説明

携帯電話機、アンテナ装置及びこれを用いた移動通信端末

【課題】 電子回路基板からアンテナ部の剥離脱落を防止すると共に組み立てを容易にし、かつ、アンテナ部の部品交換をも容易にしたアンテナ内蔵型の携帯電話機を提供すること。
【解決手段】 携帯電話機内で電波を送受信するアンテナ部1に爪部11eを設けてモジュール化すると共に、電話機能や電子メール機能等を実現する電子回路基板b11に被掛止部b12を形成して、このモジュール化されたアンテナ部1の爪部11eと電子回路基板b11に形成した被掛止部b12とを係合させて着脱可能に嵌着する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機、アンテナ装置及びこれを用いた移動通信端末に関し、さらに詳しくは、内蔵型アンテナを有した携帯電話機のアンテナ部やアンテナ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】■技術的背景移動通信端末(例えば、携帯電話機)のアンテナは、電波放射特性確保の観点から電話機本体よりロッドを引き出して突出させるタイプが一般的である。ところで、今日のように携帯電話機の小型・軽量化、また、データ通信利用が普及してくると、他の製品と差別化を図る必要があり、特に、意匠設計の役割は特に重要となる。携帯電話機としての機能はもちろんのこと、優れた外観デザインはその商品価値を大きく左右するといっても過言ではない。
【0003】しかしながら、上記した突出型アンテナでは自由な意匠設計を阻害することになり、しかも、本体より突出させて使用するため、人や物にアンテナをぶつけて折り曲げてしまう事故が多発している。
【0004】このように旧来においては、突出型アンテナ一辺倒だったのが、昨今、電波放射特性を十分確保した内蔵型のアンテナを有した携帯電話機が出現してきた。この携帯電話機は、アンテナを本体より突出させる必要がないことから使い勝手が良く、当然アンテナを折り曲げてしまう心配もない。また、自由度の高い意匠設計が行え、魅力ある外観デザインの携帯電話機が提供できるメリットを有する。
【0005】■従来技術このような意匠設計上有利であると共に利便性に優れたアンテナ内蔵型携帯電話機ではあるが、しかしながら、本体内で電波を送受信するアンテナ部は、電話機能や電子メール機能等を実現する電子回路基板に、いわゆるはんだ付けによって固着されている。
【0006】携帯電話機は、その携帯性に優れている反面、その気軽さゆえに誤って落としてしまう落下事故が多発しており、その際に質量の少ない半導体デバイスは電子回路基板からの剥離脱落する場合は少ないが、ある程度質量の大きいアンテナ部は電子回路基板から剥離脱落する場合が往々にしてあり、その解決策を講じる必要がある。また、はんだによる固着手段では、製造時においても剥離の問題や固着するまでのタイムラグによる位置ずれの問題がある。
【0007】この後者の製造時の剥離問題と位置ずれ問題とに着目して解決を試みたものとして特開2001−156513号公報に開示された「チップ状アンテナ取付構造」がある。また、逆F形アンテナなどのパッチアンテナの組み立て時間を短縮しアンテナ性能の安定化を図ったものとして、特開平9−8526号公報に開示された「携帯電話機の内蔵アンテナ構造及び製造方法」がある。
【0008】前者の特開2001−156513号公報に開示された「チップ状アンテナ取付構造」は、上面が開口されると共に開口端部にチップ状アンテナの抜けを防止する突起を設けた断面視コ字状の箱体が高周波回路基板に螺合され、開口部にチップ状アンテナを押し込むことでチップ状アンテナが箱体に嵌着すると同時に箱体底部に設けられたスプリングコネクタによって高周波回路基板とチップ状アンテナとが電気的に接続するようになっている。
【0009】後者の特開平9−8526号公報に開示された「携帯電話機の内蔵アンテナ構造及び製造方法」は、電子回路が内装されアンテナの地盤としても機能するシールドケースと、誘電体と、放射板とで構成された内蔵アンテナに関し、誘電体と放射板と整合回路部を半田付けで一体化すると共に、その下部にスナックフックを設け、一方、シールドケース外面にこのスナックフックと係合する凹部を設けて両者を嵌合した内蔵アンテナ構造が開示されている。
【0010】また、この種の無線機はインピーダンスを50オームで設計されているのが一般的で、アンテナ部と電子回路基板との双方を50オームのインピーダンスで設計し組立ての際にインピーダンス整合を取っている。つまり、アンテナ部を50オームのインピーダンスで製造したにも拘わらず、実測値はたとえば45オーム等、多少の誤差が生じており、この誤差を吸収するものとして整合回路部を電子回路基板内に設けてインピーダンス整合を取っているのである。仮に整合を取らなければアンテナ性能が著しく下がってしまう。
【0011】このように、この種の無線機はインピーダンス整合を取ることは極めて重要なことで、旧来は、上記したように電子回路基板内に設けているのが一般的であるが、上記した特開平9−8526号公報に開示された「携帯電話機の内蔵アンテナ構造及び製造方法」に、誘電体と放射板と整合回路部を半田付けで一体化したものが開示されており、極めて好適なものといえる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の特開2001−156513号公報に開示された「チップ状アンテナ取付構造」は、チップ状アンテナを嵌合させた箱体を高周波回路基板に螺合する構成のため、通常のボルト止めだけでは自然と緩む可能性がある。しかも携帯電話機にこれを適用した場合、上記したように、その手軽さゆえに乱雑に扱われる場合ありボルトの緩みを助長させる。そこで、その防止策として考えられるのが、ゆるみ止め手段を設けることであり、例えば、ばね座金やねじ用接着剤などを介在させることが挙げられるが、その分、組み立てに手間がかかることは否めない。また、上記したばね座金を採用した場合、携帯電話機を乱暴に扱ったり、誤って落としてしまうことで、ばね性がへたってしまい長期に亘っての使用には向かない。
【0013】また、後者の特開平9−8526号公報に開示された「携帯電話機の内蔵アンテナ構造及び製造方法」は、電子回路が内装されアンテナの地盤としても機能するシールドケースの外面に、誘電体と放射板と整合回路部とを半田付けで一体化したものを係合させる構成で、しかも別途外部アンテナを設け、受信状態に応じて変更する携帯電話機であることは公報全体を通して明らかであり、その構造上、携帯電話機の厚みが増したり、送受信の両帯域を確保するアンテナ部の厚みが増す構成であり、昨今の小型化・軽量化には適さないものと思われる。
【0014】そこで本発明は、従来のホイップ型アンテナのエレメントを活用してアンテナモジュールに爪を付加した構成にすることにより、従来のアンテナエレメントの材料を使用でき、電子回路基板からアンテナ部の剥離・脱落を防止すると共に組み立てを容易にし、また、要求仕様によりアンテナエレメントを交換するだけで、アンテナ特性を必要な特性に調整すること可能となり、アンテナ部の部品交換をも容易にしたアンテナ内蔵型の携帯電話機、アンテナ装置及びこれを用いた移動通信端末を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明における携帯電話機やアンテナ装置及びこれを用いた移動通信端末は、下記の技術的手段を講じた。本体内に内装され電話機能や電子メール機能等を実現する電子回路基板と、モジュール化され本体内で電波を送受信するアンテナ部とが、着脱可能な嵌着手段を介して接続される(請求項1)。又は、通信機能を実現する電子回路基板と、電波を送受信するためのモジュール化されたアンテナ部とが、着脱可能な嵌着手段を介して接続される(請求項12)。
【0016】前記した嵌着手段は、アンテナ部に一体的に設けられた略コ字状を呈した爪部と、前記電子回路基板縁部に凹設され該爪部と係合する被掛止部とを備えてなることが好ましい(請求項2又は13)。
【0017】前記したアンテナ部は、前記爪部が設けられ前記電子回路基板上に設置される設置面と該設置面縁部から立設され筒体が延出された立上げ面と該立上げ面頂部から突設された天井面とで側面視略クランク状に一体成形されたベース部と、該天井面に固着されると共に該筒体外周面に巻回されたアンテナ素子と接続され該アンテナ素子とのインピーダンス整合をとるための整合回路部と、該天井面下面から垂設され該整合回路部と前記回路基板上に設けられた給電部とを電気的接続する接続手段とを備えていることが好ましい(請求項3又は14)。
【0018】前記した立上げ面に、複数の筒体が延出されていると共に、夫々の該筒体外周面に異なる送受信帯に適した所定長さのアンテナ素子が巻回され、前記整合回路部は、夫々のアンテナ素子と接続されていることが好ましい(請求項4又は15)。
【0019】前記した接続手段は、凸字状を呈した棒状の接触子と、該接触子の大径部をスライド可能に案内すると共に該大径部を弾発付勢させる圧縮ばねが内装された筒部とで、該接触子小径部を該筒部から出没可能に構成したプローブであり、前記電子回路基板と前記アンテナ部との接続と同時に該接触子が前記給電部に圧接接合されるように構成されていることが好ましい(請求項5又は16)。
【0020】あるいは、前記したアンテナ部は、帯板状のアンテナ素子と接続されてインピーダンス整合をとるための整合回路部と、前記電子回路基板上に設置され該整合回路部を挿脱可能にする係合部と前記爪部とが設けられると共に該アンテナ素子の表面が露出するように該アンテナ素子が埋設された略直方体状を呈したベース部と、該整合回路部と前記電子回路基板上に設けられた給電部とを電気的接続する接続手段とを備えて構成しても良い(請求項6又は17)。
【0021】前記した係合部は、該整合回路部の両端部を案内し該両端部下面を支持する底面部を設けた溝部を前記ベース部側面に設けて該溝部間に前記整合回路部の素子側側面中途部が露出するように形成され、前記アンテナ素子は、該ベース部上面と該溝部間側面とに亘って表面が露出するように埋設されると共に該整合回路部下部を挟持し該整合回路部との接続が行われる挟持部を該溝部間下部に位置するように突出形成されてなることが好ましい(請求項7又は18)。
【0022】前記したアンテナ素子は、該ベース部上面と該溝部間側面とに亘って表面が露出するように複数のアンテナ素子が異なる送受信帯に適した所定長さで埋設されると共に、前記整合回路部は、夫々のアンテナ素子と接続されていることが好ましい(請求項8又は19)。
【0023】前記した接続手段は、前記整合回路部に設けられたコネクタと前記電子回路基板に設けられ前記給電部を構成するコネクタとを接続する同軸ケーブルであることが好ましい(請求項9又は20)。または、前記した接続手段は、凸字状を呈した棒状の接触子と、該接触子の大径部をスライド可能に案内すると共に該大径部を弾発付勢させる圧縮ばねが内装された筒部とで、該接触子小径部を該筒部から出没可能に構成されたプローブであり、当該プローブは、前記ベース部下面から垂設され、前記電子回路基板と前記アンテナ部との接続と同時に該接触子が前記給電部に圧接接合されるように構成されていることが好ましい(請求項10又は21)。
【0024】さらに、前記したベース部と前記したアンテナ素子とがインサート成形で形成されていることが良い(請求項11又は22)。
【0025】また、本発明による移動通信端末は、請求項12から22のいずれかに記載のアンテナ装置を筐体内部に備えて構成される(請求項23)。
【0026】
【発明の実施の形態】次に本発明にかかる携帯電話機の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態における携帯電話機の概略を例示しており、図2及び図3R>3は実施形態1を、図4は接続手段として適用されるプローブの構造例を、図5及び図6は実施形態2を、図7及び図8は実施形態3を夫々例示している。まず、本実施形態の携帯電話機の概略を図1を参照しながら説明する。
【0027】本実施形態の携帯電話機は、各種情報が表示される液晶表示部a2と受話機部a3が設けられた上側端末本体a1と、嵌着手段を介してアンテナ部が接続された電子回路基板を内装し操作釦a4と送話機部a5とが配設された下側端末本体a6とが、ヒンジ部a7を介して開閉可能に接続された折畳型携帯電話機である。また破線で図示されているように、アンテナ部は下側端末本体a5の下部に位置するように設けられている。
【0028】以下、本発明の要部であるアンテナ部廻りについて詳細に説明する。
(実施形態1)実施形態1におけるアンテナ部廻りは、図2及び図3に示したように、電子回路基板b11と、アンテナ部1とを備えてなる。電子回路基板b11は、電話機能や電子メール機能、インターネット機能などを実現するための所要の電子回路が実装された基板でその無線に関する回路部のインピーダンスは50オームで設計されている。そして、下側端末本体a5基部側に位置させる基板短手方向両端部に、略コ字状の形成された被掛止部b12が所定間隔をおいて2つ凹設(左右計4個)されると共に、基板上の所定位置に電子回路と接続された給電部(ランド)b13が配設されている。
【0029】アンテナ部1は、ベース部11と、整合回路部12と、接続手段13とを備えてなる。ベース部11は、電子回路基板b11上に設置される設置面11aとその設置面11a縁部から立設され2つの筒体11bが延出された立上げ面11cと該立上げ面11c頂部から突設された天井面11dとで側面視略クランク状に合成樹脂部材で一体成形されており、その設置面11a下部4隅近傍に、案内傾斜面11fが設けられ被掛止部b12と着脱可能に係合する略コ字状を呈した爪部11eが突出形成されている。なお、このベース部11の設置面11aに設けられた爪部11eと、電子回路基板b11に凹設された被掛止部b12とで嵌着手段が構成される。
【0030】整合回路部12は、2つの筒体11b夫々の外周面に、異なる送受信帯に適した所定長さで巻回されたアンテナ素子141、142との整合を取る(アンテナ素子141、142のインピーダンスの誤差を吸収して無線部のインピーダンス値である50オームと整合させる)ための所定の回路が基板に形成され、ベース部11の天井面11dに固着されている。また、この整合回路部12には、この2つのアンテナ素子141、142の夫々の一端部が接続されている。なお、アンテナ素子141及びアンテナ素子142のいずれか一方をデュアルアンテナ素子とすることによって、アンテナ素子141及び142を併せてマルチバンドアンテナ構成とすることが可能になる。
【0031】接続手段13は、天井面11d下面から垂設され上記した整合回路部12と電子回路基板b11上に設けられた給電部b13とを電気的接続する導電性を有したプローブ131からなる。図4に示すように、プローブ131は、凸字状を呈した棒状の接触子132と、その接触子132の大径部をスライド可能に案内すると共に大径部を弾発付勢させる圧縮ばね133が内装された筒部(保護チューブ)134とで接触子132小径部が保護チューブ134下端部から出没可能に構成される。そして、この保護チューブ134基部が整合回路部12に嵌合されて天井面11d下面から垂設されると共に接触子132が給電部b13に圧接接合されている。
【0032】以上のように構成された実施形態1の携帯電話機は、図3に示したように、アンテナ機能を有したアンテナ部1をモジュール化した構成となる。そして、この被掛止部b12の底部に爪部11e下部の案内傾斜面11fを位置させてからこのモジュール化されたアンテナ部1を押圧することで、漸次爪部11eが外側に向かって弾性変形し、さらに押し込むことで爪部11e凹部と被掛止部b2凹部とが嵌合すると同時に、対向する爪部11e同士で電子回路基板b11を若干挟持する状態を維持させる程度の弾性変形を残して、アンテナ部1が電子回路基板b11に嵌着する。
【0033】これと同時に、天井面11d下面から垂設されたプローブ131先部から突出した接触子132は、電子回路基板b11上に設けられた給電部b13に当接し押し込み動作に応動して漸次保護チューブ134内に没していき、アンテナ部1が電子回路基板b11に嵌着した時点で保護チューブ134下面が給電部b3に当接して電気的な接続が完了する。なお、何らかの原因で保護チューブ134下面が給電部b13から離間するような場合が生じても接触子132は圧縮ばね133で常に付勢されていることから電気的な接続は保証される。換言すると、整合回路部12と給電部b13とは、接触子132と給電部b13とが接触することによって電気的に接続されており、圧縮ばね133の弾性力によって接触子132が給電部b13の側に付勢されているため、整合回路部12と給電部b13とが電気的に離間することはない。
【0034】(実施形態2)実施形態2におけるアンテナ部廻りは、図5及び図6に示したように、電子回路基板21と、アンテナ部2とを備えてなる。電子回路基板21は、実施形態1と同様に、電話機能や電子メール機能、インターネット機能などを実現するための所要の電子回路が実装された基板でその無線に関する回路部のインピーダンスは50オームで設計されている。そして、下側端末本体基部側に位置させる基板短手方向両端部に、略コ字状の形成された被掛止部b22が所定間隔をおいて2つ凹設(左右計4個)されると共に、基板b21上の所定位置に電子回路と接続された給電用の雌コネクタb23が配設されている。
【0035】アンテナ部2は、ベース部21と、整合回路部22と、接続手段23とを備えてなる。ベース部21は、案内傾斜面21bが設けられ被掛止部b22と着脱可能に係合する略コ字状を呈した爪部21aが4隅下部に突出形成された略直方体状を呈し、その長手方向側面部には、後述する整合回路部22の両端部を案内し該両端部下面を支持する底面部21dを設けた溝部21cが形成され、その溝部21c間に整合回路部22の素子側側面中途部が露出するように形成された係合部21eが設けられている。
【0036】また、このベース部21には、2つの帯板状のアンテナ素子241、242が、ベース部21上面と溝部21c間側面とに亘って、表面が露出するように異なる送受信帯に適した所定長さで埋設されると共に溝部21c側のアンテナ素子241、242端部は、整合回路部22下部を挟持可能に折り曲げ形成された挟持部243が設けられている。このベース部21は合成樹脂部材からなり、インサート成形によってアンテナ素子241、242と一体成形されている。なお、ベース部21に形成された溝部21cの幅と溝部21c間距離は、整合回路部22を挟持する所要の寸法で形成されている。なお、アンテナ素子241及びアンテナ素子242のいずれかをデュアルアンテナ素子とすることによって、アンテナ素子421及び422を併せてマルチバンドアンテナ構成とすることが可能となる。
【0037】整合回路部22は、アンテナ素子241、242との整合を取る(アンテナ素子241、242のインピーダンスの誤差を吸収して無線部のインピーダンス、50オームと整合させる)ための所定の回路が形成され、その中間部には該回路と接続され挟持部243と電気的接続が行われる当接部(ランド)22aを設けた略直方体状の回路基板で、ベース部21の溝部21cに両端部が挟持されると共に、アンテナ素子241、242の挟持部243が当接部22aを圧接してアンテナ素子241、242と整合回路部22とが電気的に接続されている。
【0038】なお、この当接部は、若干凹設させて挟持部243を掛止めさせたほうが、挟持部243を介して整合回路部22がベース部21に強固に機械的、電気的に係合するので好ましいものである。接続手段23は、雄コネクタ232を両端に設けた同軸ケーブル231で、整合回路部22に設けられた雌コネクタ22bと電子回路基板b21上に設けられた雌コネクタb23とに雄コネクタ232が接続されて、整合回路部22と電子回路基板b21とを電気的に接続している。
【0039】以上のように構成された実施形態2の携帯電話機は、図6に示したように、アンテナ機能を有したアンテナ部2をモジュール化した構成となる。そして、アンテナ素子241、242が埋設され整合回路部22を保持したアンテナ部2を実施形態1と同様に、被掛止部b22の底部に爪部21a下部の案内傾斜面21bを位置させてからアンテナ部2を押圧することで、漸次爪部21aが外側に向かって弾性変形し、さらに押し込むことで爪部21a凹部と被掛止部b22凹部とが嵌合すると同時に、対向する爪部21a同士で電子回路基板b21を若干挟持する状態を維持させる程度の弾性変形を残して、アンテナ部2が電子回路基板b21に嵌着する。
【0040】そして、同軸ケーブル231を整合回路部22と電子回路基板b21上に設けられた雌コネクタ22b、b23に接続することで整合回路部22と電子回路基板b21とが電気的に接続される。なお、電子回路基板b21上にベース部21のみを取り付けた後に、整合回路部22をベース部21に取り付けても良い。
【0041】(実施形態3)実施形態3におけるアンテナ部廻りは、図7及び図8に示したように、電子回路基板31と、アンテナ部3とを備えてなる。電子回路基板31は、実施形態1、2と同様に、電話機能や電子メール機能、インターネット機能などを実現するための所要の電子回路が実装された基板でその無線に関する回路部のインピーダンスは50オームで設計されている。そして、下側端末本体基部側に位置させる基板短手方向両端部に、略コ字状の形成された被掛止部b32が所定間隔をおいて2つ凹設(左右計4個)されると共に、基板b31上の所定位置に電子回路と接続された給電部(ランド)b33が配設されている。
【0042】アンテナ部3は、ベース部31と、整合回路部32と、接続手段33とを備えてなる。ベース部31は、案内傾斜面31bが設けられ被掛止部b32と着脱可能に係合する略コ字状を呈した爪部31aが4隅下部に突出形成された略直方体状を呈し、その長手方向側面部には、後述する整合回路部32の両端部を案内し該両端部下面を支持する底面部31dを設けた溝部31cが形成され、その溝部31c間に整合回路部32の素子側側面中途部が露出するように形成された係合部31eが設けられている。
【0043】また、このベース部31には、2つの帯板状のアンテナ素子341、342が、ベース部31上面と溝部31c間側面とに亘って、表面が露出するように異なる送受信帯に適した所定長さで埋設されると共に溝部31c側のアンテナ素子341、342端部は、整合回路部32下部を挟持可能に折り曲げ形成された挟持部343が設けられている。このベース部31は合成樹脂部材からなり、インサート成形によってアンテナ素子341、342と一体成形されている。なお、ベース部31に形成された溝部31cの幅と溝部31c間距離とは、整合回路部32を挟持する所要の寸法で形成されている。なお、アンテナ素子341及びアンテナ素子342のいずれかをデュアルアンテナ素子とすることによって、アンテナ素子341及び342を併せてマルチバンドアンテナ構成とすることが可能となる。
【0044】整合回路部32は、アンテナ素子341、342との整合を取る(アンテナ素子341、342のインピーダンスの誤差を吸収して無線部のインピーダンス、50オームと整合させる)ための所定の回路が形成され、その中間部には該回路と接続され挟持部343と電気的接続が行われる当接部(ランド)32aを設けた略直方体状の回路基板で、ベース部31の溝部31cに両端部が挟持されると共に、アンテナ素子341、342の挟持部343が当接部32aを圧接してアンテナ素子341、342と整合回路部32とが電気的に接続されている。なお、この当接部は、若干凹設させて挟持部343を掛止めさせたほうが、挟持部343を介して整合回路部32がベース部31に強固に機械的、電気的に係合するので好ましいものである。
【0045】接続手段33は、ベース部31下面から垂設された導電性を有したプローブ331からなっており、これによって、ベース部31に配置された電子デバイス(アンテナ素子341、342など)と電子回路基板b31上に設けられた給電部b33とが電気的に接続されている。プローブ331は、図3に示した実施形態1のプローブ131と同様であり、凸字状を呈した棒状の接触子332と、その接触子332の大径部をスライド可能に案内すると共に大径部を弾発付勢させる圧縮ばね333が内装された筒部(保護チューブ)334とで接触子332小径部が保護チューブ334下端部から出没可能に構成される。そして、この保護チューブ334基部がベース部31に嵌合されてベース部31下面から垂設されると共に接触子332が給電部b33に圧接接合されている。
【0046】以上のように構成された実施形態3の携帯電話機は、図8に示したように、アンテナ機能を有したアンテナ部3をモジュール化した構成となる。そして、アンテナ素子341、342が埋設され整合回路部32を保持したアンテナ部3を実施形態1と同様に、被掛止部b32の底部に爪部31a下部の案内傾斜面31bを位置させてからアンテナ部3を押圧することで、漸次爪部31aが外側に向かって弾性変形し、さらに押し込むことで爪部31a凹部と被掛止部b32凹部とが嵌合すると同時に、対向する爪部31a同士で電子回路基板b31を若干挟持する状態を維持させる程度の弾性変形を残して、アンテナ部3が電子回路基板b31に嵌着する。
【0047】これと同時に、ベース部31の電子回路基板b31と対向する面から垂設されたプローブ331先部から突出した接触子332は、電子回路基板b31上に設けられた給電部b33に当接し押し込み動作に応動して漸次保護チューブ334内に没していき、アンテナ部3が電子回路基板b31に嵌着した時点で保護チューブ334下面が給電部b33に当接して電気的な接続が完了する。なお、何らかの原因で保護チューブ334下面が給電部b33から離間するような場合が生じても接触子332は圧縮ばね333で常に付勢されていることから電気的な接続は保証される。換言すると、ベース部31と給電部b33とは、接触子332と給電部b33とが接触することによって電気的に接続されており、圧縮ばね333の弾性力によって接触子332が給電部b33の側に付勢されているため、整合回路部32と給電部b33とが電気的に離間することはない。
【0048】以上、本実施形態における携帯電話機は、マルチバンド対応(異なる送受信帯に適した所定長さの2つのアンテナ素子を有している)のアンテナ部をモジュール化して、電子回路基板上にワンタッチでしかも強固に実装可能にして、落下事故等の外部影響により内蔵されたアンテナ部が電子回路基板から外れることなく、給電部でのインピーダンス不整合、未接続発生を防止することができる。
【0049】また、アンテナ部を実装するとき、従来のような半田接続による製造工程がなくなり、アンテナ部に不具合がある場合、爪部を外側に向かって拡張することで爪部凹部と被掛止部凹部との嵌合状態が解かれてアンテナ部を電子回路基板上から容易に取り外すことが可能となり部品交換が容易にできる。したがって、不具合箇所の部品(モジュール)のみ変更することにより修理可能となり、製造工程・保守作業時において、部品コスト、製造コストの削減が可能となる。
【0050】また、本実施形態では折畳型携帯電話機を例示しているが一体型の携帯電話機に適用することも当然のことながら可能である。また、本実施形態のように携帯電話機の下端部内にアンテナ部を設けることで、安定したアンテナ性能を得ることができる。すなわち、携帯電話使用時、特に電話機能を使用している場合は、電話機上部はヒトの耳部に押し付けれ、中央部は把持されているため、中央部や上部にアンテナ部を設けた場合は、それがアンテナ性能を下げる可能性があり、電話機外面に自由空間がある程度確保された電話機下端部はアンテナ部を内装する部位として極めて好適である。
【0051】本実施形態のように折畳型携帯電話機においては、携帯電話機の使用が終了したら、通常、開き状態から閉じ状態に折り畳んで、バックやカバン、上着あるいはズボンのポケットに収納していることが多い。この折り畳みは、液晶画面、操作釦を顔側あるいは上方に向けた状態で閉じることがほとんどであり(携帯電話の背面を顔あるいは上方に向けて閉じている人は皆無と思われる)、特に後者の上着やズボンのポケットに収納する際の動作を観察すると、ヒンジ部側の方が重いせいかヒンジ部を下側にしてポケットにしまっている人がほとんどである。してみれば、本実施形態のように下側端末本体下端部にアンテナ部を内装することで、ポケット内でアンテナ部が上位に位置することが極めて多くなり、良好な受信状態で収納されている確率が高くなるというメリットがある。
【0052】なお、上記実施形態は、本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記上記実施形態は携帯電話機を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。換言すると、本発明によるアンテナ装置は、携帯電話機以外の移動通信端末(例えば、PHS端末やトランシーバ)に適用してもよい。また、本発明は、図面に示した形状や構造に限定されるものではない。例えば、上記実施形態1〜3においては、アンテナ部が接続手段を一つ備える場合を示したが、アンテナ部が接続手段を複数備えていても良い。また、プローブなどの形状や構成も図面に限定されるものではなく、主旨を逸脱しない範囲で変形することが可能である。このように、本発明は様々な変形が可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したから、下記の有利な効果を奏する。請求項1又は12によれば、電子回路基板に直付けタイプのアンテナ部をモジュール化し、着脱可能な嵌着手段を介して接続したから、電子回路基板上に強固に実装可能にして、落下事故等の外部影響により内蔵されたアンテナ部が電子回路基板から外れることなく長期に亘って保持状態を維持することができる。また、半田付け工程をなくして組立て工程を簡素化すると共に、アンテナ部を電子回路基板上から容易に取り外すことが可能となり部品交換が容易にできる。このアンテナ部は電子回路基板に直付けタイプに限定したことで、シールドケース外面に取着するタイプのアンテナ部構造をもった携帯電話機やアンテナ装置よりも小型化に貢献することができる。
【0054】請求項2又は13によれば、嵌着手段をアンテナ部に一体的に設けられた略コ字状を呈した爪部と、電子回路基板縁部に凹設され該爪部と係合する被掛止部とを備えて構成したことから、電子回路基板にボルトを介しての接合よりも、スピーディにワンタッチでしかも強固にアンテナ部を取着することができ、しかも、アンテナ部を電子回路基板に取り付けるのに専用部品を必要としないことから、携帯電話機やアンテナ装置の製造コストを下げることができる。
【0055】請求項3又は14によれば、アンテナ部を、筒体の外周面にアンテナ素子を巻回したベース部と、整合回路部と、電子回路基板との電気的接続を行う接続手段とを備えてモジュール化したことにより、電子回路基板とのインピーダンス整合を予めアンテナ部単体で行うことができ、組み付けてから整合を取る方法よりも製造効率が良い。また、筒体にアンテナ素子を巻回するタイプは、従来、予め巻回させたアンテナ素子を内周面に挿入させていたが、外周面に巻回させることで製造が簡単になり、しかも、アンテナ素子がバラけるといった心配がない。
【0056】請求項4、8、15又は19によれば、異なる送受信帯に適した所定長さのアンテナ素子を複数設けた構成にしたことから、マルチバンド対応となり、その地域、国などで指定された周波数帯域毎にアンテナ部を別途製作しなくてすみ、携帯電話機やアンテナ装置の製造コストを大幅に低減することができる。
【0057】請求項5、10、16又は21によれば、接続手段を接触子が出没可能なプローブにして、アンテナ部が電子回路基板に嵌着したと同時にプローブを構成する筒部下面が給電部に当接して電気的な接続が完了するから、極めて簡単にアンテナ部を電子回路基板に組み込むことができる。しかも、何らかの原因で筒部下面が給電部から離間するような場合が生じても接触子は圧縮ばねで常に付勢されていることから電気的な接続は保証され、極めて好適な内蔵アンテナを有した携帯電話機やアンテナ装置を提供することができる。
【0058】請求項6又は17によれば、略直方体状を呈したベース部に表面が露出するように帯板状のアンテナ素子を埋設した構成にしたから、アンテナ部の厚みを薄くすることができ、したがって、携帯電話機の厚みを薄くすることができ、携帯電話機やアンテナ装置の小型化に貢献することができる。
【0059】請求項7又は18によれば、整合回路部をベース部に形成された係合部に挟持させると同時にアンテナ素子と整合回路部とが電気的接続が行われるように構成したから、極めて簡単にアンテナ部を電子回路基板に組み込むことができる。しかも、整合回路部に不具合があった場合に簡単に部品交換することができる。
【0060】請求項9又は20によれば、コネクタを両端部に設けた同軸ケーブルと、そのコネクタと係合するコネクタと、で接続手段を構成したから、接続部に不具合があった場合に簡単に部品交換することができる。
【0061】請求項11又は22によれば、ベース部とアンテナ素子とをインサート成形で形成したから、安定した品質のアンテナ部を製造することができ、極めて好適な内蔵アンテナを有した携帯電話機やアンテナ装置を提供できる。
【0062】請求項23によれば、電子回路基板からアンテナ部の剥離・脱落を防止すると共に組み立てを容易にし、また、要求仕様によりアンテナエレメントを交換するだけで、アンテナ特性を必要な特性に調整すること可能となり、アンテナ部の部品交換をも容易にしたアンテナ内蔵型の移動通信端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における携帯電話機の概要を例示した斜視図である。
【図2】実施形態1における携帯電話機のアンテナ部廻りの斜視図である。
【図3】同、分解斜視図である。
【図4】接続手段として適用されるプローブの構造例を示す図である。
【図5】実施形態2における携帯電話機のアンテナ部廻りの斜視図である。
【図6】同、分解斜視図である。
【図7】実施形態3における携帯電話機のアンテナ部廻りの斜視図である。
【図8】同、分解斜視図である。
【符号の説明】
b11、b21、b31 電子回路基板
b13、b33 給電部
b23 雌コネクタ(給電部)
1、2、3 アンテナ部
11e、21a、31a 爪部
21e、31e 係合部
21c、31c 溝部
b12、b22、b32 被掛止部
11、21、31 ベース部
11a 設置面
11b 筒体
11c 立上げ面
11d 天井面
22、32 整合回路部
141、142、241、242、341、342 アンテナ素子
13、23、33 接続手段
131、331 プローブ
132、332 接触子
133、333 圧縮ばね
134、334 筒部(保護チューブ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体内に内装され電話機能や電子メール機能等を実現する電子回路基板と、モジュール化され本体内で電波を送受信するアンテナ部とが、着脱可能な嵌着手段を介して接続されていることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】 前記嵌着手段は、アンテナ部に一体的に設けられた略コ字状を呈した爪部と、前記電子回路基板縁部に凹設され該爪部と係合する被掛止部とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】 前記アンテナ部は、前記爪部が設けられ前記電子回路基板上に設置される設置面と該設置面縁部から立設され筒体が延出された立上げ面と該立上げ面頂部から突設された天井面とで側面視略クランク状に一体成形されたベース部と、該天井面に固着されると共に該筒体外周面に巻回されたアンテナ素子と接続され該アンテナ素子とのインピーダンス整合をとるための整合回路部と、該天井面下面から垂設され該整合回路部と前記電子回路基板上に設けられた給電部とを電気的に接続する接続手段とを備えていることを特徴とする請求項2記載の携帯電話機。
【請求項4】 前記立上げ面に、複数の筒体が延出されていると共に、夫々の該筒体外周面に異なる送受信帯に適した所定長さのアンテナ素子が巻回され、前記整合回路部は、夫々のアンテナ素子と接続されていることを特徴とする請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】 前記接続手段は、凸字状を呈した棒状の接触子と、該接触子の大径部をスライド可能に案内すると共に該大径部を弾発付勢させる圧縮ばねが内装された筒部とで、該接触子小径部を該筒部から出没可能に構成したプローブであり、前記電子回路基板と前記アンテナ部との接続と同時に該接触子が前記給電部に圧接接合されるように構成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の携帯電話機。
【請求項6】 前記アンテナ部は、帯板状のアンテナ素子と接続されてインピーダンス整合をとるための整合回路部と、前記電子回路基板上に設置され該整合回路部を挿脱可能にする係合部と前記爪部とが設けられると共に該アンテナ素子の表面が露出するように該アンテナ素子が埋設された略直方体状を呈したベース部と、該整合回路部と前記電子回路基板上に設けられた給電部とを電気的接続する接続手段とを備えていることを特徴とする請求項2記載の携帯電話機。
【請求項7】 前記係合部は、該整合回路部の両端部を案内し該両端部下面を支持する底面部を設けた溝部を前記ベース部側面に設けて該溝部間に前記整合回路部の素子側側面中途部が露出するように形成され、前記アンテナ素子は、該ベース部上面と該溝部間側面とに亘って表面が露出するように埋設されると共に該整合回路部下部を挟持し該整合回路部との接続が行われる挟持部を該溝部間下部に位置するように突出形成されてなることを特徴とする請求項6記載の携帯電話機。
【請求項8】 前記アンテナ素子は、該ベース部上面と該溝部間側面とに亘って表面が露出するように複数のアンテナ素子が異なる送受信帯に適した所定長さで埋設されると共に、前記整合回路部は、夫々のアンテナ素子と接続されていることを特徴とする請求項6又は7記載の携帯電話機。
【請求項9】 前記接続手段は、前記整合回路部に設けられたコネクタと前記電子回路基板に設けられ前記給電部を構成するコネクタとを接続する同軸ケーブルであることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の携帯電話機。
【請求項10】 前記接続手段は、凸字状を呈した棒状の接触子と、該接触子の大径部をスライド可能に案内すると共に該大径部を弾発付勢させる圧縮ばねが内装された筒部とで、該接触子小径部を該筒部から出没可能に構成されたプローブであり、当該プローブは、前記ベース部の前記電子回路基板と対向する面から垂設され、前記電子回路基板と前記アンテナ部との接続と同時に該接触子が前記給電部に圧接接合されるように構成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載の携帯電話機。
【請求項11】 前記ベース部と前記アンテナ素子とがインサート成形で形成されていることを特徴とする請求項9又は10記載の携帯電話機。
【請求項12】 通信機能を実現する電子回路基板と、電波を送受信するためのモジュール化されたアンテナ部とが、着脱可能な嵌着手段を介して接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項13】 前記嵌着手段は、アンテナ部に一体的に設けられた略コ字状を呈した爪部と、前記電子回路基板縁部に凹設され該爪部と係合する被掛止部とを備えてなることを特徴とする請求項12記載のアンテナ装置。
【請求項14】 前記アンテナ部は、前記爪部が設けられ前記電子回路基板上に設置される設置面と該設置面縁部から立設され筒体が延出された立上げ面と該立上げ面頂部から突設された天井面とで側面視略クランク状に一体成形されたベース部と、該天井面に固着されると共に該筒体外周面に巻回されたアンテナ素子と接続され該アンテナ素子とのインピーダンス整合をとるための整合回路部と、該天井面下面から垂設され該整合回路部と前記電子回路基板上に設けられた給電部とを電気的に接続する接続手段とを備えていることを特徴とする請求項13記載のアンテナ装置。
【請求項15】 前記立上げ面に、複数の筒体が延出されていると共に、夫々の該筒体外周面に異なる送受信帯に適した所定長さのアンテナ素子が巻回され、前記整合回路部は、夫々のアンテナ素子と接続されていることを特徴とする請求項14記載のアンテナ装置。
【請求項16】 前記接続手段は、凸字状を呈した棒状の接触子と、該接触子の大径部をスライド可能に案内すると共に該大径部を弾発付勢させる圧縮ばねが内装された筒部とで、該接触子小径部を該筒部から出没可能に構成したプローブであり、前記電子回路基板と前記アンテナ部との接続と同時に該接触子が前記給電部に圧接接合されるように構成されていることを特徴とする請求項14又は15記載のアンテナ装置。
【請求項17】 前記アンテナ部は、帯板状のアンテナ素子と接続されてインピーダンス整合をとるための整合回路部と、前記電子回路基板上に設置され該整合回路部を挿脱可能にする係合部と前記爪部とが設けられると共に該アンテナ素子の表面が露出するように該アンテナ素子が埋設された略直方体状を呈したベース部と、該整合回路部と前記電子回路基板上に設けられた給電部とを電気的接続する接続手段とを備えていることを特徴とする請求項13記載のアンテナ装置。
【請求項18】 前記係合部は、該整合回路部の両端部を案内し該両端部下面を支持する底面部を設けた溝部を前記ベース部側面に設けて該溝部間に前記整合回路部の素子側側面中途部が露出するように形成され、前記アンテナ素子は、該ベース部上面と該溝部間側面とに亘って表面が露出するように埋設されると共に該整合回路部下部を挟持し該整合回路部との接続が行われる挟持部を該溝部間下部に位置するように突出形成されてなることを特徴とする請求項17記載のアンテナ装置。
【請求項19】 前記アンテナ素子は、該ベース部上面と該溝部間側面とに亘って表面が露出するように複数のアンテナ素子が異なる送受信帯に適した所定長さで埋設されると共に、前記整合回路部は、夫々のアンテナ素子と接続されていることを特徴とする請求項17又は18記載のアンテナ装置。
【請求項20】 前記接続手段は、前記整合回路部に設けられたコネクタと前記電子回路基板に設けられ前記給電部を構成するコネクタとを接続する同軸ケーブルであることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項21】 前記接続手段は、凸字状を呈した棒状の接触子と、該接触子の大径部をスライド可能に案内すると共に該大径部を弾発付勢させる圧縮ばねが内装された筒部とで、該接触子小径部を該筒部から出没可能に構成されたプローブであり、当該プローブは、前記ベース部の前記電子回路基板と対向する面から垂設され、前記電子回路基板と前記アンテナ部との接続と同時に該接触子が前記給電部に圧接接合されるように構成されていることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項記載のアンテナ装置。
【請求項22】 前記ベース部と前記アンテナ素子とがインサート成形で形成されていることを特徴とする請求項20又は21記載のアンテナ装置。
【請求項23】 請求項12から22のいずれか1項に記載のアンテナ装置を筐体内部に備えた移動通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−229709(P2003−229709A)
【公開日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−133270(P2002−133270)
【出願日】平成14年5月8日(2002.5.8)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】