説明

放射線画像撮像方法及び装置

【課題】 隠蔽された銃器や薬物等を発見するために、わずかな隙間から放射線画像を撮影する。
【解決手段】 シンチレータ・プリズム・レンズを1つのマシンにする。このマシンを移動させて、スキャンする。このスキャンしたデータをカメラレンズおよびイメージセンサで放射線画像をとらえる。このイメージセンサは放射線被曝外におくことで放射線による劣化やノイズ対策が不要にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広い面積や隙間部分から放射線画像を撮影する撮像方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
隠蔽された銃器や薬物等を発見するために現在放射線検査装置が用いられているが、最近の隠蔽は巧妙になり、製品の中やコンテナの壁の中等に隠すようになったために、現在の放射線検査装置では、センサーの幅が広いために使用が困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図1のように壁等の障害物に囲まれた障害物に囲まれたわずかな隙間にセンサー部を入れて、撮影する事により、現在撮影が不可能な隠蔽物を発見することが課題である。また、センサー部が薄ければ、検査市場だけでなく、医療用及び産業用にも用いることができるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を克服するために、シンチレータ・プリズム及び前群レンズを1つのマシンにする。このマシンを移動して、スキャンする。このスキャンしたデータをレンズおよびプリズムを用いて、イメージセンサに持っていき、駆動回路とコンピュータで処理して放射線画像にする。ここでのシンチレータは放射線をイメージセンサで用いる光の波長に変換するものである。
【0005】
また、イメージセンサおよびレンズが放射線防護壁等によって、保護される場合は上記マシン内にイメージセンサを入れてもかまわない。
【0006】
ここでのシンチレータは蛍光板もしくはイメージングプレートでもかまわない。また、プリズム及びレンズは光を曲げる目的であるため、ミラーを用いてもかまわない。
【発明の効果】
【0007】
上述のように、本発明のようにスキャンすることによって、従来のような大きなセンサを用いる必要がなく、市販のイメージセンサが使えるようになる。また、ノイズ対策も不要になり、大幅なコストダウンができる。
【0008】
それに加え、交換が容易にできることから、メンテナンスやバージョンアップができるようになる。また、レンズの組合せを換えることできるために倍率の変更等もスムーズにできる。
【0009】
更に小型化も可能なために持ち運びが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
シンチレータ7、プリズム8及び前群レンズ9を1つのマシン6aにする。そのマシンを被検物に置き、その反対側に放射線を照射する。放射線が照射してる時にマシンを移動して、スキャンする。このスキャンしたデータを後群レンズ及びイメージセンサ12に持っていき、駆動回路13とコンピュータ14で処理して放射線画像にする。このマシン6a及びイメージセンサ12は1つのみでなく、複数台でスキャンしてもかまわない。
【実施例】
【0011】
以下、添付図面に従って実施例を説明する。
図2はスキャンするマシン6aの断面図です。シンチレータ7、プリズム8、前群レンズ9で構成されている。シンチレータ7は放射線2をイメージセンサで用いる光10に変換する。この光10をプリズム7及び前群レンズ8によって、後群レンズ11及びイメージセンサ12に導く。このマシン6aを図3のように▲1▼から▲4▼に移動することによって、スキャンされる。そのデータがイメージセンサ12に送られて、駆動回路13及びコンピュータ14によって放射線画像が得られる。ここでの前群レンズ9及び後群レンズ11はレンズ3枚の構成になっているが、レンズ3枚に限定したものではない。
【0012】
図4はマシン6aを含めた全体の概略図である。図5はこの装置を利用したときの使用例で隙間に入れた状態の断面図である。
【0013】
図6は複数のマシン6aと1つの後群レンズ11及びイメージセンサ12を用いた時の実施例である。ここではマシン6aが3台になっているが、3台に限定したものではない。
【0014】
図7は複数のマシン6aと複数の後群レンズ11及びイメージセンサ12を用いた時の実施例である。ここではマシン6a、後群レンズ11及びイメージセンサ12が3セットになっているが、3セットに限定したものではない。
【0015】
図8はX線防護壁15を用いたマシン6bの断面図である。このX線防護壁15がカメラレンズ16及びイメージセンサ12を保護している。
【0016】
図9は複数台のマシン6bを用いた時の実施例である。ここでは7台になっているが、7台に限定したものではない。
【0017】
図10は1台のマシン6bを用いた時の実施例である。マシン6bが被検物3を移動することによって、被検物6全体の放射線画像を得ることができる。
【0018】
これら実施例のイメージセンサ12、駆動回路13およびコンピュータ14のデータのやりとりは有線でなく、無線でもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】壁等の障害物がある状態の説明図
【図2】本発明におけるマシン6aの断面図
【図3】本発明におけるスキャン方法の説明図
【図4】本発明におけるマシン6a、イメージセンサ1セットの場合の全体の構成図
【図5】本発明の装置を使用した時の断面図
【図6】本発明における複数のマシン6aと1つのイメージセンサを用いた説明図
【図7】本発明における複数のマシン6aと複数のイメージセンサを用いた説明図
【図8】本発明におけるX線防護壁を用いたマシン6bの断面図
【図9】本発明における複数のマシン6bを用いた説明図
【図10】本発明における1台のマシン6bを用いた説明図
【符号の説明】
【0020】
1 放射線発生源
2 放射線
3 被検物
4 隙間
5 壁等の障害物
6a X線防護壁を使用してない時のマシン
6b X線防護壁を使用した時のマシン
7 シンチレータ
8 プリズム
9 前群レンズ
10 イメージセンサで用いる光
11 後群レンズ
12 イメージセンサ
13 駆動回路
14 コンピュータ
15 X線防護壁
16 カメラレンズ
17 6bの移動経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンチレータ・プリズム及びレンズを移動によるスキャンして、広い放射線画像を撮影する放射線画像撮像方法及び装置。
【請求項2】
隙間のような狭い空間から放射線画像を撮影する放射線画像撮像方法及び装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−178413(P2007−178413A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−381275(P2005−381275)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(504438130)マークテクノロジー株式会社 (4)
【Fターム(参考)】