説明

携帯電子機器

【課題】遮光性を発揮させつつ防水性能を発揮することができる携帯電子機器を提供する。
【解決手段】キートップ間ラバーベース部35は、第2筐体3側に前記キートップ13に沿って溝部37が形成されており、前記溝部37には、遮光リブ17が挿入されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機、PDA、携帯型ゲーム機、携帯用テレビ、携帯用ラジオ等の携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のキートップを有する携帯電子機器において、選択的に特定のキートップを照光する技術が知られている。
特許文献1には、遮光開口部を設けて、特定のキートップを照光する光が隣接するキートップをも波及的に照光してしまうことを防ぐ方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006―338972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では単に、遮光開口部を有しているだけであるから遮光性が十分とはいえない。
さらに、複数のキートップが形成されるキーベースに開口部を設けることになってしまうため、その開口部からキートップの内部に配置されているプリント基板に水等が浸入してしまうおそれがある。かかる事態は、携帯電子機器に防水性能を持たせる場合には不利となってしまう。
【0005】
本発明の目的は、遮光性を発揮させつつ防水性能を発揮することができる携帯電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯電子機器は、開口部が複数形成された筐体と、前記開口部に配置される複数のキートップと、前記複数のキートップを含み、透明又は半透明に形成されているラバーシートと、前記筐体内部に配置され、前記複数のキートップに対応して複数の発光部及び複数のスイッチが各々実装されたプリント基板と、を有し、前記ラバーシートは、複数のキートップの間位置に前記プリント基板側に張出して前記プリント基板と接するように肉厚に形成されるキートップ間ラバーベース部を有し、前記キートップ間ラバーベース部は、前記筺体側に前記キートップに沿って溝部が形成されており、前記溝部には、遮光リブが挿入されている。
【0007】
好適には、前記キートップ間ラバーベース部の前記プリント基板側の端面には、光を吸収する光吸収シートが配置されている。
【0008】
好適には、前記キートップ間ラバーベース部は、前記プリント基板に押しつけられている。
【0009】
好適には、前記発光部の発光状況を制御する制御部を有し、前記制御部は前記複数の発光部の発光状況を各々独立に制御可能である。
【0010】
好適には、前記キートップ間ラバーベース部の前記プリント基板側部分には、屈折率が大きい屈折部が配置されている。
【0011】
好適には、前記屈折部は断面形状が円弧状の形状を有している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、遮光性を発揮させつつ防水性能を発揮することができる携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機の外観を開状態で示す斜視図である。
【図2】図1のII−IIにおける断面図である。
【図3】図2におけるA部分を拡大した拡大図である。
【図4】本発明における携帯電話機の信号処理系を示すブロック図である。
【図5】本発明の変形例に係る断面図である。
【図6】図5のB部分を拡大した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1の外観を開状態で示す斜視図である。
【0015】
携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機1として構成されており、開状態と閉状態との間で互いに回動可能にヒンジ部9によって連結された第1筐体2及び第2筐体3を有している。図1は、第1筐体2及び第2筐体3の開状態を示している。
第1筐体2は、第2筐体3と対向する部分を構成する第1筐体フロントケース4と、第2筐体3とは反対側部分を構成する第1筐体リアケース5とを有している。
第2筐体3は、第1筐体2と対向する部分を構成する第2筐体フロントケース6と、第1筐体2とは反対側部分を構成する第2筐体リアケース7とを有している。
【0016】
第1筐体フロントケース4及び第1筐体リアケース5はネジ等により互いに固定され、第1筐体フロントケース4及び第1筐体リアケース5の間に形成された空間に種々の電子部材を収容する収容空間を構成する。
第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7もネジ等により互いに固定され、第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7の間に形成された空間に種々の電子部材を収容する収容空間を構成する。
これらの第1筐体フロントケース4、第1筐体リアケース5、第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7は、例えば、樹脂により形成されている。
【0017】
なお、方向を示すときは、第1筐体リアケース5から第1筐体フロントケース4に向かう方向を表面方向(図1においては、紙面手前の方向)といい、第1筐体フロントケース4から第1筐体リアケース5に向かう方向を裏面方向(図1においては、紙面奥手の方向)という。
同様に第2筐体リアケース7から第2筐体フロントケース6に向かう方向を表面方向(図1においては、紙面手前の方向)といい、第2筐体フロントケース6から第2筐体リアケース7に向かう方向を裏面方向(図1においては、紙面奥手の方向)という。
【0018】
また、第1筐体2においてヒンジ部9に向かう方向を連結部方向(図1の第1筐体2においては、紙面下の方向)といい、その逆を連結部反対方向(図1の第1筐体2においては、紙面上方向)という。
同様に、第2筐体3においても、ヒンジ部9に向かう方向を連結部方向(図1の第2筐体3においては、紙面上の方向)といい、その逆を連結部反対方向(図1の第2筐体3においては、紙面下の方向)という。
【0019】
さらに、図1のように第1筐体2を上にし、第2筐体3を下にした状態とした時に、右側に来る側面を右側面11とし、左側に来る側面を左側面12という。
そして、右側面11側に向かう方向を右側面方向(図1においては、紙面右の方向)といい、左側面12面に向かう方向を左側面方向(図1においては、紙面左の方向)という。
【0020】
図1のように、第1筐体フロントケース4には表示部8が配置されている。
この表示部8は、携帯電話機1の状態、ユーザの操作内容、発信先電話番号、電子メールの内容の表示、ゲーム画面等の様々な情報を表示するためのものである。
また、表示部8はLCD(液晶ディスプレイ)、OLED(Organic light-emitting diode:有機EL)等によって構成されている。
【0021】
また、図1のように、第2筐体フロントケース6の表面方向には、入力部10が配置されている。この入力部10をユーザが操作することによって、携帯電話機1に命令の入力、文字の入力等がなされる。
【0022】
図2は、図1のII−IIにおける断面図である。
【0023】
第2筐体フロントケース6と第2筐体リアケース7とが、その内面どうしを対向させて結合している。
そして、それによって形成される内部空間に、内部筐体24が配置されている。内部筐体24の裏面方向には、着脱可能なバッテリ25が配置されている。このバッテリ25は携帯電話機1に電力を供給している。
さらに、裏面方向には、バッテリ25を交換可能とするためにバッテリカバー27が配置されている。
【0024】
内部筐体24の、表面方向には、スイッチ32が実装されるプリント基板23が配置されている。このプリント基板23は、発光部16が実装されている。
発光部16は、例えば、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)によって構成されている。
【0025】
スイッチ32は、例えば、固定接点30と、ドーム状の板金であるメタルドーム29により構成されている。メタルドーム29は固定接点30を覆っている。
ユーザがキートップ13を押圧すると、それにともないキーシート33は、弾性変形して裏面方向に移動する。
それによって、メタルドーム29も弾性変形をおこす、その変形量が一定程度を超えると、メタルドーム29の一部が凹んで反対側に凸となる。
これによって、メタルドーム29はクリック感を生じつつ固定接点30に当接する。
メタルドーム29と固定接点30が当接することによって電流が流れ、この電流の流れを制御部117が検出する。そして、このことによって、ユーザによるキートップ13の押しこみ、つまり、ユーザによるキー入力操作を検出する。
【0026】
プリント基板23の表面方向にはキーシート33が配置されている。キーシート33はユーザが押圧を行う部分である複数のキートップ13と、前記複数のキートップ13が接着されるラバーシート31から成っている。
ラバーシート31は、例えば、透明又は半透明で容易に撓むシリコン樹脂等で構成する。
一方、キートップ13は、透明又は半透明で比較的強度の高いプラスチック等で構成する。
なお、キートップ13とラバーシート31とは必ずしも別体で構成する必要はなく、一体的に構成してもよい。
【0027】
第2筐体フロントケース6には、キートップ13が挿入されるための複数の開口部40が形成されている。この開口部40の周辺には第2筐体フロントケース6を保護する目的、及び、携帯電話機1の意匠性を向上させる目的を有する装飾シート20が張り付けられる。
【0028】
図3は、図2におけるA部分を拡大した拡大図である。
【0029】
キートップ13の裏面方向位置に、キートップ13に対応してスイッチ32、及び、発光部16が配置される。
発光部16は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)によって構成されており、例えば、赤、緑、青の光の三原色を発光するダイオードを備えており、それぞれの色の発光状況によって複数の色を発光可能とする。
キートップ13とスイッチ32の間にはラバーシート31が配置されている。このラバーシート31は、複数のキートップ13に共通した部材である。つまり、1つのラバーシート31に複数のキートップ13が形成されている。
そうすると、ラバーシート31には、キートップ13の裏面方向位置に配置されている部分であるキートップ裏面側ラバーシート部34と、キートップ13の間位置には配置されている部分であるキートップ間ラバーベース部35から構成されることになる。
このキートップ間ラバーベース部35は、第2筐体フロントケース6の裏面方向位置に配置されており、キートップ裏面側ラバーシート部34よりも肉厚に構成されている。
肉厚となっているキートップ間ラバーベース部35には、溝部37がキートップ13及びスイッチ32を取り囲むように形成される。
そして、その溝部37に遮光リブ17が挿入される。遮光リブ17は光を通さない材料によって構成する。好適には、遮光リブ17は、光が通過することをできるだけ避けるために黒色とすることが望ましい。
この遮光リブ17によって発光部16から出射された光が、他のキートップ13を照光してしまう波及照光を防いでいる。
【0030】
このように波及照光を防がなければならない理由を説明する。
携帯電話機1においては、ユーザによるキー入力の際に、次に押圧するキートップ13のみを照光して、ユーザに次に行うキー入力を知らせたいというニーズが存在する。
特に、携帯電話機の操作に慣れていないユーザが使用する携帯電話機にはそのようなニーズが強い。
そうした場合には、次に入力するキートップ13のみを照光して他のキートップ13はできるだけ光らない方が、よりユーザに次に押圧するキートップ13を明確に示すことができて都合がよい。
つまり、波及照光はできるだけ避ける必要がある。
本発明における遮光リブ17は、この波及照光を避ける効果を有している。
【0031】
もっとも、遮光リブ17はキートップ間ラバーベース部35をすべて貫通して設けられてはいない。
遮光性を高めるためには、遮光リブ17は第2筐体フロントケース6からプリント基板23までを貫通させて、発光部16から出射された光を完全に遮断することが望ましいが、本発明ではそのように貫通させていない。換言すると、溝部37は有底として溝底部38を有する構造となっている。
なぜ、溝底部38を有する構造とするのか説明する。
遮光リブ17を第2筐体フロントケース6からプリント基板23まで貫通させてしまうと、この貫通穴から水が浸入してしまうおそれがあり、防水機能を持たせた携帯電話機1には不適等であるからである。
【0032】
さらに、プリント基板23内への水の進入を防ぐために、キートップ間ラバーベース部35部分は、プリント基板23に押し当てられている。
具体的には、キートップ間ラバーベース部35の無負荷状態での厚さを、第2筐体フロントケース6とプリント基板23の距離よりも長く作成する。
そして、組み立てる際に、キートップ間ラバーベース部35を第2筐体フロントケース6とプリント基板23とによって挟み込むことによって、キートップ間ラバーベース部35は、プリント基板23に圧接することができる。
これによって、プリント基板23のスイッチ32がある内部に水が浸入することを防ぐことができる。
【0033】
溝底部38は透明又は半透明なキートップ裏面側ラバーシート部34と同一の材料から構成される。
そうすると、この溝底部38から光が漏れてしまうという問題が生じてしまう。
そこで、本発明では、溝底部38から漏れる光をできるだけ少なくするために、溝底部38とプリント基板23との間に光吸収シート19を配置する。
この光吸収シート19は黒色のシート状の物質から構成する。もっとも、必ずしもシート状の物質から構成する必要性は必ずしもなく、キートップ間ラバーベース部35のプリント基板23側を黒い色の印刷をすることによることもできる。
【0034】
このように、光吸収シート19を配置することによって、溝底部38を通過する光をなくすことまではできないが、溝底部38を通過する光の量を低減することができる。
つまり、溝底部38を通過する光のうち、キートップ間ラバーベース部35のプリント基板23側の面によって反射されて通過していた光を遮断することができ、これによって溝底部38を通過する光の量を低減することができる。
これによって、波及照光をより低減することができ、その結果、ユーザが次に押圧するキートップ13を確実に認識することができるようになる。
【0035】
本実施例のように携帯電話機1を構成することによって、防水性能を満たした上で遮光性をも向上することができる。
【0036】
図4は、本発明における携帯電話機1の信号処理系を示すブロック図である。
【0037】
図4に示されるように、携帯電話機1は、制御・処理の中枢である制御部117と、通信部111と、入力部10と、LED発光部110、表示部8とのそれぞれが、アドレス、データ、コントロールのためのラインが複数本からなるシステムバス118に共通に接続され、構成される。
【0038】
通信部111は、無線通信システムを捕捉し、通信ネットワークに接続される基地局との間で無線通信を行い、各種データの送受信を行う。各種データとは、Web上のダウンロードサイトからダウンロードされるファイルのデータ、音声通話時の音声データ、メール送受信時のメールデータ、ウェブ閲覧時のウェブページデータ、等である。
【0039】
入力部10は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー、ファンクションキーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部117に出力する。
【0040】
表示部8は、例えばLCDやOLED(Organic light-emitting diode(有機EL))を用いて構成されており、制御部117から供給される映像信号に応じた画像を表示する。
表示部8は、例えば、通信部111による無線発信時における発信先の電話番号、着信時における発信元の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、電池残量、発信成否、待ち受け画面等を表示する。
【0041】
LED発光部110は、各キートップ13内部に配置されている発光部16の発光状況を制御する。
具体的には、発光部16を構成するLEDの発光量を変化させる。
【0042】
制御部117は、携帯電話機1の全体的な動作を統括的に制御する。
すなわち、制御部117は、携帯電話機1の各種処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWeb上のダウンロードサイトの閲覧など)が入力部10の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作(通信部111における信号の送受信、表示部8における画像の表示等)を制御する。
さらに、制御部117は、記憶部に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えており、このプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。
【0043】
本発明においては、制御部117は、次に入力する入力部10に対応するLED発光部110を発光するように制御し、それ以外の入力部10には発光しないように制御する。
【0044】
<変形例>
以上の方法においては、単にキートップ間ラバーベース部35のプリント基板23側に光吸収シート19を配置しただけであった。
しかし、これではキートップ間ラバーベース部35のプリント基板23側の面において反射せずに、直接に他のキートップ13側に波及する光を低減することはできない。
そこで、キートップ間ラバーベース部35のプリント基板23側の面において反射せずに、直接に他のキートップ13側に波及する光を低減する方法を以下の変形例において記載する。
【0045】
図5は、本発明の変形例を説明するための説明図である。
【0046】
図5で記載されているのは、図3におけるものと同一部分の断面図である。
図5のように、キートップ間ラバーベース部35のプリント基板23側の面に表面方向に凸となるようにレンズ部50を配置する。
そして、レンズ部50はラバーシート31(溝底部38)を構成する部材よりも屈折率の高い材料によって構成する。
そうすると、レンズ部50に入射した光が光吸収シート19側に屈折する。これによって、より多くの光を光吸収シート19に入射させ吸収させることができる。
そしてそのことは、波及照光を減少させられることを意味する。
レンズ部50は、ラバーシート31(溝底部38)と同程度の弾性力を有する物質から構成する。そうすることによって、キートップ13が押圧されたときに、キートップ間ラバーベース部35が不必要に変形することを防ぐことができる。
【0047】
図6は、図5のB部分を拡大した拡大図である。
【0048】
溝底部38(ラバーシート31)を入射光52が通過して、レンズ部50に入射した場合の説明図である。
この時、溝底部38(ラバーシート31)の絶対屈折率よりもレンズ部50の絶対屈折率が大きいと入射角58よりも屈折角60は小さくなる。
この効果によって、溝底部38を通過する光をより多く光吸収シート19に入射させることができる。
なお、本実施例ではレンズ部50は円弧状の形状であるが、単にプリント基板23と平行なものであっても屈折率が大きいものであれば入射光52を屈折させ、光吸収シート19に入射させるという効果は生じる。
【0049】
以上の実施形態によれば、本発明の携帯電話機1は、開口部40が複数形成された第2筐体3と、開口部40に配置される複数のキートップ13と、前記複数のキートップ13を含み、透明又は半透明に形成されているラバーシート31と、を有している。
また、第2筐体3内部に配置され、複数のキートップ13に対応して複数の発光部16及び複数のスイッチ32が各々実装されたプリント基板23と、を有している。
そして、複数のキートップ13の間位置のラバーシート31は、プリント基板23側に張出してプリント基板23と接するように肉厚に形成されるキートップ間ラバーベース部35を有し、ている。
さらに、キートップ間ラバーベース部35は、第2筐体3側にキートップ13に沿って溝部37が形成されており、溝部37には、遮光リブ17が挿入されている。
このような構成によって、防水構造を採用しつつ、波及照光をより低減することができる。そして、ユーザが次に押圧するキートップ13を確実に認識することができるようになる。
【0050】
キートップ間ラバーベース部35のプリント基板23側の端面には、光を吸収する光吸収シート19が配置されている。
このような構成によって、キートップ間ラバーベース部35を通過する光の量を低減することができる。
【0051】
キートップ間ラバーベース部35は、プリント基板23に押しつけられている。
このような構成によって、プリント基板23に水が侵入することを防ぐことができる。
【0052】
発光部16の発光状況を制御する制御部117を有し、制御部117は複数の発光部16の発光状況を各々独立に制御可能である。
このような構成によって、ユーザに次に押圧するキーを確実に通知可能となる。
【0053】
キートップ間ラバーベース部35のプリント基板23側部分には、屈折率が大きいレンズ部50が配置されている。
このような構成によって、キートップ間ラバーベース部35を通過する光を低減することができる。
【0054】
レンズ部50は断面形状が円弧状の形状を有している。
このような構成によって、キートップ間ラバーベース部35を通過する光をより低減することができる。
【0055】
なお、以上の実施形態において、第1筐体2及び第2筐体3は本発明の筐体の一例である。つまり、筺体とは、携帯電子機器を収容する容器に該当するものであればどのようなものであってもよい。さらに、容器の一部、例えば、第1筐体フロントケース4、第1筐体リアケース5、第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7であっても筺体に該当する。
レンズ部50は屈折部の一例である。
【0056】
キーシート33は、キートップ13とラバーシート31とを総称する概念である。また、キートップ13は必ずしもキートップ13とラバーシート31が別体として構成されている必要はなく、一体形成されていてもよい。さらに、キートップ13がなくラバーベースに直接キー図形が形成されているような場合におけるラバーシート31についてもキーシート33に含まれる。
【0057】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0058】
携帯電子機器は、携帯電話機1に限定されない。例えば、携帯電子機器は、ノートパソコン、PDA、ゲーム機、カメラであってもよい。また、携帯電子機器は、折り畳み式のものに限定されない。ケースが一体的に構成されたもの(1つのみのケース)であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…携帯電話機、2…第1筐体、3…第2筐体、4…第1筐体フロントケース、5…第1筐体リアケース、6…第2筐体フロントケース、7…第2筐体リアケース、8…表示部、9…ヒンジ部、10…入力部、11…右側面、12…左側面、13…キートップ、16…発光部、17…遮光リブ、19…光吸収シート、20…装飾シート、23…プリント基板、24…内部筐体、25…バッテリ、27…バッテリカバー、29…メタルドーム、30…固定接点、31…ラバーシート、32…スイッチ、33…キーシート、34…キートップ裏面側ラバーシート部、35…キートップ間ラバーベース部、37…溝部、38…溝底部、40…開口部、50…レンズ部(屈折部)、52…入射光、56…法線、54…入射光、
A…ラバーシート部、B…レンズ配置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が複数形成された筐体と、
前記開口部に配置される複数のキートップと、
前記複数のキートップを含み、透明又は半透明に形成されているラバーシートと、
前記筐体内部に配置され、前記複数のキートップに対応して複数の発光部及び複数のスイッチが各々実装されたプリント基板と、を有し、
前記ラバーシートは、複数のキートップの間位置に前記プリント基板側に張出して前記プリント基板と接するように肉厚に形成されるキートップ間ラバーベース部を有し、
前記キートップ間ラバーベース部は、前記筺体側に前記キートップに沿って溝部が形成されており、
前記溝部には、遮光リブが挿入されている
携帯電子機器。
【請求項2】
前記キートップ間ラバーベース部の前記プリント基板側の端面には、光を吸収する光吸収シートが配置されている
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記キートップ間ラバーベース部は、前記プリント基板に押しつけられている
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記発光部の発光状況を制御する制御部を有し、
前記制御部は前記複数の発光部の発光状況を各々独立に制御可能である
請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記キートップ間ラバーベース部の前記プリント基板側部分には、屈折率が大きい屈折部が配置されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記屈折部は断面形状が円弧状の形状を有している
請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−257802(P2010−257802A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107175(P2009−107175)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】