説明

携帯電子機器

【課題】起動されている機能と、回転ダイヤル等の操作部材上に表示された指標との不一致を抑制し、使用性を向上させた携帯電子機器を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、操作部側筐体2に所定の動作が可能に配置される回転ダイヤル部41と、回転ダイヤル部41に配置され機能に対応する指標が複数表示されるダイヤル表示部41Bと、回転ダイヤル部41が操作された際に、ダイヤル表示部41Bに表示される複数の指標のうち、選択位置Sに位置された指標に対応した機能を実行する機能実行部と、選択位置Sに第1機能に対応した第1指標が位置された状態において、第1機能とは異なる第2機能が機能実行部により実行される場合、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sに表示される指標を、第1指標から第2機能に対応する第2指標に変更させる表示制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ダイヤルを有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器としての携帯電話機において、より直感的なユーザインターフェースが要求されている。ここで、ヒンジ部を有するフォルダタイプの携帯電話機において、ヒンジ部にボリューム切り替え等に用いる回転ダイヤルを設けた携帯電話機が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
近年、携帯電話機は、通信・通話機能のみならずテレビやラジオを視聴する機能も搭載され多機能化されている。
ここで、携帯電話機において、テレビ視聴機能等の機能が選択されていない場合には、通信・通話の待ち受け画面がトップ画面として表示される。
そして、ユーザが所定の操作を行うことにより、待ち受け画面から他の機能を選択するメニュー選択画面に移行すると共に、当該選択メニュー画面においてユーザが所定の機能を選択することで所望の機能を起動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−90200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回転ダイヤルが設けられた携帯電話機においては、回転ダイヤルの周面に、携帯電話機が備える複数の機能のそれぞれに対応した複数の指標(アイコン)が付されている。そして、ユーザは、複数の機能のうちの所定の機能を起動させたい場合には、回転ダイヤルを回転させて、当該機能に対応したアイコンを所定の選択位置に一致させることで、当該機能を起動させられる。また、携帯電話機の機能は、回転ダイヤルを回転させる以外の操作(例えば、所定のキーを押圧する操作)によっても選択できる。
そのため、回転ダイヤルにより所定の機能(例えば、メール機能)を選択して起動させた状態で、回転ダイヤルとは異なる操作により、他の機能(例えば、カメラ機能)が起動された場合には、起動されている機能(カメラ機能)と、回転ダイヤルにより示されたアイコンに対応する機能(メール機能)とが一致しなくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、起動されている機能と、回転ダイヤル等の操作部材上に表示された指標との不一致を抑制し、使用性を向上させた携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、筐体と、前記筐体に所定の動作が可能に配置される操作部材と、前記操作部材に配置され、機能に対応する指標が複数表示される指標表示部と、前記操作部材が操作された際に、前記指標表示部に表示される複数の指標のうち、所定位置に位置された指標に対応した機能を実行する機能実行部と、前記指標表示部における所定位置に第1機能に対応した第1指標が位置された状態において、前記第1機能とは異なる第2機能が前記機能実行部により実行される場合、前記指標表示部における前記所定位置に表示される指標を、第1指標から前記第2機能に対応する第2指標に変更させる表示制御部と、を備える携帯電子機器に関する。
【0008】
また、前記指標表示部には、前記複数の指標が所定順序で表示され、前記表示制御部は、前記所定順序を維持しながら前記所定位置に位置される指標を前記第1指標から第2指標に変更することが好ましい。
【0009】
また、前記機能実行部に前記第2機能を実行させることを指示する指示部と、を更に備え、前記機能実行部は、前記指示部より実行が指示された前記第2機能を実行可能であると共に、前記操作部材の所定の動作により選択された前記第1機能の実行中に前記指示部により前記第2機能の実行が指示された場合には、前記第1機能を中断又は終了して、前記第2機能を実行させることが好ましい。
【0010】
また、前記指示部は、前記第1機能にて予め連携起動が対応づけられている機能を前記第2機能として実行指示可能であることが好ましい。
【0011】
また、前記第2機能は、通信に関する機能であることが好ましい。
【0012】
また、前記指標表示部は、電子ペーパにて構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、起動されている機能と、回転ダイヤル等の操作部材上に表示された指標との不一致を抑制し、使用性を向上させた携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る携帯電話機の外観図である。
【図2】携帯電話機の閉状態における表示部側筐体から見たときの外観図である。
【図3】携帯電話機の閉状態における操作部側筐体から見たときの外観図である。
【図4】回転ダイヤル部付近の拡大図である。
【図5】回転ダイヤル部の機能を示す図である。
【図6】回転ダイヤル部における裏面から見た平面図である。
【図7】回転ダイヤル部に形成された位置ポイントとカウント部との関係を説明する図である。
【図8】携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図9A】メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。
【図9B】メモリに記憶されている回転量−機能テーブルを説明する図である。
【図10】メモリに記憶されている表示順序テーブルを説明する図である。
【図11】起動時における携帯電話機1の動作を説明するフロー図である。
【図12】起動時におけるダイヤル表示部41Bの表示態様を説明する図である。
【図13】回転ダイヤル部41によらない機能変更時における携帯電話機1の動作を説明するフロー図である。
【図14】回転ダイヤル部41によらない機能変更時におけるダイヤル表示部41Bの表示態様を説明する図である。
【図15】メニュー画像Mを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1から図7により、携帯電話機1における構成について説明する。図1は、本発明に係る携帯電話機の一例である携帯電話機1の外観図を示す。また、図2は、携帯電話機1の閉状態における表示部側筐体3から見たときの外観図を示す。また、図3は、携帯電話機1の閉状態における操作部側筐体2から見たときの外観図を示す。また、図4は、回転ダイヤル部41付近の拡大図を示す。また、図5は、回転ダイヤル部の機能を示す図である。図6は、回転ダイヤル部41における裏面41cから見た平面図である。図7は、回転ダイヤル部41に形成された位置ポイント43とカウント部44との関係を説明する図である。
【0016】
携帯電話機1は、図1に示すように、第1面としての第1表面部10を有する操作部側筐体2と、第2面としての第2表面部20を有する表示部側筐体3と、を備えて構成される。操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4に配置されるヒンジ機構4Aを介して連結される。
【0017】
携帯電話機1は、ヒンジ機構4Aを介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2における第1表面部10と表示部側筐体3における第2表面部20とが互いに離間した開状態と、操作部側筐体2における第1表面部10と操作部側筐体2における第2表面部20とが互いに対向して近接配置された閉状態とに変形可能に構成される。
また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4Aと略同軸に設定された回転軸Zを中心に回転可能に取り付けられた回転ダイヤル部41が配置される。
【0018】
操作部側筐体2は、第1表面部10Aと第1裏面部10Bとを有する。操作部側筐体2における第1表面部10Aには、図1に示すように、閉状態にて隠れる操作部11と、使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12とが配置される。操作部側筐体2における第1裏面部10Bには、図3に示すように、被写体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラ等により構成される撮像部17と、一定の光量を出力する発光部18とが形成される。
【0019】
操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能(アプリケーション)を動作させるためのキー、オフフックキーや、オンフックキーを含む機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、ボリュームコントロール等を行うコントロールボタン16と、から構成される。
ここで、機能設定操作ボタン13は、指示部材300を含んで構成される。指示部材300は、所定の機能(アプリケーション)を選択する操作部材である。携帯電話機1には、所定の機能(アプリケーション)を選択する操作部材として、指示部材300のほか、後に詳述する回転ダイヤル部41が配置される。
【0020】
指示部材300としては、メールボタン300A、受話ボタン300B、インターネットボタン300Cが配置される。メールボタン300Aは押下されることによりメール機能を指示し、受話ボタン300Bは、押下されることにより電話通信機能を指示し、インターネットボタン300Cは、押下されることによりインターネット通信機能を指示する。各ボタン300A、300B、300Cへの押下操作によって、後述する機能実行指示部73に指示信号が出力され、機能実行指示部73が後述する機能実行部74に実行信号を出力する。
【0021】
また、操作部側筐体2は、キー構造部と、キー基板と、ケース体と、基準電位パターン層及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板と、アンテナ部と、充電池80と、後述する回転ダイヤル部41における回転量を検出するために用いられるカウント部44(図7参照)と、を収容する。
【0022】
表示部側筐体3における第2表面部20には、各種情報を表示するための表示部としてのディスプレイ21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22と、が配置される。
【0023】
ディスプレイ21は、トップ画面として通信・通話待ち受け画像を表示する。また、ディスプレイ21は、機能の内容を示す画像を含むメニュー画像(画面)M(図15参照)が表示可能に構成される。詳細には、ディスプレイ21には、後述するタッチセンサ200(接触検出部71)が回転ダイヤル部41に指等の導電体が接触したことを検出した場合、メニュー画像Mが表示される。
【0024】
メニュー画像M(図15参照)は、目印42の横に並ぶ選択位置Sに配置された後述の指標Iに対応する機能(アプリケーション)の内容を示す画像及び/文字を含む。メニュー画像Mは、開状態において操作部11及びディスプレイ21側から見た回転ダイヤル部41における指標表示部としてのダイヤル表示部41Bの表示態様と類似して構成される。本実施形態においては、メニュー画像Mは、アプリケーションに対応する機能の名称(略称)を含んで構成される。メニュー画像Mは、ダイヤル表示部41Bにおける指標Iと同様(例えば、相似)の画像を含んで構成されていてもよい。また、ディスプレイ21は、所定の機能を動作させるためのアプリケーションに基づく画像を表示可能に構成される。なお、ディスプレイ21は、閉状態において隠れる位置に配されている。
【0025】
ここで、カメラ機能を動作させるアプリケーションが起動している場合、ディスプレイ21には、撮像部17により撮像される画像が表示可能に構成される。メール機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、受信された電子メールの一覧やメール作成画面が表示可能に構成される。カレンダー機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、各月のカレンダー画面やスケジュール画面が表示可能に構成される。ツール機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、複数のツール機能を示す指標が表示可能に構成される。テレビ機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、受信した放送信号のうち選択されたチャンネルに対応する放送信号に基づいた映像を表示可能に構成される。メモ帳機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、文字入力が可能な入力画面が表示可能に構成される。アドレス帳機能を動作させるアプリケーションが起動されている場合、ディスプレイ21には、不図示のメモリに記憶される複数のアドレス情報が表示可能に構成される。これらのアプリケーションは、オンフックキー(終話キー)の押下で終了させることが可能である。
【0026】
上述のアプリケーションが終了された場合、ディスプレイ21は、トップ画面としての通信・通話待受画面を表示する。そして、後述する機能実行部74は、電話機能を使用可能なアプリケーションを動作させている。そして、操作部11は、数字を入力する機能が割り当てられた入力操作ボタン14が押下されることで発呼すべき電話番号の入力を受け付ける。
【0027】
表示部側筐体3における第2裏面20Bには、図2に示すように、各種情報を表示するためのサブディスプレイ23が閉状態であっても外部に露出する位置に配置される。
サブディスプレイ23にも同様に、上述の各種機能を動作させるアプリケーションに基づく画像が表示されるが、ディスプレイ21に比べて画面が小さいので、ディスプレイ21に表示される画像の一部や、相似(小さくした)画像が表示される。また、サブディスプレイ23には、各種機能のうち携帯電話機1が閉状態の場合では起動されない機能を動作させるアプリケーションに基づく画像は表示されないように構成される。
【0028】
ここで、ディスプレイ21及びサブディスプレイ23それぞれは、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動回路と、液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とを有して構成される。
【0029】
回転ダイヤル部41は、回転軸Zを中心として回転可能に配置される。具体的には、回転ダイヤル部41は、筐体の一部である連結部4における幅方向Xにヒンジ機構4Aと略同軸の回転軸Zを中心として回転可能に取り付けられる。回転ダイヤル部41は、図1に示すように、携帯電話機1が開状態において、操作部11及びディスプレイ21を見ながら回転操作が可能に配置される。
【0030】
回転ダイヤル部41は、当接部41Aと、ダイヤル表示部41Bとを備える。当接部41Aは、回転ダイヤル部41における側面であって、該回転ダイヤル部41が取り付けられた状態で幅方向Xにおける端部側に配置される部分に形成される。当接部41Aは、表面に凹凸が形成され回転ダイヤル部41を回転動作させやすいように構成される。
【0031】
ダイヤル表示部41Bは、回転ダイヤル部41における側面であって、該回転ダイヤル部41が取り付けられた状態で当接部41Aよりも幅方向Xにおける中央側に配置される部分に形成される。ダイヤル表示部41Bには、表面に機能を示す記号又絵である指標Iが表示される。ダイヤル表示部41Bには、図5に示すように、回転方向に所定角度(例えば、45度)ごとに機能を示す指標Iが表示される。
【0032】
具体的には、ダイヤル表示部41Bには、標準位置としてのニュートラルを示す丸印の指標Iaが表示される。また、ダイヤル表示部41Bには、45度(ニュートラルを基準とした場合の回転a方向の角度を示す。以下同様である。)の位置に形成されるカメラ機能を示すカメラの指標Ibが表示される。また、ダイヤル表示部41Bには、90度の位置に形成されたメール機能を示す手紙の指標Icが表示される。また、ダイヤル表示部41Bには、135度に形成されたカレンダー機能を示すカレンダーの指標Idが表示される。また、ダイヤル表示部41Bには、180度の位置に形成されたツール機能を示す工具の指標Ieが表示される。また、ダイヤル表示部41Bには、225度の位置に形成されたテレビ機能を示すテレビの指標Ifが表示される。また、ダイヤル表示部41Bには、270度の位置に形成されメモ帳機能を示すペンの指標Igが表示される。また、ダイヤル表示部41Bには、315度の位置に形成されアドレス機能を示す手帳の指標Ihが表示される。このようなダイヤル表示部41Bは、複数の指標Iを同時に表示する。
【0033】
ダイヤル表示部41Bは、回転操作が加えられた当接部41Aの回転にともなって回転される。携帯電話機1が開状態における操作部11及びディスプレイ21側に表示される指標I(アイコン)は、当接部41Aによる回転にともなって変更される。更には、連結部4の外面であって携帯電話機1が開状態において操作部11及びディスプレイ21側を向く位置に形成される目印42と幅方向Xに並んだ位置である選択位置Sに配置される指標Iは、回転ダイヤル部41の回転にともなって変更される。選択位置Sに配置される指標Iは、回転ダイヤル部41の回転量により決まる。本実施形態において、回転位置は標準位置を基準とした回転量により示される。ここで、本実施形態において、標準位置とは、ダイヤル表示部41Bにおける丸印の指標Iaが選択位置Sに配置された状態をいう。
【0034】
本実施形態において、ダイヤル表示部41Bは、当接部41Aの回転とは無関係に、すなわち当接部41Aをともなうことなく、指標Iの表示の変更が可能となっている。当接部41Aの回転をともなわない指標Iの変更は、例えば、選択位置Sにカメラ機能に対応した指標Ibが表示されているとき、指標Ibをメール機能に対応した指標Icに変更することをいう。このような指標Iの表示変更を可能とするため、ダイヤル表示部41Bの材料として電子ペーパを用いることができる。そして、電子ペーパを回転ダイヤル部41の中央側の外周を覆うように配置することにより、ダイヤル表示部41Bが構成される。
【0035】
当接部41Aの回転をともなわない指標Iの変更を可能とするため、電子ペーパからなるダイヤル表示部41Bは、後述する表示制御部75(図8参照)に接続されて表示が制御される。ダイヤル表示部41Bにおける指標Iの変更は、選択位置Sに位置している指標だけを変更するものではなく、ダイヤル表示部41Bが表示している全ての指標Iを同時に変更するものである。しかも、全ての指標Iの同時変更は、所定の表示順序を維持するように行われる。具体的には、ダイヤル表示部41Bにおいては、後述する図10で示す表示順序テーブル121の順序が維持されるように指標Iの変更がなされる。例えば、選択位置Sにカメラ機能に対応した指標Ibが表示されている場合に、この選択位置Sに位置する表示をメール機能に対応した指標Icに変更する場合には、上流側にカレンダー機能に対応した指標Idが位置し、下流側にカメラ機能に対応した指標Ibが位置し、これらの間に指標Icが挟まれた状態となるように変更がなされる。
【0036】
電子ペーパは、一旦表示を行えば、その後継続表示するだけでは電力消費が実質発生せず、表示変更を行うときにのみ電力消費が生ずる、という特徴を有している。
そのため、本発明の実施形態においてはダイヤル表示部41Bの表示デバイスの例として電子ペーパを示した。ダイヤルの回転に伴った機能実行する場合には、ダイヤル表示部41Bもダイヤルと共に回転するため、表示変更の必要がないため電力消費が生じない。
そして、ダイヤルの回転に伴わずに新たな機能が実行される場合にのみ、ダイヤル表示部41Bの表示変更を行う。すなわち、ダイヤル回転動作に基づかずに新たな機能を起動するときに、この瞬間にのみダイヤル表示部41Bでの電力消費が生じる。つまり、ダイヤルに表示部を設けているにもかかわらず、極力電力消費を低減させるという効果を奏することが出来る。
【0037】
回転ダイヤル部41における連結部4側には、連結部4に形成された不図示の挿通部に挿入される回転軸部45が形成される。回転ダイヤル部41における連結部4側の面である裏面41cには、図6に示すように、円周方向(回転方向)に沿って突起状の位置ポイント43aから43hが形成される。位置ポイント43aから43hは、円周方向に所定間隔をあけて形成される。位置ポイント43aから43hは、円周方向において、各機能を示す指標I同士の間に形成される。
【0038】
連結部4には、回転ダイヤル部41が回転された状態における位置ポイント43aから43hの移動軌跡上に舌片44aが位置するカウント部44が配置される。
カウント部44は、舌片44aが回転方向に傾くことで通過した位置ポイント43aから43hの数をカウントする。具体的には、舌片44aが回転a方向に傾いた場合においてはカウント数を加算し、回転b方向に傾いた場合にはカウント数を減算する。標準位置を基準としたカウント数に応じて、後述する機能選択部72(図8参照)により回転ダイヤル部41における回転量が検出され、その結果、回転位置が特定できる。
【0039】
更に、回転ダイヤル部41は、導電性を有する金属製、あるいは導電性を有するように処理された樹脂製の部材により構成される。
回転ダイヤル部41の内部には、該回転ダイヤル部41への接触を検出するためのタッチセンサ200が配置される。タッチセンサ200は、回転ダイヤル部41にユーザの指が当接された場合における静電容量の変化を接触検出部71に出力可能に構成される。
【0040】
ここで、回転ダイヤル部41の操作及び機能について説明する。回転ダイヤル部41は、図4に示すように、ユーザの指により当接部41aに回転方向(図4中の矢印の回転a方向及び矢印の回転b方向)への力が加えられることで回転するように筐体における連結部4に取り付けられる。回転ダイヤル部41には、上述の通り、回転方向において所定の間隔ごとに指標I(指標IaからIh)が付されている。指標Iは、図5に示すように、アプリケーションを選択する際にユーザにとって理解(イメージ)しやすい記号や絵によって描かれている。
【0041】
具体的には、回転ダイヤル部41が、図5に示すように、ユーザの回転操作によって、無操作時(ニュートラル(N))を基準として、回転a方向に45度(回転b方向に315度)±22.5度回転されることにより、撮像部17のカメラ機能を動作させるアプリケーションが選択されて起動可能な状態となる。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、撮像部17のカメラ機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0042】
また、ユーザの回転操作によって、回転ダイヤル部41が回転a方向に90度(回転b方向に270度)±22.5度回転されることにより、メールの機能を動作させるアプリケーションが選択されて起動可能な状態となる。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、メール機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0043】
また、ユーザの回転操作によって、回転ダイヤル部41が回転a方向に135度(回転b方向に225度)±22.5度回転されることにより、カレンダー機能を動作させるアプリケーションが選択されて起動可能な状態となる。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、カレンダー機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0044】
また、ユーザの回転操作によって、回転ダイヤル部41が回転a方向に180度(回転b方向に180度)±22.5度回転されることにより、ツールメニュー(携帯電話機1における音出力等に関する各種の設定を行うメニュー)を動作させるアプリケーションが選択されて起動可能な状態となる。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、ツールメニュー機能(携帯電話機1における音出力等に関する各種の設定を行うメニュー)を動作させるアプリケーションが起動する。
【0045】
また、ユーザの回転操作によって、回転ダイヤル部41が回転a方向に225度(回転b方向に135度)±22.5度回転されることにより、テレビ機能を動作させるアプリケーションが選択されて起動可能な状態となる。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、テレビ機能を動作させるアプリケーションが指定されて起動する。
【0046】
また、ユーザの回転操作によって、回転ダイヤル部41が回転a方向に270度(回転b方向に90度)±22.5度回転されることにより、メモ帳機能を動作させるアプリケーションが選択されて起動可能な状態となる。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、メモ帳機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0047】
また、ユーザの回転操作によって、回転ダイヤル部41が回転a方向に315度(回転b方向に45度)±22.5度回転されることにより、アドレス帳機能を動作させるアプリケーションが選択されて起動可能な状態となる。そして、ユーザの指が回転ダイヤル部41から離間して所定時間(例えば、2から3秒間)経過した後、アドレス帳機能を動作させるアプリケーションが起動する。
【0048】
次いで、図8により、携帯電話機1における機能的な構成について説明する。図8は、携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。
携帯電話機1は、図8に示すように、所定の情報を表示する表示部としてのディスプレイ21、ユーザの操作により回転される回転ダイヤル部41と、タッチセンサ200と、外部の端末と通信を行う通信部60と、所定の処理を行うCPU70と、所定容量を有する充電池80と、充電池80から供給される電源電圧を所定の電圧に変換し、変換後の電圧を通信部60やCPU70等に供給する電源回路部90と、指示部材300と、メモリ100と、を備える。
【0049】
通信部60は、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ61と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部62と、を備える。
【0050】
メインアンテナ61は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置(基地局)と通信を行う。なお、本実施の形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。また、メインアンテナ61は、所定の使用周波数帯の他に、第2の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であってもよいし、更に、第3の使用周波数帯以上にも対応できる複数バンド対応型により構成されていてもよい。
【0051】
通信処理部62は、メインアンテナ61によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU70に供給し、一方、CPU70から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ61を介して外部装置(基地局)に送信する。
【0052】
電源回路部90は、充電池80から供給される電源電圧を所定の電圧値に変圧し、変圧後の電源電圧を通信部60やCPU70等に供給する。
【0053】
指示部材300は、メールボタン300A、受話ボタン300B、インターネットボタン300Cを有する。これらのメールボタン300A、受話ボタン300B、インターネットボタン300Cが押下操作されることにより、それぞれ電話通信機能、メール機能、インターネット通信機能の起動や当該機能への変更が要求される。つまり、メールボタン300A、受話ボタン300B、インターネットボタン300Cを押下することで、各ボタンに対応した機能を直接起動又は対応した機能に直接変更させることができる。
メールボタン300A、受話ボタン300B、インターネットボタン300Cを押下することで、各ボタンに対応した機能を実行中の機能(例えば、テレビ機能)に対して優先して割り込み処理さされる。つまり、メールボタン300A、受話ボタン300B、インターネットボタン300Cが押下されることで、変更(起動)要求の信号は、割り込み指定信号としてCPU70の機能実行指示部73に出力される。
【0054】
また、メモリ100は、回転量―機能テーブル記憶部110と、表示順序テーブル記憶部120と、を有する。
回転量―機能テーブル記憶部110は、機能選択部72にて検出される回転量(カウント数)と複数の機能(アプリケーション)との対応関係を示す回転量―機能テーブル(111、112)を記憶する。回転量―機能テーブル(111、112)は、回転ダイヤル部41の回転方向及び回転量に対応して振り分けられた機能(アプリケーション)を示すテーブルである。
図9A及び図9Bに示すように、回転量―機能テーブル記憶部110は、回転ダイヤル部41が回転a方向に回転された場合における第1テーブル111及び回転ダイヤル部41が回転b方向に回転された場合における第2テーブル112を記憶する。
【0055】
図10に示すように、表示順序テーブル記憶部120は、表示順序テーブル121を記憶する。表示順序テーブル121は、ダイヤル表示部41Bにおける指標(機能)の表示順序に関する情報を含む。本実施形態において、表示順序は、ニュートラルを基準(順序1)として、回転ダイヤル部41における円周方向(図1における下方に向かう回転方向)における順序である。
【0056】
後述の通り、ダイヤル表示部41Bにおける表示内容は、表示順序テーブル121により規定された順序を維持して更新(変更)される。指標の表示順序が維持された状態でダイヤル表示部41Bの表示内容が更新されることで、ユーザのイメージに沿った機能変更が可能であり、回転ダイヤル部41における使用性が良好なものとなる。
【0057】
ここで、ダイヤル表示部41Bにおける指標(機能)の表示順序は、適宜変更することができる。例えば、表示順序は、ユーザが自由に変更してもよく、各機能における使用頻度に応じて変更されるようにしてもよい。
【0058】
CPU70は、回転ダイヤル部41から供給される回転量に応じて各種機能に対する起動処理を行う。
ここで、CPU70の構成と動作について説明する。
CPU70は、回転ダイヤル部41へ導電体(例えば、ユーザの指)が接触したことを検出する接触検出部71と、機能選択部72と、機能実行部74と、表示制御部75と、機能実行指示部73とを備える。
【0059】
接触検出部71は、回転ダイヤル部41の内部に配置されるタッチセンサ200により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部41に所定の導電体が接触しているかを検出する。言い換えると、接触検出部71は、タッチセンサ200により検出される静電容量の変化により、回転ダイヤル部41に所定の導体が接触している接触状態であるか、回転ダイヤル部41に所定の導体が接触していない非接触状態であるかを検出する。
接触検出部71は、タッチセンサ200により検出される静電容量の変化に基づいて所定の導電体が回転ダイヤル部41に接触していることを検出した場合、機能選択部72と、機能実行部74と、機能実行指示部73とに検出信号を出力する。
【0060】
機能選択部72は、回転ダイヤル部41における回転に基づいて、複数の機能のうち所定の機能を実行する機能として指定する。機能選択部72は、接触検出部により接触が検出された状態における回転ダイヤル部41の回転に基づいて実行する機能を指定する。
【0061】
機能選択部72は、回転ダイヤル部41における回転量を検出する。
機能選択部72は、接触検出部71からの検出信号を受信することで、回転ダイヤル部41における回転を検出可能な状態になる。機能選択部72は、接触検出部71からの検出信号を受信しなくなるか又は非検出信号を受信するまで、回転ダイヤル部41における回転を検出可能な状態で維持される。
【0062】
機能選択部72は、上述の通り、カウント部44にカウントされた位置ポイント43aから43hの数により回転ダイヤル部41における回転量を検出する。例えば、回転a方向を+とした場合において、カウント部44における位置ポイントのカウント数が「+1」である場合、機能選択部72は、回転量を22.5度から67.5度であることを検出する。そして、機能選択部72は、一定時間(例えば、1から2秒)カウント部44における位置ポイントのカウント数が変化しない場合、当該回転量を確定させる。また、機能選択部72は、カウント部44における舌片44aの傾き方向によって回転方向を検出する。
【0063】
機能選択部72は、検出された回転ダイヤル部41における回転(回転方向及び回転量)に基づいて、所定の機能を指定する。具体的には、機能選択部72は、接触検出部71により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、検出された回転に基づいて機能を指定する。詳細には、機能選択部72は、接触検出部71により検出された状態が接触状態から非接触状態に変化した場合、検出された回転に基づいて選択位置のアイコンIに対応した機能(アプリケーション)を指定する。
【0064】
機能選択部72は、メモリ100に記憶された回転量−機能テーブル(111、112)を参照して、機能を指定する。詳細には、機能選択部72は、検出された回転方向により第1テーブル111又は第2テーブル112のいずれか選択して参照し、検出された回転量により指定する機能を決定する。また、機能選択部72は、所定の機能を指定した場合、指定機能に関する情報を機能実行部74に出力する。そして、機能選択部72は、指定された機能の起動又は指定された機能への変更の要求を機能実行指示部73に出力する。
【0065】
機能実行指示部73は、機能変更(起動)要求に基づいて、機能実行部74に対して機能変更(実行)を指示する。具体的には、機能実行指示部73は、回転ダイヤル部41による機能変更要求、指示部材300による機能変更要求や各種メニューに基づく機能選択要求に基づいて、機能実行部74に対して機能変更(実行)を指示する。
【0066】
具体的には、回転ダイヤル部41により機能変更の操作がなされた場合、機能実行指示部73は、機能選択部72から出力された変更(実行)要求を受信する。そして、機能実行指示部73は、機能実行部74に対して、受信した変更要求により指定される機能を実行するよう指示する。
【0067】
また、機能実行指示部73は、機能変更要求が回転ダイヤル部41による変更要求かを判定する。そして、機能実行指示部73は、機能変更要求が回転ダイヤル部41による変更要求であると判定した場合、表示制御部75に対し、その旨を通知する。
【0068】
また、機能実行指示部73は、機能変更要求が回転ダイヤル部41による変更要求ではないと判定した場合、変更後の機能が回転ダイヤル部41の動作により変更可能に割り当てられた機能群に含まれるかを判定する。そして、機能実行指示部73は、判定結果を表示制御部75に出力する。
【0069】
ここで、指示ボタン(指示部材)300としてのメールボタン300A、受話ボタン300B、インターネットボタン300Cからの変更要求は、優先して割り込み処理される。機能実行指示部73は、指示ボタン(指示部材)300としてのメールボタン300A、受話ボタン300B、インターネットボタン300Cからの変更要求を受けた場合、機能実行部74に対して、実行中の機能を中断又は終了させ、変更要求された機能を実行するよう指示する。
【0070】
機能実行部74は、機能選択部72により指定された機能を実行する。
具体的には、機能実行部74は、機能選択部72により機能変更(実行)を受けて機能実行指示部73により指示された機能を実行する。
【0071】
また、機能実行部74は、携帯電話機1が電源ONされると、まずOSプログラムを立ち上げ、OS管理下で基準アプリケーションプログラムを起動する。このとき、表示制御部75はディスプレイ21に待受画面を表示可能としている。その後、起動すべきアプリケーションが発生する都度、OS管理下で基準アプリケーションプログラムを終了あるいは中断して新たなアプリケーションプログラムを起動する。この処理に応じて、表示制御部75は、ディスプレイ21上に、待受画面に代えて新たに起動したアプリケーションに基づく画面を表示させる。
【0072】
表示制御部75は、ディスプレイ21の表示を制御する。接触検出部71が静電容量の変化に基づいて回転ダイヤル部41に導電体が接触したことを検出した場合、表示制御部75は、複数の機能を示す画像を含むメニュー画像M(画面)をディスプレイ21に表示する。具体的には、表示制御部75は、機能選択部72により指定された機能を示す画像を含むメニュー画像Mをディスプレイ21に表示させる(図15参照)。
【0073】
表示制御部75は、ダイヤル表示部41Bの表示内容を制御する。
表示制御部75は、選択位置Sに表示される指標(機能)と、実行中の機能とが一致するようにダイヤル表示部41Bにおける表示内容を変更させる。
具体的には、表示制御部75は、ダイヤル表示部41Bが選択位置Sに一の機能(第1機能)に対応した第1指標を表示している状態において、第1機能とは異なった別の機能(第2機能)が機能実行部74によって実行されたとき、選択位置Sにおける指標が第2機能に対応した第2指標に変更されるようにダイヤル表示部41Bを制御する。従って、実行されている第2機能に対応した指標が回転ダイヤル部41のダイヤル表示部41Bに表示されるため、ユーザの困惑を少なくすることができる。本実施形態において、このような指標の変更においては、表示順序テーブル121の表示順序を維持するようにダイヤル表示部41Bの全体の表示を制御する。ここで、回転ダイヤル部41が回転されることによる表示内容の変更は、ニュートラルを基準として、回転方向及び回転量に応じて行われる。
【0074】
また、表示制御部75は、携帯電話機1における起動時において、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sにニュートラル(待ち受け機能)を示す指標を表示するように設定する。
【0075】
また、表示制御部75は、機能実行指示部73により回転ダイヤル部41による変更である判定された場合、機能選択部72により選択された(機能実行指示部73により指示された)機能を示す指標が選択位置Sに表示されるようダイヤル表示部41Bを制御する。
【0076】
また、表示制御部75は、機能実行指示部73により回転ダイヤル部41による変更ではないと判定された場合であって、変更後の機能が回転ダイヤル部41により指定可能な機能群に含まれる場合、機能実行指示部73により指示された機能を示す指標が選択位置Sに表示されるようダイヤル表示部41Bを制御する。
【0077】
また、表示制御部75は、機能実行指示部73により回転ダイヤル部41による変更ではないと判定された場合であって、変更後の機能が回転ダイヤル部41により指定可能な機能群に含まれない場合、ニュートラルを示す指標が選択位置Sに表示されるようダイヤル表示部41Bを制御する。
【0078】
また、割り込み指定信号は、表示制御部75に出力される。割り込み指定信号の入力により、表示制御部75は、割り込み指定された指標を表示するように、回転ダイヤル部41のダイヤル表示部41Bを制御する。ダイヤル表示部41Bは、実行中の第1機能に対応した第1指標が選択位置Sに表示されている状態であっても、第2機能に対応した第2指標を選択位置Sに位置するように表示を変更する。このとき、表示制御部75は、表示順序テーブル121の順序を維持するようにダイヤル表示部41Bにおける指標全体の表示を変更する。
【0079】
次に、図11及び図12により、起動時における携帯電話機1の動作について説明する。
図11は、起動時における携帯電話機1の動作を説明するフロー図である。図12は、起動時におけるダイヤル表示部41Bの表示態様を説明する図である。
【0080】
まず、ユーザが起動ボタンを押下操作することで、携帯電話機1は、起動処理を開始する(ST1)。
この状態において、図12(A)に示すように、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sには、前回の起動時に実行されていた機能であるメール機能を示す指標が表示されている。
【0081】
次いで、起動処理が開始されたことで、表示制御部75(ダイヤル表示制御部)は、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sにニュートラル(待ち受け機能)を示す指標を表示するように設定する(ST2)。
【0082】
また、表示制御部75は、図10に示される表示順序テーブル121を参照して、表示順序テーブル121における順序を維持して各機能を示す指標をダイヤル表示部41Bに表示させる。これにより、ダイヤル表示部41Bには、ニュートラルを示す指標が選択位置Sに表示されると共に、各機能を示す指標が表示順序テーブル121の順序を維持して表示される(ST3)。
【0083】
続けて、起動処理が進み、携帯電話機1が起動される(ST4)。
携帯電話機1が起動されることで、ディスプレイ21には、待ち受け画面が表示される(ST5)。
この状態において、図12(B)に示すように、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sに表示される指標(ニュートラル(待ち受け))と、実際の機能状態とが一致している。つまり、携帯電話機1の起動時に生じる実行中の機能とダイヤル表示部41Bの選択位置Sに表示される機能との不一致が解消されている。
携帯電話機1が上述のように動作することで、起動時において、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sにニュートラル(待ち受け)を示す指標を表示させることができる。
【0084】
次に、図13及び図14により、回転ダイヤル部41によらない機能変更時における携帯電話機1の動作について説明する。
図13は、回転ダイヤル部41によらない機能変更時における携帯電話機1の動作を説明するフロー図である。図14は、回転ダイヤル部41によらない機能変更時におけるダイヤル表示部41Bの表示態様を説明する図である。
【0085】
まず、所定機能(例えば、メール機能)の実行中に、回転ダイヤル部41よらない機能変更操作がなされた場合、機能実行指示部73に対して、機能変更要求が通知される(ST11)。
例えば、図14(A)及び図14(B)に示すように、メール機能の実行中に、添付操作に関するメニューからカメラ(機能)を選択した場合、機能実行指示部73に対して、機能変更要求が通知される。
【0086】
次いで、機能変更要求を受けた機能実行指示部73は、まず、回転ダイヤル部41による変更かを判定する(ST12)。
機能実行指示部73により回転ダイヤル部41による変更であると判定された場合(ST12、YES)、表示制御部75は、ダイヤル表示部41Bの表示内容を変更後の機能を示す指標が選択位置Sにくるよう更新する(ST15)。
【0087】
機能実行指示部73により回転ダイヤル部41による変更であると判定されなかった場合(ST12、NO)、機能実行指示部73は、続けて、変更後の機能が回転ダイヤル部41の動作により実行可能に割り当てられている機能群に含まれるかを判定する(ST13)。
【0088】
機能実行指示部73により、変更後の機能が前記機能群に含まれると判定された場合(ST13、YES)、表示制御部75は、ダイヤル表示部41Bの表示内容を変更後の機能を示す指標が選択位置Sにくるよう更新する(ST15)。図14(A)から図14(B)への遷移の例の場合には、「カメラ(機能)」が前記機能群に含まれるのでカメラ機能を示す指標が選択位置Sに表示される。
【0089】
機能実行指示部73により、変更後の機能が前記機能群に含まれると判定されなかった場合(ST13、NO)、表示制御部75は、選択位置Sにニュートラルを示す指標が表示されるよう設定する(ST14)。そして、表示制御部75は、ダイヤル表示部41Bの表示内容をニュートラルを示す指標が選択位置Sにくるよう更新する(ST15)。
【0090】
続けて、ダイヤル表示部41Bの表示内容が変更された後、機能実行指示部73は、機能実行部74に対して、変更要求された機能を実行(変更)する(ST16)。
この状態において、図14(C)に示すように、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sに表示される指標(カメラ機能)と、実際の機能状態とが一致している。つまり、回転ダイヤル部41によらない機能変更時に生じる実行中の機能とダイヤル表示部41Bの選択位置Sに表示される機能との不一致が解消されている。
携帯電話機1が上述のように動作することで、回転ダイヤル部41によらず機能が変更された場合、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sに表示される指標(機能)と、実行中の機能との整合がとれる。
【0091】
本実施形態によれば、ダイヤル表示部41Bにおいて、第1機能に対応した第1指標が選択位置Sに配置(表示)された状態で、第1機能とは異なる第2機能の実行が指示された場合、第2機能に対応した第2指標が選択位置Sに配置(表示)されるよう表示内容が更新される。これにより、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sに表示される指標と、実際の実行されている機能とが一致する。また、これにより、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sに表示される指標と、実際の実行されている機能との不一致によるユーザの困惑を抑制することができる。また、これにより、携帯電話機1における使用性を向上させることができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、ダイヤル表示部41Bにおいて、各機能に対応する指標が所定の表示順序を維持した状態で表示内容が変更される。これにより、繰り返し使用により使用性が向上されると共に、ユーザにおける困惑を抑制できる。
【0093】
また、本実施形態によれば、携帯電話機1の起動時において、選択位置Sにニュートラルを示す指標が自動的に表示されるようにダイヤル表示部41Bにおける表示内容を制御する。これにより、携帯電話機1の起動時において、ダイヤル表示部41Bにおける選択位置Sに表示される指標(ニュートラル(待ち受け))と、実際の機能状態との不一致を解消することができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、回転ダイヤル部41によらない機能変更時において、選択位置Sに表示する指標を、変更後の機能が回転ダイヤル部41により変更可能に割り当てられた機能群に含まれる場合には変更後の機能を示す指標とし、変更後の機能が前記機能群に含まれない場合にはニュートラルを示す指標としている。これにより、ユーザに対して、違和感のない表示とすることができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、第1機能の実行中に、指示部材300によって第2機能を指示することができ、指示された第2機能を優先的に実行させることができる(割り込み)。これにより、回転ダイヤル部41や待ち受け画面を介して機能変更する必要がなく、簡単且つ迅速機能変更をすることができる。また、この場合においても、ダイヤル表示部41Bの表示と実行中の機能とが一致するよう表示制御される。これにより、携帯電話機1における使用性が向上する。
【0096】
また、本実施形態によれば、電話通信機能、メール機能、インターネット通信機能からなる通信に関する機能を第2機能として割り込み指定することができる。このため、通信を基盤とする携帯電話機1の使用性を向上させることができる。
【0097】
例えば、昨今のメールアプリケーションプログラムには、受信メールを表示している状態において、受信メール中に電話番号数字列が見つかった場合に、この数字列を選択決定するだけで電話アプリケーションプログラムが起動される「Phone to」機能や、URL文字列が見つかった場合に、この文宇列を選択決定するだけでWebアプリケーションプログラムが起動される「URL to」等、他の機能への連携を容易にする機能が組み込まれていることが多い。
このような連携機能付きのアプリを使用している場合において、「Phone to」「URL to」機能が働く場合には、図13のフローチャートに照らすと、ステップST12ではNoとなり、その後ステップST13でNoとなる。そのため、ダイヤル表示部41Bにおける表示をメール機能のアイコン(指標Ic)からニュートラル(指標Ia)に変更する。
更に、Web機能によりインターネットWebページを閲覧中に、「Mail to」機能によってメール機能が立ち上がった場合には、図13のフローチャートでは、ステップST12ではNoとなるが、その後ステップST13でYesとなるため、ダイヤル表示部41Bにおける表示をニュートラル(指標Ia)からメール機能のアイコン(指標Ic)に変更することとなる。
【0098】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、携帯電話機1について説明しているが、これに限定されず、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)ナビゲーション装置等であってもよい。
【0099】
また、本実施形態においては、連結部4により折り畳み可能な携帯電話機1の説明をしているが、このような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転(ターン)式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。また、携帯電話機1は、開閉及び回転可能ないわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
【0100】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部41は、ヒンジ機構4Aにおける開閉軸と略同軸の回転軸Zを中心に回転可能に構成されるが、これに限定されず、ユーザの操作によって回転自在な構成であればよい。例えば、回転ダイヤル部41は、回転軸Zと直交する所定の回転軸を中心に回転可能に構成してもよい。
【0101】
また、本実施形態において、回転ダイヤル部41により選択可能な機能は上述の通りであるが、これに限定されず、例えば、ユーザ自身が頻繁に使用するメニューを登録可能な構成であってもよいし、また、所望のWebアドレスを登録しておき、当該Webアドレスを回転ダイヤル部41により選択することによって、Webブラウザが起動して当該WebアドレスのWebページを閲覧できるような構成であってもよい。また、メニューの数も上述した数(7つ)に限定されるものではない。
【0102】
また、本実施形態において、機能選択部72は、カウント部44によりカウントされた位置ポイントの数に基づいて回転量を検出しているが、これに限定されず、所定のセンサにより回転ダイヤル部41の回転角度の変化量を回転量として検出してもよい。また、機能選択部72は、例えば、抵抗率の変化等により回転量を検出する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 携帯電話機
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
4 ヒンジ機構
11 操作部
21 ディスプレイ
41 回転ダイヤル部
41B 指標表示部
70 CPU
71 接触検出部
72 機能選択部
73 機能実行指示部
74 機能実行部
75 表示制御部
300 指示ボタン
300A メールボタン
300B 受話ボタン
300C インターネットボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に所定の動作が可能に配置される操作部材と、
前記操作部材に配置され、機能に対応する指標が複数表示される指標表示部と、
前記操作部材が操作された際に、前記指標表示部に表示される複数の指標のうち、所定位置に位置された指標に対応した機能を実行する機能実行部と、
前記指標表示部における所定位置に第1機能に対応した第1指標が位置された状態において、前記第1機能とは異なる第2機能が前記機能実行部により実行される場合、
前記指標表示部における前記所定位置に表示される指標を、第1指標から前記第2機能に対応する第2指標に変更させる表示制御部と、を備える
携帯電子機器。
【請求項2】
前記指標表示部には、前記複数の指標が所定順序で表示され、
前記表示制御部は、前記所定順序を維持しながら前記所定位置に位置される指標を前記第1指標から第2指標に変更する
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記機能実行部に前記第2機能を実行させることを指示する指示部と、を更に備え、
前記機能実行部は、
前記指示部より実行が指示された前記第2機能を実行可能であると共に、前記操作部材の所定の動作により選択された前記第1機能の実行中に前記指示部により前記第2機能の実行が指示された場合には、前記第1機能を中断又は終了して、前記第2機能を実行させる
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記指示部は、
前記第1機能にて予め連携起動が対応づけられている機能を前記第2機能として実行指示可能である
請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記第2機能は、通信に関する機能である
請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記指標表示部は、電子ペーパにて構成される
請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−232925(P2010−232925A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77777(P2009−77777)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】