説明

操作装置及び画像形成装置

【課題】目の不自由なユーザが、容易に操作キーの操作有効/操作無効を判別することが出来るものを提供することを目的とする。
【解決手段】操作装置が、複数の操作キーを有し、押下された操作キーに応じて種操作指示を受け付ける操作部と、前記複数の操作キーの各操作キー毎の温度を変化させる温度変化部と、前記温度変化部によって操作が有効な操作キーと操作が無効な操作キーの温度差を生じさせる制御部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機、複写機及びプリンタ等の画像形成装置及び各種電子機器では、ますます多機能化が進み、その多機能化に伴って操作部におけるハードキー及びソフトキーの数が増えると共に多様化している。そして、これら電子機器が多機能化することによって便利になった反面、ハードキー及びソフトキーの数が増えると共に多様化することによって操作部の操作が複雑になってしまい、このことが、特に不慣れなユーザ、色弱、色盲及び全盲等の目の不自由なユーザに不便さを感じさせる原因になっている。現在、このような課題を解消する為に、操作無効なソフトキーをグレイアウトするもの、操作キーの押下時に音によって操作有効/操作無効を表現するもの、さらにハードキーに埋め込まれたLED(Light Emitting Diode)の点灯によってキーの操作有効/操作無効を表現するものが存在している。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、複数の操作キーと、各操作キーの識別を助ける為に、各操作キーにバックライトを設けることによってキー操作の操作性を向上させる電子機器が開示されている。この電子機器では、各操作キーに対してバックライトを個別に設け、制御部が、電子機器の各動作モードにおいて操作の有効な操作キーのバックライトのみを点灯し、無効な操作キーのバックライトを消灯するように制御する。
【特許文献1】特開平11−53086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術では、操作時における各操作キーの識別を助ける為に、操作無効なソフトキーをグレイアウトする、操作キーの押下時に音によって操作有効/操作無効を表現する、さらにハードキーに埋め込まれたLEDまたはバックライトの点灯/消灯によってキーの操作有効/操作無効を表現している。しかしながら、ソフトキーのグレイアウト及びハードキーに埋め込まれたLEDの点灯のような視覚的な方法によって各操作キーの操作有効/操作無効が表現されているものでは、目の不自由なユーザが操作キーを識別する助けにはならない。
【0005】
また、操作キーの押下時に音によって操作有効/操作無効を表現するものでは、目の不自由なユーザに各操作キーを操作有効/操作無効を識別させることは出来るが、操作キーを識別する為に、わざわざ操作キーを押下しなければならないために、目の不自由なユーザにとって使い勝手のよいものであるとは言い難い。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、目の不自由なユーザが、容易に操作キーの操作有効/操作無効を判別することが出来るものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、操作装置に係る第1の解決手段として、複数の操作キーを有し、押下された操作キーに応じて種操作指示を受け付ける操作部と、前記複数の操作キーの各操作キー毎に温度を変化させる温度変化部と、前記温度変化部によって操作が有効な操作キーと操作が無効な操作キーの温度差を生じさせる制御部とを具備するという手段を採用する。
【0008】
本発明では、操作装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、
前記尾温度変化部は、発熱部であり、前記制御部は、前記発熱部に発熱させることによって操作が有効な操作キーを温めさせるという手段を採用する。
【0009】
本発明では、操作装置に係る第3の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記尾温度変化部は、発熱部であり、前記制御部は、前記発熱部に発熱させることによって操作が無効な操作キーを温めさせるという手段を採用する。
【0010】
本発明では、操作装置に係る第4の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記尾温度変化部は、吸熱部であり、前記制御部は、前記吸熱部に吸熱させることによって操作が有効な操作キーを冷却させるという手段を採用する。
【0011】
本発明では、操作装置に係る第5の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記尾温度変化部は、吸熱部であり、前記制御部は、前記発熱部に吸熱させることによって操作が無効な操作キーを冷却させるという手段を採用する。
【0012】
また、本発明では、画像形成装置に係る第1の解決手段として、上記第1〜第5のいずれかの解決手段を採用する操作装置を具備するという手段を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、操作装置が、複数の操作キーを有し、押下された操作キーに応じて種操作指示を受け付ける操作部と、前記複数の操作キーの各操作キー毎に温度を変化させる温度変化部と、前記温度変化部によって操作が有効な操作キーと操作が無効な操作キーの温度差を生じさせる制御部とを具備する。
このことにより、目の不自由なユーザは、操作装置における操作部の操作キーを触ってその温度によって、操作が有効なキーと操作が無効なキーを容易に判別することが出来る。
【0014】
そして、その際、操作装置において、温度変化部として発熱部を採用し、当該発熱部が発熱することによって有効キーまたは無効キーを温めることによって有効キーと無効キーとの間に温度差を生じせることによって、触感で操作が有効なキーと操作が無効なキーを容易にユーザに判別させることが出来る。また、温度変化部として吸熱部を採用し、当該吸熱部が吸熱することによって有効キーまたは無効キーを冷却ことによって有効キーと無効キーとの間に温度差を生じさることによって、触感で操作が有効なキーと操作が無効なキーを容易にユーザに判別させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本発明の画像形成装置の一つである複写機能、印刷機能、ファクシミリ送信/受信機能を併せ持つ複合機に関する。
まず、複合機Aの機能構成について、図1を参照して、説明する。図1は本実施形態に係る複合機Aの機能ブロック図である。
複合機Aは、CPU(Central Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、各種センサ群4、用紙搬送部5、画像読取部6、画像データ記憶部7、画像形成部8、通信I/F部9及び操作表示部10を備えている。そして操作表示部10は、タッチパネル10aを有している。
【0016】
CPU1は、ROM2に記憶されている制御プログラム、画像データ記憶部7に記憶されている原稿画像データ、印刷画像データまたはファクシミリ画像データ、通信I/F部9を介してクライアントコンピュータ(図示略)または公衆網(図示略)から入力される各種指示及び操作表示部10から入力される操作指示に基づいて複合機Aの全体動作を制御する。なお、このCPU1の制御処理の詳細については、以下に複合機Aの動作として説明する。
ROM2は、CPU1で実行される制御プログラム及びその他のデータを記憶する不揮発性メモリである。
【0017】
RAM3は、CPU1が制御プログラムを実行して各種動作を行う際に、データの一時保存先となるワーキングエリアとして用いられる揮発性メモリである。
各種センサ群4は、例えば用紙切れ検出センサや、用紙詰まり検出センサ、用紙位置検出センサ、温度センサ等の画像形成動作に必要な各種センサであり、それぞれのセンサで検出した各種の情報を検出信号としてCPU1に出力する。
【0018】
用紙搬送部5は、用紙トレイに収納されている印刷用紙を画像形成部8に搬送するための搬送ローラ及び搬送ローラ駆動用のモータや、画像形成処理後の印刷用紙を図示しない排紙トレイに搬送するための搬送ローラ及び搬送ローラ駆動用のモータなどから構成されている。
【0019】
画像読取部6は、ADF(自動原稿送り装置)とCCD(Charge Coupled Device)センサ等を備え、ADFによって順次給紙される原稿の画像をCCDセンサに読み取らせ、原稿画像に基づく原稿画像データを出力する。なお、画像読取部6は、原稿画像データをCPU1に出力し、一方、CPU1は、原稿画像データを画像データ記憶部7に記憶させる。
画像データ記憶部7は、例えばフラッシュメモリであり、CPU1の指示の下、原稿画像データ、通信I/F部9がローカルエリアネットワークBを介してクライアントコンピュータ(図示略)から受信する印刷画像データ及び通信I/F部9がローカルエリアネットワークBを介して公衆網(図示略)から受信するファクシミリ画像データを記憶する。
【0020】
画像形成部8は、CPU1の制御の下、画像データ記憶部7に記憶されている原稿画像データ、印刷画像データまたはファクシミリ画像データに基づいて、用紙搬送部5から搬送される印刷用紙にトナーによって形成される画像形成画像を転写し、定着ローラによって当該画像形成画像の定着処理を行う。
通信I/F部9は、ローカルエリアネットワークBを介してクライアントコンピュータ(図示略)及び公衆網(図示略)等に接続し、このクライアントコンピュータ及び公衆網Eとの間で各種信号の送受信を行う。
【0021】
なお、ローカルエリアネットワークBは、LAN(Local Area Network)ケーブル及びLANハブ等によって構成され、複合機A、その他の画像形成装置、クライアントコンピュータ(図示略)及び公衆網(図示略)とを接続する。このローカルエリアネットワークBは、複合機A、その他の画像形成装置、クライアントコンピュータ(図示略)及び公衆網(図示略)の間の通信における信号の伝送路である。
【0022】
図2は、操作表示部10の外観図である。なお、この操作表示部10は、本発明における表示部と操作部との両方の機能を有するものである。この図2に示すように、操作表示部10は、コピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー、ファクス画面表示キー、スタートキー、ストップ/クリアキー、電源キー、テンキー(数値入力キー)、タッチパネル10aその他の各種操作キー、を備えており、それぞれのキーの操作指示をCPU1に出力すると共に、CPU1の制御の下、タッチパネル10aに種々の画面を表示する。
【0023】
そして、この操作表示部10に設けられたコピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー、ファクス画面表示キー、スタートキー、ストップ/クリアキー、電源キー、テンキー(数値入力キー)やその他の各種操作キー等の各操作キーのキートップの内側には、マイクロヒータ等によって構成された小型の発熱部10bが設けられている。CPU1は、キー操作が有効な操作キーのキートップの内側に設けられた発熱部10bに発熱させ、当該操作キーのキートップを温める。この際、発熱部10bは、各操作キーのキートップが、摂氏35度〜45度になるように温める。
【0024】
さらに、複合機Aには、図3に示すようにタッチパネル10aの表示面を縦に5つ及び横に6つのブロックに分割し、このタッチパネル10aのブロック毎の背面に発熱部10bが設けられている。CPU1は、タッチパネル10aが表示している操作ボタンが有効である場合には、当該操作ボタンを表示しているタッチパネル10aのブロックを発熱部10bに温めさせる。
【0025】
次に、上記構成の本実施形態に係る複合機Aの動作について図4を参照して詳しく説明する。図4は、本実施形態に係る複合機Aの動作を示すフローチャートである。
複合機Aでは、画像形成が完了すると次ぎの画像形成を実施するユーザにコピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー及びファクス画面表示キーのキー操作が有効であることを認識させる為に、CPU1は、コピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー及びファクス画面表示キーのキートップの内部に設けられた発熱部10bに発熱させて、コピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー及びファクス画面表示キーのキートップを温める。
【0026】
複合機AのCPU1は、ファクス画面表示キー押下によるファクス画面表示指示を操作表示部10が受け付けたか否か判定し(ステップS1)、ステップS1において『NO』と判定した場合には、すなわちファクス画面表示指示を操作表示部10が受け付けていない場合には、ファクス画面表示指示を操作表示部10が受け付けるまで待機し、ステップS1において『YES』と判定した場合には、すなわちファクス画面表示指示を操作表示部10が受け付けた場合には、ファクス画面をタッチパネル10aに表示させる(ステップS2)。
【0027】
上記ファクス画面の詳細について、図5を参照して、説明する。図5は、本実施形態に係る複合機Aのタッチパネル10aが表示するファクス画面を示す図である。
タッチパネル10aは、上記ステップS2において、ファクス画面表示キー押下によるファクス画面表示指示を操作表示部10が受け付けると、CPU1の指示の下、図5に示すファクス画面を表示する。
【0028】
ファクス画面には、「アドレス帳入力」ボタン及び「ダイヤル入力」ボタンが設けられている。「アドレス帳入力」ボタンの押下によって、ユーザが、ファクス送信におけるファクス番号入力モードとして「アドレス帳入力」が選択すると、アドレス帳に登録されているファクス番号を使用してファクス送信をする為にアドレス帳の一覧がタッチパネル10aに表示される。
【0029】
また、「ダイヤル入力」ボタンの押下によって、ユーザが、ファクス番号入力モードとして「ダイヤル入力」を選択すると、テンキーの押下によるファクス番号の入力によってファクス送信を実行する為にテンキーの押下によって入力されたファクス番号を表示するテキストフィールドがタッチパネル10aに表示される。そして、図5は、アドレス帳の一覧を表示するファクス画面を示している。なお、ファクス番号入力モードにおけるデフォルト設定値は、「アドレス帳入力」とする。
【0030】
タッチパネル10aに表示された直後のファクス画面では、ファクス番号入力モードのデフォルト設定値である「アドレス帳入力」が選択されている為に「アドレス帳入力」ボタンは反転表示が行われている。また「ダイヤル入力」ボタンは、ファクス番号入力モードとして「ダイヤル入力」が選択されていないことを示す通常表示が行われている。そして、ファクス番号入力モードとしての「アドレス帳入力」における各アドレス帳には、それぞれのアドレス帳を識別する為のアドレス帳番号が割り当てられており、図5に示すように、ファクス番号入力モードが「アドレス帳入力」である場合に、ファクス画面の各アドレス帳には、その左側にアドレス帳番号が表示されている。複合機Aでは、テンキーの押下によってユーザが所望のアドレス帳のアドレス帳番号を入力するで、ファクス送信先が指定される。
【0031】
さらに、図5に示すように、ファクス番号入力モードが「アドレス帳入力」であることによってファクス画面にアドレス帳の一覧が表示されている場合に、ファクス画面には、ページ切替前進ボタン及びページ切替後進ボタンが表示される。ページ切替前進ボタンが押下されると、アドレス帳を次のページに進め、ページ切替後進ボタンが押下されると、アドレス帳を1ページ前に戻す。
【0032】
そして、ファクス画面にアドレス帳の1ページ目が表示されている場合には、戻るページがない為、ページ切替後進ボタンは、押下できないことを示すグレイアウト表示が行われ、またファクス画面にアドレス帳の最後のページが表示されている場合には、先に進めるページがない為、ページ切替前進ボタンは、押下できないことを示すグレイアウト表示が行われる。なお、図5示すファクス画面では、アドレス帳の1ページ目が表示されている為に、ページ切替後進ボタンがグレイアウト表示されている。
【0033】
CPU1は、ステップS2の後に、発熱部10bに発熱させて、テンキーのキートップを温めさせると共にページ切替前進ボタン及び「ダイヤル入力」ボタンが表示されているタッチパネル10aのブロックを温めさせる(ステップS3)。CPU1は、テンキーの押下によって操作表示部10がアドレス帳番号を受け付けたか否か判定(ステップS4)、ステップS4において『NO』と判定した場合には、すなわちテンキーの押下によって操作表示部10がアドレス帳番号を受け付けた場合には、操作表示部10がアドレス帳番号を受け付けるまで待機する。
【0034】
CPU1は、ステップS4において『YES』と判定した場合には、すなわちテンキーの押下によって操作表示部10がアドレス帳番号を受け付けた場合には、ファクス送信する為の原稿が画像読取部6のADFにセットされているか否か判定し(ステップS5)、ステップS5において『NO』と判定した場合には、すなわち原稿が画像読取部6のADFにセットされていない場合には、原稿が画像読取部6のADFにセットされるまで待機し、ステップS5において『YES』と判定した場合には、すなわち原稿が画像読取部6のADFにセットされている場合には、発熱部10bに発熱させて、スタートキーのキートップを温めさせる(ステップS6)。
【0035】
CPU1は、ステップS6の後に、スタートキーの押下によるファクス送信指示を操作表示部10が受け付けたか否か判定し(ステップS7)、ステップS7において『NO』と判定した場合には、すなわちファクス送信指示を操作表示部10が受け付けていない場合には、操作表示部10がファクス送信指示を受け付けるまで待機し、ステップS7において『YES』と判定した場合には、すなわちファクス送信指示を操作表示部10が受け付けた場合には、スタートキーの内部の発熱部10bに発熱を停止させ(ステップS8)、画像読取部6に原稿の読み取りを開始させる。
【0036】
次に、上記図4の動作の変形例について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る複合機Aの動作の変形例を示すフローチャートである。
複合機Aでは、画像形成が完了すると次ぎの画像形成を実施するユーザにコピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー及びファクス画面表示キーのキー操作が有効であることを認識させる為に、CPU1は、コピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー及びファクス画面表示キーのキートップの内部に設けられた発熱部10bに発熱させて、コピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー及びファクス画面表示キーのキートップを温める。
【0037】
複合機AのCPU1は、コピー画面表示キー押下によるコピー画面表示指示を操作表示部10が受け付けたか否か判定し(ステップS11)、ステップS11において『NO』と判定した場合には、すなわちコピー画面表示指示を操作表示部10が受け付けていない場合には、コピー画面表示指示を操作表示部10が受け付けるまで待機し、ステップS11において『YES』と判定した場合には、すなわちコピー画面表示指示を操作表示部10が受け付けた場合には、コピー画面をタッチパネル10aに表示させる(ステップS12)。
【0038】
上記コピー画面の詳細について、図7を参照して、説明する。図7は、本実施形態に係る複合機Aのタッチパネル10aが表示するコピー画面を示す図である。
タッチパネル10aは、上記ステップS12において、コピー画面表示キー押下によるコピー画面表示指示を操作表示部10が受け付けると、CPU1の指示の下、図7に示すコピー画面を表示する。
【0039】
コピー画面には、基本的な設定を行う為の各種設定ボタンが表示されている。具体的には、コピー画面に、ユーザにA4サイズの印刷用紙を選択させる為の「A4」ボタン、ユーザにA3サイズの印刷用紙を選択させる為の「A3」ボタン、複写における用紙のサイズを自動で選択する為の「自動用紙」ボタン、ユーザに複写における倍率を上昇させる為の倍率上昇ボタン、ユーザに複写における倍率を下降させる為の倍率下降ボタン、複写における倍率を自動で調整する為の「自動倍率」ボタン、ユーザに複写における濃度を上昇させる為の濃度上昇ボタン、ユーザに複写における濃度を下降させる為の濃度下降ボタン及び複写における濃度を自動で調整する為の「自動濃度」ボタンが表示されている。
【0040】
なお、用紙選択設定におけるデフォルト設定値は、「自動用紙」とする。図7に示すように、タッチパネル10aに表示された直後のコピー画面では、用紙選択設定におけるデフォルト設定値として「自動用紙」が選択されている為に、「自動用紙」ボタンは反転表示が行われている。
【0041】
CPU1は、ステップS12の後に、発熱部10bに発熱させて、既に押下されている「自動用紙」ボタン以外の「A4」ボタン、「A3」ボタン、「自動用紙」ボタン、倍率上昇ボタン、倍率下降ボタン、「自動倍率」ボタン、濃度上昇ボタン、濃度下降ボタン及び「自動濃度」ボタンが表示されているタッチパネル10aのブロックを温めさせる(ステップS13)。CPU1は、ステップS13の後に、複写する為の原稿が画像読取部6のADFにセットされているか否か判定する(ステップS14)。
【0042】
CPU1は、ステップS14において『NO』と判定した場合には、すなわち原稿が画像読取部6のADFにセットされていない場合には、原稿が画像読取部6のADFにセットされるまで待機し、ステップS14において『YES』と判定した場合には、すなわち原稿が画像読取部6のADFにセットされている場合には、発熱部10bに発熱させて、スタートキーのキートップを温めさせる(ステップS15)。
【0043】
CPU1は、ステップS15の後に、スタートキーの押下による複写指示を操作表示部10が受け付けたか否か判定し(ステップS16)、ステップS16において『NO』と判定した場合には、すなわち複写指示を操作表示部10が受け付けていない場合には、操作表示部10が複写指示を受け付けるまで待機し、ステップS16において『YES』と判定した場合には、すなわち複写指示を操作表示部10が受け付けた場合には、スタートキーの内部の発熱部10bに発熱を停止させ(ステップS17)、画像読取部6に原稿の読み取りを開始させる。
【0044】
以上のように、本実施形態に係る複合機Aにおいて、CPU1が、発熱部10bに発熱させることによって、操作の有効なハードキー及びタッチパネル10aが表示するソフトキーの温度を上昇させる。このことによって、目の不自由なユーザは、触感によって操作の有効なハードキー及びソフトキーを識別することが出来る為、目の不自由なユーザが、容易に操作の有効なハードキー及びソフトキーと操作の無効なハードキー及びソフトキーとを判別することが出来る。
【0045】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態では、CPU1が、発熱部10bに発熱させて、操作の有効なハードキー及びソフトキーを温めことによって、目の不自由なユーザが、容易にハードキー及びソフトキーの操作の有効/操作の無効を判別することが出来るが、本発明はこれに限定されない。
【0046】
例えば、発熱部10bの代わりに吸熱部としてペルチェ素子を各種キー毎に設けて、ペルチェ素子に操作の有効なハードキー及びソフトキーを冷却させることによって、目の不自由なユーザが、容易に操作の有効なハードキー及びソフトキーと操作の無効なハードキー及びソフトキーとを判別することが出来るようにしてもよい。なお、ペルチェ素子とは、電流を流すことによって、冷却及び加熱を制御することが出来る半導体素子である。ペルチェ素子に電流が流れると、片面側において吸熱が行われ、一方の片面側で放熱が行われる。すなわち、ペルチェ素子の吸熱面では、冷却が行われ、放熱面では、発熱が行われる。
【0047】
(2)上記実施形態では、CPU1が、発熱部10bに発熱させて、操作の有効なハードキー及びソフトキーを温めているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、発熱部10bに発熱させて、操作の無効なハードキー及びソフトキーを温めることによって、触感で操作の有効なハードキー及びソフトキーと操作の無効なハードキー及びソフトキーとをユーザに容易に判別させるようにしてもよい。また、同様に、吸熱部に操作の無効なハードキー及びソフトキーを冷却することによって、触感で操作の有効なハードキー及びソフトキーと操作の無効なハードキー及びソフトキーとをユーザに容易に判別させるようにしてもよい。
【0048】
(3)上記実施形態では、CPU1が、発熱部10bに発熱させて、操作の有効なハードキー及びソフトキーを温めることによって、目の不自由なユーザが操作する際の手助けをしているが、本発明はこれに限定されない。
発熱部10bに発熱させて、操作の有効なハードキー及びソフトキーを温めると共に、スピーカを設けて、当該スピーカをCPU1に制御させることで、ユーザの操作に応じて、音声ガイダンスを流し、操作手順及び操作方法を説明するようしてもよい。例えば、図4のフローチャートを参照して、具体的に説明すると、ステップS1の前であれば、コピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー及びファクス画面表示キーのキー操作が有効である旨及びコピー画面表示キー、プリンタ画面表示キー、スキャナ画面表示キー及びファクス画面表示キーの位置を説明する音声ガイダンスを出力させ、またステップS4の前であれば、テンキーの位置及びテンキーの押下によってアドレス帳番号を入力する旨、または「ダイヤル入力」ボタンの押下によってファックス番号入力モードが「ダイヤル入力」に変更される旨を説明する音声ガイダンスを流すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機Aの機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る複合機Aの操作表示部10の外観図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る複合機Aの発熱部10bが設けられたタッチパネル10aの各ブロックを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る複合機Aの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る複合機Aのタッチパネル10aが表示するファクス画面を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る複合機Aの動作の変形例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る複合機Aのタッチパネル10aが表示するコピー画面を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
A…複合機、B…ローカルエリアネットワーク、1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…各種センサ群、5…用紙搬送部、6…画像読取部、7…画像データ記憶部、8…画像形成部、9…通信I/F部、10…操作表示部、10a…タッチパネル、10b…発熱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作キーを有し、押下された操作キーに応じて種操作指示を受け付ける操作部と、
前記複数の操作キーの各操作キー毎の温度を変化させる温度変化部と、
前記温度変化部によって操作が有効な操作キーと操作が無効な操作キーの温度差を生じさせる制御部とを具備することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記尾温度変化部は、発熱部であり、
前記制御部は、前記発熱部に発熱させることによって操作が有効な操作キーを温めさせることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記尾温度変化部は、発熱部であり、
前記制御部は、前記発熱部に発熱させることによって操作が無効な操作キーを温めさせることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記尾温度変化部は、吸熱部であり、
前記制御部は、前記吸熱部に吸熱させることによって操作が有効な操作キーを冷却させることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項5】
前記尾温度変化部は、吸熱部であり、
前記制御部は、前記発熱部に吸熱させることによって操作が無効な操作キーを冷却させることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項6】
前記吸熱部は、ペルチェ素子によって構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の操作装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の操作装置を具備することを特徴とする画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−33417(P2010−33417A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196331(P2008−196331)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】