説明

撮像装置及び被写体

赤外発光ダイオードは、間欠的に赤外光を照射する。イメージセンサは、露光防止部材を含む光学ユニットを介して、赤外光が照射された被写体を撮像する。漏光防止部材に形成された囲繞部の挿入孔に、赤外発光ダイオードが挿入されるため、赤外発光ダイオードの発光部の基端側の外周面が、囲繞部の内壁で取り囲まれる。このため、赤外発光ダイオードからの光の漏れを防止でき、それ故、イメージセンサが、赤外発光ダイオードからの光を直接受光することを極力回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体に間欠的に光を照射して、撮像を行う撮像装置及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献(特開平10−222285号公報)には、次のような画像抽出装置が開示されている。この画像抽出装置は、第1の受光手段及び第2の受光手段を有していて、異なるタイミングで受光動作を行う。そして、発光手段は、第1の受光手段が受光状態にあるときに発光し、第2の受光手段が受光状態にあるときに、消灯する。従って、第1の受光手段は、外光及び被写体からの反射光を受光する。第2の受光手段は、外光のみを受光する。そして、差分演算部は、第1の受光手段の像と第2の受光手段の像との差分をとることにより、対象物体画像を抽出する。この場合、発光手段は、近赤外光を発光する。第1の受光手段及び第2の受光手段は、近赤外光通過フィルタを介して、近赤外光のみを受光する。これにより、可視光や遠赤外光を含む外光の多くをカットできる。
【0003】
しかしながら、この特許文献には、発光手段、第1の受光手段、第2の受光手段、及び、近赤外光通過フィルタを含む受光光学系、の具体的な配置や構造については、何ら開示されていない。これらの配置や構造によっては、被写体が反射した光ではなく、発光手段が発光した光が、第1の受光手段により直接受光される場合もある。このことは、被写体の抽出に悪影響を及ぼす可能性もある。
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、被写体に間欠的に光を照射して、撮像を行う際に、発光手段からの光が直接受光されることを極力防止できる撮像装置及びその関連技術を提供することである。
【0005】
本発明の第1の観点によれば、撮像装置は、各々が予め定められた周期で発光する複数の発光素子と、所定波長領域の光を通過させるフィルタと、光を集光するレンズユニットと、前記発光素子が発光し、被写体により反射された光を、前記フィルタ及び前記レンズユニットを介して受光し、前記被写体の画像信号を生成する撮像手段と、
前記フィルタの光入射面を露出させる開口部を有し、かつ、その開口部を取り囲む位置に複数の囲繞部が形成された漏光防止手段と、前記複数の発光素子を保持する発光素子保持手段と、を備え、前記フィルタは、その光入射面が前記漏光防止手段の前記開口部から露出した状態で固定され、前記発光素子は、その発光面が露出するように、前記囲繞部を構成する孔に挿入され、かつ、前記発光素子保持部材に保持された状態で固定され、前記レンズユニットは、その先端の光入射面が前記フィルタの光出射面に対面するように固定され、前記撮像手段は、前記レンズユニットの光軸上に固定される。
【0006】
この構成によれば、漏光防止手段と赤外フィルタとが別部材となっている。加えて、発光素子が囲繞部の挿入孔に挿入されるため、発光素子の発光部の基端側の外周面が、囲繞部の内壁で取り囲まれる。このため、発光素子からの赤外光の漏れを防止でき、それ故、撮像手段が、発光素子からの赤外光を直接受光することを極力回避できる。なお、漏光防止手段と赤外フィルタとが一体として形成されている場合は、発光素子の光が、漏光防止手段を介して直接赤外フィルタへ入射し、さらに、その光が撮像手段に受光され、撮像手段に不要な像が映りこんでしまう。
【0007】
また、漏光防止手段と赤外フィルタとが別部材となっているため、フィルタに不具合が発生した場合は、フィルタだけを交換すればよく、コストを低減できる。
【0008】
上記撮像装置において、少なくとも前記漏光防止手段の前記囲繞部の内壁が黒色である。
【0009】
この構成によれば、囲繞部の内壁が黒色なので、発光素子からの光をより吸収できて、撮像手段が、発光素子からの光を直接受光することをより効果的に回避できる。
【0010】
上記撮像装置において、前記漏光防止手段の前記囲繞部を構成する前記孔は、先端を切り落とした逆円錐状に形成され、その逆円錐状部分から、前記発光素子の発光部が露出する。
【0011】
この構成によれば、囲繞部が円筒状である場合と比較して、発光素子の出射範囲を広げることができる。
【0012】
上記撮像装置は、前記撮像装置は、上側ハウジング及び下側ハウジングを有し、前記上側ハウジング及び前記下側ハウジングの各々の前面には、前記漏光防止手段を嵌め込むための切欠部が設けられ、それぞれの切欠部の両側縁に沿って溝部が形成され、前記漏光防止手段の側縁を、前記溝部に差し込んだ状態で、前記上側ハウジングと前記下側ハウジングとが結合される。
【0013】
この構成によれば、漏光防止手段が固着されていないので、ハウジングに撮像装置を組み込む前でも動作試験などの検査が可能になって、不具合が発見された場合でも、その解析、修理、及び、部品交換といった作業を容易に行うことができる。なお、漏光防止手段が固着されている場合は、ハウジングに撮像装置を組み込んだ後でなければ、検査ができず、不具合が発見されると、分解作業や解析作業に手間がかかるし、同じ状態で解析ができないので、一旦不具合が解消した場合でも、再度ハウジングに組み込んだら再び不具合が発生するという事態が生じうる。
【0014】
この撮像装置は、前記撮像手段を取り付ける基板をさらに備え、前記レンズユニットは、前記撮像手段を覆うように、前記基板に取り付けられ、前記発光素子保持手段は、前記基板と前記漏光防止手段とで挟み込まれ、前記基板は、前記漏光防止手段と面平行に、前記上側ハウジング及び前記下側ハウジングの内部に固定される。
【0015】
本発明の第2の観点によれば、被写体は、本発明の第1の観点による撮像装置によって撮影される被写体であって、前記発光素子が発光した光を再帰反射する少なくとも1つの再帰反射シートと、正多面体形状の本体部と、を備え、前記本体部の表面に前記再帰反射シートが取り付けられる。
【0016】
この構成によれば、正多面体形状の本体部に、再帰反射シートを取り付けるので、再帰反射シートは、正多面体を展開した形状あるいは、面単位でそれを分割した形状とすることができる。このため、広い面積の再帰反射シートから、極力無駄なく、それらの形状の再帰反射シートを切り出すことができる。
【0017】
上記被写体において、前記本体部は、正二十面体形状である。
【0018】
この構成によれば、正二十面体形状の本体部に、再帰反射シートを取り付けるので、再帰反射シートは、正二十面体を展開した形状あるいは、面単位でそれを分割した形状とすることができる。このため、広い面積の再帰反射シートから、極力無駄なく、それらの形状の再帰反射シートを切り出すことができる。
【0019】
上記被写体において、前記本体部は、正多面体を展開した形状を面単位で分割した形状の複数の前記再帰反射シートで覆われる。
【0020】
この構成によれば、再帰反射シートを本体部に取り付ける際の作業の容易化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態におけるゲームシステムの全体構成を示す図である。図1に示すように、このゲームシステムは、撮像装置を含むゲーム装置1、被写体3、及び、テレビジョンモニタ5、を含む。ゲーム装置1には、ACアダプタ11により、直流電源電圧が与えられる。ただし、ACアダプタ11に代えて、電池(図示せず)により、直流電源電圧を与えることもできる。テレビジョンモニタ5には、その前面にスクリーン6が設けられる。テレビジョンモニタ5とゲーム装置1とは、AVケーブル9により接続される。
【0023】
ゲーム装置1には、撮像装置(後述)が組み込まれており、この撮像装置により、被写体3が撮影される。具体的には、4つの赤外発光ダイオード23が、間欠的に赤外光を発光する。そして、赤外発光ダイオード23からの赤外光は、被写体3に貼付された再帰反射シート(後述)により反射され、赤外フィルタ21の内部に設けられたイメージセンサ(後述)に入力される。このようにして、被写体3が間欠的に撮影される。従って、ゲーム装置1は、プレイヤにより動かされた被写体3の間欠的な画像信号を取得できる。ゲーム装置1は、この画像信号を解析して、その解析結果をゲーム処理に反映する。
【0024】
図2Aは、図1のゲーム装置1の正面図である。図2Bは、図1のゲーム装置1の平面図である。図2Aに示すように、ゲーム装置1の正面には、上側ハウジング13と下側ハウジング15とで挟み込むようにして、漏光防止部材25が固定される。漏光防止部材25の中央部からは、赤外フィルタ21の表面が露出している。さらに、この赤外フィルタ21を囲むように、4つの赤外発光ダイオード23の発光部が露出している。また、図2Bに示すように、ゲーム装置1の表面には、電源スイッチ17及び電源スイッチ17がオンになったときに点灯する電源ランプ(LED:light emitting diode)19が設けられる。
【0025】
図3は、図2Aの漏光防止部材25、赤外フィルタ21、及び、赤外発光ダイオード23を含む光学ユニットの分解斜視図である。図4は、図3に示した光学ユニットの裏面側分解斜視図である。これらの図に示すように、光学ユニットは、漏光防止部材25、赤外フィルタ21、赤外発光ダイオード23、LED保持部材57、レンズホルダ29、及び、ユニットベース27、を含む。なお、レンズホルダ29及びユニットベース27は、レンズユニットを構成する。漏光防止部材25の中央部には、円形の開口59が形成される。この開口59を囲むように、4つの囲繞部43が形成される。この囲繞部43は、対応する赤外発光ダイオード23を取り囲むためのものであり、漏光防止部材25の裏面の4つの角部付近から突出して形成される円筒状のものである。
【0026】
図5は、図3の漏光防止部材25の平面図である。図6は、図5のB−B断面図である。図6に示すように、赤外発光ダイオード23は、漏光防止部材25の裏面側から、囲繞部43に挿入される。囲繞部43による孔は、末広がりとなって、漏光防止部材25の表面まで貫通している。従って、赤外発光ダイオード23の発光部は、この末広がり部分から露出する。この末広がり部分の傾斜によって、赤外発光ダイオード23の照射範囲が決定される。
【0027】
図3及び図4に戻って、赤外フィルタ21は、赤外光のみを透過させるものであり、漏光防止部材25の開口59の縁に沿った形状となっており、円板状のものである。LED保持部材57には、その中央部に、開口61が形成される。そして、この開口61を取り囲む位置に、4つの赤外発光ダイオード23が保持される。ユニットベース27には、円柱状のレンズホルダ29が取り付けられる。
【0028】
図7は、図2BのA−A断面図である。図7に示すように、レンズホルダ29には、赤外フィルタ21に対面して、基板39に取り付けたイメージセンサ37と平行に、凹レンズ31が取り付けられる。さらに、レンズホルダ29には、イメージセンサ37に対面して、イメージセンサ37と平行に、凸レンズ33が取り付けられる。そして、凹レンズ31と凸レンズ33との間は、空洞(光路)35になっている。赤外フィルタ21を透過した赤外光は、凹レンズ31、空洞35、及び、凸レンズ33を通過して、イメージセンサ37に検出される。
【0029】
イメージセンサ37は、低解像度のCMOSイメージセンサ(たとえば32×32画素:グレースケール)である。ただし、このイメージセンサ37は、画素数のもっと多いものでもよいし、CCD等の他の素子からなるものであってよい。
【0030】
レンズホルダ29が取り付けられたユニットベース27は、基板39に、ビスで固定される。一方、赤外フィルタ21の固着部22を、LED保持部材57の表面に溶着して、赤外フィルタ21をLED保持部材57に固着する。赤外フィルタ21を固着したLED保持部材57は、漏光防止部材25と基板39とで挟み込むことにより固定される。この場合、赤外フィルタ22の表面が、漏光防止部材25の開口59から露出する。さらに、レンズホルダ29は、LED保持部材57の開口61を貫通して、その凹レンズ31が、赤外フィルタ21の裏面に近接する。なお、漏光防止部材25の裏面から突き出ている支持部28が基板39に当たって、これにより、漏光防止部材25が支持される。
【0031】
ここで、赤外発光ダイオード23の発光部の基端の外周面は、漏光防止部材25の囲繞部43で取り囲まれているため、赤外光の漏れを防止でき、それ故、赤外発光ダイオード23が出射した赤外光を直接受光することを極力回避できる。特に、漏光防止部材25の囲繞部43の内面を、黒色(特に、つや消し黒)にすることで、その効果をより大きくできる。なお、漏光防止部材25の全体を黒色にしてもよい。
【0032】
図8は、図2Aの下側ハウジング15の斜視図である。図7及び図8に示すように、漏光防止部材25の両側端は、下側ハウジング15の保持部53及び上側ハウジング13の保持部53に保持される。具体的には、保持部53としての溝部に、漏光防止部材25の側端が差し込まれる。同様に、基板39は、その両側端が、下側ハウジング15の保持部55及び上側ハウジング13の保持部55に保持される。具体的には、保持部55としての溝部に、基板39の側端が差し込まれる。
【0033】
図7に戻って、基板41は、上側ハウジング13の内面から突き出たボスに、ビスをねじ込むことで固定される。基板41には、電源スイッチ17、電源ランプ19、電源端子47、及び、AV端子(図には現れていない。)が取り付けられる。一方、下側ハウジング15には、電池ボックス49が設けられ、電池45が収納される。電池蓋51を取り外すことで、電池45の交換ができる。
【0034】
図9は、図1の被写体3の平面図である。図9に示すように、被写体3は、操作者が把持するグリップ100を有する。このグリップ100の先端部には、装飾部材106とともに、外殻102が取り付けられる。外殻102は、透明あるいは半透明の素材により形成される。例えば、透明あるいは半透明のABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン)により形成される。外殻102の内部には、内殻104が取り付けられる。なお、装飾部材106は、なくてもよい。
【0035】
図10Aは、図9の内殻104を構成する上側ハウジング112の内面側の斜視図、図10Bは、図9の内殻104を構成する下側ハウジング110の内面側の斜視図、である。図10Aに示すように、内殻104の上側ハウジング112の内面の中央部には、ボス120が設けられ、そのボス120の周りには、円筒状の3つのボス116が設けられる。一方、図10Bに示すように、内殻104の下側ハウジング110の内面の中央部には、ボス118が設けられ、そのボス118の周りには、円柱状の3つのボス114が設けられる。そして、下側ハウジング110のボス114を、上側ハウジング112の対応するボス116に挿入して、両者を結合する。これにより、正二十面体の内殻104が形成される。
【0036】
図11Aは、図9の内殻104の斜視図、図11Bは、図9の内殻104の頂点基準による平面図、図11Cは、図9の内殻104の辺基準による平面図、図11Dは、図9の内殻104の面基準による平面図、である。このような、正二十面体の内殻104に、再帰反射シートが貼付される。
【0037】
図12は、図9の内殻104に貼付される再帰反射シートの例示図である。図12に示すように、正二十面体の展開図を5分割した平行四辺形上の再帰反射シートを用意する。これらの再帰反射シート132を、内殻104の全面に貼付する。このように、正二十面体の展開図を5分割した再帰反射シート132を用意したのは、貼り付けの容易性を考慮したものである。
【0038】
図13Aは、図9の外殻102を構成する上側ハウジング122の内面側の斜視図、図13Bは、図9の外殻102を構成する下側ハウジング124の内面側の斜視図、である。図13Aに示すように、外殻を構成する上側ハウジング122の内面の中央部には、ボス126が設けられる。一方、図13Bに示すように、外殻を構成する下側ハウジング124の内面の中央部には、ボス128が設けられる。これらのボス126,128を突き合わせるようにして、上側ハウジング122と下側ハウジング124との間に内殻104を挟み込む。この点は、次の説明で明らかになる。
【0039】
図14は、図9のC−C断面図である。図14に示すように、内殻104の上側ハウジング112のボス120の内部および下側ハウジング110のボス118の内部は、挿入孔となっている。上側ハウジング112のボス120の内部の挿入孔に、外殻102の上側ハウジング122のボス126を挿入し、かつ、下側ハウジング110のボス118の内部の挿入孔に、外殻102の下側ハウジング124のボス128を挿入する。そして、外殻102の下側ハウジング124、内殻104の下側ハウジング110、内殻104の上側ハウジング112、及び、外殻102の上側ハウジング122、を貫通するようにビス130をねじこんで固定する。以上のようにして、外殻102に内殻104が固定される。
【0040】
そして、外殻102の下側ハウジング124の底部に形成された円柱状部を、グリップ100の先端部の穴に挿入して、装飾部材106とともに、外側からビス108をねじ込み固定する。
【0041】
ここで、図14では、外殻102の厚みが内殻104より厚く表現されているが、外殻102の厚みは、極力薄いほうが好ましい。なぜなら、薄いほうが、赤外光をより透過するため、より再帰反射シート132が照射され、さらに、反射した赤外光もより透過するからである。
【0042】
図15は、図1のゲーム装置1の電気的構成を示す図である。図15を参照して、被写体3は、上述のように、赤外発光ダイオード23の発光に照射され、その光を再帰反射シート132で反射する。この再帰反射シート132からの反射光がイメージセンサ37によって撮影され、したがって、イメージセンサ37からは再帰反射シート132の画像信号が出力される。イメージセンサ37からのこのアナログ画像信号は高速プロセッサ575に内蔵されたA/Dコンバータ(図示せず)によってデジタルデータに変換される。なお、高速プロセッサ575は、上述のようなストロボ撮影のために、赤外発光ダイオード23を間欠的に点滅する。
【0043】
この高速プロセッサ575は、図示しないが、演算プロセッサ,グラフィックプロセッサ,サウンドプロセッサおよびDMAプロセッサ等の各種プロセッサを含むとともに、アナログ信号を取り込むときに用いられるA/Dコンバータや、キー操作信号や赤外線信号のような入力信号を受けかつ出力信号を外部機器に与える入出力制御回路を含む。演算プロセッサはゲームプログラムに基づいて必要な演算を実行し、その結果をグラフィックプロセッサ及びサウンドプロセッサに与える。したがって、グラフィックプロセッサやサウンドプロセッサはその演算結果に応じた画像処理や音声処理を実行する。
【0044】
高速プロセッサ575には、図示しないが内部メモリが設けられ、この内部メモリは、ROMまたはRAM(SRAMおよび/またはDRAM)を含む。RAMは一時メモリ,ワーキングメモリ、カウンタ、レジスタ領域(テンポラリデータ領域)、又はフラグ領域として利用される。なお、高速プロセッサ575にはROM66が外部バス36を通して接続される。このROM66にゲームプログラムや画像データが予め設定される。
【0045】
高速プロセッサ575は、イメージセンサ37からA/Dコンバータを介して入力されるデジタル画像信号を処理して被写体3の動きを検出して、演算、グラフィック処理、サウンド処理を実行し、ビデオ信号およびオーディオ信号を出力する。ビデオ信号はゲーム画面を表示するための画像信号であり、オーディオ信号はゲーム音楽や効果音等の音声信号であり、したがって、テレビジョンモニタ5のスクリーン6上にゲーム画面が表示され、必要なサウンド(効果音、ゲーム音楽)がスピーカ(図示せず)から出力される。なお、高速プロセッサ575は、発振回路63に基づくクロックに応答して動作する。
【0046】
図16は、図15のイメージセンサ37から高速プロセッサ575へピクセルデータを取り込む構成及びLED駆動回路を示す回路図である。図17は、図15のイメージセンサ37から高速プロセッサ575へピクセルデータを取り込む際の動作を示すタイミング図である。図18は、図17の一部を拡大して示すタイミング図である。図16を参照して、イメージセンサ37は、ピクセルデータD(X,Y)をアナログ信号として出力するタイプのものであるため、このピクセルデータD(X,Y)は高速プロセッサ575のアナログ入力ポートに入力される。
アナログ入力ポートは、この高速プロセッサ575において上述のA/Dコンバータに接続され、したがって、高速プロセッサ575は、デジタルデータに変換されたピクセルデータを取得する。
【0047】
上述のアナログピクセルデータD(X,Y)の中点は、イメージセンサ37の基準電圧によって決定される。イメージセンサ37を制御するための各デジタル信号は、高速プロセッサ575の入出力ポートに与えられ、またはそこから出力される。この入出力ポートは各々入力/出力の制御が可能なデジタルポートであり、この高速プロセッサ575で入出力制御回路に接続されている。
【0048】
詳しく言うと、高速プロセッサ575の入出力ポートからはイメージセンサ37をリセットするためのリセット信号resetが出力され、イメージセンサ37に与えられる。また、イメージセンサ37からは、ピクセルデータストローブ信号PDSおよびフレームステータスフラグ信号FSFが出力され、それらの信号が高速プロセッサ575の入出力ポートに与えられる。
【0049】
ピクセルデータストローブ信号PDSは各ピクセル信号D(X,Y)を読み込むための図17に示すようなストローブ信号である。フレームステータスフラグ信号FSFはイメージセンサ37の状態を示し、図17に示すように、このイメージセンサ37の露光期間を規定する。つまり、フレームステータスフラグ信号FSFのローレベルが露光期間を示し、ハイレベルが非露光期間を示す。
【0050】
また、高速プロセッサ575は、イメージセンサ37の制御レジスタ(図示せず)に設定するコマンド(またはコマンド+データ)をレジスタデータとして入出力ポートから出力するとともに、ハイレベルおよびローレベルを繰り返すレジスタ設定クロックRCLKを出力し、それらをイメージセンサ37に与える。
【0051】
4つの赤外発光ダイオード23は、互いに並列接続される。この赤外発光ダイオード23はLED駆動回路690によって、点灯されまたは消灯(非点灯)される。LED駆動回路690は、上述のフレームステータスフラグ信号FSFを受け、この信号FSFは、抵抗683およびコンデンサ684からなる微分回路685を通してPNPトランジスタ686のベースに与えられる。このPNPトランジスタ686にはさらにプルアップ抵抗687が接続されていて、このPNPトランジスタ686のベースは、通常は、ハイレベルにプルアップされている。そして、フレームステータス信号FSFがローレベルになると、そのローレベルが微分回路685を経てベースに入力されるため、PNPトランジスタ686は、フラグ信号FSFがローレベル期間にのみオンする。
【0052】
PNPトランジスタ686のコレクタは抵抗680,689を介して接地される。そして、抵抗680および689の接続点がNPNトランジスタ681のベースに接続される。このNPNトランジスタ681のコレクタが各赤外発光ダイオード23のアノードに共通に接続される。NPNトランジスタ681のエミッタが別のNPNトランジスタ682のベースに直接接続される。NPNトランジスタ682のコレクタが各赤外発光ダイオード23のカソードに共通接続され、エミッタが抵抗691を介して接地される。
【0053】
このLED駆動回路690では、高速プロセッサ575のI/Oポートから出力されるLEDコントロール信号LEDCがアクティブ(ハイレベル)でありかつイメージセンサ37からのフレームステータスフラグ信号FSFがローレベルである期間にのみ赤外発光ダイオード23が点灯される。
【0054】
図17に示すようにフレームステータスフラグ信号FSFがローレベルになると、そのローレベル期間中(実際には微分回路685の時定数での遅れがあるが)、PNPトランジスタ686がオンする。したがって、図17に示すLEDコントロール信号LEDCが高速プロセッサ575からハイレベルで出力されると、NPNトランジスタ681のベースがハイベルとなり、このトランジスタ681がオンとなる。トランジスタ681がオンするとトランジスタ682はオンとなる。したがって、電源Vccから各赤外発光ダイオード23およびトランジスタ682を経て電流が流れ、応じて図17に示すように各赤外発光ダイオード23が点灯される。イメージセンサ37は、高速プロセッサ575へクロック信号を供給する発振回路63からのクロック信号SCLKに応答して動作する。
【0055】
漏光防止部材25、赤外フィルタ21、LED保持部材57、レンズホルダ29、ユニットベース27、赤外発光ダイオード23、LED駆動回路690、イメージセンサ37、及び、高速プロセッサ575は、撮像装置を構成する。従って、ゲーム装置1そのものを撮像装置と言うこともできる。なお、LED駆動回路690及びイメージセンサ37は、図7の基板39に搭載され、高速プロセッサ575は、図7の基板41に搭載される。
【0056】
図19は、図1のゲーム装置1の全体の処理の流れを示すフローチャートである。図19に示すように、ステップS1にて、高速プロセッサ575は、システムの初期設定を実行する。ステップS2にて、高速プロセッサ575は、画像信号を更新してテレビジョンモニタ5に表示される画像を更新する。ただし、この表示画像の更新は、1フレーム(テレビジョンフレームまたはビデオフレーム)毎に実行される。ステップS3にて、高速プロセッサ575は、赤外発光ダイオード23を駆動して、被写体3の撮影処理を行う。ステップS4にて、高速プロセッサ575は、ゲームが終了したかどうかを判断する。高速プロセッサ575は、ゲームが終了した場合は、処理を終了し、ゲームが終了していない場合は、ステップS5に進む。ステップS5にて、高速プロセッサ575は、被写体3の注目領域の抽出処理を実行する。ステップS6にて、高速プロセッサ575は、被写体3の注目点を抽出する。ステップS7にて、高速プロセッサ575は、ROM66に格納されたプログラムに従って、ゲーム処理を実行する。
【0057】
ステップS8にて、高速プロセッサ575は、変数Mが所定値Kより小さいかどうかを判断する。高速プロセッサ575は、変数Mが所定値K以上である場合、ステップS9に進み、「M」に「0」を代入して、ステップS10に進む。一方、高速プロセッサ575は、変数Mが所定値Kより小さい場合、ステップS8からステップS10に進む。
【0058】
高速プロセッサ575は、ステップS10にて、「YES」であれば、即ち、ビデオ同期の割込み待ちであれば(ビデオ同期信号による割り込みがなければ)、同じステップS10に戻る。一方、ステップS10で「NO」であれば、即ち、ビデオ同期の割込み待ちでなければ(ビデオ同期信号による割り込みがあれば)、ステップS2に進む。
【0059】
ステップS11の音声処理は、音声割り込みが発生したときに実行され、それによって、ゲーム音楽や効果音を出力する。
【0060】
図20は、図19のステップS1で実行されるセンサ初期設定処理の流れを示すフローチャートである。図20に示すように、高速プロセッサ575は、設定データとして、コマンド“CONF”を設定する。このコマンド“CONF”は、イメージセンサ37に、高速プロセッサ575からコマンドを送信する設定モードに入ることを知らせるためのコマンドである。次のステップS31にて、高速プロセッサ575は、コマンド送信処理を実行する。
【0061】
図21は、図20のステップS31のコマンド送信処理の流れを示すフローチャートである。図21に示すように、ステップS40では、高速プロセッサ575は、設定データ(ステップS31の場合はコマンド“CONF”)をレジスタデータ(I/Oポート)に設定し、ステップS41でレジスタ設定クロックRCLK(I/Oポート)をローレベルに設定する。ステップS42で規定時間t1待機した後、ステップS43にて、高速プロセッサ575は、レジスタ設定クロックRCLKをハイレベルに設定する。ステップS44での規定時間t2の待機の後、ステップS45にて、高速プロセッサ575は、レジスタ設定クロックRCLKをローレベルに設定する。
【0062】
このようにして、高速プロセッサ575は、図22A及び図22Bに示すように、規定時間t1,t2の待機を行いながら、レジスタ設定クロックRCLKをローレベル,ハイレベルそしてローレベルとすることによって、コマンド(コマンドまたはコマンド+データ)の送信処理を実行する。
【0063】
図20に戻って、ステップS32では、高速プロセッサ575は、ピクセルモードを設定するとともに、露光時間の設定を行う。本実施の形態では、上記したように、イメージセンサ37は、32ピクセル×32ピクセルのCMOSイメージセンサであるので、高速プロセッサ575は、設定アドレス“0”のピクセルモードレジスタに32ピクセル×32ピクセルであることを示す“0h”を設定する。ステップS33において、高速プロセッサ575は、レジスタ設定処理を実行する。
【0064】
図23は、図20のステップS33のレジスタ設定処理の流れを示すフローチャートである。図23に示すように、ステップS50では、高速プロセッサ575は、設定データとして、コマンド“MOV”+アドレスを設定し、次のステップS51で、図21で先に説明したコマンド送信処理を実行して、イメージセンサ37へ設定データを送信する。ステップS52において、高速プロセッサ575は、設定データとして、コマンド“LD”+データを設定し、次のステップS53で、図21で説明したコマンド送信処理を実行して、設定データを送信する。ステップS54で、高速プロセッサ575は、設定データとして、コマンド“SET”を設定し、次のステップS55で、図21で説明したコマンド送信処理を実行して、設定データを送信する。コマンド“MOV”は制御レジスタのアドレスを送信することを示す。コマンド“LD”はデータを送信することを示す。コマンド“SET”はデータをそのアドレスに設定させることを示す。なお、この処理は、設定する制御レジスタが複数ある場合には、繰り返し実行される。
【0065】
図20に戻って、ステップS34では、高速プロセッサ575は、設定アドレスを“1”(露光時間設定レジスタのローニブルのアドレスを示す)とし、最大露光時間を示す“FFh”のローニブルデータ“Fh”を設定する。そして、ステップS35で、高速プロセッサ575は、図23のレジスタ設定処理を実行する。同様にして、ステップS36において、高速プロセッサ575は、設定アドレスを“2”(露光時間設定レジスタのハイニブルのアドレスを示す)とし、最大露光時間を示す“FFh”のハイニブルデータ“Fh”を設定し、ステップS37で図34のレジスタ設定処理を実行する。
【0066】
ステップS38にて、高速プロセッサ575は、設定終了を示しかつイメージセンサ37にデータの出力を開始させるためのコマンド“RUN”を設定し、ステップS39でそれを送信する。このようにして、センサ初期設定処理が実行される。ただし、図20〜図23に示す具体例は、イメージセンサ37の仕様に応じて、適宜変更され得るものである。
【0067】
図24は、図19のステップS3の撮影処理の流れを示すフローチャートである。図24に示すように、ステップS60において、高速プロセッサ575は、ストロボスコープ撮影のために赤外発光ダイオード23を点灯する。具体的には、図16に示すLEDコントロール信号をハイレベルとする。その後、高速プロセッサ575は、ステップS61で、ピクセルデータ群の取得処理を実行する。ステップS62にて、高速プロセッサ575は、LEDコントロール信号LEDCをローレベルにして、赤外発光ダイオード23を消灯する。ステップS63にて、高速プロセッサ575は、ステップS61と同様にして、赤外発光ダイオード23が消灯されている時のピクセルデータ群を取得する。
【0068】
図25は、図24のステップS61のピクセルデータ群取得処理の流れを示すフローチャートである。図25に示すように、最初のステップS70で、高速プロセッサ575は、ピクセルデータ配列の要素番号としてXに「0」、Yに「0」を設定する。ステップS71で、高速プロセッサ575は、イメージセンサ37からのフレームステータスフラグ信号FSFをチェックし、ステップS72でその立上りエッジが発生したかどうか判断する。高速プロセッサ575は、ステップS72でフレームステータスフラグ信号FSFの立上りエッジを検出すると、ステップS73に進み、それ以外は、ステップS71に進む。
【0069】
高速プロセッサ575は、ステップS73でイメージセンサ37からのピクセルストローブPDSをチェックし、ステップS74でそのピクセルストローブPDSの立上りエッジが発生したかどうか判断する。ステップS74で「NO」が判断されると、処理は、ステップS73に進む。一方、「YES」が判断されると、ステップS75において、Xに「0」を代入する。ステップS76では、高速プロセッサ575は、ピクセルデータの取得処理を実行する。
【0070】
図26は、図25のステップS76のピクセルデータ取得処理の流れを示すフローチャートである。図26に示すように、最初のステップS91で、高速プロセッサ575は、A/Dコンバータに入力されてきたアナログのピクセルデータのデジタルデータへの変換の開始を指示する。その後、高速プロセッサ575は、ステップS92でイメージセンサ37からのピクセルストローブPDSをチェックし、ステップS93でそのピクセルストローブPDSの立上りエッジが発生したかどうか判断する。
【0071】
ステップS93で「NO」が判断されると、ステップS92へ進み、それ以外は、ステップS94へ進む。ステップS94にて、高速プロセッサ575は、A/Dコンバータから、デジタルのピクセルデータ(変換値)を取得する。そして、ステップS95にて、取得したピクセルデータを、テンポラリレジスタ(図示せず)に格納する。その後、図25のステップS77に進む。
【0072】
ステップS77にて、高速プロセッサ575は、テンポラリレジスタに格納されたピクセルデータをピクセルデータ配列P[Y][X]に代入する。高速プロセッサ575は、続くステップS78でXをインクリメントする。Xが32に満たない場合、前述のS76からS78の処理を繰り返し実行する。高速プロセッサ575は、Xが32の場合、すなわちピクセルデータの取得が行の終端に到達した場合には、ステップS80でYをインクリメントし、次の行の先頭からピクセルデータの取得処理を繰り返す。ステップS81でYが32の場合、すなわちピクセルデータの取得がピクセルデータ配列P[Y][X]の終端に到達した場合、図24のステップS62に進む。
【0073】
図27は、図19のステップS5の注目領域抽出処理の流れを示すフローチャートである。図27に示すように、ステップS100にて、高速プロセッサ575は、イメージセンサ37からの、赤外発光ダイオード23の点灯時のピクセルデータと、赤外発光ダイオード23の消灯時のピクセルデータと、の差分を算出して、差分データを得る。ステップS101にて、高速プロセッサ575は、配列Dif[X][Y]に、算出した差分データを代入する。本実施の形態では、32ピクセル×32ピクセルのイメージセンサ37を用いているため、X=0〜31、Y=0〜31、である。
【0074】
ステップS102にて、高速プロセッサ575は、配列Dif[X][Y]の要素を所定の閾値Thと比較する。ステップS103にて、高速プロセッサ575は、配列Dif[X][Y]の要素が所定の閾値Thより大きい場合は、ステップS104に進み、それ以外の場合は、ステップS105に進む。ステップS104にて、高速プロセッサ575は、所定の閾値Thを超えた差分データ(配列Dif[X][Y]の要素)の数を計数すべく、カウント値cを1つインクリメントする。高速プロセッサ575は、配列Dif[X][Y]の全要素について、所定の閾値Thとの比較が終了するまで、ステップS102からステップS104の処理を繰り返す(ステップS105)。
【0075】
図28は、図19のステップS6の注目点抽出処理の流れを示すフローチャートである。図29に示すように、ステップS110にて、高速プロセッサ575は、配列Dif[X][Y]の全要素をスキャンして、最大値を検出する。高速プロセッサ575は、この最大値のX座標及びY座標を注目点の座標(Xc,Yc)とする。ステップS111にて、高速プロセッサ575は、変数Mを1つインクリメントする。ステップS112にて、高速プロセッサ575は、座標Xc及びYcをそれぞれ、配列PX[M]及びPY[M]に代入する。ステップS113にて、高速プロセッサ575は、被写体3の注目点(Xc,Yc)の移動平均(AX[M],AY[M])を算出する。ステップS114にて、高速プロセッサ575は、イメージセンサ37上の注目点の平均座標(AX[M],AY[M])を、テレビジョンモニタ5のスクリーン6上の座標(xc,yc)に変換する。
【0076】
図19に戻って、ステップS8では、高速プロセッサ575は、被写体3の注目領域の情報や注目点の座標を基に、被写体3の様々な状態情報を算出し、その状態情報を基に、ゲーム処理を実行する。状態情報とは、例えば、速さ情報、移動方向情報、移動距離情報、速度ベクトル情報、加速度情報、移動軌跡情報、面積情報、若しくは、位置情報、のいずれか、又は、それらの組み合わせである。
【0077】
図29は、図1のゲーム装置1によるゲーム画面の例示図である。プレイヤが持った被写体3は、ゲーム装置1の撮像装置により撮影される。すると、高速プロセッサ575により、被写体3のスクリーン6上の座標が算出されて、被写体3を模したカーソル73がスクリーン6に表示される。プレイヤは、このカーソル73を見ながら、被写体3を操作する。ここで、被写体3の操作とは、被写体3自体を動かすこと(例えば、移動させること)を意味し、スイッチを押下したり、アナログスティックを動かすことは含まない。
【0078】
ゲームの開始に伴って、図29に示すようなゲーム画面が表示され、かつ、複数パートの音楽が出力される。ゲーム画面は、動物オブジェクト65が表示され、これらに向かって、音符オブジェクト70が移動してくる。音符オブジェクト70は、画面下から出現して、上へ移動する。プレイヤは、被写体3を操作して、音符オブジェクト70が動物オブジェクト65に到達したタイミングで、カーソル73をその動物オブジェクト65の位置に移動させる。プレイヤがカーソル73をその動物オブジェクト65に正しく移動させることに失敗した場合は、1つのパートの演奏が停止する。連続して、失敗すると、さらにもう1つのパートの演奏が停止する。また、プレイヤが正しくカーソルを移動すると、1つのパートの演奏が復活する。
【0079】
以上のように、本実施の形態によれば、漏光防止部材25と赤外フィルタ21とが別部材となっている。加えて、赤外発光ダイオード23が囲繞部43の挿入孔に挿入されるため、赤外発光ダイオード23の発光部の基端側の外周面が、囲繞部43により取り囲まれる。このため、赤外発光ダイオード23からの光の漏れを防止でき、それ故、イメージセンサ37が、赤外発光ダイオード23からの光を直接受光することを極力回避できる。漏光防止部材25と赤外フィルタ21とが一体として形成されている場合は、赤外発光ダイオード23の光が、漏光防止部材25を介して直接赤外フィルタ21へ入射する。イメージセンサ37はその光を受光するので、イメージセンサ37に不要な像が映りこんでしまう。
【0080】
イメージセンサ37に、赤外発光ダイオード23からの赤外光が直接入射した場合は、高速プロセッサ575は、図19のステップS7の注目点抽出処理によっても、正確に被写体3の注目点を抽出することができず、注目点の位置を基に処理を行うステップS8のゲーム処理にも悪影響が生じうる。本実施の形態のようにして、イメージセンサ37が、赤外発光ダイオード23からの光を直接受光することを回避すれば、より良いゲーム処理(情報処理)を実現できる。
【0081】
また、漏光防止部材25と赤外フィルタ21とが別部材となっているため、赤外フィルタ21に不具合(例えば、傷の存在)が発生した場合は、赤外フィルタ21だけを交換すればよく、コストを低減できる。
【0082】
本実施の形態では、漏光防止部材25の囲繞部43を構成する孔は、先端を切り落とした逆円錐状に形成され、その逆円錐状部分から、赤外発光ダイオード23の発光部が露出している(図6参照)。従って、囲繞部43が単なる円筒状である場合と比較して、赤外発光ダイオード23の出射範囲を広げることができる。
【0083】
本実施の形態では、上側ハウジング13及び下側ハウジング15の各々の前面には、切欠部が設けられ、それぞれの切欠部の両側縁に沿って溝部53が形成される。そして、漏光防止部材の側縁を、溝部53に差し込んだ状態で、上側ハウジング13と下側ハウジング15とを結合している(図7、図8参照)。このように、漏光防止部材25が固着されていないので、ハウジングに撮像装置を組み込む前でも動作試験などの検査が可能になって、不具合が発見された場合でも、その解析、修理、及び、部品交換といった作業を容易に行うことができる。なお、漏光防止部材が固着されている場合は、ハウジングに撮像装置を組み込んだ後でなければ、検査ができず、不具合が発見されると、分解作業や解析作業に手間がかかるし、同じ状態で解析ができないので、一旦不具合が解消した場合でも、再度ハウジングに組み込んだら再び不具合が発生するという事態が生じうる。
【0084】
また、本実施の形態では、被写体3の内殻104が、正二十面体の形状に形成されている。そして、内殻104の表面に再帰反射シート132が取り付けられる。このように、正二十面体形状の内殻104に、再帰反射シート132を取り付けるので、再帰反射シート132は、正二十面体を展開した形状あるいは、面単位でそれを分割した形状とすることができる(図12参照)。このため、広い面積の再帰反射シートから、極力無駄なく、それらの形状の再帰反射シート132を切り出すことができる。
【0085】
また、本実施の形態では、内殻104には、正二十面体を展開した形状を4面単位で5分割した形状の再帰反射シート132が取り付けられる(図12参照)。このため、再帰反射シート132を内殻104に取り付ける際の作業の容易化を図ることができる。
【0086】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0087】
(1)上記では、内殻104の形状を正二十面体とした。ただし、これに限定されるものではなく、内殻104を他の正多面体形状とすることもできる。なお、外殻102は、必ずしも設ける必要はない。
【0088】
(2)上記では、撮像装置として、ゲーム装置1を例に挙げたが、この撮像装置は、ゲーム目的以外にも使用することができる。
【0089】
(3)図15の高速プロセッサ575として、任意の種類のプロセッサを使用できるが、本件出願人が既に特許出願している高速プロセッサを用いることが好ましい。この高速プロセッサは、例えば、特開平10−307790号公報およびこれに対応するアメリカ特許第6,070,205号に詳細に開示されている。
【0090】
実施の形態の先の記述は、実例及び解説の目的で提示された。それは本発明をその提示された形式に限定することを意図するものではなく、上記教示の観点から、多くの変形が可能であることは明らかである。実施の形態は、発明の原理やその現実の適用を最も明瞭に説明するために選ばれたものであり、これによって、当業者は、意図した特定の使用に適合するように様々な態様及び変形でこの発明を最も効果的に利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
発明そのもの及びその他の特徴と効果は、添付図面を参照して具体的な実施例の詳細な説明を読むことにより容易に理解される。
【図1】図1は、本発明の実施の形態におけるゲームシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図2Aは、図1のゲーム装置の正面図である。図2Bは、図1のゲーム装置の平面図である。
【図3】図3は、図2Aの漏光防止部材、赤外フィルタ、及び、赤外発光ダイオードを含む光学ユニットの分解斜視図である。
【図4】図4は、図3に示した光学ユニットの裏面側分解斜視図である。
【図5】図5は、図3の漏光防止部材の平面図である。
【図6】図6は、図5のB−B断面図である。
【図7】図7は、図2BのA−A断面図である。
【図8】図8は、図2Aの下側ハウジングの斜視図である。
【図9】図9は、図1の被写体の平面図である。
【図10】図10Aは、図9の内殻を構成する上側ハウジングの内面側の斜視図である。図10Bは、図9の内殻を構成する下側ハウジングの内面側の斜視図である。
【図11】図11Aは、図9の内殻の斜視図である。図11Bは、図9の内殻の頂点基準による平面図である。図11Cは、図9の内殻の辺基準による平面図である。図11Dは、図9の内殻の面基準による平面図である。
【図12】図12は、図9の内殻に貼付される再帰反射シートの例示図である。
【図13】図13Aは、図9の外殻を構成する上側ハウジングの内面側の斜視図である。図13Bは、図9の外殻を構成する下側ハウジングの内面側の斜視図である。
【図14】図14は、図9のC−C断面図である。
【図15】図15は、図1のゲーム装置の電気的構成を示す図である。
【図16】図16は、図15のイメージセンサから高速プロセッサへピクセルデータを取り込む構成及びLED駆動回路を示す回路図である。
【図17】図17は、イメージセンサから高速プロセッサへピクセルデータを取り込む際の動作を示すタイミング図である。
【図18】図18は、図17の一部を拡大して示すタイミング図である。
【図19】図19は、図1のゲーム装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】図20は、図19のステップS1で実行されるセンサ初期設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】図21は、図20のステップS31のコマンド送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】図22Aは、図16のレジスタ設定クロックRCLKのタイミング図である。図22Bは、図16のレジスタデータのタイミング図である。
【図23】図23は、図20のステップS33のレジスタ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】図24は、図19のステップS3の撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】図25は、図24のステップS61のピクセルデータ群取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】図26は、図25のステップS76のピクセルデータ取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図27】図27は、図19のステップS6の注目領域抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】図28は、図19のステップS7の注目点抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【図29】図29は、図1のゲーム装置が生成したゲーム画面の例示図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が予め定められた周期で発光する複数の発光素子と、
所定波長領域の光を通過させるフィルタと、
光を集光するレンズユニットと、
前記発光素子が発光し、被写体により反射された光を、前記フィルタ及び前記レンズユニットを介して受光し、前記被写体の画像信号を生成する撮像手段と、
前記フィルタの光入射面を露出させる開口部を有し、かつ、その開口部を取り囲む位置に複数の囲繞部が形成された漏光防止手段と、
前記複数の発光素子を保持する発光素子保持手段と、を備え、
前記フィルタは、その光入射面が前記漏光防止手段の前記開口部から露出した状態で固定され、
前記発光素子は、その発光面が露出するように、前記囲繞部を構成する孔に挿入され、かつ、前記発光素子保持部材に保持された状態で固定され、
前記レンズユニットは、その先端の光入射面が前記フィルタの光出射面に対面するように固定され、
前記撮像手段は、前記レンズユニットの光軸上に固定される、撮像装置。
【請求項2】
少なくとも前記漏光防止手段の前記囲繞部の内壁が黒色である、請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記漏光防止手段の前記囲繞部を構成する前記孔は、先端を切り落とした逆円錐状に形成され、その逆円錐状部分から、前記発光素子の発光部が露出する、請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置は、上側ハウジング及び下側ハウジングを有し、前記上側ハウジング及び前記下側ハウジングの各々の前面には、前記漏光防止手段を嵌め込むための切欠部が設けられ、それぞれの切欠部の両側縁に沿って溝部が形成され、
前記漏光防止手段の側縁を、前記溝部に差し込んだ状態で、前記上側ハウジングと前記下側ハウジングとが結合される、請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像手段を取り付ける基板をさらに備え、
前記レンズユニットは、前記撮像手段を覆うように、前記基板に取り付けられ、
前記発光素子保持手段は、前記基板と前記漏光防止手段とで挟み込まれ、
前記基板は、前記漏光防止手段と面平行に、前記上側ハウジング及び前記下側ハウジングの内部に固定される、請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
請求項1記載の撮像装置によって撮影される被写体であって、
前記発光素子が発光した光を再帰反射する少なくとも1つの再帰反射シートと、
正多面体形状の本体部と、を備え、
前記本体部の表面に前記再帰反射シートが取り付けられる、被写体。
【請求項7】
前記本体部は、正二十面体形状である、請求項6記載の被写体。
【請求項8】
前記本体部は、正多面体を展開した形状を面単位で分割した形状の複数の前記再帰反射シートで覆われる、請求項6記載の被写体。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図3】
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【図4】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−518454(P2007−518454A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522830(P2006−522830)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/JP2005/001170
【国際公開番号】WO2005/071945
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】