説明

放射線硬化性可撓性組成物

熱成形及びインモールド装飾用途で有用なウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び或る重合可能な単量体を含む重合可能な組成物が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線硬化性オリゴマー、放射線硬化性単量体、及び種々の添加剤を含む改良された放射線硬化性組成物に関する。そのような種類の組成物は、放射線硬化性インク、被覆、及び接着剤を製造するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
放射線硬化性組成物は、一般に、インク、被覆、及び接着剤として用いられている。慣用的溶媒含有組成物に勝る放射線硬化性組成物の利点には、適用及び硬化の速度、VOC(揮発性有機化合物)のレベルの減少、必要な処理エネルギーの減少、及び硬化する際に空間的に束縛されないことが含まれる。
【0003】
硬化後可撓性を示す放射線硬化性組成物は、当技術分野で知られており、繊維被覆、熱成形(thermoforming)、インモールド装飾(in-mold-decoration)(IMD)、及びインモールド被覆(IMC)法を含めた種々の用途で用いられてきた。一般に、熱成形可能な放射線硬化性樹脂についての従来法では、可撓性を示す被覆及びインクを与えているが、それらは硬化後大きな表面粘性(粘着性)という望ましくない性質も示す。表面粘着性が大きいと、それら粘着性物品を積み重ねた時、その積み重ねた隣の物品の裏側にインク/被覆が粘着して移ることになるので、印刷及び/又は、熱成形した物品の取扱いを難しくする。硬化後、大きな表面粘着性を相殺する方法が知られており、それらには、かなりの量の不活性充填剤の添加、積み重ねる前に印刷及び/又は、熱成形した目的物に粉末を振りかけること、及び積み重ねる前に印刷及び/又は、熱成形した目的物の間に中間フイルムを挟むことが含まれる。これらの方法は、硬化性組成物のレオロジーを変化させ、物品の処理に余分な工程を追加し、且つ/又は、硬化したインク及び/又は、被覆の可撓性及び破断時伸びを減少させることにより、可撓性樹脂の有用性を部分的に又は、かなり損なうのが典型的である。表面粘着性の低い良好な可撓性を示すインク及び被覆のための他の放射線硬化性樹脂は、或る範囲の重合体基体に対しては良好な接着性を示さないのが典型的である。
【0004】
IMD及びIMC法は知られており、その分野の従来法の大部分は、結合被覆層を用いて又は、用いずに、溶媒含有被覆又は、水含有被覆を使用することを含んでおり、結合被覆層は、IMD積層体中の硬化インク/被覆と射出成形ポリカーボネート層との間の接着性を増大する働きをする。前に述べたように、溶媒含有被覆は、処理中にかなりの量のVOCを放出する明確な欠点を有する。
【0005】
水含有被覆は、典型的には一層環境に優しいが、それらは硬化できるようになる前に、水を除去するためかなりのエネルギーを消費する必要がある。IMD処理で結合被覆層を使用すると、その方法に余分な工程を追加することになるので好ましくない。
【0006】
WO 02/50186A1は、IMD法で結合被覆層を用いることなく、かつ、溶媒を用い又は、用いずに有用な、放射線硬化性被覆又は、インク組成物を与えている。WO 02/50186A1は、オリゴマー主鎖中に直鎖脂肪族又は、芳香族ポリカーボネート系ポリオール残基を含有するオリゴマーが、IMD用途で接着性が良い旨を示すことを具体的に教示し、また、そのようなオリゴマーを、場合により、ポリエステル及びポリエーテルのような他の官能性のオリゴマーと一緒にして、それらを含む放射線硬化性組成物の可撓性及び他の特性を変更することができることを具体的に教示している。しかし、WO 02/50186A1の発明は、IMD物品に適切な接着性を生じさせるため、殆どポリカーボネート系の放射線硬化性オリゴマーを使用することを必要とし、そのためIMD法で用いることができるオリゴマーの範囲及びそれらオリゴマーの適応性が限定される。
【0007】
ヘテロ原子官能性環式及び非環式放射線硬化性単量体も当技術分野で知られており、US5,047,261及びUS5,360,836に記載されているように、この種の材料の或る例が、増大した硬化速度を示す幾つかの例として認められてきた。驚くべき速い重合速度を説明する機構が、WO 02/42383A1に提案されている。そこでは、計算値が3.5デバイ(Debye)より大きなボルツマン平均双極子モーメントを有する官能基をアクリレート基に結合すると、非常に大きな硬化速度をもたらす予想外に効率のよい光重合反応速度を示す単量体を生ずると言う仮説が教示されている。WO 02/42383の発明者は、更に、放射線硬化性組成物中にそのような単量体を含有させると、それら組成物の硬化速度を驚く程増大すること、及びそのような急速な硬化速度は、光学繊維ケーブルの処理でガラス繊維の被覆として有用であることを教示している。これらの種類の単量体の急速な重合速度についての活性機構及びそれらに対する相対的寄与は、様々な大学研究者及び産業界の研究者により研究されており、増大した速度をもたらす因果関係は完全に解明されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、次の複数の特性が可能となって示す放射線硬化性組成物を与えることにある:大きな可撓性、重合体基体に対する大きな接着性、硬化後の低い表面粘着性、良好な熱安定性、及び低い硬化収縮性。それらはインモールド装飾又は、インモールド被覆式方法により製造される積層構造体中で、射出成形したポリカーボネート及び/又は、他の熱可塑性樹脂に対し、良好な接着性を有すると言う必須の付加的条件と共に、そのような性質が組合されて有用になる熱成形用途及び他の用途のための実質的に溶媒を含まない放射線硬化性インク及び被覆を製造するため有用であり必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は、大きな可撓性及び大きな破断時伸び%を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを、特に、或る放射線硬化性ヘテロ原子含有単量体と組合せて含む放射線硬化性組成物を用いて達成される。更に、希釈剤、ラジカル発生開始剤、及び種々の添加剤を、場合により用いてもよい。
【0010】
従って、本発明は、重合可能な被覆組成物において、
a) 約5〜85重量%の、下記に記載するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、又は、そのようなオリゴマーの混合物であって、前記重合可能なオリゴマー、又は、オリゴマー混合物は、約100%より大きな破断時伸び%及び約1,000〜20,000g/モルの数平均分子量を示し、前記オリゴマーが式:
CH=CH(R1)−COO−R2−OCONH−R3−NHCOO−[Z−OCONH−R3−NHCO]−O−R2−OCO−CH(R1)=CH
〔式中、
R1=H、CH
R2=CHCH、CHCH(CH)CH、CHCHO[CO(CH)]、CHCHCHCH、CHCHCH、CHCHCH、CHCHCHCHCH
n=1〜約20
q=1〜約20
R3=約25〜10,000g/モルの分子量を有する、脂肪族、脂環式、複素環式、又は、芳香族ラジカル
Z=次のものの一つ以上からの部分:約25〜10,000g/モルの数平均分子量を有する、ポリエステル、ポリエーテル、ポリグリコール、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリオレフィン;{ここで、前記Z部分は、次の一般式を有する:
ポリエステル:−[A−OCO−B−COO]−A−、又は、[E−COO]−D−[OCO−E]
ポリエーテル/ポリグリコール:−A−[G−O]−G−、又は、G−[O−G]−O−A−O−[G−O]−G−、又は、A−
ポリカーボネート:−J−[OCOO−J]
ポリウレタン:−L−[OCON−Q−NCOO−L]
ポリオレフィン:−Q−[R]−Q−
(式中:
A=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
B=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
D=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
E=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
G=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカルラジカル
J=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜2,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
L=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜2,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
Q=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜2,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
R=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜4,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
m=1〜約1,000)}〕
を有する重合可能なオリゴマー又は、オリゴマー混合物;
b) 約0.1〜50重量%の重合可能な希釈用単量体、又は、その混合物であって、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、N−ビニルアミド、プロペニルエーテル、マレイミド、マレイン酸エステル若しくはマレイン酸塩、又は、フマル酸エステル若しくはフマル酸塩から選択された、重合可能な希釈用単量体、又は、その混合物;及び
c) 約0.1〜50重量%の付加重合可能なオリゴマー;及び
d) 約0〜20重量%の、硬化性組成物の硬化反応を開始することができるラジカルを発生することができ、化学線への暴露、電離放射線への暴露、熱への暴露からなる群から選択された一つ以上の方法により活性化することができる化合物、又は、そのような化合物の混合物;及び
e) 約0〜25重量%の他の添加剤であって、アミン、消泡剤、流動助剤、充填剤、界面活性剤、アクリル重合体及び共重合体、並びに、接着促進剤からなる群から選択されたもの;及び
f) 約0〜5重量%のフッ素化相容化剤;及び
g) 約0.5〜60重量%の、式I〜IXから選択された一種類以上の化合物から構成された重合可能な単量体成分であって、
前記化合物は、塩結晶/ポリプロピレン積層体中で、光開始剤として5重量%のダロキュアー(Darocur)1173を含む10μm厚試料を硬化するための中圧水銀ランプの全アークから試料上25mW/cmの光強度を用いて25℃でRTFTIRにより測定して、0.01〜7モルL−1−1の範囲内の最大単独重合速度を示し、
選択された化合物が、遅い又は効率の悪い重合を示し、且つ/又は、硬化した被覆中、選択された化合物が一部分又は全部重合されないままになっているような共重合性を示すようにしてある、
重合可能な単量体成分:
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、
R1=H、CH
X=O、N
R4=C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族又は、芳香族ラジカル
R5=O、N、S
R6=O、N、S
R7=H、又は、C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R8=X=Oの場合、存在せず;X=Nの場合、H、又は、C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R9=N
R10=N
R11=C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族又は、芳香族ラジカル
R12=O、N
R13=約1〜10個の炭素原子を有し、場合によりN、O、又は、Sを含む脂肪族ラジカル
R14=O、NH、S
R15=O、NH、S
R16=約1〜10個の炭素原子を有し、場合によりN、O、又は、Sを含む脂肪族ラジカル
R17=H、又は、C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R18=H、又は、約15〜1,000g/モルの分子量を有する脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R19=H、又は、約15〜1,000g/モルの分子量を有する脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R20=約14〜1,000g/モルの分子量を有する、分岐鎖脂肪族ラジカル若しくは直鎖脂肪族ラジカル、芳香族ラジカル、又は、複素環ラジカル
R21=O、S、NR17
R22=CHR17
R23=O、S、NR17
R24=N
R25=約1〜10個の炭素原子を有し、場合によりN、O、又は、Sを含む脂肪族ラジカル)
を含む重合可能被覆組成物に関する。
【0013】
前記組成物は、硬化インク、被覆、及び/又は、接着剤を生ず、これらは、次の必須の性能特性:大きな可撓性、種々の重合体基体に対する大きな接着性、硬化後の表面粘着性が殆ど又は、全くない、低い硬化収縮性、良好な熱安定性、並びに、部分的又は完全に硬化したインク、被覆、及び/又は、接着剤の表面へ射出成形された熱可塑性物への良好な接着性;を組合せて示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の重合可能組成物の性能特性であって、従来より優れた改良は、有用で本質的な性質及び性能特性が組み合わせて得られることにあり、有用で本質的な性質及び性能特性は:
a) 100%より大きく、典型的には、約300より大きく、場合により約900%位に大きい破断時伸びを示す基礎オリゴマーの設計により与えられる、制御された可撓性及び破断時伸び、
b) 例えば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリエチレン・テレフタレート−g(PET−g)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリル、及び特にポリカーボネート(PC)を含めた重合体基体に対する良好な接着性、
c) 例えば、ポリカーボネート系熱可塑性物及びアクリル熱可塑性物を含めた、IMD及び/又は、IMC処理中、本発明の組成物から構成されたインク、被覆、又は、接着剤の表面に射出成形された熱可塑性物への接着性、
d) IMD及び/又は、IMC法の熱成形及び射出成形段階中に用いられる処理温度で安定性を与える熱安定性及び耐温度性であって、例えば、予熱、熱成形、及び射出成形中の熱劣化に対する抵抗性のみならず、IMD及びIMC法で射出成形される熱可塑性樹脂によって洗い流されにくい性質を含めたもの、
e) 室温から約65℃までの温度で、硬化後の表面粘着性が殆ど又は、全くなく、これにより、冷却することなく、またカバーする層又は、粉末を使用することなく、印刷又は、被覆した物品を積み重ねることができること、及び
f) 本発明の実施例で典型的な基礎オリゴマーにより与えられるように、硬化による収縮が少なく、硬化による収縮が約2%より小さく、典型的には約1%より小さい、
ことを含む。
【0015】
放射線硬化性組成物が構成されるオリゴマー/単量体の組合せは、a)〜f)の有用な性質を与え、例えば、当技術分野で知られているオリゴマーを用いて性質a)を向上することは、性質c)に対し悪影響を与えるのが典型的であった。放射線硬化性オリゴマーの構成成分を適当に選択することにより、また、それらの構成成分の特別な組合せにより、これらの性能特性は実質的に溶媒を含まない放射線硬化性被覆、インク、及び接着剤として用いるために組合せて含有させることができることが見出されている。目的である、標的とする性能を満足させるため、或る特定のゆっくり重合するヘテロ原子含有単量体成分を用いた、性質a)、b)、及びd)〜f)を与える組成物の特定の組合せが、性質b)を向上させながら、有用で必要な性質c)を与えることが更に見出されている。
【0016】
インモールド装飾及び熱成形法で用いられる典型的な操作の説明は次の通りである。
【0017】
典型的な熱成形法は、一般に次の工程を含む:
1) 図2aに描いたような重合体(ポリカーボネート、PET、ポリスチレン、PVC等)のシート(オーバーヘッド-プロジェクター用の透明シートのようなもの)を、スクリーンプリント法によりグラフィックデザインで印刷する。
2) 印刷したインクを、コンベヤーベルトシステム上の印刷プリントを紫外線に通すことにより、硬化(即ち、重合又は、他の仕方で硬化)し、図2bに描いたような印刷した基体を生成する。
3) 工程1)及び2)を、5〜6色/層まで繰り返す。
4) 印刷したシートを、場合により、次に積み重ね、別の成形場所へ輸送する。
5) 印刷したシートを熱成形機械中に留め、赤外線又は、他の輻射熱源によって加熱し、その加熱操作の温度及び時間は基体の種類に依存する。
6) シートが充分柔らかくなった時、そのシートの印刷した側中へ(又は、場合により印刷されていない側中へ)型を押し付け、そして、真空を適用してシートで型枠をしっかり包む。
7) 冷却用空気をその物品を硬化するように適用し、成形された目的物を熱成形機械から取り外し、図2cに描いたような目的物にする。
8) 次に成形した部品をトリミングし、最終形態にし、貯蔵した後、最終製品(自転車のヘルメット、ソフトドリンク機の覆い、標識等)に組立てる。
【0018】
従って、工程1〜3については、インクは重合体基体に対し優れた接着性を示すべきであり、多層印刷を可能にするように良好な内部被覆接着性を示さなければならない。工程4については、印刷した硬化インクは、上昇させた温度及び圧力で互いに積み重ねた印刷物が互いにくっつかないように非常に低い表面粘性(粘着性)を持つべきである。工程5〜6については、インクは、合理的な耐熱性(約180℃まで)示すべきである。工程6については、インクは、約8:1位の大きさの絞り比(深さ:幅比)まで基体及びインクを延伸させることができるような優れた可撓性及び伸びを示すべきである。最終製品については、インクは、合理的な擦り傷に対する抵抗性を示し、基体に対する優れた接着性を維持すべきである。
【0019】
典型的なインモールド装飾法は、一般に次の工程を含む:
1) 熱成形法の工程1〜8をポリカーボネートを用いて完了し、基体が(典型的には)図2cに描いたような目的物を与える結果になるようにする。
2) 次に、熱成形部品を、射出成形機械の加熱された成形型内に入れる。
3) 次にその成形型を留めて閉じ、高温(約275〜300℃)の溶融ポリカーボネートを直接、インク又は被覆表面の上に注入し、そのインク又は、被覆の表面を横切って流し、型を充填する。
4) 注入したポリカーボネートを充分冷却して固化し、その部品を成形型から取り出して図2dに描いたような目的物にする。
5) 次に、その積層部品を最終形態にトリニングし、貯蔵した後、最終製品(携帯電話のカバー、自動車計器盤、ホッケーヘルメット等)に組立てる。
【0020】
従って、工程1については熱成形法の必要条件が適用される。工程2〜3については、インクは良好な耐温度性を持たなければならないが、高温溶融ポリカーボネートがインク表面を横切って広がった時、それにより印刷基体から洗い流されないようにしなければならない。工程4については、インクは、注入したポリカーボネート層に対する良好な接着性を持たなければならず、さもないと積層体は剥離するであろう。
【0021】
放射線硬化性組成物は、次の範疇の成分を用いて製造した:放射線硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、放射線硬化性単量体及び希釈剤、ラジカル発生光開始剤、及び添加剤。これらの範疇に入る成分は、下に記載する本発明の放射線硬化性組成物に有用な各範疇の重量%で存在する。全ての%は、組成物の全重量に基づく重量による。全ての分子量は、g/モルの単位で数平均分子量として与えられている。
【0022】
放射線硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(a)は、1〜4個の重合可能アクリレート及び/又は、メタクリレート基、好ましくは二つの重合可能なアクリレート及び/又は、メタクリレート基を有する、アクリレート及び/又は、メタクリレート官能性ウレタンオリゴマーと一般に定義される。オリゴマーの分子量範囲は、約1,000〜20,000g/モル、好ましくは約2,500〜15,000g/モル、最も好ましくは約4,000〜10,000g/モルである。オリゴマーは、そのオリゴマーの放射線硬化した薄い自立フイルムの引張り試験により測定して、約100%より大きい破断時伸び、好ましくは約300%より大きい破断時伸びを有する。
【0023】
ウレタン(メタ)アクリレートは次の一般構造式を有する:
CH=CH(R1)−COO−R2−OCONH−R3−NHCOO−[Z−OCONH−R3−NHCO]−O−R2−OCO−CH(R1)=CH
〔式中、
R1=H、CH
R2=CHCH、CHCH(CH)CH、CHCHO[CO(CH)]、CHCHCHCH、CHCHCH、CHCHCH、CHCHCHCHCH
n=1〜約20
q=1〜約20
R3=約25〜10,000g/モルの分子量を有する、脂肪族、脂環式、複素環式、又は、芳香族ラジカル
Z=次のものの一つ以上からの部分:約25〜10,000g/モルの数平均分子量を有する、ポリエステル、ポリエーテル、ポリグリコール、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリオレフィン;{ここで、前記Z部分は、次の一般式を有する:
ポリエステル:−[A−OCO−B−COO]−A−、又は、−[E−COO]−D−[OCO−E]
ポリエーテル/ポリグリコール:−A−[G−O]−G−、又は、G−[O−G]−O−A−O−[G−O]−G−、又は、−A−
ポリカーボネート:−J−[OCOO−J]
ポリウレタン:−L−[OCON−Q−NCOO−L]
ポリオレフィン:−Q−[R]−Q−
(式中:
A=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
B=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
D=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
E=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
G=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカルラジカル
J=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜2,000g/モルの分子量を有する直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
L=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜2,000g/モルの分子量を有する直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
Q=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜2,000g/モルの分子量を有する直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
R=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜4,000g/モルの分子量を有する直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
m=1〜約1,000)}〕。
【0024】
オリゴマーは、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート成分及び一種類以上のポリオールと、一種類以上のイソシアネート官能性化合物とを、次に定義するように、標準的合成法により反応させることにより製造することができる。放射線硬化性オリゴマーの合成で有用な成分の例を次に与える。
【0025】
ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート成分:約100g/モル〜1,500g/モルの分子量を有するヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート化合物のヒドロキシ官能性基と、次に定義するイソシアネート官能性化合物との反応により、重合可能な(メタ)アクリレート官能基を前記オリゴマー中へ組込む。オリゴマーを合成するのに用いられるヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート成分の例には、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(2−HPA)、ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(2−HPMA)、ヒドロキシブチルメタクリレート(HBMA)、及び2−[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチルエステル、及びそれらのアルコキシル化したものが含まれる。オリゴマーの好ましい態様には、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び/又は、2−[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチルエステルを用いて合成した例が含まれる。
【0026】
ポリオール成分:オリゴマーを合成するのに用いられるポリオールの例には、次の種類のものの中からの、ヒドロキシ官能性オリゴマー、単独重合体、及び/又は、共重合体が含まれる:脂肪族及び/又は、芳香族ポリエステル、脂肪族及び/又は、芳香族ポリエーテル、脂肪族及び/又は、芳香族ポリカーボネート、脂肪族及び/又は、芳香族ポリウレタン、及びポリオレフィン。異なった型の個々のポリオールを用いて製造したオリゴマーを混合することにより且つ/又は、一つのオリゴマー主鎖中に二つ以上の種類のポリオールを含有するオリゴマーを製造することにより、種々の型のポリオールを組成物のオリゴマー部分中に組込むことができる。ポリオールは、約25〜10,000g/モルの分子量範囲内、好ましくは約1000〜4000g/モルの範囲内にあるものでよい。
【0027】
ポリエステルポリオール主鎖を含む材料の例には、次のポリオール:ブタンジオール、プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、プロピレングリコール、二量体ジオール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチルプロパンジオール等が含まれるが、それらに限定されるものではなく、次の二塩基酸:アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ドデカン二酸、ポリ(ε−カプロラクトン)、二量体酸、フマール酸、コハク酸等が含まれるが、それらに限定されるものではない。ポリエステルポリオールは、場合によりポリ(ε−カプロラクトン)のようなポリラクトンとして製造することもでき、このポリラクトンは、ε−カプロラクトンの開環重合により、又は、場合によりε−カプロラクトンと、一つ以上の前に言及したポリオールとの共重合により製造することができる。
【0028】
ポリエーテルポリオール単独重合体又は、共重合体主鎖を含んでいる材料の例には、次のもの:ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(3−メチル−テトラヒドロフラン)、ポリ(ビスフェノール−A−グリシジルエーテル)、ポリ(ヘキサメチレングリコール)等が含まれるが、それらに限定されるものではない。テトラヒドロフラン、エチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド等のような環状エーテルの開環単独重合又は、共重合により製造されたヒドロキシ官能性ポリオールも用いることができる。
【0029】
ポリカーボネートポリオール主鎖を含む材料の例には次のもの:ポリ(ヘキサンジオールカーボネート)、ポリ(ブタンジオールカーボネート)、ポリ(エチレングリコールカーボネート)、ポリ(ビスフェノール−Aカーボネート)、ポリ(テトラヒドロフラン)カーボネート、ポリ(ノナンジオールカーボネート)、ポリ(3−メチル−1,5−ペンタメチレンカーボネート)等が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0030】
ポリウレタンポリオール主鎖を含む材料の例には、次のポリオール:ブタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が含まれるが、それらに限定されるものではなく、次のイソシアネート:ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、トルエン−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチル−m−キシレンジイソシアネート等のみならず、イソシアネート官能性ビウレット、アロホネート(allophonate)、及び前に列挙したイソシアネートのイソシアヌレートが含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0031】
オリゴマー合成で、特に有用なポリオールの組合せは、ポリエーテルポリオールとの混合脂肪族/芳香族ポリエステルポリオールであり、この場合そのような組合せは、個々に調製したオリゴマーを混合するか、又は、個々に伸長したオリゴマーでの組合せでポリオールを用いることにより誘導することができる。
【0032】
イソシアネート成分:オリゴマーを合成するのに用いられるイソシアネート官能性化合物には、二官能性芳香族及び/又は、脂肪族イソシアネートの次の例:ヘキサメチレン−ジイソシアネート(HMDI)、イソホロン−ジイソシアネート(IPDI)、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、トルエン−ジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチル−m−キシレンジイソシアネート、の一つ以上が含まれるが、それらに限定されるものではない。イソシアネートの特に有効な例には、ヘキサメチレン−ジイソシアネート(HMDI)及びイソホロン−ジイソシアネート(IPDI)が含まれ、それらは放射線硬化性オリゴマーに可撓性を付与する。場合により、イソシアネート官能性ビウレット、アロホネート、及び、前に列挙した又は同様なイソシアネートのイソシアヌレートを用いることができる。
【0033】
重合可能な希釈用単量体又は、それらの混合物(b)は、配合物の硬化速度を増大するのに有用である。なぜなら、本発明に記載した種類の高度に可撓性の高分子量(メタ)アクリレートオリゴマー配合物は、それらの重合可能な基の濃度が比較的低いため、屡々比較的低い硬化速度を示すことがあるからである。そのような単量体は、レオロジー及び粘性の調節、硬化後の擦り傷及び摩耗に対する抵抗性の修正、放射線硬化性組成物の種々の基体に対する硬化前及び硬化後の接着特性の修正、化学的耐久性の修正、及び放射線硬化性組成物の硬化後の可撓性の修正のためにも有用である。更に、或る種類の単量体、例えば、マレイミド及びビニルエステルは、共重合可能な光開始剤として機能するのみならず、単量体としての機能を果たすことが文献で実証されており、硬化速度及び残留する抽出可能物の量に有用な影響を与える。全ての目的とする配合物のために、放射線硬化性単量体及び希釈剤は、次の群:(メタ)アクリレート、N−ビニルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、マレイミド、プロペニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸エステル若しくはマレイン酸塩、及びフマル酸エステル若しくはフマル酸塩の中から選択することができる。
【0034】
本発明の組成物に付加重合可能なオリゴマー(c)を配合することは、それら組成物の硬化後の抗張力特性、硬化後の堅さ及び衝撃抵抗、硬化後の擦り傷及び摩耗抵抗、硬化前及び硬化後の化学的耐性、及び硬化前のレオロジー及び粘性、を修正するのに有利なことがある。有用なオリゴマーは、次の種類:ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル官能性化オリゴマー、N−ビニルアミド官能性化オリゴマー、ビニルエステル官能性化オリゴマー、マレイミド官能性化オリゴマー、プロペニルエーテル官能性化オリゴマー、及び尿素(メタ)アクリレート、の中から選択することができる。
【0035】
本発明の組成物は、熱活性化ラジカル発生開始剤化合物を添加した後に、熱に曝すことにより、且つ/又は、開始剤化合物を添加せずに直接化学放射線及び/又は、電離放射線に暴露することにより、且つ/又は、好ましくは化学線及び/又は、電離放射線に曝すとラジカルを発生することができる化学物質を添加した後に、化学放射線及び/又は、電離放射線に暴露することにより、重合、即ち、硬化することができる。本発明による組成物は、硬化可能組成物の硬化反応を開始することができるラジカルを発生することができ、かつ、化学放射線及び/又は、電離放射線に曝すこと、又は、熱に曝すことからなる群から選択された一つ以上の方法により活性することができる化合物又は、そのような化合物の混合物を0〜20重量%含む。本発明の全ての目的のための組成物の好ましい態様には、次の群:水素引き抜き光開始剤、開裂光開始剤、マレイミド型光開始剤、及びラジカルを発生する陽イオン性光開始剤から選択されたラジカル発生性光開始剤化合物を含み、化学放射線に暴露することにより硬化する。
【0036】
種々の添加剤(e)は、場合により本発明の組成物に含有させてもよい。なぜなら、アミン、消泡剤、流動助剤、充填剤、界面活性剤、アクリル重合体及び共重合、並びに、接着促進剤のように、インク及び/又は、被覆のための放射線硬化性組成物を製造するために有用になることがあるからである。特に有用な種類の添加剤の例には、次のもの:アクリル化及び/又は、非アクリル化アミン相乗剤(synergists)、充填剤、消泡剤、流動剤、顔料、染料、顔料湿潤剤、界面活性剤、分散剤、つや消し剤、アクリル共重合体、ナノ粒状無機又は有機固体、及び非重合性希釈剤が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0037】
組成物は、0〜5重量%のフッ素化相容化剤(f)を含有していてもよい。フッ素化界面活性剤、フッ素化オリゴマー及びフッ素化重合体は、重合体/重合体混合物を調製及び相容性化するのに、特に溶融押出し処理中に有用であることが当技術分野で知られている。或るフルオロポリマー添加剤は、上に記載したオリゴマー及び単量体を用いた放射線硬化性組成物で一緒にすると、接着性に対し相乗的利点を与えることが本発明で見出されている。フルオロポリマー添加剤を使用することは、本発明の利点の有用な組合せを得るために必要ではなないが、IMD及び他の方法で接着性を向上させることができることがある。フッ素化オリゴマー及び/又はフッ素化重合体は、硬化性組成物による重合体基体の濡れを改良することにより、更にIMD処理中の注入熱可塑性物質による硬化被覆又はインク組成物の濡れを改良することにより、接着性の利点に影響を与えるものと仮定されている。本発明の特定の目的に特に有用なフルオロポリマー添加剤の例には、フルオラド(Fluorad)(商標)FC−4430(3M(商標)社)及びゾニル(Zonyl)(登録商標)FSG(デュポン社)が含まれる。
【0038】
本発明による組成物は、0.5〜60重量%の重合可能な単量体成分(g)を含む。一般に、ポリカーボネートが硬化インク又は硬化被覆表面上に直接注入される場合、IMD及びIMD積層物品中の注入ポリカーボネート層に対する接着性を得るのに有用な放射線重合可能な単量体は、次の式(I)〜(IX)から選択される:
【0039】
【化2】

【0040】
式中、
R1=H、CH
X=O、N
R4=C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族又は、芳香族ラジカル
R5=O、N、S
R6=O、N、S
R7=H、又は、C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R8=:X=Oの場合、存在せず;X=Nの場合、H、又は、C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R9=N
R10=N
R11=C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R12=O、N
R13=約C1〜C10の長さを有し、場合によりN、O、又は、Sを含む脂肪族ラジカル
R14=O、NH、S
R15=O、NH、S
R16=約C1〜C10の長さを有し、場合によりN、O、又は、Sを含む脂肪族ラジカル
R17=H、又は、C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族若しくは芳香族ラジカル
R18=H、又は、約15〜1,000g/モルの分子量を有する脂肪族若しくは芳香族ラジカル
R19=H、又は、約15〜1,000g/モルの分子量を有する脂肪族若しくは芳香族ラジカル
R20=約14〜1,000g/モルの分子量を有する、分岐鎖又は直鎖の、脂肪族、芳香族、又は、複素環ラジカル
R21=O、S、NR17
R22=CHR17
R23=O、S、NR17
R24=N
R25=約C1〜C10の長さを有し、場合によりN、O、又は、Sを含む脂肪族ラジカル。
【0041】
当技術分野の以前の刊行物(US5,047,261、US5,360,836、WO 02/42383A1)は、線状及び/又は環式の立体配置でヘテロ原子官能性を有する(メタ)アクリレート単量体の数多くの例が、それら単量体単独により、又は、放射線硬化性組成物中の他の成分との組合せにより、与えられる、非常に増大した硬化速度により特別な有用性を示すことを実証している。本発明では、例えば、以前の特許技術で主張されている有用性とは対照的に、単独又は他の放射線硬化性成分と組合せて、中程度又は遅い硬化速度を示す、線状及び/又は環式の立体配置のヘテロ原子官能性を有する(メタ)アクリレート単量体の例が、IMD積層物品で接着性に対し驚くべき利点を与えることが見出されている。具体的には、増大した速い硬化速度の特別な有用性を示している複素環式(メタ)アクリレート化合物の例は、それより遅い硬化例で観察されているIMD積層物品における接着性の利点を与えることはない。更に、N−ビニル官能性アミドも、本発明で、IMD積層物品での接着性に驚くべき利点を与えることが判明している。
【0042】
IMD及びIMC積層体に用いられるインク、被覆、及び接着剤組成物で予想外の接着利点を示す単量体についての説明を一層進めるために、種々の単独重合速度を有する一連の遊離ラジカル重合性単量体を調べ、それら単量体が、IMD積層構造体中の印刷したポリカーボネート基体と注入したポリカーボネート層との間の接着性に与える影響について比較した。構造的及び組成的因子により生ずる測定又は、計算した誘電率に基づく、化合物についての非常に速い硬化速度による新規な利点を主張している上記特許文献とは対照的に、我々の研究では、速い重合速度を示すヘテロ原子単量体は、IMD積層体のために用いられたインクの接着性利点を与えず、むしろ遅い単独重合速度を示すヘテロ原子単量体が、IMD及びIMC用途のためのインクで著しく可能にする接着性利点を与えることが予想外に示されている。
【0043】
重合可能な単量体成分(g)の単独重合速度は、図3に例示した装置を用い、次に記載する実験条件を用いて、リアルタイム・フーリエ変換赤外線分光分析(RTFTIR)により評価する。赤外線スペクトルを、TGS検出器を具えたパーキン・エルマー(Perkin-Elmer)スペクトルGXFTIR分光計を用いてリアルタイムで記録した。データを得て、市販のソフトウエアー〔タイムベース(TimeBase)、パーキン・エルマー〕を用いて処理した。フィリップス400W中間圧力水銀ランプからの全アーク紫外線(UV)放射線を、可撓性光導体を通して試料室中へ導入した。光源〔フレクシキュアー(Flexicure)、マカム(Macam)〕は、UV照射と赤外線(IR)スペクトル記録との間の同期を可能にし、定時暴露を可能にした。光導体は、試料表面から10mmの所に位置させ、IRビームの通路を妨害しないように45°の角度に傾けた。IRビーム開口を用いて、IRビームにより検出される試料領域を確実に全UV放射線がカバーできるようにした(ΦIR<ΦUV、図3参照)。フィルター(UVA Cos−113)を具えたUV103マカム輻射計を用いて、試料位置でのUV−A強度を測定した。典型的な強度値は、25mWcm−2であった。アクリレート二重結合の転化は、ピーク面積を積分することにより809cm−1でのC=CH−Hδ面外伸縮モードの吸収帯の崩壊により追跡した。16cm−1の解像力で1秒当たり20スペクトルの走査速度で、充分規定された転化プロファイルを得るのに充分であることが判明した。転化率対時間データを、転化率プロットの数値3点平均第一導管数をとり、モル体積をかけることにより速度対時間に変換した。試料は、光開始剤として5%のダロキュアー1173〔チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社(Ciba Specialty ChemicalsCorporation)〕を含んでいた。試料の調製については、配合物を、較正した棒被覆器を使ってKRS−5結晶上に堆積した。10μm厚の試料を、KRS−5結晶と、配向したポリプロピレンシートとの間に挟んだ。次にこの積層体を透過率測定のために標準試料保持器の上に置き、FTIR試料室中へ挿入した。全ての実験を室温で行なった。
【0044】
図4は、化合物1〔(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルメタクリレート〕についてのモル/リットル(l)/秒の単位で速度を時間に対してプロットした図を与えている。容易に分かるように、化合物1の重合速度は遅く、その最大重合速度は、上に記載した重合条件で、僅か1.7モル/l/秒であると推定された。
【0045】
N−ビニルピロリドン(NVP)は、単独重合では非常に低い効率を有することが文献に示されており、キセノン・アークランプの11mW/cmの試料上での強度を用いてRTFTIRにより測定して0.03モル/l/秒程の低い速度であり、開始剤として1重量%の2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン〔DMPA、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrch Chemical Company)〕を含むNVPを25℃で硬化する。
【0046】
本発明の目的にとって驚くべき有用性を誘導することができる可能な作用方式について次に記述する。記載した反応速度実験で観察されるような、本発明の放射線硬化性組成物で用いられているヘテロ原子含有(メタ)アクリレート化合物の非効率な重合及び遅い硬化速度は、その単量体(一種又は、多種)を含む組成物から作られた、硬化した被覆、インク、及び/又は、接着剤中に、或る量の未硬化ヘテロ原子単量体を残留させる結果になる。剥がれたIMD積層物品のインク/射出成形ポリカーボネート界面でそのような単量体が検出されることにより観察されるように、IMD法の射出成形段階中、高温及び/又は、高圧にかけることにより、残留未効果的単量体が硬化インク、被覆、及び/又は、接着剤と、射出成形したポリカーボネートとの界面へ移動する。この移動は、幾つかの可能な仕方で接着性に対する利点を与えることができる:1)硬化したインク、被覆及び/又は、接着剤の表面を通る未硬化単量体の移動は、インク表面に気孔を生じ、それが溶融熱可塑性物により部分的に又は、完全に充填され、ポリカーボネートを被覆層中へ侵入させ、その熱可塑性物を冷却した時、縺れ及び増大した物理接着性を与える結果になることがあること、2)界面での未硬化単量体はインクの表面層を部分的に溶媒和し、膨潤させ、溶媒和された熱可塑性樹脂を被覆表面中へ侵入させ、この場合も、その熱可塑性物の冷却で物理的接着性を生じさせることがあること、且つ/又は、3)界面の未硬化単量体が、溶融熱可塑性物を部分的に溶媒和し、その溶融熱可塑性物によりインク表面の濡れを一層良くし、それにより冷却した積層物物品中の接着性を増大することができること。
【0047】
本発明の組成物中の特別な重合可能な単量体成分のヘテロ原子官能性は、水素結合、極性、及び酸/塩基相互作用による増大した希釈及び溶媒和効果により、上記仮定されたモード2)及び3)の向上を与えるように見える。同様な反応速度データは、N−ビニルアミド単量体(方式3の中の構造V及びVIに描かれている)について観察されており、同様な作用モードが、N−ビニルアミドの例が放射線硬化性組成物中に含まれている場合に起きていると仮定されている。重合可能な単量体成分の特に有用な具体例には、GMAカーボネートとしても知られている(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルメタクリレート、及びN−ビニルピロリジノンが含まれる。非常に大きな硬化速度を示す複素環式官能性放射線硬化性単量体は、前に詳細に示した比較で記載したように、IMDの場合、インク及び被覆での接着性利点を示さなかった。
【0048】
これらの反応速度及び適用データ及び本発明の提案した作用モードに基づき、塩結晶/ポリプロピレン積層体として、5重量%のダロキュアー1173を含む10μm厚試料を硬化するため、中圧水銀ランプの全アークから試料上25mW/cmの光強度を用いて25℃でRTFTIRにより測定して、或る範囲の重合速度を規定する。放射線硬化性インク、被覆、結合層、及び接着剤の、IMD積層体中の注入熱可塑性層に対する接着性をかなり増大するために有用なヘテロ原子含有遊離ラジカル重合可能な単量体は、選択した化合物が、夫々0.01〜7モル/l/秒の範囲の最大単独重合速度を示す構造I〜IXにより規定される化合物からなり、記述した測定条件下で記述した範囲よも大きな最大単独重合速度を示す構造I〜IXにより定義される化合物を除く。これらの限定内に含まれる化合物は、本説明中で規定した配合物中の遅いか又は、非効率的な重合及び/又は、共重合性を示し、それら化合物が硬化インク、被覆、接着剤層等の中で部分的に又は、全体的に重合していないままになっているようになり、それによりIMD及びIMC積層体中での接着性を著しく増大することになるであろう。一層好ましいのは、せいぜい4、最も好ましくはせいぜい2モル/l/秒の最大単独重合速度を有する構造I〜IXの化合物を使用することである。一層好ましいのは、少なくとも0.03、最も好ましくは少なくとも0.7モル/l/秒の最大単独重合速度を有する構造I〜IXの化合物を使用することである。
【実施例】
【0049】
IMDスクリーン・インク配合物を調製及び印刷するための一般的方法
1) 次の例で用いた成分は、次の範疇から選択したものを含んデータ:
□ オリゴマー−インクの化学的主鎖を与え、主に硬化したインクの可撓性、耐候性、耐久性等を決定し、インクの粘性及び接着性に影響を与える。
□ 単量体−硬化速度を増大するために用いられ、インクの粘性を修正し、硬化したインクの可撓性、化学的耐久性、擦り傷及び摩耗抵抗、及び基体への接着性を増大又は、減少することができる。
□ 接着性促進剤−プラスチックを含めた接着の困難な基体への接着性を向上させるために用いられ、通常アミン、アミド、又は、ウレタン官能性である。硬化速度及び顔料の濡れ及び分散にも影響を与える。
□ 顔料−インクのための色基材を与え、通常5種類の基本的色:シアン、マゼンタ、黄色、白色、黒色に基づく種々の色を与え、最終的インクの約5〜50重量%で用いられる。
□ 消泡剤及び他の添加剤−消泡剤はインクの製造及び印刷中に剪断条件でインクが発泡する傾向を減少させるために添加される。界面活性剤、顔料分散物、流動助剤のような他の添加剤は、インクの品質及び印刷特性を調節するために添加される。
□ 充填剤−擦り傷及び摩耗抵抗を修正し、光沢(輝き)を増大又は、減少し、粘性及びインク流動性を増大又は、減少し、インクのコストを減少し、減少するために添加され、酸化アルミニウム、シリカ、タルク等が含まれる。
□ 光開始剤−放射線に暴露してUVインクの硬化を開始する。
2) 予め粉砕したインク配合物の成分をオリゴマー、単量体部分の幾らか、顔料、消泡剤、及び分散助剤のような或る添加剤を含めて一緒に混合する。
3) 予め粉砕した配合物を、3本ロールミルに通して顔料粒子を小さな分散可能な粒子に粉砕し、その顔料を、予め粉砕したオリゴマー/単量体配合物中へ均一に分散させ、顔料分散物を作る。
4) 次に、顔料分散物を追加した単量体で希釈し、最終的添加剤、充填剤、光開始剤等添加し、均一に分散してインクにする。
5) 次にそのインクを適当に希釈して、印刷するのに望ましい粘度に到達させる。
6) 最終的インクを次のようにしてスクリーン印刷する:
a)インクナイフを用いてスクリーンの一方の側にインクを線状に置く。
b)次に、そのインクをゴムローラーを用いてスクリーンの像領域を通って圧力を加えて広げ、往復を繰り返して希望のインク厚さにする。
c)次に、印刷した基体をコンベヤーベルトに乗せて紫外線の下を通過させることにより硬化する。
7) 次に工程a〜cを、必要に応じ異なった像スクリーンを用いて、必要な数の色を追加するため繰り返す。
【0050】
インク及び透明被覆の例
一般的方法
インク及び/又は、透明被覆組成物を、当業者に既知の典型的な方法により製造する。インク及び被覆は次の種類の成分を含んデータ:オリゴマー、単量体、光開始剤、及び添加剤。それらの例で用いられた成分の定義を下に与える。射出成形及び接着性試験のための試料を、ゴム硬度計A70ゴムローラー、15〜17N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを用いて8.5×11″レキサン(Lexan)(登録商標)シート上に手で印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョン(Fusion)UV系硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させた。熱成形試験のための試料を、ゴム硬度計A70ゴムローラー、17〜19N/cmの張力を持つ390/31pwメッシュスクリーンを用いて14×14″レキサンシート上に手で印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80ft/分で2回通過させた。
【0051】
オリゴマー
ウレタンアクリレートオリゴマーを合成するための一般的方法
ジイソシアネート、触媒、及び安定化剤を反応器へ入れる。アルコキシアクリレートを、開始剤と混合し、その混合物を反応器中の撹拌した溶液へゆっくり添加する。次に反応混合物を約65℃で約1時間保持する。その撹拌した反応混合物に予熱したポリオール又は、ポリオール混合物を、約93℃より低い温度を維持しながら約1〜2時間に亙り導入する。次に混合物を撹拌し、反応が完了するまで約88〜93℃に維持する。次に生成物を反応から保存容器へ移し、冷却する。
【0052】
RX04916:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、及びヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルに基づく約7,500g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。破断時伸び〜320%。
【0053】
RX04918:2−[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチルエステル、イソホロンジイソシアネート、ヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルポリオール、及びヘキサンジオールカーボネートに基づく約4,475g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。破断時伸び〜230%。
【0054】
RX04935:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、及びヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルに基づき、20重量%のイソボロニルアクリレートで希釈された、約7,500g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。破断時伸び〜420%。
【0055】
RX04939:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルポリオール、及びポリ(テトラヒドロフラン)ポリオールに基づき、約30重量%のイソボロニルアクリレートで希釈された約8,700g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。破断時伸び〜550%。
【0056】
RX04944:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルポリオール、及びポリ(テトラヒドロフラン)ポリオールに基づき、約27.5重量%のイソボロニルアクリレートで希釈された約9,270g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。破断時伸び〜510%。
【0057】
RX04945:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルポリオール、及びポリ(テトラヒドロフラン)ポリオールに基づき、約30重量%のイソボロニルアクリレートで希釈された約9,850g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。破断時伸び〜550%。
【0058】
RX04948:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルポリオール、及びポリ(テトラヒドロフラン)ポリオールに基づき、約27.5重量%のイソボロニルアクリレートで希釈された約9,270g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。
【0059】
RX04952:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、及びヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルポリオールに基づき、約20重量%のイソボロニルアクリレートで希釈された約7,130g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。
【0060】
RX04957:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルポリオール、及びポリ(テトラメチレンエーテル)ポリオールに基づき、約30重量%のイソボロニルアクリレートで希釈された約9,920g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。
【0061】
RX04959:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルポリオール、及びポリ(テトラメチレンエーテル)ポリオールに基づき、約24.5重量%のイソボロニルアクリレートで希釈された約8,090g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。
【0062】
RX04960:2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサンジオール・アジペート・イソフタレートポリエステルポリオール、及びポリ(テトラメチレンエーテル)ポリオールに基づき、約23重量%のイソボロニルアクリレートで希釈された約7,780g/モルのウレタンアクリレートオリゴマー。
【0063】
エベクリル(Ebecryl)(登録商標)8411〔UCBケミカルズ(UCB Chemicals)〕:脂肪族ポリウレタンアクリレート。
IRR381(UCBケミカルズ):2,700g/モルウレタンアクリレートオリゴマー。
【0064】
重合可能な希釈用単量体
IBOA(UCBケミカルズ)イソボロニルアクリレート。
RX03593:実験的アクリレート単量体。
【0065】
添加剤
エベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ):接着性を大きくするためのアミン官能性アクリレート単量体。
TEGO(登録商標)フォーメックス(Foamex)N〔ゴールドシュミット・ケミカル社(Goldschmidt Chemical Corporation)〕。消泡剤として用いられる。
【0066】
フッ素化相容化剤
ポリフォックス(PloyFox)(商標名)TB〔オムノーバ(Omnova)〕
ゾニル(Zonyl)(登録商標)FSG(デュポン)
ゾニルFSN(デュポン)
フルオラドFC−4430(3M社)
【0067】
重合可能な単量体成分
RD RX/201:GMAカーボネートとして知られている(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルメタクリレート
NVP:N−ビニルピロリジノン
【0068】
例1
前に概略述べた方法により、31.54gのRX04935(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、15.14gのRX04945(ポリエステル/ポリエーテルウレタンアクリレート)、20.81gのIBOA(UCBケミカルズ)、8.88gのRD RX/201、3.78gのNVP、7.57gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.50gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.53gのゾニル(登録商標)FSG(デュポン)、1.89gのマゼンタ顔料、及び9.34gのビアキュアー(Viacure)DX/LX光開始剤ブレンド(UCBケミカルズ)から構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。このインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010シート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80ft/分で2回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触っても粘着性ではなかった。このインクを、次にIMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0069】
このオリゴマー/単量体/添加剤組成物に基づき、五つの色(シアン、マゼンタ、黄、黒、白)のインクを調製した。熱成形性評価のための印刷物をゴム硬度計A70ゴムローラー、15〜17N/cmの張力を持つ390/31pwメッシュスクリーンを用いて14×14″レキサン(登録商標)シート上に手で印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させた。全ての色のインクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、表面粘着性は殆ど又は、全くなく、1:1〜8:1の延伸比で優れた熱成形特性を示していた。
【0070】
例2
前に概略述べた方法により、6.08gのRX04935(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、43.24gのRX04944(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、18.72gのIBOA(UCBケミカルズ)、16.22gのRD RX/201、5.41gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.54gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、3.04gのマゼンタ顔料、及び6.76gのビアキュアーDX/LX(UCBケミカルズ)から構成されたUV重合可能なインク組成物を製造した。このインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触っても粘着性ではなかった。このインクを、次にIMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0071】
例3
前に概略述べた方法により、24.18gのRX04918(ポリエステル/ポリカーボネート系ウレタンアクリレート)、11.38gのIRR381(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、32.72gのRX03593、22.76gのRD RX/201、4.27gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.43gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、及び4.27gのダロキュアー(登録商標)1173(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)から構成されたUV重合可能な透明被覆組成物を製造した。この透明被覆を、63.91gのエベクリル8411、5.46gのIBOA(UCBケミカルズ)、13gのNVP、5gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.18gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、4.46gのマゼンタ顔料、及び8gのビアキュアーDX/LXから構成された標準マゼンタインクの上に2層として印刷した。そのインクは、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させて硬化した。次に透明被覆を、同じ手順に従ってそのインクの上に2層として印刷した。印刷物は、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、僅かに粘着性であった。次にその透明被覆したインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0072】
例4
前に概略述べた方法により、40gのRX04935(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、29.2gのIBOA(UCBケミカルズ)、11.6gのRD RX/201、2.8gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.4gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、4gのマゼンタ顔料、10gのビアキュアーDX/LX、及び2gのダロキュアー(登録商標)1173(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)から構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、僅かに粘着性であった。次にそのインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0073】
例5
前に概略述べた方法により、23.87gのRX04935(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、19.89gのRX04939(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、21.88gのIBOA(UCBケミカルズ)、13.26gのRD RX/201、3.98gのNVP、6.63gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.53gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、1.33gのTS−100〔デガッサ(Degussa)〕、1.99gのマゼンタ顔料、及び6.63gのビアキュアーDX/LX光開始剤混合物から構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80ft/分で2回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、粘着性ではなかった。次にそのインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0074】
このオリゴマー/単量体/添加剤組成物に基づき、五つの色(シアン、マゼンタ、黄、黒、白)のインクを調製した。熱成形性評価のための印刷物を、ゴム硬度計A70ゴムローラー、15〜17N/cmの張力を持つ390/31pwメッシュスクリーンを用いて14×14″レキサン(登録商標)シート上に手で印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させた。全ての色のインクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、表面粘着性は殆ど又は、全くなく、1:1〜8:1の延伸比で優れた熱成形特性を示していた。
【0075】
例6
前に概略述べた方法により、40.76gのRX04918(ポリエステル/ポリカーボネート系ウレタンアクリレート)、19.88gのRX03593、24.85gのRD RX/201、4.97gのNVP、4.97gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.60gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、及び3.98gのダロキュアー(登録商標)1173(チバ(登録商標)・スペシャルティー・ケミカルズ社)から構成されたUV重合可能な透明被覆組成物を製造した。この透明被覆を、63.91gのエベクリル8411、5.46gのIBOA(UCBケミカルズ)、13gのNVP、5gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.18gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、4.46gのマゼンタ顔料、及び8gのビアキュアーDX/LXから構成された標準マゼンタインクの上に2層として印刷した。そのインクは、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させて硬化した。次に透明被覆を、同じ手順に従ってそのインクの上に2層として印刷した。印刷物は、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、僅かに粘着性であった。次にその透明被覆したインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0076】
例7
前に概略述べた方法により、45.90gのRX04959(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、15.23gのIBOA(UCBケミカルズ)、13.87gのRD RX/201、4.17gのNVP、7.29gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.52gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.52gのTS−100(デガッサ)、4.17gのマゼンタ顔料、及び8.33gのビアキュアーDX/LX光開始剤混合物から構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80ft/分で2回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、粘着性ではなかった。次にそのインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0077】
このオリゴマー/単量体/添加剤組成物に基づき、五つの色(シアン、マゼンタ、黄、黒、白)のインクを調製した。熱成形性評価のための印刷物を、ゴム硬度計A70ゴムローラー、15〜17N/cmの張力を持つ390/31pwメッシュスクリーンを用いて14×14″レキサン(登録商標)シート上に手で印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させた。全ての色のインクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、表面粘着性は殆ど又は、全くなく、1:1〜8:1の延伸比で優れた熱成形特性を示していた。
【0078】
例8
前に概略述べた方法により、47.69gのRX04960(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、18.13gのIBOA(UCBケミカルズ)、9.08gのRD RX/201、4.08gのNVP、8.16gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.51gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.1gのフルオラド(商標)FC−4430(3M(商標))、4.08gのマゼンタ顔料、及び8.16gのビアキュアーDX/LX光開始剤混合物から構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80ft/分で2回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、粘着性ではなかった。次にそのインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0079】
このオリゴマー/単量体/添加剤組成物に基づき、五つの色(シアン、マゼンタ、黄、黒、白)のインクを調製した。熱成形性評価のための印刷物を、ゴム硬度計A70ゴムローラー、15〜17N/cmの張力を持つ390/31pwメッシュスクリーンを用いて14×14″レキサン(登録商標)シート上に手で印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させた。全ての色のインクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、表面粘着性は殆ど又は、全くなく、1:1〜8:1の延伸比で優れた熱成形特性を示していた。
【0080】
例9
前に概略述べた方法により、40.76gのRX04918(ポリエステル/ポリカーボネート系ウレタンアクリレート)、24.85gのRX03593、24.85gのRD RX/201、4.97gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.60gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、及び3.98gのダロキュアー(登録商標)1173(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)から構成されたUV重合可能な透明被覆組成物を調製した。この透明被覆を、63.91gのエベクリル8411、5.46gのIBOA(UCBケミカルズ)、13gのNVP、5gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.18gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、4.46gのマゼンタ顔料、及び8gのビアキュアーDX/LXから構成された標準マゼンタインクの上に2層として印刷した。そのインクは、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させて硬化した。次に透明被覆を、同じ手順に従ってそのインクの上に2層として印刷した。印刷物は、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、僅かに粘着性であった。次にその透明被覆したインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0081】
例10
前に概略述べた方法により、44.06gのRX04959(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、18.62gのIBOA(UCBケミカルズ)、13.32gのRD RX/201、4gのNVP、7gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.4gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.2gのフルオラド(商標)FC−4430(3M(商標))、4gのマゼンタ顔料、及び8gのビアキュアーDX/LX光開始剤混合物から構成されたUV重合可能なインク組成物を製造した。そのインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80ft/分で2回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、粘着性ではなかった。次にそのインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0082】
例11
前に概略述べた方法により、40.80gのRX04952(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、26.80gのIBOA(UCBケミカルズ)、11.80gのRD RX/201、6gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.4gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、4gのマゼンタ顔料、及び10.2gのビアキュアーDX/LX光開始剤混合物から構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80ft/分で2回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、粘着性ではなかった。次にそのインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0083】
例12
前に概略述べた方法により、30.92gのRX04918(ポリエステル/ポリカーボネート系ウレタンアクリレート)、9.45gのIRR381(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、24.73gのIBOA(UCBケミカルズ)、5.30gのRX03593、17.67gのRD RX/201、3.53gのNVP、4.42gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.44gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、及び3.53gのダロキュアー(登録商標)1173(チバ(登録商標)・スペシャルティー・ケミカルズ社)から構成されたUV重合可能な透明被覆組成物を調製した。この透明被覆を、63.91gのエベクリル(登録商標)8411、5.46gのIBOA(UCBケミカルズ)、13gのNVP、5gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.18gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、4.46gのマゼンタ顔料、及び8gのビアキュアーDX/LXから構成された標準マゼンタインクの上に2層として印刷した。そのインクは、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させて硬化した。次に透明被覆を、同じ手順に従ってそのインクの上に2層として印刷した。印刷物は、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、いくらか粘着性であった。次にその透明被覆したインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0084】
例13
前に概略述べた方法により、31.60gのRX04935(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、15.17gのRX04945(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、20.85gIBOA(UCBケミカルズ)、8.90gのRD RX/201、3.79gのNVP、7.58gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.51gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.36gのフルオラド(商標)FC−4430(3M(商標))、1.90gのマゼンタ顔料、及び9.36gのビアキュアーDX/LX光開始剤混合物から構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80ft/分で2回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、粘着性ではなかった。そのインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0085】
このオリゴマー/単量体/添加剤組成物に基づき、五つの色(シアン、マゼンタ、黄、黒、白)のインクを調製した。熱成形性評価のための印刷物を、ゴム硬度計A70ゴムローラー、15〜17N/cmの張力を持つ390/31pwメッシュスクリーンを用いて14×14″レキサン(登録商標)シート上に手で印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させた。全ての色のインクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、表面粘着性は殆ど又は、全くなく、1:1〜8:1の延伸比で優れた熱成形特性を示していた。
【0086】
例14
前に概略述べた方法により、42.91gのRX04916(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、22.44gのIBOA(UCBケミカルズ)、22.44gのRD RX/201、3.59gのNVP、4.49gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.54gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、及び3.59gのダロキュアー(登録商標)1173(チバ(登録商標)・スペシャルティー・ケミカルズ社)から構成されたUV重合可能な透明被覆組成物を調製した。この透明被覆を、63.91gのエベクリル8411、5.46gのIBOA(UCBケミカルズ)、13gのNVP、5gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.18gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、4.46gのマゼンタ顔料、及び8gのビアキュアーDX/LXから構成された標準マゼンタインクの上に2層として印刷した。そのインクは、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80〜120ft/分で2〜3回通過させて硬化した。次に透明被覆を、同じ手順に従ってそのインクの上に2層として印刷した。印刷物は、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、粘着性ではなかった。次にその透明被覆したインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0087】
例15
前に概略述べた方法により、23.90gのRX04952(ポリエステル系ウレタンアクリレート)、19.90gのRX04957(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、10.20gIBOA(UCBケミカルズ)、25gのRD RX/201、4gのNVP、6.60gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.5gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、2gのマゼンタ顔料、及び6.6gのビアキュアーDX/LX光開始剤混合物から構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通してレキサン(登録商標)8010ポリカーボネートシート上に手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に約80ft/分で2回通過させて硬化した。インクは、レキサン(登録商標)基体に対し優れた接着性を示し、触った時、粘着性ではなかった。次にそのインクを、IMD積層体での接着性について試験した。結果を表1にまとめる。
【0088】
【表1】

【0089】
例16
前に概略述べた方法により、43.03gのRX04948(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、34.97gのIBOA(UCBケミカルズ)、2gのNVP、7gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.7gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.3gのTEGO RAD2250(ゴールドシュミット・ケミカル社)、1.5gのシリカ、4.5gのマゼンタ顔料、及び6gのビアキュアーDXから構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクを、ゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通して手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に85ft/分で2回通過させて硬化した。そのインクは、次の基体に対し優れた接着性及び良好な熱成形特性を示した:ポリスチレン、レキサン(登録商標)SP8010ポリカーボネート、4mm及び500μmの二つの厚さのポリエチレンテレフタレートG、ポリエチレンテレフタレート、並びに、表面処理を全く行わない硬質PVC。
【0090】
インクの表面粘着性及びブロッキング特性を、次のようにして試験した。印刷された基体の各々の1.5×1.5″を表面から背面に積み重ねた一つの試料から構成された積層体を作った。その積層体の上に、ポリカーボネートの1kg重量のカバーシートを、その印刷した試料の表面に力を加えて重ねた。次にその積層体を25℃で48%の相対湿度で24時間置き、粘性及び粘着性について評価した。次にこの試験を35、45、55、及び65℃で繰り返した。試料のいずれも、表面粘性の増大は示さず、その上の基体の裏面に粘着するか又は、移る傾向は示さなかった。
【0091】
例17
前に概略述べた方法により、43.73gのRX04948(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、34.77gのIBOA(UCBケミカルズ)、2gのNVP、7gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.7gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.3gのTEGO(登録商標)RAD2250(ゴールドシュミット・ケミカル社)、1.5gのシリカ、4gのシアン顔料、及び6gのビアキュアーDXから構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクをゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通して手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に85ft/分で2回通過させて硬化した。そのインクは、次の基体に対し優れた接着性及び良好な熱成形特性を示した:ポリスチレン、レキサン(登録商標)SP8010ポリカーボネート、4mm及び500μmの二つの厚さのポリエチレンテレフタレートG、ポリエチレンテレフタレート、並びに、表面処理を全く行わない硬質PVC。硬化したインクは手で触った時、粘着性ではなかった。
【0092】
例18
前に概略述べた方法により、43.73gのRX04948(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、34.27gのIBOA(UCBケミカルズ)、2gのNVP、7gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.7gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.3gのTEGO(登録商標)RAD2250(ゴールドシュミット・ケミカル社)、1gのシリカ、5gの黄色顔料、及び6gのビアキュアーDXから構成されたUV重合可能なインク組成物を製造した。そのインクをゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通して手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に85ft/分で2回通過させて硬化した。そのインクは、次の基体に対し優れた接着性及び良好な熱成形特性を示した:ポリスチレン、レキサン(登録商標)SP8010ポリカーボネート、4mm及び500μmの二つの厚さのポリエチレンテレフタレートG、ポリエチレンテレフタレート、並びに、表面処理を全く行わない硬質PVC。硬化したインクは手で触った時、粘着性ではなかった。
【0093】
例19
前に概略述べた方法により、43.03gのRX04948(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、35.47gのIBOA(UCBケミカルズ)、2gのNVP、7gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.7gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.3gのTEGO(登録商標)RAD2250(ゴールドシュミット・ケミカル社)、1.5gのシリカ、4gの黒色顔料、及び6gのビアキュアーDXから構成されたUV重合可能なインク組成物を調製した。そのインクをゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通して手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に85ft/分で2回通過させて硬化した。そのインクは、次の基体に対し優れた接着性及び良好な熱成形特性を示した:ポリスチレン、レキサン(登録商標)SP8010ポリカーボネート、4mm及び500μmの二つの厚さのポリエチレンテレフタレートG、ポリエチレンテレフタレート、並びに、表面処理を全く行わない硬質PVC。硬化したインクは手で触った時、粘着性ではなかった。
【0094】
例20
前に概略述べた方法により、26.81gのRX04948(ポリエステル/ポリエーテル系ウレタンアクリレート)、21.19gのIBOA(UCBケミカルズ)、2gのNVP、7gのエベクリル(登録商標)7100(UCBケミカルズ)、0.7gのTEGO(登録商標)フォーメックスN(ゴールドシュミット・ケミカル社)、0.3gのTEGO(登録商標)RAD2250(ゴールドシュミット・ケミカル社)、36gの白色顔料、及び6gのビアキュアーLXから構成されたUV重合可能なインク組成物を製造した。そのインクをゴム硬度計A70ゴムローラーを用いて、17〜19N/cmの張力を持つ355/34pwメッシュスクリーンを通して手で二つの層として印刷し、二つの600−H電球を具えたフュージョンUVシステム硬化装置に85ft/分で2回通過させて硬化した。そのインクは、次の基体に対し優れた接着性及び良好な熱成形特性を示した:ポリスチレン、レキサン(登録商標)SP8010ポリカーボネート、4mm及び500μmの二つの厚さのポリエチレンテレフタレートG、ポリエチレンテレフタレート、並びに、表面処理を全く行わない硬質PVC。硬化したインクは手で触った時、粘着性ではなかった。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、射出成形したポリカーボネート層を1)で示し、印刷した硬化インク層を2)で示し、ポリカーボネート基体を3)で示した、本発明のIMD積層物品の図である。
【図2】図2において、図2aは、層を4)で示した単一層のポリカーボネート基体の図であり、図2bは、ポリカーボネート基体を4)で示し、インク層を5)で示した、本発明の放射線硬化性インクを印刷したポリカーボネート基体の図であり、図2cは、ポリカーボネート基体を4)で示し、インク層を5)で示した、本発明による熱成形した印刷基体の図であり、図2dは、ポリカーボネート基体を4)で示し、インク層を5)で示し、射出成形したポリカーボネート層を6)で示した、IMD法により製造した本発明の射出成形熱成形印刷物品の図である。
【図3】図3は、リアルタイムのフーリエ変換赤外線分光分析を用いて行なった反応速度測定のための実験試料の構成を示す図である。
【図4】図4は、リアルタイムのフーリエ変換赤外線分光分析による反応速度実験からの転化データに基づく化合物1(g)について計算した重合時間に対し重合速度をプロットした図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 約5〜85重量%の、下に記載するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、又は、そのようなオリゴマーの混合物で、約100%より大きな破断時伸び%、及び約1,000〜20,000g/モルの数平均分子量を示し、前記オリゴマーが式:
CH=CH(R1)−COO−R2−OCONH−R3−NHCOO−[Z−OCONH−R3−NHCO]−O−R2−OCO−CH(R1)=CH
〔式中、
R1=H、CH
R2=CHCH、CHCH(CH)CH、CHCHO[CO(CH)]、CHCHCHCH、CHCHCH、CHCHCH、CHCHCHCHCH
n=1〜約20
q=1〜約20
R3=約25〜10,000g/モルの分子量を有する、脂肪族、脂環式、複素環式、又は、芳香族ラジカル
Z=次のものの一つ以上からの部分:約25〜10,000g/モルの数平均分子量を有する、ポリエステル、ポリエーテル、ポリグリコール、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリオレフィン;{ここで、前記Z部分は、次の一般式を有する:
ポリエステル:−[A−OCO−B−COO]−A−、又は、[E−COO]−D−[OCO−E]
ポリエーテル/ポリグリコール:−A−[G−O]−G−、又は、G−[O−G]−O−A−O−[G−O]−G−、又は、−A−
ポリカーボネート:−J−[OCOO−J]
ポリウレタン:−L−[OCON−Q−NCOO−L]
ポリオレフィン:−Q−[R]−Q−
(式中:
A=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
B=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
D=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
E=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
G=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜1,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル
J=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜2,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
L=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜2,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
Q=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜2,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
R=C及びHに基づき、及び場合によりN、O、S、又は、Siを含み、約14g/モル〜4,000g/モルの分子量を有する、直鎖脂肪族ラジカル、分岐鎖脂肪族ラジカル、若しくは、環式脂肪族ラジカル、又は、芳香族ラジカル
m=1〜約1,000)}〕
を有する重合可能なオリゴマー又は、オリゴマー混合物;及び
b) 約0.1〜50重量%の重合可能な希釈用単量体又は、その混合物であって、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、N−ビニルアミド、プロペニルエーテル、マレイミド、マレイン酸エステル若しくはマレイン酸塩、又は、フマル酸エステル若しくはフマル酸塩から選択されたもの;及び
c) 約0.1〜50重量%の付加重合可能なオリゴマー;及び
d) 約0〜20重量%の、硬化性組成物の硬化反応を開始することができるラジカルを発生することができ、かつ、化学線への暴露、電離放射線への暴露、熱への暴露からなる群から選択された一つ以上の方法により活性化することができる化合物、又は、そのような化合物の混合物;及び
e) 約0〜25重量%の他の添加剤であって、アミン、消泡剤、流動助剤、充填剤、界面活性剤、アクリル重合体及び共重合体、並びに、接着促進剤からなる群から選択されたもの;及び
f) 約0〜5重量%のフッ素化相容化剤;及び
g) 約0.5〜60重量%の、式I〜IXから選択された一種類以上の化合物から構成された重合可能な単量体成分であって、
前記化合物は、塩結晶/ポリプロピレン積層体中で、光開始剤として5重量%のダロキュアー(Darocur)1173を含む10μm厚試料を硬化するための中圧水銀ランプの全アークから試料上25mW/cmの光強度を用いて25℃でRTFTIRにより測定して、0.01〜7モルL−1−1の範囲内の最大の単独重合速度を示し、
選択された化合物が、遅い又は効率の悪い重合を示し、且つ/又は、硬化した被覆中、選択された化合物が一部分又は全部重合されないままになっているような共重合性を示すようにしてある、
重合可能な単量体成分:
【化1】


〔式中、
R1=H、CH
X=O、N
R4=C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族又は、芳香族ラジカル
R5=O、N、S
R6=O、N、S
R7=H、又は、C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R8=:X=Oの場合、存在せず;X=Nの場合、H、又は、C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R9=N
R10=N
R11=C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族又は、芳香族ラジカル
R12=O、N
R13=約1〜10個の炭素原子を有し、場合により、N、O、又は、Sを含む脂肪族ラジカル
R14=O、NH、S
R15=O、NH、S
R16=約1〜10個の炭素原子を有し、場合により、N、O、又は、Sを含む脂肪族ラジカル
R17=H、又は、C、Hを含み、場合により、N、O、S、Siの一つ以上を含み、約15〜1000g/モルの分子量の脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R18=H、又は、約15〜1,000g/モルの分子量を有する脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R19=H、又は、約15〜1,000g/モルの分子量を有する脂肪族、若しくは、芳香族ラジカル
R20=約14〜1,000g/モルの分子量を有する分岐鎖、若しくは、直鎖脂肪族、芳香族、又は、複素環ラジカル
R21=O、S、NR17
R22=CHR17
R23=O、S、NR17
R24=N
R25=約1〜10個の炭素原子を有し、場合により、N、O、又は、Sを含む脂肪族ラジカル〕
を含む重合可能な被覆組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物を含むインク組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物を含む接着剤組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物から製造された、被覆、インク、又は、接着剤を中間層として含む、多層印刷物、積層体、接着剤、及び、他の被覆又は、印刷した、成形又は、非成形の、組立体、及び、物品。
【請求項5】
重合体/重合体積層体、重合体/ガラス積層体、熱成形した積層体目的物、インモールド装飾目的物、インモールド被覆目的物、鏡、又は、光重合体印刷板である、請求項4に記載の物品及び組立体。
【請求項6】
重合体基体上に請求項1に記載の被覆、インク、又は、接着剤組成物を被覆し、及び/又は、印刷することを含み、場合により前記被覆及び/又は、印刷した基体を熱成形し、次に前記基体を射出成形してIMD又は、IMC物品又は、組立体を形成することを含む、IMD及びIMCのための方法。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate

【図2d】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2006−518781(P2006−518781A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501571(P2006−501571)
【出願日】平成16年1月21日(2004.1.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000452
【国際公開番号】WO2004/067599
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(505000055)サーフェース スペシャリティーズ、エス.エイ. (10)
【Fターム(参考)】