説明

支障物検知システムおよび支障物検知装置

【課題】支障物検知装置の検知精度を向上させる。
【解決手段】支障物監視区域の両側に敷設された漏洩同軸ケーブル101,102、および前記両側に敷設された漏洩同軸ケーブルのうち一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射させ前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する支障物検知装置を備えた支障物検知システムであって、前記支障物検知装置における前記一方の漏洩同軸ケーブルへ前記電波を送信する電波送信手段と前記支障物検知装置における前記他方の漏洩同軸ケーブルが入射した電波を受信する電波受信手段とを繋ぐ手段110を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、漏洩同軸ケーブルから電波を放射することで支障物を特定する支障物検知システムおよび支障物検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の支障物検知装置は、支障物監視区域(以下、監視区域と記載)に対してその周囲に漏洩同軸ケーブルを敷設し、一方の漏洩同軸ケーブルより他方の漏洩同軸ケーブルへ電波を放射して支障物を検知している。
一方の漏洩同軸ケーブルの一端には、パルス状信号を発生する送信機を接続するとともに、他方の漏洩同軸ケーブルの同じ側の一端には、パルス状信号が位置に応じて遅延した信号を受信する受信機を接続する。
さらにこの受信機に信号波形から包絡線を取り出すフィルタを接続し、予め支障物がないときの信号波形の包絡線を記憶する記憶装置を設け、この支障物がないときの包絡線とフィルタから取り出した包絡線との差分波形から支障物の位置を検知する演算器を設けている。
【0003】
このように、送信機からのパルス信号を受信することにより監視区域内に侵入した支障物の位置を検知しており、包絡線との差分波形の大きさは他方の漏洩同軸ケーブルから受信して受信機から演算器に到達する電力に依存するため、一方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続されたパルス状信号を発生させる送信機から、他方の漏洩同軸ケーブルの受信機に到達してから演算器に到達するまでの電力が、時間軸上で一定であることが検知精度を向上する上で課題である。
【0004】
また、監視区域の周辺に敷設している一端を送信機に接続している一方の漏洩同軸ケーブル、および一端を受信機に接続している他方の漏洩同軸ケーブルが何らかの事情で通常とは異なる特性になった場合(漏洩同軸ケーブルの切断またはこれに準ずる場合)、
包絡線は、前記支障物がない状態の信号波形の包絡線との差分波形が大きく、支障物を検知した状態と同じ状態(誤検知)となる。
【0005】
また、他方の漏洩同軸ケーブルから受信して受信機から演算機に到達する電力が小さい場合、包絡線は、前記支障物がない状態の信号波形の包絡線との差分波形が小さく、支障物を検知できない状態(非検知)となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−95338号公報(図1及びその説明)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の支障物検知装置は以上のように、検知精度を向上させるためにはパルス状信号を発生させる送信機から、受信機に到達してから演算器に到達するまでの電力を時間軸上で一定にする必要があるが、前記送信機や前記受信機を構成している構成物は温度による特性や連続動作による経年特性により前記演算器に到達するまでの電力が時間軸上で一定とならずに変化するという問題があった。
前記のような問題があると、前記漏洩同軸ケーブルが何らかの事情で通常(定常状態)とは異なる特性になった場合、支障物の侵入か前記漏洩同軸ケーブルの特性変化なのかを判断できない。したがって、支障物検知装置は支障物を検知した状態と同じ状態になり、誤検知となってしまう。
同様に、前記のような問題があると、支障物がある場合と前記支障物がない状態の差分波形が一定でなくなる。したがって、支障物の検知を判断するための前記差分波形の閾値を定めることができず、実際に支障物が侵入しても閾値を超えない状態(非検知)や前記支障物監視区域の外での物体移動によって閾値を超えてしまう状態(この場合も誤検知と記す)となってしまう。
同様に、前記のような問題があると、送信機の許容送信電力を超えた出力となってしまった場合、および受信機の許容受信電力を超えた受信電力となってしまった場合、送信機から送信されるパルス状信号(検知信号)および受信機で受信したあとに前記演算器に到達する検知信号が歪んだ信号となってしまい、前記演算器に到達したときには自身が出力した検知信号とは認識できなくなってしまう。したがって、前記包絡線を形成することができず、支障物が侵入した場合でも前記差分波形の閾値を超えない状態(非検知)となってしまう。
すなわち、従来の装置は温度が常に安定した環境に設置する必要があり、温度が急変する屋外で使用すると、誤検知や非検知となる恐れがあった。また、経年劣化でも誤検知や非検知となる恐れがあるため、短い周期でメンテナンス、つまり、しきい値などの補正が必要であった。また、漏洩同軸ケーブル内の検知信号の速度は漏洩同軸ケーブル内の比誘電率に依存するが、経年劣化などで比誘電率が変化した場合、検知信号の速度が変化し、それによって、検知位置の換算に狂いが生じて、侵入位置を正確に計測できない問題があった。
【0008】
この発明は前記のような課題を解決するためになされるものであり、上記支障物検知装置の検知精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る支障物検知システムは、支障物監視区域の両側に敷設された漏洩同軸ケーブル、および前記両側に敷設された漏洩同軸ケーブルのうち一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射させ前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する支障物検知装置を備えた支障物検知システムであって、前記支障物検知装置における前記一方の漏洩同軸ケーブルへ前記電波を送信する電波送信手段と前記支障物検知装置における前記他方の漏洩同軸ケーブルが入射した電波を受信する電波受信手段とを繋ぐ手段を備えているものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、支障物監視区域の両側に敷設された漏洩同軸ケーブル、および前記両側に敷設された漏洩同軸ケーブルのうち一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射させ前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する支障物検知装置を備えた支障物検知システムであって、前記支障物検知装置における前記一方の漏洩同軸ケーブルへ前記電波を送信する電波送信手段と前記支障物検知装置における前記他方の漏洩同軸ケーブルが入射した電波を受信する電波受信手段とを繋ぐ手段を備えているので、支障物検知装置の検知精度を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、支障物検知システムのシステム構成を例示する図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、図1における支障物検知装置の概略構成を例示する図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、図1に例示のシステムの概略機能を説明するための図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、動作フローを例示するフロー図である。
【図5】この発明の実施の形態2を示す図で、支障物検知システムの他のシステム構成を例示する図である。
【図6】この発明の実施の形態2を示す図で、動作フローを例示するフロー図である。
【図7】この発明の実施の形態3を示す図で、支障物検知システムの他のシステム構成を例示する図である。
【図8】この発明の実施の形態3を示す図で、動作フローを例示するフロー図である。
【図9】この発明の実施の形態3を示す図で、図7に例示のシステムの概略機能を説明するための図である。
【図10】この発明の実施の形態4を示す図で、支障物検知システムの更に他のシステム構成を例示する図である。
【図11】この発明の実施の形態4を示す図で、動作フローを例示するフロー図である。
【図12】この発明の実施の形態5を示す図で、支障物検知システムの更に他のシステム構成を例示する図である。
【図13】この発明の実施の形態5を示す図で、動作フローを、従来システムの動作フローと比較して例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1を示す機能をもった支障物検知装置のブロック構成図である。
【0013】
図1において、監視区域の周囲に2本の漏洩同軸ケーブル101、102を平行に敷設し、送信側漏洩同軸ケーブル101の一端には送信側非漏洩同軸ケーブル103を介して送信部104、その反対側には送信側終端器105、受信側漏洩同軸ケーブル102の一端には受信側非漏洩同軸ケーブル106を介して受信部107、その反対側には受信側終端器108が接続されている。送信部104および受信部107は遅延時間・電力計測部109に接続されている。
そして、送信部104と受信部107の間には伝送路110を設けている。
【0014】
遅延時間・電力計測部109で生成された送信信号S109は、送信部(電波送信手段)104によって送信側非漏洩同軸ケーブル103を介して、送信側漏洩同軸ケーブル101に送信信号S103が入射される。
送信信号S103は、送信側漏洩同軸ケーブル101の長手方向に並ぶ各スロット(電波放射孔)から、順次電波として送信側漏洩同軸ケーブル101の反対側に敷設された受信側漏洩同軸ケーブル102に向けて放射される(S105)。なお、放射される送信信号S105は、スロット位置に応じて遅れて放射され、受信側漏洩同軸ケーブル102には、放射された電波の遅れ時間に対応して、各スロット(電波受信孔)に順次入射される。
【0015】
受信側漏洩同軸ケーブル102に入射した信号は、受信側非漏洩同軸ケーブル106を通じて受信部(電波受信手段)107で受信され、遅延時間・電力計測部(電波送信手段、検知手段)109に入力される。漏洩同軸ケーブル101、102で囲まれた範囲(前記監視区域)に支障物が存在すると、支障物によって電波が遮断されるため、支障物がある位置では受信信号の電力レベルが変化する。したがって、受信信号の波形には、支障物の位置に対応する時間に電力レベルの変化が見られ、この電力レベルの変化により遅延時間・電力計測部109は支障物の有無を検知するとともに、スロット位置付近に対応した支障物の位置も検知することができる。
【0016】
図2はこの発明の実施の形態1の支障物検知装置の送信部104、受信部107、伝送路110の詳細を示すブロック構成図である。
図2において、まず遅延時間・電力計測部109は検知信号S101を生成する。生成された信号S101は送信部104のミキサ部201、フィルタ部202、アンプ部203を通って送信側非漏洩同軸ケーブル103へ到達し、一部の検知信号は伝送路110の減衰器部204へ到達する。
また、受信側非漏洩同軸ケーブル106より到達した検知信号と前記減衰器204を通過した検知信号S108は、受信部107のアンプ部205フィルタ部206、ミキサ部207を通って遅延時間・電力計測部109に到達し、支障物の有無や位置を検知する。
【0017】
このように、検知信号は2つの経路を通って遅延時間・電力計測部109へ到達する。この内、減衰器部204を通って遅延時間・電力計測部109へ到達する検知信号(S110、S111)は、送信部104、受信部107の構成物および減衰器部204のみを通過して再び遅延時間・電力計測部109へ到達する経路を辿っている。
したがって、前記減衰器部204を通過する検知信号(S110、S111)を検波することで、送信部104、受信部107の構成物による温度特性変化や経年特性変化などを監視し、補正することで送信部4と受信部7に到達してから遅延時間・電力計測部109に到達するまでの電力を時間軸上で一定にすることができる。
【0018】
図3は上記検波形態の説明図である。
図3において、遅延時間・電力計測部109から送信部104、伝送路110へ到達する検知信号S110は遅延時間・電力計測部109にて検波される場合、送信側漏洩同軸ケーブル101から受信漏洩同軸ケーブル102の経路を通って到達する検知信号S105よりも遅延時間が短い。そして、遅延時間・電力測定部109にて遅延時間を測定した場合、最も早い検波値S312として出力される。
したがって、検波値S312を監視し、前記検波値S312を基に補正を行うことで、送信部104と受信部107に到達してから遅延時間・電力計測部109に到達するまでの電力を時間軸上に一定にすることができる。
【0019】
次に定常状態からの補正について、グラフおよび数式を用いて説明する。
図3において、定常状態(図3(C1))の312(X0)の振幅をA0、位相をθ0、313(X1)の振幅をA1、位相をθ1とする。
ここで、送信部104または受信部107の増幅度(ゲイン)が変化した場合を想定する(図3(C2))。この場合、X0はX0’に移動し、振幅はA0’となり(なお、位相の変化はない。)、変化量α0はα0=(A0’/A0)である。同様にX1もX1’に移動し、変化量α1はα1=(A1’/A1)となるが、α1=α0であるため、以下の式が成り立つ。
A1’/α1=A1’/(A0’/A0)=A1
したがって、ゲイン変化によりA1がA1’に変化した場合でも、A0とA0’を監視することで、A1’をA1に補正することが出来る。
次に、送信部104または受信部107の位相が変化した場合を想定する(図3(C3))。
この場合、X0はX0”に移動し、位相はθ0’となり(なお、ゲインの変化はない。)、
【数1】

【0020】
【数2】

したがって、位相変化によりθ1がθ1’に変化した場合でもθ0とθ0’を監視することで、θ1’をθ1に補正することが出来る。
以上の通り、定常状態からの補正について、増幅度(ゲイン)と位相を分けて示したが、一括で算出補正を行うことができ、この場合は複素数演算を用いる。

【数3】


したがって、図3における漏洩同軸ケーブルの任意点(313)の検知信号(定常状態:X1)がゲイン、位相変化した場合(X1→X1”’)でも、伝送路での検知信号変化量ΔX0”’(既知)を用いることで、定常状態の検知信号(X1)に戻すことが出来る。
【0021】
図4は前記検知信号の検波による監視、補正チャート図である。
図4において、まず検知信号を受信401した後、受信部構成物を通過する402。次に、受信部構成物を通過した検知信号S402に対して電力検波403を行う。電力検波403を行った後、前記電力検波値403を一定時間保存するもの404と被比較値として比較405するものに分ける。比較405は、逐次受信する検知信号検波値403と一定時間保存404された検波電力の出力値406の比較を行う。比較405にて差異がない場合、通常通りに検知信号は送信部構成物を通過408して、検知信号を送信409する。
次に、比較405にて差異があると判断された場合、検波1の値が検波2の値よりも小さいかを判断410する。検波1の値が検波2の値よりも小さいと判断された場合、送信部104のアンプ部203または受信部107のアンプ部205にて検知信号の増幅量を追加する。検波1の値が検波2の値よりも小さいと判断されなかった場合、送信部104のアンプ部203または受信部107のアンプ部205にて検知信号の増幅量を削減する。
【0022】
このように、図1のような構成とすることで、温度特性変化および経年特性変化を含めて、送信部104と受信部107に到達してから遅延時間・電力計測部109に到達するまでの電力を時間軸上で一定にすることができる。このことにより、誤検知や非検知となる恐れを無くし、短周期でのメンテナンスが不要になる。
同様に、図1のような構成とすることで、急激な電力変化を監視し、送信部104と受信部107の健全性を評価することができる。
送信機から受信機へ直接信号を通す伝送路を備えて、前記送信機から送信される信号の電力の一部を、漏洩同軸ケーブルを介すことなく受信機から演算器へ送ることができる。このことにより前記送信機から前記受信機に至る電力を監視できるようになったので、前記一方の漏洩同軸ケーブルに到達する電力、および前記他方の漏洩同軸ケーブルが受信する信号の電力を受信機から演算器へ送るまで一定に保つことができ、検知精度の高い支障物検知装置が得られる。
また、これによって、温度が急変する屋外で使用でも、誤検知や非検知となる恐れがなくなる。
更に、経年劣化によるレベル変化でも、補正できるため誤検知や非検知となる恐れがない。
また、漏洩同軸ケーブルの始点と終端で、送信信号を受信側にバイパスするため、経年劣化などで比誘電率が変化し、信号の速度が変化した場合でも、始点と終点の位置が分かり、侵入位置を常に正確に計測できる。
【0023】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、伝送路110を送信部104と受信部107の間に設置したが、この伝送路を送信側非漏洩同軸ケーブル103と受信側非漏洩同軸ケーブル106の間にも設置してよい。
【0024】
図5は、この発明の実施の形態2を示す機能をもった支障物検知装置のブロック構成図である。
図5において、伝送路(1)110は図1に示す伝送路110と同じ機能を持ったものである。伝送路(2)501は送信側非漏洩同軸ケーブル103と受信側非漏洩同軸ケーブル106の間をつなぐ、漏洩同軸ケーブル側に設置された伝送路である。その他構成物は図1に示す構成と変化が無いため、説明を省略する。
【0025】
図5において、送信部104より送信された検知信号S102は送信側非漏洩同軸ケーブル103を通って送信側漏洩同軸ケーブル101と伝送路(2)501に到達する。送信側漏洩同軸ケーブル101到達した検知信号S103は同漏洩同軸ケーブルより電波として放射され、受信側漏洩同軸ケーブル102に到達し、支障物侵入検知の役割を担う。次に、伝送路(2)501に到達した検知信号S501について述べる。この信号はその後、受信側非漏洩同軸ケーブル106から受信部107に到達する。受信部107に到達した同信号は受信部構成物を通過して、遅延時間・電力計測部109に到達する。
このことにより、送信側非漏洩同軸ケーブル103から受信側非漏洩同軸ケーブル106まで含めた温度特性変化、経年特性変化を監視し、補正することができる。また、伝送路(1)110と合わせた監視を行うことで、送信部104、受信部107、送信側非漏洩同軸ケーブル103、受信側非漏洩同軸ケーブル106の健全性を監視することが可能となる。
【0026】
図6は実施の形態2の検波監視による監視、補正チャートである。
図6において、図4にて示している検波、監視ブロックについては説明を省く。
伝送路(2)の経路を辿った信号の電力検波601を行った後は、この値を一定時間保存するもの602と被比較値として比較603するものに分ける。比較603は、逐次受信する伝送路(2)の経路を辿った信号の検波値601と一定時間保存602された検波電力の出力値604の比較を行う。
比較603の結果、差異があると判断605されなかった場合、異常警報は出力せず606に検知信号は通常通りに送信部構成物408を通過し、送信409される。
【0027】
次に、比較603の結果、差異があると判断605された場合、検波3と検波4の差を判断607する。判断607は任意の閾値を設定し、その閾値に対して検波3と検波4の差が大きいかを判断する。
検波3と検波4の差が任意の閾値より大きいと判断されない場合、検波3の値が検波4の値よりも小さいかを判断608する。検波3の値が検波2の値よりも小さいと判断608された場合、送信部104のアンプ部203または受信部107のアンプ部205にて検知信号の増幅量を追加する。検波3の値が検波4の値よりも小さいと判断されなかった場合、送信部104のアンプ部203または受信部107のアンプ部205にて検知信号の増幅量を削減する。
【0028】
次に、検波3と検波4の差が任意の閾値より大きいと判断された場合、および前記伝送路(1)の経路を辿った信号同士の比較405により検波1と検波2の差が任意の閾値よりも大きいと判断609した場合を示す。この場合は異常警報610、611を出力する。このことにより、ユーザー側は何らかの異常が検知装置で発生したことを認識できる。どちらかの異常警報が出力された場合、異常警報610、611の積を取得する。異常警報の積が1の場合、送信部104もしくは受信部107の異常である旨の警報612を出して検知信号(検知動作)をストップする。次に、異常警報の積が0の場合、送信側非漏洩同軸ケーブル103もしくは受信側非漏洩同軸ケーブル106の異常である旨の警報613を出して検知信号(検知動作)をストップする。
【0029】
このように、図5のような構成とすることで、送信側非漏洩同軸ケーブル103から受信側非漏洩同軸ケーブル106まで含めた温度特性変化、経年特性変化を監視し、補正することができ、かつ送信部104、受信部107、送信側非漏洩同軸ケーブル103、受信側非漏洩同軸ケーブル106の健全性を監視することができる。このことにより、誤検知や非検知となる恐れを無くし、短周期でのメンテナンスが不要になるとともに、前記支障物検知装置の健全性を監視することが出来る。
【0030】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2では、伝送路を送信部104と受信部107の間(伝送路110)、および送信側非漏洩同軸ケーブル103と受信側非漏洩同軸ケーブル106の間(伝送路501)に設置したが、この伝送路を送信側漏洩同軸ケーブル101と受信側漏洩同軸ケーブル102の間に設置してもよい。
【0031】
図7は、この発明の実施の形態3を示す機能を持った支障物検知装置のブロック構成図である。
図7において、伝送路(3)701は送信側漏洩同軸ケーブル101と受信側漏洩同軸ケーブル102の間をつなぐ伝送路であり、図1、図5に示す送信側終端器105および受信側終端器108を外したところに伝送路(3)701を設置する。その他構成物は図5に示す構成と変化が無いため、説明を省略する。
【0032】
図7において、送信側非漏洩同軸ケーブル103より送信された検知信号S103は送信側漏洩同軸ケーブル101に到達する。送信側漏洩同軸ケーブル101に到達した検知信号は、支障物検知として送信側漏洩同軸ケーブル101から電波として放射され、受信側漏洩同軸ケーブル102に到達するもの(S105)と、伝送路(3)701に到達するものがある。伝送路(3)701に到達した検知信号(S104、S106)は、受信側漏洩同軸ケーブル102から受信側非漏洩同軸ケーブル106を介して受信部107に到達する。受信部107に到達した同信号S108は受信部構成物を通過して、遅延時間・電力計測部109に到達する。
このことにより、送信側漏洩同軸ケーブル101から受信側漏洩同軸ケーブル102の健全性を監視することが可能となる。また、支障物侵入位置の精度補正を行うことが可能となる。
【0033】
図8は実施の形態3の検波による監視チャートである。
図8において、図6にて示している検波、監視ブロックについては説明を省く。
伝送路(3)の経路を辿った信号の電力検波801を行った後は、この値を一定時間保持するもの802と被測定値として比較803するものに分ける。比較803は、逐次受信する伝送路(3)の経路を辿った信号の検波値801と一定時間保持802された検波電力の出力値804の比較を行う。
比較803の結果、検波5と検波6の差が任意の閾値よりも大きいと判断されなかった場合は何もしない。
【0034】
次に、比較803の結果、検波5と検波6の差が任意の閾値よりも大きいと判断された場合を示す。この場合は異常警報806を出力する。このことにより、ユーザー側は何らかの異常が検知装置で発生したことを認識できる。
その後、前記異常警報806、610、611により異常箇所を特定する。まず、異常警報806、610の積を取得する。異常警報の積が0の場合、送信側漏洩同軸ケーブル101もしくは受信側漏洩同軸ケーブル102の異常である旨の警報を出して807検知信号(検知動作)をストップする。次に、異常警報806、610の積が1の場合、異常警報611との積を取得する。この積が0の場合は送信側非漏洩同軸ケーブル103もしくは受信側非漏洩同軸ケーブル106が異常である旨の警報613を出して検知信号(検知動作)をストップする。最後に、異常警報806、610、611の積が1の場合は、送信部104もしくは受信部107が異常である旨の警報を出して検知信号(検知動作)をストップする。
【0035】
図9は実施の形態3の検波による支障物侵入位置の精度補正に関する説明図である。
図9では、実施の形態3で示した構成図の他に、各遅延時間(または、距離)に対する検波値を示している。
伝送路110の検波値S312に該当する距離901、伝送路(2)501の検波値S901に該当する距離902、受信側漏洩同軸ケーブル101から受信側漏洩同軸ケーブル102の経路を辿った検波値S313に該当する距離903〜904、そして、伝送路(3)701の検波値S902に該当する距離904において、903〜904は支障物検知範囲である。
そこで、S901およびS902(902〜904)を用いて前記支障物検知装置の検知位置の精度補正を行う。
まず、伝送路(2)501と伝送路(3)701の間の送信側漏洩同軸ケーブル101と受信側漏洩同軸ケーブル102の長さは既知である。次に、遅延時間・電力計測部109から伝送路(2)までの距離902をX0[m]、遅延時間・電力計測部109から伝送路(3)までの距離904をX1[m]とした場合、X0[m]からX1[m]までの距離は漏洩同軸ケーブル101、102と同じである。そこで、検波値より得られる距離902、904を既知である漏洩同軸ケーブル長(X0−X1)[m]で補正することで、支障物検知範囲の全長を定めることができ、902と904の間を等分することで、支障物が侵入した場合の検知位置を精度補正することができる。
【0036】
このように、図7のような構成とすることで、送信側非漏洩同軸ケーブル103から受信側非漏洩同軸ケーブル106まで含めた温度特性変化、経年特性変化を監視し、補正することができ、かつ送信部104、受信部107、送信側非漏洩同軸ケーブル103、受信側非漏洩同軸ケーブル106、送信側漏洩同軸ケーブル101、受信側漏洩同軸ケーブル102の健全性を監視することができる。このことにより、誤検知や非検知となる恐れを無くし、短周期でのメンテナンスが不要になるとともに、前記支障物検知装置の健全性を監視することが出来る。
同様に、図7のような構成とすることで、支障物侵入検知位置の精度補正を行うことができる。
【0037】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3では、伝送路を送信部104と受信部107の間(伝送路110)、送信側非漏洩同軸ケーブル103と受信側非漏洩同軸ケーブル106の間(伝送路501)、および送信側漏洩同軸ケーブル101の終端部と受信側漏洩同軸ケーブル102の間(701)に設置したが、この伝送路を送信側漏洩同軸ケーブルと受信側漏洩同軸ケーブルのグレーディング箇所に設置してもよい。
なお、本件におけるグレーディングとは、特性の異なるケーブルを使用して放射する検知信号の電界強度、あるいは受信する検知異信号の電界強度をある値以上に保つための手法であり、詳細は後述する。
【0038】
図10は、この発明の実施の形態4を示す機能を持った支障物検知装置のブロック構成図である。
図10において、送信側漏洩同軸ケーブル(1)101は図1、5、7で示した送信側漏洩同軸ケーブル101と同様、受信側漏洩同軸ケーブル(2)102も図1、5、7で示した受信側漏洩同軸ケーブル102と同様のものである。次に、送信側漏洩同軸ケーブル(2)1001は送信側漏洩同軸ケーブル(1)101と伝送路(3)701の間に設置し、受信側漏洩同軸ケーブル1002は伝送路(3)701と受信側漏洩同軸ケーブル102の間に設置する。伝送路(4)1003は送信側漏洩同軸ケーブル(1)101と送信側漏洩同軸ケーブル(2)1001の間のS1001と受信側漏洩同軸ケーブル(1)102と受信側漏洩同軸ケーブル(2)1002の間S1002をつなぐ伝送路である。その他の構成物は図7に示す構成物と変化が無いため、説明を省略する。
【0039】
まず、グレーディングについて説明する。
通常、前記支障物検知装置の送信側漏洩同軸ケーブルは、前記監視区域を広げるために特性の異なるケーブルを直列に接続して使用する。これは、同ケーブルの特徴として、放射する電波の量(以降、放射量)と伝送距離に対する電力の減衰量(以降、伝送損失)がトレードオフの関係にあるため、一本のケーブルでは、放射する電波を多くして、かつケーブルの後段まで多くの電力を伝送することができない。そこで、「放射する電波を多くする」ことと「ケーブル後段まで多くの電力を伝送する」ことを実現するためにグレーディングを行う。
グレーディングを行う際の構成は、信号発生源に近い側の送信側漏洩同軸ケーブル(図7の103)には、到達する検知信号の電力が大きいく、かつ後段の送信側漏洩同軸ケーブル(図7の1001)に多くの電力を伝送する必要があるため、放射量が少なく、かつ伝送損失の小さいケーブルを使用する。次に、信号発生源から遠い側の送信側漏洩同軸ケーブル(図7の1001)には、到達する検知信号の電力は小さく、かつ同ケーブル以降に電力を伝送する必要がないため、放射量が大きく、かつ伝送損失の大きいケーブルを使用する。このような構成にすることで、ケーブルからの放射量をある値以上に保つことのできる距離を長くすることができ、一本のケーブルを使用した場合に比べて前期監視区域を広げることができる。
【0040】
上記構成では送信側の漏洩同軸ケーブルについて説明を行ったが、受信側漏洩同軸ケーブルのグレーディングでも同様の効果を得ることができる。また、送・受信の漏洩同軸ケーブルをグレーディングしても同様の効果を得ることができる。
【0041】
図10において、送信側漏洩同軸ケーブル(1)101へ到達した検知信号は、支障物検知として送信側漏洩同軸ケーブル(1)101から電波として放射され、受信側漏洩同軸ケーブル(1)102に到達するもの(S105)と、後段側の送信側漏洩同軸ケーブル(2)1001に伝送されるもの(S1001)がある。後段側の送信側漏洩同軸ケーブルに到達した検知信号は、支障物検知として送信側漏洩同軸ケーブル(2)1001から電波として放射され、受信側漏洩同軸ケーブル(2)1002に到達するもの(S1005)と、前記の通り、検知精度向上、および異常箇所検出のために伝送路(3)に伝送されるもの(S104)がある。
この中で、後段側の送信側漏洩同軸ケーブル(2)1001に到達する検知信号の一部は伝送路(4)1005に到達する。伝送路(4)1005に到達した検知信号(S1003、S1004)は、受信側漏洩同軸ケーブル(1)102から受信側非漏洩同軸ケーブル(1)106を介して受信部107に到達する。受信部107に到達した同信号S108は受信部構成物を通過して、遅延時間・電力計測部109に到達する。
このことにより、送信側漏洩同軸ケーブル(1)101から受信側漏洩同軸ケーブル(1)102の健全性を監視すること、および後段側の送信側漏洩同軸ケーブル(2)1001から後段側の受信側漏洩同軸ケーブル(2)1002の健全性を監視することが可能となる。
【0042】
図11は実施の形態4の異常箇所検出に関する監視チャート図である。
図11において、伝送路(1)の検波値1101の変化量(ΔP1)を測定1102してΔP1が任意の閾値1よりも大きいかを判断するもの1103と、伝送路(2)の検波値1104の変化量(ΔP2)を測定1105してΔP2が任意の閾値2よりも大きいかを判断するもの1106と、伝送路(3)の検波値1107の変化量(ΔP3)を測定1108してΔP3が任意の閾値3よりも大きいかを判断するもの1109と、伝送路(4)の検波値1110の変化量(ΔP4)を測定1111してΔP4が任意の閾値4よりも大きいかを判断するもの1112がある。
異常箇所の検出を行う場合は、どの変化量(ΔP1、ΔP2、ΔP3、ΔP4)が閾値(閾値1、閾値2、閾値3、閾値4)を超えたかによって判断する。
まず、S1110とS1111の積を演算する。結果が1でなければ、異常箇所は後段側漏洩同軸ケーブルである。次に、S1110とS1111の積が1である場合、S1115とS1116の積を演算する。結果が1でなければ、異常箇所は前段側漏洩同軸ケーブルであり、結果が1であれば、S1120との積を演算する。結果が1でなければ、異常箇所は非漏洩同軸ケーブルであり、1であれば異常箇所は送受信部である。
【0043】
このように、図10のような構成とすることで、グレーディングを行った場合でも送信側非漏洩同軸ケーブル103から受信側非漏洩同軸ケーブル106まで含めた温度特性変化、経年特性変化を監視し、補正することが出来、かつ送信部104、受信部107、送信側非漏洩同軸ケーブル103、受信側非漏洩同軸ケーブル106、送信側漏洩同軸ケーブル(1)101、送信側漏洩同軸ケーブル(2)1001、受信側漏洩同軸ケーブル(1)102、受信側漏洩同軸ケーブル(2)1002の健全性を監視することが出来る。このことにより、誤検知や非検知となる恐れを無くし、短周期でのメンテナンスが不要になるとともに、前記支障物検知装置の健全性を監視することが出来る。
【0044】
実施の形態5.
なお、上記実施の形態4では、伝送路を送信部104と受信部107の間(伝送路110)、送信側非漏洩同軸ケーブル103と受信側非漏洩同軸ケーブル106の間(伝送路501)、および送信側漏洩同軸ケーブル101の終端部と受信側漏洩同軸ケーブル102の間(701)、送信側漏洩同軸ケーブルと受信側漏洩同軸ケーブルのグレーディング箇所(伝送路1003)に設置したが、伝送路110の出力を遅延時間・電力計測部109に伝送してもよい。
【0045】
図12は、この発明の実施の形態5を示す機能を持った支障物検知装置のブロック構成図である。
図12において、伝送路110の出力は受信部107へ向かうS107と、遅延時間・電力計測部109に向かうS1201に分かれている。その他の構成物は図1に示す構成物と変化が無いため、説明を省略する。
【0046】
従来は、送信部104および受信部107の基本動作を診断する場合、送信部104の先に電力測定器(パワーメータ、またはスペクトラムアナライザ)を接続して送信部104の送信出力を測定しなければならなかった。また、受信部107の基本動作を診断する場合、送信部104と受信部107を外付け伝送路で接続し、送信部104から出力された送信出力を基に受信部107の基本動作を診断していた。
【0047】
図12において、送信部104から伝送路110へ到達する検知信号S110は、その後受信部107へ到達するもの(S111)と遅延時間・電力計測部109へ到達するもの(S1201)に分かれる。受信部107へ到達するもの(S111)は、前記の通り送信部104、受信部107の監視、補正に用いられるが、遅延時間・電力計測部へ到達するもの(S1201)を用いることで、前記支障物検知装置の送信部104および受信部107の自己診断を行うことができる。
【0048】
図13は従来の基本動作診断フロー図と実施の形態5での基本動作診断フロー図である。
図13において、従来の基本動作診断フローは診断開始1301から送信部診断1302を実施する場合、送信部診断を行うための送信部診断構成の構築1303を行わなければならない。送信部診断構成構築1303が終わると送信部診断1304を開始する。送信診断部が終了1305すると、次は受信部診断1306を行う。受信部診断1306を行うには、送信部診断の場合と同様に受信部診断構成を構築1307しなければならない。受信部診断構成構築1307が終わると受信部診断1308を開始する。受信診断部が終了1309すると、全ての基本動作診断は終了1310する。なお、それぞれの基本動作診断は診断プログラム基づいて自動で実施する。
従来の基本動作診断では、送信診断を実施してから受信診断を実施しなければならない他、送信部診断構成構築1303、受信部診断構成構築1307は検知装置以外の構成物を用意しなければならず、合わせて構成構築を人の手で行わなければならなかった。
【0049】
次に、本実施の形態の基本動作診断フローについて説明する。
診断を開始1301すると、並行して送信部診断1302、受信部診断1306を実施する。送信部診断1302は送信部診断を開始1304し、受信部診断1306を開始して、送信部診断が終了1305、受信部診断が終了1309し、全ての基本動作診断が終了1301する。
このように、本実施の形態による基本動作診断は、送信部診断1302と受信部診断1306を同時に行うことが出来る。これは、図12に示す伝送路110があるため、S1201による送信部診断、S111による受信部診断を行うことができる他、送・受の試験構成を外部で構築する必要が無いためである。
また、本実施の形態による基本動作診断は、人の手を介在しない。このことにより、試験構成誤りや、試験員の負担低減を図ることが出来る。
【0050】
このように、図13のような構成とすることで、基本動作診断を容易に、確実に、低負担、短時間で行うことが出来る。
【0051】
なお、前述の実施の形態1〜5は、前述のように、以下の特徴を有しているともいえる。
特徴1:支障物監視区域の両側に漏洩同軸ケーブルを平行に敷設し、一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射し、前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて、前記支障物監視区域内の支障物を検知する装置であって、
前記一方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、所定の擬似雑音符号でスペクトル拡散された信号を電波として送信する電波送信手段と、
前記他方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、電波を受信する電波受信手段と、
前記電波受信手段で受信した受信電波の電力レベルを測定し、前記受信電波の電力レベルに基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する検知手段と、
前記電波送信手段と前記電波受信手段との間を繋ぐ手段(送信機から受信機へ直接信号を通す伝送路(前記両漏洩同軸ケーブルを通らない伝送路))とを備え、
送信機から受信機に到達してから演算器に到達するまでの電力を時間軸上に一定にして上記支障物検知装置の検知精度を向上させるたことを特徴とする支障物検知装置。
特徴2:支障物監視区域の両側に漏洩同軸ケーブルを平行に敷設し、一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射し、前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて、前記支障物監視区域内の支障物を検知する装置であって、
前記一方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、所定の擬似雑音符号でスペクトル拡散された信号を電波として送信する電波送信手段と、
前記他方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、電波を受信する電波受信手段と、
前記電波受信手段で受信した受信電波の電力レベルを測定し、前記受信電波の電力レベルに基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する検知手段と、
前記両漏洩同軸ケーブルの前段で前記電波送信手段と前記電波受信手段との間を繋ぐ手段と
を備えたことを特徴とする支障物検知装置。
特徴3:支障物監視区域の両側に漏洩同軸ケーブルを平行に敷設し、一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射し、前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて、前記支障物監視区域内の支障物を検知する装置であって、
前記一方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、所定の擬似雑音符号でスペクトル拡散された信号を電波として送信する電波送信手段と、
前記他方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、電波を受信する電波受信手段と、
前記電波受信手段で受信した受信電波の電力レベルを測定し、前記受信電波の電力レベルに基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する検知手段と、
前記両漏洩同軸ケーブルの後段で前記電波送信手段と前記電波受信手段との間を繋ぐ手段と
を備えたことを特徴とする支障物検知装置。
特徴4:支障物監視区域の両側に漏洩同軸ケーブルを平行に敷設し、一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射し、前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて、前記支障物監視区域内の支障物を検知する装置であって、
前記一方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、所定の擬似雑音符号でスペクトル拡散された信号を電波として送信する電波送信手段と、
前記他方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、電波を受信する電波受信手段と、
前記電波受信手段で受信した受信電波の電力レベルを測定し、前記受信電波の電力レベルに基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する検知手段と、
前記両漏洩同軸ケーブルの前段と後段で前記電波送信手段と前記電波受信手段との間を繋ぐ手段と、
を備えたことを特徴とする支障物検知装置。
特徴5:支障物監視区域の両側に漏洩同軸ケーブルを平行に敷設し、一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射し、前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて、前記支障物監視区域内の支障物を検知する装置であって、
前記一方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、所定の擬似雑音符号でスペクトル拡散された信号を電波として送信する電波送信手段と、
前記他方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、電波を受信する電波受信手段と、
前記電波受信手段で受信した受信電波の電力レベルを測定し、前記受信電波の電力レベルに基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する検知手段と、
前記両漏洩同軸ケーブルの前段と後段で前記電波送信手段と前記電波受信手段との間を繋ぐ手段と、
前記両漏洩同軸ケーブルの中段で前記電波送信手段と前記電波受信手段との間を繋ぐ手段と、
を備えたことを特徴とする支障物検知装置。
特徴6:支障物監視区域の両側に漏洩同軸ケーブルを平行に敷設し、一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射し、前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて、前記支障物監視区域内の支障物を検知する装置であって、
前記一方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、所定の擬似雑音符号でスペクトル拡散された信号を電波として送信する電波送信手段と、
前記他方の漏洩同軸ケーブルの一端に接続され、電波を受信する電波受信手段と、
前記電波受信手段で受信した受信電波の電力レベルを測定し、前記受信電波の電力レベルに基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する検知手段と、
前記電波送信手段と前記電波受信手段との間を繋ぐ手段と
前記電波送信手段を検波する手段と
を備えたことを特徴とする支障物検知装置。
【符号の説明】
【0052】
101 送信側漏洩同軸ケーブル、
102 受信側漏洩同軸ケーブル、
103 送信側非漏洩同軸ケーブル、
104 送信部、
105 送信側終端器、
106 受信側非漏洩同軸ケーブル、
107 受信部、
108 受信側終端器、
109 遅延時間・電力計測部、
110 伝送路、
201 送信側ミキサ部、
202 送信側フィルタ部、
203 送信側アンプ部、
204 減衰器部、
205 受信側アンプ部、
206 受信側フィルタ部、
207 受信側ミキサ部、 301 伝送路(1)検波値、
302 漏洩同軸ケーブル検波値、
401 検知信号受信、
402 受信部構成物通過、
403 電力検波(検波1)、
404 一定時間保存、
405 比較、
406 検波電力出力(検波2)、
407 「差異」判断、
408 送信部構成物通過、
409 検知信号送信、
410 「検波1<検波2」判断、
411 アンプ部増加量を削減、
412 アンプ部増加量を追加、
501 伝送路(2)、
601 電力検波(検知3)、
602 一定時間保存、
603 比較、
604 検波電力出力(検波4)、
605 「差異」判断、
606 異常警報なし、
607 「検波3<<検波4」判断、
608 「検波3<検波4」判断、
609 「検波1<<検波2」判断、
610 異常警報あり、
611 異常警報あり、
612 送・受信部異常、
613 非漏洩同軸ケーブル異常、
614 検知信号ストップ、
701 伝送路(3)、
801 電力検波(検波5)、
802 一定時間保存、
803 比較、
804 検波電力出力(検波6)、
805 「検波5<<検波6」判断、
806 異常警報あり、
807 漏洩同軸ケーブル異常、
901 伝送路(2)検波値、
902 漏洩同軸ケーブル先頭部検波値、
903 伝送路(3)検波値、
1001 送信側漏洩同軸ケーブル(2)、
1002 受信側漏洩同軸ケーブル(2)、
1003 伝送路(4)、
1101 伝送路(1)の検波値、
1102 変化量(ΔP1)の測定、
1103 ΔP1>>閾値1、
1104 伝送路(2)の検波値、
1105 変化量(ΔP2)の測定、
1106 ΔP2>>閾値2、
1107 伝送路(3)の検波値、 1108 変化量(ΔP3)の測定、
1109 ΔP3>>閾値3、
1110 伝送路(4)の検波値、
1111 変化量(ΔP4)の測定、
1112 ΔP4>>閾値4
1113 後段側漏洩同軸ケーブル異常、
1114 前段側漏洩同軸ケーブル異常、
1201 送信部→遅延時間・電力計測部伝送路、
1301 診断開始、
1302 送信部診断、
1303 送信部診断構成構築、
1304 送信部診断開始、
1305 送信部診断終了、
1306 受信部診断、
1307 受信部診断構成構築、
1308 受信部診断開始、
1309 受信部診断終了、
1310 診断終了。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支障物監視区域の両側に敷設された漏洩同軸ケーブル、および前記両側に敷設された漏洩同軸ケーブルのうち一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射させ前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する支障物検知装置を備えた支障物検知システムであって、前記支障物検知装置における前記一方の漏洩同軸ケーブルへ前記電波を送信する電波送信手段と前記支障物検知装置における前記他方の漏洩同軸ケーブルが入射した電波を受信する電波受信手段とを繋ぐ手段を備えていることを特徴とする支障物検知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の支障物検知システムにおいて、前記支障物検知装置が、前記繋ぐ手段を通る電波に基づいて前記電波送信手段の出力レベルを検知し、前記電波送信手段の出力を所定レベルに補正することを特徴とする支障物検知システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の支障物検知システムにおいて、更に、前記一方の漏洩同軸ケーブルと前記他方の漏洩同軸ケーブルとを、前記支障物検知装置に近い側で繋ぐ手段も備えていることを特徴とする支障物検知システム。
【請求項4】
請求項3に記載の支障物検知システムにおいて、更に、前記一方の漏洩同軸ケーブルと前記他方の漏洩同軸ケーブルとを、前記支障物検知装置から遠い側で繋ぐ手段も備えていることを特徴とする支障物検知システム。
【請求項5】
請求項4に記載の支障物検知システムにおいて、更に、前記一方の漏洩同軸ケーブルと前記他方の漏洩同軸ケーブルとを、それらの中間部で繋ぐ手段も備えていることを特徴とする支障物検知システム。
【請求項6】
支障物監視区域の両側に敷設された漏洩同軸ケーブルのうち一方の漏洩同軸ケーブルから他方の漏洩同軸ケーブルに向けて電波を放射させ前記他方の漏洩同軸ケーブルに入射した電波に基づいて前記支障物監視区域内の支障物を検知する支障物検知装置であって、前記支障物検知装置における前記一方の漏洩同軸ケーブルへ前記電波を送信する電波送信手段と前記支障物検知装置における前記他方の漏洩同軸ケーブルが入射した電波を受信する電波受信手段とを繋ぐ手段を備えていることを特徴とする支障物検知装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−234842(P2010−234842A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82400(P2009−82400)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】