説明

携帯端末

【課題】筐体内の配線により筐体の大型化を招くことのない携帯端末を提供する。
【解決手段】カバーリブ32の突出方向の先端部にカバー段差部34を形成し、ケースリブ31における電池収容部223とは反対側の基端部にケース段差部35を設けてカバー段差部34に係合させたので、筐体20の長手方向の位置決めができる。カバーリブ32におけるケースリブ31とは反対側の外面に、カバーリブ32の突出方向に沿って第1凸部36を設け、ケース21の内面において第1凸部36に対してカバーリブ32の突出方向に沿って線接触する第2凸部37を設けた。これにより、筐体20の幅方向位置決めができる。カバーリブ32におけるケースリブ31側の内面に爪部38を設け、ケースリブ31における電池収容部223とは反対側の外面に、爪部38に係合する爪凹部39を設けたので、ケース21とカバー22を確実に取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内部に配線を有する携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯端末等の電子機器においては、通常、筐体内部において電線による配線が行われている(例えば、特許文献1参照)。
図16に示すように、特許文献1に記載の送受信装置100は、上方に開口した筐体101を有する。筐体101の内部には、バイアス回路基板102,103、導体板104,105、および電線としてのフレキシブル基板106,107が収容されている。フレキシブル基板106,107は、筐体101の側壁108,109の内面に沿って、縦に取り付けられている。
【0003】
すなわち、フレキシブル基板106,107を、筐体101の底面110に対して垂直方向に配置することにより、筐体101の内部において水平方向で占める面積を大きく減少することができる。
これにより、筐体の幅方向(図16において左右方向)の寸法を短くすることができ、筐体の小型化および軽量化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−172733号公報(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したような従来の送受信装置においては、例えば、筐体の下端(図16において紙面直交方向下端)に配置された基板と上端(図16において紙面直交方向上端)に配置された基板とを、フレキシブル基板を用いて接続する場合がある。この場合に、フレキシブル基板の厚みによる筐体の厚み方向の寸法の増加を回避できる。
しかしながら、フレキシブル基板を縦にして配線した場合、電池やサイドキーや基板等の他の構造物を避けて配線する必要がある。この場合、フレキシブル基板を底面に対して垂直に保持した状態で引き回すためのガイド等が必要になり、その分平面寸法が大きくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、筐体内の配線により筐体の大型化を招くことのない携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末は、ケースおよびカバーを有する筐体と、前記筐体に電池パックを収容可能な電池収容部と、前記筐体における前記電池収容部に隣接する位置に収容された第1回路基板と、前記筐体における前記電池収容部に隣接し、かつ、前記第1回路基板とは反対側の位置に収容された第2回路基板と、前記ケースにおける前記電池収容部に隣接する位置に設けられ、前記カバーに向かって突出するケースリブと、前記カバーにおける前記ケースリブに隣接する位置に設けられ、前記ケースに向かって突出するとともに前記第1回路基板と前記第2回路基板との間に連続するカバーリブと、前記カバーリブの突出方向先端部に形成され、かつ、前記カバーリブの連続方向に沿う溝部と、前記溝部に収容され、前記第1回路基板および前記第2回路基板のうちの少なくとも一方に接続される電線と、前記カバーリブの突出方向の先端部に形成されたカバー段差部と、前記ケースリブにおける前記電池収容部とは反対側の基端部に設けられて前記カバー段差部に係合するケース段差部と、前記カバーリブにおける前記ケースリブとは反対側の外面に設けられ、前記カバーリブの突出方向に沿う第1凸部と、前記ケースの内面に設けられ、前記第1凸部に対して前記カバーリブの突出方向に沿って線接触する第2凸部と、前記カバーリブにおける前記ケースリブ側の内面に設けられた爪部と、前記ケースリブにおける前記電池収容部とは反対側の外面に設けられ、前記爪部に係合する爪凹部と、を備えるものである。
【0008】
また、本発明の携帯端末は、前記カバー段差部は凹状であるとともに、前記ケース段差部が前記カバー段差部に挿入される凸状であり、かつ、前記溝部は前記電線が前記カバー段差部から露出しない溝深さ寸法であるものである。
【0009】
また、本発明の携帯端末は、前記ケースに設けられ、前記電池収容部に連通する開口と、前記開口を開閉可能に封鎖する電池蓋と、前記電池蓋に設けられた係止片と、前記ケースリブにおける前記電池収容部側の内面に設けられ、前記ケース段差部と重なる位置に、前記係止片が係合する係止凹部とを有するものである。
【0010】
さらに、本発明の携帯端末は、前記カバーにインサート成形された板金部材を有し、前記溝部が前記板金部材に接触しないものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、カバーリブの突出方向の先端部にカバー段差部を形成し、ケースリブにおける電池収容部とは反対側の基端部にケース段差部を設けてカバー段差部に係合させたので、ケースとカバーの長手方向の位置決めができる。また、カバーリブにおけるケースリブとは反対側の外面に、カバーリブの突出方向に沿って第1凸部を設け、ケースの内面において第1凸部に対してカバーリブの突出方向に沿って線接触する第2凸部を設けた。これにより、ケースとカバーの幅方向の位置決めができる。さらに、カバーリブの内面に爪部を設け、ケースリブの外面に爪部に係合する爪凹部を設けたので、ケースとカバーの厚さ方向の位置決めができる。これにより、ケースとカバーとを位置決めする部材等を別途設ける必要がないので、筐体の大型化を防止することができるという効果を有する携帯端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)は本発明に係る実施形態の携帯端末を上面側から見た斜視図であり、(B)は下面側から見た斜視図
【図2】携帯端末の下面を上にして見た分解斜視図
【図3】ケースおよびカバーを内面側から見た分解斜視図
【図4】図3中IV部分の拡大図
【図5】図3中V部分の拡大図
【図6】(A)は図4中VI方向から見た斜視図であり、(B)は(A)中B−B位置の断面図
【図7】電池蓋の取付け動作を示す斜視図
【図8】携帯端末をケース側から見た平面図
【図9】図8中IX−IX位置の断面図
【図10】図8中X−X位置の断面図
【図11】図8中XI−XI位置の断面図
【図12】図8中XII−XII位置の断面図
【図13】図8中XIII−XIII位置の断面図
【図14】図8中XIV−XIV位置の断面図
【図15】カバー段差部とケース段差部の形状および相対的位置関係を示す説明図
【図16】従来の筐体内部に配線を有する送受信装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態の携帯端末について、図面を用いて説明する。
図1(A)および(B)に示すように、本発明に係る実施形態の携帯端末10としては、例えばスマートフォンを用いることができ、矩形箱状の筐体20を有する。
なお、以下の説明において、使用者が、操作部を通常操作する状態において上方となる側を上側と云い、使用状態において下方となる側を下側と云うこととする。
【0014】
筐体20は、上方に開口した箱状のケース21と、ケース21の開口を覆うカバー22とを有する。
カバー22は、強度確保のための板金部材43(図9参照)がインサート成形されており、表面は樹脂で覆われている。カバー22は、例えば、上面222に、表示部および操作部を兼ね備えたタッチパネル221を有する。
ケース21は樹脂により成形されている。ケース21は、矩形板状の底板23と、底板23の外周に沿って全周に設けられている縦壁24を有する。底板23における前部下面にはリング状のフレーム231が設けられており、フレーム231の中心には、カメラ28(図2参照)用の貫通孔を覆うカメラ用レンズカバー232が設けられている。
ケース21前面の縦壁24である前縦壁241には、外部機器との接続部26が設けられており、側面である側縦壁242には、カメラのシャッター等のサイドキー25が設けられている。
【0015】
図2および図3に示すように、ケース21は、ケース本体211と電池蓋50を有する。ケース本体211は、底板23に電池パック11(図9参照)用の開口233(以後、「電池パック用開口233」という。)を有し、電池蓋50は、電池パック用開口233を着脱可能に覆う。
カバー22は、後部(図2中右側部)に、電池パック11を収容可能な電池収容部223を有する。従って、電池収容部223の下側(図2において上側)にはケース21の電池パック用開口233が位置し、電池蓋50により覆われる。
【0016】
カバー22には、電池収容部223の前側に隣接して、第1回路基板271が取り付けられる。また、カバー22には、第1回路基板271とは反対側で電池収容部223の後側(図2において右下側)に隣接して、第2回路基板272が取り付けられる。第1回路基板271と第2回路基板272との間には、電線29としてのフレキシブル基板291および同軸ケーブル292が配線されている。フレキシブル基板291は、両端が第1回路基板271および第2回路基板272にコネクタ等を介して接続される。同軸ケーブル292は、一端が第1回路基板271に接続され、他端が第2回路基板272を介してアンテナ(図示省略)に接続される。
なお、ここでは、第2回路基板272は、フレキシブル基板291の後部291Aと一体に設けられている。
【0017】
図3に示すように、ケース21における電池パック用開口233に隣接する位置には、カバー22に向かって突出するケースリブ31が設けられている。ケースリブ31は、ケース21の外周縁に沿って、全周にわたって設けられている。
また、カバー22においてケースリブ31に隣接する位置(すなわち、電池収容部223に隣接する位置)には、ケース21に向かって突出するカバーリブ32が、カバー22の外周縁に沿って全周にわたって設けられている。カバーリブ32は、電池収容部223側の内カバーリブ32Aと、外側の外カバーリブ32Bで構成される(図4および図9参照)。
なお、内カバーリブ32Aおよび外カバーリブ32Bを総称する場合は、「カバーリブ32」で示す。
【0018】
図4および図15に示すように、カバーリブ32の突出方向(図4において上方)の先端部には、全体凹状のカバー段差部34が形成されている。カバー段差部34は、内カバーリブ32Aに設けられている内カバー段差部34Aと、外カバーリブ32Bに設けられている外カバー段差部34Bを有する。
なお、内カバー段差部34Aおよび外カバー段差部34Bを総称する場合は、「カバー段差部34」で示す。
【0019】
内カバー段差部34Aは、カバーリブ32の長手方向に沿って前後両端に凹部341を有するとともに、前後の凹部341の間に下側(図15において上方)に突出する凸部342を有する。
外カバー段差部34Bは、矩形状の切欠部343を有する。
図15に示すように、切欠部343の深さおよび凸部342の深さをH1、凹部341の深さをH2とする。
【0020】
図5および図15に示すように、ケースリブ31における先端部(図5において下端部)には、カバー段差部34に係合するケース段差部35が設けられている。ケース段差部35は全体凸状を呈しており、カバー段差部34の幅と同等の幅を有する。また、ケース段差部35は、カバー段差部34の一対の凹部341に嵌合する一対の嵌合部351を有するとともに、一対の嵌合部351の間には、平坦部352が設けられている。
【0021】
図15に示すように、ケース段差部35の平坦部352の高さをH1、嵌合部351の高さをH2とする。
従って、ケース21とカバー22とを取り付けた際に、ケース段差部35の嵌合部351が内カバー段差部34Aの一対の凹部341に嵌合する。また、ケース段差部35の平坦部352は内カバー段差部34Aの凸部342および外カバー段差部34Bの切欠部343の下面に当接する。
これにより、ケース21とカバー22の筐体20の長手方向における位置関係および筐体20の厚み方向の位置関係を特定する。
【0022】
カバーリブ32の突出方向先端部には、カバーリブ32の連続方向に沿って溝部33が設けられている(図4参照)。溝部33には、電線29が収容される。図4においては、電線29としてのフレキシブル基板291が収容されている。また、電池収容部223を挟んで反対側の溝部33には、アンテナ用の電線29としての同軸ケーブル292が収容される(図12参照)。
これは、フレキシブル基板291とアンテナの同軸ケーブル292が近いと、ノイズが入ってアンテナ性能が劣化するため、筐体20における反対側に配置して、できるだけ離している。
【0023】
また、溝部33は、カバー22にインサートされている板金部材43に接触しないように離して設けられている。
これは、板金部材43とフレキシブル基板291とが近いと、不要共振が発生してアンテナ性能が劣化するのを防止するためである。
なお、前述したようなアンテナ性能の劣化を防止するためには、GND(グランド)強化や、板金部材43とフレキシブル基板291との結合が必要となり、部品点数が増える。このため、フレキシブル基板291を離れた位置に配置することで部品点数を増やすことなくアンテナ性能を確保できる。
【0024】
図9および図10に示すように、溝部33は、電線29(ここでは、フレキシブル基板291)がカバー段差部34から露出しない深さ寸法を有する(図11および図14参照)。
なお、溝部33は、その全長において電線29の深さ(フレキシブル基板291においては幅寸法、同軸ケーブル292においては外径寸法)より深い必要はなく、最大深さにおいて電線29より深く設定する。
【0025】
図6(A)に示すように、カバーリブ32において外カバーリブ32Bの外面321には、第1凸部36がカバーリブ32の突出方向(上下方向)に沿って設けられている。また、図5に示すように、ケース21の内面212には、第2凸部37がケース21の厚み方向に沿って設けられている。第1凸部36と第2凸部37とは、筐体20における長手方向の同じ位置に設けられている。
従って、図6(B)に示すように、ケース21とカバー22を取り付けた際に、第1凸部36と第2凸部37とは互いに同じ位置にあって対向しており、先端面がカバーリブ32の突出方向に沿って線接触する。
これにより、ケース21とカバー22とを取り付けた際に、ケース21とカバー22の幅方向の位置決めを行う。
【0026】
図2および図4に示すように、カバーリブ32における内カバーリブ32Aの内面322には、爪部38が設けられている。
また、図2および図5に示すように、ケースリブ31における電池収容部223とは反対側の外面311(図9参照)には、カバーリブ32の爪部38に対応する位置に、爪部38に係合する爪凹部39が内面312まで貫通して設けられている。
従って、カバー22をケース21に取り付ける際には、カバーリブ32がケース21の側縦壁242とケースリブ31との間に挿入される。そして、カバーリブ32の爪部38が、ケースリブ31の外面311側からケースリブ31の爪凹部39に挿入されて係止され、ケース21とカバー22とが一体化する(図9および図13参照)。
【0027】
図3および図9に示すように、電池蓋50は、矩形板状の蓋本体51の上面511(図3において下側の面)に、上面511の外周縁部に沿って全周に縦リブ512が設けられている。
縦リブ512は、ケース21の長手方向に沿って対向する一対の縦リブ512A、512Bと、ケース21の幅方向に沿って対向する一対の縦リブ512C、512Dを有する(図3参照)。なお、縦リブ512A、512B、512C、512Dを総称する場合は、「縦リブ512」で示す。
【0028】
図9に示すように、縦リブ512の先端は外側に屈曲した止め部513が全周にわたって設けられている。
そして、蓋本体51の上面511と、縦リブ512と、止め部513との間には、Oリング52が係止される。これにより、電池蓋50を電池パック用開口233に取り付けた際に、防水を図っている。
Oリング52はゴム等の弾性部材で輪状に形成されており、全周の長さは縦リブ512の全周の長さよりも若干短く形成されている。従って、Oリング52は若干伸びた状態で取り付けられる。
【0029】
図3および図10に示すように、ケース21の長手方向に沿って対向する一方の縦リブ512Aには、上側(図10において下方)に突出するとともに外向きに突出する係止片514が設けられている。
また、ケースリブ31における電池収容部223側の内面312において係止片514に対応する位置には、係止片514が係合する係止凹部41が設けられている。
【0030】
図12に示すように、電池蓋50においてケース21の長手方向に沿って対向する他方の縦リブ512Bには、上側(図12において下側)に突出するとともに先端に外向きに突出する係止爪515を有する係止部516が設けられている。係止爪515は、蓋本体51の幅方向中心に対して、縦リブ512A側の係止片514と対称の位置に設けることができる。
また、ケースリブ31の内面312において係止爪515に対応する位置には、係止爪515が係合する蓋固定部42が設けられている。
【0031】
従って、図7に示すように、電池蓋50をケース21の電池パック用開口233に取り付ける際には、まず、電池蓋50の係止片514をケース21の係止凹部41に差し込む(図7中矢印A、図3および図10参照)。
次いで、係止片514および係止凹部41をヒンジにして、電池蓋50を回動させて(図7中矢印B)、電池蓋50の係止爪515をケースの蓋固定部42により係止する(図12参照)。
【0032】
以上、説明した本発明に係る実施形態の携帯端末10によれば、ケース21およびカバー22を有する筐体20は、内部に、電池パック11を収容可能な電池収容部223を有する。また、筐体20は、電池収容部223に隣接する位置に収容された第1回路基板271と、電池収容部223に隣接し、かつ、第1回路基板271とは反対側の位置に収容された第2回路基板272と、を有する。
ケース21は、電池収容部223に隣接する位置に、カバー22に向かって突出するケースリブ31を有する。また、カバー22は、ケースリブ31に隣接する位置に、ケース21に向かって突出するとともに第1回路基板271と第2回路基板272との間に連続するカバーリブ32を有する。
カバーリブ32の突出方向先端部には、カバーリブ32の連続方向に沿って溝部33が設けられており、第1回路基板271および第2回路基板272のうちの少なくとも一方に接続されるフレキシブル基板291または同軸ケーブル292が収容されている。
【0033】
そして、カバーリブ32の先端部にカバー段差部34を形成し、ケースリブ31の電池収容部223とは反対側の基端部にケース段差部35を設けて、カバー段差部34に係合させたので、筐体20の長手方向の位置決めおよび厚さ方向の位置決めができる。
また、カバーリブ32におけるケースリブ31とは反対側の外面321に、カバーリブ32の突出方向に沿って第1凸部36を設け、ケースリブ31の内面312にカバーリブ32の突出方向に沿って線接触する第2凸部37を設けた。そして、第1凸部36と第2凸部37とが当接するので、筐体20の幅方向位置決めができる。
さらに、カバーリブ32におけるケースリブ31側の内面322に爪部38を設け、ケースリブ31における電池収容部223とは反対側の外面311に、爪部38に係合する爪凹部39を設けたので、ケース21とカバー22の厚さ方向の位置決めをするとともに、確実に取り付けることができる。
これにより、ケース21とカバー22とを位置決めする部材等を別途設ける必要がないので、筐体20の大型化を防止することができる。
【0034】
また、溝部33は、カバー段差部34から電線29が露出しない溝深さ寸法を有するので、溝部33にフレキシブル基板291または同軸ケーブル292を配線した際に、フレキシブル基板291または同軸ケーブル292を確実に収容できる。
【0035】
また、ケース21は、電池収容部223に連通する電池パック用開口233を有し、電池パック用開口233を封鎖する電池蓋50が、開閉可能に取り付けられる。電池蓋50には係止片514が設けられており、ケースリブ31における電池収容部223側の内面にはケース段差部35と重なる位置に、係止片514が係合する係止凹部41が設けられている。
従って、電池蓋50の係止片514を、電池収容部223側の係止凹部41に係止することにより、電池蓋50を電池パック用開口233に位置決めできるので、電池蓋50を容易にケース21に取り付けることができる。係止凹部41はケース段差部35と重なる位置に設けているため、凹の形成に新たなスペースを必要とせず、サイズを大きくすることなく、係止凹部を形成できる。
【0036】
さらに、カバー22は、インサート成形された板金部材43を有するので、十分な強度が得られる。また、溝部33は板金部材43に接触しないようになっているので、ノイズの影響を防止できる。
【0037】
なお、本発明の携帯端末は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
本発明における電線は、FPC、同軸ケーブル両方を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明にかかる携帯端末は、カバーリブの突出方向の先端部にカバー段差部を形成し、ケースリブにおける電池収容部とは反対側の基端部にケース段差部を設けてカバー段差部に係合させたので、ケースとカバーの長手方向の位置決めができる。また、カバーリブにおけるケースリブとは反対側の外面に、カバーリブの突出方向に沿って第1凸部を設け、ケースの内面において第1凸部に対してカバーリブの突出方向に沿って線接触する第2凸部を設けた。これにより、ケースとカバーの幅方向位置決めができる。さらに、カバーリブの内面に爪部を設け、ケースリブの外面に爪部に係合する爪凹部を設けたので、ケースとカバーの厚さ方向の位置決めができる。これにより、ケースとカバーとを位置決めする部材等を別途設ける必要がないので、筐体の大型化を防止することができるという効果を有し、筐体内部に配線を有する携帯端末等として有用である。
【符号の説明】
【0039】
10 携帯端末
11 電池パック
20 筐体
21 ケース
212 内面
22 カバー
223 電池収容部
233 電池パック用開口(開口)
271 第1回路基板
272 第2回路基板
29 電線
31 ケースリブ
311 外面
312 内面
32 カバーリブ
321 外面
322 内面
33 溝部
34 カバー段差部
35 ケース段差部
36 第1凸部
37 第2凸部
38 爪部
39 爪凹部
41 係止凹部
43 板金部材
50 電池蓋
514 係止

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースおよびカバーを有する筐体と、
前記筐体に電池パックを収容可能な電池収容部と、
前記筐体における前記電池収容部に隣接する位置に収容された第1回路基板と、
前記筐体における前記電池収容部に隣接し、かつ、前記第1回路基板とは反対側の位置に収容された第2回路基板と、
前記ケースにおける前記電池収容部に隣接する位置に設けられ、前記カバーに向かって突出するケースリブと、
前記カバーにおける前記ケースリブに隣接する位置に設けられ、前記ケースに向かって突出するとともに前記第1回路基板と前記第2回路基板との間に連続するカバーリブと、
前記カバーリブの突出方向先端部に形成され、かつ、前記カバーリブの連続方向に沿う溝部と、
前記溝部に収容され、前記第1回路基板および前記第2回路基板のうちの少なくとも一方に接続される電線と、
前記カバーリブの突出方向の先端部に形成されたカバー段差部と、
前記ケースリブにおける前記電池収容部とは反対側の基端部に設けられて前記カバー段差部に係合するケース段差部と、
前記カバーリブにおける前記ケースリブとは反対側の外面に設けられ、前記カバーリブの突出方向に沿う第1凸部と、
前記ケースの内面に設けられ、前記第1凸部に対して前記カバーリブの突出方向に沿って線接触する第2凸部と、
前記カバーリブにおける前記ケースリブ側の内面に設けられた爪部と、
前記ケースリブにおける前記電池収容部とは反対側の外面に設けられ、前記爪部に係合する爪凹部と、を備える携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記カバー段差部は凹状であるとともに、前記ケース段差部が前記カバー段差部に挿入される凸状であり、かつ、前記溝部は前記電線が前記カバー段差部から露出しない溝深さ寸法である携帯端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記ケースに設けられ、前記電池収容部に連通する開口と、
前記開口を開閉可能に封鎖する電池蓋と、
前記電池蓋に設けられた係止片と、
前記ケースリブにおける前記電池収容部側の内面に設けられ、前記係止片が係合する係止凹部とを有する携帯端末。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の携帯端末において、
前記カバーにインサート成形された板金部材を有し、
前記溝部が前記板金部材に接触しない携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−106196(P2013−106196A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248849(P2011−248849)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】