説明

撮像装置および方法、記録媒体、並びにプログラム

【課題】正確なフォトダイオードの出力を供給できるようにする。
【解決手段】
複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御部は、複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する。本技術は、例えば一眼レフカメラに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は撮像装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、正確なフォトダイオードの出力を供給するようにした撮像装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラには、被写体を自動的に撮影できるように、オートフォーカスの技術が設けられていることが多い(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そのうち、位相差オートフォーカス(AF)方式で用いられる撮像素子には、複数の測距センサ対が設置されている。測距センサはCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)ラインセンサによって構成される。
【0004】
測距センサにおいては、入射された光に対応する電荷がフォトダイオードにより蓄積され、その読み出しが行われるまで、アナログメモリで電荷が保持されている。
【0005】
図1は、従来のAF用撮像素子401の例を示す図である。AF用撮像素子401は、複数の測距センサ対501−1乃至501−X(Xは自然数)を有している。
【0006】
なお、測距センサ対501−1乃至501−Xを個々に区別する必要がない場合、以下単に、測距センサ対501と記述する。このことは、本明細書において、他の構成についても同様とする。
【0007】
測距センサ対501は、所定の測距ポイントに対してAF制御処理を実行する。図2を参照して測距センサ対501について説明する。
【0008】
図2は、従来の測距センサ対501の構成例を示すブロック図である。測距センサ対501は、撮像画素列521およびモニタセンサ522から構成される。
【0009】
撮像画素列521は、フォトダイオード541−1乃至541−Y(Yは自然数)、読み出し部542、アナログメモリ部543−1乃至543−Y、および出力部544から構成される。1つのフォトダイオード541には、1つのアナログメモリ543が対応している。モニタセンサ522は、フォトダイオード等から構成される。
【0010】
測距センサ対501は、モニタセンサ522の出力が所定の閾値以上となるまでの時間に基づいて、撮像画素列521のフォトダイオード541の電荷を蓄積する。
【0011】
測距センサ対501は、フォトダイオード541の電荷の蓄積終了後、読み出し部542を介してフォトダイオード541の出力結果をアログメモリ部543に保持させる。
【0012】
そして、出力部544は、アナログメモリ部543に保持されたフォトダイオード541の出力結果を出力する。一眼レフカメラは、出力部544により出力されたフォトダイオードの出力結果に基づいて、測距ポイントの制御処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−117512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、アナログメモリ部543では、フォトダイオード541の出力結果を保持する出力保持時間が長くなるに従い、熱などによるノイズ成分が増加してしまう。
【0015】
例えば、測距センサ対501−1が高照度の光に対応する電荷を蓄積し、測距センサ対501−2が低照度の光に対応する電荷を蓄積する場合、すなわち、2つの測距センサ対501に対する照度が大きく異なる場合、測距センサ対501−1の蓄積時間と測距センサ対501−2の電荷の蓄積時間に大きな差がでる。
【0016】
測距センサ対501−1,501−2の蓄積時間と出力保持時間の関係を図3を参照して説明する。
【0017】
図3は、測距センサ対501−1,501−2の蓄積時間561−1,561−2と、出力保持時間562−1,562−2の例を説明する図である。
【0018】
図3の上側には、測距センサ対501−1が高照度の光に対応する電荷を蓄積し、保持する場合の例が示されている。測距センサ対501−1のフォトダイオード541が高照度の光に対応する電荷を蓄積する場合、その蓄積時間561−1は、比較的短時間、例えば数μsとなる。
【0019】
一方、図3の下側には、測距センサ対501−2が低照度の光に対応する電荷を蓄積し、保持する場合の例が示されている。
【0020】
測距センサ対501−2のフォトダイオード541が低照度の光に対応する電荷を蓄積する場合、その蓄積時間561−2は、高照度の光に対応する電荷を蓄積する測距センサ対501−1の蓄積時間561−1に較べて長時間、例えば数百msとなる。
【0021】
このような場合、高照度の光の電荷を蓄積する測距センサ対501−1のフォトダイオード541の出力結果は、低照度の光の電荷を蓄積する測距センサ対501−2のフォトダイオード541の蓄積が終了するまで測距センサ対501−1のアナログメモリ部543に保持される。
【0022】
図3に示すように、測距センサ対501−1のアナログメモリ部543の出力保持時間562−1は、蓄積時間561−1に対して充分長くなるので、熱などによるノイズ成分が増加し、S/N比が劣化してしまう。
【0023】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、正確なフォトダイオードの出力を供給することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本技術の一側面の撮像装置は、複数の測距センサ対のフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御部を備え、前記制御部は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する。
【0025】
前記測距センサごともしくは測距センサ対ごとに、前記フォトダイオードの蓄積時間を決定するためのモニタセンサをさらに備え、前記制御部は、前記モニタセンサにより決定された前記蓄積時間に基づいて、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御することができる。
【0026】
前記制御部は、前記モニタセンサの出力が所定時間以内に所定の閾値を超えなかった場合、前記モニタセンサに対応する長蓄積の前記測距センサ対の前記フォトダイオードの蓄積を開始するとともに、前記モニタセンサの出力が前記所定時間以内に前記所定の閾値を超えた短蓄積の前記測距センサ対の蓄積終了のタイミングが、長蓄積の前記測距センサ対の蓄積開始のタイミングから前記所定時間と同じ長さの時間が経過した時となるように、複数の短蓄積の前記測距センサ対の前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御することができる。
【0027】
前記制御部は、複数の前記モニタセンサの出力が全て前記所定時間以内に前記所定の閾値を超えた場合、前記モニタセンサの出力が最後に前記所定の閾値を超えた前記測距センサ対の前記フォトダイオードの蓄積を開始するとともに、前記モニタセンサの出力が最後に前記所定の閾値を超えたとき、最後に前記所定の閾値を超えた前記測距センサ対の前記フォトダイオードの蓄積終了と同じタイミングで、他の前記測距センサ対の前記フォトダイオードの蓄積が終了するように、他の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御することができる。
【0028】
前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部をさらに備え、前記A/D変換部は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号を、同じタイミングでデジタル信号に変換することができる。
【0029】
1つの参照信号生成部をさらに備え、前記A/D変換部は、前記参照信号生成部の基準電圧を用いて、前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。
【0030】
前記A/D変換部は、前記参照信号生成部の基準電圧を用いて、前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号をカラムADC方式でデジタル信号に変換することができる。
【0031】
前記A/D変換部によりデジタル信号に変換された前記フォトダイオードの出力結果を記憶するデジタルメモリ部をさらに備えるようにすることができる。
【0032】
本技術の一側面の撮像方法は、複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御ステップを含み、前記制御ステップの処理は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する。
【0033】
本技術の一側面の記録媒体、またはプログラムは、コンピュータに、複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御ステップを実行させるためのプログラムであって、前記制御ステップの処理は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、またはプログラムである。
【0034】
本発明の一側面においては、複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、フォトダイオードの蓄積開始のタイミングが制御される。
【発明の効果】
【0035】
本技術の側面によれば、正確なフォトダイオードの出力を供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】従来のAF用撮像素子の構成を示すブロック図である。
【図2】従来の測距センサ対の構成を示すブロック図である。
【図3】従来のAF用撮像素子の蓄積の例を説明する図である。
【図4】本技術の一眼レフカメラの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図5】CPUの機能的構成例を示すブロック図である。
【図6】一眼レフカメラの簡易的な配置例を示す図である。
【図7】測距センサ対の配置例を示す図である。
【図8】測距ポイント例を示す図である。
【図9】AF用撮像素子の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図10】センサ列の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図11】読み出し部の例を示す図である。
【図12】測距センサ対の蓄積の例を示す図である。
【図13】測距センサ対の出力の例を示す図である。
【図14】測距センサ対の配置例を示す図である。
【図15】参照信号生成部の大きさを示す図である。
【図16】測距センサ蓄積処理を説明するフローチャートである。
【図17】測距センサ対の蓄積の例を示す図である。
【図18】長蓄積処理を説明するフローチャートである。
【図19】短蓄積処理を説明するフローチャートである。
【図20】測距センサ対の蓄積と出力のタイミングチャートである。
【図21】測距センサ蓄積処理を説明するフローチャートである。
【図22】短蓄積測距センサの蓄積の例を示す図である。
【図23】短蓄積処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一眼レフカメラの構成
2.AF用撮像素子の構成
3.測距センサ蓄積処理1
4.長蓄積処理
5.短蓄積処理1
6.測距センサ蓄積処理2
7.短蓄積処理2
8.その他
【0038】
[一眼レフカメラの構成]
【0039】
図4は、本技術が適用される一眼レフカメラ1の構成例を示すブロック図である。
【0040】
撮像装置としての一眼レフカメラ1は、AF用撮像素子21、レンズ制御部22、レンズ23、撮像部24、画像信号処理部25、表示部26、記録部27、バス28、操作部30、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、EEPROM(Erasable Programmable ROM)33、RAM(Random Access Memory)34、およびメディアI/F(Interface)35から構成されている。
【0041】
AF用撮像素子21は、フォトダイオード等を有する測距センサ対41等から構成される。AF用撮像素子21の詳細は、図9を参照して後述する。レンズ制御部22は、AF用撮像素子21からの出力結果に基づいてレンズ23のフォーカス位置を制御する。
【0042】
レンズ23は、凸レンズ等により構成され、被写体からの光を収光する。撮像部24は、レンズ23を介して被写体を撮像する。
【0043】
撮像部24は、例えばCCDイメージセンサ、またはCMOSイメージセンサ等により構成される。
【0044】
画像信号処理部25は、撮像された被写体の静止画像のアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する。表示部26は、液晶ディスプレイ等により構成され、画像信号処理部25から取得したデジタル映像信号に対応する画像を表示する。
【0045】
記録部27は、画像信号処理部25から取得したデジタル映像信号を記録する。
【0046】
バス28は、AF用撮像素子21、レンズ制御部22、撮像部24、画像信号処理部25、操作部30、CPU31、ROM32、EEPROM33、RAM34、およびメディアI/F35をそれぞれ相互に接続する。
【0047】
操作部30は、ユーザからの入力を受け付ける。操作部30は、例えば、ボタン、スイッチ、タッチパネルディスプレイ等により構成される。
【0048】
CPU31は、一眼レフカメラ1の動作を制御する。なお、CPU31の代わりに、マイクロコンピュータを利用することもできる。図5を参照して、CPU31の詳細について説明する。
【0049】
図5は、CPU31の機能的構成例を示すブロック図である。
【0050】
CPU31は、制御部51、判定部52、取得部53、および記録部54の機能ブロックを有している。なお、CPU31の各ブロックは、必要に応じて相互に信号、データを授受することが可能とされている。
【0051】
制御部51は、各種の情報を制御する。判定部52は、各種の判定処理を実行する。取得部53は、各種の情報を取得する。記録部54は、各種の情報を記録する。
【0052】
なお、制御部51、判定部52、取得部53、および記録部54の各機能ブロックを、レンズ制御部22に設けるようにしてもよい。
【0053】
図4に戻り、ROM32は、一眼レフカメラ1において実行される各種の処理プログラムや処理に必要なデータ等を記録する。EEPROM33は、不揮発性メモリであり、ユーザが入力した一眼レフカメラ1の設定など、電源オフ後も保持する必要がある情報を記録する。
【0054】
RAM34は、各種処理において得られたデータを一時的に記録保持するなど、各種処理の作業領域として用いられる。メディアI/F35は、記録メディア等のリムーバブルディスクや、パーソナルコンピュータと相互に接続するインターフェースである。
【0055】
図6は、一眼レフカメラ1内の簡易的な配置例を示す図である。図6の例には、レンズ23、撮像部24、測距センサ対41、ミラー61、およびセパレータレンズ62が示されている。
【0056】
ミラー61は、レンズ23を介して入射された光を反射して、測距センサ対41に入射させるように動作する。例えば凸レンズ等により構成されるセパレータレンズ62は、入射された光を2以上の複数の光に分割し、測距センサ対41に照射する。
【0057】
図6Aは、AF動作時の状態を示す図である。図6Aに示すように、AF動作時では、レンズ23を介して入射された光81−1がミラー61に反射して測距センサ対41に入射されるように、ミラー61の一端が下方に移動した位置に配置される。
【0058】
ミラー61により反射された光81−1は、セパレータレンズ62を介して、光81−11と光81−12に分割され、それぞれ測距センサ対41に入射する。
【0059】
測距センサ対41は、入射された光81−11,81−12に対して位相差検出方式等のAF制御処理により、2つの結像位置のずれを検出する。
【0060】
図6Bは、撮像時の状態を示す図である。図6Bに示すように、撮像時では、レンズ23を介して入射された光81−2が撮像部24に入射されるように、ミラー61が上方に跳ね上げられる。従って、撮像時には、測距センサ対41に光が入射されない。
【0061】
図7は、位相差検出方式におけるAF用撮像素子21の例を示す図である。
【0062】
図7のAF用撮像素子21には、4つの測距センサ対41−1乃至41−4が示されている。1つの測距センサ対41は、2個のセンサ列を1対として構成される。例えば、測距センサ対41−1は、センサ列101−1とセンサ列101−2から構成される。
【0063】
センサ列101は、撮像画素列121とモニタセンサ122により構成される。例えば、センサ列101−1は、撮像画素列121−1とモニタセンサ122−1から構成され、センサ列101−2は、撮像画素列121−2とモニタセンサ122−2から構成される。
【0064】
なお、図7においては、センサ列101−1,101−2の撮像画素列121−1,121−2と、モニタセンサ122−1,122−2のみが示されているが、他のセンサ列101−3乃至101−8においても、撮像画素列121とモニタセンサ122が設けられている。
【0065】
撮像画素列121は、複数のフォトダイオード等の光検出器により構成され、各々の位置に入射された光の光量を検出する。
【0066】
モニタセンサ122は、フォトダイオード等の光検出器により構成され、対応する撮像画素列121の出力の平均、または代表的な1つの画素と同じレベルの信号を出力する。
【0067】
また、測距センサ対41は、1点の測距ポイントを有している。図8を参照して、測距ポイントについて説明する。
【0068】
図8は、図7の構成によって得られる、ファインダー上の測距ポイントの例を示している。図8の例では、3点の測距ポイント102−1乃至102−3が示されている。AFの制御処理が実行される場合、3点の測距ポイント102−1乃至102−3のうちのいずれか1つが選択される。
【0069】
測距ポイント102−1乃至102−3は、対応する測距センサ対41−1乃至41−3の略中央(センサ列の間)に位置している。具体的には、例えば測距センサ対41−2においては、センサ列101−3とセンサ列101−4との間に測距ポイント102−2が位置している。
【0070】
左側の測距ポイント102−2が選択された場合、センサ列101−3,101−4により構成される測距センサ対41−2を用いてAFの制御処理が実行される。
【0071】
また、右側の測距ポイント102−3が選択された場合、センサ列101−5,101−6により構成される測距センサ対41−3を用いてAFの制御処理が実行される。
【0072】
なお、AFの精度を向上させるために、1つの測距ポイント102に複数の測距センサ対41を配置してもよい。
【0073】
例えば、中央の測距ポイント102−1が選択された場合、センサ列101−1,101−2により構成される測距センサ対41−1と、センサ列101−7,101−8により構成される測距センサ対41−4を用いてAFの制御処理が実行される。
【0074】
[AF用撮像素子の構成]
【0075】
図9は、本技術を適用したAF用撮像素子21の構成例を示すブロック図である。AF用撮像素子21は、測距センサ対41−1乃至41−M(Mは自然数であり、図7の実施の形態ではM=4)、参照信号生成部131、および出力回路132から構成されている。
【0076】
測距センサ対41は、2つのセンサ列101を有しており、2つのセンサ列101から出力された被写体の像から、AF制御処理のための情報、すなわちピントのずれ(位相差)の量を検出するための情報をそれぞれ出力する。
【0077】
参照信号生成部131は、DA変換回路(DAC;Digital Analog Converter)(図示せず)を有して構成される。参照信号生成部131は、M個の測距センサ対41−1乃至41−Mに、共通のアナログ基準電圧を供給する。
【0078】
測距センサ対41−1乃至41−Mは、出力結果を出力回路132に出力する。出力回路132は、M個の測距センサ対41の出力結果をCPU31に出力する。
【0079】
次に、図10を参照して、センサ列101の例を説明する。
【0080】
図10は、センサ列101の構成例を示すブロック図である。センサ列101は、撮像画素列121およびモニタセンサ122から構成されている。
【0081】
撮像画素列121は、フォトダイオード141−1乃至141−N(Nは自然数)、読み出し部142、A/D変換部143−1乃至143−N、デジタルメモリ部144−1乃至144−N、および出力部145から構成されている。
【0082】
1つのフォトダイオード141には、1つのA/D変換部143およびデジタルメモリ部144が対応している。
【0083】
モニタセンサ122も、フォトダイオードを有している。モニタセンサ122のフォトダイオードの数は1つでもよいし、2つ以上の複数個、例えば撮像画素列121と同じN個でもよい。
【0084】
フォトダイオード141は、一列に並べられており、入射された光の光量に対応する電荷を蓄積する。モニタセンサ122のフォトダイオードも、入射光量に対応する電荷を蓄積する。
【0085】
読み出し部142は、フォトダイオード141の出力を読み出し、フォトダイオード141に対応するA/D変換部143に出力する。図11を参照して、読み出し部142の回路構成について説明する。
【0086】
図11は、読み出し部142の回路構成の例を示す図である。図11には、1個のフォトダイオード141−1から信号を読み出す場合の構成が示されている。
【0087】
図11の例では、フォトダイオード141−1の電荷が転送ゲート321を介して転送されるコンデンサ322は、リセットゲート323により電源供給線301からの電位Vdによりリセットされるように接続されている。
【0088】
また、コンデンサ322の電位は、増幅用トランジスタ324,325を介して信号出力線302から出力されるように構成されている。
【0089】
転送ゲート321、リセットゲート323、および増幅用トランジスタ324,325は、例えば電界効果トランジスタ(MOSFET)で構成することができる。
【0090】
図10に戻り、A/D変換部143は、フォトダイオード141の出力結果を参照信号生成部131から供給される基準電圧と比較することで、フォトダイオード141の出力結果としてのアナログ信号を、例えばカラムADC(Analog Digital Converter)方式でデジタル信号に変換させる。
【0091】
デジタルメモリ部144は、対応するA/D変換部143により変換されたフォトダイオード141の出力結果のデジタル信号を記憶する。出力部145は、デジタルメモリ部144に保持されたフォトダイオード141の出力結果のデジタル信号を出力回路132に出力する。
【0092】
出力回路132は、出力部145からの信号およびモニタセンサ122からの信号をCPU31(または、レンズ制御部22でもよい)に出力する。
【0093】
このような図10の撮像画素列121では、アナログメモリ部(図2参照)に代えて、デジタルメモリ部144にフォトダイオード141の出力結果を記憶するので、熱などによりノイズ成分が増加することを防ぐことができる。
【0094】
上述したように、デジタルメモリ部144にフォトダイオード141の出力結果を記録させる場合、フォトダイオード141の蓄積終了後、A/D変換を行う必要がある。
【0095】
フォトダイオード141の出力結果のA/D変換は、各測距センサ対41のA/D変換部143が1個の参照信号生成部131からの共通の出力を用いて実行する。また、1つの測距センサ対41内のフォトダイオード141の蓄積は同じタイミングで終了する。
【0096】
しかし、複数の測距センサ対41−1乃至41−Mを1つの参照信号生成部131を用いて処理する場合、フォトダイオード141の出力結果にデータ欠損が起きることがある。図12を参照して、フォトダイオード141の出力結果にデータ欠損が起きる場合について説明する。
【0097】
図12は、フォトダイオード141の蓄積時間の例を示す図である。蓄積時間161−1は、測距センサ対41−1のフォトダイオード141の蓄積時間を示している。蓄積時間161−2は、測距センサ対41−2のフォトダイオード141の蓄積時間を示している。
【0098】
図12の例では、蓄積時間161−1を3μsとし、蓄積時間161−2を6μsとし、A/D変換時間162を5μsとする場合について説明する。それぞれ、測距センサ対41から得られる最適な出力が得られる蓄積時間が設定されているとする。
【0099】
図12に示すように、測距センサ対41−1のフォトダイオード141の蓄積は、蓄積時間161−1の間に行なわれ、その後A/D変換が実行される。
【0100】
しかし、測距センサ対41−1のフォトダイオード141の蓄積が終了し、A/D変換されている間、すなわちA/D変換時間162−1の間に、測距センサ対41−2のフォトダイオード141の蓄積時間161−2が経過した場合、1個の参照信号生成部131はいま、測距センサ対41−1のために動作中なので、すぐにA/D変換は実行されない。
【0101】
このような場合、測距センサ対41−2のフォトダイオード141の蓄積は、蓄積時間161−2である6μsで終了せず、測距センサ対41−1のA/D変換時間162−1が経過するまで、すなわち8μsが経過するまで蓄積される。
【0102】
従って、測距センサ対41−2のフォトダイオード141の蓄積時間が2μsだけ長くなるので、測距センサ対41−2のフォトダイオード141の蓄積量が飽和し、データ欠損が起きることがある。図13を参照して、フォトダイオード141の出力について説明する。
【0103】
図13は、フォトダイオード141の出力の例を示す図である。図13の例では、横軸にフォトダイオード141−1乃至141−Nの位置が示されており、縦軸にフォトダイオード141の蓄積量、すなわちフォトダイオード141の出力が示されている。
【0104】
基準部は、例えば、測距センサ101−1のフォトダイオード141を示し、参照部は、センサ列101−2のフォトダイオード141を示している。
【0105】
Dmaxは、測距センサ対41ごとに設定されたフォトダイオード141のダイナミックレンジの最大値を示している。
【0106】
図13Aは、フォトダイオード141の最適な出力の例を示している。最適な出力である場合、フォトダイオード141の出力は、ダイナミックレンジの範囲内に収まる。
【0107】
図13Bは、フォトダイオード141の出力が大き過ぎる場合の例を示している。フォトダイオード141の出力が大き過ぎる場合、その出力がダイナミックレンジを超えてしまう。Dmax以上のフォトダイオード141の出力は検出できないので、データ欠損が起こる。
【0108】
図12の測距センサ対41−2のフォトダイオード141の蓄積時間161−2のように、蓄積時間が長い場合、または強い光が入射された場合、フォトダイオード141の出力がダイナミックレンジを超えることがある。
【0109】
図13Cは、フォトダイオード141の出力が小さ過ぎる場合の例を示している。フォトダイオード141の蓄積時間が短過ぎる場合、弱い光が入射された場合、フォトダイオード141の出力が小さくなり過ぎ、S/Nが悪化する。
【0110】
図13Bと図13Cのように、フォトダイオード141の出力が最適でない場合、測距センサ対41の出力によるAF処理を確実に実行できなくなる。
【0111】
図13Bの現象を回避するため、参照信号生成部131を測距センサ対41ごとに配置することが考えられる。
【0112】
図14と図15を参照して、複数の参照信号生成部131をAF用撮像素子21内に設置する場合について説明する。
【0113】
図14は、AF用撮像素子21のチップ内部の配置例を示す図である。図14では、図9のAF用撮像素子21の測距センサ対41が21個(すなわちM=21)となる場合の配置例が示されている。
【0114】
図14の例では、AF用撮像素子21のチップ内に、センサ列101−101,101−102の対、およびセンサ列101−111,101−112の対を含む測距センサ対41が21個配置され、参照信号生成部131が1つ配置されている。
【0115】
図15は、21個の参照信号生成部131の例を示す図である。図15のスケールは、図14のスケールと同じである。
【0116】
図14に示すように、参照信号生成部131の大きさは、1つの測距センサ対41より充分大きい。従って、図15に示す21個の参照信号生成部131を、図14のAF用撮像素子21のチップ内に全て配置することは困難となる。また、参照信号生成部131の数が増加するとコストが高くなる。
【0117】
このような問題が生じないようにするため、1つの参照信号生成部131を用いて測距センサ対41−1乃至41−Mの出力をA/D変換するのが好ましい。以下、そのための一眼レフカメラ1の測距センサ蓄積処理について、図16乃至図20を参照して説明する。
【0118】
[測距センサ蓄積処理1]
【0119】
図16は、測距センサ蓄積処理1について説明するフローチャートである。図16の測距センサ蓄積処理1は、例えばAF動作時に実行される。なお、簡単のため、測距センサ対41の2つのセンサ列101のうちの一方の処理を測距センサ対41の処理として記述する。
【0120】
ステップS1において、制御部51は、全てのモニタセンサ122の蓄積を開始する。すなわち、全ての測距センサ対41−1乃至41−Mのモニタセンサ122の蓄積が開始される。
【0121】
ステップS2において、判定部52は、時間T1が経過したかを判定する。時間T1は、測距センサ対41の短蓄積モードと長蓄積モードとを切り換えるための閾値として予め設定されている。
【0122】
なお、以下では、短蓄積モードの測距センサ対41を短蓄積測距センサと記述し、長蓄積モードの測距センサ対41を長蓄積測距センサと記述する。
【0123】
また、本実施の形態では、時間T1は全ての測距センサ対41で同じ時間として説明するが、時間T1は測距センサ対41ごとに異なる時間としてもよい。
【0124】
ステップS2において、まだ時間T1が経過していないと判定された場合、ステップS3において、判定部52は、対応するモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えた測距センサ対41が存在するかを判定する。
【0125】
すなわち、時間T1以内の現時点において、モニタセンサ122の蓄積が終了した測距センサ対41が存在するかが判定される。
【0126】
なお、本実施の形態では、対応するモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えるまでの時間を、測距センサ対41のフォトダイオード141の蓄積の最適時間として設定するが、閾値には他の値を設定してもよい。
【0127】
例えば、閾値として上述の閾値Thの半分の値を設定してもよい。閾値として閾値Thの半分の値を設定する場合、モニタセンサ122の出力が閾値を超えた時間の2倍の時間がフォトダイオード141の蓄積の最適時間となる。
【0128】
また、閾値Thはそのままで、モニタセンサ122のモニタ感度等を調整してもよい。モニタ感度を2倍にした場合、モニタセンサ122の出力が閾値Thを超えた時間の2倍の時間がフォトダイオード141の蓄積の最適時間となる。
【0129】
ステップS3において、時間T1以内の現時点において、モニタセンサ122の蓄積が終了した測距センサ対41が存在しないと判定された場合、処理はステップS2に戻り、それ以降同様の処理が繰り返される。
【0130】
一方、ステップS3において、時間T1以内の現時点において、モニタセンサ122の蓄積が終了した測距センサ対41が存在すると判定された場合、ステップS4において、取得部53は、その測距センサ対41を短蓄積測距センサとして取得する。
【0131】
図17を参照して、モニタセンサ122が時間T1以内に閾値Thを超える場合について説明する。
【0132】
図17は、測距センサ対41の蓄積の例を示す図である。図17の例では、モニタセンサ122A,122B,122C,122D,122E,122Fの蓄積状態が示されている。
【0133】
図17の縦軸は、モニタセンサ122の出力を示しており、下方向がプラスとなっている。また、横軸は、経過時間を示している。
【0134】
モニタセンサ122の蓄積が開始されると、モニタセンサ122の出力201が閾値Thに(図17において下方向に)向かって増加する。
【0135】
図17の例では、モニタセンサ122Aの出力201A、モニタセンサ122Bの出力201B、モニタセンサ122Cの出力201Cの順番に閾値Thを超える。
【0136】
そして、出力201Aが閾値Thを超えるまでの経過時間が蓄積時間Tf1Aとされ、出力201Bが閾値Thを超えるまでの経過時間が蓄積時間Tf1Bとされ、出力201Cが閾値Thを超えるまでの経過時間が時間Tf1Bとされる。
【0137】
一方、モニタセンサ122Dの出力201D、モニタセンサ122Eの出力201E、およびモニタセンサ122Fの出力201Fは、時間T1以内に閾値Thを超えない。
【0138】
図16に戻り、ステップS5において、記録部54は、短蓄積測距センサのIDと蓄積時間Tf1*を記録する。ID(Identification)は、例えば、短蓄積測距センサの名称等である。
【0139】
蓄積時間Tf1*は、モニタセンサ122の蓄積が開始されてから、閾値Thを超えるまでに経過した時間である。蓄積時間Tf1*の「*」は、対応する短蓄積測距センサのID等を示している。
【0140】
例えば、短蓄積測距センサAの場合、短蓄積測距センサAのID「A」と、短蓄積測距センサAに対応する蓄積時間Tf1Aが記録される。
【0141】
ステップS5の処理の後、処理はステップS2に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0142】
上述のステップS2乃至S5の処理が繰り返されることで、モニタセンサ122Bに対応する測距センサ対41Bが短蓄積測距センサBとして取得され、短蓄積測距センサBのID「B」と、その蓄積時間Tf1Bが記録される。
【0143】
また同様に、モニタセンサ122Cに対応する測距センサ対41Cが短蓄積測距センサCとして取得され、短蓄積測距センサCのID「C」と、その蓄積時間Tf1Cが記録される。
【0144】
一方、ステップS2において、時間T1が経過したと判定された場合、ステップS6において、判定部52は、測距センサ対41が、時間T1以内に対応するモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えた測距センサ対41であるかを判定する。
【0145】
すなわち、測距センサ対41が短蓄積測距センサであるか、長蓄積測距センサであるかが判定される。
【0146】
ステップS6において、測距センサ対41が、時間T1以内に対応するモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えた測距センサ対41でないと判定された場合、すなわち、測距センサ対41が長蓄積測距センサであると判定された場合、処理はステップS7に進む。
【0147】
ステップS7において、取得部53は、該当する全ての測距センサ対41を長蓄積センサとして取得する。図17の例では、モニタセンサ122D,122E,122Fに対応する測距センサ対41D,41E,41Fが長蓄積測距センサD,E,Fとして取得される。
【0148】
ステップS8において、CPU31は、長蓄積処理を実行する。図18を参照して、長蓄積測距センサの長蓄積処理について説明する。
【0149】
[長蓄積処理]
【0150】
図18は、長蓄積測距センサの長蓄積処理を説明するフローチャートである。
【0151】
ステップS21において、制御部51は、全ての長蓄積測距センサの蓄積を開始する。より正確には、全ての長蓄積測距センサの撮像画素列121の蓄積が開始される。
【0152】
すなわち、図16のステップS1の処理によるモニタセンサ122の蓄積開始から時間(T1+α(αは実数))経過後に、長蓄積測距センサD,E,Fのフォトダイオード141の蓄積が開始される。
【0153】
なお、時間αは、図16のステップS6,S7の処理時間に対応する微小な時間であるとする。
【0154】
ステップS22において、判定部52は、対応するモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えた長蓄積測距センサが存在するかを判定する。すなわち、測距センサ対41の蓄積時間が決定された長蓄積測距センサが存在するかが判定される。
【0155】
ステップS22において、蓄積時間が決定された長蓄積測距センサが存在しないと判定された場合、処理はステップS22に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0156】
一方、ステップS22において、蓄積時間が決定した長蓄積測距センサが存在すると判定された場合、ステップS23において、記録部54は、長蓄積測距センサのIDと蓄積時間Tf2*を記録する。
【0157】
図17の例では、モニタセンサ122の蓄積開始から蓄積時間Tf2Dが経過した時、モニタセンサ122Dの出力201Dが閾値Thを超える。
【0158】
この時、モニタセンサ122Dに対応する長蓄積測距センサDのID「D」と、長蓄積測距センサDに対応する蓄積時間Tf2Dが記録される。
【0159】
なお、長蓄積測距センサの場合、蓄積時間Tf2*は、A/D変換の時間Tad刻みで制御される。図17において点線は、A/D変換の処理のタイミングを表わしている。
【0160】
図17の例では、モニタセンサ122の蓄積開始から蓄積時間Tf2Dが経過した時、モニタセンサ122Dの出力201Dが閾値Thを超え、蓄積時間Tf2Eが経過した時、モニタセンサ122Eの出力201Eが閾値Thを超える。
【0161】
このような場合、蓄積時間Tf2D,Tf2Eは異なる時間となるが、蓄積時間Tf2D,Tf2Eが同じ時間Tadの範囲内であるので、モニタセンサ122Eの出力201Eが閾値Thを超えるタイミングは出力201Dと同じタイミングとされる。時間Tadは、長蓄積測距センサの蓄積時間に較べて充分小さいからである。
【0162】
すなわち、モニタセンサ122の蓄積開始から時間Tf2D+β(=Tf2E+γ(β,γ<Tad、β,γは実数))が経過した時、出力201D,201Eが閾値Thを超えたとされる。なお、β,γは、次のA/D変換のタイミングまでの時間である。
【0163】
ステップS24において、判定部52は、長蓄積測距センサの蓄積開始から蓄積時間Tf2*が経過した長蓄積測距センサが存在するかを判定する。すなわち、長蓄積測距センサの蓄積が終了したかが判定される。
【0164】
ステップS24において、まだ長蓄積測距センサの蓄積が終了していないと判定された場合、後述するステップS27乃至S29の処理はスキップされ、処理はステップS25に進む。
【0165】
ステップS25において、判定部52は、全ての長蓄積測距センサに対応するモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えたかを判定する。すなわち、全ての長蓄積測距センサの蓄積時間が決定したかが判定される。
【0166】
ステップS25において、まだ全ての長蓄積測距センサの蓄積時間が決定されていないと判定された場合、処理はステップS22に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0167】
一方、ステップS25において、全ての長蓄積測距センサの蓄積時間が決定されたと判定された場合、ステップS26において、判定部52は、全ての長蓄積測距センサの蓄積が終了したかを判定する。
【0168】
図17の例では、上述のステップS22乃至S25の処理が繰り返されることで、長蓄積測距センサD,Eの蓄積時間が決定された後、モニタセンサ122Fの出力201Fが閾値Thを超え、長蓄積測距センサFのID「F」と、その蓄積時間Tf2Fが記録される。
【0169】
従って、長蓄積測距センサFの蓄積時間Tf2Fが決定され、全ての長蓄積測距センサD,E,Fの蓄積時間が決定される。
【0170】
ステップS26において、まだ全ての長蓄積測距センサの蓄積が終了していないと判定された場合、すなわち、蓄積が終了していない長蓄積測距センサが存在する場合、処理はステップS24に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0171】
一方、ステップS24において、長蓄積測距センサの蓄積が終了したと判定された場合、ステップS27において、取得部53は、蓄積時間Tf2*が経過した長蓄積測距センサの出力を取得する。
【0172】
ステップS28において、制御部51は、蓄積時間Tf2*が経過した長蓄積測距センサの出力をA/D変換する。
【0173】
すなわち、制御部51は、A/D変換部143を制御し、参照信号生成部131が出力する基準電圧を用いてフォトダイオード141の出力をA/D変換する。
【0174】
図17の例では、長蓄積測距センサの蓄積開始から蓄積時間Tf2D+β(=Tf2E+γ)が経過した時、長蓄積測距センサD,Eの出力が取得される。
【0175】
この場合、制御部51は、長蓄積測距センサD、すなわち測距センサ対41DのA/D変換部143Dを制御して、フォトダイオード141Dの出力をA/D変換する。
【0176】
また同様に、制御部51は、長蓄積測距センサE、すなわち測距センサ対41EのA/D変換部143Eを制御して、フォトダイオード141Eの出力をA/D変換する。
【0177】
なお、制御部51がA/D変換部143を制御するとしたが、A/D変換部143が制御部51の制御に依らず、独立にフォトダイオード141の出力をA/D変換するようにしてもよい。
【0178】
ステップS29において、記録部54は、A/D変換された長蓄積測距センサの出力を記録する。
【0179】
すなわち、センサ列101ごとに、フォトダイオード141Dの出力がデジタルメモリ部144Dに記録され、フォトダイオード141Eの出力がデジタルメモリ部144Eに記録される。
【0180】
ステップS29の処理の後、処理はステップS25に進み、それ以降の処理が繰り返される。
【0181】
上述のステップS24乃至S29の処理が繰り返されることで、長蓄積測距センサの蓄積開始から蓄積時間Tf2F+ε(ε<Tad、εは実数)が経過した時、長蓄積測距センサFの出力が取得される。εも、次のA/D変換のタイミングまでの時間である。
【0182】
そして、長蓄積測距センサFのフォトダイオード144Fの出力がA/D変換されて、デジタルメモリ部144Fに記録される。
【0183】
ステップS26において、全ての長蓄積測距センサの蓄積が終了したと判定された場合、長蓄積測距センサの長蓄積処理は終了し、処理は図16に戻る。
【0184】
図16に戻り、ステップS6において、測距センサ対41が短蓄積測距センサであると判定された場合、ステップS9において、取得部53は、全ての短蓄積測距センサを取得する。図17の例では、短蓄積測距センサA,B,Cが取得される。
【0185】
ステップS10において、CPU31は、短蓄積処理1を実行する。図19を参照して、短蓄積測距センサの短蓄積処理1について説明する。
【0186】
[短蓄積処理1]
【0187】
図19は、短蓄積測距センサの短蓄積処理1を説明するフローチャートである。
【0188】
ステップS41において、判定部52は、長蓄積測距センサの蓄積開始から時間(T1−Tf1*)が経過した短蓄積測距センサが存在するかを判定する。すなわち、フォトダイオード141の蓄積を開始する短蓄積測距センサが存在するかが判定される。
【0189】
長蓄積測距センサの蓄積は、図18のステップS21の処理が実行された時、すなわち、モニタセンサ122の蓄積開始から時間(T1+α)経過後に開始されている。
【0190】
ステップS41において、まだ蓄積を開始する短蓄積測距センサが存在しないと判定された場合、処理はステップS41に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0191】
ステップS41において、蓄積を開始する短蓄積測距センサが存在すると判定された場合、ステップS42において、制御部51は、蓄積時間(T1−Tf1*)が経過した短蓄積測距センサの蓄積を開始する。
【0192】
短蓄積測距センサA,B,Cの場合、図16のステップS2乃至S5の処理により、最後にモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えた短蓄積測距センサCが、最初に蓄積を開始する。
【0193】
すなわち、長蓄積測距センサの蓄積開始から時間(T1−Tf1C)が経過した時、短蓄積測距センサCの蓄積が開始される。
【0194】
ステップS43において、判定部52は、全ての短蓄積測距センサが蓄積を開始したかを判定する。
【0195】
ステップS43において、まだ全ての短蓄積測距センサが蓄積を開始していないと判定された場合、すなわち蓄積が開始されていない短蓄積測距センサが存在すると判定された場合、処理はステップS41に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0196】
上述のステップS41乃至S43の処理が繰り返されることで、長蓄積測距センサの蓄積開始から時間(T1−Tf1B)が経過した時、短蓄積測距センサBの蓄積が開始され、長蓄積測距センサの蓄積開始から時間(T1−Tf1A)が経過した時、短蓄積測距センサAの蓄積が開始される。
【0197】
このように蓄積開始のタイミングを調整することにより、短蓄積測距センサA,B,Cの蓄積が同じタイミングで終了するようになる。
【0198】
ステップS43において、全ての短蓄積測距センサが蓄積を開始したと判定された場合、ステップS44において、制御部51は、長蓄積測距センサの蓄積開始から時間T1が経過するまで待機する。すなわち、全ての短蓄積測距センサA,B,Cの蓄積が終了するまで待機する。
【0199】
ステップS45において、取得部53は、短蓄積測距センサの出力を取得する。すなわち、取得部53は、読み出し部142を介して、フォトダイオード141−1乃至141−Nの出力を取得する。
【0200】
図20を参照して、フォトダイオード141の出力結果の読み出しについて説明する。図20は、短蓄積測距センサの蓄積と読み出しのタイミングチャートである。
【0201】
図20の例では、簡単のため、短蓄積測距センサA,B,Cの一方のセンサ列101のフォトダイオード141−1の蓄積と読み出しの例が示されている。また、Voutは、短蓄積測距センサAの一方のセンサ列101の出力結果を示している。
【0202】
図20の例では、長蓄積測距センサの蓄積開始から時間(T1−Tf1C)がカウントダウンされ、カウントが0となったタイミングで信号TG−Cが高レベルから低レベルに変化する。
【0203】
すなわち、長蓄積測距センサの蓄積開始から時間(T1−Tf1C)経過した時、短蓄積測距センサCの蓄積が開始される。
【0204】
同様に、長蓄積測距センサの蓄積開始から時間(T1−Tf1B)がカウントダウンされ、カウントが0となったタイミングで信号TG−Bが高レベルから低レベルに変化する。
【0205】
また、長蓄積測距センサの蓄積開始から時間(T1−Tf1A)がカウントダウンされ、カウントが0となったタイミングでTG−Aが高レベルから低レベルに変化する。
【0206】
蓄積が終了する少し前のタイミングで、信号RSが高レベルから低レベルに変化すると、コンデンサ322がリセットされ、増幅用トランジスタ324,325の出力Voutは、容量性カップリングの特性により、電源電圧Vdを保持できず、第1の値に低下する。
【0207】
さらに、蓄積終了の直前のタイミングで信号TG−Aが高レベルになると、フォトダイオード141−1の電荷がコンデンサ322に転送される。その後、蓄積終了のタイミングで信号TG−Aが低レベルになると、増幅用トランジスタ324,325の出力Voutは第2の値となる。
【0208】
この第1の値と第2の値との差分が最終的なフォトダイオード141の出力となる。同様の読み出し処理が他のフォトダイオード141に対しても行なわれ、短蓄積測距センサAの出力となる。
【0209】
さらに、同様の読み出し処理が短蓄積測距センサB,Cにおいても行なわれる。
【0210】
図19に戻り、ステップS46において、制御部51は、短蓄積測距センサの出力をA/D変換する。すなわち、制御部51は、A/D変換部143を制御し、参照信号生成部131が出力する基準電圧を用いてフォトダイオード141の出力をA/D変換する。
【0211】
短蓄積測距センサA,B,CのA/D変換は、同じタイミングで行なわれるので、それぞれのA/D変換に必要な基準電圧は、共通のものとすることができる。従って、参照信号生成部131は1個とすることができる。
【0212】
ステップS47において、記録部54は、A/D変換された短蓄積測距センサの出力を記録する。すなわち、フォトダイオード141Aの出力がデジタルメモリ部144Aに記録される。
【0213】
また同様に、フォトダイオード141B,Cの出力がデジタルメモリ部144B,Cにそれぞれ記録される。ステップS47の処理の後、短蓄積処理1は終了し、処理は図16に戻る。
【0214】
このように、短蓄積処理1では、全ての短蓄積測距センサの蓄積終了のタイミングが同じになるので、1つの参照信号生成部131を用いて、データ欠損等が発生することなく確実にフォトダイオード141の出力をA/D変換することができる。
【0215】
また、フォトダイオード141の出力を対応するデジタルメモリ部144に記憶するので、長蓄積測距センサの長蓄積処理が終了するまで、ノイズ等が増加することなく、確実にフォトダイオード141の出力を保持することができる。
【0216】
図16に戻り、ステップS8の長蓄積処理、およびステップS10の短蓄積処理1の後、測距センサ蓄積処理1は終了する。
【0217】
なお、本実施の形態においては、測距センサ対41が短蓄積測距センサおよび長蓄積測距センサのいずれかであるとしたが、全ての測距センサ対41が短蓄積測距センサとなる場合がある。図21乃至図23を参照して、この場合の測距センサ蓄積処理2について説明する。
【0218】
[測距センサ蓄積処理2]
【0219】
図21は、測距センサ蓄積処理2を説明するフローチャートである。図22は、測距センサ対41の蓄積の例を示す図である。図22の例では、モニタセンサ122G,122H,122Iの出力201G,201H,201Iが示されている。
【0220】
図21においてステップS101乃至S105,S108乃至S112の処理は、図16のステップS1乃至S10の処理に対応する処理である。したがって、これらの処理は繰り返しになるので簡単に説明する。
【0221】
ステップS101において、制御部51は、全てのモニタセンサ122の蓄積を開始する。ステップS102において、判定部52は、時間T1が経過したかを判定する。
【0222】
ステップS102において、まだ時間T1が経過していないと判定された場合、ステップS103において、判定部52は、対応するモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えた測距センサ対41が存在するかを判定する。
【0223】
すなわち、時間T1以内に蓄積が終了する測距センサ対41が存在するかが判定される。ステップS103において、時間T1以内に蓄積が終了する測距センサ対41が存在しないと判定された場合、処理はステップS102に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0224】
ステップS103において、時間T1以内に蓄積が終了する測距センサ対41が存在すると判定された場合、ステップS104において、取得部53は、測距センサ対41を短蓄積測距センサとして取得する。
【0225】
ステップS105において、記録部54は、短蓄積測距センサのIDと蓄積時間Tf1*を記録する。例えば、図22では、短蓄積測距センサGのID「G」と蓄積時間Tf1Gが取得される。
【0226】
ステップS106において、判定部52は、全てのモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えたかを判定する。すなわち、全ての測距センサ対41が短蓄積測距センサであるかが判定される。
【0227】
ステップS106において、全ての測距センサ対41が短蓄積測距センサでないと判定された場合、すなわち、まだ対応するモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えていない測距センサ対41が存在する場合、処理はステップS102に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0228】
一方、ステップS106において、全ての測距センサ対41が短蓄積測距センサであると判定された場合、ステップS107において、CPU31は、短蓄積処理2を実行する。図23を参照して、短蓄積測距センサの短蓄積処理2について説明する。
【0229】
[短蓄積処理2]
【0230】
図23は、短蓄積測距センサの短蓄積処理2を説明するフローチャートである。
【0231】
ステップS131において、取得部53は、最後に出力が閾値Thを超えたモニタセンサ122の蓄積時間Tf1*を時間Taとして取得する。図22の例では、モニタセンサ122Iの出力201Iが最後に閾値Thを超えるので、蓄積時間Tf1Iが時間Taとして取得される。
【0232】
ステップS132において、記録部54は、時間Taを記録する。すなわち、取得された蓄積時間Tf1Iが時間Taとして記録される。
【0233】
図17の時間T1に代わり、時間Taを使用することで、図17の例に較べて時間(T1−Ta)×2を削減することができ、迅速に処理を実行することができる。
【0234】
また、時間(T1−Ta)×2内に輝度揺れ等があった場合、出力がずれてしまうことがあるが、時間(T1−Ta)×2を削減することで、より正確な測距センサ対41の出力を供給することができる。
【0235】
ステップS133において、制御部51は、最後に出力が閾値Thを超えたモニタセンサ122に対応する短蓄積測距センサの蓄積を開始する。図22の例では、短蓄積測距センサIのフォトダイオード141Iの蓄積が開始される。
【0236】
ステップS134において、判定部52は、蓄積開始から時間(Ta−Tf1*)が経過した短蓄積測距センサが存在するかを判定する。すなわち、蓄積を開始する短蓄積測距センサが存在するかが判定される。
【0237】
ステップS134において、まだ蓄積を開始する短蓄積測距センサが存在しないと判定された場合、処理はステップS134に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0238】
ステップS134において、蓄積を開始する短蓄積測距センサが存在すると判定された場合、ステップS135において、制御部261は、時間(Ta−Tf1*)が経過した短蓄積測距センサの蓄積を開始する。
【0239】
例えば、時間(Ta−Tf1H)が経過した時、短蓄積測距センサHの蓄積が開始され、時間(Ta−Tf1G)が経過した時、短蓄積測距センサGの蓄積が開始される。
【0240】
ステップS136において、判定部52は、全ての短蓄積測距センサが蓄積を開始したかを判定する。
【0241】
ステップS136において、全ての短蓄積測距センサが蓄積を開始していないと判定された場合、すなわち、蓄積を開始していない短蓄積測距センサが存在する場合、処理はステップS134に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0242】
ステップS136において、全ての短蓄積測距センサが蓄積を開始したと判定された場合、ステップS137において、制御部51は、蓄積開始から時間Taが経過するまで待機する。すなわち、全ての短蓄積測距センサの蓄積が終了するまで待機する。
【0243】
ステップS138において、取得部53は、短蓄積測距センサの出力を取得する。図22の例では、短蓄積測距センサG,H,Iの出力が取得される。
【0244】
ステップS139において、制御部51は、短蓄積測距センサの出力をA/D変換する。すなわち、制御部51は、A/D変換部143を制御し、参照信号生成部131の基準電圧を用いてフォトダイオード141の出力をA/D変換する。
【0245】
短蓄積測距センサG,H,Iの出力は、同じタイミングで参照信号生成部131に供給される。制御部51は、短蓄積測距センサG、すなわち測距センサ対41GのA/D変換部143Gおよび参照信号生成部131を介して、フォトダイオード141Gの出力をA/D変換する。
【0246】
また同様に、制御部51は、短蓄積測距センサH,I、すなわち測距センサ対41H,IのA/D変換部143H,Iおよび参照信号生成部131を介して、フォトダイオード141H,Iの出力をそれぞれA/D変換する。
【0247】
ステップS140において、記録部54は、A/D変換された短蓄積測距センサの出力を記録する。すなわち、フォトダイオード141Gの出力がデジタルメモリ部144Gに記録される。
【0248】
また同様に、フォトダイオード141H,Iの出力がデジタルメモリ部144H,Iにそれぞれ記録される。ステップS140の処理の後、短蓄積処理2は終了し、処理は図21に戻る。
【0249】
一方、図21のステップS102において、時間T1が経過したと判定された場合、ステップS108において、判定部52は、時間T1以内に対応するモニタセンサ122の出力が閾値Thを超えた測距センサ対41であるかを判定する。
【0250】
すなわち、測距センサ対41が短蓄積測距センサであるか、長蓄積AFであるかが判定される。
【0251】
ステップS108において、測距センサが長蓄積測距センサであると判定された場合、ステップS109において、取得部53は、該当する全ての測距センサ対41を長蓄積センサとして取得する。
【0252】
ステップS110において、長蓄積処理が実行される。長蓄積処理は、図18を参照して上述した通りである。
【0253】
一方、ステップS108において、測距センサ対41が短蓄積測距センサであると判定された場合、ステップS111において、取得部53は、全ての短蓄積測距センサを取得する。
【0254】
ステップS112において、短蓄積処理1が実行される。短蓄積処理1は、図19参照して上述した通りである。
【0255】
ステップS107の短蓄積処理2の後、並びにステップS110の長蓄積処理、およびステップS112の短蓄積処理1の後、測距センサ蓄積処理2は終了する。
【0256】
このように、測距センサ制御装置81は、全ての測距センサ対41が短蓄積測距センサである場合、より迅速かつ確実に測距センサ対41の蓄積を実行することができる。
【0257】
[その他]
【0258】
本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0259】
本技術の実施の形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本技術の実施の形態は、一部の機能を他の装置が有していても良い。
【0260】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御部を備え、前記制御部は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する撮像装置。
(2)前記測距センサごとに、前記フォトダイオードの蓄積時間を決定するためのモニタセンサをさらに備え、前記制御部は、前記モニタセンサにより決定された前記蓄積時間に基づいて、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する前記(1)に記載の撮像装置。
(3)前記制御部は、前記モニタセンサの出力が所定時間以内に所定の閾値を超えなかった場合、前記モニタセンサに対応する長蓄積の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積を開始するとともに、前記モニタセンサの出力が前記所定時間以内に前記所定の閾値を超えた短蓄積の前記測距センサの蓄積終了のタイミングが、長蓄積の前記測距センサの蓄積開始のタイミングから前記所定時間と同じ長さの時間が経過した時となるように、複数の短蓄積の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する前記(2)に記載の撮像装置。
(4)前記制御部は、複数の前記モニタセンサの出力が全て前記所定時間以内に前記所定の閾値を超えた場合、前記モニタセンサの出力が最後に前記所定の閾値を超えた前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積を開始するとともに、前記モニタセンサの出力が最後に前記所定の閾値を超えたとき、最後に前記所定の閾値を超えた前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了と同じタイミングで、他の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積が終了するように、他の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する前記(3)に記載の撮像装置。
(5)前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部をさらに備え、前記A/D変換部は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号を、同じタイミングでデジタル信号に変換する前記(1)から(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(6)1つの参照信号生成部をさらに備え、前記A/D変換部は、前記参照信号生成部の基準電圧を用いて、前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号をデジタル信号に変換する前記(5)に記載の撮像装置。
(7)前記A/D変換部は、前記参照信号生成部の基準電圧を用いて、前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号をカラムADC方式でデジタル信号に変換する前記(6)に記載の撮像装置。
(8)前記A/D変換部によりデジタル信号に変換された前記フォトダイオードの出力結果を記憶するデジタルメモリ部をさらに備える前記(5)から(7)のいずれかに記載の撮像装置。
(9)複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御ステップを含み、前記制御ステップの処理は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する撮像方法。
(10)コンピュータに、複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御ステップを実行させるためのプログラムであって、前記制御ステップの処理は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(11)コンピュータに、複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御ステップを実行させるためのプログラムであって、前記制御ステップの処理は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御するプログラム。
【符号の説明】
【0261】
41 測距センサ対, 51 制御部, 122 モニタセンサ, 131 参照信号生成部, 141 フォトダイオード, 143 A/D変換部, 144 デジタルメモリ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御部
を備え、
前記制御部は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する
撮像装置。
【請求項2】
前記測距センサごとに、前記フォトダイオードの蓄積時間を決定するためのモニタセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記モニタセンサにより決定された前記蓄積時間に基づいて、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記モニタセンサの出力が所定時間以内に所定の閾値を超えなかった場合、前記モニタセンサに対応する長蓄積の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積を開始するとともに、
前記モニタセンサの出力が前記所定時間以内に前記所定の閾値を超えた短蓄積の前記測距センサの蓄積終了のタイミングが、長蓄積の前記測距センサの蓄積開始のタイミングから前記所定時間と同じ長さの時間が経過した時となるように、複数の短蓄積の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、
複数の前記モニタセンサの出力が全て前記所定時間以内に前記所定の閾値を超えた場合、前記モニタセンサの出力が最後に前記所定の閾値を超えた前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積を開始するとともに、
前記モニタセンサの出力が最後に前記所定の閾値を超えたとき、最後に前記所定の閾値を超えた前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了と同じタイミングで、他の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積が終了するように、他の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する
請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部をさらに備え、
前記A/D変換部は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号を、同じタイミングでデジタル信号に変換する
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
1つもしくは1つ以上の参照信号生成部をさらに備え、
前記A/D変換部は、前記参照信号生成部の基準電圧を用いて、前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号をデジタル信号に変換する
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記A/D変換部は、前記参照信号生成部の基準電圧を用いて、前記フォトダイオードの出力結果としてのアナログ信号をカラムADC方式でデジタル信号に変換する
請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記A/D変換部によりデジタル信号に変換された前記フォトダイオードの出力結果を記憶するデジタルメモリ部
をさらに備える請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御ステップ
を含み、
前記制御ステップの処理は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する
撮像方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御ステップ
を実行させるためのプログラムであって、
前記制御ステップの処理は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する
プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
コンピュータに、
複数の測距センサのフォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する制御ステップ
を実行させるためのプログラムであって、
前記制御ステップの処理は、複数の前記測距センサの前記フォトダイオードの蓄積終了が同じタイミングとなるように、前記フォトダイオードの蓄積開始のタイミングを制御する
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−11662(P2013−11662A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142967(P2011−142967)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】