説明

撮影手段付き携帯端末装置の画像形成方法

【課題】 書籍の表紙あるいは中のページとなる被撮影物にあらかじめ所定の情報を記憶させた無線タグを埋め込んでおくことにより、デジタルカメラ、デジカメ内蔵携帯電話等で撮影する場合に、前記無線タグと通信して、所定の情報より画像の表示を禁止する画像形成装置。
【解決手段】 書店等の店舗において販売する書籍類の表紙あるいは中のページとなる被撮影物にあらかじめ無断撮影禁止の情報を記憶させた無線タグを埋め込んでおく。書籍情報の一部をカメラ付き携帯端末で撮影しようとした場合、カメラに内蔵された無線タグ認識手段により、無線タグ情報の認識を行い、撮影禁止と判断した場合は、表示装置に撮影情報の表示を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮影機能付き携帯端末を用いて撮影処理を実行する画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影機能を用いて画像データに関する情報等を獲得する手段においては、一旦情報を記憶させておき、再生処理を実行する場合に表示を実行していた。
例えば、特許文献1参照。
【特許文献1】特開2003−174578公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように、撮影装置は、被撮影物を撮影し、画像データを蓄積し、表示する。現在の撮影装置は小型化が進み、携帯端末等に組み込まれるものがあり、前記装置をネットワークの環境等に接続した場合、画像データや関連情報の送信処理および受信処理が可能となる。しかしながら、現在の撮影装置において、被撮影物は全て撮影可能なため、撮影を実行すると画像データとして保存され蓄積される。このように全てのものが撮影可能であると、複写やコピーが禁止されているものや、書籍などの販売物の撮影が可能となりこれらを撮影することが問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本発明の撮影手段付き携帯端末装置において、無線タグの情報を受信する手段を備え、書籍販売店において書籍等に付加されている無線タグの情報に関して、書籍の撮影を実行した場合、前記携帯端末装置において、無線タグの情報から撮影不可情報を受信し、撮影後の撮影画像データ表示禁止手段および記憶禁止手段を備え、撮影禁止の情報を受信した書籍においては、撮影画像の表示禁止、記憶禁止を行う手段を備える撮影手段付き携帯端末装置の画像形成方法を可能とした。
【発明の効果】
【0005】
以上説明したように、本発明の撮影手段付き携帯端末装置において、無線タグの情報を受信する手段を備え、書籍販売店において書籍等に付加されている無線タグの情報に関して、書籍の撮影を実行した場合、撮影画像の表示禁止、記憶禁止を行う手段を備えることによって、販売物の無断複写禁止が可能となる。加えて、書籍の付加されている無線タグの情報に関して、撮影禁止の書換えを行うことによって、販売済み品を撮影可と変更することによって関連情報のセキュリティ向上図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(実施例1)
図1は本発明の実施例の構成を示す一例の図である。
【0007】
本発明の実施例の構成は以下のようになっており、撮影手段付き携帯端末装置となる携帯端末1、2で撮影する、被撮影物となる書籍1や書籍2においてあらかじめ無線タグ101、102が埋め込まれている。書籍1の例では、ページ単位で無線タグが埋め込まれている場合であり、無線タグ101には、無線タグID、書籍名称、ページNo、販売品/販売済品および撮影可/非等の書籍情報が書き込まれている。同様に、書籍2の例では、ページカバーに無線タグが埋め込まれている場合であり、無線タグ102には、無線タグID、書籍名称、ページNo、販売品/販売済品および撮影可/非等の書籍情報が同様に書き込まれている。これらを携帯端末1、2で撮影するものである。3の携帯端末1はカメラに似た形態を構成しており、103の操作部において撮影を実行するシャッターボタン、設定を行う各種スイッチボタンを備えている。104はモニターであり、被撮影物の画像を表示するものである。105はI/F部であり、無線タグとの通信および、無線ネットワークとの通信が可能とするものである。また4の携帯端末2はカメラ付き携帯電話似た形態を構成しており、106はI/F部であり、無線タグとの通信を可能とするものである。107はモニターであり、被撮影物の画像および携帯端末の設定等を表示するものである。108の操作部においてテンキーが配列されており、撮影を実行するシャッターボタン、設定を行う各種スイッチボタン機能を備えている。
【0008】
図2は本発明の実施例の撮影手段付き携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【0009】
本携帯端末装置の構成は、被撮影物を撮影対象として撮影部206において読み取った画像をデータ変換し、コントローラ部204の制御によって、撮影部206で読み取った画像データをコントローラ部204の不図示のメモリに格納し、表示部202へ送り、モニター104および107において現在の画像表示を行っている。実際に画像を記録する場合、表示部202において撮影を所望する画像を表示させ、操作部201より記録操作となるシャッター103を押下することにより、シャッター押下信号がコントローラ部204へ転送され、コントローラ部内のメモリで保持しているシャッター押下時の画像情報およびシャッター押下時刻および画像番号を記憶部203へ保存する。またコントローラ部はその画像を表示部202へ送り表示するそれにより撮影画像の確認が可能となる。
【0010】
また、I/F部205は外部とのインターフェースを行うことが可能であり、本発明の無線タグの認識手段を備えている。詳細は後述する。また、無線LANの機能を備えており、不図示のアクセスポイントと接続することによって、ネットワーク網と接続し、記憶部203に記憶している画像データの送受信をコントローラ部204を介して実行している。なお、207は本携帯端末装置内のデータ転送のための内部バスを示している。
【0011】
さて、本発明の詳細を図3および図4のフローチャートを用いて説明する。
図3のフローチャートの状況は、本発明における撮影の表示禁止を行うまでの説明である。
【0012】
ここでは、図1に示したように被撮影物である書籍類にあらかじめ無線タグを埋め込んだ場合についての撮影に関する説明を行う。例えば、販売店内における書籍1を考えた場合、いま、無線タグ101には無線タグID、書籍名、ページNo、販売品に加えて、画像撮影禁止の情報が書き込まれているものとする。撮影手段付き携帯端末1を用い、まず、書籍1の撮影したい画像を選択し、撮影を実行するため、シャッターを押下する設定を行う。(S301)携帯端末1は内蔵しているI/F部105から無線タグの読み出しを行い無線タグの有無の判断を行う。(S302)携帯端末1はコントローラ部204において、まず無線タグのIDを読み出し、無線タグありの判断を行い、引き続きその他の無線タグ内に書き込まれている情報をI/F部205経由して読み出し、その情報を前記コントローラ内部のメモリに格納する。よって各無線タグの情報の解析を行う。(S303)ここで、携帯端末1はコントローラ部204において、画像撮影禁止の情報を認識し、S304において、撮影時の画像表示の判断を行う。今回の例では画像撮影禁止であるためS306へ飛び携帯端末1はコントローラ部204において、画像表示を止める信号を発生させ、表示部202の画像をクリヤし表示部には作像しない処理を行う。または、コントローラ部は“表示できません”というメッセージを表示部に送り表示させることも可能となる。これらは、S301の設定において、表示のメッセージ選択で設定可能であり、デフォルトの設定は作像しない設定となっている。以上のようにして画像表示に禁止処理を行っている。加えて、画像撮影禁止設定の場合、コントローラ部204はメモリに一時保存している撮影画像データの記憶部203への画の記憶を禁止する。
【0013】
また、S302において無線タグが認識されない場合は、S305へ飛び画像表示を行う。S304において表示OKと判断した場合も、S305へ飛び画像表示を行う。この場合は、コントローラ204は表示部202へ画像を表示させ、記憶部203へ撮影画像および撮影時刻、撮影番号の記憶を行う処理を実行する。
【0014】
図4のフローチャートの状況は、本発明における無線タグ情報の書換えフローの説明である。
【0015】
ここでは、被撮影物である書籍類にあらかじめ無線タグを埋め込んだ情報の書換え処理を行う説明である。例えば、図3で説明したときと同様に図1に示した書籍1を考えた場合、いま、無線タグ101には無線タグID、書籍名、ページNo、販売品に加えて、画像撮影禁止の情報が書き込まれているものとする。不図示の無線タグ情報書換え装置において、画像撮影禁止から画像撮影可能へのデータ書換えの設定を行う。(S401)まず、無線タグが有無の判断を行う。(S402)前記無線タグ情報書換え装置は無線タグのIDを読み出し、無線タグありの判断を行い、S403へ飛び、引き続きその他の無線タグ内に書き込まれている情報を読み出し、その情報を前記無線タグ情報書換え装置内部のメモリに格納する。その値に基づいて各無線タグの情報の解析を行う。今回のタグ情報書換え設定は画像撮影可能へのデータ書換えのため、変更してよいかの判断を行う。書籍の販売処理が終了した場合、S405へ飛び、無線タグのデータの書換えが可能となる。ここでは、無線タグ情報書換え装置は読み出しているデータの中から無線タグ情報の中の販売関連情報を販売品から販売済品への変更と画像撮影禁止から画像撮影可能の情報の書換えデータを作成し、書籍1の無線タグと通信を行い、更新情報の再書き込みを行う。以上により無線タグデータの書換え処理が終了する。
【0016】
また、S402において無線タグの有無の判断においてタグ無しと判断された場合は無線タグのデータ書換えが不可能なため、処理が終了となる。S404のチェックにおいて、まだ購入が終わっていないと判断された場合はNoへ飛び処理が終了する。
【0017】
(実施例2)
図5は本発明の実施例の構成を示す第二の実施例の図である。
【0018】
本発明の第二の実施例の構成は以下のようになっており、ネットワーク505の環境下において、以下の装置等が接続されている。まず、端末となるコンピュータ501はネットワーク505に接続され、サーバ502のクライアントとなり、ネットワークに対してデータの送受信およびサービスを実行する。サーバ502はネットワークの中心となる役割を担い、そのためのデータベースおよびファイルを構築し、ネットワーク上のファイルを共有してネットワークに接続するユーザが使用可能なようにするファイルサーバ、ネットワーク上のプリンタを管理するプリントサーバ、メールの送受信を行うメールサーバなどのサービスを提供する。携帯端末装置503は撮影手段を備え、機器に内蔵する無線LANで不図示の無線アクセスポイントを介して、ネットワーク505に接続し、クライアントとなり、ネットワークに対してデータの送受信およびサービスを実行する。加えて、無線タグ情報の読み取り機能を備えている。画像形成装置504はネットワーク505に接続されたデジタル複合機で主としてスキャナ機能とプリンタ機能を持ち、ネットワークを介して画像データの入出力を行う。大画面表示パネルを備え画像を表示等を行い確認が可能である。なお、図5は本発明の実施例の構成を示す一例であるため、コンピュータ501、サーバ502、携帯端末装置503等が複数ネットワークに505に接続される構成も可能であることは言うまでもない。
【0019】
図6のフローチャートの状況は、本発明の第二の実施例における撮影手段付き携帯端末装置と画像形成装置の連携動作フローの説明である。
【0020】
ここでは、例として、被撮影物として図1の書籍2を撮影し、画像形成装置504で表示処理、印刷処理を行う動作を説明する。前述のように書籍2においてあらかじめ無線タグ102が埋め込まれている。前記無線タグ102には、無線タグID、書籍名称、ページNo、販売品/販売済品および撮影可/非等の書籍情報が書き込まれている。無線タグ102においては、表紙無線タグに上記情報が書き込まれており、撮影情報に関しては、ページNoで撮影可/非に関する範囲が指定されている。
【0021】
まず、書籍2の撮影を希望する画像を選択し、携帯端末装置503において撮影および印刷の設定を行う。携帯端末装置503の操作設定において、印刷を行うまたは行わないの選択をし、撮影希望画像を表示部で表示したところで操作部の撮影シャッターボタンを押下する。(S601)携帯端末装置503は内蔵している無線タグ読み取り部から無線タグの読み出しを行い無線タグの有無の判断を行う。(S602)携帯端末装置503は内蔵している制御部において、まず無線タグのIDを読み出し、無線タグありの判断を行い、引き続きその他の無線タグ内に書き込まれている情報を読み出し、その情報を前記制御部のメモリに格納する。よって各無線タグの情報の解析を行う。(S603)ここで、携帯端末装置503は制御部内部において、画像撮影の情報を認識した場合、S604において、撮影時の画像表示の判断を行う。画像撮影禁止の場合S608へ飛び携帯端末装置503は制御部において、画像表示を止める信号を発生させ、表示部の画像をクリヤし表示部には作像しない処理を行う。または、制御部は“表示できません”というメッセージを表示部に送り表示させることも可能となる。これらの処理は、S601で画像形成装置504を用いた印刷処理が選択された場合は連携した動作を行う。その場合、携帯端末装置503は、無線ネットワークを介してネットワーク505経由で画像形成装置504へ画像表示の情報を送信する。ただし、今回の場合は画像撮影禁止の場合のため、画像形成装置504の表示部においても携帯端末装置503の表示と同様の結果である、表示部には作像しない処理を行う。または、制御部は“表示できません”というメッセージが表示される。この処理が行われた場合、印刷設定はスキップされ、処理は終了する。
【0022】
S604の画像表示の判断において、画像撮影可能の場合S605へ飛び携帯端末装置503は制御部において、画像表示を行う。同様に画像形成装置504へネットワーク経由で画像データを送信し、画像表示を実行する。その後S606で印刷の判断を行う。S601の設定で印刷処理を選択した情報をネットワークを経由して画像形成装置504のコントローラに送り、コントローラが印刷情報を確認し判断を行う。印刷処理が選択されたいた場合はS607へ飛び印刷処理が実行される。そして処理が終了する。
【0023】
印刷処理が選択されていない場合は印刷を行わず処理が終了する。また、S602において、無線タグがないと判断された場合、S606へ飛び印刷処理の判断を経由して処理が終了する。以上のような動作を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明における実施例の構成を示す図である。
【図2】上記実施例における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】上記実施例における動作を示すフローチャートである。
【図4】上記実施例における動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明における実施例2の構成を示す図である。
【図6】上記実施例における動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0025】
101 無線タグ
102 無線タグ
103 操作部
104 表示部
105 I/F部
106 I/F部
107 表示部
108 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被撮影物を読み取る入力手段、被撮影物を撮影する撮影手段、前記入力手段から読み込んだデータを表示する手段、前記データおよび機器設定を記憶する記憶手段、外部機器からネットワーク網等を経由し、データを送受信する手段、前記動作状態および各種設定を実行するコントローラ手段を備える撮影手段付き携帯端末装置において、被撮影物にあらかじめ所定の情報を埋め込んでおくことにより、被撮影物を前記携帯端末装置で撮影を実行する場合、所定の情報を送受信し解析する手段を備え、前記携帯端末装置の表示手段において、撮影画像の表示を禁止する手段を備えることを特徴とする携帯端末装置の画像形成方法。
【請求項2】
請求項1の範囲における前記携帯端末装置において、被撮影物にあらかじめ所定の情報を埋め込んでおくことにより、被撮影物を前記携帯端末装置で撮影を実行する場合、所定の情報を送受信し解析する手段を備え、前記携帯端末装置の記憶手段において、撮影画像の記憶を禁止する手段を備えることを特徴とする携帯端末装置の画像形成方法。
【請求項3】
請求項1および請求項2の範囲における前記携帯端末装置において、被撮影物にあらかじめ所定の情報を埋め込んでおくことにより、被撮影物を前記携帯端末装置で撮影を実行する場合、所定の情報を送受信し解析する手段を備え、前記携帯端末装置の表示手段において、撮影情報および動作状態の表示を禁止する手段を備えることを特徴とする携帯端末装置の画像形成方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3の範囲における前記携帯端末装置において、被撮影物にあらかじめ埋め込んでおく情報において、変更可能な手段を有し、撮影情報を変更することにより、撮影画像の表示を可能とする手段を備えることを特徴とする携帯端末装置の画像形成方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4の範囲における前記携帯端末装置において、被撮影物にあらかじめ埋め込んでおく情報において、無線タグを用い、前記携帯端末装置と通信する手段を備えることを特徴とする携帯端末装置の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−166325(P2006−166325A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358288(P2004−358288)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】