説明

撮像モジュール

【課題】画像処理にかかる負荷を抑制しながらも、注視領域およびその周辺領域の各々に要求される撮像特性の好適な両立を図ることのできる撮像モジュールを提供する。
【解決手段】注視領域およびその周辺領域の2種の光像をイメージャ51に結像させる光学系として、魚眼レンズ20と、該魚眼レンズ20を透過した光像をイメージャ51に集光結像する凸レンズ30とを鏡筒12a内に備える。また、この魚眼レンズ20を、その中心部の断面曲率がその周辺部の断面曲率よりも小さくなるよう形成するとともに、同魚眼レンズ20の正面から見て円形状に形成する。そして、上記注視領域に対応してイメージャ51に結像される光像に基づき当該車両前方の障害物を検出するとともに、上記周辺領域に対応して同イメージャ51に結像される光像に基づき当該車両の周囲照度を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば車両に搭載されて当該車両の周辺に存在する車両や周囲の照度を検出する等、撮像対象とする複数の対象物の光像をイメージャ上に結像させる撮像モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の撮像モジュールを備える撮像装置としては、例えば特許文献1に記載されている装置が知られている。図10〜12に、この特許文献1に記載されている装置をもとにその概要を示す。
【0003】
図10に示されるように、この撮像装置は、大きくは鏡筒112aと本体112bとを備えて構成されている。このうち、鏡筒112a内には、遠方の風景等の光像を結像させるに適した焦点距離の長い第1のレンズ120と、該第1のレンズ120よりも焦点距離が短く、比較的近距離に存在する対象物を結像させるに適した第2のレンズ130とが一体に設けられている。他方、本体112b内には、正方格子状に配列された同一の感度を持つ撮像素子群(図示略)を通じて上記レンズ120および130を介して結像される光像を撮像するイメージャ151をはじめ、このイメージャ151を通じて得られる原画像に対し所要の画像処理を施す画像処理回路152、およびこの処理された画像情報を記憶保持するメモリ153等々が設けられている。そしてこの撮像装置にあっては、鏡筒112aに設けられた上記第1および第2のレンズ120および130と本体112bに設けられた上記イメージャ151とによって撮像モジュールが構成されている。
【0004】
図11は、このような撮像装置の撮像モジュールについてその概略構造を示すとともに、同モジュールにおいて撮像対象とする対象物の光像の結像態様を模式的に示したものである。同図11に示されるように、この撮像モジュールにあっては、上記第1のレンズ120による結像対象となる遠方にある対象物Ob1の上端あるいは下端に対応した光像は、光路L1uあるいは光路L1dをたどって同第1のレンズ120を透過し、イメージャ151の上部に結像される。他方、上記第2のレンズ130による結像対象となる対象物Ob1よりも近距離にある対象物Ob2の上端あるいは下端に対応した光像は、光路L2uあるいは光路L2dをたどって同第2のレンズ130を透過し、イメージャ151の下部に結像される。そして、このイメージャ151の表面に正方格子状に配列された撮像素子群により原画像が撮像され、画像処理回路152(図10)においてコントラスト等の補正が行われることで、所望とされる画像情報が得られることとなる。なお、同図11に示されるシールド140は、対象物Ob1の光像が第2のレンズ130に入射することを、また対象物Ob2の光像が第1のレンズ120に入射することをそれぞれ防止する部分である。
【0005】
このような撮像モジュールを例えば車両に搭載し、当該車両の周辺に存在する車両や周囲の照度などを検出すべく、同モジュールを通じて撮像した画像イメージの一例を図12に示す。同図12に示されるように、こうして撮像された画像には、遠方に存在する太陽S1、雲C1、および建造物B1等はもとより、これらよりも近距離に存在する前方車両FC1および道路上に描かれた文字Le1等も鮮明に取り込まれるようになる。すなわち、この撮像モジュールによれば、上記第1および第2のレンズ120および130を通じて、遠方に存在する撮像対象および近距離に存在する撮像対象の双方の画像を、ピントを調整することなく鮮明に取り込むことができるようになる。
【特許文献1】特開2004−158017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような撮像モジュールにあって、そのイメージャは通常、同一の感度を持つ撮像素子が同一の密度をもって正方格子状に配列されており、その撮像範囲のすべてにわたり同一の解像度をもって撮像対象の撮像を行う構成となっている。したがって、例えば上述のように、車両の前方に存在する前方車両FC1等を含む注視領域を高い解像度をもって撮像するには、注視領域に相当する部分だけでなく、イメージャの全面にわたって撮像素子を高密度に配列する必要が生ずる。そしてこの必要に応じ、イメージャの全面にわたって撮像素子を高密度に配列するとなると、高い解像度を要しない遠方の撮像対象も注視領域と同等の高い解像度をもって撮像されることとなり、ひいては上記画像処理を実行する画像処理回路152にかかる処理負荷の増大も避けられない。
【0007】
他方、注視領域の周辺領域、すなわち遠方画像の撮像領域について、より広い撮像範囲をもって撮像しようとすれば、先の図11において、例えば第1のレンズ120の画角θ1を大きく設定する必要がある。しかし、上記従来の撮像モジュールにあっては、シールド140によって画角θ1の大きさが制限されており、こうした必要に応じて画角θ1を大きくとることは難しい。また仮に、シールド140の配設を割愛して画角θ1にかかるこの制限を解除した場合には、対象物Ob2の光像が第1のレンズ120にも入射されることとなり、得られる画像のコントラストの低下を招くこととなる。そして、このようなコントラストの低下を上記画像処理回路152を通じて補償しようとすれば、やはり、同画像処理回路152にかかる処理負荷の増大が避けられない。しかもこのとき、画像処理回路152にて補償することができないほどのコントラストの低下が生じる場合には、適正な画像情報を得ること自体が難しくなる。
【0008】
なお、車載用の撮像モジュールに限らず、例えば構造物の出入り口などに設置されて訪問者や周辺の移動体を監視する防犯カメラなど、いわば遠近2種の撮像対象をイメージャ上に結像させる撮像モジュールにおいては、こうした実情も概ね共通したものとなっている。
【0009】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、画像処理にかかる負荷を抑制しながらも、注視領域およびその周辺領域の各々に要求される撮像特性の好適な両立を図ることのできる撮像モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、正方格子状に配列された撮像素子群からなるイメージャと該イメージャに注視領域およびその周辺領域の2種の光像を結像させる光学系とを鏡筒内に備える撮像モジュールとして、前記光学系として鏡筒の筒方向に複数のレンズを備え、それらレンズのうちの1つを、中心部の断面曲率が周辺部の断面曲率よりも小さい非球面レンズとして形成することとした。
【0011】
撮像モジュールとしてのこのような構成によれば、上記複数のレンズのうちの1つを、中心部の断面曲率が周辺部の断面曲率よりも小さい非球面レンズとして形成するため、上記注視領域とする領域の光像を透過することの多い同中心部の画角は狭くなり、上記イメージャに配列された撮像素子の1つ当たりに捕捉される画角(撮像範囲)も相対的に狭くなる。また、その周辺領域の光像を透過することの多い同周辺部の画角は広くなり、上記イメージャに配列された撮像素子の1つ当たりに捕捉される画角も相対的に広くなる。すなわち、同一の画角を捕捉するために割り当てられる撮像素子の数は、上記注視領域とする領域の光像を透過することの多い中心部の方が、上記周辺領域の光像を透過することの多い周辺部よりも多くなる。したがって、上記注視領域とする領域の光像の画像情報は高い解像度をもって歪みなく取得され、他方、その周辺領域の光像の画像情報は広い画角をもって取得されるようになり、これら注視領域および周辺領域の各々に要求される特性の好適な両立を図ることができるようになる。さらに、上記イメージャに正方格子状に配列する撮像素子群を構成する撮像素子の数を増加させることもないため、画像処理にかかる負荷を抑制することができるようにもなる。
【0012】
また、上記請求項1に記載の撮像モジュールにおいて、請求項2に記載の発明では、前記非球面レンズを、その中心部の、前記注視領域とする領域の光像が入射される領域に選択的に対応して、その断面曲率を他の周辺部の断面曲率よりも小さく形成することとした。これにより、上記注視領域とする領域の光像の画像情報の歪みない高解像度での取得、およびその周辺領域の光像の画像情報の広い画角をもっての取得が確実に行われるようになり、これら注視領域および周辺領域の各々に要求される特性の両立がより好適に図られるようになる。
【0013】
なお、このような非球面レンズとしては、例えば請求項3に記載の発明によるように、
(イ)前記非球面レンズの前記断面曲率を他の周辺部の断面曲率よりも小さく形成する領域を、同非球面レンズの正面から見て円形状に形成する。
あるいは請求項4に記載の発明によるように、
(ロ)前記非球面レンズの前記断面曲率を他の周辺部の断面曲率よりも小さく形成する領域を、同非球面レンズの正面から見て矩形状に形成する。
等々の構成が有効である。
【0014】
ちなみに、上記(ロ)の撮像モジュール(請求項4)によれば、例えばこの撮像モジュールを車載した場合に、上記注視領域とする領域の光像の画像情報は、当該車両の搭乗者等がフロントウインドウを介して車両前方を見る場合の画像情報とほぼ同一の撮像領域(形状)となる。したがってこの場合、上記注視領域に存在する前方車両を検出するに特に有効な画像情報を取得することができるようになる。
【0015】
また、上記請求項1〜4のいずれかに記載の撮像モジュールにおいて、例えば請求項5に記載の発明では、前記光学系を構成する複数のレンズを、前記非球面レンズと、該非球面レンズを透過した光像を前記イメージャに集光結像する凸レンズとから構成することとした。これにより、簡素な構成ながらも、上記注視領域およびその周辺領域の光像をイメージャ上に集光しにくくする要因であるいわゆる収差を、容易に補正することができるようになる。
【0016】
また、これら請求項5に記載の撮像モジュールにおいて、例えば請求項6に記載の発明によるように、前記非球面レンズと前記凸レンズとを、鏡筒を兼ねて一体に形成することとすれば、部品点数や組立工数が減少し、ひいては生産コストの低減が図られるようになる。
【0017】
この場合、上記請求項5または6に記載の撮像モジュールにおいて、例えば請求項7に記載の発明によるように、前記非球面レンズと前記凸レンズとの間に、前記非球面レンズを透過した光の前記凸レンズへの入射量を制限する光量制限機構を介在させることとすれば、上記注視領域の光像および上記周辺領域の光像は、好適に分離されてイメージャに到達し、これら両領域の光像が相互に混入しない状態においてそれら光像が撮像されることとなる。すなわち、同撮像モジュールを通じて、高いコントラストをもつ画像の画像情報を取得することができるようになるとともに、同画像情報のコントラストの補正等を行う画像処理にかかる負荷を好適に低減することができるようになる。
【0018】
また、上記請求項7に記載の撮像モジュールにおいて、特に請求項8に記載の発明によるように、前記光量制限機構を、撮像対象となる光像の光量変化に追従して前記凸レンズへの光入射量を自動調整するオートアイリスから構成することとすれば、同撮像モジュールを通じて得られる画像のコントラストを自動に調整することができるようになる。
【0019】
一方、上記請求項1〜8のいずれかに記載の撮像モジュールにおいて、例えば請求項9に記載の発明によるように、前記非球面レンズを魚眼レンズから構成すれば、このような撮像モジュールを、最小の構成をもって実現することができるようになる。
【0020】
またさらに、上記請求項1〜9のいずれかに記載の撮像モジュールにおいて、例えば請求項10に記載の発明によるように、前記イメージャの前記光像が結像されない領域に、同イメージャに結像された光像を画像処理する画像処理回路を設けることとすれば、前記イメージャの使用されていない領域が有効に活用され、当該撮像モジュールとしての体格の小型化を図ることができるようになる。
【0021】
また、上記請求項1〜10のいずれかに記載の撮像モジュールにおいて、例えば請求項11に記載の発明では、当該撮像モジュールを車両の車室内からフロントウインドウ越しに同車両の前方画像を撮像する撮像モジュールとして設け、前記注視領域に対応して前記イメージャに結像される光像に基づき当該車両前方の障害物を検出するとともに、前記周辺領域に対応して同イメージャに結像される光像に基づき当該車両の周囲照度を検出することとした。
【0022】
通常、当該車両前方の障害物としては、例えば当該車両の周辺に存在する車両、当該車両の前方に存在するトンネル、橋げた、あるいは当該車両のフロントウインドウ上に付着する雨滴などが挙げられ、これら障害物を検出するに際しては、その外形の認識を行うなど、所要の画像解析を施すに十分な高い解像度をもって歪みなく撮像された画像情報が必要となる。他方、当該車両の周囲照度を検出するにあたっては、適正な照度の検出を図るため、より広い画角をもって撮像された画像の画像情報が必要となる。この点、撮像モジュールとしての上記構成によれば、上記注視領域に対応してイメージャに結像される光像に基づき当該車両前方の障害物を検出するとともに、上記周辺領域に対応して同イメージャに結像される光像に基づき当該車両の周囲照度を検出するため、車載撮像モジュールとして特に望ましい特性を実現することができるようになる。
【0023】
なお、上記請求項11に記載の構成において、例えば請求項12に記載の発明によるように、前記イメージャを、前記周辺領域に対応して光像が結像される領域のうちの重力方向下方に位置する領域の一部が欠如された形状として構成することとすれば、当該車両の周辺に存在する車両および周囲照度の検出に必要とされる画像の画像情報を確保しつつも、画像処理にかかる負荷を最小限に抑えることができるようになる。またこの場合には、上記イメージャの欠如された部分に対する画像処理回路等の配設も容易となり、当該撮像モジュールとしてのさらなる小型化が期待できるようにもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(第1の実施の形態)
以下、この発明にかかる撮像モジュールの第1の実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0025】
この実施の形態では、以下に詳述するように、注視領域およびその周辺領域の2種の光像をイメージャに結像させる光学系として、魚眼レンズと、該魚眼レンズを透過した光像をイメージャに集光結像する凸レンズとを鏡筒内に、詳しくはその筒方向に沿うように備える。そしてこの魚眼レンズを、その中心部の断面曲率が周辺部の断面曲率よりも小さくなるよう形成することで、注視領域およびその周辺領域の各々に要求される撮像特性の好適な両立を図るようにしている。
【0026】
図1は、この発明にかかる撮像モジュールの第1の実施の形態を備える撮像装置について、その配設態様の一例を示したものである。また、図2(a)は、同実施の形態についてその内部構造を側面方向から示したものであり、図2(b)は、イメージャ上での撮像素子の配列態様および光像の結像態様を正面方向から模式的に示したものである。まず、これら図1および図2を参照しつつ、同撮像モジュールの構成および機能について説明する。
【0027】
図1に示されるように、当該撮像モジュールを備える撮像装置12は、例えば車両の車室内からフロントウインドウ11越しに同車両の前方画像を撮像する撮像装置12として車室内のルームミラー13の支持部に備えられており、大きくは、鏡筒12aおよび本体12bを有して構成されている。
【0028】
そしてこの実施の形態の撮像モジュールは、図2(a)に示されるように、その鏡筒12a内に、大きくは、
・中心部の断面曲率が周辺部の断面曲率よりも小さく形成され、同中心部がその表面から見て円形状に形成される魚眼レンズ(非球面レンズ)20。
・魚眼レンズ20を透過した光像をイメージャ51に集光結像する凸レンズ30。
・魚眼レンズ20と凸レンズ30との間に介在されて、魚眼レンズ20を透過した光の凸レンズ30への入射量を制限するアイリス(光量制限機構)40。
・基板50上に設けられて、撮像素子群が正方格子状に配列されたイメージャ51。
等々を備えて構成されている。
【0029】
ここで、魚眼レンズ20は、図2(a)に示されるように、その中心部の外表面は断面曲率Rn1をもって形成されており、その中心部の内表面は断面曲率Rn2をもって形成されている。他方、魚眼レンズ20は、同じく図2(a)に示されるように、その周辺部の外表面は断面曲率Rw1をもって形成されており、その周辺部の内表面は断面曲率Rw2をもって形成されている。そしてこれら断面曲率においては、図2(a)から明らかなように、また上述のように、「Rn1<Rw1」なる関係、および「Rn2<Rw2」なる関係が設定されている。すなわち、この魚眼レンズ20は、その中心部の断面曲率がその周辺部の断面曲率よりも小さくなるように形成されている。したがって、同図2(a)に示されるように、この魚眼レンズ20に入射する光像のうち、上記中心部に主に入射する注視領域の光像の上端あるいは下端の光はそれぞれ、光路LnuあるいはLndをたどり、その画角(撮像範囲)は「θn」となる。他方、同じく図2(a)に示されるように、魚眼レンズ20に入射する光像のうち、上記周辺部に主に入射する周辺領域の光像の上端あるいは下端の光はそれぞれ、光路LwuあるいはLwdをたどり、その画角は「θw」となる。すなわち、魚眼レンズ20の中心部を透過する光像(注視領域の光像)の画角θnは、その周辺部を透過する光像(周辺領域の光像)の画角θwよりも小さくなっている。
【0030】
また、図2(b)に示されるように、この実施の形態ではイメージャ51上において、魚眼レンズ20の中心部を透過した光像(注視領域の光像)が結像する領域Cnおよび同魚眼レンズ20の周辺部を透過した光像(周辺領域の光像)が結像する領域Cwに、同一の感度を持つ撮像素子PEが一定の密度をもって配列されている。なお、このイメージャ51において、上記領域Cwを除いた四隅の領域、すなわち光像が結像されることのない領域への撮像素子PEの配設は割愛している。
【0031】
このように構成された撮像モジュールにおいて、上記注視領域に対応してイメージャ51に結像される光像に基づき当該車両前方の障害物を検出するに際しては、図2(a)に示されるように、当該車両の周辺に存在する車両を含む注視領域の光像の上端に相当する光が、光路Lnuをたどってイメージャ51の領域Cnの下端に到達する。また、当該車両の周辺に存在する車両を含む注視領域の光像の下端に相当する光は、光路Lndをたどってイメージャ51の領域Cnの上端に到達する。すなわち、当該車両の周辺に存在する車両に相当する光像は、画角θnをもって同領域Cnに結像する。
【0032】
他方、周辺領域に対応してイメージャ51に結像される光像に基づき当該車両の周囲照度を検出するに際しては、同じく図2(a)に示されるように、当該車両の周囲照度に相当する周辺領域の光が、光路Lwuをたどってイメージャ51の領域Cwの下端に到達する。また、当該車両の周囲照度に相当する周辺領域の光は、光路Lwdをたどってイメージャ51の領域Cwの上端に到達する。すなわち、当該車両の周囲照度に相当する光は、画角θwをもって同領域Cwに結像する。
【0033】
そして、イメージャ51に配列された各撮像素子PEは、上述のようにして結像された光像の輝度に対応した電気信号を画像処理回路(図示略)に出力し、この画像処理回路においてコントラストの補償等、所要の画像処理が行われることで適正な画像情報が取得される。
【0034】
なお、当該車両の周辺に存在する車両を含む注視領域の光像はイメージャ51の領域Cnに結像するため、画角θnは小さいものの、これを高い解像度をもって歪みなく撮像することが可能となる。他方、当該車両の周囲照度に相当する周辺領域の光はイメージャ51の領域Cwに結像するため、解像度は低いものの、これを広い画角θwをもって撮像することが可能となる。
【0035】
次に、図3を併せ参照してこの実施の形態を通じて得られる画像についてさらに詳述する。ここで、図3は、この実施の形態を通じて得られる画像の一例を示した図である。なお、この図3に示す画像は、凸レンズ30によってその上下左右が反転されてイメージャ51上に結像されるが、ここでは便宜上、上下左右を反転しなおして図示している。
【0036】
同図3から明らかなように、上記注視領域に存在する当該車両の前方の車両FC1および道路上に描かれた文字Le1等は、相当する領域Cnにおいてその外形全体が歪みなく高い解像度をもって撮像されている。また、同じく図3から明らかなように、上記周辺領域に存在する太陽S1、雲C1、および建造物B1等も、広い画角をもって撮像されている。すなわち、当該車両の周辺に存在する車両および周囲照度の検出にあたって各々要求される特性の好適な両立が実現されている。
【0037】
以上説明したように、この第1の実施の形態の撮像モジュールによれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)注視領域およびその周辺領域の2種の光像をイメージャ51に結像させる光学系として、魚眼レンズ20と、該魚眼レンズ20を透過した光像をイメージャ51に集光結像する凸レンズ30とを鏡筒12aの筒方向に備え、同魚眼レンズ20を、その中心部の断面曲率が周辺部の断面曲率よりも小さくなるよう形成することとした。これにより、上記注視領域とする領域の光像を透過することの多い同中心部の画角θnは狭くなり、上記イメージャ51に配列された撮像素子PEの1つ当たりに捕捉される画角(撮像範囲)も相対的に狭くなる。また、その周辺領域の光像を透過することの多い同周辺部の画角θwは広くなり、上記イメージャ51に配列された撮像素子PEの1つ当たりに捕捉される画角も相対的に広くなる。すなわち、同一の画角を捕捉するために割り当てられる撮像素子PEの数は、上記注視領域とする領域の光像を透過することの多い中心部の方が、上記周辺領域の光像を透過することの多い周辺部よりも多くなる。したがって、上記注視領域とする領域の光像の画像情報は高い解像度でもって歪みなく取得され、他方、その周辺領域の光像の画像情報は広い画角をもって取得されるようになり、これら注視領域および周辺領域の各々に要求される特性の好適な両立を図ることができるようになる。
【0038】
(2)また、上記イメージャ51に正方格子状に配列する撮像素子群を構成する撮像素子PEの数を増加させることもないため、画像処理にかかる負荷を抑制することができるようにもなる。
【0039】
(3)上記光学系を、鏡筒12aの筒方向に、魚眼レンズ20と、該魚眼レンズ20を透過した光像をイメージャ51に集光結像する凸レンズ30とから構成することとした。これにより、簡素な構成ながらも、上記注視領域およびその周辺領域の光像をイメージャ51上に集光しにくくする要因であるいわゆる収差を容易に補正することができるようになる。
【0040】
(4)魚眼レンズ20と凸レンズ30との間に、魚眼レンズ20を透過した光の凸レンズ30への入射量を制限するアイリス40を介在させることとした。これにより、上記注視領域の光像および上記周辺領域の光像が、好適に分離されてイメージャに到達し、これら両領域の光像が相互に混入しない状態においてそれら光像が撮像されることとなる。すなわち、この撮像モジュールを通じて、高いコントラストをもつ画像の画像情報を取得することができるようになる。
【0041】
(5)またこの際、当所から高いコントラストをもつ画像の画像情報を取得することができるため、同画像情報のコントラストの補正等を行う画像処理にかかる負荷を好適に低減することができるようになる。
【0042】
(6)当該撮像モジュールを車両の車室内からフロントウインドウ11越しに同車両の前方画像を撮像する撮像モジュールとして設け、注視領域に対応してイメージャ51に結像される光像に基づき当該車両前方の障害物を検出するとともに、周辺領域に対応してイメージャ51に結像される光像に基づき当該車両の周囲照度を検出することとした。これにより、車載撮像モジュールとして特に望ましい特性を実現することができるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、この発明にかかる撮像モジュールの第2の実施の形態について、図4を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図4(a)は、この第2の実施の形態について、その内部構造を側面方向から示したものであり、図4(b)は、イメージャ上での結像態様を正面方向から模式的に示したものである。また、同図4において、先の図1〜図3に示した要素と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての重複する説明は割愛する。
【0043】
これら図4(a)および(b)に示されるように、この実施の形態の撮像モジュールも、基本的には先の図1〜図3に示した先の第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、同図4に示されるように、魚眼レンズと凸レンズとの間に、魚眼レンズを透過した光の凸レンズへの入射量を制限する光量制限機構として、撮像対象となる光像の光量変化に追従して凸レンズへの光入射量を自動調整するオートアイリスを介在させるようにしている。
【0044】
ちなみに、このオートアイリスは、図4(a)に示されるように、大きくはアイリス40aとアイリスモータ41とを有して構成されており、適宜の判断制御部(図示略)からの駆動指令に基づきモータ41を駆動させ、アイリス40aの開口度合いを可変制御するものである。
【0045】
このように構成された撮像モジュールにおいて、当該車両前方の障害物を検出する、あるいは当該車両の周囲照度を検出するに際しては、上述のように、各領域の光像がそれぞれイメージャ51上に結像する。そしてこのとき、例えば画像処理回路(図示略)を通じて得られる画像の画像情報におけるコントラストが低下している場合には、上記判断制御部によってアイリスモータ41が駆動され、上記アイリス40aの開口度合いを小さく設定する。これにより、上記画像処理回路を通じて得られる画像の画像情報におけるコントラストを好適に維持することが可能となる。
【0046】
以上説明したこの第2の実施の形態の撮像モジュールによれば、先の第1の実施の形態の上記(1)〜(6)の効果に加え、新たに以下のような効果が得られるようになる。
(7)魚眼レンズ20と凸レンズ30との間に、魚眼レンズ20を透過した光の凸レンズ30への入射量を制限する光量制限機構として、撮像対象となる光像の光量変化に追従して凸レンズ30への光入射量を自動調整するオートアイリス40aを介在させることとした。これにより、アイリス40aの開閉度合いを自動的に可変設定することができ、ひいては同撮像モジュールを通じて得られる画像の画像情報におけるコントラストを自動調整することができるようになる。
(第3の実施の形態)
次に、この発明にかかる撮像モジュールの第3の実施の形態について、図5を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図5(a)は、この第3の実施の形態について、その内部構造を側面方向から示したものであり、図5(b)は、イメージャ上での結像態様を正面方向から模式的に示したものである。
【0047】
これら図5(a)および(b)に示されるように、この実施の形態の撮像モジュールも、基本的には先の図1〜図3に示した先の第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、同図5に示されるように、魚眼レンズ20aの断面曲率を他の周辺部の断面曲率よりも小さく形成する領域を、魚眼レンズ20aの正面から見て矩形状に形成している。
【0048】
以上説明したこの第3の実施の形態の撮像モジュールによれば、先の第1の実施の形態の上記(1)〜(6)の効果に加え、新たに以下のような効果が得られるようになる。
(8)魚眼レンズ20aの断面曲率を他の周辺部の断面曲率よりも小さく形成する領域を、魚眼レンズ20aの正面から見て矩形状に形成することとした。これにより、例えばこの撮像モジュールを車載した場合に、上記注視領域とする領域の光像の画像情報は、当該車両の搭乗者等がフロントウインドウを介して車両前方を見る場合の画像情報とほぼ相似な撮像領域(形状)Snとなる。したがってこの場合、上記注視領域に存在する前方車両を検出するに特に有効な画像情報を取得することができるようになる。
(第4の実施の形態)
次に、この発明にかかる撮像モジュールの第4の実施の形態について、図6を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図6(a)は、この第4の実施の形態について、その内部構造を側面方向から示したものであり、図6(b)は、イメージャ上での結像態様を正面方向から模式的に示したものである。
【0049】
これら図6(a)および(b)に示されるように、この実施の形態の撮像モジュールも、基本的には先の図1〜図3に示した先の第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、同図6に示されるように、イメージャ51aを、上記周辺領域に対応して光像が結像される領域のうちの重力方向下方に位置する領域の一部が欠如された形状として構成している。
【0050】
以上説明したこの第4の実施の形態の撮像モジュールによれば、先の第1の実施の形態の上記(1)〜(6)の効果に加え、新たに以下のような効果が得られるようになる。
(9)イメージャ51aを、上記周辺領域に対応して光像が結像される領域のうちの重力方向下方に位置する領域の一部が欠如された形状として構成することとした。これにより、当該車両の周辺に存在する車両および周囲照度の検出に必要とされる画像の画像情報を確保しつつも、画像処理にかかる負荷を最小限にすることができるようになる。
(第5の実施の形態)
次に、この発明にかかる撮像モジュールの第5の実施の形態について、図7を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図7(a)は、この第5の実施の形態について、その内部構造を側面方向から示したものであり、図7(b)は、イメージャ上での結像態様を正面方向から模式的に示したものである。
【0051】
これら図7(a)および(b)に示されるように、この実施の形態の撮像モジュールも、基本的には先の図1〜図3に示した先の第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、同図7に示されるように、イメージャ51bの、光像が結像されない領域に、同イメージャ51bに結像された光像を画像処理する画像処理回路52を設けている。
【0052】
以上説明したこの第5の実施の形態の撮像モジュールによれば、先の第1の実施の形態の上記(1)〜(6)の効果に加え、新たに以下に記載の効果が得られるようになる。
(10)イメージャ51bの、光像が結像されない領域に、同イメージャ51bに結像された光像を画像処理する画像処理回路52を設けることとした。これにより、イメージャ51bの使用されていない領域が有効に活用され、当該撮像モジュールとしての体格の小型化を図ることができるようになる。
(第6の実施の形態)
次に、この発明にかかる撮像モジュールの第6の実施の形態について、図8を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図8(a)は、この第6の実施の形態について、その内部構造を側面方向から示したものであり、図8(b)は、イメージャ上での結像態様を正面方向から模式的に示したものである。
【0053】
これら図8(a)および(b)に示されるように、この実施の形態の撮像モジュールも、基本的には先の図1〜図3に示した先の第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、同図8に示されるように、魚眼レンズ20bと凸レンズ30aとを、鏡筒を兼ねて一体に形成している。
【0054】
以上説明したこの第6の実施の形態の撮像モジュールによれば、先の第1の実施の形態の上記(1)〜(6)の効果に加え、新たに以下のような効果が得られるようになる。
(11)魚眼レンズ20bと凸レンズ30aとを、鏡筒を兼ねて一体に形成することとした。これにより、部品点数や組立工数が減少し、ひいては生産コストの低減が図られるようになる。
(他の実施の形態)
なお、この発明にかかる撮像モジュールは上記各実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
【0055】
・上記各実施の形態では、イメージャ51(51a〜51b)上で光像が結像される領域Cn(Sn)およびCwに撮像素子を配列し、これら領域を除いた四隅の領域には撮像素子PEを配列しない構造としたが、撮像素子PEの配列態様はこれに限られない。このような光像が結像されない領域、あるいは光像が結像してもその画像の画像情報を必要としない領域にあっては、例えば、
(a)それら領域に対応した撮像素子PEの配列を割愛する(上記第4の実施の形態)。
【0056】

(b)イメージャ51上に結像された光像を画像処理する画像処理回路52を設ける(上記第5の実施の形態)。
(c)画像処理回路52に限らず、例えば画像の解析処理を通じて得られたコントラストに関する情報や車種に関する情報などを判断して適宜の制御を行う回路を組み込む。
等々、その使用態様は任意である。要は、光像が結像される領域に該光像を捕捉する撮像素子PEが配列されていれば、所期の目的を達成することはできる。
【0057】
・上記各実施の形態では、アイリス40あるいはオートアイリス40aを光量制限機構として採用し、これを魚眼レンズ20と凸レンズ30との間に介在させることで魚眼レンズ20を透過した光の凸レンズ30への入射量を制限していたが、これに限られない。要は、注視領域とする光像とその周辺領域の光像とを分離することができ、コントラストを維持する、あるいは向上させることのできる光量制限機構であれば、その構造は任意である。
【0058】
・上記各実施の形態では、魚眼レンズ20あるいは20aの断面曲率が他の周辺部の断面曲率よりも小さく形成される領域が、魚眼レンズ20あるいは20aの正面から見て円形状、あるいは矩形状に形成することとしたが、同領域の正面から見た形状に関してはこれに限られない。要は、注視領域においては当該車両の前方に存在する障害物を高い精度で歪みなく、照度にあってはできるだけ広い画角をもって撮像された画像の画像情報が取得できればよいのであって、その正面から見た形状は任意である。
【0059】
・上記各実施の形態では、非球面レンズの一例として魚眼レンズを採用して撮像モジュールを構成することとしたが、これに限られず、画角の広い広角レンズであればよい。
・上記各実施の形態では、光学系を構成する複数のレンズとして、非球面レンズと非球面レンズを透過した光像をイメージャに集光結合する凸レンズ30とからなることとしたが、この構成に限られない。光学系を構成する複数のレンズについてはこれを、より多くのレンズを採用して光学系を構成することとしてもよい。
【0060】
・上記各実施の形態においては、当該撮像モジュールを車両の車室内からフロントウインドウ越しに同車両の前方画像を撮像する撮像モジュールとして設け、該撮像モジュールを通じて得られる画像の画像情報に基づき当該車両前方の障害物あるいは当該車両の照度を検出することとしていたが、その用途はこれに限られない。当該撮像モジュールの用途についてはこれを、図1に対応する図として図9に示すように、例えば構造物の出入り口等の壁60などに設置して、この撮像モジュールを通じて得られる画像の画像情報に基づき訪問者や周辺の移動体を監視する防犯カメラとして設けることとしてもよい。いわば遠近2種の撮像対象をイメージャ51上に結像させる撮像モジュールとしての用途であれば、その適用対象は任意である。なお、イメージャ51上の上記領域Cwで移動体の光像を捕捉するとき、より高い解像度をもってこの移動体を撮像する、すなわち上記領域Cnでこの移動体の光像を捕捉するべく、撮像装置12自体を、駆動部70を通じて同移動体の方へ向けることとしてもよい。これにより、防犯カメラとしての機能をさらに高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明にかかる撮像モジュールの第1の実施の形態を備える撮像装置について、その設置態様の一例を示す側面図。
【図2】(a)は、同実施の形態についてその内部構造を側面方向から示す一部断面図。(b)は、イメージャ上での撮像素子群の配列態様および光像の結像態様を正面方向から模式的に示す正面図。
【図3】同実施の形態を通じて撮像される画像イメージの一例を示す図。
【図4】この発明にかかる撮像モジュールの第2の実施の形態について、(a)はその内部構造を側面方向から示す一部断面図。(b)は、イメージャ上での撮像素子群の配列態様および光像の結像態様を正面方向から模式的に示す正面図。
【図5】この発明にかかる撮像モジュールの第3の実施の形態について、(a)はその内部構造を側面方向から示す一部断面図。(b)は、イメージャ上での撮像素子群の配列態様および光像の結像態様を正面方向から模式的に示す正面図。
【図6】この発明にかかる撮像モジュールの第4の実施の形態について、(a)はその内部構造を側面方向から示す一部断面図。(b)は、イメージャ上での撮像素子群の配列態様および光像の結像態様を正面方向から模式的に示す正面図。
【図7】この発明にかかる撮像モジュールの第5の実施の形態について、(a)はその内部構造を側面方向から示す一部断面図。(b)は、イメージャ上での撮像素子群の配列態様および光像の結像態様を正面方向から模式的に示す正面図。
【図8】この発明にかかる撮像モジュールの第6の実施の形態について、(a)はその内部構造を側面方向から示す一部断面図。(b)は、イメージャ上での撮像素子群の配列態様および光像の結像態様を正面方向から模式的に示す正面図。
【図9】上記各実施の形態の撮像モジュールを備える撮像装置について、他の用途の一例を示す側面図。
【図10】従来の撮像モジュールの一例について、その構成要素間の電気的な接続態様および信号の流れを示すブロック図。
【図11】同従来の撮像モジュールについて、その概略構造および撮像対象とする対象物の光像の結像態様を模式的に示す側面図。
【図12】同従来の撮像モジュールを通じて撮像される画像イメージの一例を示す図。
【符号の説明】
【0062】
11…フロントウインドウ、12…撮像装置、12a、112a…鏡筒、12b、112b…本体、13…ルームミラー、20、20a、20b…魚眼レンズ(非球面レンズ)、30、30a…凸レンズ、40…アイリス(光量制限機構)、40a…オートアイリス、41…アイリスモータ、50…基板、51、51a、151…イメージャ、52、152…画像処理回路、60…壁、70…駆動部、120、130…レンズ、140…シールド、153…メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正方格子状に配列された撮像素子群からなるイメージャと該イメージャに注視領域およびその周辺領域の2種の光像を結像させる光学系とを鏡筒内に備える撮像モジュールであって、
前記光学系として鏡筒の筒方向に複数のレンズを備え、それらレンズのうちの1つが、中心部の断面曲率が周辺部の断面曲率よりも小さい非球面レンズとして形成されてなる
ことを特徴とする撮像モジュール。
【請求項2】
前記非球面レンズは、その中心部の、前記注視領域とする領域の光像が入射される領域に選択的に対応して、その断面曲率が他の周辺部の断面曲率よりも小さく形成されてなる
請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項3】
前記非球面レンズの前記断面曲率が他の周辺部の断面曲率よりも小さく形成される領域が、同非球面レンズの正面から見て円形状に形成されてなる
請求項2に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
前記非球面レンズの前記断面曲率が他の周辺部の断面曲率よりも小さく形成される領域が、同非球面レンズの正面から見て矩形状に形成されてなる
請求項2に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
前記光学系を構成する複数のレンズが、前記非球面レンズと、該非球面レンズを透過した光像を前記イメージャに集光結像する凸レンズとからなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項6】
前記非球面レンズと前記凸レンズとは、鏡筒を兼ねて一体に形成されてなる
請求項5に記載の撮像モジュール。
【請求項7】
前記非球面レンズと前記凸レンズとの間には、前記非球面レンズを透過した光の前記凸レンズへの入射量を制限する光量制限機構が介在されてなる
請求項5または6に記載の撮像モジュール。
【請求項8】
前記光量制限機構が、撮像対象となる光像の光量変化に追従して前記凸レンズへの光入射量を自動調整するオートアイリスからなる
請求項7に記載の撮像モジュール。
【請求項9】
前記非球面レンズが魚眼レンズからなる
請求項1〜8のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項10】
前記イメージャの前記光像が結像されない領域には、同イメージャに結像された光像を画像処理する画像処理回路が設けられてなる
請求項1〜9のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の撮像モジュールにおいて、
当該撮像モジュールが車両の車室内からフロントウインドウ越しに同車両の前方画像を撮像する撮像モジュールとして設けられてなり、前記注視領域に対応して前記イメージャに結像される光像に基づき当該車両前方の障害物を検出するとともに、前記周辺領域に対応して同イメージャに結像される光像に基づき当該車両の周囲照度を検出する
ことを特徴とする撮像モジュール。
【請求項12】
前記イメージャは、前記周辺領域に対応して光像が結像される領域のうちの重力方向下方に位置する領域の一部が欠如された形状を有してなる
請求項11に記載の撮像モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−333120(P2006−333120A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154337(P2005−154337)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】