撮影装置
【課題】キセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を被写界の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置を提供する。
【解決手段】キセノン管116を備える第1の発光部と赤、青、緑の3つの発光ダイオード114r,114g,114bを備える第2の発光部を設ける。システム制御回路110が発光量制御手段112Bに指示を出してキセノン管116を発光させるとともに、発光量制御手段112Aに指示を出して、色温度検出手段141が検出した色温度に応じた発光色にすべく3つの発光ダイオード114r,114g,114bのうちの少なくとも一つを発光させる。
【解決手段】キセノン管116を備える第1の発光部と赤、青、緑の3つの発光ダイオード114r,114g,114bを備える第2の発光部を設ける。システム制御回路110が発光量制御手段112Bに指示を出してキセノン管116を発光させるとともに、発光量制御手段112Aに指示を出して、色温度検出手段141が検出した色温度に応じた発光色にすべく3つの発光ダイオード114r,114g,114bのうちの少なくとも一つを発光させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子を備え、その撮像素子上に被写体像を形成して画像信号を生成する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影装置には撮影に同期して被写体に向けてフラッシュ光を発光する発光部を備えたものが多く、その発光部には遠くの被写体にまでフラッシュ光を到達させることができるようにキセノン管などの発光管が配備されることが多い。このキセノン管は、太陽光とほぼ同じ色温度に応じた色でフラッシュ光を発光することができる発光管として良く知られている。このキセノン管からフラッシュ光を発光させて撮影を行なうと実際に自分の眼で見た色合いとほぼ同じ色味を持つ画像が得られる。
【0003】
しかしながら、曇天である場合にはたとえ室外であってもフラッシュ光を伴う撮影により得た画像の色味が少々現実の被写体の色味とは異なるように感じられることがある。このような傾向は、白熱ランプや蛍光灯が照明となって撮影が行なわれる室内撮影においてはなおさら顕著に現われる。
【0004】
例えば照明側の光源が白熱ランプ(タングステン光)であった場合には、照明光の色がキセノン管から発光されたフラッシュ光の色温度よりも低い色温度の発光色(赤味がかった白色)になるため、フラッシュ光を伴う撮影により得た画像の色味が、白熱ランプ下にある被写体を実際に眼で見たときの色味とは異なるものになってしまう。
【0005】
通常デジタルカメラにはホワイトバランス回路というものが配備されていてそのホワイトバランス回路により撮像素子が持つ各受光素子で受光した光を用いてホワイトバランスの調整が行なわれているので、このホワイトバランスを用いることで上記フラッシュ光の色温度と照明光の色温度との違いを解消することができれば何も問題はない。
【0006】
しかしホワイトバランスは、晴天下、曇天下、タングステン光下、蛍光灯下など複数種類のホワイトバランスしか持っておらず、例えば自動モードであってもそれら複数種類のホワイトバランスのうちのいずれか一つ(被写体の色温度が近いもの)が選択されフラッシュ光発光前の被写体の色温度に近い色温度に応じたホワイトバランス処理が行なわれるだけである。そうすると、フラッシュ光発光前の白熱ランプの色温度に応じたホワイトバランス処理が行なわれるようになっているところに異なる色温度を持つフラッシュ光が発光されて撮影が行なわれることになってしまうため、撮影により得た画像の色味が白熱ランプ下にある被写体を実際に眼で見たときの色味とは異なるものになってしまう。
【0007】
このような問題に対処するため、フラッシュ発光時においてはフラッシュ光の色温度に応じたホワイトバランスを予め行なうようにすることが考えられるが、フラッシュ光の色温度を予め設定してホワイトバランスを行なうようにしてしまうと、外光とフラッシュ光との双方が分布する環境下などにおいては撮影画像に色むらが発生してしまうという問題が出てくる。
【0008】
もしもフラッシュ発光前のホワイトバランス調整時の被写界の色温度に応じた発光色でフラッシュ光を被写体に向けて発光させることができる発光管があれば適正なホワイトバランス処理が行なわれるようになるので上記問題は解決されるが、そのような発光管はどこを探しても見あたらない。
【0009】
ところで青色発光ダイオードの開発により発光ダイオード(以下、LEDという)により白色も発光することができるようになってきたため、フラッシュ光を発光する発光素子としてLEDを用いようとする動きが出てきている。このLEDを用いようとする動きの中の一つに近接撮影を行なうときにLEDを使って被写体を照明する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1の技術を用いると被写体の色温度に応じた発光色のフラッシュ光を自在に発光させることができる。
【0010】
しかしながら、LEDの発光電力が小さいことから遠くの被写体にまで到達させるには多数のLEDを並べて用いる必要(例えば特許文献2参照)があるため、コスト面、製作面の点からキセノン管等を用いた方が有利であると考える人が依然として多い。
【0011】
しかし、キセノン管などの発光管を用いるとキセノン管の発光色をLEDのように色温度に応じた発光色にすることはできない。
【特許文献1】特開2003−233109号公報
【特許文献2】特開2002−116481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑み、キセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を照明の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の撮影装置は、撮影レンズと撮像素子とを備え、その撮影レンズで撮像素子に被写体を結像させ、その撮像素子で画像信号を生成する撮影を行なう撮影装置において、
上記撮像素子で生成した画像信号に基づいて被写界の色温度を検出する色温度検出部と、
被写体に向けてフラッシュ光を発光する、発光色調整不能な第1の発光部と、
被写体に向けて色温度が調整された光を発光する、発光色調整自在な第2の発光部と、
撮影に同期して、上記第1の発光部にフラッシュ光を発光させるとともに、上記第2の発光部に、上記フラッシュ光と合わせたときに上記色温度検出部で検出された色温度に応じた色の光が被写体に照射される色の光を発光させる発光制御部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
上記本発明の撮影装置によれば、上記発光制御部が、上記第1の発光部にフラッシュ光を発光させるとともに、発光色調整自在な上記第2の発光部に、そのフラッシュ光と合わせたときに上記色温度検出部で検出された色温度に応じた色になる発光色の色光を発光させることができる。
【0015】
すなわち、第1の発光部をキセノン管等であるとすると、キセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を照明の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置が実現される。
【0016】
ここで、上記発光制御部は、今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけて前記第2の発光部に発光させ、その後、露光中に上記第1の発光部を発光させるものであることが好ましい。
【0017】
例えば上記発光制御部が、今回の撮影による露光開始前に上記第2の発光部に発光を開始することにより、赤目低減用の発光や測距用の補助光として上記第2の発光部の発光が用いられ、また上記第2の発光部の発光が露光開始後にも発光を継続することにより上記した様に色温度の補正用の発光としても用いられる。
【0018】
また、電力蓄積用のコンデンサを備え、上記第1の発光部および上記第2の発光部双方がそのコンデンサに蓄積された電力の供給を受けて発光するものであることが好ましい。
【0019】
そうすると、第1の発光部および第2の発光部の電源を個別に設けなくても双方の発光部の電源が上記電力蓄積用のコンデンサ一つで兼用される。
【0020】
また上記発光制御部は、今回の撮影による露光期間中に、先ず上記第1の発光部に発光させ次いで上記第2の発光部に発光させるものであることが好ましい。
【0021】
実際に上記第1の発光部と上記第2の発光部との双方をこの撮影装置に搭載することを考えると、上記第1の発光部と上記第2の発光部それぞれの耐圧が異なったり、動作電圧が異なったりする場合が出てくる。そのような場合には上記第1の発光部と上記第2の発光部を動作させるにあたって双方の発光部それぞれに個別に電源を別途設けなければならなくなるようなことが起こる。
【0022】
そこで上記電力蓄積用のコンデンサの電極間に発生している電圧の大きさが時間の経過とともに変化することを用いることによって、先ず動作電圧が大きい側の上記第1の発光部に発光させ次いで動作電圧の小さな電圧でも済む上記第2の発光部に発光させるようにすると、電力供給の点で効率化が図られるとともに一つの電源で済むため、発光部の構成が簡易になり小型化が図られるようにもなる。
【0023】
ここで上記第2の発光部は、複数の色光それぞれを発光する複数の発光素子の集合からなるものであって、上記発光制御部は、上記第2の発光部に、上記複数の発光素子それぞれを順次に発光させるものであることが好ましい。
【0024】
上記したように発光部の構成を簡易にするため、上記コンデンサを第1の発光部と第2の発光部の電源として共通的に用いたときにもしも第2の発光部が複数の発光素子の集合からなるものであった場合には、上記複数の発光素子すべてを一斉に発光させるようにしてしまうと、色温度を補正するのに必要な発光色の光量が充分に得られなくなってしまう可能性がある。
【0025】
そこで、先ずは色温度を補正するために必要な発光色を発光する発光素子を、コンデンサに充分な電力が蓄積されているうちに発光させるようにしておくと好適な色温度の補正が行なえる。
【0026】
すなわち、上記発光制御部は、上記第2の発光部に、今回の撮影において発光光量の大きい発光素子から順次に発光させるものであることが好ましい。
【0027】
このようにしておくと今回の撮影における色温度の違いが確実に解消されるとともに上記コンデンサの電力が有効に活用される。
【0028】
ここで上記第1の発光部は、キセノン管を備えそのキセノン管にフラッシュ光を発光させるものであって、さらに、上記第2の発光部は、発光色調整自在な光を発光するLEDを備えそのLEDに光を発光させるものであると良い。
【0029】
そうすると発光色調整不能なフラッシュ光がキセノン管から発光されたとしてもそのフラッシュ光を合わせたときにそのフラッシュ光の発光色が色温度に応じた発光色に補正される色の光が上記LEDから発光されるようになる。
【0030】
また上記LEDが比較的廉価なものであることから上記第1の発光部に加えて上記第2の発光部をこの撮影装置に搭載したとしてもその撮影装置を製作するに要するコストを比較的廉価なものに抑えることができるという効果も得られる。
【発明の効果】
【0031】
以上、説明したように、キセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を被写界の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1は本発明の一実施形態であるデジタルカメラ1の外観を示す図である。
【0034】
図1に示すデジタルカメラ1の正面中央にはレンズ鏡胴100が備えられている。そのレンズ鏡胴100内に撮影レンズ1021が内蔵されている。またそのレンズ鏡胴100の上方にはファインダ101が備えられており、そのファインダ101の横には発光窓102が備えられている。この発光窓102からは、後述するシステム制御回路によってフラッシュ光の照射が必要であると判定された場合に被写体に向けてフラッシュ光が照射されるようになっている。
【0035】
またカメラボディの上面部にはシャッタボタン104やモードダイヤル105、さらに単写/連写切替スイッチ106が備えられている。
【0036】
図2は図1のデジタルカメラ1の内部の構成を示す構成ブロック図である。
【0037】
図2を参照してデジタルカメラ1内部の構成を説明する。
【0038】
本実施形態のデジタルカメラ1ではすべての処理がシステム制御回路110によって制御されている。このシステム制御回路110の入力部には図1に示したシャッタボタン104、モードダイヤル105,単写/連写切替スイッチ106等の操作子が接続されていてそれらの操作子のうちのいずれかの操作により操作信号がこのシステム制御回路110に供給されてくると、それらの操作子のうちのいずれかの操作に応じた処理が開始されるようになっている。
【0039】
また図1には示していないが、本実施形態のデジタルカメラ1は、着脱自在な記憶媒体200例えばメモリカードが媒体装填室100Aに装着されてその媒体装填室100Aに装填されたメモリカード200に撮影画像を表わす画像データが記録されるようになっているので、記憶媒体であるメモリカードが媒体装填室100A内に装着されているかどうかを検知するための記憶媒体着脱検知手段が備えられている。さらに図1には図示されていないが、背面側には画像表示ON/OFFスイッチ107や背面側に備えられている表示パネルの表面を保護するための防護用扉の開閉を検知する画像表示部開閉検知手段109も備えられている。これらの記憶媒体着脱検知手段や画像表示ON/OFFスイッチ107や画像表示部開閉検知手段109それぞれからの信号もシステム制御回路110に供給されるようになっていてシステム制御回路110はそれらの信号を受けて処理を実行するようにもなっている。
【0040】
またシステム制御回路110は、不図示のズームスイッチの操作に応じてズーム制御手段に指示して撮影レンズ1021の中のズームレンズを移動させたり、TTL測距により得た測距結果に応じて測距制御手段に指示して撮影レンズの中のフォーカスレンズを移動させたりもしている。
【0041】
さらに、システム制御回路110では、CCD固体撮像素子120で生成された画像データに基づいてシステム制御回路110により上記TTL測距とともにTTL測光が行なわれている。このTTL測光の測光結果に応じては、露光制御手段1040に指示してその露光制御手段に絞り1041の開口を調節させたり、さらに撮影時においては測光結果を基に第1の発光量制御手段112Aに指示してキセノン管駆動回路115にキセノン管116を駆動させるとともにLED駆動回路113に赤色光を発光するLED114r,緑色光を発光するLED114g,青色光を発光するLED114bのうちの少なくとも一つを駆動させることによって、キセノン管116からのフラッシュ光と3つのLEDのうちの少なくとも一つのLEDからの色光とを合わせることによって色温度に応じた色のフラッシュ光を被写体に向けて照射させたりするようにもしている。
【0042】
本発明においては、キセノン(Xe)管116が本発明にいう第1の発光部にあたり、3つの発光ダイオード114r,114g,114bが本発明にいう第2の発光部にあたる。周知の通り、キセノン(Xe)管の方は、発光色の調整が不能なフラッシュ光を発光するものであるので、その発光色の調整が不能なフラッシュ光に加えて、発光色調整自在なLED3つのうちの少なくとも一つを発光させることによりフラッシュ光の発光色を色温度に応じた色に調整するようにしている
例えばフラッシュ光に合わせて3つの発光ダイオードのうちの青色光(B)を発光するダイオード114bを発光させることにより高い色温度に応じた発光色(青みかがった白色)にすることも、フラッシュ光に合わせて3つの発光ダイオードのうちの赤色光を発光させることにより低い色温度に応じた発光色(赤みがかった白色)にすることもできる。
【0043】
このように各発光ダイオードの光の発光光量をそれぞれ個別に調節することができるようにしておくと、色温度検出部で検出された色温度に応じた発光色にフラッシュ光の発光色をいつでも調節することができる。
【0044】
ここで、このような発光色調整不能なフラッシュ光を発光するキセノン管116と発光色調整自在な光を発光する発光ダイオード114という2つの発光部を持つデジタルカメラの撮影処理の概要を説明する。
【0045】
本実施形態においては、デジタルカメラ1の電源スイッチが投入されると、不揮発性メモリ1101内の全体処理プログラムの手順にしたがってシステム制御回路110によりこのデジタルカメラ100全体の動作が統括的に制御され撮影処理が開始される。この例では電池の消費電力を抑制するためにデジタルカメラ100の電源スイッチ(不図示)が投入されシステム制御回路110(システム制御回路には電池からの電力が常に供給されている)により電源スイッチが投入されたことが検知されたときに初めて電池Btから電源制御手段111bを介して各ブロックに電力が供給されるようになっている。
【0046】
まず、このように各部に電力が供給されて動作状態になったデジタルカメラの撮影処理に係る処理部の構成および動作を、図2を参照して簡単に説明する。
【0047】
図2に示すように、図1に示すレンズ鏡胴100内にはフォーカスレンズやズームレンズといった撮影レンズ1021、さらに光量調節用の絞り1041などが配備されている。またこの例においてはレンズを保護するレンズバリア1011が配備されている例が示されており、電源スイッチが投入されるとそのレンズバリア1011が解放されて図1に示すように撮影レンズ1021が表面に露出する構成になっている。
【0048】
この電源スイッチが投入されたときにモードダイヤル105が撮影側に切り替えられていた場合には、まず表面に露出した撮影レンズ1021を通ってCCD固体撮影素子120に結像された被写体像が、タイミング発生回路121からのタイミング信号に基づいて所定の間隔ごと(33msごと)に間引かれて出力される。その出力された画像信号がA/D変換回路130でアナログの画像信号からデジタルの画像信号に変換され、さらにデジタルの画像信号がメモリ制御部111aの制御の基、画像処理回路140に導かれる。この画像処理回路140でRGBの画像信号からYC信号に変換され、さらにメモリ制御部111aの制御の基、画像表示メモリ151に導かれてスルー画を表わす画像信号がその画像表示メモリ151内に記憶されるようになっている。この画像表示メモリ151内に記憶された1フレーム分の画像信号がメモリ制御部111aにより読み出されてD/A変換回路160に導かれアナログの画像信号に変換されてから画像表示部150に供給される。この例では、画像表示部150に所定の間隔ごとに新しい画像信号を供給することができるようにするために画像表示メモリ151を設けて、その画像表示メモリ151に少なくとも2フレーム分の画像信号を記憶することにより表示タイミングをうまく調整することができるようにしている。
【0049】
また、本実施形態においては、ホワイトバランス調整やγ補正、さらに前述した様に測光や測距がシステム制御回路110で行なわれる例が示されていてRGBのアナログ信号がそのシステム制御回路110に供給されると、そのシステム制御回路内でホワイトバランス調整やγ補正や測光や測距等が行なわれて絞り1041の開口制御やフォーカスレンズ(1021)の合焦点への配置制御が行なわれるようになっている。
【0050】
ここで画像信号の流れとともに各部の動作を詳細に説明していく。
【0051】
まずスルー画の画像信号の流れに沿って各部の動作を簡単に説明しておく。
【0052】
タイミング発生回路121からのタイミング信号(例えば33msごと)に応じて、撮影レンズ1020でCCD固体撮像素子120上の受光面に結像させた被写体像を表わす画像信号を後段のA/D変換回路130へと出力させる。このA/D変換回路130でアナログの画像信号からデジタルの画像信号に変換された画像信号が、メモリ制御部111aの制御の基、画像処理回路140に導かれる。この画像処理回路140によってR色、G色、B色の各信号に分離されて色温度検出回路141に供給されたり、それらのR、G、Bの各色信号が色変換行列により表示用のYC信号に変換されて後段の画像表示メモリ151に供給されたりする。R,G,Bの各色信号の方は後段の色温度検出回路141に供給されて各色温度の検出がこの色温度検出回路141により行なわれると、例えばシステム制御回路110内の各色アンプにその各色温度に応じたゲインが設定されてシステム制御回路110内で画像信号のホワイトバランス調整が行なわれる。このシステム制御回路110内でホワイトバランス調整が行なわれるときには、前述したように晴天下、曇天下、タングステン光下、蛍光灯下のうちのいずれか最も近い色温度になるように各色アンプのゲインが設定されてホワイトバランス調整が行なわれるようになっている。
【0053】
またYC信号の方は、画像表示メモリ151に供給され、画像表示メモリ151に供給され記憶される。この画像表示メモリ151には少なくとも2フレーム分の画像信号が記憶されるようになっており、2フレーム分の画像信号のうち、古い時刻に記憶された1フレーム分の画像信号がD/A変換部160に導かれアナログ信号に変換されて画像表示部150に供給されスルー画が表示画面上に表示される。
【0054】
前述したようにシステム制御回路110ではTTL測距が行なわれその測距結果に基づいて測距制御手段1030に指示して常に合焦点にフォーカスレンズ(1021)を配置させるようにしたり、また不図示のズームスイッチが操作されたときにはズーム制御手段1020に指示してそのズームスイッチの操作によるズーム倍率に応じた位置にズームレンズ(1021)を配置させるようにもしている。
【0055】
このようにして常にピントのあった、ズームスイッチの操作位置に応じたズーム倍率のスルー画が表示されているときにシャッタボタン104が押されたら撮影処理が開始される。
【0056】
システム制御回路110は、シャッタボタン104が押されたタイミングでタイミング発生回路121に露光開始信号をCCD固体撮像素子120に向けて供給させる。このときに測光結果によりフラッシュ光の発光が必要であるとシステム制御回路110が判定した場合には第1の発光量制御手段112Aに指示してシャッタボタン104の押下に同期してキセノン管116にフラッシュ光を発光させるとともに、スルー画表示中に色温度検出回路141で検出した色温度に応じた色にそのフラッシュ光の発光色がなるように3つのLEDのうちの少なくとも一つに光を発光させる。
【0057】
本実施形態においては、上記色温度検出回路141により検出された色温度に応じた赤色光,緑色光,青色光それぞれの光量の比率が第1の発光量制御手段112Aに通知されLED駆動回路113によってその比率に応じて赤色光、緑色光、青色光を発光する各LEDのうちの少なくとも一つが駆動されるようになっているので、どのような色温度であってもその色温度に応じた色にフラッシュ光が補正されるように赤色光、緑色光、青色光のうちの少なくとも一つの色光が発光される。
【0058】
このように発光色調整不能なキセノン管116から発光されたフラッシュ光と合わせたときに色温度検出部141により検出された色温度に応じた発光色になるように3つのLEDのうちの少なくとも一つから発光されるようになると、後段のシステム制御回路110内のホワイトバランス調整部に、前述したように晴天下、曇天下、タングステン光、蛍光灯のいずれかの色温度に応じたゲインが各色アンプに設定されたとしても、それらのうちのいずれかの色温度に応じたフラッシュ光が被写体に向けて発光され撮影が行なわれるようになって好適なホワイトバランス調整が行なわれるようになる。
【0059】
こうしてホワイトバランス調整が好適に行なわれるようなフラッシュ光を発光させた後、システム制御回路110は、タイミング発生回路121に指示を出して露光終了信号をCCD固体撮像素子120に向けて供給させる。
【0060】
そうするとその露光終了信号に同期してCCD固体撮像素子120からA/D変換回路130に画像信号が出力される。このA/D変換回路130でCCD固体撮像素子120から出力されたアナログの画像信号がデジタルの画像信号に変換され、さらにこのデジタルの画像信号がメモリ制御部111aに制御されバスを経由してメモリ180に供給される。そのメモリ180にCCD固体撮像素子120が備えるすべての画素からなる画像信号がすべて記憶されたら、今度はシステム制御回路110の制御の基、その画像信号が読み出されてシステム制御回路110で前述のホワイトバランス調整やガンマ補正などが行なわれる。さらにホワイトバランス調整やガンマ補正が行なわれた画像信号が、バスを介して画像処理回路140に供給されYC信号への変換が行なわれた後、バスを介して圧縮・伸張回路190に供給されYC信号からなる画像信号が圧縮されて記憶媒体200ここではメモリカードに記憶される。
【0061】
このようにすると、フラッシュ光の発光色をホワイトバランスに合わせることができるようになるので、好適なホワイトバランス調整がシステム制御回路内で行なわれて被写界が持つ色温度に応じた色味を持つ画像データが確実に得られるようになる。
【0062】
なお、カメラボディ側面部にあるコネクタ1105にケーブルを介してアンテナ1101が接続されると外部との間で無線通信が行なえる通信手段や、操作内容をユーザに伝える表示部1102やメモリ103なども配備されている。
【0063】
図3は、システム制御回路110が行なうフラッシュ光を伴う撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
図3には、撮影に同期して、キセノン管(本発明にいう第1の発光部)にフラッシュ光を発光させるとともに、LED(第2の発光部)に、そのフラッシュ光を合わせたときに色温度検出部140で検出された色温度に応じた色になる光を発光させる場合の処理手順が示されている。
【0065】
ステップS301でシャッタボタン104が半押しされたかどうかを判定する。ここで、シャッタボタン104が半押しされていないと判定したらNo側に進んでステップS301の処理を繰り返し行ない、シャッタボタン104が半押しされたと判定したらYes側に進んでステップS302で、測距(AF)、測光(AE)、ホワイトバランス調整(AWB)をそれぞれ行なう。
【0066】
さらに次のステップS303へ進んで今度はシャッタボタン104が全押しされたかどうかを判定する。このステップS303でシャッタボタン104が全押しされていないと判定したらNo側へ進んでステップの処理を繰り返し行ない、全押しされたと判定したらYes側へ進んでステップS304でタイミング発生回路121に露光開始信号を供給させてCCD120に露光を開始させる。
【0067】
さらに次のステップS305へ進んで、第1,第2の発光量制御手段112A,112Bに指示してキセノン管116に発光を行なわせるとともに、赤、青、緑の3つのLEDのうちの少なくとも一つに、キセノン管からのフラッシュ光が色温度検出回路により検出された色温度に応じた色になるように発光を行なわせる。
【0068】
ここでは、フラッシュ光とともに各LED114r,114g,114bのうちの少なくとも一つを同時に発光させることによって、本来キセノン管が持つフラッシュ光の分光放射束に加えるようにその分光放射束の中の或る特定波長域の光(赤色光、緑色光、青色光のうちの少なくとも一つ)を発光させることによってフラッシュ光の発光色を赤みがかった白色(色温度が低い)にするであるとか、青みがかった白色(色温度が高い)にするであるとかという補正が行なわれている。
【0069】
そして所定のシャッタ秒時を経たらステップS306でタイミング発生回路121からCCD120へ向けてタイミング信号を供給させCCD固体撮像素子120に露光を終了させてこのフローの処理を終了する。
【0070】
このようにしてキセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を被写界の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置が実現される。
【0071】
また、上記したようにキセノン管と3つのLEDのうちの少なくとも一つを同時に発光させるようにしても良いが、今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけて第2の発光部であるLEDを継続的に発光させた後、露光中に第1の発光部を発光させるようにしても良い。このようにすると、LEDの発光をAF補助光として活用したり、赤目低減用の発光として活用したりすることができるようになる。
【0072】
図4は、今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけてLEDに継続的に発光させている最中にキセノン管を発光させるようにした場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、図4の処理も図3と同様、システム制御回路110が行なう。
【0073】
ステップS401でシャッタボタン104が半押しされたかどうかを判定する。ここで、ステップS401でシャッタボタン104が半押しされていないと判定したらNo側に進んでステップS401の処理を繰り返し行ない、半押しされたと判定したらYes側に進んでステップS402でホワイトバランス調整(AWB)を行なう。このホワイトバランス調整を行なうにあたって、色温度検出回路141から被写界の色温度が通知されてきているので、ステップS403で第2の発光量制御手段112Bに指示してその色温度に応じた発光色にするために各LED114のうちの少なくとも一つを露光開始後にかけて継続的に発光させる。このようにしておくと撮影前にLED114を発光させることになるので、LED114の発光を赤め低減用の発光やAF補助光の発光として活用することができる。
【0074】
次のステップS404へ進んでその発光を利用して測距(AF)を行なって次のステップS405でシャッタボタンの全押しを待つ。このステップS405で全押しされていないと判定したらステップS405を繰り返し行って、このステップS405で全押しされたと判定したらYes側に進んで次のステップS406でタイミング発生回路121に指示してタイミング信号をCCD120に供給させCCD固体撮像素子120に露光を開始させる。所定の時間を経た後、次のステップS407へ進んで今度はキセノン管116にフラッシュ光を発光させる。さらにこのフラッシュ光を発光させてから所定の時間(シャッタ秒時)が経過したら次のステップS408へ進んでタイミング発生回路121に露光終了信号を供給させてCCD120に露光を終了させる。次のステップS409へ進んで各LED114r,114g,114bの発光を停止させた後、このフローの処理を終了する。
【0075】
こうして第2の発光部(3つの発光ダイオード114r,114g,114b)側の発光を、上記色温度の補正用として活用するほか、AF補助光としても活用したり、赤目低減用の発光としても活用したりするとLEDの発光がより一層効果的に活用されるようになる。
【0076】
図5は、別の実施形態を説明する図である。
【0077】
図3に示すキセノン管駆動回路115とLED駆動回路113とが一つの駆動回路1130になって、第1の発光量制御手段112Aと第2の発光量制御手段112Bとが一つの発光量制御手段112になった以外は図3と同様の構成である。
【0078】
図5には、キセノン(Xe)管116を駆動するXe管駆動回路115の中に電力蓄積用のコンデンサMCが備えられていることを利用して、LED114側の発光もそのコンデンサMCに蓄積された電力を活用することができるように駆動回路1130を共通化した場合の構成が示されている。
【0079】
図6は、その共通化した駆動回路1130の内部構成を説明する図である。
【0080】
図6には、発光量制御回路112AによりスイッチSWを切り替えることにより、先ずキセノン管116に発光させ次いでLED114r,114g,114bすべてを一斉に発光させるようにした場合の回路構成が示されている。
【0081】
図6に示すように、駆動回路1130内には電力蓄積用のコンデンサMCが備えられているので、そのコンデンサMCからの電力の供給経路をキセノン管116側に切り替えたり、LED114側に切り替えたりする制御端子付きのスイッチSWが設けられている。この制御端子付きのスイッチSWは、単極3投のスイッチであって発光量制御回路112からの指示に応じて3つの接点S1,S2,S3のうちのいずれかの位置に切り替えられるようになっている。
【0082】
この例においては、発光を行なうとき以外はコンデンサMCに充電を行なわなければならないので、スイッチSWを接点位置S2に切り替えておいて、電池BTと昇圧回路1121Aとからなる充電回路によりコンデンサMCを充電するようにしている。このときにコンデンサMCの充電状態が分からないと困るので、コンデンサMCの充電状態を検出するためにコンデンサMCの電極の電圧を検出回路1122により検出するようにしてコンデンサMCが満充電になっているかどうかを検出することができるようにもしてある。また、コンデンサMCの電圧が上昇して満充電に近くなるとコンデンサMCの電圧が昇圧回路1121側よりも高くなって昇圧回路1121側に電流が逆流してしまう恐れがあるので、昇圧回路1121の出力端にはカソード側がコンデンサ側になるようにしてダイオードD1が接続されている。
【0083】
このようにして満充電になって満充電電圧が検出されているときに発光量制御回路112がシステム制御回路110から発光指示を受けたら、発光量制御回路112は、まずスイッチSWを接点S1側に切り替えてコンデンサMC、キセノン管116、スイッチSWの経路で放電を開始させるようにしている。このときにはキセノン管116から効率よく発光が行なわれるように電極間に高電圧を供給すると同時にトリガコイルにトリガ信号を供給してキセノン管内を励起してキセノン管が素早く放電状態に遷移するようにしている。
【0084】
さらにキセノン管に発光を行なわせた後、発光量制御回路112AがコンデンサMCに発生していた電圧の50Vまでの低下を検出回路1122により検知したときに今度はスイッチSWを接点S3側に切り替えて残り僅かになったコンデンサの電力により発光ダイオードの発光を行なわせるようにしている。
【0085】
このようにしておくと、1つのコンデンサによる電力供給によってキセノン管116と3つのLED114r,114g,114bとを順次に発光させることができる。
【0086】
図7は、そのコンデンサMCに発生した電圧の状態が時間の経過とともにどのように変化するかを説明する図である。横軸は時間であり、縦軸はコンデンサMCに発生する電圧の値であり、時間を示す横軸の最初の部分には充電に要した時間と発光待ちの時間とがそれぞれ示されている。
【0087】
キセノン管116は、周知の通り、キセノン管のトリガコイルにトリガ信号を供給してキセノン管内部を励起すると同時にキセノン管の電極間に300V以上の高電圧を加えないと、放電が起こらないため発光しない。一般にその高電圧(300V)を発生するものとしてキセノン管を発光させるための駆動回路にはコンデンサMCが用いられているが、これに対しLEDの動作電圧は50Vと低い。
【0088】
そこで図7に示す様に今回の撮影による露光期間中に、先ずキセノン(Xe)管を発光させコンデンサMCの電圧が低下してきて50VになったときにLED114に発光を行なわせるようにしている。
【0089】
このようにしておくと、いままでであれば、キセノン管に加えても発光を維持することができないため切り捨てられていた50V以下の電力がLED側で効率よく活用されるようになる。
【0090】
ここで、3つの発光ダイオード114r,114g,114bを一斉に発光させるようにすると、50Vから除々に電圧が低下してきたときにある電圧のところで発光させるのに必要な電流が流れなくなってしまう。
【0091】
そこで、さらにコンデンサMCに蓄積されていた電力をより効果的に用いることができるように複数の抵抗(R1,R2,R3,R4)のうちのいずれかに切り替えることができる構成にしてコンデンサMCに蓄積されていた電力をより効果的に活用することができるように変形した例を説明する。
【0092】
図8は、コンデンサMCに蓄積されていた電力をより効果的に用いることができるように変形した例を説明する図である。図8(a)には、メインコンデンサMCの電圧が時間とともに低下してきたときに複数の抵抗R1〜R4を順次小さな抵抗値のものにスイッチSW1により切り替えるようにしていって各LEDの電極間に印加される電圧を図8(a)に示すLED発光領域に保つようにしたときの状態が示されており、図8(b)には、図8(a)に示す状態を実現するための回路構成が示されている。
【0093】
なお、図8(a),図8(b)に示す抵抗の抵抗値の大きさには、R1>R2>R3>R3の関係がある。
【0094】
図8(a),(b)に示すようにコンデンサMCの電圧が低下してきたときに複数の抵抗のうち、大きなもの(R1)から小さな値のもの(R4)の方に向かって順次に切り替えていくことによってLED114r,114g,114bを一斉に発光させるのに必要な電極間の電圧を(図8(a)に示すLED発光領域と示されている電圧が常時LEDに印加されることになる)常に確保することができるようにしている。
【0095】
このようにしておくと、コンデンサMCに蓄積されていた電力が有効に活用されるとともにコンデンサの電圧が低下したとしてもLEDの電極間に図8(a)に示すLED発光領域の電圧が常に印加されるようになるので各LEDの発光光量が充分に確保されるようになってより効果的なフラッシュ光の発光色の補正が行なえるようになる。
【0096】
ここで上記3つのLED114r,114g,114bすべてを一斉に発光させるようにしてしまうと、フラッシュ光の発光色を補正するのに一番必要な発光色(赤色or緑色or青色)の発光光量が充分に得られなくなってしまうこともある。
【0097】
そのようなことを考えてフラッシュ光の発光色を補正するために必要な発光色の発光光量を確保するために先ずは緑色で発光するLED114gを発光させ次いで次のLEDという風にコンデンサMCに充分な電力が蓄積されているうちに色補正に必要な光を発光させるようにしても良い。
【0098】
図9は、今回の撮影において発光光量の大きいLEDから順次に発光させるようにしたときの構成例を説明する図である。
【0099】
図9(a)には、図7と同様の図が示されており、図9(b)には、図8(b)の構成に加えて切替スイッチSW2を付加した場合の構成が示されている。
【0100】
このような構成にしておくと、今回の撮影において発光光量の大きいLED114gを先ずスイッチSW2により選択して発光を行なわせた後、そのスイッチSW2を切り替えていくことにより順次にLED114r、LED114bに発光を行なわせることができ、さらにメインコンデンサMCの電圧の低下にしたがってスイッチSW1を小さな抵抗値の方へ切り替えていくことにより発光させているLED(114ror114gor114b)の電極間に印加される電圧を図8(a)に示す発光領域内に維持するようにして各LED114r,114g,114bが発光する光の発光光量をある程度確保することができる。
【0101】
言い換えれば、コンデンサMCにまだ電力の余力があるうちに最も補正に必要な発光色を持つLED114ror114gor114bの発光を充分な発光光量で行なわせるとともに、あまりプライオリティは高くないが、発光しておくとより細かな補正が行なえる光を順次に発光させていって時間が経過してメインコンデンサの電圧が低下してきたとしても必要な光についてはある程度の発光光量が確保されるようになる。
【0102】
以上説明したように、キセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を被写界の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルカメラ1の外観を示す図である。
【図2】図1のデジタルカメラ1の内部の構成を示す構成ブロック図である。
【図3】システム制御回路110が行なうフラッシュ光を伴う撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけてLEDに発光させ、その後、露光中にキセノン管を発光させるようにした場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】別の実施形態を説明する図である。
【図6】図5に示す駆動回路1130内の構成を示す図である。
【図7】コンデンサに発生した電圧の状態が時間の経過とともに変化することを説明する図である。
【図8】コンデンサMCに蓄積されていた電力をより効果的に用いることができるように変形した例を説明する図である。
【図9】今回の撮影において発光光量の大きいLEDから順次に発光させるようにしたときの構成例を説明する図である。
【符号の説明】
【0104】
1 デジタルカメラ
100 レンズ鏡胴
101 ファインダ
102 発光窓
104 シャッタボタン
105 撮影モードダイヤル
106 単写/連写スイッチ
107 画像表示ON/OFFスイッチ
112 112A 112B 発光量制御手段
1121 昇圧回路
1122 検出回路
113 LED駆動回路
1130 駆動回路
114 発光ダイオード
115 キセノン(Xe)管駆動回路
116 キセノン(Xe)管
MC コンデンサ
Bt バッテリ
SW SW1 SW2 切替スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子を備え、その撮像素子上に被写体像を形成して画像信号を生成する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影装置には撮影に同期して被写体に向けてフラッシュ光を発光する発光部を備えたものが多く、その発光部には遠くの被写体にまでフラッシュ光を到達させることができるようにキセノン管などの発光管が配備されることが多い。このキセノン管は、太陽光とほぼ同じ色温度に応じた色でフラッシュ光を発光することができる発光管として良く知られている。このキセノン管からフラッシュ光を発光させて撮影を行なうと実際に自分の眼で見た色合いとほぼ同じ色味を持つ画像が得られる。
【0003】
しかしながら、曇天である場合にはたとえ室外であってもフラッシュ光を伴う撮影により得た画像の色味が少々現実の被写体の色味とは異なるように感じられることがある。このような傾向は、白熱ランプや蛍光灯が照明となって撮影が行なわれる室内撮影においてはなおさら顕著に現われる。
【0004】
例えば照明側の光源が白熱ランプ(タングステン光)であった場合には、照明光の色がキセノン管から発光されたフラッシュ光の色温度よりも低い色温度の発光色(赤味がかった白色)になるため、フラッシュ光を伴う撮影により得た画像の色味が、白熱ランプ下にある被写体を実際に眼で見たときの色味とは異なるものになってしまう。
【0005】
通常デジタルカメラにはホワイトバランス回路というものが配備されていてそのホワイトバランス回路により撮像素子が持つ各受光素子で受光した光を用いてホワイトバランスの調整が行なわれているので、このホワイトバランスを用いることで上記フラッシュ光の色温度と照明光の色温度との違いを解消することができれば何も問題はない。
【0006】
しかしホワイトバランスは、晴天下、曇天下、タングステン光下、蛍光灯下など複数種類のホワイトバランスしか持っておらず、例えば自動モードであってもそれら複数種類のホワイトバランスのうちのいずれか一つ(被写体の色温度が近いもの)が選択されフラッシュ光発光前の被写体の色温度に近い色温度に応じたホワイトバランス処理が行なわれるだけである。そうすると、フラッシュ光発光前の白熱ランプの色温度に応じたホワイトバランス処理が行なわれるようになっているところに異なる色温度を持つフラッシュ光が発光されて撮影が行なわれることになってしまうため、撮影により得た画像の色味が白熱ランプ下にある被写体を実際に眼で見たときの色味とは異なるものになってしまう。
【0007】
このような問題に対処するため、フラッシュ発光時においてはフラッシュ光の色温度に応じたホワイトバランスを予め行なうようにすることが考えられるが、フラッシュ光の色温度を予め設定してホワイトバランスを行なうようにしてしまうと、外光とフラッシュ光との双方が分布する環境下などにおいては撮影画像に色むらが発生してしまうという問題が出てくる。
【0008】
もしもフラッシュ発光前のホワイトバランス調整時の被写界の色温度に応じた発光色でフラッシュ光を被写体に向けて発光させることができる発光管があれば適正なホワイトバランス処理が行なわれるようになるので上記問題は解決されるが、そのような発光管はどこを探しても見あたらない。
【0009】
ところで青色発光ダイオードの開発により発光ダイオード(以下、LEDという)により白色も発光することができるようになってきたため、フラッシュ光を発光する発光素子としてLEDを用いようとする動きが出てきている。このLEDを用いようとする動きの中の一つに近接撮影を行なうときにLEDを使って被写体を照明する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1の技術を用いると被写体の色温度に応じた発光色のフラッシュ光を自在に発光させることができる。
【0010】
しかしながら、LEDの発光電力が小さいことから遠くの被写体にまで到達させるには多数のLEDを並べて用いる必要(例えば特許文献2参照)があるため、コスト面、製作面の点からキセノン管等を用いた方が有利であると考える人が依然として多い。
【0011】
しかし、キセノン管などの発光管を用いるとキセノン管の発光色をLEDのように色温度に応じた発光色にすることはできない。
【特許文献1】特開2003−233109号公報
【特許文献2】特開2002−116481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑み、キセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を照明の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の撮影装置は、撮影レンズと撮像素子とを備え、その撮影レンズで撮像素子に被写体を結像させ、その撮像素子で画像信号を生成する撮影を行なう撮影装置において、
上記撮像素子で生成した画像信号に基づいて被写界の色温度を検出する色温度検出部と、
被写体に向けてフラッシュ光を発光する、発光色調整不能な第1の発光部と、
被写体に向けて色温度が調整された光を発光する、発光色調整自在な第2の発光部と、
撮影に同期して、上記第1の発光部にフラッシュ光を発光させるとともに、上記第2の発光部に、上記フラッシュ光と合わせたときに上記色温度検出部で検出された色温度に応じた色の光が被写体に照射される色の光を発光させる発光制御部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
上記本発明の撮影装置によれば、上記発光制御部が、上記第1の発光部にフラッシュ光を発光させるとともに、発光色調整自在な上記第2の発光部に、そのフラッシュ光と合わせたときに上記色温度検出部で検出された色温度に応じた色になる発光色の色光を発光させることができる。
【0015】
すなわち、第1の発光部をキセノン管等であるとすると、キセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を照明の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置が実現される。
【0016】
ここで、上記発光制御部は、今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけて前記第2の発光部に発光させ、その後、露光中に上記第1の発光部を発光させるものであることが好ましい。
【0017】
例えば上記発光制御部が、今回の撮影による露光開始前に上記第2の発光部に発光を開始することにより、赤目低減用の発光や測距用の補助光として上記第2の発光部の発光が用いられ、また上記第2の発光部の発光が露光開始後にも発光を継続することにより上記した様に色温度の補正用の発光としても用いられる。
【0018】
また、電力蓄積用のコンデンサを備え、上記第1の発光部および上記第2の発光部双方がそのコンデンサに蓄積された電力の供給を受けて発光するものであることが好ましい。
【0019】
そうすると、第1の発光部および第2の発光部の電源を個別に設けなくても双方の発光部の電源が上記電力蓄積用のコンデンサ一つで兼用される。
【0020】
また上記発光制御部は、今回の撮影による露光期間中に、先ず上記第1の発光部に発光させ次いで上記第2の発光部に発光させるものであることが好ましい。
【0021】
実際に上記第1の発光部と上記第2の発光部との双方をこの撮影装置に搭載することを考えると、上記第1の発光部と上記第2の発光部それぞれの耐圧が異なったり、動作電圧が異なったりする場合が出てくる。そのような場合には上記第1の発光部と上記第2の発光部を動作させるにあたって双方の発光部それぞれに個別に電源を別途設けなければならなくなるようなことが起こる。
【0022】
そこで上記電力蓄積用のコンデンサの電極間に発生している電圧の大きさが時間の経過とともに変化することを用いることによって、先ず動作電圧が大きい側の上記第1の発光部に発光させ次いで動作電圧の小さな電圧でも済む上記第2の発光部に発光させるようにすると、電力供給の点で効率化が図られるとともに一つの電源で済むため、発光部の構成が簡易になり小型化が図られるようにもなる。
【0023】
ここで上記第2の発光部は、複数の色光それぞれを発光する複数の発光素子の集合からなるものであって、上記発光制御部は、上記第2の発光部に、上記複数の発光素子それぞれを順次に発光させるものであることが好ましい。
【0024】
上記したように発光部の構成を簡易にするため、上記コンデンサを第1の発光部と第2の発光部の電源として共通的に用いたときにもしも第2の発光部が複数の発光素子の集合からなるものであった場合には、上記複数の発光素子すべてを一斉に発光させるようにしてしまうと、色温度を補正するのに必要な発光色の光量が充分に得られなくなってしまう可能性がある。
【0025】
そこで、先ずは色温度を補正するために必要な発光色を発光する発光素子を、コンデンサに充分な電力が蓄積されているうちに発光させるようにしておくと好適な色温度の補正が行なえる。
【0026】
すなわち、上記発光制御部は、上記第2の発光部に、今回の撮影において発光光量の大きい発光素子から順次に発光させるものであることが好ましい。
【0027】
このようにしておくと今回の撮影における色温度の違いが確実に解消されるとともに上記コンデンサの電力が有効に活用される。
【0028】
ここで上記第1の発光部は、キセノン管を備えそのキセノン管にフラッシュ光を発光させるものであって、さらに、上記第2の発光部は、発光色調整自在な光を発光するLEDを備えそのLEDに光を発光させるものであると良い。
【0029】
そうすると発光色調整不能なフラッシュ光がキセノン管から発光されたとしてもそのフラッシュ光を合わせたときにそのフラッシュ光の発光色が色温度に応じた発光色に補正される色の光が上記LEDから発光されるようになる。
【0030】
また上記LEDが比較的廉価なものであることから上記第1の発光部に加えて上記第2の発光部をこの撮影装置に搭載したとしてもその撮影装置を製作するに要するコストを比較的廉価なものに抑えることができるという効果も得られる。
【発明の効果】
【0031】
以上、説明したように、キセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を被写界の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1は本発明の一実施形態であるデジタルカメラ1の外観を示す図である。
【0034】
図1に示すデジタルカメラ1の正面中央にはレンズ鏡胴100が備えられている。そのレンズ鏡胴100内に撮影レンズ1021が内蔵されている。またそのレンズ鏡胴100の上方にはファインダ101が備えられており、そのファインダ101の横には発光窓102が備えられている。この発光窓102からは、後述するシステム制御回路によってフラッシュ光の照射が必要であると判定された場合に被写体に向けてフラッシュ光が照射されるようになっている。
【0035】
またカメラボディの上面部にはシャッタボタン104やモードダイヤル105、さらに単写/連写切替スイッチ106が備えられている。
【0036】
図2は図1のデジタルカメラ1の内部の構成を示す構成ブロック図である。
【0037】
図2を参照してデジタルカメラ1内部の構成を説明する。
【0038】
本実施形態のデジタルカメラ1ではすべての処理がシステム制御回路110によって制御されている。このシステム制御回路110の入力部には図1に示したシャッタボタン104、モードダイヤル105,単写/連写切替スイッチ106等の操作子が接続されていてそれらの操作子のうちのいずれかの操作により操作信号がこのシステム制御回路110に供給されてくると、それらの操作子のうちのいずれかの操作に応じた処理が開始されるようになっている。
【0039】
また図1には示していないが、本実施形態のデジタルカメラ1は、着脱自在な記憶媒体200例えばメモリカードが媒体装填室100Aに装着されてその媒体装填室100Aに装填されたメモリカード200に撮影画像を表わす画像データが記録されるようになっているので、記憶媒体であるメモリカードが媒体装填室100A内に装着されているかどうかを検知するための記憶媒体着脱検知手段が備えられている。さらに図1には図示されていないが、背面側には画像表示ON/OFFスイッチ107や背面側に備えられている表示パネルの表面を保護するための防護用扉の開閉を検知する画像表示部開閉検知手段109も備えられている。これらの記憶媒体着脱検知手段や画像表示ON/OFFスイッチ107や画像表示部開閉検知手段109それぞれからの信号もシステム制御回路110に供給されるようになっていてシステム制御回路110はそれらの信号を受けて処理を実行するようにもなっている。
【0040】
またシステム制御回路110は、不図示のズームスイッチの操作に応じてズーム制御手段に指示して撮影レンズ1021の中のズームレンズを移動させたり、TTL測距により得た測距結果に応じて測距制御手段に指示して撮影レンズの中のフォーカスレンズを移動させたりもしている。
【0041】
さらに、システム制御回路110では、CCD固体撮像素子120で生成された画像データに基づいてシステム制御回路110により上記TTL測距とともにTTL測光が行なわれている。このTTL測光の測光結果に応じては、露光制御手段1040に指示してその露光制御手段に絞り1041の開口を調節させたり、さらに撮影時においては測光結果を基に第1の発光量制御手段112Aに指示してキセノン管駆動回路115にキセノン管116を駆動させるとともにLED駆動回路113に赤色光を発光するLED114r,緑色光を発光するLED114g,青色光を発光するLED114bのうちの少なくとも一つを駆動させることによって、キセノン管116からのフラッシュ光と3つのLEDのうちの少なくとも一つのLEDからの色光とを合わせることによって色温度に応じた色のフラッシュ光を被写体に向けて照射させたりするようにもしている。
【0042】
本発明においては、キセノン(Xe)管116が本発明にいう第1の発光部にあたり、3つの発光ダイオード114r,114g,114bが本発明にいう第2の発光部にあたる。周知の通り、キセノン(Xe)管の方は、発光色の調整が不能なフラッシュ光を発光するものであるので、その発光色の調整が不能なフラッシュ光に加えて、発光色調整自在なLED3つのうちの少なくとも一つを発光させることによりフラッシュ光の発光色を色温度に応じた色に調整するようにしている
例えばフラッシュ光に合わせて3つの発光ダイオードのうちの青色光(B)を発光するダイオード114bを発光させることにより高い色温度に応じた発光色(青みかがった白色)にすることも、フラッシュ光に合わせて3つの発光ダイオードのうちの赤色光を発光させることにより低い色温度に応じた発光色(赤みがかった白色)にすることもできる。
【0043】
このように各発光ダイオードの光の発光光量をそれぞれ個別に調節することができるようにしておくと、色温度検出部で検出された色温度に応じた発光色にフラッシュ光の発光色をいつでも調節することができる。
【0044】
ここで、このような発光色調整不能なフラッシュ光を発光するキセノン管116と発光色調整自在な光を発光する発光ダイオード114という2つの発光部を持つデジタルカメラの撮影処理の概要を説明する。
【0045】
本実施形態においては、デジタルカメラ1の電源スイッチが投入されると、不揮発性メモリ1101内の全体処理プログラムの手順にしたがってシステム制御回路110によりこのデジタルカメラ100全体の動作が統括的に制御され撮影処理が開始される。この例では電池の消費電力を抑制するためにデジタルカメラ100の電源スイッチ(不図示)が投入されシステム制御回路110(システム制御回路には電池からの電力が常に供給されている)により電源スイッチが投入されたことが検知されたときに初めて電池Btから電源制御手段111bを介して各ブロックに電力が供給されるようになっている。
【0046】
まず、このように各部に電力が供給されて動作状態になったデジタルカメラの撮影処理に係る処理部の構成および動作を、図2を参照して簡単に説明する。
【0047】
図2に示すように、図1に示すレンズ鏡胴100内にはフォーカスレンズやズームレンズといった撮影レンズ1021、さらに光量調節用の絞り1041などが配備されている。またこの例においてはレンズを保護するレンズバリア1011が配備されている例が示されており、電源スイッチが投入されるとそのレンズバリア1011が解放されて図1に示すように撮影レンズ1021が表面に露出する構成になっている。
【0048】
この電源スイッチが投入されたときにモードダイヤル105が撮影側に切り替えられていた場合には、まず表面に露出した撮影レンズ1021を通ってCCD固体撮影素子120に結像された被写体像が、タイミング発生回路121からのタイミング信号に基づいて所定の間隔ごと(33msごと)に間引かれて出力される。その出力された画像信号がA/D変換回路130でアナログの画像信号からデジタルの画像信号に変換され、さらにデジタルの画像信号がメモリ制御部111aの制御の基、画像処理回路140に導かれる。この画像処理回路140でRGBの画像信号からYC信号に変換され、さらにメモリ制御部111aの制御の基、画像表示メモリ151に導かれてスルー画を表わす画像信号がその画像表示メモリ151内に記憶されるようになっている。この画像表示メモリ151内に記憶された1フレーム分の画像信号がメモリ制御部111aにより読み出されてD/A変換回路160に導かれアナログの画像信号に変換されてから画像表示部150に供給される。この例では、画像表示部150に所定の間隔ごとに新しい画像信号を供給することができるようにするために画像表示メモリ151を設けて、その画像表示メモリ151に少なくとも2フレーム分の画像信号を記憶することにより表示タイミングをうまく調整することができるようにしている。
【0049】
また、本実施形態においては、ホワイトバランス調整やγ補正、さらに前述した様に測光や測距がシステム制御回路110で行なわれる例が示されていてRGBのアナログ信号がそのシステム制御回路110に供給されると、そのシステム制御回路内でホワイトバランス調整やγ補正や測光や測距等が行なわれて絞り1041の開口制御やフォーカスレンズ(1021)の合焦点への配置制御が行なわれるようになっている。
【0050】
ここで画像信号の流れとともに各部の動作を詳細に説明していく。
【0051】
まずスルー画の画像信号の流れに沿って各部の動作を簡単に説明しておく。
【0052】
タイミング発生回路121からのタイミング信号(例えば33msごと)に応じて、撮影レンズ1020でCCD固体撮像素子120上の受光面に結像させた被写体像を表わす画像信号を後段のA/D変換回路130へと出力させる。このA/D変換回路130でアナログの画像信号からデジタルの画像信号に変換された画像信号が、メモリ制御部111aの制御の基、画像処理回路140に導かれる。この画像処理回路140によってR色、G色、B色の各信号に分離されて色温度検出回路141に供給されたり、それらのR、G、Bの各色信号が色変換行列により表示用のYC信号に変換されて後段の画像表示メモリ151に供給されたりする。R,G,Bの各色信号の方は後段の色温度検出回路141に供給されて各色温度の検出がこの色温度検出回路141により行なわれると、例えばシステム制御回路110内の各色アンプにその各色温度に応じたゲインが設定されてシステム制御回路110内で画像信号のホワイトバランス調整が行なわれる。このシステム制御回路110内でホワイトバランス調整が行なわれるときには、前述したように晴天下、曇天下、タングステン光下、蛍光灯下のうちのいずれか最も近い色温度になるように各色アンプのゲインが設定されてホワイトバランス調整が行なわれるようになっている。
【0053】
またYC信号の方は、画像表示メモリ151に供給され、画像表示メモリ151に供給され記憶される。この画像表示メモリ151には少なくとも2フレーム分の画像信号が記憶されるようになっており、2フレーム分の画像信号のうち、古い時刻に記憶された1フレーム分の画像信号がD/A変換部160に導かれアナログ信号に変換されて画像表示部150に供給されスルー画が表示画面上に表示される。
【0054】
前述したようにシステム制御回路110ではTTL測距が行なわれその測距結果に基づいて測距制御手段1030に指示して常に合焦点にフォーカスレンズ(1021)を配置させるようにしたり、また不図示のズームスイッチが操作されたときにはズーム制御手段1020に指示してそのズームスイッチの操作によるズーム倍率に応じた位置にズームレンズ(1021)を配置させるようにもしている。
【0055】
このようにして常にピントのあった、ズームスイッチの操作位置に応じたズーム倍率のスルー画が表示されているときにシャッタボタン104が押されたら撮影処理が開始される。
【0056】
システム制御回路110は、シャッタボタン104が押されたタイミングでタイミング発生回路121に露光開始信号をCCD固体撮像素子120に向けて供給させる。このときに測光結果によりフラッシュ光の発光が必要であるとシステム制御回路110が判定した場合には第1の発光量制御手段112Aに指示してシャッタボタン104の押下に同期してキセノン管116にフラッシュ光を発光させるとともに、スルー画表示中に色温度検出回路141で検出した色温度に応じた色にそのフラッシュ光の発光色がなるように3つのLEDのうちの少なくとも一つに光を発光させる。
【0057】
本実施形態においては、上記色温度検出回路141により検出された色温度に応じた赤色光,緑色光,青色光それぞれの光量の比率が第1の発光量制御手段112Aに通知されLED駆動回路113によってその比率に応じて赤色光、緑色光、青色光を発光する各LEDのうちの少なくとも一つが駆動されるようになっているので、どのような色温度であってもその色温度に応じた色にフラッシュ光が補正されるように赤色光、緑色光、青色光のうちの少なくとも一つの色光が発光される。
【0058】
このように発光色調整不能なキセノン管116から発光されたフラッシュ光と合わせたときに色温度検出部141により検出された色温度に応じた発光色になるように3つのLEDのうちの少なくとも一つから発光されるようになると、後段のシステム制御回路110内のホワイトバランス調整部に、前述したように晴天下、曇天下、タングステン光、蛍光灯のいずれかの色温度に応じたゲインが各色アンプに設定されたとしても、それらのうちのいずれかの色温度に応じたフラッシュ光が被写体に向けて発光され撮影が行なわれるようになって好適なホワイトバランス調整が行なわれるようになる。
【0059】
こうしてホワイトバランス調整が好適に行なわれるようなフラッシュ光を発光させた後、システム制御回路110は、タイミング発生回路121に指示を出して露光終了信号をCCD固体撮像素子120に向けて供給させる。
【0060】
そうするとその露光終了信号に同期してCCD固体撮像素子120からA/D変換回路130に画像信号が出力される。このA/D変換回路130でCCD固体撮像素子120から出力されたアナログの画像信号がデジタルの画像信号に変換され、さらにこのデジタルの画像信号がメモリ制御部111aに制御されバスを経由してメモリ180に供給される。そのメモリ180にCCD固体撮像素子120が備えるすべての画素からなる画像信号がすべて記憶されたら、今度はシステム制御回路110の制御の基、その画像信号が読み出されてシステム制御回路110で前述のホワイトバランス調整やガンマ補正などが行なわれる。さらにホワイトバランス調整やガンマ補正が行なわれた画像信号が、バスを介して画像処理回路140に供給されYC信号への変換が行なわれた後、バスを介して圧縮・伸張回路190に供給されYC信号からなる画像信号が圧縮されて記憶媒体200ここではメモリカードに記憶される。
【0061】
このようにすると、フラッシュ光の発光色をホワイトバランスに合わせることができるようになるので、好適なホワイトバランス調整がシステム制御回路内で行なわれて被写界が持つ色温度に応じた色味を持つ画像データが確実に得られるようになる。
【0062】
なお、カメラボディ側面部にあるコネクタ1105にケーブルを介してアンテナ1101が接続されると外部との間で無線通信が行なえる通信手段や、操作内容をユーザに伝える表示部1102やメモリ103なども配備されている。
【0063】
図3は、システム制御回路110が行なうフラッシュ光を伴う撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
図3には、撮影に同期して、キセノン管(本発明にいう第1の発光部)にフラッシュ光を発光させるとともに、LED(第2の発光部)に、そのフラッシュ光を合わせたときに色温度検出部140で検出された色温度に応じた色になる光を発光させる場合の処理手順が示されている。
【0065】
ステップS301でシャッタボタン104が半押しされたかどうかを判定する。ここで、シャッタボタン104が半押しされていないと判定したらNo側に進んでステップS301の処理を繰り返し行ない、シャッタボタン104が半押しされたと判定したらYes側に進んでステップS302で、測距(AF)、測光(AE)、ホワイトバランス調整(AWB)をそれぞれ行なう。
【0066】
さらに次のステップS303へ進んで今度はシャッタボタン104が全押しされたかどうかを判定する。このステップS303でシャッタボタン104が全押しされていないと判定したらNo側へ進んでステップの処理を繰り返し行ない、全押しされたと判定したらYes側へ進んでステップS304でタイミング発生回路121に露光開始信号を供給させてCCD120に露光を開始させる。
【0067】
さらに次のステップS305へ進んで、第1,第2の発光量制御手段112A,112Bに指示してキセノン管116に発光を行なわせるとともに、赤、青、緑の3つのLEDのうちの少なくとも一つに、キセノン管からのフラッシュ光が色温度検出回路により検出された色温度に応じた色になるように発光を行なわせる。
【0068】
ここでは、フラッシュ光とともに各LED114r,114g,114bのうちの少なくとも一つを同時に発光させることによって、本来キセノン管が持つフラッシュ光の分光放射束に加えるようにその分光放射束の中の或る特定波長域の光(赤色光、緑色光、青色光のうちの少なくとも一つ)を発光させることによってフラッシュ光の発光色を赤みがかった白色(色温度が低い)にするであるとか、青みがかった白色(色温度が高い)にするであるとかという補正が行なわれている。
【0069】
そして所定のシャッタ秒時を経たらステップS306でタイミング発生回路121からCCD120へ向けてタイミング信号を供給させCCD固体撮像素子120に露光を終了させてこのフローの処理を終了する。
【0070】
このようにしてキセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を被写界の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置が実現される。
【0071】
また、上記したようにキセノン管と3つのLEDのうちの少なくとも一つを同時に発光させるようにしても良いが、今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけて第2の発光部であるLEDを継続的に発光させた後、露光中に第1の発光部を発光させるようにしても良い。このようにすると、LEDの発光をAF補助光として活用したり、赤目低減用の発光として活用したりすることができるようになる。
【0072】
図4は、今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけてLEDに継続的に発光させている最中にキセノン管を発光させるようにした場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、図4の処理も図3と同様、システム制御回路110が行なう。
【0073】
ステップS401でシャッタボタン104が半押しされたかどうかを判定する。ここで、ステップS401でシャッタボタン104が半押しされていないと判定したらNo側に進んでステップS401の処理を繰り返し行ない、半押しされたと判定したらYes側に進んでステップS402でホワイトバランス調整(AWB)を行なう。このホワイトバランス調整を行なうにあたって、色温度検出回路141から被写界の色温度が通知されてきているので、ステップS403で第2の発光量制御手段112Bに指示してその色温度に応じた発光色にするために各LED114のうちの少なくとも一つを露光開始後にかけて継続的に発光させる。このようにしておくと撮影前にLED114を発光させることになるので、LED114の発光を赤め低減用の発光やAF補助光の発光として活用することができる。
【0074】
次のステップS404へ進んでその発光を利用して測距(AF)を行なって次のステップS405でシャッタボタンの全押しを待つ。このステップS405で全押しされていないと判定したらステップS405を繰り返し行って、このステップS405で全押しされたと判定したらYes側に進んで次のステップS406でタイミング発生回路121に指示してタイミング信号をCCD120に供給させCCD固体撮像素子120に露光を開始させる。所定の時間を経た後、次のステップS407へ進んで今度はキセノン管116にフラッシュ光を発光させる。さらにこのフラッシュ光を発光させてから所定の時間(シャッタ秒時)が経過したら次のステップS408へ進んでタイミング発生回路121に露光終了信号を供給させてCCD120に露光を終了させる。次のステップS409へ進んで各LED114r,114g,114bの発光を停止させた後、このフローの処理を終了する。
【0075】
こうして第2の発光部(3つの発光ダイオード114r,114g,114b)側の発光を、上記色温度の補正用として活用するほか、AF補助光としても活用したり、赤目低減用の発光としても活用したりするとLEDの発光がより一層効果的に活用されるようになる。
【0076】
図5は、別の実施形態を説明する図である。
【0077】
図3に示すキセノン管駆動回路115とLED駆動回路113とが一つの駆動回路1130になって、第1の発光量制御手段112Aと第2の発光量制御手段112Bとが一つの発光量制御手段112になった以外は図3と同様の構成である。
【0078】
図5には、キセノン(Xe)管116を駆動するXe管駆動回路115の中に電力蓄積用のコンデンサMCが備えられていることを利用して、LED114側の発光もそのコンデンサMCに蓄積された電力を活用することができるように駆動回路1130を共通化した場合の構成が示されている。
【0079】
図6は、その共通化した駆動回路1130の内部構成を説明する図である。
【0080】
図6には、発光量制御回路112AによりスイッチSWを切り替えることにより、先ずキセノン管116に発光させ次いでLED114r,114g,114bすべてを一斉に発光させるようにした場合の回路構成が示されている。
【0081】
図6に示すように、駆動回路1130内には電力蓄積用のコンデンサMCが備えられているので、そのコンデンサMCからの電力の供給経路をキセノン管116側に切り替えたり、LED114側に切り替えたりする制御端子付きのスイッチSWが設けられている。この制御端子付きのスイッチSWは、単極3投のスイッチであって発光量制御回路112からの指示に応じて3つの接点S1,S2,S3のうちのいずれかの位置に切り替えられるようになっている。
【0082】
この例においては、発光を行なうとき以外はコンデンサMCに充電を行なわなければならないので、スイッチSWを接点位置S2に切り替えておいて、電池BTと昇圧回路1121Aとからなる充電回路によりコンデンサMCを充電するようにしている。このときにコンデンサMCの充電状態が分からないと困るので、コンデンサMCの充電状態を検出するためにコンデンサMCの電極の電圧を検出回路1122により検出するようにしてコンデンサMCが満充電になっているかどうかを検出することができるようにもしてある。また、コンデンサMCの電圧が上昇して満充電に近くなるとコンデンサMCの電圧が昇圧回路1121側よりも高くなって昇圧回路1121側に電流が逆流してしまう恐れがあるので、昇圧回路1121の出力端にはカソード側がコンデンサ側になるようにしてダイオードD1が接続されている。
【0083】
このようにして満充電になって満充電電圧が検出されているときに発光量制御回路112がシステム制御回路110から発光指示を受けたら、発光量制御回路112は、まずスイッチSWを接点S1側に切り替えてコンデンサMC、キセノン管116、スイッチSWの経路で放電を開始させるようにしている。このときにはキセノン管116から効率よく発光が行なわれるように電極間に高電圧を供給すると同時にトリガコイルにトリガ信号を供給してキセノン管内を励起してキセノン管が素早く放電状態に遷移するようにしている。
【0084】
さらにキセノン管に発光を行なわせた後、発光量制御回路112AがコンデンサMCに発生していた電圧の50Vまでの低下を検出回路1122により検知したときに今度はスイッチSWを接点S3側に切り替えて残り僅かになったコンデンサの電力により発光ダイオードの発光を行なわせるようにしている。
【0085】
このようにしておくと、1つのコンデンサによる電力供給によってキセノン管116と3つのLED114r,114g,114bとを順次に発光させることができる。
【0086】
図7は、そのコンデンサMCに発生した電圧の状態が時間の経過とともにどのように変化するかを説明する図である。横軸は時間であり、縦軸はコンデンサMCに発生する電圧の値であり、時間を示す横軸の最初の部分には充電に要した時間と発光待ちの時間とがそれぞれ示されている。
【0087】
キセノン管116は、周知の通り、キセノン管のトリガコイルにトリガ信号を供給してキセノン管内部を励起すると同時にキセノン管の電極間に300V以上の高電圧を加えないと、放電が起こらないため発光しない。一般にその高電圧(300V)を発生するものとしてキセノン管を発光させるための駆動回路にはコンデンサMCが用いられているが、これに対しLEDの動作電圧は50Vと低い。
【0088】
そこで図7に示す様に今回の撮影による露光期間中に、先ずキセノン(Xe)管を発光させコンデンサMCの電圧が低下してきて50VになったときにLED114に発光を行なわせるようにしている。
【0089】
このようにしておくと、いままでであれば、キセノン管に加えても発光を維持することができないため切り捨てられていた50V以下の電力がLED側で効率よく活用されるようになる。
【0090】
ここで、3つの発光ダイオード114r,114g,114bを一斉に発光させるようにすると、50Vから除々に電圧が低下してきたときにある電圧のところで発光させるのに必要な電流が流れなくなってしまう。
【0091】
そこで、さらにコンデンサMCに蓄積されていた電力をより効果的に用いることができるように複数の抵抗(R1,R2,R3,R4)のうちのいずれかに切り替えることができる構成にしてコンデンサMCに蓄積されていた電力をより効果的に活用することができるように変形した例を説明する。
【0092】
図8は、コンデンサMCに蓄積されていた電力をより効果的に用いることができるように変形した例を説明する図である。図8(a)には、メインコンデンサMCの電圧が時間とともに低下してきたときに複数の抵抗R1〜R4を順次小さな抵抗値のものにスイッチSW1により切り替えるようにしていって各LEDの電極間に印加される電圧を図8(a)に示すLED発光領域に保つようにしたときの状態が示されており、図8(b)には、図8(a)に示す状態を実現するための回路構成が示されている。
【0093】
なお、図8(a),図8(b)に示す抵抗の抵抗値の大きさには、R1>R2>R3>R3の関係がある。
【0094】
図8(a),(b)に示すようにコンデンサMCの電圧が低下してきたときに複数の抵抗のうち、大きなもの(R1)から小さな値のもの(R4)の方に向かって順次に切り替えていくことによってLED114r,114g,114bを一斉に発光させるのに必要な電極間の電圧を(図8(a)に示すLED発光領域と示されている電圧が常時LEDに印加されることになる)常に確保することができるようにしている。
【0095】
このようにしておくと、コンデンサMCに蓄積されていた電力が有効に活用されるとともにコンデンサの電圧が低下したとしてもLEDの電極間に図8(a)に示すLED発光領域の電圧が常に印加されるようになるので各LEDの発光光量が充分に確保されるようになってより効果的なフラッシュ光の発光色の補正が行なえるようになる。
【0096】
ここで上記3つのLED114r,114g,114bすべてを一斉に発光させるようにしてしまうと、フラッシュ光の発光色を補正するのに一番必要な発光色(赤色or緑色or青色)の発光光量が充分に得られなくなってしまうこともある。
【0097】
そのようなことを考えてフラッシュ光の発光色を補正するために必要な発光色の発光光量を確保するために先ずは緑色で発光するLED114gを発光させ次いで次のLEDという風にコンデンサMCに充分な電力が蓄積されているうちに色補正に必要な光を発光させるようにしても良い。
【0098】
図9は、今回の撮影において発光光量の大きいLEDから順次に発光させるようにしたときの構成例を説明する図である。
【0099】
図9(a)には、図7と同様の図が示されており、図9(b)には、図8(b)の構成に加えて切替スイッチSW2を付加した場合の構成が示されている。
【0100】
このような構成にしておくと、今回の撮影において発光光量の大きいLED114gを先ずスイッチSW2により選択して発光を行なわせた後、そのスイッチSW2を切り替えていくことにより順次にLED114r、LED114bに発光を行なわせることができ、さらにメインコンデンサMCの電圧の低下にしたがってスイッチSW1を小さな抵抗値の方へ切り替えていくことにより発光させているLED(114ror114gor114b)の電極間に印加される電圧を図8(a)に示す発光領域内に維持するようにして各LED114r,114g,114bが発光する光の発光光量をある程度確保することができる。
【0101】
言い換えれば、コンデンサMCにまだ電力の余力があるうちに最も補正に必要な発光色を持つLED114ror114gor114bの発光を充分な発光光量で行なわせるとともに、あまりプライオリティは高くないが、発光しておくとより細かな補正が行なえる光を順次に発光させていって時間が経過してメインコンデンサの電圧が低下してきたとしても必要な光についてはある程度の発光光量が確保されるようになる。
【0102】
以上説明したように、キセノン管等が発光するフラッシュ光の発光色を被写界の色温度に応じた色に補正することができる発光部を備えた撮影装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルカメラ1の外観を示す図である。
【図2】図1のデジタルカメラ1の内部の構成を示す構成ブロック図である。
【図3】システム制御回路110が行なうフラッシュ光を伴う撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけてLEDに発光させ、その後、露光中にキセノン管を発光させるようにした場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】別の実施形態を説明する図である。
【図6】図5に示す駆動回路1130内の構成を示す図である。
【図7】コンデンサに発生した電圧の状態が時間の経過とともに変化することを説明する図である。
【図8】コンデンサMCに蓄積されていた電力をより効果的に用いることができるように変形した例を説明する図である。
【図9】今回の撮影において発光光量の大きいLEDから順次に発光させるようにしたときの構成例を説明する図である。
【符号の説明】
【0104】
1 デジタルカメラ
100 レンズ鏡胴
101 ファインダ
102 発光窓
104 シャッタボタン
105 撮影モードダイヤル
106 単写/連写スイッチ
107 画像表示ON/OFFスイッチ
112 112A 112B 発光量制御手段
1121 昇圧回路
1122 検出回路
113 LED駆動回路
1130 駆動回路
114 発光ダイオード
115 キセノン(Xe)管駆動回路
116 キセノン(Xe)管
MC コンデンサ
Bt バッテリ
SW SW1 SW2 切替スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズと撮像素子とを備え、該撮影レンズで撮像素子に被写体を結像させ、該撮像素子で画像信号を生成する撮影を行なう撮影装置において、
前記撮像素子で生成した画像信号に基づいて被写界の色温度を検出する色温度検出部と、
被写体に向けてフラッシュ光を発光する、発光色調整不能な第1の発光部と、
被写体に向けて色温度が調整された光を発光する、発光色調整自在な第2の発光部と、
撮影に同期して、前記第1の発光部にフラッシュ光を発光させるとともに、前記第2の発光部に、前記フラッシュ光と合わせたときに前記色温度検出部で検出された色温度に応じた色の光が被写体に照射される色の光を発光させる発光制御部とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記発光制御部は、今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけて前記第2の発光部に発光させ、その後、露光中に前記第1の発光部を発光させるものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
電力蓄積用のコンデンサを備え、前記第1の発光部および前記第2の発光部双方が該コンデンサに蓄積された電力の供給を受けて発光するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項4】
前記発光制御部は、今回の撮影による露光期間中に、先ず前記第1の発光部に発光させ次いで前記第2の発光部に発光させるものであることを特徴とする請求項3記載の撮影装置。
【請求項5】
前記第2の発光部は、複数の色光それぞれを発光する複数の発光素子の集合からなるものであって、前記発光制御部は、前記第2の発光部に、前記複数の発光素子それぞれを順次に発光させるものであることを特徴とする請求項4記載の撮影装置。
【請求項6】
前記発光制御部は、前記第2の発光部に、今回の撮影において発光光量の大きい発光素子から順次に発光させるものであることを特徴とする請求項5記載の撮影装置。
【請求項7】
前記第1の発光部は、キセノン管を備え該キセノン管にフラッシュ光を発光させるものであることを請求項1記載の撮影装置。
【請求項8】
前記第2の発光部は、発光色調整自在な光を発光するLEDを備え該LEDに光を発光させるものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項1】
撮影レンズと撮像素子とを備え、該撮影レンズで撮像素子に被写体を結像させ、該撮像素子で画像信号を生成する撮影を行なう撮影装置において、
前記撮像素子で生成した画像信号に基づいて被写界の色温度を検出する色温度検出部と、
被写体に向けてフラッシュ光を発光する、発光色調整不能な第1の発光部と、
被写体に向けて色温度が調整された光を発光する、発光色調整自在な第2の発光部と、
撮影に同期して、前記第1の発光部にフラッシュ光を発光させるとともに、前記第2の発光部に、前記フラッシュ光と合わせたときに前記色温度検出部で検出された色温度に応じた色の光が被写体に照射される色の光を発光させる発光制御部とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記発光制御部は、今回の撮影による露光開始前から今回の撮影による露光開始後にかけて前記第2の発光部に発光させ、その後、露光中に前記第1の発光部を発光させるものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
電力蓄積用のコンデンサを備え、前記第1の発光部および前記第2の発光部双方が該コンデンサに蓄積された電力の供給を受けて発光するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項4】
前記発光制御部は、今回の撮影による露光期間中に、先ず前記第1の発光部に発光させ次いで前記第2の発光部に発光させるものであることを特徴とする請求項3記載の撮影装置。
【請求項5】
前記第2の発光部は、複数の色光それぞれを発光する複数の発光素子の集合からなるものであって、前記発光制御部は、前記第2の発光部に、前記複数の発光素子それぞれを順次に発光させるものであることを特徴とする請求項4記載の撮影装置。
【請求項6】
前記発光制御部は、前記第2の発光部に、今回の撮影において発光光量の大きい発光素子から順次に発光させるものであることを特徴とする請求項5記載の撮影装置。
【請求項7】
前記第1の発光部は、キセノン管を備え該キセノン管にフラッシュ光を発光させるものであることを請求項1記載の撮影装置。
【請求項8】
前記第2の発光部は、発光色調整自在な光を発光するLEDを備え該LEDに光を発光させるものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−33745(P2007−33745A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215514(P2005−215514)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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