説明

撮像装置、方法およびプログラム

【課題】 被写体の睡眠状態の有無およびその程度に応じて、被写体の睡眠の妨げとなる撮像装置の機能を制限する。
【解決手段】 睡眠判定部112eは、処理フレームの記憶順に沿って、評価値Xを時系列順にプロットし評価値をグラフ化する。そして、EEPROM119に記憶された、あるいは計算によって求められた所定フレーム数n(例えばn=26フレーム)における目の開閉(まばたき)の有無を判別する。そして、所定フレーム数nでの目の開閉がない場合、睡眠状態であると判断し、フラッシュ発光や報知音の出力を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の状態に応じて各種動作を制限する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、被写体のまばたきを検出し、撮影時にまばたきをしていると判断した場合は撮影者にその旨を知らせる。被写体のまばたきを検出し、撮影時にまばたきをしていると判断した場合、ストロボを発光させ被写体の注意を引き、その後再度ストロボを発光させて撮像を行う。
【0003】
特許文献2では、スルー画から顔領域の検出を行うとともにフォーカス位置から被写体距離を求め、顔領域と被写体距離に基づいて被写体の顔サイズを求める。顔サイズが所定のサイズよりも小さい場合、被写体は子供と判断し、ストロボの発光輝度を子供撮影用に設定する。
【0004】
特許文献3では、画像から人物の顔を抽出し、その人物の表示に応じてフラッシュ光の発光量を補正する。
【特許文献1】特開2003−338952号公報
【特許文献2】特開2007−208922号公報
【特許文献3】特開2008−5035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
撮影しようとしている被写体が睡眠中である場合、通常のオート撮影を行うと、フラッシュを発光してしまい、寝ている赤ん坊などの被写体を起こしてしまう場合がある。
【0006】
特許文献1では、撮影者が寝ている赤ん坊などの被写体を撮影したい場合、撮影者の意図に反して警告が行われたり、ストロボが発光されたりするおそれがある。
【0007】
特許文献2では、子供と判定されると、フラッシュを発光するか否かの判定基準となる輝度閾値が高輝度側へ移行するため、子供であるがゆえにフラッシュを全く発光しない場合がある。
【0008】
特許文献3では、ある時点で得られた画像に基づいて表情判定をしただけでは、被写体がまばたきをしているのか寝ているのか区別がつかない。よって、寝ている被写体に強いフラッシュ光が発せられるおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、被写体の睡眠状態の有無およびその程度に応じて、被写体の睡眠の妨げとなる撮像装置の機能を制限することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る撮像装置は、撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力する撮像部と、被写体への発光を行う発光部と、撮像部の順次出力した画像データの各々に基づいて、各画像データにおける特定の被写体の目の開閉状態を検出する目開閉状態検出部と、目開閉状態検出部の検出した特定の被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出する評価値算出部と、評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された評価値時系列群に基づいて特定の被写体の睡眠状態を判定する睡眠判定部と、睡眠判定部の判定結果に応じて発光部の撮像時における被写体への発光を制限する撮像制御部と、を備える。
【0011】
この発明によると、眠っている被写体を撮影する際にフラッシュを浴びせて起こす心配がなく、また、眠っていない被写体には通常どおりフラッシュを発光して撮影時の照度を調整し、画質を高めることができる。
【0012】
本発明に係る撮像装置は、撮像部の順次出力した画像データの各々に基づいて、各画像データにおける特定の被写体の目の開閉状態を検出する目開閉状態検出部と、目開閉状態検出部の検出した特定の被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出する評価値算出部と、評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された評価値時系列群に基づいて特定の被写体の睡眠状態を判定する睡眠判定部と、睡眠判定部の判定結果に応じて発音部からの報知音の出力を制限する撮像制御部と、を備える。
【0013】
この発明によると、眠っている被写体を撮影する際に報知音を浴びせて起こす心配がなく、また、眠っていない被写体の撮影時には通常どおり報知音を出力できる。
【0014】
本発明に係る撮像装置は、撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力する撮像部と、被写体への発光を行う発光部と、報知音を出力する発音部と、撮像部の順次出力した画像データの各々における1または複数の被写体のうち特定の条件を満たす被写体である代表被写体を選出する代表被写体選出部と、各画像データにおける代表被写体の目の開閉状態を検出する目開閉状態検出部と、目開閉状態検出部の検出した代表被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出する評価値算出部と、評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された評価値時系列群に基づいて代表被写体の睡眠状態を判定する睡眠判定部と、睡眠判定部の判定結果に応じて、発光部の撮像時における発光および発音部からの報知音の出力のうち少なくとも一方を制限する撮像制御部と、を備える。
【0015】
この発明によると、撮影者が撮影を意図した被写体が寝ている際にフラッシュや報知音を浴びせて起こす心配がなく、また、眠っていない被写体の撮影時には通常どおりフラッシュや報知音を出力できる。
【0016】
好ましくは、代表被写体選出部は、1または複数の被写体のうち、画像データ中の所定の範囲内にあり、かつ/または、所定のサイズ以上である被写体を代表被写体に選出する。
【0017】
好ましくは、撮像制御部は、操作音およびシャッタ音のうち少なくとも一方を含む報知音をミュートする。
【0018】
好ましくは、撮像部の順次出力した画像データの各々から特定人物の顔部分を含む顔領域を検出する顔検出部と、顔検出部の検出した特定人物の顔領域の各々から目領域を検出する目領域検出部と、を備え、目開閉状態検出部は、目領域検出部の検出した各顔領域に対応する目領域に基づいて特定人物の目の開閉状態を検出する。
【0019】
好ましくは、目開閉状態検出部は、目領域のエッジ情報、目領域の2値化データまたは各画像データの目領域間の差分情報に基づいて特定人物の目の開閉状態を検出する。
【0020】
本発明に係る撮像方法は、撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力するステップと、順次出力した画像データの各々に基づいて、各画像データにおける特定の被写体の目の開閉状態を検出するステップと、検出した特定の被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出するステップと、評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶するステップと、記憶された評価値時系列群に基づいて特定の被写体の睡眠状態を判定するステップと、判定結果に応じて発光部の撮像時における被写体への発光を制限するステップと、を含む。
【0021】
本発明に係る撮像方法は、撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力するステップと、順次出力した画像データの各々に基づいて、各画像データにおける特定の被写体の目の開閉状態を検出するステップと、検出した特定の被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出するステップと、算出した画像データの各々に対応する評価値を、画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶するステップと、記憶された評価値時系列群に基づいて特定の被写体の睡眠状態を判定するステップと、判定結果に応じて発音部からの報知音の出力を制限するステップと、を含む。
【0022】
本発明に係る撮像方法は、撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力するステップと、順次出力した画像データの各々における1または複数の被写体のうち特定の条件を満たす被写体である代表被写体を選出するステップと、各画像データにおける代表被写体の目の開閉状態を検出するステップと、検出した代表被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出する評価値算出部と、評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶するステップと、記憶された評価値時系列群に基づいて代表被写体の睡眠状態を判定するステップと、判定結果に応じて、発光部の撮像時における発光および発音部からの報知音の出力のうち少なくとも一方を制限するステップと、を含む。
【0023】
好ましくは、1または複数の被写体のうち、画像データ中の所定の範囲内にあり、かつ/または、所定のサイズ以上である被写体を代表被写体に選出するステップを含む。
【0024】
好ましくは、判定結果に応じて、操作音およびシャッタ音のうち少なくとも一方を含む報知音をミュートするステップを含む。
【0025】
好ましくは、順次出力した画像データの各々から特定人物の顔部分を含む顔領域を検出するステップと、検出した特定人物の顔領域の各々から目領域を検出するステップと、目領域検出部の検出した各顔領域に対応する目領域に基づいて特定人物の目の開閉状態を検出するステップと、を含む。
【0026】
好ましくは、目領域のエッジ情報、目領域の2値化データまたは各画像データの目領域間の差分情報に基づいて特定人物の目の開閉状態を検出するステップを含む。
【0027】
上記の撮像方法をコンピュータに実行させるための撮像プログラムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によると、眠っている被写体を撮影する際にフラッシュを浴びせて起こす心配がなく、また、眠っていない被写体には通常どおりフラッシュを発光して撮影時の照度を調整し、画質を高めることができる。
【0029】
この発明によると、眠っている被写体を撮影する際に報知音を浴びせて起こす心配がなく、また、眠っていない被写体の撮影時には通常どおり報知音を出力できる。
【0030】
この発明によると、撮影者が撮影を意図した被写体が寝ている際にフラッシュや報知音を浴びせて起こす心配がなく、また、眠っていない被写体の撮影時には通常どおりフラッシュや報知音を出力できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
<第1実施形態>
図1は本発明の好ましい実施形態に係るデジタルカメラ10の機能ブロック図である。まず、同図のデジタルカメラ10において、中央処理装置(CPU)112は、レリーズスイッチ22、モードダイヤル150等を含む操作部113の各種のボタンやキーからの入力に基づいてデジタルカメラ10内の各回路を統括制御する。CPU112の実行するプログラムはEEPROM119に記憶される。
【0032】
いま、モードダイヤル150によって静止画撮影モードが設定されると、CPU112は、撮像回路102bから順次得られるコマ画像(スルー画)を表示部110に表示させ、撮影画角を確認可能にする。即ち、撮像レンズ14を通過した光は、固体撮像素子102aに入射する。固体撮像素子102aの受光面には、フォトセンサが平面的に配列されており、該受光面に結像された被写体像は、各フォトセンサによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。こうして蓄積された信号電荷は、図示せぬドライバ回路から与えられるパルス信号に基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出され、それぞれ撮像回路102bに加えられる。
【0033】
撮像回路102bは、ゲイン調整回路を含み、得られた画像データは、それぞれ画像処理回路108及びハイパスフィルタ(HPF)125へ送られる。画像処理回路108は、A/D変換部108a、ホワイトバランス補正回路108b、ガンマ補正回路108c、YC処理回路108d、輝度・色差信号生成回路、シャープネス補正回路、コントラスト補正回路、撮影画像に対する輪郭補正を含む画像処理を行う輪郭処理部、画像のノイズ低減処理を行うノイズ低減処理部等を含む画像処理手段であり、CPU112からのコマンドに従って画像信号を処理する。
【0034】
画像処理回路108に入力された画像データは、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cl信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、VRAM132に格納される。
【0035】
一方、画像処理回路108のA/D変換部108aでデジタル信号に変換された画像データは、ハイパスフィルタ(HPF)125でG画素成分のみ抽出される。そして、積算処理部126で抽出されたG画素成分に積算処理が施されてCPU112に送られる。CPU112は、積算処理部126から送られた1画面分の64分割の画像データの内、十字キー81で任意に設定された被写体中心付近の4エリアの平均値を算出し、これをオートフォーカス(AF)評価値とする。AF評価値は、所定周期の経過毎に算出され、算出の度にメモリ127に更新記憶される。CPU112は、AF評価値に従って被写体の合焦を判定する。その判断方法は任意であるが、例えばAF評価値が極大点の近傍に略到達しているか否かを判断し、極大点に略達している場合は合焦していると判断し、その他の場合は合焦していないと判断する。あるいは、AF評価値が所定の閾値を超えていれば合焦していると判断することもできる。
【0036】
撮影画像を表示部110にモニタ出力する場合、VRAM132からYC信号が読み出され、ビデオエンコーダ134に送られる。ビデオエンコーダ134は、入力されたYC信号を表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して表示部110に出力する。表示部110の駆動はドライバ111を介して行われる。
【0037】
所定のフレームレートで処理された各フレームのYC信号は、VRAM132のA領域とB領域とに交互に書き込まれ、VRAM132のA領域及びB領域のうち、YC信号が書き込まれている方の領域以外の領域から、書き込まれているYC信号が読み出される。このようにしてVRAM132内のYC信号が定期的に書き換えられ、そのYC信号から生成される映像信号が表示部110に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに表示部110に表示される。ユーザは、表示部110に表示される映像(スルー)によって撮影画角を確認できる。
【0038】
ここで、レリーズスイッチ22が半押しされると、AE及びAF処理が開始される。AE/AF処理が行われ、レリーズスイッチ22が全押しされることによって記録用の撮影動作がスタートする。レリーズスイッチ22の全押しに応動して取得された画像データは画像処理回路108において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、VRAM132に格納される。
【0039】
VRAM132に格納されたY/C信号は、圧縮伸長処理回路144によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ146を介して記録媒体40にExif(Exchangeable Image File Format)ファイルとして記録される。画像はExifファイルのデータ部分に記録される。CPU112は上記Exifファイルのヘッダ部分の所定のタグ(Imagedescriptionタグなど)に撮影日時情報などを記録する。記録された画像は、通信インターフェース76を介して接続されたプリンタ200に送信することもできる。プリンタ200は、受信した画像をプリントする。
【0040】
CPU112には、キセノン管からなるストロボ18の発光を制御するストロボ制御部115も接続されており、静止画撮影において、低照度であることが検出された場合や、ストロボボタンによって発光が指示された場合や、強制発光モードが設定された場合にタイミングジェネレータ120によって発生されたタイミング信号に同期したタイミングで短時間(例えば1秒以上の短時間)発光するようにストロボ18を制御する。
【0041】
モードダイヤル150によって動画撮影モードが設定されたときには、レリーズスイッチ22の全押し操作に連動して動画記録動作がスタートし、もう一度レリーズスイッチ22を押下すると動画記録動作が停止する。レリーズスイッチ22を押下継続している期間、録画動作を行い、押下解除によって録画を停止するようにしてもよい。動画データは、例えばモーションJPEG(MPEG)形式によって記録媒体40に記録される。
【0042】
モードダイヤル150により再生モードが選択されると、記録媒体40に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像圧縮データは、圧縮伸長処理回路144を介して非圧縮のYC信号に伸長され、VRAM132に保存される。VRAM132に保存されたYC信号は、ビデオエンコーダ134に加えられる。ビデオエンコーダ134は、入力するYC信号からNTSC方式のRGBカラー複合映像信号を作成し、これを表示部110に出力する。これにより、表示部110には記録媒体40に記録されている最終コマのコマ画像が表示される。
【0043】
その後、十字キー81の右キーが押されると、順方向にコマ送りされ、十字キー81の左キーが押されると、逆方向にコマ送りされる。そして、コマ送りされたコマ位置の画像ファイルが記録媒体40から読み出され、上記と同様にしてコマ画像が表示部110に再生される。尚、最終コマのコマ画像が表示されている状態で順方向にコマ送りされると、記録媒体40に記録されている1コマ目の画像ファイルが読み出され、1コマ目のコマ画像が表示部110に再生される。
【0044】
表示部110は、カメラ10に内蔵されたLCD114、ファインダー又は映像出力端子等に接続された外部の表示装置に相当する。なお、CPU112は、OSD信号発生回路を含み、OSD信号発生回路はシャッタ速度や絞り値、撮影可能枚数、撮影日時、警告指示等の文字及びアイコン等の記号を表示するための信号を発生させる。このOSD信号発生回路から出力される信号は、必要に応じて画像信号に混合されて、LCD114に供給される。これにより、スルー画像や再生画像に文字やアイコン等が合成された合成画像が表示される。
【0045】
記録媒体40は、撮影で得た画像データを保持する手段であり、例えばスマートメディアと呼ばれるメモリカードが使用される。記録メディアの形態はこれに限定されず、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリスティックなどでもよく、電子的、磁気的、もしくは光学的、又はこれらの組み合わせによる方式などに従って読み書き可能な媒体を用いることができる。異種・同種の記録メディアを問わず、複数の媒体を装着可能な構成にしてもよい。また、画像ファイルを保存する手段は、カメラ本体に着脱可能なリムーバブルメディアに限らず、カメラに内蔵された記録媒体(内蔵メモリ)であってもよい。
【0046】
CPU112は、カメラ10の各回路を統括制御する制御回路であり、レリーズスイッチ22、十字キー81、電源スイッチ82、モードダイヤル150、情報位置指定キー83あるいは図示しないストロボボタン、ズームキー、メニュー/実行ボタンその他を含む操作部113から受信する信号に基づき、対応する回路の動作を制御するとともに、表示部110における表示制御、ストロボ発光制御、AF補助光の発光制御、オートフォーカス(AF)制御及び自動露出(AE)制御等を行う。
【0047】
カメラ10の電源が電源スイッチ82でオンされる度に、カメラボディ内部に装着される電池からなる主要電源164から、デジタルカメラ10の各回路に電源が供給される。
【0048】
画像処理回路108からの画像データは、測光処理部157にも送られる。この測光処理部157は、外光の光量を測定する手段の一例である。測光処理部157は、入力される各画像データと、固体撮像素子102aの電荷蓄積時間、すなわち電子シャッタのシャッタ秒時とに基づいて被写体輝度の測光値(EV値)を算出する測光値算出部により構成できる。これにより、固体撮像素子102aの駆動が調節される。なお、電子シャッタのシャッタ秒時とともに絞り値を変化させてもよい。絞り値を変化させる場合には、絞り値を加味して被写体輝度に応じた測光値を算出する。このように、測光処理部157は、固体撮像素子102aを受光センサとしてTTL(Through The Lens) 測光方式によって被写体の明るさ(被写体輝度)を検出する。測光処理部157は、フォトトランジスタで構成された測光センサであってもよく、測光が可能な手段であれば特に限定されない。
【0049】
通信インターフェース76は、プリンタ200と接続可能であり、CPU112からのコマンドに従い、プリントデータの送信を行う。
【0050】
CPU112には、スピーカ制御部84を介してスピーカ85が接続されている。スピーカ制御部84は、CPU112から送られた報知音データ(シャッタ音、警告音など)に基づき、スピーカ85を駆動させることで、報知音を出力する。
【0051】
なお、デジタルカメラ10とは、要するに画像データを取得可能な機器であれば何でもよく、カメラ付き携帯電話、カメラ付きパソコン、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなども含みうる。
【0052】
図2はCPU112の実行するプログラムをブロック図で示している。CPU112は、プログラムである顔抽出部112a、目領域検出部112b、目開閉検出部112c、評価値算出部112d、睡眠判定部112e、代表被写体選出部112f、撮影制御部112gを実行する。顔抽出部112aは、VRAM132に順次記憶されたスルー画像(処理フレーム)から人物の顔部分を含む領域である顔領域を抽出する。顔領域の抽出方法としては、例えば本出願人による特開平9−101579号公報「顔領域抽出方法及び複写条件決定方法」において開示された技術を適用することができる。この技術は、撮影した画像の各画素の色相が肌色の範囲に含まれるか否かを判定して肌色領域と非肌色領域とに分割すると共に、画像中のエッジを検出して画像中の各箇所をエッジ部分又は非エッジ部分に分類する。そして、肌色領域内に位置し非エッジ部分に分類された画素からなり、かつエッジ部分と判定された画素で囲まれた領域を顔候補領域として抽出し、抽出した顔候補領域が人物の顔に相当する領域かを判定し、この判定結果に基づき顔領域として抽出するものである。また、この他に、特開2003−209683号公報や特開2002−199221号公報に記載される方法で顔領域を抽出することもできる。
【0053】
目領域検出部112bは、顔抽出部112aが画像から抽出した顔領域から目の存在する目領域を検出する。目領域は顔検出の結果得られる顔概略中心位置の相対的位置関係から検出することができる。なお人以外の動物であっても顔領域および目領域が検出できるのであれば、被写体は人間に限る必要はない。
【0054】
目開閉検出部112cは、目領域検出部112bによって検出された、両目に相当する2つの目領域内(身体上の理由で片目しか開閉しない場合は、1つの目領域内)の縦方向黒色画素数(露出している瞳のサイズ)をそれぞれ検出する。目領域における黒色画素数の検出の際には、予め目領域を2値化(白黒化)しておけば、情報量が減り、黒色画素数の検出が高速化する。あるいは、2値化画像の瞼のエッジ部分に基づいて瞼の位置情報を検出してもよい。
【0055】
評価値算出部112dは、目開閉検出部112cの検出した2つ(あるいは1つ)の目領域の縦方向黒色画素数に基づき、両目(あるいは片目)が開いている程度を示す指標X(目つぶり評価値)を算出する。例えば、
X=現在の処理フレームから検出された黒色画素数/所定時間(例えば10秒間)の間に検出された黒色画素数の最大値
とする。
【0056】
これは、黒色画素数の最大値を分母にすることで、各処理フレームの黒色画素数を正規化した値である。すなわち、Xは0と1の間で変動し、値が1に近づくほど目は開いた状態になり、値が0に近づくほど目は閉じた状態に近づく。
【0057】
目開閉検出部112cは、目領域内の目が開いているか又は閉じているかを判断する。目の開閉の判断方法は特に黒目の2値化画像を用いたものに限定されず、例えば、瞼のエッジ部分の位置に応じて開閉を判断できる。瞼のエッジ部分が中央水平線よりも上側にあれば開状態、下側にあれば閉状態であるが、それ以外にも、処理フレーム間の目領域の差分情報から垂直方向の各位置の変動方向を把握し、この方向に応じて開状態から閉状態への遷移あるいはその逆の遷移が分かる。
【0058】
あるいは、開状態および閉状態の目のサンプル画像をテンプレートとしてEEPROM119に記憶しておき、検出された目領域とテンプレートとを照合することで、開閉状態を判断してもよい。
【0059】
睡眠判定部112eは、処理フレームの記憶順に沿って、評価値Xを時系列順にプロットし評価値をグラフ化する。そして、EEPROM119に記憶された、あるいは計算によって求められた所定フレーム数n(例えばn=26フレーム)における目の開閉頻度(まばたきの頻度)の有無を判断する。そして、所定フレーム数nでの目の開閉(まばたき)がない場合、睡眠状態であると判断する。
【0060】
代表被写体選出部112fは、後述の第3実施形態で説明する代表画像選出サブルーチンを実施する。
【0061】
撮影制御部112gは、睡眠判定部112eによる被写体の睡眠状態の判定結果に応じた内容の制御信号をストロボ制御部115やスピーカ制御部84に出力する。
【0062】
図3および図4は、メモリ127に記憶された、処理フレームの取得順に沿った評価値のグラフを示す。図3は、周期的に評価値が変動しており、定期的なまばたきのある状態(覚醒状態)にあることが分かる。すなわち、評価値の山がフレーム1−2付近、フレーム8−16付近、フレーム26付近で3度生じており、ここで目が開いていることが分かる。さらに、フレーム4−5付近およびフレーム18−21付近の、急激な評価値の山−谷−山の変動は、一連のまばたき動作のサイクルすなわち開状態から閉状態への移行および閉状態から開状態への移行を示している。評価値の瞬間的な上下変動(まばたき)がまばたきであるが、人のまばたきに要する時間は0.2秒程度と言われているから。よって、睡眠判定部112eは、山−谷−山の出現すべき時間の長さが0.2秒程度)よりも長い評価値の谷があれば、それはもはやまばたきの閉状態でなく、寝るために目が閉じていると判断する。
【0063】
図4は、人のまばたきに要する時間の間評価値がほとんど変動しておらず、ほぼ目が閉じた状態(睡眠状態)にあることが分かる。この変動の度合いは、評価値の山と谷の大きさ、すなわち評価値の分散で把握することができる。分散が0に近づけば、それだけ、各評価値がそれらの平均値と近接していることになる。よって、睡眠判定部112eは、評価値の分散が所定の閾値(例えば0.1)よりも小さい場合は目が閉じた状態が継続しており、睡眠状態にあると判断する。
【0064】
睡眠判定部112eは、睡眠判定に必要な所定フレーム数を計算によって求めることもできる。例えば、順次供給されるスルー画から、まばたきサイクルに要した時間(評価値の1つ目の急激な頂点−底−頂点の遷移に相当する総フレーム数)を算出し、それを睡眠判定のフレーム数とする。もっとも、人のまばたきサイクルの長さの個人差は大きくないのであれば、固定値でも問題ない。
【0065】
あるいは、睡眠判定に必要な所定フレーム範囲は、上記時系列的な評価値群の変動状態に応じて決めてもよい。例えば、評価値の上限変動の大きさ(山と谷の落差)が時間経過につれてが徐々に低下していった場合、被写体が覚醒状態から睡眠状態へ遷移しつつあると判断し、所定フレーム数を徐々に増やし、被写体の睡眠状態をより正確に判断できるようにする。逆に、評価値の上限変動の大きさが時間経過につれて徐々に増加していった場合、被写体が睡眠状態から覚醒状態へ遷移しつつあると判断し、所定フレーム数を徐々に減らし、睡眠状態の判断を簡易にする。あるいは、評価値の上限変動がほとんどなく(分散がほぼ0)、熟睡状態にある場合も、フレーム数を徐々に減らし、睡眠状態の判断を簡易にする。
【0066】
睡眠判定部112eは、EEPROM119に記憶された、フレームレートおよびまばたき1回のサイクルに要する時間に相当するフレーム数を記述したフレーム数テーブルを参照し、現在のスルー画出力のフレームレートと上記算出したまばたきサイクルの時間とから、必要フレーム数nを特定する。
【0067】
図5はフレーム数テーブルの一例を示す。例えば、まばたき1回に要する時間が200ms(0.2秒)であり、現在のフレームレートが25fpsであれば、睡眠判定に必要な所定フレーム数nは50フレームである。あるいは、まばたき1回に要する時間が300m(0.3秒)であり、現在のフレームレートが25fpsであれば、睡眠判定に必要な所定フレーム数nは75フレームである。まばたきサイクルは操作部113を介して予め被写体ごとにEEPROM119に登録できてもよい。
【0068】
無論、睡眠判定部112eは、睡眠中であるかそうでないかの二者択一状態を判断するにとどまらず、覚醒から睡眠への推移状態であること、あるいは睡眠から覚醒への遷移状態であることも判断できる。例えば、評価値が徐々に減少傾向にあれば、目がだんだん閉じつつあり覚醒から睡眠への推移状態であることが分かる。
【0069】
図5は第1実施形態に係る撮像処理のフローチャートである。この処理をCPU112に指令させるプログラムはEEPROM119に記憶されている。
【0070】
S1では、処理フレームの取得数を示すパラメータiに初期値0を設定する。
【0071】
S2では、スルー画の最新の1コマを処理フレームとして取得する。
【0072】
S3では、処理フレームから顔検出を行う。上述のように顔検出の仕方は何でもよい。
【0073】
S4では、検出された顔について、目開閉検出を行い、評価値を算出し、時系列順にプロットしていく。
【0074】
S5では、i≧nであるか否かを判断する。Yesの場合はS6、Noの場合はS8に進む。
【0075】
S6では、取得されたn個のフレームから得られた評価値のグラフに基づいて、被写体が睡眠状態にあるか否かを判断する。Yesの場合はS7、Noの場合はS8に進む。
【0076】
S7では、ストロボ18の発光を禁止する指示をストロボ制御部115に出力する。なお、ユーザがあえて寝ている被写体にストロボを発光したい場合もあるから、操作部113から「強制発光」の設定があれば、これを無視せず受け付けてもよい。
【0077】
S8では、ストロボ18の発光をオートとする指示をストロボ制御部115に出力する。
【0078】
S9では、レリーズスイッチ22の半押しがあったか否かを判断する。Yesの場合はS12、Noの場合はS10に進む。
【0079】
S10では、評価値をメモリ127に保存する。この評価値は、被写体の顔画像(あるいはその縮小画像)と対応づけれられて記憶されてもよい。
【0080】
S11では、iを増分1だけインクリメントし、S2に戻る。
【0081】
S12では、レリーズスイッチ22の半押しに応じてAF/AE処理を行い、全押しに応じて画像記録動作を行う。画像記録動作の際、ストロボ制御部115は、ストロボ18の発光を禁止する指示が出力されている場合、ストロボ18の発光を指示しない。一方、ストロボ18の発光をオートとする指示が出力されている場合、低照度であることが検出されれば、これに応じてストロボ18の発光を指示する。なお画像記録動作の結果取得された画像のメタデータに被写体が睡眠状態と判定された旨を書き込んでもよく、これをCPU112で認識して、寝ている被写体を集めた画像を分類することもできる。
【0082】
以上の処理により、被写体が睡眠状態にあると判断されれば、ストロボの発光が禁止され、寝ている被写体にフラッシュを浴びせて起こすことがない。被写体が睡眠状態にないと判断されれば、通常どおりフラッシュを発光し、撮影画像の画質を高めることができる。
【0083】
なお、被写体が覚醒状態から睡眠状態に移行していると判断された場合、ストロボ18の発光照度を低減させる指示をCPU112から出力してもよい。逆に、被写体が睡眠状態から覚醒状態に移行していると判断された場合、ストロボ18の発光照度を増加させる指示をCPU112から出力してもよい。
【0084】
また、発光照度の制御の対象はストロボ18に限らず、AF時に発光されるAF補助光や撮影中であることを示すタリーランプでもよい。
【0085】
<第2実施形態>
図7は第2実施形態に係る撮像処理のフローチャートである。この処理をCPU112に指令させるプログラムはEEPROM119に記憶されている。
【0086】
S21〜S26は、それぞれ上記S1〜S6と同様である。
【0087】
S27では、シャッタ音の音量をミュート(消音)に設定するようスピーカ制御部84に指令する。その他、操作部113への入力に応じたクリック音の音量をミュートに設定するようスピーカ制御部84に指令してもよい。なお、完全な消音ではなくごく小さい音量レベルを指示してもよい。
【0088】
S28〜S31は、S9〜S11と同様である。
【0089】
S32では、レリーズスイッチ22の半押しに応じてAF/AE処理を行い、全押しに応じて画像記録動作を行う。画像記録動作の際、スピーカ制御部84は、シャッタ音の音量をミュートに設定するよう指示されている場合、レリーズスイッチ22の全押しが検知されてもシャッタ音の拡声をスピーカ85に指示しない。一方、スピーカ制御部84は、シャッタ音の音量をミュートに設定するよう指示されていない場合、レリーズスイッチ22の全押しが検知されたことに応じてシャッタ音の拡声をスピーカ85に指示する。
【0090】
以上の処理により、被写体が睡眠状態にあると判断されれば、シャッタ音などの各種報知音の拡声が禁止され、寝ている被写体を報知音で起こすことがない。
【0091】
なお、目開閉の頻度が徐々に少なくなっており、被写体が覚醒状態から睡眠状態に移行していると判断された場合、音量レベルを低減させる指示をCPU112から出力してもよい。逆に、目開閉のサイクルの頻度が徐々に多くなっており、被写体が睡眠状態から覚醒状態に移行していると判断された場合、音量レベルを増加させる指示をCPU112から出力してもよい。
【0092】
<第3実施形態>
図8は第3実施形態に係る撮像処理のフローチャートである。この処理をCPU112に指令させるプログラムはEEPROM119に記憶されている。
【0093】
S40〜S44は、S1〜4と同様である。
【0094】
S45では、検出された顔領域に基づいて代表被写体を選ぶ代表被写体選出サブルーチンを実行する。この処理は後述する。
【0095】
S46では、代表被写体選出サブルーチンによって選ばれた代表被写体について、取得されたn個のフレームから得られた評価値のグラフに基づいて、代表被写体が睡眠状態にあるか否かを判断する。Yesの場合はS47、Noの場合はS49に進む。
【0096】
S47は、S27と同様である。また、S48〜S53は、S7〜12と同様である。
【0097】
図9は代表被写体選出サブルーチンのフローチャートである。
【0098】
S61では、処理フレームから検出された1または複数の顔領域のうち、大きいものから順に顔領域をソートし、大きいものから若い整数の添え字j=0、1・・を付する。
【0099】
S62では、j=0とする。
【0100】
S63では、添え字の付与された顔領域jについて、当該顔領域が画角内の所定の代表被写体判定領域内に含まれているか否かを判断する。当該顔領域が代表被写体判定領域内に含まれている(Yes)の場合はS65に進み、Noの場合はS64に進む。
【0101】
S64では、jを増分1だけインクリメントし、S63に戻る。ただし、jの値が検出された顔の総数を超えた場合、すなわちどの顔jも代表被写体判定領域内に含まれていない場合は、S46に進む。
【0102】
S65では、顔領域jを代表被写体に選ぶ。なお、この方式だと代表被写体は1人だけ選出されることになるが、代表被写体判定領域内に含まれる所定の数Nに達するまで代表被写体を選出してもよい。例えば一緒に就寝中の幼い姉妹を撮るときは、N=2とすればよい。Nは操作部113への入力操作で任意に設定できてもよい。
【0103】
例えば、図10の処理フレームでは、画角外縁から水平方向および垂直方向に沿って所定の余白X_marginおよびY_marginだけ隔てられた4つの線分からなる矩形内部が代表被写体判定領域に設定されている。また、この処理フレームの画角領域内からは、顔領域F1と顔領域F2が検出されている。顔領域F1は顔領域F2よりも大きく、かつその全体が代表被写体判定領域内に含まれているが、顔領域F2の一部は代表被写体判定領域内からはみ出ている。よって、上記サブルーチンでは、顔領域F1が代表被写体に選出される。なお、代表被写体判定領域から一部だけはみ出ている顔領域が複数あった場合、その中で最も大きいものを代表被写体に選ぶ。
【0104】
以上の処理では、画角の中央付近にいる大きな被写体、すなわち撮影者が撮影対象と意図している代表被写体について睡眠状態の判定が行われるため、撮影を意図した被写体にフラッシュやシャッタ音を浴びせて寝ている被写体を起こさなくて済む。一方、代表被写体が睡眠状態でない場合は、他の被写体を撮影するのに必要なフラッシュやシャッタ音が禁止されずに済む。
【0105】
なお、フラッシュ発光照度や報知音のレベルと代表被写体のサイズとを連動させてもよい。例えば、代表被写体のサイズが撮影画角の50%以上を占める場合はミュート、代表被写体のサイズが撮影画角の30%以上50%未満であれば報知音レベルを小、代表被写体のサイズが撮影画角の15%以上30%未満であれば報知音レベルを中とする音声制御信号を出力してもよい。
【0106】
<第4実施形態>
上記第1〜第3実施形態の処理の実施主体は全てCPU112であり、その処理内容はプログラムで記述されているが、当然ながらこれらの処理を実施する主体はそれぞれ別個のハードウェア(ワンチップマイコンなど)であっても構わない。
【0107】
図11は、図6と同等の処理を実施可能なハードウェアブロック図である。ここでの顔抽出部112a、目領域検出部112b、目開閉検出部112c、評価値算出部112d、睡眠判定部112e、撮影制御部112gは、それぞれ別個のハードウェアを想定している。ただしこれらは一体化されたハードウェアであってもよい(図2参照)。また、この図に示すものと重複しない他のブロックは図1と同様であり、特に示していない。
【0108】
撮影制御部112gの制御に応じてVRAM132に格納されたスルー画の1コマは、処理フレームとして顔抽出部112aによって読み出される。顔抽出部112aは、処理フレームから顔領域を検出し、検出した位置情報を目領域検出部112bに出力する。
【0109】
目領域検出部112bは、顔抽出部112aから出力された顔領域の位置情報に基づき、第1実施形態と同様にして目領域を検出し、その目領域の位置情報を目開閉検出部112cに出力する。目開閉検出部112cは、目領域検出部112bから出力された顔領域の位置情報に基づき、第1実施形態と同様にして目の開閉の程度に関する情報を検出し、これを評価値算出部112dに出力する。
【0110】
評価値算出部112dは、目の開閉の程度に関する情報に基づいて評価値を算出し、これを時系列順にプロットしてグラフ化した情報をメモリ127に記憶する。
【0111】
睡眠判定部112eは、評価値のグラフに基づいて被写体の睡眠状態を判定し、その判定結果を撮影制御部112gに出力する。
【0112】
撮影制御部112gは、被写体の睡眠状態の判定結果に応じた内容の発光制御信号(ストロボ発光禁止指示あるいはオート発光指示)をストロボ制御部115に出力する。
【0113】
図12は、図7と同等の処理を実施可能なハードウェアブロック図である。図6と同一の構成には同一の符号を付している。また、この図に示すものと重複しない他のブロックは図1と同様であり、特に示していない。
【0114】
撮影制御部112gは、被写体の睡眠状態の判定結果に応じた内容の音声制御信号(ミュート指示、あるいはシャッタ音その他の報知音データおよびその再生指示)をスピーカ制御部84に出力する。
【0115】
図13は、図8および図9と同等の処理を実施可能なハードウェアブロック図である。図6と同一の構成には同一の符号を付している。また、この図に示すものと重複しない他のブロックは図1と同様であり、特に示していない。
【0116】
顔抽出部112aは、顔領域のサイズと位置情報を、代表被写体選出部112fに出力する。代表被写体選出部112fは、上述の代表被写体選出サブルーチンと同様にして、代表被写体を選び、その代表被写体の顔領域の位置情報を睡眠判定部112eに出力する。代表被写体のみの評価値を算出すれば足りるのであれば、目領域検出部112bに対しては、代表被写体の顔領域の位置情報を出力し、代表被写体以外の顔領域の位置情報は出力しないように顔抽出部112aに指示してもよい。睡眠判定部112eは、代表被写体に対応する評価値のグラフに基づいて代表被写体の睡眠状態を判定し、その判定結果を撮影制御部112gに出力する。なお、代表被写体選出部112fは、代表被写体の顔領域の情報(代表被写体が複数であれば各々の情報)を評価値算出部112dに通知し、評価値算出部112dは、通知された代表被写体の顔領域についてのみ評価値を算出してグラフ化してもよい。
【0117】
撮影制御部112gは、被写体の睡眠状態の判定結果に応じた内容の発光制御信号(ストロボ発光禁止指示あるいはオート発光指示)をストロボ制御部115に出力する。
【0118】
撮影制御部112gは、被写体の睡眠状態の判定結果に応じた内容の発光制御信号、音声制御信号を、それぞれストロボ制御部115、スピーカ制御部84に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】デジタルカメラの機能ブロック図
【図2】CPUの実行するプログラムのブロック図
【図3】まばたきのある(覚醒状態)被写体の評価値群を示す図
【図4】まばたきのない(睡眠状態)被写体の評価値群を示す図
【図5】フレーム数テーブルの一例を示す図
【図6】第1実施形態の撮影処理のフローチャート
【図7】第2実施形態の撮影処理のフローチャート
【図8】第3実施形態の撮影処理のフローチャート
【図9】第3実施形態の代表被写体選出サブルーチンのフローチャート
【図10】代表被写体の一例を示す図
【図11】第1実施形態の撮影処理に対応するハードウェアブロック図
【図12】第2実施形態の撮影処理に対応するハードウェアブロック図
【図13】第3実施形態の撮影処理に対応するハードウェアブロック図
【符号の説明】
【0120】
40:記録媒体、110:表示部、112:CPU、112a:顔抽出部、112b:目領域検出部、112c:目開閉検出部、112d:評価値算出部、112e:睡眠判定部、112f:代表被写体選出部、112g:撮影制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力する撮像部と、
被写体への発光を行う発光部と、
前記撮像部の順次出力した画像データの各々に基づいて、各画像データにおける特定の被写体の目の開閉状態を検出する目開閉状態検出部と、
前記目開閉状態検出部の検出した前記特定の被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出する評価値算出部と、
前記評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、前記画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された評価値時系列群に基づいて前記特定の被写体の睡眠状態を判定する睡眠判定部と、
前記睡眠判定部の判定結果に応じて前記発光部の撮像時における被写体への発光を制限する撮像制御部と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力する撮像部と、
報知音を出力する発音部と、
前記撮像部の順次出力した画像データの各々に基づいて、各画像データにおける特定の被写体の目の開閉状態を検出する目開閉状態検出部と、
前記目開閉状態検出部の検出した前記特定の被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出する評価値算出部と、
前記評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、前記画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された評価値時系列群に基づいて前記特定の被写体の睡眠状態を判定する睡眠判定部と、
前記睡眠判定部の判定結果に応じて前記発音部からの報知音の出力を制限する撮像制御部と、
を備える撮像装置。
【請求項3】
撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力する撮像部と、
被写体への発光を行う発光部と、
報知音を出力する発音部と、
前記撮像部の順次出力した画像データの各々における1または複数の被写体のうち特定の条件を満たす被写体である代表被写体を選出する代表被写体選出部と、
各画像データにおける前記代表被写体の目の開閉状態を検出する目開閉状態検出部と、
前記目開閉状態検出部の検出した前記代表被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出する評価値算出部と、
前記評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、前記画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された評価値時系列群に基づいて前記代表被写体の睡眠状態を判定する睡眠判定部と、
前記睡眠判定部の判定結果に応じて、前記発光部の撮像時における発光および前記発音部からの報知音の出力のうち少なくとも一方を制限する撮像制御部と、
を備える撮像装置。
【請求項4】
前記代表被写体選出部は、前記1または複数の被写体のうち、前記画像データ中の所定の範囲内にあり、かつ/または、所定のサイズ以上である被写体を代表被写体に選出する請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像制御部は、操作音およびシャッター音のうち少なくとも一方を含む報知音をミュートする請求項2〜4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像部の順次出力した画像データの各々から特定人物の顔部分を含む顔領域を検出する顔検出部と、
前記顔検出部の検出した特定人物の顔領域の各々から目領域を検出する目領域検出部と、
を備え、
前記目開閉状態検出部は、前記目領域検出部の検出した各顔領域に対応する目領域に基づいて前記特定人物の目の開閉状態を検出する請求項1〜5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記目開閉状態検出部は、目領域のエッジ情報、前記目領域の2値化データまたは各画像データの目領域間の差分情報に基づいて前記特定人物の目の開閉状態を検出する請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力するステップと、
前記順次出力した画像データの各々に基づいて、各画像データにおける特定の被写体の目の開閉状態を検出するステップと、
前記検出した前記特定の被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出するステップと、
前記評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、前記画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶するステップと、
前記記憶された評価値時系列群に基づいて前記特定の被写体の睡眠状態を判定するステップと、
前記判定結果に応じて前記発光部の撮像時における被写体への発光を制限するステップと、
を含む撮像方法。
【請求項9】
撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力するステップと、
前記順次出力した画像データの各々に基づいて、各画像データにおける特定の被写体の目の開閉状態を検出するステップと、
前記検出した前記特定の被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出するステップと、
前記算出した画像データの各々に対応する評価値を、前記画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶するステップと、
前記記憶された評価値時系列群に基づいて前記特定の被写体の睡眠状態を判定するステップと、
前記判定結果に応じて前記発音部からの報知音の出力を制限するステップと、
を含む撮像方法。
【請求項10】
撮像レンズを介して受光した被写体像を光電変換して得られた電気信号を継続的に画像データに変換して順次出力するステップと、
前記順次出力した画像データの各々における1または複数の被写体のうち特定の条件を満たす被写体である代表被写体を選出するステップと、
各画像データにおける前記代表被写体の目の開閉状態を検出するステップと、
前記検出した前記代表被写体の目の開閉状態を示す評価値を算出する評価値算出部と、
前記評価値算出部の算出した画像データの各々に対応する評価値を、前記画像データの出力順に応じて時系列的に配列した評価値時系列群を記憶するステップと、
前記記憶された評価値時系列群に基づいて前記代表被写体の睡眠状態を判定するステップと、
前記判定結果に応じて、前記発光部の撮像時における発光および前記発音部からの報知音の出力のうち少なくとも一方を制限するステップと、
を含む撮像方法。
【請求項11】
前記1または複数の被写体のうち、前記画像データ中の所定の範囲内にあり、かつ/または、所定のサイズ以上である被写体を代表被写体に選出するステップを含む請求項10に記載の撮像方法。
【請求項12】
前記判定結果に応じて、操作音およびシャッター音のうち少なくとも一方を含む報知音をミュートするステップを含む請求項9〜11のいずれかに記載の撮像方法。
【請求項13】
前記順次出力した画像データの各々から特定人物の顔部分を含む顔領域を検出するステップと、
前記検出した特定人物の顔領域の各々から目領域を検出するステップと、
前記目領域検出部の検出した各顔領域に対応する目領域に基づいて前記特定人物の目の開閉状態を検出するステップと、
を含む請求項8〜12のいずれかに記載の撮像方法。
【請求項14】
目領域のエッジ情報、前記目領域の2値化データまたは各画像データの目領域間の差分情報に基づいて前記特定人物の目の開閉状態を検出するステップを含む請求項13に記載の撮像方法。
【請求項15】
請求項8〜14のいずれかに記載の撮像方法をコンピュータに実行させるための撮像プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−50703(P2010−50703A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212778(P2008−212778)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】