説明

新しい遷移金属触媒系及びこれを用いたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造方法

【課題】エチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造用で、高い触媒活性を有した遷移金属触媒系を提供する。
【解決手段】4族遷移金属の周りにシクロペンタジエン誘導体と2−位置に電子供与機能とリガンドと遷移金属を連結する酸素原子を囲んでいて、触媒系をより安定的にする機能を有するフェニル基及びその誘導体とナフチル基(naphthyl group)及びその誘導体が置換されたナフトキシドリガンドを少なくとも一つ以上含んで、リガンドは互いに架橋されないことを特徴とする4族遷移金属触媒、このような遷移金属触媒とアルミノキサン助触媒またはホウ素化合物助触媒を含む触媒系及びこれを用いたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造用の遷移金属触媒系に関し、より具体的には、4族遷移金属の周りにシクロペンタジエン誘導体と2−位置に電子供与機能とリガンドと遷移金属を連結する酸素原子を囲んでいて、触媒系をより安定的にする機能を有するフェニル基及びその誘導体とナフチル基(naphthyl group)及びその誘導体が置換されたナフトキシドリガンドを少なくとも一つ以上含んで、リガンドは互いに架橋されないことを特徴とする4族遷移金属触媒、このような遷移金属触媒とアルミノキサン助触媒またはホウ素化合物助触媒を含む触媒系及びこれを用いたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エチレンの単独重合体またはα−オレフィンとの共重合体の製造には、一般的にチタンまたはバナジウム化合物の主触媒成分とアルキルアルミニウム化合物の助触媒成分で構成されるいわゆるジグラ−ナッタ触媒系が用いられてきた。ところで、ジグラ−ナッタ触媒系はエチレン重合に対して高活性を表すが、不均一な触媒活性点のため、一般的に生成重合体の分子量分布が広く、特にエチレンとα−オレフィンの共重合体においては組成分布が均一ではない短所があった。
【0003】
最近、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなど周期律表上の4族遷移金属のメタロセン化合物と助触媒であるメチルアルミノキサン(methylaluminoxane)で構成されるいわゆるメタロセン触媒系が開発された。メタロセン触媒系は、単一種の触媒活性点を有する均一系触媒であるため、既存のジグラ−ナッタ触媒系に比べて分子量分布が狭く、組成分布が均一なポリエチレンを製造することができる特徴を有している。例えば、ヨーロッパ公開特許第320,762号、第3,726,325号または日本特開昭63−092621号、日本特開平02−84405号、または特開平03−2347号には、CpTiCl、CpZrCl、CpZrMeCl、CpZrMe、エチレン(IndHZrClなどでメタロセン化合物を助触媒メチルアルミノキサンで活性化させることにより、エチレンを高活性で重合させて、分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜2.0範囲であるポリエチレンを製造できるということが開示されている。しかし、前記触媒系では高分子量の重合体を得ることが困難であり、特に140℃以上の高温で行われる溶液重合法に適用する場合、重合活性が急激に減少して、β−水素離脱反応が優勢で、重量平均分子量(Mw)が100,000以上の高分子量重合体を製造するには適しないと知られている。
【0004】
一方、溶液重合条件でエチレン単独重合またはエチレンとα−オレフィンとの共重合で高い触媒活性と高分子量の重合体を製造することができる触媒として、遷移金属を環状で連結させたいわゆる拘束幾何型非メタロセン系触媒(通称、単一活性点触媒)が開示された。ヨーロッパ特許第0416815号とヨーロッパ特許第0420436号では、一つのシクロペンタジエンリガンドにアミド基を環状で連結させた例を提示し、ヨーロッパ特許第0842939号では電子供与化合物としてフェノール系リガンドをシクロペンタジエンリガンドと環状で連結させた触媒の例を開示している。しかし、このような幾何拘束型触媒の合成段階において、リガンドと遷移金属化合物の間の環形成反応過程の収率が非常に低いため、商業的に利用するには多くの困難がある。
【0005】
反面、幾何拘束型でなく、非メタロセン系触媒の例としては、アメリカ特許第6、329、478号と韓国公開特許公報第2001−0074722号が挙げられる。このような特許では、少なくとも一つ以上のホスフィンイミン化合物をリガンドで用いた単一活性点触媒が140℃以上の高温溶液重合条件でエチレンとα−オレフィン共重合時に高いエチレン転換率を表すことが開示されている。アメリカ特許第5,079,205号にはビス−フェノキシドリガンド、アメリカ特許第5,043,408号にはキレート形態のビスフェノキシドリガンドを有した触媒の例が開示しているが、このような触媒は活性が低すぎて、高温で行われるエチレン単独重合体またはα−オレフィンとの共重合体の製造に商業的に用いることが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来技術の問題点を解決するために、本発明者らが広範囲な研究を行った結果、シクロペンタジエン誘導体と2−位置に電子供与機能とリガンドと遷移金属を連結する酸素原子を囲んでいて、触媒系をより安定的にする機能を有するフェニル基及びその誘導体とナフチル基(naphthyl group)及びその誘導体が置換されたナフトキシドリガンドを少なくとも一つ以上含んで、非架橋型触媒がエチレン及びオレフィン類の重合において優れた触媒活性を表すということを発見した。このような事実に着眼して、60℃以上で行われる重合工程で高分子量のエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体を高い活性で製造することができる触媒を開発し、本発明はこれに基づいて完成された。
【0007】
従って、本発明はエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造用触媒として有用な遷移金属化合物、これを含む触媒組成物及びこれを用いて製造されたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体を提供することを目的とし、また、オレフィン重合で活性が高い単一活性点触媒及びこのような触媒成分を用いて多様な物性を有するエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体を商業的な観点から経済的に製造することができる重合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を果たすための本発明の一側面は、下記化学式1に表示されたように、4族遷移金属の周りにシクロペンタジエン誘導体と2−位置に電子供与機能とリガンドと遷移金属を連結する酸素原子を囲んでいて、触媒系をより安定的にする機能を有するフェニル基及びその誘導体とナフチル基(naphthyl group)及びその誘導体が置換されたナフトキシドリガンドを少なくとも一つ以上含んで、リガンドは互いに架橋されないことを特徴とする4族遷移金属触媒、このような遷移金属触媒とアルミノキサン助触媒またはホウ素化合物助触媒を含む触媒系及びこれを用いたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造方法に関する。
【0009】
【化1】

【0010】
前記式において、Mは周期律表上の4族の遷移金属であり;
【0011】
CpはMとη−結合することができるシクロペンタジエニル環またはシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環またはシクロペンタジエニルを含む融合環は、(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、または(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルにさらに置換されることができて;
【0012】
Arは(C6−C30)アリールであり、前記Arはフルオレニルではなく;
【0013】
及びXは、互いに独立に、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルホスフィン、(C6−C30)アリールフォスフィン、(C1−C20)アルキルメルカプト及び(C6−C30)アリールメルカプトからなる群より選択されて;
【0014】
mは0乃至4から選択された整数であり、nは0乃至2から選択された整数であり、
【0015】
Rは(C1−C10)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C13)アル(C1−C10)アルキル、又は、(C1−C10)アルコキシであり;
【0016】
前記X及びXのアルキル、シクロアルキル、アルキルアリール、アラルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルホスフィン、アリールフォスフィン、アルキルメルカプト、アリールメルカプト、前記R、Rのアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、アルコキシ及び前記Arのアリールは、(C1−C10)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C13)アル(C1−C10)アルキル及び(C1−C10)アルコキシからなる群より選択される一つ以上の置換体にさらに置換されることができるか、或いは、これらのそれぞれが、融合環を含んでいてもよい(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて、脂環族環又は単環若しくは多環の芳香族環を形成することができる。
【0017】
上述の目的を果たすための本発明の他の一側面は、前記遷移金属化合物、及びアルミノキサン助触媒またはホウ素化合物助触媒を含む触媒組成物に関する。
【0018】
上述の目的を果たすための本発明のまた他の一側面は、前記遷移金属化合物または前記触媒組成物を用いたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体及び前記重合体の製造方法に関する。
【0019】
以下、本発明をより具体的に説明する。
【0020】
前記化学式1の周期律表上の4族の遷移金属であるMは、好ましくは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
【0021】
また、Cpは、中心金属とη−結合することができるシクロペンタジエン環、置換されたシクロペンタジエン環、インデニル、フルオレニルなどのように前記シクロペンタジエン環を含んで置換もしくは非置換の融合環であり、より具体的に例えば、シクロペンタジエニル、メチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、ブチルシクロペンタジエニル、sec−ブチルシクロペンタジエニル、tert−ブチルメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、メチルインデニル、ジメチルインデニル、エチルインデニル、イソプロピルインデニル、フルオレニル、メチルフルオレニル、ジメチルフルオレニル、エチルフルオレニル、イソプロピルフルオレニルなどがある。
【0022】
前記リガンドに置換されたArは例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニルなどが挙げられ、これらのうち好ましいものはフェニルまたはナフチルである。
【0023】
及びXはハロゲン原子の例として、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子;シクロペンタジエニル誘導体でない(C1−C20)アルキルの例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−エイコシルであり、このうち好ましいものはメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、アミルであり;(C3−C20)シクロアルキルの例として、シクロプロパン、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはアダマンチルであり;(C6−C13)アリールまたは(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、例えばフェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、2、3−キシリル、2、4−キシリル、2、5−キシリル、2、6−キシリル、3、4−キシリル、3、5−キシリル、2、3、4−トリメチルフェニル、2、3、5−トリメチルフェニル、2、3、6−トリメチルフェニル、2、4、6−トリメチルフェニル、3、4、5−トリメチルフェニル、2、3、4、5−テトラメチルフェニル、2、3、4、6−テトラメチルフェニル、2、3、5、6−テトラメチルフェニル、ペンタメチルフェニル、エチルフェニル、n−プロピルフェニル、イソプロピルフェニル、n−ブチルフェニル、sec−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニル、n−ペンチルフェニル、ネオペンチルフェニル、n−ヘキシルフェニル、n−オクチルフェニル、ビフェニル(biphenyl)、またはナフチルであり、これらのうち好ましいものはフェニル、ナフチル、ビフェニル(biphenyl)、2−イソプロピルフェニル、3、5−キシリルまたは2、4、6−トリメチルフェニルであり;
【0024】
(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルの例として、ベンジル、(2−メチルフェニル)メチル、(3−メチルフェニル)メチル、(4−メチルフェニル)メチル、(2、3−ジメチルフェニル)メチル、(2、4−ジメチルフェニル)メチル、(2、5−ジメチルフェニル)メチル、(2、6−ジメチルフェニル)メチル、(3、4−ジメチルフェニル)メチル、(4、6−ジメチルフェニル)メチル、(2、3、4−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、5−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、6−トリメチル−フェニル)メチル、(3、4、5−トリメチルフェニル)メチル、(2、4、6−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、4、5−テトラメチルフェニル)メチル、(2、3、4、6−テトラメチルフェニル)メチル、(2、3、5、6−テトラメチルフェニル)メチル、(ペンタメチルフェニル)メチル、(エチルフェニル)メチル、(n−プロピルフェニル)メチル、(イソプロピルフェニル)メチル、(n−ブチルフェニル)メチル、(sec−ブチルフェニル)メチル、(tert−ブチルフェニル)メチル、(n−ペンチルフェニル)メチル、(ネオペンチルフェニル)メチル、(n−ヘキシルフェニル)メチル、(n−オクチルフェニル)メチル、(n−デシルフェニル)メチル、(n−デシルフェニル)メチル、(n−テトラデシルフェニル)メチル、ナフチルメチルまたはアントラセニルメチルが挙げられ、このうち好ましいものはベンジル基であり;
【0025】
(C1−C20)アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ、n−オクトキシ、n−ドデソキシ、n−ペンタデソキシまたはn−エイコソキシが挙げられ、このうち好ましいものはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシまたはtert−ブトキシであり;
【0026】
(C3−C20)アルキルシロキシの例として、トリメチルシロキシ、トリエチルシロキシ、トリ−n−プロピルシロキシ、トリイソプロピルシロキシ、トリ−n−ブチルシロキシ、トリ−sec−ブチルシロキシ、トリ−tert−ブチルシロキシ、トリ−イソブチルシロキシ、tert−ブチルジメチルシロキシ、トリ−n−ペンチルシロキシ、トリ−n−ヘキシルシロキシまたはトリシクロヘキシルシロキシが挙げられ、このうち好ましいものはトリメチルシロキシ、またはtert−ブチルジメチルシロキシである。
【0027】
(C1−C20)アルキル置換または(C6−C30)アリール置換アミノの例として、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジ−sec−ブチルアミノ、ジ−tert−ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、tert−ブチルイソプロピルアミノ、ジ−n−ヘキシルアミノ、ジ−n−オクチルアミノ、ジ−n−デシルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルフェニルアミノ、ベンジルヘキシルアミノ、ビストリメチルシリルアミノまたはビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ;
【0028】
(C1−C20)アルキル置換または(C6−C30)アリール置換ホスフィンの例として、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジ−n−プロピルホスフィン、ジイソプロピルホスフィン、ジ−n−ブチルホスフィン、ジ−sec−ブチルホスフィン、ジ−tert−ブチルホスフィン、ジイソブチルホスフィン、tert−ブチルイソプロピルホスフィン、ジ−n−ヘキシルホスフィン、ジ−n−オクチルホスフィン、ジ−n−デシルホスフィン、ジフェニルホスフィン、ジベンジルホスフィン、メチルエチルホスフィン、メチルフェニルホスフィン、ベンジルヘキシルホスフィン、ビストリメチルシリルホスフィンまたはビス−tert−ブチルジメチルシリルホスフィンが挙げられ、このうち好ましいものはジメチルホスフィン、ジエチルホスフィンまたはジフェニルホスフィンであり;(C1−C20)アルキル置換メルカプトの例は、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、1−ブチルメルカプタン、イソペンチルメルカプタンであり、好ましくは、エチルメルカプタン、またはイソプロピルメルカプタンである。
【0029】
、Rのn=0乃至3から選択された整数であり、Rは(C1−C10)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C13)アル(C1−C10)アルキル、又は、(C1−C10)アルコキシであり、前記n=2以上の場合、夫々のRは同一または相異なる置換基を有することができる。
【0030】
前記リガンドに置換されたR、Rのn=0の場合は置換基がない場合で、置換基が水素である場合であり、R=1以上の場合は互いに独立的に線形または非線形(C1−10)アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、tert−アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、tert−オクチルであり、これらのうち好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、tert−オクチルであり;(C3−C10)シクロアルキルの例はシクロヘキシルであり;(C6−C13)アリールまたは(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、例えばフェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、2、3−キシリル、2、4−キシリル、2、5−キシリル、2、6−キシリル、3、4−キシリル、3、5−キシリル、2、3、4−トリメチルフェニル、2、3、5−トリメチルフェニル、2、3、6−トリメチルフェニル、2、4、6−トリメチルフェニル、3、4、5−トリメチルフェニル、2、3、4、5−テトラメチルフェニル、2、3、4、6−テトラメチルフェニル、2、3、5、6−テトラメチルフェニル、ペンタメチルフェニル、エチルフェニル、n−プロピルフェニル、イソプロピルフェニル、n−ブチルフェニル、sec−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニル、n−ペンチルフェニル、ネオペンチルフェニル、n−ヘキシルフェニル、n−オクチルフェニル、ビフェニル(biphenyl)、またはナフチルであり、これらのうち好ましいものは、フェニル、ナフチル、ビフェニル(biphenyl)、2−イソプロピルフェニル、3、5−キシリルまたは2、4、6−トリメチルフェニルであり;(C6−C13)アリール(C1−C10)アルキル、例えば、ベンジル、(2−メチルフェニル)メチル、(3−メチルフェニル)メチル、(4−メチルフェニル)メチル、(2、3−ジメチルフェニル)メチル、(2、4−ジメチルフェニル)メチル、(2、5−ジメチルフェニル)メチル、(2、6−ジメチルフェニル)メチル、(3、4−ジメチルフェニル)メチル、(4、6−ジメチルフェニル)メチル、(2、3、4−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、5−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、6−トリメチル−フェニル)メチル、(3、4、5−トリメチルフェニル)メチル、(2、4、6−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、4、5−テトラメチルフェニル)メチル、(2、3、4、6−テトラメチルフェニル)メチル、(2、3、5、6−テトラメチルフェニル)メチル、(ペンタメチルフェニル)メチル、(エチルフェニル)メチル、(n−プロピルフェニル)メチル、(イソプロピルフェニル)メチル、(n−ブチルフェニル)メチル、(sec−ブチルフェニル)メチル、(tert−ブチルフェニル)メチル、(n−ペンチルフェニル)メチル、(ネオペンチルフェニル)メチル、(n−ヘキシルフェニル)メチル、(n−オクチルフェニル)メチルであり、これらのうち好ましいものはベンジルであり;(C1−C10)アル(C1−C10)アルキルの例としては、ベンジル、(2−メチルフェニル)メチル、(3−メチルフェニル)メチル、(4−メチルフェニル)メチル、(2、3−ジメチルフェニル)メチル、(2、4−ジメチルフェニル)メチル、(2、5−ジメチルフェニル)メチル、(2、6−ジメチルフェニル)メチル、(3、4−ジメチルフェニル)メチル、(4、6−ジメチルフェニル)メチル、(2、3、4−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、5−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、6−トリメチルフェニル)メチル、(3、4、5−トリメチルフェニル)メチル、(2、4、6−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、4、5−テトラメチルフェニル)メチル、(2、3、4、6−テトラメチルフェニル)メチル、(2、3、5、6−テトラメチルフェニル)メチル、(ペンタメチルフェニル)メチル、(エチルフェニル)メチル、(n−プロピルフェニル)メチル、(イソプロピルフェニル)メチル、(n−ブチルフェニル)メチル、(sec−ブチルフェニル)メチル、(n−テトラデシルフェニル)メチル、トリフェニルメチル、ナフチルメチルまたはアントラセニルメチルが挙げられ、このうち好ましいものは、ベンジル、トリフェニルメチルであり;(C1−C10)アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ、n−オクトキシが挙げられ、これらのうち好ましいものは、メトキシまたはエトキシである。
【0031】
前記X及びXのアルキル、シクロアルキル、アルキルアリール、アラルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルホスフィン、アリールホスフィン、アルキルメルカプト、アリールメルカプト、前記R、Rのアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、アルコキシ及び前記Arのアリールは、(C1−C10)は線形または非線形(C1−10)アルキルであり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、tert−アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、tert−オクチルが挙げられ、これらのうち好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、tert−オクチルであり;(C3−C20)シクロアルキルの例はシクロヘキシルであり;(C6−C13)アリールまたは(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、例えばフェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、2、3−キシリル、2、4−キシリル、2、5−キシリル、2、6−キシリル、3、4−キシリル、3、5−キシリル、2、3、4−トリメチルフェニル、2、3、5−トリメチルフェニル、2、3、6−トリメチルフェニル、2、4、6−トリメチルフェニル、3、4、5−トリメチルフェニル、2、3、4、5−テトラメチルフェニル、2、3、4、6−テトラメチルフェニル、2、3、5、6−テトラメチルフェニル、ペンタメチルフェニル、エチルフェニル、n−プロピルフェニル、イソプロピルフェニル、n−ブチルフェニル、sec−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニル、n−ペンチルフェニル、ネオペンチルフェニル、n−ヘキシルフェニル、n−オクチルフェニル、ビフェニル(biphenyl)、またはナフチルであり、これらのうち好ましいものは、フェニル、ナフチル、ビフェニル(biphenyl)、2−イソプロピルフェニル、3、5−キシリルまたは2、4、6−トリメチルフェニルであり;(C6−C13)アル(C1−C10)アルキル、例えばベンジル、(2−メチルフェニル)メチル、(3−メチルフェニル)メチル、(4−メチルフェニル)メチル、(2、3−ジメチルフェニル)メチル、(2、4−ジメチルフェニル)メチル、(2、5−ジメチルフェニル)メチル、(2、6−ジメチルフェニル)メチル、(3、4−ジメチルフェニル)メチル、(4、6−ジメチルフェニル)メチル、(2、3、4−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、5−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、6−トリメチル−フェニル)メチル、(3、4、5−トリメチルフェニル)メチル、(2、4、6−トリメチルフェニル)メチル、(2、3、4、5−テトラメチルフェニル)メチル、(2、3、4、6−テトラメチルフェニル)メチル、(2、3、5、6−テトラメチルフェニル)メチル、(ペンタメチルフェニル)メチル、(エチルフェニル)メチル、(n−プロピルフェニル)メチル、(イソプロピルフェニル)メチル、(n−ブチルフェニル)メチル、(sec−ブチルフェニル)メチル、(tert−ブチルフェニル)メチル、(n−ペンチルフェニル)メチル、(ネオペンチルフェニル)メチル、(n−ヘキシルフェニル)メチル、(n−オクチルフェニル)メチルであり、これらのうち好ましいものはベンジルであり;(C1−C10)アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ、n−オクトキシが挙げられ、これらのうち好ましいものは、メトキシまたはエトキシである。
【0032】
また、各置換基の隣接した置換体と融合環を含んでいてもよい(C3−C12)アルキレンの例としては、プロピレン、α−ブチレン、イソブチレン、1−ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、ドデシレンまたはペンタデシレン、このうち好ましいものはプロピレン、α−ブチレンであり;(C3−C12)アルケニレンの例としては、プロフェニレン、ブテニレン、n−ペンテニレン、ネオペンテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、オクテニレン、デセニレン、ドデセニレンまたはペンタデセニレンが挙げられ、このうち好ましいものはエテニレン、イソプロフェニレンである。
【0033】
具体的には、本発明の遷移金属化合物は下記から選択されることを特徴とする遷移金属化合物を提供する。
【0034】
【化1−1】

【0035】
【化1−2】

【0036】
【化1−3】

【0037】
前記式において、
【0038】
Mはチタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群より選択されて;
【0039】
Cpはシクロペンタジエニルまたはペンタメチルシクロペンタジエニルであり;
【0040】
及びXは塩素、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、ベンジル及びジメチルアミノからなる群より選択されて;
【0041】
、R及びR11乃至R16は互いに独立的に水素原子、(C1−C10)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C13)アリール(C1−C10)アルキル及び(C1−C10)アルコキシからなる群より選択されることができる。
【0042】
前記(C1−C10)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C13)アリール(C1−C10)アルキル及び(C1−C10)アルコキシは上述した例から選択されることができる。
【0043】
より具体的には、前記遷移金属化合物は下記から選択されることを特徴とする遷移金属化合物を提供する。
【0044】
【化1−1−1】

【0045】
【化1−1−2】

【0046】
【化1−1−3】

【0047】
【化1−2−1】

【0048】
【化1−2−2】

【0049】
【化1−3−1】

【0050】
【化1−3−2】

【0051】
前記式において、
【0052】
Cpはシクロペンタジエニルまたはペンタメチルシクロペンタジエニルであり;
【0053】
及びXは塩素、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、ベンジル及びジメチルアミノからなる群より選択される。
【0054】
一方、前記化学式1の遷移金属化合物は、エチレン単独重合体またはエチレン及びα−オレフィンとの共重合体の製造に用いられる活性触媒成分になるために、好ましくは、遷移金属錯体中のXリガンドを抽出して中心金属を陽イオン化させながら弱い結合力を有した反対イオン、即ち、陰イオンで作用することができるアルミノキサン化合物またはホウ素化合物、またはこれらの混合物を助触媒としてともに作用することができ、上述の遷移金属化合物と助触媒を含む触媒組成物もまた本発明の範囲に属するものである。
【0055】
本発明で助触媒として用いられることができるホウ素化合物は、アメリカ特許第5,198,401号に公知されており、下記化学式2乃至4に表示される化合物のうちから選択されることができる。
【0056】
[化2]
B(R21
【0057】
[化3]
[R22[B(R21
【0058】
[化4]
[(R23ZH][B(R21
【0059】
前記化学式2乃至化学式4において、Bはホウ素原子;R21はフェニルであり、前記フェニルはフッ素原子、フッ素原子によって置換もしくは非置換の(C1−C20)アルキル、またはフッ素原子によって置換もしくは非置換の(C1−C20)アルコキシから選択された3乃至5個の置換基にさらに置換されることができて;R22は(C5−C7)芳香族ラジカルまたは(C1−C20)アルキル(C6−C20)アリールラジカル、(C6−C30)アリール(C1−C20)アルキルラジカル、例えばトリフェニルメチルラジカル;Zは窒素または燐原子であり;Rは(C1−C20)アルキルラジカルまたは窒素原子とともに2個の(C1−C10)アルキルに置換されたアニリニウムラジカルであり;pは2または3の整数である。
【0060】
前記ホウ素係助触媒の好ましい例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2、3、5、6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2、3、4、5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3、4、5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2、3、4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2、3、5、6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2、3、4、5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3、4、5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2、2、4−トリフルオロフェニル)ボレート、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボレートまたはテトラキス(3、5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートが挙げられる。また、これらの特定配合例としては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1、1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3、5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(3、5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N、N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N、N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N、N−2、4、6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N、N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3、5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、またはトリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが含まれ、このうちもっとも好ましいものはN、N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリフェニルメチルリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートまたはトリスペンタフルオロボランである。
【0061】
本発明において用いられるアルミニウム化合物は、化学式5または6のアルミノキサン化合物、化学式7の有機アルミニウム化合物または化学式8または化学式9の有機アルミニウムハイドロカルビルオキサイド化合物が用いられることができる。
【0062】
[化5]
(−Al(R31)−O−)
【0063】
[化6]
(R31Al−(−O(R31)−)−(R31
【0064】
[化7]
(R32Al(E)3−r
【0065】
[化8]
(R33AlOR34
【0066】
[化9]
33Al(OR34
【0067】
前記式において、R31は(C1−C20)アルキルであり、好ましくは、メチルまたはイソブチルであり、mとqは5乃至20の整数であり;R32、R33は(C1−C20)アルキル;Eは水素原子またはハロゲン原子;l、q、rは1乃至3の間の整数;R34は(C1−C20)アルキルまたは(C6−C30)アリールのうちから選択されることができる。
【0068】
前記アルミニウム化合物として用いることができる具体的な例としては、アルミノキサン化合物としてメチルアルミノキサン、改良メチルアルミノキサン、テトライソブチルアルミノキサンが挙げられ;有機アルミニウム化合物の例としてトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及びトリヘキシルアルミニウムを含むトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、及びジヘキシルアルミニウムクロライドを含むジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、及びヘキシルアルミニウムジクロライドを含むアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジプロピルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド及びジヘキシルアルミニウムヒドリドを含むジアルキルアルミニウムヒドリドが挙げられ、好ましくはトリアルキルアルミニウム、より好ましくはトリエチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムである。
【0069】
本発明による助触媒を含むエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造用の遷移金属触媒組成物においての遷移金属化合物と助触媒の割合の好ましい範囲は、中心金属:ホウ素原子:アルミニウム原子のモル比基準に1:0.1〜100:10〜1,000であり、より好ましくは1:0.5〜5:10〜500である。
【0070】
本発明の他の側面として、前記遷移金属触媒組成物を用いたエチレン重合体の製造方法は、適切な有機溶媒の存在下で、上述の遷移金属触媒、助触媒、及びエチレンまたは必要時にビニル系コモノマーを接触させて行われる。この際、遷移金属触媒と助触媒成分は別途に反応器内に投入したり、または各成分を予め混合して反応器に投入することができ、投入順序、温度または濃度などの混合条件は別途の制限がない。
【0071】
前記製造方法に用いられることができる好ましい有機溶媒は、C3−C20の炭化水素であり、その具体的な例としては、ブタン、イソブタン、ペンタン、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
【0072】
具体的には、エチレン単独重合体の製造時には単量体としてエチレンを単独で用いて、本発明に適したエチレンの圧力は1〜1000気圧であり、さらに好ましくは10〜150気圧である。また、重合反応温度は60℃〜250℃の間で、好ましくは80℃〜200℃で行われることが効果的である。
【0073】
また、エチレンとα−オレフィンの共重合体を製造する場合には、エチレンとともにコモノマーとしてC3〜C18のα−オレフィンを用いることができ、好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選択されることができる。より好ましくは、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテン、または1−デセンとエチレンを共重合させることができる。この場合、好ましいエチレンの圧力及び重合反応温度は、前記エチレン単独重合体の製造の場合と同一であり、本発明の方法によって製造された共重合体は、通常エチレン50重量%以上を含んで、好ましくは60重量%以上のエチレンを含んで、さらに好ましくは60乃至99重量%の範囲である。
【0074】
上述したように、コモノマーでC4〜C10のα−オレフィンを用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は0.910から0.940g/ccの密度領域を有し、0.910g/cc以下の超低密度ポリエチレン(VLDPEまたはULDPE)またはオレフィンエラストマー領域まで拡張が可能である。また、本発明によるエチレン単独重合体または共重合体の製造時、分子量を調節するために水素を分子量調節剤として用いることができ、通常80、000〜500、000範囲の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0075】
本発明において提示された触媒組成物は重合反応器内で均一な形態で存在するため、該当重合体の溶融点以上の温度で行う溶液重合工程に適用することが好ましい。しかし、アメリカ特許第4、752、597号に開示されたように、多孔性金属オキサイド支持体に前記遷移金属触媒及び助触媒を支持させて、非均一触媒組成物としてスラリー重合や気相重合工程に利用されることもできる。
【発明の効果】
【0076】
本発明による遷移金属化合物または前記遷移金属化合物を含む触媒組成物は、合成過程が単純であるため、経済的な方法で容易に製造することができ、また、触媒の熱的安定性が優れるため、高温でも高い触媒活性を維持しながら他のオレフィン類との共重合反応性が良好であり、高分子量の重合体を高い収率で製造することができるため、公知されたメタロセン及び非メタロセン系単一活性点触媒に比べて商業的な実用性が高い。従って、本発明による遷移金属触媒組成物は多様な物性を有するエチレン単独重合体またはα−オレフィンとの共重合体の製造に有用に用いられることができる。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、実施例を通じて本発明を具体的に説明するが、下記の実施例によって本発明の範疇が本発明を限定するのではない。
【0078】
別途に言及される場合を除いて、全てのリガンド及び触媒合成実験は窒素雰囲気下で標準シュレンク(Schlenk)またはグローブボックス技術を用いて行われ、反応に用いられる有機溶媒はナトリウム金属とベンゾフェノン下で還流させて水分を除去し、使用直前に蒸溜して用いた。合成されたリガンド及び触媒のH−NMR分析は常温でVarian Oxford 300 MHzを用いて行った。
【0079】
重合溶媒であるノルマルヘプタンは、分子体5Aと活性アルミナが充填された管を通過させて高純度の窒素でバブリングさせて、水分、酸素及びその他の触媒毒を十分に除去させた後用いた。重合された重合体は以下に説明された方法によって分析された。
【0080】
1.メルトインデックス(MI)
【0081】
ASTM D 2839に基づいて測定した。
【0082】
2.密度
【0083】
ASTM D 1505に基づいて、密度勾配管を用いて測定した。
【0084】
3.溶融点(Tm)分析
【0085】
Dupont DSC2910を用いて窒素雰囲気下で10℃/minの速度で2nd加熱条件で測定した。
【0086】
4.分子量及び分子量分布
【0087】
PL Mixed−BX2+preColが装着されたPL210 GPCを用いて、135℃で1.0mL/minの速度で1、2、3−卜リクロロベンゼン溶媒下で測定し、PLポリスチレン標準物質を用いて分子量を補正した。
【0088】
5.共重合体中のα−オレフィン含量(重量%)
【0089】
Bruker DRX500核磁気共鳴分光器を用いて、125MHzで1、2、4卜リクロロベンゼン/C(7/3重量分率)混合溶媒を用いて120℃で13C−NMRモードで測定した。(参考文献:Randal、J.C.JMS−Rev.Macromol.Chem.Phys.1980、C29、201)
【0090】
[製造例1]
【0091】
<(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−フェニルナフタレン−2−イルオキシ)チタン(IV)の合成>
【0092】
<1−ブロモ−2−メトキシナフタレンの合成>
【0093】
500mLの丸い3口フラスコに2−ブロモナフタレン−2−オール(30.0g、134.5mmol)、水酸化カリウム(KOH)(11.3g201.7mmol)とDMSO300mLを入れて、窒素雰囲気下で10分間撹拌させた後、氷水容器で反応物を冷却させた後、ヨードメタン(28.6g、201.7mmol)を徐々に滴下させる。ヨードメタンの注入が終わると、常温で12時間窒素雰囲気下で撹拌させた後、また50℃で1時間撹拌させた後、温度を常温に下げる。水500mLと混合した後、ジエチルエテルで抽出する。有機混合物を蒸溜水で3回洗った後、無水マグネシウムサルフェート(MgSO)で水分を除去した後、回転蒸発器で溶媒を除去し、シリカゲルクロマトグラフィー管を用いてノルマルへキサンで精製して、白色固形分である1−ブロモ−2−メトキシナフタレンの22.0g(収率69.0%)を得た。
【0094】
H−NMR(CDCl)δ=4.07(s、3H)、7.30−7.32(d、1H)、7.41−7.44(t、1H)、7.58−7.61(t、1H)、7.81−7.86(m、2H)、8.25−8.26(d、1H)ppm
【0095】
<2−メトキシ−1−フェニルナフタレンの合成>
【0096】
1−ブロモ−2−メトキシナフタレン(20.0g、84.4mmol)、フェニルボロン酸(11.3g、92.8mmol)、パラジウムアセテート(0.10g、0.46mmol)、トリフェニルホスフィン(0.85g、2.78mmol)及び燐酸カリウム(40.9g、177.9mmol)を入れたフラスコに、60mlの水と120mLのジメトキシエタン混合溶液を入れて6時間還流させる。常温で冷却させた後、塩化アンモニウム水溶液(150mL)と200mLのジエチルエテルを注入した後、有機層を分離して残留物をジエチルエテルで抽出し、集められた有機層をマグネシウムサルフェートで乾燥させた後、揮発物質を除去した後、シリカゲルクロマトグラフィー管を用いてへキサンで精製して、無色液体である2−メトキシ−1−フェニルナフタレン13.0g(収率66%)を得た。
【0097】
H−NMR(CDCl)δ=3.87(s、3H)、7.35−7.47(m、6H)、7.52−7.55(m、3H)、7.85−7.87(d、1H)、7.91−7.93(d、1H)ppm
【0098】
<1−フェニルナフタレン−2−オールの合成>
【0099】
2−メトキシ−1−フェニルナフタレン(13.0g、55.5mmol)を300mLのメチレンクロライドに溶かした後、−78℃で670mLのボロントリブロミド(1M−メチレンクロライド溶液)を滴下した後、徐々に温度を常温に上げて3時間反応させた。反応後、氷(150g)とジエチルエテル(250mL)混合溶液を投入した後、有機層を分離して水溶液層をジエチルエテルで抽出し、集められた有機層をマグネシウムサルフェートで乾燥させた後、揮発物質を除去した後、シリカゲルクロマトグラフィー管を用いてへキサンとメチレンクロライド混合溶液で精製して、白色固形分である1−フェニルナフタレン−2−オール10.0g(収率81.8%)を得た。
【0100】
H−NMR(CDCl)δ=7.29−7.31(d、1H)、7.35−7.39(m、2H)、7.53−7.56(t、1H)、7.61−7.64(t、2H)、7.83−7.86(m、2H)ppm
【0101】
<(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−フェニルナフタレン−2−イルオキシ)チタン(IV)の合成>
【0102】
1−フェニルナフタレン−2−オール(2.0g、9.1mmol)を100mLのトルエンに溶かした後、−78℃でノルマルブチルリチウム(2.5Mへキサン溶液、3.6mL)を徐々に注入した後、常温で12時間撹拌させる。反応物の温度を−78℃に下げた後、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン(IV)トリクロライド(2.5g、16.3mmol)を60mLのトルエンに溶かして徐々に添加し、12時間常温で反応させた。反応が完了されると、セルライトでフィルターして溶媒を除去し、精製されたトルエンとへキサンで−35℃で再結晶して濾過した後、減圧乾燥させて赤色の固体成分である(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−フェニルナフタレン−2−イルオキシ)チタン(IV)2.5g(収率58.2%)を得た。
【0103】
H−NMR(C)δ=1.87(s、15H)、7.27−7.32(m、3H)、7.43−7.46(t、2H)、7.58−7.60(m、3H)、7.70−7.73(t、1H)、7.92−7.94(t、1H)ppm
【0104】
Mass(APCI mode、m/z):471.83
【0105】
<実施例1>
【0106】
回分式重合装置を用いて次のようにエチレンと1−オクテンとの共重合を行った。
【0107】
十分に乾燥した後、窒素で置換させた2000mL容量のステンレススチール反応器にシクロヘキサン1140mLと1−オクテン60mlを入れた後、改良メチルアルミノキサン−7(AkzoNobel社、modified MAO−7、7wt%Al Isopar溶液)54.2mMトルエン溶液11.1mLを反応器に投入した。その後、反応器の温度を140℃まで加熱して、製造例1で合成した(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−フェニルナフタレン−2−イルオキシ)チタン(IV)(27mMトルエン溶液)0.4mLと0.6mLのトリフェニルメチルリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(99%、Boulder Scientific)10mMトルエン溶液を順次に投入した後、エチレンで反応器内の圧力を30kg/cmまで満たした後、連続的に供給して重合されるようにした。反応時間1分間最大温度172.8℃まで達し、1分が経過すると100mLの10vol%塩酸水溶液を含んだエチルアルコールを投入して重合を終了させた後、1.5Lのエタノールで1時間撹拌した後、反応生成物を濾過、分離した。回収された反応生成物を60℃の真空オーブンで8時間乾燥させた結果、42.0gの重合体が得られた。重合体の溶融点は85.3℃、メルトインデックスは17.7、密度は0.8893g/ccであり、ゲルクロマトグラフィーによる分析時、重量平均分子量(Mw)が53、600g/mol、分子量分布(Mw/Mn)が2.39であり、1−オクテン含量20.7重量%であった。
【0108】
<実施例2〜実施例7>
【0109】
連続式重合装置を用いて次のようにエチレンと1−オクテンとの共重合を行った。
【0110】
単一活性点触媒として製造例1で合成された(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1−フェニルナフタレン−2−イルオキシ)チタン(IV)が用いられた。触媒使用量は表1に示した通りである。Tiは単一活性点触媒、Alは助触媒であるトリイソブチルアルミニウム、Bはトリフェニルメチルリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートを夫々表す。触媒はトルエンに0.2g/lの濃度で溶解させて注入し、コモノマーとして1−オクテンを用いて合成を行った。反応器の転換率は夫々の反応条件で一つの重合体に重合する時の反応条件及び反応器内の温度勾配を通じて推測することができる。分子量は単一活性点触媒の場合、反応器温度及び1−オクテン含量の関数で制御し、下記表1にその条件を示している。
【0111】
【表1】

【0112】
−Ti:単一活性点触媒中のTiを意味する。
【0113】
−Al:助触媒トリイソブチルアルミニウムを表す。
【0114】
−B:助触媒トリフェニルメチルリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートを表す。
【0115】
上述の実施例から分かるように、高温(140℃以上)の条件下でも大きい重量平均分子量を有する重合体を小さい分子量分布で生産することができた。特に、エチレンと1−オクテンで低密度の共重合体を成功的に得ることができた。
【0116】
上述したように、本発明の実施例に対して詳細に記述したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、添付された請求範囲に定義された本発明の思想及び範囲を外れずに本発明を多様に変形して実施することができるであろう。従って、本発明の今後の実施例の変更は本発明の技術を外れることができないであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の遷移金属化合物。
【化1】

前記式において、Mは周期律表上の4族の遷移金属であり;
CpはMとη−結合することができるシクロペンタジエニル環またはシクロペンタジエニル環を含む融合環であり、前記シクロペンタジエニル環またはシクロペンタジエニルを含む融合環は、(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、または(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルにさらに置換されることができて;
Arは(C6−C30)アリールであり、前記Arはフルオレニルではなく;
及びXは、互いに独立に、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルホスフィン、(C6−C30)アリールフォスフィン、(C1−C20)アルキルメルカプト及び(C6−C30)アリールメルカプトからなる群より選択されて;
mは0乃至4から選択された整数であり、nは0乃至2から選択された整数であり、
Rは(C1−C10)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C13)アル(C1−C10)アルキル、又は、(C1−C10)アルコキシであり;
前記X及びXのアルキル、シクロアルキル、アルキルアリール、アラルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルホスフィン、アリールフォスフィン、アルキルメルカプト、アリールメルカプト、前記R、Rのアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、アルコキシ、及び、前記Arのアリールは、(C1−C10)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C13)アル(C1−C10)アルキル及び(C1−C10)アルコキシからなる群より選択される一つ以上の置換基にさらに置換されることができるか、或いは、これらのそれぞれが、融合環を含んでいてもよい(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンを介して隣接した置換体と連結されて、脂環族環又は単環若しくは多環の芳香族環を形成することができる。
【請求項2】
前記遷移金属化合物は下記から選択されることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属化合物。
【化1−1】

【化1−2】

【化1−3】

前記式において、
Mはチタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群より選択されて;
Cpはシクロペンタジエニルまたはペンタメチルシクロペンタジエニルであり;
及びXは塩素、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、ベンジル及びジメチルアミノからなる群より選択されて;
、R及びR11乃至R16は互いに独立的に水素原子、(C1−C10)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、(C6−C13)アリール、(C1−C10)アルキル(C6−C13)アリール、(C6−C13)アリール(C1−C10)アルキル及び(C1−C10)アルコキシからなる群より選択されることができる。
【請求項3】
前記遷移金属化合物は下記から選択されることを特徴とする請求項2に記載の遷移金属化合物。
【化1−1−1】

【化1−1−2】

【化1−1−3】

【化1−2−1】

【化1−2−2】

【化1−3−1】

【化1−3−2】

前記式において、
Cpはシクロペンタジエニルまたはペンタメチルシクロペンタジエニルであり;
及びXは塩素、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、ベンジル及びジメチルアミノからなる群より選択される。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項による遷移金属化合物、及び、
アルキルアルミノキサン若しくは有機アルミニウム助触媒、またはホウ素化合物助触媒、またはこれらの混合物を含む、エチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造用の遷移金属触媒組成物。
【請求項5】
前記遷移金属と前記助触媒の割合は、遷移金属(M):アルミニウムのモル比基準に1:50〜1:5,000で用いられることを特徴とする請求項4に記載のエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造用の遷移金属触媒組成物。
【請求項6】
前記アルキルアルミノキサン若しくは有機アルミニウム助触媒は、メチルアルミノキサン、改良メチルアルミノキサン、テトライソブチルアルミノキサン、トリアルキルアルミニウム、トリエチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウム、またはこれらの混合物から選択されたものであることを特徴とする請求項5に記載のエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造用の遷移金属触媒組成物。
【請求項7】
前記遷移金属化合物と助触媒の割合は、遷移金属M:ホウ素原子:アルミニウム原子のモル比が1:0.5〜5:10〜500の範囲であることを特徴とする請求項4に記載のエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造用の遷移金属触媒組成物。
【請求項8】
前記ホウ素化合物助触媒は、N、N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、またはトリフェニルメチルリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、またはこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項7に記載のエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造用の遷移金属触媒組成物。
【請求項9】
請求項4による遷移金属触媒組成物を用いたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造方法において、
前記エチレンと重合されるコモノマーは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン及び1−アイトセンから選択された1種以上であり、前記エチレンとオレフィンの共重合体中のエチレン含量は50乃至99重量%であることを特徴とするエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造方法。
【請求項10】
前記エチレン単量体の反応器内の圧力は、6〜150気圧であり、重合反応温度は60〜250℃であることを特徴とする請求項9に記載のエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体製造方法。
【請求項11】
請求項1から3の何れか一項による遷移金属化合物を触媒を用いて製造されたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体。
【請求項12】
請求項4による遷移金属化合物を触媒組成物を用いて製造されたエチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンの共重合体。

【公表番号】特表2012−504120(P2012−504120A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528935(P2011−528935)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005442
【国際公開番号】WO2010/038950
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(308007044)エスケー イノベーション  カンパニー リミテッド (53)
【氏名又は名称原語表記】SK INNOVATION CO.,LTD.
【Fターム(参考)】