撮像装置及び撮像方法
【課題】輝度成分によらず安定した領域分割を行い、更に同じ距離に位置する被写体に対しても良好なホワイトバランス補正を行う撮像装置および撮像方法、並びにコンピュータに実行可能な記録媒体を提供すること。
【解決手段】光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する撮像素子と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得手段と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得手段とを備える撮像装置において、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割手段と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出手段と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算手段とを備えることを特徴とする。
【解決手段】光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する撮像素子と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得手段と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得手段とを備える撮像装置において、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割手段と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出手段と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算手段とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び撮像方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、良好なホワイトバランス補正が可能なホワイトバランス制御機能を備えた撮像装置及び撮像方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像装置では、画面全体に均一な光源であれば、光源を推定して画面全体に同じホワイトバランスをかけるといった方法が広く用いられている。しかし、画面内に異なる種類の光源の照射エリアが存在する場合、画面全体に同じホワイトバランスをかける方法であると、異なる種類の光源の照射エリアそれぞれに対して適切なホワイトバランスとすることができない。
【0003】
そこで特許文献1では、小領域に分割したエリア毎にホワイトバランスを掛けることで、画面全体に対して色ずれを生じさせないホワイトバランス制御機能が開示されている。
また特許文献2では、隣り合うエリアで異なるホワイトバランスが掛けられたエリア境界での色ずれを解消するために、画素毎にホワイトバランス係数を掛けるホワイトバランス制御機能が開示されている。
さらに特許文献3では、カラー画像を照明成分の輝度値によって複数種類の光源に対応する領域に分割し、領域毎の補正係数を算出するホワイトバランス制御機能が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−271638号公報
【特許文献2】特開2005−347811号公報
【特許文献3】特開2007−129622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した特許文献1〜3に記載の発明では、同じ距離に位置する被写体に対して複数の光源が存在する場合、例えば、顔の半分が日向で、半分が日陰だとすると、同一の物体に対して複数のホワイトバランスが掛かることになり、不自然な画像となる。
また、黄色は比較的輝度が高く、一方で青色は輝度が低いため、日向の青色が日陰の黄色よりも輝度が低いといった減少が起こるので、撮影シーンによっては輝度成分のみを基にした領域分割では必ずしも光源に対応したホワイトバランス補正を行うことができないということが課題となっている。
【0006】
さらに、光源毎に領域を分割してそれぞれの領域で白抽出を行っても色温度追従範囲を広くする目的で白抽出範囲を広く設けているために、有彩色の影響により領域毎に最適なホワイトバランスをかけることができないといった問題がある。即ち、日向と日陰では色情報の分布が似ており領域毎に白抽出を行っても有彩色の影響を受けた結果、日向領域と日陰領域のホワイトバランスがほとんど同じになってしまう。このため、画面全体に同じホワイトバランスをかける場合と同様、日向(高輝度領域)と日陰(低輝度領域)とが存在するシーンでは、日向に最適なホワイトバランスをかけると日陰領域が青くなり、日陰領域の肌が青白くなる。また逆に、日陰領域に最適なホワイトバランスかけると日向領域が黄色くなり、日陰領域の白い部分と空の評価値がほぼ同じ位置に分布することから空を白くしてしまうといった問題が生じてしまう。
従来、ダイナミックレンジの狭いセンサーを用いた撮像装置では、日陰領域と空(日向領域)が存在する場合、日陰領域に合った露出では、日陰領域に最適なホワイトバランスを空に対して掛けてもそもそも空は白飛びしている為に問題とならなかった。また、空に合った露出では空を白くしないホワイトバランスを日陰領域に対して掛けてもそもそも日陰領域は暗くなり極端に彩度が落ちていた為、問題がなかった。しかし、今後はダイナミックレンジが広いセンサーを用いた撮像装置若しくは画像処理によるダイナミックレンジ拡大の普及が予想されるので、日陰領域に最適なホワイトバランスをかけた場合でも空を白くしない、また日向領域、空に最適なホワイトバランスをかけた場合でも日陰領域の肌を青白くしないようにすることが要求される。
【0007】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、輝度成分によらず安定した領域分割を行い、更に同じ距離に位置する被写体に対しても良好なホワイトバランス補正を行う撮像装置及び撮像方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、上記課題を解決するために本発明に係る撮像装置及び撮像方法、並びにコンピュータ読取可能な記録媒体は、具体的には下記(1)〜(18)に記載の技術的特徴を有する。
(1):光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する撮像素子と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得手段と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得手段とを備える撮像装置において、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割手段と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出手段と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算手段とを備えることを特徴とする撮像装置である。
【0009】
(2):前記領域分割手段は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出手段を備え、前記補正係数算出手段は、前記白抽出手段によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする上記(1)に記載の撮像装置である。
【0010】
(3):前記白抽出手段は、前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする上記(2)に記載の撮像装置である。
【0011】
(4):前記白抽出手段は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする上記(2)に記載の撮像装置である。
【0012】
(5):前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割手段を備え、当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、前記ホワイトバランス演算手段は、当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得手段と、当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得手段と、を有し、前記第1補正係数取得手段と前記第2補正係数取得手段とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の撮像装置である。
【0013】
(6):前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする上記(5)に記載の撮像装置である。
【0014】
(7):光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する光電変換工程と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得工程と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得工程とを備える撮像方法において、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割工程と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出工程と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算工程とを備えることを特徴とする撮像方法である。
【0015】
(8):前記領域分割工程は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出工程を備え、前記補正係数算出工程は、前記白抽出工程によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする上記(7)に記載の撮像方法である。
【0016】
(9):前記白抽出工程は、前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする上記(8)に記載の撮像方法である。
【0017】
(10):前記白抽出工程は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする上記(8)に記載の撮像方法である。
【0018】
(11):前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割工程を備え、当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、前記ホワイトバランス演算工程は、当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得工程と、当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得工程と、を有し、前記第1補正係数取得工程と前記第2補正係数取得工程とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする上記(7)乃至(10)のいずれか1項に記載の撮像方法である。
【0019】
(12):前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする上記(11)に記載の撮像装置である。
【0020】
(13):光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する光電変換処理と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得処理と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割処理と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出処理と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算処理とを備えることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
(14):前記領域分割処理は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出処理を備え、前記補正係数算出処理は、前記白抽出処理によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする上記(13)に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
(15):前記白抽出処理は、前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする上記(14)に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
(16):前記白抽出処理は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする上記(14)に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
(17):前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割処理を備え、当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、前記ホワイトバランス演算処理は、当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得処理と、当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得処理と、を有し、前記第1補正係数取得処理と前記第2補正係数取得処理とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする上記(13)乃至(16)のいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
(18):前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする上記(17)に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、輝度成分によらず安定した領域分割を行い、更に同じ距離に位置する被写体に対しても良好なホワイトバランス補正を行う撮像装置および撮像方法、並びにコンピュータに実行可能な記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の撮像装置は、光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する撮像素子と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得手段と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得手段とを備える撮像装置において、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割手段と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出手段と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
次に、図面を用いて本発明に係る撮像装置の基本的な構成についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限りこれらの態様に限られるものではない。
【0029】
〔第1の実施の形態〕
(デジタルカメラの外観構成)
図1は、本実施形態に係る撮像装置の第1の実施の形態であるデジタルカメラの外観を示す概略図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るデジタルカメラの上面側には、レリーズボタン(シャッタボタン)、電源ボタン、撮影・再生切替ダイアルが設けられており、デジタルカメラの正面(前面)側には、撮影レンズ系を有する鏡胴ユニット、ストロボ発光部、光学ファインダが設けられている。
【0030】
デジタルカメラの背面側には、液晶モニタ(LCD)、前記光学ファインダの接眼レンズ部、広角側ズーム(W)スイッチ、望遠側ズーム(T)スイッチ、メニュー(MENU)ボタン、確定ボタン(OKボタン)等が設けられている。また、デジタルカメラの側面内部には、撮影した画像データを保存するためのメモリカードを収納するメモリカード収納部が設けられている。
【0031】
(デジタルカメラのシステム構成)
図2は、本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、このデジタルカメラ内には、鏡胴ユニットに設置した撮影レンズ系(光学系)を通して入射される被写体画像が受光面上に結像する固体撮像素子としてのCCD、CCDから出力される電気信号(アナログRGB画像信号)をデジタル信号(撮像信号)に処理するアナログフロントエンド部(AFE部)、AFE部から出力されるデジタル信号を処理する信号処理部、データを一時的に格納するSDRAM、制御プログラム等が記憶されたROM、モータドライバ等が設けられている。
【0032】
鏡胴ユニットは、ズームレンズやフォーカスレンズ等を有する撮影レンズ系、絞りユニット、メカシャッタユニットを備えており、撮影レンズ系、絞りユニット、メカシャッタユニットの各駆動ユニット(不図示)は、モータドライバによって駆動される。モータドライバは、信号処理部の制御部(CPU)からの駆動信号により駆動制御される。
【0033】
CCDは、CCDを構成する複数の画素上に色分解フィルタとしてのRGB原色フィルタが配置されており、RGB3原色に対応した電気信号(アナログRGB画像信号)が出力される。
【0034】
AFE部は、CCDを駆動するTG(タイミング信号発生部)、CCDから出力される電気信号(アナログRGB画像信号)をサンプリングするCDS(相関2重サンプリング部)、CDSにてサンプリングされた画像信号のゲインを調整するAGC(アナログ利得制御部)、AGCでゲイン調整された画像信号をデジタル信号(RAW−RGBデータ)に変換するA/Dを備えている。
【0035】
信号処理部は、AFE部のTGへ画面水平同期信号(HD)と画面垂直同期信号(VD)の出力を行い、これらの同期信号に合わせて、AFE部のA/Dから出力されるRAW−RGBデータを取り込むCCDインターフェース(CCDI/F)と、SDRAMを制御するメモリコントローラと、取り込んだRAW−RGBデータを表示や記録が可能なYUV形式の画像データに変換するYUV変換部と、表示や記録される画像データのサイズに合わせて画像サイズを変更するリサイズ処理部と、画像データの表示出力を制御する表示出力制御部と、画像データをJPEG形成などで記録するためのデータ圧縮部と、画像データをメモリカードへ書き込み、又はメモリカードに書き込まれた画像データを読み出すメディアインターフェース(メディアI/F)と、操作部からの操作入力情報に基づき、ROMに記憶された制御プログラムに基づいてデジタルカメラ全体のシステム制御等を行う制御部(CPU)を備えている。
【0036】
操作部は、デジタルカメラ(図1参照)の外観表面に設けられているレリーズボタン、電源ボタン、撮影・再生切替ダイアル、広角側ズームスイッチ、望遠側ズームスイッチ、メニューボタン、確定ボタン等であり、撮影者の操作によって所定の動作指示信号が制御部に入力される。
【0037】
SDRAMには、CCDI/Fに取り込まれたRAW−RGBデータが保存されると共に、YUV変換部で変換処理されたYUVデータ(YUV形式の画像データ)が保存され、更に、データ圧縮部で圧縮処理されたJPEG形成などの画像データが保存される。また、OSD(オンスクリーンディスプレイ)とは、LCDディスプレイに表示させるデータであり、YUVデータ若しくはJPEG画像の上に操作系の設定情報を重ねたものとなる。
【0038】
なお、前記YUVデータのYUVは、輝度データ(Y)と、色差(輝度データと青色(B)成分データの差分(U)と、輝度データと赤色(R)成分データの差分(V))の情報で色を表現する形式である。この画像変換をする際に、制御部からISPに対して、WBゲインRg、Bgを設定する。
【0039】
ISP(イメージシグナルプロセッサ)とは、ホワイトバランス、ガンマ補正、色補正等を行う信号処理部のメイン部分である。
【0040】
(デジタルカメラのモニタリング動作、静止画撮影動作)
次に、前記したデジタルカメラのモニタリング動作と静止画撮影動作について説明する。このデジタルカメラは、静止画撮影モード時には、以下に説明するようなモニタリング動作を実行しながら静止画撮影動作が行われる。
【0041】
先ず、撮影者が電源ボタンをONし、撮影・再生切替ダイアルを撮影モード(静止画撮影モード)に設定することで、デジタルカメラが記録モードで起動する。電源ボタンがONされて、撮影・再生切替ダイアルが撮影モードに設定されたことを制御部が検知すると、制御部はモータドライバに制御信号を出力して、鏡胴ユニットを撮影可能位置に移動させ、かつ、CCD、AFE部、信号処理部、SDRAM、ROM、液晶モニタ等を起動させる。
【0042】
そして、鏡胴ユニットの撮影レンズ系を被写体に向けることにより、撮影レンズ系を通して入射される被写体画像がCCDの各画素の受光面上に結像する。そして、CCDから出力される被写体画像に応じた電気信号(アナログRGB画像信号)は、CDS、AGCを介してA/Dに入力され、A/Dにより12ビット(bit)のRAW−RGBデータに変換する。
【0043】
このRAW−RGBデータは、信号処理部のCCDI/Fに取り込まれてメモリコントローラを介してSDRAMに保存される。そして、SDRAMから読み出されたRAW−RGBデータは、YUV変換部に入力されて表示可能な形式であるYUVデータ(YUV信号)に変換された後に、メモリコントローラを介してSDRAMにYUVデータが保存される。
【0044】
そして、SDRAMからメモリコントローラを介して読み出したYUVデータは、表示出力制御部を介して液晶モニタ(LCDディスプレイ)へ送られ、撮影画像(動画)が表示される。前記した液晶モニタ(LCDディスプレイ)に撮影画像を表示しているモニタリング時においては、CCDI/Fによる画素数の間引き処理により1/30秒の時間で1フレームを読み出している。
【0045】
なお、このモニタリング動作時は、電子ファインダとして機能する液晶モニタ(LCDディスプレイ)に撮影画像(動画)が表示されているだけで、まだレリーズボタンが押圧(半押も含む)操作されていない状態である。
【0046】
この撮影画像の液晶モニタ(LCD)への表示によって、静止画を撮影するための構図の確認等をすることができる。なお、表示出力制御部からTVビデオ信号として出力して、ビデオケーブルを介して外部のTV(テレビ)に撮影画像(動画)を表示することもできる。
【0047】
そして、信号処理部のCCDI/Fは、取り込まれたRAW−RGBデータより、AF(自動合焦)評価値、AE(自動露出)評価値、AWB(オートホワイトバランス)評価値を算出する。
尚、本発明において、輝度情報とはAE評価値であり、ホワイトバランス評価値とは、AWB評価値であり、ホワイトバランス評価値取得手段および距離情報取得手段とは、それぞれ信号処理部のCCDI/Fの一部である。
【0048】
AF評価値は、例えば高周波成分抽出フィルタの出力積分値や、近接画素の輝度差の積分値によって算出される。合焦状態にあるときは、被写体のエッジ部分がはっきりとしているため、高周波成分が一番高くなる。これを利用して、AF動作時(合焦検出動作時)には、撮影レンズ系内の各フォーカスレンズ位置におけるAF評価値を取得して、その極大になる点を合焦検出位置としてAF動作が実行される。
【0049】
AE評価値とAWB評価値は、RAW−RGBデータにおけるRGB値のそれぞれの積分値から算出される。例えば、信号処理部のCCDI/Fの一部である検波回路(ブロック分割手段)によってCCDの全画素の受光面に対応した画面を256エリア(ブロック)に等分割(水平16分割、垂直16分割)された後、それぞれのエリア(ブロック)のRGB積算値がCCDI/Fによって算出される。
【0050】
そして、制御部は、算出されたRGB積算値を読み出し、適正なホワイトバランスになるようなWBのゲインRgainとBgainを算出する。また、AE処理では、画面のそれぞれのエリア(ブロック)の輝度を算出して、輝度分布から適正な露光量を決定する。決定した露光量に基づいて、露光条件(CCDの電子シャッタ回数、絞りユニットの絞り値、NDフィルタの出し入れ等)を設定する。さらに、AWB処理では、RGBの分布から被写体の光源の色に合わせたAWBの制御値を決定する。このAWB処理により、YUV変換部でYUVデータに変換処理するときのホワイトバランスを合わせる。なお、前記したAE処理とAWB処理は、前記モニタリング時には連続的に行われている。
【0051】
そして、前記したモニタリング動作時に、レリーズボタンが押圧(半押しから全押し)操作される静止画撮影動作が開始されると、合焦位置検出動作であるAF動作と静止画記録処理が行われる。
【0052】
即ち、レリーズボタンが押圧(半押しから全押し)操作されると、制御部からモータドライバへの駆動指令により撮影レンズ系のフォーカスレンズが移動し、例えば、いわゆる山登りAFと称されるコントラスト評価方式のAF動作が実行される。
【0053】
いわゆる山登りAFとは、AF(合焦)対象範囲が無限から至近までの全領域であった場合、撮影レンズ系のフォーカスレンズは、至近から無限、又は無限から至近までの間の各フォーカス位置に移動し、CCDI/F(距離情報取得手段)で算出されている各フォーカス位置における前記AF評価値を制御部が読み出す。そして、各フォーカス位置のAF評価値が極大になる点を合焦位置としてフォーカスレンズを合焦位置に移動させ、合焦させる。
【0054】
そして、前記したAE処理が行われ、露光完了時点で、制御部からモータドライバへの駆動指令によりメカシャッタユニットが閉じられ、CCDから静止画用のアナログRGB画像信号が出力される。そして、前記モニタリング時と同様に、AFE部のA/D変換部によりRAW−RGBデータに変換される。
【0055】
そして、このRAW−RGBデータ(撮像信号)は、信号処理部のCCDI/Fに取り込まれ、YUV変換部でYUVデータに変換されて、メモリコントローラを介してSDRAMに保存される。そして、このYUVデータはSDRAMから読み出されて、リサイズ処理部で記録画素数に対応するサイズに変換され、データ圧縮部でJPEG形式等の画像データへと圧縮される。圧縮されたJPEG形式等の画像データは、SDRAMに書き戻された後にメモリコントローラを介してSDRAMから読み出され、メディアI/Fを介してメモリカードに保存される。
【0056】
次に、本発明の特徴となる撮像動作について説明する。
図3は本実施の形態におけるホワイトバランス(以下、WBとも称する)補正の一連の処理をフローにしたものである。
先ず、静止画撮影動作におけるWB、ガンマ補正、色補正等の一連の信号処理を終えた後、ISPより出力されたYUVデータと信号処理前のCCD−I/Fより出力されたRaw−RGBデータとがSDRAMに格納される。ここで格納されたYUVデータは領域毎のWB補正を行う上で必要なデータであって、最終的にメモリカードへ保存されるデータではない。
【0057】
そして、SDRAMに格納されたYUVデータを再度読み出し、色とエッジ情報を基に画素単位でいくつかのまとまった領域に分割する(S1;領域分割手段)。この時点の分割結果では多くの細かい領域が存在するため、それぞれの領域に対して個別のWB処理を行うには処理時間が増えるなどの不都合が生じるので、領域毎のWB処理にはS1終了時点での分割結果を使用することができない。
【0058】
次に、色とエッジ情報を基に領域分割した画像に対して更に距離情報を使用して、S1で分割された領域それぞれを距離情報に応じて被写体領域と背景領域としてまとめる(S2;領域分割手段)。距離情報は水平16×垂直16分割のブロック単位で出力され、S1における分割も同様にブロック単位で行う。距離情報のみで領域を分割する方法もあるが、必ずしも全てのブロックで距離情報が取得できるとは限らないため、最初に色とエッジ情報を基に分割し、細かく分割された領域に対して補助する目的で距離情報を使用する。
【0059】
ここで言う距離情報とは、撮像時のオートフォーカス動作で、フォーカス位置を変えて各フォーカス位置で得られるハイパスフィルタ出力値である。このハイパスフィルタ出力値は撮像時CCD−I/FでRaw−RGBデータより水平16×垂直16分割のブロック単位で抽出される。そして、フォーカス位置毎のハイパスフィルタ出力値からピーク検出による合焦を行い、合焦ブロックを被写体領域とし非合焦ブロックを背景領域とする。
図4はブロック単位で領域分割を行ったもので1は被写体領域を表し、2は背景領域を表す。
【0060】
次に、領域毎にRGB積算値を求めるために、SDRAMに格納されたRaw−RGBデータに対して領域分割と距離情報取得時と同様に水平16×垂直16のブロック単位で分割を行い、S2の領域分割によって分割されたそれぞれの領域に対応する複数のブロックのRGBを積算する(S3;ブロック分割手段)。
【0061】
次に、領域毎にそれぞれ白抽出を行う(S4;白抽出手段)。白抽出は領域毎にブロック単位で取得したRGB積算値からブロック毎のG/R、G/Bを求め、閾値と比較して閾値以下のブロックを白抽出ブロックとして記憶する。
【0062】
それぞれの領域のうち、白抽出ブロック数がある一定基準以上ある領域は、白抽出ブロックのG/R、G/Bと当該ブロックの平均輝度値の重み付けによって補正係数を算出する。白抽出ブロック数がある一定基準未満の領域は、その領域内の全ブロックのG/R、G/Bに対して、それぞれのブロックの平均輝度値の重み付けによってホワイトバランス補正係数を算出するか、白抽出ブロック数がある一定基準以上の領域で算出したホワイトバランス補正係数を、白抽出ブロック数がある一定基準未満の領域のホワイトバランス補正係数とする(S5;補正係数算出手段)。
【0063】
各領域いずれにも一定基準を満たす白抽出ブロックが存在しない場合、画面全体のG/R、G/Bと画面全体の平均輝度値の重み付けによってホワイトバランス補正係数を算出する。
【0064】
白抽出ブロックとは、図4のような撮像画像で具体例を示すとすると、被写体である人物の画像における白い服の領域に存在する(を有する)ブロック、背景の画像における白い雲の領域に存在する(を有する)ブロック等が挙げられる。
【0065】
本発明においてホワイトバランス補正係数は、平均輝度値が高い領域を重視するような補正係数であることが好ましく、G/R、G/Bに対して平均輝度値が高い領域を重視するような演算を行うことで算出できる。
【0066】
図5のように各ブロックの中央を注目画素とし、領域毎に算出したホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainをそれぞれの領域に対応するブロックの注目画素に設定する(S6;ホワイトバランス演算手段)。図5の3は被写体領域で算出したホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainを設定する注目画素、図5の4は背景領域に算出したホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainを設定する注目画素である。
【0067】
非注目画素のホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainは当該ブロックの注目画素と周辺の注目画素に設定されているホワイトバランス補正係数と当該画素からの距離による補間によって求める(S7;ホワイトバランス演算手段)。
【0068】
図6を基に非注目画素のホワイトバランス補正係数算出方法を説明する。ホワイトバランス補正係数の算出対象とする非注目画素のRgain(Bgain)を11とし周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数Rgain(Bgain)をR0(B0)、R1(B1)、R2(B2)、R3(B3)とする。R3(B3)の位置を1で正規化し補正係数の算出対象となる非注目画素の位置をx、yで表し以下の計算式によって補正係数を算出する。
【0069】
Rgain=(1−x)(1−y)R0+x(1−y)R1+(1−x)yR2+xyR3
Bgain=(1−x)(1−y)B0+x(1−y)B1+(1−x)yB2+xyB3
【0070】
具体的には、例えばR0=1.5、R1=1.2、R2=1.2、R3=1.2、x=0.7、y=0.6とした場合の非注目画素のRgainは以下のようになる。
Rgain={(1−0.7)×(1−0.6)×1.5}+{0.7×(1−0.6)×1.2}+{(1−0.7)×0.6×1.2}+{0.7×0.6×1.2}=1.236
【0071】
図7の12部分の画素のように周辺の注目画素が1つしか存在しない場合は、当該ブロックのホワイトバランス補正係数を設定する。
【0072】
図8の13、14、15、16部分の画素のように周辺の注目画素が2つしか存在しない場合は、2つのホワイトバランス補正係数と当該画素からの距離による補間によって求める。計算式を以下に示す。
【0073】
領域13の場合
Rgain=(1−x)R2+xR3
Bgain=(1−x)B2+xB3
【0074】
領域14の場合
Rgain=(1−x)R0+xR1
Bgain=(1−x)B0+xB1
【0075】
領域15の場合
Rgain=(1−y)R1+yR3
Bgain=(1−y)B1+yB3
【0076】
領域16の場合
Rgain=(1−y)R0+yR2
Bgain=(1−y)B0+yB2
【0077】
SDRAMに格納されたRaw−RGBデータのR、Bデータそれぞれに対して、画素毎に算出したホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainを掛ける(S8)。
【0078】
本実施の形態によれば、領域毎に照射される色温度が異なる場合でもそれぞれに対して良好なWBを掛けることができる。また距離情報を使用して領域を分割することで、例えば被写体と背景といった具合に領域を分割することができ、被写体が日陰で背景が日向、若しくはその逆であって、どちらか一方が最適でもう一方が不自然なWBになるといった一般的に問題となるシーンで、それぞれの領域に対して良好なWBを掛けることができる。
【0079】
また、一つの被写体に対して複数の光源があたる場合でも距離情報を使用した領域分割を行うことで被写体と背景といった具合に領域を分割することができ、被写体領域全体に同一の補正係数が掛かかり、また、背景領域全体も同様に同一の補正係数が掛かるので、同一被写体に対して複数のWBが掛かることなく全体に良好で違和感のない画像を表示することができる。
【0080】
さらに、画素間の補正係数にローパスフィルタがかかる為、WB補正係数が異なるそれぞれの領域が存在する画像に於いて、領域の境界で不自然なWBが掛かることを回避することができる。
【0081】
また、領域毎に補正係数を算出する為、ブロック毎または画素毎に算出する方法に比べ補正係数の算出に要する計算量を少なくすることができる。
【0082】
ここで、本実施の形態では距離情報取得時と領域分割時に画面全体に対して水平16×垂直16のブロックで分割したが任意の分割数で分割しても良い。
本実施の形態では距離情報取得時と領域分割時に画面全体に対して水平16×垂直16のブロックで分割したが、任意の分割数で分割しても良い。また、分割は格子状であることが好ましい。
【0083】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態はS1、S2の領域分割の方法が第1の実施の形態と異なる。S3〜S8は第1の実施の形態と同じである。
第1の実施の形態では領域分割の際、撮像信号からのハイパスフィルタ出力値を基に距離情報を取得したが本実施の形態では画面全体に対して水平16×垂直16分割のブロック毎に距離画像CMOSによって得られた距離情報を基に合焦させた領域を被写体領域、それ以外の領域を背景領域とする領域分割を行う。画素毎に距離情報を取得できる場合でも領域分割の際は、画面全体に対して水平16×垂直16分割のブロック単位で領域分割を行う。よって、ブロック毎の領域の判定はブロック内に占める割合の多い方の領域となる。
【0084】
距離画像CMOSとは対象物を照射させる光源を備え、光源から光を投射し対象物からの反射光をイメージセンサにて検出して、光の飛行時間によって対象物までの距離を算出するものである。尚、距離画像CMOSとは、本発明における測距手段と撮像素子とに相当するものである。
【0085】
これにより、AFによる距離情報の取得に比べ距離情報を取得に要する時間が大幅に削減することができる。
【0086】
〔第3の実施の形態〕
図9は第3の実施の形態におけるホワイトバランス補正の一連の処理をフローにしたものである。
本実施の形態では、高輝度領域を日向領域とし、また、低輝度領域を日陰領域とする例について述べるが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の輝度で領域を分割することができる。
【0087】
先ず、静止画撮像動作におけるRAW−RGBデータからAE処理、WB処理等一連の画像処理を通した後のYUVデータに対して、水平16分割、垂直16分割のブロック毎に高輝度領域としての日向領域と、低輝度領域としての日陰領域とに分割する(S1;領域分割手段)。この時に設定するブロックは、AWB評価値を取得する際に設定したブロックと同様にする。
【0088】
日向領域と日陰領域とに分割する方法としては、距離情報と、色情報と、輝度情報とから分割する方法であれば良く、例えば輝度とB/Rとの関係から細かい領域分割した後、距離情報を補助的に用いて領域をまとめる方法がある。
【0089】
具体的には、一定の閾値以上の輝度を有する領域を日向領域としても良く、B/Rを変数として輝度の閾値を表し、その閾値以上の輝度を有する領域を日向領域としても良い。次いで、細かく分割された日向領域と日陰領域は、それぞれを距離情報に応じてまとめる。
距離情報のみで領域を分割する方法もあるが、必ずしも全てのブロックで距離情報が取得できるとは限らないため、最初に日向領域と日陰領域とに分割し、細かく分割された領域に対して補助する目的で距離情報を使用する。
【0090】
ここで言う距離情報とは、撮像時のオートフォーカス動作で、フォーカス位置を変えて各フォーカス位置で得られるハイパスフィルタ出力値である。このハイパスフィルタ出力値は撮像時CCD−I/FでRaw−RGBデータより水平16×垂直16分割のブロック単位で抽出される。そして、フォーカス位置毎のハイパスフィルタ出力値からピーク検出による合焦を行い、合焦ブロックを被写体領域とし非合焦ブロックを背景領域とする。
図4はブロック単位で領域分割を行ったもので1は被写体領域を表し、2は背景領域を表す。
【0091】
日向領域と日陰領域の分割結果を基に領域毎のAWB評価値から白抽出を行う。
白抽出はブロック単位で取得したAWB評価値に対して予め設定してある白抽出範囲内であれば白抽出ブロックとして記憶する(S2;白抽出手段)。各ブロックのAWB評価値はG/R、G/Bという形で表される。白抽出範囲は図10のようにG/Rをx軸、G/Bをy軸とする2次元の色座標上で、図10の黒体輻射カーブに沿った複数の楕円若しくは矩形の枠にて設定される。本実施の形態における白抽出範囲は、複数の楕円枠を用い個々の楕円枠は各光源に対応する白抽出枠となっており、日向領域と日陰領域とで白抽出範囲が異なる。日向領域、日陰領域のいずれも存在しない場合、全ての白抽出枠を有効とした白抽出範囲にて白抽出を行う。また、図10に示すG/R−G/B軸上の白抽出範囲は一例であり、CCDの構成などによって変化するものである。
【0092】
予め設定してある白抽出範囲とは、例えば図11および図12に示すような例が挙げられる。図11の斜線部分は日向領域の白抽出範囲(高輝度領域用白抽出範囲)で約2300〜約5800K(ケルビン)まで、図12の斜線部分は日陰領域の白抽出範囲(低輝度領域用白抽出範囲)で約5800〜約8000Kまでに対応する。
【0093】
図13はブロック単位で日向領域と日陰領域とで領域分割を行ったものである。図13の5は日陰領域を表し、図13の6は日向領域を表す。
【0094】
S3−3〜S3−6の各ステップは、第1の実施の形態におけるS5〜8と同じであるので詳細は省略する。
【0095】
本実施の形態によれば、日向領域(高輝度領域)、日陰領域(低輝度領域)それぞれで有彩色の影響を受けずに白抽出を行うことができる。
【0096】
また、日向領域と日陰領域とで照射される色温度が異なる場合でもそれぞれに対して良好なホワイトバランスを掛けることができる。
【0097】
さらに、画素間の補正係数にローパスフィルタがかかる為、WB補正係数が異なるそれぞれの領域が存在する画像に於いて、領域の境界で不自然なホワイトバランスが掛かることを回避することができる。
【0098】
また、画面を局所的にWBを変えることで複数枚撮影による合成を行うことなく領域毎に最適なWBをかけることができ、撮影に要する時間を短くすることができる。
【0099】
さらに、領域毎にWB補正係数を算出する為、ブロック毎または画素毎に算出する方法に比べWB補正係数の算出に要する計算量を少なくすることができる。
【0100】
本実施の形態では、水平16分割、垂直16分割のブロックで分割したが任意の分割数で分割しても良い。その場合は領域分割での分割数とAWB評価値(G/R、G/B)を取得する際の分割数とWB補正係数を設定する際の分割数を合わせる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態であるデジタルカメラの外観を示す概略図である。
【図2】本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態におけるホワイトバランス補正の一連の処理のフローを示すフロー図である。
【図4】本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態における撮像信号が格子状のブロックに分割された模式図と、該模式図における被写体領域と背景領域を説明する説明図である。
【図5】図4の模式図における被写体領域ブロック中央画素及び背景領域ブロック中央画素を説明する説明図である。
【図6】補間によるWB補正係数の算出方法の説明図である。
【図7】図4の模式図における領域12を説明する説明図である。
【図8】図4の模式図における領域13、14、15、16を説明する説明図ある。
【図9】第2の実施の形態におけるホワイトバランス補正の一連の処理のフローを示すフロー図である。
【図10】G/R−G/B座標における白抽出範囲を示すグラフである。
【図11】図10における日向領域の白抽出範囲を示すグラフである。
【図12】図10における日陰領域の白抽出範囲を示すグラフである。
【図13】本発明に係る撮像装置の第2の実施の形態における撮像信号が格子状のブロックに分割された模式図と、該模式図における日向領域と日陰領域を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0102】
1 被写体領域
2 背景領域
3 被写体領域注目画素
4 背景領域注目画素
5 日陰領域
6 日向領域
12、13、14、15、16 領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び撮像方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、良好なホワイトバランス補正が可能なホワイトバランス制御機能を備えた撮像装置及び撮像方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像装置では、画面全体に均一な光源であれば、光源を推定して画面全体に同じホワイトバランスをかけるといった方法が広く用いられている。しかし、画面内に異なる種類の光源の照射エリアが存在する場合、画面全体に同じホワイトバランスをかける方法であると、異なる種類の光源の照射エリアそれぞれに対して適切なホワイトバランスとすることができない。
【0003】
そこで特許文献1では、小領域に分割したエリア毎にホワイトバランスを掛けることで、画面全体に対して色ずれを生じさせないホワイトバランス制御機能が開示されている。
また特許文献2では、隣り合うエリアで異なるホワイトバランスが掛けられたエリア境界での色ずれを解消するために、画素毎にホワイトバランス係数を掛けるホワイトバランス制御機能が開示されている。
さらに特許文献3では、カラー画像を照明成分の輝度値によって複数種類の光源に対応する領域に分割し、領域毎の補正係数を算出するホワイトバランス制御機能が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−271638号公報
【特許文献2】特開2005−347811号公報
【特許文献3】特開2007−129622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した特許文献1〜3に記載の発明では、同じ距離に位置する被写体に対して複数の光源が存在する場合、例えば、顔の半分が日向で、半分が日陰だとすると、同一の物体に対して複数のホワイトバランスが掛かることになり、不自然な画像となる。
また、黄色は比較的輝度が高く、一方で青色は輝度が低いため、日向の青色が日陰の黄色よりも輝度が低いといった減少が起こるので、撮影シーンによっては輝度成分のみを基にした領域分割では必ずしも光源に対応したホワイトバランス補正を行うことができないということが課題となっている。
【0006】
さらに、光源毎に領域を分割してそれぞれの領域で白抽出を行っても色温度追従範囲を広くする目的で白抽出範囲を広く設けているために、有彩色の影響により領域毎に最適なホワイトバランスをかけることができないといった問題がある。即ち、日向と日陰では色情報の分布が似ており領域毎に白抽出を行っても有彩色の影響を受けた結果、日向領域と日陰領域のホワイトバランスがほとんど同じになってしまう。このため、画面全体に同じホワイトバランスをかける場合と同様、日向(高輝度領域)と日陰(低輝度領域)とが存在するシーンでは、日向に最適なホワイトバランスをかけると日陰領域が青くなり、日陰領域の肌が青白くなる。また逆に、日陰領域に最適なホワイトバランスかけると日向領域が黄色くなり、日陰領域の白い部分と空の評価値がほぼ同じ位置に分布することから空を白くしてしまうといった問題が生じてしまう。
従来、ダイナミックレンジの狭いセンサーを用いた撮像装置では、日陰領域と空(日向領域)が存在する場合、日陰領域に合った露出では、日陰領域に最適なホワイトバランスを空に対して掛けてもそもそも空は白飛びしている為に問題とならなかった。また、空に合った露出では空を白くしないホワイトバランスを日陰領域に対して掛けてもそもそも日陰領域は暗くなり極端に彩度が落ちていた為、問題がなかった。しかし、今後はダイナミックレンジが広いセンサーを用いた撮像装置若しくは画像処理によるダイナミックレンジ拡大の普及が予想されるので、日陰領域に最適なホワイトバランスをかけた場合でも空を白くしない、また日向領域、空に最適なホワイトバランスをかけた場合でも日陰領域の肌を青白くしないようにすることが要求される。
【0007】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、輝度成分によらず安定した領域分割を行い、更に同じ距離に位置する被写体に対しても良好なホワイトバランス補正を行う撮像装置及び撮像方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、上記課題を解決するために本発明に係る撮像装置及び撮像方法、並びにコンピュータ読取可能な記録媒体は、具体的には下記(1)〜(18)に記載の技術的特徴を有する。
(1):光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する撮像素子と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得手段と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得手段とを備える撮像装置において、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割手段と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出手段と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算手段とを備えることを特徴とする撮像装置である。
【0009】
(2):前記領域分割手段は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出手段を備え、前記補正係数算出手段は、前記白抽出手段によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする上記(1)に記載の撮像装置である。
【0010】
(3):前記白抽出手段は、前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする上記(2)に記載の撮像装置である。
【0011】
(4):前記白抽出手段は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする上記(2)に記載の撮像装置である。
【0012】
(5):前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割手段を備え、当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、前記ホワイトバランス演算手段は、当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得手段と、当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得手段と、を有し、前記第1補正係数取得手段と前記第2補正係数取得手段とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の撮像装置である。
【0013】
(6):前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする上記(5)に記載の撮像装置である。
【0014】
(7):光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する光電変換工程と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得工程と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得工程とを備える撮像方法において、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割工程と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出工程と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算工程とを備えることを特徴とする撮像方法である。
【0015】
(8):前記領域分割工程は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出工程を備え、前記補正係数算出工程は、前記白抽出工程によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする上記(7)に記載の撮像方法である。
【0016】
(9):前記白抽出工程は、前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする上記(8)に記載の撮像方法である。
【0017】
(10):前記白抽出工程は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする上記(8)に記載の撮像方法である。
【0018】
(11):前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割工程を備え、当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、前記ホワイトバランス演算工程は、当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得工程と、当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得工程と、を有し、前記第1補正係数取得工程と前記第2補正係数取得工程とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする上記(7)乃至(10)のいずれか1項に記載の撮像方法である。
【0019】
(12):前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする上記(11)に記載の撮像装置である。
【0020】
(13):光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する光電変換処理と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得処理と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割処理と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出処理と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算処理とを備えることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
(14):前記領域分割処理は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出処理を備え、前記補正係数算出処理は、前記白抽出処理によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする上記(13)に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
(15):前記白抽出処理は、前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする上記(14)に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
(16):前記白抽出処理は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする上記(14)に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
(17):前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割処理を備え、当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、前記ホワイトバランス演算処理は、当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得処理と、当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得処理と、を有し、前記第1補正係数取得処理と前記第2補正係数取得処理とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする上記(13)乃至(16)のいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
(18):前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする上記(17)に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、輝度成分によらず安定した領域分割を行い、更に同じ距離に位置する被写体に対しても良好なホワイトバランス補正を行う撮像装置および撮像方法、並びにコンピュータに実行可能な記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の撮像装置は、光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する撮像素子と、測距対象との距離情報を取得する距離情報取得手段と、前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得手段とを備える撮像装置において、前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割手段と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出手段と、当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
次に、図面を用いて本発明に係る撮像装置の基本的な構成についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限りこれらの態様に限られるものではない。
【0029】
〔第1の実施の形態〕
(デジタルカメラの外観構成)
図1は、本実施形態に係る撮像装置の第1の実施の形態であるデジタルカメラの外観を示す概略図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るデジタルカメラの上面側には、レリーズボタン(シャッタボタン)、電源ボタン、撮影・再生切替ダイアルが設けられており、デジタルカメラの正面(前面)側には、撮影レンズ系を有する鏡胴ユニット、ストロボ発光部、光学ファインダが設けられている。
【0030】
デジタルカメラの背面側には、液晶モニタ(LCD)、前記光学ファインダの接眼レンズ部、広角側ズーム(W)スイッチ、望遠側ズーム(T)スイッチ、メニュー(MENU)ボタン、確定ボタン(OKボタン)等が設けられている。また、デジタルカメラの側面内部には、撮影した画像データを保存するためのメモリカードを収納するメモリカード収納部が設けられている。
【0031】
(デジタルカメラのシステム構成)
図2は、本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、このデジタルカメラ内には、鏡胴ユニットに設置した撮影レンズ系(光学系)を通して入射される被写体画像が受光面上に結像する固体撮像素子としてのCCD、CCDから出力される電気信号(アナログRGB画像信号)をデジタル信号(撮像信号)に処理するアナログフロントエンド部(AFE部)、AFE部から出力されるデジタル信号を処理する信号処理部、データを一時的に格納するSDRAM、制御プログラム等が記憶されたROM、モータドライバ等が設けられている。
【0032】
鏡胴ユニットは、ズームレンズやフォーカスレンズ等を有する撮影レンズ系、絞りユニット、メカシャッタユニットを備えており、撮影レンズ系、絞りユニット、メカシャッタユニットの各駆動ユニット(不図示)は、モータドライバによって駆動される。モータドライバは、信号処理部の制御部(CPU)からの駆動信号により駆動制御される。
【0033】
CCDは、CCDを構成する複数の画素上に色分解フィルタとしてのRGB原色フィルタが配置されており、RGB3原色に対応した電気信号(アナログRGB画像信号)が出力される。
【0034】
AFE部は、CCDを駆動するTG(タイミング信号発生部)、CCDから出力される電気信号(アナログRGB画像信号)をサンプリングするCDS(相関2重サンプリング部)、CDSにてサンプリングされた画像信号のゲインを調整するAGC(アナログ利得制御部)、AGCでゲイン調整された画像信号をデジタル信号(RAW−RGBデータ)に変換するA/Dを備えている。
【0035】
信号処理部は、AFE部のTGへ画面水平同期信号(HD)と画面垂直同期信号(VD)の出力を行い、これらの同期信号に合わせて、AFE部のA/Dから出力されるRAW−RGBデータを取り込むCCDインターフェース(CCDI/F)と、SDRAMを制御するメモリコントローラと、取り込んだRAW−RGBデータを表示や記録が可能なYUV形式の画像データに変換するYUV変換部と、表示や記録される画像データのサイズに合わせて画像サイズを変更するリサイズ処理部と、画像データの表示出力を制御する表示出力制御部と、画像データをJPEG形成などで記録するためのデータ圧縮部と、画像データをメモリカードへ書き込み、又はメモリカードに書き込まれた画像データを読み出すメディアインターフェース(メディアI/F)と、操作部からの操作入力情報に基づき、ROMに記憶された制御プログラムに基づいてデジタルカメラ全体のシステム制御等を行う制御部(CPU)を備えている。
【0036】
操作部は、デジタルカメラ(図1参照)の外観表面に設けられているレリーズボタン、電源ボタン、撮影・再生切替ダイアル、広角側ズームスイッチ、望遠側ズームスイッチ、メニューボタン、確定ボタン等であり、撮影者の操作によって所定の動作指示信号が制御部に入力される。
【0037】
SDRAMには、CCDI/Fに取り込まれたRAW−RGBデータが保存されると共に、YUV変換部で変換処理されたYUVデータ(YUV形式の画像データ)が保存され、更に、データ圧縮部で圧縮処理されたJPEG形成などの画像データが保存される。また、OSD(オンスクリーンディスプレイ)とは、LCDディスプレイに表示させるデータであり、YUVデータ若しくはJPEG画像の上に操作系の設定情報を重ねたものとなる。
【0038】
なお、前記YUVデータのYUVは、輝度データ(Y)と、色差(輝度データと青色(B)成分データの差分(U)と、輝度データと赤色(R)成分データの差分(V))の情報で色を表現する形式である。この画像変換をする際に、制御部からISPに対して、WBゲインRg、Bgを設定する。
【0039】
ISP(イメージシグナルプロセッサ)とは、ホワイトバランス、ガンマ補正、色補正等を行う信号処理部のメイン部分である。
【0040】
(デジタルカメラのモニタリング動作、静止画撮影動作)
次に、前記したデジタルカメラのモニタリング動作と静止画撮影動作について説明する。このデジタルカメラは、静止画撮影モード時には、以下に説明するようなモニタリング動作を実行しながら静止画撮影動作が行われる。
【0041】
先ず、撮影者が電源ボタンをONし、撮影・再生切替ダイアルを撮影モード(静止画撮影モード)に設定することで、デジタルカメラが記録モードで起動する。電源ボタンがONされて、撮影・再生切替ダイアルが撮影モードに設定されたことを制御部が検知すると、制御部はモータドライバに制御信号を出力して、鏡胴ユニットを撮影可能位置に移動させ、かつ、CCD、AFE部、信号処理部、SDRAM、ROM、液晶モニタ等を起動させる。
【0042】
そして、鏡胴ユニットの撮影レンズ系を被写体に向けることにより、撮影レンズ系を通して入射される被写体画像がCCDの各画素の受光面上に結像する。そして、CCDから出力される被写体画像に応じた電気信号(アナログRGB画像信号)は、CDS、AGCを介してA/Dに入力され、A/Dにより12ビット(bit)のRAW−RGBデータに変換する。
【0043】
このRAW−RGBデータは、信号処理部のCCDI/Fに取り込まれてメモリコントローラを介してSDRAMに保存される。そして、SDRAMから読み出されたRAW−RGBデータは、YUV変換部に入力されて表示可能な形式であるYUVデータ(YUV信号)に変換された後に、メモリコントローラを介してSDRAMにYUVデータが保存される。
【0044】
そして、SDRAMからメモリコントローラを介して読み出したYUVデータは、表示出力制御部を介して液晶モニタ(LCDディスプレイ)へ送られ、撮影画像(動画)が表示される。前記した液晶モニタ(LCDディスプレイ)に撮影画像を表示しているモニタリング時においては、CCDI/Fによる画素数の間引き処理により1/30秒の時間で1フレームを読み出している。
【0045】
なお、このモニタリング動作時は、電子ファインダとして機能する液晶モニタ(LCDディスプレイ)に撮影画像(動画)が表示されているだけで、まだレリーズボタンが押圧(半押も含む)操作されていない状態である。
【0046】
この撮影画像の液晶モニタ(LCD)への表示によって、静止画を撮影するための構図の確認等をすることができる。なお、表示出力制御部からTVビデオ信号として出力して、ビデオケーブルを介して外部のTV(テレビ)に撮影画像(動画)を表示することもできる。
【0047】
そして、信号処理部のCCDI/Fは、取り込まれたRAW−RGBデータより、AF(自動合焦)評価値、AE(自動露出)評価値、AWB(オートホワイトバランス)評価値を算出する。
尚、本発明において、輝度情報とはAE評価値であり、ホワイトバランス評価値とは、AWB評価値であり、ホワイトバランス評価値取得手段および距離情報取得手段とは、それぞれ信号処理部のCCDI/Fの一部である。
【0048】
AF評価値は、例えば高周波成分抽出フィルタの出力積分値や、近接画素の輝度差の積分値によって算出される。合焦状態にあるときは、被写体のエッジ部分がはっきりとしているため、高周波成分が一番高くなる。これを利用して、AF動作時(合焦検出動作時)には、撮影レンズ系内の各フォーカスレンズ位置におけるAF評価値を取得して、その極大になる点を合焦検出位置としてAF動作が実行される。
【0049】
AE評価値とAWB評価値は、RAW−RGBデータにおけるRGB値のそれぞれの積分値から算出される。例えば、信号処理部のCCDI/Fの一部である検波回路(ブロック分割手段)によってCCDの全画素の受光面に対応した画面を256エリア(ブロック)に等分割(水平16分割、垂直16分割)された後、それぞれのエリア(ブロック)のRGB積算値がCCDI/Fによって算出される。
【0050】
そして、制御部は、算出されたRGB積算値を読み出し、適正なホワイトバランスになるようなWBのゲインRgainとBgainを算出する。また、AE処理では、画面のそれぞれのエリア(ブロック)の輝度を算出して、輝度分布から適正な露光量を決定する。決定した露光量に基づいて、露光条件(CCDの電子シャッタ回数、絞りユニットの絞り値、NDフィルタの出し入れ等)を設定する。さらに、AWB処理では、RGBの分布から被写体の光源の色に合わせたAWBの制御値を決定する。このAWB処理により、YUV変換部でYUVデータに変換処理するときのホワイトバランスを合わせる。なお、前記したAE処理とAWB処理は、前記モニタリング時には連続的に行われている。
【0051】
そして、前記したモニタリング動作時に、レリーズボタンが押圧(半押しから全押し)操作される静止画撮影動作が開始されると、合焦位置検出動作であるAF動作と静止画記録処理が行われる。
【0052】
即ち、レリーズボタンが押圧(半押しから全押し)操作されると、制御部からモータドライバへの駆動指令により撮影レンズ系のフォーカスレンズが移動し、例えば、いわゆる山登りAFと称されるコントラスト評価方式のAF動作が実行される。
【0053】
いわゆる山登りAFとは、AF(合焦)対象範囲が無限から至近までの全領域であった場合、撮影レンズ系のフォーカスレンズは、至近から無限、又は無限から至近までの間の各フォーカス位置に移動し、CCDI/F(距離情報取得手段)で算出されている各フォーカス位置における前記AF評価値を制御部が読み出す。そして、各フォーカス位置のAF評価値が極大になる点を合焦位置としてフォーカスレンズを合焦位置に移動させ、合焦させる。
【0054】
そして、前記したAE処理が行われ、露光完了時点で、制御部からモータドライバへの駆動指令によりメカシャッタユニットが閉じられ、CCDから静止画用のアナログRGB画像信号が出力される。そして、前記モニタリング時と同様に、AFE部のA/D変換部によりRAW−RGBデータに変換される。
【0055】
そして、このRAW−RGBデータ(撮像信号)は、信号処理部のCCDI/Fに取り込まれ、YUV変換部でYUVデータに変換されて、メモリコントローラを介してSDRAMに保存される。そして、このYUVデータはSDRAMから読み出されて、リサイズ処理部で記録画素数に対応するサイズに変換され、データ圧縮部でJPEG形式等の画像データへと圧縮される。圧縮されたJPEG形式等の画像データは、SDRAMに書き戻された後にメモリコントローラを介してSDRAMから読み出され、メディアI/Fを介してメモリカードに保存される。
【0056】
次に、本発明の特徴となる撮像動作について説明する。
図3は本実施の形態におけるホワイトバランス(以下、WBとも称する)補正の一連の処理をフローにしたものである。
先ず、静止画撮影動作におけるWB、ガンマ補正、色補正等の一連の信号処理を終えた後、ISPより出力されたYUVデータと信号処理前のCCD−I/Fより出力されたRaw−RGBデータとがSDRAMに格納される。ここで格納されたYUVデータは領域毎のWB補正を行う上で必要なデータであって、最終的にメモリカードへ保存されるデータではない。
【0057】
そして、SDRAMに格納されたYUVデータを再度読み出し、色とエッジ情報を基に画素単位でいくつかのまとまった領域に分割する(S1;領域分割手段)。この時点の分割結果では多くの細かい領域が存在するため、それぞれの領域に対して個別のWB処理を行うには処理時間が増えるなどの不都合が生じるので、領域毎のWB処理にはS1終了時点での分割結果を使用することができない。
【0058】
次に、色とエッジ情報を基に領域分割した画像に対して更に距離情報を使用して、S1で分割された領域それぞれを距離情報に応じて被写体領域と背景領域としてまとめる(S2;領域分割手段)。距離情報は水平16×垂直16分割のブロック単位で出力され、S1における分割も同様にブロック単位で行う。距離情報のみで領域を分割する方法もあるが、必ずしも全てのブロックで距離情報が取得できるとは限らないため、最初に色とエッジ情報を基に分割し、細かく分割された領域に対して補助する目的で距離情報を使用する。
【0059】
ここで言う距離情報とは、撮像時のオートフォーカス動作で、フォーカス位置を変えて各フォーカス位置で得られるハイパスフィルタ出力値である。このハイパスフィルタ出力値は撮像時CCD−I/FでRaw−RGBデータより水平16×垂直16分割のブロック単位で抽出される。そして、フォーカス位置毎のハイパスフィルタ出力値からピーク検出による合焦を行い、合焦ブロックを被写体領域とし非合焦ブロックを背景領域とする。
図4はブロック単位で領域分割を行ったもので1は被写体領域を表し、2は背景領域を表す。
【0060】
次に、領域毎にRGB積算値を求めるために、SDRAMに格納されたRaw−RGBデータに対して領域分割と距離情報取得時と同様に水平16×垂直16のブロック単位で分割を行い、S2の領域分割によって分割されたそれぞれの領域に対応する複数のブロックのRGBを積算する(S3;ブロック分割手段)。
【0061】
次に、領域毎にそれぞれ白抽出を行う(S4;白抽出手段)。白抽出は領域毎にブロック単位で取得したRGB積算値からブロック毎のG/R、G/Bを求め、閾値と比較して閾値以下のブロックを白抽出ブロックとして記憶する。
【0062】
それぞれの領域のうち、白抽出ブロック数がある一定基準以上ある領域は、白抽出ブロックのG/R、G/Bと当該ブロックの平均輝度値の重み付けによって補正係数を算出する。白抽出ブロック数がある一定基準未満の領域は、その領域内の全ブロックのG/R、G/Bに対して、それぞれのブロックの平均輝度値の重み付けによってホワイトバランス補正係数を算出するか、白抽出ブロック数がある一定基準以上の領域で算出したホワイトバランス補正係数を、白抽出ブロック数がある一定基準未満の領域のホワイトバランス補正係数とする(S5;補正係数算出手段)。
【0063】
各領域いずれにも一定基準を満たす白抽出ブロックが存在しない場合、画面全体のG/R、G/Bと画面全体の平均輝度値の重み付けによってホワイトバランス補正係数を算出する。
【0064】
白抽出ブロックとは、図4のような撮像画像で具体例を示すとすると、被写体である人物の画像における白い服の領域に存在する(を有する)ブロック、背景の画像における白い雲の領域に存在する(を有する)ブロック等が挙げられる。
【0065】
本発明においてホワイトバランス補正係数は、平均輝度値が高い領域を重視するような補正係数であることが好ましく、G/R、G/Bに対して平均輝度値が高い領域を重視するような演算を行うことで算出できる。
【0066】
図5のように各ブロックの中央を注目画素とし、領域毎に算出したホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainをそれぞれの領域に対応するブロックの注目画素に設定する(S6;ホワイトバランス演算手段)。図5の3は被写体領域で算出したホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainを設定する注目画素、図5の4は背景領域に算出したホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainを設定する注目画素である。
【0067】
非注目画素のホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainは当該ブロックの注目画素と周辺の注目画素に設定されているホワイトバランス補正係数と当該画素からの距離による補間によって求める(S7;ホワイトバランス演算手段)。
【0068】
図6を基に非注目画素のホワイトバランス補正係数算出方法を説明する。ホワイトバランス補正係数の算出対象とする非注目画素のRgain(Bgain)を11とし周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数Rgain(Bgain)をR0(B0)、R1(B1)、R2(B2)、R3(B3)とする。R3(B3)の位置を1で正規化し補正係数の算出対象となる非注目画素の位置をx、yで表し以下の計算式によって補正係数を算出する。
【0069】
Rgain=(1−x)(1−y)R0+x(1−y)R1+(1−x)yR2+xyR3
Bgain=(1−x)(1−y)B0+x(1−y)B1+(1−x)yB2+xyB3
【0070】
具体的には、例えばR0=1.5、R1=1.2、R2=1.2、R3=1.2、x=0.7、y=0.6とした場合の非注目画素のRgainは以下のようになる。
Rgain={(1−0.7)×(1−0.6)×1.5}+{0.7×(1−0.6)×1.2}+{(1−0.7)×0.6×1.2}+{0.7×0.6×1.2}=1.236
【0071】
図7の12部分の画素のように周辺の注目画素が1つしか存在しない場合は、当該ブロックのホワイトバランス補正係数を設定する。
【0072】
図8の13、14、15、16部分の画素のように周辺の注目画素が2つしか存在しない場合は、2つのホワイトバランス補正係数と当該画素からの距離による補間によって求める。計算式を以下に示す。
【0073】
領域13の場合
Rgain=(1−x)R2+xR3
Bgain=(1−x)B2+xB3
【0074】
領域14の場合
Rgain=(1−x)R0+xR1
Bgain=(1−x)B0+xB1
【0075】
領域15の場合
Rgain=(1−y)R1+yR3
Bgain=(1−y)B1+yB3
【0076】
領域16の場合
Rgain=(1−y)R0+yR2
Bgain=(1−y)B0+yB2
【0077】
SDRAMに格納されたRaw−RGBデータのR、Bデータそれぞれに対して、画素毎に算出したホワイトバランス補正係数Rgain、Bgainを掛ける(S8)。
【0078】
本実施の形態によれば、領域毎に照射される色温度が異なる場合でもそれぞれに対して良好なWBを掛けることができる。また距離情報を使用して領域を分割することで、例えば被写体と背景といった具合に領域を分割することができ、被写体が日陰で背景が日向、若しくはその逆であって、どちらか一方が最適でもう一方が不自然なWBになるといった一般的に問題となるシーンで、それぞれの領域に対して良好なWBを掛けることができる。
【0079】
また、一つの被写体に対して複数の光源があたる場合でも距離情報を使用した領域分割を行うことで被写体と背景といった具合に領域を分割することができ、被写体領域全体に同一の補正係数が掛かかり、また、背景領域全体も同様に同一の補正係数が掛かるので、同一被写体に対して複数のWBが掛かることなく全体に良好で違和感のない画像を表示することができる。
【0080】
さらに、画素間の補正係数にローパスフィルタがかかる為、WB補正係数が異なるそれぞれの領域が存在する画像に於いて、領域の境界で不自然なWBが掛かることを回避することができる。
【0081】
また、領域毎に補正係数を算出する為、ブロック毎または画素毎に算出する方法に比べ補正係数の算出に要する計算量を少なくすることができる。
【0082】
ここで、本実施の形態では距離情報取得時と領域分割時に画面全体に対して水平16×垂直16のブロックで分割したが任意の分割数で分割しても良い。
本実施の形態では距離情報取得時と領域分割時に画面全体に対して水平16×垂直16のブロックで分割したが、任意の分割数で分割しても良い。また、分割は格子状であることが好ましい。
【0083】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態はS1、S2の領域分割の方法が第1の実施の形態と異なる。S3〜S8は第1の実施の形態と同じである。
第1の実施の形態では領域分割の際、撮像信号からのハイパスフィルタ出力値を基に距離情報を取得したが本実施の形態では画面全体に対して水平16×垂直16分割のブロック毎に距離画像CMOSによって得られた距離情報を基に合焦させた領域を被写体領域、それ以外の領域を背景領域とする領域分割を行う。画素毎に距離情報を取得できる場合でも領域分割の際は、画面全体に対して水平16×垂直16分割のブロック単位で領域分割を行う。よって、ブロック毎の領域の判定はブロック内に占める割合の多い方の領域となる。
【0084】
距離画像CMOSとは対象物を照射させる光源を備え、光源から光を投射し対象物からの反射光をイメージセンサにて検出して、光の飛行時間によって対象物までの距離を算出するものである。尚、距離画像CMOSとは、本発明における測距手段と撮像素子とに相当するものである。
【0085】
これにより、AFによる距離情報の取得に比べ距離情報を取得に要する時間が大幅に削減することができる。
【0086】
〔第3の実施の形態〕
図9は第3の実施の形態におけるホワイトバランス補正の一連の処理をフローにしたものである。
本実施の形態では、高輝度領域を日向領域とし、また、低輝度領域を日陰領域とする例について述べるが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の輝度で領域を分割することができる。
【0087】
先ず、静止画撮像動作におけるRAW−RGBデータからAE処理、WB処理等一連の画像処理を通した後のYUVデータに対して、水平16分割、垂直16分割のブロック毎に高輝度領域としての日向領域と、低輝度領域としての日陰領域とに分割する(S1;領域分割手段)。この時に設定するブロックは、AWB評価値を取得する際に設定したブロックと同様にする。
【0088】
日向領域と日陰領域とに分割する方法としては、距離情報と、色情報と、輝度情報とから分割する方法であれば良く、例えば輝度とB/Rとの関係から細かい領域分割した後、距離情報を補助的に用いて領域をまとめる方法がある。
【0089】
具体的には、一定の閾値以上の輝度を有する領域を日向領域としても良く、B/Rを変数として輝度の閾値を表し、その閾値以上の輝度を有する領域を日向領域としても良い。次いで、細かく分割された日向領域と日陰領域は、それぞれを距離情報に応じてまとめる。
距離情報のみで領域を分割する方法もあるが、必ずしも全てのブロックで距離情報が取得できるとは限らないため、最初に日向領域と日陰領域とに分割し、細かく分割された領域に対して補助する目的で距離情報を使用する。
【0090】
ここで言う距離情報とは、撮像時のオートフォーカス動作で、フォーカス位置を変えて各フォーカス位置で得られるハイパスフィルタ出力値である。このハイパスフィルタ出力値は撮像時CCD−I/FでRaw−RGBデータより水平16×垂直16分割のブロック単位で抽出される。そして、フォーカス位置毎のハイパスフィルタ出力値からピーク検出による合焦を行い、合焦ブロックを被写体領域とし非合焦ブロックを背景領域とする。
図4はブロック単位で領域分割を行ったもので1は被写体領域を表し、2は背景領域を表す。
【0091】
日向領域と日陰領域の分割結果を基に領域毎のAWB評価値から白抽出を行う。
白抽出はブロック単位で取得したAWB評価値に対して予め設定してある白抽出範囲内であれば白抽出ブロックとして記憶する(S2;白抽出手段)。各ブロックのAWB評価値はG/R、G/Bという形で表される。白抽出範囲は図10のようにG/Rをx軸、G/Bをy軸とする2次元の色座標上で、図10の黒体輻射カーブに沿った複数の楕円若しくは矩形の枠にて設定される。本実施の形態における白抽出範囲は、複数の楕円枠を用い個々の楕円枠は各光源に対応する白抽出枠となっており、日向領域と日陰領域とで白抽出範囲が異なる。日向領域、日陰領域のいずれも存在しない場合、全ての白抽出枠を有効とした白抽出範囲にて白抽出を行う。また、図10に示すG/R−G/B軸上の白抽出範囲は一例であり、CCDの構成などによって変化するものである。
【0092】
予め設定してある白抽出範囲とは、例えば図11および図12に示すような例が挙げられる。図11の斜線部分は日向領域の白抽出範囲(高輝度領域用白抽出範囲)で約2300〜約5800K(ケルビン)まで、図12の斜線部分は日陰領域の白抽出範囲(低輝度領域用白抽出範囲)で約5800〜約8000Kまでに対応する。
【0093】
図13はブロック単位で日向領域と日陰領域とで領域分割を行ったものである。図13の5は日陰領域を表し、図13の6は日向領域を表す。
【0094】
S3−3〜S3−6の各ステップは、第1の実施の形態におけるS5〜8と同じであるので詳細は省略する。
【0095】
本実施の形態によれば、日向領域(高輝度領域)、日陰領域(低輝度領域)それぞれで有彩色の影響を受けずに白抽出を行うことができる。
【0096】
また、日向領域と日陰領域とで照射される色温度が異なる場合でもそれぞれに対して良好なホワイトバランスを掛けることができる。
【0097】
さらに、画素間の補正係数にローパスフィルタがかかる為、WB補正係数が異なるそれぞれの領域が存在する画像に於いて、領域の境界で不自然なホワイトバランスが掛かることを回避することができる。
【0098】
また、画面を局所的にWBを変えることで複数枚撮影による合成を行うことなく領域毎に最適なWBをかけることができ、撮影に要する時間を短くすることができる。
【0099】
さらに、領域毎にWB補正係数を算出する為、ブロック毎または画素毎に算出する方法に比べWB補正係数の算出に要する計算量を少なくすることができる。
【0100】
本実施の形態では、水平16分割、垂直16分割のブロックで分割したが任意の分割数で分割しても良い。その場合は領域分割での分割数とAWB評価値(G/R、G/B)を取得する際の分割数とWB補正係数を設定する際の分割数を合わせる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態であるデジタルカメラの外観を示す概略図である。
【図2】本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態におけるホワイトバランス補正の一連の処理のフローを示すフロー図である。
【図4】本発明に係る撮像装置の第1の実施の形態における撮像信号が格子状のブロックに分割された模式図と、該模式図における被写体領域と背景領域を説明する説明図である。
【図5】図4の模式図における被写体領域ブロック中央画素及び背景領域ブロック中央画素を説明する説明図である。
【図6】補間によるWB補正係数の算出方法の説明図である。
【図7】図4の模式図における領域12を説明する説明図である。
【図8】図4の模式図における領域13、14、15、16を説明する説明図ある。
【図9】第2の実施の形態におけるホワイトバランス補正の一連の処理のフローを示すフロー図である。
【図10】G/R−G/B座標における白抽出範囲を示すグラフである。
【図11】図10における日向領域の白抽出範囲を示すグラフである。
【図12】図10における日陰領域の白抽出範囲を示すグラフである。
【図13】本発明に係る撮像装置の第2の実施の形態における撮像信号が格子状のブロックに分割された模式図と、該模式図における日向領域と日陰領域を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0102】
1 被写体領域
2 背景領域
3 被写体領域注目画素
4 背景領域注目画素
5 日陰領域
6 日向領域
12、13、14、15、16 領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する撮像素子と、
測距対象との距離情報を取得する距離情報取得手段と、
前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得手段とを備える撮像装置において、
前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割手段と、
当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出手段と、
当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記領域分割手段は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、
前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出手段を備え、
前記補正係数算出手段は、前記白抽出手段によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記白抽出手段は、
前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、
前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記白抽出手段は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、
該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割手段を備え、
当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、
前記ホワイトバランス演算手段は、
当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得手段と、
当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得手段と、を有し、
前記第1補正係数取得手段と前記第2補正係数取得手段とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する光電変換工程と、
測距対象との距離情報を取得する距離情報取得工程と、
前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得工程とを備える撮像方法において、
前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割工程と、
当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出工程と、
当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算工程とを備えることを特徴とする撮像方法。
【請求項8】
前記領域分割工程は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、
前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出工程を備え、
前記補正係数算出工程は、前記白抽出工程によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする請求項7に記載の撮像方法。
【請求項9】
前記白抽出工程は、
前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、
前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする請求項8に記載の撮像方法。
【請求項10】
前記白抽出工程は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、
該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする請求項8に記載の撮像方法。
【請求項11】
前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割工程を備え、
当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、
前記ホワイトバランス演算工程は、
当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得工程と、
当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得工程と、を有し、
前記第1補正係数取得工程と前記第2補正係数取得工程とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の撮像方法。
【請求項12】
前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する光電変換処理と、
測距対象との距離情報を取得する距離情報取得処理と、
前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割処理と、
当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出処理と、
当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算処理とを備えることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
前記領域分割処理は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、
前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出処理を備え、
前記補正係数算出処理は、前記白抽出処理によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
前記白抽出処理は、
前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、
前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】
前記白抽出処理は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、
該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項17】
前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割処理を備え、
当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、
前記ホワイトバランス演算処理は、
当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得処理と、
当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得処理と、を有し、
前記第1補正係数取得処理と前記第2補正係数取得処理とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項18】
前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する撮像素子と、
測距対象との距離情報を取得する距離情報取得手段と、
前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得手段とを備える撮像装置において、
前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割手段と、
当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出手段と、
当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記領域分割手段は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、
前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出手段を備え、
前記補正係数算出手段は、前記白抽出手段によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記白抽出手段は、
前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、
前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記白抽出手段は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、
該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割手段を備え、
当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、
前記ホワイトバランス演算手段は、
当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得手段と、
当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得手段と、を有し、
前記第1補正係数取得手段と前記第2補正係数取得手段とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する光電変換工程と、
測距対象との距離情報を取得する距離情報取得工程と、
前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得工程とを備える撮像方法において、
前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割工程と、
当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出工程と、
当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算工程とを備えることを特徴とする撮像方法。
【請求項8】
前記領域分割工程は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、
前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出工程を備え、
前記補正係数算出工程は、前記白抽出工程によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする請求項7に記載の撮像方法。
【請求項9】
前記白抽出工程は、
前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、
前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする請求項8に記載の撮像方法。
【請求項10】
前記白抽出工程は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、
該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする請求項8に記載の撮像方法。
【請求項11】
前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割工程を備え、
当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、
前記ホワイトバランス演算工程は、
当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得工程と、
当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得工程と、を有し、
前記第1補正係数取得工程と前記第2補正係数取得工程とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の撮像方法。
【請求項12】
前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
光学系から入射した光を電気信号に変換して撮像信号として出力する光電変換処理と、
測距対象との距離情報を取得する距離情報取得処理と、
前記撮像信号からホワイトバランス評価値を抽出するホワイトバランス評価値取得処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記距離情報と色差情報とに基づき、前記撮像信号を複数の領域に分割する領域分割処理と、
当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値に基づいて領域毎のホワイトバランス補正係数を算出する補正係数算出処理と、
当該分割された領域毎に前記ホワイトバランス補正係数を設定するホワイトバランス演算処理とを備えることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
前記領域分割処理は、前記撮像信号の距離情報と、色情報と、輝度情報とから、高輝度領域と低輝度領域とに分割し、
前記高輝度領域および前記低輝度領域の夫々に対して、領域毎に白抽出範囲を変えて白抽出を行う白抽出処理を備え、
前記補正係数算出処理は、前記白抽出処理によって得られた白抽出結果と、当該分割された領域毎のホワイトバランス評価値とに基づいて領域毎のホワイトバランス用の補正係数を算出することを特徴とする請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
前記白抽出処理は、
前記高輝度領域において、当該高輝度領域のホワイトバランス評価値と、高輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行い、
前記低輝度領域において、当該低輝度領域のホワイトバランス評価値と、低輝度領域用白抽出範囲とを基に白抽出を行うことを特徴とする請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】
前記白抽出処理は、前記高輝度領域および前記低輝度領域のいずれか一方の領域が存在しない場合、他方の領域において、当該他方の領域のホワイトバランス評価値と、白抽出範囲とに基づいて白抽出を行い、
該白抽出範囲は、高輝度領域用白抽出範囲と、低輝度領域用白抽出範囲とからなることを特徴とする請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項17】
前記撮像信号を複数のブロックに分割するブロック分割処理を備え、
当該分割されたブロックは、注目画素と、非注目画素とを有し、
前記ホワイトバランス演算処理は、
当該分割されたブロック毎の注目画素に、前記ホワイトバランス補正係数を取得する第1補正係数取得処理と、
当該分割されたブロック毎の非注目画素に、周辺の注目画素のホワイトバランス補正係数と、当該非注目画素から前記周辺の注目画素までの距離による補間で前記ホワイトバランス補正係数を取得する第2補正係数取得処理と、を有し、
前記第1補正係数取得処理と前記第2補正係数取得処理とによって取得したホワイトバラン補正係数を画素毎に設定することを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項18】
前記注目画素は、当該分割されたブロックの中央に位置する画素であることを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図4】
【図5】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図4】
【図5】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−212787(P2009−212787A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53377(P2008−53377)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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