説明

文書管理システム、画像形成装置、サーバ、文書管理方法、及びプログラム

【課題】グループウェアの文書管理ポリシーを電子文書の作成に反映させ、又、作成できる電子文書のフォーマットや属性を選択的にユーザに決定させて、グループウェア上、確実かつ簡易的に電子文書の取り扱いを可能とすること。
【解決手段】本発明は、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、画像形成装置から送信された文書を登録するグループウェアのサーバとが、接続された文書管理システムであって、サーバは、電子ファイルを含むグループウェア文書を格納し、又、当該文書DBに格納可能な電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された文書DBを有し、画像形成装置は、文書DBから、文書管理規定情報を取得する文書管理規定取得手段と、文書管理規定情報に基づいて、文書DBに格納する電子ファイルを変換処理する変換処理手段と、変換処理された電子ファイルを、サーバに送信する送信手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システム、画像形成装置、サーバ、文書管理方法、及びプログラムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、業務の効率化の観点などから各種業務において紙文書の電子化が進んでいる。例えば、従来のグループウェアで、紙文書を電子化して文書データとしてグループウェアサーバへ格納する場合、ユーザはまず画像形成装置(スキャナ)でこの紙文書をスキャンし電子化された文書データとする。そして、この文書データを一度ユーザのコンピュータやファイルサーバなどに格納し、文書データのリネーム等の準備処理を行う。そして、準備処理を施された文書データを、グループウェアサーバの所定の領域に格納し直す処理が必要であった。
【0003】
この点に関し、業務フローの効率化・簡素化の観点から、画像形成装置と連携して電子文書を扱えるグループウェアに係るシステムが知られている。例えば、特許文献1に記載されるシステムは、紙文書を光学的に読み込んで(スキャン)、画像情報として電子文書に変換する画像形成装置をグループウェアの端末として機能させることで、紙文書を画像形成装置から直接、グループウェア(サーバ)に登録することができる。このシステムは、画像形成装置からグループウェアサーバの文書DBに作成する文書の属性を予めグループウェアサーバの属性DBに登録しておくことで、画像形成装置から簡単な操作でグループウェアサーバへの文書登録を実現する。
【特許文献1】特開2007−306405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、グループウェアサーバ導入の効果の一つとして、文書管理ポリシーの管理が容易な点が挙げられる。例えば、長期保存を目的とする場合は、ファイルの可読性を重視したTIFF(Tagged Image File Format)、PDF(Portable Document Format)等のフォーマットで文書保存が推奨される場合が多い。加えて、ファイル自体への暗号化パスワードの設定は推奨されない場合などもある。また、紙文書をスキャナで電子化する場合は、見読性を重視してスキャナの解像度やカラー設定の有無が推奨される場合も多い。このように、所定の文書管理ポリシーの下、電子文書はグループウェアにより管理される。
【0005】
しかしながら、従来の技術によれば、紙文書を電子ファイル化して画像形成装置から、グループウェア上の電子文書として直接登録することで、業務の効率化については貢献することができるが、グループウェア上の文書管理ポリシーを電子文書に反映できることはできなかった。
【0006】
そこで本発明では上記のような問題に鑑みて、グループウェアの文書管理ポリシーを電子文書の作成に反映させ、又、作成できる電子文書のフォーマットや属性を選択的にユーザに決定させて、グループウェア上、確実かつ簡易的に電子文書の取り扱いを可能とする文書管理システム、画像形成装置、サーバ、文書管理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理システムは、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、前記画像形成装置から送信された文書を登録する前記グループウェアのサーバとが、ネットワークを介して接続された文書管理システムであって、前記サーバは、電子ファイルを含むグループウェア文書を格納し、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された文書DBを有し、前記画像形成装置は、前記文書DBから、前記文書管理規定情報を取得する文書管理規定取得手段と、前記文書管理規定取得手段により取得された前記文書管理規定情報に基づいて、前記文書DBに格納する電子ファイルを変換処理する変換処理手段と、前記変換処理手段により変換処理された電子ファイルを、前記サーバに送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理システムにおいて、前記変換処理手段は、前記文書管理規定情報により制限された文書管理形式設定及び画像読取設定に従って、紙原稿をスキャンして取得された電子ファイルに変換処理を行うことを特徴とする。
【0009】
また上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理システムにおいて、前記変換処理手段は、前記文書管理規定情報に基づいて、電子メールによって取得され前記文書管理規定情報により許可された電子ファイルに変換処理を行うことを特徴とする。
【0010】
また上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理システムにおいて、前記画像読取設定及び前記文書管理形式設定の画面表示において、前記文書管理規定情報により制限された設定項目は選択できないように表示する表示手段とを有すること特徴とする。
【0011】
また上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、当該画像形成装置から送信された文書を登録するグループウェアのサーバとネットワークを介して接続され、前記グループウェアの端末として機能する画像形成装置であって、電子ファイルを含むグループウェア文書が格納され、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された前記サーバの文書DBから、前記文書管理規定情報を取得する文書管理規定取得手段と、前記文書管理規定取得手段により取得された前記文書管理規定情報に基づいて、前記文書DBに格納する電子ファイルを変換処理する変換処理手段と、
前記変換処理手段により変換処理された電子ファイルを、前記サーバに送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置において、前記変換処理手段は、前記文書管理規定情報により制限された文書管理形式設定及び画像読取設定に従って、紙原稿をスキャンして取得された電子ファイルに変換処理を行うことを特徴とする。
【0013】
また上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置において、前記変換処理手段は、前記文書管理規定情報に基づいて、電子メールによって取得され前記文書管理規定情報により許可された電子ファイルに変換処理を行うことを特徴とする。
【0014】
また上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置において、前記画像読取設定及び前記文書管理形式設定の画面表示において、前記文書管理規定情報により制限された設定項目は選択できないように表示する表示手段とを有すること特徴とする。
【0015】
また上記課題を解決するため、本発明に係るサーバは、グループウェアの端末として機能する画像形成装置とネットワークを介して接続され、前記画像形成装置から送信された文書を登録する前記グループウェアのサーバであって、電子ファイルを含むグループウェア文書を格納し、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された文書DBと、前記画像形成装置からの要求に応じて、前記文書DBから、前記文書管理規定情報を取送信する送信手段と、前記画像形成装置から、前記文書管理規定情報に基づいて変換処理された電子ファイルを受信する受信手段とを有することを特徴とする。
【0016】
また上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理方法は、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、電子ファイルを含むグループウェア文書を格納し、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された文書DBを有し、前記画像形成装置から送信された文書を登録する前記グループウェアのサーバとが、ネットワークを介して接続された文書管理システムにおける文書管理方法であって、前記画像形成装置が、前記文書DBから、前記文書管理規定情報を取得する文書管理規定取得工程と、前記文書管理規定取得工程により取得された前記文書管理規定情報に基づいて、前記文書DBに格納する電子ファイルを変換処理する変換処理工程と、前記変換処理工程により変換処理された電子ファイルを、前記サーバに送信する送信工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
また上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理方法において、前記変換処理工程は、前記文書管理規定情報により制限された文書管理形式設定及び画像読取設定に従って、紙原稿をスキャンして取得された電子ファイルに変換処理を行うことを特徴とする。
【0018】
また上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理方法において、前記変換処理工程は、前記文書管理規定情報に基づいて、電子メールによって取得され前記文書管理規定情報により許可された電子ファイルに変換処理を行うことを特徴とする。
【0019】
また上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理方法において、前記画像読取設定及び前記文書管理形式設定の画面表示において、前記文書管理規定情報により制限された設定項目は選択できないように表示する表示工程とを有すること特徴とする。
【0020】
また上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理方法は、当該画像形成装置から送信された文書を登録するグループウェアのサーバとネットワークを介して接続され、前記グループウェアの端末として機能する画像形成装置における文書管理方法であって、電子ファイルを含むグループウェア文書が格納され、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された前記サーバの文書DBから、前記文書管理規定情報を取得する文書管理規定取得工程と、前記文書管理規定取得工程により取得された前記文書管理規定情報に基づいて、前記文書DBに格納する電子ファイルを変換処理する変換処理工程と、前記変換処理工程により変換処理された電子ファイルを、前記サーバに送信する送信工程とを有することを特徴とする。
【0021】
また上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理方法は、グループウェアの端末として機能する画像形成装置とネットワークを介して接続され、電子ファイルを含むグループウェア文書を格納し、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された文書DBを有し、前記画像形成装置から送信された文書を登録する前記グループウェアのサーバにおける文書管理方法であって、前記画像形成装置からの要求に応じて、前記文書DBから、前記文書管理規定情報を取送信する送信工程と、前記画像形成装置から、前記文書管理規定情報に基づいて変換処理された電子ファイルを受信する受信工程とを有することを特徴とする。
【0022】
また上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、前記いずれか記載の文書管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0023】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、グループウェアの文書管理ポリシーを電子文書の作成に反映させ、又、作成できる電子文書のフォーマットや属性を選択的にユーザに決定させて、グループウェア上、確実かつ簡易的に電子文書の取り扱いを可能とする文書管理システム、画像形成装置、サーバ、文書管理方法、及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態を各実施形態において図面を用いて説明する。実施の形態は、画像形成装置として、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能及び入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称されるデジタルカラー複合機に適用した例を示す。
【実施例1】
【0026】
<システム構成>
図1は、本発明による文書管理システム100のシステム構成図を示す一例である。本発明の文書管理システム100は、画像処理装置1及びグループウェアサーバ2が、LAN(Local Area Network)等のネットワーク3を介して接続されて構成される。画像形成装置1は、上述したデジタルカラー複合機であって、又グループウェアサーバ2にアクセスするためのモジュールを含み(クライアント用のグループウェアソフトがインストールされており)、グループウェアクライアントと同等の機能をグループウェアサーバ2に指示実現できる装置である。このグループウェアは、例えば、Lotus Notes/Domino(登録商標)等であることが好ましいが、これと同等の機能を有するグループウェアであれば良い。グループウェアサーバ2は、例えば、CPU等の演算処理装置とメモリ等の記憶装置を有するコンピュータに、サーバ用のグループウェアソフトをインストールしたものである。
【0027】
なお、図1は本発明の一実施例を説明するにあたっての一構成例を示したものであり、グループウェアサーバは、他のサーバ上に構築してもよいし、さらに後述する内部の機能部やDB(Data Base)を異なるサーバ上に構築してネットワーク上に配置(接続)してもよい。
【0028】
(ハードウェア)
次に、画像処理装置1及びグループウェアサーバ2のハードウェア構成について簡単に説明しておく。図2は、本発明の実施例に係る画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施例に係る画像形成装置1は、操作パネル11と、記憶メディアI/F12と、コントローラ13と、データ通信I/F14と、HDD(Hard Disk Drive)17と、スキャナ15と、プロッタ16とから構成され、それぞれ相互に接続されている。
【0029】
操作パネル11は、入力装置11aと表示装置11bとを有しており、入力装置11aは、ハードウェアキーなどで構成され、画像形成装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。また、表示装置11bは、ディスプレイなどで構成され、例えば画像形成動作に関する各種情報を表示する。データ通信I/F14は、インターフェース装置14aを有しており、画像形成装置1をネットワーク3やアナログ回線(FAX用)などのデータ伝送路に接続するインターフェースである。HDD17は、画像形成装置1で取り扱われる文書データや読取画像データなどの各種データを格納している。また、HDD17は、これらの各種データを、所定のファイルシステムやDBにより管理している。
【0030】
HDD17に格納される各種データの中には、例えば、外部機器によって記録された電子データも含まれる。このような場合には、メモリカードなどの記録媒体12bによって画像形成装置1に提供されるか、データ伝送路であるネットワークなどを通じてアップロードされる。記録媒体12bは、記憶メディアI/F12が有するドライブ装置12aにセットされ各種データが記録媒体12bからドライブ装置12aを介してHDD17に格納される。
【0031】
コントローラ13は、ROM(Read Only Memory)13a、RAM(Random Access Memory)13b、及びCPU(Central Processing Unit)13cとを有しており、ROM13aは、画像形成装置1が起動されるときに実行されるプログラムや各種データを格納している。また、RAM13bは、ROM13aやHDD17から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。更に、CPU13cは、RAM13bが一時保持しているプログラムを実行する。コントローラ13は、例えば、データ通信I/F14を介して印刷データを受信した場合に、ROM13aからRAM13b上に読み出された、PDL(Page Description Language)を解釈可能なプログラム(PDLパーサ)をCPU13cにより実行し、印刷データを解釈してビットマップイメージを生成する。
【0032】
スキャナ15は、画像読取装置15aを有しており、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。プロッタ16は、印刷装置16aを有しており、例えば、電子写真プロセス方式によってビットマップイメージを記録紙に印刷する。
【0033】
このように、本実施例に係る画像形成装置1では、上記ハードウェア構成により、コピー、プリンタ、ファクシミリ(FAX)、スキャナなどの複数の機能を実現している。
【0034】
次に、グループウェアサーバ2は、いわゆるパーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理装置でよく、主要な構成として、CPU、ROM、RAM、補助記憶装置、記憶媒体読取装置、入力装置、表示装置、及び通信装置などを備える(非図示)。
【0035】
CPUは、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、プリントサーバ2及び端末3全体を制御する回路である。また、ROMは、CPUで実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAMは、CPUがROMに格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
【0036】
補助記憶装置は、汎用のOS(Operating System)、本発明に係るプログラムなどを格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDDなどが用いられる。なお、上記各種情報は、補助記憶装置以外にも、CD−ROM(Compact Disk - ROM)やDVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体やその他のメディアを記憶されてもよく、これらの記憶媒体に格納された各種情報は、記憶媒体読取装置などのドライブ装置を介して読み取ることが可能である。よって、必要に応じて記録媒体を記憶媒体読取装置にセットすることで、各種情報が得られる。
【0037】
入力装置は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置は、マウス、キーボードなどを含む。表示装置は、表示画面を表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。次に、通信装置は、ネットワーク3を介して画像形成装置1を含む他装置との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。
【0038】
(機能)
図3は、本発明による画像形成装置1及びグループウェアサーバ2の一実施例における機能を示す機能ブロック図である。
【0039】
グループウェアサーバ2は、制御DB(Data Base)320と、グループウェア文書及び文書管理規定情報を格納する文書DB321ないし323とで構成されている。
【0040】
制御DB320には、文書DB321ないし323固有の制御情報が格納されている。制御情報には、グループウェア文書を作成する際の文書内要素の初期値や入力の選択肢、及び文書作成後の連携動作の項目等が定義されている。例えば、初期値は、ユーザが画像処理装置1に対してグループウェアへの文書作成時に入力画面に最初に表示されるグループウェア文書名や添付ファイル名、承認者名称などが該当し、選択肢は上記情報の入力時に予め選択できる項目として表示される文字列リストなどが該当する。また、シーケンス動作の項目とは、文書作成時に実行されるグループウェア機能の連携動作であり、例えば承認者として設定された人物へ承認依頼のメールを発信する業務ワークフローのなどが該当する。
【0041】
文書DB321ないし323は、文書データを格納する記憶領域を有するDBである。また併せて、文書DB毎に当該文書DBに格納可能な電子ファイルの文書管理規定情報が記憶されている。文書管理規定は、文書DB毎に、企業等における文書管理ポリシーに基づいて作成され、この文書管理ポリシーを反映したものが文書管理規定情報である。文書管理規定情報は、権限のある管理者(文書管理者)のみが作成、編集可能となっている。文書DBに格納される電子ファイルは、文書管理規定に従う必要があり、即ち、文書管理規定情報に従った文書データのみがその文書DBに格納される(格納可能)。画像形成装置1(グループウェアクライアント)は、文書DBに対応するこの文書管理規定情報を参照して、取得した電子ファイル(電子データ)を文書管理規定に従った電子ファイルに変換処理(画像処理等)を行なった上で、グループウェアサーバ2に、処理後の電子ファイルを送信(登録要求)する。
【0042】
次いで、画像処理装置1は、オペレーションシステム314上で動作するアプリケーションプログラムとハードウェアデバイスで構成される。オペレーションシステムとしては、汎用のOSを使用することができる。
【0043】
メールサーバ301は、メールクライアントと電子メールを送受信するメールサーバである。メールサービス302は、ユーザにメールの送受信機能を提供する。メールサービス302は、ユーザが指定したメールアカウントのメールを管理し、電子メールを発信する機能と電子メールを受信する機能を有する。電子メールの受信機能には、予めユーザの指定した連携処理を自動実行する機能があり、例えば、特定のメールアカウントにメールを受信した場合に、メールの本文や添付文書を指定されたパーソナルコンピュータのフォルダに格納することができる。また、メール受信時に、後述するジョブ制御部310を経由してグループウェアサービス309を起動することで、予め登録された条件でグループウェア文書を作成し添付ファイルを送信する機能などが提供される。
【0044】
FAXサーバ303は、FAXクライアントとのFAX通信機能を有し、アナログ信号を解析するハードウェアとデータを復号するソフトウェアで構成される。FAXサービス304は、FAX送受信データをユーザに提供するアプリケーションである。ユーザが指定したFAX番号へ任意の画像を送信するほか、FAX受信時にジョブ制御部310を経由してグループウェアサービス309を起動することで、予め登録された条件でグループウェア文書を作成しFAX受信内容を送信する機能などが提供される。
【0045】
スキャンサービス305は、スキャナ(ユニット)15を制御して、ユーザが画面から選択したスキャン実行条件等に従い、スキャン実行(画像読取)を指示し画像データを取得する。
【0046】
メディアサービス306は、記憶メディアI/F(スロット)12を制御して、各種記録媒体を読み書きし、また画像処理装置1内で扱えるファイル形式に認識する。
【0047】
認証管理部307は、画像処理装置1を使用するユーザを認証する。画像処理装置1の使用権を決定するほか、グループウェアサーバ2などの外部DBなどへのアクセス権をユーザ毎に管理する機能をも備えている。
【0048】
宛先管理部308は、接続する宛先をユーザ別に管理し、ユーザが指定したFAX番号、メールアドレス、フォルダパス、グループウェアDBパスなどをDB313に記憶する機能を提供する。
【0049】
グループウェアサービス309は、グループウェアサーバ2との通信を行う。グループウェアサービス309は、グループウェアサーバ2に対してユーザ認証や文書DB321−323、制御DB320の情報閲覧や書き込みの機能を有し、画像処理装置1がグループウェアサーバ2にアクセスする場合の窓口となる。
【0050】
ジョブ制御部310は、画像処理装置1の処理単位であるジョブを実行制御するブロックである。ジョブの種別として、例えば、メール送受信、FAX送受信、ネットワークフォルダ送信、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)送信、グループウェア送信、画像処理などがあり、ユーザによる画面操作などから指示された複数の処理を、サービスモジュールに担当を振り分けて規定の順序での起動サービス起動や実行順序の排他制御などを担当する。
【0051】
画面制御部311は、ユーザインターフェースとなるディスプレイを制御するブロックである。本実施例による画像形成装置1はディスプレイとしてタッチパネルを使用しているため、情報の表示だけでなくユーザ入力を受信する機能も有し、ユーザ操作に応じて各サービスを呼び出し画面遷移やジョブ投入を実施する。
【0052】
画像処理サービス312は、スキャンサービス305、メディアサービス306、メールサーバ301、及びFAXサーバ303等から入力された文書データや画像データを処理するブロックである。ファイル形式の変換や文字認識手段であるOCR(Optical Character Recognition)機能も有する。
【0053】
続いて、本発明による文書管理システム100の機能について理解を容易にするため、図4を用いて、さらに説明する。図4は、本発明に係る機能に注目して示す機能ブロック図である。画像形成装置1は、その主要な機能として、文書管理規定取得部401、取得部402、(設定画面)表示部403、変換処理部404、及び送信部405を含む構成である。以下、説明する。グループウェアサーバ2については、上述した通りであるのでここでの説明を省略する。
【0054】
文書管理規定取得部401は、グループウェアサーバ2の文書DB321−323から、文書管理規定情報を取得する機能を有している。グループウェアサービス309の担う機能に相当する。
【0055】
取得部402は、電子ファイル(電子データ)を取得する機能を有している。例えば、取得される電子ファイルは、上述したメールサーバ301により受信したメール、FAXサーバ303により受信したFAXデータ、スキャンサービス305によりスキャンされたスキャンデータ(画像データ)、メディアサービス306により入力されたメディアデータ等を含む。
【0056】
表示部403は、本発明に係る設定画面などユーザインターフェースを生成する機能を有している。設定画面は、画面制御部311によりタッチパネル(ディスプレイ)上に表示される。
【0057】
変換処理部404は、文書管理規定取得部401により取得された文書管理規定情報に基づいて、文書DB321−323に格納する文書データの変換処理を行う機能を有している。変換処理対象の文書データは、上述の取得部402等によって取得(入力)された文書データである。この変換処理については後述するが、例えば、文書管理方式、ファイル形式、ファイル閲覧パスワードの有無、全文検索データの有無、解像度、カラーの有無等の、ファイル仕様を変換可能な処理である。画像処理サービス3312の担う機能に相当する。
【0058】
送信部405は、変換処理部404により変換処理された電子ファイルを、グループウェアサーバ2に送信する機能を有している。送信されるこの文書データは、変換処理によって格納される文書DB321−323の文書管理規定を満たしている。よって、グループウェアサーバ2に送信された電子ファイルは、文書DB321−323に格納される。なおこのとき、電子ファイルを送信するだけではなく、画像形成装置1としてはグループウェアクライアントとして併せて機能して、グループウェア文書の登録要求を行っている。従って、グループウェアサーバ2上においては、例えば、文書DBにはグループウェア文書として作成され、該文書に付された(添付された)形式などで該電子ファイルが紐付けられる。よって、グループウェアサービス309の担う機能に相当する。
【0059】
(文書管理規定情報)
図5は、文書DB311−323に記憶される文書管理規定情報の一例を示す図である。一般に文書管理規定は、企業等における文書管理ポリシーに基づいて作成される。そして、この文書管理ポリシーを文書DB毎に反映したものが文書管理規定情報で、文書管理DB毎に格納(記憶)されている。文書管理規定情報は、権限のある管理者(文書管理者)のみが作成、編集可能である。文書DBに格納されるグループウェア文書(及び電子ファイル)は、文書DB毎に規定される文書管理規定に従う必要がある。つまり、文書管理規定情報に従ったグループウェア文書(及び電子ファイル)のみが格納される(格納可能)。画像形成装置1(グループウェアクライアント)は、文書DBに対応するこの文書管理規定情報を取得(参照)して、取得した電子ファイルを文書管理規定情報に従った電子ファイルに変換処理(画像処理等)を行なった上で、グループウェアサーバ2に、変換処理後の電子ファイルを送信(登録要求)する。
【0060】
再び図5を参照して、具体的に説明する。文書DB321には、例えば、文書管理規定情報として、文書管理方式、ファイル形式、閲覧パスワード(有無)、全文検索データ(有無)、解像度、カラー、メールドメイン等を有している。文書管理方式は、文書DBに保存する文書をどのような管理下で保管するかを示した文字列情報である。ここでは品質マネジメントシステムとして広く認知されているISO9001と規定されている。ファイル形式は、文書に添付するファイルのフォーマット定義である。ここでは文書コンテナとして広く使用されているPDFが規定されている。閲覧パスワードは、グループウェア文書に添付する電子ファイルに閲覧パスワードをつけることを許可するか否かの規定である。全文検索データは、文書に添付するファイルへ検索用のテキストデータの付与を許可するかどうかの規定である。解像度は、グループウェア文書に添付する電子ファイルがスキャナ(デバイス)15を用いて紙原稿から生成される場合に、ユーザが選択可能な解像度規定である。カラーは、グループウェア文書に添付する電子ファイルがスキャナ(デバイス)15を用いて紙原稿から生成される場合に、ユーザが選択可能な色規定である。メールドメインは、グループウェア文書に添付する電子ファイルが、受信したメールの添付ファイルから生成される場合に、文書DBへのアクセスを許可するメールドメインの規定である。
【0061】
(制御文書)
図6は、制御DB320に格納されている制御文書(情報)の一例を示す図である。制御文書は、ユーザが文書DB321−323へのグループウェア文書を作成、更新する際に、グループウェア文書の作成を補助する役割を有する(文書作成支援文書ともいえる)。制御文書は一つの文書DBに対して複数作成することが可能で、使用者(ユーザ)が用途に応じた形態にカスタマイズすることができる。制御文書内容の一例として、文書DB上の文書名の初期値と選択肢、添付するファイル名の初期値と選択肢、文書の本文の初期値と選択肢、文書を配布先の初期値と選択肢、文書を依頼する承認者の初期値と選択肢等があり、使用者はこれらを定義(カスタマイズ)することができる。
【0062】
制御文書の情報(初期値等)は、ユーザが画像処理装置1において、グループウェアへのグループウェア文書作成時に、入力画面に最初に表示されるグループウェア文書名や添付ファイル名、承認者名称などに反映される。同様に選択肢は、情報入力時に予め選択できる項目として表示される文字列リストに反映される。
【0063】
これらの制御文書は、用途に応じて適切な人物がカスタマイズすることが可能である。再び図6を参照するに、制御文書601は、設計部の管理者である設計部管理者が編集権限を持ち、設計部のニーズに応じて内容をカスタマイズすることができる。制御文書602は、支店Aの管理者である支店A管理者が編集権限を持ち、支店Aのニーズに応じて内容をカスタマイズできる。同様に制御文書603は、支店Bの管理者である支店B管理者が編集権限を持ち、支店Bのニーズに応じて内容をカスタマイズできる。
【0064】
なお、設計部、支店A、及び支店Bの各管理者は、上述の文書DB毎に記憶される文書管理規定情報に対してアクセス権限は与えられていない。文書DBの文書管理規定情報は、全社の文書管理を統括する文書管理者のみが編集権限を有し、各部署や支店に対しては変更の自由度が与えられない。文書管理規定情報は、企業の文書管理ポリシーに関する情報であり全社的に一括管理されるべきであるからである。
【0065】
以上、文書管理システム100により画像形成装置1及びグループウェアサーバ2の機能(部)について説明を行った。次いで、以上を踏まえて、文書管理システム100の動作について説明を行う。なお、これらの機能(部)は、実際にはCPU13cが実行するプログラムにより実現されるものである。
【0066】
<動作>
まず、本実施例の画像処理装置1がグループウェアサーバ2へグループウェア文書を作成する際の、画像処理装置1の処理シーケンスについて、画像処理装置1の画面(タッチパネル)からユーザ操作を対比しながら、図7を参照して説明を行う。ユーザが、画像形成装置1で紙原稿からスキャンを行い、そのスキャンデータをグループウェアサーバ2の所定の文書DB上に登録(格納)する場面を想定して説明する。
【0067】
グループウェア文書作成開始は、ユーザの意図(操作)で開始される。ステップS701において、ユーザはグループウェア(サーバ)宛先を選択する。また、認証情報(ID、パスワード等)の入力を行なう。
【0068】
ステップS702で、グループウェアサービス309はグループウェアサーバ2へと通信して、ユーザ認証を実施する。ユーザ認証は、通常IDとパスワードの組み合わせで実施されてよい。IDとパスワードはユーザ認証時に画像処理装置1の画面上でユーザが入力するか、又は予め画像処理装置1の備えるメモリ領域(ROM13a又はHDD17等)にユーザ情報として保存しておくことができる(認証管理部307によって管理)。このステップS702で、グループウェア2との通信において制御DB320から文書DBの一覧の情報を取得しておく。
【0069】
ステップS703で、ユーザ認証後、表示部403は、タッチパネル上にグループウェアの文書DBの一覧を表示する。例えば、文書DB321−323がリスト形式などで表示される。一覧で表示される文書DBは制御DB320上の情報で制御され、表示時に制御DB320の内容から表示するDBが判断される。
【0070】
ステップS704で、表示された文書DB一覧から、アクセスする文書DBをユーザが選択する。
【0071】
ステップS705で、特定の文書DBが選択されるとグループウェアサービス309は、グループウェア2から選択された文書DB内の既存の文書情報を取得し、表示部403はこれを一覧として表示する。このステップS705で、グループウェア2との通信において、文書DBから該文書DBの文書管理規定情報及び制御文書も取得しておく(詳細は後述する)。
【0072】
ステップS706は、ユーザがグループウェア上(選択された文書DB上)に、新規に文書を作成するか、既存の文書を編集(更新)するかの選択を画面上で行うステップである。
【0073】
ステップS706で、新規文書の作成が選択された場合に、ステップS707で、表示部403は、新規文書入力画面を作成して表示する。新規文書画面では、制御DB320の制御文書(情報)に従って初期入力値等を入力して表示する。
【0074】
ステップS706で、新規文書の作成が選択されなかった場合、ステップS708で、ユーザは既存文書一巻から編集を行なう特定の文書を選択する。
【0075】
ステップS709で、表示部403は、既存文書編集画面を表示する。既存文書編集画面では、既存の文書の現在の入力値を表示する。
【0076】
ステップS710で、ユーザは必要に応じて、初期値等を変更(更新)、値を入力して文書情報を決定する。
【0077】
ステップS711で、文書情報が決定すると、本発明に係る表示部403は、既に取得している文書管理規定情報を反映した上で、ファイル仕様等を選択/設定する設定画面を表示する。図8及び図9は、タッチパネルからユーザが操作する設定画面例を示す図である。これについて詳細は後述する。
【0078】
ステップS712で、ユーザはタッチパネルから設定画面を操作して設定条件を決定する。
【0079】
ステップS713で、スキャンサービス305は、紙原稿から文書データをスキャン(読取)する。なお、ここではスキャナ15が光学的に紙原稿を読取ったことのみを意味し、スキャンデータに対して未だ画像処理等は行われていないものとする。
【0080】
ステップS714で、変換処理部404は、スキャン実行後、ステップS712での設定に基づいた電子ファイル(電子データ)を作成する。具体的には、設定条件に従ってファイル形式や解像度等の変換処理を行う。
【0081】
ステップS715で、送信部405は、変換処理後の電子ファイルをグループウェアサーバ2へ送信する。送信されたこの電子ファイルは、変換処理されたことにより、格納される文書DB321−323の文書管理規定を満たしているので、文書DB321−323に格納される。
【0082】
図8は、文書管理規定情報をユーザインターフェースに反映する処理を説明するフローチャートである。具体的には、上述したステップS805のグループウェア2との通信で、選択された文書DBから、該文書DBの文書管理規定情報及び制御文書を取得して、表示部403がユーザインターフェース(設定画面)に反映させる処理である。
【0083】
ステップS801において、グループウェアサービス309は、文書DBに接続する。ステップS802で、接続成功した場合、ステップS803に進む。
【0084】
ステップS803で、文書管理規定取得部401は、文書DBに記憶された文書管理規定情報を取得する。文書管理規定情報は、随時更新(変更)がなされ得るため、ユーザが文書DBを選択(決定)した直後に取得することが望ましいが、文書管理の運用によっては、タイマー等によって定期的に取得、又はユーザ操作によって任意の契機で取得することもできる。
【0085】
ステップS804で、グループウェアサービス309は、制御DB320に接続する。ステップS805で、接続成功した場合、ステップS806に進む。
【0086】
ステップS806で、グループウェアサービス309は、制御DB320から選択された文書DBに対応する制御文書(初期値、選択肢項目等の情報)を取得する。
【0087】
ステップS807で、表示部403は、文書管理規定情報を反映したユーザインターフェースとなる設定画面を作成する。なお設定画面作成時に、制御DB320から取得した初期値および選択肢項目が文書管理規定情報と相反する項目については、文書管理規定情報を優先した設定画面を作成する。上述したように、文書管理規定情報は企業の文書管理ポリシーに関する情報であり全社的に一括管理されるべきであるからである。よって、文書管理規定情報は各部署や支店の管理者により作成された制御文書に優先される。
【0088】
なお、ステップS802又はステップS805で、接続失敗した場合、ステップS808に進み、接続エラーとして処理を終了する。次に、ステップS807で作成された設定画面例について説明する。
【0089】
(設定画面例)
図9は、文書管理規定情報が反映されたユーザインターフェースの例を示す図の一例である。具体的には、作成するファイル型式と付帯属性等の文書管理形式に関する設定画面を示す。画像処理装置1は、拡張子がPDF、TIFF、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、PNG(Portable Network Graphics)、DOC(Document)等の型式のファイルを作成することができる。しかしながら、文書管理規定情報に従って、PDFのファイル形式のみが許可されている場合には、ファイル形式の選択ではPDF以外が選択できないようにマスクされた状態で表示され、PDFが選択された状態で表示されている。同様に、閲覧パスワードは、ファイル閲覧時にパスワード入力を必要とする設定であるが、パスワード付与の選択肢は文書管理規定情報により、「する」の選択肢がマスクされており、「しない」が選択された状態で表示されている。また、画像処理装置1は、PDF選択時には全文検索データの付与を任意に選択することができるが、全文検索データの付与の選択肢は文書管理規定情報により、「する」の選択肢がマスクされており、「しない」が選択された状態で表示されている。なお全文検索データは、元画像を光学的文字認識手段によって文字認識した結果をファイル内に画像と共にテキスト型式で格納したデータのことである。
【0090】
図10は、文書管理規定情報が反映されたユーザインターフェースの例を示す図の一例である。具体的には、画像読取設定(形式)に関する設定画面を示す。解像度は、原稿読取解像度の選択肢である。本実施例による画像処理装置1は、仕様上100dpi(dot per inch)、200dpi、300dpi、400dpiからの解像度選択が可能であるが、文書管理規定情報により、300dpi、400dpiのみに規定(制限)されている状態であるため、100dpiと200dpiは画面(表示)上マスクされ選択肢から除外されている。色設定は、読取カラーの選択肢である。本実施例による画像処理装置1は、仕様上フルカラー、グレースケール、白黒からの選択が可能であるが、文書管理規定情報によりフルカラーに規定(制限)されているため、100dpiと200dpiはマスクされ選択肢から除外されている。品質と読取サイズに関しては、文書管理規定情報で制限されていないため特段、選択の制限はない状態である。
【0091】
このようにユーザインターフェースを構成して、グループウェアの文書管理ポリシーを電子文書(電子ファイル)の作成に反映させつつ、画像取得(読取)時に作成できる電子文書のフォーマットや属性を選択的にユーザに決定させることで、グループウェア上、電子文書の文書管理ポリシーを確実に遵守でき、またユーザの操作エラー等による誤り(登録ミス)を防止することができる。
【実施例2】
【0092】
本実施例では、本実施例の画像処理装置1が、電子メールによって受信した電子データをグループウェアサーバ2へグループウェア文書として登録する画像処理装置1について説明を行う。
【0093】
図11は、本実施例に係る画像形成装置1の機能に注目して示す機能ブロック図である。画像形成装置1は、その主要な機能として、文書管理規定取得部401、取得部402、フィルタ部406、変換処理部404、及び送信部405を含む構成である。
【0094】
フィルタ部406は、電子メールによって受信した電子データをグループウェア文書として登録する際、取得された文書管理規定情報においてメールドメインが規定されていると判定した場合に、メールフィルタ処理を実行して、文書管理規定に規定されないメールドメインを排除する機能を有している。なお、フィルタ部406以外の機能部については上述の実施例1で説明した通りであるので説明を省略する。
【0095】
続いて、図12は、画像形成装置1(メールサーバ301)が受信したメールの添付ファイルをグループウェアサーバ2内の文書DB321に登録する際に、文書管理規定情報に基づいて電子メールの送信者ドメインによるフィルタ処理を説明するフローチャートである。画像処理装置1に受信メールアドレス毎に異なる文書DBへの文書登録を予め設定しておくことで、メール受信に同期させてグループウェアサーバ2内の文書DBへの自動更新を実現することができる。
【0096】
電子メールによるグループウェア文書登録(作成)開始は、メールサーバ301によるメール受信で開始される。ステップS1201において、メールサービス302は、文書DB321−323への文書登録が割り付けられた受信メールアドレス(文書登録メールアドレスという)かどうかを判定する。
【0097】
ステップS1202で、受信メールアドレスが予め登録された文書登録メールアドレスと一致したと判定された場合、ステップS1203に進む。
【0098】
ステップS1203で、メールサービス302は、受信メールアドレスのオーナであるユーザを特定する。このユーザとは画像処理装置1に登録されている個人ユーザのことを指し、個人ユーザ毎にグループウェアに係る認証情報が保持されている。
【0099】
ステップS1204で、グループウェアサービス309は、グループウェアへのユーザ認証を行なう。ユーザ認証はグループウェアに接続し、ユーザIDやパスワードなどを用いて認証が行なわれる。ステップS1205で、認証が成功した場合、ステップS1206に進む。
【0100】
ステップS1206で、グループウェアサービス309は、受信メールアドレス毎に設定されている特定の文書DBへの接続を行なう。
【0101】
ステップS1207で、文書DBに接続成功すると、ステップS1208で、文書管理規定取得部401は、接続した文書DBから文書管理規定情報を取得する。
【0102】
ステップS1209で、取得した文書管理規定情報においてメールドメインが規定されていると判定した場合、ステップS1210で、フィルタ部406は、メールフィルタ処理を実行(実施)する。ここで、メールフィルタ処理を送信者のドメインを用いて行う場合を説明する。メールフィルタ処理とは、受信メールの送信者のドメインと文書管理規定情報に規定されたドメインとを比較して、一致した場合には許可ドメイン、一致しない場合には不許可ドメインと判定する処理である。
【0103】
ステップS1212で、許可ドメインと判定された場合と、ステップS1209で文書管理規定情報にメールドメインの規定がない場合は、ステップS1212のグループウェア登録文書作成へ進む。一方、ステップS1211で、許可ドメインでないと判定された場合は、ステップS1216で、文書登録が中止される。
【0104】
ステップS1213で、グループウェア文書登録時に添付する電子ファイルの作成である。添付ファイルは、変換処理部404が、受信メールの添付ファイルに画像処理やファイル形式変換を行なって作成する。添付ファイルの画像処理方式やファイル型式については、文書管理規定情報を反映したユーザインターフェースにてユーザが事前に画像処理装置1に設定しているが、ステップS1213の添付ファイル作成時にステップ1208で取得した最新の文書管理規定情報を照合して、文書管理規定情報が許容しない設定がなされていないかを確認する。許容しない設定がなされている場合は、最新の文書管理規定情報の規定を優先して添付ファイル作成を実施する。
【0105】
ステップS1214で、添付ファイル作成後、送信部405は処理後の添付ファイルをグループウェアサーバ2へ送信する。
【0106】
なお、本実施例ではメールアドレスを用いた実施例について説明したが、FAXについても上述したメールアドレスをFAX送信先電話番号に代えて適用すれば同様の処理を実現可能である。
【0107】
このように、本実施例による文書管理システム100は、受信メールに係る電子ファイルをグループウェア文書登録することができ、又登録に際して登録を許可するユーザ(送信者)を制限することで高いセキュリティを実現しながら、グループウェアの文書管理ポリシーを電子文書の作成に反映させることができる。
【0108】
以上、本発明による文書管理システム100によれば、グループウェアの文書管理ポリシーを電子文書の作成に反映させ、又、作成できる電子文書のフォーマットや属性を選択的にユーザに決定させて、グループウェア上、確実かつ簡易的に電子文書の取り扱いを可能とできる。
【0109】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明による文書管理システム100のシステム構成図を示す一例である
【図2】本発明の実施例に係る画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】本発明による画像形成装置1及びグループウェアサーバ2の一実施例における機能を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明に係る機能に注目して示す機能ブロック図である。
【図5】文書DB311−323に記憶される文書管理規定情報の一例を示す図である。
【図6】制御DB320に格納されている制御文書(情報)の一例を示す図である。
【図7】本実施例の画像処理装置1がグループウェアサーバ2へグループウェア文書を作成する際の、画像処理装置1の処理シーケンス図である。
【図8】タッチパネルからユーザが操作する設定画面例を示す図である。
【図9】タッチパネルからユーザが操作する設定画面例を示す図である。
【図10】文書管理規定情報が反映されたユーザインターフェースの例を示す図の一例である。
【図11】本実施例に係る画像形成装置1の機能に注目して示す機能ブロック図である。
【図12】文書管理規定情報に基づいて電子メールの送信者ドメインによるフィルタ処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1 画像形成装置
2 グループウェアサーバ
3 ネットワーク
11 操作パネル
11a 入力装置
11b 表示装置
12 記憶メディアI/F
12a ドライブ装置
12b 記録媒体
13 コントローラ
13a ROM
13b RAM
13c CPU
14 データ通信I/F
14a インターフェース装置
15 スキャナ
15a 画像読取装置
16 プロッタ
16a 印刷装置
17 HDD
100 文書管理システム
301 メールサーバ
302 メールサービス
303 FAXサーバ
304 FAXサービス
305 スキャンサービス
306 メディアサービス
307 認証管理部
308 宛先管理部
309 グループウェアサービス
310 ジョブ制御部
311 画面制御部
312 画像処理サービス
313 DB
314 オペレーションシステム
320 制御DB
321 文書DB
322 文書DB
323 文書DB
401 文書管理規定取得部
402 取得部
403 表示部
404 変換処理部
405 送信部
406 フィルタ部
601 設計部制御文書
602 支店A制御文書
603 支店B制御文書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、前記画像形成装置から送信された文書を登録する前記グループウェアのサーバとが、ネットワークを介して接続された文書管理システムであって、
前記サーバは、
電子ファイルを含むグループウェア文書を格納し、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された文書DBを有し、
前記画像形成装置は、
前記文書DBから、前記文書管理規定情報を取得する文書管理規定取得手段と、
前記文書管理規定取得手段により取得された前記文書管理規定情報に基づいて、前記文書DBに格納する電子ファイルを変換処理する変換処理手段と、
前記変換処理手段により変換処理された電子ファイルを、前記サーバに送信する送信手段と、
を有することを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記変換処理手段は、前記文書管理規定情報により制限された文書管理形式設定及び画像読取設定に従って、紙原稿をスキャンして取得された電子ファイルに変換処理を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記変換処理手段は、前記文書管理規定情報に基づいて、電子メールによって取得され前記文書管理規定情報により許可された電子ファイルに変換処理を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記画像読取設定及び前記文書管理形式設定の画面表示において、前記文書管理規定情報により制限された設定項目は選択できないように表示する表示手段と、
を有すること特徴とする請求項2に記載の文書管理システム。
【請求項5】
当該画像形成装置から送信された文書を登録するグループウェアのサーバとネットワークを介して接続され、前記グループウェアの端末として機能する画像形成装置であって、
電子ファイルを含むグループウェア文書が格納され、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された前記サーバの文書DBから、前記文書管理規定情報を取得する文書管理規定取得手段と、
前記文書管理規定取得手段により取得された前記文書管理規定情報に基づいて、前記文書DBに格納する電子ファイルを変換処理する変換処理手段と、
前記変換処理手段により変換処理された電子ファイルを、前記サーバに送信する送信手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記変換処理手段は、前記文書管理規定情報により制限された文書管理形式設定及び画像読取設定に従って、紙原稿をスキャンして取得された電子ファイルに変換処理を行うこと、
を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記変換処理手段は、前記文書管理規定情報に基づいて、電子メールによって取得され前記文書管理規定情報により許可された電子ファイルに変換処理を行うこと、
を特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像読取設定及び前記文書管理形式設定の画面表示において、前記文書管理規定情報により制限された設定項目は選択できないように表示する表示手段と、
を有すること特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置とネットワークを介して接続され、前記画像形成装置から送信された文書を登録する前記グループウェアのサーバであって、
電子ファイルを含むグループウェア文書を格納し、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された文書DBと、
前記画像形成装置からの要求に応じて、前記文書DBから、前記文書管理規定情報を取送信する送信手段と、
前記画像形成装置から、前記文書管理規定情報に基づいて変換処理された電子ファイルを受信する受信手段と、
を有することを特徴とするサーバ。
【請求項10】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、
電子ファイルを含むグループウェア文書を格納し、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された文書DBを有し、前記画像形成装置から送信された文書を登録する前記グループウェアのサーバとが、
ネットワークを介して接続された文書管理システムにおける文書管理方法であって、
前記画像形成装置が、
前記文書DBから、前記文書管理規定情報を取得する文書管理規定取得工程と、
前記文書管理規定取得工程により取得された前記文書管理規定情報に基づいて、前記文書DBに格納する電子ファイルを変換処理する変換処理工程と、
前記変換処理工程により変換処理された電子ファイルを、前記サーバに送信する送信工程と、
を有することを特徴とする文書管理方法。
【請求項11】
当該画像形成装置から送信された文書を登録するグループウェアのサーバとネットワークを介して接続され、前記グループウェアの端末として機能する画像形成装置における文書管理方法であって、
電子ファイルを含むグループウェア文書が格納され、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された前記サーバの文書DBから、前記文書管理規定情報を取得する文書管理規定取得工程と、
前記文書管理規定取得工程により取得された前記文書管理規定情報に基づいて、前記文書DBに格納する電子ファイルを変換処理する変換処理工程と、
前記変換処理工程により変換処理された電子ファイルを、前記サーバに送信する送信工程と、
を有することを特徴とする文書管理方法。
【請求項12】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置とネットワークを介して接続され、
電子ファイルを含むグループウェア文書を格納し、又、当該文書DBに格納可能な前記電子ファイルについての文書管理規定情報が記憶された文書DBを有し、前記画像形成装置から送信された文書を登録する前記グループウェアのサーバにおける文書管理方法であって、
前記画像形成装置からの要求に応じて、前記文書DBから、前記文書管理規定情報を取送信する送信工程と、
前記画像形成装置から、前記文書管理規定情報に基づいて変換処理された電子ファイルを受信する受信工程と、
を有することを特徴とする文書管理方法。
【請求項13】
請求項10ないし13いずれか一項に記載の文書管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−56770(P2010−56770A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218480(P2008−218480)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】