説明

携帯電子機器の入力装置、携帯電子機器

【課題】タッチパネルに対するユーザの入力操作であっても、手探りの操作を可能にする。
【解決手段】入力操作識別部200は、タッチパネル10に対する操作に伴い入力信号制御部300から入力される操作信号に基づき、対応するコマンドを実行指示するための制御信号をアプリケーション100に出力する。この際、ユーザの連続操作により入力面上での入力座標の移動を伴う入力操作を検出した場合に、入力操作の移動軌跡に関する大きさの大小を判別し、移動軌跡が所定値より小さい入力操作に対しては通常操作と認識して第1のコマンドを実行させ、移動軌跡が所定値以上大きい入力操作に対しては特殊操作と認識して第2のコマンドを実行させるように指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末、携帯型情報端末(PDA)、携帯型音楽プレーヤ、携帯型ゲーム機のような携帯型の電子機器における入力操作に利用可能な携帯電子機器の入力装置、及び携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な携帯型の電子機器において、最近ではユーザの操作性を改善したり機械的な操作ボタンの数を削減するために、ユーザの入力操作のために操作部にタッチパネルが用いられる場合が多い。このタッチパネルは、平面上の任意の点をユーザが指等で触れたり押圧した時に、この入力操作を検知して入力位置の座標を検出したり入力位置の座標の変化を検出する。また、一般的には液晶表示器のような表示画面と重ねた状態でタッチパネルを配置し、状況に応じて表示画面に表示される様々な操作ボタンの位置とタッチパネル上の座標とを対応付ける。これにより、機械的な操作ボタンを多数設ける必要がなくなるし、表示される各操作ボタンの位置とタッチパネル上の座標との対応関係を表す情報と、表示画面に表示する内容とを変更するだけで、ハードウェアに変更を加えることなく、操作ボタンの位置や数や形状などを自由に変更することが可能になる。
【0003】
この種のタッチパネルを用いた入力装置に関する従来技術としては、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4に開示された技術が知られている。
【0004】
特許文献1及び特許文献2においては、入力操作の状態を検出する際に、タッチパネルの面と指との接触面積を調べることにより指の押圧力の大小を識別することを提案している。
【0005】
特許文献3においては、ユーザの押下位置と表示された複数のボタンとの位置合わせを容易にして誤操作(複数ボタンの同時押下など)を防ぐために、タッチパネルの面と指との接触面積を調べ、表示した各ボタンが接触面積よりも小さい場合にはボタン等の表示を拡大し、表示した各ボタンが接触面積よりも大きい場合にはボタン等の表示を縮小することを提案している。
【0006】
特許文献4においては、入力操作の状態を検出する際にタッチパネルの面とペンとの接触面積の大小や、同時に接触した座標点の数を検出し、その検出結果に応じて操作の内容を切り替えることを提案している。
【特許文献1】特開平4−278627号公報
【特許文献2】特開2005−275632号公報
【特許文献3】特開平10−49305号公報
【特許文献4】特開2000−284912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように入力操作部としてタッチパネルを備えた携帯電子機器においては、機械的な多数の操作ボタンを個別に用意する必要がないため、ハードウェアの構成を簡素化したり、ボタンを配置するための専用の配置スペースを削減して代わりに表示画面の面積を拡大したり、状況に合わせてボタンの数を増減することも可能になる。
【0008】
ところが、このような携帯電子機器を操作する場合には、ユーザは画面に表示された各操作ボタンの位置を目で確認してから所望のボタンの位置でタッチパネルを押下することになるので、表示画面が見えない状況では入力操作は不可能である。例えば、ユーザが服のポケットあるいはバッグに入れた携帯型音楽プレーヤを用いて音楽を視聴している時に、音量などを変更したいような状況は頻繁に生じる。このような状況が生じるたびに、携帯型音楽プレーヤをポケットから取り出して音量の操作を行うのはユーザにとって非常に煩わしいことである。従って、ユーザは携帯型音楽プレーヤをポケットに入れたままの状態で手探りで所定の操作ボタン等を探し、音量等の操作を行う場合も多い。
【0009】
携帯型音楽プレーヤに機械的な操作ボタンやつまみ等が備わっている場合には、それらの凹凸や位置関係をユーザは手の感触により認識可能であるため、上記のような手探りの操作も可能である。しかし、タッチパネルを用いて操作を行う携帯電子機器においては、ボタンの凹凸などが存在しないので手探りではユーザは各ボタンの位置を認識することができず、手探りの操作は不可能である。従って、音量等の操作を行うたびに携帯電子機器をポケットから取り出して画面の表示内容を目で見ながら操作ボタンの位置を確認し操作せざるを得なかった。そのため、従来の携帯電子機器においては、音量調整用のボタンのようにユーザが頻繁に操作する可能性のあるボタンだけについては、手探りでも操作できるように、タッチパネルとは別の機械的な操作ボタンとして装備する場合が多かった。
【0010】
しかし、タッチパネルの他に機械的な操作ボタンも設ける場合には、部品数が増えて製品のコストが上昇したり、機械的な操作ボタンを設置するために余分な配置スペースを確保する必要が生じることになり、携帯電子機器の小型化の妨げになり、タッチパネルの利点を十分に生かすことができない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、タッチパネルに対するユーザの入力操作であっても、手探りの操作が可能な携帯電子機器の入力装置、及び携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の携帯電子機器の入力装置は、入力面への接触操作による入力機能を有するタッチパネルと、前記タッチパネルの入力面に重ねて配置され入力操作に関する可視情報を表示可能な表示部と、前記タッチパネルの入力信号に基づいて入力操作に対する処理を指示する入力制御部とを備える携帯電子機器の入力装置であって、前記入力制御部は、前記タッチパネルの入力面における入力座標及び操作内容に対して設定された所定の処理に対応するコマンドを実行指示するものであり、前記タッチパネルに対する入力操作として、前記入力座標の移動を伴う入力操作を検出した場合に、前記入力操作の移動軌跡に関する大きさの大小を判別し、前記移動軌跡が所定値より小さい第1の入力操作に対しては第1のコマンドを実行させ、前記移動軌跡が所定値以上大きい第2の入力操作に対しては、前記第1のコマンドとは異なるかまたは前記第1のコマンドと同一の第2のコマンドを実行させるように指示する機能を持つものである。
これにより、ユーザは入力操作の大きさを変えて第1の入力操作と第2の入力操作とを使い分けることによって、入力操作の大きさに応じて第1のコマンドまたは第2のコマンドを実行させることができる。また、表示部に表示される可視情報による操作ボタン等とタッチパネルとを組み合わせ、操作ボタン等に対応する入力操作を行って第1のコマンドを実行させるとともに、移動軌跡が大きい第2の入力操作によって第2のコマンドを実行させることができるので、ユーザはタッチパネルにおいて表示部の操作ボタン等を見ない状態で手探りの操作が可能となる。
【0013】
また、本発明は、上記の携帯電子機器の入力装置であって、前記入力制御部は、前記表示部に表示される操作ボタンに対応する入力操作に対しては第1のコマンドを実行させ、前記操作ボタンから外れる所定の入力操作に対しては特殊操作と認識して第2のコマンドを実行させる指示を行うものを含む。
これにより、ユーザは操作ボタンに対応する入力操作と操作ボタンから外れる特殊操作とを使い分けて、第1のコマンドまたは第2のコマンドを実行させることができるので、タッチパネルにおいても手探りの操作が可能となる。
【0014】
また、本発明は、上記の携帯電子機器の入力装置であって、前記入力制御部は、前記表示部に表示される操作ボタンの表示範囲と同等以下の大きさの移動軌跡の入力操作を検出した場合には、該当する操作ボタンに割り当てられた第1のコマンドを実行させ、前記操作ボタンの大きさに比べて所定値以上の大きさの移動軌跡の入力操作を検出した場合には、特殊操作として割り当てられた第2のコマンドを実行させる指示を行うものを含む。
これにより、操作ボタンの表示範囲と同等以下の大きさの入力操作と、操作ボタンの大きさに比べて所定値以上の大きさの特殊操作とを区別して行い、第1のコマンドまたは第2のコマンドを実行させることができるので、タッチパネルにおいても手探りの操作が可能となる。
【0015】
また、本発明は、上記の携帯電子機器の入力装置であって、前記表示部の周囲の明るさを検出する照度センサを更に備え、前記入力制御部は、前記第2のコマンドの実行を判定する際に用いる移動軌跡の所定の閾値を、前記照度センサが検出した明るさに応じて変更し、前記明るさが所定量より暗いときには明るいときに比べて小さい閾値を使用するものを含む。
これにより、周囲の明るさに応じて、所定量より暗いときには特殊操作による第2のコマンドの実行を判定する際に用いる移動軌跡の閾値を小さくすることで、例えばユーザがポケットやバッグなどの内部の暗い環境で電子機器を手探りで操作する場合に、特殊操作をより適切に判定でき、操作性を向上することが可能となる。
【0016】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の入力装置と、前記入力装置からの入力操作に対する指示に応じて該当する処理を行う処理部と、を備える携帯電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、タッチパネルに対するユーザの入力操作であっても、手探りの操作が可能な携帯電子機器の入力装置、及び携帯電子機器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の実施形態では、携帯電子機器の入力装置の一例として、携帯電話端末に適用した構成例を示す。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は本発明の実施形態における携帯電子機器の入力装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【0020】
本実施形態の入力装置は、例えば携帯電話端末、携帯型情報端末(PDA)、携帯型音楽プレーヤ、携帯型ゲーム機のような携帯電子機器に対してユーザが入力操作を行うために利用することを想定した装置である。入力装置は、携帯電子機器に搭載され、表示部上の入力面において触れる、なぞる等の接触操作による入力機能を有するタッチパネルを備えて構成される。
【0021】
図1に示す入力装置1は、タッチパネル10、光センサ20、表示部30、アプリケーション100、入力信号解析部200、入力信号制御部300、及び設定制御部400を備えて構成される。また、入力装置1を搭載した携帯電子機器には、音声信号出力用の増幅器60、スピーカやヘッドホン等の音声出力部50が設けられる。
【0022】
タッチパネル10は、操作用の入力デバイスであり、平面状に形成された透明な感圧シートを含み、前記感圧シートの面における接触の有無及び接触を検出した位置の座標情報を表す信号を定期的に出力する。従って、ユーザが自分の指やスタイラスペン等を用いてこの感圧シートの表面を押下する(触れる)ことにより、接触したことを示す信号及び入力位置の座標情報が出力される。なお、接触の有無及び接触した入力位置の座標を検出できるものであれば、感圧シート以外の検出要素を用いてタッチパネル10を構成しても良い。
【0023】
表示部30は、平面状の表示画面に文字、図形、画像のような様々な可視情報を表示することが可能な装置であり、液晶表示装置などにより構成される。前記タッチパネル10は、この表示部30の表示画面の上に重ねて配置され、入力面を形成している。従って、ユーザは表示部30の表示画面の内容をタッチパネル10を透過した光により確認しながら、タッチパネル10上の特定の位置(操作ボタン等が表示されている位置)に触れることができる。
【0024】
光センサ20は、タッチパネル10の近傍の明るさ(照度)を検出することが可能な素子であり、例えばフォトダイオードやCDS(硫化カドミウム)セルを利用することができる。なお、第1の実施形態では光センサ20が出力する情報は利用していない。
【0025】
アプリケーション100は、上位の個別のアプリケーションプログラム(例えば音楽再生機能を提供するプログラム)と、入力操作のための機能を提供する入力装置1との間で各種データや制御情報等をやり取りするためのインタフェースを提供するプログラム(ミドルウェア)である。
【0026】
入力信号制御部300は、入力デバイスであるタッチパネル10から出力される信号の受付を制御する。具体的には、タッチパネル10から入力される信号がノイズかどうかを識別し、ノイズでない適切な信号を検出した場合には、接触の有無及び接触した位置の座標を表す情報を一定の間隔で入力信号解析部200に通知する。
【0027】
入力信号解析部200は、入力信号制御部300から入力される情報を解析することにより、ユーザの入力操作の内容を予め割り当てられたコマンドに対応付けて、該当するコマンドを実行指示するための制御信号を出力する。具体的には、単純なボタンの押下に相当する操作状態(接触オン)、押下を解除したことを表す操作状態(接触オフ)、押下しながら接触位置を移動する場合の移動軌跡(接触位置の変位)などの操作内容、及びこれらの操作位置の座標(入力座標)を検出する。また、移動軌跡の大きさを認識し、その認識結果を実行するコマンドに反映する。更に詳細な動作については後で説明する。入力信号解析部200の解析結果は、アプリケーション100を経由して設定制御部400に入力される。入力装置1において、タッチパネル10の入力信号に基づいて入力操作に対する処理を指示する部分を入力制御部と称すると、入力制御部は入力信号解析部200を含む。
【0028】
設定制御部400は、電子機器が動作する際に使用する様々なパラメータを管理する。例えば、音楽を再生する場合の音量を調整するための音量調整パラメータや、表示部30の表示画面の輝度を調整するための輝度調整パラメータなどを設定制御部400が管理する。上記アプリケーション100及び設定制御部400が携帯電子機器における処理部の機能を実現する。
【0029】
音量調整(ボリューム調整)を行う場合、設定制御部400から音量調整パラメータの値が音声信号出力用の増幅器60にゲインを調整する制御信号として入力される。例えば、ユーザが音量調節のための入力操作をタッチパネル10に対して行うと、この入力操作を入力信号解析部200が認識し、その認識結果がアプリケーション100を介して設定制御部400に入力され、設定制御部400における音量調整パラメータが変更される。これにより、増幅器60のゲインが変化し、音声出力部50からの出力音量が変化する。
【0030】
図2は第1の実施形態の入力装置における表示画面及び入力操作の具体例を示す模式図である。第1の実施形態に係る入力装置の動作の具体例について、図2を参照しながら説明する。図2に示す表示部30の表示画面30aには、ボリュームの操作ノブを模した円形の形状を有する可視情報である操作ボタン31、32などが表示されている。ユーザは、この画面に重なっているタッチパネル10を透過する光により画面の表示内容、すなわちタッチパネル上の操作ボタン31、32の可視情報を見ながら、タッチパネル10を操作することができる。
【0031】
図2に示す例では、図の上側の表示画面30bのように、操作ボタン32の輪郭の位置に沿って移動軌跡41のようにユーザが指40で操作ノブを回すような入力操作を行うと、入力信号解析部200は操作ボタン通りの通常操作と認識し、該当する操作ボタンに予め割り当てたコマンドである第1のコマンドをアプリケーション100が実行する。つまり、各操作ボタン31または32の輪郭と同等以下の大きさの移動軌跡41の場合には、各操作ボタンに割り当てられた第1のコマンドが実行される。
【0032】
一方、図の下側の表示画面30cのように、所定値以上の比較的大きい(例えば操作ボタンサイズの2倍以上の)円形の移動軌跡42を描くように指40を動かして大きい円状の入力操作を行うと、入力信号解析部200は、これを特別な機能を実行するための入力操作である、本来の操作とは異なる操作ボタンから外れた所定の特殊操作(特別なジェスチャー)として認識する。この場合、移動軌跡41のように操作ボタンに対応させた通常のタッチパネル操作の場合とは異なり、別に定義した第2のコマンドをアプリケーション100が実行する。つまり、操作ボタンの表示に比べて所定以上大きな特殊操作による移動軌跡42の場合には、その特殊操作に割り当てられた第2のコマンドが実行される。アプリケーション100は、コマンドに該当する状態変化などの制御指示を設定制御部400に与えるか、またはアプリケーション自身でコマンドに該当する動作を行う。なお、第2のコマンドは、第1のコマンドとは異なるものに限らず、手探りの操作によって操作ボタンと同様の操作を可能にする場合を考慮して、第1のコマンドと同一のコマンドを定義する場合も含まれる。
【0033】
本実施形態では、特殊操作として、ぐるぐると回転操作する円運動の連続操作を行い、この入力操作に対応するコマンドとして連続操作に対して音量などの状態を連続的に変化させる場合を想定して説明する。
【0034】
次に、第1の実施形態に係る入力装置の具体例な処理手順を図3を参照しながら説明する。図3は第1の実施形態の入力装置における主要な動作を示すシーケンス図である。
【0035】
ユーザがタッチパネル10に触れて入力操作を行う場合には、タッチパネル10への接触操作があった場合に、タッチパネル10上の入力位置を表す座標情報などを含む操作検知信号SG1が入力信号制御部300へ一定の周期で出力される。入力信号制御部300は、タッチパネル10が出力する操作検知信号SG1の中から、ノイズを除去して有効な情報だけを操作信号SG2として入力信号解析部200に与える。図3の右側に示す時間Tの間は、タッチパネル10からの入力座標情報が入力信号制御部300を経て入力信号解析部200へ継続的に通知される。
【0036】
入力信号解析部200は、ステップS11において今回の入力操作に対応付けられているコマンドを解析する。すなわち、入力された操作信号SG2に基づいて入力位置やその移動軌跡などを検出し、予め設定されて保持しているコマンド割り当てテーブル210を利用して、該当するコマンドを判定する。
【0037】
この際、入力信号解析部200は、まず、操作が開始されたときにその入力位置を示す入力座標を取得し、コマンド割り当てテーブル210を参照してその座標位置に該当する操作ボタンが規定されているかどうかを判定する。該当する操作ボタンが存在する場合には、入力信号解析部200はその操作ボタンに割り当てられたコマンドを選択し、アプリケーション100にコマンド情報を与えて対応するコマンドを実行する。コマンド実行のタイミングは、入力座標が連続的に変化する操作による入力の場合は所定の時間間隔で、単一の操作による入力の場合はユーザの指がタッチパネル10から離れたときなどに実行する。
【0038】
また、操作が開始されたときの入力座標に操作ボタンが規定されていない場合、及び、入力座標が連続的に変化して移動を伴う場合には、コマンド割り当てテーブル210を参照して特別な入力操作である特殊操作のジェスチャーが規定されているかどうかを判定する。特殊操作が規定されている場合には、入力信号解析部200は入力操作の移動軌跡を解析して該当する特殊操作と一致するかどうかを判定し、一致する場合にはその特殊操作に割り当てられた特定のコマンドのコマンド情報をアプリケーション100に与え、対応するコマンドを実行する。
【0039】
また、入力信号解析部200は、続くステップS12、S13において、ステップS11で「特殊操作」の入力操作が検出された場合に、同じ特殊操作の入力操作が継続しているかどうかを判定する。特殊操作が継続している場合には、同じコマンドのコマンド情報を出力して対応するコマンドを再び実行し、特殊操作の入力操作の中断を検出した場合には、新たな入力操作について判定する。
【0040】
図4は第1の実施形態の入力装置における表示画面の具体例及び使用するコマンド割り当てテーブルの具体例を示す模式図である。図4において、(a)は表示部30の表示画面に表示される操作ボタンを、(b)は(a)の各操作ボタンに対応するコマンド割り当てテーブル210の内容をそれぞれ示している。表示部30の表示画面には、ボリュームの操作ノブを模した円形の操作ボタン31、32と、押しボタンを模した略長方形の操作ボタン33、34、35の5つの操作ボタンが配置されている。入力信号解析部200では、図3の各ステップS11,S12,S13においてコマンド割り当てテーブル210が参照され、タッチパネル操作に対応するコマンドの判定が行われる。
【0041】
図4に示す例では、コマンド割り当てテーブル210の内容は2つのグループに区分することができる。1つは各操作ボタンに対する通常の操作を規定する操作ボタン規定グループ210aであり、もう1つは特別なジェスチャーによる入力操作を規定する特殊操作規定グループ210bである。ここでは、特殊操作は、各操作ボタンの大きさよりも十分に大きい移動軌跡を描くようにタッチパネル10上で指を移動させて円状に回転する入力操作を定義している。
【0042】
このコマンド割り当てテーブル210には、それぞれの入力操作に対応付けた情報として、操作ボタンの形状を表す情報と、その操作ボタンの座標位置(X,Y)及び大きさ(半径R)による操作ボタンの表示範囲と、操作ボタンに対応する操作の内容(タッピング,回転など)と、実行すべきコマンドの種類とが登録されている。
【0043】
従って、図3のステップS11等においては、このコマンド割り当てテーブル210の内容を参照し、入力された操作信号SG2の入力座標や移動軌跡と比較することにより、実行すべきコマンドを特定することができる。
【0044】
例えば、操作信号SG2において、座標位置(500,200)の近傍を中心とし、円を描くように回転する連続的な摺動操作の移動軌跡を認識した場合に、移動軌跡の直径が操作ボタンサイズと同等以下である100以下(半径50×2以下)であれば、該当する操作ボタン31(ボタンX)の回転操作がなされたものと判定し、ボタンXに割り当てられた通常のコマンド(コマンドX)を実行対象に決定する。また、例えば座標位置(100〜300,100〜150)の範囲内でタッピング操作(表示されたボタンに1回または同じ位置で複数回繰り返し触れるような操作)を検出した場合には、該当する操作ボタン33(ボタンA)の押下操作がなされたものと判定し、ボタンAに割り当てられた通常のコマンド(コマンドA)を実行対象に決定する。
【0045】
一方、入力された操作信号SG2により検出した連続的な摺動操作の移動軌跡の大きさが所定の閾値以上(例えば操作ボタンサイズの2倍以上)の回転操作の場合には、特殊操作がなされたものと判定し、コマンド割り当てテーブル210の中の特殊操作規定グループ210bの内容を参照する。そして、右回転の移動軌跡を検出した場合には「音量増大」のコマンドを実行対象に決定し、左回転の移動軌跡を検出した場合には「音量減少」のコマンドを実行対象に決定する。
【0046】
なお、各操作ボタンに割り当てられる通常のコマンド(コマンドA、B、C、X、Y)としては、例えば音楽プレーヤの場合、押下操作の操作ボタンには再生、停止などの機能が、回転操作の操作ボタンには音質調整などの機能が適用される。
【0047】
図3のステップS11で入力操作を解析した結果、所定値以上の大きな右回転操作による特殊操作と判定し、この特殊操作に対応付けられたコマンドが「音量調整(音量増大)」のコマンドであると認識した場合には、入力信号解析部200は音量調整用のコマンドとして音量増大のコマンド信号SG3をアプリケーション100に与える。この場合、アプリケーション100はコマンド信号SG3に従って、制御信号として音量増大の音量調整信号SG4を設定制御部400に与え、音量調整パラメータの値を変更する。これにより、設定制御部400における音量調整パラメータが現音量値から1段階増加される。
【0048】
また、ユーザの入力操作が継続している(タッチパネル10に指が触れた状態が続いている)場合には、入力信号解析部200は入力される操作信号SG2に従って、各ステップS12、S13で特殊操作の継続判定を実行し、判定の結果をアプリケーション100に与える。ここで、音量調整(音量増大)に対応する特殊操作である所定値以上の大きな右回転操作が継続された場合、所定時間または所定変位量毎に、音量増大のコマンド信号SG3が入力信号解析部200からアプリケーション100に入力される。これにより、アプリケーション100から音量増大の音量調整信号SG4が設定制御部400に逐次入力され、音量調整パラメータの値が更新されて1段階ずつ増加される(図3の例では5→6→7)。
【0049】
上記のような本実施形態の構成において、入力信号解析部200は、ユーザの入力操作に関する移動軌跡の大きさによって第1のコマンドまたは第2のコマンドを実行する。従って、ユーザは入力操作の大きさを変えることにより、第1のコマンドに対する入力操作と第2のコマンドに対する入力操作とを区別して使い分けることができる。例えば、ユーザがタッチパネルの入力面に触れた状態で、連続的な操作で円を描くように指を移動させて入力操作を行う場合、表示部30に表示された操作ボタン等に比べて所定量以上の大きな円の回転操作を行うことにより、特殊操作のジェスチャーとして第2のコマンドに対する入力操作を行うことができる。このような特殊操作を行う場合には、ユーザは操作ボタン等の位置に合わせる必要が無く、表示部30の表示内容を見る必要がないため、手探りの操作が容易に可能である。また、移動軌跡の形状や位置がよく似たジェスチャーであっても、その大きさによって複数のコマンドを使い分けることも可能であるので、比較的複雑な入力操作も可能になる。
【0050】
本実施形態の携帯電子機器の入力装置では、上記のような特殊操作のジェスチャーを行うことによって、ユーザはポケットやバッグの中に入れた電子機器を取り出すことなく、手探りで音量調節等の操作を行うことができる。例えば、図2に示す移動軌跡42のように連続的な回転操作で所定値以上の通常よりも大きい円を描くようにタッチパネル10上で指を動かすことにより、画面に表示されているボタンを目で見なくても所望の操作指示を行うことができ、手探りの操作が可能になる。勿論、ユーザは電子機器の画面に表示されている各ボタンを目で見ながら入力操作を行うこともできる。ユーザが画面を見ながら操作する場合には、それぞれの操作ボタンの位置をユーザが区別して入力操作を行うことになるので、操作ボタン毎に独立した様々なコマンドを実行することができる。
【0051】
また、ユーザが画面を見ながら操作することを前提にする場合や、多数のボタンが画面に表示されるような場合には、画面に表示されているいずれかの操作ボタンの位置を通過する移動軌跡のみを特殊操作のジェスチャーとして識別しても良い。その場合には、移動軌跡の大きさを判定する際に、例えば次のような処理を行うことが考えられる。すなわち、ボタンのサイズを「1」とした場合、1つのボタン上を指が通過した後、指が該当ボタンから「2」以上の距離だけ離れた後、再び「1」を下回る距離まで該当ボタンに近づくような回転操作による円形の移動軌跡を検出したときに、特殊操作として識別する。
【0052】
なお、前述の具体例においては、特殊操作のジェスチャーとして、回転操作の連続操作によって円を描くような指の動き(タッチパネル上での移動軌跡)を採用しているが、円以外の曲線や、往復運動などの直線的な指の動きを採用しても良い。また、上記の具体例においては、連続的な指の動きによって検出される移動軌跡を判定して特殊操作を検出しているが、このような連続操作だけでなく、特殊操作において、例えば移動の途中で指を一旦タッチパネルから離し、再び指をタッチパネルに触れて移動を再開するような、間欠的な入力操作を行う場合も含んでも良い。
【0053】
また、移動軌跡の大きさを判定する際には、例えば移動軌跡の移動距離や、移動軌跡が描く図形(例えば円)の大きさや、操作を開始した地点から各時点の指の位置までの距離などの各種座標情報を利用することができる。
【0054】
また、本実施形態では、表示部30の操作ボタン等の表示とタッチパネル10の操作位置とを直接対応させた一般的なタッチパネルによる入力装置の例を示しているが、必ずしも表示部30の表示内容とタッチパネル10の操作位置とは直接対応させる必要はなく、タッチパネル10上の入力操作のみに対応させて機能するものも本発明に含まれる。
【0055】
上記のように、第1の実施形態によれば、タッチパネルに対する入力操作を行う場合に、操作ボタンに対応する第1のコマンドとは別に、大きな回転操作などによる特殊操作を定義してこれに第2のコマンドを割り当て、この特殊操作を検出することによって、表示部の操作ボタンを見なくても特殊操作による手探りの操作が可能となる。
【0056】
(第2の実施形態)
図5は第2の実施形態の入力装置における表示画面及び入力操作の具体例を示す模式図である。第2の実施形態は前述した第1の実施形態の変形例であり、装置の構成については図1と同様である。また、第2の実施形態においても基本的な動作は第1の実施形態と同様であるが、図1に示した照度センサとして機能する光センサ20を用いて、明るさに応じた制御を行うように処理の内容が変更されている。本実施形態では、周囲の明るさの変化によって、第2のコマンドの実行に関する特殊操作の移動軌跡の大きさを判定するための閾値を変更する。
【0057】
この際、光センサ20で明るさを検出するタイミングは、ユーザが入力操作を開始した時点とする。例えば、表示部30としてバックライトを備えた液晶表示装置を採用している場合には、ユーザの入力操作に伴ってバックライトが点灯し、光センサ20が検出する明るさに変化が生じる可能性もあるので、バックライトが発する光以外の周囲環境の明るさを検出できるように、バックライトが点灯する前に明るさを検出する。
【0058】
図5に示す例では、図2に示した第1の実施形態と同様に、図の上側のように、操作ボタン31の輪郭の範囲内での入力操作である小さい移動軌跡41を検出した場合には、入力信号解析部200は操作ボタン通りの通常操作と認識し、該当する操作ボタンに予め割り当てたコマンドである第1のコマンドをアプリケーション100が実行する。一方、図の下側のように、操作ボタン31のサイズに比べて所定値以上の大きい円形の移動軌跡42を検出した場合には、入力信号解析部200は特殊操作と認識し、操作ボタンに割り当てられたコマンドとは異なる第2のコマンドをアプリケーション100が実行する。
【0059】
ここで、特殊操作として認識する移動軌跡42の大きさについては、例えば、表示されている操作ボタンの大きさ(サイズ)を基準にして、その倍数を表す閾値以上かどうかを判定する。また、ここで使用する閾値については、周囲の明るさが明るい環境と暗い環境のいずれの状態で使用されているかを光センサ20の出力する照度情報を用いて判定し、明るさに応じて切り替える。例えば、照度が所定量より大きな明るい環境では閾値として3(倍)を割り当て、所定量より小さな暗い環境では明るいときに比べて小さい閾値である2(倍)を割り当てる。
【0060】
つまり、ユーザの入力操作(タッチパネル10に触れている指の動き)の位置が、表示されている各操作ボタンの表示位置を大きく外れ、移動軌跡42のようにボタンの大きさに比べて閾値(3倍または2倍)以上の回転操作であることを検出した場合には、これを特殊操作のジェスチャーとして認識する。
【0061】
明るさに応じて閾値を切り替えるのは、特殊操作のジェスチャーに関する識別を容易にするためである。電子機器がポケットの中で使用される場合のように暗い環境で使用される状態、つまり手探りの操作である可能性が高い環境においては、ユーザには自分自身の指の動きが見えず、入力操作の大きさを正確には把握できない。また、このような暗い環境では特殊操作が行われる可能性が高い。よって、移動軌跡が比較的小さい(表示されるボタンの大きさの2倍程度)場合であっても、特殊操作のジェスチャーとして認識できるようにするのが望ましい。一方、手探りの操作ではなく、通常の環境でユーザが画面の表示を見ながら入力操作する場合には、比較的明るい環境で使用されることになる。したがって、明るい環境ではユーザ自身が表示されているボタンの大きさや入力操作の位置及び大きさを正確に把握できるので、特殊操作のジェスチャーを他の操作と区別するために、特殊操作の判定値を十分に大きくする方が好ましい。そこで、明るい環境においては閾値を大きくして、表示される操作ボタンの大きさの3倍以上のように、移動軌跡が比較的大きい場合に限り、特殊操作のジェスチャーとして認識する。
【0062】
図6は第2の実施形態の入力装置における操作量の大きさと認識する特殊操作との関連を示す模式図である。図6において、(a)は表示部30の表示画面に表示される操作ボタンと操作量の大きさとの関係を、(b)は明るさに応じた特殊操作の判定閾値の変更内容をそれぞれ示している。
【0063】
図6の例では、図6(a)のように、表示部30の表示画面には操作ボタン31(ボタンX)が表示されており、この操作ボタン31の半径がRであり、ユーザの入力操作に関する移動軌跡42の直径がLである場合を想定している。なお、ユーザの操作による移動軌跡42は正確な円ではないので、その直径Lを検出する場合には、複数の方向(X方向/Y方向など)のそれぞれについて検出した寸法の平均値や最大値や最小値などを採用することも考えられるし、1つの方向だけについて検出した寸法を採用することも考えられる。
【0064】
そして、図6(b)のように、特殊操作の前述のジェスチャーを識別するための閾値として、明るい環境では3倍(以上)を使用し、暗い環境では2倍(以上)を使用するように明るさに応じて切り替える。
【0065】
すなわち、周囲の明るさが明るい環境では、移動軌跡42の直径Lが2R以内の大きさである場合に、入力位置に表示されている操作ボタン31に対する通常の操作として判定する。また、移動軌跡42の直径Lが2Rより大きく6R未満の大きさである場合には、無効な入力操作とみなして反応せず、移動軌跡42の直径Lが6R以上の大きさである場合には、特殊操作のジェスチャーとして判定する。
【0066】
また、周囲の明るさが暗い環境では、移動軌跡42の直径Lが2R以内の大きさである場合に、入力位置に表示されている操作ボタン31に対する通常の操作として判定する。また、移動軌跡42の直径Lが2Rより大きく4R未満の大きさである場合には、無効な入力操作とみなして反応せず、移動軌跡42の直径Lが4R以上の大きさである場合には、特殊操作のジェスチャーとして判定する。
【0067】
上記のような本実施形態の構成において、入力信号解析部200は、第2のコマンドを実行するための特殊操作のジェスチャーの大きさを判定する際に利用する閾値を明るさに応じて自動的に切り替えるので、状況に応じた適切な入力操作が可能になる。例えば、ユーザがポケットの中やバッグの中などにある電子機器を手探りで操作しようとする場合には、暗い環境で電子機器が使用されることになるが、この場合には表示部30の表示画面の表示や自分自身の指が見えないのでユーザは表現するジェスチャーの大きさをうまく把握することができない。そこで、暗い場合には小さめのジェスチャーであっても特殊操作として認識できるように、特殊操作の判定を容易にするために閾値として比較的小さい値を用いる。一方、ユーザが表示画面を目で確認しながら操作する場合のように、明るい環境で特殊操作を行う場合には、ジェスチャーの大きさをユーザが把握するのは容易である。そこで、明るい場合には閾値として比較的大きい値を用い、通常の入力操作よりも十分に大きいジェスチャーを特殊操作と認識するようにし、誤認識を抑止する。以上により、タッチパネルにおいて特殊操作を行う場合の操作性を向上できる。
【0068】
第2の実施形態では、周囲が暗くてユーザが手探りで入力操作を行う場合と、周囲が明るくてユーザが画面の表示を見ながら入力操作可能な場合とのいずれの状況においても、それぞれの状況において操作性が改善するように動作を最適化することが可能になる。これにより、周囲の明るさに応じて適切に特殊操作を検出でき、ユーザの意思に沿った手探りの操作を実現可能となる。
【0069】
上述したように、本実施形態によれば、タッチパネルに対するユーザの入力操作であっても、特殊操作による手探りの操作が可能になる。従って、例えば音量調節のための操作ボタンのように頻繁に使用するボタンについても独立した機械的なボタンの搭載を省略することができ、ユーザの操作性を損なうことなく、タッチパネルだけで全ての入力操作が可能になる。また、入力位置や形状が同等のジェスチャーであっても、移動軌跡の大きさの違いにより複数のコマンドを使い分けることも可能であるので、より高い操作性が得られる。さらに、機械的な操作ボタンの搭載を省略することにより、部品数を削減して製品のコストを低減したり、携帯電子機器上のより広い空間を画面の表示に割り当てることも可能になる。
【0070】
なお、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、タッチパネルに対するユーザの入力操作であっても、手探りの操作が可能となる効果を有し、例えば携帯電話端末、携帯型情報端末(PDA)、携帯型音楽プレーヤ、携帯型ゲーム機のような携帯型の電子機器における入力操作に利用可能な携帯電子機器の入力装置、及びその携帯電子機器等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態における携帯電子機器の入力装置の主要部の構成を示すブロック図
【図2】第1の実施形態の入力装置における表示画面及び入力操作の具体例を示す模式図
【図3】第1の実施形態の入力装置における主要な動作を示すシーケンス図
【図4】第1の実施形態の入力装置における表示画面の具体例及び使用するコマンド割り当てテーブルの具体例を示す模式図
【図5】第2の実施形態の入力装置における表示画面及び入力操作の具体例を示す模式図
【図6】第2の実施形態の入力装置における操作量の大きさと認識する特殊操作との関連を示す模式図
【符号の説明】
【0073】
1 入力装置
10 タッチパネル
20 光センサ
30 表示部
31〜35 操作ボタン
41、42 移動軌跡
50 音声出力部
60 増幅器
100 アプリケーション
200 入力信号解析部
210 コマンド割り当てテーブル
300 入力信号制御部
400 設定制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力面への接触操作による入力機能を有するタッチパネルと、前記タッチパネルの入力面に重ねて配置され入力操作に関する可視情報を表示可能な表示部と、前記タッチパネルの入力信号に基づいて入力操作に対する処理を指示する入力制御部とを備える携帯電子機器の入力装置であって、
前記入力制御部は、前記タッチパネルの入力面における入力座標及び操作内容に対して設定された所定の処理に対応するコマンドを実行指示するものであり、
前記タッチパネルに対する入力操作として、前記入力座標の移動を伴う入力操作を検出した場合に、前記入力操作の移動軌跡に関する大きさの大小を判別し、前記移動軌跡が所定値より小さい第1の入力操作に対しては第1のコマンドを実行させ、前記移動軌跡が所定値以上大きい第2の入力操作に対しては、前記第1のコマンドとは異なるかまたは前記第1のコマンドと同一の第2のコマンドを実行させるように指示する機能を持つ携帯電子機器の入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電子機器の入力装置であって、
前記入力制御部は、前記表示部に表示される操作ボタンに対応する入力操作に対しては第1のコマンドを実行させ、前記操作ボタンから外れる所定の入力操作に対しては特殊操作と認識して第2のコマンドを実行させる指示を行う携帯電子機器の入力装置。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯電子機器の入力装置であって、
前記入力制御部は、前記表示部に表示される操作ボタンの表示範囲と同等以下の大きさの移動軌跡の入力操作を検出した場合には、該当する操作ボタンに割り当てられた第1のコマンドを実行させ、前記操作ボタンの大きさに比べて所定値以上の大きさの移動軌跡の入力操作を検出した場合には、特殊操作として割り当てられた第2のコマンドを実行させる指示を行う携帯電子機器の入力装置。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯電子機器の入力装置であって、
前記表示部の周囲の明るさを検出する照度センサを更に備え、
前記入力制御部は、前記第2のコマンドの実行を判定する際に用いる移動軌跡の所定の閾値を、前記照度センサが検出した明るさに応じて変更し、前記明るさが所定量より暗いときには明るいときに比べて小さい閾値を使用する携帯電子機器の入力装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の入力装置と、前記入力装置からの入力操作に対する指示に応じて該当する処理を行う処理部と、を備える携帯電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−123004(P2009−123004A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296972(P2007−296972)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】