説明

新規な誘導システムの合成及び特徴付け、並びに標的細胞への治療対象分子のベクター化

本発明は、2つの面、いわゆる上面及びいわゆる下面を画定し、前記2つの面が両方ともグラフトされるフレームを形成するグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法であって、線状ペプチドを合成し、前記合成は、修飾された又は修飾されないアミノ酸から行われ、アミノ酸の内幾つかは、直交保護基を持ち、得られた保護線状ペプチドの分子内環化を行い、保護前駆物質により直交保護基の全部又は一部を置換し、少なくとも1つの対象分子をオキシム結合により前記フレームの一方及び/又は他方の面にグラフトすることを特徴とする方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な誘導システムの合成及び特徴付け、並びに標的細胞への治療対象分子のベクター化に関する。
【0002】
より正確には、本発明は、事前定義した認識又はエフェクタ特性を持つ、幾つもの官能分子を組み合わせることが可能な分子錯体、その調製方法、及びその治療的又は診断ツールとしての使用に関係する。
【背景技術】
【0003】
文献は、多数の一価多官能生体抱合錯体の製造方法を記載している(Lemieuxら、Trends in Biotechnology、1998、16、506−513)。しかしながら、これらの錯体は、比較的弱い生物学的応答を引き起こす。従って多価システムが調製された(Tamら、Biomedical Peptides、Proteins & Nucleic Acids、1995、1、123−132)。研究により、多価錯体が、一般的に一価生体抱合錯体よりはるかに良好な生物学的ツールであることが証明された(Grubbs、R.H.ら、J.Am.Chem.Soc.、2001、123、1275−1279)。
【0004】
かかる生体抱合錯体の有用性は、少なくとも2つのクラスの異なる分子の固有の特性を結合することである。しかしながら、現れる難点の一つは、生体抱合体の様々な分子が有し得る潜在的相互作用である。この相互作用は、生体抱合の結果生じる特性を修飾し得る。この問題の一つの解決法は、生体抱合点を空間的に分離することからなり、このことは、サイズ又はアドレス可能な分子フレームの発展に至らせた。L.Scheibler、P.Dumyら、Tetrahedron、1998、54、3725−3734は、配位基及びアルカン鎖により官能化した分子フレームの合成及び特徴付けを記載している。
【0005】
もう一つの難点は、対象分子のフレーム上への固定である。L.Scheibler、P.Dumyら、Angew.Chem.Int.Ed.、1999、38、696−699は、オキシム結合により、面に対し化学選択的に官能化したフレームを記載している。
【0006】
しかしながら先行技術の情報は、2つの面に対して官能化したフレームを合成することを可能にせず、官能化の少なくとも一方は、化学選択的であり、各面は、治療、又は診断又はマーキング対象分子を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、これら2つの面にグラフトされるホモデティックシクロペプチドの調製方法を対象とする。
【0008】
より正確には、本発明は、2つの面、いわゆる上面及びいわゆる下面を画定し、前記2つの面が両方ともグラフトされるフレームを形成するグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法であって、線状ペプチドを合成し、前記合成は、修飾された又は修飾されないアミノ酸から行われ、アミノ酸の内幾つかは、直交保護基を有し、得られた線状ペプチドの分子内環化を行い、保護前駆物質により直交保護基の全部又は一部を置換し、少なくとも1つの対象分子をオキシム結合により前記フレームの一方及び/又は他方の面にグラフトすることを特徴とする方法を対象とする。
【0009】
従って、本発明は、4つのステップ、すなわち:(1)線状ペプチドの合成;(2)分子フレームを得るような、この線状ペプチドの分子内環化;(3)このフレームの官能化;(4)少なくとも1つの対象分子のこのフレームの一方及び/又は他方の面へのグラフト、で得られる多官能分子の分子フレームの調製方法に関する。
【0010】
ペプチド合成に使用するアミノ酸は、(D)系アミノ酸、(L)系アミノ酸、及びあらゆる修飾アミノ酸を含む、あらゆる性質のものであり、アミノ酸は、天然又は合成である。ある種のこれらのアミノ酸は、直交保護基によって置換される。直交保護基は、フレームの正中面に対して垂直に向けられた化学基である;直交保護基は、原子又は原子の反応性を消し、かつその化学的除去は、分子中に存在する異なる性質の他の保護基に影響しない。その選択は、アミノ酸及び所望のフレームの性質によって決まる。
【0011】
本発明の第1の実施態様によれば、固相に対して行われる線状ペプチドの合成は、カルボキシル基が樹脂に固定されるグリシン残基から開始され、かつ得られた線状ペプチドの環化は、樹脂放出後に溶液中で行われる。かかる線状ペプチドの伸長戦略は、先行技術(P.Dumyら、Tetrahedron Lett.1995、36、1255−1258)に記載されている。グリシン残基による合成の開始は、次の環化ステップ中のあらゆるエピマー化の危険を回避することを可能にする。好ましくは、グリシンは、そのカルボキシル基によって樹脂に結合される。そのアルファアミン基は、ペプチド伸長を合成によって可能にする保護基によって保護される。線状ペプチドの合成の結果、ペプチドのアルファアミノ末端基は、第1のステップ中に保護基から放出され、かつカルボキシル末端基は、第2の保護線状ペプチド放出ステップ中に樹脂から放出され、側鎖は、その直交保護基によって保護されたままでいる。可溶化線状ペプチドから放出されたN−及びC−末端化学基は、溶液中で行われる分子内環化ステップ中に、分子内ペプチド結合を形成するために反応する。
【0012】
第2の実施態様によれば、線状ペプチドの合成、次にその環化は、固相に対して完全に行われる。この実施態様において、線状ペプチドの合成は、側鎖が樹脂に固定されたアミノ酸残基により開始され、そのカルボキシル基が、固定されないままにしている。このアミノ酸のアルファアミン基及びカルボキシル基は、各々が保護基によって保護され、2つの保護基は、互いに直交する。
【0013】
線状ペプチド合成の結果、アルファアミノ末端及びカルボキシル末端基は、それぞれの保護基から選択的に放出され、かつ得られた線状ペプチドは、第1のアミノ酸残基の側鎖によって樹脂に結合される。得られた線状ペプチドの末端化学基は、その場合、互いに反応し得るため、かつ固相に対して行う分子内環化ステップ中に分子内サイクルを形成するために遊離している。
【0014】
この実施態様において、方法は、好適にはペプチド合成ロボットで完全に又は部分的にオートメーション化される。
【0015】
好適には、シクロペプチドは、5、10又は14個のアミノ酸残基から、好ましくはシクロデカペプチドを形成する10個のアミノ酸から形成される。本発明により環化されたシクロペプチドは、少なくとも1つの肘部(coude)、好ましくは2つの肘部を有する。本発明によるある種のシクロペプチドは、中心対称性を有する。
【0016】
好ましい実施態様によれば、シクロペプチドは、10又は14個のアミノ酸残基を有し、かつ2つの肘部を形成し、各肘部は、(L)Pro−(D)AA又は(D)Pro−(L)AA(AAは、アミノ酸であり、かつ好ましくはグリシンである)の組み合わせによって形成され、2つの肘部は、3及び/又は5個のアミノ酸残基によって分離される。
【0017】
肘部レベルでのプロリン残基の存在は、プロリンが、その環状構造のために、他のアミノ酸と比較して特有の空間配置示すことによって正当化される。この特性は、ペプチド骨格構造に、プロリン又はその誘導体以外のアミノ酸により採用されるものと比較して配座的制限を与える。この制限は、特に二次又は超二次ポリペプチド構造中の肘部由来である。
【0018】
上記に略号AAで表した、肘部の他のアミノ酸残基は、好ましくは、プロリン及び対向する立体化学的残基以外のアミノ酸残基であり、かつ非常に好ましくは、グリシン残基である。
【0019】
肘部は、アミノ酸残基、好ましくは奇数のアミノ酸残基、かつ非常に好ましくはそれぞれシクロデカペプチド及びシクロテラペプチドのための3及び/又は5個のアミノ酸によって分離される。
【0020】
2つの肘部を有し、かつ偶数のアミノ酸残基を有するシクロペプチドは、いわゆる上面及びいわゆる下面を画定する正中面を有する。
【0021】
好ましくは、3及び/又は5個のアミノ酸残基は、各々が保護基によって直角に保護される化学基を有する。これらアミノ酸の側鎖の保護基は、前記フレームの正中面の両側に交互に向き、かつこの面に対していわゆる下及び上面を画定する。
【0022】
これらのアミノ酸残基は、好ましくは−NH2、−SH又は−COOHタイプの化学基を持つアミノ酸残基である。本発明の特殊な実施態様によれば、これら3又は5個のアミノ酸残基は、好ましくはアミン側鎖を有するアミノ酸であり、かつ非常に好ましくは、リジンである。
【0023】
本発明の特殊な実施態様によれば、中心アミノ酸残基の直交保護基は、互いに同一であり、中心以外のアミノ酸残基の直交保護基は、互いに同一であり、一方で中心アミノ酸残基の直交保護基、及び他方で他のアミノ酸残基の直交保護基は、互いに異なる。
【0024】
本発明の特殊な実施態様によれば、オキシアミン基の保護前駆物質又は特にα−オキソアルデヒドタイプのアルデヒド基のマスクした前駆物質、又はチオール基の保護前駆物質又はマーカーによりフレームの直交保護基を置換して、フレームのグラフトを開始する。本発明の第1の応用例によれば、チオール基の保護前駆物質は、システインの非対称ジスルフィド誘導体であり、かつ特にNpys基である(図1b)。
【0025】
本発明のもう一つの応用例によれば、この保護前駆物質は、窒素に対し保護される2−オキシアミノ酢酸(AOA)、又はアミン及びヒドロキシル基が保護され、かつ保護取り消し、次に酸化開裂がアルデヒド基を放出する、α−オキソアルデヒド基の前駆物質のセリン誘導体、かつ好ましくはBoc−Ser(tBu)OHである。
【0026】
第1の実施態様によれば、マーカー、好ましくはビオチン又はフルオレセインにより下面の直交保護基の置換を最初に行い、次に第2のステップにおいて、オキシアミン基又はα−オキソアルデヒド基の保護前駆物質によりフレームの上面の直交保護基を置換する。次に、予め保護を取り消した前駆物質のオキシアミン又はα−オキソアルデヒド基を、それぞれα−オキソアルデヒド又はオキシアミン基を持つ中間分子又は対象分子と反応させる。この実施態様において、下面の置換は、従来のものであり、他方で上面の置換は、化学選択的である。
【0027】
第2の実施態様によれば、オキシアミン基の保護前駆物質によりフレームの下面の直交保護基の置換を最初に行い、次に第2のステップにおいて、α−オキソアルデヒド基の保護前駆物質によりシクロペプチドの上面の直交保護基を置換する。
【0028】
本発明の第3の実施態様によれば、オキシアミン基の保護前駆物質によりフレームの上面の直交保護基の置換を最初に行い、次に第2のステップにおいて、α−オキソアルデヒド基の保護前駆物質によりシクロペプチドの下面の直交保護基を置換する。
【0029】
本発明の第4の実施態様によれば、アルデヒド又はオキシアミン基の保護前駆物質によりフレームの一方の面の直交保護基の置換、次にチオール基の保護前駆物質によりフレームの他方の面の直交保護基の置換を行う。次に、相補的官能基を反応させて、対象分子のグラフトを行う。この実施態様において、それぞれオキシアミン又はアルデヒド前駆物質を持つフレームの面に、アルデヒド又はオキシアミン前駆物質を持つ対象分子のグラフトを最初に行い、次に遊離チオール形状、又は活性化非対称ジスルフィド形状のフレームの他方の面を、それぞれ活性化非対称ジスルフィド基又は遊離チオール基を持つ第2の対象分子と反応させる。その場合この第2の分子は、ジスルフィドのクリップ(agrafe disulfure)を経由してフレーム上に結び付けられる。対象分子は、ペプチド、タンパク質、オリゴ糖、核酸、有機分子、無機分子であっても良い(図1b及び2b)。好適には、このクリップは、その生物学的役割を果たし得るために、対象分子の細胞内塩析を可能にし得る。
【0030】
上記実施態様において、予め保護を取り消した前駆物質の特にオキシアミン又はα−オキソアルデヒド活性基を、相補的官能基、我々の実施例ではそれぞれα−オキソアルデヒド又はオキシアミン基を持つ中間分子、又は1つ又は幾つかの対象分子と反応させる。好ましくは、フレーム上に位置する前駆物質のオキシアミン基を、α−オキソアルデヒド基を持つ対象分子と反応させ、次にフレーム上に位置するα−オキソアルデヒド基の前駆物質を酸化させ、かつフレームを、オキシアミン基を持つ中間分子又は少なくとも1つの対象分子と接触させることにより反応を遂行する。
【0031】
中間分子は、一方でフレーム上に位置するα−オキソアルデヒド基と反応し得るオキシアミン基を持ち、かつ他方で少なくとも1つのα−オキソアルデヒド基の前駆物質を持つ。
【0032】
対象分子は、互いに同一であるか、異なっている。
【0033】
好適には、対象分子は、核酸、ペプチド、オリゴ糖、又は有機分子である。オキシアミン又はα−オキソアルデヒド基を持つあらゆる治療又は診断対象分子は、フレーム上にグラフトされ得る。
【0034】
本発明の第1の応用例によれば、αVβ3インテグリンのリガンドのシクロ(RGDfK)及びシクロ(RGDyK)から誘導されたペプチドによってフレームの一方の面にグラフトし、このレセプターを発現させる組織に分子を向け、かつ治療又は診断目的において生物学的効果を修飾する。
・目的が治療ならば、(KLAKKLAK)タイプのアポトゲンペプチド(peptide apotogene)、又は(ドキソロブシン)タイプの公知の有機分子、又は細胞内毒性タンパク質(リシン−A、ガレニン(galenine)等)により、本発明によるフレームの他方の面をグラフトする
・目的がインビトロ及びインビボ診断ならば、発色団、ビオチン;蛍光体、電波放出体、又は(化学又はリガンド)前駆基により、フレームの他方の面をグラフトする
【0035】
本発明の第2の応用例によれば、治療又は診断目的において、レクチンタイプの膜貫通レセプター、特にマンノースレセプター、ガラクトースレセプター、アシアロタンパク質レセプター、グルコースGLUTの輸送レセプター等のターゲティングのために、炭水化物誘導体によってフレームの一方の面をグラフトする。
・目的が治療ならば、T−依存性エピトープペプチド、(KLAKKLAK)タイプのアポトゲンペプチド、又は(ドキソロブシン)タイプの公知の有機分子、又は細胞内毒性タンパク質(リシン−A、ガレニン等)により、本発明によるフレームの他方の面をグラフトする
・目的がインビトロ及びインビボ診断ならば、発色団、ビオチン;蛍光体、電波放出体、又は(化学又はリガンド)前駆基により、フレームの他方の面をグラフトする
【0036】
本発明の第3の応用例によれば、ワクチン接種の目的において、細胞応答を引き起こすために、ペプチド又は炭水化物タイプのB−依存性エピトープ、特には腫瘍マーカー(Tn、sTn、Tf)、T−依存性エピトープ(Th1又はTh2ペプチド)及び免疫アジュバントによってフレームの面をグラフトする。
【0037】
本発明の第4の応用例によれば、バイオチップタイプの小型化したシステム中で有用な認識特性を与える目的において、表面を官能化する。
【0038】
好適には、本発明による方法は、合成及び環化が、固相で行われる時、ペプチド合成ロボットで完全に又は部分的にオートメーション化される。
【0039】
本発明は、本発明の方法によって得られることを特徴とするグラフトホモデティックシクロペプチドも同様に対象とする。
【0040】
本発明のもう一つの対象は、本発明に記載の方法によって得られたグラフトホモデティックシクロペプチドを含むことを特徴とする治療又は診断組成物である。
【0041】
本発明は、がん治療用の薬剤の製造のために、本発明に記載の方法によって得られたグラフトホモデティックシクロペプチド、又はそれを含む組成物の使用にも同様に関する。本発明は、本発明に記載の方法によって得られたグラフトホモデティックシクロペプチド、又はそれを含む組成物の、癌診断ツールとしての使用にも同様に関する。
【0042】
本発明は、新血管形成の診断及び/又は抑制のために、本発明に記載の方法によって得られたグラフトホモデティックシクロペプチド、又はそれを含む組成物の使用にも同様に関する。
【0043】
本発明は、バイオチップタイプの小型化したシステム中で有用な認識特性を与える目的において表面を官能化するために、フレームの、本発明に記載の方法によって得られたグラフトホモデティックシクロペプチド、又はそれを含む組成物の使用にも同様に関する。
【0044】
認識特性を付与した官能界面として表面を使用することは、そのマイクロ又はナノメートルの小型化、並びにその連結技術を可能にする、広範囲な技術により移転可能なこれらのシステムの設計に関する選択の戦略を意味する。
【0045】
一方で、認識に係わるパートナーの一つによる宿主表面の官能化(プローブ:分子、生体分子、細胞)は、表面及び分析物の界面で、この分子相互作用を行うために最も重要なステップである。このアドレッシングは、プローブの完全さ及び分子特性を守るために十分に穏やかであり、利用可能であるために再生可能であり、かつ様々な標的を並行して検出することを可能にするために、空間的に制御されねばならない。他方で、官能化は、標的の検出を可能にする測定可能、かつ数量化可能な信号で、プローブ−標的認識の形質導入に、同様に至らせることができる。この戦略の主要な有用性は、あらゆる部類の標的へのアプローチの一般化を可能にする標的のマーキングがないことにある。
【0046】
この枠内で、本発明の方法は、例えばチオールグラフト組織を使用して、又はピロールタイプのペンダントを使用して、電気重合により表面のアドレッシングのためにフレームの一方の面を使用することを可能にする。他方の面は、表面への対象分子のグラフトのために本発明の方法により使用される。好適には、NVOCタイプの感光性基によって保護されるα−オキソアルデヒド基の前駆物質の使用により、対象分子による表面の空間的に制御されたアドレッシングが可能になる。本発明の方法は、従来使用される方法よりも表面の官能化に関して十分に好適である。
【0047】
本発明によるフレーム及びそのグラフトのその他の実施態様は、図面に対して読まれ、かつ本発明を非限定的に例示する、以下の詳細な記載に示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
図1aに示した第1の実施態様によれば、α−オキソアルデヒド基の保護前駆物質、かつ好ましくはBoc−Ser(tBu)OHにより下面の直交保護基PG、すなわちPG2及びPG5の置換を最初に行い;第2のステップにおいて、オキシアミン基の保護前駆物質、かつ好ましくはBoc−AOA−OSuによりフレームの上面の直交保護基PG1、PG3、PG4、PG6を置換し;図2aに示した第3のステップにおいて、全ての保護基を取り除き、このように保護を取り消された下面のオキシアミン基は、α−オキソアルデヒド基を持つ第1の対象分子の存在下で反応するようになり;図2aに示した第4のステップにおいて、上面のα−オキソアルデヒド基に応じてセリル残基を酸化させ;第5のステップにおいて、上面のα−オキソアルデヒド基を、オキシアミン基を持つ第2の対象分子と反応させる。
【0049】
図1a及び2aに示した第2の実施態様によれば、それぞれ第1の態様に対して、直交保護基の置換、及び上及び下面のグラフトの順序を逆にする。図3に示した本発明の特殊な実施態様によれば、フレーム上に位置するα−オキソアルデヒド基へのグラフトを可能にするそのオキシアミン基を経由してフレームにグラフトされた最終対象分子は、本発明による方法を遂行することを可能にする、α−オキソアルデヒド基の少なくとも1つの前駆物質を持し、この前駆物質をα−オキソアルデヒド基に酸化させ、かつ後者をオキシアミン基を有する対象分子と、補足的オキシム結合を作るように反応させる。この相補的ステップは、相次ぐ酸化によるα−オキソアルデヒド基のデマスキングにより、フレームに相互作用オキシムカップリングを経由したモジュラシステムの構成を可能にする。
【0050】
図4が表すように、この特殊な態様は、好適には、フレームに位置するα−オキソアルデヒド基に対するグラフトを可能にする、オキシアミン基経由でフレームへグラフトされた対象分子が、α−オキソアルデヒド基の1つを超える前駆物質を持つ場合に、フレームにより原位置に示した分子数を増加することを可能にする。
【実施例1】
【0051】
実施例1:αVβ3インテグリンのリガンドである、シクロ(RGDfK)及び/又はシクロ(RGDyK)から誘導されたペプチドによって一方の面に対してグラフトされたフレームを形成する本発明によるシクロペプチド、
【0052】
シクロ(RGDfK)ペプチドは、αVβ3インテグリンを認識する。このインテグリンは、腫瘍新血管形成の際に、腫瘍又は内皮細胞の細胞表面に過剰発現する。本発明によるフレームの一方の面に対するこのペプチドのグラフトは、このインテグリンによるこのペプチドの認識特性を向上させる。その上、分子の飲食作用及びクラスター化のようなこのインテグリンの生物学的効果は、このようにグラフトされた本発明によるフレームによって開始されるが、他方でペプチド単独によっては開始されない。
【0053】
1)インビトロ細胞培養のための担体:その面の一方に対し、ビオチン基を含むフレームは、一般的に、ビオチン−ストレプタビジンの強い相互作用により、ストレプタビジンによるこの面の官能化を可能にする。フレームの他方の面は、対象又は遊離分子によって官能化され得る。
【0054】
例えばシクロ(RGDfK)のように接着リガンドを含むフレームの使用は、αVβ3レセプターを発現する細胞の固定及びそのインビトロ培養を可能にする。表面に吸着した低密度の分子で、化合物は、特に有効であることが明らかになっている。
【0055】
2)細胞レセプターの結集(クラスター化)の誘発(図5):β3インテグリンを過剰発現するHEK293細胞表面でのインテグリンの結集は、FRAP実験によって証明された。生細胞を、フィコエリトリン(LM609−PE)でマーキングした抗αβ抗体、及び様々なペプチドと接触させる。その場合細胞表面のある領域は、この領域内の蛍光信号の再出現速度を測定できるように、光脱色される。この測定は、生細胞の外膜中でのαβインテグリンの移動速度を反映する。幾つかのインテグリン分子が、ペプチドによって架橋されるならば、その場合このように形成された「クラスター」は、より小さく、かつより遊離した天然αβインテグリンよりも低速で移動するであろう。図5に示した結果は、本発明により得られたペプチドのみが、細胞表面でαβインテグリンのかかる結集を誘発できることを証明している。
【0056】
3)薬剤又はベクター化生成物の有効インターナリゼーション:予めフルオレセインでマーキングしたペプチドと、37又は4℃で、15から30分間接触させた同じ細胞は、早熟エンドソーム小嚢の免疫マーキング(赤で視覚化される抗早期エンドソーム1Aマーキング)後に共焦点顕微鏡検査で観察される。
【0057】
得られた結果は、本発明により得られたペプチドのみが、表面、細胞間結合、及び細胞内部で37℃で視覚化できることを証明している。細胞内信号の大部分は、EE1Aマーキングと共存し、このことは、RAFT−RGDペプチドの少なくとも一部が、飲食作用によってインターナライズされることを証明している。同じ条件でインキュベートされたcRGD及びRAFT−RGDペプチドは、免疫蛍光法によっては、検出できない。このことは、それらが、標的インテグリンに対して本発明により得られた化合物と同じくらい有効に固定されることが不可能であることを証明している。ペプチドのインキュベーションが、4℃で行われるならば、細胞外マーキングのみが、本発明により得られたペプチドによって観察され、インターナリゼーションが、有効なプロセスにより行われることを立証している。
【0058】
4)生体分子の転移を標的とするベクター(DNA、ペプチド、タンパク質、PNA、オリゴヌクレオチド、siRNA)
【0059】
αβインテグリンを発現する細胞のみが、本発明によって得られたペプチドによって認識される。本発明によって得られた蛍光ペプチドによる、インテグリンβ1又はβ3を過剰発現するHEK293細胞のインキュベーションは、ペプチドが、αβヘテロ二量体を過剰発現する細胞に対して専ら固定されることを証明している。この特性は、標的レセプターへの対象分子の輸送のために本発明により使用され得る。
【0060】
5)αβインテグリンを発現する腫瘍:腫瘍保菌者であるマウスに静脈内注射された、本発明により得られた蛍光ペプチドは、医療用撮像で、このペプチドが腫瘍の血液分布過多領域に非常に蓄積されていると認められることを示した。
【0061】
6)血管
【0062】
本発明によって得られた、蛍光ペプチドで得られた我々の結果は、内皮が、静脈内注射された、これらの分子によって認識され得ることを証明している。その他の組織及び特に肝被膜、肝臓血管及び脾臓もこれらの分子により撮像された。他のリガンドのグラフトは、内皮に関して得られる信号を増大するこをと可能にすべきであろう。
【0063】
7)薬剤の、又は細胞培養に関するインビトロの酵素力(特にプロテアーゼ活性)
【0064】
本発明によれば、プロテアーゼによって特異的に認識される配列を含むペプチドを、フレームに対してグラフトすることが可能である。開裂部位の上流で蛍光分子を、かつこの部位の下流で蛍光を吸収する分子をグラフトするならば、2つのマーカー間の僅かな距離が、あらゆる蛍光放出を妨げる。これに反して、特異的プロテアーゼの存在下で、2つの蛍光体は、解離し、かつ従って数量化可能な光の放出がある。この測定は、観察される区画、組織、又は細胞中に存在するプロテアーゼ濃度を決定することを可能にする。本発明は、これらの領域を特異的に撮像するために、このシステムを標的組織に向けることを可能にする。
【0065】
8)腫瘍新血管形成又はV3インテグリンを発現する腫瘍の際の内皮組織の無線探知(図7)
【0066】
放射性ヨウ素127によるマーキングは、分子の検出、及び従って細胞表面でインテグリンと結合すること、次に飲食作用後にサイトゾル中に入ることを可能にする。捕捉効果は、化合物用量依存性である。この効果は、インテグリンを発現する内皮細胞(HMVEC)及び腫瘍細胞(PC−3)に対して測定された。ここでも、本発明によりグラフトされたシクロペプチドのみが、分離リガンドとは反対に、観察された効果を持つ。この特性は、放射性活性測定による新血管形成領域の撮像を可能にする。
【実施例2】
【0067】
実施例2:炭水化物タイプのB−依存性エピトープ、特には腫瘍マーカー(Tn、sTn、Tf)、T−依存性エピトープ(Th1又はTh2ペプチド)及び免疫アジュバントによって一方の面に対しグラフトされたフレームを形成する本発明によるシクロペプチド。
【0068】
これらの置換基は、ワクチン接種の目的において、細胞応答を引き起こすために選択される。
【0069】
糖は、多数の疾患、特に癌(腫瘍マーカー)又はウイルス及び細菌感染において、非常に重要な要素として知られている。しかしながら、糖は僅かに免疫原性であり、このことは、明白な治療目的のワクチン組成物におけるその使用を大いに制限する。その上、糖モチーフ(motifs sucres)の認識は、群形状の提示に頼り、かつ同様に使用での制限となっている。本発明は、群形状での糖モチーフの提示、及びこれらのモチーフを巻き込む感染及び疾患から生体を保護するために、免疫系の学習を引き起こすことを最終的に可能にするエピトープの組み合わせを行うための化学的操作を同様に可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1a】一方で上面にα−オキソアルデヒド基の前駆セリン、及び下面にオキシアミン基を、かつ他方で上面にオキシアミン基、及び下面にα−オキソアルデヒド基の前駆セリンを含む、本発明によるシクロデカペプチド調製の図式を示す。
【図1b】上面にα−オキソアルデヒド基の前駆セリンか、α−オキソアルデヒド基、かつ他方で下面にC−Npys基を含む、本発明によるシクロデカペプチド調製の図式を示す。
【図2a】一方でシクロデカペプチドの下面、次に上面での、かつ他方でシクロデカペプチドの上面、次に下面での、オキシム結合による生体分子R1及びR2の相次ぐ化学選択的組み合わせによる多官能巨大分子調製の図式を示す。
【図2b】一方でシクロデカペプチドの下面、次に上面での、かつ他方でシクロデカペプチドの上面、次に下面での、オキシム結合による生体分子R1及びR2の相次ぐ化学選択的組み合わせによる多官能巨大分子調製の図式を示す。
【図3】生体分子R1が、シクロデカペプチドの一方の面にグラフトされ、オキシアミン基及びα−オキソアルデヒド基の少なくとも1つの前駆セリンを含む4つの分子が、シクロデカペプチドの他方の面にグラフトされ、かつ最後に生体分子R2がα−オキソアルデヒド基のデマスキング後にグラフトされる、オキシム結合による相次ぐ化学選択的組み合わせによる多官能巨大分子合成の図式を示す。
【図4】生体分子R1が、シクロデカペプチドの一方の面にグラフトされ、オキシアミン基及びα−オキソアルデヒド基の4つの前駆セリンを含む4つの分子が、シクロデカペプチドの他方の面にグラフトされ、かつ最後に生体分子R2がα−オキソアルデヒド基のデマスキング後にグラフトされる、オキシム結合による相次ぐ化学選択的組み合わせによる多官能巨大分子合成の図式を示す。
【図5】HEK生細胞の様々なインキュベーション条件の時間に応じた免疫マーキング(LM609−R−フィコエリトリン抗体)後のαVβ3レセプターの蛍光信号の回収を示す(FRAP実験)。RGD多価化合物(塗りつぶした四角形)で観察される遅延は、他の条件では観察されない、クラスター化現象の特徴を示すαVβ3レセプターの移動度の減少を表す。
【図6】RGD−フルオレセイン多価化合物により細胞(HEK)のインキュベーション後にFACSによって得られた蛍光のヒストグラムを示す。
【図7】本発明により組み合わされたRGD多価化合物(RAFT[シクロRGD]:菱形)の癌細胞PC3による捕捉速度を、ヨウ素125の放射性活性の測定による対照分子のそれと比較する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの面、いわゆる上面及びいわゆる下面を画定し、前記2つの面が両方ともグラフトされるフレームを形成するグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法であって、線状ペプチドを合成し、前記合成は、修飾された又は修飾されないアミノ酸から行われ、アミノ酸の内幾つかは、直交保護基を持ち、得られた保護線状ペプチドの分子内環化を行い、保護前駆物質により直交保護基の全部又は一部を置換し、少なくとも1つの対象分子をオキシム結合により前記フレームの一方及び/又は他方の面にグラフトすることを特徴とする方法。
【請求項2】
固相に対して行われる線状ペプチドの前記合成は、カルボキシル基が樹脂に固定されるグリシン残基から開始され、かつ得られた線状ペプチドの環化は、樹脂放出後に溶液中で行われることを特徴とする請求項1に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項3】
線状ペプチドの前記合成、次にその環化は、固相に対して完全に行われることを特徴とする請求項1に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項4】
線状ペプチドの前記合成は、側鎖が樹脂に固定されたアミノ酸残基により開始されることを特徴とする請求項3に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項5】
ペプチド合成ロボットで完全に又は部分的にオートメーション化されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項6】
前記シクロペプチドは、5、10又は14個のアミノ酸残基から、好ましくはシクロデカペプチドを形成する10個のアミノ酸から形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項7】
シクロペプチドは、10又は14個のアミノ酸残基を有し、かつ2つの肘部(coudes)を形成し、前記2つの肘部は、(L)Pro−(D)AA及び/又は(D)Pro−(L)AA(AAは、アミノ酸であり、かつ好ましくはグリシンである)の組み合わせによって形成され、2つの肘部は、それぞれ3又は5個のアミノ酸残基によって分離されることを特徴とする請求項5に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項8】
前記3又は5個のアミノ酸残基は、各々が保護基によって当初は直角に保護される化学基を側鎖に有し、これらアミノ酸の側鎖の保護基は、前記フレームの正中面の両側に交互に向き、かつこの面に対していわゆる下及び上面を画定することを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項9】
前記3又は5個のアミノ酸残基は、好ましくはアミン側鎖を有するアミノ酸残基であり、かつ非常に好ましくは、リジンであることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項10】
前記中心アミノ酸残基の直交保護基は、互いに同一であり、前記他のアミノ酸残基の直交保護基は、互いに同一であり、一方で前記中心アミノ酸残基の直交保護基、及び他方で前記他のアミノ酸残基の直交保護基は、互いに異なることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項11】
オキシアミン基の保護前駆物質又はアルデヒド基のマスクした保護前駆物質又はマーカーにより直交保護基を置換して、フレームのグラフトを開始することを特徴とする請求項1に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項12】
前記保護前駆物質は、保護される2−オキシアミノ酢酸(AOA)であることを特徴とする請求項11に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項13】
前記マスクした保護前駆物質は、アミン及びヒドロキシル基が保護され、かつ酸化がアルデヒド基を放出する、セリン残基、かつ好ましくはBoc−Ser(tBu)OHであることを特徴とする請求項11に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項14】
前記保護前駆物質は、チオール基の前駆物質であり、好ましくはシステインの非対称ジスルフィド誘導体であり、かつ非常に好ましくはNpys基であることを特徴とする請求項11に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項15】
マーカー、好ましくはビオチン又はフルオレセインにより下面の直交保護基の置換を最初に行い、次に第2のステップにおいて、オキシアミン基又はアルデヒド基の保護前駆物質によりフレームの上面の直交保護基を置換することを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項16】
オキシアミン基の保護前駆物質によりフレームの下面の直交保護基の置換を最初に行い、次に第2のステップにおいて、アルデヒド基のマスクした保護前駆物質によりシクロペプチドの上面の直交保護基を置換することを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項17】
オキシアミン基の保護前駆物質によりフレームの上面の直交保護基の置換を最初に行い、次に第2のステップにおいて、アルデヒド基のマスクした保護前駆物質によりシクロペプチドの下面の直交保護基を置換することを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項18】
予め保護を取り消した前駆物質から発生したオキシアミン又はアルデヒド基を、それぞれアルデヒド又はオキシアミン基を持つ中間分子、又は1つ又は幾つかの対象分子と反応させることを特徴とする請求項11から17のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項19】
前記対象分子は、互いに同一であるか、異なっていることを特徴とする請求項18に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項20】
前記対象分子は、核酸、ペプチド、オリゴ糖、又は有機分子であることを特徴とする請求項18又は19のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項21】
対象分子の少なくとも1つは、c(RGDfK)シクロペンタペプチドであることを特徴とする請求項20に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項22】
フレーム上に位置する前駆物質のオキシアミン基を、アルデヒド基を持つ少なくとも1つの対象分子と反応させ、次にフレーム上に位置するアルデヒド基の前駆物質を酸化させ、かつフレームを、オキシアミン基を持つ中間分子又は対象分子と接触させることにより反応を遂行することを特徴とする請求項18から21のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項23】
前記中間分子は、一方でフレーム上に位置するアルデヒド基と反応し得るオキシアミン基を持ち、かつ他方で少なくとも1つのアルデヒド基の前駆物質を持つことを特徴とする請求項18から22のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項24】
ペプチド合成ロボットで完全に又は部分的にオートメーション化されることを特徴とする請求項3から23のいずれかに記載のグラフトホモデティックシクロペプチドの調製方法。
【請求項25】
請求項1から24のいずれかに記載の方法により得られることを特徴とするグラフトホモデティックシクロペプチド。
【請求項26】
αVβ3インテグリンのリガンド、好ましくはインテグリンのリガンドである、シクロ(RGDfK)及び/又はシクロ(RGDyK)から誘導されたペプチドによって一方の面上に、かつKLAKKLAKタイプのアポトゲンペプチド(peptide apoptogene)、ドキソロブシンタイプの公知の治療有機分子、又は細胞内レベルで毒性のタンパク質によって他方の面上にグラフトされることを特徴とする請求項25に記載のグラフトホモデティックシクロペプチド。
【請求項27】
αVβ3インテグリンのリガンド、好ましくはインテグリンのリガンドである、シクロ(RGDfK)及び/又はシクロ(RGDyK)から誘導されたペプチドによって一方の面上に、かつ発色団、ビオチン、蛍光体、電波放出体、又は前駆物質タイプの検出可能な分子によって他方の面上にグラフトされることを特徴とする請求項25に記載のグラフトホモデティックシクロペプチド。
【請求項28】
炭水化物誘導体によって一方の面上に、かつT−依存性エピトープペプチド、細胞毒性ペプチド、治療有機分子又は細胞内レベルで毒性のタンパク質によって他方の面上にグラフトされることを特徴とする請求項25に記載のグラフトホモデティックシクロペプチド。
【請求項29】
炭水化物誘導体によって一方の面上に、かつ発色団、ビオチン、蛍光体、電波放出体、又は化学又はリガンド前駆基によってフレーム他方の面上にグラフトされることを特徴とする請求項25に記載のグラフトホモデティックシクロペプチド。
【請求項30】
炭水化物タイプのB−依存性エピトープ、又はT−依存性エピトープ、及び免疫アジュバントによって面上にグラフトされることを特徴とする請求項25に記載のグラフトホモデティックシクロペプチド。
【請求項31】
請求項25に記載のグラフトホモデティックシクロペプチドを含むことを特徴とする治療又は診断組成物。
【請求項32】
癌治療用の薬剤を製造するための、請求項25に記載のシクロペプチド又は請求項31に記載の組成物の使用。
【請求項33】
癌診断ツールを製造するための、請求項25に記載のシクロペプチド又は請求項31に記載の組成物の使用。
【請求項34】
新血管形成を診断するための、請求項25に記載のシクロペプチド又は請求項31に記載の組成物の使用。
【請求項35】
新血管形成を抑制するための、請求項25に記載のシクロペプチド又は請求項31に記載の組成物の使用。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−514919(P2006−514919A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537232(P2004−537232)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/FR2003/002773
【国際公開番号】WO2004/026894
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(501008819)センター ナショナル デ ラ レシェルシェ サイエンティフィック(シーエヌアールエス) (8)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE(CNRS)
【住所又は居所原語表記】3 rue Michel Ange F−75794 Paris Cedex 16 France
【出願人】(505086912)ユニベルシテ ジョゼフ フォウリエル (1)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE JOSEPH FOURIER
【住所又は居所原語表記】Domaine Universitaire de Saint−Martin, d’Heres,BP 53,F−38041 Grenoble Cedex 9 France
【出願人】(502343425)
【氏名又は名称原語表記】INSERM
【住所又は居所原語表記】101,rue de Tolbiac,F−75654 Paris Cedex 13,France
【Fターム(参考)】