説明

携帯端末

【課題】 複数機能が搭載された携帯端末において、それら各機能に各々最適な形態を実現可能とする。
【解決手段】
上ユニット1,中ユニット2,下ユニット3はそれぞれ回転体形状を有し、上ユニット1と中ユニット2、中ユニット2と下ユニット3は、各々回転ヒンジにより相対的に回転可能に連結されている。そして、上ユニット1の筐体外周面にはカメラ部4や第1のスピーカ12,レシーバ10,十字キーデバイス等が設けられ、中ユニット2には表示デバイス5や回転入力デバイス11等が設けられ、下ユニット3の筐体外周面にはメインキー部10,方向指示キー6,決定キー7,ソフトキー部8やマイクロホンなどが設けられている。使用者は、これら上ユニット1,中ユニット2,下ユニット3を回転させることで、携帯電話端末の使用形態を所望の機能に最適なデバイスを使用できる形態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば通話機能や電子メール機能など多種多様の機能が搭載された携帯電話端末やPDA(Personal Digital(Data) Assistants)等の携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話端末には、通話機能や電子メール機能、カメラ機能、テレビジョン通話機能、音楽機能、テレビジョン視聴機能といった多くの機能が搭載されるようになっている。また、携帯電話端末には、それら各機能のうちの一部の機能に適した形態をとるもの、すなわち例えば、音楽再生機能の特化した形態の端末やディジタルテレビジョン視聴機能に特化した形態の端末などもある。一方、例えば直方体形状の二つの筐体を回転ヒンジにより連結し、その回転ヒンジを介して二つの筐体の形態を変更可能にすることにより、例えば電話機能、音楽再生機能、カメラ機能の三つの機能にそれぞれ適した形態を取り得るようになされた携帯電話端末も存在している。
【0003】
また、特開2005−244371号の公開特許公報(特許文献1)には、略円筒形状の筐体を備え、その円筒形状の筐体表面に、表示部や、ボタン,スイッチ,ノブ等の操作部が設けられた構造の携帯通信装置が開示されている。この特許文献1の公開特許公報記載の携帯通信装置によれば、略円筒形状の筐体を備えているため、ボタン,スイッチ,ノブ等を立体的に配置可能となり、また例えば表示部に対して背面側となる場所にもスイッチ等を配置可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−244371号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような多くの機能が搭載された従来の携帯電話端末では、それら各機能の各々全てに適した形態をとることができるものは未だ存在していない。また、或る機能にのみ特化した携帯電話端末の場合、当該特化した機能の使い勝手については良いが、その他の機能に関しては必ずしも使い勝手がよいとは言い難く、そのため使用者は不便を強いられている。
【0006】
一方、上述した二つの筐体を回転ヒンジで連結した携帯電話端末の場合、前述の三つの機能について或る程度適した形態を取ることはできるが、それら三つの機能以外の他の全ての機能についてもそれぞれ適した形態を実現することまでは出来ない。また、それら三つの機能について或る程度適した形態をとることが出来るとは言え、それが最適な形態であるとは必ずしも言えない。例えば、音楽再生機能に適した形態として、音楽再生専用のキーデバイスが表示部の近傍に来るような形態を採れたとしても、例えばスピーカなど音楽再生に直接関わる他の全てのデバイスを表示部の近傍に持ってくるようなことまでは実現できていない。また例えば、カメラ機能に適した形態として、例えばシャッターボタンは一般的には右手の示指(人差し指)で押し易い位置に設けられることが多いが、使用者が左利きである場合には使い易いとは言えなくなってしまい、利き手によらずに使い易い端末は未だ実現されていない。さらに、この携帯電話端末の場合、上記二つの筐体形状が直方体となされているため、表示部や操作部などの各種デバイスを搭載できる面は各筐体につき四つに限られてしまう。また、この携帯電話端末の場合、二つの筐体のうちの例えば一方に表示部が設けられ、他方に操作部が設けられることが多いが、例えば表示部と操作部の両筐体間の角度を、使用者が使い易いように自由に調節した場合、回転ヒンジ部等に過大な外力が加わり易く、その角度の保持も困難になることがある。なお、それら二つの筐体間の角度が設計者の予期しない角度になされて使用された場合、端末の使用形態に合わせて設計されたデザインが崩れてしまい、見栄えが悪くなってしまうこともある。
【0007】
また、従来の携帯電話端末では、テンキーや方向指示キー、決定キーなどが、略々同一平面上に並んで配置されているため、例えば電子メール作成などの際には、一般に片手の拇指(親指)のみでキータイピング操作が行われている。このため、キー操作速度を一定以上に上げることが難しく、また略々一本の指(拇指)にのみ負担が集中してしまい好ましくない。なお、近年はフルキーボードを搭載した携帯電話端末も登場しているが、当該フルキーボードは両手を使用することが前提のデバイスであり、片手では操作し難いという問題がある。したがって、フルキーボードを搭載した場合、携帯電話端末の主要な利用場面の一つである狭小空間(例えば混雑した電車内等)での利便性を損なってしまうことになる。
【0008】
また、前述の特開2005−244371号の公開特許公報(特許文献1)に開示されている略円筒形状の筐体を有する携帯通信装置の場合、操作部の各キー類を適当な位置に配することができれば、使用者は、例えば片手の複数の指を同時に使用して各種の操作を行うことができ、既存の携帯電話端末のように一つの指にのみ負担が集中してしまうようなことをなくせる可能性がある。しかしながら、当該公開特許公報には、各キー類をどのように配置すれば使い勝手が良くなるかについては言及されていない。
【0009】
一方、テンキーや方向指示キー、決定キーなどの配置は、既に多くの携帯電話端末において一定のデファクトスタンダードが確立しており、それらのキー配置を闇雲に変更したのでは、既存の携帯電話端末を使い慣れたユーザにとって逆に使い難くなる虞がある。勿論、キー配置に慣れれば使い易くなるが、或る程度慣れるまではユーザビリティが低下することは否めず、また、慣れること自体が困難なことも考えられる。このため、キー配置を変更する場合には、現行のスタンダードなキー配置とかけ離れることのない配置にする必要がある。
【0010】
また、上記略円筒形状の筐体を有する携帯通信装置のように、例えば表示部に対して背面側となる場所にもスイッチ等を配置し、その背面側のスイッチ類を操作する際に、例えば装置本体を回転させる等して装置の持ちかえを行うと、当該装置を取り落としてしまう危険性が付きまとう。この場合、装置にストラップを取り付けるという解決策が容易に想起されるが、単純にストラップを装着しただけでは、装置本体を回転させた時にストラップが装置本体に巻き付いてしまう虞がある。
【0011】
さらに、上記円筒形状を始めとする回転体に近い形状に装置本体を設計する場合、市場に出回っている部品は直方体に近い角張った形状のものが多いため、内部部品のレイアウトや装置筐体内部空間の有効活用が難しい。また、回転体に近い形状に装置本体を設計する場合、回転体形状という制約があるが故に多彩な意匠のバリエーションを作り出すのが困難である。
【0012】
その他、従来の携帯電話端末は、例えば鞄やポケットの中に入れた状態で目視せずに、各種スイッチやボタン、ダイヤル等のデバイスの操作を行うような場合、所望の操作を行うための特定の操作デバイスを手探りで探し出すのが困難である。
【0013】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、複数の機能が搭載された携帯端末において、それら各機能に各々適し、利き手に拠らず、特定の指等に過度に負担が集中することなく、既存のスタンダードなキー配置に慣れたユーザでも使い易く、また、例え目視していない状態でも操作できる利便性が高い形態を容易に実現することができ、また、設計時のデザインを崩すことなく、多彩な意匠のバリエーションを作り出すことができ、さらに、ストラップが端末本体に巻き付いてしまうことを防止でき、市場に多く出回っている既存の部品を有効に活用可能な携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の携帯端末は、複数の機能が搭載された携帯端末であり、それぞれ回転体形状を有する第1,第2,第3の少なくとも三つの筐体と、第1,第2の筐体の回転体形状に合わせてそれら第1,第2の筐体を相対的に回転可能に連結する第1の回転ヒンジ部と、第2,第3の筐体の回転体形状に合わせてそれら第2,第3の筐体を相対的に回転可能に連結する第2の回転ヒンジ部と、回転体形状の第1,第2,第3の筐体の少なくとも筐体外周面側に配される複数のユーザインターフェースデバイスとを備えることにより、上述した課題を解決する。
【0015】
すなわち、本発明によれば、第1,第2,第3の筐体はそれぞれ回転体形状を有し、それら第1,第2,第3の筐体が第1,第2の回転ヒンジ部により回転可能に連結されている。また、第1,第2,第3の筐体はそれぞれ回転体形状を有し、その筐体外周面側には、複数のユーザインターフェースデバイスが配置されている。したがって、第1,第2,第3の筐体を第1,第2の回転ヒンジ部により回転させた場合、それら回転に伴い、第1,第2,第3の筐体の筐体外周面のうちで或る方向に向く各ユーザインターフェースデバイスの組み合わせが変わることになる。すなわち使用者は、第1,第2,第3の筐体を回転させることで、第1,第2,第3の筐体の筐体外周面のうちで所望の方向に向く各ユーザインターフェースデバイスの組み合わせを変えることにより、当該携帯端末が備える各機能のうち使用を望む機能に対して最適なユーザインターフェースデバイスの組み合わせを選ぶことができるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の携帯端末によれば、それぞれ回転体形状を有する第1,第2,第3の少なくとも三つの筐体をそれぞれ相対的に回転可能に連結すると共に、第1,第2,第3の筐体に外周面側に複数のユーザインターフェースデバイスを配してなることにより、自端末が搭載している各機能に各々適し、利き手に拠らず、特定の指等に過度に負担が集中することなく、既存のスタンダードなキー配置に慣れたユーザでも使い易く、また、例え目視していない状態でも操作できる利便性が高い形態を容易に実現することができ、設計時のデザインを崩すことなく、多彩な意匠のバリエーションを作り出すことができ、さらには、ストラップが端末本体に巻き付いてしまうことをも防止でき、市場に多く出回っている既存の部品を有効に活用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の携帯端末の一実施形態について説明する。
【0018】
なお、本実施形態では本発明の携帯端末の一例として携帯電話端末を上げているが、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0019】
〔本発明実施形態の携帯電話端末の外観構成〕
図1〜図11には本発明実施形態の外観構成を示す。図1は本実施形態の携帯電話端末の正面図を、図2は図1に対する左側面図を、図3は図1に対する右側面図を、図4は図1に対する背面図を、図5は図1に対する底面図をそれぞれ表している。また、図6は本実施形態の携帯電話端末を図1中の一点鎖線にて切断した状態で図1中矢印A方向から見た断面図を、図7は本実施形態の携帯電話端末を図2中の一点鎖線にて切断した状態で図2中矢印C方向から見た断面図を、図8は本実施形態の携帯電話端末を図1中二点鎖線にて切断した状態で図1中矢印B方向からみた断面図を、図9は本実施形態の携帯電話端末を図6中二点鎖線にて切断した状態で図6中矢印D方向から見た断面図を、図10は図6中の点線Eで囲った部分を拡大して示す図を、図11は後述する回転入力デバイスの斜視図を、図12は本実施形態の携帯電話端末の内部回路構成等を省略した筐体とその連結部分のみを示した断面図である。
【0020】
ここで、本実施形態の携帯電話端末は、上ユニット1,中ユニット2,下ユニット3の三つの部分により構成されており、それら上ユニット1,中ユニット2,下ユニット3はそれぞれ共通した中心軸を有する回転体形状の筐体(以下、回転体形状筐体と表記する)からなる。
【0021】
上ユニット1と中ユニット2との間は、図6,図7及び図12に示すように、それら上ユニット1及び中ユニット2の中心軸を回転軸とする回転ヒンジ17(以下、上中連結回転ヒンジ17と表記する)により、相互に回転可能に連結されている。同様に、中ユニット2と下ユニット3との間は、それら中ユニット2及び下ユニット3の中心軸を回転軸とする回転ヒンジ18(以下、中下連結回転ヒンジ18と表記する)により、相互に回転可能に連結されている。すなわち本実施形態の携帯電話端末では、上ユニット1,中ユニット2,下ユニット3がそれぞれ回転体形状となされ、それら各ユニット間が回転ヒンジ17,18により回転可能に連結されているため、各ユニットの向きを自由に回転させて調整することができ、回転後の回転角度も保持することが可能となっている。一方で、本実施形態の携帯電話端末によれば、各ユニットを回転させた場合でも、端末本体の外形状が大きく変化することはなく、端末本体の設計時のシルエットを保つことができるようになっている。また、本実施形態の携帯電話端末によれば、各ユニットに対して回転方向への外力が加わった場合でも、回転ヒンジ17,18の回転軸廻りの大きなトルクとはなり難く、当該外力により端末が壊れてしまう可能性も低い。
【0022】
上ユニット1の回転体形状筐体外壁面上には、複数のユーザインターフェースデバイスとして、例えばカメラ用レンズや撮影照明光用ライト、マクロ切り替えスイッチ等からなるカメラ部4と、受話音声出力用のスピーカ10(以下、レシーバ10と表記する)、例えば音楽再生等の際にステレオ左右チャンネルの一方のチャンネルの音声出力用となるスピーカ12(以下、第1の音楽用スピーカ12と表記する)、十字キーデバイス14が搭載されている。
【0023】
また、上ユニット1において、上記カメラ部4と十字キーデバイス14は、当該上ユニット1の中心軸を挟んで回転体形状筐体外壁面上で相対応する位置に配されており、上記レシーバ10とスピーカ12は、当該上ユニット1の中心軸を挟んで回転体形状筐体外壁面上で相対応する位置に配されている。なお、本実施形態の場合、それらカメラ部4、レシーバ10、十字キーデバイス14、第1の音楽用スピーカ12は、当該上ユニット1の回転体形状筐体の外壁面上に略々円周等配にて配されている。
【0024】
上記中ユニット2の回転体形状筐体には、複数のユーザインターフェースデバイスとして、液晶ディスプレイ等の表示デバイス5と、回転入力デバイス11、当該携帯電話端末本体を横置きにした場合に用いられる台座部30等が搭載されている。なお、説明は省略するが、当該中ユニット2には、外部メモリ挿入用スロットや外部接続端子なども設けられている。
【0025】
上記表示デバイス5は、図8に示すように、中ユニット2の回転体形状筐体内部に配される平面状液晶ディスプレイ5DSと、当該中ユニット2の回転体形状筐体外壁面に略々沿った形状の透明保護部材20とからなる。
【0026】
上記回転入力デバイス11は、図9,図10,図11に示すように、回転リング11J、フレーム22、回転コロ部21、ロータリーエンコーダ23等により構成されている。上記回転リング11Jは、上記中ユニット2の中心軸を回転軸として回転自在になされていると共に当該中ユニット2の回転体形状筐体外壁円周の直径と略々同じ直径を有する。フレーム22は、上記回転リング11Jが回転軸を中心にして回転可能な状態で、当該回転リング11Jを内側から支える。回転コロ部21は、例えばエラストマー等の摩擦の大きい素材により形成されており、その外周面が上記回転リング11Jの内周面に接するように配されている。したがって、回転コロ部21は、回転リング11Jの回転に伴って回転することになる。ロータリーエンコーダ23は、上記回転コロ部21の回転軸と連結されており、上記回転コロ部21が回転リング11Jの回転に伴って回転した場合に、その回転リング11Jの回転量と回転方向,回転速度などをパルス信号として検出する。このロータリーエンコーダ23による回転リング11Jの回転量,回転方向,回転速度などを表すパルス信号は、図示しない信号処理系に送られることになり、信号処理系は当該パルス信号を基にして例えば画面のスクロール等のための各種信号処理を行う。
【0027】
また、中ユニット2の回転体形状筐体外壁面には、当該中ユニット2の回転体形状筐体の外壁面上に略々円周等配にて四つの操作窓部W1〜W4が設けられており、上記回転入力デバイス11は、それら四つの操作窓部W1〜W4から上記回転リング11Jの外周部分が外部へ露出するようになされた状態で当該中ユニット2に組み込まれている。つまり、本実施形態によれば、携帯電話端末の使用者は、中ユニット2の四つの操作窓部W1〜W4から外部に露出している回転リング11Jを例えば指等で操作することにより、上記回転入力デバイス11の回転リング11Jを、中ユニット2の回転体形状筐体外周の何れの方向からでも回転操作することが可能となされている。特に、本実施形態によれば、例えば携帯電話端末本体を使用者が目視できない状況であっても、当該使用者は、上記四つの操作窓部W1〜W4を通じて回転リング11Jを略々全方位から触ることができるため、例えば手探りにより操作することも可能となる。逆に、本実施形態によれば、回転リング11Jが四つの操作窓部W1〜W4を通じてのみ操作可能となされており、回転リング11Jの外周面全面が外部に露出してしまわない形態となされているため、例えば使用者が誤って回転リング11Jに触ってしまったり、回転リング11Jが何かに誤って接触してしまうような事態の発生確率を減らすことができる。つまり、本実施形態によれば、中ユニット2の回転体形状筐体外壁のうち上記回転リング11Jの外周側に配されることになる回転体形状筐体外壁部分(上記操作窓部W1〜W4を除いた外壁部分)が誤接触防止部材としても機能している。
【0028】
また、本実施形態の携帯電話端末において、中ユニット2には、図8や図1〜図4に示すように、回転体形状筐体の長手方向の外壁面上に円周等配された四箇所の各凸形状に各々挟まれた各凹み形状29が形成されている。これにより、本実施形態の携帯電話端末は、回転体形状筐体として回転体形状の印象を残しつつ、筐体の断面形状を方形に近づけることができるようになっており、内部の電気部品搭載領域を拡大してそれら内部電気部品類を収納する空間を生み出すことができ、例えば表示デバイスのような大面積の平面デバイスを筐体に搭載可能としている。さらに、本実施形態によれば、中ユニット2の回転体形状筐体外壁面上に上記四箇所の凹み形状29を形成していることで、回転体形状のみを基調として装置本体の意匠を設計する場合よりも意匠のバリエーション(意匠の選択肢)を増やすことができている。特に、上ユニット1と中ユニット2の境界部、中ユニットと下ユニット3の境界部は、回転体形状のみを基調とした場合には平面(真横から見た場合は直線)にしかならないが、本実施形態のように中ユニット2の回転体形状筐体外壁面上に四箇所の凹み形状29を形成した場合には、それら各境界部において折れ線や曲線等の多彩な意匠を実現可能となる。特に、本実施形態の場合、下ユニット3との境界部は、四箇所の凹み形状29とそれ以外の部分とで凹凸形状が形成されているため、意匠の単調化が抑制されている。
【0029】
上記下ユニット3の回転体形状筐体外壁面上には、複数のユーザインターフェースデバイスとして、いわゆる12キーからなるメインキー部9と、使用者が例えばメニュー選択やカーソル操作を行う際に方向指示を行うための方向指示キー6と、各種決定指示やカメラ撮影時のシャッターボタンとして用いられる決定キー7と、その他各種機能が割り当てられるソフトキー部8と、音楽再生時に再生開始やトラック(チャンネル)送り/戻し,一時停止,ボリューム調整等に使用される音楽キー部16と、例えば音楽再生等の際にステレオ左右チャンネルの他方のチャンネルの音声出力用となるスピーカ15(以下、第2の音楽用スピーカ15と表記する)、送話音声入力用のマイクロホン13が搭載されている。
【0030】
本実施形態において、メインキー部9の12キー部分は、各キートップの長尺方向が下ユニット3の長手方向に略々平行となされ、且つ、既存の12キーに準じた配列で各キーが下ユニット3の回転体形状筐体外周方向に並べて配されている。また12キー部分の各キーは、キートップの長手方向の中央線部が高くなり、キートップの短手方向端部に向かうに従って低くなるようなアーチ形状を有しており、それら12キー部分全体として、各キートップ部分を繋ぐ曲線が波打つような形状となされている。
【0031】
方向指示キー6及び決定キー7は、下ユニット3の回転体形状筐体外壁面上において底面から遠い方(中ユニット2に近い方)に配されている。
【0032】
また、下ユニット3の底面部には、図5に示すように、ストラップ取り付け用のストラップホール19及びストラップピン24と、ストラップ用逃げ溝25が設けられている。ストラップ用逃げ溝25は、下ユニット3の底面部を例えばテーブル面や床面などに当接させて本実施形態の携帯電話端末を立てた状態にした場合に邪魔にならないようにストラップの紐を入れ込むための溝である。また、ストラップホール19及びストラップピン24は、本実施形態の携帯電話端末の各ユニットを回転させた際に、ストラップが端末本体に巻き付いたりしないようにするために、下ユニット3の底面部の中央に配されている。
【0033】
なお、本実施形態の携帯電話端末において、図示は省略しているが、上ユニット1,中ユニット2,下ユニット3の筐体内部には、通話機能や電子メール機能、カメラ機能、テレビジョン通話機能、音楽機能、テレビジョン視聴機能、ゲーム機能といった多くの機能を実現するための電子回路やバッテリなどが配され、また、上ユニット1,中ユニット2,下ユニット3内の各電子回路は必要に応じてそれぞれ電気的に接続され、さらに、上中連結回転ヒンジ17を介して上ユニット1と中ユニット2が相互に回転された場合や、中下連結回転ヒンジ18を介して中ユニット2と下ユニット3が相互に回転された場合でも、上記電気的な接続は維持されている。
【0034】
〔各機能に適した形態〕
以下、通話機能や電子メール機能、カメラ機能、テレビジョン通話機能、音楽機能、テレビジョン視聴機能、ゲーム機能等の各種機能において、本実施形態の携帯電話端末が取り得る形態について個別に説明する。
【0035】
〔通話機能に適した形態〕 図13〜図15には、通話機能を使用する際に本実施形態の携帯電話端末が採る最適な形態を示す。なお、図13は通話機能を使用する際の携帯電話端末の正面図を示し、図14は通話機能の使用時における本実施形態の携帯電話端末を図13中の一点鎖線にて切断した状態で図13中矢印F方向から見た断面図を、図15は通話機能の使用時に本実施形態の携帯電話端末を使用者が手に持った状態の概略的な斜視図を示す。
【0036】
本実施形態の携帯電話端末において、通話機能を使用する際には、図13に示すように、上ユニット1の受話音声出力用のレシーバ10と、下ユニット3の送話音声入力用のマイクロホン13とが正面側になるように各ユニットを必要に応じて回転させる。
【0037】
また、当該通話機能を使用する場合、中ユニット2については、表示デバイス5が例えば背面側になり、またデバイスが搭載されていない外壁面が正面側になるように各ユニットを必要に応じて回転させる。なお、中ユニット2において、上記デバイスが搭載されていない外壁面としては、例えば回転体形状筐体の長手方向の外壁面上に形成されている凹み形状29の部分のみとなっている外壁面とすることが望ましい。
【0038】
そして、実際に通話を行う場合、使用者は、当該通話機能の使用時の形態となされた携帯電話端末を例えば図15に示すように手40に持った状態で、上記レシーバ10を耳側に、マイクロホン13を口側に近づける。これにより、使用者は通話を行うことができるようになる。
【0039】
このように、本実施形態の携帯電話端末によれば、通話機能の使用時に、上ユニット1のレシーバ10と下ユニット3のマイクロホン13が正面側になるようにすることにより、使用者は送話及び受話が可能となる。また、本実施形態において、通話機能の使用時に、中ユニット2の表示デバイス5を例えば背面側にすることにより、通話時に顔の皮脂が表示デバイス5の透明保護部材20に付着することを防止できるようになる。さらに、中ユニット2の凹み形状29部分を正面側にすることにより、中ユニット2の凹み形状29部分が使用者の顔の曲面に沿うようになり、使い勝手が非常に良くなる。
【0040】
〔電子メール機能に適した形態〕 図1及び図16には、電子メール機能を使用する際に本実施形態の携帯電話端末が採る最適な形態を示す。なお、図16は電子メール機能の使用時に本実施形態の携帯電話端末を使用者が手に持った状態の概略的な斜視図を示す。
【0041】
本実施形態の携帯電話端末において、電子メール機能を使用する際には、図1及び図16に示すように、中ユニット2の表示デバイス5が正面になり、また下ユニット3の例えばメインキー部9及び方向指示キー6,決定キー7,ソフトキー部8が略々正面になるように、各ユニットを必要に応じて回転させる。なお、上ユニット1の正面については特に限定しない。
【0042】
このように、本実施形態の携帯電話端末において、電子メール機能の使用時には、中ユニット2の表示デバイス5と、下ユニット3のメインキー部9等が略々正面側になるようにすることにより、使用者は、片手40の拇指(親指)にて方向指示キー6と決定キー7、ソフトキー部8及びメインキー部9の12キーのうち方向指示キー6及びソフトキー部側の幾つかのキーを操作することができ、また、片手40の長指(中指)及び無名指(薬指)にてメインキー部9の12キーの残りのキーを操作することができ、さらに、片手40の示指(人差し指)にて回転入力デバイス11を操作することができることになる。
【0043】
すなわち本実施形態によれば、電子メール機能の使用時の形態に、使用者が端末本体を片手40で握って指を回し込むことにより、その片手40の複数の指にて複数のキーを一度に操作するようなことが実現可能となり、したがって、電子メール文字等の入力タイピング速度を高めることができるようになる。また、本実施形態によれば、片手40のみを用いたコンパクトな使用形態を保ちつつ、従来のような一つの指のみへの負担の集中を軽減することができる。なお、下ユニット3の底面に取り付けられたストラップは、片手40の小指にて保持することができ、これにより、携帯電話端末の落下等を防止することができるようになる。
【0044】
また、本実施形態の携帯電話端末によれば、メインキー部9の12キー部分が、下ユニット3の回転体形状筐体外周方向に並べて配されているため、端末本体の全長の短縮化も可能となっている。さらに、本実施形態によれば、メインキー部9の12キー部分の配列が、既存の12キーに準じた配列となされているため、デファクトスタンダードとなっているキー配置に慣れ親しんだ者にとっても馴染み易くなっている。
【0045】
また、本実施形態によれば、12キー部分の各キーがアーチ形状を有し、12キー部分全体として各キートップ部分を繋ぐ曲線が波打つような形状となされているため、12キー部分のキーピッチが狭くなっているにもかかわらず、操作し易くなっている。
【0046】
また、本実施形態において、方向指示キー6及び決定キー7は、下ユニット3の回転体形状筐体外壁面上で底面から遠い方(中ユニット2に近い方)に配されているため、使用者が端末本体を片手40で握った際の拇指直下(近傍)に方向指示キー6及び決定キー7がくることになるため、使用者は使用頻度の高い方向指示キー6及び決定キー7を容易に操作することが可能となる。
【0047】
その他、本実施形態の携帯電話端末によれば、各ユニットを回転させることができるため、使用者が端末本体を片手40にて持っている際の手首の掌背屈等をどのような角度にして使用した場合でも、例えば下ユニット3に対する中ユニット2の角度を調整することで、キー部分と表示デバイスの角度を各人の使いやすい自由な角度に設定することができる。すなわち例えば、電子メール機能の使用時において、使用者以外の者に対して例えば表示デバイスに表示されている電子メールの内容を見せるようなことが容易になる。
【0048】
〔テレビジョン通話機能に適した形態〕 また、図1に示した形態は、テレビジョン通話機能を使用する際に本実施形態の携帯電話端末が採る最適なものともなされている。なお、図1の例は、カメラ機能において使用者自身を撮影する場合(いわゆる自分撮り)にも最適な形態となる。
【0049】
本実施形態の携帯電話端末において、テレビジョン通話機能を使用する際には、図1に示すように、上ユニット1のカメラ部4と中ユニット2の表示デバイス5が共に正面になり、下ユニット3のメインキー部9及び方向指示キー6,決定キー7,ソフトキー部8が略々正面になるように、各ユニットを必要に応じて回転させる。
【0050】
このように、本実施形態の携帯電話端末において、テレビジョン通話機能の使用時やカメラ機能にて使用者自身を撮影するような場合には、上ユニット1のカメラ部4及び中ユニット2の表示デバイス5を正面側にし、下ユニット3の各キー部分が略々正面側になるようにすることにより、上ユニット1のカメラ部4で撮影されている映像、つまりカメラ部4の前にいる人物である使用者自身の映像を、中ユニット2の表示デバイスの画面で確認できるようになると共に、下ユニット3の決定キー7によりカメラ部4の撮影開始を使用者自身が楽に指示することができる。
【0051】
なお、セルフタイマーにより使用者自身を撮影するような場合、本実施形態の携帯電話端末は、下ユニット3の底面部をテーブル等に置いた状態で撮影することができる。この場合、下ユニット3の底面部に取り付けられたストラップは、ストラップ用逃げ溝25により邪魔にならないようにすることができる。
【0052】
〔音楽機能、テレビジョン視聴機能に適した形態〕 図17及び図18には、音楽機能やテレビジョン視聴機能を使用する際に本実施形態の携帯電話端末が採る最適な形態を示す。なお、図18は特に音楽機能の使用時に本実施形態の携帯電話端末を使用者が手に持った状態の概略的な斜視図を示す。
【0053】
本実施形態の携帯電話端末において、音楽機能やテレビジョン視聴機能を使用する際には、図17及び図18に示すように、中ユニット2の表示デバイス5が正面になると同時に、上ユニット1の第1の音楽用スピーカ12と下ユニット3の第2の音楽用スピーカ15及び音楽キー部16が正面になるように、各ユニットを必要に応じて回転させる。
【0054】
このように、本実施形態の携帯電話端末において、音楽機能やテレビジョン視聴機能の使用時には、上ユニット1の第1の音楽用スピーカ12と下ユニット3の第2の音楽用スピーカ15及び音楽キー部16を正面側にすることにより、第1,第2の音楽用スピーカ12,15によりステレオ左右チャンネルの音楽を出力することができるようになると共に、使用者は音楽キー部16により音楽再生時の再生開始やトラック(チャンネル)送り/戻し,一時停止,ボリューム調整等の操作を行うことができるようになる。特に、図18に示すように本実施形態の携帯電話端末を片手40にて持つようにした場合、例えば電車等に乗車中に端末本体を片手40にて持った状態で、拇指により回転入力デバイス11を操作して選局等を行うと同時に、長指及び無名指にて音楽キー部16を操作することが可能となる。
【0055】
また、音楽機能やテレビジョン視聴機能の使用時、中ユニットの表示デバイス5を正面側にすることにより、音楽機能時には再生楽曲リストの表示等のメニュー表示を行うことができ、テレビジョン視聴機能時にはテレビジョン映像を表示することができるようになる。
【0056】
なお、本実施形態の携帯電話端末は、図18のように片手40に持って立てた状態で使用することもできるが、勿論、横向きにして使用することも可能である。特に、テレビジョン視聴機能の使用時や、音楽機能にて第1,第2の音楽用スピーカ12,15から音楽を出力する場合には、本実施形態の携帯電話端末本体を横向きにして使用することが望ましい。また、本実施形態の携帯電話端末本体を図17の形態とし、当該端末を横向きにして例えばテーブル等の上に置いて使用する場合、台座部30をテーブル面側にして当該端末を置くようにすれば、表示デバイス5の表示面はテーブル面に対して斜め上方向を向くことになり、使用者にとって非常に見やすくなる。
【0057】
〔ゲーム機能に適した形態〕 図19及び図20には、ゲーム機能を使用する際に本実施形態の携帯電話端末が採る最適な形態を示す。なお、ゲーム機能を使用する場合、本実施形態の携帯電話端末は横向きに使用される。また、図20はゲーム機能の使用時に本実施形態の携帯電話端末を使用者が左手40L及び右手40Rにて持った状態の概略的な斜視図を示す。
【0058】
本実施形態の携帯電話端末において、ゲーム機能を使用する際には、図19及び図20に示すように、上ユニット1の十字キーデバイス14が正面になり、下ユニット3の方向指示キー6及び決定キー7とソフトキー部8が正面になると同時に、中ユニット2の表示デバイス5が正面になるように、各ユニットを必要に応じて回転させる。
【0059】
このように、本実施形態の携帯電話端末において、ゲーム機能の使用時には、上ユニット1の十字キーデバイス14と下ユニット3の方向指示キー6,決定キー7,ソフトキー部8を正面側にすることにより、様々なゲームで多用される十字キーデバイス14やキー方向指示キー6,決定キー7,ソフトキー部8を、使用者の左手40Lと右手40Rの拇指により操作し易い位置に配することが可能となる。特に、本実施形態の携帯電話端末の場合、ソフトキー部8の四つのソフトキーは、方向指示キー6及び決定キー7を挟まない位置で且つそれらキー6,7に隣接した位置に配されているため、ゲーム時の操作性が向上している。
【0060】
また、ゲーム機能の使用時、中ユニットの表示デバイス5を正面側にすることにより、ゲーム画面の表示を行うことができるようになる。
【0061】
〔カメラ機能に適した形態〕 図21〜図29には、カメラ機能を使用する際に本実施形態の携帯電話端末が採る最適な形態を示す。なお、カメラ機能を使用する場合、本実施形態の携帯電話端末は横向きに使用することが望ましい。
【0062】
ここで、図21〜図25は、本実施形態の携帯電話端末を右利き用にしてカメラ機能を使用する際の形態を示しており、一方、図26〜図29は、本実施形態の携帯電話端末を左利き用にしてカメラ機能を使用する際の形態を示している。なお、図21は右利き用にてカメラ機能を使用する際の携帯電話端末の正面図(使用者側から見た正面図)を示し、図22は図21に対する右側面を、図23は図21に対する背面側(被写体側から見た図)を示し、図24は右利き用にてカメラ機能を使用する際に本実施形態の携帯電話端末を使用者が左手40L及び右手40Rにて持った状態で図23側から見た概略的な斜視図を、図25は図21側から見た概略的な斜視図を示している。また、図26は左利き用にてカメラ機能を使用する際の携帯電話端末の正面図(使用者側から見た正面図)を示し、図27は図26に対する左側面を、図28は図26に対する背面側(被写体側から見た図)を示し、図29は左利き用にてカメラ機能を使用する際に本実施形態の携帯電話端末を使用者が左手40L及び右手40Rにて持った状態で図28側から見た概略的な斜視図を示している。
【0063】
本実施形態の携帯電話端末において、右利き用にてカメラ機能を使用する時には、図21〜図25に示したように、上ユニット1のカメラ部4を被写体側(十字キーデバイス14が使用者側)に向け、下ユニット3の決定キー7(シャッターボタン)を使用者の右手40Rの示指にて押しやすい位置にし、中ユニット2の表示デバイス5の表示面を使用者側に向けるように、各ユニットを必要に応じて回転させる。
【0064】
これにより、本実施形態の携帯電話端末において、右利き用にてカメラ機能を使用する時には、上ユニット1のカメラ部4にて被写体を撮影することができると同時に、下ユニット3の決定キー7(シャッターボタン)を使用者が右手40Rの示指にて押すことができ、さらに、中ユニット2の表示デバイス5にて使用者が撮影中の被写体映像を見ることができるようになる。
【0065】
また、本実施形態の携帯電話端末において、左利き用にてカメラ機能を使用する時には、図26〜図29に示したように、上ユニット1のカメラ部4を被写体側(十字キーデバイス14が使用者側)に向け、下ユニット3の決定キー7(シャッターボタン)を使用者の左手40Lの示指にて押しやすい位置にし、中ユニット2の表示デバイス5の表示面を使用者側に向けるように、各ユニットを必要に応じて回転させる。
【0066】
これにより、本実施形態の携帯電話端末において、左利き用にてカメラ機能を使用する時には、上ユニット1のカメラ部4にて被写体を撮影することができると同時に、下ユニット3の決定キー7(シャッターボタン)を使用者が左手40Lの示指にて押すことができ、さらに、中ユニット2の表示デバイス5にて使用者が撮影中の被写体映像を見ることができるようになる。
【0067】
なお、カメラ機能を使用する場合、上ユニット1の十字キーデバイス14にてワイド/テレ(W/T)操作などの操作が行えるようにすることも可能である。
【0068】
このように、本実施形態の携帯電話端末によれば、カメラ機能の使用に最適で、また、使用者が右利きであっても左利きであっても非常に使い易い形態を実現可能となっている。
【0069】
〔まとめ〕
以上説明したように、本実施形態の携帯電話端末によれば、通話機能や電子メール機能、カメラ機能、テレビジョン通話機能、音楽機能、テレビジョン視聴機能、ゲーム機能等の各種機能が搭載されている場合に、回転体形状に加えて円周等配形状を基調とする端末本体を、上ユニット1、中ユニット2、下ユニット3の三つの部分により構成し、それら各ユニット1,2,3を回転ヒンジで連結して円周方向に相互に回転可能にすると共に、各ユニット1,2,3の回転体形状筐体外周面上の適切な位置に各種のユーザインターフェースデバイスを配置し、それらユーザインターフェースデバイスを各機能にて共通化することにより、端末構成の大型化を招くことなく(小型化が可能で)、筐体内部スペースを有効活用でき、各種機能にそれぞれ好適で利便性,安定性,操作性の高い形態を実現可能となり、使用者にとって非常に使い易いユーザインターフェースを実現可能となっている。
【0070】
また、本実施形態の携帯電話端末によれば、使用者の利き手に拠らず使い易く、特定の指等に過度に負担が集中することもなくタイピング速度を向上させることができ、さらに、既存のスタンダードなキー配置に慣れたユーザでも使い易く、また、例え目視していない状態でも操作できる利便性が高い形態を容易に実現することができる。
【0071】
また、本実施形態の携帯電話端末によれば、各ユニットの回転方向が円周方向となされているため、各ユニットを回転させた場合でも、設計時の基本的なデザインを崩すことなく、多彩な意匠のバリエーションを作り出すことができ、市場に多く出回っている既存の部品を有効に活用することも可能となっている。
【0072】
さらに、本実施形態の携帯電話端末によれば、下ユニット3の底面中央部にストラップを取り付け可能にすると共に、ストラップの逃げ溝25をも設けることで、ストラップが端末本体に巻き付いてしまったり、下ユニット3の底面をテーブル面等に置くようにしても、ストラップが邪魔になることはない。
【0073】
なお、上述した各実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0074】
本発明の形態端末は、携帯電話端末に限定されず、PDAや携帯型ゲーム機などの各種の携帯端末にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施形態の携帯電話端末の正面図である。
【図2】図1に対する左側面図である。
【図3】図1に対する右側面図である。
【図4】図1に対する背面図である。
【図5】図1に対する底面図である。
【図6】本実施形態の携帯電話端末を図1中の一点鎖線にて切断した状態で図1中矢印A方向から見た断面図である。
【図7】本実施形態の携帯電話端末を図2中の一点鎖線にて切断した状態で図2中矢印C方向から見た断面図である。
【図8】本実施形態の携帯電話端末を図1中二点鎖線にて切断した状態で図1中矢印B方向からみた断面図である。
【図9】本実施形態の携帯電話端末を図6中二点鎖線にて切断した状態で図6中矢印D方向から見た断面図である。
【図10】図6中の点線Eで囲った部分を拡大して示す図である。
【図11】回転入力デバイスの主要部の斜視図である。
【図12】本実施形態の携帯電話端末の内部回路構成等を省略した筐体とその連結部分のみを示した断面図である。
【図13】通話機能を使用する際の最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末の正面図である。
【図14】通話機能の使用に最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末を図13中の一点鎖線にて切断した状態で図13中矢印F方向から見た断面図である。
【図15】通話機能の使用に最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末を使用者が片手で持った状態の概略的な斜視図である。
【図16】電子メール機能の使用に最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末を使用者が片手で持った状態の概略的な斜視図である。
【図17】音楽機能やテレビジョン視聴機能を使用する際の最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末の正面図である。
【図18】音楽機能の使用に最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末を使用者が片手で持った状態の概略的な斜視図である。
【図19】ゲーム機能を使用する際の最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末の正面図である。
【図20】ゲーム機能の使用に最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末を使用者が両手で持った状態の概略的な斜視図である。
【図21】右利き用にてカメラ機能を使用するのに最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末の正面図(使用者側から見た正面図)である。
【図22】図21に対する右側面図である。
【図23】図21に対する背面図(被写体側から見た図)である。
【図24】右利き用にてカメラ機能を使用する際に最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末を使用者が両手で持った状態で図23側から見た概略的な斜視図である。
【図25】右利き用にてカメラ機能を使用する際に最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末を図21側から見た概略的な斜視図を示している。
【図26】左利き用にてカメラ機能を使用するのに最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末の正面図(使用者側から見た正面図)である。
【図27】図26に対する左側面図である。
【図28】図26に対する背面図(被写体側から見た図)である。
【図29】左利き用にてカメラ機能を使用する際に最適な形態となされた本実施形態の携帯電話端末を使用者が両手で持った状態で図28側から見た概略的な斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
1 上ユニット、2 中ユニット、3 下ユニット、4 カメラ部、5 表示デバイス、5DS 平面状液晶ディスプレイ、6 方向指示キー、7 決定キー、8 ソフトキー部、9 メインキー部、10 レシーバ、11 回転入力デバイス、11J 回転リング、12 第1のスピーカ、13 マイクロホン、14 十字キーデバイス、15 第2のスピーカ、16 音楽キー部、17 上中連結回転ヒンジ、18 中下連結回転ヒンジ、19 ストラップホール、20 透明保護部材、21 回転コロ部、22 フレーム、23 ロータリーエンコーダ、24 ストラップピン、25 ストラップ用逃げ溝、29 凹み形状、30 横置き用の台座部、40 手、W1〜W4 操作窓部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能が搭載された携帯端末において、
それぞれ回転体形状を有する第1,第2,第3の少なくとも三つの筐体と、
上記第1,第2の筐体の回転体形状に合わせてそれら第1,第2の筐体を相対的に回転可能に連結する第1の回転ヒンジ部と、
上記第2,第3の筐体の回転体形状に合わせてそれら第2,第3の筐体を相対的に回転可能に連結する第2の回転ヒンジ部と、
上記回転体形状の第1,第2,第3の筐体の少なくとも筐体外周面側に配される複数のユーザインターフェースデバイスとを備える、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
上記複数のユーザインターフェースデバイスは、上記第1の筐体に配される第1の複数のユーザインターフェースデバイスと、上記第2の筐体に配される第2の複数のユーザインターフェースデバイスと、上記第3の筐体に配される第3の複数のユーザインターフェースデバイスとからなることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
上記複数のユーザインターフェースデバイスのうち少なくとも一部のユーザインターフェースデバイスは、上記複数の機能のうちの一部の機能にて共有されていることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
上記第1の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも受話音声出力用のスピーカを有し、
上記第3の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも送話音声入力用のマイクロホンを有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項5】
上記第3の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも数字を入力するのに使用されるキーデバイスを有することを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
上記第1の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも画像撮影用のカメラ部を有し、
上記第2の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも画像を表示可能な表示デバイスを有することを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項7】
上記第2の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも文字を表示可能な表示デバイスを有し、
上記第3の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも文字を入力するのに使用されるキーデバイスを有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項8】
上記第3の筐体に設けられる上記キーデバイスは複数のキーを備え、それら複数のキーの各キートップの長尺方向が当該第3の筐体の長手方向に略々平行となされ、且つ、所定の配列に合わせて各キーが当該回転体形状の第3の筐体の外周方向に並べて配されていることを特徴とする請求項5又は請求項7記載の携帯端末。
【請求項9】
上記キーデバイスの各キーは、キートップの長手方向の中央線部が高くなり、キートップの短手方向端部に向かうに従って低くなるアーチ形状を有することを特徴とする請求項8記載の携帯端末。
【請求項10】
上記第1の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも画像撮影用のカメラ部を有し、
上記第2の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも画像を表示可能な表示デバイスを有し、
上記第3の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも画像撮影を使用者が指示するためのシャッターボタンを有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項11】
上記第1の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも音楽出力用の第1のスピーカ部を有し、
上記第3の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも音楽出力用の第2のスピーカ部を有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項12】
上記第3の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも音楽出力の調整を使用者が指示するための音楽キー部を有することを特徴とする請求項11記載の携帯端末。
【請求項13】
上記第2の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも楽曲リストを表示するための表示デバイスを有することを特徴とする請求項11記載の携帯端末。
【請求項14】
第1の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも使用者が電子ゲームに関連する第1の操作指示を入力するためのキーデバイスを有し、
上記第2の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも電子ゲーム映像を表示可能な表示デバイスを有し、
上記第3の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、少なくとも使用者が電子ゲームに関連する第2の操作指示を入力するためのキーデバイスを有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項15】
上記第2の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、当該第2の筐体の回転体形状の外周形状に略々一致する回転リングを備えた回転入力デバイスを有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項16】
上記第2の筐体は、上記複数のユーザインターフェースデバイスの一つとして、当該第2の筐体の長手方向の外壁面上に略々円周等配された所定の凹み形状を有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項17】
上記第3の筐体は、上記上記第2の回転ヒンジ部による上記第2の筐体との間の連結部分に相対応した筐体端部の平面部分中央部にストラップ取り付け部を備えることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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