説明

撮像装置および撮像装置の制御方法

【課題】ストロボ装置の接続不良を明確に知らせることのできる撮像装置を提供する。
【解決手段】接続されるストロボ装置との間で情報の交信を行う為の第1端子CLK,DCS、DSC、GNDと、ストロボ装置に発光開始信号を送信する為の第2端子Xと、表示手段101と、第2端子を介して前記ストロボ装置に発光開始信号を送信して、当該撮像装置と前記ストロボ装置との間の接続確認処理を実行する制御手段100とを有し、制御手段が、接続確認処理の結果、接続不良を検知した場合は、表示手段にて警告表示を行うとともに、予め規定された接続不良警告動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボ装置が接続可能な撮像装置および撮像装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラとストロボ装置との通信端子として、交信用端子と発光開始信号伝達用端子の二つの通信端子を有する。そして、発光開始信号伝達用端子を介して通信テスト信号を送受信することで、該発光開始信号伝達用端子の接続状態を確認するカメラシステムが知られている(特許文献1)。
【0003】
この種の従来のカメラシステムにおいては、接続不良が確認された後も交信用端子を介して通信は継続されていた。また、接続不良が確認された場合、それを撮影者に警告する手段として、ストロボ発光可能情報の表示が用いられていた。
【特許文献1】特開2005−283636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術だけでは、以下のような課題を有していた。発光開始信号伝達用端子の接続不良が確認された後にも、交信用端子を介する通信によって、絞り、焦点距離情報等のカメラ(レンズも含む)側の設定情報がストロボ装置側に送信されていた。そのため、ストロボ装置の表示部には上記の情報に基づく該ストロボ装置側での設定に関する情報が表示されていた。
【0005】
また、ストロボ発光可能情報の表示による撮影者への接続不良状態の警告では、撮影者によっては該警告を見逃してしまう可能性があった。
【0006】
(発明の目的)
本発明の目的は、ストロボ装置の接続不良を明確に知らせることのできる撮像装置および撮像装置の制御方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、接続されるストロボ装置との間で情報の交信を行う為の第1端子と、前記ストロボ装置に発光開始信号を送信する為の第2端子と、表示手段と、前記第2端子を介して前記ストロボ装置に発光開始信号を送信して、当該撮像装置と前記ストロボ装置との間の接続確認処理を実行する制御手段とを有する撮像装置において、前記制御手段が、前記接続確認処理の結果、接続不良を検知した場合は、前記表示手段にて警告表示を行うとともに、予め規定された接続不良警告動作を行う撮像装置とするものである。
【0008】
同じく上記目的を達成するために、本発明は、接続されるストロボ装置との間で情報の交信を行う為の第1端子と、前記ストロボ装置に発光開始信号を送信する為の第2端子と、表示手段とを有する撮像装置の制御方法であって、前記第2端子を介して前記ストロボ装置に発光開始信号を送信して、前記撮像装置と前記ストロボ装置との間の接続確認処理を実行し、該接続確認処理の結果、接続不良を検知した場合は、前記表示手段に警告表示を行わせるとともに、予め規定された接続不良警告動作を行わせる撮像装置の制御方法とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ストロボ装置の接続不良を明確に知らせることができる撮像装置または撮像装置の制御方法を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例1ないし3に示す通りである。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例1に係る撮像装置であるカメラ本体およびストロボ装置より成るカメラシステムの概略構成を示す構成図である。
【0012】
カメラ本体には、カメラの各種制御を行うカメラマイコン100、カメラのモード等を表示する表示部101および後述のシンクロ端子(X端子)をONする為のスイッチ102を有する。さらには、ストロボ装置が装着され、通信によりデータを送受する為の通信端子を備えた通信接続部110を有する。
【0013】
カメラ本体とストロボ装置との通信は、通信接続部110の通信用端子を経由して行う。本実施例1では、後述する交信用端子と発光開始信号伝達用端子とが個別に独立している構成のカメラ本体とストロボ装置を想定する。通信端子部110は交信用端子と発光開始信号伝達用端子の2種の通信用端子と、ストロボ装置を接続する為の装着スロットによって構成される。
【0014】
上記通信接続部110に具備される交信用端子として、カメラマイコン100のCLK1端子からストロボ装置マイコン200のCLK2端子へデータ通信用のクロック信号を送信するCLK端子を有する。さらには、クロック信号に同期して後述のストロボ装置マイコン200のDSC2端子からカメラマイコン100のDSC1端子にデータを送信するDSC端子を有する。さらには、カメラマイコン100のDCS1端子からストロボ装置マイコン200のDCS2端子にデータを送信するDCS端子を有する。さらには、カメラマイコン100のGND1端子とストロボ装置マイコン200のGND2端子を接続するGND端子を有する。また、発光開始信号伝達用端子として、ストロボ装置マイコン200に発光開始信号を伝達するX端子(シンクロ端子)を有する。
【0015】
上記発光開始信号伝達用端子であるX端子は、フォーカルプレーンシャッタ(不図示)の先幕の走行が完了してアパーチャが全開になった時点でオンするスイッチ102のオンに伴ってオンとなり(すなわち、発光開始信号が供給され)、ストロボ発光が行われる。ただし、本実施例1では、このX端子は、後述するX端子の接続確認処理を行う場合にもオンされる。しかし、接続確認処理においては、たとえX端子がオンされても、ストロボ発光は禁止される。換言すれば、本実施例1では、カメラマイコン100とストロボ装置マイコン200との間の交信用端子であるCLK端子、DCS端子、DSC端子等を使用せずに、X端子を使用してストロボ装置マイコン200に発光開始信号を伝達可能にしている。カメラマイコン100のX_ON端子はスイッチ102をオンにさせるためのハイレベルの信号を出力する端子である。
【0016】
なお、上記の説明から明らかなように、X端子は、フォーカルプレーンシャッタの先幕の走行が完了してアパーチャが全開になったことを検知するスイッチ102を介してストロボ装置へ発光開始信号を供給することになる。これに対し、他の交信用端子は、カメラマイコン100、又はストロボ装置マイコン200から直接、データ等が送信されている点で、ストロボ装置へ発光開始信号を伝えるX端子とは個別に独立して形成されている。上記他の交信用端子とは、いうまでもない、CLK端子、DCS端子、DSC端子、GND端子である。
【0017】
ストロボ装置は、該ストロボ装置の動作制御を行うストロボ装置マイコン200、電池201、電池201から出力される電圧を数百Vに昇圧する昇圧回路202、昇圧回路202で昇圧された電気エネルギーを蓄える主コンデンサ203を有する。さらには、主コンデンサ203に蓄えられた電気エネルギーを光に変換する放電管205、放電管205の発光開始時に数kVの高電圧を印加して該放電管205の発光動作を励起させるトリガ部204を有する。さらには、放電管204の発光動作を制御するIGBT等のスイッチング素子で構成された発光制御部206およびストロボ装置のモード等を表示する表示部207を有する。
【0018】
ストロボ装置の表示部207に表示される内容としては、カメラ本体側の設定情報(絞り値、焦点距離情報)等の情報に基づく該ストロボ装置側での設定に関するものである。カメラ本体側の設定情報は、前記通信接続部110に具備される交信用端子を介して通信によりカメラマイコン100から伝送される。
【0019】
次に、カメラマイコン100によるX端子の接続確認処理を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
【0020】
不図示のレリーズスイッチのボタンが第1ストローク位置まで押下されると、カメラマイコン100は、ステップS1001より動作を開始する。そして、まずステップS1002にて、X端子の接続確認処理を開始する。この接続確認処理では、X端子接続確認の準備信号をDCS1端子を介してストロボ装置マイコン200のDCS2端子に送信する。
【0021】
次のステップS1003では、カメラマイコン100は、ストロボ装置マイコン200との通信が正常に行われたか否かを判定する。この判定は、ストロボ装置マイコン200からの応答信号の有無により行う。ストロボ装置マイコン200との通信が正常に行われた場合はステップS1004へ進み、X端子をONするために、X_ON端子からスイッチ102にハイレベルの信号を出力する。換言すれば、カメラマイコン100は、スイッチ102を介してX端子に発光開始信号を送信する。
【0022】
次のステップS1005では、カメラマイコン100は、X端子の接続確認信号をストロボ装置マイコン200に送信し、ストロボ装置マイコン200からの返信データを受信する。そして、次のステップS1006にて、上記ステップS1005で受信した返信データ(後述するフラグX_FLG)に基づいてX端子の接続が正常であるか否かを判定する。その結果、フラグX_FLGが「1」であり、X端子の接続が正常であることを判定するとステップS1007へ進み、ストロボ発光が可能である旨の情報をカメラ本体側の表示部101に表示(充電完了表示)する。そして、次のステップS1008にて、X端子の接続確認処理を終了する。
【0023】
一方、上記ステップS1003にてストロボ装置マイコン200との通信が正常に行われなかったと判定した場合や、上記ステップS1006でフラグX_FLGが「0」であり、X端子の接続が正常でないと判定した場合とする。この場合は、カメラマイコン100は、いずれもステップS1009へ進む。そして、ステップS1009では、カメラ本体側の表示部101でのストロボ発光可能情報の表示、つまり充電完了表示を禁止して、ストロボ発光が不能状態である旨を使用者に警告する。
【0024】
上記警告の後は直ちにステップS1010へ進み、交信用端子を介しての通信を中止し、次のステップS1008にて、X端子の接続確認処理を終了する。
【0025】
上記のように交信用端子を介する通信を中止することにより、該交信用端子を介してカメラ本体からストロボ装置に送信される絞り、焦点距離情報等のカメラ情報がストロボ装置側へ伝達されなくなる。よって、ストロボ装置側の表示部207に、絞り、焦点距離情報等のカメラ情報に基づくストロボ装置側での設定情報等が表示されないようになる。
【0026】
また、接続不良時の通信中止処理を行うことで、例えばオートズーム設定時にはレンズの設定に関する情報が受信されなくなる為、オートズームが機能しなくなる。よって、接続不良であることを撮影者の聴覚にも訴えることになり、撮影者に接続不良状態にあることをより明確に警告できるものとなる。
【0027】
発光開始信号伝達用端子であるX端子の接触不良が検知された場合の、交信用端子を介する通信の中止は、再度接続確認処理が実施されるまでその中止状態を継続する。この接続状態に関する一連の判定動作は、カメラの起動毎に、もしくはレリーズスイッチのボタンが第1ストローク位置まで押下される(撮影準備開始スイッチが操作される)毎に行う。また、この接続状態に関する一連の判定動作は、ストロボ装置の装着検出スイッチにより装着が検出される毎に行う。
【0028】
上記のように、レリーズボタンの半押しやストロボ装置の装着といった、ストロボ装置を使用し始める状況毎に接続不良確認処理を行う。このことで、接続不良状態から復帰していれば、通信再開操作等の必要なく、ストロボ装置が使用できる状態になる。
【0029】
なお、この接続状態に関する一連の判定動作は、ストロボ装置の発光モードが、前述の交信用端子を介しての通信によって発光を制御している場合は、該判定は実施しない。
【0030】
次に、X端子の接続確認時におけるストロボ装置側の通信割り込み処理について、図3のフローチャートに基づいて行う。
【0031】
ストロボ装置マイコン200は、カメラマイコン100からCLK2端子を介して1バイト分のクロック信号が入力されると、ステップS200より通信割り込み処理を開始する。この通信割り込み処理では、ストロボ装置マイコン2000は、まずステップS2001にて、カメラマイコン100からの通信データがX端子接続確認準備信号(図2のステップS1002)であるか否かを判定する。その結果、X端子接続確認準備信号であれば、X端子接続確認モードに移行するためにステップS2005へ進み、フラグTEST_FLGに「1」を設定し、X端子の接続検知結果を示すフラグX_FLGに「0」を設定する。そして、ステップS2004にて、本通信割り込み処理を終了する。
【0032】
一方、上記ステップS2001にてカメラマイコン100からの通信データがX端子接続確認準備信号でない場合は、ストロボ装置マイコン200は、ステップS2002へ処理を進める。そして、ステップS2002では、カメラマイコン100からの通信データが接続確認信号(図2のステップS1005)であるか否かを判定する。その結果、接続確認信号であればステップS2006へ進み、現時点でのフラグX_FLGの値をカメラマイコン100に返信し、X端子接続確認モードを解除するためにフラグTEST_FLGに「0」を設定し、不タグX_FLGに「0」を設定する。そして、ステップS2008にて、本通信割り込み処理を終了する。
【0033】
また、ステップS2002にて接続確認信号でないと判定した場合はステップS2003へ進み、他の通信処理を実行し、ステップS2008にて、本通信割り込み処理を終了する。
【0034】
次に、X端子を介して発光開始信号が送信されて来た場合のストロボ装置マイコン200での割り込み処理について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0035】
ストロボ装置マイコン200は、X端子を介して発光開始信号が送信されて来るとステップS2100より動作を開始する。そして、まず、ステップS2101にて、フラグTEST_FLGが「1」であるか否か、すなわち、X端子接続確認モードが設定されているか否かを判定する。その結果、X端子接続確認モードが設定されていなければステップS2102へ進み、通常の発光処理を行い、ステップS2103にて、本割り込み処理を終了する。
【0036】
この通常の発光処理では、ストロボ装置マイコン200は、SPK端子(図1参照)にハイレベルの信号を出力し、発光制御部(IGBT)206を導通状態とする。これにより、主コンデンサ203の陽極→放電管205→発光制御部206→主コンデンサ203の陰極の放電ループが形成する。そして、TRIG端子(図1参照)にハイレベルの信号を出力してトリガ部204を動作させ、放電管205に高電圧を与えることにより、放電管205を発光させる。
【0037】
図4に戻り、上記ステップS2101にてX端子接続確認モードが設定されていると判定した場合は、ストロボ装置マイコン200は、ステップS2104へ進む。このステップS21004では、X端子接続確認モード中にX端子のONを検出したこと、すなわちX端子が正常に接続されていることを意味するので、フラグX_FLGに「1」を設定する。したがって、ステップS2102で実行されるような発光動作を行うことなく、ステップS2103にて、本割り込み処理を終了することになる。
【0038】
なお、「1」に設定されたフラグX_FLGは、X端子が正常に接続されている旨の情報、すなわちX端子上で発光開始信号を検出した旨の情報として、図3のステップS2006でカメラマイコン100に報知される。
【0039】
このように本実施例1では、交信用端子(CLK端子、DCS端子等)を使用せずに、X端子を使用して、ストロボ装置マイコン200に発光開始信号を伝達する場合においても、実際にストロボ発光させることなく、X端子の接続確認を可能にしている。
【0040】
また、発光開始信号伝達用端子が接続不良と判定した場合は、交信用接続端子を介しての通信を中止する。これにより、カメラ情報(絞り、焦点距離情報等)がストロボ装置側に通信されなくなる為、ストロボ装置の表示部207には上記情報に基づくストロボ装置の設定に関する情報が表示されなくなる。また、オートズーム設定時にはオートズームが機能しなくなる。
【0041】
以上のように、ストロボ発光を試行することなく接続確認処理を行うことのできる従来のカメラシステムにおいて、発光開始信号伝達用端子が接続不良と判定した場合には、既存の表示部や制御方法を用いる。これにより、撮影者に、より明確に接続不良であることを警告できるカメラシステムとすることができる。
【実施例2】
【0042】
図5は本発明の実施例2に係るカメラ本体およびストロボ装置より成るカメラシステムの概略構成を示す構成図である。
【0043】
図5では、図1に対し、放電管205での発光を反射してストロボ装置の照射角を決定するフレネルミラー1208が追加されている。さらには、放電管205とフレネルミラー1208との距離を変更する機構1209と、その機構を駆動する為のモータ1211と、モータ1211を制御するモータドライバ1210が追加されている。その他の構成は同様である。但し、図1と図5とでは同一の構成要素であっても別の符号を付している。
【0044】
本発明の実施例2に係る接続確認処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。図6において、ステップS3001からステップS3008までは、実施例1における図2のステップS1001からステップS1008と同様である。また、実施例2におけるX端子接続確認時のストロボ装置側の通信割り込み処理、X端子より発光開始信号が送信されて来た場合のストロボ装置マイコン1200の処理(割り込み処理)も、実施例1と同様であり、これらの説明は省略する。
【0045】
図2と図6とで異なる点は、発光開始信号伝達用端子の接続不良が検知され(ステップS3006)、充電完了表示を禁止(ステップS3010)した後の処理(ステップS3011)である。このステップS3011では、交信用端子を介して予め規定された接続不良警告動作モードでの照射角変更ズーム動作命令を送信する。そして、照射角変更ズームを動作させることにより、積極的に接続不良を警告する。
【0046】
図7は、接続不良警告モードにて照射角変更ズームを動作させる場合の動作を示すフローチャートである。
【0047】
カメラ本体にて発光開始信号伝達用端子が接続不良であることを判定すると、カメラマイコン1100は、DCS1端子を介してストロボ装置マイコン1200に接続不良警告モードでのズーム動作命令を送信する(図6のステップS3011)。
【0048】
これに応答して、ストロボ装置マイコン1200は、図7のステップS3100より動作を開始する。そして、次のステップS3101およびステップS3102にて、狭照射角端と広照射角端とを行き交わせるズーム動作(照射角変更動作)を所定の回数繰り返させる。そして、所定の回数,上記のズーム動作を終了するとステップS3103へ進み、接続不良警告モード動作を終了する。
【0049】
図8は、接続不良警告モードにて照射角変更ズームを動作させる場合の制御信号の一例を示す図である。
【0050】
接続不良警告モードとして、カメラマイコン1100は照射角設定ズームを狭照射角端に移動させる為に、最望遠の焦点距離情報をストロボ装置マイコン1200に送信する。ストロボ装置マイコン1200は該情報を受信すると、モータドライバ1210を制御してフレネルミラー1208等によって構成される反射ミラーユニットを狭照射角端の設定に移動する。
【0051】
次に、所定の時間が経過してから、カメラマイコン1100は照射角設定ズームを広照射角端に移動させる為に、最広角の焦点距離情報をストロボ装置マイコン1200に送信する。ストロボ装置マイコン1200は該情報を受信すると、モータドライバ1210を制御してフレネルレンズ1208等によって構成される反射ミラーユニットを広照射角端の設定に移動する。
【0052】
上記の最狭照射角−最広照射角間の移動を所定の回数繰り返した後、接続不良警告モードでのズーム動作は終了とする。
【0053】
接続不良警告モードでの照射角変更ズームの操作は、上記の様に逐一カメラから制御信号を送信する他に、該操作をストロボ装置のコマンドの一つとして実装し、接続不良検知時はカメラから該コマンドを呼び出して警告動作を行わせるとしてもよい。
【0054】
また、実施例2の構成を持つストロボ装置においても、実施例1で示した接続不良時に交信用端子による通信を中止するという制御方法を取り得ることは言うまでもない。
【0055】
以上の本実施例2では、接続不良の警告手段として、発光開始信号伝達用端子が接続不良と判定された場合は、交信用端子を介する通信により、予め規定された接続不良警告モードにてストロボ照射角の変更動作を行うようにしている。これにより、撮影者に、より明確に接続不良であることを警告できるカメラシステムとすることができる。
【実施例3】
【0056】
図9は、本発明の実施例3に係るカメラシステムにおいて、接続不良警告モードにて照射角変更ズームを動作させる場合の動作を示すフローチャートである。なお、カメラ本体およびストロボ装置より成るカメラシステムの概略構成は図5と同様であるものとする。また、 本発明の実施例3に係るストロボ装置は、交信用端子を介しての通信によっても、発光の制御が可能であるものとする。
【0057】
X端子の接続確認処理において、本実施例3と上記の実施例2とで異なる点は、図6のステップS2010に示す接続不良検知後の接続不良を警告する動作の内容である。つまり、本実施例3では、接続不良が検知された場合には、交信用端子を介して予め規定された接続不良警告動作モードでのストロボ発光命令を送信して発光動作させることにより、積極的に接続不良を警告するものである。
【0058】
図9は、接続不良警告モードにてストロボ装置を発光させる場合の動作を示すフローチャートである。
【0059】
カメラ本体にて発光開始信号伝達用端子が接続不良であることを判定すると、カメラマイコン1100は、DCS1端子を介してストロボ装置マイコン1200に接続不良警告モードでのズーム動作命令を送信する(図6のステップS3011)。
【0060】
これに応答して、ストロボ装置マイコン1200は、図9のステップS3300より動作を開始する。そして、次のステップS3301およびステップS3302にて、周期的に短時間の発光を所定の回数繰り返させる。そして、所定の回数、上記の発光動作を終了するとステップS3303へ進み、接続不良警告モード動作を終了する。
【0061】
図10は、接続不良警告モードでの発光制御の一例を示す図である。
【0062】
接続不良警告モードとして、周期的に短時間の発光を所定の回数繰り返させるために、カメラマイコン1100は、DCS1端子を介して発光制御信号をストロボ装置マイコン1200に送信する。ストロボ装置マイコン1200は、発光命令を受信すると、SPK端子をハイレベルにして放電管1205の電極間に電圧を印加する。そして、TRIG端子をハイレベルにして放電管1205を発光させる。カメラマイコン1100が発光制御信号を所定の時間間隔で所定の回数繰り返して送信した後、接続不良警告モードでの発光は終了とする。
【0063】
なお、本実施例3では、接続不良警告モードでの発光として放電管1205を使用した例を挙げたが、ストロボ装置の合焦確認用赤色LED(不図示)の発光を使用してもよい。
【0064】
以上の本実施例3では、接続不良の警告手段として、発光開始信号伝達用端子が接続不良と判定された場合は、交信用端子を介する通信により、予め規定された接続不良警告モードにて発光動作を行うようにしている。これにより、撮影者に、より明確に接続不良であることを警告できるカメラシステムとすることができる。
【0065】
(本発明と実施例の対応)
通信接続端子110内の交信用端子であるCLK端子、DCS端子、DSC端子が、本発明の、接続されるストロボ装置との間で情報の交信を行う為の第1端子に相当する。また、通信接続端子110内の発光開始信号用端子であるX端子が、本発明の、ストロボ装置に発光開始信号を送信する為の第2端子に相当する。また、表示部101,1101が本発明の表示手段に相当する。また、カメラマイコン100,1100が、本発明の、第2端子を介してストロボ装置に発光開始信号を送信して、当該撮像装置とストロボ装置との間の接続確認処理を実行する制御手段に相当する。また、図2のステップS1010の動作や、図7のステップS3101,S3102の動作や、図9のステップS3301,S3302の動作を行う部分が、本発明の、予め規定された接続不良警告動作に相当する。
【0066】
上記の各実施例では、撮像装置であるカメラに適用した例を述べている。しかし、これに限定されず、接続確認処理の結果、接続不良を検知した場合は、表示手段にて警告表示を行うとともに、予め規定された接続不良警告動作を行わせる撮像装置の制御方法としても良い。このような撮像装置の制御方法とした場合にも、同様の効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例1に係るカメラシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係るカメラ本体のX端子接続確認処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例1に係るストロボ装置の通信割り込み処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1においてX端子より発光開始信号が送信されて来た場合のストロボ装置の処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例2に係るカメラシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例2に係るカメラ本体のX端子接続確認処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2に係るカメラ本体のX端子接続不良警告処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2に係るカメラ本体のX端子接続不良警告動作の制御信号の一例である。
【図9】本発明の実施例3に係るカメラ本体のX端子接続不良警告処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例3に係るに係るカメラ本体のX端子接続不良警告動作の制御信号の一例である。
【符号の説明】
【0068】
100 カメラマイコン
101 表示部
110 通信接続部
200 ストロボ装置マイコン
205 放電管
206 発光制御部
207 表示部
1100 カメラマイコン
1101 表示部
1110 通信接続部
1200 ストロボ装置マイコン
1205 放電管
1206 発光制御部
1207 表示部
1208 フレネルミラー
1209 放電管とフレネルミラーの距離を変更する機構
1210 モータドライバ
1211 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されるストロボ装置との間で情報の交信を行う為の第1端子と、
前記ストロボ装置に発光開始信号を送信する為の第2端子と、
表示手段と、
前記第2端子を介して前記ストロボ装置に発光開始信号を送信して、当該撮像装置と前記ストロボ装置との間の接続確認処理を実行する制御手段とを有する撮像装置において、
前記制御手段は、前記接続確認処理の結果、接続不良を検知した場合は、前記表示手段にて警告表示を行うとともに、予め規定された接続不良警告動作を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記接続不良警告動作とは、前記第1端子を介しての情報の交信を中止することであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記接続不良警告動作とは、前記第2端子を介して前記ストロボ装置と交信を行い、前記ストロボ装置にて接続不良の警告を示す動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記ストロボ装置にて接続不良の警告を示す動作とは、照射角変更動作を繰り返すことであることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記ストロボ装置にて接続不良の警告を示す動作とは、発光動作を繰り返すことであることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記接続確認処理は、当該撮像装置の起動毎に行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記接続確認処理は、当該撮像装置の撮影準備開始スイッチが操作される毎に行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記接続確認処理は、当該撮像装置に前記ストロボ装置が装着される毎に行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
接続されるストロボ装置との間で情報の交信を行う為の第1端子と、前記ストロボ装置に発光開始信号を送信する為の第2端子と、表示手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記第2端子を介して前記ストロボ装置に発光開始信号を送信して、前記撮像装置と前記ストロボ装置との間の接続確認処理を実行し、該接続確認処理の結果、接続不良を検知した場合は、前記表示手段に警告表示を行わせるとともに、予め規定された接続不良警告動作を行わせることを特徴とする撮像装置の制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−145713(P2009−145713A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324243(P2007−324243)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】