説明

撮像装置

【課題】撮像装置の姿勢による操作感の違いを抑制する。
【解決手段】本体側筐体300の上面310、および、上面310と隣接する対向面320にそれぞれ第1レリーズボタン311と第2レリーズボタン321とを設けた。これにより、電子カメラ1の姿勢が横位置や縦位置に変化してもレリーズボタンの操作感が変わらず、操作感の違いによる違和感をユーザに与えない。また、操作感が変化しないので、電子カメラ1の姿勢に関わらず撮像し易く、撮像される画像の画質向上も期待できるとともに、後付けのグリップ等が不要となるので、電子カメラ1を大型化しなくて済む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像時の構図に応じて撮像装置を横にした状態で把持する場合や、撮像装置を縦にした状態で把持する場合がある。このように、撮像装置の姿勢の違いによって把持状態が変化してもレリーズボタンを操作できるように、レリーズボタンを複数設けた撮像装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−242192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の撮像装置では、撮像装置を縦にして把持した場合と横にして把持した場合とでは、レリーズボタンに対する指の掛かり方が異なるため、レリーズボタンの操作感が異なってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による撮像装置は、把持部を有する第1の筐体と、レンズ鏡筒を有し、第1の筐体に対してレンズ鏡筒の光軸方向と略直交する回転軸心を中心として回動可能に取り付けられた第2の筐体と、第2の筐体に面する第1の筐体の第1面に設けられた第1のレリーズボタンと、第1面に隣接する第1の筐体の第2面に設けられた第2のレリーズボタンとを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、第1の筐体の姿勢を検出する検出手段と、検出手段によって第1の筐体が第1の姿勢であることを検出すると第1のレリーズボタンの操作を有効とするとともに第2のレリーズボタンの操作を無効とし、検出手段によって第1の筐体が第2の姿勢であることを検出すると第1のレリーズボタンの操作を無効とするとともに第2のレリーズボタンの操作を有効とするレリーズボタン設定手段とをさらに備えることを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、撮像装置の所定の機能がそれぞれ割り当てられた複数の操作部材と、検出手段によって検出された第1の筐体の姿勢が第1の姿勢であるか第2の姿勢であるかによって、複数の操作部材のうちの任意の操作部材について、操作を有効とするか無効とするかを切り替える切換手段をさらに備えることを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、撮像装置の所定の機能がそれぞれ割り当てられた複数の操作部材と、検出手段によって検出された第1の筐体の姿勢が第1の姿勢であるか第2の姿勢であるかによって、複数の操作部材のうちの任意の操作部材について、割り当てられる所定の機能を変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項4に記載の撮像装置において、第1の筐体が第1の姿勢であるときに複数の操作部材のそれぞれに割り当てられる機能についての表示を、第1の筐体が第1の姿勢であるときに視認し易い向きに表示し、第1の筐体が第2の姿勢であるときに複数の操作部材のそれぞれに割り当てられる機能についての表示を、第1の筐体が第2の姿勢であるときに視認し易い向きに表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする。
(6) 請求項6の発明は、請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、第1のレリーズボタンの近傍に設けられて、撮像装置の所定の機能が割り当てられた第1の操作部材と、第2のレリーズボタンの近傍に設けられて第1の操作部材に割り当てられた所定の機能と同じ機能が割り当てられた第2の操作部材とをさらに備えることを特徴とする。
(7) 請求項7の発明は、請求項6に記載の撮像装置において、所定の機能は、レンズ鏡筒に設けられる撮像光学系の焦点距離の変更機能であることを特徴とする。
(8) 請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の撮像装置において、把持部は、第1の筐体が第1の姿勢であるときに使用者の親指で把持される部分と、第1の筐体が第2の姿勢であるときに使用者の親指で把持される部分とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、撮像装置の姿勢による操作感の違いを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜6を参照して、本発明による撮像装置の第1の実施の形態を説明する。図1,2は、本実施の形態の撮像装置である電子カメラ1の外観を示す図である。電子カメラ1は、撮像部2と本体部3とが回転可能に連結されているデジタルスチルカメラである。なお、図1は電子カメラ1の収納状態、すなわち、撮像部2を収納した状態を示す図であり、図2は電子カメラ1の使用状態を示す図である。撮像部2には、筐体(撮像側筐体)200の内部に、撮影レンズを有するレンズ鏡筒201と、被写体像を撮像する撮像素子(例えばCCD)202と、被写体に光を照射する発光部203とが設けられている。
【0008】
撮像部2は、図1の収納状態の角度位置を基準として、図示左側の前方被写体側に向かって図示反時計方向へ略200度回動し、図示右側の後方撮影者側に向かって図示時計方向に略90度回動する。図2は、図1の収納状態から撮像部2を被写体側に向かって略90度回動させた状態を示している。すなわち、撮像側筐体200はレンズ鏡筒201を有し、本体部3の筐体に対してレンズ鏡筒201の光軸方向と略直交する回転軸心を中心として回動可能に取り付けられている。
【0009】
撮像部2を図1の収納状態に回動させた場合、レンズ鏡筒201の入射光側は、図示上方向を向くように構成されている。発光部203は被写体に光を照射するため、撮像部2のうちレンズ鏡筒201の入射光側の面に、レンズ鏡筒201のレンズ光軸から離して配設する必要がある。したがって、発光部203は、撮像部2を図1の収納状態に回動させた場合に本体部3側に向かって突出する部位(突出部)220に配設される。
【0010】
本体部3の筐体(本体側筐体)300は、略直方体形状を呈している。なお、上述したように、撮像部2の突出部220は本体部3に向かって突出しているため、本体部3の面のうち、撮像部2に面する面は、突出部220の突出形状に対応するように凹欠している。本体部3の面のうち、撮像部2に面する面を対向面320と呼ぶ。対向面320は、撮像部2の突出部220ではない部位の面211と面する面320aと、撮像部2に向かって延在する突出部220の面212と面する面320bと、突出部220のうち最も突出している部位の面213と面する面230cとによって構成されている。
【0011】
対向面320に隣接する面であり、図1,2で図示上方の面である、本体側筐体300の上面310には、第1レリーズボタン311と、第1ズームレバー312と、縦/横切替レバー313とが設けられている。面320bには、凹部324が設けられ、凹部324には、第2レリーズボタン321と、第2ズームレバー322とが設けられている。図1,2で図示右側に面した、本体側筐体300の背面330には、撮像部2側から順にDEL/PLAYボタン331と、MENUボタン332と、MODEボタン333と、PLAYボタン334と、十字操作キー335とが設けられている。また、背面330のうち、上面310近傍には、撮像部2側とは反対側の端部近傍に横位置把持部336が設けられており、撮像部2側の端部近傍に縦位置把持部337が設けられている。背面330には液晶表示モニタ338も設けられている。
【0012】
第1レリーズボタン311および第2レリーズボタン321は、レリーズ操作を行うための操作ボタンである。第1ズームレバー312および第2ズームレバー322は、レンズ鏡筒201に配置される撮像光学系の焦点距離の変更操作を行うための操作レバーであり、それぞれを上方から見たときに左右方向に操作可能である。第1ズームレバー312は第1レリーズボタン311と略同心状に配設され、第2ズームレバー322は第2レリーズボタン321と略同心状に配設されている。縦/横切替レバー313は、電子カメラ1を横位置で撮像するか縦位置で撮像するかをユーザが選択するための操作レバーである。縦/横切替レバー313の操作による電子カメラ1の動作の変化については後述する。
【0013】
横長の画像が撮像されるように、ユーザ側から見て撮像部2と本体部3とが横方向または斜め横方向に並ぶ状態となる電子カメラ1の姿勢を横位置と呼び、縦長の画像が撮像されるように、ユーザ側から見て撮像部2と本体部3とが縦方向または斜め縦方向に並ぶ状態となる電子カメラ1の姿勢を縦位置と呼ぶ。電子カメラ1の姿勢を横位置としたときに、本体側筐体300の面のうち、下方に向いた面を底面360と呼ぶ。図3(a),(b)は背面側から見た電子カメラ1を示す図であり、図3(a)は横位置にされた電子カメラ1を示し、図3(b)は縦位置にされた電子カメラ1を示す。
【0014】
DEL/PLAYボタン331は、撮像された画像を消去する際に操作される操作ボタン(消去ボタン)であるとともに、撮像済みの画像を液晶表示モニタ338に表示させる際などに操作される操作ボタン(再生ボタン)でもある。MENUボタン332は、各種機能を設定するメニュー画面を液晶表示モニタ338に表示させる際に操作される操作ボタンである。
【0015】
MODEボタン333は、撮像モードの選択の際に操作される操作ボタンである。PLAYボタン334は、撮像済みの画像を液晶表示モニタ338に表示させる際などに操作される操作ボタン(再生ボタン)である。十字操作キー335は、各種メニューの項目等を選択するための操作ボタンであり、上下左右方向および圧下方向に操作可能である。
【0016】
横位置把持部336は、周囲の面よりも全体的に浅く窪んだり、滑り止め処理が施されたりするなど、横位置にされた電子カメラ1をユーザが保持する際に、ユーザの右手の親指で把持され易いように処理された部位である。縦位置把持部337は、周囲の面よりも全体的に浅く窪んだり、滑り止め処理が施されたりするなど、縦位置にされた電子カメラ1をユーザが保持する際に、ユーザの右手の親指で把持され易いように処理された部位である。液晶表示モニタ338は、撮像された画像や各種のメニュー画面を表示する表示モニタである。液晶表示モニタ338は、撮像時に、被写体の画像を表示する電子ファインダとして働く。
【0017】
図4は、電子カメラ1の構成を説明するブロック図である。演算回路101は、マイクロコンピュータなどによって構成される。演算回路101は、後述する各部から出力される信号を入力して所定の演算を行い、演算結果に基づく制御信号を各部へ出力する。演算回路101と後述する各部とは互いに接続されている。
【0018】
撮像素子202は、CCDイメージセンサなどによって構成される。撮像素子202は、レンズ鏡筒201のレンズを通過した被写体光による像を撮像し、撮像信号を画像処理部123へ出力する。画像処理部123は、A/D変換回路やASICなどによって構成される。画像処理部123は、アナログ撮像信号をディジタル信号に変換して、ディジタル変換後の画像データにホワイトバランス処理などの画像処理を行うほか、画像処理後の画像データを所定の形式で圧縮する圧縮処理、圧縮された画像データを伸長する伸長処理などを行う。
【0019】
第1レリーズスイッチ141は、第1レリーズボタン311に連動してレリーズ操作信号を演算回路101に出力する。レリーズ操作信号には、第1レリーズボタン311の半押し操作に対応する半押し操作信号と、半押し操作より深く押下される全押し操作に対応する全押し操作信号とがある。第2レリーズスイッチ142は、第2レリーズボタン321に連動してレリーズ操作信号を演算回路101に出力する。第2レリーズスイッチ142が出力するレリーズ操作信号は、第1レリーズスイッチ141と同様である。
【0020】
DEL/PLAYスイッチ143、MENUスイッチ144、MODEスイッチ145、およびPLAYスイッチ146は、それぞれDEL/PLAYボタン331、MENUボタン332、MODEボタン333、およびPLAYボタン334が押圧操作されると操作信号を演算回路101に出力する。
【0021】
十字キースイッチ147は、十字操作キー335の操作に応じた信号を演算回路101に出力する。十字操作キー335の上部が押圧されると、十字キースイッチ147は上方向信号を出力する。十字操作キー335の下部が押圧されると、十字キースイッチ147は下方向信号を出力する。十字操作キー335の右部が押圧されると、十字キースイッチ147は右方向信号を出力する。十字操作キー335の左部が押圧されると、十字キースイッチ147は左方向信号を出力する。十字操作キー335が圧下されると、十字キースイッチ147は圧下信号を出力する。
【0022】
第1ズームスイッチ151は、第1ズームレバー312の操作に応じた信号を演算回路101に出力する。第1ズームレバー312が右方向に操作されると第1ズームスイッチ151は右方向信号を出力し、第1ズームレバー312が左方向に操作されると第1ズームスイッチ151は左方向信号を出力する。第2ズームスイッチ152は、第2ズームレバー322の操作に応じた信号を演算回路101に出力する。第2ズームレバー322が右方向に操作されると第2ズームスイッチ152は右方向信号を出力し、第2ズームレバー322が左方向に操作されると第2ズームスイッチ152は左方向信号を出力する。
【0023】
縦/横切替スイッチ153は、縦/横切替レバー313の操作位置に応じた信号を演算回路101に出力する。縦/横切替レバー313が横位置を選択する操作位置に操作されると縦/横切替スイッチ153は、横位置信号を出力する。縦/横切替レバー313が縦位置を選択する操作位置に操作されると縦/横切替スイッチ153は、縦位置信号を出力する。
【0024】
表示制御部161は、演算回路101から出力される信号に基づいて、液晶表示モニタ338の表示制御を行う制御部である。レンズ駆動制御部162は、演算回路101から出力される信号に基づいて、合焦動作や焦点距離変更動作を行うようにレンズ鏡筒201のレンズ群を駆動する。発光装置163は、演算回路101から出力される信号に基づいて、発光部203に対する発光開始および発光停止を指示して発光制御を行う。記録媒体装着部164は、不図示の記録媒体を着脱可能に保持し、装着された記録媒体に記録されたデータの読み込みや消去、記録媒体へのデータの書き込みを行う。記録媒体には、画像処理後の画像データが記録される。
【0025】
−−−横位置で撮像する場合−−−
このように構成される電子カメラ1では、被写体像の撮像や、撮像された画像の液晶表示モニタ338への表示ができる。図5に示すように、横位置にされた電子カメラ1で撮像する場合、ユーザは、右手で本体側筐体300を把持し、左手で撮像側筐体200を把持することとなる。この際、右手の親指が自然に横位置把持部336に添えられ、右手の人差し指が第1レリーズボタン311に自然に掛かるように、横位置把持部336および第1レリーズボタン311が配設されている。
【0026】
電子カメラ1では、縦/横切替レバー313が横位置を選択する操作位置に操作されると、図5に示すように横位置にされて把持された電子カメラ1を操作し易いように、第1レリーズボタン311および第1ズームレバー312の操作が有効とされ、第2レリーズボタン321および第2ズームレバー322の操作が無効とされる。
【0027】
すなわち、演算回路101は、縦/横切替スイッチ153から横位置信号を受信すると、第1レリーズスイッチ141から出力されるレリーズ操作信号と、第1ズームスイッチ151から出力される右方向信号および左方向信号を有効な信号として処理する。また、演算回路101は、縦/横切替スイッチ153から横位置信号を受信すると、第2レリーズスイッチ142から出力されるレリーズ操作信号と、第2ズームスイッチ152から出力される右方向信号および左方向信号を無効な信号として処理する。
【0028】
具体的には、演算回路101は、第1レリーズボタン311が半押し操作されることで第1レリーズスイッチ141から出力された半押し操作信号を受信すると、フォーカスロックや絞り値の固定を行うように各部を制御する。演算回路101は、第1レリーズボタン311が全押し操作されることで第1レリーズスイッチ141から出力された全押し操作信号を受信すると、撮像素子202で被写体像を撮像し、撮像した画像に各種処理を施して記録媒体に格納するように各部を制御する。
【0029】
上述したように、第1ズームレバー312が操作されると第1ズームスイッチ151から右方向信号または左方向信号が出力される。演算回路101は、この右方向信号または左方向信号を受信すると、レンズ鏡筒201のレンズ群が駆動されて焦点距離が変更されるようにレンズ駆動制御部162に制御信号を出力する。演算回路101は、第2レリーズスイッチ142から出力されるレリーズ操作信号や、第2ズームスイッチ152から出力される右方向信号および左方向信号を受信しても、演算回路101における演算状態や制御信号の出力状態を変更しない。
【0030】
その結果、第1レリーズボタン311が半押し操作されると、フォーカスロックや絞り値の固定が行われる。第1レリーズボタン311が全押し操作されると、撮像動作が行われる。第1ズームレバー312が操作されると焦点距離が変更される。また、第2レリーズボタン321および第2ズームレバー322が操作されても、電子カメラ1の各部の状態・動作は変化しない。
【0031】
また、電子カメラ1では、縦/横切替レバー313が横位置を選択する操作位置に操作されると、横位置で把持された電子カメラ1を操作し易いように、各ボタン331〜334の機能が切り替えられる。すなわち、撮像の際に操作する頻度が高い機能ほど横位置把持部336に近い位置のボタンに割り当てられる。具体的には、演算回路101は、PLAYボタン334が押圧操作されることPLAYスイッチ146から出力された操作信号を受信すると、撮像済みの画像を液晶表示モニタ338に表示させるように各部を制御する。
【0032】
演算回路101は、MODEボタン333が押圧操作されることでMODEスイッチ145から出力された操作信号を受信すると、撮像モードの選択画面を液晶表示モニタ338に表示するように表示制御部161を制御する。演算回路101は、MENUボタン332が押圧操作されることでMENUスイッチ144から出力された操作信号を受信すると、各種機能を設定するメニュー画面を液晶表示モニタ338に表示するように表示制御部161を制御する。
【0033】
演算回路101は、DEL/PLAYボタン331が押圧操作されることでDEL/PLAYスイッチ143から出力された操作信号を受信すると、撮像によって得られた記録不要な画像データを消去したり、記録媒体に記録されているデータを削除するように各部を制御する。すなわち、縦/横切替レバー313によって横位置が選択されると、DEL/PLAYボタン331を消去ボタンとして機能させるよう、演算回路101が各部を制御する。
【0034】
−−−縦位置で撮像する場合−−−
図6に示すように、縦位置にされた電子カメラ1で撮像する場合、ユーザは、右手で本体側筐体300の上面310の周辺を把持し、左手で本体側筐体300の底面360の周辺を把持することとなる。この際、右手の親指が自然に縦位置把持部337に添えられ、右手の人差し指が第2レリーズボタン321に自然に掛かるように、縦位置把持部337および第2レリーズボタン321が配設されている。
【0035】
電子カメラ1では、縦/横切替レバー313が縦位置を選択する操作位置に操作されると、図6に示すように縦位置にされて把持された電子カメラ1を操作し易いように、第2レリーズボタン321および第2ズームレバー322の操作が有効とされ、第1レリーズボタン311および第1ズームレバー312の操作が無効とされる。
【0036】
すなわち、演算回路101は、縦/横切替スイッチ153から縦位置信号を受信すると、第2レリーズスイッチ142から出力されるレリーズ操作信号と、第2ズームスイッチ152から出力される右方向信号および左方向信号を有効な信号として処理する。また、演算回路101は、縦/横切替スイッチ153から縦位置信号を受信すると、第1レリーズスイッチ141から出力されるレリーズ操作信号と、第1ズームスイッチ151から出力される右方向信号および左方向信号を無効な信号として処理する。
【0037】
具体的には、演算回路101は、第2レリーズボタン321が半押し操作されることで第2レリーズスイッチ142から出力された半押し操作信号を受信すると、フォーカスロックや絞り値の固定を行うように各部を制御する。演算回路101は、第2レリーズボタン321が全押し操作されることで第2レリーズスイッチ142から出力された全押し操作信号を受信すると、撮像素子202で被写体像を撮像し、撮像した画像に各種処理を施して記録媒体に格納するように各部を制御する。
【0038】
演算回路101は、第2ズームレバー322が操作されることで第2ズームスイッチ152から出力される右方向信号または左方向信号を受信するとレンズ鏡筒201のレンズ群が駆動されて焦点距離が変更されるようにレンズ駆動制御部162に制御信号を出力する。演算回路101は、第1レリーズスイッチ141から出力されるレリーズ操作信号や、第1ズームスイッチ151から出力される右方向信号および左方向信号を受信しても、演算回路101における演算状態や制御信号の出力状態を変更しない。
【0039】
その結果、第2レリーズボタン321が半押し操作されると、フォーカスロックや絞り値の固定が行われ、第2レリーズボタン321が全押し操作されると、撮像動作が行われ、第2ズームレバー322が操作されると焦点距離が変更される。また、第1レリーズボタン311および第1ズームレバー312が操作されても、電子カメラ1の各部の状態・動作は変化しない。
【0040】
また、電子カメラ1では、縦/横切替レバー313が縦位置を選択する操作位置に操作されると、縦位置で把持された電子カメラ1を操作し易いように、撮像の際に操作する頻度が高い機能が縦位置把持部337に最も近い位置のボタンに割り当てられる。具体的には、演算回路101は、DEL/PLAYボタン331が押圧操作されることでDEL/PLAYスイッチ143から出力された操作信号を受信すると、撮像済みの画像を液晶表示モニタ338に表示させるように各部を制御する。すなわち、縦/横切替レバー313によって縦位置が選択されると、DEL/PLAYボタン331を再生ボタンとして機能させるよう、演算回路101が各部を制御する。
【0041】
縦/横切替レバー313によって縦位置が選択された場合、撮像の際に操作する頻度が低いMENUボタン332、MODEボタン333、およびPLAYボタン334の操作が無効とされる。これにより、縦位置で把持された際に、これらのボタンに右手の親指のつけ根付近が当たっても、ユーザの意図しない誤操作を防止できる。演算回路101は、MENUボタン332が押圧操作されることでMENUスイッチ144から出力された操作信号を受信しても、受信した操作信号を無効な信号として処理する。同様に、演算回路101は、MODEボタン333が押圧操作されることでMODEスイッチ145から出力された操作信号を受信しても、受信した操作信号を無効な信号として処理する。演算回路101は、PLAYボタン334が押圧操作されることPLAYスイッチ146から出力された操作信号を受信しても、受信した操作信号を無効な信号として処理する。
【0042】
図5,6に示すように、電子カメラ1がユーザの顔の前方で把持された場合、電子カメラ1の姿勢が横位置であっても縦位置であっても、ユーザが電子カメラ1を把持する右手の手首の角度は略同じとなる。横位置にされた電子カメラ1の横位置把持部336に添えられた右手親指の位置と、縦位置にされた電子カメラ1の縦位置把持部337に添えられた右手親指の位置は略同一となる。
【0043】
横位置にされた電子カメラ1の第1レリーズボタン311に掛かる右手の人差し指の位置と、縦位置にされた電子カメラ1の第2レリーズボタン321に掛かる右手の人差し指の位置も略同一となる。なお、レリーズボタン311,321に関しては、レリーズボタンの圧下方向が下方であるか斜め下方であるかという違いはあるものの、ユーザの操作感に与える差異はごく僅かである。
【0044】
したがって、本実施の形態の電子カメラ1では、電子カメラ1の姿勢が縦位置であっても横位置のときと同様に把持できる。また、電子カメラ1の姿勢が縦位置であっても横位置のときと同様の操作感でレリーズ操作やズーム操作を行うことができる。
【0045】
なお、図3(a),(b)に示すように、電子カメラ1では、横位置および縦位置にされた際の各ボタン331〜334の機能を理解しやすいように、各ボタン331〜334の周囲に各ボタン331〜334の機能を表示している。縦/横切替レバー313によって横位置が選択されると、DEL/PLAYボタン331が消去ボタンとして機能するが、その機能を表す「DEL」という文字331aがDEL/PLAYボタン331の上方に、電子カメラ1が横位置とされたときに正立するように表示されている(図3(a))。同様に、MENUボタン332の上方には「MENU」という文字332aが表示され、MODEボタン333の上方には「MODE」という文字333aが表示され、PLAYボタン334の上方には「PLAY」という文字334aが表示されている。
【0046】
また、縦/横切替レバー313によって縦位置が選択されると、DEL/PLAYボタン331が再生ボタンとして機能するが、その機能を表す「PLAY」という文字331bがDEL/PLAYボタン331の側方に、電子カメラ1が縦位置とされたときに正立するように表示されている(図3(b))。
【0047】
上述した第1の実施の形態の電子カメラ1では、次の作用効果を奏する。
(1) 本体側筐体300の上面310、および、上面310と隣接する対向面320にそれぞれ第1レリーズボタン311と第2レリーズボタン321とを設けた。これにより、電子カメラ1の姿勢に応じて把持状態が変化してもレリーズボタンの操作感が変わらず、操作感の違いによる違和感をユーザに与えない。また、操作感が変化しないので、電子カメラ1の姿勢に関わらず撮像し易く、撮像される画像の画質向上も期待できるとともに、後付けのグリップ等が不要となるので、電子カメラ1を大型化しなくて済む。
【0048】
(2) 電子カメラ1の姿勢に応じて、第1レリーズボタン311および第2レリーズボタン321のうちのいずれか一方を有効とし他方を無効とするように構成した。これにより、たとえば縦位置における撮像の際に、右手の手のひらで第1レリーズボタンを誤って押圧してしまっても、撮像動作が行われないので、ユーザの意図しない撮像を防止できる。
【0049】
(3) 電子カメラ1の姿勢に応じて、各ボタン332〜334の操作が有効となるか無効となるかを切り替えるように構成した。これにより、ユーザの意図しない誤操作を防止できる。また、電子カメラ1の姿勢に応じて、各ボタン331〜334の機能を切り替えるように構成した。これにより、電子カメラ1の姿勢に応じて、電子カメラ1のボタン操作を容易にできる。
【0050】
(4) 各ボタン331〜334の機能を表示する文字331a〜334a,331bを、電子カメラ1の姿勢に対応して正立するように表示したので、電子カメラ1の姿勢に関わらず各ボタン331〜334の機能が分かり易い。
【0051】
(5) 第1レリーズボタン311の近傍に第1ズームレバー312を設け、第2レリーズボタン321の近傍に第2ズームレバー322を設けるように構成した。これにより、電子カメラ1の姿勢が横位置や縦位置に変化しても、撮像時に頻繁に操作するズームレバーの操作感が変わらず、操作感の違いによる違和感をユーザに与えない。
【0052】
(6) 横位置および縦位置にされた電子カメラ1を把持した際に、右手の親指を添える横位置把持部336および縦位置把持部337を設けたので、電子カメラ1の姿勢に関わらず、電子カメラ1が把持し易くなる。
【0053】
(7) 縦/横切替レバー313によって、電子カメラ1を横位置で撮像するか縦位置で撮像するかをユーザが選択できるように構成した。これにより、ユーザの姿勢やユーザの腕の角度などが変化しても、各ボタンや各レバーの有効/無効化の状態や各ボタンの機能と、ユーザの意図とを一致させることができる。
【0054】
−−−第2の実施の形態−−−
図7〜10を参照して、本発明による撮像装置の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成要素には対応する符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同様である。図7,8は、第2の実施の形態の撮像装置である電子カメラ1の外観を示す図である。図9(a),(b)は背面側から見た電子カメラ1を示す図であり、図9(a)は横位置にされた電子カメラ1を示し、図9(b)は縦位置にされた電子カメラ1を示す。
【0055】
第2の実施の形態の電子カメラ1では、第1の実施の形態の電子カメラ1と異なり、第2ズームレバー322が設けられていない。第2の実施の形態の電子カメラ1では、第1の実施の形態の電子カメラ1のDEL/PLAYボタン331およびMENUボタン332に代えて、DEL/TELEボタン341およびMENU/WIDEボタン342が設けられている。
【0056】
DEL/TELEボタン341は、撮像された画像を消去する際に操作される操作ボタン(消去ボタン)であるとともに、焦点距離を長くするTELE側へ変更するための操作ボタン(TELEボタン)でもある。MENU/WIDEボタン342は、各種機能を設定するメニュー画面を液晶表示モニタ338に表示させる際に操作される操作ボタン(MENUボタン)であるとともに、焦点距離を短くするWIDE側へ変更するための操作ボタン(WIDEボタン)でもある。
【0057】
図10は、第2の実施の形態の電子カメラ1の構成を説明するブロック図である。DEL/TELEスイッチ171およびMENU/WIDEスイッチ172は、それぞれDEL/TELEボタン341およびMENU/WIDEボタン342が押圧操作されると操作信号を演算回路101に出力する。なお、第2の実施の形態の電子カメラ1には、第2ズームスイッチ152は設けられていない。
【0058】
−−−横位置で撮像する場合−−−
第2の実施の形態の電子カメラ1では、縦/横切替レバー313が横位置を選択する操作位置に操作されると、横位置で把持された電子カメラ1を操作し易いように、第1レリーズボタン311および第1ズームレバー312の操作が有効とされ、第2レリーズボタン321の操作が無効とされる。
【0059】
すなわち、演算回路101は、縦/横切替スイッチ153から横位置信号を受信すると、第1レリーズスイッチ141から出力されるレリーズ操作信号と、第1ズームスイッチ151から出力される右方向信号および左方向信号を有効な信号として処理する。また、演算回路101は、縦/横切替スイッチ153から横位置信号を受信すると、第2レリーズスイッチ142から出力されるレリーズ操作信号を無効な信号として処理する。演算回路101は、第2レリーズスイッチ142から出力されるレリーズ操作信号を受信しても、演算回路101における演算状態や制御信号の出力状態を変更しない。
【0060】
その結果、第1レリーズボタン311が半押し操作されると、フォーカスロックや絞り値の固定が行われ、第1レリーズボタン311が全押し操作されると、撮像動作が行われ、第1ズームレバー312が操作されるとレンズ鏡筒201に配置される撮像光学系の焦点距離が変更される。また、第2レリーズボタン321が操作されても、電子カメラ1の各部の状態・動作は変化しない。
【0061】
また、電子カメラ1では、縦/横切替レバー313が横位置を選択する操作位置に操作されると、横位置で把持された電子カメラ1を操作し易いように、撮像の際に操作する頻度が高い機能ほど横位置把持部336に近い位置のボタンに割り当てられる。具体的には、演算回路101は、MENU/WIDEボタン342が押圧操作されることでMENU/WIDEスイッチ172から出力された操作信号を受信すると、各種機能を設定するメニュー画面を液晶表示モニタ338に表示するように表示制御部161を制御する。
【0062】
演算回路101は、DEL/TELEボタン341が押圧操作されることでDEL/TELEスイッチ171から出力された操作信号を受信すると、撮像によって得られた記録不要な画像データを消去したり、記録媒体に記録されているデータを削除するように各部を制御する。すなわち、縦/横切替レバー313によって横位置が選択されると、DEL/TELEボタン341を消去ボタンとして機能させ、MENU/WIDEボタン342をMENUボタンとして機能させるよう、演算回路101が各部を制御する。
【0063】
−−−縦位置で撮像する場合−−−
第2の実施の形態の電子カメラ1では、縦/横切替レバー313が縦位置を選択する操作位置に操作されると、縦位置で把持された電子カメラ1を操作し易いように、第2レリーズボタン321の操作が有効とされ、第1レリーズボタン311および第1ズームレバー312の操作が無効とされる。
【0064】
すなわち、演算回路101は、縦/横切替スイッチ153から縦位置信号を受信すると、第2レリーズスイッチ142から出力されるレリーズ操作信号を有効な信号として処理する。また、演算回路101は、縦/横切替スイッチ153から縦位置信号を受信すると、第1レリーズスイッチ141から出力されるレリーズ操作信号と、第1ズームスイッチ151から出力される右方向信号および左方向信号を無効な信号として処理する。
【0065】
具体的には、演算回路101は、第2レリーズボタン321が半押し操作されることで第2レリーズスイッチ142から出力された半押し操作信号を受信すると、フォーカスロックや絞り値の固定を行うように各部を制御する。演算回路101は、第2レリーズボタン321が全押し操作されることで第2レリーズスイッチ142から出力された全押し操作信号を受信すると、撮像素子202で被写体像を撮像し、撮像した画像に各種処理を施して記録媒体に格納するように各部を制御する。
【0066】
演算回路101は、第1レリーズスイッチ141から出力されるレリーズ操作信号や、第1ズームスイッチ151から出力される右方向信号および左方向信号を受信しても、演算回路101における演算状態や制御信号の出力状態を変更しない。
【0067】
その結果、第2レリーズボタン321が半押し操作されると、フォーカスロックや絞り値の固定が行われ、第2レリーズボタン321が全押し操作されると、撮像動作が行われる。また、第1レリーズボタン311および第1ズームレバー312が操作されても、電子カメラ1の各部の状態・動作は変化しない。
【0068】
また、電子カメラ1では、縦/横切替レバー313が縦位置を選択する操作位置に操作されると、縦位置にされて把持された電子カメラ1を操作し易いように、各ボタン341,342,333,334の機能が切り替えられる。具体的には、演算回路101は、DEL/TELEボタン341が押圧操作されることでDEL/TELEスイッチ171から出力された操作信号を受信すると、レンズ鏡筒201に配置される撮像光学系の焦点距離が長くなるようにレンズ駆動制御部162に制御信号を出力する。
【0069】
演算回路101は、MENU/WIDEボタン342が押圧操作されることでMENU/WIDEスイッチ172から出力された操作信号を受信すると、レンズ鏡筒201に配置される撮像光学系の焦点距離が短くなるようにレンズ駆動制御部162に制御信号を出力する。
【0070】
演算回路101は、MODEボタン333が押圧操作されることでMODEスイッチ145から出力された操作信号を受信しても、受信した操作信号を無効な信号として処理する。演算回路101は、PLAYボタン334が押圧操作されることPLAYスイッチ146から出力された操作信号を受信すると、撮像済みの画像を液晶表示モニタ338に表示させるように各部を制御する。
【0071】
したがって、第2の実施の形態の電子カメラ1では、電子カメラ1の姿勢が縦位置であっても横位置のときと同様に把持できる。また、電子カメラ1の姿勢が縦位置であっても横位置のときと同様の操作感でレリーズ操作を行うことができる。なお、焦点距離の変更に際しては、電子カメラ1の姿勢が横位置のときには、右手人差し指で第1ズームレバー312を操作し、電子カメラ1の姿勢が縦位置のときには、右手親指でDEL/TELEボタン341またはMENU/WIDEボタン342を操作することとなる。しかし、右手の把持状態は、電子カメラ1の姿勢に関わらず大きな違いがなく、また、焦点距離に際して、電子カメラ1を持ち替えるなど、右手の把持状態を変化させる必要はなく、人差し指または親指を僅かに動かすだけで済む。
【0072】
なお、図9(a),(b)に示すように、電子カメラ1では、横位置および縦位置にされた際の各ボタン341,342,333,334の機能を理解しやすいように、各ボタン341,342,333,334の周囲に各ボタン341,342,333,334の機能を表示している。縦/横切替レバー313によって横位置が選択されると、DEL/TELEボタン341が消去ボタンとして機能するが、その機能を表す「DEL」という文字341aがDEL/TELEボタン341の上方に、電子カメラ1が横位置とされたときに正立するように表示されている(図9(a))。同様に、MENU/WIDEボタン342の上方には「MENU」という文字342aが表示され、MODEボタン333の上方には「MODE」という文字333aが表示され、PLAYボタン334の上方には「PLAY」という文字334aが表示されている。
【0073】
また、縦/横切替レバー313によって縦位置が選択されると、DEL/TELEボタン341がTELEボタンとして機能するが、その機能を表す「TELE」という文字341bがDEL/PLAYボタン331の側方に、電子カメラ1が縦位置とされたときに正立するように表示されている(図9(b))。同様に、MENU/WIDEボタン342の側方には、WIDEボタンとしての機能を表す「WIDE」という文字342bが表示され、PLAYボタン334の側方には「PLAY」という文字334bが表示されている。
【0074】
第2の実施の形態の電子カメラ1では、第1の実施の形態の作用効果に加えて次の作用効果を奏する。
(1) 縦/横切替レバー313で横位置に設定されている場合には、第1ズームレバー312で焦点距離の調整を行い、縦/横切替レバー313で縦位置に設定されている場合には、DEL/TELEボタン341およびMENU/WIDEボタン342で焦点距離の調整を行うように構成した。これにより、横位置における撮像よりも一般的には頻度の低い縦位置における撮像のために別途ズームレバーを設けなくてもよいので、製造コストを抑制できる。
【0075】
−−−変形例−−−
(1) 上述した第1の実施の形態では、第1ズームレバー312を第1レリーズボタン311と略同心状に配設し、第2ズームレバー322を第2レリーズボタン321と略同心状に配設しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第1ズームレバー312や第2ズームレバー322の代わりに、撮像モードを選択するためのモード設定ダイヤルなど、他の操作部材を第1レリーズボタン311および第2レリーズボタン321と略同心状に配設してもよい。
【0076】
(2) 上述した第1の実施の形態では、第1ズームレバー312を第1レリーズボタン311と略同心状に配設し、第2ズームレバー322を第2レリーズボタン321と略同心状に配設しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図11に示すように、第1ズームレバー312の代わりに第1ズーム操作ダイヤル315を、本体側筐体300の前面370であって第1レリーズボタン311の直近に設けてもよい。そして、第1レリーズボタン311と第1ズーム操作ダイヤル315との位置関係に倣って、第2ズームレバー322の代わりに第2ズーム操作ダイヤル325を、本体側筐体300の前面370であって第2レリーズボタン321の直近に設けてもよい。
【0077】
(3) 上述の説明では、電子カメラ1の姿勢と各ボタン331〜334,341,342の機能とが対応するように機能表示の向きを決定しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図12(a),(b)に示すように、各ボタン331〜334の機能を、電子カメラ1の姿勢に応じて液晶表示モニタ338に表示させてもよい。縦/横切替レバー313によって横位置が選択されて、縦/横切替スイッチ153から横位置信号を受信すると、演算回路101はDEL/PLAYボタン331が消去ボタンとして機能するように各部を制御する。さらに、演算回路101は「DEL」という文字331cがDEL/PLAYボタン331の直下に、電子カメラ1が横位置とされたときに正立するように液晶表示モニタ338に表示させるべく表示制御部161を制御する(図12(a))。同様に、演算回路101は、MENUボタン332の直下に「MENU」という文字332cを表示させ、MODEボタン333の直下に「MODE」という文字333cを表示させ、PLAYボタン334の直下に「PLAY」という文字334cを表示させるべく表示制御部161を制御する
【0078】
また、縦/横切替レバー313によって縦位置が選択されて、縦/横切替スイッチ153から縦位置信号を受信すると、演算回路101はDEL/PLAYボタン331が再生ボタンとして機能するよう各部を制御する。さらに、演算回路101は「PLAY」という文字331dがDEL/PLAYボタン331の側方に、電子カメラ1が縦位置とされたときに正立するように液晶表示モニタ338に表示させるべく表示制御部161を制御する(図12(b))。
【0079】
(4) 上述した第1の実施の形態では、縦/横切替レバー313によって縦位置が選択された場合、MENUボタン332、MODEボタン333、およびPLAYボタン334の操作が無効とされるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、縦/横切替レバー313によって縦位置が選択された場合であっても、MENUボタン332、MODEボタン333、およびPLAYボタン334のうち少なくともいずれか1つのボタンの操作が有効となるように構成してもよい。
【0080】
(5) 上述した第2の実施の形態では、縦/横切替レバー313によって縦位置が選択された場合、MODEボタン333の操作が無効とされるように構成しているが、MODEボタン333の操作が有効となるように構成してもよい。
【0081】
(6) 上述の説明では、縦/横切替レバー313によって縦位置が選択された場合に、十字操作キー335の操作が有効であるか無効であるかについては特に言及していないが、いずれであってもよい。
【0082】
(7) 上述の説明では、電子カメラ1の姿勢を縦位置にすると、発光部203がレンズ鏡筒201の下方に位置するように構成されているが、電子カメラ1の姿勢を縦位置にした際に、発光部203がレンズ鏡筒201の上方に位置するように、レンズ鏡筒201を挟んで突出部220とは反対側に発光部203の収納部を設け、ここに発光部203を配設するように構成してもよい。この場合には、発光部203から照射される光がレンズ鏡筒201よりも上から被写体に照射されるため、被写体の影の出方が自然になる。
【0083】
(8) 上述した第1の実施の形態では、撮像部2には突出部220が設けられ、本体部3には突出部220の突出形状に対応する凹欠部分を構成する対向面320が設けられている。そして、対向面320に第2レリーズボタン321と、第2ズームレバー322とが設けられているが、本発明はこれに限定されない。たとえば図13に示すように、本体側筐体300の撮像部2に面する側面380に、上述した実施の形態のような凹欠部分がなく、上面10と略直交している側面380に、第2レリーズボタン321と、第2ズームレバー322とを設けてもよい。
【0084】
(9) 上述の説明では、縦/横切替レバー313の切替位置を演算回路101で検出することで、電子カメラ1の姿勢が横位置であるか縦位置であるかを検出しているが。本発明はこれに限定されない。たとえば、電子カメラ1に角度位置センサを設け、角度位置センサから出力される角度位置の信号に基づいて演算回路101で電子カメラ1の姿勢を演算し、電子カメラ1の姿勢が横位置であるか縦位置であるかを決定するようにしてもよい。
【0085】
(10) 上述の説明では、電子カメラ1はデジタルスチルカメラであるが、動画の撮影が可能なカメラであってもよく、動画撮影専用の撮像装置であってもよい。
(11) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0086】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、把持部を有する第1の筐体と、レンズ鏡筒を有し、第1の筐体に対してレンズ鏡筒の光軸方向と略直交する回転軸心を中心として回動可能に取り付けられた第2の筐体と、第2の筐体に面する前記第1の筐体の第1面に設けられた第1のレリーズボタンと、第1面に隣接する第1の筐体の第2面に設けられた第2のレリーズボタンとを備える各種構造の撮像装置を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1の実施の形態の電子カメラ1の外観を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の電子カメラ1の外観を示す図である。
【図3】背面側から見た電子カメラ1を示す図であり、(a)は横位置にされた電子カメラ1を示し、(b)は縦位置にされた電子カメラ1を示す。
【図4】第1の実施の形態の電子カメラ1の構成を説明するブロック図である。
【図5】横位置にされた電子カメラ1が把持される状態を示す図である。
【図6】縦位置にされた電子カメラ1が把持される状態を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の電子カメラ1の外観を示す図である。
【図8】第2の実施の形態の電子カメラ1の外観を示す図である。
【図9】背面側から見た電子カメラ1を示す図であり、(a)は横位置にされた電子カメラ1を示し、(b)は縦位置にされた電子カメラ1を示す。
【図10】第2の実施の形態の電子カメラ1の構成を説明するブロック図である。
【図11】変形例を示す図である。
【図12】変形例を示す図である。
【図13】変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
1 電子カメラ 2 撮像部
3 本体部 101 演算回路
200 筐体(撮像側筐体) 300 筐体(本体側筐体)
311 第1レリーズボタン 312 第1ズームレバー
313 縦/横切替レバー 315 第1ズーム操作ダイヤル
321 第2レリーズボタン 322 第2ズームレバー
325 第2ズーム操作ダイヤル 331 DEL/PLAYボタン
332 MENUボタン 333 MODEボタン
334 PLAYボタン 336 横位置把持部
337 縦位置把持部 338 液晶表示モニタ
341 DEL/TELEボタン 342 MENU/WIDEボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部を有する第1の筐体と、
レンズ鏡筒を有し、前記第1の筐体に対して前記レンズ鏡筒の光軸方向と略直交する回転軸心を中心として回動可能に取り付けられた第2の筐体と、
前記第2の筐体に面する前記第1の筐体の第1面に設けられた第1のレリーズボタンと、
前記第1面に隣接する前記第1の筐体の第2面に設けられた第2のレリーズボタンとを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記第1の筐体の姿勢を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記第1の筐体が第1の姿勢であることを検出すると前記第1のレリーズボタンの操作を有効とするとともに前記第2のレリーズボタンの操作を無効とし、前記検出手段によって前記第1の筐体が第2の姿勢であることを検出すると前記第1のレリーズボタンの操作を無効とするとともに前記第2のレリーズボタンの操作を有効とするレリーズボタン設定手段とをさらに備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置において、
撮像装置の所定の機能がそれぞれ割り当てられた複数の操作部材と、
前記検出手段によって検出された前記第1の筐体の姿勢が前記第1の姿勢であるか前記第2の姿勢であるかによって、前記複数の操作部材のうちの任意の操作部材について、操作を有効とするか無効とするかを切り替える切換手段をさらに備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項2に記載の撮像装置において、
撮像装置の所定の機能がそれぞれ割り当てられた複数の操作部材と、
前記検出手段によって検出された前記第1の筐体の姿勢が前記第1の姿勢であるか前記第2の姿勢であるかによって、前記複数の操作部材のうちの任意の操作部材について、割り当てられる前記所定の機能を変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像装置において、
前記第1の筐体が前記第1の姿勢であるときに前記複数の操作部材のそれぞれに割り当てられる機能についての表示を、前記第1の筐体が前記第1の姿勢であるときに視認し易い向きに表示し、
前記第1の筐体が前記第2の姿勢であるときに前記複数の操作部材のそれぞれに割り当てられる機能についての表示を、前記第1の筐体が前記第2の姿勢であるときに視認し易い向きに表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、
前記第1のレリーズボタンの近傍に設けられて、撮像装置の所定の機能が割り当てられた第1の操作部材と、
前記第2のレリーズボタンの近傍に設けられて前記第1の操作部材に割り当てられた前記所定の機能と同じ機能が割り当てられた第2の操作部材とをさらに備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の撮像装置において、
前記所定の機能は、前記レンズ鏡筒に設けられる撮像光学系の焦点距離の変更機能であることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の撮像装置において、
把持部は、前記第1の筐体が前記第1の姿勢であるときに使用者の親指で把持される部分と、前記第1の筐体が前記第2の姿勢であるときに使用者の親指で把持される部分とを有することを特徴とする撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−64874(P2008−64874A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240505(P2006−240505)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】