説明

放射線画像検出器

【課題】連続撮影時におけるX線画像に混入するノイズを改善することが可能な放射線画像検出器を提供する。
【解決手段】放射線センサ11と、行選択線毎に順次駆動電圧を印加するゲート駆動回路13と、n枚の画像の連続撮影を行う際に放射線が照射された状態で画素からの画像信号情報を読み取る読取信号を発する第1の読取制御回路18aと、放射線が照射されていない状態で同様にして非照射の連続撮影を行って画素からのノイズ信号情報を読み取る読取信号を発する第2の読取制御回路18bと、第1の読取制御回路からの読取信号及び第2の読取制御回路からの読取信号により、画像信号情報及び前記ノイズ信号情報を読み取って保存する読取回路17と、画像信号情報をノイズ信号情報に基づいて補正する補正回路19と、補正された画像信号情報を表示する表示装置20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、連続撮影時にノイズ混入による画像劣化を抑制した放射線画像検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
新世代のX線診断用検出器としてアクティブマトリックスを用いた放射線画像検出器が大きな注目を集めている。この放射線画像検出器にX線を照射することにより、X線撮影像又はリアルタイムのX線画像がデジタル信号とし出力される。また、平面状の固体検出器であることから、画質性能や安定性の面でも極めて期待が大きい。この為、多くの大学やメーカーが研究開発に取り組んでいる。
【0003】
放射線画像検出器は、直接方式と間接方式の2方式に大別される。
【0004】
直接方式は、X線をa−Se等の光導電膜により直接電荷信号に変換し、電荷蓄積用のキャパシタに導く方式である。
【0005】
一方の間接方式は、蛍光体層によりX線を受けて一旦可視光に変換し、可視光をa−Siフォトダイオードなどにより電荷信号に変換して電荷蓄積用キャパシタに導く方式である。
【0006】
現在実用化されている放射線画像検出器の多くが間接方式を採用している。
【0007】
従来の間接型放射線画像検出器は、ガラス基板上に、可視光を電荷信号に変換するフォトダイオード及びスイッチング素子としてのTFTトランジスタを含む画素を二次元状に配列して画像検出部を形成し、その上に、放射線を可視光に変換する蛍光変換膜が設けられている。
【0008】
この間接型放射線画像検出器では、外部から入射したX線が蛍光変換膜の内部にて可視光に変換され、この可視光が画像検出部の画素内のフォトダイオードに入射する。可視光は電荷に変換され、その電荷はフォトダイオード内部もしくは並列接続されている容量素子内部に蓄積される。
【0009】
電荷に変換されたX線情報は、フォトダイオードに接続されているスイッチング素子(TFTトランジスタ)を通して、行方向に配置された行選択線に接続された画素群毎に、各々の画素と列方向に接続された信号線により画像検出部の外部へと伝達される。
【0010】
TFTトランジスタを駆動する行選択線の電位は通常1本のみの行選択線の電位を変化させることにより、ある特定の行に相当するすべての画素内部のTFTトランジスタを導通状態にする。電位を変化させる行選択線を順次変更することで、外部にはある特定の行に相当する画素からの信号が外部に排出される。電荷の排出された信号線の位置と、その時点で電位の変動した選択線の位置を参照することで、X線の入射位置と強度を算出することが可能となる。
【0011】
ガラス基板外部に排出された電荷信号は、各信号線に接続された積分増幅器へと入力される。積分増幅器に入力された電荷情報は増幅され、電位信号に変換されて出力される。積分増幅器から出力された電位信号はアナログ、デジタル変換機にてデジタル値に変換され、最終的には画像信号として編集されて放射線画像検出器の外部へと出力される。
【0012】
放射線画像検出器は主に医療目的に使用されることが多く、大量に被爆すると有害であるX線の被爆量を抑えるため、撮影には微弱なX線を用いることが多い。そのため、TFT回路や積分増幅器特有の漏れ電流やオフセット電流の影響が大きく、その影響を除去することはX線撮影においては重要なこととなっている。
【0013】
微弱なX線画像の撮影時に問題となるTFT回路や積分増幅器の漏れ電流やオフセット電流の影響を除去するには、X線を入射しない状態で撮影を行い、そのときに得られた暗画像を用いることになる。この暗画像データを用い、X線を入射したときに得られた画像から暗画像成分を減算することにより、TFT回路や積分増幅器の漏れ電流やオフセット電流の影響を除去することが可能となる。
【0014】
通常の撮影動作においては、放射線画像検出器の温度や増幅率、撮影時間等の駆動条件が変化しない限り、TFT回路や積分増幅器の漏れ電流やオフセット電流の値は変化しない。そのため放射線画像検出器の温度や駆動条件が変化しない限り、1種類の暗画像データをあらかじめ撮影し、そのデータを用いることで、TFT回路や積分増幅器の漏れ電流やオフセット電流の影響を除去することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2009−128023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
これに対し、検査を目的としたX線画像の撮影において、連続した撮影を求められることがある。これは異なるX線の線質にて複数の撮影を行い、それぞれの撮影において得られたX線画像の違いから、被写体の物質の違いや密度の違い、厚みの違いの情報を得るためである。
【0017】
特に人体を対象にした検査の場合、連続した撮影の間は被写体の動きを止めておかなければならないため、できる限り短期間に複数枚の撮影を実行する必要がある。そのため、通常の放射線画像検査装置では1回の電気信号に対して1度の撮影しか行わないが、連続して複数枚の撮影を行う場合には1度の電気信号に対して複数の撮影を行うことで、電気信号の処理などに伴う装置の処理時間のロスを削減し、撮影間隔を短くすることが必要となる。
【0018】
撮影を目的とした放射線画像検出器では、撮影動作を行っていない場合、TFTパネル内部の画素や積分増幅器の状態を常に初期状態に戻す動作が必要になる。
【0019】
通常の撮影動作の場合、撮影と撮影との間隔は十分な時間があるため、TFTパネルの画素や積分増幅器は次の撮影が始まるまでに十分な期間をもって初期化を行うため、撮影開始時には画素や積分増幅器は完全な初期化が可能となっている。
【0020】
しかし、連続した撮影動作の場合、1枚目の撮影動作では十分な初期化が行われるが、2枚目以降の撮影においては、直前に行われた撮影動作からの期間が極めて短く、十分な初期化時間を取れない場合が多い。このため、2枚目以降の撮影動作を行うと、撮影動作特有のTFTへの電圧供給状態の影響が残り、1枚目の撮影時とは暗画像レベルが異なってしまう。
【0021】
よって、1種類の暗画像データのみを用いた画像処理では、1枚目と2枚目以降の撮影画像から、TFT回路や積分増幅器の漏れ電流やオフセット電流、そして薄膜トランジスタ内部に残留している電荷の成分の影響を十分に除去することができない。
【0022】
そこで、本発明は、連続撮影時におけるX線画像に混入するノイズを改善することが可能な放射線画像検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述の目的を達成するため、本放射線画像検出器は、基板上に二次元状に配列され、可視光を入射して全体として1画像の信号情報に変換する複数の画素が行方向に延伸する複数本の行選択線のうちの1本及び列方向に延伸する複数本の信号線のうちの1本にそれぞれ接続された画像検出部、及び当該画像検出部の前記複数の画素上に設けられ放射線を可視光に変換する蛍光変換膜を備えた放射線センサと、前記行選択線毎に順次駆動電圧を印加するゲート駆動回路と、撮影が終了する毎に前記画素内の電荷の状態を初期化するリフレッシュ動作を介してn枚の画像の連続撮影を行う際の任意の枚数目の撮影中に、前記放射線が照射された状態で前記駆動電圧が印加された任意の1本の前記行選択線と接続された画素に接続される前記信号線を介して前記画素からの画像信号情報を読み取る読取信号を発する第1の読取制御回路と、前記放射線が照射されていない状態で前記連続撮影と同様にして非照射の連続撮影を行った際の前記任意の枚数目と同じ枚数目の非照射撮影中において前記駆動電圧が印加された任意の1本の前記行選択線と接続された画素群に接続される前記信号線を介して前記画素からのノイズ信号情報を読み取る読取信号を発する第2の読取制御回路と、前記第1の読取制御回路からの読取信号により前記画像信号情報を読み取り、前記第2の読取制御回路からの読取信号により前記ノイズ信号情報を読み取って、前記画像信号情報及び前記ノイズ信号情報を保存する読取回路と、前記画像信号情報を前記ノイズ信号情報に基づいて補正する補正回路と、前記補正された画像信号情報を表示する表示装置と、を備えることを特徴とする。
【0024】
また、本放射線画像検出器は、基板上に二次元状に配列された、放射線を電気信号に変換する複数の画素が行方向に延伸する複数本の行選択線のうちの1本及び列方向に延伸する複数本の信号線のうちの1本にそれぞれ接続された画像検出部を備えた放射線センサと、前記行選択線毎に順次駆動電圧を印加するゲート駆動回路と、撮影が終了する毎に前記画素内の電荷の状態を初期化するリフレッシュ動作を介してn枚の画像の連続撮影を行う際の任意の枚数目の撮影中に、前記放射線が照射された状態で前記駆動電圧が印加された任意の1本の前記行選択線と接続された画素に接続される前記信号線を介して前記画素からの画像信号情報を読み取る読取信号を発する第1の読取制御回路と、前記放射線が照射されていない状態で前記連続撮影と同様にして非照射の連続撮影を行った際の前記任意の枚数目と同じ枚数目の非照射撮影中において前記駆動電圧が印加された任意の1本の前記行選択線と接続された画素群に接続される前記信号線を介して前記画素からのノイズ信号情報を読み取る読取信号を発する第2の読取制御回路と、前記第1の読取制御回路からの読取信号により前記画像信号情報を読み取り、前記第2の読取制御回路からの読取信号により前記ノイズ信号情報を読み取って、前記画像信号情報及び前記ノイズ信号情報を保存する読取回路と、前記画像信号情報を前記ノイズ信号情報に基づいて補正する補正回路と、前記補正された画像信号情報を表示する表示装置と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態に係る放射線画像検出器の構成を示す模式図。
【図2】図1の放射線画像検出器に用いた放射線センサの一例を示す斜視図。
【図3】図2の画像検出部の等価回路図。
【図4】画素内部の等価回路図。
【図5】図1のゲート駆動回路及び読出回路の一例を示す平面図。
【図6】一枚のみの撮影動作(単発撮影)を行う際の駆動方法の一例を示すタイミングチャート。
【図7】連続撮影を行う際の駆動方法の一例を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
(放射線画像検出器の全体構成)
図1に、本発明に係る放射線画像検出器の一実施の形態を示す。
【0028】
この放射線画像検出器10は、入射したX線を光に変換する蛍光体層及び入射した光を電気信号に変換する画像検出部を有する放射線センサ11と、画像検出部に2次元的に配置された画素につき走査ライン毎に順次駆動電圧を印加するゲート駆動回路13と、ゲート駆動回路13に対して列方向のスキャンタイミングを決める駆動信号を生成する駆動制御回路15と、選択された一行の画素の電気信号を読み取って増幅する読取回路17と、読取回路17での読取タイミングを決める読取信号を生成する第1の読取制御回路18a、第2の読取制御回路18bと、ノイズ信号が混入した画像信号からノイズ信号を減算してノイズ補正を行う補正回路19と、ノイズ補正を行った後の画像信号を表示する表示装置20と、を備えている。
【0029】
(放射線センサ11)
図2は、放射線センサ11の具体的な構成の一例を示すものである。
【0030】
この放射線センサ11は、入射X線21を蛍光に変換する蛍光変換膜23と、この蛍光を電気信号による画像情報へと変換する画像検出部25とを備えている。
【0031】
画像検出部25は、主にガラス基板により構成されている保持基板27上に、フォトダイオード及び薄膜トランジスタ(TFT)を含む画素28が多数配列された回路層29を設けて形成されている。
【0032】
図3に画像検出部25の等価回路を、図4に画素28内部の等価回路を示す。
【0033】
画素28は、薄膜トランジスタ31、フォトダイオード33を含み、薄膜トランジスタ31のゲートには行選択線(ゲート線)35が接続され、薄膜トランジスタ31のソースには信号線37が接続され、薄膜トランジスタ31のドレインにはフォトダイオード33とコンデンサ36とが並列に接続されている。なお、コンデンサ36は、フォトダイオード33の電極間の容量である。
【0034】
また、信号線37の終端には、信号線37を伝わる電荷信号を増幅し、外部に出力する機能を有する積分アンプ41が信号線37と一対一に接続されている。
【0035】
更に、行選択線(ゲート線)35は、図5に示すゲートドライバ63の特定の信号線に接続される。
【0036】
(ゲート駆動回路13、読取回路17)
図5は、図1のゲート駆動回路13及び読取回路17の具体的な構成の一例を示すものである。
【0037】
ゲート駆動回路13は、ゲートドライバ63及び行選択回路65を備え、読取回路17は積分アンプ41、A/D(アナログ・デジタル)変換器67及び駆動器69を備えている。
【0038】
ゲートドライバ63は、外部からの信号を受信すると、放射線センサ11に接続されている多数の信号線の電圧を順番に変更していく機能を有している。また、このゲートドライバ63には行選択回路65が接続される。
【0039】
行選択回路65は、X線画像の走査方向に従って対応するゲートドライバ63へと信号を送る機能を有しており、図1の駆動制御回路15と接続されている。
【0040】
また、積分アンプ41は、A/D変換器67を介して駆動器69に接続されている。駆動器69は、図1に示す第1の読取制御回路18a、第2の読取制御回路18bと接続されており、第1の読取制御回路18a及び第2の読取制御回路18bからの読取信号により、A/D変換器67でデジタル化された信号の読み取りを行う。
【0041】
(第1の読取制御回路18a、第2の読取制御回路18b)
第1の読取制御回路18aは、撮影が終了する毎に画素28内の電荷の状態を初期化するリフレッシュ動作を介してn枚の画像の連続撮影を行う際の任意の枚数目の撮影中に、放射線が照射された状態で駆動電圧が印加された任意の1本の行選択線35と接続された画素28に接続される信号線37を介して画素28からの画像信号情報を読み取る読取信号を発する。
【0042】
また、第2の読取制御回路18bは、放射線が照射されていない状態で連続撮影と同様にして非照射の連続撮影を行った際の任意の枚数目と同じ枚数目の非照射撮影中において駆動電圧が印加された任意の1本の行選択線35と接続された画素28に接続される信号線37を介して画素28からのノイズ信号情報を読み取る読取信号を発する。
【0043】
(補正回路19)
補正回路19は、X線を入射した条件において連続撮影動作を実行した際に読取回路17で読み取られたX線画像信号と、X線を入射しない条件において同様の連続撮影動作を実行した際に読み取られた複数枚の暗画像データ(ノイズ信号)を個別に記録し、X線画像信号からノイズ信号を減算処理して、ノイズ信号を除去した画像信号のみを表示装置20へ出力する。
【0044】
(放射線画像検出器10の動作)
以下に、上記の放射線画像検出器10の動作について説明する。
【0045】
初期状態において、図4におけるコンデンサ36には電荷が蓄えられており、並列接続されているフォトダイオード33には逆バイアス状態の電圧が加えられている。このときの電圧は、信号線37に加えられている電圧と同じである。フォトダイオード33はダイオードの一種なので、逆バイアスの電圧が加えられても電流はほとんど流れることは無い。そのためコンデンサ36に蓄えられた電荷は減少することなく保持されることになる。
【0046】
この状態において、図2に示す入射X線21が蛍光変換膜23に入射すると、蛍光変換膜23内部において、高エネルギーのX線が低エネルギーの多数の可視光に変換される。蛍光変換膜23内部にて発生した蛍光の一部は、画像検出部25の表面に配置されているフォトダイオード33へと到達する。
【0047】
図4に示すフォトダイオード33に入射した蛍光は、フォトダイオード33内部にて電子とホールからなる電荷に変換され、コンデンサ36に印加されている電界方向に沿ってフォトダイオード33の両端子へと到達することで、フォトダイオード33内部を流れる電流として観測される。
【0048】
フォトダイオード33の内部において発生した電流は、並列接続されているコンデンサ36へと流れ込み、コンデンサ36内部に蓄えられている電荷を打ち消す作用を及ぼす。その結果、コンデンサ36に蓄えられていた電荷は減少し、コンデンサ36の端子間に発生していた電位差も初期状態と比べて減少する。
【0049】
図5において、ゲートドライバ63は多数の制御線の電位を順番に変化させる機能を有するが、ある特定の時間において電位の変化している制御線は1本のみである。この制御線に接続されている行選択線35に並列接続されている薄膜トランジスタ31のソース、ドレイン間端子は、絶縁状態から導通状態へと変化する。
【0050】
図4の各信号線37には特定の電圧がかけられており、電位の変化した行選択線35に接続されている薄膜トランジスタ31のソース、ドレイン端子を通じて接続されているコンデンサ36に電圧が印加されることになる。
【0051】
初期状態においては、コンデンサ36は信号線37と同じ電位状態になっているため、コンデンサ36の電荷量が初期状態と変化していない場合、コンデンサ36では信号線37からの電荷の移動は発生しない。しかし、外部からの入射X線21より蛍光変換膜23内部にて発生した蛍光が入射したフォトダイオード33と並列接続しているコンデンサ36では、内部に蓄えられている電荷が減少しており、初期状態の電位とは変化している。そのため導通状態となった薄膜トランジスタ31を通じて信号線37より電荷の移動が発生し、コンデンサ36内部に蓄えられた電荷量は初期状態に戻る。また、移動した電荷量は信号線37を流れる信号となり外部へと伝わっていく。
【0052】
図4における信号線37を流れる電流は、対応する積分アンプ41へと入力され、積分アンプ41は、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を外部へと出力する。この動作を行うことで、ある一定時間内に信号線を流れる電荷量を電圧値に変換することが可能となる。この結果、入射X線21にて蛍光変換膜23内部にて発生した蛍光の強弱分布に対応した電荷信号がフォトダイオード33内部にて発生し、この電荷信号が積分アンプ41によって電位情報へと変換される。
【0053】
積分アンプ41より発生した電位は、図5に示すA/D変換器67にて順次デジタル信号へと変換される。デジタル値となった信号は、駆動器69を介して、図1に示す補正回路19にてノイズ信号を除去した後、図示しない画像合成回路にて回路層29に配置された画素の行と列に従って順次整理され、画像信号として外部へと出力される。
【0054】
外部へと出力された電気信号による画像情報は、通常のディスプレイ装置などの表示装置20によって容易に画像化が可能であり、X線画像を可視光による画像として観察することが可能となる。
【0055】
(撮影の際の各種信号動作)
図6は、通常の一枚のみの撮影動作(単発撮影)を行う際の駆動方法の一例を示すタイミングチャート、図7は連続撮影を行う際の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
【0056】
以下、図6に基づいて、各種信号動作について説明する。
【0057】
図6における「撮影信号」の入力により、リフレッシュ期間70が終了し、撮影動作が開始される。撮影動作は、一対のX線照射期間72と画像読取期間74から構成される。
【0058】
「行選択線1」は、図2の画像検出部25内の行列状に配置された複数の画素28における上端の行の画素群に接続されており、「行選択線2」は上端から2番目の行の画素群に接続されている。同様に「行選択線3」は3行目、行選択線NはN番目(下端)の行の画素群に接続されている。
【0059】
図4に示すように、各々の行選択線は、対応する行の画素28内部に配置されている薄膜トランジスタ(TFT)31のゲート端子に接続されている。
【0060】
図1の駆動制御回路15で生成された図6に示す各行選択線1〜Nのタイミング信号(Lo状態→Hi状態)に基づき、ゲート駆動回路13は各行選択線1〜Nに電圧を印加する。ここで、図6に示すように、行選択線1〜Nには、接続されているTFTを絶縁状態にする電圧(Lo状態)が大部分の期間において印加されているが、特定の期間のみ薄膜トランジスタ(TFT)31を導通状態にする電圧(Hi状態)が印加される。
【0061】
また、ゲート駆動回路13が各々の行選択線1〜Nに対して薄膜トランジスタ(TFT)31を導通状態にする電圧を印加する期間は全て異なっており、図6のように、行選択線1から行選択線Nまで順に期間をずらした電圧印加を行う。このようにすることで、異なる行に属する画素28からの電荷信号はお互いに交じり合うことなく、共通する信号線37を通じて積分アンプ41に入力されることになる。
【0062】
次に、図6における「積分アンプリセット」の動作は、図1の第1の読取制御回路18aで生成されたタイミング信号に基づいて積分アンプ41に蓄積された電荷情報をリセットし初期状態にするものである。積分アンプ41は、信号線37を流れる電荷を蓄積し、電圧に変換する。この動作を行うに当たって、特定の行に属する画素28からの電荷情報を蓄積する場合には、直前の動作において異なる行に属する画素28からの電荷情報の蓄積を開放し、初期状態に戻すリセット動作を行う。このリセット動作を各々の行選択線がON状態になる直前に行うことで、目的とする行に属する画素28からの信号のみを積分アンプ41にて蓄積することが可能となる。
【0063】
また、「積分アンプ蓄積」の動作は、第1の読取制御回路18aからの信号がHi状態の時に信号線37に接続されている全ての積分アンプ41の電荷蓄積動作を行い、信号線37に流れる電荷を蓄積する。一方、Lo状態の時に電荷蓄積動作を休止して信号線37に流れる電荷の蓄積を休止する動作を行う。
【0064】
更に、「AD変換」の動作は、図5に示す積分アンプ41の後に接続されているA/D変換器67によりアナログ/デジタル変換を行うものである。第1の読取制御回路18aからのタイミング信号がHiからLoに変化する時刻において、A/D変換器67は積分アンプ41に蓄積され電圧に変換されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。図6に示すように、「積分アンプ蓄積」のタイミング信号をHi状態からLo状態とした直後に、「AD変換」のタイミング信号をHi状態とすることにより、積分アンプ41の電荷蓄積が終了したタイミングでA/D変換が行われることになる。
【0065】
(リフレッシュ動作)
撮影動作が終了し次の撮影命令が到着するまでの期間は、リフレッシュ期間70,76として、画素28内の薄膜トランジスタ31を導通状態にして、画素28内部のコンデンサ36に蓄えられている電荷量を初期状態に保つ動作(リフレッシュ動作)を行う。
【0066】
通常、コンデンサ36に並列接続されているフォトダイオード33特有の現象である漏れ電流により、コンデンサ36の電荷量は時間と共に減少してしまう。この現象は、外部からX線が入射しない場合においても発生する。このため、撮影と撮影との間にリフレッシュ動作を行わないと、次の撮影時にはコンデンサ36に蓄えられている電荷量が減少し、次の撮影時に入射したX線の画像にノイズとして混入してしまうこととなる。
【0067】
通常の動作においては、リフレッシュ動作によりすべての薄膜トランジスタ31を導通状態にする必要があり、この期間中は撮影を行うことができない。そのためリフレッシュ動作では、図3に示す複数の行選択線35の電圧を同時に変更し、それら行選択線35に接続された薄膜トランジスタ31を導通状態にしている。複数の行選択線35の電圧を同時に変更し、その動作を順次他の行選択線35の電圧も変更することにより、多数の行が存在する放射線画像検出器10の画素28のすべてをリフレッシュするに要する時間を短くすることができる。この動作を行うことで次の撮影動作が遅れてしまうことを最小限にすることが可能となる。
【0068】
(単発撮影の際の駆動方法)
上述したように、図6において、撮影動作の期間は、一対のX線照射期間72と画像読取期間74から構成されている。
【0069】
撮影信号が入力される以前は、リフレッシュ期間70においてリフレッシュ動作を繰り返しているが、撮影信号が電気パルスもしくは信号線を使ったコマンドを用いて入力されると、リフレッシュ動作の繰り返しを終了する。
【0070】
リフレッシュ期間70における繰り返しのリフレッシュ動作を終了すると、X線照射期間72となる。X線照射期間72の間はすべての行選択線35にはそれらに蓄積されている薄膜トランジスタ31を非導通状態にする電圧が印加され、すべての画素28におけるコンデンサ36とフォトダイオード33は回路から分離される。
【0071】
X線照射期間72においては、外部から入射したX線による蛍光によりフォトダイオード33内部に電流が発生し、並列接続されているコンデンサ36の電荷を減少させる。この電荷の減少量は入射するX線の量とフォトダイオード33特有の漏れ電流成分、そして薄膜トランジスタ31にて発生するドレイン−ソース間の漏れ電流、そして薄膜トランジスタ31内部に残留している電荷の成分が合成されたものとなる。
【0072】
X線照射期間72が終了すると、次は画像読取期間74となる。この画像読取期間74においては、図3に示すそれぞれの行選択線35に順次電圧を印加していく。この電圧は行選択線35に接続された薄膜トランジスタ31を導通状態にするため、導通状態になった薄膜トランジスタ31に接続されているコンデンサ36と信号線37が電気的に接続されることとなる。このことにより、導通状態になった薄膜トランジスタ31に接続されているコンデンサ36に信号線37から電荷が移動するが、この電荷量はX線照射期間72における入射X線による蛍光によるフォトダイオード33の光電流量と、X線照射期間72と画像読取期間74にて薄膜トランジスタ31が導通状態になるまでの期間におけるフォトダイオード33と薄膜トランジスタ31の漏れ電流の合計量となる。
【0073】
信号線37を流れる電荷は、信号線37に接続されている積分アンプ41に流れ込む。図3の各行選択線35に電圧を印加している期間は、図1に示す第1の読取制御回路18aによって発せられた「積分アンプ蓄積」におけるHi信号により電荷の蓄積を行っている。積分アンプ41は蓄積を開始する直前に「積分アンプリセット」のHi信号により直前まで蓄積していた電荷を開放しているため、積分アンプ41には薄膜トランジスタ31が導通状態になっている期間のみに信号線37を流れる電荷を蓄積している。
【0074】
「積分アンプ蓄積」が終了すると、積分アンプ41に接続されているA/D変換器67によるA/D変換を開始する。これはA/D変換タイミング信号によって開始され、デジタル値に変換された電荷量の情報は図示しない画像合成回路に入力される。
【0075】
即ち、画像読取期間74において行選択線35への電圧印加を順次行っていくことで、各行選択線35に接続されている画素28からの電荷が順次信号線37を通じ、積分アンプ41によって増幅されA/D変換器67によりデジタル信号に変換される。この動作によりすべての画素28からの電化量をデジタル信号に変換して画像合成回路に入力することとなり、この画像合成回路にてデジタル信号は画像信号へと変換される。
【0076】
画像読取期間74が終了するとリフレッシュ期間76となる。図6に示した例では、リフレッシュ期間76ではすべての行選択線35に同時に電圧を印加しており、この動作によりすべての画素28における薄膜トランジスタ31が導通状態となる。このためすべての画素28におけるコンデンサ36と信号線37は接続状態となり、信号線37を通じてコンデンサ36への電荷の移動が行われる。このリフレッシュ動作は次に撮影信号が入力されるまで長時間続き、画素28内部のコンデンサ36は十分な電荷を蓄積することが可能となる。そして次の撮影信号が入力されると、上述した撮影動作を再開することとなる。
【0077】
また、上述した画像合成回路にて画像信号として出力された画像信号内部には、積分アンプ41のオフセット成分や、撮影期間中における画素28内部の薄膜トランジスタ31の漏れ電流、そしてフォトダイオード33の漏れ電流、そして薄膜トランジスタ31内部に残留している電荷の成分が含まれることになる。これらの信号は画像信号内にノイズとして混入しているため、それを画像演算にて除去する必要がある。
【0078】
この画像演算は、通常は撮影直前もしくは撮影直後にX線を入射せずに撮影動作を行って暗画像データを取得し、補正回路19により、X線入射時に得られた画像データからその暗画像データを減算することにより行うことが可能である。この暗画像データの取得は放射線画像検出器10へのX線入力がなされないだけで、通常の撮影と同じ動作を行っている。
【0079】
(連続撮影の際の駆動方法)
図7に、連続撮影を行う際の駆動方法のタイミングチャートを示す。
【0080】
先ず、連続撮影を開始する撮影信号が入力されると、1枚目の撮影動作を開始する。1枚目の撮影動作の期間は、第1X線照射期間82と第1画像読取期間84にて構成される。
【0081】
1枚目の撮影動作は図6に示す通常の単発撮影の動作と同じである。即ち、撮影信号の入力によって十分な期間を持つ第1リフレッシュ期間80が終了し、第1X線照射期間82へと移行する。第1X線照射期間82の動作は、図6に示す単発撮影時のX線照射期間72と同じ動作を行う。次に、第1X線照射期間82が終了すると第1画像読取期間84へと移行する。この第1画像読取期間84の動作も図6に示す画像読取期間74と同じ動作を行うこととなる。
【0082】
同様に、2枚目の撮影における第2X線照射期間88と第2画像読取期間90の動作も、それぞれ図6に示すX線照射期間72と画像読取期間74と同じ動作を行う。
【0083】
しかし、本連続撮影の場合、1枚目の撮影と2枚目の撮影の間には、図6のリフレッシュ期間76とは異なる第2リフレッシュ期間86が存在する。この第2リフレッシュ期間86の時間は、短期間にて複数枚の撮影を行うために、図6のリフレッシュ期間76と比べて大幅に短くなっている。
【0084】
また、図7に示す例では、第2リフレッシュ期間86において全行選択線35への電圧印加を1回のみとしている。
【0085】
通常のX線撮影においては、1枚のX線撮影が行われると撮影技師がX線画像を見て判断する動作が入るため、少なくとも数秒間の期間を置いた後に次の撮影動作を行うのに対して、連続撮影動作では被写体である人体の動きによる各撮影における画像のブレを抑えるため、できる限り短時間に連続撮影動作を完了しなければならない。このため、連続撮影時における各撮影と撮影との間にあるリフレッシュ期間はできる借り短くすることが必要になる。
【0086】
一般に、各画素28における薄膜トランジスタ31では、X線照射期間72と画像読取期間74においての大部分ではゲート端子に電圧が印加されていない状態が非常に長く、それを原因とした薄膜トランジスタ31内部の半導体中の電荷の残留が発生する。これはアモルファス半導体にて構成される薄膜トランジスタ31特有の問題であり、これを解消することは非常に難しい。
【0087】
しかし、通常の単発撮影においてはリフレッシュ期間70、76が非常に長く、薄膜トランジスタ31のゲート端子には頻繁に電圧が印加されることとなる。このため、薄膜トランジスタ31内部の半導体膜中に残留する電荷はリフレッシュ期間70、76中に十分に初期化をすることが可能となる。
【0088】
しかし、図7の連続撮影における2枚目の撮影では、第2X線照射期間88直前の第2リフレッシュ期間86が短いため、1枚目の第1X線照射期間82と第1画像読取期間84中に発生する薄膜トランジスタ31内部の電荷の残留を十分に初期化することができない。この薄膜トランジスタ31内部に発生する電荷の残留は、次の画像読取期間において画素28内のコンデンサ36への電荷の移動に伴う電流成分に混入し、最終的には出力画像へのノイズとして現われることとなる。
【0089】
この際、従来の単発撮影と同じ方法により、画像合成回路から出力される画像信号から1種類の暗画像成分からなる数値を減算すると、1枚目と2枚目では暗画像成分が異なるため、どちらの画像にも同時に最適な画像処理を行うことができなくなってしまう。
【0090】
そこで、本実施形態では、複数の暗画像データを準備し、連続撮影において得られたX線画像から差分処理を行うことで、最適なX線画像を得ることができるようにしている。具体的には、X線を入射しない条件において通常と同じ連続撮影動作を実行し、図1に示す第2の読取制御回路18bにより発せられる読取信号によって読取回路17で読み取りを行い、その際に得られる複数枚の暗画像データを補正回路19に個別に記録する。この際に連続撮影を複数回行い、その際に得られた暗画像データを個別に平均化することで、さらに精度の良い暗画像データを得ることができる。
【0091】
また、画像補正に用いる暗画像データの蓄積時間を通常のn倍としても良い。この場合、得られる電荷量はn倍になるが、積分アンプ41やA/D変換器67から発生するノイズ量は変化しない。従って、この得られた電荷量を1/nにすることで、通常の蓄積時間の電荷量と等しくでき、かつ積分アンプ41やA/D変換器67から発生するノイズ量を1/nにすることができる。よって、X線画像の補正において、積分アンプ41やA/D変換器67からのノイズが少ない補正電荷量を用いることができるので、高精度な暗画像データを用いることが可能となる。なお、nは、ノイズを低減する観点から2〜10の範囲とすることが好ましい。
【0092】
次に、上述した動作により得られた暗画像データを用い、補正回路19により、X線を入射した際の連続撮影動作により得られたX線画像データに対して減算処理を実施する。この際に、1枚目のX線画像に対しては1枚目の暗画像データを用いて減算処理を行い、同様に2枚目のX線画像データからは2枚目の暗画像データを用いて減算処理を行う。連続撮影動作における3枚目以降のX線画像データが存在する場合には同様の処理を行うことで、最適な画像処理が可能となる。
【0093】
実際に放射線画像検出器を用いて検証を行った結果、通常の1種類の暗画像データのみを用いた画像処理では出力されるX線画像に対して2.63LSBのノイズが混入するのに対して、本実施形態の減算処理では出力されるX線画像に対して2.26LSBのノイズの混入に留まっており、ノイズ低減による効果を確認することができた。
【0094】
なお、上記の実施の形態においては、放射線センサ11としてフォトダイオード33を設けた間接方式の例を示したが、光導電膜によりX線を直接電荷信号に変換して電荷蓄積用のキャパシタに導く直接方式についても同様に適用することができる。この場合は、蛍光変換膜23を省略し、画像検出部25のフォトダイオード33に代えてa−Seなどの光導電膜とすることで、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0095】
10:放射線画像検出器
11:放射線センサ
13:ゲート駆動回路
15:駆動制御回路
17:読取回路
18a:第1の読取制御回路
18b:第2の読取制御回路
19:補正回路
20:表示装置
21:入射X線
23:蛍光変換膜
25:画像検出部
27:保持基板
28:画素
29:回路層
31:薄膜トランジスタ
33:フォトダイオード
35:行選択線
36:コンデンサ
37:信号線
41:積分アンプ
63:ゲートドライバ
65:行選択回路
67:A/D変換器
69:駆動器
70、76:リフレッシュ期間
72、78:X線照射期間
74:画像読取期間
80:第1リフレッシュ期間
82:第1X線照射期間
84:第1画像読取期間
86:第2リフレッシュ期間
88:第2X線照射期間
90:第2画像読取期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に二次元状に配列され、可視光を入射して全体として1画像の信号情報に変換する複数の画素が行方向に延伸する複数本の行選択線のうちの1本及び列方向に延伸する複数本の信号線のうちの1本にそれぞれ接続された画像検出部、及び当該画像検出部の前記複数の画素上に設けられ放射線を可視光に変換する蛍光変換膜を備えた放射線センサと、
前記行選択線毎に順次駆動電圧を印加するゲート駆動回路と、
撮影が終了する毎に前記画素内の電荷の状態を初期化するリフレッシュ動作を介してn枚の画像の連続撮影を行う際の任意の枚数目の撮影中に、前記放射線が照射された状態で前記駆動電圧が印加された任意の1本の前記行選択線と接続された画素に接続される前記信号線を介して前記画素からの画像信号情報を読み取る読取信号を発する第1の読取制御回路と、
前記放射線が照射されていない状態で前記連続撮影と同様にして非照射の連続撮影を行った際の前記任意の枚数目と同じ枚数目の非照射撮影中において前記駆動電圧が印加された任意の1本の前記行選択線と接続された画素群に接続される前記信号線を介して前記画素からのノイズ信号情報を読み取る読取信号を発する第2の読取制御回路と、
前記第1の読取制御回路からの読取信号により前記画像信号情報を読み取り、前記第2の読取制御回路からの読取信号により前記ノイズ信号情報を読み取って、前記画像信号情報及び前記ノイズ信号情報を保存する読取回路と、
前記画像信号情報を前記ノイズ信号情報に基づいて補正する補正回路と、
前記補正された画像信号情報を表示する表示装置と、
を備えることを特徴とする放射線画像検出器。
【請求項2】
基板上に二次元状に配列された、放射線を電気信号に変換する複数の画素が行方向に延伸する複数本の行選択線のうちの1本及び列方向に延伸する複数本の信号線のうちの1本にそれぞれ接続された画像検出部を備えた放射線センサと、
前記行選択線毎に順次駆動電圧を印加するゲート駆動回路と、
撮影が終了する毎に前記画素内の電荷の状態を初期化するリフレッシュ動作を介してn枚の画像の連続撮影を行う際の任意の枚数目の撮影中に、前記放射線が照射された状態で前記駆動電圧が印加された任意の1本の前記行選択線と接続された画素に接続される前記信号線を介して前記画素からの画像信号情報を読み取る読取信号を発する第1の読取制御回路と、
前記放射線が照射されていない状態で前記連続撮影と同様にして非照射の連続撮影を行った際の前記任意の枚数目と同じ枚数目の非照射撮影中において前記駆動電圧が印加された任意の1本の前記行選択線と接続された画素群に接続される前記信号線を介して前記画素からのノイズ信号情報を読み取る読取信号を発する第2の読取制御回路と、
前記第1の読取制御回路からの読取信号により前記画像信号情報を読み取り、前記第2の読取制御回路からの読取信号により前記ノイズ信号情報を読み取って、前記画像信号情報及び前記ノイズ信号情報を保存する読取回路と、
前記画像信号情報を前記ノイズ信号情報に基づいて補正する補正回路と、
前記補正された画像信号情報を表示する表示装置と、
を備えることを特徴とする放射線画像検出器。
【請求項3】
前記補正回路は、前記画像信号情報から前記ノイズ信号情報を減算することを特徴とする請求項1又は2記載の放射線画像検出器。
【請求項4】
前記ノイズ信号情報は、前記放射線が照射されていない状態で前記非照射の連続撮影を複数回繰り返して行った際に、前記任意の枚数目毎に前記複数回のノイズ信号情報の平均値を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の放射線画像検出器。
【請求項5】
前記ノイズ信号情報は、前記読取回路により前記放射線が照射されていない状態で通常の蓄積時間のn倍の時間を掛けて電荷量を蓄積し、当該電荷量を1/nにした電荷信号を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の放射線画像検出器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−95201(P2012−95201A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242410(P2010−242410)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(503382542)東芝電子管デバイス株式会社 (369)
【Fターム(参考)】