説明

放電灯点灯装置及び照明器具

【課題】先行予熱期間あるいは始動期間で抵抗値を調整したことによって部品ばらつきの影響を無くした効果を、点灯期間に反映させ、動作周波数のばらつきを抑える放電灯点灯装置を提供する。
【解決手段】先行予熱期間あるいは始動期間では、フィードバックマスク回路64内のスイッチSWがOFFになり、トランジスタQ1がONになることで、電流I3の経路を作り、擬似的に点灯期間と同じ回路構成にする。この状態で可変抵抗器R201の抵抗値を、所望の動作周波数になるように調整する。点灯期間では、フィードバックマスク回路64内のスイッチSWがONになっても、動作周波数のばらつきの影響は、先行予熱期間や始動期間と同様に吸収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ回路を備えた放電灯点灯装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の放電灯点灯装置として、特許文献1に記載のものがある。この放電灯点灯装置は、始動直後、所定の停止時間動作を開始せず、この停止時間の経過後に動作を開始し、停止時間中に制御用コンデンサの両端電圧を安定させる。
【0003】
また、従来の放電灯点灯装置としてつぎのようなものがある。図12は従来の放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。この放電灯点灯装置100は、予熱、始動、点灯のシーケンスに移行し、フィードバック制御により出力を一定に制御するものである。放電灯点灯装置100は、直流電源110、インバータ回路部120、共振回路130、放電灯140、発振制御回路部150およびフィードバック回路部160を備える。
【0004】
インバータ回路部120は、直流電源110からの直流出力(直流電力)を高周波交流出力(交流電力)に変換するインバータ回路121および後述する検出抵抗R3からなる。共振回路130は、少なくとも1つのインダクタやコンデンサで構成され、インバータ回路121からの高周波交流出力との共振作用によって、負荷である放電灯140を高周波点灯する。
【0005】
発振制御回路部150は、インバータ回路121の発振周波数を制御する。フィードバック回路部160は、インバータ回路121に接続される検出抵抗R3の両端電圧からインバータ回路121に流れる電流を検出し、その検出値が所望の値となるようにインバータ回路121のスイッチング周波数(動作周波数)を変化させる。
【0006】
具体的に、発振制御回路部150は、インバータ制御信号発生回路である集積回路(IC)155に一部が含まれるように構成される。IC155の端子Poとグランドの間には、後述するように、端子Poから流れる電流値を調整可能な可変抵抗R201,抵抗R102からなる直列回路が接続される。端子Psoは可変抵抗R201と抵抗R102の接続点に抵抗R106を介して接続される。
【0007】
端子Psiには、シーケンス制御部(1)152からの出力が抵抗R202、R203によって分圧された電圧が入力される。端子Psiと端子Psoは、インバータ制御信号発生回路155の内部でバッファを介して接続されており、端子Psoの電圧は端子Psiに入力された電圧と同じ電圧となる。
【0008】
端子Poには、定電圧(第2直流電源)が印加されている。シーケンス制御部(1)152の出力電圧はシーケンス毎に変化し、その電圧が抵抗分圧されて端子Psiに入力され、端子Psiの電圧が変化する。この端子Psiの電圧変化に連動して端子Psoの電圧も変化する。そして、端子Po→抵抗R201→抵抗R106→端子Psoの経路を流れる電流が増減することにより、端子Poを流れる電流が変化する。
【0009】
端子Poを流れる電流の増減により、インバータ制御信号発生回路155では、端子Coに接続されるコンデンサC102の充電電流がその内部回路により増減する。この結果、このコンデンサC102の充放電の周期が早くまたは遅くなることで、インバータ制御信号が変化し、インバータ回路121の動作周波数が可変する。つまり、シーケンス制御部(1)152の電圧の変化により、インバータ回路121の動作周波数を変えることができる。
【0010】
図13はシーケンス制御部(1)152からモードに応じて出力される電圧の変化を示すタイミングチャートである。シーケンス制御部(1)152の出力電圧Vs1を、「先行予熱時の電圧 < 始動時の電圧 < 点灯時の電圧」の関係にすることで、インバータ回路121の動作周波数は、「予熱時周波数(高) > 始動時周波数 > 点灯時周波数(低)」の関係となる。
【0011】
先行予熱期間では、インバータ回路121の動作周波数を共振回路130の無負荷共振周波数よりも十分に高い周波数に設定し、放電灯140への印加電圧を低電圧とする。さらに、始動期間では、インバータ回路121の動作(発振)周波数を共振回路130の無負荷共振周波数に近い周波数に下降させ、放電灯140に高電圧を印加して放電灯140を始動させる。そして、始動期間終了後の点灯期間では、インバータ回路121の動作周波数を放電灯140が安定点灯する周波数に設定する。
【0012】
フィードバック回路部160は、インバータ制御信号発生回路(IC)155に一部が含まれるように構成される。IC155内のオペアンプOP1の非反転入力端子OP+には、シーケンス制御部(2)162からの出力が抵抗R103と抵抗R104によって分圧された電圧(制御電圧)が入力される。また、オペアンプOP1の反転入力端子OP−には、入力抵抗R109を介して検出抵抗R3の両端電圧(検出電圧)が入力される。
【0013】
オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子との間には、帰還抵抗R204とコンデンサC104が並列接続される。また、オペアンプOP1の出力端子OPoutがフィードバックマスク回路164内のスイッチSWを介して抵抗R110の一端に接続可能である。さらに、抵抗R110の他端がダイオードD102のカソード側に接続される。ダイオードD102のアノード側は端子Poに接続される。ダイオードD102のアノード側を端子Poに接続することで、オペアンプOP1の制御範囲を電圧0〜端子Poの電圧までの広範囲に設定することができる。
【0014】
このフィードバック回路部160は、インバータ回路121に流れる電流が負荷電力に略比例することを利用し、つぎのような動作を行う。すなわち、負荷が大きくなって検出抵抗R3の検出電圧が上昇すると、オペアンプOP1の出力電圧(電気量)は負帰還がかかって低下し、抵抗R110およびダイオードD102を介して端子Poの電流を増加させる。端子Poの電流増加は、インバータ回路121の動作周波数を上昇させ、負荷の消費電力を抑制させる。
【0015】
また、シーケンス制御部(2)162の電圧を任意の電圧値に可変させることで、フィードバックレベルを変えることができ、これにより調光制御も可能である。ただし、インバータ制御信号発生回路155の内部に設けられたタイマ回路166から点灯期間の開始を示すトリガ信号が出力されるまで、フィードバックマスク回路164内のスイッチSWをオフにする。すなわち、先行予熱期間および始動期間、フィードバック回路部160のフィードバック制御は禁止(マスク)される。
【0016】
ここで、先行予熱期間および始動期間にフィードバック回路を切り離す理由は、つぎのとおりである。先行予熱期間、始動期間にフィードバック制御が行われると、放電灯(ランプ)の状態によって共振電流が変化し、それに応じてオペアンプOP1の出力電圧が変動し、端子Poに流れる電流が変化してしまう。この結果、先行予熱期間と始動期間のそれぞれにおいて、所定の周波数でインバータ回路を動作させ、安定した先行予熱電流、始動電圧を得るという動作が行えなくなるおそれがある。このため、先行予熱期間および始動期間では、スイッチSWで切り離すことで、フィードバック回路の影響を受けないようにしている。
【0017】
また、可変抵抗R201で抵抗値を可変自在とし、先行予熱期間における先行予熱電流もしくは先行予熱周波数の調整、または始動期間における始動電流もしくは始動周波数の調整を行うことが可能となる。この調整により、回路部品のばらつきの影響や、予熱周波数と始動周波数の関係のばらつきを抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2010−257791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記従来の放電灯点灯装置には、つぎのような問題があった。図14はインバータ制御信号発生回路(IC)の端子Coの信号波形を示す図である。端子Coには、コンデンサC102が接続されている。端子Coの信号の発振周波数は、コンデンサC102と端子Poの出力電流Ioを用いて、数式(1)に従って算出される。
【0020】
【数1】

……(1)
【0021】
ここで、ΔVthは上側の閾値Vth(H)から下側の閾値Vth(L)を引いた値である。Taは端子Coの信号が上側の閾値Vth(H)もしくは下側の閾値Vth(L)に達した時点と信号ピークに達した時点との差(時間幅)である。
【0022】
数式(1)より、コンデンサC102の容量および端子Poの出力電流Ioがインバータ回路の動作周波数に影響することが分かる。
【0023】
図15は動作周波数の決定に係わる部分の発振制御回路部150およびフィードバック回路部160の等価回路を示す図である。図15(A)は先行予熱期間および始動期間の場合を示し、図15(B)は点灯期間の場合を示す。
【0024】
まず、始動期間において、端子Poの出力電流Ioは数式(2)で求められる。
Io = I1+I2 …… (2)
【0025】
ここで、コンデンサC102が部品ばらつきによりα倍となった場合、インバータ回路の動作周波数を同じに揃えるためには、数式(1)により、端子Poの出力電流Ioをα倍とする必要がある。出力電流Ioをα倍にすることは、可変抵抗R201を操作して抵抗値をZ1→Z1’に変更することで、可能である。このように、可変抵抗R201を調整することで、コンデンサC102の部品ばらつきを吸収することが可能である。
【0026】
同様に、先行予熱期間においても、コンデンサC102が部品ばらつきによりα倍になると、数式(1)より、出力電流Ioをkα倍とする必要がある。ここで、kは先行予熱期間時の回路構成で決定される係数である。出力電流Ioをkα倍にすることは、始動期間の調整と同様、可変抵抗R201を操作して抵抗値をZ1→Z1”に変更することで、可能である。このように、先行予熱期間においても同様に、可変抵抗R201を調整することで、コンデンサC102の部品ばらつきを吸収することが可能である。
【0027】
コンデンサC102容量と各変数との関係を表に示すと、つぎのとおりである。
【0028】
【表1】

【0029】
前述したように、先行予熱期間および始動期間では、可変抵抗R201の抵抗値を調整することにより、コンデンサC102の部品ばらつきを吸収し、先行予熱期間の動作周波数と始動期間の動作周波数のばらつきを抑えることができる。
【0030】
つぎに、点灯期間においては、コンデンサC102の部品ばらつきを吸収した、図12の先行予熱期間または始動期間における回路構成に対し、電流I3が流れるフィードバック回路が追加される。なお、このフィードバック回路は、先行予熱期間および始動期間においては、フィードバックマスク回路内のスイッチSWにより切り離されている。
【0031】
点灯期間では、フィードバック回路を流れる電流I3は可変抵抗R201を通らない。このため、先行予熱期間あるいは始動期間で行われる可変抵抗R201によるコンデンサC102の部品ばらつきを吸収する調整効果が反映されず、点灯期間では、コンデンサC102の部品ばらつきの影響がそのまま動作周波数に反映されてしまう。
【0032】
この影響は、点灯時のインバータ回路の動作周波数が大きく変化する調光インバータで顕著に現れる。コンデンサC102の定数が揃っているセンタ品とばらつき品とを用いて、通常点灯と調光点灯の動作周波数を比較する。通常点灯時の動作周波数をどちらも同じに合わせた場合、調光点灯時では、コンデンサC102の部品ばらつきの影響を受け、センタ品に対し、ばらつき品の動作周波数は大きくばらつく。
【0033】
このように、従来では、フィードバック回路が可変抵抗R201を通らない経路に接続されており、さらに、先行予熱期間あるいは始動期間における可変抵抗R201を調整する場合の回路構成と点灯期間の回路構成とが異なる。このため、抵抗値を調整したことにより、コンデンサC102のばらつきを吸収した効果が点灯期間に反映されず、そのばらつきが点灯時の動作周波数に大きく影響するという問題があった。
【0034】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、予熱期間あるいは始動期間で抵抗値を調整したことによって部品ばらつきの影響を無くした効果を、点灯期間に反映させ、動作周波数のばらつきを抑える放電灯点灯装置を提供することを目的とする。また、本発明はこの放電点灯装置を搭載した照明器具を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明の放電灯点灯装置は、直流電力を出力する直流電源と、交流電力を受け、放電灯を共振させる共振回路と、前記直流電源から出力される直流電力に対してスイッチングを行い、前記共振回路に交流電力を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路によって行われるスイッチングの動作周波数を制御する制御部とを備え、前記制御部は、第2直流電源を有し、前記第2直流電源から出力される電流の値を可変することで、前記動作周波数を変更可能である放電灯点灯装置であって、前記制御手段は、前記第2直流電源と直列に接続され、前記第2直流電源から出力される電流の値を調整可能な可変抵抗器と、前記可変抵抗器を介して前記第2直流電源と直列に接続可能であり、前記インバータ回路から前記共振回路に供給される交流電力を検出し、前記第2直流電源に対して負帰還をかける電気量を発生させるフィードバック回路と、前記放電灯の点灯期間、前記第2直流電源から前記可変抵抗器を介して出力される電流の経路に前記フィードバック回路を接続し、前記放電灯の先行予熱期間および前記始動期間、前記電流の経路から前記フィードバック回路を切り離し、この電流の経路に前記フィードバック回路と等価な抵抗値を有する補正回路を接続するスイッチ回路とを備える。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、放電灯の点灯期間、第2直流電源から可変抵抗器を介して出力される電流の経路にフィードバック回路を接続し、放電灯の先行予熱期間および始動期間、電流の経路からフィードバック回路を切り離し、この電流の経路に補正回路を接続する。これにより、先行予熱期間あるいは始動期間で抵抗値を調整したことによって部品ばらつきの影響を無くした効果を、点灯期間に反映させ、動作周波数のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。
【図2】放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】先行予熱期間、始動期間および点灯期間における動作周波数の決定に係わる部分の発振制御回路部およびフィードバック回路部の等価回路を示す図である。
【図4】第2の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。
【図5】放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】先行予熱期間、始動期間および点灯期間における動作周波数の決定に係わる部分の発振制御回路部およびフィードバック回路部の等価回路を示す図である。
【図7】第3の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。
【図8】マイコンによって行われる点灯制御手順を示すフローチャートである。
【図9】第4の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。
【図10】第5の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。
【図11】放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】従来の放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。
【図13】シーケンス制御部(1)からモードに応じて出力される電圧の変化を示すタイミングチャートである。
【図14】インバータ制御信号発生回路(IC)の端子Coの信号波形を示す図である。
【図15】動作周波数の決定に係わる部分の発振制御回路部およびフィードバック回路部の等価回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施形態における放電灯点灯装置及び照明器具について図面を参照しながら説明する。本実施形態の放電灯点灯装置は照明器具に搭載される。
【0039】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。この放電灯点灯装置1は、直流電源10、インバータ回路部20、共振回路30、放電灯40、発振制御回路部50、フィードバック回路部60およびスイッチ回路80を備える。放電灯点灯装置1は、予熱、始動、点灯のシーケンスに移行し、フィードバック制御により出力を一定に制御する。
【0040】
なお、直流電源10、インバータ回路部20、共振回路30、放電灯40、発振制御回路部50およびフィードバック回路部60は、それぞれ図12に示した従来例の各部と同一の構成を有し、符号のみ異なる。ここでは、これらの構成および動作について重複した説明を省略する。また、抵抗、コンデンサ、ダイオード、オペアンプなどの各素子については、図12に示した従来例と同一の符号を付し、その説明を省略する。このことは以後の実施形態においても同様である。
【0041】
第1の実施形態では、フィードバック回路部60にスイッチ回路80が接続されている。具体的に、スイッチ回路80内のトランジスタQ1のコレクタには、フィードバック回路部60内のダイオードD102のカソード側とフィードバックマスク回路64内のスイッチSWとの接続点が接続される。また、トランジスタQ1のエミッタはグランド(GND)に接続される。
【0042】
また、タイマ回路66からの信号aの信号線は、抵抗R29を介してトランジスタQ1のベースに接続される。トランジスタQ1のベースとエミッタの間には、抵抗R30が接続される。
【0043】
図2は放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。タイミングt=t0で電源が投入され、t=t0〜t1までを先行予熱期間とし、t=t1〜t2までを始動期間とする。そして、タイミングt2以降を点灯期間とする。
【0044】
タイマ回路66において、タイミングt=t0〜t2で、信号aがH(High)レベルの出力であり、トランジスタQ1がONになる。また、トランジスタQ1がONになることで、抵抗R110とSWの接続点の電圧、つまり端子OPoutの電圧は0V(GNDレベル)となる。
【0045】
タイミングt=t2で、点灯モードに移行すると、タイマ回路66からの信号aがL(Low)レベルの出力となり、トランジスタQ1がOFFになる。トランジスタQ1がOFFになり、スイッチSWがONになることで、抵抗R110とスイッチSWの接続点、つまり端子OPoutの電圧は、オペアンプOP1の出力電圧となり、オペアンプOP1によるフィードバック動作により制御される。
【0046】
ここで、説明を分かり易くするために、可変抵抗R201の調整に関わる部分だけを説明する。図3は先行予熱期間、始動期間および点灯期間における動作周波数の決定に係わる部分の発振制御回路部50およびフィードバック回路部60の等価回路を示す図である。図3(A)は先行予熱期間あるいは始動期間における等価回路を示し、図3(B)は点灯期間における等価回路を示す。
【0047】
先行予熱期間あるいは始動期間(図3(A))では、端子Poから供給される電流Ioは、Io=I1+I2+I3となる。すなわち、端子Poから供給される電流Ioから、抵抗R102に流れる電流I1と、シーケンス制御部(1)52の電圧により引き込まれる電流I2と、トランジスタQ1を流れる電流I3が流れる3つの経路がある。電流I3は、スイッチSWがOFFになってトランジスタQ1がONになることで、ダイオードD102 → 抵抗R110 → トランジスタQ1の経路で流れる。
【0048】
そして、所望の動作周波数となるように、可変抵抗R201の抵抗値を調整することにより出力電流Ioは調整される。
【0049】
一方、点灯期間においては、抵抗R102に流れる電流は、I1 → I1’となる。シーケンス制御部(1)52の電圧により引き込まれる電流は、I2 → I2’となる。さらに、スイッチSWがONになり、トランジスタQ1がOFFになることで、ダイオードD102 → 抵抗R110 → オペアンプOP1の経路で流れる電流は、I3 → I3’となる。すなわち、端子Poから供給される電流Io’は、Io’=I1’+I2’+I3’となる。
【0050】
このように、第1の実施形態の放電灯点灯装置によれば、先行予熱期間あるいは始動期間において、スイッチSWがOFFになり、トランジスタQ1がONになることで、電流I3の経路を作り、擬似的に点灯期間と同じ回路構成にすることができる。つまり、ダイオードD102、抵抗R110およびオペアンプOP1の出力に至る抵抗値と同等の抵抗値を有する補正回路がダイオードD102、抵抗R110およびトランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間で形成されることになる。なお、補正回路は、ダイオードD102、抵抗R110およびオペアンプOP1の出力に至る回路と等価な回路であればよく、これらの抵抗値はほぼ同じ値に揃っていればよい。
【0051】
そして、この状態で可変抵抗R201を、所望の動作周波数になるように調整することで、点灯期間における動作周波数のばらつきを、先行予熱期間や始動期間と同様に吸収することができる。すなわち、先行予熱期間あるいは始動期間で抵抗値を調整したことによって部品ばらつきの影響を無くした効果を、点灯期間に反映させ、動作周波数のばらつきを抑えることができる。
【0052】
ここで、点灯期間においては、Io=Io’となる場合、つまり始動時と同じ動作周波数で点灯する場合、Io=Io’=I1+I2+I3=I1’+I2’+I3’となる。さらに、Io=Io’より、Vr=Vr’、Va=Va’、I1=I1’であるので、I2+I3=I2’+I3’が成立する必要がある。ここで、Vr、Vr’は可変抵抗器R201の両端電圧であり、Va、Va’は可変抵抗器R201と抵抗R102の接続点の電圧である。
【0053】
また、本回路構成では、図3(A)、(B)から明らかなように、オペアンプOP1の電圧Vop1の電圧範囲を0V以上とした場合、Vop1=0において、I2+I3 > I2’+I3’となる。従って、点灯期間の動作周波数が始動期間の動作周波数より低い時に、本回路構成は有効である。
【0054】
また、オペアンプOP1の出力電圧Vop1の電圧範囲を0V以下も出力できるように、オペアンプOP1の電源に負電源も供給して使用する場合を考える。この場合、点灯期間の動作周波数が始動期間の動作周波数より低い周波数から始動期間の動作周波数より高い周波数までの範囲で、本回路構成は有効であり、調光インバータや初期照度補正機能を有するインバータなどに利用可能である。
【0055】
なお、スイッチ回路80は、シーケンス中、ON/OFF制御を行うために設けられている。従って、スイッチ回路の構成は、トランジスタによる回路構成に限らず、FETやスイッチ素子による回路構成であってもよい。
【0056】
また、インバータ回路部20内のインバータ回路21の入力には、点灯に必要な電源が接続されればよく、直流電源に限らず、高周波電源や商用電源を平滑したもの、商用電源とチョッパ回路を使用した電源回路などでもよい。これらのことは以後の実施形態においても同様である。
【0057】
(第2の実施形態)
図4は第2の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。前記第1の実施形態と同一の構成要素は同一の符号を付すことでその説明を省略する。また、基本的な動作は、前記第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0058】
第2の実施形態の放電灯点灯装置では、前記第1の実施形態と異なり、トランジスタQ1のエミッタとGNDの間に直流電源Vdcが設けられる。
【0059】
図5は放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。タイミングt=t0で電源が投入され、t=t0〜t1までを先行予熱期間とし、t=t1〜t2までを始動時間とする。
【0060】
タイマ回路66において、タイミングt=t0〜t2で、信号aがH(High)レベル出力であり、トランジスタQ1がONになる。トランジスタQ1がONになることで、抵抗R110とスイッチSWの接続点の電圧、つまり端子OPoutの電圧は、直流電源Vdcが出力する電圧となる。
【0061】
ここで、直流電源Vdcの電圧範囲は、Vpo(端子Poの出力電圧)>Vdc(直流電源Vdcの出力電圧)>Vop1(点灯期間でのOP1出力電圧)であることが条件となる。
【0062】
タイミングt=t2で点灯モードに移行すると、タイマ回路66の信号aはL(Low)レベル出力となり、トランジスタQ1はOFFになる。従って、抵抗R110とスイッチSWの接続点、つまり端子OPoutの電圧は、オペアンプOP1の出力電圧となり、オペアンプOP1によるフィードバック動作により制御される。
【0063】
ここで、直流電源Vdc(第3の直流電源)の電圧範囲について説明する。図6は先行予熱期間、始動期間および点灯期間における動作周波数の決定に係わる部分の発振制御回路部50およびフィードバック回路部60の等価回路を示す図である。図6(A)は先行予熱期間あるいは始動期間における等価回路を示し、図6(B)は点灯期間における等価回路を示す。
【0064】
前記第1の実施形態で説明したとおり、点灯期間において、Io=Io’となる場合、つまり始動時と同じ動作周波数で点灯する場合を考える。この場合、Io=Io’=I1+I2+I3=I1’+I2’+I3’となる。さらに、Io=Io’より、Vr=Vr’、Va=Va’、I1=I1’となるので、I2+I3=I2’+I3’が成立する必要がある。
【0065】
第2の実施形態の放電灯点灯装置によれば、先行予熱期間と始動期間で可変抵抗R201を調整する時、トランジスタQ1がONになり、直流電源Vdcが接続された場合、直流電源Vdcの電圧範囲をVpo>Vdc>Vopとする。これにより、点灯期間よりも少ない電流I3で調整を行うことができる。
【0066】
また、本実施形態の回路構成は、先行予熱期間および始動期間で同じ構成であり、電流I3が少ない状態で可変抵抗R201の調整を行っても、動作周波数のばらつきを抑える効果は同じである。なお、従来技術においても、電流I1やI2について先行予熱期間、始動期間、点灯期間でそれぞれ電流値は異なるが、ばらつき吸収の効果があることは、前述したとおりである。
【0067】
従って、オペアンプOP1の電圧Vop1の電圧範囲を0V以上とした場合でも、点灯期間でVdc>Vop1>0Vの範囲で制御することによって、I2+I3<I2’+I3’とすることができる。また、調光インバータや初期照度補正機能を有するインバータなどにおいて、点灯期間の動作周波数が始動期間の動作周波数より低い周波数から始動期間の動作周波数より高い周波数となる場合にも、本回路構成は有効である。これにより、オペアンプOP1の電源として負電源を使用する必要がなく、負電源生成回路の搭載を必要としないことで、回路の簡略化が可能である。
【0068】
なお、直流電源Vdcは、Vpo>Vdcとして電流を引き込むために設けられており、専用の電源回路に限らず、回路内部の直流電源を使用してもよい。
【0069】
(第3の実施形態)
図7は第3の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。前記第1の実施形態と同一の構成要素は同一の符号を付すことでその説明を省略する。また、基本的な動作は、前記第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0070】
第3の実施形態の放電灯点灯装置では、前記第1の実施形態と異なり、先行予熱期間、始動期間および点灯期間における制御を行うものとして、外部の素子、例えばマイコン90が使用される。マイコン90は周知のCPU、ROM、RAM、タイマ等を内蔵する。
【0071】
マイコン90からシーケンス制御信号1、シーケンス制御信号2およびタイマ信号を出力される。マイコン90から出力されるシーケンス制御信号1は、前記第1の実施形態におけるシーケンス制御部(1)52から出力される信号と同じである。同様に、マイコン90から出力されるシーケンス制御信号2はシーケンス制御部(2)62から出力される信号と同じである。マイコン90から出力されるタイマ信号はタイマ回路66から出力される信号と同じである。従って、マイコン90を用いることによって、第3の実施形態の放電灯点灯装置は、前記第1の実施形態と同様の動作を行うことが可能である。
【0072】
図8はマイコン90によって行われる点灯制御手順を示すフローチャートである。この制御プログラムはマイコン90内のROMに格納されており、マイコン90内のCPUによって実行される。
【0073】
マイコン90は、まず、タイマを時点t=t0としてスタートさせる(ステップS1)。そして、マイコン90は、Hレベルのタイマ信号を出力する(ステップS2)。このタイマ信号によって、フィードバックマスク回路64内のスイッチSWはオフになる。さらに、トランジスタQ1がオンとなり、端子OPoutの電圧が0Vになる。
【0074】
マイコン90は、先行予熱期間のシーケンス制御信号1を出力する(ステップS3)。このシーケンス制御信号1によって、先行予熱期間におけるインバータ回路の動作周波数が決定される。
【0075】
マイコン90は、この先行予熱期間において、端子Poの出力電流Ioが所望の値になるように、可変抵抗器201が調整されるまで待つ(ステップS4)。手作業あるいは機械操作により可変抵抗器201が調整済みになると、マイコン90内の調整済みフラグがセットされる。
【0076】
可変抵抗器201が調整された後、マイコン90は、タイマが時点t=t1になるまで待つ(ステップS5)。時点t=t1になると、マイコン90は、始動期間のシーケンス制御信号1を出力する(ステップS6)。
【0077】
さらに、マイコン90は、タイマが時点t=t2になるまで待つ(ステップS7)。時点t=t2になると、マイコン90は、Lレベルのタイマ信号を出力する(ステップS8)。さらに、マイコン90は、点灯期間のシーケンス制御信号1を出力し(ステップS9)、本動作を終了する。
【0078】
このように、第3の実施形態の放電灯点灯装置によれば、回路の簡素化および部品点数の削減を図ることができる。さらに、制御プログラムにより、シーケンス制御を自在に変更することができる。
【0079】
なお、可変抵抗器201を抵抗値が可変自在な電圧制御型可変抵抗器やデジタルポテンショメータにすることで、マイコン90が制御プログラムの中で可変抵抗器の抵抗値を調整することも可能になる。
【0080】
(第4の実施形態)
図9は第4の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。前記第1の実施形態と同一の構成要素は同一の符号を付すことでその説明を省略する。また、基本的な動作は、前記第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0081】
第4の実施形態の放電灯点灯装置では、前記第1の実施形態と異なり、シーケンス制御(1)52が省かれ、インバータ制御信号発生回路(IC)55がシーケンス制御(1)52の動作を行う。
【0082】
端子Poとグランド(GND)の間には、可変抵抗R201および抵抗R102からなる直列回路が接続される。また、端子Psoと、可変抵抗R201および抵抗R102の接続点とは、抵抗R106および抵抗R301を介して接続される。また、端子Pspと、抵抗R106および抵抗R301の接続点とが接続される。
【0083】
インバータ制御信号発生回路55(アナログ回路)では、先行予熱期間において、端子PspをGNDに短絡させ、端子Psoをオープンにする。これにより、端子Poに、R201+(R301×R102)/(R301+R102)の抵抗値で決まる電流を流し、その電流に応じた動作周波数でインバータ回路を動作させる。
【0084】
さらに、始動期間では、端子PsoをGNDに短絡させ、端子Pspをオープンにする。これにより、端子Poに、R201+{(R106+R301)×R102}/(R106+R301+R102)の抵抗値で決まる電流を流し、その電流に応じた動作周波数でインバータ回路を動作させる。
【0085】
このように、第4の実施形態の放電灯点灯装置によれば、先行予熱期間、始動期間および点灯期間におけるいずれの点灯制御も、インバータ制御信号発生回路で行うことができ、回路の簡素化が図れる。
【0086】
(第5の実施形態)
図10は第5の実施形態における放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。前記第1の実施形態と同一の構成要素は同一の符号を付すことでその説明を省略する。また、基本的な動作は、前記第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0087】
第5の実施形態の放電灯点灯装置では、前記第1の実施形態と異なり、オペアンプOP1を動作させた状態で、可変抵抗R201の調整が行われる。
【0088】
このため、第5の実施形態の放電灯点灯装置では、フィードバックマスク回路が省かれ、オペアンプOP1の出力が抵抗R110とトランジスタQ1のコレクタに接続される。 オペアンプOP1の非反転入力端子には、スイッチSWaが接続される。スイッチSWaは、タイマ回路66の信号によって切り替えられ、シーケンス制御部(2)62の出力を抵抗R103と抵抗R104で分圧した電圧、あるいは直流電源95(第4の直流電源)の電圧VadjがオペアンプOP1の非反転入力端子に入力される。
【0089】
先行予熱期間あるいは始動期間において、スイッチSWaが図中B側に切り替えられた場合、端子OP+の電圧は、オペアンプOP1の基準電圧として直流電源95の電圧Vadjになる。直流電源95の電圧Vadjは、点灯時のシーケンス制御部2の出力電圧Vaに対し、Vadj >> Vaとなる電圧である。これにより、オペアンプOP1の出力電圧が十分高くなるように設定され、先行予熱期間または始動期間において、オペアンプOP1の反転入力端子に加わる電圧が変動した際も、オペアンプOP1の出力電圧は一定に保たれる。
【0090】
図11は放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。タイミングt=t0で電源が投入され、t=t0〜t1までを先行予熱期間とし、t=t1〜t2までを始動時間とする。
【0091】
タイミングt=t0〜t2において、タイマ回路66からの信号によって、スイッチSWaがB側に切り替わり、端子OP+の電圧は直流電源95の電圧Vadjになる。この時点では、端子OP+の電圧が高いので、オペアンプOP1の出力電圧は端子Poの電圧Vpoより高くなり、電流は引き込まれない。さらに、先行予熱期間および始動期間において、端子OP−の電圧が変動しても、端子OP+の電圧が一定に保たれるように、直流電源95の電圧Vadjは設定される。
【0092】
この状態で、タイマ回路66からの信号aによってトランジスタQ1がONになると、可変抵抗R201の調整が行われる。
【0093】
タイミングt=t2以降の点灯期間においては、タイマ回路66からの信号によって、スイッチSWaがA側に切り替わり、オペアンプOP1によるフィードバック動作が行われる。
【0094】
このように、第5の実施形態の放電灯点灯装置によれば、先行予熱期間あるいは始動期間で、オペアンプOP1を停止させる必要がなくなり、回路を簡略化できる。なお、端子OP+の電圧切り替え部分をマイコン等で制御することで、より回路の簡略化が図れる。
【0095】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0096】
例えば、上記実施形態では、手作業または機械で抵抗値が調整される可変抵抗器R201が用いられたが、マイコン等からの信号に従って抵抗値が可変自在な電圧制御型可変抵抗器やデジタルポテンショメータが用いられてもよい。また、可変抵抗器の代わりに、固定抵抗器を挿着自在に交換してもよい。
【0097】
また、シーケンス制御部(1)が外部からの調光信号を受けて出力電圧を変更し、インバータ回路の動作周波数が制御されるようにしてもよく、調光制御が容易となる。
【0098】
また、インバータ制御信号発生回路は、放電灯の点灯累積時間を計時する点灯時間計時部を備え、この点灯累積時間をもとに経時変化により減少する放電灯の光量を補正するように、端子Poから流れる電流値を可変するようにしてもよい。これにより、経時変化による放電灯の光量の低下を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、インバータ回路によって行われるスイッチングの動作周波数を変更する放電灯点灯装置において、先行予熱期間あるいは始動期間で抵抗値を調整した効果を、点灯期間に反映させ、動作周波数のばらつきを抑えることができ、有用である。
【符号の説明】
【0100】
1 放電灯点灯装置
10 直流電源
20 インバータ回路部
21 インバータ回路
30 共振回路
40 放電灯
50 発振制御回路部
52 シーケンス制御部(1)
55 インバータ制御信号発生回路(IC)
60 フィードバック回路部
62 シーケンス制御部(2)
64 フィードバックマスク回路
66 タイマ回路
80 スイッチ回路
90 マイコン
95 直流電源
100 放電点灯装置
110 直流電源
120 インバータ回路部
121 インバータ回路
130 共振回路
140 放電灯
150 発振制御回路部
152 シーケンス制御部(1)
155 インバータ制御信号発生回路(IC)
160 フィードバック回路部
162 シーケンス制御部(2)
164 フィードバックマスク回路
166 タイマ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力を出力する直流電源と、交流電力を受け、放電灯を共振させる共振回路と、前記直流電源から出力される直流電力に対してスイッチングを行い、前記共振回路に交流電力を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路で行われるスイッチングの動作周波数を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、第2直流電源を有し、前記第2直流電源から出力される電流の値を可変することで、前記動作周波数を変更可能である放電灯点灯装置であって、
前記制御手段は、
前記第2直流電源と直列に接続され、前記第2直流電源から出力される電流の値を調整可能な可変抵抗器と、
前記可変抵抗器を介して前記第2直流電源と直列に接続可能であり、前記インバータ回路から前記共振回路に供給される交流電力を検出し、前記第2直流電源に対して負帰還をかける電気量を発生させるフィードバック回路と、
前記放電灯の点灯期間、前記第2直流電源から前記可変抵抗器を介して出力される電流の経路に前記フィードバック回路を接続し、前記放電灯の先行予熱期間および前記始動期間、前記電流の経路から前記フィードバック回路を切り離し、この電流の経路に前記フィードバック回路と等価な抵抗値を有する補正回路を接続するスイッチ回路とを備えた放電灯点灯装置。
【請求項2】
請求項1記載の放電灯点灯装置であって、
前記補正回路は、前記電流の経路に接続される抵抗器で構成される放電灯点灯装置。
【請求項3】
請求項1記載の放電灯点灯装置であって、
前記補正回路は、前記電流の経路に直列に接続される抵抗器および第3直流電源で構成される放電灯点灯装置。
【請求項4】
請求項1記載の放電灯点灯装置であって、
前記制御部は、前記先行予熱期間と前記始動期間とで前記第2直流電源の電圧を変更することで前記動作周波数を切り替え、前記先行予熱期間および前記始動期間と前記点灯期間とで前記スイッチ回路を切り替える動作を行うマイクロコンピュータを備えた放電灯点灯装置。
【請求項5】
請求項1記載の放電灯点灯装置であって、
前記制御部は、前記先行予熱期間と前記始動期間とで前記第2直流電源に前記可変抵抗器を介して接続される抵抗器の抵抗値を変更することで前記動作周波数を切り替え、前記先行予熱期間および前記始動期間と前記点灯期間とで前記スイッチ回路を切り替えるアナログ回路を備えた放電灯点灯装置。
【請求項6】
請求項1記載の放電灯点灯装置であって、
前記フィードバック回路は、反転入力端子に前記インバータ回路から供給される交流電力を検出した電圧が入力され、非反転入力端子に制御電圧が入力され、出力端子が前記スイッチ回路に接続されたオペアンプで構成される放電灯点灯装置。
【請求項7】
請求項6記載の放電灯装置であって、
前記スイッチ回路は、前記非反転入力端子への入力を、制御電圧あるいは前記制御電圧に比べて電圧の高い第4の直流電源に切り替える第2スイッチ回路を備え、前記先行予熱期間および前記始動期間、前記第2スイッチ回路が前記非反転入力端子への入力を前記第4の直流電源に切り替え、前記第2直流電源から前記出力端子に電流が引き込まれないようにすることで、前記第2直流電源から前記可変抵抗器を介して出力される電流の経路から前記オペアンプを切り離し、前記電流の経路に前記補正回路を接続する放電灯点灯装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置であって、
前記制御部は、前記放電灯の点灯累積時間を計時する点灯時間計時部を備え、前記点灯時間計時部で計時された点灯累積時間をもとに経時変化により減少する前記放電灯の光量を補正するように、前記第2直流電源から出力される電流の値を可変する放電灯点灯装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置であって、
外部からの調光信号に従って前記第2直流電源の電圧を変更することで、前記動作周波数が制御される放電灯点灯装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置が搭載された照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−174510(P2012−174510A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35792(P2011−35792)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】