説明

撮像装置、及び撮像装置の制御方法

【課題】連写の駒速に影響がないように顔検出ができる撮像装置を提供すること。
【解決手段】撮像装置は、被写体像を観察する光学ファインダー16と、この被写体像の光を用いて被写体像中の顔を検出する顔検出手段15と、この被写体像中に所定の表示を行う表示部40と、駒速を設定する駒速設定手段と、制御手段42を有する。制御手段42は、顔検出手段で被写体像中の顔の検出を行うときに、表示部による表示を停止させて停止時間中に顔検出の為の情報の蓄積が終了したら、表示部による表示を再開させるように制御する。また、制御手段42は、連写中は、駒速設定手段により設定される駒速に応じて、停止時間と、顔検出の為の情報の蓄積時間を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子スチルカメラ等の撮像装置に関し、特に、顔検出機能を供え連写可能な撮像装置の制御技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、多くのデジタルカメラ、特にコンパクトカメラにおいて、人間の顔を検出し、それを利用してオートフォーカス(AF)をより正確に行う機能が搭載されている。顔を検出する一般的な方法としては、次のものが知られている。すなわち、レンズを通して撮像素子上に結像された被写体像を光電変換して電気信号として取り込み、それをマイクロコンピュータが解析し、眉や人間の黒眼と白眼のコントラストなどの情報を基に、顔の位置を特定するというものが知られている。また、検出した顔の位置をユーザーに知らせる為に、顔の位置に表示を出すことも、一般的に行われている。更に、位相差AFとの組み合わせで、顔検出を確実に行う方法も提案されている。例えば、特許文献1では、被写体について位相差AFで焦点調節してレンズ駆動させた後で、ミラーをアップし、撮影する為の撮像素子上で顔検出することで、顔検出を確実に行わせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-64987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例では、撮像する為の撮像素子上で顔検出する構成なので、光学ファインダーを覗きながら顔検出することができなかった。つまり、ファインダーを覗きながら顔検出させる為には、この提案では、一眼レフカメラの構成においてペンタプリズムに導かれた光を、撮像素子上に取り込む必要がある。しかし、ファインダー光学系のペンタプリズムに導かれる光を利用する場合、ピント板上に配置されている焦点調節領域情報であるAF枠を示す為の液晶表示が被写体の顔と重なり、撮像素子により正確な顔検出が出来ないことが起こり得る(図3参照)。このことを無くすには、顔検出を行う時に液晶表示を停止する必要がある。更に、連写可能なカメラで、連写中は、決められた時間で顔検出をしないと決められた駒速を維持できないということがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑み、本発明の撮像装置は、被写体像を観察するための光学ファインダーと、
顔検出手段と、表示部と、駒速を設定する駒速設定手段と、制御手段と、を有する。顔検出手段は、光学ファインダーに向かって導かれる被写体像の光を用いて被写体像中の顔を検出するための手段である。表示部は、光学ファインダーに導かれる被写体像中に顔検出枠やAF枠などの所定の表示を行うためのものである。制御手段は、顔検出手段で被写体像中の顔の検出を行うときに、表示部による表示を停止させて停止時間中に顔検出の為の情報の蓄積が終了したら、表示部による表示を再開させるように制御する。また、制御手段は、連写中は、駒速設定手段により設定される駒速に応じて、前記停止時間と、前記顔検出の為の情報の蓄積時間を調整する。
【0006】
また、上記課題に鑑み、本発明の制御方法は、被写体像を観察するための光学ファインダーと、光学ファインダーに導かれる被写体像中に所定の表示を行うための表示部を具備し連写可能な撮像装置の制御方法であって、次の工程を有することを特徴とする。駒速を設定する駒速設定工程。光学ファインダーに向かって導かれる被写体像の光を用いて被写体像中の顔を検出する顔検出工程。前記顔検出工程において、被写体像中の顔の検出を行うときに、表示部による前記所定の表示を停止させて停止時間中に顔検出の為の情報の蓄積が終了したら、表示部による表示を再開させるように制御する制御工程。前記制御工程において、連写中は、前記駒速設定工程で設定された駒速に応じて、前記停止時間と、前記顔検出の為の情報の蓄積時間を調整する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、連写の駒速に応じて、顔検出処理のための顔検出情報の蓄積時間を決め、それに対応して、ファインダー内の液晶などによる表示を停止する時間も調整されるので、決められた駒速を維持して正確な顔検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例の前提となる構成を示す撮像装置の実施形態の概略ブロック図。
【図2】実施形態として適用した撮像装置の正面外観図と背面外観図。
【図3】光学ファインダー内の表示例を示す図。
【図4】カメラの撮影および設定処理の手順を示すフローチャート図。
【図5】測光演算動作の手順を示すフローチャート図。
【図6】撮影動作の手順を示すフローチャート図。
【図7】連写中の測光演算動作の手順を示すフローチャート図。
【図8】TFTによる駒速設定画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴は、決められた駒速を維持して正確な顔検出ができる様に、連写中は、設定駒速に応じて、光学ファインダーに導かれる被写体像中の所定の表示を停止させる停止時間と、該被写体像の光による顔検出の為の情報の蓄積時間を調整することにある。この考え方に基づき、本発明の撮像装置及びその制御方法は、課題を解決するための手段のところで述べた様な基本的な構成を有する。
【0010】
以下に、本発明の実施形態ないし実施例を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1と図2を用いて、実施例の前提となる構成を示す撮像装置の実施形態を説明する。図1は連写可能な撮像装置であるカメラの構成を示した図であり、図2はカメラの外観形状を示した図である。
【0011】
図1において、100は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットであり、200は、撮像装置全体を表している。レンズ5は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。6は、レンズがカメラ側と通信を行う為の通信端子であり、10は、カメラがレンズ側と通信を行う為の通信端子である。レンズユニット100は、この通信端子6,10を介して、制御手段であるマイクロコンピュータ42と通信する。そして、内部のレンズシステム制御回路4によって、絞り駆動回路2を介して絞り1の制御を行い、AF駆動回路3を介してレンズ5の位置を変位させることで焦点を合わせる。11はAFセンサーで、マイクロコンピュータ42にデフォーカス量情報を出力し、それに基づいてマイクロコンピュータ42はレンズユニット100を制御する。
【0012】
12はクイックリターンミラーで、露光の際にマイクロコンピュータ42から指示されて、不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。13はフォーカシングスクリーンで、撮影者は、ペンタプリズム14と光学ファインダー16を介して、フォーカシングスクリーン13を観察することで、レンズユニット100を通して得た被写体の光学像の焦点調節状態や構図の確認が可能となる。15は、顔を検出する顔検出手段を含むAE顔検知処理回路で、レンズユニット100を通した被写体の輝度を測光し、且つ、被写体に顔があるか否かを検出し、顔を発見したか否かの情報や、顔の位置情報、顔の大きさ情報を算出する。また、これらの情報をマイクロコンピュータ42に通知することも行う。
【0013】
17はフォーカルプレーンシャッターで、マイクロコンピュータ42の制御で撮像素子20の露光時間を自由に制御できる。18は光学フィルターで、一般的にローパスフィルターなどから構成され、フォーカルプレーンシャッター17より入ってくる光の高周波成分をカットして、撮像素子20に被写体像を導光する。撮像素子20としては、一般的にCCDやCMOS等の撮像素子が用いられ、レンズユニット100を通して撮像素子20上に結像された被写体像を光電変換して電気信号として取り込む。
【0014】
21はAMP回路であり、取り込まれた電気信号に対して、設定されている撮影感度に応じたゲインで撮影信号を増幅する。22は、A/D変換回路で、撮像素子20によって電気信号に変換されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。23は画像処理回路で、A/D変換回路22によってデジタル信号に変換された画像データに対して、フィルター処理、色変換処理、ガンマー/ニー処理を行い、メモリーコントローラ27に出力する。また、この画像処理回路23は、D/A変換回路も内蔵している。そして、A/D変換回路22によってデジタル信号に変換された画像データやメモリーコントローラ27より入力される画像データをアナログ信号に変換して、液晶駆動回路24を介して液晶表示部25に出力することも可能である。これらの画像処理回路23による画像処理及び表示処理は、マイクロコンピュータ42により切り替えられる。また、マイクロコンピュータ42は、撮影画像のカラーバランス情報を基にホワイトバランス調整も行う。
【0015】
メモリーコントローラ27は、画像処理回路23から入力された未処理の画像データをバッファメモリー26に格納したり、或いは画像処理済みの画像データをメモリー28に格納したり、逆にバッファメモリー26やメモリー28から画像データを取り込んで画像処理回路23に出力したりもする。また、メモリーコントローラ27は、USB(Universal Serial Bus),IEEE(Institute of Electrical and
Electronics Engineers)やHDMI(High-Definition Multimedia Interface)などの外部インタフェース29を介して送られてくる画像データをメモリー28に格納したり、逆にメモリー28に格納されている画像データを外部インタフェース29を介して外部に出力したりすることも可能である。メモリー28は、着脱可能な様態でもよく、図1では、着脱可能な場合のメモリーとして図示している。具体的には、コンパクトフラッシュ(登録商標)を用いることができる。
【0016】
32はタイミング制御回路であり、この回路32を介してマイクロコンピュータ42は撮像素子20の駆動タイミングを制御する。35は電源制御回路であり、電力はAC電源部30もしくは2次電池部31より供給され、マイクロコンピュータ42から指示を受けることで電源のオンオフを行う。また、電源状態検知回路34により検知された現在の電源状態の情報や電源種類検知回路33により検知された現在の電源の種類の情報をマイクロコンピュータ42に通知することも行う。
【0017】
36はシャッター制御回路であり、この回路を介してマイクロコンピュータ42はフォーカルプレーンシャッター17を制御する。37は光学フィルター振動制御回路であり、光学フィルター18に接続されている圧電素子19を振動させる回路である。光学フィルター18からのダスト除去のために、振動の振幅、振動時間、振動の軸方向をそれぞれ所定の値で圧電素子19を振動させるように、マイクロコンピュータ42の指示に従い振動させる。38は不揮発性メモリー(EEPROM)で、撮影者が任意に設定したシャッター速度、絞り値、撮影感度などの設定値やデータをカメラに電源が入れられていない状態でも、保存することができる。
【0018】
39は温度検出回路であり、カメラ内部の温度を検出する。40はファインダー内液晶表示部で、ファインダー内液晶駆動回路41を介して、現在オートフォーカスが行われている焦点調節エリア(AF枠)を示す枠や、カメラが認識している被写体の顔の位置を示す枠などが表示される。この様なファインダー内液晶表示部40としては、高いコントラストを得やすいPN(Polymer Network)液晶などを用いて、その光拡散性を利用した遮光型のスーパーインポーズ表示を行うものがある。また、表示部に、EL(エレクトロルミネセンス)などを用いることもできる。
【0019】
図2(a)、(b)は、それぞれ撮像装置全体200の外観形状背面と外観形状前面を示し、図1と共通する部分は、同じ記号で示している。図2(a)において、201はレリーズ釦であり、2段階のスイッチとなっている。釦201を半押しすることで、第一段階のスイッチ(測光/AF開始SW)が入り、被写体の輝度の測定や合焦を行ったり、また、顔検出機能が有効な場合は、被写体の顔がどこにあるかの測定を行ったりする。また、釦201を全押しすることで、第二段階のスイッチ(撮影操作SW)が入り、シャッターが切られ画像の撮影が行われる。202はメイン電子ダイヤルである。撮影者は、この電子ダイヤル202を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の設定を行ったり、拡大モード状態での拡大倍率の微調整を行ったりする。図2(a)では、レンズマウントの開口からミラー12が露出して見えている。
【0020】
図2(b)において、203はサブ電子ダイヤルである。撮影者は、この電子ダイヤル203を回すことで、絞りや露出補正などの設定値の設定を行ったり、画像表示状態での画像の1枚送り操作などを行ったりする。サブ電子ダイヤル203は、駒速設定手段の一部をも構成する。204は電源スイッチである。電源スイッチ204を回すことで電源のON及びOFFを行う。205は、各種設定を行う為のスイッチ群である。これらのスイッチ群205には、カメラ内外の記録媒体に保存されている画像を液晶表示部25に表示させる再生指示釦や、各種設定画面を液晶表示部25に表示させる為の設定画面表示指示釦などがある。撮影者はこれらのスイッチを押下することにより、各種設定を行う為の画面を表示させたり、撮影画像の確認を行ったりすることなどが可能となる。206はAF枠選択釦である。撮影者は、このスイッチ206を押下し、ファインダー内液晶表示部40や液晶表示部25に、選択可能なAF枠選択機能を表示させる。そして、メイン電子ダイヤル202やサブ電子ダイヤル203を操作することで、任意選択や自動選択といったAF枠選択機能を設定することが出来る。207は、MENU釦である。ユーザーは、この釦を押すことで、液晶表示部と各種設定を行う為のスイッチ群205を使って、各種設定を行うことができる。図3は、被写体をファインダーで覗いた場合のファインダー内表示図であり、AF枠と被写体の顔が被った場合の状態を表示している。
【0021】
以上の様に、本実施形態の撮像装置は、被写体像を観察する光学ファインダーと、光学ファインダーに導かれる被写体像の光を用いて被写体像中の顔を検出する顔検出手段と、被写体像中に所定の表示を行う表示部と、駒速設定手段と、制御手段を有する。制御手段は、後述する様に、顔検出手段で被写体像中の顔の検出を行うときに、表示部による所定の表示を停止させて停止時間中に顔検出情報を蓄積した後に、表示部による所定の表示を再開させるように制御する。蓄積した顔検出情報に基づく顔検出処理は、通常、表示部による所定の表示を再開した後に行われる。また、後述する様に、制御手段は、連写中は、駒速設定手段により設定される駒速に応じて、前記停止時間と、前記顔検出情報の蓄積時間を調整する。
【0022】
(実施例1)
以下、図4・図5・図6・図7・図8を参照して、本発明の第1の実施例に係る撮像システム装置について説明する。図4はカメラにおける撮影および設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理はマイクロコンピュータ42によって実行される。
【0023】
ステップ1において、レジスタの初期化、データの初期化、周辺部の初期化等の初期設定を行う。ステップ2において、メモリー変数の一つであるBv(被写体輝度データ)を10に初期化する。ステップ3において、各種設定を行う為のスイッチ群205、レリーズ釦、メイン電子ダイヤル、サブ電子ダイヤル等の状態を検出する。ステップ4において、カメラの各種設定を行うためのMENU釦207が押されているか否かを判別する。MENU釦207が押されている場合、ステップ5において、カメラの各種設定を行い、ステップ3の処理に戻る。一方、MENU釦207が押されていない場合は、ステップ6の処理に進む。ステップ5の各種設定において、駒速設定が行われる。
【0024】
ここで、駒速設定に関して、図8を使用して詳細に説明する。図8は、TFTによる駒速設定画面の図で、10〜1は設定できる駒速(1秒間に撮影される駒数)であり、点線で囲まれた駒速が現在選択されている駒速となる。駒速は、サブ電子ダイヤル203にて変更可能で、設定釦を押すことで、選択となる。
【0025】
図4に戻って、ステップ6において、測光/AF開始SWがオフであるか否かを判別する。測光/AF開始SWがオフである場合は、ステップS14へ移行する。そうでなければステップ7へ移行する。ステップ7において、測光と顔検出する為の情報の蓄積制御と顔検出を行う。ここで、図5の測光演算フローチャートで、詳細に説明する。
【0026】
図5のステップ21において、メモリー変数であるBvが15よりも大きいか判定し、大きければステップ22へ移行し、小さければステップ23へ移行する。ステップ22では、AEセンサーの蓄積時間(ms)を示すメモリー変数C_timeに10を入力し、ファインダー内液晶の消灯時間(ms)を示すメモリー変数O_timeに10を入力する。ステップ23において、メモリー変数であるBvが10よりも大きいか判定し、大きければステップ24へ移行し、小さければステップ25へ移行する。ステップ24では、AEセンサーの蓄積時間(ms)を示すメモリー変数C_timeに15を入力し、ファインダー内液晶の消灯時間(ms)を示すメモリー変数O_timeに15を入力する。ステップ25において、メモリー変数であるBvが5よりも大きいか判定し、大きければステップ26へ移行し、小さければステップ27へ移行する。ステップ26では、AEセンサーの蓄積時間(ms)を示すメモリー変数C_timeに30を入力し、ファインダー内液晶の消灯時間(ms)を示すメモリー変数O_timeに20を入力する。ステップ27において、AEセンサーの蓄積時間(ms)を示すメモリー変数C_timeに45を入力し、ファインダー内液晶の消灯時間(ms)を示すメモリー変数O_timeに20を入力する。この様に、本実施形態では、連写でない場合には、被写体輝度に応じて、AEセンサーの蓄積時間とファインダー内液晶の消灯時間(表示の停止時間)が調整される。
【0027】
ステップ28において、ファインダー内液晶駆動回路41を介して、ファインダー内液晶表示部40に表示されている液晶表示を消灯する。なお、本明細書で「液晶表示の消灯」とは、液晶による表示を無くす(停止する)ことで、これは、液晶分子の並び方(配向)を非表示状態に制御したり、配向はそのままでLEDなどの光源を消灯したりすること等を指す。反対に、「液晶表示の点灯」とは、液晶による表示を開始することで、これは、液晶分子の並び方(配向)を表示状態に制御したり、配向はそのままでLEDなどの光源を点灯したりすること等を指す。表示状態と非表示状態との間で、液晶に対する電圧印加状態や光源の状態をどの様に変化させるかは、液晶表示部の種類、構造などによって異なる。したがって、例えば、光源の点灯・消灯を伴わないで、表示状態で液晶への電圧印加をオンし、非表示状態で液晶への電圧印加をオフしたりすることもあるが、必ずしもこうした駆動態様とは限らない。
【0028】
ステップ29において、ファインダー内液晶消灯確認タイマーを開始する。ステップ30において、上記で決定された蓄積時間で、AE顔検知処理回路15に内蔵されているAEセンサーの情報の蓄積を開始する。ステップ31は、開始したファインダー内液晶消灯確認タイマーが終了したか否か判定し、終了していれば、ステップ32へ移行し、終了していなければステップ34へ移行する。ステップ32において、ファインダー内液晶が消灯しているかどうか判定し、消灯していればステップ33へ移行し、ファインダー内液晶を点灯させる。そうでなければ、ステップ34へ移行する。ステップ34において、AEセンサーの蓄積時間を確認して、蓄積完了していなければステップ31に戻り、蓄積が完了していれば、ステップ35へ移行する。
【0029】
ステップ35において、AE顔検知処理回路15により、被写体の輝度が算出される。ステップ36において、ステップ35で算出された輝度データをメモリー変数Bvへ入力し、次回のAEセンサー蓄積時間とファインダー内液晶の消灯時間の判定などに利用する。ステップ37において、AE顔検知処理回路15により、被写体に顔を発見したか否かの情報や、顔の位置情報、顔の大きさ情報などが算出されて、リターンする。この時点では、ファインダー内液晶表示部40に表示されている液晶表示は回復している。
【0030】
図4に戻って、ステップ8において、マイクロコンピュータ42は、レンズユニット100と通信を行い、レンズユニット100のレンズ情報を取得する。レンズ情報には、レンズ固有情報、焦点距離、絞り値、フォーカスレンズ位置などの情報が含まれている。ステップ9において、被写体に焦点を合わせるために、周知の位相差検出方式による測距演算を行う。ステップ10において、前述した測距演算によるデータをもとに、レンズ駆動量を算出してレンズを駆動する。ステップ11において、測光演算等により求められたシャッター秒時、絞り値等、カメラの情報を表示部により表示する。
【0031】
ステップ12において、撮影操作SWがオンならば、ステップ13へ移行し撮影動作を実行する。そうでなければ、ステップ14へ移行する。ここで、ステップ13の撮影動作を図6のフローチャートを使用して詳細に説明する。
【0032】
図6のステップ41において、ファインダー内液晶駆動回路41を介して、ファインダー内液晶表示部40に表示されている液晶表示を消灯する。ステップ42において、不図示のミラー制御回路に指示を出して、ミラーアップを開始し、ミラーアップ完了後にステップ43に移行する。ステップ43において、イメージセンサ(撮像素子20)の蓄積を開始する。ステップ44において、シャッター先幕を走行させて、イメージセンサ(撮像素子20)の露光を開始する。ステップ45において、シャッターの後幕走行が完了するまでループして、シャッターの後幕が走行完了したなら、ステップ46へ移行する。ステップ46において、イメージセンサー(撮像素子20)の蓄積を終了する。
【0033】
ステップ47において、モータ制御回路に指示を出し、シャッターとミラーのチャージをする。ステップ48において、撮影操作SWがオンであれば、ステップ49へ移行し、そうでなければ、ステップ53へ移行する。ステップ49において、連写中の測光演算の処理を行う。ここで、図7のフローチャートを使用して詳細に説明する。
【0034】
図7のステップ61において、駒速設定が10であるかどうかを判定し、10であれば ステップ62へ移行し、そうでなければステップ63へ移行する。ステップ62では、AEセンサーの蓄積時間(ms)を示すメモリー変数C_timeに10を入力し、ファインダー内液晶の消灯時間(ms)を示すメモリー変数O_timeに10を入力する。ステップ63において、駒速設定が9であるかどうかを判定し、9であればステップ64へ移行し、そうでなければステップ65へ移行する。ステップ64では、AEセンサーの蓄積時間(ms)を示すメモリー変数C_timeに15を入力し、ファインダー内液晶の消灯時間(ms)を示すメモリー変数O_timeに15を入力する。ステップ65において、駒速設定が8であるかどうかを判定し、8であればステップ66へ移行し、そうでなければステップ67へ移行する。ステップ66では、AEセンサーの蓄積時間(ms)を示すメモリー変数C_timeに20を入力し、ファインダー内液晶の消灯時間(ms)を示すメモリー変数O_timeに20を入力する。ステップ67において、AEセンサーの蓄積時間(ms)を示すメモリー変数C_timeに30を入力し、ファインダー内液晶の消灯時間(ms)を示すメモリー変数O_timeに30を入力する。
【0035】
ステップ68において、ファインダー内液晶駆動回路41を介して、ファインダー内液晶表示部40に表示されている液晶表示を消灯する。ステップ69において、ファインダー内液晶消灯確認タイマーを開始する。ステップ70において、上記で決定された蓄積時間で、AE顔検知処理回路15に内蔵されているAEセンサーの蓄積を開始する。ステップ71は、開始したファインダー内液晶消灯確認タイマーが終了したか否か判定し、終了していれば、ステップ72へ移行し、終了していなければステップ74へ移行する。ステップ72において、ファインダー内液晶が消灯しているかどうか判定し、消灯していればステップ73へ移行し、ファインダー内液晶を点灯させる。そうでなければ、ステップ74へ移行する。ステップ74において、AEセンサーの蓄積時間を確認して、蓄積完了していなければステップ71に戻り、蓄積が完了していれば、ステップ75へ移行する。このとき、消灯していたファインダー内液晶表示が点灯される。
【0036】
ステップ75において、AE顔検知処理回路15により、被写体の輝度が算出される。ステップ76において、ステップ75で算出された輝度データをメモリー変数Bvへ入力し、次回のAEセンサー蓄積時間とファインダー内液晶の消灯時間の判定などに利用する。ステップ77において、AE顔検知処理回路15により、被写体に顔を発見したか否かの情報や、顔の位置情報、顔の大きさ情報などが算出されて、リターンする。
【0037】
図6に戻って、ステップ50において、マイクロコンピュータ42は、レンズユニット100と通信を行い、レンズユニット100のレンズ情報を取得する。レンズ情報には、レンズ固有情報、焦点距離、絞り値、フォーカスレンズ位置などの情報が含まれている。ステップ51において、被写体に焦点を合わせるために、周知の位相差検出方式による測距演算を行う。ステップ52において、前述した測距演算によるデータをもとに、レンズ駆動量を算出してレンズを駆動する。次に、ステップ53において、イメージセンサ(撮像素子20)の信号読み出し処理を行う。ステップ54において、信号補正処理では、読み出した信号に補正処理を行う。ステップ55において、画像圧縮処理では、補正処理後の信号(画像信号)を所定の方法により圧縮を行う。ステップ56において、ヘッダー情報の作成を行う。ステップ57において、ヘッダー情報や画像信号等から、画像ファイルを作成する。ステップ58において、作成した画像ファイルをハードディスクに書き込みを行う。ステップ59において、撮影操作SWがオンであれば連写中なので、ステップ41へ戻り撮影を継続し、そうでなければこの撮影動作フローを終了する。
【0038】
図4に戻って、ステップ14において、電源スイッチ204がオンであれば、ステップ3へ移行する。カメラの電源スイッチ204がオンでなければ、ステップ15において、カメラの動作を終了させるために、周辺回路への電源オフの指示やデータの退避等の終了設定を行い、動作を終了する。以上説明したように、連写中は、設定されている駒速に応じて、顔検出の為の情報の蓄積時間が設定されるので、駒速に影響を与えずに、顔検出が可能となる。具体的には、駒速が大きいほど、顔検出の為の情報の蓄積時間を短く設定し、駒速に影響を与えずに顔検出を可能としている。ただし、駒速が最も大きいときの短い蓄積時間で顔検出機能が充分正確に果たせる場合には、全ての駒速において常にこの短い蓄積時間を設定することも可能である。要は、設定されている駒速に応じて、駒速に影響を与えずに充分に正確な顔検出が可能となるように顔検出の為の情報の蓄積時間、及び前記所定の表示の停止時間が設定されていれば良い。
【0039】
なお、上述した実施例の処理は、各機能を具現化したソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或いは装置に提供してもよい。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、前述した実施例の機能を実現することができる。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピィ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどを用いることができる。或いは、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMなどを用いることもできる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれている。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリーに書きこまれてもよい。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含むものである。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施形態ないし実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態ないし実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
15・・AE顔検知処理回路(顔検出手段)、16・・光学ファインダー、40・・ファインダー内液晶表示部(表示部)、42・・マイクロコンピュータ(制御手段)、203・・サブ電子ダイヤル(駒速設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を観察するための光学ファインダーと、
前記光学ファインダーに向かって導かれる被写体像の光を用いて被写体像中の顔を検出するための顔検出手段と、
前記光学ファインダーに導かれる被写体像中に所定の表示を行うための表示部と、
駒速を設定する駒速設定手段と、
前記顔検出手段により被写体像中の顔の検出を行うときに、前記表示部による前記所定の表示を停止させて該停止時間中に顔検出の為の情報の蓄積が終了したら、前記表示部による前記所定の表示を再開させるように制御するための制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、連写中は、前記駒速設定手段により設定される駒速に応じて、前記停止時間と、前記顔検出の為の情報の蓄積時間を調整することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記駒速設定手段により設定される駒速が大きいほど、前記停止時間と、前記顔検出の為の情報の蓄積時間を短くすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示部は、焦点調節エリアの表示を行うための液晶表示部であることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
被写体像を観察するための光学ファインダーと、前記光学ファインダーに導かれる被写体像中に所定の表示を行うための表示部を具備し連写可能な撮像装置の制御方法であって、
駒速を設定する駒速設定工程と、
前記光学ファインダーに向かって導かれる被写体像の光を用いて被写体像中の顔を検出する顔検出工程と、
前記顔検出工程において、被写体像中の顔の検出を行うときに、前記表示部による前記所定の表示を停止させて該停止時間中に顔検出の為の情報の蓄積が終了したら、前記表示部による前記所定の表示を再開させるように制御する制御工程と、
を有し、
前記制御工程において、連写中は、前記駒速設定工程で設定された駒速に応じて、前記停止時間と、前記顔検出の為の情報の蓄積時間を調整することを特徴とする制御方法。
【請求項5】
前記制御工程において、前記駒速設定工程で設定される駒速が大きいほど、前記停止時間と、前記顔検出の為の情報の蓄積時間を短くすることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−26879(P2013−26879A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160628(P2011−160628)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】