放熱用部材の製造方法および放熱用部材を用いた半導体装置
【課題】絶縁シートの欠けや切り屑の発生なしに、ヒートシンクの表面形状に合わせて加工した絶縁シートをヒートシンクに接着した放熱性部材を提供する。
【解決手段】ヒートシンクに絶縁シートが接着された放熱性部材の製造方法が、平坦な表面を有するヒートシンク10を準備する工程と、ヒートシンク上に、少なくともヒートシンクの上面を覆うように絶縁シート20を重ねる工程と、絶縁シートの縁部を削り、絶縁シートの形状をヒートシンクの上面形状に合わせる切削工程とを含む。
【解決手段】ヒートシンクに絶縁シートが接着された放熱性部材の製造方法が、平坦な表面を有するヒートシンク10を準備する工程と、ヒートシンク上に、少なくともヒートシンクの上面を覆うように絶縁シート20を重ねる工程と、絶縁シートの縁部を削り、絶縁シートの形状をヒートシンクの上面形状に合わせる切削工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱用部材の製造方法に関し、特に、トランスファモールド型半導体装置に含まれる放熱用部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トランスファモールド型半導体装置では、パワーチップと制御チップとがフレーム上にダイボンドされている。フレームは、高い熱伝導率の絶縁性樹脂シートを介して、金属製のヒートシンク(またはヒートスプレッダ)上に載置されている。パワーチップやヒートシンクは、ヒートシンクの裏面が外部に露出するように、樹脂からなるパッケージ内に封止されている。
パッケージから露出したヒートシンクは、熱伝導性グリースを介して放熱フィンの上に載置され、パッケージに設けられたネジ穴を用いてパッケージはヒートシンクにネジ止めされる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ヒートシンク上に絶縁シートを配置する工程では、予めヒートシンクの上面形状に合うように加工した絶縁シートをヒートシンク上に載置するより、絶縁シートをヒートシンク上に配置した後に上面形状に合わせて切断する方が、絶縁シートとヒートシンクとの位置合わせ等が不要となり製造工程が簡略化できる。一方、絶縁シートは、パワーチップ等を搭載したフレームとヒートシンクとの間を絶縁するものである。このため、加工時に絶縁シートに欠け等が生じると絶縁性が低下し半導体装置の破壊等の原因となる。
【0004】
このため、例えば、繊維質の基材にエポキシ樹脂を含浸させた所謂プリプレグのシートのような欠けを生じにくい材料を用い、ヒートシンク上にプレプリグシートを配置した後に、ヒートシンクの上面形状に合わせてレーザ加工でプレプリグシートを切断し、絶縁シートを作製する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−125826号公報
【特許文献2】特開2003−191197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような方法では、プレプリグシートが熱伝導性の良いヒートシンク上に配置されているため、レーザ加工を行う切断部分の温度が上がりにくく、加工時に切り屑が発生するという問題があった。即ち、プレプリグシートの表面が所望の温度になっても、裏面に向かうに従って温度が下がり、プレプリグシートの裏面側が十分に切断されず、絶縁シートに欠けが生じたり切り屑が発生するという問題があった。
これに対して、レーザ出力を高くしてプレプリグシートの裏面の温度を高くすると、プレプリグシートの表面で温度が高くなりすぎて、プレプリグシートが炭化するという問題があった。
【0006】
また、ロータリーカッターなどで絶縁シートを裁断しても、ヒートシンクの外縁に沿って精度良く切断することは困難であった。トムソン抜き板を用いる方法も考えられるが、この方法でも十分な精度を得ることは困難であった。
【0007】
更に、樹脂シートの熱伝導率を高めるため、多量のフィラーをエポキシ樹脂に混錬した場合、樹脂シートはきわめて脆くなり、裁断が不十分でヒートシンクの上面から絶縁シートがはみ出していると、その後のハンドリング工程で、非常に欠けが生じやすくなっていた。
【0008】
また、絶縁シートが欠けてしまうとダイパッド部とヒートシンクと間の絶縁が不十分となり、半導体装置の絶縁耐圧が低下した。また、欠けによる生じた小片屑が絶縁シートの上に残ると、ダイパッド部との密着不良の原因となった。また、小片屑がヒートシンクの表面に付着すると、ヒートシンクにへこみや傷を生じる原因となった。
【0009】
そこで、本発明は、絶縁シートの欠けや発生する切り屑の影響を受けずに、ヒートシンクの表面形状に合わせて絶縁シートを加工する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ヒートシンクに絶縁シートが接着された放熱性部材の製造方法であって、平行に配置された上部プレス板と下部プレス板とを準備する工程と、下部プレス板上に、ヒートシンク、絶縁シート、および変形性部材をこの順に重ねて配置する配置工程と、上部プレス板と下部プレス板との間で変形性部材をヒートシンクに向かってプレスし、ヒートシンクと上部プレス板との間からヒートシンクの側面側に変形性部材を変形させてはみ出させ、はみ出した変形性部材によりヒートシンクの側面に沿って絶縁シートを切断する切断工程とを含むことを特徴とする放熱性部材の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、絶縁シートの欠けや切り屑の発生なしに、ヒートシンクの表面形状に合わせて加工した絶縁シートをヒートシンクに接着した放熱性部材を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、全体が100で表される、本実施の形態1にかかるトランスファモールド半導体装置の上面図であり、図2は、図1をII−II方向に見た場合の半導体装置100の断面図である。
【0013】
図2に示すように、半導体装置100は、ヒートシンク10を含む。ヒートシンク10の上には、ヒートシンク10の上面を覆うように絶縁シート20が設けられている。ヒートシンク10は、アルミニウムや銅などの金属からなる。また、絶縁シート20は、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に、BN、AlN、SiC等の熱伝導率の高いセラミックス微粉フィラーを混錬した材料からなる。
【0014】
絶縁シート20の上には、リードフレーム35のダイパッド部30が載置されている。ダイパッド部30には、パワーFETやIGBT等のパワーチップ50が搭載されている。一方、他のリードフレーム35にはパワーチップ50を制御するための制御チップ55が搭載されている。パワーチップ50とリードフレーム35との間は、口径の大きな大電流ワイヤで接続されている。また、制御チップ55とパワーチップ50との間は、口径の小さな小電流ワイヤで接続されている。
【0015】
ヒートシンク10やパワーチップ50は、エポキシ樹脂等のモールド樹脂からなるパッケージ60内に封止されている。ヒートシンク10の少なくとも底面はモールド樹脂から露出している。
【0016】
図1に示すように、半導体装置100では、パッケージ60の両側からリードフレーム35の端部が突き出すとともに、放熱フィン(図示せず)に固定するネジを通すためのネジ孔70が設けられている。
【0017】
図3は、ヒートシンク10の上面および側面を表す概略図である。ヒートシンク10は表面11と底面12とを有し、底面側の周囲に段差部14が設けられている。かかる段差部14を有することにより、モールド樹脂が段差部14にも回り込み、ヒートシンク10とモード樹脂との接合が強化される。ヒートシンク10の両側面には、ネジ孔に対応する切欠き部13が設けられている。
【0018】
図4は、半導体装置100に用いられる放熱用部材の製造方法の概略図である。ここで、放熱等部材とは、ヒートシンク10と、ヒートシンク10を覆う絶縁シート20からなり、絶縁シート20の形状はヒートシンク10の上面形状と略一致するようになっている。
【0019】
図4では、下部プレス板230の上に複数のヒートシンク10が並べられている。ヒートシンク10の上には、ヒートシンク10を覆うように樹脂シートが配置されている。かかる樹脂シートは、通常、PET、銅、アルミニウムなどのフィルムに、フィラーを分散させたエポキシ樹脂を塗布し、真空プレスなどを行い、最終的にフィルムから剥がして形成される。樹脂シートが切断されて、ヒートシンク10の上の絶縁シート20が形成される。
【0020】
エポキシ樹脂からなる樹脂シートは、完全硬化した状態(Cステージ)ではなく、ほとんど硬化していない状態(Aステージ)または硬化反応が未完了の半硬化状態(Bステージ)でモールド金型に投入すれば、モールド時に硬化が進行することを利用してダイパッド部に接着させることができる。ここで、殆ど硬化が生じておら容易に接着する状態を未硬化状態(Aステージ)、接着可能な程度に硬化反応が未完了の状態を半硬化状態(Bステージ)、モールド金型中でダイパッドと接触していても、その後の熱処理(キュア)工程を含めダイパッドへの接着が生じない状態を完全硬化状態(Cステージ)となる。
【0021】
図4では、未硬化状態(Aステージ)、または半硬化状態(Bステージ)の樹脂シートが用いられる。
【0022】
放熱用部材の製造工程では、まず、上述のように、下部プレス板230上にヒートシンク10を並べ、その上に樹脂シートを載せる。
【0023】
次に、加熱しながら上部プレス板240で樹脂シートをプレスし、ヒートシンク10に樹脂シートを圧着させる(圧着プレス)。
【0024】
次に、一旦、上部プレス板240をはずして、樹脂シートの上にシート状の変形性部材(変形シート)210を載せ、再度、上部プレス板240を用いてプレスする。かかるプレス工程において、図4のように変形性部材210がヒートシンク10の端部で下方に押し出されるように変形し、樹脂シートはヒートシンク10の上面と略同一形状に切断される(裁断プレス)。
【0025】
変形性部材210は、例えば、ゴム、ポリウレタン、厚紙など、プレスによって容易に圧縮されて、連続的に樹脂シートの厚み以上に変形する材料が用いられる。樹脂シートを完全に切断するには、樹脂シートの厚みの2倍にヒートシンク厚みのマイナス側公差を加えた値以上の食い込み量が必要となることが、実験的に認められている。
【0026】
特に、変形性部材210を介して樹脂シートを加圧することにより、ヒートシンク10のうねりや厚さのばらつき、ヒートシンク10自体の製造工程で生じる外周のダレなどに起因する、プレス圧力のばらつきを低減できる。このため、確実な切断が可能となり、生産性を向上させることができる。
【0027】
かかる製造工程では、樹脂シートの圧着工程の後に、ヒートシンク10を改めて並べ替える必要が無く、また、樹脂シートを裁断するための位置合わせも不要である。
【0028】
また、プレス工程において、ヒートシンク10の下に板材を配置しておけば、圧着プレスの後に、ヒートシンク10が配列した状態のまま、容易に別のプレス機に板材ごとヒートシンク10を移動させることができる。
【0029】
裁断プレスは、必ずしも加熱しながら行う必要がないため、熱硬化反応が過剰に進むことを防止できる。すなわち、樹脂シートの硬化状態の制御は、塗工工程と圧着工程のみで行われ、樹脂シートの品質の管理が容易になる。
【0030】
なお、変形性部材210が圧着のためのプレス条件に耐えうる場合は、圧着工程と裁断工程を兼ねて、最初から変形性部材210を挿入した状態でプレスを行っても良い。これにより製造工程を簡略化できるとともに、ヒートシンク10の厚みのばらつきやダレによるプレス圧力の分布も低減できる。
【0031】
図5は、樹脂シートの切断面の拡大図であり、絶縁性の樹脂シートが、ヒートシンク10側の端部から金属性のリードフレーム35側に向かって、外方に張り出している。即ち、変形性部材210を用いた樹脂シートの剪断により、ヒートシンク10の端部に、やや張り出した庇部205ができている。切断面の形状は、樹脂シートの硬化した程度や、樹脂シートに含有されるフィラーの種類や量にも影響される。
【0032】
放熱性部材(絶縁シート20が接着されたヒートシンク10)は、プレス装置から取り出した後、樹脂シートの切り屑を除去して完了する。樹脂シートの切り屑は、剪断後にヒートシンク10の間にたまっているため、切り屑を巻き上げないようにヒートシンク10を引き上げるか、引き上げる前に粉塵を除去すれば、絶縁シート20の上面やヒートシンク10の底面に切り屑が付着することは無い。
【0033】
また、プレス時に変形性部材210がヒートシンクの形状に対応して変形するため、ヒートシンク10の周囲にダレ領域があっても、樹脂シートが欠けることはない。
【0034】
なお、図4では、複数のヒートシンク10を一括してプレスする場合について説明したが、ヒートシンクの厚みのばらつきや樹脂シートの厚み分布を考慮して、ヒートシンクを1つずつ個別にプレスしても構わない。これにより、変形性部材210の厚さを薄くすることが可能となり、変形性部材210のコストを低減することができる。
【0035】
また、特に、樹脂シートに含有されるフィラーとして鱗片状のBNを使用している場合は、変形性部材210により裁断された樹脂シート(絶縁シート)の外形が、樹脂シート厚みと同程度の幅で、ヒートシンク10の外形より大きくなる場合がある。この場合は、以下の実施の形態2等で述べる方法により、樹脂シートの周囲を削っても構わない。
【0036】
なお、ヒートシンク10上に絶縁シートを配置する放熱性部材の製造方法には、樹脂シートをヒートシンク10の上面と同じ外形に打ち抜いて加工した後に、1枚ずつヒートシンク10に貼り付ける方法と、上述のようなヒートシンク10上に樹脂シートを載せて貼り付けた後、裁断する方法がある。後者の方法では、ヒートシンク10より大きな樹脂シートを貼り付けた後、裁断を行うため、貼り付け時の精密な位置合わせが不要となる。また、樹脂シートからフィルムをまとめて剥離できるため、フィルム剥離の工程が簡単になる。このため、放熱性部材の生産性を高くできる。
【0037】
上述のように、本実施の形態1にかかる製造工程では、欠けを生じることなくヒートシンク10の上面形状にあわせて絶縁シートを切断できるため、欠けや小片屑の付着に起因する問題は生じない。
【0038】
実施の形態2.
図6は、本実施の形態2にかかる放熱性部材の製造工程を表す概略図である。図6(a)は、ヒートシンク10上に絶縁シート20を載置した状態で固定治具300、310に固定する場合の側面図であり、図6(b)は、(a)をVI−VI方向に見た場合の断面図である。
【0039】
固定治具300では、ヒートシンク10の段差部14を利用してヒートシンク10の位置決めを行う。固定治具310は、ヒートシンク10の周縁部を押さえる構造となっている。アルミニウムや銅からなるヒートシンク10はプレス加工によって製造されるが、製造工程において、周辺部にダレを生じる。具体的には、ヒートシンク10の上面が、周囲においてテーパーを持っている。このようなテーパーがあると、樹脂シートを圧着する工程でプレス圧力が低下し、結果的にテーパー部で接着力が弱くなる。
【0040】
図6に示す固定治具310では、固定治具310がヒートシンク10の上の絶縁シート20と接触する幅dが、テーパー領域の幅と略等しくなっている。これにより、テーパー領域でも十分な圧力でプレスできるようにし、絶縁シート20をヒートシンク10の上に確実に接着できるようにしている。
【0041】
なお、図6(c)に示すように、固定治具320には、絶縁シート20との接触部分に、ヒートシンク10のテーパーと同様のテーパーを設けても構わない。これにより、絶縁シート20とヒートシンク10との接着をより確実にできる。
【0042】
ここでは、まず、固定治具300の上にヒートシンク10を載せ、その表面上に、絶縁シート20を載せる。絶縁シート20の大きさは、ヒートシンク10の表面よりやや大きめに形成されている。次に、固定治具310を用いて絶縁シート20を押さえ、固定治具300、310の間に、ヒートシンク10と絶縁シート20とを固定する。
【0043】
このように固定治具300、310の間に固定したヒートシンク10と絶縁シート20に対して、図7に示す工程が行われる。
かかる工程では、図7(a)に示すように、ヒートシンク10と絶縁シート20を固定した固定治具300、310が、2本のロールブラシ400の間を通過する。なお、図7(a)では、図面を簡略化する意味で、固定治具300等は省略し、ヒートシンク10のみを記載してある。
【0044】
固定治具300等は、図7(a)の矢印aの方向に移動する。この際、ロールブラシ400は矢印bの方向に回転し、ヒートシンク10からはみ出した絶縁シート20の縁部を削る。削られた絶縁シート20の削り屑は、吸引ノズル420により矢印cの方向に吸引、除去される。これにより、削り屑が絶縁シート20等に付着することはない。
【0045】
なお、固定治具300等は移動せずに、ロールブラシ400が矢印aの方向と反対に移動しても良い。この場合でも、固定治具300は相対的にロールブラシ400に対して矢印aの方向に移動することになる。これは、他の実施の形態においても同様である。
【0046】
2本のロールブラシ400が、ヒートシンク10の短片側(図7(a)では水平方向の辺)に接触した後、ローラブラシ400の間隔を広げて短辺側を加工する。ネジ孔用の溝は、図示されていない専用のロールブラシを用いて加工する。ローラブラシ400による加工は加熱処理を伴わないため、絶縁シート20の硬化反応を進行させず、硬化反応の制御が容易となる。
【0047】
図7(c)はロールブラシ400の斜視図であり、回転軸410の周囲にロールブラシ400が回転するようになっている。
ローラブラシ400の毛材は、絶縁シート20中のフィラー材料が硬度の高い粉体であることから、線径0.1mm〜0.3mmのワイヤ線、ステンレス線、または、線径0.3mm以上の、ナイロンに炭化珪素やアルミナの微粉を混合した砥粒入り線を用いることが好ましい。
この工程では、削り屑の発生を防止することは出来ないため、上述のように、削り屑を吸引ないし吹き飛ばして除去する必要がある。更に、絶縁シート20の表面やヒートシンク10の裏面は、固定治具300、310により覆われているため、絶縁シート20の表面等に削り屑が付着することは殆どない。
【0048】
この方法では、特に、樹脂シート中のフィラーが40Vol%を超えるような、脆性破壊しやすい樹脂シートに対して良好な外形加工が可能になる。純度の高いアルミニウムや銅からなるヒートシンク10はローラブラシ400によって傷つきやすいが、ヒートシンク10の表面にブラシ毛材の線径に対応した微細な傷がつくことによって凹凸が形成され、モールド樹脂とヒートシンク10との接着強度を高めるという副次的効果も得ることができる。ヒートシンク10の側面の接着強度が高まると、半導体装置のヒートショックや耐湿性についての信頼性を向上させることができる。
【0049】
なお、ローラブラシ400の磨耗対策として、ロールブラシ400を回転軸410の方向(上下方向)に移動させながら加工を行っても良い。
【0050】
図8は、本実施の形態2にかかる他の製造方法の概略図である。図8では、上述の図7で用いたローラブラシ400に換えて、回転ブラシ450、460を用いる。他の工程は、図7の場合と同様であり、ヒートシンク10と絶縁シート20とが、固定治具300、310の間に固定された状態で、回転ブラシ450、460の間を矢印dの方向に移動する。この結果、絶縁シート20の縁部が削られて、ヒートシンク10の上面形状と同じ形状の絶縁シート20を得ることができる。
【0051】
ここでは、回転ブラシを2段に配置し、1段目の回転ブラシ450はヒートシンク10の幅よりやや広めに配置されている。また、1段目の回転ブラシ450に用いられるブラシの線径を2段目の回転ブラシ460より太くしたり、より硬い毛材を用いたり、更には回転速度に差をつけるように調整することもできる。一般的には、1段目の回転ブラシ450で粗加工を行い、2段目に回転ブラシ460で高精度の加工を行う。
【0052】
また、絶縁シート20の端部の直線性を高めるため、1段目を回転ブラシ450、2段目をロールブラシ400としても構わない。
【0053】
以上のように、本実施の形態2にかかる方法を用いることにより、絶縁シート20の欠けや削り屑の付着を防止しながら、ヒートシンク10の上にヒートシンク10の上面形状に合わせて加工した絶縁シート20を有する放熱性部材を提供することができる。
【0054】
なお、図9に示すように、ヒートシンク10と絶縁シート20とからなる放熱用部材を、絶縁シート20同士が重なるように積層し、固定治具300で固定した状態で絶縁シート20を加工しても構わない。これにより、生産性を向上させることが可能となる。特に、ヒートシンク10のダレが小さい場合には、このように積み重ねることが有効である。
【0055】
実施の形態3.
図10は、本実施の形態3にかかる放熱性部材の製造工程を表す概略図である。かかる工程では、まず、図6に示すように、ヒートシンク10と絶縁シート20を固定治具300、310に固定する。絶縁シート20の大きさは、ヒートシンク10の表面よりやや大きめに切断されている。
【0056】
続いて、図10に示すように、金属やセラミックからなる、1組の対向したブレード500の間を、矢印eの方向に通過させる。図10では、図面を簡略化する意味で固定治具300等は省略し、ヒートシンク10のみを記載してある。
【0057】
ブレード500により、絶縁シート20の周辺部に、矢印eと平行な方向に剪断応力をかけて、ヒートシンク10から横にはみ出した絶縁シート20の縁部を除去する。ブレード500とヒートシンク10との相対速度は、絶縁シート20の材料に合わせて調整する。
【0058】
加工速度を速くし、かつ削り屑の発生を少なくするには、ブレード500を加熱することが有効である。ブレード500の熱容量が十分に大きければ、加工時間に対してブレード500の温度変化を小さく抑えることができる。例えば、ブレード500の温度を、絶縁シート20の材料のガラス転移点に対して±10℃の範囲内に設定することで、絶縁シート20を軟化させて、切断しやすい状態で加工を進めることが可能となる。
【0059】
例えば、50Vol%の窒化ホウ素粉体を含有した絶縁シートを加工する場合、ブレード500とヒートシンク10との相対速度は、30mm/sec以下の速度が好ましい。
【0060】
更に、ブレード500の熱がヒートシンク10に伝わって逃げるのを抑えるには、ブレード500とヒートシンク10が数点の点接触を維持するように、ブレード500の側面に突起ないしローラーを設けることが好ましい。突起によってヒートシンク10の側面に小さな傷がつく場合もあるが、ヒートシンク10の切り屑が生じない限り問題はない。むしろ、ヒートシンク10の側面の線状痕は、モールド樹脂との密着度を向上させる。
【0061】
図11は、本実施の形態3にかかる他の製造方法の概略図である。かかる製造方法では、上述のブレード500に換えてホットワイヤ600を用いて、ヒートシンク10の両側にはみ出した絶縁シート20を除去する。ホットワイヤ600は直接加熱するか、または通電加熱する。加熱温度は絶縁シート20が炭化しない程度であり、例えば絶縁シート20の樹脂材料のガラス転移点に対して±10℃の範囲内とすることが好ましい。ホットワイヤ600は、切断に用いる部分のみならず、その全長または一定の長さで加熱されるため、加工温度を所定の温度に保持するのが容易である。
【0062】
また、巻き取りロール610でホットワイヤ600を巻き取りながら、絶縁シート20を切断することにより、絶縁シート20を切断する部分のホットワイヤ600を常に新しくすることができ、切断面の形状を良好にできる。
【0063】
図11(a)では、ホットワイヤ600を鉛直方向に配置したが、図11(b)のように、ローラ620を用いてホットワイヤ600を屈曲させてもよい。この場合、ヒートシンク10との接触長さが小さくなり、ホットワイヤ600の温度の低下を防止できる。
【0064】
なお、ホットワイヤ600を用いることにより、ホットワイヤ600と接触する絶縁シート20の熱硬化が部分的に進行する。しかしながら、ヒートシンク10の端部はダイパッドが重ならない領域であり、絶縁シート20の硬化が部分的に進行しても問題はない。むしろ、その後のハンドリング工程で粉塵を生じにくくなる。
【0065】
なお、図11では、2組の放熱性部材を重ねて処理する場合について示したが、図6に示すように、上下を固定治具300、310で固定した状態で処理する場合にも適用できる。
【0066】
実施の形態4.
図12は、本実施の形態4にかかる製造方法の概略図である。かかる方法では、ヒートシンク10の上に所定の大きさの絶縁シート20を接着した後、超音波カッター700を用いて、ヒートシンク10の上面形状に合わせて絶縁シート20を切断する。準備する絶縁シート20は、ヒートシンク10の表面よりやや大きめに切断されているが、シート状のものであってもよい。
【0067】
超音波カッター700は、矢印fの方向に移動する。超音波カッター700は、刃先に20kHz〜40kHz程度の振動を加えて切削抵抗が低い状態で切断するもので、特に、プリプレグシートのような柔らかい材料の切断に適している。ただし、刃先が切断方向に振動するため、ヒートシンク10に接触しないようにヒートシンク10との距離を制御する必要がある。
【0068】
なお、ヒートシンク10の上面に刃先が届かないようにすると、絶縁シート20を完全に裁断できない。この場合は、上述のロールブラシ400または回転ブラシ450、460を用いて半裁断状態の切り屑を取り除くことができる。即ち、超音波カッター700を用いることで、高速にかつ直線性の高い裁断を行うことができるため、密着性の弱いヒートシンク端部でも、±30μm程度の高い精度で加工が可能となる。また、超音波カッター700は切削性が高いので、微細な切り屑の発生を最小限に抑えることができる。
【0069】
なお、超音波カッター700では、曲線形状の加工も可能となる。超音波カッター700でヒートシンク10の外形寸法より大きい寸法に粗加工し、実施の形態2等の方法で本加工しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるトランスファモールド半導体装置の上面図である。
【図2】図1をII−II方向に見た場合の半導体装置の断面図である。
【図3】ヒートシンクの上面および側面を表す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる放熱用部材の製造工程の概略図である。
【図5】樹脂シートの切断面の拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる放熱性部材の製造工程の概略図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる放熱性部材の製造工程の概略図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかる放熱性部材の他の製造工程の概略図である。
【図9】放熱用部材の他の固定方法の概略図である。
【図10】本発明の実施の形態3にかかる放熱性部材の製造工程の概略図である。
【図11】本発明の実施の形態3にかかる放熱性部材の他の製造工程の概略図である。
【図12】本発明の実施の形態4にかかる放熱性部材の製造工程の概略図である。
【符号の説明】
【0071】
10 ヒートシンク、20 絶縁シート、30 ダイパッド部、35 リードフレーム、40 大電流ワイヤ、45 小電流ワイヤ、50 パワーチップ、55 制御チップ、60 モールド樹脂、70 ネジ孔、100半 導体装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱用部材の製造方法に関し、特に、トランスファモールド型半導体装置に含まれる放熱用部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トランスファモールド型半導体装置では、パワーチップと制御チップとがフレーム上にダイボンドされている。フレームは、高い熱伝導率の絶縁性樹脂シートを介して、金属製のヒートシンク(またはヒートスプレッダ)上に載置されている。パワーチップやヒートシンクは、ヒートシンクの裏面が外部に露出するように、樹脂からなるパッケージ内に封止されている。
パッケージから露出したヒートシンクは、熱伝導性グリースを介して放熱フィンの上に載置され、パッケージに設けられたネジ穴を用いてパッケージはヒートシンクにネジ止めされる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ヒートシンク上に絶縁シートを配置する工程では、予めヒートシンクの上面形状に合うように加工した絶縁シートをヒートシンク上に載置するより、絶縁シートをヒートシンク上に配置した後に上面形状に合わせて切断する方が、絶縁シートとヒートシンクとの位置合わせ等が不要となり製造工程が簡略化できる。一方、絶縁シートは、パワーチップ等を搭載したフレームとヒートシンクとの間を絶縁するものである。このため、加工時に絶縁シートに欠け等が生じると絶縁性が低下し半導体装置の破壊等の原因となる。
【0004】
このため、例えば、繊維質の基材にエポキシ樹脂を含浸させた所謂プリプレグのシートのような欠けを生じにくい材料を用い、ヒートシンク上にプレプリグシートを配置した後に、ヒートシンクの上面形状に合わせてレーザ加工でプレプリグシートを切断し、絶縁シートを作製する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−125826号公報
【特許文献2】特開2003−191197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような方法では、プレプリグシートが熱伝導性の良いヒートシンク上に配置されているため、レーザ加工を行う切断部分の温度が上がりにくく、加工時に切り屑が発生するという問題があった。即ち、プレプリグシートの表面が所望の温度になっても、裏面に向かうに従って温度が下がり、プレプリグシートの裏面側が十分に切断されず、絶縁シートに欠けが生じたり切り屑が発生するという問題があった。
これに対して、レーザ出力を高くしてプレプリグシートの裏面の温度を高くすると、プレプリグシートの表面で温度が高くなりすぎて、プレプリグシートが炭化するという問題があった。
【0006】
また、ロータリーカッターなどで絶縁シートを裁断しても、ヒートシンクの外縁に沿って精度良く切断することは困難であった。トムソン抜き板を用いる方法も考えられるが、この方法でも十分な精度を得ることは困難であった。
【0007】
更に、樹脂シートの熱伝導率を高めるため、多量のフィラーをエポキシ樹脂に混錬した場合、樹脂シートはきわめて脆くなり、裁断が不十分でヒートシンクの上面から絶縁シートがはみ出していると、その後のハンドリング工程で、非常に欠けが生じやすくなっていた。
【0008】
また、絶縁シートが欠けてしまうとダイパッド部とヒートシンクと間の絶縁が不十分となり、半導体装置の絶縁耐圧が低下した。また、欠けによる生じた小片屑が絶縁シートの上に残ると、ダイパッド部との密着不良の原因となった。また、小片屑がヒートシンクの表面に付着すると、ヒートシンクにへこみや傷を生じる原因となった。
【0009】
そこで、本発明は、絶縁シートの欠けや発生する切り屑の影響を受けずに、ヒートシンクの表面形状に合わせて絶縁シートを加工する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ヒートシンクに絶縁シートが接着された放熱性部材の製造方法であって、平行に配置された上部プレス板と下部プレス板とを準備する工程と、下部プレス板上に、ヒートシンク、絶縁シート、および変形性部材をこの順に重ねて配置する配置工程と、上部プレス板と下部プレス板との間で変形性部材をヒートシンクに向かってプレスし、ヒートシンクと上部プレス板との間からヒートシンクの側面側に変形性部材を変形させてはみ出させ、はみ出した変形性部材によりヒートシンクの側面に沿って絶縁シートを切断する切断工程とを含むことを特徴とする放熱性部材の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、絶縁シートの欠けや切り屑の発生なしに、ヒートシンクの表面形状に合わせて加工した絶縁シートをヒートシンクに接着した放熱性部材を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、全体が100で表される、本実施の形態1にかかるトランスファモールド半導体装置の上面図であり、図2は、図1をII−II方向に見た場合の半導体装置100の断面図である。
【0013】
図2に示すように、半導体装置100は、ヒートシンク10を含む。ヒートシンク10の上には、ヒートシンク10の上面を覆うように絶縁シート20が設けられている。ヒートシンク10は、アルミニウムや銅などの金属からなる。また、絶縁シート20は、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に、BN、AlN、SiC等の熱伝導率の高いセラミックス微粉フィラーを混錬した材料からなる。
【0014】
絶縁シート20の上には、リードフレーム35のダイパッド部30が載置されている。ダイパッド部30には、パワーFETやIGBT等のパワーチップ50が搭載されている。一方、他のリードフレーム35にはパワーチップ50を制御するための制御チップ55が搭載されている。パワーチップ50とリードフレーム35との間は、口径の大きな大電流ワイヤで接続されている。また、制御チップ55とパワーチップ50との間は、口径の小さな小電流ワイヤで接続されている。
【0015】
ヒートシンク10やパワーチップ50は、エポキシ樹脂等のモールド樹脂からなるパッケージ60内に封止されている。ヒートシンク10の少なくとも底面はモールド樹脂から露出している。
【0016】
図1に示すように、半導体装置100では、パッケージ60の両側からリードフレーム35の端部が突き出すとともに、放熱フィン(図示せず)に固定するネジを通すためのネジ孔70が設けられている。
【0017】
図3は、ヒートシンク10の上面および側面を表す概略図である。ヒートシンク10は表面11と底面12とを有し、底面側の周囲に段差部14が設けられている。かかる段差部14を有することにより、モールド樹脂が段差部14にも回り込み、ヒートシンク10とモード樹脂との接合が強化される。ヒートシンク10の両側面には、ネジ孔に対応する切欠き部13が設けられている。
【0018】
図4は、半導体装置100に用いられる放熱用部材の製造方法の概略図である。ここで、放熱等部材とは、ヒートシンク10と、ヒートシンク10を覆う絶縁シート20からなり、絶縁シート20の形状はヒートシンク10の上面形状と略一致するようになっている。
【0019】
図4では、下部プレス板230の上に複数のヒートシンク10が並べられている。ヒートシンク10の上には、ヒートシンク10を覆うように樹脂シートが配置されている。かかる樹脂シートは、通常、PET、銅、アルミニウムなどのフィルムに、フィラーを分散させたエポキシ樹脂を塗布し、真空プレスなどを行い、最終的にフィルムから剥がして形成される。樹脂シートが切断されて、ヒートシンク10の上の絶縁シート20が形成される。
【0020】
エポキシ樹脂からなる樹脂シートは、完全硬化した状態(Cステージ)ではなく、ほとんど硬化していない状態(Aステージ)または硬化反応が未完了の半硬化状態(Bステージ)でモールド金型に投入すれば、モールド時に硬化が進行することを利用してダイパッド部に接着させることができる。ここで、殆ど硬化が生じておら容易に接着する状態を未硬化状態(Aステージ)、接着可能な程度に硬化反応が未完了の状態を半硬化状態(Bステージ)、モールド金型中でダイパッドと接触していても、その後の熱処理(キュア)工程を含めダイパッドへの接着が生じない状態を完全硬化状態(Cステージ)となる。
【0021】
図4では、未硬化状態(Aステージ)、または半硬化状態(Bステージ)の樹脂シートが用いられる。
【0022】
放熱用部材の製造工程では、まず、上述のように、下部プレス板230上にヒートシンク10を並べ、その上に樹脂シートを載せる。
【0023】
次に、加熱しながら上部プレス板240で樹脂シートをプレスし、ヒートシンク10に樹脂シートを圧着させる(圧着プレス)。
【0024】
次に、一旦、上部プレス板240をはずして、樹脂シートの上にシート状の変形性部材(変形シート)210を載せ、再度、上部プレス板240を用いてプレスする。かかるプレス工程において、図4のように変形性部材210がヒートシンク10の端部で下方に押し出されるように変形し、樹脂シートはヒートシンク10の上面と略同一形状に切断される(裁断プレス)。
【0025】
変形性部材210は、例えば、ゴム、ポリウレタン、厚紙など、プレスによって容易に圧縮されて、連続的に樹脂シートの厚み以上に変形する材料が用いられる。樹脂シートを完全に切断するには、樹脂シートの厚みの2倍にヒートシンク厚みのマイナス側公差を加えた値以上の食い込み量が必要となることが、実験的に認められている。
【0026】
特に、変形性部材210を介して樹脂シートを加圧することにより、ヒートシンク10のうねりや厚さのばらつき、ヒートシンク10自体の製造工程で生じる外周のダレなどに起因する、プレス圧力のばらつきを低減できる。このため、確実な切断が可能となり、生産性を向上させることができる。
【0027】
かかる製造工程では、樹脂シートの圧着工程の後に、ヒートシンク10を改めて並べ替える必要が無く、また、樹脂シートを裁断するための位置合わせも不要である。
【0028】
また、プレス工程において、ヒートシンク10の下に板材を配置しておけば、圧着プレスの後に、ヒートシンク10が配列した状態のまま、容易に別のプレス機に板材ごとヒートシンク10を移動させることができる。
【0029】
裁断プレスは、必ずしも加熱しながら行う必要がないため、熱硬化反応が過剰に進むことを防止できる。すなわち、樹脂シートの硬化状態の制御は、塗工工程と圧着工程のみで行われ、樹脂シートの品質の管理が容易になる。
【0030】
なお、変形性部材210が圧着のためのプレス条件に耐えうる場合は、圧着工程と裁断工程を兼ねて、最初から変形性部材210を挿入した状態でプレスを行っても良い。これにより製造工程を簡略化できるとともに、ヒートシンク10の厚みのばらつきやダレによるプレス圧力の分布も低減できる。
【0031】
図5は、樹脂シートの切断面の拡大図であり、絶縁性の樹脂シートが、ヒートシンク10側の端部から金属性のリードフレーム35側に向かって、外方に張り出している。即ち、変形性部材210を用いた樹脂シートの剪断により、ヒートシンク10の端部に、やや張り出した庇部205ができている。切断面の形状は、樹脂シートの硬化した程度や、樹脂シートに含有されるフィラーの種類や量にも影響される。
【0032】
放熱性部材(絶縁シート20が接着されたヒートシンク10)は、プレス装置から取り出した後、樹脂シートの切り屑を除去して完了する。樹脂シートの切り屑は、剪断後にヒートシンク10の間にたまっているため、切り屑を巻き上げないようにヒートシンク10を引き上げるか、引き上げる前に粉塵を除去すれば、絶縁シート20の上面やヒートシンク10の底面に切り屑が付着することは無い。
【0033】
また、プレス時に変形性部材210がヒートシンクの形状に対応して変形するため、ヒートシンク10の周囲にダレ領域があっても、樹脂シートが欠けることはない。
【0034】
なお、図4では、複数のヒートシンク10を一括してプレスする場合について説明したが、ヒートシンクの厚みのばらつきや樹脂シートの厚み分布を考慮して、ヒートシンクを1つずつ個別にプレスしても構わない。これにより、変形性部材210の厚さを薄くすることが可能となり、変形性部材210のコストを低減することができる。
【0035】
また、特に、樹脂シートに含有されるフィラーとして鱗片状のBNを使用している場合は、変形性部材210により裁断された樹脂シート(絶縁シート)の外形が、樹脂シート厚みと同程度の幅で、ヒートシンク10の外形より大きくなる場合がある。この場合は、以下の実施の形態2等で述べる方法により、樹脂シートの周囲を削っても構わない。
【0036】
なお、ヒートシンク10上に絶縁シートを配置する放熱性部材の製造方法には、樹脂シートをヒートシンク10の上面と同じ外形に打ち抜いて加工した後に、1枚ずつヒートシンク10に貼り付ける方法と、上述のようなヒートシンク10上に樹脂シートを載せて貼り付けた後、裁断する方法がある。後者の方法では、ヒートシンク10より大きな樹脂シートを貼り付けた後、裁断を行うため、貼り付け時の精密な位置合わせが不要となる。また、樹脂シートからフィルムをまとめて剥離できるため、フィルム剥離の工程が簡単になる。このため、放熱性部材の生産性を高くできる。
【0037】
上述のように、本実施の形態1にかかる製造工程では、欠けを生じることなくヒートシンク10の上面形状にあわせて絶縁シートを切断できるため、欠けや小片屑の付着に起因する問題は生じない。
【0038】
実施の形態2.
図6は、本実施の形態2にかかる放熱性部材の製造工程を表す概略図である。図6(a)は、ヒートシンク10上に絶縁シート20を載置した状態で固定治具300、310に固定する場合の側面図であり、図6(b)は、(a)をVI−VI方向に見た場合の断面図である。
【0039】
固定治具300では、ヒートシンク10の段差部14を利用してヒートシンク10の位置決めを行う。固定治具310は、ヒートシンク10の周縁部を押さえる構造となっている。アルミニウムや銅からなるヒートシンク10はプレス加工によって製造されるが、製造工程において、周辺部にダレを生じる。具体的には、ヒートシンク10の上面が、周囲においてテーパーを持っている。このようなテーパーがあると、樹脂シートを圧着する工程でプレス圧力が低下し、結果的にテーパー部で接着力が弱くなる。
【0040】
図6に示す固定治具310では、固定治具310がヒートシンク10の上の絶縁シート20と接触する幅dが、テーパー領域の幅と略等しくなっている。これにより、テーパー領域でも十分な圧力でプレスできるようにし、絶縁シート20をヒートシンク10の上に確実に接着できるようにしている。
【0041】
なお、図6(c)に示すように、固定治具320には、絶縁シート20との接触部分に、ヒートシンク10のテーパーと同様のテーパーを設けても構わない。これにより、絶縁シート20とヒートシンク10との接着をより確実にできる。
【0042】
ここでは、まず、固定治具300の上にヒートシンク10を載せ、その表面上に、絶縁シート20を載せる。絶縁シート20の大きさは、ヒートシンク10の表面よりやや大きめに形成されている。次に、固定治具310を用いて絶縁シート20を押さえ、固定治具300、310の間に、ヒートシンク10と絶縁シート20とを固定する。
【0043】
このように固定治具300、310の間に固定したヒートシンク10と絶縁シート20に対して、図7に示す工程が行われる。
かかる工程では、図7(a)に示すように、ヒートシンク10と絶縁シート20を固定した固定治具300、310が、2本のロールブラシ400の間を通過する。なお、図7(a)では、図面を簡略化する意味で、固定治具300等は省略し、ヒートシンク10のみを記載してある。
【0044】
固定治具300等は、図7(a)の矢印aの方向に移動する。この際、ロールブラシ400は矢印bの方向に回転し、ヒートシンク10からはみ出した絶縁シート20の縁部を削る。削られた絶縁シート20の削り屑は、吸引ノズル420により矢印cの方向に吸引、除去される。これにより、削り屑が絶縁シート20等に付着することはない。
【0045】
なお、固定治具300等は移動せずに、ロールブラシ400が矢印aの方向と反対に移動しても良い。この場合でも、固定治具300は相対的にロールブラシ400に対して矢印aの方向に移動することになる。これは、他の実施の形態においても同様である。
【0046】
2本のロールブラシ400が、ヒートシンク10の短片側(図7(a)では水平方向の辺)に接触した後、ローラブラシ400の間隔を広げて短辺側を加工する。ネジ孔用の溝は、図示されていない専用のロールブラシを用いて加工する。ローラブラシ400による加工は加熱処理を伴わないため、絶縁シート20の硬化反応を進行させず、硬化反応の制御が容易となる。
【0047】
図7(c)はロールブラシ400の斜視図であり、回転軸410の周囲にロールブラシ400が回転するようになっている。
ローラブラシ400の毛材は、絶縁シート20中のフィラー材料が硬度の高い粉体であることから、線径0.1mm〜0.3mmのワイヤ線、ステンレス線、または、線径0.3mm以上の、ナイロンに炭化珪素やアルミナの微粉を混合した砥粒入り線を用いることが好ましい。
この工程では、削り屑の発生を防止することは出来ないため、上述のように、削り屑を吸引ないし吹き飛ばして除去する必要がある。更に、絶縁シート20の表面やヒートシンク10の裏面は、固定治具300、310により覆われているため、絶縁シート20の表面等に削り屑が付着することは殆どない。
【0048】
この方法では、特に、樹脂シート中のフィラーが40Vol%を超えるような、脆性破壊しやすい樹脂シートに対して良好な外形加工が可能になる。純度の高いアルミニウムや銅からなるヒートシンク10はローラブラシ400によって傷つきやすいが、ヒートシンク10の表面にブラシ毛材の線径に対応した微細な傷がつくことによって凹凸が形成され、モールド樹脂とヒートシンク10との接着強度を高めるという副次的効果も得ることができる。ヒートシンク10の側面の接着強度が高まると、半導体装置のヒートショックや耐湿性についての信頼性を向上させることができる。
【0049】
なお、ローラブラシ400の磨耗対策として、ロールブラシ400を回転軸410の方向(上下方向)に移動させながら加工を行っても良い。
【0050】
図8は、本実施の形態2にかかる他の製造方法の概略図である。図8では、上述の図7で用いたローラブラシ400に換えて、回転ブラシ450、460を用いる。他の工程は、図7の場合と同様であり、ヒートシンク10と絶縁シート20とが、固定治具300、310の間に固定された状態で、回転ブラシ450、460の間を矢印dの方向に移動する。この結果、絶縁シート20の縁部が削られて、ヒートシンク10の上面形状と同じ形状の絶縁シート20を得ることができる。
【0051】
ここでは、回転ブラシを2段に配置し、1段目の回転ブラシ450はヒートシンク10の幅よりやや広めに配置されている。また、1段目の回転ブラシ450に用いられるブラシの線径を2段目の回転ブラシ460より太くしたり、より硬い毛材を用いたり、更には回転速度に差をつけるように調整することもできる。一般的には、1段目の回転ブラシ450で粗加工を行い、2段目に回転ブラシ460で高精度の加工を行う。
【0052】
また、絶縁シート20の端部の直線性を高めるため、1段目を回転ブラシ450、2段目をロールブラシ400としても構わない。
【0053】
以上のように、本実施の形態2にかかる方法を用いることにより、絶縁シート20の欠けや削り屑の付着を防止しながら、ヒートシンク10の上にヒートシンク10の上面形状に合わせて加工した絶縁シート20を有する放熱性部材を提供することができる。
【0054】
なお、図9に示すように、ヒートシンク10と絶縁シート20とからなる放熱用部材を、絶縁シート20同士が重なるように積層し、固定治具300で固定した状態で絶縁シート20を加工しても構わない。これにより、生産性を向上させることが可能となる。特に、ヒートシンク10のダレが小さい場合には、このように積み重ねることが有効である。
【0055】
実施の形態3.
図10は、本実施の形態3にかかる放熱性部材の製造工程を表す概略図である。かかる工程では、まず、図6に示すように、ヒートシンク10と絶縁シート20を固定治具300、310に固定する。絶縁シート20の大きさは、ヒートシンク10の表面よりやや大きめに切断されている。
【0056】
続いて、図10に示すように、金属やセラミックからなる、1組の対向したブレード500の間を、矢印eの方向に通過させる。図10では、図面を簡略化する意味で固定治具300等は省略し、ヒートシンク10のみを記載してある。
【0057】
ブレード500により、絶縁シート20の周辺部に、矢印eと平行な方向に剪断応力をかけて、ヒートシンク10から横にはみ出した絶縁シート20の縁部を除去する。ブレード500とヒートシンク10との相対速度は、絶縁シート20の材料に合わせて調整する。
【0058】
加工速度を速くし、かつ削り屑の発生を少なくするには、ブレード500を加熱することが有効である。ブレード500の熱容量が十分に大きければ、加工時間に対してブレード500の温度変化を小さく抑えることができる。例えば、ブレード500の温度を、絶縁シート20の材料のガラス転移点に対して±10℃の範囲内に設定することで、絶縁シート20を軟化させて、切断しやすい状態で加工を進めることが可能となる。
【0059】
例えば、50Vol%の窒化ホウ素粉体を含有した絶縁シートを加工する場合、ブレード500とヒートシンク10との相対速度は、30mm/sec以下の速度が好ましい。
【0060】
更に、ブレード500の熱がヒートシンク10に伝わって逃げるのを抑えるには、ブレード500とヒートシンク10が数点の点接触を維持するように、ブレード500の側面に突起ないしローラーを設けることが好ましい。突起によってヒートシンク10の側面に小さな傷がつく場合もあるが、ヒートシンク10の切り屑が生じない限り問題はない。むしろ、ヒートシンク10の側面の線状痕は、モールド樹脂との密着度を向上させる。
【0061】
図11は、本実施の形態3にかかる他の製造方法の概略図である。かかる製造方法では、上述のブレード500に換えてホットワイヤ600を用いて、ヒートシンク10の両側にはみ出した絶縁シート20を除去する。ホットワイヤ600は直接加熱するか、または通電加熱する。加熱温度は絶縁シート20が炭化しない程度であり、例えば絶縁シート20の樹脂材料のガラス転移点に対して±10℃の範囲内とすることが好ましい。ホットワイヤ600は、切断に用いる部分のみならず、その全長または一定の長さで加熱されるため、加工温度を所定の温度に保持するのが容易である。
【0062】
また、巻き取りロール610でホットワイヤ600を巻き取りながら、絶縁シート20を切断することにより、絶縁シート20を切断する部分のホットワイヤ600を常に新しくすることができ、切断面の形状を良好にできる。
【0063】
図11(a)では、ホットワイヤ600を鉛直方向に配置したが、図11(b)のように、ローラ620を用いてホットワイヤ600を屈曲させてもよい。この場合、ヒートシンク10との接触長さが小さくなり、ホットワイヤ600の温度の低下を防止できる。
【0064】
なお、ホットワイヤ600を用いることにより、ホットワイヤ600と接触する絶縁シート20の熱硬化が部分的に進行する。しかしながら、ヒートシンク10の端部はダイパッドが重ならない領域であり、絶縁シート20の硬化が部分的に進行しても問題はない。むしろ、その後のハンドリング工程で粉塵を生じにくくなる。
【0065】
なお、図11では、2組の放熱性部材を重ねて処理する場合について示したが、図6に示すように、上下を固定治具300、310で固定した状態で処理する場合にも適用できる。
【0066】
実施の形態4.
図12は、本実施の形態4にかかる製造方法の概略図である。かかる方法では、ヒートシンク10の上に所定の大きさの絶縁シート20を接着した後、超音波カッター700を用いて、ヒートシンク10の上面形状に合わせて絶縁シート20を切断する。準備する絶縁シート20は、ヒートシンク10の表面よりやや大きめに切断されているが、シート状のものであってもよい。
【0067】
超音波カッター700は、矢印fの方向に移動する。超音波カッター700は、刃先に20kHz〜40kHz程度の振動を加えて切削抵抗が低い状態で切断するもので、特に、プリプレグシートのような柔らかい材料の切断に適している。ただし、刃先が切断方向に振動するため、ヒートシンク10に接触しないようにヒートシンク10との距離を制御する必要がある。
【0068】
なお、ヒートシンク10の上面に刃先が届かないようにすると、絶縁シート20を完全に裁断できない。この場合は、上述のロールブラシ400または回転ブラシ450、460を用いて半裁断状態の切り屑を取り除くことができる。即ち、超音波カッター700を用いることで、高速にかつ直線性の高い裁断を行うことができるため、密着性の弱いヒートシンク端部でも、±30μm程度の高い精度で加工が可能となる。また、超音波カッター700は切削性が高いので、微細な切り屑の発生を最小限に抑えることができる。
【0069】
なお、超音波カッター700では、曲線形状の加工も可能となる。超音波カッター700でヒートシンク10の外形寸法より大きい寸法に粗加工し、実施の形態2等の方法で本加工しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるトランスファモールド半導体装置の上面図である。
【図2】図1をII−II方向に見た場合の半導体装置の断面図である。
【図3】ヒートシンクの上面および側面を表す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる放熱用部材の製造工程の概略図である。
【図5】樹脂シートの切断面の拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる放熱性部材の製造工程の概略図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる放熱性部材の製造工程の概略図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかる放熱性部材の他の製造工程の概略図である。
【図9】放熱用部材の他の固定方法の概略図である。
【図10】本発明の実施の形態3にかかる放熱性部材の製造工程の概略図である。
【図11】本発明の実施の形態3にかかる放熱性部材の他の製造工程の概略図である。
【図12】本発明の実施の形態4にかかる放熱性部材の製造工程の概略図である。
【符号の説明】
【0071】
10 ヒートシンク、20 絶縁シート、30 ダイパッド部、35 リードフレーム、40 大電流ワイヤ、45 小電流ワイヤ、50 パワーチップ、55 制御チップ、60 モールド樹脂、70 ネジ孔、100半 導体装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンクに絶縁シートが接着された放熱性部材の製造方法であって、
平坦な表面を有するヒートシンクを準備する工程と、
該ヒートシンク上に、少なくとも該ヒートシンクの上面を覆うように絶縁シートを重ねる工程と、
該絶縁シートの縁部を削り、該絶縁シートの形状をヒートシンクの上面形状に合わせる切削工程とを含むことを特徴とする放熱性部材の製造方法。
【請求項2】
上記切削方法が、上記ヒートシンクの側面に沿ってブラシを回転させながら移動させ、該ヒートシンクの側面からはみ出した上記絶縁シートの縁部を該ブラシで削る工程であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
上記ブラシが、上記ヒートシンクの表面の法線方向の中心軸を持つロールブラシ、又は該ヒートシンクの側面の法線方向の中心軸を持つ回転ブラシであることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
上記切削方法が、上記ヒートシンクの側面に沿ってブレードを移動させ、該ヒートシンクの側面からはみ出した上記絶縁シートの縁部を削る工程であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
上記切削方法が、上記ヒートシンクの側面に沿って、加熱されたホットワイヤを移動させ、該ヒートシンクの側面からはみ出した上記絶縁シートの縁部を削る工程であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
上記切削方法が、上記ヒートシンクの側面に沿って、超音波カッターを移動させ、該ヒートシンクの側面からはみ出した上記絶縁シートの縁部を削る工程であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
上記切削工程が、上記ヒートシンクの底面を覆うように固定する第1固定治具と、上記絶縁シートの、該ヒートシンクの表面に対向する領域を覆うように上記絶縁シート上に載置される第2固定治具との間に、該ヒートシンクと該絶縁シートが挟まれて固定された状態で、該絶縁シートの縁部を削る工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
半導体素子が固定された金属フレームとヒートシンクとの間に伝熱性の絶縁シートを有する半導体装置において、
該絶縁シートが、該ヒートシンク側の端部から該金属フレーム側に向かって、外方に張り出すようにしたことを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
ヒートシンクに絶縁シートが接着された放熱性部材の製造方法であって、
平坦な表面を有するヒートシンクを準備する工程と、
該ヒートシンク上に、少なくとも該ヒートシンクの上面を覆うように絶縁シートを重ねる工程と、
該絶縁シートの縁部を削り、該絶縁シートの形状をヒートシンクの上面形状に合わせる切削工程とを含むことを特徴とする放熱性部材の製造方法。
【請求項2】
上記切削方法が、上記ヒートシンクの側面に沿ってブラシを回転させながら移動させ、該ヒートシンクの側面からはみ出した上記絶縁シートの縁部を該ブラシで削る工程であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
上記ブラシが、上記ヒートシンクの表面の法線方向の中心軸を持つロールブラシ、又は該ヒートシンクの側面の法線方向の中心軸を持つ回転ブラシであることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
上記切削方法が、上記ヒートシンクの側面に沿ってブレードを移動させ、該ヒートシンクの側面からはみ出した上記絶縁シートの縁部を削る工程であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
上記切削方法が、上記ヒートシンクの側面に沿って、加熱されたホットワイヤを移動させ、該ヒートシンクの側面からはみ出した上記絶縁シートの縁部を削る工程であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
上記切削方法が、上記ヒートシンクの側面に沿って、超音波カッターを移動させ、該ヒートシンクの側面からはみ出した上記絶縁シートの縁部を削る工程であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
上記切削工程が、上記ヒートシンクの底面を覆うように固定する第1固定治具と、上記絶縁シートの、該ヒートシンクの表面に対向する領域を覆うように上記絶縁シート上に載置される第2固定治具との間に、該ヒートシンクと該絶縁シートが挟まれて固定された状態で、該絶縁シートの縁部を削る工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
半導体素子が固定された金属フレームとヒートシンクとの間に伝熱性の絶縁シートを有する半導体装置において、
該絶縁シートが、該ヒートシンク側の端部から該金属フレーム側に向かって、外方に張り出すようにしたことを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−94883(P2012−94883A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−267550(P2011−267550)
【出願日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【分割の表示】特願2007−146565(P2007−146565)の分割
【原出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【分割の表示】特願2007−146565(P2007−146565)の分割
【原出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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