが表示されているのかを認識することができない。また、隣接するキーやアイコンの境界が触覚だけでは認識できないため、誤操作を生じやすい。このように、タッチパネルは、画面に表示されたキーやアイコンに触れば操作できるという便利さを有する反面、物理的に固定されたハードキーに比べ、操作性があまり良くないという課題があった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、操作性の良いタッチパネルを備える携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置は、
ユーザによる操作の対象となる操作画像を表示する表示部と、前記表示部の表示画面上でのユーザによる接触操作を検出するタッチセンサと、を有するタッチパネル部と、
表面に前記タッチパネル部を有する、略矩形の筐体と、
前記タッチパネル部の表面から突出し、前記筐体の短手方向に延びる1または複数のリブと、
を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置においては、
前記表示部が表示する操作画像を制御する制御部と、
前記携帯端末装置の傾いた方向を検知する傾き検出部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記傾き検出部が検出した前記携帯端末装置の傾き方向に基づいて、前記リブに隣接して前記表示部が表示する操作画像を変化させることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置においては、
前記リブは、前記タッチパネル部の縁部に隣接して形成されていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置においては、
ユーザにより操作可能な、物理的に位置が固定された複数のキーを有するハードキー部を備える操作筐体と、
前記筐体と前記操作筐体とを連結する連結部と、をさらに備え、
前記筐体と前記操作筐体は、前記連結部を介してスライドさせる、又は折り畳まれることにより相対的に移動可能であることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置においては、
画像を表示可能な主表示部を備える表示筐体と、
前記筐体と前記表示筐体とを連結する連結部と、をさらに備え、
前記筐体と前記表示筐体は、前記連結部を介してスライドさせる、又は折り畳まれることにより相対的に移動可能であることを特徴としている。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る携帯端末装置は、
画像を表示可能な主表示部を備える略矩形の表示筐体と、
ユーザによる操作の対象となる操作画像を表示する表示部と、前記表示部の表示画面上でのユーザによる接触操作を検出するタッチセンサと、を有するタッチパネル部と、
前記タッチパネル部と、ユーザにより操作可能な、物理的に位置が固定された複数のキーを有するハードキー部とを同一の表面に有する筐体と、
前記筐体が、前記表示筐体に対して、前記表示筐体の長手方向、及び短手方向にそれぞれスライド可能となるように、前記表示筐体と前記筐体とを連結する連結部と、を備え、
前記表示筐体の長手方向に前記筐体がスライドした場合に、前記筐体の前記タッチパネル部が露出し、
前記表示筐体の短手方向に前記筐体がスライドした場合に、前記筐体の前記ハードキー部と前記タッチパネル部とが露出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第2の観点に係る携帯端末装置においては、
前記タッチパネル部の表面から突出し、前記筐体の短手方向に延びる1または複数のリブをさらに備えることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の第2の観点に係る携帯端末装置においては、
前記表示部が表示する操作画像を制御する制御部と、
前記携帯端末装置の傾いた方向を検知する傾き検出部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記傾き検出部が検出した前記携帯端末装置の傾き方向に基づいて、前記リブに隣接して前記表示部が表示する操作画像を変化させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作性の良いタッチパネルを備える携帯端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1に係る携帯電話端末の斜視外観図である。
【図2】(a)は実施形態1に係る携帯電話端末の正面外観図、(b)は側面外観図、(c)は(a)の切断線A−Aにおける拡大断面図である。
【図3】(a)〜(c)は実施形態1に係る携帯電話端末の縦長使用モード及び横長使用モードにおける操作画像の表示態様を表す図である。
【図4】実施形態1に係る携帯電話端末の構成を示すブロック図である。
【図5】制御部の表示制御処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態2に係る携帯電話端末の(a)正面図、及び(b)側面図である。
【図7】実施形態3に係る携帯電話端末の正面図である。
【図8】実施形態3に係る携帯電話端末の(a)表示筐体の背面図、(b)筐体の正面図、(c)筐体の短手方向から見た側面図、及び(d)筐体の長手方向から見た側面図である。
【図9】(a)〜(c)は実施形態3に係る携帯電話端末の縦長使用モード及び横長使用モードにおける操作画像の表示態様を表す図である。
【図10】(a)及び(b)は実施形態1に係る携帯電話端末の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態に係る携帯端末装置について説明する。なお、本発明の実施形態では、携帯端末装置の一例として携帯電話端末を挙げて説明する。
【0017】
(実施形態1)
まず、図1から図5を参照して、本発明に係る実施形態1を説明する。図1に実施形態1に係る携帯端末装置1の外観を示す。携帯電話端末1は、図1に示すように、筐体10と、タッチパネル部20と、1本のリブ30と、から構成される。なお、実施形態1に係る携帯電話端末1は、図3(a)に示すように、筐体10の短手方向が水平方向となる状態と、図3(b)に示すように、筐体10の長手方向が水平方向となる状態のいずれか一方の状態で、ユーザにより操作される。以下では、前者の状態を「縦長使用モード」、後者の状態を「横長使用モード」と呼ぶ。
【0018】
筐体10は、例えば、合成樹脂によって矩形の箱状に形成されており、内部にタッチパネル部20、後述する制御部、傾き検出部等が配置される。また、筐体10は、タッチパネル部20を外部に露出するための開口部11を有する。
【0019】
タッチパネル部20は、図2(c)の断面図で示すように、表示部21と、透明なタッチセンサ22と、透明な保護パネル23と、から構成されている。
【0020】
表示部21は、例えば、液晶ディスプレイから構成され、後述する制御部90の指示に従って、表示画面に画像を表示する。また、表示部21の表示画面は、図3(a)〜(c)に示すように、表示領域A1と、操作領域B1とを備える。表示領域A1は、例えば、携帯電話端末1に記憶されたアプリケーションソフトの実行中に、そのソフトが機能を発揮することにより出力する画像や、携帯電話端末1が待受状態である場合に待受画面を表示する領域である。また、操作領域B1は、ユーザが携帯電話端末1に記憶されたアプリケーションソフトを実行するための操作や、待受状態である場合に各種アプリケーションソフトを起動するための複数の操作画像24を表示する領域である。例えば、携帯電話端末1が、テレビジョン視聴用のアプリケーションソフトを実行している場合、表示領域A1にはテレビジョン画面が表示され、操作領域B1にはボリューム調整やチャンネル選択のためのアイコンやボタンといった操作画像24が表示される。
【0021】
タッチセンサ22は、ユーザによる接触操作を検出するものである。タッチセンサ22は、例えば、画面にかかる圧力変化で接触位置を検出する感圧式のセンサや、指が画面に接触することによる表面電荷の変化から接触位置を検出する静電式のセンサから構成される。ユーザの指が保護パネル23を介してタッチセンサ22に接触すると、タッチセンサ22はタッチセンサ22上のユーザの指が接触した位置を検出する。そして、その位置を示す検出信号を後述する制御部90に送信する。表示部21とタッチセンサ22は重なっているため、表示部21に表示される操作画像24とタッチセンサ22上の接触位置とを予め対応付けて記憶しておくことで、制御部は、ユーザが接触したタッチセンサ22上の位置に対応する操作画像24が示す処理が選択されたことを判別できる。
【0022】
保護パネル23は、タッチセンサ22の開口部11からの露出部分を保護するためのものである。
【0023】
リブ30は、図2に示すように、略矩形の筐体10の短手方向に沿って、筐体10の短辺から所定の距離だけ離れて保護パネル23上に形成される。リブ30は、図2(b)及び図2(c)に示すように、タッチパネル部20の表面からわずかに突出しており、その突出量はユーザが触覚で認識できる程度である。また、リブ30の長手方向の長さは、タッチパネル部20の短辺よりも短い。さらに、図3(a)〜(c)に示すように、リブ30は操作領域B1に表示された操作画像24の間に形成されているため、ユーザが操作画像24をタッチして操作を行う際に、触覚によりリブ30を認識し、そのリブ30の位置に基づいて、ユーザが操作しようとする操作画像24をタッチすることができる。
【0024】
なお、図示しないが、携帯電話端末1は、通話音声を入力するためのマイクロホン、通話音声を出力するためのスピーカ、静止画や動画を撮影するための光学レンズや撮像素子から構成されるデジタルカメラ部等を備える。
【0025】
次に、実施形態1における携帯端末装置1の回路構成例を図4に示す。図4に示すように、携帯端末装置1は、通信部40と、操作部50と、表示部60と、傾き検出部70と、音声処理部80と、制御部90と、から構成される。
【0026】
通信部40は、例えば電波の送受信を行う内蔵アンテナ41と、送受信する信号の変調・復調を行う回路(図示せず)とから構成される。通信部40が送受信するデータは、例えば、通話音声データ、画像データ、電子メール等のデータである。
【0027】
操作部50は、ユーザからの入力操作を受け付け、その入力信号を制御部90に送信するものであり、上述のタッチセンサ22が操作部50に相当するものである。
【0028】
表示部60は、制御部90から出力された画像情報を表示するものであり、上述の表示部21と、表示部21に画像等を表示するための駆動回路(図示せず)とから構成される。
【0029】
傾き検出部70は、携帯電話端末1の傾き方向を検出するものであって、例えば、加速度センサや角速度センサから構成される。傾き検出部70は、検出された傾き方向を示す傾き情報を制御部90に送信する。
【0030】
音声処理部80は、通話時の音声入力、符号化、通信部により無線受信された音声データの復号を行う。音声処理部80は、ユーザの音声を入力するためのマイクロホン81と、携帯電話端末1に着信した他の電話端末の話者の音声を再生するためのスピーカ82とを備える。
【0031】
制御部90は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成される。CPUは、携帯端末装置1の各種構成要素の制御や、各種の演算処理を行う。ROMは、CPUが各部を制御するための制御プログラムや各種アプリケーションソフトのプログラム、電話帳データや電子メールデータ等を記憶している。RAMは、CPUが各種の処理を行う際の作業領域として用いられる。また、制御部90は、傾き検出部70から受信した傾き情報に基づいて、携帯電話端末1が縦長使用モードであるか、または横長使用モードであるかを判別する。そして、判別された使用モードに基づいて、表示部21の操作領域B1に表示させる操作画像24を制御する。
【0032】
次に、制御部90の表示制御処理の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。表示制御処理は、例えば、携帯電話端末1に電源が投入されると、待受状態になるとともにその処理を開始する。
【0033】
表示制御処理を開始すると、制御部90は、傾き検出部70に傾き情報を送信するよう指示する(ステップS11)。
【0034】
次に、制御部90は、傾き検出部70から傾き情報を受信したか否かを判別する(ステップS12)。傾き情報を受信していないと判別した場合(ステップS12;No)、制御部90は傾き情報を受信するまで待ち状態となる。
【0035】
傾き情報を受信したと判別した場合(ステップS12;Yes)、制御部90は受信した傾き情報に基づいて、携帯電話端末1の使用モードが、縦長使用モードであるか否かを判別する(ステップS13)。
【0036】
制御部90は、携帯電話端末1の使用モードが縦長使用モードであると判別した場合(ステップS13;Yes)、操作領域B1の操作画像24を縦長使用モードにおいて正規の姿勢となるような操作画像を操作領域B1に表示するよう表示部21に指示する(ステップS14)。具体的には、例えば、図3(a)のような縦長使用モードにおいては、制御部90は縦長使用モードであると判別するため、操作領域B1の操作画像24a〜24fを図に示すように縦長使用モードにおいて正規の姿勢となるように表示する。
【0037】
制御部90は、携帯電話端末1の使用モードが縦長使用モードでない状態、すなわち、横長使用モードであると判別した場合(ステップS13;No)、操作領域B1の操作画像24を横長使用モードにおいて正規の姿勢となるような操作画像を操作領域B1に表示するよう表示部21に指示する(ステップS15)。具体的には、例えば、図3(b)のような横長使用モードにおいては、制御部90は横長使用モードであると判別するため、操作領域B1の操作画像24a〜24fを図に示すように、横長使用モードにおいて正規の姿勢となるように表示する。なお、この横長使用モードにおける各操作画像24a〜24fは、縦長使用モードにおける各操作画像24a〜24fを90°回転させた状態となる。
【0038】
そして、制御部90は、この表示制御処理を携帯電話端末の電源がOFFとなるまで繰り返すようになっている。
【0039】
なお、この表示制御処理は、携帯電話端末装置1が待受状態にある場合だけではなく、各種アプリケーションの実行中においても同様に表示制御処理が行われる。すなわち、制御部90は、各種アプリケーションが起動するとともに表示制御処理を開始し、アプリケーション実行中に表示部21の操作領域B1に表示される操作画像を、上述した待受状態での操作画像と同様に、傾き検出部70から受信した傾き情報に基づいて制御する。
【0040】
次に、以上のように構成される携帯電話端末1の動作について説明する。例えば、ユーザが携帯電話端末1を右手で、図3(a)に示すように縦長使用モードで把持している場合、表示部21の操作領域B1には縦長使用モードで正規の姿勢となるように操作画像24a〜24fが表示される。また、ユーザが携帯電話端末1を右手で、図3(b)に示すように横長使用モードで把持している場合、表示部21の操作領域B1には横長使用モードで正規の姿勢となるように操作画像24a〜24fが表示される。従って、ユーザは、自身の右手親指を用いて操作画像24a〜24fをタッチして操作する際に、どちらの使用モードにおいても、触覚によりリブ30を認識し、そのリブ30の位置を目安としてリブ30に隣接する操作画像24a〜24fをタッチすることができる。また、連続して操作領域B1に表示される操作画像24a〜24fを操作する場合には、タッチした操作画像24a〜24fから次にタッチする操作画像24a〜24fまでリブ30に沿って指を滑らせて移動させることができる。
【0041】
以上説明したように、実施形態1に係る携帯電話端末1は、タッチパネル部20の表面にリブ30が設けられているため、ユーザはこのリブ30を触覚で認識することができ、このリブ30の位置を目安として、リブ30に隣接して表示される操作画像24をタッチして操作することができる。また、連続して操作領域B1に表示される操作画像24の操作する場合には、タッチした操作画像24から次にタッチする操作画像24までリブ30に沿って指を滑らせて移動させることができる。従って、実施形態1に係る携帯電話端末1は、リブ30のような凹凸がないタッチパネル式の携帯電話端末と比べて、指での操作性が良く、誤操作が生じにくい。
【0042】
さらに、実施形態1に係る携帯電話端末1の制御部90は、傾き検出部70が検出した携帯電話端末1の傾き方向に基づいて、どちらの使用モードであるか判別する。そして、判別された使用モードに基づいて、表示部21の操作領域B1に表示させる操作画像24を、その使用モードにおいて正規の姿勢となるように表示させる。従って、実施形態1に係る携帯電話端末1は、リブ30を目安として操作画像24を操作する際に、さらにその使用モードにおいて正規の姿勢となるように表示された操作画像24を視認することができるため、操作性が良く、誤操作が生じにくい。
【0043】
(実施形態2)
次に、図6を参照して、本発明に係る実施形態2について説明する。実施形態2に係る携帯電話端末1は、図6に示すように、主表示部20aを有する表示筐体10aをさらに備え、タッチパネル部20表面には、筐体10の短手方向に3本のリブ30a〜30cが設けられる点で実施形態1と異なる。以下に、実施形態2の携帯電話端末1について実施形態1と異なる点について詳細に説明する。
【0044】
図6に示すように、実施形態2の携帯電話端末1は、表示筐体10aと、主表示部20aと、筐体10と、タッチパネル部20と、3本のリブ30a〜30cと、から構成される。表示筐体10aと筐体10は、筐体10のタッチパネル部20の上に表示筐体10aが重なるように、表示筐体10aを筐体10の長手方向に沿ってスライドさせる連結部(図示せず)により連結されている。そして、表示筐体10aを長手方向(矢印X1方向)へスライドさせ、2つの筐体を開いた(引き伸ばした)第1の状態では、筐体10のタッチパネル部20が露出する。また、第1の状態から、表示筐体10aを長手方向(矢印X2方向)へスライドさせ2つの筐体を閉じた(重ねた)第2の状態では、タッチパネル部が隠蔽される。
【0045】
表示筐体10aは、実施形態1における筐体10と同様に、例えば、合成樹脂によって矩形の箱状に形成されており、その開口部11aには主表示部20aが露出する。
【0046】
主表示部20aは、図6に示すように、その表示画面の略全面が表示領域A2として構成されているものである。従って、アプリケーションソフトがその機能を発揮することにより出力する画像は、もっぱら表示筐体10aの主表示部20aの表示領域A2に表示される。主表示部20aは、実施形態1におけるタッチパネル部20と同様に、表示部と、タッチセンサと、保護パネルと、から構成されている。
【0047】
タッチパネル部20は、その表示画面の略全体が操作領域B2として構成されているものである。従って、タッチパネル部20は、主にユーザによる入力操作に用いられる。タッチパネル部20は、実施形態1におけるタッチパネル部20と同様に、画面表示部21と、タッチセンサ22と、保護パネル23とから構成されている。
【0048】
リブ30a〜30cは、タッチパネル部20の表面の操作領域B2の短手方向に沿って略平行に所定の間隔で設けられる。リブ30a〜30cの間隔は、その間に表示される操作画像をユーザが指で容易に操作できる程度の間隔である。
【0049】
以上のように構成される実施形態2の携帯電話端末1は、実施形態1と同様に、携帯端末装置1の傾き方向を検出し、その傾き方向から使用モードを判別する。そして、タッチパネル部20の操作領域B2に表示される操作画像が、判別された使用モードにおいて正規の姿勢となるように表示する。
【0050】
以上のように構成される携帯電話端末1では、主に入力操作に用いられる筐体10のタッチパネル部20の表面に複数のリブ30a〜30cが設けられているため、実施形態1と同様、操作性が良く、誤操作が生じにくい。
【0051】
(実施形態3)
次に、図7から図9を参照して、本発明に係る実施形態3について説明する。実施形態3に係る携帯電話端末1は、図7に示すように、筐体10がさらにハードキー部25を有し、筐体10が表示筐体10aに対して長手方向、及び短手方向にスライド可能である点で実施形態2と異なる。以下に、実施形態3に係る携帯電話端末1について詳細に説明する。
【0052】
図7に示すように、実施形態3の携帯電話端末1は、実施形態2と同様に、表示筐体10aと、主表示部20aと、筐体10と、タッチパネル部20と、3本のリブ30a〜30cと、から構成される。表示筐体10aと筐体10は、筐体10のタッチパネル部20及びハードキー部25を有する面の上に表示筐体10aが重なるように、表示筐体10aを筐体10の長手方向(矢印X1方向および矢印X2方向)及び短手方向(矢印Y1方向および矢印Y2方向)に沿ってスライドさせる連結部(図示せず)により連結されている。以下に、実施形態3の携帯電話端末1について実施形態2と異なる点について詳細に説明する。
【0053】
筐体10は、実施形態2と同様に方形箱状に形成され、2つの開口部を有する。第1の開口部11aにはタッチパネル部20が露出し、第2の開口部11bにはハードキー部25が露出する。
【0054】
また、筐体10には、図8(b)に示すように、表示筐体10aが筐体10の短手方向及び長手方向へスライド可能となるように、表示筐体10aを連結させるための連結部材12a、12bと、表示筐体10aの長手方向に延びるレール14a、14bが、タッチパネル部20やハードキー部25を有する面と同じ面に設けられる。そして、図8(a)に示すように、表示筐体10aの筐体10と対向する面には、表示筐体10aの短手方向に延びるレール13a、13bが設けられる。連結部材12a、12bには、図8(b)〜(d)に示すように、レール13a、13bとそれぞれかみ合い、レール13a、13bに沿ってスライドする突起部12c、12dが一体として形成されている。従って、連結部材12a、12bがレール13a、13bに沿ってスライドすると、筐体10が、連結部材12a、12bと一体となって、表示筐体10aに対してその短手方向に移動する。また、連結部材12a、12bには、レール14a、14bとかみ合い、レール14a、14bに沿ってスライドする突起部(図示せず)が一体として形成されている。従って、連結部材12a、12bが一体となってレール14a、14bに沿ってスライドすると、表示筐体10aが、連結部材12a、12bと一体となって、筐体10に対して表示筐体10aの長手方向に移動する。
つまり、表示筐体10aと筐体10をスライド可能に連結する連結部(スライド機構部)は、連結部材とレールにより構成されている。そして、この連結部は、タッチパネル20が露出した第1の状態と、2つの筐体を重ねた第2の状態と、タッチパネル20とハードキー部25が露出した第3の状態とを取り得るように、表示筐体10aと筐体10とを連結している。
【0055】
タッチパネル部20は、実施形態2と同様に、略全面が操作領域B2であり、短手方向に沿って3本のリブ30a〜30cが形成されている。
【0056】
ハードキー部25は、複数の物理的に固定されたハードキーから構成されるものであり、例えば、QWERTY配列を有するキー(キーボード)である。ユーザはこれらのキーを押下することで入力操作を行う。
【0057】
次に、実施形態3に係る携帯電話端末1の使用モードについて説明する。携帯電話端末1は、表示筐体10aと筐体10とが重なって長手方向及び短手方向のいずれにもスライドしていない状態(第2の状態)で、実施形態1と同様の縦長使用モード、および横長使用モードで、使用可能である。また、それらの使用モードからさらに表示筐体10aを筐体10の短手方向(矢印Y1方向)に沿ってスライドさせ、タッチパネル部20とハードキー部25とを露出させた状態(第3の状態)で使用することも可能である。
【0058】
例えば、縦長使用モードにおいて、表示筐体10aを筐体10の長手方向(矢印X1方向)に沿ってスライドさせると、図9(a)に示すように、筐体10に設けられたタッチパネル部20のみが露出した状態(第1の状態)となる。この第1の状態において、タッチパネル部20の表示部21は、例えば、図9(a)に示すように、操作画像24としてテンキー24gを表示する。
【0059】
また、横長使用モードにおいて、表示筐体10aを筐体10の長手方向(矢印X1方向)にスライドさせると、図9(b)に示すように、筐体10のタッチパネル部20のみが露出した状態(第1の状態)となる。この第1の状態において、タッチパネル部20の表示部21は、例えば、図9(b)に示すように、操作画像24としてスライドバー24hやカーソルキー24iを表示する。また、横長使用モードにおいて、表示筐体10aを筐体10の短手方向(矢印Y1方向)にスライドさせると、筐体10に設けられたハードキー部25とタッチパネル部20が露出した状態(第3の状態)となる。この第3の状態において、タッチパネル部20の表示部21は、例えば、図9(c)に示すように、操作画像24としてファンクションキー24jやカーソルキー24iを表示する。
【0060】
以上のように構成される携帯電話端末1では、例えば、(a)スライドされていない状態では主表示部21aが実施形態1におけるタッチパネル部20として利用、(b)縦長使用モードで長手方向にスライドされた状態ではメールや通話、(c)横長使用モードで長手方向にスライドされた状態ではテレビジョンの視聴やゲーム等のアプリケーションソフトの操作、(d)横長使用モードで短手方向にスライドされた状態ではQWERTYキー操作により長文入力、といった4種類の使用状態が可能である。このように、実施形態3では、ユーザが使用する携帯電話端末1の機能に適した種々の使用状態をとることができるため、使い勝手が良く、かつ操作性を良好にすることができる。また、これらの使用状態で用いられる入力操作用のキーやボタンは、使用状態に合わせてタッチパネル部20の操作画像24の表示を変えることができるため、さらに操作性が良い。また、使用状態に合わせて別途キーやボタンを設ける必要がない。例えば、(c)の使用状態では図9(b)のような操作画像24を表示し、(d)の使用状態では図9(c)のような操作画像24を表示することができる。
【0061】
また、実施形態3に係る携帯電話端末1は、タッチパネル部20にリブ30a〜30cが設けられているため、操作性が良い。また、(c)の使用状態において、図9(b)に示すようなボリューム調節用のスライドキーやチャンネル操作キー等の操作画像24を操作する場合に、リブ30a〜30cに沿って指を滑らせて操作することで、音量の上下や再生位置変更をスムーズに行うことができる。
【0062】
また、実施形態3に係る携帯電話端末1は、タッチパネル部20に短手方向に沿って延びるようにリブ30a〜30cが設けられており、長手方向にリブは設けられていない。従って、(d)の使用状態において、QWERTY配列の縦方向のキー分割(4分割)に合わせてタッチパネル部20の表示部21に操作画像を表示することが可能であり、ハードキー部25とタッチパネル部20とから成る操作部を極力整理して見せることができる。
【0063】
また、実施形態3に係る携帯電話端末1は、タッチパネル部20の面積を例えばテンキーが表示可能な程度の面積とすることで、使用頻度の高いQWERTYキーを有するハードキー部25の占める面積を大きく確保することができるので、QWERTYキーの操作性を良好にすることができる。
【0064】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0065】
例えば、実施形態1〜3において、制御部90は、使用モードに基づいて表示部21に表示される操作画像24が正規の姿勢で表示されるように制御するが、使用モードに基づいて操作画像24を制御しなくてもよい。例えば、携帯電話端末1が有する音楽再生用のアプリケーションが実行されている場合に、横長使用モードで図3(c)に示すような操作画像24が表示されているとする。この場合、縦長使用モードで、横長使用モードと同様に表示したとしても、操作性への影響はほとんど無いと考えられる。従って、このような場合には、制御部90は、使用モードに基づいて操作画像24を制御しなくてもよい。
【0066】
次に、図10を参照して、実施形態1に係る携帯電話端末の変形例について説明する。
実施形態1に係る携帯電話端末1は、1つの筐体10から構成されている。しかし、携帯電話端末1は、1つの筐体10から構成される場合に限られず、例えば、図10(a)及び図10(b)に示すように、2つの筐体が連結されて構成されてもよい。図10(a)及び図10(b)に示される携帯電話端末1は、それぞれ、タッチパネル部20を有する筐体10と、複数の物理的に固定されたハードキー17を備える操作筐体15とから構成される。そして、図10(a)に示す携帯電話端末1においては、操作筐体15が筐体10の長手方向に沿ってスライド可能に筐体10と連結されている。また、図10(b)に示す携帯電話端末1においては、操作筐体15と筐体10とがヒンジ16により折り畳み可能に連結されている。このような携帯電話端末1においても、タッチパネル部20にリブ30を設けることで、タッチパネル部20の操作性を向上させることが可能である。
【0067】
また、実施形態1に係る携帯電話端末1は、操作領域B1に1つのリブ30が設けられる。しかし、リブは1つに限られない。例えば、操作領域B1の面積に応じて、複数本のリブを設けてもよい。
【0068】
また、実施形態1〜3にかかるタッチパネル部20は、液晶とタッチセンサとから構成されるものとしたが、これに限られない。例えば、2層LEDとタッチセンサから構成されるものや、電子ペーパーとタッチセンサから構成されるものでもよい。そして、使用モードに基づいて表示を変えることで、上述した実施形態と同様の機能を発揮することが可能である。
【0069】
実施形態2及び3においては、表示筐体10aの主表示部20aはもっぱら入力操作の用途ではなく、画面表示の用途で使用されるため、リブを設けていない。しかし、実施形態1と同様にリブを設けてもよい。また、実施形態3において、筐体10のタッチパネル部20にリブ30a〜30cを設けたが、このリブ30a〜30cはなくてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…携帯電話端末、10…筐体、10a…表示筐体、11…開口部、11a、11b…開口部、12a、12b…連結部材、12c、12d…突起部、13a、13b…レール、14a、14b…レール、15…操作筐体、16…ヒンジ、17…ハードキー、20…タッチパネル部、20a…主表示部、21…表示部、22…タッチセンサ、23…保護パネル、24(24a〜24j)…操作画像、25…ハードキー部、30…リブ、30a〜30c…リブ、40…通信部、41…内蔵アンテナ、50…操作部、60…表示部、70…傾き検出部、80…音声処理部、81…マイクロホン、82…スピーカ、90…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作の対象となる操作画像を表示する表示部と、前記表示部の表示画面上でのユーザによる接触操作を検出するタッチセンサと、を有するタッチパネル部と、
表面に前記タッチパネル部を有する、略矩形の筐体と、
前記タッチパネル部の表面から突出し、前記筐体の短手方向に延びる1または複数のリブと、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記表示部が表示する操作画像を制御する制御部と、
前記携帯端末装置の傾いた方向を検知する傾き検出部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記傾き検出部が検出した前記携帯端末装置の傾き方向に基づいて、前記リブに隣接して前記表示部が表示する操作画像を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記リブは、前記タッチパネル部の縁部に隣接して形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
ユーザにより操作可能な、物理的に位置が固定された複数のキーを有するハードキー部を備える操作筐体と、
前記筐体と前記操作筐体とを連結する連結部と、をさらに備え、
前記筐体と前記操作筐体は、前記連結部を介してスライドさせる、又は折り畳まれることにより相対的に移動可能である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
画像を表示可能な主表示部を備える表示筐体と、
前記筐体と前記表示筐体とを連結する連結部と、をさらに備え、
前記筐体と前記表示筐体は、前記連結部を介してスライドさせる、又は折り畳まれることにより相対的に移動可能である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
画像を表示可能な主表示部を備える略矩形の表示筐体と、
ユーザによる操作の対象となる操作画像を表示する表示部と、前記表示部の表示画面上でのユーザによる接触操作を検出するタッチセンサと、を有するタッチパネル部と、
前記タッチパネル部と、ユーザにより操作可能な、物理的に位置が固定された複数のキーを有するハードキー部とを同一の表面に有する筐体と、
前記筐体が、前記表示筐体に対して、前記表示筐体の長手方向、及び短手方向にそれぞれスライド可能となるように、前記表示筐体と前記筐体とを連結する連結部と、を備え、
前記表示筐体の長手方向に前記筐体がスライドした場合に、前記筐体の前記タッチパネル部が露出し、
前記表示筐体の短手方向に前記筐体がスライドした場合に、前記筐体の前記ハードキー部と前記タッチパネル部とが露出する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
前記タッチパネル部の表面から突出し、前記筐体の短手方向に延びる1または複数のリブをさらに備える、
ことを特徴とする請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記表示部が表示する操作画像を制御する制御部と、
前記携帯端末装置の傾いた方向を検知する傾き検出部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記傾き検出部が検出した前記携帯端末装置の傾き方向に基づいて、前記リブに隣接して前記表示部が表示する操作画像を変化させる、
ことを特徴とする請求項7に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−70347(P2011−70347A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220167(P2009−220167)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】