説明

操作装置

【課題】リモコンユニットをホルダに機械的に安定保持する。
【解決手段】リモコンケース40の裏面に、リモコンユニット31を手で持った際の把持位置の目安となる凹部40bを左右方向に横切るように形成する。線材を折曲して形成されるホルダ30は、底面支持部g,h、前面保持部i,j、背面保持部e,f、側面保持部k,l及び左右方向に延びる係止部mを有し、それぞれリモコンユニット31に当接し、かつ上記凹部40bが係止部mに係合して保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばコンバインにおける穀粒排出オーガを操作する操作装置に係り、詳しくは該操作装置であるリモートコントロール(以下リモコンという)ユニット並びにそのホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、穀粒排出オーガの先端部分に有線リモコンユニット(操作具)を設けたコンバインが提案されている(下記特許文献参照)。該有線リモコンユニットは、排出オーガの先端部分に配置されたホルダ(保持枠)に着脱自在に保持されている。該ホルダは、排出オーガ先端の作業灯カバーの傾斜天板部上面に固定された左右2枚の支持板と、上記傾斜天板部を形成する一部分を上面側に折り曲げ形成した受け板とからなり、リモコンユニットは、左右の上記支持板の間に上方から差込まれて、その左右両側を案内され、かつ上記両支持板上端の折り曲げ端部で浮き上がりが阻止された状態で、受け板によりその底面が支えられる。
【0003】
更に、リモコンユニットの裏面には磁気シートが設けられ、該磁気シートが鉄板からなる上記作業灯カバーに吸引して吸引手段が構成され、リモコンユニットが、オーガ先端部の振動によっても安定して保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−332363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記リモコンユニットは、作業機カバーの傾斜天板部に沿って、斜めに移動してホルダからの着脱操作を行う必要があり、かつこの際、吸引手段の吸引力に抗してリモコンユニットを抜き出す必要があって、リモコンユニットの着脱操作が面倒である。
【0006】
また、リモコンユニットは、ホルダに装着されている状態では吸引手段により吸引されて、排出オーガ移動時のオーガ先端部の振動及び刈取り作業時の機体振動に対して安定して保持する機構になっているが、該安定保持は磁石による吸引手段からなるため、経年変化により磁石による吸引力が低下し、耐久性及び信頼性が充分ではない。
【0007】
そこで、本発明は、リモコンユニットを底面支持部及び前面、背面、側面の各保持部に当接すると共に、リモコンユニット裏面の把持部となる凹部に上記ホルダの係止部を係合して、機械的にリモコンユニットをホルダに安定して保持することにより、上述した課題を解決したコンバインにおけるオーガの操作装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ホルダ(30)に着脱自在に保持されたリモコンユニット(31)を有する操作装置において、
前記リモコンユニットのケース(40)は、その裏面にオペレータが該リモコンユニットを手で持った際、該リモコンユニットの把持位置の目安となる凹部(40b)が前記ケースの左右幅方向に横切るように形成され、
前記ホルダ(30)は、前記リモコンユニットの底面を支え得る底面支持部(g,h)と、前記リモコンユニットの前面に当接し得る前面保持部(i,j)と、前記リモコンユニットの裏面に当接し得る背面保持部(e,f)と、前記リモコンユニットの左右側面に当接し得る側面保持部(k,l)と、前記リモコンユニットの凹部(40b)に当接し得るように左右横方向に延びる係止部(m)と、を有し、
前記ホルダ(30)に前記リモコンユニット(31)が差込まれた際、前記係止部(m)に前記凹部(40b)が係合して保持される、
ことを特徴とする操作装置にある。
【0009】
前記ホルダ(30)は、前記底面支持部(g,h)、前記前面保持部(i,j)、前記背面保持部(e,f)、前記側面保持部(k,l)及び前記係止部(m)が1本の線材(35)を折曲して形成されてなる。
【0010】
前記ホルダ(30)の前面保持部(i,j)は、該ホルダに前記リモコンユニット(31)が保持された状態において、前記リモコンユニット前面の各操作スイッチ(A,B,C,D,E,F,G,M,N)を覆わない位置に配置されてなる。
【0011】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に記載した構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によると、リモコンユニットは、その底面,前面,裏面,側面がホルダの底面支持部,前面保持部,背面保持部,側面保持部に当接し、そしてリモコンユニットの裏面に形成された把持部となる凹部に前記ホルダの係止部が係合して、ホルダの弾性力により機械的に保持されるので、機体又はオーガ先端部の振動等によっても安定してホルダに保持することができると共に、上記弾性力に抗してホルダから抜き差しすることにより容易に着脱することができて、リモコンユニットの使用感を向上でき、かつ長期に亘って高い信頼性をもって使用可能である。
【0013】
請求項2に係る本発明によると、ホルダは1本の線材を折曲して形成されるので、簡単な構成で低コストで製造することができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によると、ホルダの前面保持部は、リモコンユニット前面の各操作スイッチを覆わない位置に配置されるので、リモコンユニットのホルダからの着脱時に誤って操作スイッチを操作することがなく、かつリモコンユニットをホルダに装着した状態で、リモコンユニットの各操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用したコンバインを示す側面図。
【図2】オーガ先端側のリモコンユニットを示す側面図。
【図3】オーガ先端側のリモコンユニットを示す斜視図。
【図4】リモコンユニットのホルダを示す正面図。
【図5】ホルダ及びリモコンユニットを示す正面斜視図。
【図6】ホルダ及びリモコンユニットを示す背面斜視図。
【図7】リモコンユニットを示す正面図。
【図8】リモコンユニットを示す背面図。
【図9】リモコンユニットを示す側面図。
【図10】リモコンユニット及びホルダを示す正面図。
【図11】リモコンユニット及びホルダを示す背面図。
【図12】リモコン及びホルダを示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。コンバイン1は、図1に示すように、クローラ走行装置2に支持されている走行機体3を有しており、該走行機体3の左右一側(左側)には脱穀装置が配置され、左右他側(右側)には前方側に運転席6、その後方にグレンタンク7が配置されている。走行機体3の前部には、前処理部9が昇降自在に配置されている。
【0017】
運転席6はキャビン10により覆われており、座席シート11の下方にエンジン12が配置され、かつ該座席シート11の前方及び側方に各種の操作部材を有する操作装置が配置されている。更に、座席シート11の後側であるグレンタンク7との間にはオーガ操作装置13が配置されており、該オーガ操作装置の一部として有線式のリモートコントロール(リモコン)ユニット15が脱着自在に配置されている。
【0018】
グレンタンク7は、脱穀装置から穀粒が揚上されて貯留される。該グレンタンク7の底部には横ラセンが配置され、また横ラセンに接続して、縦オーガ16が立設されている。該縦オーガ16の先端に横オーガ17が連接して、穀粒排出オーガ19を構成している。縦オーガ16はその基部が回転自在に支持されており、オーガ旋回モータ20によりその筒状部が回転駆動される。横オーガ17の基部は縦オーガ16の先端部に上下方向に揺動自在に連結されており、オーガ昇降シリンダ24により上下方向に昇降駆動される。
【0019】
上記縦オーガ16及び横オーガ17は、筒状部内にラセンが嵌挿されており、排出クラッチのオンによりエンジンの回転が横ラセンに伝達され、更に縦オーガ16及び横オーガのラセンに伝達される。上記旋回モータ20により縦オーガ16を旋回することにより、横オーガ17は所定旋回角に旋回されると共に、オーガ昇降シリンダ24により所定角に昇降され、横オーガ17の先端部17aが所定位置になるように操作される。グレンタンク7内に貯留された穀粒は、横ラセンにより縦オーガ16に搬送され、更に縦オーガ16及び横オーガ17からなる穀粒排出オーガ19により、所定位置に設定されたオーガ先端部17aからトラック等に排出される。
【0020】
オーガ先端部17aは、図2及び図3に詳示するように、筒状部21の先端部に下向きに開口された開口21aが形成されており、該開口を囲むように透明のビニール等からなる案内カバー22が設けられている。また、上記開口21aには枢軸23aにより開閉自在にオーガフラップ(シャッタ)23が配置されており、該オーガフラップ23は、横オーガ17のラセン17bにより搬送される穀粒の排出を制御する。上記オーガ先端部17aの筒状部21の側面には合成樹脂製のカバー25が一体に固定されており、該カバー内には上記オーガフラップ23の駆動モータ、該フラップの位置検出用ポテンショメータ及びオーガカメラ26が内蔵されている。また、走行機体3の後方にもカメラ27(図1参照)が配置されており、オーガカメラ26による穀粒の排出状況及びカメラ27による後方状況が運転席6のキャビン10内の上部に設けられている液晶モニタ29(図1参照)に画像として映し出される。
【0021】
オーガ先端部17aの筒状部21の先端面にはリモコンホルダ30が設置されており、該ホルダ30に、操作装置であるオーガ先端側の有線式リモートコントロール(リモコン)ユニット31が抜差し自在に配置されている。該リモコンユニット31からの配線は、上記カバー25内の機器からの配線と共に横オーガ17の上部に沿って延び、運転席側リモコンユニット15からの配線と共に走行機体3内の制御部に接続される。上記オーガ先端側及び運転席側リモコンユニット31,15からの操作信号は、制御部により前記オーガ旋回用モータ20、オーガ昇降シリンダ、排出クラッチ制御用モータ及びオーガフラップ駆動用モータに適宜出力される。
【0022】
前記オーガ先端側リモコンユニット31は、図4ないし図6に示すように、1本の線材35を折曲して形成されたリモコンホルダ30に抜差し(着脱)自在に保持される。リモコンホルダ30は、線材35の両先端部a,bから縦方向に平行に垂下して、先端側では両間隔が狭く(c,d)、途中で前方及び互いに離れる方向に屈曲して間隔が広くなっている(e,f)。そして、線材35,35は、前方に延びるように屈曲して底面支持部g,hを形成し、更に上方に屈曲して互いに離れる方向に斜め上方に延び(i,j)、所定上方位置にてそれぞれ後向きに屈曲して(k,l)、前記線材35の先端部a,b下方部分の前方にて互いに横方に延びて連続する(m)。上記後向きに屈曲する部分k,lが、リモコンユニットの左右側面を規制する側面保持部となり、前記斜め上方に延びる部分i,jが、リモコンユニットの前面を規制する前面保持部となり、上記横方向に延びる中間連結部mが係止部となり、平行な幅広部e,fが、リモコンユニットの背面を支える背面保持部となる。前記両側面保持部k,lの間隔p(図11参照)は、偏平の略々長方体(縦長形状)からなるリモコンユニット31のケースの左右幅より若干広く設定されており、底面支持部g,hの間隔qは、上記リモコンケースの左右幅の30〜40%からなり、かつリモコンユニットから延びるコード36の接続部36aの径より若干広くなっている。前面保持部i,jと背面保持部e,dとの間隔s(図12参照)、即ち後向き底面支持部g,hの長さは、リモコンケースの厚さと等しいかそれより若干広くなっている。また、前面保持部i,jと係止部mとの間隔u(図12参照)、即ち後向き屈曲部k,lの長さは、上記リモコンケースの厚さに略々等しいか又は僅かに広くなっており、従って上記前面保持部と背面保持部との間隔sより若干短く、かつリモコンケースの凹部40b部分の厚さと略々等しくなっている。一方の線材35の先端bは、他方の先端a側に寄るように屈曲されており、該先端部a,bは、上記中間部分mより所定量t高い位置にある(図11参照)。
【0023】
なお、ホルダ30は、線材35を金属表面のまま用いてもよいが、線材35をゴムで被覆(ディッピング)加工したものを用いてもよく、この場合、ホルダのゴム製被覆の摩擦力でより確実にリモコンユニットをホルダに保持することができる。
【0024】
上記リモコンユニットは、図7ないし図10に示すように、ケース40及び該ケースに内蔵されたスイッチ基盤を有する。リモコンケース40は、縦長形状である偏平な長方体からなり、その一方の短辺から接続具36aを介してコード36が延びている。ケース40は、その左右側面に該リモコンユニットを把持した際の滑り止めとなる凹凸部が形成されており、また裏面に、上下方向中央線に対して対称位置に、リモコンユニットの把持位置の目安となる凹部40b,40bが上下2箇所に形成されている。
【0025】
上記リモコンユニット31のケース40は、2つ割りケースからなり、前後の割りケース40,40(図9,図12参照)は、その間にゴム製のシール40aを挟んで一体に固定される。該ゴム製のシール40aは割りケース40,40の外周に所定量突出しており、かつその側面が凹凸形状からなり、ホルダ30にリモコンユニット31を装着した際、上記ゴム製シール40aの摩擦力により、より確実にリモコンユニットをホルダに保持できる。更に、リモコンユニット31の上方左側角部にストラップホールを有する突出部40dが形成されている。該突出部40dにより、リモコンユニット31がホルダ30に逆差しされることが防止される。
【0026】
また、ケース40の表面には、図7及び図10に示すように、上記スイッチ基盤の各押しボタン用スイッチ及びインジケータ用LEDランプが複数個露出されている。ケース上下方向中央位置には、中央スイッチA及びその上下及び左右の十字状となる各スイッチB,C,D,Eを有する第1のスイッチ群41と、該スイッチ群41に近接して上下一方の短辺側に配置された左右2個のスイッチF,G及び該スイッチのインジケータランプH並びに更にその短辺側に左右方向に並んだ3個のインジケータランプJ,K,Lからなる第2のスイッチ群42と、上記第1のスイッチ群41の上下他方の短辺側に配置された左右2個のスイッチM,Nからなる第3のスイッチ群43と、を備える。そして、第3のスイッチ群43が位置する側の他方の短辺40cからコード36が延びている。
【0027】
そして、上記ケース40の表面には、図7に詳示するように、表示(デザイン)シート45が貼られる。これにより、リモコンユニット31は、ケース下方の第3のスイッチ群43にオーガフラップ23の開(M)及び閉(N)スイッチが対応し、ケース中央部の第1のスイッチ群41にオーガの自動旋回・収納スイッチ(A)並びに手動による上昇及び下降スイッチ(B,C)、左旋回及び右旋回スイッチ(D,E)が対応し、ケース上方の第2のスイッチ群42に排出スイッチ(F)、選択スイッチ(G)及びそのインジケータランプ(H)並びにオーガの選択位置である左(J)、後方(K)、右のインジケータランプ(L)が対応する。
【0028】
ケースの上下方向中央に位置する上記第1のスイッチ群41の十字スイッチとなる上下及び左右の各スイッチ(B,C)(D,E)は、排出オーガ19の先端部位置を上下及び左右に移動する手動操作スイッチとなり、その中央部にあるスイッチ(A)は、自動旋回スイッチとなり、該自動旋回スイッチの操作は、オーガの排出位置への旋回及び収納位置の自動旋回を操作毎に切換える。上記手動操作スイッチの上方にある第2のスイッチ群42の一側のスイッチ(G)は、排出オーガの排出位置を選択する選択スイッチとなり、該選択スイッチの操作毎に、オーガの排出位置を、機体の左、後方、右に順次切換えるものであり、各排出位置はインジケータランプ(J,K,L)により表示される。上記第2のスイッチ群の他側のスイッチ(F)は、排出オーガの作動(駆動)、非作動(停止)を操作する穀粒排出スイッチとなり、該排出位置の操作毎に、エンジンの回転を横ラセン及び穀粒排出オーガ19の各ラセンに動力を伝達又は遮断するクラッチ操作用モータを操作し、穀粒の排出又は停止がインジケータランプ(H)により表示される。また、上記手動操作スイッチの下方にある第3のスイッチ群43の各スイッチ(M,N)が、排出オーガの排出口を開閉作動する開及び閉スイッチとなり、オーガフラップの駆動モータを正逆方向に駆動する。
【0029】
なお、上記説明は、オーガ先端部に連結配置されたオーガ先端側リモコンユニット31及びそのホルダ30について述べたが、運転席6のオーガ操作装置13に配置された運転席側リモコンユニット15及びそのホルダにも、全く同一のものを使用可能である。
【0030】
以上説明したように、上記リモコンユニット31は、図5及び6並びに図10〜図12に示すように、コード36を下方にしてホルダ30に保持される。この際、リモコンケース40は、その前面がホルダの前面保持部i,jに当接し、その裏面下部が背面保持部e,fに当接し、その左右側面が側面保持部k,lに当接し、その底面がホルダの底面支持部g,hに支えられて、ホルダ30に保持される。更に、ホルダ30の中間連結部(係止部)mがリモコンケース40裏面の指把持用の上方側凹部40bに若干弾性変形しつつ当接・係合して、リモコンユニット31は安定して保持される。この際、該ホルダに装着された状態のリモコンユニット31は、前面保持部i,jがその前面の各スイッチ及びインジケータランプ(A〜L)を覆わない位置にある。更に、前面保持部i,jは、上方が互に離れる方向に広がっており、リモコンユニット31をホルダ30に差し込む際及び引き抜く際、該前面保持部i,jがリモコンユニット前面の各スイッチA,B,C,D,E,F,G,M,Nに触れることはなく、リモコンユニットが誤操作されることはない。また、リモコンユニット31をホルダ30に装着した状態で、各スイッチを操作することも可能である。
【0031】
そして、コンバイン1を畦際に操縦して、グレンタンク7内の穀粒をトラック等に移載する際、リモコンユニット(運転席側15又はオーガ先端側31)をホルダ30から外して、該リモコンユニットを操作する。該リモコンユニット操作は、コンバインとトラックとの関係においてオーガ排出位置を選択ボタンGにより選択する。上記選択ボタンGの上方に位置して、該ボタン操作する指に邪魔されることなく、上記インジケータランプJ,K,Lにより排出位置(左、後方、右)を確認しつつ、選択ボタンGが操作される。該排出位置が選択された状態で、自動旋回ボタンAを押して、オーガ19を左右方向に旋回すると共に上下方向に揺動して、オーガ先端部17aをトラック上方の選択された位置に移動する。
【0032】
上記自動旋回ボタンAにより選択された排出位置にオーガ先端部17aを移動しても、該オーガ先端排出口21aがトラック等の排出位置に正確に一致することは少なく、オペレータは手動操作スイッチ(B〜E)によりオーガ先端排出口の位置を調整する。この際、オペレータは、人差し指を上方凹部40bに把持して、リモコンユニット31を片手で持ち、親指にて自動旋回スイッチA及び手動操作スイッチ(B〜E)を操作するが、自動旋回スイッチAが十字状の手動操作スイッチ(B〜E)の中央部に位置するため、親指を、自動旋回スイッチAから上下及び左右の手動操作スイッチB〜Eに、手元を確認することなく、容易かつ確実に操作することができる。
【0033】
更に、把持位置の目安となる上記凹部40bが、手動操作スイッチの上昇スイッチBと左,右旋回スイッチD,Eの間に配置されているので、凹部40bを把持する人差し指を基準として、オペレータは、リモコンユニットの各スイッチ、特に自動旋回スイッチ及び手動操作スイッチの位置を感覚的に認知できる。上述したように、排出オーガ19の操作は、基本的にはリモコンユニット31を片手で持って操作できるので、オペレータは空いた側の手で水分補給等を行うことができ、例え一人操作であっても、刈取り作業中はオペレータは両手が塞がっているが、穀粒排出作業中において水分補給等の他の作業ができ、連続して効率的なコンバイン作業を行うことができる。
【0034】
そして、リモコンユニット31(15)により排出ボタンHを操作してオーガ19を作動すると共に、フラップ開ボタンHによりオーガフラップ23を開に作動して、穀粒の排出を行う。なお、排出ボタン(F)の操作により、オーガフラップ(シャッタ)が自動的に開位置に連動して作動するようにしてもよい。
【0035】
そして、穀粒のトラックへの移載が進行して、トラック内での穀粒の山を均すため、補助者は、リモコンユニット31を用いて、オーガ手動操作ボタン(C,B,E,D)によりオーガ先端を左右又は上下に移動し、またフラップの開閉ボタン(N,M)により、穀粒の排出及び排出方向を適宜操作する。トラックが満杯になるか、またはグレンタンクが空になり、オーガによる穀粒排出作業を停止する際、リモコンユニット31の排出ボタン(F)及びフラップの閉ボタン(N)を操作して、穀粒の排出を停止した後、自動旋回ボタン(A)を押すことにより、オーガ19を収納位置に移動する。
【0036】
なお、上記排出オーガによる穀粒の排出作業は、オーガ先端側リモコンユニット31と運転席側リモコンユニット15により、コンバイン運転者と補助者とが共働して作業してもよい。また、リモコンユニットは、オーガ先端側又は運転席側のいずれか一方にのみ配置してもよく、またリモコンユニットは、有線に限らず、無線のものでもよく、更にオームレストに内装されているようなものでもよい。更に、本発明に係るリモコンユニットからなる操作装置は、穀粒排出オーガの操作に限らず、他の操作に適用してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 コンバイン
7 グレンタンク
15 (運転席側)リモコンユニット
16 縦オーガ
17 横オーガ
17a 先端部
19 排出オーガ
30 ホルダ
31 (オーガ先端側)リモコンユニット
35 線材
36 コード
40 ケース
40a ゴム製シール
40b 凹部
A 自動旋回スイッチ
B,C,D,E 手動操作スイッチ
B 上昇スイッチ
D,E 左及び右旋回スイッチ
M,N 開閉スイッチ
F 穀粒排出スイッチ
G 選択スイッチ
J,K,L インジケータランプ
e,f 背面保持部
g,h 底面支持部
i,j 前面保持部
k、l 側面保持部
m 係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダに着脱自在に保持されたリモコンユニットを有する操作装置において、
前記リモコンユニットのケースは、その裏面にオペレータが該リモコンユニットを手で持った際、該リモコンユニットの把持位置の目安となる凹部が前記ケースの左右幅方向に横切るように形成され、
前記ホルダは、前記リモコンユニットの底面を支え得る底面支持部と、前記リモコンユニットの前面に当接し得る前面保持部と、前記リモコンユニットの裏面に当接し得る背面保持部と、前記リモコンユニットの左右側面に当接し得る側面保持部と、前記リモコンユニットの凹部に当接し得るように左右横方向に延びる係止部と、を有し、
前記ホルダに前記リモコンユニットが差込まれた際、前記係止部に前記凹部が係合して保持される、
ことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記ホルダは、前記底面支持部、前記前面保持部、前記背面保持部、前記側面保持部及び前記係止部が1本の線材を折曲して形成されてなる、
請求項1記載の操作装置。
【請求項3】
前記ホルダの前面保持部は、該ホルダに前記リモコンユニットが保持された状態において、前記リモコンユニット前面の各操作スイッチを覆わない位置に配置されてなる、
請求項1又は2記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−39277(P2012−39277A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176020(P2010−176020)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】