説明

携帯電子機器

【課題】キャリブレーション処理を正確に行える2軸式地磁気センサを搭載した携帯電子機器を提供する。
【解決手段】地磁気を検出する2軸の地磁気センサ(110)と、地磁気センサによって検出される地磁気に基づいて、方位測定のためのキャリブレーションデータを取得するキャリブレーションデータ取得部(121)と、キャリブレーションデータが取得されているときに、地磁気センサ以外の複数の機能のうち少なくとも1つの機能が実行中である場合、キャリブレーションデータ取得部で取得されたキャリブレションデータを破棄するようキャリブレーションデータ取得部(120)を制御するキャリブレーションデータ取得制御部(124,120)とを備えることを特徴とする携帯電子機器(110)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地磁気センサを搭載した携帯電子機器に関し、特に、キャリブレーション処理を正確に行えるようにした2軸式地磁気センサを搭載した携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地磁気センサの小型化および低価格化が進み、携帯電子機器に搭載される場合が多くなりつつある。地磁気センサは、磁気計測方向が2軸式と3軸式とに大別されるが、2軸式の地磁気センサの方が安価かつサイズが小さく、携帯電子機器に搭載するには適している。携帯電子機器は、スピーカ、バッテリや金属部品など、様々な磁性材料を含むため、これら磁性材料が磁気・磁束を発し、地磁気センサの精度などに影響を及ぼすこととなる。即ち、携帯電子機器に搭載された地磁気センサは、機器内の磁性材料が発する「機器内磁気」と「地磁気」とが合成された磁気を検出してしまう。従って、地磁気センサの精度を適正に保持するためには、機器内の磁性材料が発する「磁気」による誤差分を補正するためのキャリブレーションが必要である。
【0003】
ここで「キャリブレーション」とは、携帯電子機器内部の磁気の影響を補正することであり、例えば、携帯電子機器を水平に保ち回転させる動作等によって携帯電子機器内の磁気発生部材による影響をキャンセルさせる動作である。携帯電子機器内の磁気発生部材による磁気は、温度の影響で変化し得るものである。また、携帯電子機器をより大きな磁気を発するスピーカやモータなどのそばに置いた場合、フラッシュメモリなどの外部記憶素子を挿入した場合も、携帯電子機器全体としても着磁状態が変化して磁気センサの計測に影響を及ぼしてしまう。
【0004】
携帯電子機器内の地磁気センサが、自機器内の磁性体の影響を受け、正確な方位を示すことができなくなっているか否かは、ユーザが外部から携帯電子機器を観察しても見極めることができない。従って、ユーザは地磁気センサに定期的なキャリブレーション処理を施す必要がある。2軸式地磁気センサのキャリブレーション処理において機器を水平に回転させる動作において、回転速度が速すぎると、キャリブレーションデータ取得用のメモリがオーバーフローするなど、回転速度が一定の範囲から外れた場合に、キャリブレーション精度が劣化したり不能になったりするなどの問題がある。そこで、回転速度に依存せず低速でも高速でも正確にキャリブレーション動作を行うことができる技術が提案されている(特許文献1を参照されたい。)。
【特許文献1】特開2004-12416号公報(段落0005-0007、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2軸式地磁気センサの場合、例えば、ユーザがセンサを搭載した携帯電子機器を水平(X軸、Y軸に並行な面)にして、「一定速度を保持しながら回転させる」必要がある。このとき、縦方向(Z軸)へ携帯電子機器を動かすことは誤ったキャリブレーションデータが取得される要因となるため、ユーザが慎重に携帯電子機器を平面上で回転さるることが要求される。上述した従来技術によれば、一定速度で回転させるという制約は無くなるが、2軸(X軸、Y軸)方向以外の縦方向(Z軸)にぶれさせずに、携帯電子機器を「平面上に保持しながら回転させる」という制約は依然として残っている。
【0006】
一般的に、携帯電子機器は、地磁気センサ以外の諸機能を搭載しており、例えば、通信機能、より具体的には、無線電話機能、メール送受信機能、アラーム機能、またはデジタル・アナログ放送(例えばワンセグメント放送)受信機能などが搭載される。特に、無線電話機能やメール送受信機能では、キャリブレーション動作中であっても、予期せぬ電話やメールの着信があるため、ユーザは着信に反応して無意識に機器を縦方向(Z方向)に動かすことが想定される。また、機器が携帯電話端末である場合には、マナーモード(サイレントモード)に設定されることが多く、電話やメールの着信があったときにバイブレータ用の小型モータが動作し、振動を発生させてユーザに着信を知らせる。このようなケースでは、たとえ、ユーザが機器を縦方向に動かさなくても、モータを構成するロータやステータが発する磁力線の状況が変化し、正確なキャリブレーションデータを取得することはできない。このように、機能によっては実行中に「内部磁気」の発生状況を変動させる場合がよくあるが、このような場合では、ユーザは正確にキャリブレーション処理を終えたつもりであっても、実際には誤ったキャリブレーション処理が実行され、正確な方位を表示することができないことがある。
【0007】
本発明は、上述した諸課題を解消するために、キャリブレーション処理を正確に行える2軸式地磁気センサを搭載した携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による携帯電子機器は、
複数の機能を搭載した携帯電子機器(携帯電話端末装置、PDAなど)であって、
地磁気を検出する2軸の地磁気センサと、
ユーザによるキャリブレーション処理開始操作を受ける入力部と、
ユーザによるキャリブレーション処理開始操作を受け、前記地磁気センサによって検出される地磁気に基づいて、方位測定のためのキャリブレーションデータを取得するキャリブレーションデータ取得部と、
前記キャリブレーションデータ取得部により前記キャリブレーションデータが取得されているときに、前記携帯電子機器に搭載されている複数の機能のうち少なくとも1つの機能が実行中(起動を含む)であるか否かを判定する監視部(例えば、割り込みハンドラー)と、
前記キャリブレーションデータが取得されているときに、前記複数の機能のうち少なくとも1つの機能が実行中(起動を含む)であると前記監視部によって判定された場合、前記キャリブレーションデータ取得部で取得されたキャリブレーションデータを破棄するよう前記キャリブレーションデータ取得部を制御する制御部と、
前記キャリブレーションデータ取得部により取得されたキャリブレーションデータに基づきキャリブレーション処理を行い前記地磁気センサの各軸に補正値(感度値、オフセットなど)を設定するキャリブレーション処理実行部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明による携帯電子機器は、
前記少なくとも1つの機能が、電話(音声通話、テレビ電話など)の着信機能、メールの着信機能、および、前記携帯電子機器内の時間情報(システムクロックおよび起動設定時刻)に基づく起動機能(典型的には、アラーム、タイマー録画・録音など)のうちのいずれか1つである、
ことを特徴とする。
【0010】
また、第3の発明による携帯電子機器は、
前記制御部が、前記取得されたキャリブレーションデータを破棄するよう指示した後、キャリブレーションデータ取得を再実行するよう前記キャリブレーションデータ取得部を制御する、ことを特徴とする。
【0011】
また、第4の発明による携帯電子機器は、
携帯電子機器が表示部をさらに備え、
前記制御部は、キャリブレーションデータ取得の再実行中のときその旨を前記表示部に表示するよう制御する、ことを特徴とする。
【0012】
また、第5の発明による携帯電子機器は、
携帯電子機器が表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記キャリブレーションデータを破棄するよう指示した後、キャリブレーションデータ取得の再実行を行うか否かの選択を促す表示(例えば、「キャリブレーションデータは破棄されました。再実行しますか?」など)を前記表示部に表示するよう制御する、ことを特徴とする。
【0013】
上述したように本発明の解決手段を機器(装置)として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【発明の効果】
【0014】
キャリブレーション動作中に携帯電子機器に含まれる諸機能(音声通話の着信など)が起動される事象が発生した場合、ユーザによって2軸方向以外の方向に機器が動かされたり、起動された機能によっては機器内の磁気状況が変動したりする恐れがあるが、本発明によれば、このような事象が発生した場合、信頼性の低いキャリブレーションデータを自動的に破棄して、正確なキャリブレーションデータ取得を保証し、適正なキャリブレーション処理によってユーザに正確な方位を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
<携帯電子機器の基本構成>
図1は、本発明による携帯電子機器の基本的な構成を示すブロック図である。図に示すように、本発明による携帯電子機器100は、2軸式地磁気センサ(電子コンパス)110、制御部120、記憶部130、無線通信部140、GPS信号受信部150、メモリカード部160、キー入力部170、表示部180、および音声処理部190を備える。なお、無線通信部を備える携帯電子機器の典型例は携帯電話端末装置である。
【0016】
2軸式地磁気センサ110は、X軸方向およびY軸方向の地磁気情報をそれぞれ出力し、これらに基づき、携帯電子機器100のX軸・Y軸に並行な平面上における方位が算出される。例えば、2軸式地磁気センサ110は、携帯電子機器100の筐体内の回路基板上(図示せず)に設定された所定の座標系(2軸)を基準として、その各軸方向の地磁気を検出する。地磁気の検出には、例えばコイルの励磁を利用する方法や、ホール効果を利用する方法、磁気抵抗素子を利用する方法など、種々の方法を用いることが可能である。
【0017】
制御部120は、装置全体の制御を司るものであり、キャリブレーションデータ取得部121、キャリブレーション処理実行部122、監視部123、キャリブレーションデータ取得制御部124を備える。
【0018】
記憶部130は、制御部120において処理に利用される各種のデータを記憶する。記憶部130は、例えば、地磁気センサにより取得されたキャリブレーションデータ、その他の様々な情報を格納する。さらには、制御部120に備わるコンピュータのプログラム、通信相手の電話番号や電子メールアドレス等の個人情報を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音源ファイル、待ち受け画面用の画像ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータなどを保持する。また、記憶部130は、例えば不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
【0019】
無線通信部140は、通信ネットワークに接続される基地局(図示せず)と無線通信を行う。例えば、無線通信部140は、制御部120から供給される送信データに所定の変調処理を施して無線信号に変換し、アンテナから送出する。また、アンテナにおいて受信される基地局からの無線信号に所定の復調処理を施して受信データに変換し、制御部120に出力する。
【0020】
GPS信号受信部150は、既知の軌道を周回する3つまたはそれ以上のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、これに増幅、ノイズ除去、変調等の信号処理を施して、携帯電子機器100の地理的位置を算出するために必要な情報を取得する。
【0021】
メモリカード部160は、フラッシュメモリなどの外部記憶素子を挿入し、それを外部記憶部としてして利用し、各種情報やデータを格納するためのインターフェイスとして機能する。
【0022】
キー入力部170は、例えば電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部120に入力する。
【0023】
表示部180は、例えば液晶表示パネルや有機ELパネルなどの表示デバイスを用いて構成されており、制御部120から供給される映像信号に応じた画像を表示する。例えば、発信時における発信先の電話番号、着信時における着信相手の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、バッテリ残量、待ち受け画面などの各種の情報を表示する。また表示部180は、GPS機能によりナビゲーションを行う場合や待ち受け画面を表示している場合などにおいて、2軸式地磁気センサ110の検出結果に基づく方位の情報を表示する。
【0024】
音声処理部190は、スピーカSPにおいて出力される音声信号やマイクロフォンMICにおいて入力される音声信号の処理を行う。すなわち、マイクロフォンMICから入力される音声信号に増幅、アナログ−デジタル変換、符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部120に出力する。また、制御部120から供給される音声データに復号化、デジタル−アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカSPに出力する。
【0025】
<2軸式磁気センサの方位算出処理>
2軸式地磁気センサには、上述したように各種原理を利用したものがあるが、ホール効果を利用したホール素子を例示して2軸式地磁気センサの方位算出処理の詳細を説明する。図2は、2軸式磁気センサを用いた方位算出処理の一例を示す機能ブロック図である。図に示すように、2軸式磁気センサ200、素子駆動部210、センサ用電源220、差動入力アンプ230、A/Dコンバータ240、方位算出部250、および制御部260が設けられ、2軸式磁気センサ200は、X軸ホール素子200XおよびY軸ホール素子200Yが設けられている。
【0026】
ここで、X軸ホール素子200XおよびY軸ホール素子200Yは、例えば、携帯電子機器の筐体主面(図示せず)に並行に装着されている主回路基板(図示せず)上に配置され、X軸ホール素子200XおよびY軸ホール素子200Yは水平面内の回転角を検出するように配置されている。なお、X軸ホール素子200XおよびY軸ホール素子200Yは地磁気を検出するためのものである。
【0027】
素子駆動部210は、X軸ホール素子200XおよびY軸ホール素子200Yをそれぞれ駆動する端子を切り換える、即ち、駆動対象のホール素子を選択するためのものであり、センサ用電源220から出力された駆動電圧をX軸ホール素子200XおよびY軸ホール素子200Yにそれぞれ印加する。ここで、素子駆動部210は、例えば、チョッパ駆動として構成させることが可能ある。
【0028】
X軸ホール素子200XおよびY軸ホール素子200Yから出力された信号は、差動入力アンプ230によりそれぞれ増幅され、ここで増幅されたアナログ信号の出力増幅値がA/Dコンバータ240でデジタル信号に変換された後、方位算出部250に入力される。
【0029】
方位算出部250では、制御部260から得られる補正指示に基づき、X軸およびY軸のデジタル信号の出力増幅値に補正処理を行い、方位を算出する。
【0030】
キャリブレーション処理中は、方位算出部250は、方位を算出せずに、X軸およびY軸のデジタル信号の出力増幅値をキャリブレーションデータとして格納し続け、所定の量のデータ取得が完了した後で、適正に取得されたキャリブレーションデータを用いて、補正用データを算出し、この新たに算出された補正用データで既存のものを更新してキャリブレーション処理を終える。
【0031】
<キャリブレーション操作>
図3は、本発明による携帯電子機器で実行されるキャリブレーション操作の一例を示すフローチャートである。また、図4は、本発明による携帯電子機器で実行されるキャリブレーション操作時の表示例を示す図である。図3に示すように、ステップS10では、キー入力部170がユーザによるキャリブレーション処理開始操作を受け付け、これを受け、制御部120がキャリブレーション操作を開始する。このときから、ユーザは、携帯電子機器を水平にして回転する動作「キャリブレーション動作」を行う。ステップS11では、制御部120がキャリブレーションデータ用バッファをクリア(破棄)する。その後、キャリブレーション処理の「再実行中」のフラグが立っているか否かを判定し(ステップS12)、再実行中のフラグが立っていない場合はステップS15に進み、制御部120に設けられたキャリブレーションデータ取得部121が、2軸式地磁気センサ110によって検出される地磁気に基づいて、方位測定(補正)のためのキャリブレーションデータ取得を実行する。
【0032】
キャリブレーションデータ取得の実行中は、制御部(例えばCPUなど)120に設けられた監視部(例えば、割り込みハンドラーなど)123が、着信などの割り込みが発生したか否か(即ち、当該割り込みに関連する機能が開始される、或いは、実行中であるか否か)を監視する(ステップS16)。ステップS16で割り込みが発生したと判定された場合は、ステップS17に進み、監視部123が割り込み発生時のレジスタや実行中のタスクなどの諸データを一時的に記憶部130に退避させ、当該割り込みに対応した割り込み処理を行うと共に、制御部120に設けられたキャリブレーションデータ取得制御部123に対して、キャリブレーションデータ取得の再実行および再実行中のフラグ(図示せず)を立てるよう指示する。再実行指示を受け、処理はステップS11に戻り、制御部120に設けられたキャリブレーションデータ取得制御部124の指示を受けたキャリブレーションデータ取得部121が、キャリブレーションデータ用バッファをクリアする。この場合は、キャリブレーション処理の「再実行中」のフラグが立っているとステップS12で判定され、ステップS13に進み、図4(a)に示すように、再実行を開始するか否かを選択するようユーザに促す表示を表示部180に表示する。再実行を開始することが選択された場合は、図4(b)に示すように、表示部180に再実行中である旨を表示し(ステップS14)、ステップS15の実際のデータ取得処理に移行する。キー入力部170を介したユーザの指示によりステップS13で再実行を開始しないものと判定された場合はキャリブレーション操作を終了する。
【0033】
ステップS16で割り込みが発生していないと判定された場合は、ステップS18に進み、キャリブレーションデータが必要な数まで取得できたか否かを判定し、必要な数を満たすまではステップS15に戻りデータ取得を繰り返す。ステップS18で必要な数が取得できたと判定された場合は、キャリブレーションデータ取得の処理を終え、その後の処理、例えば、制御部120に設けられたキャリブレーション処理実行部122が、取得したキャリブレーションデータに基づきキャリブレーション処理を行い、地磁気センサの各軸に補正値(オフセットなど)を設定するなどを実行する。
【0034】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。実施例では、監視部としての「割り込みハンドラー」が電話などの着信を監視・検知する方式を想定して説明したが、割り込みハンドラー以外の監視部(ハードウェアモジュール、或いは、CPUで実行されるソフトウェアモジュール、またはこれらの双方からなるモジュール)が、割り込み用キューの内容、或いは、割り込みハンドラーの後続タスクにおける割り込み内容を表す特定フィールドの内容などを監視する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による携帯電子機器の基本的な構成を示すブロック図である。
【図2】2軸式磁気センサを用いた方位算出処理を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明による携帯電子機器で実行されるキャリブレーション操作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明による携帯電子機器で実行されるキャリブレーション操作時の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
100 携帯電子機器
110 軸式地磁気センサ
120 制御部
121 キャリブレーションデータ取得部
122 キャリブレーション処理実行部
123 監視部
124 キャリブレーションデータ取得制御部
130 記憶部
140 無線通信部
150 GPS信号受信部
160 メモリカード部
170 キー入力部
180 表示部
190 音声処理部
200 2軸式磁気センサ
200X X軸ホール素子
200Y Y軸ホール素子
210 素子駆動部
220 センサ用電源
230 差動入力アンプ
240 A/Dコンバータ
250 方位算出部
260 制御部
MIC マイクロフォン
SP スピーカ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を搭載した携帯電子機器であって、
地磁気を検出する2軸の地磁気センサと、
前記地磁気センサによって検出される地磁気に基づいて、方位測定のためのキャリブレーションデータを取得するキャリブレーションデータ取得部と、
前記キャリブレーションデータが取得されているときに、前記複数の機能のうち少なくとも1つの機能が実行中である場合、前記キャリブレーションデータ取得部で取得されたキャリブレーションデータを破棄するよう前記キャリブレーションデータ取得部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電子機器において、
前記少なくとも1つの機能が、電話の着信機能、メールの着信機能、および、前記携帯電子機器内の時間情報に基づく起動機能のうちのいずれか1つである、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯電子機器において、
前記制御部が、前記取得されたキャリブレーションデータを破棄するよう指示した後、キャリブレーションデータ取得を再実行するよう前記キャリブレーションデータ取得部を制御する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯電子機器において、
携帯電子機器が表示部をさらに備え、
前記制御部は、キャリブレーションデータ取得の再実行中のときその旨を前記表示部に表示するよう制御する、
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯電子機器において、
携帯電子機器が表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記キャリブレーションデータを破棄するよう指示した後、キャリブレーションデータ取得の再実行を行うか否かの選択を促す表示を前記表示部に表示するよう制御する、
ことを特徴とする携帯電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−229062(P2009−229062A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203276(P2006−203276)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】