説明

撮像装置、撮像画像記録方法およびプログラム

【課題】パノラマ画像を作成する際の処理の負荷を低減させる。
【解決手段】撮像部112は、被写体を撮像して撮像画像を生成する。被写体距離算出部130は、被写体距離を算出する。撮像画像記録位置算出部140は、撮像画像の記録後に次に撮像画像を記録すべき位置(撮像画像記録位置)を、被写体距離に基づいて算出する。移動距離算出部160は、撮像装置100の移動距離を算出する。撮像画像記録指示部170は、撮像画像記録位置に撮像装置100が達した際に、次の撮像画像を記録する記録指示を行う。記録制御部113は、撮像画像記録指示部170からの記録指示に従って撮像画像を画像記憶部200に記録する。表示制御部190は、画像記憶部200に記録された撮像画像を記録順に並べて、パノラマ画像として表示部300に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に、被写体までの測距が可能な撮像装置、および、撮像画像記録方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市街地等の被写体を撮像して撮像画像を生成し、この撮像画像を記録するデジタルスチルカメラ等の撮像装置が普及している。また、これらの撮像装置により記録される複数枚の撮像画像を繋ぎ合わせ、比較的広い範囲の被写体を含むパノラマ画像を作成するパノラマ画像作成方法が提案されている。
【0003】
パノラマ画像作成方法として、例えば、複数の撮像画像における特徴点を抽出し、この抽出された特徴点を重ね合わせることにより、各撮像画像を繋ぎ合わせるパノラマ画像作成方法が提案されている。しかし、このパノラマ画像作成方法によりパノラマ画像を作成する場合には、各撮像画像から特徴点を抽出する必要があるため、この特徴点抽出に係る画像処理の負荷が大きいという問題があった。
【0004】
そこで、例えば、ビデオカメラにより撮影された画像データから、移動速度に応じて縦長一定の可変微小幅スリットを切り出し、このスリットを繋ぎ合わせることによりパノラマ画像を作成するパノラマ画像作成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−156818号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術によれば、パノラマ画像を作成する場合に、各撮像画像を繋ぎ合わせるための特徴点を各撮像画像から抽出する必要がないため、画像演算処理の負荷を低減させることができる。
【0006】
しかしながら、上述の従来技術では、一定のタイミングで撮像画像からスリットを切り出す必要があるため、画像データ中で破棄されるデータ量が多くなる。このため、撮像画像を有効に利用することができず、撮像画像の記録時における処理速度が低減するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、パノラマ画像を作成する際の処理の負荷を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、上記被写体までの距離である被写体距離を算出する被写体距離算出部と、現在位置および上記被写体距離に基づいて上記撮像画像を記録させる記録指示を行う撮像画像記録指示部と、上記記録指示に基づいて上記撮像画像を記録する記録制御部とを具備する撮像装置およびこれによる撮像画像記録方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、被写体までの距離(被写体距離)を算出し、現在位置および被写体距離に基づいて撮像画像を記録させる記録指示を行うという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記撮像画像が記録された後に上記撮像部により生成される撮像画像である第2の撮像画像を記録すべき位置である撮像画像記録位置を上記被写体距離に基づいて算出する撮像画像記録位置算出部をさらに具備し、上記撮像画像記録指示部は、上記撮像画像記録位置に上記撮像装置が達した際に上記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うようにしてもよい。これにより、撮像画像記録位置を被写体距離に基づいて算出し、この撮像画像記録位置に撮像装置が達した際に第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記撮像装置の特定方向の移動距離を取得する移動距離取得部をさらに具備し、上記被写体距離算出部は、上記撮像画像に含まれる被写体のうち上記特定方向の端部までの距離を上記被写体距離として算出し、上記記録位置算出部は、上記被写体距離に基づいて上記特定方向における上記撮像画像記録位置を算出し、上記撮像画像記録指示部は、上記取得された移動距離に基づいて上記撮像画像記録位置に上記撮像装置が達したか否かを判断して上記撮像画像記録位置に上記撮像装置が達した際に上記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うようにしてもよい。これにより、撮像装置の特定方向の移動距離を取得し、この取得された移動距離に基づいて撮像画像記録位置に撮像装置が達したか否かを判断し、撮像画像記録位置に撮像装置が達した際に第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記撮像装置の特定方向における現在位置を取得する現在位置取得部をさらに具備し、上記被写体距離算出部は、上記撮像画像に含まれる被写体のうち上記特定方向の端部までの距離を上記被写体距離として算出し、上記記録位置算出部は、上記被写体距離に基づいて上記特定方向における上記撮像画像記録位置を算出し、上記撮像画像記録指示部は、上記取得された現在位置が上記撮像画像記録位置に達した際に上記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うようにしてもよい。これにより、撮像装置の特定方向における現在位置を取得し、この取得された現在位置が撮像画像記録位置に達した際に第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記現在位置を取得する現在位置取得部と、上記撮像装置の上下方向を軸とする上記撮像装置の回動角度を検出する回動角度検出部とをさらに具備し、上記被写体距離算出部は、上記撮像画像に含まれる被写体のうち特定方向の端部までの距離を上記被写体距離として算出し、上記撮像画像記録指示部は、上記取得された現在位置と上記被写体距離と上記検出された回動角度とに基づいて上記撮像画像が記録された後に上記撮像部により生成される撮像画像である第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うようにしてもよい。これにより、撮像装置の現在位置を取得し、撮像装置の回動角度を検出し、この取得された現在位置と検出された回動角度と被写体距離とに基づいて第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記撮像画像記録指示部は、上記撮像画像の記録範囲を特定する角度である撮影角を一定とし、上記被写体距離および上記検出された回動角度に基づいて決定される上記第2の撮像画像を記録すべき位置に上記取得された現在位置が達した際に上記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うようにしてもよい。これにより、撮影角を一定とし、検出された回動角度および被写体距離に基づいて決定される撮像画像記録位置に現在位置が達した際に第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記撮像画像記録指示部は、上記第2の撮像画像を記録すべき位置である撮像画像記録位置を一定とし、上記撮像画像記録位置に上記取得された現在位置が達した際に上記被写体距離および上記検出された回動角度に基づいて上記撮像画像の記録範囲を特定する角度である撮影角を決定して当該決定された撮影角により特定される記録範囲内の上記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うようにしてもよい。これにより、撮像画像記録位置を一定とし、この撮像画像記録位置に現在位置が達した際に、検出された回動角度および被写体距離に基づいて撮影角を決定し、この撮影角により特定される記録範囲内の第2の撮像画像を記録させる記録指示を行うという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記撮像装置の振動を検出する振動検出部と、上記検出された振動に基づいて上記撮像画像の上下の記録範囲を補正する補正部とをさらに具備するようにしてもよい。これにより、撮像装置の振動を検出し、この検出された振動に基づいて撮像画像の上下の記録範囲を補正するという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記記録された撮像画像を記録順に並べてパノラマ画像として表示させる表示制御部をさらに具備するようにしてもよい。これにより、記録された撮像画像を記録順に並べてパノラマ画像として表示させるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、パノラマ画像を作成する際の処理の負荷を低減させることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。撮像装置100は、光学系111と、撮像部112と、記録制御部113と、レンズ121および122と、被写体距離算出部130と、撮像画像記録位置算出部140と、タイマ部150と、移動距離算出部160と、撮像画像記録指示部170と、操作受付部180と、表示制御部190と、画像記憶部200と、表示部300とを備える。撮像装置100は、例えば、撮像画像における所定領域の測距が可能なデジタルスチルカメラによって実現することができる。
【0020】
光学系111は、被写体からの光を集光する複数のレンズ(ズームレンズ、フォーカスレンズ等)から構成され、入射された被写体からの光がこれらのレンズおよびアイリス(図示せず)を介して撮像部112に供給される。
【0021】
撮像部112は、所定の撮像パラメータに従って、被写体からの入射光を変換して撮像画像を生成するものであり、生成された撮像画像を記録制御部113および表示制御部190に出力する。すなわち、撮像部112において、光学系111を介して入射された被写体からの光信号が撮像素子(図示せず)によりアナログの画像信号に光電変換される。そして、この光電変換されたアナログの画像信号が信号処理部(図示せず)によりノイズ除去等、A/D(Analog/Digital)変換処理等のカメラ信号処理が施される。このカメラ信号処理が施されたデジタル画像信号に対応する撮像画像が記録制御部113および表示制御部190に供給される。また、撮像部112は、撮像画像の所定位置に焦点合わせるための測距を行う。
【0022】
記録制御部113は、撮像画像記録指示部170により撮像画像の記録指示が出力された場合に、この記録指示の出力の際に撮像部112から出力された撮像画像を画像記憶部200に記録させるものである。
【0023】
レンズ121および122は、被写体距離算出部130による被写体までの距離の算出に用いられるレンズであり、被写体からの光を集光して被写体距離算出部130に供給する。
【0024】
被写体距離算出部130は、被写体からの入射光に基づいて被写体までの距離を算出するものであり、算出された被写体までの距離(被写体距離)を撮像画像記録位置算出部140に供給する。具体的には、レンズ121を介して入射された被写体からの光信号が第一センサアレイ(図示せず)によりアナログの画像信号に光電変換される。また、レンズ122を介して入射された被写体からの光信号が第二センサアレイ(図示せず)によりアナログの画像信号に光電変換される。そして、第一および第二センサアレイにより求められたアナログの画像信号に基づいて、三角測距の原理に従って、被写体までの距離および角度が算出される。ここで、本発明の実施の形態では、撮像画像における右端の中心領域に相当する被写体までの距離を被写体距離として被写体距離算出部130が算出する例について説明する。
【0025】
撮像画像記録位置算出部140は、被写体距離算出部130から出力された被写体距離に基づいて、前の撮像画像が記録された後に次の撮像画像を記録すべき位置である撮像画像記録位置を算出するものである。そして、算出された撮像画像記録位置を撮像画像記録指示部170に出力する。なお、撮像画像記録位置の算出については、図5を参照して詳細に説明する。
【0026】
タイマ部150は、移動距離算出部160による移動距離の算出に用いられるタイマ値を移動距離算出部160に順次供給するものである。ここでは、一例として、0.1秒毎に1つずつタイマ値がカウントアップされるものとする。
【0027】
移動距離算出部160は、撮像装置100の移動距離を算出するものであり、算出された移動距離を撮像画像記録指示部170に出力する。具体的には、移動距離算出部160は、操作受付部180により受け付けられた速度の値を保持し、この保持されている速度の値と、タイマ部150から供給されたタイマ値とを乗算することにより、撮像装置100の移動距離を算出する。なお、移動距離算出部160は、特許請求の範囲に記載の移動距離取得部の一例である。
【0028】
撮像画像記録指示部170は、撮像画像記録位置算出部140から出力された撮像画像記録位置と、移動距離算出部160から出力された移動距離とに基づいて、撮像画像を記録するタイミングを決定するものである。そして、決定されたタイミングに従って、記録制御部113に撮像画像の記録指示を出力する。この撮像画像記録タイミングの決定については、図5を参照して詳細に説明する。
【0029】
操作受付部180は、ユーザによって操作された操作内容を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作内容に応じた信号を移動距離算出部160、撮像画像記録指示部170または表示制御部190に出力する。例えば、パノラマ画像を作成するための撮像画像の記録が可能な状態にするパノラマ撮影モードにおいて、撮像画像の記録動作を開始するためのシャッターボタン181(図2、図3等に示す)等の操作部材が撮像装置100に備えられている。なお、本発明の実施の形態では、操作受付部180の一部と表示部300とを液晶パネル310(図2、図3等に示す)として一体で構成する例について説明する。ここで、液晶パネル310は、指等で触った領域を選択することができる選択ボタン等を表示するタッチパネルで構成されている。
【0030】
表示制御部190は、操作受付部180により受け付けられた表示指示操作に基づいて、画像記憶部200に記憶されている各撮像画像や撮像部112により生成された撮像画像を表示部300に表示させるものである。また、表示制御部190は、図2、図3等に示す各表示画面を表示部300に表示させる制御を行う。
【0031】
画像記憶部200は、記録制御部113から供給された撮像画像を記憶する画像記憶部である。また、画像記憶部200は、記憶されている撮像画像を表示制御部190に供給する。ここで、画像記憶部200には、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の画像データ等の各種データが記録される。また、画像記憶部200として、例えば、メモリカード、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ等の記録媒体を用いることができ、この記録媒体を、撮像装置100に内蔵するようにしてもよく、撮像装置100から着脱可能とするようにしてもよい。
【0032】
表示部300は、表示制御部190から供給された各撮像画像を表示するものである。なお、表示部300の表示例については、図2、図3等に示す。
【0033】
図2および図3は、本発明の実施の形態における液晶パネル310の表示例を示す図である。図2(a)には、撮像装置100において撮影モードや表示モードを設定する場合に用いられるモード設定メニュー画面の表示例を示す。モード設定メニュー画面には、例えば、「パノラマ撮影モード」設定ボタン311と、「パノラマ表示モード」設定ボタン312と、「ポートレートモード」設定ボタン313と、「風景撮影モード」設定ボタン314とが設けられている。
【0034】
「パノラマ撮影モード」設定ボタン311は、パノラマ撮影モードを設定する場合に押下されるボタンである。「パノラマ撮影モード」設定ボタン311が押下された場合における表示例は、図2(b)に示す。
【0035】
「パノラマ表示モード」設定ボタン312は、パノラマ撮影モードにおいて記録された撮像画像をパノラマ画像として表示させるための表示モードであるパノラマ表示モードを設定する場合に押下されるボタンである。「パノラマ表示モード」設定ボタン312が押下された場合における表示例は、図7に示す。
【0036】
「ポートレートモード」設定ボタン313は、人物を撮影するための撮影モードであるポートレートモードを設定する場合に押下されるボタンである。「風景撮影モード」設定ボタン314は、風景を撮影するための撮影モードである風景撮影モードを設定する場合に押下されるボタンである。なお、モード設定メニュー画面には、他の撮影モードや表示モードを設定するための設定ボタンを表示することが可能であるが、これらの設定ボタンの図示および説明は省略する。
【0037】
図2(b)には、図2(a)に示すモード設定メニュー画面において「パノラマ撮影モード」設定ボタン311が押下された後に表示される速度設定画面の一例を示す。図2(b)に示す速度設定画面は、パノラマ撮影を行う際における速度を設定する画面であり、例えば、「速度」選択領域321と、「確認」ボタン323と、「戻る」ボタン324とが設けられている。
【0038】
「速度」選択領域321は、パノラマ撮影を行う際における速度を選択するための領域である。ユーザが速度を選択する場合には、「速度」選択領域321に設けられているプルダウンボタン322を押下して、速度一覧を表示させ、この速度一覧の中から、所望の速度を選択する。図2(b)では、「50(km/h)」が選択された場合を示す。なお、速度一覧として、例えば、「25」、「30」、「35」、「40」、「45」、「50」等のように、5km/h単位でプルダウンメニューを表示させることができる。なお、この例では、速度一覧の中から所望の速度をユーザが選択する例について示すが、所望の速度をユーザが直接入力するようにしてもよい。
【0039】
「確認」ボタン323は、「速度」選択領域321で速度が選択された後に、図3(a)に示すパノラマ撮影開始画面に進むために押下されるボタンである。「戻る」ボタン324は、図2(b)に示す速度設定画面を、図2(a)に示すモード設定メニュー画面に戻す場合に押下されるボタンである。
【0040】
図3(a)には、図2(b)に示す速度設定画面において、「確認」ボタン323が押下された後に表示される表示画面の一例を示す。図3(a)に示すパノラマ撮影開始画面は、パノラマ撮影を開始する前に表示される画面であり、例えば、現在の設定モード表示領域331と、パノラマ撮影の操作説明表示領域332と、「戻る」ボタン333とが設けられている。また、これらの文字やボタンは、撮像部112により生成された撮像画像に重ねて表示される。
【0041】
現在の設定モード表示領域331は、「現在はパノラマ撮影モードが設定されています。」の文字が表示される領域である。これにより、パノラマ撮影モードが設定されていることをユーザに通知することができる。
【0042】
パノラマ撮影の操作説明表示領域332は、パノラマ撮影を行う際における操作説明が表示される領域である。これらの操作内容については、図5を参照して詳細に説明するため、ここでの説明を省略する。
【0043】
「戻る」ボタン333は、図3(a)に示すパノラマ撮影開始画面を、図2(b)に示す速度設定画面に戻す場合に押下されるボタンである。
【0044】
図3(b)には、図3(a)に示すパノラマ撮影開始画面のパノラマ撮影の操作説明表示領域332に表示されている操作内容に従って、撮像画像の記録操作が行われた後に表示される表示画面の一例を示す。
【0045】
図3(b)に示すパノラマ撮影終了画面は、パノラマ撮影が終了した際に表示される画面であり、例えば、現在の設定モード表示領域331と、次のパノラマ撮影の案内表示領域334と、「次のパノラマ撮影へ」ボタン335と、「解除」ボタン336とが設けられている。なお、現在の設定モード表示領域331は、図3(a)に示すものと同一であるため、同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
【0046】
次のパノラマ撮影の案内表示領域334は、パノラマ撮影が終了した際に、次のパノラマ撮影を行うか否かに応じた操作説明が表示される領域である。
【0047】
「次のパノラマ撮影へ」ボタン335は、引き続きパノラマ撮影を行う際に押下されるボタンである。「次のパノラマ撮影へ」ボタン335が押下されると、図3(a)に示すパノラマ撮影開始画面が表示される。
【0048】
「解除」ボタン336は、パノラマ撮影モードを解除して図2(a)に示すモード設定メニュー画面に戻す場合に押下されるボタンである。
【0049】
図4は、本発明の実施の形態における撮像装置100を用いてパノラマ画像を作成するための撮像画像の記録を行う場合における撮影状況の一例を示す図である。図4に示す例では、車400の助手席に乗った人420が撮像装置100を手で持ち、撮像画像の記録を行う例を示す。このように、例えば、一定の速度で移動することが可能な車400を用いて、進行方向410に対して直行する方向に撮像装置100のレンズ101を向けて撮像画像の記録操作を行う。
【0050】
図5は、本発明の実施の形態における撮像装置100を用いてパノラマ画像を作成するための撮像画像の記録を行う場合における撮像画像記録方法の一例、および、この撮像画像記録方法により記録された撮像画像を模式的に示す図である。図5(a)に示す例では、図4に示す車400に乗った人420が撮像装置100を用いて被写体面430の撮像画像をパノラマ画像として記録する場合について上側から見た状態を模式的に示す。ここで、被写体面430は、撮像装置100側の面が凹凸形状となっているものとする。
【0051】
図5(a)に示す例では、パノラマ画像を作成するための撮像画像の記録を行う際における撮像画像の記録範囲を特定する角度を撮影角とし、この撮影角として一定の値θを用いる場合について説明する。また、撮像装置100を手で持った人420が乗っている車400が進行方向440に一定の速度(図2(b)に示す速度設定画面で設定された速度)で移動していくものとする。このように移動している場合に、図3(a)に示すパノラマ撮影開始画面が表示されている状態でシャッターボタン181が押下されると、この押下の際における撮像画像が記録される。例えば、図5(a)では、撮像画像記録位置Pでシャッターボタン181が押下されたものとする。この押下の際における撮像範囲の左端部(撮像範囲の左側の境界付近)の中央付近と、被写体面430との交点を交点Xi−1とし、撮像範囲の右端部の中央付近と、被写体面430との交点を交点Xとする。また、これらの交点Xi−1および交点Xにより左右方向が特定される撮像範囲を「A」とする。
【0052】
また、撮像画像記録位置Pでシャッターボタン181が押下された際に、被写体距離算出部130により撮像画像記録位置Pから交点Xまでの距離Fが算出される。そして、以下の式1に従って、算出された距離Fと、撮影角θとを用いて、次の撮像画像記録位置までの距離Lが撮像画像記録位置算出部140により算出される。
=2×F×sin(θ÷2) …式1
【0053】
そして、撮像画像記録指示部170は、移動距離算出部160により順次算出される距離が、撮像画像記録位置算出部140により算出された距離Lになったか否かを順次監視する。移動距離算出部160により算出された距離が距離Lになった場合(撮像装置100の位置が撮像画像記録位置Pi+1になった場合)には、撮像画像記録指示部170が、記録制御部113に撮像画像の記録指示を出力する。これにより、撮像画像記録位置Pi+1において撮像画像が記録される。ここで、撮像画像記録位置Pの場合と同様に、撮像画像記録位置Pi+1における撮像範囲の左端部の中央付近と、被写体面430との交点を交点Xとし、撮像範囲の右端部の中央付近と、被写体面430との交点を交点Xi+1とする。また、これらの交点Xおよび交点Xi+1により左右方向が特定される撮像範囲を「B」とする。そして、撮像画像記録位置Pの場合と同様に、撮像装置100が撮像画像記録位置Pi+1に達した際に、被写体距離算出部130により撮像画像記録位置Pi+1から交点Xi+1までの距離Fi+1が算出される。そして、式1に従って、算出された距離Fi+1と、撮影角θとを用いて、次の撮像画像記録位置までの距離Li+1が撮像画像記録位置算出部140により算出される。以降は、ユーザによりシャッターボタン181が押下されまで、撮像画像の記録動作を繰り返す。例えば、図5(a)に示すように、撮像画像記録位置Pi+2において撮像画像が記録された後に、ユーザによりシャッターボタン181が押下された場合には、パノラマ撮影の動作を終了し、図3(b)に示すパノラマ撮影終了画面が液晶パネル310に表示される。
【0054】
図5(b)では、図5(a)に示す撮像画像記録位置P乃至Pi+2で記録された撮像画像を模式的に示す。撮像画像431は、撮像画像記録位置Pで記録された撮像画像であり、撮像画像431内に撮像範囲を表す「A」を示す。撮像画像432は、撮像画像記録位置Pi+1で記録された撮像画像であり、撮像画像432内に撮像範囲を表す「B」を示す。撮像画像433は、撮像画像記録位置Pi+2で記録された撮像画像であり、撮像画像433内に撮像範囲を表す「C」を示す。この撮像画像431乃至433の記録については、図6を参照して詳細に説明する。
【0055】
図6は、本発明の実施の形態における画像記憶部200に記憶されている内容を概略的に示す図である。画像記憶部200には、パノラマ画像ID201と、撮影順序番号202と、撮像画像203とが記憶されている。
【0056】
パノラマ画像ID201は、パノラマ撮影モードにおいて記録された一連の撮像画像を識別するための識別情報であるパノラマ画像IDであり、例えば、各グループの記録順序に応じて「#1」、「#2」、「#3」が格納される。すなわち、図3(a)に示すパノラマ撮影開始画面が表示されている状態でシャッターボタン181が押下されてから、次にシャッターボタン181が押下されるまでの間に記録された一連の撮像画像のグループについて、1つのIDが付与される。図6に示す例では、図5(a)に示す記録順序で記録された撮像画像431乃至433のグループには、「#1」が付与されているものとする。
【0057】
撮影順序番号202は、パノラマ撮影モードにおいて記録された一連の撮像画像について、1つのグループ内における各撮像画像の記録順序を示す番号である。例えば、図5に示す記録順序で記録された撮像画像431乃至433については、記録順序に応じて「1」乃至「3」が付与される。
【0058】
撮像画像203は、パノラマ撮影モードにおいて記録された一連の撮像画像である。図6に示す例では、図5に示す記録順序で記録された撮像画像431乃至433を模式的に「A」乃至「C」により表す。
【0059】
図7は、本発明の実施の形態における液晶パネル310の表示例を示す図である。図7(a)には、画像記憶部200に記憶されている撮像画像をパノラマ画像として表示させる場合に用いられるパノラマ画像表示選択画面の表示例を示す。なお、このパノラマ画像表示選択画面は、図2(a)に示すモード設定メニュー画面において「パノラマ表示モード」設定ボタン312が押下された後に表示される画面である。このパノラマ画像表示選択画面には、例えば、パノラマ画像選択ボタン451乃至453と、「戻る」ボタン454とが設けられている。
【0060】
パノラマ画像選択ボタン451乃至453は、画像記憶部200に記憶されている撮像画像をパノラマ画像として表示させる場合に押下されるボタンである。図7(a)に示す例では、画像記憶部200に記憶されている各撮像画像のうち、撮影順序番号202の「1」に対応する各撮像画像のみを表示する例について示す。なお、パノラマ画像選択ボタンとして、撮影場所や撮影時刻等を表すボタンを表示させるようにしてもよい。
【0061】
「戻る」ボタン454は、図7(a)に示すパノラマ画像表示選択画面を、図2(a)に示すモード設定メニュー画面に戻す場合に押下されるボタンである。
【0062】
図7(b)には、図7(a)に示すパノラマ画像表示選択画面においてパノラマ画像選択ボタン451が押下された後に表示されるパノラマ画像表示画面を示す。図7(b)に示すように、パノラマ画像表示画面には、パノラマ画像選択ボタン451に対応する画像記憶部200の撮像画像431乃至433が、撮影順序番号202に従って並べて表示される。ここで、撮像画像の数が多く、液晶パネル310に各撮像画像を表示することができない場合には、各撮像画像を縮小して表示させるようにしてもよい。また、液晶パネル310の両端に左右スクロールボタンを設け、各撮像画像を左右方向に移動可能に表示させるようにしてもよい。
【0063】
「戻る」ボタン455は、図7(b)に示すパノラマ画像表示画面を、図7(a)に示すパノラマ画像表示選択画面に戻す場合に押下されるボタンである。
【0064】
このように、パノラマ撮影モードにおいて記録された撮像画像をパノラマ画像として表示させる場合には、特別な画像処理を行わずに、画像記憶部200に記憶されている各撮像画像をパノラマ画像として表示させることができる。すなわち、画像記憶部200に記憶されている各撮像画像を記録順序に従って一列に並べて表示させることにより、各撮像画像をパノラマ画像として表示させることができる。
【0065】
次に、本発明の実施の形態における撮像装置100の動作について図面を参照して説明する。
【0066】
図8は、本発明の実施の形態における撮像装置100によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
最初に、パノラマ撮影モードが設定されているか否かが判断される(ステップS901)。ここで、パノラマ撮影モードが設定されている場合には、図3(a)に示すパノラマ撮影開始画面が液晶パネル310に表示されている。パノラマ撮影モードが設定されていない場合には(ステップS901)、パノラマ画像記録処理の動作を終了する。
【0068】
パノラマ撮影モードが設定されている場合には(ステップS901)、撮像画像記録指示部170が、撮影開始ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS902)。本発明の実施の形態では、図3(a)に示すパノラマ撮影開始画面が表示されている状態でシャッターボタン181が押下された場合に、撮影開始ボタンが押下されたと判断される。
【0069】
続いて、撮像部112により撮像画像が生成される(ステップS903)。続いて、撮像画像記録指示部170が、撮影開始ボタンが押下された直後であるか否かを判断する(ステップS904)。撮影開始ボタンが押下された直後である場合には(ステップS904)、撮像画像記録指示部170が、撮像画像の記録指示を記録制御部113に出力し、記録制御部113が、撮像部112により生成された撮像画像を画像記憶部200に記録する(ステップS905)。続いて、被写体距離算出部130が、撮像範囲の右端部の中央付近に相当する領域に含まれる被写体までの距離(被写体距離)を算出する(ステップS906)。
【0070】
続いて、撮像画像記録位置算出部140が、被写体距離算出部130により算出された被写体距離に基づいて、次の撮像画像記録位置を算出する(ステップS907)。続いて、撮像画像記録指示部170が、撮影終了ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS908)。本発明の実施の形態では、パノラマ画像の記録動作中にシャッターボタンが押下された場合に、撮影終了ボタンが押下されたと判断される。撮影終了ボタンが押下された場合には(ステップS908)、パノラマ画像記録処理の動作を終了する。
【0071】
撮影終了ボタンが押下されていない場合には(ステップS908)、ステップS903に戻り、パノラマ画像記録処理の動作を繰り返す(ステップS903乃至S910)。
【0072】
撮影開始ボタンが押下された直後でない場合には(ステップS904)、移動距離算出部160が、直前の撮像画像記録位置から現在までの移動距離を算出する(ステップS909)。続いて、撮像画像記録指示部170が、撮像画像記録位置算出部140により算出された次の撮像画像記録位置に、移動距離算出部160により算出された現在の移動距離が到達したか否かを判断する(ステップS910)。次の撮像画像記録位置に、現在の移動距離が到達した場合には(ステップS910)、撮像画像記録指示部170が、撮像画像の記録指示を記録制御部113に出力し、記録制御部113が、撮像部112により生成された撮像画像を画像記憶部200に記録する(ステップS905)。一方、次の撮像画像記録位置に、現在の移動距離が到達していない場合には(ステップS910)、ステップS908に進む。
【0073】
以上では、ユーザが手動で速度の値を入力して、この速度の値に基づいて現在の移動距離を算出する例について説明したが、例えば、加速度センサ等を用いて現在の移動距離を算出するようにしてもよい。また、例えば、撮像装置100を移動させる移動装置(車等)から速度の値を取得することができる場合には、この移動装置から取得された速度の値を用いて現在の移動距離を算出するようにしてもよい。さらに、例えば、撮像装置100を移動させる移動装置から移動距離の値を取得することができる場合には、この移動装置から取得された移動距離の値を直接用いるようにしてもよい。例えば、撮像装置100を移動させる車に、速度または移動距離を出力する出力端子を設け、この出力端子から速度または移動距離を撮像装置100が取得するようにしてもよい。
【0074】
また、以上では、現在の移動距離に基づいて撮像画像を記録するタイミングを決定する例について示したが、例えば、現在の位置に基づいて撮像画像を記録するタイミングを決定するようにしてもよい。例えば、図9に示すように、GPS(Global Positioning System)を用いることにより、撮像装置の現在位置を取得することができる。
【0075】
図9は、本発明の実施の形態における撮像装置102の機能構成例を示すブロック図である。ここで、撮像装置102は、図1に示す撮像装置100の一部を変形したものであり、タイマ部150、移動距離算出部160および撮像画像記録指示部170の代わりに、GPS信号処理部460および撮像画像記録指示部470を設けた撮像装置である。このため、図1に示す撮像装置100と同様の構成についての詳細な説明は省略する。また、他の構成についても、以下では、図1に示す撮像装置100と異なる点を中心に説明する。
【0076】
GPS信号処理部460は、GPS受信アンテナ(図示せず)により受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出するものであり、算出された位置情報を撮像画像記録指示部470に出力する。なお、この算出された位置情報には、緯度、経度、高度等の現在の位置に関する各データが含まれる。また、GPS信号処理部460は、特許請求の範囲に記載の現在位置取得部の一例である。
【0077】
撮像画像記録指示部470は、撮像画像記録位置算出部140から出力された撮像画像記録位置と、GPS信号処理部460から出力された現在の位置情報とに基づいて、撮像画像を記録するタイミングを決定するものである。すなわち、GPS信号処理部460から出力された位置情報により特定される現在の位置が、撮像画像記録位置算出部140から出力された撮像画像記録位置に達した場合に、撮像画像を記録することが決定される。
【0078】
なお、図9では、現在の位置の取得装置として、GPS信号処理部460を例にして説明したが、例えば、無線LAN(Local Area Network)による位置情報を取得する位置取得装置等を用いるようにしてもよい。また、ユーザが手動で速度の値を入力しない場合には、例えば、図2(b)に示す速度設定画面の表示を省略することができる。
【0079】
図10は、本発明の実施の形態における撮像装置100を、蛇行する道480を走行する車490に乗せた場合を示す図である。なお、被写体面430は、図5(a)に示す被写体面430と同一である。
【0080】
図1乃至図9では、直線上において撮像装置100を移動させながら、この直線と直行する直行方向の被写体を含む撮像画像を順次記録する例について説明した。しかしながら、図10に示すように、蛇行する道480を走行する車490に撮像装置100を乗せた状態では、撮像装置100の光軸方向が道480の曲がり具合に応じて変化する。このため、撮像画像の左右の両端部の領域が重複したり、撮像画像に含まれない領域が発生したりして、歪んだパノラマ画像が作成されるおそれがある。そこで、以下では、例えば、蛇行する道において撮像装置500を移動させながら、被写体を含む撮像画像を順次記録する場合について図面を参照して詳細に説明する。
【0081】
図11は、本発明の実施の形態における撮像装置500の機能構成例を示すブロック図である。ここで、撮像装置500は、図1に示す撮像装置100の一部を変形したものであり、記録制御部113、タイマ部150、移動距離算出部160および撮像画像記録指示部170の代わりに、記録制御部540、GPS信号処理部510、ジャイロセンサ520および撮像画像記録指示部530を設けるとともに、撮像画像記録位置算出部140を削除した撮像装置である。このため、図1に示す撮像装置100と同様の構成についての詳細な説明は省略する。また、他の構成についても、以下では、図1に示す撮像装置100と異なる点を中心に説明する。
【0082】
被写体距離算出部130は、算出された被写体距離を撮像画像記録指示部530に供給するものである。
【0083】
GPS信号処理部510は、GPS受信アンテナ(図示せず)により受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出するものであり、算出された位置情報を撮像画像記録指示部530に出力する。なお、この算出された位置情報には、緯度、経度、高度等の現在の位置に関する各データが含まれる。また、GPS信号処理部510は、特許請求の範囲に記載の現在位置取得部の一例である。
【0084】
ジャイロセンサ520は、互いに直交する3軸周りの角速度を検出する角速度センサであり、検出された角速度を撮像画像記録指示部530に出力する。なお、ジャイロセンサ520は、特許請求の範囲に記載の回動角度検出部の一例である。
【0085】
撮像画像記録指示部530は、被写体距離算出部130から出力された被写体距離と、GPS信号処理部510から出力された位置情報と、ジャイロセンサ520から出力された角速度とに基づいて撮像画像を記録するタイミングを決定するものである。そして、決定されたタイミングに従って、記録制御部540に撮像画像の記録指示を出力する。この撮像画像記録タイミングの決定については、図14を参照して詳細に説明する。
【0086】
記録制御部540は、撮像画像記録指示部530により撮像画像の記録指示が出力された場合に、この記録指示の出力の際に撮像部112から出力された撮像画像を画像記憶部200に記録させるものである。この撮像画像の記録については、図14を参照して詳細に説明する。
【0087】
図12は、本発明の実施の形態における液晶パネル310の表示例を示す図である。図12(a)には、図2(a)に示すモード設定メニュー画面において「パノラマ撮影モード」設定ボタン311が押下された後に表示されるパノラマ撮影開始画面の一例を示す。なお、この例では、図2(b)に示す速度設定画面の表示がされない。
【0088】
図12(a)に示すパノラマ撮影開始画面は、パノラマ撮影を開始する前に表示される画面であり、例えば、現在の設定モード表示領域331と、パノラマ撮影の操作説明表示領域552と、「戻る」ボタン333とが設けられている。また、これらの文字やボタンは、撮像部112により生成された撮像画像に重ねて表示される。なお、現在の設定モード表示領域331および「戻る」ボタン333については、図3(a)に示すものと同一であるため、同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。また、図12(b)に示す表示例は、図3(b)に示す表示例と同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0089】
パノラマ撮影の操作説明表示領域552は、パノラマ撮影を行う際における操作説明が表示される領域である。この例では、ユーザが手動で速度の値を入力する必要がなく、また、撮像装置500を直線上に移動させる必要がない。このため、これらの説明がない点が、図3(a)に示すパノラマ撮影の操作説明表示領域332の操作説明の内容と異なる。
【0090】
図13および図14は、本発明の実施の形態における撮像装置500を用いてパノラマ画像を作成するための撮像画像の記録を行う場合における撮像画像記録方法の一例を示す図である。図13に示す例では、蛇行する道600を走行する車610に乗った人が撮像装置500を用いて被写体面620の撮像画像をパノラマ画像として記録する場合について上側から見た状態を模式的に示す。ここで、被写体面620は、撮像装置500側の面が凹凸形状となっているものとする。また、図14では、図13に示す道600および車610を省略した状態を示す。
【0091】
図14に示す例では、パノラマ画像を作成するための撮像画像の記録を行う際における撮像画像記録位置Pでの撮影角を撮影角θi−1とする場合について説明する。この撮影角は、撮像画像の記録範囲を特定する角度である。ここで、撮像装置500を乗せた車が蛇行しながら移動している場合に、図12(a)に示すパノラマ撮影開始画面が表示されている状態でシャッターボタン181が押下されると、この押下の際における撮像画像が記録される。例えば、図14では、撮像画像記録位置Pでシャッターボタン181が押下されたものとする。この押下の際における撮像範囲の左端部の中央付近と、被写体面620との交点を交点Xi−1とし、撮像範囲の右端部の中央付近と、被写体面620との交点を交点Xとする。また、これらの交点Xi−1および交点Xにより左右方向が特定される撮像範囲が1枚目の撮像画像の記録範囲となる。
【0092】
続いて、次の撮像画像記録位置を撮像画像記録位置Pi+1と想定し、撮像画像記録位置Pから撮像画像記録位置Pi+1までの距離を距離Lと想定する。また、撮像画像記録位置Pi+1における撮影角を撮影角θとした場合において、撮像画像記録位置Pi+1における撮像範囲の左端部の中央付近と、被写体面620との交点を交点Xとする。同様に、撮像範囲の右端部の中央付近と、被写体面620との交点を交点Xi+1とする。また、これらの交点Xおよび交点Xi+1により左右方向が特定される撮像範囲が2枚目の撮像画像の記録範囲となる。
【0093】
ここで、撮像画像記録位置Pを始点とし、撮像画像記録位置Pi+1を終点とする線分をベクトルL(長さL)とする。また、撮像画像記録位置Pを始点とし、交点Xを終点とする線分をベクトルF(長さF)とする。さらに、撮像画像記録位置Pi+1を始点とし、交点Xを終点とする線分をベクトルR(長さR)とする場合には、以下の式2が成立する。
ベクトルF−ベクトルL=ベクトルR …式2
【0094】
ここで、撮像画像記録位置Pを原点(0,0)とし、ベクトルFの方向をy軸とし、ベクトルFと直行する方向をx軸としたxy平面座標を用いて説明する。このxy平面座標上において、ベクトルLとベクトルFとのなす角をφとし、撮像画像記録位置Pi+1における撮像装置500の光軸方向とベクトルFとのなす角をψとする。この場合に、撮像画像記録位置Pi+1におけるベクトルRとy軸とのなす角は、ψ−(θ/2)である。
【0095】
このように定義されたxy平面座標上における各値を、式2に代入すると、以下の式3が成立する。
(0,F)−(Lsinφ,Lcosφ)=
(−Rsin((θ/2)−ψ),Rcos((θ/2)−ψ)) …式3
【0096】
ここで、長さLは、GPS信号処理部510から出力された現在の位置情報に基づいて算出することができる。また、角度φ、ψは、ジャイロセンサ520から出力された角速度により算出することができる。さらに、長さFは、被写体距離算出部130から出力された被写体距離により特定することができる。しかしながら、式3において、長さRは、未知の値となる。このため、式3について、x座標に関する方程式と、y座標に関する方程式とを用いて、長さRを消去することにより、以下の式4を求めることができる。
sinφ×cos(ψ−(θ/2))
+(F−Lcosφ)×sin(ψ−(θ/2))=0 …式4
【0097】
撮像画像記録指示部530は、式4の条件を満たす距離L、および、撮影角θを用いて、撮像画像を記録するタイミングを決定する。ここで、式4は、2つの変数Lおよびθを含むため、撮像画像を記録するタイミングを決定する際には、何れか一方を定数とする必要がある。そこで、例えば、撮像画像記録指示部530は、直前の撮像画像記録位置Pから次の撮像画像記録位置Pi+1までの距離Lを一定(Li−1=L)とする場合には、現在の位置が一定の距離Lの位置に達した際に、式4の条件を満たす撮影角θを設定する。そして、撮像画像の記録指示とともに、設定された撮影角θを記録制御部540に出力する。一方、撮像画像記録指示部530は、撮影角θを一定(θi−1=θ)とする場合には、現在の位置が、式4の条件を満たす距離Lの位置に達した際に、撮像画像の記録指示とともに、一定の撮影角θを記録制御部540に出力する。また、これ以降の撮像画像記録位置Pi+2、Pi+3…における撮像画像記録タイミングについても同様に決定することができる。
【0098】
ここで、撮像装置500が直線上を移動する場合において、θ=θとすると、φ=π/2−θ/2であり、ψ=−θ/2である。そして、これらの各値を式4に代入すると、上述した式1と一致する。このため、図14に示す例は、撮像装置500が直線上を移動する場合についても適用することができる。
【0099】
次に、本発明の実施の形態における撮像装置500の動作について図面を参照して説明する。
【0100】
図15は、本発明の実施の形態における撮像装置500によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、図8に示す処理手順の変形例であり、図15に示すステップS921乃至S923以外の処理手順については、図8に示す処理手順と同一であるため、同一の符号を付し、ここでの説明を省略する。なお、図15では、撮影角を一定とする場合について説明する。
【0101】
撮影開始ボタンが押下された直後でない場合には(ステップS904)、撮像画像記録指示部530が、被写体距離算出部130から出力された被写体距離と、GPS信号処理部510から出力された位置情報と、ジャイロセンサ520から出力された角速度とに基づいて、現在の位置が式4を満たす位置に到達したか否かを判断する(ステップS921)。現在の位置が式4を満たす位置に到達した場合には(ステップS921)、ステップS905に進む。
【0102】
現在の位置が式4を満たす位置に到達していない場合には(ステップS921)、GPS信号処理部510が位置情報を取得し(ステップS922)、ジャイロセンサ520が角速度を取得する(ステップS923)。
【0103】
図16は、本発明の実施の形態における撮像装置500によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、図15に示す処理手順の変形例であり、図16に示すステップS931乃至S933以外の処理手順については、図15に示す処理手順と同一であるため、同一の符号を付し、ここでの説明を省略する。なお、図16では、直前の撮像画像記録位置から次の撮像画像記録位置までの距離を一定(一定距離)とする場合について説明する。
【0104】
撮影開始ボタンが押下された直後でない場合には(ステップS904)、撮像画像記録指示部530が、GPS信号処理部510から出力された位置情報に基づいて、現在の位置が一定距離の位置に到達したか否かを判断する(ステップS931)。現在の位置が一定距離の位置に到達した場合には(ステップS931)、撮像画像記録指示部530が、被写体距離算出部130から出力された被写体距離と、ジャイロセンサ520から出力された角速度とに基づいて、式4を満たす撮影角を設定する(ステップS932)。続いて、記録制御部540が、設定された撮影角に基づいて撮像画像の記録範囲を決定し、この決定された記録範囲内の撮像画像を画像記憶部200に記録する(ステップS933)。なお、撮影開始ボタンが押下された直後である場合には(ステップS904)、記録制御部540が、予め設定された撮影角に基づいて撮像画像の記録範囲を決定し、この決定された記録範囲内の撮像画像を画像記憶部200に記録する(ステップS933)。現在の位置が一定距離の位置に到達していない場合には(ステップS931)、ステップS922に進む。
【0105】
ここで、例えば、パノラマ画像を作成するための撮像画像を記録する場合において、例えば、移動装置として車を用いる場合には、車の移動中に道の表面上の凹凸に応じて、車が上下方向に振動することが考えられる。また、撮像装置を手で持っているユーザにより、光軸方向に振動することも考えられる。このような場合でも、適切にパノラマ画像を作成するため、以下では、これらの微小な動き等に対応するための画像の補正について図面を参照して詳細に説明する。
【0106】
図17は、本発明の実施の形態における撮像装置700の機能構成例を示すブロック図である。ここで、撮像装置700は、図11に示す撮像装置500の一部を変形したものであり、記録制御部540の代わりに記録制御部730を設けるとともに、加速度センサ710を設けた撮像装置である。このため、図11に示す撮像装置500と同様の構成についての詳細な説明は省略する。また、他の構成についても、以下では、図11に示す撮像装置500と異なる点を中心に説明する。
【0107】
ジャイロセンサ520は、検出された角速度を撮像画像記録指示部530および記録制御部730に出力するものである。なお、ジャイロセンサ520は、特許請求の範囲に記載の振動検出部の一例である。
【0108】
加速度センサ710は、互いに直交する3軸の加速度(すなわち、単位時間当たりの速度の変化)を検出する加速度センサであり、検出された加速度を記録制御部730に出力する。なお、加速度センサ710は、特許請求の範囲に記載の振動検出部の一例である。
【0109】
記録制御部730は、撮像画像記録指示部530により撮像画像の記録指示が出力された場合に、この記録指示の出力の際に撮像部112から出力された撮像画像を画像記憶部200に記録させるものである。また、この撮像画像の記録の際に、記録制御部730は、ジャイロセンサ520から出力された角速度と、加速度センサ710から出力された加速度とに基づいて撮像画像を補正して記録する。なお、この撮像画像の補正については、図18乃至図21を参照して詳細に説明する。また、記録制御部730は、特許請求の範囲に記載の補正部の一例である。
【0110】
最初に、撮像装置700が光軸方向に対する左右方向を軸として回動する場合について図面を参照して詳細に説明する。なお、図18乃至図20では、撮像装置700の右側面を示す。また、被写体面800は、例えば、山のような傾斜となっている面であるものとする。
【0111】
図18は、本発明の実施の形態における撮像装置700が光軸方向に対する左右方向を軸として回動して振動する場合における撮像画像の補正方法の一例を示す図である。ここで、図18に示す例では、撮像装置700により、撮像可能範囲である画角Ωよりも小さい撮影角ωで撮像画像の記録が行われているものとする。また、回動前の撮像装置700を点線で示し、回動前の撮像装置700の測距点を測距点Si−1として表す。なお、撮像装置700の回動後に補正を行わなかった場合に想定される測距点を測距点Sとして表す。
【0112】
例えば、撮像装置700が矢印810の方向に角度ηだけ回動した場合には、記録制御部730は、角度ηだけキャンセルする方向に撮像画像を補正する。ここで、角度ηは、ジャイロセンサ520により検出することができる。すなわち、撮像装置700が、矢印810の方向に角度ηだけ回動した場合でも、補正角ηを用いて撮像画像を補正することにより、上下方向の記録範囲を回動前と同一として撮像画像の記録を行うことができる。
【0113】
次に、撮像装置700が上下方向に移動する場合について図面を参照して詳細に説明する。
【0114】
図19は、本発明の実施の形態における撮像装置700が上下方向に移動する場合における撮像画像の補正方法の一例を示す図である。ここで、図19に示す例では、図18に示す例と同様に、撮像装置700により撮影角ωで撮像画像の記録が行われているものとする。また、移動前の撮像装置700を点線で示し、移動前の撮像装置700の測距点を測距点Si−1として表す。なお、撮像装置700の移動後に補正を行わなかった場合に想定される測距点を測距点Sとして表す。
【0115】
例えば、図19に示すように、撮像装置700が上下方向の下側に移動量hだけ移動して位置Pi−1が位置Pに変更された場合について説明する。このように、上下方向のズレを補正する場合には、測距点Si−1を基準として補正することにより補正角を決定することができる。
【0116】
ここで、移動前の位置Pi−1における測距点Si−1に対する上下方向からの角度γi−1は、予め設定されているものとする。また、移動前の位置Pi−1における被写体距離fi−1は撮像部112により求められる。さらに、移動量hは、加速度センサ710により検出することができる。また、測距点Si−1から光軸方向に下ろした直線と、位置Pi−1を含む上下方向の直線との交点をQi−1とする。この場合には、以下の式5および式6を用いて、直線Si−1i−1、直線Qi−1を求めることができる。
i−1i−1=fi−1×sinγi−1 …式5
i−1=h+Qi−1i−1=h−fi−1×cosγi−1 …式6
【0117】
また、三角形Si−1i−1について、tan(π−γ)=Si−1i−1/Qi−1が成立するため、γについては、以下の式で求めることができる。
γ=π−tan−1(Si−1i−1/Qi−1
=π−tan−1{(fi−1×sinγi−1)/(h−fi−1×cosγi−1)}
【0118】
このようにして求められたγを用いて、以下の式7で補正角ηを求めることができる。
η=γ−γi−1
=π−tan−1{(fi−1×sinγi−1
/(h−fi−1×cosγi−1)}−γi−1 …式7
【0119】
このようにして求められた補正角ηを用いて撮像画像を補正することにより、上下方向の記録範囲を移動前と同一として撮像画像の記録を行うことができる。
【0120】
次に、撮像装置700が光軸方向に微小だけ移動する場合について図面を参照して詳細に説明する。
【0121】
図20は、本発明の実施の形態における撮像装置700が光軸方向に移動する場合における撮像画像の補正方法の一例を示す図である。ここで、図20に示す例では、撮像装置700により撮影角ωi−1で撮像画像の記録が行われているものとする。また、移動前の撮像装置700を点線で示し、撮像装置700の測距点を測距点Si−1として表す。なお、この例では、近似式を用いて補正角を算出する例について説明する。
【0122】
例えば、図20に示すように、撮像装置700が光軸方向の遠方側に移動量Lだけ移動して位置Pi−1が位置Pに変更された場合について説明する。このように、光軸方向のズレを補正する場合には、測距点Si−1を基準として補正することにより補正角を決定することができる。
【0123】
ここで、移動前の位置Pi−1における測距点Si−1に対する光軸方向からの角度δi−1は、予め設定されているものとする。また、移動前の位置Pi−1における被写体距離fi−1は撮像部112により求められる。また、測距点Si−1から上下方向に下ろした直線と、位置Pi−1およびPを含む光軸方向の直線との交点をTi−1とする。この場合には、三角形Si−1i−1について、δに関する以下の式8が成立する。
tanδ=fi−1×sinδi−1÷(fi−1×cosδi−1−L) …式8
【0124】
また、被写体面800の傾斜が垂直に近く、ωの変化量(Δω=ω−ωi−1)およびδの変化量(Δδ=δ−δi−1)のそれぞれが十分小さい値の場合には、以下の近似式が成り立つ。
ω=ωi−1×(δ/δi−1
【0125】
この近似式を用いて、以下の式9に示すように、移動後の撮影角ωを算出することができる。
ω=ωi−1×[tan−1{fi−1×sinδi−1
÷(fi−1×cosδi−1−L)}/δi−1] …式9
【0126】
このようにして求められた撮影角ωを用いて撮像画像を補正することにより、上下方向の記録範囲を移動前と同一として撮像画像の記録を行うことができる。なお、図18乃至図20では、3種類の補正方法について説明したが、これらの補正方法を同時に行うようにしてもよい。また、これらの補正方法と他の補正方法との組合せ、または、他の補正方法により、撮像装置700の微小な動きに対応する撮像画像の補正を行うようにしてもよい。
【0127】
図21は、本発明の実施の形態における記録制御部730により補正される撮像画像を概略的に示す図である。この例では、パノラマ画像を作成するため、連続して記録される3枚の撮像画像を例にして説明する。例えば、記録制御部730は、撮像可能範囲831よりも狭い範囲を撮像画像の記録範囲841として1枚目の撮像画像の記録を行う。そして、次の撮像画像記録位置において、図19に示すように、上下方向の下側に撮像装置700が移動する場合を考える。この場合には、例えば、記録制御部730は、撮像可能範囲832において、通常の撮影角により特定される撮像画像の記録範囲852を補正量H12だけ移動させて、撮像画像の記録範囲842として撮像画像の記録を行う。一方、次の撮像画像記録位置において、上下方向の上側に撮像装置700が移動する場合には、例えば、記録制御部730は、撮像可能範囲833において、通常の撮影角により特定される撮像画像の記録範囲853を補正量H13だけ移動させて、撮像画像の記録範囲843として撮像画像の記録を行う。
【0128】
このように、撮像装置700に振動等が加えられた場合でも、上述した補正を行うことにより、撮像画像の上下方向の両端における領域の継ぎ目を適切に合わせることができるように、撮像画像を補正することができる。
【0129】
次に、本発明の実施の形態における撮像装置700の動作について図面を参照して説明する。
【0130】
図22は、本発明の実施の形態における撮像装置700によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、図15に示す処理手順の変形例であり、図22に示すステップS941以外の処理手順については、図15に示す処理手順と同一であるため、同一の符号を付し、ここでの説明を省略する。
【0131】
撮影開始ボタンが押下された直後である場合(ステップS904)、または、現在の位置が式4を満たす位置に到達した場合には(ステップS921)、撮像画像記録指示部530が、撮像画像の記録指示を記録制御部730に出力する。これにより、記録制御部730が、ジャイロセンサ520から出力された角速度と、加速度センサ710から出力された加速度とに基づいて、撮像部112により生成された撮像画像を補正する(ステップS941)。続いて、記録制御部730が、補正後の撮像画像を画像記憶部200に記録する(ステップS905)。
【0132】
以上で示したように、本発明の実施の形態によれば、パノラマ画像を作成する場合に、重複領域のない撮像画像を順次記録して、撮像画像のトリミング等の処理を不要とするため、特別な画像処理を行うことなくパノラマ画像を迅速に記録することができる。また、記録された撮像画像を全て使用してパノラマ画像を表示させるため、無駄な画像データの発生を防止することができる。さらに、パノラマ画像として記録された一連の撮像画像を、パノラマ画像として表示する場合には、記録順に表示するのみでパノラマ画像として表示することができるため、特別な画像処理を行うことなく簡易的に表示することができる。これらにより、パノラマ画像の記録時および表示時における処理の負荷を低減することができる。このため、例えば、小型のデジタルスチルカメラや携帯電話機等においても、特別な画像処理を行うための装置を用けることなくパノラマ画像を作成することができる。また、画像記憶部200にパノラマ画像として記憶されている撮像画像を、例えば、パーソナルコンピュータにおいて表示させる場合でも、特別な画像処理を行うための装置を用いることなく簡易的にパノラマ画像を表示することができる。
【0133】
なお、本発明の実施の形態では、撮像装置を移動させる移動装置として、車を例にして説明したが、電車等の移動装置に乗って撮像装置を移動させるようにしてもよい。また、例えば、ラジオコントロールカー等の移動装置を用いて無線操作により撮像装置を移動させるようにしてもよい。
【0134】
また、本発明の実施の形態では、現在位置取得部として、GPS信号処理部を撮像装置に設けた例について説明したが、例えば、撮像装置を乗せた車に設けられているカーナビゲーションシステム等からGPS情報を取得するようにしてもよい。また、撮像装置の回動角度を検出する装置として、ジャイロセンサを用いる例にして説明したが、例えば、地磁気センサ等のセンサを用いるようにしてもよい。
【0135】
また、本発明の実施の形態では、被写体距離算出部130による三角測距の原理に基づいて、被写体距離を算出する例について説明したが、例えば、撮像装置の移動速度が十分遅い場合には、AF(オートフォーカス)による距離測定方法を用いるようにしてもよい。すなわち、撮像画像の記録には、AFにより撮像画像の中心位置に焦点を合わせ、撮像画像の記録の直前または直後に、撮像画像記録位置の算出等に用いられる被写体距離をAFにより算出することができる。
【0136】
また、カムコーダ(camcorder:camera and recorder)や撮像部を備える携帯電話機等の撮像装置に本発明の実施の形態を適用することができる。
【0137】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、上述したように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0138】
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード(memory card)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等の記録媒体を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における液晶パネル310のパノラマ撮影モードを設定する際の表示例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における液晶パネル310のパノラマ撮影モードが設定されている場合の表示例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における撮像装置100を用いてパノラマ画像を作成するための撮像画像の記録を行う場合における撮影状況の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における撮像装置100を用いてパノラマ画像を作成するための撮像画像の記録を行う場合における撮像画像記録方法の一例、および、この撮像画像記録方法により記録された撮像画像を模式的に示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における画像記憶部200に記憶されている内容を概略的に示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における液晶パネル310の表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における撮像装置100によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における撮像装置102の機能構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態における撮像装置100を、蛇行する道480を走行する車490に乗せた場合を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における撮像装置500の機能構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態における液晶パネル310の表示例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における撮像装置500を用いてパノラマ画像を作成するための撮像画像の記録を行う場合における撮像画像記録方法の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における撮像装置500を用いてパノラマ画像を作成するための撮像画像の記録を行う場合における撮像画像記録方法の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態における撮像装置500によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態における撮像装置500によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態における撮像装置700の機能構成例を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態における撮像装置700が光軸方向に対する左右方向を軸として回動して振動する場合における撮像画像の補正方法の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態における撮像装置700が上下方向に対して振動する場合における撮像画像の補正方法の一例を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態における撮像装置700が光軸方向に対して振動する場合における撮像画像の補正方法の一例を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態における記録制御部730により補正される撮像画像を概略的に示す図である。
【図22】本発明の実施の形態における撮像装置700によるパノラマ画像記録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0140】
100、500、700 撮像装置
102 撮像装置
111 光学系
112 撮像部
113、540、730 記録制御部
121、122 レンズ
130 被写体距離算出部
140 撮像画像記録位置算出部
150 タイマ部
160 移動距離算出部
170、470、530 撮像画像記録指示部
180 操作受付部
181 シャッターボタン
190 表示制御部
200 画像記憶部
300 表示部
310 液晶パネル
460、510 GPS信号処理部
520 ジャイロセンサ
710 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、
前記被写体までの距離である被写体距離を算出する被写体距離算出部と、
現在位置および前記被写体距離に基づいて前記撮像画像を記録させる記録指示を行う撮像画像記録指示部と、
前記記録指示に基づいて前記撮像画像を記録する記録制御部と
を具備する撮像装置。
【請求項2】
前記撮像画像が記録された後に前記撮像部により生成される撮像画像である第2の撮像画像を記録すべき位置である撮像画像記録位置を前記被写体距離に基づいて算出する撮像画像記録位置算出部をさらに具備し、
前記撮像画像記録指示部は、前記撮像画像記録位置に前記撮像装置が達した際に前記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行う
請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置の特定方向の移動距離を取得する移動距離取得部をさらに具備し、
前記被写体距離算出部は、前記撮像画像に含まれる被写体のうち前記特定方向の端部までの距離を前記被写体距離として算出し、
前記記録位置算出部は、前記被写体距離に基づいて前記特定方向における前記撮像画像記録位置を算出し、
前記撮像画像記録指示部は、前記取得された移動距離に基づいて前記撮像画像記録位置に前記撮像装置が達したか否かを判断して前記撮像画像記録位置に前記撮像装置が達した際に前記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行う
請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置の特定方向における現在位置を取得する現在位置取得部をさらに具備し、
前記被写体距離算出部は、前記撮像画像に含まれる被写体のうち前記特定方向の端部までの距離を前記被写体距離として算出し、
前記記録位置算出部は、前記被写体距離に基づいて前記特定方向における前記撮像画像記録位置を算出し、
前記撮像画像記録指示部は、前記取得された現在位置が前記撮像画像記録位置に達した際に前記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行う
請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
前記現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記撮像装置の上下方向を軸とする前記撮像装置の回動角度を検出する回動角度検出部とをさらに具備し、
前記被写体距離算出部は、前記撮像画像に含まれる被写体のうち特定方向の端部までの距離を前記被写体距離として算出し、
前記撮像画像記録指示部は、前記取得された現在位置と前記被写体距離と前記検出された回動角度とに基づいて前記撮像画像が記録された後に前記撮像部により生成される撮像画像である第2の撮像画像を記録させる記録指示を行う
請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像画像記録指示部は、前記撮像画像の記録範囲を特定する角度である撮影角を一定とし、前記被写体距離および前記検出された回動角度に基づいて決定される前記第2の撮像画像を記録すべき位置に前記取得された現在位置が達した際に前記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行う請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像画像記録指示部は、前記第2の撮像画像を記録すべき位置である撮像画像記録位置を一定とし、前記撮像画像記録位置に前記取得された現在位置が達した際に前記被写体距離および前記検出された回動角度に基づいて前記撮像画像の記録範囲を特定する角度である撮影角を決定して当該決定された撮影角により特定される記録範囲内の前記第2の撮像画像を記録させる記録指示を行う請求項5記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮像装置の振動を検出する振動検出部と、
前記検出された振動に基づいて前記撮像画像の上下の記録範囲を補正する補正部と
をさらに具備する請求項1記載の撮像装置。
【請求項9】
前記記録された撮像画像を記録順に並べてパノラマ画像として表示させる表示制御部をさらに具備する請求項1記載の撮像装置。
【請求項10】
被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像手順と、
前記被写体までの距離である被写体距離を算出する被写体距離算出手順と、
前記被写体距離に基づいて前記撮像画像を記録させる記録指示を行う撮像画像記録指示手順と、
前記記録指示に基づいて前記撮像画像を記録する記録制御手順と
を具備する撮像画像記録方法。
【請求項11】
被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像手順と、
前記被写体までの距離である被写体距離を算出する被写体距離算出手順と、
前記被写体距離に基づいて前記撮像画像を記録させる記録指示を行う撮像画像記録指示手順と、
前記記録指示に基づいて前記撮像画像を記録する記録制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−253921(P2009−253921A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102942(P2008−102942)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】