説明

新規なヘテロアリール置換ベンゾオキサゾール

本発明は、下記の構造式(Ia)を有する新規なヘテロアリール置換ベンゾオキサゾール誘導体及びそれらの化合物の治療的な使用、それらの薬学的に許容される塩、組成物、並びに使用方法に関する。更に、本発明は、生きている患者におけるアミロイド沈着の画像化に適切な新規ヘテロアリール置換ベンゾオキサゾール誘導体、それらの組成、使用方法及びそれらの化合物を作る方法に関する。より具体的には、本発明は、アルツハイマー病の生前診断を可能にする、脳におけるアミロイド沈着を画像化する方法、並びにアルツハイマー病治療薬の臨床的有用性を評価する方法に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なヘテロアリール置換ベンゾオキサゾール誘導体及びそれらの化合物の治療的な使用に関する。さらに、本発明は、生きている患者のアミロイド沈着の画像化に適切な新規ヘテロアリール置換ベンゾオキサゾール誘導体、それらの組成、使用方法及びそれらの化合物を作る方法に関する。より具体的には、本発明は、アルツハイマー病の生前診断を可能にする生体内の脳のアミロイド沈着を画像化する方法、並びにアルツハイマー病治療薬の臨床的有用性を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミロイドーシスは、進行性で治療不能な原因不明の代謝性疾患であり、1つ又はそれ以上の器官若しくは体組織において、タンパク質が異常沈着することを特徴とする。アミロイドタンパク質は、例えば、異常機能している骨髄によって造られる。アミロイド沈着が堆積して正常な生体機能を損傷する場合に起こるアミロイドーシスは、臓器不全又は死を招く。それは、100万人に約8人が起こる希な病気である。その罹患は男女同等であり、通常40歳を過ぎてから発症する。少なくとも15種類のアミロイドーシスが確認されている。その各々は、異なる種類のタンパク質の沈着に関連している。
【0003】
アミロイドーシスの主要な形態は、原発性全身性、続発性、及び家族性又は遺伝性のアミロイドーシスである。また、アルツハイマー病に関連した別のタイプのアミロイドーシスもある。原発性全身性アミロイドーシスは、通常、50歳から60歳の間で発症する。年間約2,000の新たな症例が診断されている原発性全身性アミロイドーシスは、米国におけるこの疾患の最も一般的な形態である。また、それは軽鎖関連アミロイドーシスとしても知られており、多発性骨髄腫(骨髄癌)に関連して起こる可能性もある。続発性アミロイドーシスは、慢性感染症又は炎症性疾患の結果である。それはしばしば、家族性地中海熱(悪寒、脱力、頭痛及び繰り返し発熱が特徴の細菌感染症)、肉芽腫性回腸炎(小腸の炎症)、ホジキン病、ハンセン病、骨髄炎及び関節リウマチに関連する。
【0004】
家族性又は遺伝性アミロイドーシスは、唯一先天的なタイプの疾患である。それは、ほとんどの民族集団のメンバーで発症し、それぞれの家族は特徴的な症状パターン及び臓器障害を有する。遺伝性アミロイドーシスは、常染色体優性遺伝であると考えられており、それは、疾患を引き起こすためにたった1コピーの欠陥遺伝子が必要であることを意味する。家族性アミロイドーシスである親の子は、その病気を発症する五分五分の機会を有する。
【0005】
アミロイドーシスは、体のいかなる臓器又は系と関りを持つことが出来る。心臓、腎臓、胃腸系及び神経系は、最もしばしば影響を受ける。他のよく起こるアミロイド蓄積の部位としては、脳、関節、肝臓、脾臓、膵臓、呼吸器系及び皮膚が挙げられる。
【0006】
アルツハイマー病(AD)は、認知症の最も一般的なタイプであり、日常生活の正常な行動に支障を来すほど重篤な知能の喪失によって特徴づけられ、少なくとも6か月間持続し、生まれた時から存在するものではない神経疾患である。ADは、通常老齢期に発症し、記憶、推論及び計画のような認知機能の低下によって特徴づけられる。
【0007】
200万人から400万人の米国人がADに罹っており、その数は、全年齢の人口として21世紀の中期までに1,400万人ほどの大人数に増大することが見込まれる。少数の人は40歳及び50歳台で病気を発症するものの、ADは、圧倒的に高齢者に起こる。年齢65歳と74歳の間の全ての人の約3%、75歳と84歳の間の人の約20%、及び85歳以上の人の約50%がADに侵されている。女性がより長生きする傾向があることを考慮したとしても、僅かに女性の方が男性より多くADに罹患しており、それ故、最も多い罹患年齢層における女性の比率は高い。
【0008】
脳におけるアミロイドAβ−ペプチドの蓄積は、全てのタイプのADの病理学的特徴である。脳のアミロイドAβ−ペプチドの堆積が、ADの発症を推進する主たる作用であることは一般に認められている(Hardy J and Selkoe D.J., Science. 297: 353-356, 2002)。
【0009】
ポジトロン放出型断層撮影(PET)及び単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)のような撮像技術は、脳の中のアミロイド沈着を監視し、ADの進行にそれを関連させるのに有効である。これらの技術を適用するには、容易に脳に侵入し、生体内で選択的にアミロイド沈着に結合する放射性リガンドの開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
血液脳関門を通過することができ、従って診断に使用することができるアミロイド結合化合物が必要とされる。更に、AD斑(ADプラーク)の量の変化を測定して治療の効果を測定することによって、AD患者に施される治療の有効性を監視できることが重要である。
【0011】
検出可能なアミロイド結合化合物の特に関心のある特性としては、アミロイド沈着物に対する生体内での高い親和性及び高くて迅速な脳への侵入性の他に、正常な組織への低い非特異的結合及び正常組織からの迅速な除去性が挙げられる。これらの特性は、一般に化合物の親油性に依存する。TZDMはベンゾチアゾール化合物であり、それは、その正常な組織に対する高い非特異的結合性の故に生体内におけるアミロイド沈着物の画像化には理想的でないと思われている。対応するベンゾオキサゾール類似体のIBOXは、比較的高い脳内侵入性及び正常脳組織からの比較的迅速な除去性を有しており、従って、TZDMに対してそのような改善を構成している(Zhuang et al., Nucl. Med. Biol. 2001, 28, 887)。関連する類似体と比較して正常脳組織からの比較的高い除去性に一部基づいて、ヒト被験者での更なる評価のために、これらの中から[11C]PIBが選択された(Mathis et al.,J. Med. Chem. 2003, 46, 2740)。その後、PET技術によるヒトの生体内アミロイド沈着の検出のための[11C]PIBの利用に関する研究が行われた(Klunk et al., Ann Neurol. 2004, 55, 306)。この研究で、健常対照群と比較して、ADと診断された被験者において、脳の該当する領域における著しく高い[11C]PIBの滞留が観察された。関連する方法及び誘導体は国際特許公開公報第2002/16333号及び同第2004/08319号に記載されている。
【0012】
全脳領域の至る所に沈着するアミロイドの詳細な検出を可能にするに足る十分高い信号対雑音比を得るための、そして薬物療法に関連したアミロイドプラーク量(amyloid plaque load)に関する定量的な研究の信頼性を改善させる、改善された化合物が必要である。
【0013】
本発明は、既知のベンゾオキサゾール誘導体を超えるそのような予期し得ない改善をもたらす、とりわけ有利に関連する低い非特異的結合性及び迅速な脳除去性を提供する、ヘテロアリールで置換したベンゾオキサゾール誘導体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ADプラークの量の変化を測定することによって、直接又は間接的にADプラークに影響を及ぼす化合物又は治療の効果を測定する方法を提供する。
【0015】
本発明の第1の態様において、遊離塩基としての、式Ia:
【化1】

[式中、
R1は、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3 アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、ニトロ及びシアノから選択され;
R2は、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、C1−3 アルキレンOC1−3 アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)及びシアノから選択され;
【0016】
Qは、Q1〜Q5:
【化2】

式中
Q1は、1つ又は2つのN原子を含む6員環の芳香族ヘテロ環であり、ここで、X、X、X及びXは、独立にN又はCから選択され;X、X、X及びXの内の1つ又は2つはNであり、残りはCであり、そして原子XがCである場合、該Cは場合によりR4で置換され;XがCである場合、該Cは場合によりR5で置換され;
R3は、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(C0−3アルキレン)G2、N(C0−1アルキル)N(C0−1アルキル)、N(C0−1アルキル)OC0−1アルキル、NC1−3アルキル(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、(CO)G2、(CO)NHG2、SC1−3アルキル、SC1−3フルオロアルキル、SONH、SONHC1−3アルキル、SONHC1−3フルオロアルキル、SON(C1−3アルキル)、SON(C1−3 フルオロアルキル)、SON(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、シアノ及びG1から選択され、ここで、G1は下記の基:
【0017】
【化3】

であり;ここで、Xは、O、NH、NC1−3アルキル及びNC1−3フルオロアルキルから選択され;
G2は、フェニル、又は5若しくは6員環の芳香族ヘテロ環であり、そして、場合により、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル及びメトキシからの置換基で置換され;
R4は、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル及びNHC1−3フルオロアルキルから選択され;
R5は、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル及びNHC1−3フルオロアルキルから選択され;
R6は、水素、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル及び(CO)C1−4アルコキシから選択され;
R7は、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルコキシ及びC1−4フルオロアルコキシから選択される;
から選択される窒素を含有する芳香族ヘテロ環であり;そして、
式Iaの1つ又はそれ以上の原子は、場合により、検出可能な同位体である;
に記載の化合物であって;但し、
R1及びR2の両者がHであり、そしてX及びXの両者がNである場合、
R3はNH(C0−1アルキレン)G2、G1、クロロ、ヒドロキシ、SCH、NHC0−1アルキル、N(C1−2アルキル)、NHNH又はNHOHではなく;
R1及びR2の両者がHであり、そしてX及びXの内の一方がNであり他方がCである場合、R3はクロロ、ヒドロキシ又はメチルではなく;
R3がアミノであり、そしてX及びXの両者がNである場合、R1又はR2はメチル、エチル、クロロ又はブロモではなく;そして、
【0018】
該化合物は以下の化合物:
2−(5−アミノピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−アミン;
5−(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−フェニルピリミジン−2−アミン;
2−(5−メチルピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;又は
5−メチル−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;ではない]
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物が提供される。
【0019】
本発明の1つの態様において、遊離塩基としての、式I:
【化4】

[式中、
R1は、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、ニトロ及びシアノから選択され;
R2は、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)及びシアノから選択され;
R3は、ハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(C0−3アルキレン)G2、N(C0−1アルキル)N(C0−1アルキル)、N(C0−1アルキル)OC0−1アルキル、NC1−3アルキル(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、(CO)G2、(CO)NHG2、SC1−3アルキル、SC1−3フルオロアルキル、SONH、SONHC1−3 アルキル、SONHC1−3フルオロアルキル、SON(C1−3アルキル)、SON(C1−3フルオロアルキル)、SON(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、シアノ及びG1から選択され、ここで、G1は以下の基:
【0020】
【化5】

であり;ここで、Xは、O、NH、NC1−3アルキル及びNC1−3フルオロアルキルから選択され;
G2は、フェニル、又は5若しくは6員環の芳香族ヘテロ環であり、場合により、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル及びメトキシからの置換基で置換され;
Qは、1つ又は2つのN原子を含む6員環の芳香族ヘテロ環であり、ここで、
、X、X及びXは、独立にN又はCから選択され、かつ、X、X、X及びXの内の1つ又は2つはNであり、残りはCであり、そして、X、X、X及びXに結合している置換基は、この原子がCである場合水素であり;そして、
式Iの1つ又はそれ以上の原子は、場合により、検出可能な同位体である:
で表わされる化合物であって、但し、
R1及びR2の両者がHであり、そしてX及びXの両者がNである場合、R3はNH(C0−1アルキレン)G2、G1、クロロ、ヒドロキシ、SCH、NHC0−1アルキル、N(C1−2アルキル)、NHNH又はNHOHではなく;
R1及びR2の両者がHであり、そしてX及びXの内の一方がNであり他方がCである場合、R3はクロロ、ヒドロキシ又はメチルではなく;そして、
該化合物は以下の化合物:
2−(5−アミノピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−アミン;
5−(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−フェニルピリミジン−2−アミン;
2−(5−メチルピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;又は
5−メチル−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;ではない]
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、若しくはその塩の溶媒和物が提供される。
【0021】
2−(5−アミノピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−アミン、5−(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン、5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−フェニルピリミジン−2−アミン、2−(5−メチルピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール及び5−メチル−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾールの化合物は、以下に提示した構造を有し、そして別の目的で、日本特許第1988/094248号;Yoshino et al. , J. Med. Chem. 1989, 32, 1528; Yamaguchi et al., Nippon Kagaku Kaishi 1973, 5, 991; Thakak et al., J. Ind. Chem. Soc. 1984, 61, 550; Maruyama et al., Kogyo Kagaku Zasshi 1965, 68, 2423, and Jayanth et al., Ind. J. Chem. 1973, 11, 1112に提示されたようにすでに記載されている。
【0022】
【化6】

【0023】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R1が、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル及び(CO)C1−3アルコキシから選択される化合物が提供される。
【0024】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R1が、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル、C1−6フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3フルオロアルキル及び(CO)C1−3アルコキシから選択される化合物が提供される。
【0025】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R1が、ヒドロキシ、(CO)C1−3アルコキシ及びC1−6アルコキシから選択され、該C1−6アルコキシがメトキシである化合物が提供される。
【0026】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R2が、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル及び(CO)NHC1−3フルオロアルキルから選択される化合物が提供される。
【0027】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R2が、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル、C1−6フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシから選択され、該C1−6アルコキシが、メトキシ、NHC1−3アルキル及び(CO)NHである化合物が提供される。
【0028】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R2が水素である化合物が提供される。
【0029】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、QがQ1である化合物が提供される。
【0030】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R3が、フルオロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、NC1−3アルキル(CO)C1−3アルキル、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル及びG1から選択され、かつ、Xが、O、NH、NMe及びNC1−3フルオロアルキルから選択される化合物が提供される。
【0031】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R3が、フルオロ、ブロモ、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、NC1−3アルキル(CO)C1−3アルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3フルオロアルキル及びG1から選択され、かつ、G1が:
【化7】

であり、そしてXがOである化合物が提供される。
【0032】
本発明の1つの態様において、R3は、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、N(C1−3 アルキル)、NHC1−3フルオロアルキル及びNC1−3アルキル(CO)C1−3アルキルから選択される。
【0033】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、Qがピリジン環であり、かつ、X及びXが独立にN又はCから選択され、そしてX及びXの内の1つがNであり、X、X、X及びXの内の残りがCである化合物が提供される。
【0034】
この態様の1つの実施態様において、Q1はピリジン環であり、ここで、XはNであり、そしてX、X及びXはCである。
【0035】
この態様の1つの実施態様において、Q1はピリジン環であり、ここで、XはNであり、そしてX、X及びXはCである。
【0036】
この態様の1つの実施態様において、Q1はピリジン環であり、ここで、XはNであり、そして、X、X及びXはCである。
【0037】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、Qがピリミジン環であり、かつ、X及びXはNであり、そしてX及びXはCである化合物が提供される。
【0038】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R5がフルオロ及びC1−4アルキルから選択される化合物が提供される。
【0039】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R1がヒドロキシ又はC1−6アルコキシから選択され、該C1−6アルコキシがメトキシであり;R2が水素であり、R3が、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、N(C1−3 アルキル)、NHC1−3フルオロアルキル及びNC1−3アルキル(CO)C1−3アルキルから選択され;Qがピリジン環であり、ここで、X及びXが独立にN又はCから選択され、そしてX及びXの内の1つがNであり、X、X、X及びXの内の残りがCである化合物が提供される。
【0040】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、QがQ2、Q4及びQ5から選択される化合物が提供される。
【0041】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、QがQ5であり、R1がC1−6アルコキシであり、該C1−6アルコキシがメトキシであり、そしてR2が水素である化合物が提供される。
【0042】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、QがQ4であり、R1がC1−6アルコキシであり、該C1−6アルコキシがメトキシであり、R2が水素であり、R6が(CO)C1−4アルコキシであり、そしてR7がC1−4アルコキシである化合物が提供される。
【0043】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、QがQ2であり、R1がC1−6アルコキシであり、該C1−6アルコキシがメトキシであり、R2が水素である化合物が提供される。
【0044】
本発明の別の態様において、遊離塩基としての式I又はIaの化合物であって、以下の化合物:
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン;
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン;
N−[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]−N−メチルアセトアミド;
2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
[N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン;
[N−メチル−]−2−(6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール;
[O−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−メチル−アミン;
[N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−メチル−アミン;
[N−メチル−]−2−(6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(5−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン;
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−5−オール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリミジン−2−アミン;
2−[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−(6−ブロモピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
2−[6−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
【0045】
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン;
N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
[N−メチル−]− 2−(2−ジメチルアミノ−ピリミジン−5−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリミジン−2−アミン;
2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;
6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)ベンゾオキサゾール;
2−ベンゾフラン−2−イル−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
5−メトキシ−2−(6−メトキシベンゾオキサゾール−2−イル)インドール−1−カルボン酸tert−ブチル;
2−(6−フルオロ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
2−(5−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
2−(1H−インドール−5−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロピリジン;
2−[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−カルボン酸メチル;及び
2−{6−[(2−フルオロエチル)アミノ]ピリジン−3−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
から選択される化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物が提供される。
【0046】
本発明の別の態様において、11C、18F、123I又は125Iのグループに属する1つの原子を含む式Iaの化合物であって、ここで、
R1及びR2の内の一方が、ヒドロキシ、ヨード、123I、125I又は[11C]メトキシであり、R1及びR2の内の他方がHであり;
R3が、NHMe、NMe、NH11CH、N(Me)11CH、NHCHCH18F 及びOCHCH18Fから選択され;
QがQ1であり、ここで、X及びXが独立にN又はCから選択され、そしてX及びXがCである;
化合物が提供される。
【0047】
本発明の別の態様において、11C、123I又は125Iのグループに属する1つの原子を含む式Iの化合物であって、ここで、
R1及びR2の内の一方が、ヒドロキシ、ヨード、123I、125I又は[11C]メトキシであり、R1及びR2の内の他方がHであり;
R3が、NHMe、NMe、NH11CH及びN(Me)11CHから選択され;
Qはピリジン環であり、ここで、X及びXが独立にN又はCから選択され、X及びXの内の1つがNであり、そしてX、X、X及びXの内の残りがCである化合物が提供される。
【0048】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R1の1つ又はそれ以上の原子が放射性標識原子である化合物が提供される。
【0049】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R2の1つ又はそれ以上の原子が放射性標識原子である化合物が提供される。
【0050】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、R3の1つ又はそれ以上の原子が放射性標識原子である化合物が提供される。
【0051】
本発明の別の態様において、式I又はIaの化合物であって、該放射性標識原子が、H、18F、19F、11C、13C、14C、75Br、76Br、120I、123I、125I及び131Iから選択される化合物が提供される。
【0052】
この態様の1つの実施態様において、該放射性標識原子は、H、18F、19F、11C、14C及び123Iから選択される。
【0053】
この態様の1つの実施態様において、該放射性標識原子は、123I、18F及び11Cから選択される。
【0054】
この態様の1つの実施態様において、該放射性標識原子は11Cである。
【0055】
この態様の1つの実施態様において、該放射性標識原子は18Fである。
【0056】
この態様の1つの実施態様において、該放射性標識原子は123Iである。
【0057】
本発明の別の態様において、遊離塩基としての、式Ib:
【化8】

式中
Zは、1つ又は2つのN原子を含有する6員環の芳香族ヘテロ環であり、ここで、X、X及びXは、独立にN又はCから選択され、そしてX、X及びXの内の1つ又は2つはNであり、残りはCであり、そしてXはCであり、該Cは場合によりR9で置換され;
R8は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選択され;
R9は、H、ブロモ、フルオロ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選択され;
R10は、アミノ、メチルアミノ、NH(CH2−4G7、ジメチルアミノ、メトキシ、ヒドロキシ、(CO)NH、(CO)NH(CH2−4G7及びO(CH2−4G7から選択され;
R11は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、(CO)NH、(CO)NH(CH2−4G7、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選択され;
G3は、C1−4アルキル及びフェニルから選択され;
G4は、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1−3アルコキシ、2−(C1−3アルコキシ)エトキシ、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル及び9−アントリルから選択され;
G5は、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルから選択され;
IG6は、ヨードニウム塩の構成成分であり、ここで、ヨード原子は、超原子価のものであって正の形式電荷を有し、G6はフェニルであり、場合により、メチル及びブロモから選択される1つの置換基で置換され;
G7は、ブロモ、ヨード、OSOCF、OSOCH及びOSOフェニルから選択され、該フェニルは、場合により、メチル又はブロモで置換され;
式Ibに関連して、R8、R9、R10及びR11から選択される1つ又はいくつかの置換基は、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、NH(CH2−4G7、CO)NH(CH2−4G7及びO(CH2−4G7から選択される官能基の1つである;
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物が提供される。
【0058】
本発明の別の態様において、式Ibの化合物であって、R8がHであり;R9がHであり;R10が、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、NH(CH2−4G7、メトキシ、ヒドロキシ、(CO)NH 、(CO)NH(CH2−4G7及びO(CH2−4G7から選択され;R11が、OSi(CHC(CH、(CO)NH、(CO)NH(CH2−4G7、H、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、
Sn(C1−4 アルキル)及びNから選択される化合物が提供される。
【0059】
本発明の別の態様において、式Ibの化合物であって、X及びXがCであり、そしてXがNである化合物が提供される。
【0060】
本発明の別の態様において、式Ibの化合物であって、Zがピリジン環であり、X及びXがCであり、そしてXがNである化合物が提供される。
【0061】
本発明の別の態様において、式Ibの化合物であって、X及びXがNであり、そしてXがCである化合物が提供される。
【0062】
本発明の別の態様において、式Ibの化合物であって、以下の化合物:
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン;
2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−5−オール;
2−[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−(6−ブロモピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリミジン−2−アミン;
2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−(6−フルオロ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
2−(1H−インドール−5−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロピリジン;
2−(6−アミノピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(6−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン;
[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル;及び
[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル;
から選択される化合物が提供される。
【0063】
本発明の別の態様において、標識化合物の製造方法における合成前駆体としての式Ibの化合物の使用であって、該標識が1つの[11C]メチル基によって構成される使用が提供される。
【0064】
本発明の別の態様において、標識化合物の製造方法における合成前駆体としての式Ibの化合物の使用であって、該標識が1つの18F原子で構成される使用が提供される。
【0065】
本発明の別の態様において、標識化合物の製造方法における合成前駆体としての式Ibの化合物の使用であって、該標識が120I、123I、125I及び131Iから選択される1つの原子で構成される使用が提供される。
【0066】
本発明の別の態様において、薬学的に許容される担体と共に式I又はIaの化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0067】
本発明の別の態様において、薬学的に許容される担体と共に式I又は式Iaの化合物を含む、アミロイド沈着の生体内画像化のための医薬組成物が提供される。
【0068】
本発明の別の態様において、被験者におけるアミロイド沈着を生体内で測定する方法であって、(a)式I又はIaの化合物を含む医薬組成物の検出可能な量を薬学的に許容される担体と共に投与し;そして被験者のアミロイド沈着に対する該化合物の結合を検出する;工程を含む方法が提供される。
【0069】
本発明の別の態様において、該検出は、ガンマ線画像化、磁気共鳴映像法及び磁気共鳴分光法によって行われる。
【0070】
本発明の別の態様において、被験者がアルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子のホモ接合体から成るグループから選択される疾患又は症候群を有することが疑われる、アミロイド沈着を測定する該方法が提供される。
【0071】
本発明の別の態様において、治療に使用するための式I又はIaの化合物が提供される。
【0072】
本発明の別の態様において、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポ蛋白質E4対立遺伝子のホモ接合体の予防及び/又は治療のための医薬品製造における、式I又はIaの化合物の使用が提供される。
【0073】
定義
本明細書において、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として用いられる「アルキル」、「アルキレニル」又は「アルキレン」は、1〜12個の炭素原子を有する分枝鎖状及び直鎖状の両者の飽和脂肪族炭化水素を含むことを意味し、又は特定の炭素原子数が提示されている場合は、その特定の数を意味する。例えば、「C1−6アルキル」は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。アルキル基を意味する特定数が整数0(ゼロ)である場合、水素原子はアルキル基の位置における置換基として表わされる。例えば、「NH(Cアルキル)」は、「NH」(アミノ)と同等である。アルキレニル又はアルキレン基を意味する特定数が整数0(ゼロ)である場合、結合がアルキレニル又はアルキレン基が置換している基に連結していることを意味する。例えば、「NH(Cアルキレン)NH」は、「NHNH」(ヒドラジノ)」と同等である。本明細書で使用する、アルキレニル又はアルキレン基により結合される基は、アルキレニル又はアルキレン基の最初と最後の炭素原子に結合することを意味する。メチレンの場合、最初及び最後の炭素は同一である。
【0074】
アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0075】
アルキレン又はアルキレニルの例としては、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0076】
本明細書で使用されるように、「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、酸素橋を経由して結合した、指定された炭素原子数を有する上記で定義されたアルキル基を表わす。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、シクロプロピルメトキシ、アリルオキシ及びプロパルギルオキシが挙げられるが、それらに限定されない。同様に、「アルキルチオ」又は「チオアルコキシ」は、硫黄橋を経由して結合された、指定された炭素原子数を有する上記で定義されたアルキル基を表わす。
【0077】
本明細書で使用されるように、単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞で使用される「フルオロアルキル」、「フルオロアルキレン」及び「フルオロアルコキシ」は、対応するアルキル、アルキレン及びアルコキシ基の炭素原子に結合する1個、2個又は3個の水素原子がフッ素で置換された基を意味する。フルオロアルキル基の例としては、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロエチル及び3−フルオロプロピルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0078】
フルオロアルキレンの例としては、ジフルオロメチレン、フルオロメチレン、2,2−ジフルオロブチレン及び2,2,3−トリフルオロブチレンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0079】
フルオロアルコキシの例としては、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ及び2,2−ジフルオロプロポキシが挙げられるが、それらに限定されない。
【0080】
本明細書で使用されるように、「芳香族」は、芳香族特性(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有し、そして約14個までの炭素原子を含む、1つ又はそれ以上の不飽和炭素環を有する炭化水素基を意味する。更に、「ヘテロ芳香族」は、炭素、及び1つ又はそれ以上の窒素、酸素又は硫黄などのヘテロ原子を含み、芳香族特性(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有する1つ又はそれ以上の環を有する基を意味する。
【0081】
本明細書で使用されるように、「アリール」は、5〜14個の炭素原子から成る芳香族環構造を意味する。5、6、7又は8個の炭素原子を含む環構造は、単環の芳香族基、例えば、フェニルである。8、9、10、11、12、13又は14個の原子を含む環構造は、多環、例えば、ナフチルである。芳香族環は、1つ又はそれ以上の位置において、上記に記載された置換基で置換することができる。用語「アリール」としては、また2つ又はそれ以上の環を含む多環系が挙げられ、この場合、2つ又はそれ以上の炭素が、隣接する2環に共有され(環は「縮合環」である)、ここで、少なくとも1つの環は芳香族環であり、例えば、他の環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール及び/又はヘテロ環であっても良い。用語オルト、メタ及びパラは、1,2−、1,3−及び1,4−置換ベンゼンにそれぞれ適用される。例えば、1,2−ジメチルベンゼン及びオルト−ジメチルベンゼンの名称は同意語である。
【0082】
本明細書で使用されるように、用語「シクロアルキル」は、特定の炭素原子数を有する飽和の環基を意味する。これらは、縮合又は橋掛けの多環系を含んでも良い。好ましいシクロアルキルは、環構造に3〜10個の炭素原子を有し、そしてより好ましくは、環構造に3、4、5又は6個の炭素原子を有する。例えば、「C3−6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルなどを意味する。
【0083】
本明細書で使用されるように、用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。「対イオン」は、クロリド、ブロミド、ヒドロキシト゛、アセテート、トシレート、ベンゼンスルホネートなどの、小さい負に荷電した種を表わすために用いられる。
【0084】
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロシクリル」又は「ヘテロサイクリック」又は「ヘテロ環」は、飽和、不飽和又は部分飽和で、単環、二環又は三環(特に指示がない限り)で、3〜20個の原子を含み、その内1、2、3、4又は5個の環原子は、窒素、硫黄又は酸素から選択され、それらは、特に指示のない限り、炭素又は窒素に結合し、ここで、−CH−基は、場合により−C(O)−で代替され;そして、反対の記述がない限り、環の窒素又は硫黄原子は、場合により酸化されてN−オキシド又はS−オキシドを形成し、又は環の窒素原子は、場合により四級化され;ここで、−NHは、場合によりアセチル、ホルミル、メチル又はメシルで置換され;そして環は、場合により1つ又はそれ以上のハロで置換される。当然ながら、ヘテロ環におけるS及びO原子の合計数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しない。該ヘテロ環基が二環又は三環の場合、少なくとも1つの環が非ヘテロ芳香族である条件下では、少なくとも1つの環は、場合によりヘテロ芳香族又は芳香族環であっても良い。該ヘテロ環基が単環である場合、それは芳香族ではあり得ない。ヘテロ環基の例としては、ピペリジニル、N−アセチルピペリジニル、N−メチルピペリジニル、N−ホルミルピペラジニル、N−メシルピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、モルホリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロフラニル及び2,5−ジオキソイミダゾリジニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0085】
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロアリール」は、硫黄、酸素又は窒素などの少なくとも1つのヘテロ環原子を有するヘテロ芳香族ヘテロ環を意味する。ヘテロアリール基は、単環及び多環(例えば、2、3又は4個の縮合環を有する)系を含む。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル(即ち、ピリジニル)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル(即ち、フラニル)、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。ある実施態様においては、ヘテロアリール基は、1〜約20個の炭素原子を有し、そして更なる実施態様において、3〜約20個の炭素原子を有する。ある実施態様において、ヘテロアリール基は、3〜約14個、4〜約14個、3〜約7個、又は5〜6個の環構成原子を含む。ある実施態様においては、ヘテロアリール基は、1〜約4個、1〜約3個又は1〜2個のヘテロ原子を含む。ある実施態様においては、ヘテロアリール基は、1個のヘテロ原子を有する。
【0086】
本明細書で使用されるように、語句「保護基」は、潜在的に反応性を有する官能基を、望ましくない化学的転換から保護する一時的な置換基を意味する。その様な保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル並びにアルデヒド及びケトンのアセタール及びケタールがそれぞれ挙げられる。
【0087】
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容される塩」は、本明細書においては、これらの化合物、物質、組成物及び/又は剤形を述べるために使用され、それらは、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織に接触し、過剰の毒性、刺激症、アレルギー応答若しくはその他の問題又は混乱のない使用に対して適切であり、釣り合いの取れた合理的な利益/リスク比を有する。
【0088】
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容される塩」は、開示された化合物の誘導体を意味し、ここで、親化合物は、その酸又は塩基塩を形成することにより修飾される。薬学的に許容される塩の例としては、アミンの様な塩基残基の鉱酸又は有機酸との塩;カルボン酸などの酸残基のアルカリ又は有機塩基との塩が挙げられるが、それらに限定されない。薬学的に許容される塩は、例えば、非毒性の無機又は有機酸から生成される親化合物の従来型の非毒性の塩又は第四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、その様な従来型の非毒性塩としては、塩酸、リン酸などの無機酸から誘導される塩;そして乳酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、メタンスルホン酸などの有機酸から製造される塩が挙げられる。
【0089】
本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性又は酸性部分を含む親化合物から従来の化学的方法により製造することができる。一般的には、その様な塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基形態を、水中、又は有機溶媒中、又は両者の混合物中で、適切な塩基又は酸の化学量論量と反応させることにより製造することができ;一般的には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルなどの非水媒体が用いられる。
【0090】
本明細書で使用されるように、「生体内で加水分解可能な前駆体」とは、カルボキシ又はヒドロキシ基を含む式Iの化合物の生体内で加水分解可能な(又は開裂可能な)エステルを意味する。例えば、アミノ酸エステル、メトキシメチルなどのC1−6アルコキシメチル;ピバロイルオキシメチルなどのC1−6アルカノイルオキシメチルエステル;1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、アセトキシメトキシ又はホスホルアミド環状エステルなどの、C3−8シクロアルコキシカルボニルオキシC1−6アルキルエステルがある。
【0091】
本明細書で使用されるように、「互変異性体」は、水素原子の移動から生成する、平衡状態において存在する別構造の異性体を意味する。例えば、生成化合物が、ケトン及び不飽和のアルコールの両方の性質を有するケト−エノール互変異性がある。
【0092】
本明細書で使用されるように、「安定な化合物」及び「安定な構造」とは、反応混合物から有用な純度で単離し、そして有効な治療又は診断薬へ処方するのに耐えるほど十分安定な化合物であることを意味する。
【0093】
本発明の化合物は、更に、水和物及び溶媒和物を含む。
【0094】
本発明は、アイソトープ標識した本発明の化合物を包含する。「アイソトープ標識した」、「放射性標識した」、「標識した」、「検出可能な」又は「検出可能なアミロイド結合性の」化合物若しくは「放射性リガンド」は、1個又はそれ以上の原子が自然(即ち、天然物)に一般に存在する原子量又は質量数とは違う原子量又は質量数を有する原子によって置換又は代用されている本発明の化合物である。本発明の化合物に組み込まれてもよい適切な放射性核種(即ち、「検知可能なアイソトープ」)としては、H(重水素はDとも書かれる)、H(トリチウムはTとも書かれる)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I及び131Iが挙げられるが、これらに限定されない。即時の放射性標識化合物に組み込まれる放射性核種は、その放射性標識化合物の具体的な用途に依存する。例えば、生体外のプラーク又は受容体の標識及び競合アッセイのためには、一般にH、14C又は125Iを組込んだ化合物が最も有用になる。生体内の画像化の用途には、11C、13C、18F、19F、120I、123I、131I、75Br又は76Brが一般に最も有用になる。
【0095】
「有効な量」の例は、アミロイド沈着の画像化を生体内で可能にする量、薬学的な使用に対して許容されるレベルの毒性及び生物学的利用能を生み出す量、及び/又は、原線維形成に関連した細胞変性及び毒性を防ぐ量を包含する。
【0096】
本発明は、またアミロイド画像化剤として、放射性標識ヘテロアリール置換ベンゾオキサゾールを提供する。
【0097】
使用方法
本発明の化合物は、脳を含む動物の臓器又は体領域における1個又はそれ以上のアミロイド沈着の存在、位置及び/又は量を測定するために使用することができる。アミロイド沈着は、Aβの沈着を含むがこれに限定されない。本発明の化合物は、更にアミロイド沈着の時間的な経過の追跡を可能にし、アミロイド沈着を、疾患、障害又は状態に関連する臨床症状の発現と相関させるために使用することができる。本発明の化合物は、究極的には、AD、家族性AD、ダウン症候群、アミロイドーシス及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子のホモ接合体のようなアミロイド沈着によって特徴付けられる疾患、障害又は状態、及びそれらの診断に使用することができる。
【0098】
本発明の方法は、患者の臓器又は体領域、好ましくは脳におけるアミロイド沈着の有無及び位置を測定する。本発明の方法は、患者に、「検出可能な化合物」と呼ばれる本発明のアミロイド結合化合物又は薬学的に許容される水溶性のその塩を含有する、検出可能な量の医薬組成物を投与することを含む。「検出可能な量」とは、投与される検出可能な化合物の量が、化合物とアミロイドとの結合の検出を可能にするのに十分であることを意味する。「画像化に有効な量」は、投与される検出可能な化合物の量が、化合物とアミロイドとの結合の画像化を可能にするのに十分であることを意味する。
【0099】
本発明は、磁気共鳴分光法(MRS)若しくは磁気共鳴映像法(MINI)、又はポジトロン放出断層撮影法(PET)若しくは単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)などのガンマ線画像化のような非侵襲的神経画像技術と共に、生体内のアミロイド沈着を定量するために用いるアミロイドプローブを使用する。用語の「生体内画像化」は、本明細書に記載される標識したヘテロアリール置換ベンゾオキサゾール誘導体の検出が可能ないかなる方法をも指す。ガンマ線画像化については、検査する臓器又は領域から放出される放射線が測定され、そして総結合としての又は1つの組織における総結合が、同じ生体内画像化処置の同一患者の別の組織の総結合に対して標準化された(例えば、それで除した)比率として表示される。生体内総結合は、同じ量の標識化合物に非標識である以外は化学的に同一な化合物の大過剰を加えた、別の注入による補正を必要としない生体内画像化技術によって、組織に検出される全シグナルであると定義される。「対象」は、哺乳類、好ましくはヒトであり、そして最も好ましくは認知症であることが疑われる人間である。
【0100】
生体内画像化の目的のために使用できる検出装置の型式は、所定の標識の選択における主要な因子である。例えば、ラジオアイソトープ及び19Fは、本発明の方法における生体内画像化のために特に適切である。使用される装置の種類が、放射性核種又は安定なアイソトープを選択することになる。例えば、選択される放射性核種は、所定の型式の装置によって検出可能なある種の崩壊を有するものでなければならない。
【0101】
別の考慮すべきことは、放射性核種の半減期に関することである。半減期は、標的による最大取り込み時に依然として検出可能であるだけ十分長く、しかし宿主が有害な放射線を受けないだけ十分に短くあるべきである。本発明の放射性標識化合物は、ガンマ線画像化によって検出することが出来、この場合、放射される適切な波長のガンマ線照射が検出される。ガンマ線画像化の方法としては、SPECT及びPETが挙げられるが、これらに限定されない。SPECT検出のためには、好ましくは、選択した放射性標識は、粒子状の放射は無いが、140〜200のkeVの 範囲で多数の光子を発生させるものである。
【0102】
PET検出のためには、放射性標識は、18F又は11Cのような、PETカメラで検出される2つのガンマ線を出して消滅するポジトロン放出放射性核種になる。
【0103】
本発明において、生体内アミロイド沈着の画像化及び定量に有用なアミロイド結合化合物/プローブが作られる。これらの化合物は、磁気共鳴分光法(MRS)又は磁気共鳴映像法(MRI)、ポジトロン放出断層撮影法(PET)、及び単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)のような非侵襲的神経画像技術と併せて使用されるものである。本発明によれば、ヘテロアリール置換ベンゾオキサゾール誘導体は、MRS/MRI用に、業界に公知の一般的な有機化学的技術によって19F 又は13Cで標識されてもよい。本化合物は、またPET用に、業界に公知の技術によって18F、11C、75Br、76Br又は120Iで放射性標識されてもよく、そしてそれらはFowler, J. and Wolf,
A., POSITRON EMISSION TOMOGRAPHY AND AUTORADIOGRAPHY 391-450 (Raven Press, 1986)に記載されている。本化合物は、またSPECT用に、業界に公知の数種の技術の何れかによって、123I 及び 131Iで放射線標識されてもよい。例えば、Kulkarni, Int. J. Rad. Appl. & Inst.(Part B)18: 647(1991) を参照されたい。本化合物は、またテクネチウム−99m(99mTc)のような公知の放射性金属標識物によって放射性標識されてもよい。そのような金属イオンを結合するリガンドを導入する置換基の修飾は、放射性標識業界の当業者によって、余計な実験をすることなく達成される。金属放射性標識化合物は、次いでアミロイド沈着を検出するために用いることができる。Tc−99mの放射性標識誘導体の調製は、業界に周知である。例えば、Zhuang et al., Nuclear Medicine & Biology 26(2):217-24, (1999); Oya et al., Nuclear Medicine & Biology 25(2):135-40, (1998), 及びHom et al.,Nuclear Medicine & Biology 24(6):485-98, (1997) を参照されたい。また、生体外で死後サンプルのアミロイドプラークを検出するために、本化合物は、当業者の知る方法によって、H、14C及び125Iで標識されてもよい。
【0104】
本発明の方法は、生体内の画像化及び分光分析のために、核磁気共鳴分光法によって検出可能なアイソトープを利用することができる。磁気共鳴分光法に特に有用な元素としては、19F及び13Cが挙げられる。
【0105】
本発明の目的のための適切なラジオアイソトープとしては、β線放射体、γ線放射体、ポジトロン放射体、及びX線放射体が挙げられる。これらのラジオアイソトープとしては、120I、123I、131I、125I、18F、11C、75Br及び76Brが挙げられる。本発明による、磁気共鳴映像法(MRI)又は磁気共鳴分光法(MRS)に使用するための適切な安定性の良いアイソトープとしては、19F 及び13Cが挙げられる。生検又は死後組織ホモジネート中のアミロイドの生体外定量化のために適切なラジオアイソトープとしては、125I、14C及びHが挙げられる。好ましい放射性標識は、PETの生体内画像化への使用には11C及び18F、SPECT画像化への使用には123I、MRS/MRIには19F、並びに生体外研究にはH及び14Cである。しかし、診断プローブを視覚化するための従来のいかなる方法も、本発明に従って利用することができる。
【0106】
本発明の化合物は、当業者に公知の如何なる手段によっても投与することができる。例えば、動物への投与は局部的又は全身的であってもよく、そして経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、直腸に、経鼻的に、口腔に、経膣的に、又は埋め込み容器経由で行われてもよい。本明細書で用いるように、用語の「非経口的」には、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、心室内、胸骨内、頭蓋内及び骨内への注射並びに注入技術が含まれる。
【0107】
実際の投与プロトコルは、患者の年齢、体重、健康状態、性別及び食事を含むさまざまな要因に依存して変化する;具体的な投与方法の決定は、いずれの当業者にとっても日常的に行い得るであろう。
【0108】
用量レベルが約0.001μg/kg/日から約10,000mg/kg/日の桁の本発明の化合物は、本発明の方法に有用である。1つの実施態様では、用量レベルは、約0.001μg/kg/日から約10g/kg/日である。別の実施態様において、用量レベルは、約0.01μg/kg/日から約1.0g/kg/日である。さらに別の実施態様では、用量レベルは、約0.1mg/kg/日から約100mg/kg/日である。
【0109】
何れの特定の患者の具体的な用量レベルも、使用される特定の化合物の活性及び見込まれる毒性;患者の年齢、体重、健康状態、性別及び食事;投与時間;排泄速度;薬物併用;及び投与形態を含む様々な因子に依存して変わる。一般に、インビトロの用量対効果の成績は、患者への投与のための適正用量について有用な指針を提供する。動物モデルでの試験もまた役に立つ。適正な用量レベルを決定するために考慮すべき事柄は、業界では周知であり、そして通常の医師の技量の範囲である。
【0110】
本発明の方法の治療を有効にするために、薬物送達のタイミング及び順序を制御するための何れかの既知の投与計画を使用してもよく、必要に応じて繰り返してもよい。
【0111】
投与計画には、追加の治療用薬剤による前処理及び/又は併用投与が含まれてもよい。
【0112】
1つの実施態様において、本発明の化合物は、アミロイドの沈着によって特徴付けられる疾患、障害又は状態を有することが疑われる若しくは発症の危険がある動物に投与される。例えば、その動物は、高齢者の人間であってもよい。
【0113】
生体外のアミロイド沈着を検出する方法
本発明は、さらに、(i) 体組織を、組織中のいかなるアミロイド沈着でも結合し得る本発明の化合物の有効な量と接触させ;そして(ii)組織内のアミロイド沈着への本化合物の結合を検出する;ことを含む、アミロイド沈着を検出する方法を提供する。
【0114】
結合は、業界に知られている何れの手段によって検出されてもよい。検出手段の例としては、明視野、蛍光、レーザー共焦点及び交差分極顕微鏡のような顕微鏡技術が挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
医薬組成物
本発明は、さらに、(i) 有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物;及び(ii)薬学的に許容される担体;を含む医薬組成物を提供する。
本組成物は、湿潤剤、緩衝剤、懸濁化剤、滑沢剤、乳化剤、崩壊剤、吸収剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、風味剤、甘味料及び治療薬の1つ又はそれ以上を含むがそれらに限定されない、1つ又はそれ以上のさらなる薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。
【0116】
本組成物は、(1)例えば、飲薬(水性又は非水性の溶液又は懸濁液)、錠剤(例えば、口腔、舌下又は全身性の吸収を目指した)、大丸薬、散剤、顆粒剤、舌に塗布するパスタ剤、硬ゼラチンカプセル剤、軟ゼラチンカプセル剤、口腔スプレー剤、乳剤及びマイクロエマルジョン剤としての経口投与;(2)例えば、無菌の溶液、懸濁液又は徐放性製剤としての、皮下、筋肉内、静脈内、硬膜外の注射による非経口投与;(3)例えば、皮膚に適用するクリーム剤、軟膏剤、制御放出貼付剤又はスプレー剤としての局所適用;(4)例えば、ペッサリー、クリーム剤又は発泡体としての膣内又は直腸内投与;(5)舌下投与;(6)眼内投与;(7)経皮投与;又は(8)鼻腔内投与;のための、固形、液体、ゲル又は懸濁液の形態に製剤化されてもよい。
【0117】
1つの実施態様において、組成物は静脈内投与用に製剤化され、担体には流動体及び/又は栄養補給剤が含まれる。別の実施態様では、組成物は、生体内で特異的にアミロイドと結合することができ;血液脳関門を通過することができ;適切な投与量レベルで毒性がなく;且つ/又は、十分な効果の持続性を有する。更に別の実施態様では、組成物は、食塩を含むリン酸緩衝液1mL当たり、約10mgのヒト血清アルブミン及び約0.5〜500mgの本発明の化合物を含む。
【0118】
本発明は、更に、式Iの化合物及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む組成物を提供する。
【0119】
本発明は、更に、患者のAβに関連した病変を治療又は予防する方法であって、治療的に有効な量の式Iの化合物を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0120】
本発明は、更に、医薬品として使用するための、本明細書に記載される化合物を提供する。
【0121】
本発明は、更に、医薬品の製造のための、本明細書に記載される化合物を提供する。
【0122】
式Iの化合物の幾つかは、立体中心及び/又は幾何異性中心(EおよびZ異性体)を有してもよく、当然のことながら、本発明は、全てのそのような光学異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体及び幾何異性体を包含する。
【0123】
本発明は、上文に定義された式Iの化合物並びにその塩の使用に関する。医薬組成物に用いられる塩類は薬学的に許容される塩類であるが、他の塩類も式Iの化合物の製造に有用である可能性がある。
【0124】
本発明の化合物は、医薬品として使用することができる。幾つかの実施態様では、本発明は、医薬品として使用するための式Iの化合物若しくは薬学的に許容される塩、互変異性体又は生体内で加水分解可能なその前駆体を提供する。幾つかの実施態様において、本発明は、Aβに関連した病変を治療又は予防する医薬品として使用するための、本明細書に記載された化合物を提供する。幾つかの更なる実施態様において、Aβに関連した病変は、ダウン症候群、βアミロイド脈管障害、脳アミロイド脈管障害、遺伝的脳出血、認識機能障害に関係した疾患、MCI(「穏やかな認識機能障害」)、アルツハイマー病、記憶喪失、アルツハイマー病に関係した注意欠陥症状、アルツハイマー病に関係した神経変性、混合血管起源の認知症、変性起源の認知症、初老期認知症、老人性認知症、パーキンソン病に関係した認知症、進行性核上性麻痺又は大脳皮質基底核変性症である。
【0125】
製造方法
本発明は、また遊離塩基、酸としての式Iの化合物、又は薬学的に許容されるその塩を製造するための方法に関する。以下に記載する方法全体を通して、当然ながら、必要に応じて、有機合成分野における当業者により容易に理解される方法により、種々の反応試剤及び中間体に適切な保護基が結合され、引き続いて除去される。その様な保護基を用いる従来手法並びに適切な保護基の例としては、例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis”, T.W. Green, P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience, New York, (1999)に記載されている。化学的操作により、基又は置換基の別の基又は置換基への転換は、最終生成物への合成経路上におけるいかなる中間体又は最終生成物においても実施可能であり、この場合、可能な転換のタイプは、その段階において分子が有する他の官能基の、転換に用いられる条件及び反応試剤に対する固有の不適合性のみによって限定される。その様な固有の不適合性、及び適切な転換及び合成工程を適切な順序で実施することによるその回避方法は、有機合成技術分野における当業者に容易に理解されるであろう。転換の例は以下の通りであり、当然のことながら、記載されている転換は、転換が例示されている包括的な基又は置換基に対してのみ限定されるものではない。他の適切な転換に関する参照及び記述は、“Comprehensive Organic Transformations -A Guide to Functional Group Preparations” R. C. Larock, VHC Publishers, Inc. (1989)に見られる。その他の適切な反応に関する参照及び記述は、有機化学の教本、例えば、“Advanced Organic Chemistry”, March 4th ed. McGraw Hill (1992)、又は“Organic Synthesis”, Smith, McGraw Hill, (1994)において見られる。中間体及び最終生成物に関する精製の技法としては、例えば、カラム又は回転プレート上での正相及び逆相クロマトグラフィー、再結晶化、蒸留及び液−液又は固−液抽出が挙げられ、それらは当業者により容易に理解されるであろう。置換基及び基の定義は、別に定義される場合を除いて、式(I)に示す通りである。用語「室温」及び「常温」は、特に指示のない限り、16〜25℃の間の温度を意味する。用語「還流」は、特に指示のない限り、用いた溶媒に関連して、指定溶媒の沸点又はそれより若干高い温度を使用することを意味する。当然のことながら、マイクロ波を反応混合物の加熱に使用することができる。用語「クロマトグラフィー」又は「フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー」は、シリカゲル上で、有機溶媒又はその混合物を移動相として用いる分取型クロマトグラフィーを意味する。
【0126】
略号
Ac: アセテート;
atm: 雰囲気;
aq.: 水性;
BINAP: 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル;
dba: ジベンジリデンアセトン;
DCM: ジクロロメタン;
DDQ: 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン;
DMA: N,N−ジメチルアセトアミド;
DME: 1,2−ジメトキシエタン;
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド;
DMSO: ジメチルスルホキシド;
dppf: 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;
EtOAc: 酢酸エチル;
EtOH: エタノール;
h: 時間;
hep: ヘプタン;
hex: ヘキサン;
LAH: リチウムアルミニウムヒドリド;
MeCN: アセトニトリル;
MeOH: メタノール;
NHMDS: ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド;
NMP: 1−メチル−2−ピロリジノン;
o.n.: 終夜;
Pd(dppf)Cl: 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン・ジクロロパラジウム(II);
prep.HPLC: 分取型HPLC;
PTSA: p−トルエンスルホン酸;
r.t.: 室温;
r.m.: 反応混合物;
sat.: 飽和;
TFA: トリフルオロ酢酸;
THF: テトラヒドロフラン;
【0127】
中間体の製造
式II、III、IV、V及びVIの化合物は、式Ia及びIbの化合物の製造における有用な中間体である。R1〜R11及びX〜Xは、式Ia及びIbで定義した通りである。式II〜VIの化合物は、市販されているか、又は市販若しくは文献に記載された化合物から製造可能である。例えば、Y、Y、Y、Y、R1、R2又はR3の内の1つ又はそれ以上が、式II〜VIの定義に対応しない化合物は、置換基又は基の転換又は導入により、式II〜VIの化合物の製造に使用することができる。その様な例は以下に示す通りである:
【化9】

【0128】
1)YがB(Oアルキル)、B(OH)又はZnXである式IIIの化合物の製造:
a)対応するクロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフラートから、パラジウム触媒ホウ素化反応を通して、例えば、ビス(ピナコラト)ジボラン又はジアルコキシボランを試薬として用い、パラジウム触媒下で、例えば、触媒として、トリシクロヘキシルホスフィンを加えたPdCl(dppf)又はPd(dba)を用いて、化学量論量のKOAc及びNEtなどの塩基と一緒に、DMSO、DMF、DMA又はジオキサンなどの溶媒中、室温〜80℃の温度でホウ素化して、あるいは、その後で酸性の加水分解を行って(Ishiyama et al., Tetrahedron 2001, 57, 9813; Murata et al., J. Org. Chem. 2000, 65, 164)製造する。
【0129】
b)対応するクロリド、ブロミド又はヨージドから、例えば、n−BuLi、n−BuMgLi又はMgを用いた処理によりアリールマグネシウム又はリチウム試薬への初期転換を行い、次いでトリアルキルボラート、好ましくはトリイソプロピルボラートで捕捉し、あるいは、その後で酸性加水分解を行って、対応するボロン酸を得、又は亜鉛末により、対応する有機Zn化合物を得る。
【0130】
2)Yがトリフラートである式IIIの化合物の製造:
対応するアルコールから、O(SOCF、及びトリエチルアミン又はピリジンなどの塩基を用いてトリフラートへの転換により製造する。
【0131】
3)Y及びYがそれぞれチオメチル又はSCH(C=O)NHなどのチオエーテルである式II又はIIIの化合物の製造
対応するアルコールから、メチルヨージド又はClCH(C=O)NHによる処理により、アセトン又はTHFなどの溶媒中、塩基性条件下で製造する (Richardsson et al., J. Org. Chem. 2005, 70, 7436; Liebeskind et al., Org. Lett. 2002. 4, 979)。
【0132】
4)Y及びYがそれぞれSn(n−Bu)、Sn(Me)、Sn(Ph)又はZnXである式II又はIIIの化合物の製造:
対応する無置換のベンゾオキサゾール(Y=H)又はヘテロ芳香族ハライド(例:Y=Br)から、MeLi又はn−BuLiなどのリチウム試薬による金属化を経由し、次いでMeSnCl又はn−BuSnClなどの有機スズクロリド、又は亜鉛塩を用いた金属交換反応により製造する(Molloy et al., J. Organometallic Chem. 1989, 365, 61; Richardsson et al., J. Org. Chem. 2005, 70, 7436)。
【0133】
5)Yがクロロ、ブロモ又は水素である式IIの化合物の製造:
a)Lok et al., J. Org. Chem. 1996, 61, 3289 and Haviv et al., J. Med. Chem. 1988, 31, 1719に記載されている通りに、中間体IVからO−エチルキサントゲン酸カリウム(potassium O-ethylxantate)との縮合により、エタノール又はピリジンなどの溶媒中で加熱して、中間体チオール(II、Y=SH)を生成し、次いでPCl、又は代わりにPBを用いた処理により、クロロ又はブロモ化合物II(Y=Cl又はBr)をそれぞれ生成する。
【0134】
b)中間体IVから、メタノール中のブロモシアンによる処理で、又は好ましくは、Wu et al., J. Heterocyclic Chem. 2003, 40, 191に記載の通り、ジ(イミダゾール−1−イル)メタンイミンを用い、THF中で還流してアミン化合物(II、Y=NH) を生成し、次いでアセトニトリル中、80℃でこれらをt−ブチルニトリル、及びCuCl又はCuBrで処理し(Hodgetts et al., Org. Lett. 2002, 4, 2905)、クロロ又はブロモ化合物(II、Y=Cl又はBr)をそれぞれ生成する。
【0135】
c)アミン化合物(II、Y=NH)から、デアミノ化により、例えば、ジオキサン又はTHF中、イソアミルニトリルを用いて、昇温(50〜80℃)で、Nagarajan et al., BioOrg. Med. Chem. Lett. 2003, 4769に記載の通りに反応させ、水素化合物(II、Y=H)を得る。
【0136】
式Ia及びIbの非標識化合物の製造方法
化学的操作により、基又は置換基R1、R2、R3の、別の基又は置換基への転換は、最終生成物への合成経路上におけるいかなる最終生成物においても実施可能であり、この場合、可能な転換のタイプは、その段階において分子が有する他の官能基の、転換に用いられる条件及び反応試剤に対する固有の不適合性のみによって限定される。その様な固有の不適合性、及び適切な転換及び合成工程を適切な順序で実施することによるその回避方法は、有機合成技術分野における当業者に容易に理解されるであろう。
【0137】
式Ia及びIbの化合物の製造方法の例は、以下に示す通りであるが、それらに限定されない。
1)パラジウム又はロジウム触媒による中間体II及びIIIのクロスカップリング反応による製造:
a)パラジウム触媒及び銅(I)介在下での、式IIの中間体のチオエーエテル(例えば、Y=SMe、SCH(C=O)NH)、及び式IIIのボロン酸若しくはそのエステル又はスタンナン(例えば、Y=B(OH)、B(Oアルキル)、Sn(n−Bu))とのクロスカップリング反応。
Pd(PPh又はPddbaの様なパラジウム触媒を、THFのような溶媒中で用いることができる(Richardsson et al., J. Org. Chem. 2005, 70, 7436; Liebeskind et al., Org. Lett. 2002, 4, 979)。
【0138】
b)式IIIの中間体のアリールハライド又は擬似ハライド(例えば、Y=クロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフラート)の、式IIのベンゾオキサゾールスタンナン(例えば、Y=Sn(n−Bu))とのパラジウム触媒によるStilleカップリング反応。
PdCl(PPhなどのパラジウム触媒を、キシレンの様な溶媒中、室温〜120℃の温度で使用することができる(Kosugi et al., Bull. Chem. Soc. Jpn. 1986, 59, 677)。
【0139】
c)式IIIの中間体のアリールハライド又は擬似ハライド(例えば、Y=クロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフラート)の、式IIのジンケート(例えば、Y=ZnX)とのパラジウム触媒によるカップリング反応(Anderson et al., Synthesis 1996, 583)。
【0140】
d)式IIの中間体(Y=H)の、式IIIの中間体のアリールハライド又は擬ハライド(例えば、Y=クロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフラート)とのパラジウム触媒による直接アリール化反応。
Pd(OAc)−P(t−Bu)などのパラジウム触媒を、DMFなどの溶媒中で使用することができる(Alagille et al., TetrahedronLett. 2005, 46, 1349)。
e)式IIの中間体(Y=H)の、式IIIの中間体のアリールハライド(例えば、Y=ブロミド又はヨージド)とのロジウム触媒による直接アリール化反応。
[RhCl(coe)/PCyなどのロジウム触媒を、THFなどの溶媒中、塩基性条件で、昇温下で使用することができる(Lewis et al., Org. Lett. 2004, 6, 35)。
【0141】
2)出発物質として化合物IV及びVを用いることによる製造:
a)2−アミノフェノールIVの、Yがカルボン酸、酸クロリド、エステル、アミド、ニトリル又は合成上のその相当物である中間体Vとの縮合反応であって、ポリリン酸又はそのエステル、ボロン酸、ポリリン酸トリメチルシリル及びSnClなどの触媒の助力により、無溶媒で又はNMP、キシレン及びジオキサンなどの溶媒中、室温〜220℃の温度で、従来の加熱方式又はマイクロ波の照射による反応(Gong et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004, 14, 1455; Hein et al., J. Am. Chem. Soc. 1957, 79, 427; Terashima et al., Synthesis 1982, 484; Haugwitz et al., J. Med. Chem. 1982, 25, 969; Karlsson et al., Bioorg. & Med. Chem. 2004, 12, 2369; Cho et al., J. Heterocyclic Chem. 2002, 39, 421)。
【0142】
b)2−アミノフェノールIVを、Yがカルボン酸クロリドである中間体VでN−アシル化させてアミド結合を生成させ、次いで、熱及び/又は酸触媒による環化縮合で、ベンゾオキサゾール環を形成させる。ピリジニウム・p−トルエンスルホナート、PTSA又はHOAcなどの酸が使用可能である(Wang et al., Bioorg. & Med. Chem. 2004, 12, 17; Haugwitz et al., J. Med. Chem. 1982, 25, 969; DeLuca et al.,Tetrahedron Lett. 1997, 38, 199)。
【0143】
c)2−アミノフェノールIVの、YがCHOである中間体Vとの、DDQ、Pb(OAc)、ThClO又はMn(OAc)などの種々の酸化剤を用いた縮合から誘導される、フェノール性Schiff塩基の酸化的環化反応(Chang et al., Tetrahedron Lett. 2002, 43, 951; Park et al., J. Heterocyclic Chem. 2002, 39, 1279; Haugwitz et al., J. Med. Chem. 1982, 25, 969)。
【0144】
3.以下のルートは、式VI及びIIIの中間体から出発する式Iの化合物の合成に使用することができる:
オルト−ジハロ中間体VI及び第一級アミド(III、Y=CONH)の銅触媒によるカップリング反応。
CuIなどの銅触媒を、トルエンなどの溶媒中、塩基の存在下、昇温条件で使用することができる(Altenhoff et al., Adv. Synth. Catal. 2004,346, 1661)。
【0145】
式Iaの標識化合物の製造方法
一般的に、検出可能な同位体を導入するために、非標識試薬又は中間体から、式Iaの非標識化合物を合成するために用いられるのと同じ反応を、対応する標識試薬又は中間体の使用により、使用することができる。
【0146】
式Iaの化合物を目指す合成の後半段階で標識体を導入することが好ましく、標識が11Cのような半減期が比較的に短い同位体では特に好ましい。最も好ましいのは、合成の最終段階としてこの導入を行うことである。例えば、[2/3H]H、[2/3H]CHI、[13/14C]CHI、[13/14C]CN、[13/14C]COを含む、長寿命の、又は非放射性の同位体で標識された数種の有用な試薬、シントン又は中間体は、市場で入手可能であり、そして必要に応じて、従来の合成方法により、更に合成的に転換することが可能である。11C及び18Fなどの相対的により短寿命の同位体で標識された試薬は、サイクロトロンで生成され、次いで適切な捕捉手段で捕捉し、そして場合により更に合成的操作を加え、所望の試薬を得る。標識試薬及び中間体の生成及び合成操作、並びにより複雑な標識分子の合成のためのこれらの前駆体の使用及びその化学は、放射性物質の合成及び標識分野における当業者に公知であり、そして文献で総説されている(Langstrom et al., Acta Chem. Scand. 1999, 53, 651)。更なる文献としては、例えば:ハロゲンの標識化に関しては、Ali et al., Synthesis 1996, 423;PET応用による標識化に関しては、Antoni G., Kihlberg T., and Langstrom B. (2003) Handbook of nuclear chemistry, edited by Vertes A., Nagy S. and Klenscar Z., Vol. 4, 119-165 ;Hによる標識化に関しては、Saljoughian et al., Synthesis 2002, 1781;14Cによる標識化に関しては、McCarthy et al., Curr. Pharm. Des. 2000, 6, 1057を参照されたい。
【0147】
本明細書で定義した式Iaの化合物の標識化のための有用な検出可能な同位体としては、PETで使用される:11C、18F、75Br、76Br及び120I;SPECTで使用される:123I及び131I;MRI用:19F及び13C;生体外及び検視用のサンプルの検出用:H、14C及び125Iが挙げられる。標識化のための最も有用な同位体は、11C、18F、123I、19F、H及び14Cである。
【0148】
以下は、式Iaの標識化合物の製造方法に関する説明であるが、それに限定されない。
【0149】
式Ia及びIbの化合物であって、ヒドロキシ−、アミノ−又はアミノアルキル基を有する化合物は、例えば、Solbach et al.,Applied Radiation and Isotopes 2005, 62, 591 and Mathis et al., J. Med. Chem. 2003, 46, 2740に記載されているような、[11C]メチルヨージド若しくはトリフラート、又は[H]−メチルヨージド若しくは[
C]−メチルヨージドなどの標識アルキル化剤による、O−アルキル化及びN−アルキル化のための有用な前駆体である。
【0150】
例えば、式Iaの化合物であって、R1及びR2の内の一方がヒドロキシ(他方が水素)である化合物、又は式Ibの化合物であって、R8及びR11の内の一方がヒドロキシ(他方が水素)である化合物は、標識化のための前駆体を構成する。その様な前駆体が、[11C]メチルヨージドにより、炭酸カリウムの存在下などの塩基性条件下、DMSOなどの溶媒中で処理された場合、アミノ又はアミノメチルなどのN−求核剤の存在下で、脱プロトン化後のO原子の比較的高い反応性のために、選択的なO−アルキル化が起こり、そのようにして、OH基がO[11C]CH−基に転換されている式Ia及びIbの化合物の生成がもたらされる。
式Ibの化合物であって、R8又はR11が、保護されたヒドロキシ基(例えば、TBDMSで)であり、XがNであり、そしてR10がヒドロキシである化合物は、塩基としてAgCOの存在下、11C−メチルヨージドを用いるO−アルキル化を通して標識化するための有用な前駆体である(Shinzo K., Synth Comm 2006, 36, 1235)。
【0151】
N−アルキル化による、11C−メチル基の選択的導入による標識化に最も有用な前駆体は、ヒドロキシ又は芳香族性N−H官能基などのような存在する競合的求核官能基のアルキル化に対する反応性が、適切な保護基によって低下させられ又は封鎖された化合物である。保護基の機能は、この文脈においては、求核官能基をアルキル化から保護することであり、そして好ましくは、所望のN−アルキル化が促進される非水塩基性条件下では安定であるが、その役割を達成した後、他の手段により容易に除去されるべきである。そのような保護基、及びその導入及び除去の方法は、当業者には公知である。芳香族ヒドロキシ基の競合的アルキル化に対する保護に有用な保護基の例としては、メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、アルコキシメチル及びt−ブチルジメチルシリルが挙げられるが、それらに限定されない。アルキル化後の保護基の除去は、当業者に公知であり、そしてt−ブチルジメチルシリルなどのシリル系の保護基の場合、例えば、TBAFなどのフルオリドイオン源による処理、又は塩基性条件下における、DMSOなどの適切な溶媒中、KOHの存在下、室温での、水による処理が挙げられる。芳香族NH−官能基の競合的アルキル化に対する保護に有用な保護基の例としては、SON(CH、SO(p−メチル)フェニル、COCHCCl、CO(CHSi(CH、t−ブチルジメチルシリル及びP(=S)フェニルが挙げられるが、これらに限定されない。芳香族ヒドロキシ官能基及び芳香族N−H官能基が、同時にアルキル化に対して保護される場合、t−ブチルジメチルシリルなどの1種類の保護基、又は1つの実験工程で、1種類の脱離化試薬を用いることにより、両者の官能基を同時に脱離させることを可能にする、2種の異なった保護基を用いることが好ましい。
【0152】
芳香族アミノ基を有する式Ibの化合物は、初めにジアゾ化し(即ち、アミノ基のN部分への転換)、適切な場合は、対応するトリアジン誘導体へ転換し、その後引き続いて、標準的な反応に従って標識化求核試薬で処理を行うことによって標識化するための有用な前駆体である。この方法で導入できる検出可能な同位体としては、限定されないが、18F、75Br、123I、125I及び131Iが挙げられ、これらは、例えば、以下の文献に記載されている:Zhu et al., J. Org. Chem. 2002, 67, 943; Maeda et al.,
J. Label Compd Radiopharm 1985, 22, 487; Berridge et al., J. Label Compd Radiopharm 1985, 22, 687; Suehiro et al., J. Label Compd Radiopharm 1987, 24, 1143; Strouphauer et al., Int. J. Appl. Radiat. Isot. 1984, 35, 787; Kortylevicz et al., J. Label Compd Radiopharm 1994, 34, 1129; Khalaj et al., J. Label Compd Radiopharm 2001, 44, 235 and Rzeczotarski et al., J. Med. Chem. 1984, 27, 156。
【0153】
芳香族トリアルキルスズ基を有する式Ibの化合物において、標識試薬によるハロゲン化により、例えば、Staelens et al., J. Label Compd Radiopharm 2005, 48, 101; Hocke et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004, 14, 3963; Zhuang et al., J. Med. Chem. 2003, 46, 237; Fuchtner et al., Appl. Rad. Isot. 2003, 58, 575 and Kao et al.,J. Label Compd Radiopharm 2001, 44, 889に記載の通り、トリアルキルスズ基の置換が起こる。同様の前駆体は、また、例えば、Lidstrom et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1997, 2701 and Tarkiainen et al.,J. Label Compd Radiopharm 2001, 44, 1013に記載の通り、パラジウム触媒による対応する11C−標識化ケトン及びメチル−誘導体への転換に有用である。代わって、トリアルキルスズ置換化合物は、好ましくは、対応するハライド又はトリフラートの様な擬似ハライドから、対応するジスタンナンとの反応において、触媒としてパラジウムを用いる公知の方法により製造される。この方法を用いる場合、トリアルキルスズ基は、好ましくは、トリメチルスズ又はトリブチルスズである。
【0154】
式Ibの化合物であって、芳香族トリアルキルスズ基、好ましくは、n−BuSnを有し、X6が炭素であり、X7又はX8が窒素(他方は炭素)であり、そしてR10がメチルアミノ、ジメチルアミノ又はメトキシである化合物は、例えば、Zhuang et al., Nucl. Med. Biol. 2001, 28, 887に記載された方法に従って、酸化条件下、標識ヨージドの存在下でのヨード脱スタンニル反応による、123I又は125Iを用いた標識化のための適切な前駆体となる。
【0155】
前駆体におけるヘテロ環置換基のいずれか1つが、求核的芳香族置換反応に適切な脱離基である場合、ハロゲニド又はシアニドのような標識求核剤は、例えば、Zhang et al., Appl. Rad. Isot. 2002, 57, 145に記載されるように、式Iaの標識化合物をもたらすような置換反応によって導入することができる。置換反応が起こる芳香族環は、反応を容易に行うためは相対的に電子欠乏状態が好ましく、従って、シアノ、カルボアルデヒド又はニトロなどの電子吸引活性基で置換されることが必要となるかも知れない。求核的芳香族置換反応に密接に関連し、そして、当業者に公知の有用な反応は、例えば、Musacio et al., J. Label Compd Radiopharm 1997, 34, 39 及び Andersson et al., J. Label Compd Radiopharm 1998, 41, 567に記載されるように、標識ヨード原子導入のための化学量論量の銅塩の採用、及び11C標識シアノ基導入のためのパラジウム触媒の使用が挙げられる。また、18F−原子は、例えば、Karramkam, M. et al., J. Labelled Compd. Rad. 2003, 46, 979に記載されるように、K[18F]−K222を使用して、DMSO中で、マイクロ波照射条件下で導入することができる。脱離基が位置している芳香族環が、ベンゼンと比較して、2−ハロピリジン及びピリミジンようなより電子欠乏性である場合、一般的には、求電子性芳香族置換反応を行うために活性化基の採用を必要とはしない。
【0156】
QがQ1である式Iaの化合物、及び式Ibの化合物であって、R3及びR10がそれぞれ脱離基のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はスルホネートエステルであり、そしてX2及びX4並びにX6及びX8の内のいずれか1つ又は両方が窒素である化合物は、求核的芳香族置換反応を経由する標識化のための適切な前駆体である。標識求核剤による反応により導入される基からの、化学的に多様な脱離基の使用は、未反応の前駆体から標識反応生成物をクロマトグラフィーで分離することを促進するために、更に好ましい。
【0157】
式Ibの化合物であって、R8又はR11が保護された(例えば、TBDMSで)ヒドロキシ基であり(他方が水素)、そしてR10がO(CHOTos又はNH(CHOTosである化合物は、クリプトフィックス−2,2,2−[18F]フルオリド錯体(Schirrmacher et al., J. Labelled Compd. Rad. 2001, 44, 627)、又は、CHCN中加熱下での、本来の脱離基OTosの求核的置換のための求核性18F源としてのテトラブチルアンモニウム[18F]フルオリド(Hamacher et al., Appl. Radiat.
Isotopes 2002, 57, 853)のいずれかの使用による、フッ素を用いる標識化のための有用な前駆体である。採用することができる他の適切な脱離基は、当業者に公知であり、ブロモ、ヨード、OSOCF、OSOCH及びOSOフェニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0158】
適切な前駆体の官能基の転換による式Iaの標識化合物を製造するための、当業者に公知の更なる有用な方法としては、[11C]、[14C]又は[H]アシルクロリドによるアミンのN−アシル化反応;芳香族クロリド、ブロミド又はヨージドのパラジウム触媒による[11C]又は[14C]シアノ化反応;遷移金属触媒による、[H]H存在下での、適切なハライドのH置換反応;及びパラジウム触媒による[11/14C]COを用いたカルボニル化反応(Perry et al., Organometallics 1994, 13, 3346)が挙げられる。
【0159】
化合物の実施例
以下に、本発明の化合物の多数の実施例を示すが、それらに限定されない。
【0160】
一般的方法
全ての溶媒は、市販されている分析グレードで無水の溶媒であった。
反応は、一般的には、窒素又はアルゴンの不活性雰囲気下で実施した。
【0161】
Hスペクトルは、プロトンに対しては400MHzで操作し、Z−グラジエーションを有するH/D−13Cプローブヘッドを備えた3mmのSEIフロー注入器を装備し、試料注入のためのBEST215液体ハンドラーを用いた、Bruker av400 NMRスペクトロメーターで測定し、又はプロトンに対しては400MHzで操作し、Z−グラジエーションを有する5mmの4核プローブヘッドを備えた、Bruker DPX400 NMRスペクトロメーターで測定した。
【0162】
実施例においては、特に指示のない限り、Hスペクトルは、400MHzで、溶媒としてDMSO−dを用いて測定した。残留溶媒のシグナルは、参照として用いた。以下の参照シグナルを用いた;DMSO−dの中央線:δ2.50;CDODの中央線:δ3.31;CDCl:δ7.26。CDCl及びCDODの混合物中でスペクトルを測定する場合、参照シグナルは、3.31ppmに設定した。全てのケミカルシフトは、デルタ目盛(δ)上でのppmで表わし、測定で出現するシグナルの細かい分裂は(s:1重項、d:二重項、t:三重項、q:4重項、m:多重項、br:広幅シグナル)で表わす。
【0163】
Hスペクトルは、トリチウムに対しては600MHzで、プロトンに対しては600MHzで操作し、Z−グラジエーションを有する5mmのH/HSEXプローブヘッドを備えた、Bruker DRX600 NMRスペクトロメータを用いて測定した。HをデカップリングしたHスペクトルは、CDOD中に溶解した試料で測定した。HNMRスペクトル参照のため、Al-Rawi et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans. II 1974, 1635の記載に従って、Hスペクトル中での内部TMSの周波数に、HとHとのLarmor周波数比(1.06663975)を掛けて計算した、ゴースト参照周波数を用いた。
【0164】
マススペクトルは、Alliance 2795又はAcquity system (LC)、Waters PDA 2996、及びELS検出器(Sedex 75)、及びZMD単一四重極又はZQマススペクトロメータから成る、Waters社製のLCMSで測定した。マススペクトロメーターは、エレクトロスプレーイオン源(ES)を備え、正又は負イオンモードで操作した。キャピラリー電圧は3kVで、コーン電圧は30Vであった。マススペクトロメーターは、m/z=100〜600間で走査し、走査時間は0.7秒であった。カラム温度は,40℃(Allianceの場合)、又は65℃(Acquityの場合)に設定した。線形傾斜溶離液を適用し、スタートは100%A(A:10mMのNHOAc/5%MeCN)、及び最終は100%B(B:MeCN)であった。使用したカラムは、X-Terra MS C8:3.0×50;3.5μm(Waters)で、1.0mL/min(Alliance)で操作し、又はAcquity UPLC(登録商標)BEH:C;1.7μm:2.1×50mmで、1.2mL/minの条件で操作した。
【0165】
分取型クロマトグラフィー(prep.HPLC)は、(1)ダイオードアレイ検出器及びXTerra MS C8カラム:19×300mm、10μmを備えたタイプ;(2)ZQマススペクトロメーター検出器より成るタイプ;の2台のWaters自動精製HPLCのどちらかで測定した。正イオンモードでESIを用い、キャピラリー電圧3kV、及びコーン電圧30Vで操作し、UV及びMSシグナルの混合トリガー装置を用いて、収集した画分を定量した。カラム:XBridge(登録商標):Prep C8:5μm:OBD(登録商標)19×100mm。MeCN/(95:5=0.1MのNHOAc:MeCN)を用いた傾斜溶離を行い、流速は、20又は25mL/minであった。
【0166】
マイクロ波加熱は、2450MHzでの連続照射を生み出す、Creator, Initiator又はSmith Synthesizerシングルモードマイクロ波キャビティ内で実施した。
【0167】
以下に、本発明の化合物の多くの非限定的な実施例を示す。以下に例示する全ての化合物、又はその対応する非標識同族体は、それらは単に前駆体ではなく、それ故そのように表現したが、それらは、本明細書に記載した競合結合アッセイにおいて、20μM未満のIC50を示す。
【0168】
〔実施例1〕
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン
【化10】

【0169】
(a)6−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)ニコチンアミド
【化11】

6−クロロニコチニルクロリド(2.0g、11.4mmol)のTHF(10mL)溶液を、2−ヒドロキシ−4−メトキシアニリン(1.58g)及びトリエチルアミン(1.8mL)のTHF(20mL)中の混合物に、室温で滴下しながら加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、次いで5分間還流加熱した。室温に冷却した後、固体を集め、水で濯ぎ、乾燥し(減圧下、P上で)、標題化合物(1.77g)をオレンジ色の固体として得た。
HNMRδppm:9.78(br.s.,1H)9.63(br.s.,1H)8.94(d,1H)8.34(dd,1H)7.68(d,1H)7.34(d,1H)6.49(d,1H)6.42(dd,1H)3.71(s,3H);MSm/z:(M+H)279,281;(M−H)277,279。
【0170】
(b)5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン(最終化合物)
6−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)ニコチンアミド (40mg、0.14mmol)をDMF(1.5mL)に溶解し、硫酸1滴を加えた。反応を230℃で20分間、マイクロ波反応器内で行った。混合物に水を加え、固体を集め、水で濯ぎ、乾燥した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで、40%酢酸エチル/ヘキサンを用いて精製し、標題化合物(14mg)をオレンジ色の固体として得た。
HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm:8.96(d,1H)8.19(dd,1H)7.57(d,1H)7.10(d,1H)6.92(dd,1H)6.60(d,1H)3.88(s,3H)3.20(s,6H);MSm/z:(M+H)270。
【0171】
〔実施例2〕
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール
【化12】

5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン(31mg、0.12mmol)を、臭化水素(48%水溶液、2mL)と混合し、そしてテトラブチルアンモニウムブロミドの結晶を加えた。反応を120℃で5分間、マイクロ波反応器内で行った。反応混合物を重炭酸ナトリウム(飽和水溶液)に加え、そして固体を集めた。次いで固体をCHCl/酢酸エチルに溶解し、乾燥(MgSO)し、濾過して、減圧下で蒸発させ、標題の化合物(6mg)を紫色の固体として得た。
HNMR(400MHz,CDOD)δppm:8.83(d,1H)8.17(dd,1H)7.44(d,1H)7.02(d,1H)6.75−6.88(m,2H)3.19(s,6H);MSm/z:(M+H)256;(M−H)254。
【0172】
〔実施例3〕
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン
【化13】

【0173】
(a)N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−6−(メチルアミノ)ニコチンアミド
【化14】

6−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)ニコチンアミド (0.40g、1.44mol)を、8Mのメチルアミンのメタノール(4mL)溶液と混合し、マイクロ波反応器内で250℃で10分間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を水及び酢酸エチル間で分配した。水層を5回酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させた。固体をCHClで粉砕し、濾過し、乾燥して、標題化合物(0.25g)を固体として得た。
HNMRδppm:9.73(s,1H)9.38(s,1H)8.65(d,1H)7.92(dd,1H)7.33(d,1H)7.16(d,1H)6.24−6.58(m,3H)3.70(s,3H)2.83(d,3H);MSm/z:(M+H)274;(M−H)272。
【0174】
(b)5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン(最終化合物)
N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−6−(メチルアミノ)ニコチンアミド(0.23g、0.84mmol)を酢酸(4mL)と混合し、マイクロ波反応器内で、200℃で25分間反応を行った。反応混合物に水を加え、そして重炭酸ナトリウム(飽和水溶液)で塩基性にした。水溶液をジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させた。粗生成物を、初めにフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル傾斜溶離液;30〜50%酢酸エチル)で精製し、次いで分取型HPLCで精製し、副生成物としてN−[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]−N−メチルアセトアミド(6mg)と共に、標題の化合物(0.13g)を固体として得た。
HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm:8.90(d,1H)8.23(dd,1H)7.59(d,1H)7.10(d,1H)6.94(dd,1H)6.52(d,1H)5.26(br.s.,1H)3.89(s,3H)2.82−3.16(m,3H);MSm/z:(M+H)256。
【0175】
〔実施例4〕
N−[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]−N−メチルアセトアミド
【化15】

標題の化合物(6mg)を、5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミンの製造で得られた未精製の混合物から単離した。
HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm:9.24(d,1H)8.47(dd,1H)7.66(d,1H)7.62(d,1H)7.14(d,1H)7.00(dd,1H)3.91(s,3H)3.50(s,3H)2.27(s,3H);MSm/z:(M+H)298。
【0176】
〔実施例5〕
2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール
【化16】

5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン(50mg、0.20mmol)をCHCl(10mL)に溶解し、2MのHClのジエチルエーテル溶液で酸性にした。溶媒を減圧下で除去し、臭化水素(48%水溶液、2mL)を加えた。マイクロ波反応器内で、120℃で15分間反応を行った。次いで混合物を重炭酸ナトリウムで塩基性にし、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、分取型HPLCで精製し、標題の化合物(11mg)を白色の固体として得た。
HNMRδppm:9.95(br.s.,1H)8.72(d,1H)7.99(dd,1H)7.46(d,1H)7.28(d,1H)7.03(d,1H)6.79(dd,1H)6.58(d,1H)2.85(d,3H);MSm/z:(M+H)242,(M−H)240。
【0177】
〔実施例6〕
[N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン
【化17】

5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン(1.5mg、6μmol)を、[H]メチルヨージド(75mCi、0.6μmol)のDMF(0.5mL)溶液及び塩基として水素化ナトリウム(2mg、80μmol)と混合し、60℃で1.5時間加熱した。反応混合物を逆相HPLCで精製し、標題化合物(70mCi、93%)を得た。
MSm/z:(M+H)276;HNMR(CDOD)3.13(s,CT)。
【0178】
〔実施例7〕
[N−メチル−]−2−(6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール
【化18】

[N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−
ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン(50mCi)を、ナトリウムチオフェノキシド(17mg、130μmol)のNMP(0.4mL)溶液と混合し、マイクロ波反応器を用いて250℃で60分間加熱した。反応混合物を逆相HPLCで精製し、標題化合物(35mCi、76%)を得た。
MSm/z:(M+H)262;HNMR(CDOD)3.12(s,CT)。
【0179】
〔実施例8〕
[O−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−メチル−アミン
【化19】

2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール(1mg、6μmol)を、[H]メチルヨージド(75mCi、0.9μmol)のDMF(0.5mL)溶液及び塩基として水素化ナトリウム(1.6mg、80μmol)と混合し、70℃で1.40分間加熱した。反応混合物を逆相HPLCで精製し、標題化合物(6mCi、12%)を得た。
MSm/z:(M+H)262。
【0180】
〔実施例9〕
[N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−メチル−アミン
【化20】

5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−アミン(4.2mg、17μmol)を、[H]メチルヨージド(50mCi、0.6μmol)のDMF(0.5mL)溶液及び塩基として水素化ナトリウム(3mg)と混合し、60℃で1.0時間加熱した。反応混合物を逆相HPLCで精製し、標題化合物(22mCi、44%)を得た。
【0181】
〔実施例10〕
[N−メチル−]−2−(6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール
【化21】

前の工程からの生成物([N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−メチル−アミン)を、ナトリウムチオフェノキシド(13mg、100μmol)のNMP(0.4mL)溶液と混合し、マイクロ波反応器を用いて250℃30分間加熱した。反応混合物を逆相HPLCで精製し、標題化合物(18mCi、82%)を得た。
MSm/z:(M+H)248。
【0182】
〔実施例11〕
5−(5−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン
【化22】

【0183】
a)6−(ジメチルアミノ)−N−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)ニコチンアミド
【化23】

3つの分離したマイクロ波反応管内に、6−フルオロニコチン酸2−{[(6−フルオロピリジン−3−イル)カルボニル]アミノ}−4−メトキシフェニル(60.0mg、90.7mg、89.6mg)及びジメチルアミンの水溶液(40%、2.5〜3.0mL)を加えた。管をマイクロ波オーブン内で100℃で5分間加熱した。3つのバッチを合わせ、ジメチルアミンの水溶液を減圧下で除去した。粗生成物を、更に精製せずに次の工程で用いた。
MSm/z:(M+H)288。
【0184】
b)5−(5−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン
2つの分離したマイクロ波反応管内に、粗製の6−(ジメチルアミノ)−N−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)ニコチンアミド(3.0mL)及び酢酸(6.0mL)を混合し、マイクロ波反応器内で190℃で10分間加熱した。2つのバッチを合わせ、酢酸を減圧下で除去した。ジクロロメタン及びNaHCO(飽和水溶液)を加え、そして層を分離させた。水相をジクロロメタン(3×)で抽出した。合わせた有機相を乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製の物質を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘプタン/EtOAc=60/40)で精製し、生成物(104.4mg、62%/2工程)を白色固体として得た。
HNMRδppm:8.85(d,1H),8.15(dd,1H),7.60(d,1H),7.27(d,1H),6.92(dd,1H),6.81(d,1H),3.81(s,3H),3.14(s,6H)。MSm/z:(M+H)270。
【0185】
〔実施例12〕
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−5−オール
【化24】

5−(5−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン(0.368mmol)のジクロロメタン(2.0 mL)溶液に、BBrのジクロロメタン(1.84mmol)溶液を0℃、アルゴン雰囲気下で加え、そして反応液を0℃で1時間撹拌した。反応混合物をNaHCO(飽和水溶液)で中和し、ジクロロメタンを加えた。層を分離させ、水相をジクロロメタン(4×)で抽出した。合わせた有機相を乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製の物質を分取型HPLCで精製し、標題化合物(22.3mg)を白色固体として得た。
HNMRδppm:9.44(s,1H),8.83(d,1H),8.13(dd,1H),7.48(d,1H),7.01(d,1H),6.80(d,1H),6.76(dd,1H),3.14(s,6H)。MSm/z:(M+H)256。
【0186】
〔実施例13〕
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリミジン−2−アミン
【化25】

6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール(0.67mmol)、5−ブロモ−N,N−ジメチルピリミジン−2−アミン(0.80mmol)、CuBr (0.13mmol)、CsCO(0.67mmol)及びPd(t−BuP)(0.067mmol)の無水DMF(3ml)溶液を、160℃で30分間マイクロ波反応器内で撹拌した。反応混合物をCeliteを通して濾過し、CHClで洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/CHCl/MeOH(9:1):傾斜溶離液)で精製し、標題化合物(108.2mg)を、灰色を帯びた白色固体として得た。
HNMRδppm:8.99(s,2H)7.62(d,1H)7.38(d,1H)6.98(dd,1H)3.83(s,3H)3.23(s,6H);MSm/z:271(M+H)。
【0187】
〔実施例14〕
2−[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール
【化26】

標題の化合物を、5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリミジン−2−アミンから、2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−5−オール用に記載された一般的手順に従って合成し、化合物(30.3mg)を得た。
HNMRδppm:9.85(br.s.,1H)8.97(s,2H)7.51(d,1H)7.05(d,1H)6.82(dd,1H)3.22(s,6H);MSm/z:257(M+H)。
【0188】
〔実施例15〕
2−(6−ブロモピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール
【化27】

2−ヒドロキシ−4−メトキシ−アニリン・塩酸塩(1.13mmol)及びトリエチルアミン(167μL)の無水メタノール溶液を、2−ブロモ−5−ホルミルピリジン(1.13mmol)で処理した。得られた混合物を室温で終夜撹拌し、その後蒸発乾固した。残留物をCHCl及びブラインの間で分離し、水相をCHClで抽出し(2×)、合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させて、対応する粗製のイミン(314.9mg)を、暗赤色固体として得た。
MSm/z:307,309(M+H,ブロモ同位体)。
残留物をCHCl(10mL)に溶解し、そしてDDQ(255mg、1.1当量)を加えた。室温で45分間撹拌した後、得られた混合物をCHCl(10mL)で希釈し、引き続いて飽和のNaCO(2×10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、蒸発させて、褐色の固体(620mg)を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc、0〜100%)で精製し、標題化合物(159.6mg)を白色固体とし得た。
HNMRδppm:9.05−9.11(m,1H)8.38(dd,1H)7.90(dd,1H)7.74(d,1H)7.46(d,1H)7.05(dd,1H)3.86(s,3H);MSm/z305,307(M+H,ブロモ同位体)。
【0189】
〔実施例16〕
2−[6−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール
【化28】

トルエン(1mL)を、Pd(OAc)(6.4μmol)、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1,1’−ナフチル(ラセミ体、8.0μmol)、CsCO(0.24mmol)及び2−(6−ブロモピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾールの混合物にアルゴン雰囲気下で加えた。2−フルオロエタノール(0.16mmol)を加え、そして反応液を120℃で1時間撹拌した。追加のPd(OAc)(8.0μmol)、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1,1’−ナフチル(ラセミ体、8.0μmol)及び2−フルオロエタノール(0.16mmol)を加え、混合物を再び120℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、Celiteを通して濾過し、そして濃縮した。粗生成物を逆相HPLCにかけ、標題化合物(10.1mg)を灰色を帯びた白色固体として得た。
HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm:8.95(d,1H)8.36(dd,1H)7.62(d,1H)7.12(d,1H)6.91−6.99(m,2H)4.82−4.88(m,1H)4.69−4.76(m,2H)4.61−4.66(m,1H)3.89(s,3H);MSm/z:(M+H)289。
【0190】
〔実施例17〕
2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール
【化29】

2−(6−ブロモピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾールに対して記載した手順と同様の手順に従い、3−ブロモ−6−ホルミルピリジンから出発して、標題化合物を灰色がかった白色固体(578.1mg)として得た。
HNMRδppm:8.91(dd,1H)8.26−8.32(m,1H)8.20(dd,1H)7.75(d,1H)7.46(d,1H)7.06(dd,1H)3.86(s,3H);MSm/z:305,307(M+H,ブロモ同位体)。
【0191】
〔実施例18〕
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン
【化30】

2−ブロモ−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール(0.877mmol)、2−アミノ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン(1.3mmol)、2MのKCO水溶液(3.5mmol)及びPd(dppf)Cl(0.022mmol)をDMF(5ml)中に混合し、そして80℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、次いで逆相HPLCを用いて精製し、標題の化合物(68mg)を白色固体として得た。
HNMRδppm:8.67(br.s,1H)8.12−7.91(m,1H)7.69−7.51(m,1H)7.34(br.s,1H)6.89−7.00(m,1H)6.75(br.s,2H)6.43−6.65(m,1H)3.84(s,3H);MSm/z:242(M+H)。
【0192】
〔実施例19〕
N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン
【化31】

【0193】
a)[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル
【化32】

5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン(1.95mmol)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(2.33mmol)を、氷浴で冷却したTHF(30mL)に溶解した。NHMDS(1MのTHF溶液、2.33mmol)を徐々に加え、そして反応液を室温まで温めた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。EtOAc及びNaHCO(飽和水溶液)を加え、層を分離させ、有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOH、傾斜溶離液;0:100)で精製し、化合物(225mg)を得た。
MSm/z:342(M+H)。
【0194】
b)(2−フルオロエチル)[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル
【化33】

[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル(0.65mmol)及び水素化ナトリウム(0.78mmol)を、無水DMF(20mL)に0℃で溶解した。5分後1−ブロモ−2−フルオロエタン(0.72mmol)を加え、反応液を放置して室温にした。2時間後、追加の水素化ナトリウム及び1−ブロモ−2−フルオロエタンを加え、反応混合物を終夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、EtOAcに再溶解した。水を加え、層を分離した。水相をEtOAc(2×)で抽出し、乾燥し(NaSO)、蒸発させて、化合物(253mg)を褐色の油状物質として得た。粗生成物を更なる精製をせずに、次の工程で用いた。
MSm/z:388(M+H)。
【0195】
c)N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン
(2−フルオロエチル)[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル(0.65mmol)をCHCl(20mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。水(20mL)、NaOH(1.5mL、5Mの水溶液、pHを12に調整)及びCHCl(20mL)を加え、層を分離した。水相をCHCl(3×)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。逆相HPLCを用いた精製により標題化合物(78.0mg)を得た。
HNMRδppm:8.74(d,1H)8.03(dd,1H)7.60−7.64(m,1H)7.58(d,1H)7.35(d,1H)6.95(dd,1H)6.70(d,1H)4.60−4.66(m,1H)4.47−4.54(m,1H)3.82(s,3H)3.67−3.74(m,1H)3.60−3.67(m,1H);ESI−MSm/z:288(M+H)。
【0196】
〔実施例20〕
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン
【化34】

5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン用に記載した手順に従い、標題化合物を2−アミノピリミジン−5−ボロン酸ピナコールエステルから合成した。
HNMRδppm:8.89(s,2H)7.61(d,1H)7.48(s,2H)7.37(d,1H)6.97(dd,1H)3.83(s,3H);MSm/z:243(M+H)。
【0197】
〔実施例21〕
N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン
【化35】

【0198】
a)[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル
【化36】

[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル用に記載した手順に従って、5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミンから標題化合物(115mg)を合成した。
HNMR400MHz,クロロホルム−d)δppm:9.33(s,2H)8.17(s,1H)7.65(d,1H)7.14(d,1H)7.00(dd,1H)3.90(s,3H)1.60(s,9H)。MSm/z:343(M+H)。
【0199】
b)(2−フルオロエチル)[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル
【化37】

(2−フルオロエチル)[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル用に記載した手順に従い、[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチルから標題化合物(128mg)を合成した。
HNMR400MHz,クロロホルム−d)δppm:9.33(s,2H)7.66(d,1H)7.14(d,1H)7.00(dd,1H)4.79(t,1H)4.67(t,1H)4.42(t,1H)4.37(t,1H)3.90(s,3H)1.57(s,9H)。MSm/z:389(M+H)。
【0200】
c)N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン
N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン用に記載した手順に従い、(2−フルオロエチル)[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチルから標題化合物(29.8mg)を合成した。
MSm/z:289(M+H)。
【0201】
〔実施例22〕
[N−メチル−]−2−(2−ジメチルアミノ−ピリミジン−5−イル)
−ベンゾオキサゾール−6−オール
【化38】

[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリミジン−2−イル]−メチル−アミン(2.2mg、8.6μmol)を、[H]メチルヨージド(50mCi、0.6μmol)のジメチルホルムアミド(0.4mL)溶液及び塩基として水素化ナトリウムと混合し、60℃で30分間加熱した。反応混合物を逆相HPLCで精製し、[N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリミジン−2−イル]−ジメチル−アミンを得た。蒸発後、残留物をナトリウムフェノキシド(18mg、136μmol)のN−メチルピロリジノン(0.4mL)溶液と混合し、250℃で30分間マイクロ波反応器を用いて加熱した。反応混合物を逆相HPLCで精製し、標題化合物(44mCi、88%)を得た。
MSm/z:M+H263;HNMR(CDOD中で分離されたプロトン)δppm:3.22(s,CT)。
【0202】
〔実施例23〕
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリミジン−2−アミン
【化39】

4−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルアニリン用に記載した手順に従い、5−ブロモ−N−メチルピリミジン−2−アミンから出発して標題化合物を合成した。
HNMRδppm:8.84−9.02(m,2H)7.95(d,1H)7.61(d,1H)7.37(d,1H)6.97(dd,1H)3.83(s,3H)2.89(d,3H);ES−MSm/z:257(M+H)。
【0203】
〔実施例24〕
2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール
【化40】

【0204】
a)4−{[(6−メトキシピリジン−3−イル)メチレン]アミノ}ベンゼン−1,3−ジオール
【化41】

4−アミノレゾルシノール・塩酸塩(3.09mmol)及びトリエチルアミン(3.25mmol)を、無水メタノール(20mL)に溶解した。6−メトキシニコチンアルデヒド(3.09mmol)を加え、そして混合物を終夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、混合物をEtOAcで希釈し、ブライン(2×)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させ、標題化合物(1.31g)を暗色固体として得た。粗生成物を更なる精製をせずに、次の工程で用いた。
MSm/z:(M+H)245。
【0205】
b)2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール
4−{[(6−メトキシピリジン−3−イル)メチレン]アミノ}ベンゼン−1,3−ジオールをCHCl(30mL)に溶解し、そしてDDQを加えた。反応混合物を終夜室温で撹拌し、SiOを加え、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(189.1mg)を得た。
HNMRδppm:9.88(s,1H)8.90(dd,1H)8.35(dd,1H)7.56(d,1H)7.09(d,1H)7.03(dd,1H)6.85(dd,1H)3.95(s,3H);MSm/z:243(M+H)。
【0206】
〔実施例25〕
2−(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール
【化42】

5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン用に記載した手順に従い、ボロン酸エステルの4−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル)−モルホリン及び2−ブロモ−1,3−ベンゾオキサゾールから出発して、標題化合物を合成した。
HNMRδppm:8.91(d,1H)8.23(dd,1H)7.71−7.76(m,2H)7.37(dd,2H)7.03(d,1H)3.69−3.73(m,4H)3.62−3.66(m,4H);MSm/z:282(M+H)。
【0207】
〔実施例26〕
6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)ベンゾオキサゾール、26−001;
2−ベンゾフラン−2−イル−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール、26−002;
5−メトキシ−2−(6−メトキシベンゾオキサゾール−2−イル)インドール−1−カルボン酸tert−ブチル、26−003;
2−(6−フルオロ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール、26−004;
2−(5−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール、26−005;
2−(1H−インドール−5−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール、26−006;
【化43】

【0208】
一般的手法:
2−ブロモ−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール(0.263mmol)、Pd(dppf)Cl(0.013mmol)、KCO(水溶液)及び対応するアリールボロン酸又はエステル(0.289mmol)を、DMF中、アルゴン雰囲気下、80℃で1時間撹拌した。反応混合物を放置して室温まで冷却し、ブラインを加えた。反応混合物をCHClで抽出し、有機相を濾過した。溶媒を減圧下で除去し、そして残留物を逆相HPLCで精製し、標題の化合物を得た。
HNMR(26−001,400MHz,クロロホルム−d)δppm:8.99(d,1H)8.34(dd,1H)7.63(d,1H)7.13(d,1H)6.97(dd,1H)6.88(d,1H)4.04(s,3H)3.90(s,3H);MSm/z:257(M+H);HNMR(26−002,400MHz,クロロホルム−d)δppm:7.65(d,1H)7.60(d,1H)7.57(dd,1H)7.53−7.48(m,1H)7.37−7.42(m,2H)7.09(d,1H)6.95(dd,1H)3.61(s,3H);MSm/z:266(M+H);HNMR(26−003,400MHz,クロロホルム−d)δppm:8.14(d,1H)7.68(d,1H)7.15−7.05(m,4H)7.03−6.97(m,1H)3.90(s,3H)3.88(s,3H)1.37(s,9H);MSm/z:395(M+H);HNMR(26−004,400MHz,クロロホルム−d)δppm:8.85(s,1H)8.41(d,1H)7.65(d,1H)7.13(d,1H)7.00(dd,1H)3.90(s,3H)2.40(s,3H);MSm/z:259(M+H);HNMR(26−005,400MHz,クロロホルム−d)δppm:8.85(s,1H)8.09(dd,1H)7.63(d,1H)7.12(d,1H)6.98(dd,1H)4.13(s,3H)3.90(s,3H);MSm/z:275(M+H);HNMR(26−006,400MHz,クロロホルム−d)δppm:8.55(s,1H)8.36(sbr,1H)8.10(dd,1H)7.64(d,1H)7.52(dd,1H)7.31(t,1H)7.14(d,1H)6.96(dd,1H)6.72−6.67(m,1H)3.91(s,3H);MSm/z:265(M+H)。
【0209】
〔実施例27〕
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロピリジン
【化44】

2−ヒドロキシ−4−メトキシ−アニリン・塩酸塩(20.2mmol)及びトリエチルアミン(2.9mL)の無水MeOH(150mL)溶液を、2−フルオロ−5−ホルミルピリジン(2.477g)で処理した。得られた混合物を室温で40分間撹拌し、その後蒸発乾固させ、赤色を帯びたオレンジ色固体(7.74g)を得た。残留物をCHCl(400mL)及びブライン(200mL)間で分離させ、水層を更にCHCl(3×200mL)で抽出し、次いで合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させ、オレンジ色の固体(5.36g)を定量的収率で得た。
MSm/z:247(M+H)。
残留物を無水のCHCl(250mL)に溶解し、そして2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ、5.59g)を加えた。室温で45分間撹拌した後、得られた混合物をCHCl(500mL)で希釈し、ひだ付き濾紙を用いて重力濾過し、濾液を飽和のNaCO(3×150mL)水溶液で洗浄した。合わせた水層をCHCl(200mL)で逆抽出し、合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、そして蒸発させ、褐色の固体(4.42g)を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:EtOAc:0→100%)で精製し、標題化合物を白色固体(1.99g、収率41%/2工程)として得た。
HNMRδppm:8.98(d,1H)8.61−8.69(m,1H)7.73(d,1H)7.41−7.49(m,2H)7.04(dd,1H)3.86(s,3H);MSm/z:245(M+H)。
【0210】
〔実施例28〕
2−[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−カルボン酸メチル
【化45】

5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロピリジン用に記載した手順に従い、2−ジメチルアミノ−ピリミジン−5−カルボアルデヒド(180mg)及び4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(200mg)から出発して、標題の化合物(256.8mg)を合成した。
HNMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm:9.11(s,2H)8.25(d,1H)8.09(dd,1H)7.73(d,1H)3.97(s,3H)3.33(s,6H);MSm/z:299(M+H)。
【0211】
〔実施例29〕
2−{6−[(2−フルオロエチル)アミノ]ピリジン−3−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール
【化46】

N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン(0.18mmol)を入れたマイクロ波用瓶(撹拌子付き)に、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.02mmol)及び臭化水素酸(48重量%水溶液、5.0mL)を加えた。反応容器をシールし、120℃で10分間加熱した。LCMSで出発物質が残留していることが判明したので、反応を更に10分間実施した。反応混合物を、飽和のNaHCO(100mL)で中和し、CHCl(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、蒸発させ、褐色の油状物質(33.1mg)を得た。分取型HPLCで精製し、凍結乾燥後、標題の化合物(10.4mg)を褐色の固体として得た。
HNMR(400MHz,クロロホルム−d/MeOH−d41:1)δppm:8.75(d,1H)8.05(dd,1H)7.42(d,1H)7.00(d,1H)6.82(dd,1H)6.63(d,1H)4.62−4.66(m,1H)4.50−4.54(m,1H)3.71−3.76(m,1H)3.64−3.69(m,1H);19F(1Hdecoupled)NMR(400MHz,クロロホルム−d/MeOH−d)δppm:−224.8;MSm/z:274(M+H)。
【0212】
前駆体
以下の実施例は、式Iaの標識化合物の製造のための前駆体として有用である。
【0213】
〔製造例a〕
2−(6−アミノピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール
【化47】

5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン(2.07mmol)のCHCl(50mL)溶液を撹拌し、冷却(氷浴)し、この溶液に1Mの三臭化ホウ素のCHCl溶液(4.15mL)を、圧力均等化滴下漏斗から徐々に加えた。完全に滴下した後、反応混合物を氷浴で冷却しつつ5分間撹拌した。その後放置して室温に戻し、そして室温で終夜撹拌した。反応混合物を冷却(氷浴)し、CHCl(100mL)で希釈し、次いでEtOAc(100mL)、水(100mL)及び飽和のNaHCO水溶液(100mL)を加え、得られた混合物を放置して室温に戻し、そして10分間強力に撹拌した。有機層をCHCl(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させ、2−(6−アミノピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール(0.55g)を、薄黄色の泡状固体として得た。
MSm/z:228(M+H)。
【0214】
〔製造例b〕
5−(6−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン
【化48】

2−(6−アミノピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール(0.95mmol)のDMF(25mL)溶液に、tert−ブチルクロロジメチルシラン(1.05mmol)及びイミダゾール(2.38mmol)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。LCMSは転換が起こっていないことを示した。追加のtert−ブチルクロロジメチルシラン(1.05mmol)及びイミダゾール(2.38mmol)を反応混合物に加え、次いで室温で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)及び水(250mL)間で分配し、水層をEtOAc(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させ、黄色の固体(1.121g)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:EtOAc:0→100%)で精製し、標題化合物(322.5mg)をアイボリーホワイト色の固体として得た。
HNMRδppm:8.67(d,1H)8.01(dd,1H)7.54(d,1H)7.18(d,1H)6.85(dd,1H)6.77(s,2H)6.57(d,1H)0.97(s,9H)0.22(s,6H);MSm/z:342(M+H)。
【0215】
生物学的実施例
以下の化合物は、比較化合物として使用されるもので、以下の文章には表示の対応する名称で示される。
【化49】

本発明の化合物は、アッセイ/実験/研究の1つ若しくはいくつかで試験することが出来、又は試験された。
【0216】
競合結合アッセイ
競合結合は、384ウェルFBフィルタープレート内で、[H]PIB(又は、指定した場合は別のH標識放射性リガンド)のpH7.5のリン酸緩衝液の溶液中で合成Aβ1−40(2.7nM)を使用し、最初DMSOに溶解した種々の濃度の非放射性物質を添加することによって行った。結合反応混合物は、室温で30分間インキュベートし、続いて減圧濾過、そして1%のTriton-X100で2回洗浄した。その後、フィルタープレート上に集めたAβ1−40にシンチレーション液を添加し、結合して残存した放射性リガンド([H]PIB又は別のH標識放射性リガンド)の活性を、PerkinElmer製の1450 Microbetaを使用して測定した(図1)。
【0217】
飽和結合実験
飽和結合実験は、96ウェルのポリプロピレン製ディープウェルプレートで行った。ヒトの合成Aβ1−40原繊維(2μM)を含むリン酸緩衝液、pH7.5、又はコントロールとしての緩衝液単独を、上昇する濃度の本発明のH標識放射性リガンドと共に室温で1時間インキュベートした。インキュベーションの終わりに、Triton-X100(0.1%)を含む洗浄用緩衝液を用いてBrandel装置で濾過した後、まだAβ1−40原繊維に結合している放射活性を測定した。結果は、Aβ1−40原線維無しの(アッセイ緩衝液で代替した)ウェルからのカウント数として定義される非特異的で排除が不可能な結合に対して補正した。解離定数(Kd)及び結合部位の量(Bmax)は、実験結果から、スキャッチャード分析から2つの部位結合を実証した後、非直線回帰分析により決定した(図2)。
【0218】
解離実験
解離実験は、96ウェルのポリプロピレン製ディープウェルプレートで行うことができる。ヒトの合成Aβ1−40原繊維(2μM)を含むリン酸緩衝液、pH7.5、又はコントロールとしての緩衝液単独を、本発明のH標識放射性リガンド(9nM)と共に室温で4時間インキュベートする。解離は、DMSO(4%)を含むpH 7.5のリン酸緩衝に溶かした非標識の本発明の化合物(10μM)を同体積加えることによって、種々の時点から開始させる。インキュベーションの終わりに、Triton-X100(0.1%)を含む洗浄用緩衝液を用いてBrandel装置で濾過した後、まだAβ1−40原繊維に結合している放射活性をFBフィルター上で検出する。
【0219】
生体内のラット脳内侵入の検討
i.v投与後の脳の露光は、カセット投与を使用してラット脳で測定することができる。4種の異なる化合物を投与し、投与してから2分及び30分後に血漿及び脳のサンプリングを行う。2分から30分間の脳内濃度比、及び2分後に脳に認められた注入線量の合計に対するパーセンテージを算定する。化合物濃度は、エレクトロスプレータンデム型質量分析計と連結した逆相液体クロマトグラフィーで、血漿サンプルのタンパク質沈殿を分析することによって測定する。
【0220】
〔生物学的実施例1〕
本発明の化合物の結合パラメータ
本発明の化合物、2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール、の生体外アミロイドAβ1−40原線維との結合パラメータの要約を、以下の表1に示す。
【0221】
【表1】

【0222】
〔生物学的実施例2〕
新規なヘテロアリール置換ベンゾオキサゾール誘導体の生体外アミロイドAβ1−40原線維との特異的結合の特徴付け
特異的な結合を、本明細書に記載された競合結合アッセイに従って測定した。5種類の本発明の化合物の(放射性リガンドとして[H]PIBを使用した)競合結合アッセイで測定されたIC50値を、表2に示す。
【0223】
【表2】

【0224】
死後のヒトAD脳のアミロイドプラークに対する結合
AD患者及び対照被験者由来のヒト大脳皮質切片(7μm)は、オランダの組織銀行から入手した。切片は、トリチウム標識化合物(1nM)を含むTris HCl緩衝液(50mM)(pH7.4)中、室温で30分間インキュベートした。インキュベーションは、緩衝液(1℃)中で10分間ずつ連続して3回洗浄、次いで蒸留水(1℃)ですばやく洗浄することで終了させた。切片は、扇風機の前で空気乾燥した。乾いた切片及びプラスチック製のトリチウム標準(Amersham microscales-3H)を、カセットの中のホスホイメージプレート(phosphoimage plate)(Fuji)に並べ、夜通し露光した。翌朝、画像プレートを、BAS Readerソフトウェアを用いて、Fuji phosphoimager(BAS 2500)で処理した。得られた画像は、Aidaソフトウェアを使用してTIF形式に変換し、Adobe Photoshop(v8.0)で最適化し、そしてImage-J(NIH)を使用して数量化した。データは、Excelを使用して統計的に解析した(図3〜5)。
【0225】
化合物投与後の遺伝子組み換え(APP/PS1)マウス脳における生体内結合
未使用の覚醒マウスを拘束し、トリチウム標識した本発明の化合物を尾部静脈経由で静脈内に注入した。動物は、イソフルレンですばやく麻酔し、化合物投与(1mCi)の10分後に断頭した。脳を摘出し、粉末のドライアイスで凍結させた。脳を、クリオスタットで切片(10μm)にし、スーパーフロスト顕微鏡スライドグラス上で解凍標本にし、風乾した。
その後、生体内投与後の結合したリガンドの画像を最適化するために設計された方法を使用した。未結合放射能レベルを選択的に下げるために、切片を2分の1にし、冷却した(1℃)Tris緩衝液(50mM、pH7.4)中で濯ぎ(3×10分)、続いて冷脱イオン水(1℃)で迅速に洗浄した。切片は、扇風機の前で風乾した。洗浄した切片並びに洗浄していない切片及びトリチウム標準を、ホスホイメージプレート(phosphoimage plate)(Fuji)に露光した。ホスホイメージプレートを、BAS Readerソフトウェアを用いてFujifilm BAS-2500 phosphoimagerで処理した(図6)。
【図面の簡単な説明】
【0226】
【図1】競合結合: 本発明の非標識化合物(化合物濃度、対数)の濃度増加に対する残存[H]PIBの活性(%活性)を示す。化合物は、競合結合アッセイに示した2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オールである。
【図2】飽和結合:飽和試験の例: 合成Aβ1−40原線維に特異的に結合した化合物の濃度の増加を示す。化合物は、飽和実験で示した[N−メチル−]−2−(6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オールである。挿入図は、同じ実験のスキャッチャード・プロット(scatchard plot)を示す。
【図3】死後ヒトAD脳におけるアミロイドプラークへの結合: (A)10nMの[N−メチル−]−2−(6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール、又は(B)10nMの[H]−BOを用いた死後ヒト脳組織切片におけるアミロイド結合の例を示す。
【図4】非特異的アミロイド結合の定量的な比較: アミロイドプラークのある灰白質及びアミロイドプラークのない白質部における結合密度を測定するための、縁取りした領域の画像を示す。
【図5】化合物[N−メチル−]−2−(6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール、及び化合物[H]−BOを用いた、死後ヒトAD脳の組織切片における非特異的アミロイド結合の定量的比較を示す。(A)は、10nMの化合物[N−メチル−]−2−(6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール(黒棒)及び10nMの化合物[H]−BO(白棒)の非特異的結合量(白質領域)を示す棒グラフである。(B)は、10nMの化合物[N−メチル−]−2−(6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール(黒棒)及び10nMの化合物[H]−BO(白棒)に対する、シグナル対バックグランド比で表示した、灰白質の結合と白質の結合の比率を示す棒グラフである。
【図6】化合物の生体内投与後のトランスジェニック(APP/PS1) マウス脳における結合性: 本発明のトリチウム標識化合物である化合物[N−メチル−]−2−(6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オールの、生体内投与(1mCi、i.v.)後のAPP/PS1二重トランスジェニックマウス由来の脳切片における標識を説明する、オートラジオグラムを示す。脳切片は、洗浄処理無しで(A)又はTrizma-base(登録商標)緩衝液(pH7.4)で洗浄処理して(B)露光した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基としての、式Ia:
【化1】

の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物。
式中、
R1は、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3 アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、ニトロ及びシアノから選択され;
R2は、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、C1−3 アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)及びシアノから選択され;
Qは、Q1〜Q5:
【化2】

[式中
Q1は、1つ又は2つのN原子を含む6員環の芳香族ヘテロ環であり、ここで、X、X、X及びXは、独立にN又はCから選択され;X、X、X及びXの内の1つ又は2つはNであり、残りはCであり、そして原子XがCである場合、該Cは場合によりR4で置換され;XがCである場合、該Cは場合によりR5で置換され;
R3は、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(C0−3アルキレン)G2、N(C0−1アルキル)N(C0−1アルキル)、N(C0−1アルキル)OC0−1アルキル、NC1−3アルキル(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、(CO)G2、(CO)NHG2、SC1−3アルキル、SC1−3フルオロアルキル、SONH、SONHC1−3アルキル、SONHC1−3フルオロアルキル、SON(C1−3アルキル)、SON(C1−3フルオロアルキル)、SON(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、シアノ及びG1から選択され、ここで、G1は下記の基:
【化3】

であり;ここで、Xは、O、NH、NC1−3アルキル及びNC1−3フルオロアルキルから選択され;
G2は、フェニル、又は5若しくは6員環の芳香族ヘテロ環であり、そして、場合により、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル及びメトキシからの置換基で置換され;
R4は、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル及びNHC1−3フルオロアルキルから選択され;
R5は、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル及びNHC1−3フルオロアルキルから選択され;
R6は、水素、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル及び(CO)C1−4アルコキシから選択され;
R7は、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルコキシ及びC1−4フルオロアルコキシから選択される]
から選択される窒素を含有する芳香族ヘテロ環であり;そして、
式Iaの1つ又はそれ以上の原子は、場合により、検出可能な同位体であり;但し、
R1及びR2の両者がHであり、そしてX及びXの両者がNである場合、R3はNH(C0−1アルキレン)G2、G1、クロロ、ヒドロキシ、SCH、NHC0−1アルキル、N(C1−2アルキル)、NHNH又はNHOHではなく;
R1及びR2の両者がHであり、そしてX及びXの内の一方がNであり他方がCである場合、R3はクロロ、ヒドロキシ又はメチルではなく;
R3がアミノであり、そしてX及びXの両者がNである場合、R1又はR2はメチル、エチル、クロロ又はブロモではなく;そして、
上記化合物は以下の化合物:
2−(5−アミノピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−アミン;
5−(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−フェニルピリミジン−2−アミン;
2−(5−メチルピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;又は
5−メチル−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;ではない。
【請求項2】
遊離塩基としての、式I:
【化4】

で表わされる請求項1記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、若しくはその塩の溶媒和物。
式中、
R1は、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、ニトロ及びシアノから選択され;
R2は、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)及びシアノから選択され;
R3は、ハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(C0−3アルキレン)G2、N(C0−1アルキル)N(C0−1アルキル)、N(C0−1アルキル)OC0−1アルキル、NC1−3アルキル(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3フルオロアルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、(CO)G2、(CO)NHG2、SC1−3アルキル、SC1−3フルオロアルキル、SONH、SONHC1−3 アルキル、SONHC1−3フルオロアルキル、SON(C1−3アルキル)、SON(C1−3フルオロアルキル)、SON(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、シアノ及びG1から選択され、ここで、G1は以下の基:
【化5】

(ここで、Xは、O、NH、NC1−3アルキル及びNC1−3フルオロアルキルから選択される)であり;
G2は、フェニル、又は5若しくは6員環の芳香族ヘテロ環であり、場合により、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル及びメトキシからの置換基で置換され;
Qは、1つ又は2つのN原子を含む6員環の芳香族ヘテロ環であり、ここで、X、X、X及びXは、独立にN又はCから選択され、かつ、X、X、X及びXの内の1つ又は2つはNであり、残りはCであり、そして、X、X、X及びXに結合している置換基は、この原子がCである場合水素であり;そして、
式Iの1つ又はそれ以上の原子は、場合により、検出可能な同位体であり:但し、
R1及びR2の両者がHであり、そしてX及びXの両者がNである場合、R3はNH(C0−1アルキレン)G2、G1、クロロ、ヒドロキシ、SCH、NHC0−1アルキル、N(C1−2アルキル)、NHNH又はNHOHではなく;
R1及びR2の両者がHであり、そしてX及びXの内の一方がNであり他方がCである場合、R3はクロロ、ヒドロキシ又はメチルではなく;そして、
上記化合物は以下の化合物:
2−(5−アミノピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−アミン;
5−(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−フェニルピリミジン−2−アミン;
2−(5−メチルピリジン−2−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;又は
5−メチル−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;ではない。
【請求項3】
R1が、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル及び(CO)C1−3アルコキシから選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R1が、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル、C1−6フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3フルオロアルキル及び(CO)C1−3アルコキシから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R1が、ヒドロキシ、(CO)C1−3アルコキシ及びC1−6アルコキシから選択され、該C1−6アルコキシがメトキシである、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
R2が、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−6アルキル、C1−6フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル及び
(CO)NHC1−3フルオロアルキルから選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項7】
R2が、水素、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル、C1−6フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシから選択され、該C1−6アルコキシがメトキシ、NHC1−3アルキル及び(CO)NHである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
R2が水素である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
QがQ1である、請求項1及び3〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
R3が、フルオロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、NC1−3アルキル(CO)C1−3アルキル、N(C1−3フルオロアルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル及びG1から選択され、ここで、Xが、O、NH、NMe及びNC1−3フルオロアルキルから選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
R3が、フルオロ、ブロモ、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、NC1−3アルキル(CO)C1−3アルキル、(CO)NH、(CO)NHC1−3フルオロアルキル及びG1から選択され、ここで、G1は以下の基;
【化6】

であり、そしてXがOである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
R3が、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、NHC1−3フルオロアルキル及びNC1−3アルキル(CO)C1−3アルキルから選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Qがピリジン環であり、X及びXが独立にN又はCから選択され、そしてX及びXの内の1つがNであり、かつX、X、X及びXの内の残りがCである、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
Q1がピリジン環であり、そして、XがNであり、かつX、X及びXがCである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Q1がピリジン環であり、そして、XがNであり、かつX、X及びXがCである、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
Q1がピリジン環であり、そして、XがNであり、かつX、X及びXがCである、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
Qがピリミジン環であり、そして、X及びXがNであり、かつX及びXがCである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
R5がフルオロ及びC1−4アルキルから選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
R1がヒドロキシ又はC1−6アルコキシであり、該C1−6アルコキシがメトキシであり;R2が水素であり;R3が、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、NHC1−3フルオロアルキル及びNC1−3アルキル(CO)C1−3アルキルから選択され;Qがピリジン環であり、X及びXが独立にN又はCから選択され、そしてX及びXの内の1つがNであり、かつX、X、X及びXの内の残りがCである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項20】
Qが、Q2、Q4及びQ5から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
QがQ5であり、R1がC1−6アルコキシであり、該C1−6アルコキシがメトキシであり、そしてR2が水素である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
QがQ4であり、R1がC1−6アルコキシであり、該C1−6アルコキシがメトキシであり、R2が水素であり、R6が(CO)C1−4アルコキシであり、そしてR7がC1−4アルコキシである、請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
QがQ2であり、R1がC1−6アルコキシであり、該C1−6アルコキシがメトキシであり、そしてR2が水素である、請求項20に記載の化合物。
【請求項24】
遊離塩基としての、以下の化合物:
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン;
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン;
N−[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]−N−メチルアセトアミド;
2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
[N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチル−アミン;
[N−メチル−]−2−(6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール;
[O−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−メチル−アミン;
[N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−メチル−アミン;
[N−メチル−]−2−(6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(5−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン;
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−5−オール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N,N−ジメチルピリミジン−2−アミン;
2−[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−(6−ブロモピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
2−[6−(2−フルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン;
N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
N−(2−フルオロエチル)−5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
[N−メチル−]− 2−(2−ジメチルアミノ−ピリミジン−5−イル)−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリミジン−2−アミン;
2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール;
6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)ベンゾオキサゾール;
2−ベンゾフラン−2−イル−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
5−メトキシ−2−(6−メトキシベンゾオキサゾール−2−イル)インドール−1−カルボン酸tert−ブチル;
2−(6−フルオロ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
2−(5−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
2−(1H−インドール−5−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロピリジン;
2−[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−カルボン酸メチル;及び
2−{6−[(2−フルオロエチル)アミノ]ピリジン−3−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
から選択される請求項1又は2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物。
【請求項25】
11C、18F、123I又は125Iのグループに属する1つの原子を含み、
R1及びR2の内の一方は、ヒドロキシ、ヨード、123I、125I又は[11C]メトキシのいずれかであり、そしてR1及びR2の内の他方はHであり;
R3は、NHMe、NMe2、NH11CH、N(Me)11CH、NHCHCH18F及びOCHCH18Fから選択され;
QはQ1であり、ここで、XおよびXは独立にN又はCから選択され、そしてX及びXはCである;
請求項1に記載の式Iaの化合物。
【請求項26】
11C、123I又は125Iのグループに属する1つの原子を含み、
R1及びR2の内の一方はヒドロキシ、ヨード、123I、125I又は[11C]メトキシであり、そしてR1及びR2の内の他方はHであり;
R3は、NHMe、NMe2、NH11CH及びN(Me)11CHから選択され;
Qはピリジン環であり、ここで、X及びXは独立にN又はCから選択され、そして、X及びXの内の1つはNであり、かつX、X、X及びXの内の残りはCである;
請求項2に記載の式Iの化合物。
【請求項27】
R1の1つ又はそれ以上の原子が放射性標識原子である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
R2の1つ又はそれ以上の原子が放射性標識原子である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
R3の1つ又はそれ以上の原子が放射性標識原子である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
放射性標識原子がH、18F、19F、11C、13C、14C、75Br、76Br、120I、123I、125I及び131Iから選択される、請求項27〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
放射性標識原子が、H、18F、19F、11C、14C及び123Iから選択される、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
放射性標識原子が123I、18F及び11Cから選択される、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
放射性標識原子が11Cである、請求項31に記載の化合物。
【請求項34】
放射性標識原子が18Fである、請求項31に記載の化合物。
【請求項35】
放射性標識原子が123Iである、請求項31に記載の化合物。
【請求項36】
遊離塩基としての、式Ib:
【化7】

の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物。
式中
Zは、1つ又は2つのN原子を含有する6員環の芳香族ヘテロ環であり、ここで、X、X及びXは、独立にN又はCから選択され、そしてX、X及びXの内の1つ又は2つはNであり、残りはCであり、そしてXはCであり、該Cは場合によりR9で置換され;
R8は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選択され;
R9は、H、ブロモ、フルオロ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選択され;
R10は、アミノ、メチルアミノ、NH(CH2−4G7、ジメチルアミノ、メトキシ、ヒドロキシ、(CO)NH、(CO)NH(CH2−4G7及びO(CH2−4G7から選択され;
R11は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、(CO)NH、(CO)NH(CH2−4G7、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選択され;
G3は、C1−4アルキル及びフェニルから選択され;
G4は、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1−3アルコキシ、2−(C1−3アルコキシ)エトキシ、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル及び9−アントリルから選択され;
G5は、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルから選択され;
IG6は、ヨードニウム塩の構成成分であり、ここで、ヨード原子は、超原子価のものであって正の形式電荷を有し、G6はフェニルであり、場合により、メチル及びブロモから選択される1つの置換基で置換され;
G7は、ブロモ、ヨード、OSOCF、OSOCH及びOSOフェニルから選択され、該フェニルは、場合により、メチル又はブロモで置換され;
式Ibに関して、R8、R9、R10及びR11から選択される1つ又はいくつかの置換基は、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N、ニトロ、アミノ、メチルアミノ、NH(CH2−4G7、CO)NH(CH2−4G7及びO(CH2−4G7から選択される官能基の1つである。
【請求項37】
R8がHであり;R9がHであり;R10が、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、NH(CH2−4G7、メトキシ、ヒドロキシ、(CO)NH、(CO)NH(CH2−4G7及びO(CH2−4G7から選択され;R11が、OSi(CHC(CH、(CO)NH、(CO)NH(CH2−4G7、H、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、Sn(C1−4アルキル)及びNから選択される、
請求項36記載の化合物。
【請求項38】
Zがピリジン環であり、かつ、X及びXがCであり、そしてXがNである、請求項36又は37に記載の化合物。
【請求項39】
Zがピリジン環であり、かつ、X及びXがCであり、そしてXがNである、請求項36又は37に記載の化合物。
【請求項40】
Zがピリミジン環であり、かつ、X及びXがNであり、そしてXがCである、請求項36又は37に記載の化合物。
【請求項41】
以下の化合物:
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン;
2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−5−オール;
2−[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−(6−ブロモピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−メチルピリミジン−2−アミン;
2−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
2−(6−フルオロ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
2−(1H−インドール−5−イル)−6−メトキシ−ベンゾオキサゾール;
5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロピリジン;
2−(6−アミノピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾオキサゾール−6−オール;
5−(6−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−アミン;
[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリミジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル;及び
[5−(6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]カルバミド酸tert−ブチル;
から選択される請求項36に記載の化合物。
【請求項42】
標識が1つの[11C]メチル基によって構成される標識化合物の製造方法における合成前駆体としての、請求項36〜41のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項43】
標識が1つの18F原子によって構成される標識化合物の製造方法における合成前駆体としての、請求項36〜41のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項44】
標識が120I、123I、125I及び131Iから選択される1つの原子によって構成される標識化合物の製造方法における合成前駆体としての、請求項36〜41のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項45】
薬学的に許容される担体と共に、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項46】
薬学的に許容される担体と共に、請求項25〜35のいずれか1項に記載の化合物を含む、アミロイド沈着の生体内画像化のための医薬組成物。
【請求項47】
(a)請求項46に記載の医薬組成物の検出可能な量を投与し、そして被験者のアミロイド沈着に対する該化合物の結合を検出する段階を含む、被験者におけるアミロイド沈着を生体内で測定する方法。
【請求項48】
検出が、ガンマ線画像化、磁気共鳴映像法及び磁気共鳴分光法によって行われる、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
被験者が、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子のホモ接合体から成るグループから選択される疾患又は症候群を有することが疑われる、請求項47又は48に記載の方法。
【請求項50】
治療に使用するための、請求項1〜24のいずれか1項に定義される化合物。
【請求項51】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポタンパク質E4対立遺伝子のホモ接合体の予防及び/又は治療のための医薬品の製造における、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−541309(P2009−541309A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516443(P2009−516443)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000591
【国際公開番号】WO2007/149030
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】