説明

携帯電話網における電子メールの受信拒否方法及び携帯端末

【課題】携帯電話網における電子メールの受信拒否方法及び携帯端末に関し、受信者が拒否する画像付きhtmlメールに対して、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)でのデータ転送を行うことなく、送信を停止することを可能にする。
【解決手段】携帯端末1から画像付きhtmlメールを送信する際に、該メールの宛先アドレスと、画像付きhtmlメールであることを示すフラグとを、呼制御信号プレーンのプロトコルメッセージ上に設定して送信する。ネットワークのゲートウェイ8内のメールサーバでは、呼制御信号プレーン上の宛先アドレスとフラグを抽出し、該宛先アドレスが受信拒否の宛先アドレスとして登録されたアドレスと一致するか否かを判定する。前記宛先アドレスが、登録されたアドレスと一致する場合に、該メールの着側携帯端末への送信を停止し、発側携帯端末1へ受信拒否による接続不可の応答メッセージを返却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話網における電子メールの受信拒否方法及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
発側加入者Aの携帯端末1で作成されて送信される電子メールは、送信宛先のアドレス等を含むヘッダ情報、メール本文及び画像等の添付ファイル等のデータにより構成される。3GPP(Third Generation Partnership Project)の携帯電話網における電子メールの転送シーケンスを図5に示す。発側加入者Aの携帯端末1で電子メールが作成され発信されると、呼制御信号プレーン(Cプレーン)により、発側携帯端末1とメールサーバ6との間の接続設定が実施される。
【0003】
発側携帯端末1とメールサーバ6との間には、無線基地局(BTS)2、無線ネットワーク制御装置(RNC)3、パケット交換機のサービス制御ゲートウェイ(SGSN)4及びサーバ側ゲートウェイ(GGSN)5が存在する。発側携帯端末1の発信により、サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4によりユーザ認証が行われる。
【0004】
そして、アクセスポイントネーム(APN)を含む発信接続要求が発側携帯端末1から発せられると、サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4は、接続先のサーバ側ゲートウェイ(GGSN)5のアドレス解決を行い、サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5へのトンネル設定を行う。
【0005】
以上の呼制御信号プレーン(Cプレーン)での送受信シーケンスにより、発側携帯端末1とメールサーバ6との間で通信パスが設定されると、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)により、発側携帯端末1からインタネット網のゲートウェイ内のメールサーバ6へ電子メールのデータ(例.menber_B@xxxx.ne.jp こんにちは「★」)が転送される。
【0006】
メールサーバ6には、携帯電話番号とメールアドレスとがデータベースに格納されて管理され、メールサーバ6に届いたメールデータの宛先アドレスが携帯電話事業社内の携帯電話端末ものであるかを照合する。該当する宛先アドレスであれば、該宛先アドレスを携帯電話端末の電話番号に変換し、その電話番号に該当する中継パケット交換機を選択し、着信処理を実施する。
【0007】
着信者の電話番号を含む着信信号は、メールサーバ6からサーバ側ゲートウェイ(GGSN)5に送信され、サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5は、呼制御信号プレーン(Cプレーン)により着信接続の設定を行う。まず、サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5は、携帯電話番号や端末識別番号等のユーザ情報を管理するデータベースHLR(home location register)に問い合わせ、位置登録エリアの情報を取得し、該位置登録エリアのサービス制御ゲートウェイ(SGSN)4に着信信号を送信する。
【0008】
サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4は、位置登録エリア内の無線基地局(BTS)2から着側加入者Bの携帯端末7に対して一斉呼び出しを行い、応答を受信するとユーザ認証を行い、その後、着信接続要求を受けるとサーバ側ゲートウェイ(GGSN)5との間にトンネルを設定する。
【0009】
以上の呼制御信号プレーン(Cプレーン)での送受信シーケンスにより、着側携帯端末7とメールサーバ6との間で通信パスが設定された後、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)によりメールサーバ6から着側携帯端末7へ電子メールのデータ(例.menber_B@xxxx.ne.jp こんにちは「★」)が送信される。
【0010】
電子メールとして、デコメール(登録商標)等のような、文字に着色したり、文字以外の静止画像やアニメーション画像で飾ったりした画像付きhtml形式メールを送信した場合でも、データサイズの大きい画像データを含めて、メールの全データがユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)でゲートウェイ内のメールサーバ6に転送された後、メールサーバ6において宛先アドレスが抽出される。
【0011】
電子メールの受信拒否の方法には以下の方法(a)及び(b)が知られている。
(a)受信側加入者がゲートウェイ内のメールサーバ(メールセンター)に、受信拒否対象のメールの発信者アドレスやドメイン名を登録しておき、メールサーバ(メールセンター)で、メール毎に拒否対象であるか否かを、登録された発信者アドレスやドメイン名を基に判定して拒否する方法。
(b)大量のデータのメールを受信しないようにするために、メールサーバ(メールセンター)において、画像データが添付されたメールの送信を拒否する、或いは一定サイズ以上の画像データが添付されたメールの送信を拒否する方法。
【0012】
また、通信料金が発生することなく迷惑メール等の受信拒否を可能にし、電子メールの受信可否を受信側の端末装置で選択することができるようにしたメール受信拒否機能について、例えば下記の特許文献1等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−085227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
(課題1)デコメール(登録商標)等のような画像付きhtml形式メールは、画像データをメールに添付した送信データであるためデータサイズが大きい。そのため、受信者がパケット定額制に加入していない場合は、画像付きhtml形式メールを受信する度に、テキストデータのみの電子メールに比べて高額のパケット料金が受信者側に掛かってしまうことになる。本発明の課題の1つは、画像付きhtml形式メールの受信を望まない加入者に対して、テキストデータのみの電子メールは受信するが、画像付きhtml形式メールの受信拒否を可能することである。
【0015】
なお、前述の(a)の方法は、悪意の送信者からの迷惑メールを拒否するための方法である。これに対して、画像付きhtml形式メールの受信による過剰な課金を回避するために、画像付きhtml形式メールの受信だけを拒否する場合、画像付きhtml形式メールの送信者に悪意はなく、該送信者からのメール全ての受信を拒否する(a)の方法では、上記の課題1は解決されない。
【0016】
また、添付画像データを一切受信しない、或いは一定サイズ以上の添付画像データを受信しないよう設定を行う上述の(b)の方法は、大量サイズデータの受信による過剰な課金を防ぐことを目的に各携帯電話事業者が提供している。しかし、画像付きhtml形式メールは、html形式のテキストと画像データとで成り立っており、例えば「私は〔OK(画像データ)〕です。」等のようなテキストと画像データとの組み合わせの場合、画像データのみを削除すると、「私は〔 〕です。」と表示されることとなり、電子メールとして文意が成り立たないものとなってしまう。
【0017】
また、画像付きhtml形式メールの送信者は、画像データが削除されて受信者に送信されたことが通知されず、該送信者は、画像付きhtml形式のメールが正常に受信されたものと判断してしまう。しかし、受信者は不完全なメールを受信することになり、無効なメールがネットワーク上に配信されることになる。
【0018】
(課題2)画像付きhtml形式のメールに限らず、受信者側が特定条件のメールの受信拒否の設定をメールサーバ6に対して行った場合、従来、以下のようにメールの受信拒否が行われる。まず、発側加入者Aの携帯端末1は、呼制御信号プレーン(Cプレーン)による接続経路の確認後、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)でメールの全データをメールサーバ6へ転送する。
【0019】
メールサーバ6は、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)でメールの全データを受信した後でなければ、受信側のメールアドレスを抽出することができない。そのため、受信拒否対象のメールであるにも拘わらず、発側加入者Aの携帯端末1からメールサーバ6までのユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)によるデータ送信が発生する。その結果、発側加入者Aへの無駄な課金や、ネットワークへの無効な負荷が発生することになる。受信者が拒否するメールに対しては、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)でのデータ転送を行うことなく、送信停止することが本発明の課題2である。
【0020】
従来のメール受信拒否機能は、上述の(a)や(b)の方法によるものであるが、それぞれユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)でメールの全データをメールサーバ6へ送信し、メールサーバ6内で受信側のメールアドレスを抽出した後に、受信拒否のメールであるか否かを判断するため、上述の課題2は解決されない。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決する第1の形態である電子メールの受信拒否方法は、携帯端末から電子メールを送信する際に、該電子メールの宛先アドレスを呼制御信号プレーンのプロトコルメッセージ上に設定して送信する第1のステップと、ネットワーク内のメールサーバにおいて、前記呼制御信号プレーンのプロトコルメッセージ上に設定された前記宛先アドレスを抽出し、該宛先アドレスが、受信拒否の宛先アドレスとして登録されたアドレスと一致するか否かを判定する第2のステップと、前記宛先アドレスが、受信拒否の宛先アドレスとして登録されたアドレスと一致する場合に、該電子メールの着側携帯端末への送信を停止し、発側携帯端末へ受信拒否による接続不可の応答メッセージを返却する第3のステップと、を含むものである。
【0022】
また、上記課題を解決する第2の形態である携帯端末は、電子メールのメール作成部とメール送信部とを有する携帯端末において、前記メール作成部におけるヘッダ編集機能と、前記メール送信部における送信電文作成機能とを連携させ、前記ヘッダ編集機能で設定された電子メールの宛先アドレスを、呼制御信号プレーン接続の送信電文に追加する呼制御信号プレーン送信電文追加手段と、前記電子メールの宛先アドレスが追加された呼制御信号プレーン接続の送信電文を送信する送受信制御手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0023】
電子メールの受信を拒否する加入者のアドレス宛の電子メールを、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)でのメールデータの転送を行うことなく、呼制御信号プレーン(Cプレーン)の接続制御データにより判断し、該受信拒否の加入者宛の電子メールの送信を停止し、発側携帯端末へ受信拒否を通知することができる。これにより、相手先に受信されることのない電子メールをネットワークに送信する無駄が省かれ、ネットワーク輻輳を防ぐことができ、また、無用な課金発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】画像付きhtml形式のメール受信拒否の設定のシーケンスを示す図である。
【図2】携帯端末で呼制御信号プレーンへメールアドレスを設定する具体例を示す図である。
【図3】画像付きhtml形式メール送信時のメール受信拒否問い合わせのシーケンスを示す図である。
【図4】複数同時送信の画像付きhtml形式メールの受信拒否問い合わせのシーケンスを示す図である。
【図5】携帯電話網における電子メールの転送シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(受信拒否の設定について)
図1に画像付きhtml形式のメール受信拒否の設定のシーケンスを示す。画像付きhtml形式メールの受信を拒否する加入者Bは、自身の携帯端末7から予めインタネット網ゲートウェイ(GW)内のメールサーバ(メールセンター)に対し、画像付きhtml形式メールの受信拒否の登録を行う。
【0026】
この画像付きhtml形式メールの受信拒否の登録のシーケンスは、加入者Bの携帯端末7からの発信により、サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4によりユーザ認証が行われる。そして、アクセスポイントネーム(APN)を含むSMプロトコルのActivate PDP context Requestメッセージにより、サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4に送出する。
【0027】
サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4は、GTPプロトコルのCreate PDP Context Requestメッセージにより画像付きhtml形式メールの受信拒否の旨の情報を、接続先のサーバ側ゲートウェイ(GGSN)5に送出する。サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5は、インタネット網ゲートウェイ(GW)8内のメールサーバ(メールセンター)に、接続情報を通知する。
【0028】
以上の呼制御信号プレーン(Cプレーン)での送受信シーケンスにより、携帯端末7とメールサーバ6との間で通信パスが設定されると、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)により、携帯端末7とインタネット網のゲートウェイ内のメールサーバ6との間で受信拒否の設定を含む加入者Bのメール設定に関する情報の送受信が可能となる。
【0029】
この登録機能は、各携帯電話事業者が提供する各種メールのメニュー項目の設定機能を利用することができ、単にメニュー項目の追加だけで実現することができる。メールサーバ(メールセンター)は、画像付きhtml形式メールの受信拒否者一覧のデータベースを新設し、画像付きhtml形式メールの受信を拒否する加入者のメールアドレスを、画像付きhtml形式メールの受信拒否者一覧のデータベースに登録する。
【0030】
(携帯端末で呼制御信号プレーンへのメールアドレスの設定について)
図2に携帯端末で呼制御信号プレーン(Cプレーン)へメールアドレスを設定する具体例を示す。携帯端末には、メール作成部2−1、メール送信部2−2、メモリ2−3を備える。メール作成部2−1には、メール編集機能として、ヘッダ編集、本文編集、画像付きhtml形式メールの画像添付機能等が備えられている。
【0031】
また、メール送信部2−2には、プロトコル制御機能、送信電文生成機能、送受信制御機能が備えられている。そこで、画像付きhtml形式メールを送信する場合、メール作成部2−1におけるヘッダ編集機能と、メール送信部2−2における送信電文生成機能とを連携させ、ヘッダ編集機能で設定された宛先メールアドレスを、呼制御信号プレーン(Cプレーン)接続の送信電文に追加する。
【0032】
具体的には、発側加入者Aの携帯端末1からサービス制御ゲートウェイ(SGSN)4に向けてのSMプロトコルのActivate PDP context Requestメッセージ上の携帯電話事業者個別オプションとして、宛先メールアドレス及び画像付きhtml形式メールであることを示すフラグをONに設定して送信する。
【0033】
メモリ2−3上には、宛先メールアドレス(例.menber_B@xxxx.ne。jp)を含むヘッダ、画像付きhtml形式メールのテキスト本文(例.こんにちは「 」)、及び画像付きhtml形式メールの画像(例.「★」)が生成され、それらは、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)により送信される。
【0034】
一方、SMプロトコルのActivate PDP context Requestメッセージの電文は、呼制御信号プレーン(Cプレーン)で送信される。従って、Activate PDP context Requestメッセージの携帯電話事業者個別オプションとして設定された宛先メールアドレス(例.menber_B@xxxx.ne。jp)及び画像付きhtml形式メールであることを示すフラグは、呼制御信号プレーン(Cプレーン)で送信される。
【0035】
(画像付きhtml形式のメール受信拒否の問い合わせについて)
図3に画像付きhtml形式メール送信時のメール受信拒否問い合わせのシーケンスを示す。発側携帯端末1から画像付きhtml形式メールが送信された場合、発信処理、ユーザ認証処理の後、SMプロトコルのActivate PDP Context Requestメッセージ上の携帯電話事業者個別パラメータに、宛先メールアドレス及び画像付きhtml形式メールであることを示すフラグを設定して、サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4へ送信する。
【0036】
サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4では、インタネット網ゲートウェイ(GW)8内のメールサーバ宛であることを確認後、GTPプロトコルのCreate PDP Context Requestメッセージに携帯電話事業者個別パラメータを引き継ぎ、サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5へ送信する。
【0037】
サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5は、ゲートウェイ(GW)8内のメールサーバへ接続通知を実施する。その際に、携帯電話事業者個別パラメータを引き継ぐ。ゲートウェイ(GW)8内のメールサーバは、該パラメータを使用し、画像付きhtml形式メールの受信拒否者アドレス一覧のデータベースに、当該宛先メールアドレスが存在するかを検索し、判定する。
【0038】
画像付きhtml形式メールの受信拒否アドレス一覧に、当該宛先メールアドレスが存在した場合は、サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5へ画像付きhtml形式メールの受信拒否による接続不可の応答を返却する。サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5は、サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4へ、画像付きhtml形式メールの受信拒否による接続不可の応答を返却し、サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4は、発側端末1へ対し、接続拒否(リジェクト)の応答を返却する。その際のエラーコード(cause)は、画像付きhtml形式メールの受信拒否である。発側端末1は、接続拒否(リジェクト)を受信すると、画面に画像付きhtml形式メールの受信拒否の応答メッセージを表示する。
【0039】
(複数同時送信の画像付きhtml形式メールの受信拒否問い合わせについて)
図4に複数同時送信の画像付きhtml形式メールの受信拒否問い合わせのシーケンスを示す。発側携帯端末1から画像付きhtml形式メールが複数のメールアドレス宛先へ同時に送信された場合、画像付きhtml形式メールであることを示すフラグと、宛先の全てのメールアドレスとを、SMプロトコルのActivate PDP Context Requestメッセージ上の携帯電話事業者個別パラメータに設定する。
【0040】
サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4で、インタネット網ゲートウェイ(GW)8内のメールサーバ宛のデータであることを確認した後、GTPプロトコルのCreate PDP Context Requestメッセージに携帯電話事業者個別パラメータを引き継ぎ、サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5へ送信する。
【0041】
サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5は、ゲートウェイ(GW)8内のメールサーバへ接続通知を実施する。その際に、携帯電話事業者個別パラメータを引き継ぐ。ゲートウェイ(GW)8内のメールサーバは、該パラメータを使用し、画像付きhtml形式メールの受信拒否アドレス一覧のデータベースに、全ての宛先メールアドレスのうち1つでも一致するものが存在するか否かを検索し、判定する。
【0042】
画像付きhtml形式メールの受信拒否アドレス一覧に、宛先メールアドレスが1つでも存在する場合は、サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5へ、画像付きhtml形式メール受信拒否による接続不可の応答を返却する。サーバ側ゲートウェイ(GGSN)5は、サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4へ、画像付きhtml形式メールの受信拒否による接続不可の応答を返却し、サービス制御ゲートウェイ(SGSN)4は、発側端末1に対し、接続不可(リジェクト)の応答を返却する。
【0043】
その際のエラーコード(cause)は、画像付きhtml形式メールの受信拒否である。発側の携帯端末1は接続不可(リジェクト)の応答を受信すると、画面に画像付きhtml形式メールの受信拒否の応答メッセージを表示する。
【0044】
以上、この携帯電話網における電子メールの受信拒否方法によれば、画像付きhtml形式メールの受信拒否を希望する加入者に対して画像付きhtml形式メールを送信した場合、ユーザ情報転送プレーン(Uプレーン)で画像データを含むメールデータを転送することなく、呼制御信号プレーン(Cプレーン)の接続制御データのみで、拒否対象の電子メールか否かを判断し、発側携帯端末への受信拒否の旨を通知し、該電子メールの送信を停止することができる。これにより、相手先に受信されることのないメールをネットワークへ送信する無駄を省き、ネットワーク輻輳を防ぐことができる。
【0045】
画像付きhtml形式メールの受信を拒否したい加入者は、送信者が誰であれ、画像付きhtml形式メールを選択的に受信拒否することができ、テキストのみの電子メール等を受信許可することができるようになる。従来の画像付きhtml形式メールのテキスト部のみの受信や、送信者のアドレスによる受信拒否では得られなかった拒否サービスを享受することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 発側携帯端末
2 無線基地局(BTS)
3 無線ネットワーク制御装置(RNC)
4 サービス制御ゲートウェイ(SGSN)
5 サーバ側ゲートウェイ(GGSN)
6 メールサーバ6
7 着側携帯端末
8 インタネット網ゲートウェイ(GW)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話網における電子メールの受信拒否方法において、
携帯端末から電子メールを送信する際に、該電子メールの宛先アドレスを呼制御信号プレーンのプロトコルメッセージ上に設定して送信する第1のステップと、
ネットワーク内のメールサーバにおいて、前記呼制御信号プレーンのプロトコルメッセージ上に設定された前記宛先アドレスを抽出し、該宛先アドレスが、受信拒否の宛先アドレスとして登録されたアドレスと一致するか否かを判定する第2のステップと、
前記宛先アドレスが、受信拒否の宛先アドレスとして登録されたアドレスと一致する場合に、該電子メールの着側携帯端末への送信を停止し、発側携帯端末へ受信拒否による接続不可の応答メッセージを返却する第3のステップと、
を含む携帯電話網における電子メールの受信拒否方法。
【請求項2】
前記第1のステップにおいて、電子メールの宛先アドレスとともに、該電子メールが画像付きhtml形式メールであることを示すフラグを、前記呼制御信号プレーンのプロトコルメッセージ上に設定して送信し、
前記第2のステップにおいて、前記宛先アドレスが、画像付きhtml形式メールの受信拒否の宛先アドレスとして登録されたアドレスと一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の電子メールの受信拒否方法。
【請求項3】
電子メールのメール作成部とメール送信部とを有する携帯端末において、
前記メール作成部におけるヘッダ編集機能と、前記メール送信部における送信電文作成機能とを連携させ、前記ヘッダ編集機能で設定された電子メールの宛先アドレスを、呼制御信号プレーン接続の送信電文に追加する呼制御信号プレーン送信電文追加手段と、
前記電子メールの宛先アドレスが追加された呼制御信号プレーン接続の送信電文を送信する送受信制御手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
前記呼制御信号プレーン送信電文追加手段は、前記電子メールの宛先アドレスとともに、前記電子メールが画像付きhtml形式メールであることを示すフラグを、前記呼制御信号プレーン接続の送信電文に追加することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−239241(P2010−239241A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82692(P2009−82692)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】