説明

料金管理システム、料金管理方法、プログラム、プログラム提供システム、及びメンテナンスシステム

【課題】二拠点で会話中に他の伝送端末で他の会話者が会話に参加したり、多拠点で会話中に会話中の任意の伝送端末を使用している会話者が会話を抜けたりする場合がある。このような場合、会話者は、会話に参加していない時間があるにも拘わらず、会話の開始から終了までの通信料金を均等に請求されたのでは、料金請求に不公平が生じてしまうという課題が生じる。
【解決手段】伝送端末毎の総参加時間を算出し(S32)、伝送端末毎の参加料金を算出し(S33)、同じ利用者が有する伝送端末の参加料金を合計することで(S34)、利用者毎に会話へ参加した総参加料金を算出する。これにより、運営者は、利用者に対して、利用者が会話へ参加した時間分の料金を請求することができるため、利用者にとって公平な料金請求を行うことができるという効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の伝送端末間で会話される場合に、各伝送端末が通信することによって生じる通信料金及び各伝送端末で会話に参加されることによって生じる参加料金のうち、少なくとも上記参加料金を管理する発明に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(Personal Computer)や携帯電話機等の伝送端末を利用して、遠隔的な会話をする会話者が飛躍的に増えている。更に、二拠点(二者間)での会話だけでなく、多拠点(三者間以上)の会話も行うことが可能となっている。
【0003】
また、伝送端末間の会話の通信サービスを運営する運営者は、伝送端末の各利用者に対して通信料金を請求することで利益を得ている。この通信料金の請求方法として、会話の開始から終了までの通信料金を、会話に参加した会話者(参加者)に均等に請求する方法がある(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、二拠点で会話中に他の伝送端末を用いて他の会話者が会話に参加したり、多拠点で会話中に会話中の任意の伝送端末を使用している会話者が会話を抜けたりする場合がある。このような場合、会話者は、会話に参加していない時間があるにも拘わらず、会話の開始から終了までの通信料金を均等に請求されたのでは、料金請求に不公平が生じてしまうという課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、複数の伝送端末間で会話される場合に、各伝送端末が通信することによって生じる通信料金及び各伝送端末で会話に参加されることによって生じる参加料金のうち、少なくとも前記参加料金を管理する料金管理システムであって、前記伝送端末の利用者を識別するための利用者識別情報、及び当該利用者が利用する伝送端末を識別するための端末識別情報を関連付けて管理する利用者管理手段と、前記伝送端末のそれぞれで所定期間内に会話に参加された総参加時間に基づいて、前記伝送端末毎の参加料金を算出する算出手段を有し、前記算出手段は、前記利用者管理手段を参照し、前記利用者識別情報毎に、対応する端末識別情報で示される伝送端末の各参加料金を合計することで、前記利用者毎の総参加料金を算出することを特徴とする料金管理システムである。
【0006】
請求項4に係る発明は、複数の伝送端末間で会話される場合に、各伝送端末が通信することによって生じる通信料金及び各伝送端末で会話に参加されることによって生じる参加料金のうち、少なくとも前記参加料金を管理する料金管理システムが行う料金管理方法であって、前記料金管理システムは、前記伝送端末の利用者を識別するための利用者識別情報、及び当該利用者が利用する伝送端末を識別するための端末識別情報を関連付けて管理する利用者管理手段を有しており、前記料金管理システムは、前記伝送端末のそれぞれで所定期間内に会話に参加された総参加時間に基づいて、前記伝送端末毎の参加料金を算出する算出ステップを実行し、更に、前記算出ステップは、前記利用者管理手段を参照し、前記利用者識別情報毎に、対応する端末識別情報で示される伝送端末の各参加料金を合計することで、前記利用者毎の総参加料金を算出することを特徴とする料金管理方法である。
【0007】
請求項7に係る発明は、コンピュータに、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のステップを実行させることを特徴とするプログラムである。
【0008】
請求項8に係る発明は、前記料金管理システムに、通信ネットワークを介して、請求項7に記載のプログラムを提供することを特徴とするプログラム提供システムである。
【0009】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の料金管理システムのメンテナンスを行うことを特徴とするメンテナンスシステムである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、利用者毎に会話へ参加した総参加時間から総参加料金を算出する。これにより、運営者は、利用者に対して、利用者が会話へ参加した時間分の料金を請求することができるため、利用者にとって公平な料金請求を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る伝送システムの概略図である。
【図2】図2は、伝送システムにおける画像データ、音声データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。
【図3】図3は、画像データの画質を説明する概念図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る伝送端末の外観図である。
【図5】図5は、本実施形態に係る伝送端末のハードウェア構成図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る伝送管理システム、中継装置、プログラム提供サーバ、又はメンテナンスシステムのハードウェア構成図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る伝送管理システムの機能ブロック図である。
【図8】図8は、加工規則管理テーブルを示す概念図である。
【図9】図9は、生履歴情報を示した概念図である。
【図10−1】図10−1は、参加者履歴管理テーブルを示す概念図である。
【図10−2】図10−2は、会議履歴管理テーブルを示す概念図である。
【図11】図11は、本実施形態の特徴部分である料金管理システムの機能ブロック図である。
【図12】図12は、利用者管理テーブルを示す概念図である。
【図13】図13は、伝送管理システムが生履歴情報を加工して加工履歴情報を作成する処理を示したフロー図である。
【図14】図14は、ユーザから加工履歴情報の取得要求を受け付け、ユーザに加工履歴情報を提供するまでの処理を示したフロー図である。
【図15−1】図15−1は、加工履歴情報の取得対象期間を示す説明図である。
【図15−2】図15−2は、生履歴情報を検索するための検索条件を示した説明図である。
【図16】図16は、外部入力装置のディスプレイに表示される画面例を示した図である。
【図17】図17は、料金請求方法を示したシーケンス図である。
【図18】図18は、参加料金をまとめた概念図である。
【図19−1】図19−1は、参加者履歴管理テーブルを示す概念図である。
【図19−2】図19−2は、会議履歴管理テーブルを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1乃至図19を用いて、本発明の実施形態について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る伝送システムの概略図である。
【0013】
本発明の伝送システムには、伝送管理システム50を介して一方の伝送端末10aa等から他方の伝送端末10db等に“一方向で”コンテンツデータを伝送するデータ提供システムが含まれる。
【0014】
また、本発明の伝送システムには、伝送管理システム50を介して複数の伝送端末間で情報や感情等を“双方向で”伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に対応)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に対応)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム等が一例として挙げられる。
【0015】
また、以下に示す本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム、及びコミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理システム、及び伝送端末等について説明する。即ち、本発明の伝送端末及び伝送管理システムは、テレビ会議システムに適用されるだけでなく、テレビ会議システムの上位概念であり“双方向”の通信が可能な上記コミュニケーションシステム、又は“一方向“の通信も可能な上記伝送システムにも適用される。なお、本実施形態では、「テレビ会議」と説明しているが、一般に「ビデオ会議」と言われることもあり、両者は同じ内容である。
【0016】
<<実施形態の全体構成>>
本実施形態では、伝送システム1の各利用者が、東京事業所、大阪事業所、ニューヨーク事業所、及びワシントンD.C.事業所の4事業所である場合について説明する。
【0017】
また、図1において、ルータ70aよりもネットワークの内側の端末等が東京事業所によって管理され、ルータ70bよりもネットワークの内側の端末等が大阪事業所によって管理され、ルータ70cよりもネットワークの内側の端末等がニューヨーク事業所によって管理され、ルータ70dよりもネットワークの内側の端末等がワシントンD.C.事業所によって管理されている。
【0018】
このうち、利用者としての東京事業所には、伝送端末(10aa,10ab,10ac,…)を利用して他の伝送端末と会話を行う複数の会話者(参加者)が所属している。この会話者は、例えば、利用者の従業員である。
【0019】
また、利用者である東京事業所には、各伝送端末(10aa,10ab,10ac,…)を管理すると共に、後述の料金管理システム60からの参加料金の請求を受け付ける利用者端末20aを利用する複数又は単数の利用管理者が所属している。なお、大阪事業所、ニューヨーク事業所、及びワシントンD.C.事業所の各事業所も同様に、それぞれに、複数の会話者と、複数又は単数の利用管理者が所属している。
【0020】
また、本実施形態では、伝送端末間の通信によって生じる通信料金とは別に、伝送端末の利用者が伝送システム1を利用して会話に参加することによって生じる参加料金がある。このうち、通信料金は、電気通信事業者が請求するパケットの通信料金であり、現在は一定の月額料金で無制限にパケットの通信ができる料金プランが提供されている。また、参加料金は、各会話者が伝送端末を用いて他の会話者との会話に参加することで生じる料金の合計であり、伝送システム1の運営者によって、利用者毎に請求される。即ち、本実施形態では、利用者に所属している会話者毎又は利用者が有する伝送端末毎に、参加料金が請求される訳ではない。
【0021】
また、本実施形態では、各利用者が、それぞれ別会計として、参加料金及び通信料金を支払う場合を想定している。なお、各利用者は、事業所が異なるのではなく、全く異なる企業又は個人であっても構わない。
【0022】
図1に示されている伝送システム1は、複数の会話者がそれぞれ使用する伝送端末(10aa,10ab,…)、各利用管理者が使用する利用者端末(20a,20b,20c,20d)、各伝送端末(10aa,10ab,…)用のディスプレイ(120aa,120ab,…)、クライアントPC(Personal Computer)としての外部入力装置(40aa,40ab,…)、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)、伝送管理システム50、料金管理システム60、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100によって構築されている。複数の伝送端末10は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データの受信による伝送を行う。
【0023】
なお、以下では、複数の伝送端末(10aa,10ab,…)のうち任意の伝送端末を「端末10」と表し、複数の利用者端末(20a,20b,…)のうち任意の端末を「端末20」と表す。また、複数のディスプレイ(120aa,120ab,…)のうち任意のディスプレイを「ディスプレイ120」と表し、複数の外部入力装置(40aa,40ab,…)のうち任意の外部入力装置を「外部入力装置40」と表し、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)のうち任意の中継装置を「中継装置30」と表す。更に、テレビ会議の開始を要求する要求元としての端末は「要求元端末」と表し、要求先である宛先(中継先)としての端末は「宛先端末」と表す。
【0024】
図2は、伝送システムにおける画像データ、音声データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。図2に示されているように、伝送システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、伝送管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、要求元端末と宛先端末との間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音声データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。ここでは、これら4つのセッションをまとめて、画像・音声データ用セッションsedとして示している。
【0025】
ここで、図3を用いて、本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。図3は、画像データの画質を説明する概念図である。図3(a)に示されているように、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像と、図3(b)に示されているように、横が320画素、縦が240画素から成る中解像度の画像と、図3(c)に示されているように、横が640画素、縦が480画素から成る高解像度の画像とがある。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。なお、画像データの画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画の両方であってもよい。
【0026】
図1に示されている中継装置30は、複数の端末10の間で、コンテンツデータの中継を行う。
【0027】
伝送管理システム50は、端末10からのログイン認証、端末10の通話状況の管理、宛先リストの管理、通信履歴の管理等、及び中継装置30の通信状況等を一元的に管理する。なお、伝送管理システム50に関しては、後ほど詳細に説明する。
【0028】
料金管理システム60は、本実施形態の特徴部分であり、利用者毎の参加料金を算出し、各利用者に参加料金の請求を行うための料金に関する管理を行う。なお、料金管理システム60に関しては、後ほど詳細に説明する。また、料金管理システム60は、参加料金だけでなく、上述の通信料金を算出し、各利用者に通信料金の請求を行うための料金に関する管理を行ってもよい。
【0029】
複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、画像データ及び音声データの最適な経路の選択を行う。なお、以下では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータは「ルータ70」と表されている。
【0030】
プログラム提供システム90は、後述のHD(Hard Disk)204を備えており、端末10に各種機能を実現させる(又は、端末10を各種手段として機能させる)ための端末用プログラムが記憶され、端末10に端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHD204には、中継装置30に各種機能を実現させる(又は、中継装置30を各種手段として機能させる)ための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。
【0031】
更に、プログラム提供システム90のHD204には、伝送管理システム50に各種機能を実現させる(又は、伝送管理システム50を各種手段として機能させる)ための伝送管理用プログラムも記憶されており、伝送管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHD204には、料金管理システム60に各種機能を実現させる(又は、料金管理システム60を各種手段として機能させる)ための料金管理用プログラムも記憶されており、料金管理システム60に、料金管理用プログラムを送信することができる。
【0032】
メンテナンスシステム100は、端末10、中継装置30、伝送管理システム50、料金管理システム60、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、又は保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、端末10、中継装置30、伝送管理システム50、料金管理システム60、又はプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、端末10、中継装置30、伝送管理システム50、料金管理システム60、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等のメンテナンスを行う。また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、端末10、中継装置30、伝送管理システム50、料金管理システム60、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、又は故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
【0033】
ところで、端末(10aa,10ab,・・・)、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。端末(10aa,10ab,・・・)には、それぞれ外部入力装置(40aa,40ab,・・・)が通信可能に接続されている。端末(10ba,10bb,・・・)、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。端末(10ba,10bb,・・・)には、それぞれ外部入力装置(40ba,40bb,・・・)が通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、上述のごとく、LAN2aは東京事業所内で構築されており、LAN2bは大阪事業所内で構築されている。
【0034】
一方、端末(10ca,10cb,・・・)、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。端末(10ca,10cb,・・・)には、それぞれ外部入力装置(40ca,40cb,・・・)が通信可能に接続されている。端末10d(10da,10db・・・)、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。端末(10da,10db,・・・)には、それぞれ外部入力装置(40da,40db,・・・)が通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカ合衆国であり、上述のごとく、LAN2cはニューヨーク事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。更に、伝送管理システム50と料金管理システム60は、専用線2xによって通信可能に接続されている。
【0035】
また、伝送管理システム50、料金管理システム60、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、インターネット2iを介して、端末10、及び中継装置30と通信可能に接続されている。伝送管理システム50、料金管理システム60、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
【0036】
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、専用線2x、LAN2c、及びLAN2dによって、通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFi(Wireless Fidelity)や、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
【0037】
また、図1において、端末10、中継装置30、伝送管理システム50、料金管理システム60、ルータ70、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。料金管理システム60の下に示されている4組の数字は、通信管理サーバ510のIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明している。
【0038】
なお、各端末10は、複数の事業所間での通話や、同じ事業所内の異なる部屋間での通話だけでなく、同じ部屋内での通話や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通話で使われてもよい。各端末10が屋外で使われる場合には、携帯電話通信網等の無線による通信が行われる。
【0039】
<<実施形態のハードウェア構成>>
まず、本実施形態のハードウェア構成を説明する。図4は、本実施形態に係る端末10の外観図である。以下、端末10の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
【0040】
図4に示されているように、端末10は、筐体1100、アーム1200、及びカメラハウジング1300を備えている。このうち、筐体1100の前側壁面1110には、複数の吸気孔によって形成された不図示の吸気面が設けられており、筐体1100の後側壁面1120には、複数の排気孔が形成された排気面1121が設けられている。これにより、筐体1100に内蔵された冷却ファンの駆動によって、不図示の吸気面を介して端末10の後方の外気を取り込み、排気面1121を介して端末10の後方へ排気することができる。筐体1100の右側壁面1130には、収音用孔1131が形成され、後述する内蔵型のマイク114によって音声、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
【0041】
筐体1100の右側壁面1130側には、操作パネル1150が形成されている。この操作パネル1150には、後述の複数の操作ボタン(108a〜108e)、後述の電源スイッチ109、及び後述のアラームランプ119が設けられていると共に、後述の内蔵型のスピーカ115からの出力音を通すための複数の音声出力孔によって形成された音出面1151が形成されている。また、筐体1100の左側壁面1140側には、アーム1200及びカメラハウジング1300を収容するための凹部としての収容部1160が形成されている。筐体1100の右側壁面1130には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にケーブルを接続するための複数の接続口(1132a〜1132c)が設けられている。一方、筐体1100の左側壁面1140には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にディスプレイ120用のケーブル120cを接続するための不図示の接続口が設けられている。
【0042】
なお、以下では、操作ボタン(108a〜108e)のうち任意の操作ボタンを示す場合には「操作ボタン108」を用い、接続口(1132a〜1132c)のうち任意の接続口を示す場合には「接続口1132」を用いて説明する。
【0043】
次に、アーム1200は、トルクヒンジ1210を介して筐体1100に取り付けられており、アーム1200が筐体1100に対して、135度のチルト角θ1の範囲で、上下方向に回転可能に構成されている。図4は、チルト角θ1が90度の状態を示している。
カメラハウジング1300には、後述の内蔵型のカメラ112が設けられており、利用者、書類、及び部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング1300には、トルクヒンジ1310が形成されている。カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介して、アーム1200に取り付けられている。そして、カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介してアーム1200に取り付けられており、カメラハウジング1300がアーム1200に対して、図4で示されている状態を0度として±180度のパン角θ2の範囲で、且つ、±45度のチルト角θ3の範囲で、上下左右方向に回転可能に構成されている。
【0044】
なお、端末20、中継装置30、伝送管理システム50を構築する各システム、料金管理システム60を構築する各システム、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、それぞれ一般のサーバ・コンピュータの外観と同じであるため、外観の説明を省略する。
【0045】
図5は、本実施形態に係る端末10のハードウェア構成図である。図5に示されているように、本実施形態の端末10は、端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、端末用プログラム、画像データ、及び音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を備えている。
【0046】
また、端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、端末10の各種機能の異常を知らせるアラームランプ119、及び上記各構成要素を図5に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
【0047】
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
【0048】
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
【0049】
外部機器接続I/F118には、図4に示されている筐体1100の接続口1132に差し込まれたUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ電気的に接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
【0050】
なお、記録メディア106は、端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
【0051】
更に、上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルによって、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(記録メディア106等)に記録されて流通されるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
【0052】
図6は、本発明の本実施形態に係る伝送管理システムのハードウェア構成図である。伝送管理システム50は、伝送管理システム50全体の動作を制御するCPU201、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、伝送管理用プログラム等の各種データを記憶するHD204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、及び、上記各構成要素を図6に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
【0053】
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記伝送管理用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
【0054】
また、中継装置30は、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記中継装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
【0055】
また、外部入力装置40は、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、外部入力装置40を制御するための外部入力装置用プログラムが記録されている。この場合も、外部入力装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記外部入力装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
【0056】
また、プログラム提供システム90は、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供システム用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供システム用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記プログラム提供システム用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
【0057】
また、メンテナンスシステム100は、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、メンテナンスシステム100を制御するためのメンテナンス用プログラムが記録されている。この場合も、メンテナンス用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、このメンテナンス用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
【0058】
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0059】
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の伝送管理システム50及び料金管理システム60の各機能構成について説明する。なお、端末10、中継装置30、外部入力装置40、ルータ70、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100の機能の説明は省略する。
【0060】
<伝送管理システム>
図7は、本実施形態の伝送管理システム50の機能ブロック図である。図7に示されているように、伝送管理システム50は、通信管理サーバ510、一時記憶サーバ520、複数の加工サーバ(530,530,…,530)(Nは正数)、履歴管理サーバ540、端末設定ユーティリティーサーバ550、課金用履歴作成サーバ560、及びファイル転送サーバ570によって構築されており、これら各サーバは、LAN590によって通信可能に接続されていると共に、LAN590を介してインターネット2iと接続されている。
【0061】
なお、伝送管理システム50を構築する各サーバは、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。また、複数の加工サーバ(530,530,…,530)のうち任意の加工サーバを「加工サーバ530」と表す。また、ファイル転送サーバ570は、専用線2xにも接続されている。(通信管理サーバ)
続いて、通信管理サーバ510の特徴的な機能について説明する。通信管理サーバ510は、送受信部511、及び通信制御部512を有している。
【0062】
このうち、送受信部511は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。この送受信部511は、LAN590及びインターネット2iを含めた通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、サーバ、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。例えば、送受信部511は、インターネット2i及びLAN590を介して、各端末10から各端末10での通信に関する履歴を示した生履歴情報を受信する。
【0063】
なお、この生履歴情報は、各端末10での通信状態に関する履歴(ログ)を示す情報であり、後述の加工が行われる前の生情報である。図9には、生履歴情報群の一例が示されており、各生履歴情報は、図9に示されているスキーマのレコード毎に表わされている。そして、生履歴情報は、通信状態、要求元端末ID、宛先端末ID、セッションID、会議ID、会議セッションID、及び通信日時による各属性によって構成されている。
【0064】
これらの属性のうち、属性「通信状態」は、端末10の通信内容の種類を表す。更に、この通信状態のうち、通信状態「online」は、 端末10の電源オンを示す。通信状態「offline」は、端末の電源オフ(会議中にオフラインとなった場合は会議ID、会議セッションIDにも値が格納される。)。通信状態「invite 」は、会議への招待要求を示す。通信状態「call」は、開催中の会議への参加要求を示す。通信状態「accept」は、招待要求(invite)又は参加要求(call)の許可を示す。通信状態「start」は、会議の開始を示す。通信状態「end」は、会議の終了を示す。通信状態「join」は、端末10が会議へ参加することを示す。通信状態「leave」は、端末10が会議から退出することを示す。
【0065】
また、属性「要求元端末ID」は、要求元端末識別情報の一例として、要求元端末を識別するためのID(Identification)を示す。属性「宛先端末ID」は、宛先端末識別情報の一例として、宛先端末を識別するためのIDを示す。属性「セッションID」は、オンラインからオフラインまでのセッションを特定するためのIDである。属性「会議ID」は、会議を特定するためのIDである。また、属性「会議セッションID」は、端末10が会議に参加してから退出するまでの会議セッションを特定するためのIDである。例えば、時間を置いて同じ会議に複数回参加したり退出するとき、会議セッションIDは、それぞれ異なる値となる。更に、属性「通信日時」は、端末10により上記通信状態の通信が行われた日時である。
【0066】
なお、上記属性及び通信状態は、あくまで一例であり、これ以外のデータ項目や値を含んでいてもよい。また、この例では、DBのテーブルのように各属性が明確に定義された形になっているが、生履歴情報には様々な項目が存在しえるため、例えば、JSON(JavaScript Object Notation), XML(Extensible Markup Language) などのテキストデータ項目のみを含むように構成しても良い。
【0067】
また、通信制御部512は、図6に示されているCPU201からの命令によって実行される機能又は手段であり、図2に示されている管理情報用セッションseiにより、送受信部511が各端末10と通信するための制御を行う。例えば、通信制御部512は、各端末10との通信の制御及び管理、各端末10から生履歴情報を受信するための制御及び管理、並びに、後述の加工履歴情報を取得要求された端末10に送信するための制御及び管理等を行う。なお、このように、加工履歴情報の取得要求を行う端末10を「取得要求元端末」と示す。
【0068】
(一時記憶サーバ)
次に、一時記憶サーバ520の特徴的な機能について説明する。一時記憶サーバ520は、送受信部521、及び一時記憶部529を有している。
【0069】
このうち、送受信部521は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。この送受信部521は、LAN590を介して他のサーバと各種データ(または情報)の送受信を行う。例えば、送受信部521は、LAN590を介して、通信管理サーバ510の送受信部511から各端末10での通信に関する履歴を示した生履歴情報を受信する。
【0070】
また、送受信部521は、一時記憶部529に記憶されている生履歴情報を、LAN590を介して、加工サーバ530へ送信する。また、送受信部521は、加工サーバ530から戻って来た生履歴情報を受信する。
【0071】
また、一時記憶部529は、図6に示されているHD204及びHDD205により構築されている。この一時記憶部529は、送受信部511によって受信された生履歴情報を一時的に記憶したり、既に記憶されている生履歴情報を送受信部521へ読み出す。
【0072】
(加工サーバ)
次に、加工サーバ530の特徴的な機能について説明する。なお、図8は、加工規則管理テーブルを示す概念図である。図9は、生履歴情報を示した概念図である。図10−1は、参加履歴管理テーブルを示す概念図である。図10−2は、会議履歴管理テーブルを示す概念図である。本実施形態では、一時記憶サーバ520と加工サーバ530を別々にすることによって、加工サーバ530の加工が終了するまで、伝送管理システム50で生履歴情報を受信できないという状態を回避している。更に、加工サーバ530を複数台用いることによって、複数の加工サーバ530が、複数の生履歴情報をそれぞれ分散して加工することで、加工の負荷分散を実現している。
【0073】
加工サーバ530は、送受信部531、加工部532、及び加工規則管理部539を有している。送受信部531は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。
【0074】
このうち送受信部531は、LAN590を介して他サーバと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0075】
加工規則管理部539は、図6に示されているHD204及びHDD205により構築されている。この加工規則管理部539は、所定の端末10の通信状態を示す通信状態情報及び加工の処理内容を示す加工処理情報を関連付けた加工規則管理テーブル(T)によって構成されている。この加工規則管理テーブル(T)は、図8に示されているように、通信状態を示す加工開始条件、加工後対象テーブル、加工後対象レコード、及び加工処理内容による各属性(フィールド)によって構成されている。
【0076】
このうち、属性「加工開始条件」は、加工内容に従って加工部が加工を開始するための条件を示す。加工開始条件としては、後述の図9に示されている「通信状態」、「会議ID」、及び「会議セッションID」に応じて異なる。
【0077】
また、属性「加工後対象テーブル」は、図10−1,2に示されている加工後の各テーブル(t1,t2)を特定している。属性「加工後対象テーブル」は、図10−1,2に示されている加工後の各テーブル(t1,t2)の所定のレコードを特定している。
【0078】
更に、属性「加工処理内容」は、生履歴情報内の特定の項目と、加工履歴情報の特定の項目との対応を示すことにより、加工部532が生履歴情報から加工履歴情報に加工する際の加工処理の内容を示している。
【0079】
なお、加工規則管理テーブル(T)において、加工後対象レコードが存在しない場合、加工部532は、テーブル(t1,t2)の対応するレコードを新規作成する。
【0080】
また、加工時に、加工すべき項目にすでに値が格納されている場合は、加工部532は何ら加工処理を行わない。どの加工開始条件(通信状態)にも当てはまらない場合、加工部532は、何ら加工処理を行わない。会議時間の更新時に、生履歴情報において、任意の端末10の開始日時又は終了日時の値が格納されていない場合、加工部532は、何ら加工処理を行わない。参加時間の更新時に、生履歴情報において、任意の端末10の参加日時又は退出日時の値が格納されていない場合、加工部532は何ら加工処理を行わない。
【0081】
なお、上記加工規則は、あくまで一例であり、これと異なる加工規則を定義しても良い。また、加工規則管理テーブル(T)を用いずに、規則を示したプログラムによって加工されるようにしてもよい。
【0082】
加工部532は、図6に示されているCPU201からの命令によって実行される機能又は手段であり、生履歴情報に対して所定の加工を行うことにより、加工後の履歴を示す加工履歴情報を作成する等の各種加工処理を行う。
【0083】
各種加工処理としては、例えば、加工部532は、送受信部531、LAN590、及び送受信部521を介して、一時記憶部529に、生履歴情報が記憶されているかを判断する。また、加工部532は、送受信部531によって受信された生履歴情報に含まれている通信状態を示す通信状態情報を検索キーとして、加工規則管理テーブル(T)を検索することにより、対応する加工処理情報を抽出する。また、加工部532は、この抽出した加工処理情報に示されている加工の処理内容に従って、上記受信された生履歴情報を加工することで、加工後の履歴を示す加工履歴情報を作成する。
【0084】
加工部532は、この加工部532で作成した加工履歴情報を、送受信部531及びLAN590を介して、後述の履歴管理サーバ540における加工履歴記憶部547に記憶させる。また、加工部532は、この加工部532によって生履歴情報を加工するか否かに拘わらず、送受信部531及びLAN590を介して、生履歴情報を履歴管理サーバ540における生履歴記憶部548に記憶させる。但し、加工履歴記憶部547及び生履歴記憶部548に加工履歴情報を記憶できない場合には、加工部532は、送受信部531、LAN590、及び送受信部521を介して、一時記憶サーバ520の一時記憶部529に、加工の前の生履歴情報を戻す。
【0085】
加工部532は、生履歴情報に予め定められた項目の情報が存在しないことによる不備(e)が生じているため、加工部532が生履歴情報を加工できなかった場合に、この不備(e)が生じている生履歴情報を、送受信部531及びLAN590を介して、履歴管理サーバ540における不備生履歴記憶部549に記憶させる。
【0086】
(履歴管理サーバ)
次に、履歴管理サーバ540の特徴的な機能について説明する。履歴管理サーバ540は、送受信部541、検索部542、不備履歴除外部543、加工履歴記憶部547、生履歴記憶部548、及び不備生履歴記憶部549を有している。
【0087】
送受信部541は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。この送受信部541は、LAN590を介して他サーバと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0088】
検索部542は、加工履歴記憶部547に対して、上記取得要求された加工履歴情報を検索し、対応する加工履歴情報を抽出する。
【0089】
不備履歴除外部543は、図6に示されているCPU201からの命令によって実行される機能又は手段であり、取得要求元端末に接続されている外部入力装置40から加工履歴情報の取得要求があった場合に、加工履歴記憶部547に記憶されている、取得要求された各加工履歴情報に予め定められた項目の情報が存在しないことによる不備(E)が生じているかを検査し、不備(E)がある加工履歴情報を除外する。
【0090】
なお、生履歴情報が、各端末10から送信された順に一時記憶部529に記憶されていれば、加工履歴情報に不備(E)は生じない。しかし、一時記憶部529による非同期処理においては、必ずしも生履歴情報が各端末10から送信された順に記憶されるとは限らない。更に、本実施形態のように、加工サーバ530が複数存在する場合、たとえ生履歴情報が一時記憶部529に各端末10から送信された順に記憶されたとしても、加工処理が、各端末10から送信された順に行なわれるとは限らない。よって、取得要求元端末からの取得要求のタイミングによっては、不備(E)がある加工履歴情報を提供することになってしまう恐れがある。そこで、本実施形態の不備履歴除外部543は、取得要求元端末へ加工履歴情報を提供する前に、加工履歴情報に不備(E)があるかを検査している。
【0091】
次に、加工履歴記憶部547は、各加工サーバ530の加工部532によって作成された加工履歴情報を記憶する。この加工履歴情報は、図10−1に示されているように参加者履歴管理テーブル(t1)として管理され、図10−2に示されているように会議履歴管理テーブル(t2)として管理される。
【0092】
このうち、参加者履歴管理テーブル(t1)は、図10−1に示されているように、履歴ID、端末ID、会議ID、会議セッションID、参加日時、退出日時、参加時間、及び退出状態の各属性によって構成されている。これら属性のうち、属性「履歴ID」は、会議への参加者を特定するためのIDを示す。属性「端末ID」は、端末識別情報の一例として、会議に参加した端末を特定するためのIDを示す。属性「会議ID」は、参加した会議を特定するためのIDを示す。
【0093】
また、属性「会議セッションID」は、管理情報用セッションseiの一例である、会議への参加(join)から退出(leave)までの会議セッションseimを特定するためのIDを示す。例えば、ある端末10が、時間を置いて同じ会議に複数回参加及び退出を繰り返した場合、会議セッションIDはそれぞれ異なる値となる。
【0094】
更に、属性「参加日時」は、端末10が会議に参加した日時を示す。属性「退出日時」は、端末10が会議から退出した日時を示す。属性「参加時間」は、端末10が会議に参加してから退出するまでの時間を示す。
【0095】
また、属性「退出状態」は、端末10の会議の退出状態を示す。この退出状態のうち状態「退出」は、端末10が会議から正常に退出したことを示す。状態「強制終了」は、端末10が電源断などで強制終了された場合を示す。状態「会議中」は、端末10が会議に参加中であることを示す。
【0096】
なお、参加者履歴管理テーブル(t1)の属性及び退出状態は、あくまで一例であり、これ以外のデータ項目や値を含んでいてもよい。
【0097】
続いて、会議履歴管理テーブル(t2)は、図10−2に示されているように、会議ID、主催者端末ID、会議開始日時、会議終了日時、及び会議時間の各属性によって構成されている。これら属性のうち、属性「会議ID」は、会議を特定するためのIDである。属性「主催者端末ID」は、会議主催者となる端末を特定するためのIDである。例えば、会議主催者は、3人で会議を行う場合の会議の主催者を示し、このうちの1人が会議開始後から参加したり退出することができる。この1人の会議への参加や退出は、上記参加者履歴管理テーブル(t1)で示される。
【0098】
また、属性「開始日時」は、会議全体の開始日時を示す。属性「終了日時」は、会議全体の終了日時を示す。属性「会議時間」は、会議全体の実施時間を示す。
【0099】
なお、会議履歴管理テーブル(t2)の属性は、あくまで一例であり、これ以外のデータ項目や値を含んでいてもよい。
【0100】
また、本実施形態では1つの加工履歴記憶部547に、2つのテーブル(t1,t2)を記憶させているが、これに限らず、テーブル毎にDBを構築するようにしてもよい。
【0101】
次に、図7に戻って、生履歴記憶部548は、一時記憶部529によって記憶された生履歴情報を、そのままマスターデータとして長期保存するために記憶する。これにより、伝送システム1で何らかの障害が生じた場合に、障害解析に利用できる。
【0102】
不備生履歴記憶部549は、生履歴情報が予め定められた項目の情報を示さないことによる不備(e)が生じているため、加工部532が生履歴情報を加工できなかった場合に、この不備(e)が生じている生履歴情報を記憶する。
【0103】
(端末設定ユーティリティーサーバ)
次に、端末設定ユーティリティーサーバ550の特徴的な機能について説明する。端末設定ユーティリティーサーバ550は、取得要求元端末から加工履歴情報の取得要求を受け付けて、端末10へ加工履歴情報を提供するためのサーバである。この端末設定ユーティリティーサーバ550は、送受信部551、及び補助機能部552を有している。
【0104】
このうち、送受信部551は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。この送受信部551は、取得要求元端末から加工履歴情報の取得要求を受け付け、取得要求元端末へ加工履歴情報を提供するための窓口の役割を果たす。補助機能部552は、図6に示されているCPU201からの命令によって実行される機能又は手段である。この補助機能部552は、生履歴情報の取得や通信制御等以外の各種補助的な機能を実行する。
【0105】
(課金用履歴作成サーバ)
次に、課金用履歴作成サーバ560の特徴的な機能について説明する。課金用履歴作成サーバ560は、利用者に対して、伝送システム1の利用料を課金するための課金用履歴を作成するサーバである。この課金用履歴作成サーバ560は、送受信部561、及び課金用履歴作成部562を有している。
【0106】
このうち、送受信部561は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。この送受信部561は、LAN590を介して履歴管理サーバ540へ、参加履歴管理テーブル(t1)のうち、所定の端末ID毎に、「参加日時」及び「退出日時」が所定の期間内(例えば、2010年9月1日〜2010年9月30)にある参加時間を示す参加時間情報(pi)の取得要求を行う。
【0107】
また、送受信部561は、履歴管理サーバ540から、所望の参加時間情報(pi)を取得する。更に、送受信部561は、課金用履歴作成部562によって作成された後述の課金用履歴情報(i)を、ファイル転送サーバ570に送信する。
【0108】
また、課金用履歴作成部562は、図6に示されているCPU201からの命令によって実行される機能又は手段である。この課金用履歴作成部562は、送受信部561によって取得された参加時間情報(pi)に基づいて、CSV(Comma Separated Values)ファイルである課金用履歴情報(i)を作成する。
【0109】
(ファイル転送サーバ)
次に、ファイル転送サーバ570の特徴的な機能について説明する。ファイル転送サーバ570は、料金管理システム60における後述のファイル転送サーバ610と専用線2xで接続されている。これにより、伝送管理システム50は、インターネット2iを介さないで、専用線2xを介して料金管理システム60へ電子ファイルを転送することができるため、料金の改ざん等を防止することができる。
【0110】
また、ファイル転送サーバ570は、送受信部571、及び通信制御部572を有している。このうち、送受信部571は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。この送受信部571は、課金用履歴作成サーバ560から送られて来た参加時間情報(pi)を受信し、専用線2xを介して、料金管理システム60における後述のファイル転送サーバ610へ参加時間情報(pi)を転送する。また、通信制御部572は、図6に示されているCPU201からの命令によって実行される機能又は手段であり、送受信部571に対して情報(データ)の送受信の制御を行う。
【0111】
<料金管理システム>
図11は、本実施形態の料金管理システム60の機能ブロック図である。図11に示されているように、料金管理システム60は、ファイル転送サーバ610、及び料金算出サーバ620によって構築されており、これら各サーバは、LAN690によって通信可能に接続されていると共に、LAN690を介してインターネット2iと接続されている。また、ファイル転送サーバ610は、専用線2xにも接続されている。なお、料金管理システム60を構築する各サーバは、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。
【0112】
(ファイル転送サーバ)
次に、ファイル転送サーバ610の特徴的な機能について説明する。ファイル転送サーバ610は、伝送管理システム50におけるファイル転送サーバ570と専用線2xで接続されている。これにより、料金管理システム60は、インターネット2iを介さないで、専用線2xを介して伝送管理システム50から電子ファイルを受信することができる。
【0113】
また、ファイル転送サーバ610は、送受信部611、及び通信制御部612を有している。このうち、送受信部611は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。この送受信部611は、ファイル転送サーバ570から専用線2xを介して送られて来た電子ファイルとしての参加時間情報(pi)を受信し、LAN690を介して、料金算出サーバ620へ参加時間情報(pi)を転送する。また、通信制御部612は、図6に示されているCPU201からの命令によって実行される機能又は手段であり、送受信部611に対して情報(データ)の送受信の制御を行う。
【0114】
(料金算出サーバ)
次に、料金算出サーバ620の特徴的な機能について説明する。料金算出サーバ620は、送受信部621、算出部622、請求部623、及び利用者管理部629を有している。
【0115】
このうち、利用者管理部629は、図6に示されているHD204及びHDD205により構築されている。この利用者管理部629は、利用者管理テーブル(Ty)によって構成されている。この利用者管理テーブル(Ty)は、図12に示されているように、利用者の契約番号、利用者ID、利用者名、利用者住所、利用者電話番号、及び利用者メールアドレス、及び端末IDによる各属性(フィールド)によって関連付けて構成されている。なお、利用者の契約番号、利用者ID、利用者名、利用者住所、利用者電話番号、及び利用者メールアドレスは、それぞれ単独で又は複数の組み合わせで、利用者を識別するための利用者識別情報として使用される。
【0116】
このうち、属性「契約番号」は、伝送システム1の運営者と各利用者との間で、伝送システム1を利用するための契約を締結した際の識別番号である。
【0117】
属性「利用者ID」は、利用者を特定するために用いられる識別子等によって構成されている。
【0118】
属性「利用者名」は、利用者の名称又は氏名を示した情報である。属性「利用者住所」は、利用者の住所又は居所を示した情報であり、例えば、端末20の設置場所である。
【0119】
属性「利用者電話番号」は、利用者の電話番号を示した情報である。属性「利用者メールアドレス」は、端末20の電子メールアドレスを示した情報である。
【0120】
属性「端末ID」は、端末識別情報の一例として示されたものであり、利用者がそれぞれ有する全ての端末10の端末IDを示した情報である。例えば、利用者ID「a123」の利用者は、端末ID「11001」、「11002」、及び「11003」等で示される端末10を有していることになる。
【0121】
また、送受信部621は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。この送受信部621は、インターネット2i及びLAN690を介して他の端末やシステム等と各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0122】
算出部622は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段であり、利用者毎の総参加料金を算出する。また、算出部622は、利用者毎の総参加料金を算出すべく、参加時間算出部622a、参加料金算出部622b、及び参加料金合計部622cを有している。
【0123】
このうち、参加時間算出部622aは、伝送管理システム50の加工履歴記憶部547に記憶されている参加履歴管理テーブル(t1)(図10−1参照)を参照し、所定期間内において、端末IDに対応する参加時間情報で示される各参加時間を合計することで、所定期間内における端末10毎の総参加時間を算出する。例えば、図10−1において、図15−1で示される所定期間(例えば、2010年9月の一ヶ月間)では、端末ID「110001」は、履歴ID「001」、「005」等で管理されており、それぞれの参加時間「1時間30分25秒」、「1時間10分10秒」等が合計されることで、端末ID「110001」で示される端末の総参加時間が算出される。
【0124】
また、参加料金算出部622bは、上記参加時間算出部622aによって算出された総参加時間に基づいて、上記所定期間内における端末10毎の参加料金を算出する。例えば、運営者が予め参加時間が1分で参加料金が10円となるように参加料金を定めている場合、上記参加時間算出部622aで算出された任意の端末10の総参加時間が10時間(600分)とすると、参加料金は6000円となる。
【0125】
更に、参加料金合計部622cは、利用者管理部629で管理されている利用者管理テーブル(Ty)(図12参照)を参照し、参加料金の請求先としての利用者の利用者IDに対応する端末IDで示される端末10の各参加料金(上記参加料金算出部622bで算出されたもの)を合計することで、利用者毎の総参加料金を算出する。例えば、図12では、利用者ID「a123」に対応する端末IDが「11001」、「11002」及び「11003」等であるため、上記参加料金算出部622bで算出された端末ID「11001」、「11002」及び「11003」等で示される各端末10の参加料金が合計されることで、利用者ID「a123」で示される利用者への総参加料金が算出されることになる。
【0126】
次に、請求部623は、図6に示されているCPU201からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F209によって実行される機能又は手段である。請求部623は、図12に示されている利用者管理テーブル(Ty)を参照し、送受信部621から通信ネットワーク2を介して、参加料金の通知先である利用者メールアドレスに対し、参加料金請求情報を電子メールによって送信する。この参加料金請求情報には、各利用者が有する全ての端末10の所定期間内における総参加料金、参加した年月日、運営者等の請求人、支払い方法、参加料金の振込み先等の情報が含まれている。
【0127】
<<実施形態の処理または動作>>
次に、図1、図7、及び図13を用いて、本実施形態に係る伝送システム1における処理方法を説明する。
【0128】
図1において、各端末10は、通信状態が変化すると、この通信状態に関する履歴を示した生履歴情報を伝送管理システム50に送信している。また、図7において、伝送管理システム50の通信管理サーバ510は、各端末10から送られてきた生履歴情報を受信し、一時記憶サーバ520に送信する。一時記憶サーバ520の送受信部521は、通信管理サーバ510から送られてきた生履歴情報を受信する。そして、一時記憶部529は、送受信部521で受信された生履歴情報を記憶する。これにより、一時記憶部529は、順次、生履歴情報を記憶することになる。このような状態で、図13を用いて、伝送管理システムが生履歴情報を加工して加工履歴情報を作成する処理を説明する。なお、一時記憶サーバ520は、各端末10から直接、生履歴情報を受信するようにしてもよい。
【0129】
図13は、伝送管理システムが生履歴情報を加工して加工履歴情報を作成する処理を示したフロー図である。
【0130】
まず、加工サーバ530の加工部532は、LAN590を介して、一時記憶部529に、生履歴情報が記憶されているかを判断する(ステップS1)。そして、ステップS1において、加工部532が、生履歴情報が記憶されていないと判断した場合には(NO)、ステップS1の処理を常時繰り返す。
【0131】
次に、ステップS1において、加工部532が、生履歴情報が記憶されていると判断した場合には(YES)、LAN590を介して、一時記憶部529から生履歴情報を読み出す(ステップS2)。
【0132】
次に、加工部532は、生履歴記憶部548に対して通信可能かを判断する(ステップS3)。このステップS3によって、通信不可と判断された場合には(NO)、加工部532は、LAN590を介して一時記憶部529に生履歴情報を戻す(ステップS4)。一方、上記ステップS3によって、通信可能と判断された場合には(YES)、加工部532は、LAN590を介して、履歴管理サーバ540の生履歴記憶部548に生履歴情報をマスターデータとして記憶させる(ステップS5)。
【0133】
次に、加工部532は、上記ステップS2によって読み出された生履歴情報を検索キーとして加工規則管理テーブル(T)を検索することにより、対応する加工処理情報を抽出し、更に、この抽出された加工処理情報に示されている処理内容に従って、生履歴情報に対して所定の加工を行うことにより、加工後の履歴を示す加工履歴情報を作成する(ステップS6)。なお、このステップS6では、図9に示されている通信状態が「online」又は「accept」の生履歴情報に関しては、図8に示されている加工規則管理テーブル(T)では加工開始条件として取り扱われていないため、加工処理が行われない。また、生履歴情報に不備(e)があり、加工部532が、生履歴情報を正常に加工できない場合がある。
【0134】
次に、加工部532は、上記ステップS6によって、処理内容に従った加工を行うことができたかを判断する(ステップS7)。そして、加工部532は、ステップS7によって、加工することができないと判断した場合には(NO)、更に、加工することができなかった理由が、加工規則管理部539に対して通信不可であったかを判断する(ステップS8)。
【0135】
そして、このステップS8において、加工部532が通信不可と判断した場合には(YES)、加工部532は、LAN590を介して一時記憶部529に生履歴情報を戻す(ステップS4と同様)。一方、上記ステップS8において、加工部532が通信不可ではないと判断した場合には(NO)、加工部532はLAN590を介して履歴管理サーバ540の不備生履歴記憶部549に、不備(e)のある生履歴情報を記憶させる(ステップS9)。これにより、伝送システム1の運営者は、不備(e)のある生履歴情報を解析して、問題の対応を検討することができる。
【0136】
なお、加工部532が一時記憶部529に生履歴情報を一旦戻すのは、加工サーバ530が、加工記録管理部(DB)と通信不可になっても、LAN等の通信ネットワークの障害と異なり一時的なDB障害であると考えられるため、DBが復旧した際に再びDBへ記憶できるからである。これにより、生履歴情報は再び加工対象となるため、不備(e)がない生履歴情報を加工できないという状態を回避することができる。
【0137】
また、加工部532が不備生履歴記憶部549に生履歴情報を記憶させるのは、生履歴情報に必要な項目の情報がない場合など、何度、加工規則管理部539へアクセスしても必ずエラーになるようなケースである。このような場合には、一時記憶部529に生履歴情報を戻しても意味がないため、不備(e)のある生履歴情報(エラーログ)として、不備生履歴記憶部549に記憶することとした。
【0138】
また、一時記憶部529へ生履歴情報を戻す、若しくは不備生履歴記憶部549へ生履歴情報を記憶させる代わりに、又は併用して、不備(e)が発生した旨を、伝送システム1の運営者に電子メール等で通知するようにしてもよい。これにより、運営者は不備(e)が発生していることを即座に把握することができる。
【0139】
次に、上記ステップS7に戻って、加工部532は、加工することができたと判断した場合には(YES)、更に、加工履歴記憶部547に対して通信可能かを判断する(ステップS10)。そして、このステップS10において、通信不可と判断された場合には(NO)、加工部532は、LAN590を介して、一時記憶部529に生履歴情報を戻す(ステップS4と同様)。一方、上記ステップS10において、通信可能と判断された場合には(YES)、加工部532は、LAN590を介して、履歴管理サーバ540の加工履歴記憶部547に、上記ステップS6において加工した加工履歴情報を記憶させる(ステップS11)。
【0140】
次に、上記ステップS9,S11の処理の後、加工部532は、LAN590を介して、一時記憶サーバ520の一時記憶部529から、上記ステップS2において読み出した生履歴情報を完全に削除させる(ステップS12)。
【0141】
次に、上記ステップS12,S4の処理の後、加工部532は、上記ステップS1に戻り、一時記憶部529に順次記憶されている次の生履歴情報について、ステップS1以降の処理を進める。
【0142】
続いて、図7、図14乃至図16を用いて、端末10が伝送管理システム50に対して、加工履歴情報を取得要求した場合に、伝送管理システム50が取得要求元端末へ、取得要求された加工履歴情報を提供する処理について説明する。
【0143】
図14は、端末の利用者から加工履歴情報の取得要求を受け付け、利用者に加工履歴情報を提供するまでの処理を示したフロー図である。図15−1は、加工履歴情報の取得対象期間を示す説明図である。図15−2は、生履歴情報を検索するための検索条件を示した説明図である。図16は、外部入力装置のディスプレイに表示される画面例を示した図である。
【0144】
まず、図7に示されている端末設定ユーティリティーサーバ550の送受信部551は、図14に示されているように、通信ネットワーク2を介して、取得要求元端末から、この取得要求元端末での通信に関する加工履歴情報の取得要求を示す取得要求を受け付けて、履歴管理サーバ540に取得要求を伝える(ステップS21)。この取得要求には、加工歴情報を検索する際に用いられる検索キー(検索パラメータ)として、取得要求元端末の端末IDと、加工履歴情報の取得対象期間(例えば、日、週、月、年)が含まれている。
【0145】
これに応じて、履歴管理サーバ540の検索部542は、加工履歴記憶部547に対して、上記取得要求された加工履歴情報を検索し、対応する加工履歴情報を抽出する(ステップS22)。具体的には、まず、検索部542は、取得対象期間から取得対象範囲(from_date, to_date)を算出する。例えば、取得対象期間が2010-09の場合、2010年9月1日午前0時から2010年9月30日午後12時(10月1日午前0時)までが取得対象範囲となるため、取得対象範囲は、“from_date” = 2010-09-01 00:00:00、“to_date” = 2010-10-01 00:00:00となる。次に、検索部542は、取得要求元端末の端末ID、“from_date”、及び“ to_date”から、図15−2に示されている検索条件(A,B,C,D)に従い、参加者履歴管理テーブル(t1)から、対応する加工履歴情報(i1)を検索して抽出する。次に、検索部542は、この抽出された加工履歴情報(i1)の中の会議IDを検索キーとし、会議履歴管理テーブル(t2)から、対応する加工履歴情報(i2)を検索して抽出する。次に、検索部542は、抽出した加工履歴情報(i1)及び加工履歴情報(i2)をマージして、要求元端末へ提供するための加工履歴情報(I)を作成する。また、加工履歴情報(I)が複数存在する場合には、検索部542は、複数の加工履歴情報(I)をマージすることで加工履歴情報群(IG)を作成する。
【0146】
ここで、上記検索条件(A,B,C,D)を用いた検索方法について、更に詳細に説明する。本実施形態では、参加日時から退出日時が複数月にまたがって場合でも、伝送管理システム50が加工履歴情報を提供できる処理を行う。例えば、端末10が“2010-08-30”(2010年8月30日)に会議に参加し、“2010-10-01”(2010年10月1日)に会議から退出した生履歴情報が存在する場合、伝送管理システム50は、8月、9月、及び10月のいずれの加工履歴情報を提供できるように処理する。即ち、端末IDのうち、参加日時から退出日時の期間がfrom_date〜to_dateの期間と重なっているものが抽出対象となる。図15−1では、生履歴情報(L1〜L6)の全てが抽出対象となる。より具体的には、抽出対象を、図15−2で示されているような検索条件(A,B,C,D)に対応する4つのケースに分解する。このように分解することで、各検索条件で検索範囲を限定することができる。そして、この検索条件を“OR”で統合することにより、少ない検索時間で所望の生履歴情報を抽出することができる。なお、図15−2の各検索条件は、以下のようなケースを示したものである。
【0147】
(1)検索条件A:参加日時が取得対象月に収まっているケース
参加日時の検索範囲を取得要求対象月のみに限定することができる。
【0148】
(2)検索条件B:退出日時が取得対象月に収まっているケース
退出日時の検索範囲を取得要求対象月のみに限定することができる。
【0149】
(3)検索条件C:取得要求対象月以前に参加し、未だに会議に参加中のケース
退出状態の検索範囲を “会議中” のみに限定することができる。また、異なる会議に同時に参加するようなことがない限り、特定の端末10において “会議中”の生履歴情報は一つしか存在しない。
【0150】
(4)検索条件D:参加日時から退出日時までが複数月をまたいでいるケース
「参加時間が(to_date - from_date)以上」(この例では1ヶ月以上)という条件により、検索する生履歴情報を限定することができる。
【0151】
なお、ここでは、取得要求対象期間が月次(“2010-09”)の場合について説明したが、日次(例えば、“2010-09-01”)若しくは年次(例えば、“2010”)、又は任意期間の指定(例えば、“2010-09-01 00:00:00” 〜 “2010-09-20 12:00:00”)によっても同様の検索方法で、生履歴情報を抽出することができる。また、図15−2に示されている例では、ある1つの取得要求元端末の端末IDを用いて検索する場合を示しているが、複数の取得要求元端末の各端末IDを用いて検索してもよい。また、取得要求元端末の端末ID又は取得対象期間以外のパラメータを用いるようにしてもよい。
【0152】
続いて、伝送管理システム50が、取得要求元端末に加工履歴情報群(IG)を提供する場合について、以下に説明する。
【0153】
続いて、不備履歴除外部543は、提供すべき加工履歴情報群(IG)の中に、不備(E)がある加工履歴情報(I)があるかを判断する(ステップS23)。このステップS23において、不備履歴除外部543は不備(E)があると判断した場合には(YES)、更に、加工履歴情報群(IG)の中から、不備がある加工履歴情報(I)のみを除外する(ステップS24)。これにより、伝送管理システム50は、取得要求元端末に対して、不備のある加工履歴情報を提供することを防止することができる。
【0154】
なお、本実施形態では、生履歴情報は、各端末10から、通信状態が「invite」、「start」、「join」、「leave」、「end」の順番で送信される。よって、不備履歴除外部543は、これらの通信状態に相当する「主催者端末ID」「開始日時」「参加日時」「退出日時」「終了日時」の項目をこの送信順の逆に参照し、通信状態の情報が存在する項目よりも前に通信状態の情報が存在しない項目がある場合、加工履歴情報には不備(E)があると判断する。このような判断を示した規則は、不備履歴除外部543の外部で管理されている電子ファイル等に表わしてもよい。
【0155】
次に、ステップS24の後、又は上記ステップS23において不備がないと判断された(NO)後、履歴管理サーバ540の送受信部541から、加工履歴情報群(IG)が端末設定ユーティリティーサーバ550に送信され、送受信部551が、取得要求元端末へ加工履歴情報群(IG)を送信する(ステップS25)。
【0156】
一方、上記ステップS25に対して、取得要求元端末に接続されている外部入力装置40のディスプレイ208には、外部入力装置40のブラウザ機能によって、図16に示されているような「端末設定ユーティリティー」画面1000が表示される。この画面1000には、端末10の端末ID1001、加工履歴情報に示される通信に関する履歴の期間1002、取得要求された加工履歴情報の取得対象期間切換えメニュー1003、及び加工履歴情報群(IG)1004等が表示されている。
【0157】
具体的には、図16に示されている画面例では、外部入力装置40は、取得要求元端末の端末ID「110001」で、端末設定ユーティリティーサーバ550にログインしている。そして、利用者が加工履歴情報の取得要求を行う場合、利用者は、取得対象期間切換えメニュー1003から「2010年9月」を選択する。これにより、外部入力装置40は、取得要求元端末から、伝送管理システム50に対して、端末ID「110001」、取得対象期間「2010-09」の条件で、加工履歴情報の取得要求を行なう。これにより、外部入力装置40は、伝送管理システム50から要求元端末を介して送られてきた加工履歴情報群(IG)に基づき、図16に示されている画面1000を外部入力装置40のディスプレイ208上に表示することになる。
【0158】
また、取得対象期間切換えメニュー1003での選択切り換えや、このメニュー1003の両側の三角形の切換えボタン(左側が前月、右側が翌月)が押される度に、この変更された取得対象期間に応じた加工履歴情報の取得要求が行われる。
【0159】
ところで、加工履歴情報に係る会議の履歴が複数月をまたいでいる場合は、以下のように表示される。ここでは、参加日時「2010-08-30 22:00:00」(2010年8月30日22時)、退出日時「2010-10-01 10:00:00」(2010年10月1日10時)の場合において、以下の3ケースを説明する。
【0160】
(1)通信履歴がそのまま表示されるケース
(1-1)8月分の通信履歴は、参加日時「2010-08-30 22:00:00」、退出日時「2010-10-01 10:00:00」と表示される。
(1-2)9月分の通信履歴は、参加日時「2010-08-30 22:00:00」、退出日時「2010-10-01 10:00:00」と表示される。
(1-3)10月分の通信履歴は、参加日時「2010-08-30 22:00:00」、退出日時「2010-10-01 10:00:00」と表示される。
【0161】
(2)ひと月をまたいでいる部分を月の境界でトリミング(削除)するが参加日時及び退出日時を全て表示するケース
なお、このトリミングの処理は、端末設定ユーティリティーサーバ550の補助機能部552が行ってもよいし、履歴管理サーバ540の検索部542が行なってもよい。
(2-1)8月分の通信履歴は、参加日時「2010-08-30 22:00:00 」、退出日時「2010-08-31 23:59:59」として表示される。
(2-2)9月分の通信履歴は、参加日時「2010-09-01 00:00:00」、退出日時「2010-09-30 23:59:59」として表示される。
(2-3)10月分の通信履歴は、参加日時「2010-10-01 00:00:00」、退出日時「2010-10-01 10:00:00」として表示される。
【0162】
(3) ひと月をまたいでいる部分を月の境界でトリミングし、参加日時又は退出日時を表示しないケース(ひと月をまたいでいる部分を “<−−”,“−−>”などと表示するケース)
なお、このトリミングの処理は、端末設定ユーティリティーサーバ550の補助機能部552が行ってもよいし、履歴管理サーバ540の検索部542が行なってもよい。
(3-1)8月分の通信履歴は、参加日時「2010-08-30 22:00:00」、退出日時「−−>」として表示される。
(3-2)9月分の通信履歴は、参加日時「<−−」、退出日時「−−>」として表示される。
(3-3)10月分の通信履歴は、参加日時「2010-08-30 22:00:00」、退出日時「2010-10-01 10:00:00」として表示される。
【0163】
通信ログの送信をメッセージキュー(非同期型通信のメッセージングシステム)で受けることで、通信ログ送信側はログ整形処理の終了を待つ必要がないため、通信制御など本来の処理に支障をきたさずに済む。
【0164】
続いて、図11、図17及び図18を用いて、伝送システム1の運営者から伝送システム1の利用者に対して、利用者が伝送システム1を利用してテレビ会議に参加することにより生じた参加料金を請求する場合について説明する。図17は、料金請求方法を示したシーケンス図である。図18は、参加料金をまとめた概念図である。
【0165】
なお、この利用者は、端末10毎の利用者単位ではなく、参加料金を支払う単位の利用者を示す。この利用者単位は、図1に示されている例では、東京事業所、大阪事業所、ニューヨーク事業所、及びワシントンD.C.事業所の4事業所が、それぞれ別会計として、参加料金を支払う場合を想定している。
【0166】
まず、伝送管理システム50から専用線2xを介して料金管理システム60へ、端末ID及び参加時間情報(pi)を送信する(ステップS31)。これにより、料金管理システム60は、端末10毎に参加時間情報(pi)を受信することになる。具体的には、料金管理システム60の料金算出サーバ620では、送受信部621が、伝送管理システム50の履歴管理サーバ540における加工履歴記憶部547から、送受信部541、LAN590、送受信部571、専用線2x、送受信部611、LAN690、及び送受信部621を順に介して、端末ID及び参加時間情報(pi)を受信する。なお、料金管理システム60側から伝送管理システム50へ参加時間情報(pi)の送信を要求してもよいし、伝送管理システム50が定期的(例えば、毎月1日)に料金管理システム60へ参加時間情報(pi)を送信してもよい。
【0167】
次に、参加時間算出部622aは、履歴管理サーバ540から取得した所定期間(例えば、1日間)の参加時間情報(pi)に基づき、端末IDに対応する参加時間情報で示される各参加時間を合計することで、所定期間内における端末10毎の総参加時間を算出する(ステップS32)。なお、送受信部621は、LAN690、インターネット2i、LAN590、及び送受信部541を順に介して、履歴管理サーバ540から参加時間情報(pi)を取得してもよい。
【0168】
次に、算出部622の参加料金算出部622bは、上記ステップS31によって算出された総参加時間に基づいて、上記所定期間内における端末10毎の参加料金を算出する(ステップS33)。例えば、運営者が予め参加時間が1分で参加料金が10円となるように参加料金を定めている場合、上記ステップS31で算出された任意の端末10の総参加時間が10時間(600分)とすると、参加料金は6000円となる。
【0169】
次に、算出部622の参加料金合計部622cは、利用者管理部629で管理されている利用者管理テーブル(Ty)(図12参照)を参照し、参加料金の請求先としての利用者の利用者IDに対応する端末IDで示される端末10の各参加料金(上記ステップS33で算出されたもの)を合計することで、利用者毎の総参加料金を算出する(ステップS34)。例えば、図12では、利用者ID「a123」に対応する端末IDが「11001」、「11002」及び「11003」等であるため、上記ステップS32で算出された端末ID「11001」、「11002」及び「11003」等で示される各端末の参加料金が合計されることで、利用者ID「a123」で示される利用者への総参加料金が算出されることになる。
【0170】
以上より、料金管理システム60は、図18に示されているように、利用者毎の総参加料金を算出することができる。
【0171】
次に、料金管理システム60の請求部623は、図12に示されている利用者管理テーブル(Ty)を参照し、参加料金の通知先である利用者メールアドレスに対して、参加料金請求情報を電子メールで送信する(ステップS35)。この参加料金請求情報には、図18に示されている利用者毎の総参加料金が含まれており、これによって各利用者が自分の支払うべき総参加料金を把握することができる。
【0172】
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように本実施形態によれば、利用者毎に会話へ参加した総参加時間から総参加料金を算出する。これにより、伝送システム1の運営者は、各利用者に対して、利用者(各会話者)が会話へ参加した時間分の料金を請求することができるため、利用者にとって公平な料金請求を行うことができるという効果を奏する。
【0173】
また、伝送管理システム50は、各端末10から各端末10での通信に関する加工履歴情報の取得要求を受け付ける前から、加工履歴情報を作成して記憶しておくため、各端末10から加工履歴譲歩の取得要求を受け付けた際には、迅速に要求元の端末10へ加工履歴情報を提供することができる。
【0174】
また、会話セッションseimが、例えば、8月、9月、及び10月のように、ある月(ここでは9月)をまたいで継続される場合がある。このような場合において、利用者から9月分の加工履歴情報の取得要求があったとしても、伝送管理システム50は、9月の中だけで通信状態が「join」や「leave」の生履歴情報を検索して、対応する生履歴情報を取り出すことができない。よって、伝送管理システム50は、まず、9月よりも前から通信が開始されている通信状態「join」の生履歴情報を検索し、更に、所定の会議ID(x)から1つの生履歴情報を特定しなければならない。続いて、伝送管理システム50は、9月よりも後に通信が終了されている通信状態「leave」の生履歴情報を検索し、更に、上記会議ID(x)と同じ会議IDに基づいて1つの生履歴情報を特定しなければならない。そのため、伝送管理システム50は、生履歴情報の検索に長い時間を要し、加工履歴情報の作成に時間が掛かるという課題が生じる。しかし、本実施形態では、図15−1,2に示されているような検索方法によって、検索時間を短縮することができるため、加工履歴情報の作成を迅速に行うことができる。
【0175】
〔その他の実施形態〕
加工部532は、図10−1に示されている参加者履歴管理テーブル(t1)の属性に「不備フラグ」を追加して、図19−1に示されている参加者履歴管理テーブル(t11)を作成してもよい。同じく、加工部532は、図10−2に示されている会議履歴管理テーブル(t2)の属性に「不備フラグ」を追加して、図19−2に示されている会議履歴管理テーブル(t12)を作成してもよい。この場合、図7に示されている不備履歴除外部543は、端末10から加工履歴情報の取得要求を受け付ける前に、加工履歴記憶部547に記憶されている加工履歴情報に不備(E)があるかを判断し、不備がない場合には、図19−1,2に示されている各レコードの「不備フラグ」属性部分に、検査結果情報として「0」を入力し、不備がある場合には、検査結果情報として「1」を入力しておく。これにより、通信管理サーバ510は、「不備フラグ」が「1」である加工履歴情報を除外して、履歴管理サーバ540から加工履歴情報を受信することができる。また、不備履歴除外部543は、取得要求元端末から加工履歴情報の取得要求を受け付けた後に、加工履歴情報に不備があるかを判断する必要がないため、より迅速に、取得要求元端末に加工履歴情報を提供することができる。なお、この例では「0」を正常、「1」を不備(異常)としたが、これに限るものではなく、「true」「false」、「正常」「不備」など、不備か否かを判断できる情報であれば何でもよい。
【0176】
また、例えば、伝送管理システム50内で、図7に示されている一時記憶部529、加工部532、及び加工履歴記憶部547を1つにまとめた組を複数設け、生履歴情報や加工履歴情報等をメッセージリレーなどで、様々な組みの一時記憶部529に順次転送することで、1つの生履歴情報から複数種類の加工履歴情報が作成されるようにしてもよい。
【0177】
更に、通信管理サーバ510、一時記憶サーバ520、複数の加工サーバ530、履歴管理サーバ540、及び端末設定ユーティリティーサーバ550は、別々のサーバとして説明したが、これに限るものではなく、これらのサーバの機能のいずれかがまとめられた1つの又は複数の機能を有する伝送管理システム50としてもよい。
【0178】
また、中継装置30、外部入力装置40、伝送管理システム50、料金管理システム60、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。また、プログラム提供システム90が単一のコンピュータによって構築されている場合には、プログラム提供システム90によって送信されるプログラムは、複数のモジュールに分けて送信されるようにしてもよいし、分けないで送信されるようにしてもよい。更に、プログラム提供システム90が複数のコンピュータによって構築されている場合には、複数のモジュールが分けられた状態で、各コンピュータから送信されるようにしてもよい。
【0179】
また、上記中継装置30、外部入力装置40、伝送管理システム50、料金管理システム60、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100の各プログラムがまとめて又は別々に記録された記録媒体、並びに、これらプログラムがまとめて又は別々に記憶されたHD204、及びこのHD204を備えたプログラム提供システム90は、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ、各プログラムが利用者等に提供される場合に用いられる。
【0180】
また、上記実施形態では、伝送システム1の一例として、テレビ会議システムの場合について説明したが、これに限るものではなく、IP(Internet Protocol)電話や、インターネット電話等の電話システムであってもよい。また、伝送システム1は、カーナビゲーションシステムであってもよい。この場合、例えば、端末10の一方が自動車に搭載されたカーナビゲーション装置に相当し、端末10の他方が、カーナビゲーションを管理する管理センターの管理端末若しくは管理サーバ、又は他の自動車に搭載されているカーナビゲーション装置に相当する。更に、一定期間の通話に関する履歴として、携帯電話機の通信履歴又は通話履歴であってもよい。
【符号の説明】
【0181】
1 伝送システム
2 通信ネットワーク
2x 専用線
10 伝送端末
30 中継装置
40 外部入力装置
50 伝送管理システム
60 料金管理システム
90 プログラム提供システム
100 メンテナンスシステム
510 通信管理サーバ
511 送受信部(送信手段の一例)
512 通信制御部
520 一時記憶サーバ
521 送受信部
529 一時記憶部
530 加工サーバ
531 送受信部
532 加工部
539 加工規則管理部
540 履歴管理サーバ
541 送受信部
542 検索部
543 不備履歴除外部
547 加工履歴記憶部
548 生履歴記憶部
549 不備生履歴記憶部
550 端末設定ユーティリティーサーバ
551 送受信部
552 補助機能部
560 課金用履歴作成サーバ
561 送受信部
562 課金用履歴作成部
570 ファイル転送サーバ
571 送受信部(送信手段の一例)
572 通信制御部
610 ファイル転送サーバ
611 送受信部(受信手段の一例)
612 通信制御部
620 料金算出サーバ
621 送受信部(受信手段の一例)
622 算出部
622a 参加時間算出部(参加時間算出手段の一例)
622b 参加料金算出部(参加料金算出手段の一例)
622c 参加料金合計部(参加料金合計手段の一例)
623 請求部
629 利用者管理部(利用者管理手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0182】
【特許文献1】特開平9−172509号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の伝送端末間で会話される場合に、各伝送端末が通信することによって生じる通信料金及び各伝送端末で会話に参加されることによって生じる参加料金のうち、少なくとも前記参加料金を管理する料金管理システムであって、
前記伝送端末の利用者を識別するための利用者識別情報、及び当該利用者が利用する伝送端末を識別するための端末識別情報を関連付けて管理する利用者管理手段と、
前記伝送端末のそれぞれで所定期間内に会話に参加された総参加時間に基づいて、前記伝送端末毎の参加料金を算出する算出手段を有し、
前記算出手段は、前記利用者管理手段を参照し、前記利用者識別情報毎に、対応する端末識別情報で示される伝送端末の各参加料金を合計することで、前記利用者毎の総参加料金を算出することを特徴とする料金管理システム。
【請求項2】
前記算出手段は、前記端末識別情報毎に前記伝送端末で前記会話に参加された間の参加時間を示す参加時間情報を管理する参加履歴管理手段を参照し、前記端末識別情報に対応する参加時間情報で示される各参加時間を合計することで、前記伝送端末毎の前記総参加時間を算出することを特徴とする請求項1に記載の料金管理システム。
【請求項3】
前記利用者管理手段は、更に、前記利用者識別情報毎に当該利用者識別情報で示される利用者の電子メールアドレスを管理しており、
前記利用者管理手段を参照し、前記総参加料金が請求される利用者の利用者識別情報に対応する電子メールアドレスに対して、前記総参加料金を請求するための電子メールを送信する請求手段と、
を有することを特徴とする料金管理システム。
【請求項4】
複数の伝送端末間で会話される場合に、各伝送端末が通信することによって生じる通信料金及び各伝送端末で会話に参加されることによって生じる参加料金のうち、少なくとも前記参加料金を管理する料金管理システムが行う料金管理方法であって、
前記料金管理システムは、前記伝送端末の利用者を識別するための利用者識別情報、及び当該利用者が利用する伝送端末を識別するための端末識別情報を関連付けて管理する利用者管理手段を有しており、
前記料金管理システムは、
前記伝送端末のそれぞれで所定期間内に会話に参加された総参加時間に基づいて、前記伝送端末毎の参加料金を算出する算出ステップを実行し、
更に、前記算出ステップは、前記利用者管理手段を参照し、前記利用者識別情報毎に、対応する端末識別情報で示される伝送端末の各参加料金を合計することで、前記利用者毎の総参加料金を算出することを特徴とする料金管理方法。
【請求項5】
前記算出ステップは、前記端末識別情報毎に前記伝送端末で前記会話に参加された間の参加時間を示す参加時間情報を管理する参加履歴管理手段を参照し、前記端末識別情報に対応する参加時間情報で示される各参加時間を合計することで、前記伝送端末毎の前記総参加時間を算出することを特徴とする請求項4に記載の料金管理方法。
【請求項6】
前記利用者管理手段は、更に、前記利用者識別情報毎に当該利用者識別情報で示される利用者の電子メールアドレスを管理しており、
前記料金管理システムは、
前記利用者管理手段を参照し、前記総参加料金が請求される利用者の利用者識別情報に対応する電子メールアドレスに対して、前記総参加料金を請求するための電子メールを送信する請求ステップを実行することを特徴とする料金管理方法。
【請求項7】
コンピュータに、請求項4乃至6のいずれか一項に記載のステップを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記料金管理システムに、通信ネットワークを介して、請求項7に記載のプログラムを提供することを特徴とするプログラム提供システム。
【請求項9】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の料金管理システムのメンテナンスを行うことを特徴とするメンテナンスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【公開番号】特開2012−239158(P2012−239158A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−63517(P2012−63517)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】