説明

改良型GPSレシーバを使用して通信を保全するためのシステムおよび方法

【課題】安全な位置情報の通信のための改良型GPSレシーバを提供する。
【解決手段】GPSレシーバは、GPS信号受信ユニットとGPS信号処理ユニットと暗号化モジュールとを含む。GPS信号受信ユニットは、GPS信号を受信するために使用される。GPS受信ユニットに結合されたGPS信号処理ユニットは、モバイルデバイスの位置情報を取得するために使用される。暗号化モジュールは、GPSレシーバに埋め込まれたGPSチップ識別番号を暗号化キーとして使用することによって、位置情報を暗号化する。GPSレシーバは、暗号化の前に位置情報を圧縮するための圧縮モジュールをさらに任意で含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信を保全することに関し、より詳細には、改良型GPSレシーバを使用して、位置ベースのデータ通信を保全することに関する。
【背景技術】
【0002】
汎地球測位システム(GPS)の出現とともに、子ども、高齢者、旅行者、有価資産等の物体または人の位置を突き止め、追跡することが可能なモバイルデバイスに対する要求が高まっている。GPSレシーバは、モバイルデバイスで最も一般的に使用されている。GPSレシーバは、GPS衛星からGPS信号を受信して、受信されたGPS信号に基づきモバイルデバイスの位置を判定することができる。位置情報はモバイルデバイスの中のGPSレシーバに結合された送信ユニットによって、監視端末または制御センターなどの端末に送信されることがある。その結果、監視端末または制御センターは、受信された位置情報による対応する応答または指示を、自動車、携帯電話等のモバイルデバイスを携帯しているか、またはモバイルデバイスの内部にある物体または人に提供することができる。
【0003】
GPSレシーバの使用法の1つの例は、子どもがGPSレシーバを装備した携帯電話を携帯している場合に、親が子どもを追跡するというものである。GPSレシーバは、子どもの位置を判定するために使用される。したがって子どもの位置情報は、ワイヤレスネットワークを介して携帯電話を通じて、ショートメッセージサービス(SMS)によって送信される。親の側では、父親または母親もSMSメッセージに関連する位置情報を受信することが可能な携帯電話を持っている。その結果、親は自分の子どもの位置を監視し、追跡することができる。
【0004】
GPSレシーバの使用法の別の例は、車両制御システムである。車両制御センターはすべての車両が所定の地理的境界内にあることを確認するために、タクシー、配達用トラック等の全車両の位置情報を収集する必要がある。さらに制御センターは、これらの収集された位置情報に応じて、全車両を配車することができてもよい。通常、全車両のうちの各車両は、位置情報を取得するためにGPSレシーバが装備されている。そのような位置情報は、各車両の送信デバイスによって制御センターに送信される。制御センターは位置情報を受信した後、位置情報を分析して指示を関連の車両に送信し、それらの経路を制御する。
【0005】
しかしながら、GPS位置情報を送信するための従来の通信方法には、いくつかの問題がある。位置情報は電波を介して送信されるので、望ましくない干渉または妨害の影響を受けやすい。何らかの識別プロセスまたは暗号化プロセスを用いない限り、位置情報は簡単に他人によって受信されることが可能であり、それによってセキュリティ問題が生じる。その上、受信側がデータの送信者の識別を要求しない場合、GPS位置のスプーフィング(spoofing)が生じることがある。問題を解決する中で、市場に出ている一部のモバイルデバイスは暗号化機能を提供する。これらのモバイルデバイスは、GPSレシーバが装備されている場合、GPSレシーバから受信された位置情報を暗号化し、対象とされるレシーバに暗号化された位置情報を送信することができるので、したがってデータ通信のセキュリティを向上させる。しかしながら、この方法に伴う問題は、暗号化モジュールがモバイルデバイスの中に集積されているということである。GPSレシーバ自体は暗号化モジュールを含まない。このGPSレシーバが別のモバイルデバイスに設置される場合、そのモバイルデバイスも暗号化モジュールを提供しない限り、暗号化が実行されないことから送信中のGPS位置情報は公になってしまう。しかしながら、暗号化モジュールがモバイルデバイスではなくGPSレシーバの中に集積されているのであれば、それがたとえどんなモバイルデバイスに取り付けられていても、暗号化機能がGPSレシーバの中に集積されているということから、位置情報は暗号化されることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明が主に目的とするのは、柔軟なアプリケーションを用いて安全なデータ通信ための暗号化機能を提供することができる改良型GPSレシーバである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は好都合にも、改良型GPSレシーバを使用したワイヤレス通信ネットワークにおける安全な位置情報の送信のための方法およびシステムを提供する。その結果、柔軟なアプリケーションを用いた安全な位置情報の通信が達成されることが可能となる。
【0008】
1つの実施形態では、モバイルデバイスと端末との間でデータを通信するための方法が提供される。この方法は、モバイルデバイスの位置を表す位置情報をモバイルデバイスの中のGPSレシーバから取得することを含む。この方法は、GPSレシーバからGPSチップ識別番号を取得することと、位置情報を暗号化するための暗号化キーとしてGPSチップ識別番号をGPSレシーバで使用することと、暗号化された位置情報を生成することと、暗号化された位置情報をモバイルデバイスで送信することと、暗号化された位置情報を端末で受信することと、暗号化された位置情報を解読するための解読キーとしてGPSチップ識別番号を端末で使用することと、位置情報を端末で取得することとをさらに含む。
【0009】
さらに別の実施形態では、改良型GPSレシーバが提供される。このGPSレシーバは、GPSレシーバを識別するための固有のGPSチップ識別番号を有する。このGPSレシーバはGPS信号受信ユニットとGPS信号処理ユニットと暗号化モジュールとを含む。このGPS信号受信ユニットは、GPS衛星からGPS信号を受信するために使用される。このGPS信号処理ユニットはGPS信号受信ユニットに結合され、GPS信号を処理し、GPSレシーバの位置情報を取得するために使用される。この暗号化モジュールはGPSチップ識別番号を暗号化キーとして使用することによって位置情報を暗号化し、暗号化された位置情報を生成するために使用される。
【0010】
さらに別の実施形態では、モバイルデバイスが提供される。このモバイルデバイスはGPSレシーバと送信ユニットと表示ユニットとを含む。このGPSレシーバは、固有のGPSチップ識別番号を有する。このGPSレシーバは、GPS信号受信ユニットとGPS信号処理ユニットと暗号化モジュールとを含む。このGPS信号受信ユニットは、GPS衛星からGPS信号を受信する。GPS信号処理ユニットはGPS信号受信ユニットに結合され、GPS信号を処理し、GPS信号からGPSレシーバの位置情報を取得するために使用される。この暗号化モジュールは、GPSチップ識別番号を暗号化キーとして使用することによって位置情報を暗号化し、暗号化された位置情報を生成するために使用される。この送信ユニットはGPSレシーバに結合され、ワイヤレスネットワークを介して暗号化された位置情報を送信するために使用される。この表示ユニットはGPSレシーバに結合され、位置情報を表示するために使用される。
【0011】
さらに別の実施形態では、位置監視システムが提供される。この位置監視システムはモバイルデバイスと、モバイルデバイスを監視するための端末とを含む。このモバイルデバイスは、固有のGPSチップ識別番号を有するGPSレシーバと、GPSレシーバに結合された第1送信ユニットとを含む。このGPSレシーバは、GPS衛星からGPS信号を受信するためのGPS信号受信ユニットと、GPS信号を処理し、GPSレシーバの位置情報を取得するためのGPS信号受信ユニットに結合されたGPS信号処理ユニットと、GPSチップ識別番号を暗号化キーとして使用することによって位置情報を暗号化し、暗号化された位置情報を生成するための暗号化モジュールとを含む。この第1送信ユニットは、ワイヤレスネットワークを介して暗号化された位置情報を送信するために使用される。この端末は暗号化された位置情報を受信するための第1受信ユニットと、GPSチップ識別番号を解読キーとして使用することによって暗号化された位置情報を解読するための第1受信ユニットに結合された第1解読モジュールとを含む。
【0012】
同じコードが同じ要素を示す図面を参照して、以下の詳細な説明が進行するにつれて、発明の実施形態の特徴および利点が明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の1つの実施形態による位置監視システム100の構造を示す。システム100はモバイルデバイス102と、(端末または制御センターとしても知られる)監視端末108とを含む。モバイルデバイス102は自動車、携帯情報端末または携帯電話等であることが可能である。動作中、監視端末108はモバイルデバイス102から送信された位置情報を受信することによって、モバイルデバイス102を監視する。位置情報を受信すると、監視端末108は、さらなる処置のために応答信号または制御信号をモバイルデバイス102に送信することが可能であってもよい。
【0014】
モバイルデバイス102はGPSレシーバ104と、GPSレシーバ104に結合された送信ユニット106とを少なくとも含む。GPSレシーバ104は、複数のGPS衛星から送信されたGPS信号を取得する。GPS信号を取得した後、GPSレシーバ104はさらにGPS信号を追跡し、GPS信号を処理し、モバイルデバイス102の現在の位置を示す位置情報を生成する。モバイルデバイスの中の送信ユニット106は、GPSレシーバによって受信された位置情報を、ワイヤレスネットワークを介して監視端末に送信する。ワイヤレスネットワークはGSM(モバイル通信用グローバルシステム)ネットワーク、GPRS(汎用パケット無線サービス)ネットワーク、およびCDMA(コード分割多重アクセス)ネットワーク等を含むが、それらに限定されるわけではない。監視端末108はモバイルデバイス102の位置情報を受信し、さらに受信された位置情報に基づいて、ワイヤレスネットワークを介してモバイルデバイス102に命令(図1に図示せず)を送信することが可能であってもよい。位置情報は、SMS(ショートメッセージサービス)モジュールを用いるか、またはモバイルデバイスのシリアルポートを通じて送信されることが可能である。一部の実施形態では、モバイルデバイス102は位置情報を表示するための表示ユニットをさらに含んでもよい。
【0015】
モバイルデバイス102は、監視端末108から命令または応答を受信するために受信ユニット(図1に図示せず)をさらに含んでもよいことが、当業者には理解されよう。さらに、位置監視システム100は複数のモバイルデバイスを支援してもよいことに留意されたい。すべてのモバイルデバイスは、それらの対応する位置情報を監視端末108に送信してもよい。したがって、複数のモバイルデバイスのたどった経路は、監視端末によって十分に監視されることができる。さらに監視端末はまた、GPSレシーバと、応答メッセージまたは送信ユニット自体の位置を示す位置情報をモバイルデバイス102に送信するための送信ユニットと、モバイルデバイス102から位置情報を受信するための受信ユニットとを有する他のモバイルデバイスの形態であってもよい。
【0016】
好都合にも、GPSレシーバ104は本発明の1つの実施形態による改良型レシーバである。このレシーバは、少なくとも1つの、GPSチップ識別番号をキーとして使用する位置情報を暗号化するための暗号化モジュールを提供する。以下の記載は、本発明のこの実施形態の実装の詳細な説明である。
【0017】
図2は、システム100の詳細なブロック図である。GPSレシーバ104は、GPS信号受信ユニット204とGPS信号処理ユニット206と任意の圧縮モジュール208と暗号化モジュール210とを含む。GPS信号受信ユニット204はGPS信号を受信し、GPS信号の周波数を中間周波数レベルに変換する。受信ユニット204は、当業者によって知られているRFフロントエンドモジュールであることが可能である。GPS信号受信ユニット204に結合されたGPS信号処理ユニット206は、GPS信号をさらに処理するために使用される。処理ユニット206は、当業者によって知られている取得モジュール、追跡モジュールおよび後処理モジュールなどの複数のモジュールを含んでもよい。受信されたGPS信号に基づいて、処理ユニット206はユーザの現在位置か、またはモバイルデバイス102の位置を表す位置情報を出力してもよい。
【0018】
通常、信号処理ユニット204とGPS信号受信ユニット206とはGPSチップの中に集積されている。GPSチップはGPSの販売業者によって与えられ、GPSチップのフラッシュメモリの中に恒久的に記憶される固有の番号を有する。この番号は、GPSレシーバシステムからユーザによって要求されることが可能である。この固有の番号は、本明細書ではGPSチップ識別番号と呼ばれる。
【0019】
図3は、GPSチップ識別番号のコード構造を示す。1つの実施形態では、このGPS識別番号は64ビットのデータ長を有するデジタル番号であることが可能である。この番号は2つの部分を含む。高位の16ビットは販売業者IDを表し、下位の48ビットは各々のGPSチップを識別するために使用される。その結果GPSチップ識別番号は、各GPS販売業者によって製造された各GPSチップを固有に識別することができる。好都合にも、本発明はGPSレシーバの暗号化モジュール210の中で位置情報を暗号化するために、暗号化キーとしてGPSチップ識別番号を利用する。許可された受信端末だけがGPSチップ識別番号を知る。これらの受信端末は位置情報を解読するために、解読コードとしてこの識別番号を使用してもよい。したがって、GPSチップ識別番号を暗号化キーまたは解読キーとして使用することによって、位置情報は対象とされる受信端末に受信され、解読されるまで、秘密にしておくことができる。その結果、安全なデータ通信が実現されることができる。この場合、監視端末はあらかじめすべてのモバイルデバイスのGPSチップ識別番号を有している。したがって、監視端末は各モバイルデバイスから安全に位置情報を受信することができることになる。
【0020】
GPSチップ識別番号を取得するために2つの方法が存在する。GPSソフトウェアは、GPSシステムが最初に立ち上げられるときに、GPSチップからGPSチップ識別番号を取得するために使用されてもよい。代替として、GPSユーザは事前に定義された固有の識別番号を設定し、それをGPSチップ識別番号としてGPSシステムにアップロードしてもよい。
【0021】
図2に戻ると、送信データの大量の処理高を届けるために、本発明は暗号化モジュール210の前に、任意で圧縮モジュール208を提供する。圧縮モジュール208は信号処理ユニット206から位置情報を受信して、位置情報を圧縮し、圧縮された位置情報を暗号化モジュール210に届ける。1つの実施形態では、圧縮アルゴリズムはLMZA(レンペル-ジブ変更圧縮アルゴリズム)(Lempel and Ziv Modified Compression Algorithm)であることが可能である。LZMAは高い圧縮率と非常に高速の解凍とを提供するので、埋め込み式のアプリケーションに非常に適している。当然のことながら、圧縮は暗号化の後に実行されることも可能であるが、受信端末では解凍が解読の前に実行されることが可能であることに留意されたい。しかしながら、データ長は図2で説明されている方法と比較すると、より長くなる。
【0022】
暗号化モジュール210は圧縮位置情報を受信し、GPSチップ識別番号を暗号化キーとして使用して位置情報を暗号化し、暗号化された位置情報を送信ユニット106に送信する。1つの実施形態では、ユーザは暗号化機能を使用可能にすることか、または暗号化機能を使用停止にすることを都合よく選んでもよい。ワイヤレスネットワークのアプリケーションでは、対称の暗号化アルゴリズムが好ましい。対称の暗号化アルゴリズムはDES(データ暗号化規格)アルゴリズムおよびMD5アルゴリズム(メッセージダイジェストアルゴリズム、バージョン5)等を含むが、それらに限定されるわけではない。さらに、より安全なデータ通信環境を有するために、WPKI(ワイヤレス公開キーインフラストラクチャ)が利用されることが可能である。WPKIは、ワイヤレスの商取引アプリケーションで通常使用される。好都合にも、高度なセキュリティ要請のために、本発明はGPS分野でこのアルゴリズムを採用する。
【0023】
監視端末108は受信ユニット212と解読モジュール214と任意の解凍モジュール216とを含む。受信ユニット212はモバイルデバイス102から送信された、暗号化された位置情報を受信する。解読モジュール214は暗号化された位置情報を受信し、GPSチップ識別番号を解読キーとして使用して位置情報を解読する。解凍モジュール216は位置情報が送信前に圧縮されている場合、解読モジュール214の出力を解凍することができる。データが解凍された後、位置情報は取得される。
【0024】
さらに別の実施形態では、監視端末108はモバイルデバイス102から位置情報を受信することができてよいだけではなく、メッセージ、命令、または位置情報を送信することができてもよい。この場合、監視端末は送信ユニットと任意の圧縮モジュールと、命令、メッセージまたは位置情報が保護される必要がある場合の任意の暗号化モジュールとをさらに含んでもよい。この場合、モバイルデバイス102は監視端末108から命令、メッセージ、または位置情報を受信するための受信ユニットをさらに含んでもよい。GPSレシーバ104は、監視端末からのデータを解読するための受信ユニットに結合された任意の解読モジュールと、それに従って監視端末からのデータを解凍するための任意の解凍モジュールとをさらに含んでもよい。
【0025】
先に述べたように、データはシリアルポートまたはSMSモジュールを通じて送信される。データは通信プロトコルによって交換される。図4は、本発明の1つの実施形態による送信中のデータの形式を示す通信プロトコルである。データ形式は開始フラグ、ペイロード長部分、ペイロード部分、終了フラグおよびチェックサム部分の複数の部分を含む。開始フラグは、メッセージの開始を表す1ビットのシンボルである。ペイロード長は、データの長さを示す2バイトのデータである。ペイロード部分は、暗号化されてもよいデータを含む。終了フラグは、メッセージの終了を表す1ビットのシンボルである。チェックサム部分は、データの確認を目的とする2バイトのデータである。ペイロード長、ペイロードおよびチェックサムデータ部分は、低位のバイトが最初に後に続く高位のバイトで送信される。
【0026】
図5は、本発明の1つの実施形態による安全な位置情報の通信のための流れ図である。モバイルデバイス側では、GPSレシーバはステップ502でGPS衛星からGPS信号を受信し、ステップ504でモバイルデバイスの位置情報を取得する。位置情報を取得した後、位置情報はステップ506で、GPSレシーバの中の圧縮モジュールにおいて任意で圧縮されることが可能である。位置情報を暗号化するために、ステップ508でGPSチップ識別番号が取得される。次いで、ステップ510で暗号化モジュールはGPSチップ識別番号を用いて位置情報を暗号化する。ステップ512で、暗号化モジュールに結合された送信ユニットは暗号化された位置情報をワイヤレスネットワークを介して送信する。受信端末(監視端末)では、ステップ514で受信端末の中の受信ユニットは暗号化された位置情報を受信する。次いで、ステップ516で解読モジュールは暗号化された位置情報を、同じGPSチップ識別番号を用いて解読する。送信前に位置情報が圧縮されている場合、ステップ518で受信端末の中の解凍モジュールは、圧縮された位置情報を解凍するために使用される。圧縮の後、位置情報はステップ520で取得されることが可能である。
【0027】
本明細書で用いられてきた用語および表現は、制限ではなく、説明の用語として使用されており、そうした用語および表現の使用において、示され、説明された機能(またはその部分)の任意の同等物を除外する意図はなく、特許請求の範囲内で様々な修正形態が可能であると認識される。その他の修正形態、変更形態、および代替形態もまた可能である。したがって特許請求の範囲は、そのような同等物のすべてを包含することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】位置監視システムの構造を示す図である。
【図2】本発明の1つの実施形態による、図1に示された位置監視システムの構造の詳細を示す図である。
【図3】GPSチップ識別番号のための例示的なコード構成を示す図である。
【図4】本発明の1つの実施形態による通信プロトコルのための例示的なデータ形式を示す図である。
【図5】本発明の1つの実施形態による安全な位置情報の通信のための流れ図である。
【符号の説明】
【0029】
100 位置監視システム
102 モバイルデバイス
104 GPSレシーバ
106 送信ユニット
108 監視端末
204 GPS信号受信ユニット
206 GPS信号処理ユニット
208 圧縮モジュール
210 暗号化モジュール
212 受信ユニット
214 解読モジュール
216 解凍モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎地球測位システム(GPS)レシーバを有するモバイルデバイスと遠隔端末との間で位置情報を通信するための方法であって、
前記GPSレシーバから前記モバイルデバイスの位置を表す位置情報を取得するステップと、
前記GPSレシーバからGPSチップ識別番号を取得するステップと、
前記GPSレシーバで、前記位置情報を暗号化して暗号化された位置情報にするために、前記GPSチップ識別番号を暗号化キーとして使用するステップと、
前記暗号化された位置情報を前記遠隔端末に送信するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記端末で、前記暗号化された位置情報を受信するステップと、
前記端末で、前記暗号化された位置情報を解読するために、前記GPSチップ識別番号を解読キーとして使用するステップと、
前記端末で、前記位置情報を取得するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置情報を暗号化する前に、前記位置情報を圧縮するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記GPSレシーバはGPSチップを有し、前記GPSチップは前記GPSチップ識別番号を有し、前記GPSチップ識別番号は各々のGPSチップを固有に識別することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記GPSチップ識別番号を取得することは、前記GPSチップの固有の識別番号を前記GPSチップ識別番号として提供することを含み、前記固有の識別番号は最初にGPSチップの販売業者によって提供されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記GPSチップ識別番号を取得するステップは、ユーザの定義する識別番号を前記GPSチップ識別番号として提供するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記暗号化は、データ暗号化規格(DES)の暗号化アルゴリズムに基づいて実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記暗号化は、ワイヤレス公開キーインフラストラクチャ(WPKI)の暗号化システムに基づいて実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記暗号化は、メッセージダイジェストアルゴリズム5(MD5)の暗号化アルゴリズムに基づいて実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
GPSチップ識別番号を有する汎地球測位システム(GPS)レシーバであって、
GPS衛星からGPS信号を受信するためのGPS信号受信ユニットと、
前記GPS信号を処理し、前記GPSレシーバの位置情報を取得するための、前記GPS信号受信ユニットに結合されたGPS信号処理ユニットと、
前記GPSチップ識別番号を暗号化キーとして使用し、暗号化された位置情報を生成することによって、前記位置情報を暗号化するための暗号化モジュールとを含むことを特徴とするレシーバ。
【請求項11】
前記レシーバはさらに送信ユニットに結合され、前記送信ユニットは前記暗号化された位置情報を受信して、前記暗号化された位置情報をワイヤレスネットワークを介して端末に送信することができることを特徴とする請求項10に記載のレシーバ。
【請求項12】
前記暗号化された位置情報は、ショートメッセージサービス(SMS)によって、前記ワイヤレスネットワークを介して送信されることを特徴とする請求項11に記載のレシーバ。
【請求項13】
前記GPSレシーバはGPSチップを有し、前記GPSチップは前記GPSチップ識別番号を有し、前記GPSチップ識別番号は各GPSチップを固有に識別することを特徴とする請求項10に記載のレシーバ。
【請求項14】
前記GPSチップ識別番号は、GPSの販売業者によって提供される固有の識別番号であることを特徴とする請求項13に記載のレシーバ。
【請求項15】
前記GPSチップ識別番号は、ユーザの定義する識別番号であることを特徴とする請求項13に記載のレシーバ。
【請求項16】
前記暗号化モジュールは、データ暗号化規格(DES)の暗号化アルゴリズムに基づいて実行されることを特徴とする請求項10に記載のレシーバ。
【請求項17】
前記暗号化モジュールは、ワイヤレス公開キーインフラストラクチャ(WPKI)の暗号化システムに基づいて実行されることを特徴とする請求項10に記載のレシーバ。
【請求項18】
前記暗号化モジュールは、メッセージダイジェストアルゴリズム5(MD5)の暗号化アルゴリズムに基づいて実行されることを特徴とする請求項10に記載のレシーバ。
【請求項19】
前記位置情報を圧縮し、圧縮された位置情報を取得して、前記圧縮された位置情報を前記暗号化モジュールに送信するための、前記GPS信号処理ユニットに結合された圧縮モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のレシーバ。
【請求項20】
GPS信号を受信し、前記受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出することができるモバイルデバイスであって、
GPS衛星からGPS信号を受信するためのGPS信号受信ユニットと、
前記GPS信号を処理し、前記GPS信号から前記GPSレシーバの位置情報を取得するための、前記GPS信号受信ユニットに結合されたGPS信号処理ユニットと、
GPSチップ識別番号を暗号化キーとして使用し、暗号化された位置情報を生成することによって、前記位置情報を暗号化するための暗号化モジュールと、
前記暗号化された位置情報をワイヤレスネットワークを介して送信するための、前記GPSレシーバに結合された送信ユニットと、
前記位置情報を表示するための、前記GPSレシーバに結合された表示ユニットとをさらに含む、GPSチップ識別番号を有するGPSレシーバを含むことを特徴とするモバイルデバイス。
【請求項21】
前記暗号化された位置情報は、ショートメッセージサービス(SMS)によって、前記ワイヤレスネットワークを介して送信されることを特徴とする請求項20に記載のモバイルデバイス。
【請求項22】
前記GPSレシーバはGPSチップを有し、前記GPSチップは前記GPSチップ識別番号を有し、前記GPSチップ識別番号は各GPSチップを固有に識別することを特徴する請求項20に記載のモバイルデバイス。
【請求項23】
前記暗号化モジュールは、データ暗号化規格(DES)の暗号化アルゴリズムに基づいて実行されることを特徴とする請求項20に記載のモバイルデバイス。
【請求項24】
前記暗号化モジュールは、ワイヤレス公開キーインフラストラクチャ(WPKI)の暗号化システムに基づいて実行されることを特徴とする請求項20に記載のモバイルデバイス。
【請求項25】
前記暗号化モジュールは、メッセージダイジェストアルゴリズム5(MD5)の暗号化アルゴリズムに基づいて実行されることを特徴とする請求項20に記載のモバイルデバイス。
【請求項26】
前記GPSレシーバは、前記位置情報を圧縮し、圧縮された位置情報を取得して、前記圧縮された位置情報を前記暗号化モジュールに送信するための、前記GPS信号処理ユニットに結合された圧縮モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のモバイルデバイス。
【請求項27】
GPSチップ識別番号を有する汎地球測位システム(GPS)レシーバであって、GPS衛星からGPS信号を受信するためのGPS信号受信ユニットと、前記GPS信号を処理し、前記GPSレシーバの位置情報を取得するための、前記GPS信号受信ユニットに結合されたGPS信号処理ユニットと、前記GPSチップ識別番号を暗号化キーとして使用することによって、前記位置情報を暗号化して暗号化された位置情報を生成するための暗号化モジュールとをさらに有するGPSレシーバと、
前記暗号化された位置情報をワイヤレスネットワークを介して送信するための、前記GPSレシーバに結合された第1送信ユニットとを含むモバイルデバイスと、
前記暗号化された位置情報を受信するための第1受信ユニットと、
前記GPSチップ識別番号を解読キーとして使用することによって、前記暗号化された位置情報を解読するための、前記第1受信ユニットに結合された第1解読モジュールとを含む、前記モバイルデバイスを監視するための端末とを含むことを特徴とする位置監視システム。
【請求項28】
前記暗号化された位置情報は、ショートメッセージサービス(SMS)によって、前記ワイヤレスネットワークを介して送信されることを特徴とする請求項27に記載の位置監視システム。
【請求項29】
前記GPSレシーバはGPSチップを有し、前記GPSチップは前記GPSチップ識別番号を有し、前記GPSチップ識別番号は各GPSチップを固有に識別することを特徴とする請求項27に記載の位置監視システム。
【請求項30】
前記暗号化モジュールは、データ暗号化規格(DES)の暗号化アルゴリズムに基づくことを特徴とする請求項27に記載の位置監視システム。
【請求項31】
前記暗号化モジュールは、ワイヤレス公開キーインフラストラクチャ(WPKI)の暗号化システムに基づくことを特徴とする請求項27に記載の位置監視システム。
【請求項32】
前記暗号化モジュールは、メッセージダイジェストアルゴリズム5(MD5)の暗号化アルゴリズムに基づくことを特徴とする請求項27に記載の位置監視システム。
【請求項33】
前記GPSレシーバは、前記位置情報を圧縮し、圧縮された位置情報を取得して、前記圧縮された位置情報を前記暗号化モジュールに送信するための、前記GPS信号処理ユニットに結合された第1圧縮モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の位置監視システム。
【請求項34】
前記端末は、前記暗号化された位置情報が解読された後に前記圧縮された位置情報を解凍するための、前記第1解読モジュールに結合された第1解凍モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項33に記載の位置監視システム。
【請求項35】
前記モバイルデバイスは、前記端末から端末データを受信するための第2受信ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の位置監視システム。
【請求項36】
前記GPSレシーバは、前記端末データが端末識別番号で暗号化される場合、前記端末によって提供される前記端末識別番号を解読キーとして使用することによって前記端末データを解読するための、前記第2受信ユニットに結合された第2解読モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の位置監視システム。
【請求項37】
前記GPSレシーバは、前記端末データが圧縮される場合、前記端末データを解凍するための第2解凍モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の位置監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−92547(P2008−92547A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163100(P2007−163100)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】