説明

放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤

放射線硬化性樹脂、1以上の乾燥剤充填剤、1以上の光開始剤または光増感剤、および場合により、1以上の無機または有機充填剤を含む放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、アメリカ合衆国政府の支援を受けて陸軍研究所によって認められた契約番号MDA972-93-2-0014のもとでなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
関連する出願
本出願は出願番号11/098,115号、11/098,116号および11/098,117号の米国特許出願に関連する。本出願は米国特許出願番号11/098,117号の一部継続出願である。
【0002】
発明の分野
本発明は放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤または密閉剤に関する。好ましい態様において、本発明は有機発光ダイオードなどの電子デバイスや光電子デバイスのための乾燥剤を充填した外周接着剤および密閉剤に関する。
【0003】
発明の背景
様々なパッケージ化された電子デバイスや光電子デバイスは、指定された動作寿命または貯蔵寿命を達成するために水分に対する保護を必要とすることがよく知られている。特に、有機発光デバイス(OLED)、ポリマー発光デバイス、電荷結合デバイスセンサー(CCD)、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイおよびマイクロ電気機械センサー(MEMS)などの高度に感湿性の電子デバイスや光電子デバイスの封入パッケージの中の相対湿度は、有機発光層、電極またはその他の感湿性要素を完全に保護するために、一定のレベルよりも低くなるように制御しなければならず、特に1000ppm未満あるいは場合により100ppm未満に制御しなければならない。
【0004】
封入デバイスまたはパッケージ化デバイスを水から保護するために先行技術において用いられている幾つかの解決策がある。これらの技術は必ずしもうまくいかない。有機密閉剤は厳重な水分浸透性の要件を満足しないかもしれない。水分不浸透性のはんだ密閉剤は感温性のデバイスのためには高すぎる融点を有するかもしれない。また、デバイスの内壁に付設された乾燥剤のパッケージはデバイスからの発光を遮断するかもしれず、これは上部発光式の有機発光ダイオードについては特に問題である。
【0005】
発明の概要
本発明は、密閉剤と接着剤の両者(以下、密閉剤/接着剤と称する)の特性を有する放射線硬化性の乾燥剤充填材料である。これらの材料は、高度に感湿性の電子デバイス、光電子デバイスあるいは類似のデバイスを密閉するのに適している。これらの密閉剤/接着剤組成物において、この材料は水分に対するバリヤーとして作用するだけでなく、浸透するあらゆる水または水蒸気を吸収し、吸着し、あるいはそれらと化学的に反応する。この材料は、接着剤が放射線硬化した後には二つの基板を接合することができて、それにより密閉容器を形成する。
【0006】
放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤は、(a)1以上の放射線硬化性樹脂;(b)水または水蒸気を吸収し、吸着し、あるいはそれらと化学的に反応する1以上の充填剤;(c)1以上の光開始剤および/または光増感剤を含む。
【0007】
場合により、接着剤/密閉剤は、1以上の反応性樹脂または非反応性樹脂、1以上の無機充填剤、または1以上の接着促進剤(adhesion promoter)も含んでいてもよい。
発明の詳細な説明
本明細書で引用される全ての参考文献は、その全体がここに取り込まれる。本明細書において、放射線硬化という用語は、化学線への曝露による樹脂または樹脂/充填剤系の硬
化を指す。化学線とは材料に化学変化を誘起させる電磁放射線であり、本明細書および特許請求の範囲の中での目的については電子ビーム硬化を含む。大抵の場合において、そのような放射線は紫外線(UV)または可視光線である。この硬化の開始は、適当な光開始剤の使用によって行われる。
【0008】
適当な放射線硬化性樹脂は、UV硬化性材料および充填されるポリマー複合材の分野における熟練者に知られている放射線硬化性樹脂のあらゆるものを含む。樹脂は小さな分子、オリゴマーまたはポリマーであってもよく、最終用途のために熟練者によって適切に選択されるだろう。選択される特定の乾燥剤充填剤は、特定の光電子デバイスまたは電子デバイスに必要とされる水分除去要件と水分バリヤー要件に応じて異なってもよい。硬化の機構(カチオン、ラジカル、その他)も変化してもよいが、しかしそれは、用いられる充填剤や乾燥剤充填剤と適合するのが好ましいだろう(例えば、アルカリ性の乾燥剤または充填剤のあるものは、カチオン性のUV硬化性樹脂系を妨害するかもしれない)。
【0009】
これらの組成物のために用いられる材料は知られているが、本発明の本質は、乾燥剤とともに充填され、そして放射線によって硬化されうる接着剤/密閉剤の配合にある。
放射線硬化性樹脂の主鎖(backbone)は限定されない。樹脂上の反応性官能価は、放射線への曝露によって形成される開始剤または触媒に対して反応性の官能価であろう。そしてそれには、(限定はされないが)グリシジルエポキシ、脂肪族エポキシ、および脂環式エポキシから選択されるエポキシ;オキセタン;アクリレートおよびメタクリレート;イタコネート;マレイミド;ビニル、プロペニル、クロチル、アリル、およびこれらの基のプロパルギルエーテルとチオ-エーテル;マレエート、フマレート、およびシンナメートのエステル;スチレン(styrenic);アクリルアミドおよびメタクリルアミド;カルコン;チオール;アリル、アルケニル、およびシクロアルケニルの基がある。
【0010】
適当なカチオン重合性の放射線硬化性樹脂としては、エポキシ、オキセタン、ビニルエーテル、およびプロペニルエーテルがある。代表的なエポキシ樹脂はグリシジルエーテルと脂環式エポキシであり、これらは当業者に知られている幾つかの供給元から商業的に入手できる。
【0011】
代表的な芳香族液体グリシジルエーテルとしては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(Resolution Performance ProductsからEpikote 862の商品名で販売されている)またはビスフェノールAジグリシジルエーテル(Resolution Performance ProductsからEpikote 828の商品名で販売されている)がある。代表的な固体グリシジルエーテルとしては、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル(RSS 1407の商品名で販売されている)およびレソルシノールジグリシジルエーテル(CVC Specialty Chemicals, Inc. からErisys RDGE(登録商標)の商品名で販売されている)がある。その他の芳香族グリシジルエーテルは、Resolution Performance ProductsからEpon 1031、Epon 164、およびSU-8の商品名で商業的に入手できる。
【0012】
代表的な非芳香族グリシジルエポキシ樹脂としては、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Dainippon Ink & ChemicalsからEXA-7015の商品名で販売されている)またはAldrich Chemical Co. から入手できるシクロヘキサンジメチロールジグリシジルエーテルがある。
【0013】
代表的な脂環式エポキシ樹脂としては、Dow Chemical Co. から入手できるERL 4221およびERL 6128がある。代表的なオキセタン樹脂はToagoseiから入手できるOXT-121である。代表的なビニルエーテル分子としては、シクロヘキサンジメチロールジビニルエーテル(Rapicure-CHVE)、トリプロピレングリコールジビニルエーテル(Rapicure-DPE-3)またはドデシルビニルエーテル(Rapicure-DDVE)があり、これらの全てがInternational S
pecialty Productsから入手できる。類似するビニルエーテルもBASFから入手できる。
【0014】
適当なラジカル重合性の放射線硬化性樹脂としては、アクリレート、マレイミド、またはチオール-エンをベースとする樹脂がある。多くの場合、密閉剤/接着剤材料の特性を調整するために、これら三つの樹脂の組み合わせを用いることができる。
【0015】
代表的なアクリレート樹脂としては、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、シクロヘキサンジメチロールジジアクリレート、ジシクロペンタジエンジメチロールジアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ポリ(ブタジエン) ジメタクリレート、およびビスフェノールAをベースとするアクリレート化エポキシがある。このような樹脂はSartomer and UCB Chemicalsから商業的に入手できる。
【0016】
代表的な液体マレイミド樹脂は、例えば米国特許6,265,530号、6,034,194号、および6,034,195号に記載されていて、これらは参考文献としてその全体がここに取り込まれる。特に適当なマレイミド樹脂は次の構造を有するものである:
【0017】
【化1】

【0018】
ここで (C36) は36の炭素を有する炭化水素成分を表し、これは直鎖または枝分れ鎖であてもよく、また次のように環状構造を伴っていても伴っていなくてもよい:
【0019】
【化2】

【0020】
代表的なチオール-エン(thiol-ene)ラジカル光重合性の系としては、ペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)/トリアリル-イソシアヌレート系がある。その他の有用なチオールとしては、米国特許5,919,602号(MacDermid Acumen, Inc. に付与)に記載されたものがある。その他の有用なポリエンとしては、ジアリルクロレンデート(BX-DACの商品名で販売されている)およびテトラアリルビスフェノールAがあり、両者ともBimax, Inc. から入手できる。
【0021】
他の適当な樹脂としては、放射線硬化性の官能基を含むポリイソブチレンまたはブチルゴムがある。代表的なポリイソブチレンアクリレートは、米国特許5,171,760号(Edison Polymer Innovation Corp. に付与)、米国特許5,665,823号(Dow Corning Corp. に付与)およびPolymer Bulletin(ポリマー公報)第6巻、135〜141ページ(1981)(T.P. LiaoおよびJ.P. Kennedy著)に記載されていた。代表的なポリイソブチレンエポキシは、Polymer Material Science and Engineering, 第58巻、869ページ(1988)およびJournal of
Polymer Science, Part A, Polymer Chemistry, 第28巻、89ページ(1990)(J.P. KennedyおよびB. Ivan著)に記載されていた。代表的なポリイソブチレンビニルエーテルは、Polymer Bulletin 第25巻、633ページ(1991)(J.P. Kennedyおよび協力者著)、米国特許6,054,549号、6,706,779 B2(Dow Corning Corp. に付与)に記載されていた。代表的な放射線硬化性ブチルゴムは、RadTech North America proceedings、77ページ(1992)(N.A. Merrill、I.J. GardnerおよびV.L. Hughes著)に記載されていた。これらのゴムは放射線によって硬化可能な反応性官能価を有している。このような反応性の官能価としては、(限定はされないが)グリシジルエポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ;オキセタン;アクリレート、メタクリレート、イタコネート;マレイミド;ビニル、アルケニル、プロペニル、クロチル、アリル、およびこれらの基のプロパルギルエーテルとチオ-エーテル;マレエート、フマレート、およびシンナメートのエステル;スチレン(styrenic);アクリルアミドおよびメタクリルアミド;カルコン;チオール;アリル、アルケニル、およびシクロアルケニルの基からなる群から選択されるものがある。
【0022】
さらなる適当な放射線硬化性樹脂およびそのような樹脂のための光開始剤としては、Fouassier, J-P., Photoinitiation, Photopolymerization and Photocuring Fundamentals
and Applications 1995(Hanser/Gardner Publications, Inc., New York, NY)などの文献に見いだされるものがあるだろう。
【0023】
本発明の放射線硬化性バリヤー材料のための光開始系の選択は、放射線硬化の分野の熟練者によく知られている。この光開始系は、1以上の光開始剤と、場合により1以上の光増感剤を含むだろう。適当な光開始剤の選択は、バリヤー密閉剤が用いられる特定の用途にかなり依存する。適当な光開始剤は、放射線硬化系における樹脂、充填剤およびその他の添加剤のスペクトルとは異なる光吸収スペクトルを示すものである。
【0024】
カバー(または蓋)または基板を通して密閉剤を硬化しなければならない場合、光開始剤は、カバーまたは基板を透過する波長の放射線を吸収することができるものであろう。例えば、バリヤー密閉剤がソーダ石灰ガラスのカバープレートを通して硬化される場合、光開始剤はおよそ320nm以上での大きなUV吸収能を有していなければならない。320nm未満のUV放射線はソーダ石灰ガラスのカバープレートによって吸収され、光開始剤には到達しないだろう。この例においては、光開始剤へのエネルギーの移動を増大させるために、光開始系の中に光開始剤とともに光増感剤を含ませるのが有益であろう。カバーまたは蓋の種類は用途によってのみ限定され、堅いものであっても柔らかいものであってもよい。例としては、ガラス、バリヤーコートしたプラスチック、および鋼がある。
【0025】
カチオン光重合性の系に対しては、最も有用な光開始剤はアニオンを含むジアリールヨードニウム塩およびトリアリールスルホニウム塩であり、例えば(限定するものではないが)BF4"、PF6-、AsF6-、またはSbF6"などのフッ素化アニオンを含むものである。商業的に入手できる代表的なヨードニウム塩としては、PC2506(Polyset)、UV9380C(GE silicones)およびRhodorsil 2074(Rhodia)がある。その他の適当なカチオン光開始剤はスルホニウム塩であり、代表的なスルホニウム塩はUVI-6974(Dow Chemical)である。用途に応じて、イソプロピルチオキサントン(ITX)やクロロプロポキシチオキサントン(CPTX)(両者ともAldrichやその他の供給元から入手できる)などの光増感剤が、ヨードニウ
ム塩光開始剤と組合わせて有用である。ラジカル光開始剤はCiba Specialty Chemicalsおよびその他の供給元から入手できる。Cibaからの代表的で有用なラジカル光開始剤としては、Irgacure 651、Irgacure 819およびIrgacure 907がある。その他の光開始剤はIonic Polymerizations and Related processes, 45−60, 1999, Kluwer Academic Publishers;Netherlands;J. E. Puskas et al. (eds.) に開示されている。光開始剤は0.1wt%〜10wt%の範囲の量で用いられるだろう。
【0026】
材料の特性または組成物の流動性を改善するために、乾燥剤ではない無機充填剤(本明細書および特許請求の範囲の中で非乾燥剤充填剤とも称される)を用いてもよい。本発明のUV硬化性密閉剤/接着剤において有用な多くのそのような充填剤が存在する。代表的な非乾燥剤充填剤としては、(限定するものではないが)石英粉末、溶融シリカ、無定形シリカ、タルク、ガラスビーズ、黒鉛、カーボンブラック、アルミナ、クレー、雲母、窒化アルミニウム、および窒化ホウ素がある。導電性の用途に対しては、銀、銅、金、スズ、スズ/鉛合金、およびその他の合金からなる金属粉末やフレークも適当な充填剤である。ポリ-(テトラクロロエチレン)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデンクロリド)などの有機充填剤粉末も用いることができる。放射線硬化性組成物において用いるのに適しているそのような充填剤のタイプと量は、当業者の専門知識の範囲内のことである。しかし、一般に、そのような充填剤は配合物全体の1wt%〜90wt%の範囲の量で存在するだろう。
【0027】
用いるのに適した乾燥剤特性を有する充填剤(本明細書および特許請求の範囲の中で乾燥剤充填剤と称される)は、特定のデバイスのための許容できる水分量を満足するために、適当な水分除去速度、容量、および残留水分量(乾燥剤が水分を有効に除去することのできる最少の水分量)を与えるようないかなるものであってもよい。乾燥剤充填剤は、水および/または水蒸気と反応し、あるいはそれらを吸収または吸着することができるだろう。そのような乾燥剤の代表的なもののリストは、Dean, J. Lange’s Handbook of Chemistry, 1999, McGraw Hill, Inc., New York, NY, pp.115に見いだされる。
【0028】
一般に、適当な乾燥剤としては、(限定するものではないが)金属酸化物(CaO、BaO、MgOなど);その他の酸化物(SiO2 、P2O5 、Al2O3など);金属水素化物(CaH2 、NaH、LiAlH4など);金属塩(CaSO4 、Na2SO4 、MgSO4 、CaCO3 、K2CO3 、CaCl2など)、粉末ゼオライト(4Aおよび3Aのモレキュラーシーブなど);金属過塩素酸塩、例えばBa(ClO4)2 、Mg(ClO4)2;超吸収剤ポリマー、例えば軽く架橋したポリ(アクリル酸);および水と反応する金属、例えばカルシウムがある。
【0029】
いかなる充填剤についても、乾燥剤充填剤の粒度、粒度分布、形状、および表面の官能価は、それを樹脂系の中に添加することのできる量に影響し、また流動性がいかなるものになるのか、ということに影響するだろう。そのような要因は当業者によって理解されていて、そうでない場合は本発明の組成物とは関連がない。上で開示されたより一般的な非乾燥剤充填剤とこれらの乾燥剤充填剤の混合物も想定され、そして実施例の中で説明される。
【0030】
乾燥剤充填剤の粒度についての通常の範囲は0.001〜200マイクロメートルである。当業者であれば、特定の最終用途のために必要な樹脂、流動性および除去速度についての適当な粒度の範囲を決定することができるだろう。
【0031】
さらなる態様において、本発明は基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであり、蓋と基板は乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は本明細書において上で説明したものである。一つの態様において、乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は、基板と蓋の外周接合部
に沿って配置される。別の態様において、乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は、保護する必要のある基板と蓋の領域の全体にわたって配置される。
【0032】
実施例
外周密閉剤の水分バリヤー性能はCaボタン試験として知られる試験によって評価することができ、それにおいては、デバイスの中に封入されたカルシウム金属の薄膜が水との反応によってカルシウム塩に崩壊するのに要する時間が測定される。崩壊する前のカルシウム金属の薄膜の寿命が長いほど、デバイスの中への水分の浸透性は低く、そして密閉剤/接着剤はデバイスを良好に保護する。
【0033】
これらの実施例において用いられるCaボタンデバイスを図1に示す。図において、BHは外周密閉剤/接着剤の接合線の高さ(厚さ)であり、BWは外周密閉剤/接着剤の接合線の幅であり、ガラスは上にカルシウム金属の薄膜が配置される基板であり、そして蓋はデバイスを最後に封入するのに用いられるガラスまたは金属の蓋である。
【0034】
デバイスはN2を充填したグローブボックスの中で組みつけられた。最初に、薄いCa膜が蒸着によってガラスウエーハの上に100nmの厚さおよび8.0mmの直径になるように蒸発された。Ca膜は、蓋の縁に予め塗布された外周密閉剤/接着剤を用いて蓋によって封入された。密閉剤の接合部はUV放射線スポット硬化装置によって硬化され、それにより、UV-A放射線の3.0J/cm2の線量で基板と蓋が結合された。
【0035】
密閉されたCaボタンデバイスは、65℃/80%RH(相対湿度)に制御された環境の中に置かれた。最初、カルシウム金属膜は、光を反射することのできる金属質の鏡面状である。水分に晒すと金属膜はカルシウム塩に変化し、透明になって、もはや反射しない。カルシウム金属膜が完全に崩壊する時間を特定するために、ボタンデバイスの中のカルシウム膜は有標反射装置によって継続して監視された。水分は露出した密閉剤の層を通してしか密封されたデバイスの中に浸透することができないので、Caボタンの寿命は水分バリヤー性能を評価するために用いることができる。
【0036】
Caボタン試験を用いての水の浸透試験のために、Caボタンデバイスに塗布する直前に、組成物の成分をFlackTek Speedmixer(登録商標)の中で混合することによって、実施例の外周密閉剤/接着剤組成物が調製された。Caボタンと乾燥剤によって水分が吸収されるのを避けるために、組成物はN2を充填したグローブボックスの中でCaボタンデバイスに塗布された。各々の実施例は、同じ組成で乾燥剤を含むものと含まないものの両者に相当する二つの試料のセットを含んでいる。全ての実施例についての試料の組成(重量パーセント)とCaボタン試験についての結果を表1に要約する。
【0037】
実施例1
上述したようにして、ジアクリレート放射線硬化性樹脂(Sartomer SR833S)、シリカ充填剤およびラジカル光開始剤(Irgacure 651)を含むようにして配合物が調製された。配合物1(a) は乾燥剤を含まず、配合物1(b) は乾燥剤として硫酸カルシウム(CaSO4)を含んでいた。この実施例において、デバイスの蓋はガラスの蓋(26mm×15.5mm×1.1mm)(L×W×H)であり、外周密閉剤は2.5mmの接合線の幅を有していた。
【0038】
【表1】

【0039】
実施例2
上述したようにして、ジアクリレート(Sartomer SR833S)、脂肪族ゴム(ポリイソブチレン、Mn=2300)、シリカ充填剤およびラジカル光開始剤の混合物を含むようにして配合物が調製された。配合物2(a) は乾燥剤を含まず、配合物2(b) は乾燥剤としてCaSO4を含み、配合物2(c) は乾燥剤としてCaOを含んでいた。この実施例において、デバイスの蓋はガラスの蓋(26mm×15.5mm×1.1mm)(L×W×H)であり、外周密閉剤は2.5mmの接合線の幅を有していた。
【0040】
【表2】

【0041】
実施例3
上述したようにして、放射線硬化性(カチオン)エポキシ樹脂(Epon 862)、タルク充填剤、カチオン光開始剤、および光増感剤であるペリレンまたはイソプロピルチオキサントン(ITX)の混合物を含むようにして配合物が調製された。配合物3(a) は乾燥剤を含まず、配合物3(b) は乾燥剤として粉末モレキュラーシーブを含み、配合物3(c) は乾燥剤として3(b) とは異なる添加量で粉末モレキュラーシーブを含んでいた。この実施例において、デバイスの蓋はステンレス鋼の蓋(27mm×27mm×6.1mm)(L×W×H)であり、外周密閉剤は1.3mmの接合線の幅を有していた。
【0042】
【表3】

【0043】
結果を表1にまとめ、報告する。この結果は、乾燥剤を含む密閉剤/接着剤配合物は乾燥剤を含まない密閉剤/接着剤配合物と比較して改善された水分バリヤー性能を示し、このことは、乾燥剤が密閉剤/接着剤組成物の中の水分を効果的に吸収することができることと、寿命の増大が乾燥剤の水分吸収能に基づくものであることを意味し、乾燥剤が密閉剤/接着剤を通しての水分の浸透の遅れを生じさせる。さらに、乾燥剤を含む配合物においては、接着性またはその他の機械的特性の低下は認められなかった。
【0044】
【表4】

【0045】
実施例4および5のために用いられるCaボタン試験を図2に示す。図において、BHは密閉剤/接着剤の接合線の高さ(厚さ)であり、BWはガラスの縁からCa膜までの密閉剤/接着剤の接合線の幅であり、ガラスは上にカルシウム金属の薄膜が配置される基板であり、そして蓋はデバイスを最後に封入するのに用いられるガラスの蓋である。
【0046】
デバイスはN2を充填したグローブボックスの中で組みつけられた。最初に、薄いCa膜が蒸着によってガラス基板(26mm×15.5mm×1.1mm)(L×W×H)の上に100nmの厚さおよび23mm×12.5mm(L×W)の形状になるように蒸発された。密閉剤/接着剤のBWは1.5mmである。Ca膜は、蓋の全体の領域上に施された密閉剤/接着剤を用いて蓋によって封入された。密閉剤の接合部はUV放射線スポット硬化装置によって硬化され、それにより、UV-A放射線の3.0J/cm2の線量で基板と蓋が結合された。
【0047】
密閉されたCaボタンデバイスは、65℃/80%RH(相対湿度)に制御された環境の中に置かれた。最初、カルシウム金属膜は不透明な金属質の膜である。密閉部の縁を通って浸透する水分に晒されると、金属膜はカルシウム塩に変化し、そして透明になる。従って、金属膜の面積は時間の経過とともに小さくなる。カルシウム金属膜の面積がその最初の面積の70%に低下する時間を特定するために、実施例4および5におけるボタンデバイスの中のカルシウム膜の面積が定期的に監視されて測定された。この経過時間がCaボタン
の寿命と定義される。水分は露出した密閉剤の層を通してしか密封されたデバイスの中に浸透することができないので、Caボタンの寿命は水分バリヤー性能を評価するために用いることができる。
【0048】
Caボタン試験を用いての水の浸透試験のために、Caボタンデバイスに塗布する前に、組成物の成分をFlackTek Speedmixer(登録商標)の中で混合しそしてガス抜きすることによって、実施例の密閉剤/接着剤組成物が調製された。Caボタンと乾燥剤によって水分が吸収されるのを避けるために、組成物はN2を充填したグローブボックスの中でCaボタンデバイスに塗布された。各々の実施例は、同じ組成で乾燥剤を含むものと含まないものの両者に相当する二つの試料のセットを含んでいる。
【0049】
実施例4
上述したようにして、放射線硬化性ポリイソブチレンジアクリレート樹脂(Mn=5300、70重量部)(これはJ. P. Kennedyのグループにおいて開発された方法によって調製された(TP. Liao and J. P. Kennedy, Polymer Bulletin, Vol. 6, pp 135-141 (1981)))、ジアクリレート樹脂(Sartomer SR833S、30重量部)、乾燥剤(50重量部)、およびラジカル光開始剤(Irgacure 651、0.3重量部)を含むようにして配合物が調製された。表2に示すように、配合物4(a) は乾燥剤を含まず、配合物4(b) は乾燥剤としてモレキュラーシーブ(平均粒度:5μm)を含み、配合物4(c) は乾燥剤として硫酸カルシウム(平均粒度:25μm)を含み、配合物4(d) は乾燥剤として酸化カルシウム(平均粒度:10μm)を含み、配合物4(e) は乾燥剤として塩化カルシウム(ACS粉末)を含み、配合物4(f) は乾燥剤として酸化アルミニウム(平均粒度:3μm)を含み、配合物4(g) は乾燥剤として炭酸カリウム(平均粒度:43μm)を含み、配合物4(h) は乾燥剤として酸化マグネシウム(平均粒度:43μm)を含んでいた。この実施例において、デバイスの蓋はガラス(26mm×15.5mm×1.1mm)(L×W×H)であり、密閉剤/接着剤は1.5mmの接合線の幅を有していた。
【0050】
【表5】

【0051】
この結果は、乾燥剤を含む密閉剤/接着剤配合物は乾燥剤を含まない密閉剤/接着剤配合物と比較して改善された水分バリヤー性能を示し、このことは、乾燥剤が密閉剤/接着剤組成物の中の水分を効果的に吸収することができることと、寿命の増大が乾燥剤の水分吸収能に基づくものであることを意味し、乾燥剤が密閉剤/接着剤を通しての水分の浸透の遅れを生じさせる。さらに、乾燥剤を含む配合物においては、接着性またはその他の機械的特性の低下は認められなかった。
【0052】
実施例5
乾燥剤充填剤の有益性が、チオール-エンを主成分とする系においてさらに証明された。幾つかのチオール-エン配合物が調製されたが、それらを表3に示す。Caボタンデバイスが製造され、上述したのと同じ方法を用いて試験された。図3に示すように、配合物5-b は、乾燥剤充填剤を添加したことにより、全ての試料の中で最もゆっくりした崩壊を示した。
【0053】
【表6】

【0054】
Irganox 3052(Cibaの製品)は次の構造を有する:
【0055】
【化3】

【0056】
Q43(Hampshire Chemical の製品)は次の構造を有する:
【0057】
【化4】

【0058】
TAIC(Aldrichの製品)は次の構造を有する:
【0059】
【化5】

【0060】
Irgacure 651(Cibaの製品)は次の構造を有する:
【0061】
【化6】

【0062】
実施例6
二つのマレイミドをベースとする系が比較された。密閉剤6-a は純粋な樹脂配合物であり、一方、密閉剤6-b は(総重量に基づいて)30wt%の硫酸カルシウムを含有し、実施例4と同様にして調製されたものである。両者の試料は3JのUVAで硬化され、そして50℃、100%の相対湿度において水分の浸透性が試験された。密閉剤6-b はかなり低い水分浸透性を有することがわかった。結果を表4に示す。
【0063】
【表7】

【0064】
【化7】

【0065】
【化8】

【0066】
実施例7
表5に示すように、レソルシノールジグリシジルエーテル(RDGE)、EPON 862、光開始系(カチオン光開始剤とITX)、およびシラン接着促進剤を含むようにして、乾燥剤を充填したカチオンエポキシバリヤー密閉剤が調製された。試料はプラスチック製広口びんの中に置かれ、透明になるまで渦混合器(vortex mixer)を用いて1時間混合された。次いで、びんの中に硫酸カルシウムとミクロンサイズのシリカが添加され、そして試料の全体が渦混合器を用いてさらに1時間混合された。得られたペーストは真空容器の中でガス抜きされた。
【0067】
100kgのヘッドと300ミルのダイ工具を備えたRoyce Instrument 552 100Kを用いて、硬化した試料の剪断接着力が試験された。接着力は配合物7(a) について26.0±4.6kg、そして密閉剤配合物7(b) について39.3±10.2kgであることがわかった。65℃で80%RHにおける温湿老化の後、7(a) の接着力は1週間で31.4±7.2kg、そして2週間で27.5±1.9kgであることがわかり、7(b) の接着力は1週間で37.3±4.7kg、そして2週間で36.5±2.0kgであることがわかった。
【0068】
上記の配合物の水分浸透率(50℃、100%相対湿度)がMocon Permeatran 3/33を用いて測定され、そして配合物7(a) について5.1g・ミル/100in2・日であり、配合物7(b) について3.0g・ミル/100in2・日であることがわかった。
【0069】
【表8】

【0070】
配合物7(a) と7(b) について、実施例1、2および3に関して説明したのと同じ方法を用いてCaボタン試験が行なわれた。接着剤はガラスのウエーハを通して6JのUVAで硬化された。ドライボックスの中に一晩置いた後、試料は65℃で80%RHにおいて湿度調整容器の中に置かれた。試料が完全に透明になるまで、カルシウムボタンが消滅する様子が監視された(図4)。「カルシウムボタン試験」によって示されるように、密閉剤7(b) は7(a) よりも良好な接着性を有し、また無機充填剤の添加量が多く、従ってより低い水分浸透性を有しているが、7(a) の封入されたカルシウム膜は7(b) の膜よりもずっと長く残存し、これは7(a) において硫酸カルシウムの乾燥剤が用いられたためである。このことは、エポキシをベースとする配合物において乾燥剤を含んでいることの意義を明らかに証明する。
【0071】
実施例8:メタ置換を有していない、乾燥剤を充填したエポキシのCaボタンの寿命
この実施例は、実施例7で提供されたエポキシ組成物が高性能のバリヤー密閉剤を製造するために重要であることを示すものである。特に、長いデバイス寿命を与えるために温湿老化を行った後に、低いバルク浸透性と高い剪断強さを有することが重要である。
【0072】
次のようにして、ビスフェノールFのジグリシジルエーテルを主成分とする、乾燥剤を充填したエポキシ配合物が配合された:
【0073】
【表9】

【0074】
組成物は手作業で混合され、次いで三本ロール練り機で簡単に粉砕された。圧延棒を用いてこの組成物からなる4ミルのフィルムが形成され、そして3J UVA/cm2のUV照射線量で硬化された。Mocon Permeatran装置を用いて50℃/100%RHにおいて浸透性が測定された。浸透率はおよそ19g・ミル/100in2・24hであった。
【0075】
この組成物が用いられて、およそ2ミルの接着剤の層厚でソーダ石灰ガラスの基板に4mm×4mmの正方形のソーダ石灰ガラスのダイが接合され、そしてこれは3J UVA/cm2の照射線量でUV硬化された。実施例7で説明したのと同じ方法を用いて試験したとき、この組成物の最初のダイ剪断強さは27.1kgであった。65℃/80%RHにおいて1週間の老化を行った後、組成物の剪断強さは10kg未満の平均値に低下した。
【0076】
実施例7で説明したのと同じ方法でCaボタンの寿命が測定された。ソーダ石灰ガラスのウエーハの上に100nmの厚さのCaボタンが付着され、そしてこの実施例の接着剤配合物を用いてCaボタンの上にステンレス鋼の蓋(およそ25mm×25mmの正方形で、縁の幅が約1mm)が接着された。実施例7と同様に65℃/80%RHにおいてボタンの寿命が測定され、約15時間であることがわかった。
【0077】
従って、本実施例の乾燥剤を充填したエポキシ配合物は、実施例7のメタ置換エポキシ系と比較して、温湿老化を受けた後の低い接着性、高いバルク浸透性、および劣ったCaボタン寿命を示すことが認められた。この実施例は、高性能の乾燥剤を充填したエポキシ密閉剤を得るためには、エポキシ樹脂と乾燥剤の両者の選択が重要であることを例証する。特に、(温湿老化の前と後の両方で)低い固有水分浸透性と良好な接着性を有するメタ置換エポキシ系(例えば実施例7で例示されたもの)は、長いデバイス寿命を得るために重要である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は基板に蓋が付けられたカルシウムボタンデバイスを示し、蓋と基板の外周の境界面に外周密閉剤が配置されている。
【図2】図2は二つの基板を接合するために積層接着剤を用いるCaボタンデバイスを示す。一方の基板の選択された領域にCaフィルムの層(厚さ100nm)が予め付着された。
【図3】図3はチオール-エン密閉剤/接着剤のCaボタン崩壊速度の比較を示す。
【図4】図4は乾燥剤を充填したカチオンエポキシバリヤー密閉剤を用いるデバイスについてのCaボタン崩壊の延長時間を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤組成物であって:
a)放射線硬化性樹脂、
b)1以上の乾燥剤充填剤、
c)1以上の光開始剤と場合により1以上の光増感剤を含む光開始系、
d)場合により、放射線硬化性樹脂の希釈剤、
を含む前記接着剤/密閉剤組成物。
【請求項2】
放射線硬化性樹脂は、グリシジルエポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ;オキセタン;アクリレート、メタクリレート、イタコネート;マレイミド;ビニル、プロペニル、クロチル、アリル、およびこれらの基のプロパルギルエーテルとチオ-エーテル;マレエート、フマレート、およびシンナメートのエステル;スチレン;アクリルアミドおよびメタクリルアミド;カルコン;チオール;アリル、アルケニル、およびシクロアルケニルの基からなる群から選択される反応性官能価を含む、請求項1に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項3】
1以上の乾燥剤充填剤は、金属酸化物、金属硫酸塩、金属水素化物、金属ハロゲン化物、金属過塩素酸塩、金属炭酸塩、五酸化リン、水と反応する金属、超吸収剤ポリマー、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、活性シリカゲル、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項4】
乾燥剤充填剤は、CaO、BaO、MgO、SiO2 、P2O5 、Al2O3 、CaH2 、NaH、LiAlH4 、CaSO4 、Na2SO4 、MgSO4 、CaCO3 、K2CO3 、CaCl2 、4Aおよび3Aのモレキュラーシーブ、Ba(ClO4)2 、Mg(ClO4)2 、軽く架橋したポリ(アクリル酸) およびCaからなる群から選択される、請求項3に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項5】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の外周に沿って乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項1に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項6】
デバイスはOLEDである、請求項5に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項7】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項5に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項8】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の間の全体の領域に配置された乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項1に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項9】
デバイスはOLEDである、請求項8に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項10】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項8に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項11】
放射線硬化性樹脂はポリイソブチレンまたはブチルゴムである、請求項2に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項12】
1以上の乾燥剤充填剤は、金属酸化物、金属硫酸塩、金属水素化物、金属ハロゲン化物、金属過塩素酸塩、金属炭酸塩、五酸化リン、水と反応する金属、超吸収剤ポリマー、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、活性シリカゲル、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項11に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項13】
乾燥剤充填剤は、CaO、BaO、MgO、SiO2 、P2O5 、Al2O3 、CaH2 、NaH、LiAlH4 、CaSO4 、Na2SO4 、MgSO4 、CaCO3 、K2CO3 、CaCl2 、4Aおよび3Aのモレキュラーシーブ、Ba(ClO4)2 、Mg(ClO4)2 、軽く架橋したポリ(アクリル酸) およびCaからなる群から選択される、請求項12に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項14】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の外周に沿って乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項11に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項15】
デバイスはOLEDである、請求項14に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項16】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項14に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項17】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の間の全体の領域に配置された乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項11に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項18】
デバイスはOLEDである、請求項17に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項19】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項17に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項20】
放射線硬化性樹脂はチオール-エン樹脂である、請求項2に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項21】
チオール-エン樹脂はペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)/トリアリル-イソシアヌレート系である、請求項20に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項22】
1以上の乾燥剤充填剤は、金属酸化物、金属硫酸塩、金属水素化物、金属ハロゲン化物、金属過塩素酸塩、金属炭酸塩、五酸化リン、水と反応する金属、超吸収剤ポリマー、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、活性シリカゲル、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項20に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項23】
乾燥剤充填剤は、CaO、BaO、MgO、SiO2 、P2O5 、Al2O3 、CaH2 、NaH、LiAlH4 、CaSO4 、Na2SO4 、MgSO4 、CaCO3 、K2CO3 、CaCl2 、4Aおよび3Aのモレキュラーシーブ、Ba(ClO4)2 、Mg(ClO4)2 、軽く架橋したポリ(アクリル酸) およびCaからなる群から選択される、請求項22に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項24】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の外周に沿って乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項20に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項25】
デバイスはOLEDである、請求項24に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項26】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項24に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項27】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の間の全体の領域に配置された乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項20に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項28】
デバイスはOLEDである、請求項27に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項29】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項27に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項30】
放射線硬化性樹脂はマレイミド樹脂である、請求項2に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項31】
マレイミド樹脂は次の構造:
【化1】

を有するものである、請求項30に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項32】
1以上の乾燥剤充填剤は、金属酸化物、金属硫酸塩、金属水素化物、金属ハロゲン化物、金属過塩素酸塩、金属炭酸塩、五酸化リン、水と反応する金属、超吸収剤ポリマー、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、活性シリカゲル、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項30に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項33】
乾燥剤充填剤は、CaO、BaO、MgO、SiO2 、P2O5 、Al2O3 、CaH2 、NaH、LiAlH4 、CaSO4 、Na2SO4 、MgSO4 、CaCO3 、K2CO3 、CaCl2 、4Aおよび3Aのモレキュラーシーブ、Ba(
ClO4)2 、Mg(ClO4)2 、軽く架橋したポリ(アクリル酸) およびCaからなる群から選択される、請求項32に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項34】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の外周に沿って乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項30に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項35】
デバイスはOLEDである、請求項34に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項36】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項34に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項37】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の間の全体の領域に配置された乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項30に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項38】
デバイスはOLEDである、請求項37に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項39】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項37に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項40】
放射線硬化性樹脂はエポキシ樹脂である、請求項2に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項41】
前記エポキシ樹脂はレソルシノールジグリシジルエーテルである、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
1以上の乾燥剤充填剤は、金属酸化物、金属硫酸塩、金属水素化物、金属ハロゲン化物、金属過塩素酸塩、金属炭酸塩、五酸化リン、水と反応する金属、超吸収剤ポリマー、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、活性シリカゲル、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項40に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項43】
乾燥剤充填剤は、CaO、BaO、MgO、SiO2 、P2O5 、Al2O3 、CaH2 、NaH、LiAlH4 、CaSO4 、Na2SO4 、MgSO4 、CaCO3 、K2CO3 、CaCl2 、4Aおよび3Aのモレキュラーシーブ、Ba(ClO4)2 、Mg(ClO4)2 、軽く架橋したポリ(アクリル酸) およびCaからなる群から選択される、請求項42に記載の放射線硬化性の乾燥剤を充填した接着剤/密閉剤。
【請求項44】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の外周に沿って乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項40に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項45】
デバイスはOLEDである、請求項44に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項46】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項44に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項47】
基板の上に配置されて蓋を用いて封入された電子デバイスまたは光電子デバイスであって、蓋と基板はこの基板と蓋の間の全体の領域に配置された乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤で接合されていて、その乾燥剤を充填した密閉剤/接着剤は請求項40に記載の組成物を含む、前記電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項48】
デバイスはOLEDである、請求項47に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。
【請求項49】
デバイスは電気泳動デバイスである、請求項47に記載の電子デバイスまたは光電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−534771(P2008−534771A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505385(P2008−505385)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/011898
【国際公開番号】WO2006/107748
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(590000824)ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション (112)
【Fターム(参考)】