新規なHCVコア+1タンパク質、HCV感染の診断方法、予防方法及び抗HCV剤のスクリーニング方法
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質と名づけられたC型肝炎ウイルス(HCV)の新規な形態のコア+1タンパク質に関する。C型肝炎ウイルスのより短い形態のコア+1タンパク質は、図3Bに示されたHCVのコア+1ORF内のヌクレオチド598からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列のすべて又は一部からなるコード配列の翻訳の産物である。本発明は、生物学的サンプルにおけるC型肝炎ウイルスによる感染を検出する方法、HCVに感染した細胞におけるウイルス増殖と相互作用する化合物をスクリーニングする方法、又はより短い形態のコア+1タンパク質の発現に対して影響を与える化合物のスクリーニング及びそれらの抗ウイルス活性のために有用な組成物を製造するためのこれらの化合物の使用も提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質(shorter form core + 1 protein)と名付けられたC型肝炎ウイルス(HCV)のコア+1タンパク質の新規な形態に関する。本発明は、生物学的サンプルにおけるC型肝炎ウイルスによる感染を検出する方法、HCVに感染した細胞におけるウイルス増殖と相互作用する化合物、有利には、ウイルス増殖を減少、抑制又は阻止する化合物をスクリーニングする方法及びより短い形態のコア+1タンパク質の発現に対して影響する化合物のスクリーニング方法及びそれらの抗ウイルス活性に有用な組成物の製造のためのこれらの化合物の使用も提供する。本発明は、HCV感染又はその結果に対する保護のための免疫原性組成物を誘導するために本発明のより短い形態のコア+1タンパク質を使用することも提唱する。
【0002】
肝炎Cは、原因作用物質が同定されるまで、「非A非B肝炎」(NANBH)とも呼ばれてきた肝臓のウイルス感染症である。C型肝炎ウイルスは、一緒になってウイルス肝炎の症例の大多数の原因となるウイルス(A、B、C、D及びE)の1つである。C型肝炎ウイルスは、1989年に初めて同定され(choo et al. 1989)そして感染した人々は世界中で1億7千万人と見積もられている肝臓疾患のよく知られた原因として定義された。C型肝炎ウイルス(HCV)感染は肝臓を冒し、これは、肝炎、即ち、肝臓の炎症を引起す。HCVに感染した人の75〜85%は慢性感染へと進行し、これらの症例の約20%は、感染の20年後には肝臓の硬変又は肝細胞がんを含む慢性肝炎Cの合併症を発生する(Di Bisceglie 2000)。HCV感染に対する最近の推奨される処置は、インターフェロン及びリバビリン薬物の組み合わせであるが、この処置はすべての症例において有効とはかぎらず、そして肝臓移植が肝炎C関連最終段階肝臓疾患において適用される。現在では、HCV感染を阻止するのに入手可能なワクチンがなく、ゆえに、感染を回避するためにすべての予防手段を取らなければならない。
【0003】
HCVはフラビウイルス科(flaviviridae family)内のHepacivirus属の(+)センス一本鎖エンベロープドRNAウイルス((+) sense single-stranded enveloped RNA virus)である。ウイルスゲノムは、長さが約10kbでありそして3011アミノ酸のポリプロテイン前駆体をコードする。HCVゲノムは、独特なポリプロテインをコードする大きな単一オープンリーディングフレーム(ORF)を有し、該ポリプロテインは、細胞プロテアーゼ及びウイルスプロテアーゼにより3つの構造タンパク質、即ち、コア、E1及びE2並びに少なくとも6つの非構造NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A及びNS5Bタンパク質に翻訳と同時に及び翻訳後にプロセッシングされる(Houghton 1996 and Reed et al.2000)。
【0004】
HCVゲノムの翻訳の開始は、主として、ヌクレオチド42と341又は356との間の、ウイルスRNAの5’非コード領域内に位置した内部リボソームエントリー部位(IRES)により制御されるが、この3’限界は議論を呼ぶ。ウイルスヌクレオカプシドを形成するコアタンパク質は、長さが191アミノ酸であると予言されそして23kDaの分子質量を有することが予言される(p23)。P23の更なるプロセッシングは、173〜182アミノ酸からなる成熟コアタンパク質(p21)を産生する。約17kDaの分子量を有するタンパク質も、或るHCV単離物(HCV isolate)のコアタンパク質コード配列からin vitro及びin vivoで、例えば、E.coli細胞において発現されることが以前に報告された。最大160アミノ酸からなる16/17kDaのこの追加のHCVポリペプチド(p16/p17)は、+1フレームにおけるコア遺伝子にオーバーラップするオープンリーディングフレーム(コア+1ORF)によりコードされそして翻訳のための+1リボソームフレームシフトの結果としてin vitroで合成される。
【0005】
この16/17kDaポリペプチドは、オルタナティブリーディングフレームタンパク質(Alternative Reading Frame Protein)としてARFP、又はフレームシフトタンパク質としてF、又はこの新規なタンパク質の位置に従ってコア+1タンパク質と名付けられる。ARFP/F/コア+1タンパク質は、コアコドン8〜14の領域で作用する(operating)+1リボソームフレームシフトが後に続いているポリプロテイン配列のイニシエーターコドンからin vitroで合成される(Xu et al. 2001, Varaklioti et al. 2000)。
【0006】
より最近では、コア+1タンパク質の生物学的意義を調べるために、コア+1タンパク質コード配列の発現が、哺乳動物細胞において、即ち、in vivoでアッセイされた。ウサギ網状赤血球溶解物(rabbit reticulocyte lysates)におけるHCV−1及びHCV−1a(H)のコア+1ORFの発現(in vitro)は、HCV−1単離物(HCV-1 isolate)についてそれぞれ得ることができるが、これに対してHCV−1a(H)単離物(HCV-1a(H) isolate)についてはそれは検出されないことが示された(Varakioti et al.2002)。実際、コア+1タンパク質は、HCV−1からのコア+1ORFを発現させるときin vitroで合成されたが、HCV−1a(H)からのコア+1ORFを発現させるとき検出されなかった。HCVのHCV−1及びHCV−1a(H)単離物は、同じ遺伝子型に属するけれども、HCV−1のコドン8〜14に位置したフレームシフト部位に異なる配列を有することが思い起こされる。その差は、特に、推定フレームシフト部位でHCV−1a(H)配列における10個のAヌクレオチド残基(10-A nucleotide residues)の欠如からなる。コア+1タンパク質の発現機構に関するいくらかのデータを与えるために、本発明者はin vivoでの該発現を研究した。
【0007】
本発明で開示された結果は、in vitro発現の研究と違って、HCV−1及びHCV−1a(H)コアコード配列の両方共トランスフェクションされた哺乳動物細胞においてコア+1ORFの発現を効率的に可能とすることを示す。哺乳動物細胞で行われたトランスフェクション及び発現実験は、コア+1ORFのin vivo発現が新規なタンパク質の合成と関連しており、該発現は、コア+1タンパク質のin vitro発現のための同定された機構と比較して、コア+1ORFの新規な別の翻訳開始機構(alternative translation initiation mechanism)に従うということを、本発明者が確認することも可能とした。この別の機構はin vivoでより短い形態のコア+1タンパク質の合成を指向する。
【0008】
HCV−1及びHCV−1a(H)の特定の種は、それぞれ、参照番号No.M62321及びNo.M67463の下にGenebankにおいて開示された。
【0009】
ゲノムサイズ拘束(genome size constraints)にさらされているウイルスは、それらのコード能力を広げるための種々のストラテジー、例えば、リボソームフレームシフティング(ribosomal frameshifting)又は内部翻訳開始(internal translational initiation)を開発した。リボソームフレームシフティングは、そうしなければリボソームと遭遇したであろう終止コドンを回避することからなり、そしてその代わりにそのC末端に余分のアミノ酸配列を有するタンパク質を創生する。ゆえに、リボソームフレームシフティングにおいて、翻訳リーディングフレームの指向された変化は、2つ以上のオーバーラッピング遺伝子から単一タンパク質の合成を可能とする。内部翻訳開始は、リーキースキャニング(leaky scanning)及びリボソームシャンティング(ribosome shunting)及び内部リボソームエントリー部位(internal ribosome entry site)を含む種々の機構に従って上流のイニシエーターコドンから逃れることからなる。かかる機構が、より短い形態のコア+1タンパク質のin vivo発現のために用いられていることは明らかである。
【0010】
ゆえに、本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質と名付けられそして、特に哺乳動物細胞におけいて、コア+1コード配列又はORFのin vivo発現により得られうるHCVライフサイクルの新規なタンパク質を提供する。
【0011】
本発明は、該より短い形態のコア+1タンパク質をコードする核酸配列にも関する。
【0012】
本発明は、C型肝炎ウイルス感染の証拠を与えるより短い形態のコア+1タンパク質の存在又は不存在を個体の生物学的サンプルにおいて検出する方法も提供する。
【0013】
本発明は、免疫原性組成物における本発明のより短い形態のコア+1タンパク質の使用も提供する。本発明の免疫原性組成物は、患者におけるHCV感染に対するCTL応答を誘発するために有利に製造されうる。
【0014】
より短い形態のコア+1HCVタンパク質は、特に持続した感染が現れるとき、HCV感染の結果と相互作用することを目的とする治療組成物の製造に関与することもできる。
【0015】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質の翻訳を指向するコア+1ORFのin vivo発現との相互作用の結果として、化合物、特に抗ウイルス活性を有する化合物をスクリーニングする手段も提供する。本方法のいくつかの利点の中でも、これらのスクリーニング方法は、ウイルス増殖及びウイルスのライフサイクルの制御と相互作用することができる化合物、特にウイルス増殖を抑制又阻止することができる化合物のルーチンな高スループットスクリーニングのために適切であることに留意されるべきである。
【0016】
更に、本発明は、ウイルス増殖及びウイルスのライフサイクルの制御と相互作用することができる化合物、有利にはHCVに感染した細胞中のより短い形態のコア+1タンパク質の発現と相互作用することができることの結果として、特にウイルス増殖を抑制又は防止することができる化合物であって、C型肝炎ウイルスの感染により誘発される疾患又はC型肝炎ウイルスの感染と関連した疾患の処置用の薬物の製造に有用である化合物の使用も提供する。
【0017】
ゆえに、本発明の第1の目的は、図3Bに示されたHCVのコア+1ORF内のヌクレオチド598からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列のすべて又は一部からなるコード配列の翻訳の産物であるHCVのより短い形態のコア+1タンパク質である。
【0018】
特定の態様では、HCVコア+1コード配列の位置598に翻訳開始コドン(ATG)を有するヌクレオチド配列又はHCVコア+1コード配列の位置606にATGを有するヌクレオチド配列によりコードされるより短い形態のコア+1タンパク質。
【0019】
特定の態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、
(i)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列,又は
(ii)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、又は
(iii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、又は
(iv)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、又は
(v)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
によりコードされる。
【0020】
本明細書に使用された、「より短い形態のコア+1タンパク質」又は「in vivoコア+1タンパク質」という表現は、HCVに感染した細胞又はコアコード配列若しくはコア+1ORFを含むDNA構築物でトランスフェクションされた細胞においてin vivoで得ることができるC型肝炎ウイルスタンパク質を指す。主なより短い形態のコア+1は特にin vivoで産生され、これは16/17kDaコア+1in vitro合成産物より小さい。何故ならば、10kDaより小さい計算された分子量を有することが予言されるからである。更に、より短い形態のコア+1タンパク質は、コアタンパク質の最初の10個の連続したA残基を含まない。これらのA残基は、HCV−1ゲノムのコドン8〜11(ヌクレオチド364〜373)に位置しており、そしてコア+1ORFの発現に対する大きな意義(importance)を有する。分子量のこの特異的な差は、「より短い形態のコア+1タンパク質」という用語を説明する。
【0021】
本明細書で使用した、「コア+1ORF」という表現は、HCVの「コアコード配列」内に含まれる本願の図3Bに示された如きヌクレオチド配列を指す。該コア+1ORFは、ヌクレオチド342において翻訳開始コドンで始まりそして図3Bに示された配列において位置920におけるヌクレオチドまで延びている(US n°09/644,987)。
【0022】
より短い形態のコア+1タンパク質は、該ヌクレオチド配列がin vivoで発現されるときコア+1ORF又はコアコード配列によりコードされていることが指摘される。
【0023】
本発明は、更に、図3Bに示されたヌクレオチド配列の位置342のヌクレオチドから位置920のヌクレオチドまで、好ましくは位置826のヌクレオチドまで延びているヌクレオチド配列に含まれるコア+1オープンリーディングフレーム(ORF)の発現によりin vivoで得られうるHCVのより短い形態のコア+1タンパク質であって、計算された分子量は10kDaより小さい、より短い形態のコア+1タンパク質に関する。
【0024】
より短い形態のコア+1タンパク質は、HCVポリプロテインの発現とは独立にそしてコア+1タンパク質の発現からも独立にin vivoで得られうることが強調される。in vivoでの該発現は、コア+1ORFにおけるコア+1発現のために使用されるフレームと同じフレームを使用するが、コア+1in vitro発現に必要なフレームシフトトランスフェクション機構を関与させない。
【0025】
他の態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、哺乳動物細胞におけるコア+1ORFの発現産物である。
【0026】
好ましい態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、HCVで感染した患者の血清により認識される。同じ方法で、循環している抗コア+1抗体が、HCV感染した個体において検出されたが、これは、このタンパク質が自然のHCV感染期間中産生されることを示唆する。
【0027】
好ましい態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、図3Bに示された配列のヌクレオチド598に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド826、又はヌクレオチド897又はヌクレオチド920に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む。他の好ましい態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、図3Bに示された配列のヌクレオチド606に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド826、又はヌクレオチド897又はヌクレオチド920に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む。
【0028】
より短いコア+1タンパク質のために開示された開始コドン及び/又は停止コドンは、考慮されるHCV単離物に依存して変わることができる。開始コドン及び停止コドンの上記位置は図3のアミノ酸配列に関して与えられる。ヌクレオチド826に対応するコドンで終わるより短い形態のコア+1タンパク質は該タンパク質の好ましい形態とみなすことができるけれども、上記したより長い配列が同時に又は替わりにコードされうる。
【0029】
本発明は、更に、より短い形態のコア+1タンパク質内に含まれたペプチド、特にエピトープとして有用なペプチドに関する。本発明の目的で、ペプチドに言及するとき「エピトープ」という用語は、抗原決定基又は該ペプチドの免疫学的に活性な領域と考えられるべきである。それは、抗体又はTCRにより特異的に結合される該免疫原性ペプチドの部分である。ペプチド抗原上の該エピトープは、ペプチドの一次、二次、三次、さらに四次構造のエレメントを含むことができそして少なくとも3つの残基を含有する。本発明は、エピトープとして有用なそして下記の配列、
COOH−T−Y−R−S−S−A−P−L−L−E−A−L−P−G−P−NH2
を有する興味ある特定のペプチドを提供する。
【0030】
興味あるこのようなペプチドは、図3Bの配列においてヌクレオチド749に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド793、又はヌクレオチド796に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む。
【0031】
このペプチドのバリアント(variants)、例えば、ペプチドにおけるアミノ酸の欠失、付加又は置換により得られるバリアントも、これらのバリアントが抗体を誘発することができるか又は上記配列に対して指向された抗体と免疫学的に反応することができるかぎり、本発明に包含されそして当該技術分野で知られた方法により得ることができる。
【0032】
本発明により包含される興味あるこのペプチドのバリアントの例は、下記のとおり例示することができそして図8に従って例示することができる:
【0033】
【表1】
【0034】
このようなペプチドは、ポリクローナル又はモノローナルのいずれかの抗体の製造に特に興味深い。
【0035】
より短い形態のコア+1タンパク質の翻訳開始コドンは、HCV単離物に依存して変わることができる。ある単離物は、2つのATGを含有し、この両方共より短い形態のコア+1タンパク質の合成のために使用されうる。他の単離物は、該タンパク質のための1つのみのATGを含有する。
【0036】
種々のより短い形態のコア+1タンパク質は、例えば、バリアントにより発現されるタンパク質に対応する図8に開示されたアミノ酸配列と図3Bの配列のタンパク質アラインメントから誘導することができる。
【0037】
本発明は、HCVの上記したコアコード配列によりコードされたタンパク質のモザイクにも関する。このようなモザイクは、コアタンパク質、コア+1タンパク質、より短い形態のコア+1タンパク質又はそれらの誘導体の中から選ばれた少なくとも2つのタンパク質を含有し、これらは該配列によりコードされた誘導体を含みそしてコアコード配列の3’末端部分における更なるフレームシフト機構を含む。
【0038】
これらのタンパク質の組成物は、同じ単離物のタンパク質又は異なるHCV単離物からのタンパク質を含むことができる。
【0039】
本発明は、図3Bに示されたヌクレオチド342からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列の断片であって、発現条件下に哺乳動物細胞にトランスフェクションされるときHCVのより短い形態のコア+1タンパク質をコードすることができる断片からなるヌクレオチド配列にも関する。
【0040】
更に詳しくは、より短い形態のコア+1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、図3Bのコアコード配列内のヌクレオチド598から又はヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列を含む。
【0041】
特定の態様では、より短い形態のコア+1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、
(i)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、
(ii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、
(iii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
(iv)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、
(v)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、
(vi)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
(vii)哺乳動物細胞における上記したより短い形態のコア+1タンパク質又はそのエピトープをコードすることができる配列(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)又は(vi)の断片、
の中から選ばれる。
【0042】
本発明は、図8に示されたより短い形態のコア+1タンパク質をコードする種々の単離物に由来するバリアントヌクレオチド配列も提供する。
【0043】
かくして、本発明は、下記:
9番目及び11番目のコドンのそれぞれにおいて2つのAのGへの置換及びAのCへの置換のトリプル置換に対応する突然変異、又は
9番目、10番目及び11番目のコドンのそれぞれにおいて1つのAのGへの置換及び2つのAのCへの置換からなる突然変異、又は
9番目のコドンにおいてAのGへの置換からなる突然変異、又は
10番目のコドンにおいてAのCへの置換からなる突然変異、又は
イニシエーターコドンのターミネーターコドンへの置換、又は
25番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
43番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
79番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
87番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
85番目のコドンの停止コドンへの置換及び/又は87番目のコドンの停止コドンへの置換、
の中から選ばれる1つ以上の突然変異の結果として図3Bに示されたヌクレオチド配列に由来するC型肝炎ウイルスコアタンパク質コード配列を含むヌクレオチド配列も提供する。
【0044】
本発明のヌクレオチド配列は、特に精製された形態下にあり、即ち、それらはHCVにおけるそれらの自然の環境から単離される。
【0045】
上記突然変異は、in vivoでのコア+1発現にとって決定的に重要であるコドンを検出するために、ヌクレオチド配列の特定の位置においてミスセンスコドンを発生させることからなる。本明細書で言及した、「停止コドン」、「ミスセンスコドン」、「ナンセンスコドン」、「ターミネーターコドン及び「連鎖終結コドン(chain terminating codon)」は、翻訳を停止することができる。何故ならば、いかなるアミノ酸も該コドンに対応するからである。停止コドンのコード配列は、しばしばUAA、UAG及びUGAである。停止コドンの存在は、コア+1コード領域を中断させ、そして該停止コドンがコア+1コード領域のオープンリーディングフレーム(ORF)を有するフレーム内にあろうとなかろうとコア+1タンパク質の産生を支持しない。
【0046】
本発明は、該ヌクレオチド配列の機能的バリアントでありそして少なくとも70%同一性、好ましくは80%若しくは90%同一性を有するヌクレオチド配列も提供する。
【0047】
本明細書で使用された、「バリアント」という用語は、HCVのより短い形態のコア+1ヌクレオチド配列に実質的に相同性の、しかし突然変異、特に、1つ以上の欠失、挿入又は遺伝子コード縮重をもたらす置換を受けたヌクレオチド配列を指す。バリアントヌクレオチド配列は、ネイティブなより短い形態のコア+1タンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも70%同一の、最も好ましくは少なくとも80%又は90%同一である。本発明に従うバリアント配列の決定は、GAPコンピュータープログラムを使用して行うことができる(Devereux et al Nucl.Acids.Res.12:387,1984)。バリアントは、特に、突然変異した配列の物理化学的特徴がネイティブなより短い形態のコア+1ヌクレオチド配列の物理化学的特徴と実質的に同一であるような保存性置換を含むことができる。バリアントは、ネイティブなより短い形態のコア+1タンパク質に対して指向される抗体により認識されるバリアントなより短い形態のコア+1タンパク質(variant shorter form core +1 protein)をコードするそれらの能力についても選ばれうる。
【0048】
図3Bのヌクレオチド配列の特定のバリアントは、遺伝子コードの縮重から生じる変動性を考慮することを含めて、図8のアミノ酸配列から誘導可能である。
【0049】
本発明は、本明細書に開示されたヌクレオチド配列に対してストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列、このような単離されたDNA又はRNA配列にも関する。これらのヌクレオチド配列は、コアタンパク質、より短い形態のコア+1タンパク質、より短い形態のコア+1タンパク質の断片及びそれらの誘導体を含むタンパク質のモザイクをコードするヌクレオチド配列の相補性配列も含む。
【0050】
本発明は、少なくとも上記に開示されたいかなるヌクレオチド配列の相補性配列ともストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列にも関する。
【0051】
本発明は、上記開示された配列の中から選ばれる配列に相補性のヌクレオチド配列にも関する。
【0052】
本明細書で使用された「ストリンジエントな条件」という表現は、Sambrook et al. in molecular Cloning : a laboratory manual(1989)により定義されている如き厳しいストリンジェンシーの条件を指す。高いストリンジェンシーのこれらの条件は、下記のハイブリダイゼーション条件として定義される:即ち、ニトロセルロースフィルター用の予備洗浄溶液5X SSC、0.5%SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)、42℃での50%ホルムアルデヒド、6X SSCのハイブリダイゼーション条件及び68℃、0.2X SSC及び0.1%SDSの洗浄条件を使用する。プロトコールは当業者に知られている。更に、当業者は、温度及び洗浄溶液塩濃度を実験的拘束に従って必要に応じて調節することができることを認識するであろう。
【0053】
本発明は、上記した如きヌクレオチド配列に作動的に連結されたプロモーターを含むキメラ遺伝子を提供する。
【0054】
よく使用されるプロモーター配列は、ラクトースプロモーターシステム、トリプトファンプロモーターシステム、tacプロモーター及びCMVプロモーターからなる群より選ばれる。
【0055】
本明細書で述べた、「キメラ遺伝子」又は「組換え遺伝子」は、天然には一緒に見出されない2つのDNAソースの相互の組み合わせ又は連結から生じるDNA分子からなる。
【0056】
より短い形態のコア+1タンパク質は、より短い形態のコア+1配列の適当な転写及び翻訳を可能とするようなプロモーターに「作動的に連結されており」、かくして該調節配列はより短い形態のコア+1DNA配列に機能的に関係する。
【0057】
特定の態様では、キメラ遺伝子は、第1シストロンにおいてCMV/T7キメラプロモーター及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子、並びに第2シストロンにおいてLUC遺伝子に融合されたHCVコアコード配列の全体の内部リボソームエントリー部位(entire internal ribosome entry site)(IRES)及び野生型コアコード配列の一部を含む。ジシストロンカセットCAT−IRES−コア−LUCは、CMV/T7(ここで、CMVはサイトメガロウイルスに由来しそしてT7はバクテリオファージに由来する)の制御下に置かれて、in vivo及びin vitroでの発現のための同じDNAプラスミドの使用を可能とする。更に、LUC遺伝子の開始コドンによりトリガーされる内部翻訳開始事象の可能性を排除するために、ATGはGGGコドンに変えられた。上記修飾により、LUC遺伝子の発現は、融合したコア及びコード配列の発現に直接関係する。更に、CAT活性は、in vivoでのトランスフェクション効率又はin vitroでの転写物量の潜在的変動を標準化するために内部コントロールとして働く。
【0058】
好ましい態様において、0、+1又は−1フレームにおけるコア配列にLUC遺伝子が融合されている如きキメラ遺伝子が構築される。
【0059】
オープンリーディングフレーム(ORF)は、フレーム0、+1又は−1においてポリペプチド鎖、即ち、この特定の場合にはLUCポリペプチド、を得るために終止コドンにより翻訳が中断されないようなものである。
【0060】
本発明の他の目的は、上記した如きキメラ遺伝子を含むベクターを提供することである。本発明に従うベクターは、DNA配列、例えば、キメラ遺伝子を移すのに特に適当であり、そしてタンパク質発現を許容する性質を有する。
【0061】
このベクターは、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスである。好ましい態様では、ベクターは、図1に示されたpHPI−1333及びpHPI−1335からなる群より選ばれるプラスミドである。
【0062】
本発明は、本発明のヌクレオチド配列でトランスフェクションされた組換え細胞、特に哺乳動物細胞にも関する。「トランスフェクション」又は「形質転換」とは、受容細胞へのDNAの導入及び該受容細胞染色体DNAへのその後のその組み込みであると理解される。トランスフェクション又は形質転換の方法は、当該技術分野で周知された通常の方法、例えば、エレクトロポレーションである。トランスフェクションは一過性であるか又は安定であることができる。
【0063】
ベクターによりトランスフェクション又は形質転換される組換え細胞は、好ましくは、動物、哺乳動物又はヒト細胞である。特定の態様では、組換え細胞はBHK−21又はHuh−1である。
【0064】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質に対して又はそのペプチドに対して生じる抗体も提供する。
【0065】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質に特異的に、即ち、コアタンパク質及び/又はコア+1タンパク質と交差反応することなく結合する精製された抗体に関する。
【0066】
本明細書で使用された、「交差反応」は、1つの抗原に対する抗体が、非同一なしかし免疫学的に密接に関連した抗原と反応する血清学的反応である。本発明においては、抗原は、コアタンパク質及び/又はコア+1タンパク質に近いポリペプチド配列を有するより短い形態のコア+1タンパク質である。
【0067】
かくして、より短い形態のコア+1タンパク質に特異的に結合する抗体は、他のタンパク質中に、特にHCVコアタンパク質又はHCVコア+1タンパク質中に存在しないか又は露出されない該タンパク質のエピトープに対して指向されうる。
【0068】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質、コア+1タンパク質及び場合によりコアタンパク質にとって共通のポリペプチド断片に特異的に結合する精製された抗体にも関する。好ましい態様では、上記タンパク質の共通のポリペプチド断片は、ヌクレオチド897からヌクレオチド920までの間に含まれる。好ましいポリペプチド断片は上記に例示される。
【0069】
本発明の抗原に対して指向されるモノクローナル抗体を産生させることもできる。モノクローナル抗体を産生する方法は、ハイブリドーマの産生及び必要な結合アフィニティーを有する産生されたモノクローナル抗体を単離することを含む、当該技術分野で周知の通常の方法である。
【0070】
本発明の観点内では、より短い形態のコア+1タンパク質を使用してより短い形態のコア+1タンパク質に特異的に結合する抗体を製造するのに使用される。
【0071】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質又はそのポリペプチド断片にそれ自体結合する少なくとも1種の精製された抗体、又はより短い形態のコア+1タンパク質若しくはそのポリペプチド断片を抗原として使用する方法により産生された抗体に、特異的に結合する精製されたポリペプチドにも関する。本明細書で使用された「精製されたポリペプチド」という表現は、上記した精製された抗体により認識されるポリペプチド少なくとも70%、好ましくは、80%又は90%に相当するC型肝炎ウイルスのより短い形態のコア+1タンパク質を指す。
【0072】
C型肝炎ウイルスによる感染を検出する方法を下記した。より短い形態のコア+1タンパク質の存在又は不存在を決定することにより、生物学的サンプルにおいてC型肝炎ウイルスによる個体の感染を検出することが可能である。好ましい態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、抗原−抗体複合体を形成することにより該タンパク質と免疫学的に反応性である抗体により検出される。抗原に結合した抗体の量を決定する方法は、当該技術分野で周知されている。例えば、抗体は、検出可能なマーカーを担うことができ、次いで試験された抗原の既知の量及びマーカーにより発生されるシグナルの量を使用して標準曲線を発生させることができる。
【0073】
本発明は、生物学的サンプル中のより短い形態のコア+1タンパク質を認識する抗体を検出することからなるC型肝炎ウイルスによる感染のin vitro検出方法にも関する。より短い形態のコア+1タンパク質は、抗原として使用して、物質中の該より短い形態を認識する抗体を同定することができそしてこれらのサンプル中の抗体の濃度を決定することができる。
【0074】
本明細書に述べられたとおり、個体の生物学的サンプルは、尿及び血液サンプル又は組織及び細胞のような生物学的流体を含むがそれらに限定はされない。
【0075】
特定の態様では、これらの方法は、イムノアッセイ(直接の検出)又はELISA(間接の検出)によってHCVの検出のための抗原−抗体複合体の形成を使用する。イムノアッセイの使用又は二次反応による抗原−抗体の観察は、流体中の体液性成分を検出及び定量することなおいて周知である。
【0076】
本発明は、HCVのより短い形態のコア+1タンパク質又はそのペプチド(特異的免疫原性ペプチドを含む)を含む免疫原性組成物にも関する。
【0077】
このような組成物は、患者において、免疫応答、抗体応答及び/又は好ましくはCTL応答を生じさせるのに有用である。有利には、CTL応答は、それがHCV感染に対して又はその結果に対して患者を保護するようなCTL応答である。あるいは、核酸配列は、免疫原性組成物の製造に関与させることもできる。
【0078】
本発明は、HCV感染又はその結果の処置のための治療組成物に使用するためのより短い形態のコア+1タンパク質にも関する。興味深いことに、より短い形態のコア+1タンパク質は、ウイルスライフサイクルに干渉することができそして患者におけるHCV増殖を特異的にダウンレギュレートすることができる。
【0079】
本発明は、HCVにより感染された細胞におけるウイルス増殖と相互作用するその能力について化合物をスクリーニングする方法であって、
a)該細胞を候補化合物と接触させ、
b)該候補化合物と該より短い形態のコア+1タンパク質の発現との間の相互作用を決定する、
ことを含む方法に関する。
【0080】
本発明は、HCV感染細胞を候補化合物と接触する前及び後に、より短い形態のコア+1タンパク質の発現レベルを測定することにより相互作用が決定される、化合物をスクリーニングする方法にも関する。
【0081】
別の翻訳機構(alternative translation mechanism)が、ウイルスにより使用されて、構造タンパク質及び酵素タンパク質の産生を調節しそして、そして最終的にウイルス増殖を調節する。これらの翻訳機構を変えることは、ウイルスライフサイクルを中断しし、そして該ウイルス増殖を排除又は減少させることによりウイルス産生と相互作用する。ゆえに、別の機構の翻訳は、抗ウイルス剤が作用することができる主要な標的を与える。
【0082】
翻訳機構は、これらのプロセスの効率に影響を与える作用物質を同定するための魅力的な標的である。実際に、開始翻訳の変化(非ATGコドン、開始コドンの修飾)は、ウイルス産生に対する大きな効果を有することができる。更に、翻訳機構の効率を変化させる化合物は、翻訳装置又は例えばHCVウイルスにより感染された細胞を妨害しない治療濃度に同等な低い濃度で機能する。
【0083】
本明細書で使用した、「化合物」という用語は、天然(単離された)又は合成の無機若しくは有機化学的又は生物学的化合物を指し、特に核酸、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、糖ペプチド、脂質、脂質タンパク質及び炭水化物を包含する。
【0084】
コアORFの翻訳をブロックすることは、コア+1ORFの発現のレベルの翻訳に対するポジティブな効果を有する。好ましい態様では、翻訳は、HCVポリプロテインのイニシエーターATGコドンが停止コドンに変換されようとされまいと、2倍増加する。このような突然変異は、コア発現をブロックするが、コア+1in vivo発現のレベルを増加もさせる。
【0085】
ヌクレオチド配列、キメラ遺伝子及びベクターがトランスフェクションされうるいかなる細胞も、本発明のスクリーニング方法において使用することができる。本発明の好ましい態様では、トランスフェクションされた細胞は動物細胞、哺乳動物細胞又はヒト細胞である.更なる好ましい態様では、化合物をスクリーニングする方法で使用される細胞は、BHK−21又はHuh−1である。
【0086】
本発明は、スクリーニングの上記方法を行う結果として同定された化合物にも関する。
【0087】
本発明の上記方法により同定されたこのような化合物は、C型肝炎ウイルスにより誘発された疾患又はC型肝炎ウイルスによる感染と関連した疾患の処置のために有用である。
【0088】
上記スクリーニング方法に従って選ばれるこれらの化合物は、HCVの感染により誘発される疾患又はHCVの感染と関連した疾患の処置用の薬物の製造に使用することができる。
【0089】
これらの化合物のいくらかは、より短い形態のコア+1タンパク質の翻訳を回復又は改良することによりHCVの感染により誘発される疾患又はHCVの感染と関連した疾患をモジュレートすることができる。宿主におけるHCV増殖をもたらす疾患の例は、硬変、肝細胞がん又は肝臓慢性感染に関連した疾患である。
【0090】
実施例
1.材料及び方法
1.1部位特異的突然変異誘発及びプラスミド構築
Quikchange(登録商標)キット(Stratagene)を使用して、部位特異的突然変異誘発を行った。突然変異分析で使用されたテンプレート及びオリゴヌクレオチド並びに対応する突然変異体は図9に列挙される。すべての突然変異は配列分析により確かめられた。
【0091】
このようにして得られたHCV−1cDNA配列を、Varaklioti et al.2002に記載のpHPI−888においてクローニングした。HCV−1cDNAは、HCVF17(ヌクレオチド9〜27)と名付けられたセンスプライマー、5’−CGCCGGATCCTGATGGGGGCGACACTCCAC−3’ プラス HCVR38(ヌクレオチド342〜322)と名付けられたアンチセンスプライマー、5’−CGCCGGATCCGGTTGCACGGTCTACGAGACC−3’並びに、HCVF36(ヌクレオチド268〜287)と名付けられたセンスプライマー、5’−CGCCGGATCCGGTCGCGAAAGGCCTTGTGG−3’、HCVR27(ヌクレオチド1052〜1030)と名付けられたアンチセンスプライマー、5’−CGCCGGATCCTCGAGGCGTTGCCCTCACGA−3’を使用するPCRによりpHPI−888から得られた。プラスミドpHPI−888は、pGEM−3zf(+)ベクター(Promega)に基づいておりそしてHCV−1単離物からのcDNA配列(ヌクレオチド9〜1054)(IRES−コアHCV−1配列:アクセッション番号No.M62321)を含む。
【0092】
HCV−1a(H)cDNA配列は、pDNA−C1からのHCV−1a(H)の配列を下記のプライマーを使用して増幅するPCRにより得る。HCV株Hの最初の1064ヌクレオチドのベクターpcDNA3(Invitrogen)への挿入によりpDNA−C1プラスミドを創生する。クローニングされた配列は、5’−NCR(ヌクレオチド1〜341)、ヌクレオカプシドコード配列(ヌクレオチド342〜914)及びエンベロープE1(ヌクレオチド915〜1064)の最初の50アミノ酸をコードする150ヌクレオチドを含んでいた(Inchauspe et al.1991,IRES−core HCV strain H sequence:アクセッション番号No:M67463)。
【0093】
ジシストロン構築物pHPI−1331、−1333及び−1332は、第1シストロンとしてクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を含有し、続いてそれぞれ、0、+1及び−1フレームにおけるホタルLUC遺伝子に融合したプロトタイプHCV−1単離物からの野生型コアコード配列(ヌクレオチド9〜630)の全体IRES及び野生型コアコード配列(ヌクレオチド9〜630)の一部を含有する。それらは、プライマー5’−TGGATCCAAGGGGAAGACGCC−3’(センス)及び5’−GGCGTCTTCCCCTTGGATCCA−3’(アンチセンス)を使用して、それぞれ、ジシストロンpHPI−1311、−1313及び−1312から部位特異的突然変異誘発により産生された。このプライマーのセットは、ルシフェラーゼコード領域の開始コドン(ATG)をグリシンコドン(GGG)に変換する。pHPI−1311、−1313及び−1312は、LUC遺伝子の一部と融合したIRES−コア配列のヌクレオチド249〜407を担うジシストロンpHPI−1046(Psaridi et al.1999)の203bpNheI−XbaI断片を、LUC遺伝子の最初の50ヌクレオチドと融合したIRESコア配列のヌクレオチド249〜630を含有するpHPI−766、−767、−768(Varaklioti et al.2002)の435bpNheI−XbaI断片で置き換えることにより構築された。ジシストロン構築物pHPI−1334、−1335及び−1336は、すべての3つのフレーム(それぞれ、0、+1及び−1)においてLUC遺伝子に融合させたHCV−1a(H)からの野生型コアコード領域(ヌクレオチド9〜630)の全体IRES及び野生型コアコード領域(ヌクレオチド9〜630)の一部を有する。それらは、テンプレートとして、それぞれ、pHPI−1328、−1329及び−1330を使用しそしてプライマー5’−TGGATCCAAGGGGAAGACGCC−3’(センス)及び5’−GGCGTCTTCCCCTTGGATCCA−3’(アンチセンス)を使用して部位特異的突然変異誘発により誘導された。プライマーは、ルシフェラーゼコード領域の開始コドンをグリシンコドンに変える(ATG→GGG)。pHPI−1328、−1329及び−1330は、pHPI−1046の203bpNheI−XbaI断片を、それぞれ、pHPI−748、−749、−750(Varaklioti et al 2002)の435bpNheI−XbaIl断片で置き換えることにより発生させた。プラスミドの特徴付けを容易にするために、野生型203bpNheI−XbaI断片を突然変異させたテンプレートの対応する断片で置き換えることにより、ジシストロン構築物pHPI−1333(HCV−1)及びpHPI−1335[HCV−1a(H)]に挿入された突然変異の大部分をpHIP−1046に再クローニングした。モノシストロン構築物pHPI−1362及び−1363は、pEGFPN3(Clontech)のHindIII部位とSalI部位との間にクローニングされた、それぞれ、pHPI−1333及び−1332と同じIRES−コア−LUCカセットを含有する。
【0094】
1.2in vitro翻訳
すべてのプラスミドについて、120mM KCl及び0.5mM Mg(OAc)2を補充したFlexiウサギ網状赤血球溶解物(Promega)を使用した。各プラスミドからのDNA(3μg)を線状化しそして製造者のインストラクションに従ってT7RNAポリメラーゼによりin vitroで転写した。野生型pHPI−1331、−1333、−1332、−1334、−1335、−1336及び対応する突然変異したジシストロン構築物をPstIで線状化した。
【0095】
[35S]−メチオニン(Amersham Biosciences)を使用して25μlの全容積においてキャップされていないRNAsで、in vitro翻訳実験を行った。翻訳産物(5μl)を、12%SDS−PAGEにより分析し、ニトロセルロース膜に移しそしてオートラジオグラフィーにより可視化した。
【0096】
1.3細胞及びDNAトランスフェクション
BHK−21及びHuh−7細胞を、10%ウシ胎仔血清を補充したダルベッコの修正イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium)(DMEM)[DMEM/FBS]中に5%CO2インキュベーター中で37℃に維持した。6ウエルのプレート(60%密集度)に接種された細胞を製造者のプロトコール(Invitrogen,Cat.No 10964-013)に従ってリポフェクタミンプラス(登録商標)試薬(lipofectamine plusTM reagent)(invitrogen)の存在下にプラスミドDNA1μgでトランスフェクションした。培地をトランスフェクションの24時間後に新しいDMEM/FBSで置き換えた。細胞を、トランスフェクションの48時間後にリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で2回洗浄しそして1×ルシフェラーゼ溶解緩衝液(Promega)260μlに溶解させた。抽出物20μlをルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega)100μlと混合しそして発光をTurner TD−20/20ルミノメーターで直接測定することにより、ホタルLUCを定量した。ジシストロン構築物の場合には、製造者のインストラクション(Roche,Cat. No.1363727)に従ってCAT−ELISAキットでCATを定量した。
【0097】
1.4抗体産生
ホタルルシフェラーゼに対するヤギポリクローナル抗体を、Promega Corporationからのキット(Promega,Cat.No.G7451)により1mg/mlの濃度で得た。
【0098】
1.5免疫沈殿分析
pHPI−1362又はpHPI−1363によるトランスフェクションの36時間後に、BHK−21細胞の単層(〜107細胞)を、1%FBSを補充したメチオニンを含まない培地1ml当たり20μCi[35S]−メチオニン(Amersham Biosciences)で12時間代謝的に標識した。標識した細胞をPBSで洗浄しそして50mMトリス(pH8)、150mMNaCl、0.1%SDS、1%NonidetP−40、0.5%デオキシコール酸ナトリウム及び100μg/mlフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)からなるトリプル洗剤緩衝液の全容積500μlに溶解した。細胞溶解物をボルテックスすることにより混合し、そして4℃で10分間14000×gで遠心した。透明化した溶解物を4℃で一夜ロッカー(rocker)上で抗LUCポリクローナル抗体10μlとインキュベーションした。プロテインG+アガロース(Protein G PLUS Agarose)(Santa Cruz Biotechnology)をこの混合物に加え(20μl)そして反応を更に2時間同じ条件でインキュベーションした。ミクロ遠心後に、アガロースビーズを、50mMトリス(pH8)、150mMNaCl、0.1%NonidetP−4及び1mMEDTAを含有する緩衝液で3回洗浄した。次いで10%SDS−PAGEにより免疫沈殿を溶解し、ニトロセルロース膜上に移しそしてオートラジオグラフィーにより検出した。
【0099】
2.結果
2.1コア+1ORFはトランスフェクションされた細胞において効率的に発現される(in vivo)
in vitroアッセイは、HCV−1コアコード領域からのみコア+1ORFの検出可能な発現を示しそしてHCV−1a(H)単離物からは発現を示さないことは、以前に報告された。
【0100】
哺乳動物細胞におけるHCV−1及びHCV−1a(H)単離物からのコア+1タンパク質の翻訳を分析した。コア+1ORFの発現をウサギ網状赤血球溶解物に基づいたin vitroシステムと比較した。3つのすべてのフレームにおけるLUC遺伝子に融合したHCV−1及びHCV−1a(H)からのコアコード配列(ヌクレオチド9〜630)の全体IRES及びコアコード配列(ヌクレオチド9〜630)の一部を含有するcDNA配列を、CATが最初の遺伝子であるジシストロンベクターに移した。ジシストロンカセットCAT−IRES−コア−LUCをCMV/SP6プロモーターの制御下に置いて、in vivo及びin vitroでの発現のための同じDNAプラスミドの使用を可能とした。これらの構築物を本願の図1Aに示す。LUC遺伝子の発現は、融合したコア又はコア+1コード配列の発現に直接関係しており、そしてCAT活性は、in vivoでのトランスフェクション効率又はin vitroでの転写物の量(transcript abundance)の潜在的変動(potential variations)を標準化するための内部コントロールとして役立つ。各構築物をBHK−21細胞にトランスフェクションし、そして48時間後にLUC及びCAT活性を測定した。
【0101】
HCV−1の場合に、実質的な量のルシフェラーゼがpHPI−1333のコア+1LUCカセットから発現された。何故ならば、ルシフェラーゼ活性のレベルは、pHPI−1331に由来するコア−LUC融合タンパク質のルシフェラーゼ活性のレベルと同様であったからである(図1B[a])。ルシフェラーゼ活性のバックグラウンドレベルのみは、対応するネガティブコントロールコア−1LUC構築物(pHPI−1332)の発現から検出された。驚くべきことに、in vitroとは対照的に、LUC遺伝子に融合したHCV−1a(H)からのコア+1ORFを含有する構築物pHPI−1335から、非常に高いレベルのルシフェラーゼ活性が観察された。レベルは、pHPI−1334から生じたHCV−1a(H)コア−LUCハイブリッドタンパク質の約200%であった(図1C[a])。対応するネガティブコントロールプラスミド(pHPI−1336)は、ルシフェラーゼ発現のバックグラウンドレベルをもたらした。かくして、HCV−1コア+1LUC−タグ付タンパク質(HCV-1 core +1 LUC-tagged protein)は、コアコード配列と同様な翻訳レベルで、in vivoで効率的に産生される。
【0102】
これらの結果は、ウサギ網状赤血球溶解物における発現の研究とは対照的に、HCV−1a(H)及びHCV−1単離物も、一過性トランスフェクションされたBHK−21細胞においてコア+1ORFを効率的に発現することを示す。
【0103】
これらの結果は、in vitro及びトランスフェクションされた細胞におけるコア+1ORFの発現を指向する翻訳機構の差も示す。
【0104】
2.2 コアコード配列のコドン8〜11におけるAに富んだ配列は、in vivoでのコア+1タンパク質の発現に必須ではない。
HCV−1a(H)のコアコード領域は、リボソームフレームシフティングのための既知のずれやすい部位(slippery site)であるHCV−1ゲノムのコドン8〜11(ヌクレオチド364〜373)を表す10個の連続したA残基を欠くことが示された。トランスフェクションされた細胞におけるコア+1ORFの発現に対する10個のA残基領域の意義も分析しそしてウサギ網状赤血球溶解物におけるそれと比較した。
【0105】
10個のA残基領域における突然変異の研究もin vivoでのコア+1タンパク質の産生に対するそれらの効果を決定するために分析された。即ち、
−HCV−1(図2A)では、それぞれ、ヌクレオチド366、367及び373(コドン9及び10)における2つのAのGへの置換及びAのCへの置換のトリプル置換を含有する突然変異N18の挿入は、pHPI−1382を生じるが、これに対してそれぞれ、ヌクレオチド367、369及び373(コドン9、10及び11)におけるAのGへの変化及び2つのAのCへの変化からなる突然変異N19は、pHPI−01383をもたらし;
−HCV−1a(H)(図2B)では、位置366(コドン9)におけるAからGへの変化からなる突然変異15は、pHPI−1395を生じ、そしてヌクレオチド369(コドン10)におけるAのCへの置換を有するN16は、pHPI−1396をもたらした。N15及びN16突然変異は単一置換を含有する。何故ならば、HCV−1a(H)単離物は、位置367及び373においてG及びCを既に有するからであり;
これらの突然変異のどれもがin vivoでのルシフェラーゼ活性に対する有意な効果を持たない。
【0106】
この結果は、HCV−1単離物中にのみ見出されるコドン8〜11における10個の連続したアデニンの存在は、in vivoでのコア+1発現にとって決定的に重要でもなければウサギ網状赤血球溶解物中のコア+1タンパク質の発現にとっても決定的に重要ではないということを示唆する。
【0107】
2.3 HCVコアコード配列のATGイニシエーターコドンは、トランスフェクションされた細胞におけるコア+1タンパク質の発現に必須ではない
コア+1ORFのin vivo発現において示唆された分子機構を、HCV−1及びHCV−1a(H)単離物の両方のコア+1−LUC−タグ付構築物のコアコード領域に導入された2つの突然変異に従って更に研究する。
【0108】
突然変異N3は、コアORFのATGイニシエーターコドンをターミターコドンに変換し、そして突然変異N6はヌクレオチド414(P25、CCG)におけるコアコード配列の25番目の位置に停止コドンを導入した。得られるプラスミドは、それぞれ、HCV−1ではpHPI−1343及びpHPI−1344と名付けられそしてHCV−1a(H)ではpHPI−1346及びpHPI−1347と名付けられた。
【0109】
N3及びN6突然変異は、HCV−1及びHCV−1a(H)単離物の両方についてトランスフェクションされた細胞においてコア+1発現をブロックしなかった。更に、該N3及びN6突然変異は、増加したレベルのルシフェラーゼ活性も有する。反対にそして先のin vitro研究と合致して、N3突然変異はHCV−1からの72kDaコア+1−LUCタンパク質の合成を妨げるが(図4A[b]、レーン2)、これに対してN6はコア+1−LUCキメラタンパク質の産生に対する効果を持たない(図4A[b]、レーン3)。更に、先の研究に従って予想されるとおり、HCV−1a(H)からのコア+1−LUC構築物(WT、N3、N6)は、検出可能なレベルのキメラタンパク質を産生しなかった(図4B[b])。
【0110】
これらのデータは、ウサギ網状赤血球溶解物(in vitro)とトランスフェクションされた細胞(in vivo)とではコア+1発現のための主要な翻訳機構間で差が現れることを示す。更に、これらのデータは、in vivoでのコア+1ORFの発現はコアタンパク質の発現を必要としないことを示す。
【0111】
これらの結果は、コアORFの翻訳をブロックすることは、コア+1ORFの翻訳に対するポジティブな効果を有すること及びリボソームフレームシフティングは、in vivoコア+1発現を指向する主要な機構ではないことを示唆する。
【0112】
2.4 in vivoでのコア+1ORFの効率的な翻訳は、内部開始(1つ又は複数)コドン(1つ又は複数)により媒介される。
in vivoでのコア+1ORFの発現は、イニシエーターATG又はAに富んだ領域における変化により抑制されないことが上記実験で示された。ゆえに、下流のコドンがコア+1ORFの発現のための翻訳開始部位として機能することができるかどうかを試験するために、突然変異誘発実験を行った。
【0113】
コア+1ORFに影響を与える突然変異の説明を容易にするために、ヌクレオチド346におけるGCAアラニンコドンは、コア+1ORFの最初のコドンとして任意に定義される。3つのナンセンス突然変異を、HCV−1及びHCV−1a(H)のコア+1コード配列に別々に挿入された。即ち、
−突然変異N1は、ヌクレオチド472(W43、TGG)においてコア+1ORFにTAG停止コドンを導入し、その結果HCV−1及びHCV−1a(H)について、それぞれ、pHPI−1342及びpHPI−1345を得;
−突然変異N21は、ヌクレオチド580においてコア+1ORFの79番目のコドン(G79、GGT)をTAG停止コドンに変え、その結果pHPI−1380(HCV−1)及びpHPI−1398[HCV−1a(H)]を得;
−突然変異N22は、ヌクレオチド604(M87)において突然変異N21の8コドン下流にTAGターミネーターコドンを導入し、その結果pHPI−1381(HCV−1)及びpHPI−1397[HCV−1a(H)]を得た。
【0114】
突然変異N1及びN21は、HCV−1及びHCV−1a(H)単離物の両方についてコア+1−LUC遺伝子のin vivo発現に対する有意な効果を持たなかった。反対に、N22突然変異は、HCV−1及びHCV−1a(H)単離物の両方からの並びにBHK−21及びHuh−7細胞系の両方からのコア+1−LUCタンパク質の合成を殆ど完全に止めた。
【0115】
先の研究に従って予測されるとおり、突然変異N1、N21及びN22は、コア+1ORFのin vitro発現を支持しなかった。
【0116】
これらのデータは、トランスフェクションされた細胞におけるコア+1ORFの効率的な翻訳開始がほぼヌクレオチド580と604との間に位置することができる下流/内部開始コドンから媒介されることを示す。
【0117】
ヌクレオチド583と606との間の領域(コドン80〜87)は、2つのATG(ヌクレオチド598−ATGNNNATG−606)を含有し、これは、in vivoでのコア+1タンパク質の翻訳のための開始部位としてこれらのATGの機能的重要性を評価する。3つの下記の突然変異を試験した。即ち、
−突然変異N25は位置85及び87の両メチオニンをグリシンに変え、その結果pHPI−1401を得、
−突然変異N23はM87のみを変更してpHPI−1399を得、
−突然変異N24はM87のみを変更してpHPI−1400を得た。
【0118】
突然変異体pHPI−1399(N23)及びpHPI−1400(N24)によるBHK−21及びHuh−7のトランスフェクションは、野生型構築物と同様なレベルのルシフェラーゼ翻訳を生じさせた。対照的に、突然変異N25は、キメラコア+1−LUCタンパク質の産生にひどく影響与え、該産生はBHK−21細胞では野生型レベルの約23%でありそしてHuh−7では約26%であった。
【0119】
これらの結果は、コア+1コード領域の2つのメチオニン(M85及びM87)がコア+1発現に関与していることを示唆する。何故ならば、それらの両方のグリシンへの変換はルシフェラーゼ活性のレベルを有意に減少させたからである。
【0120】
2.5 in vivo及びin vitroで産生されたコア+1タンパク質のサイズの比較
ジシストロン構築物pHPI−1333(HCV−1)に含有されたIRES−コア+1−LUCカセット並びにpHPI−1332の対応するネガティブコントロールIRES−コア−1−LUCカセットを、CMVプロモーターの制御の下にモノシストロン発現ベクターに移し、その結果それぞれpHPI−1362及びpHPI−1363を得た(図7A)。このシステムは、ルシフェラーゼタンパク質の検出を改良する。何故ならば、HCV IRESはモノシストロン構築物において活性がより高いからである。特に、翻訳の48時間後にBHK−21細胞におけるモノシストロンIRES−コア+1−LUC構築物pHPI−1362により示されたルシフェラーゼ活性は、それぞれのジシストロンpHPI−1333から生じたルシフェラーゼ活性よりも約9倍高かった。ルシフェラーゼに対して生じたヤギポリクローナル抗体を使用して、pHPI−1362でトランスフェクションされたBHK−21細胞の抽出物により、免疫沈殿実験を行った。
【0121】
約62kDaの見かけの分子質量を有するタンパク質はポリクローナル抗体と強く反応し、このタンパク質は、pHPI−1333構築物からin vitroで産生されたキメラタンパク質コア+1−LUCより明らかに小さかった。
【0122】
これらの結果は、上記突然変異誘発と合致しておりそして、哺乳動物細胞で産生されたコア+1タンパク質はin vitroで産生されたコア+1タンパク質よりも約10kDa小さいことを示す。
【0123】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1A】コア+1−LUCキメラ遺伝子の発現分析 パネルA:タグ化実験のために使用されるCAT−LUCジシストロン構築物の略図の表現。HCV−1及びHCV−1a(H)からの全体のIRES(ヌクレオチド9〜341)及びコアコード配列の一部(ヌクレオチド342〜630)を、pHPI−1046のCMV及びT7プロモーターの両方の制御下にLUC遺伝子と融合させた。コアとルシフェラーゼコード領域との間の接続部のヌクレオチド配列を示す。部位特異的突然変異誘発によるATGイニシエーターに由来するルシフェラーゼシストロンの第1コドン、GGGは四角で囲まれている。LUC遺伝子は、0フレームでは、pHPI−1331(HCV−1)及びpHPI−1334[HCV−1a(H)]における先行するコアコード配列に対して融合され、+1フレームでは、HPI−1333(HCV−1)及びpHPI−1335[HCV−1a(H)]における先行するコアコード配列に対して融合され、そして−1フレームでは、HPI−1332(HCV−1)及びpHPI−1336[HCV−1a(H)]における先行するコアコード配列に対して融合された。下線を施されたヌクレオチドは、チミジン残基の挿入を示しそして逆向き三角形はアデニン残基の欠失を示す。
【図1B】パネルB、C:HCV−1(B)及びHCV−1a(H)(C)融合構築物のin vivo)a)発現及びin vitro(b)発現。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物(dupliate cultures)を各構築ブロックでトランスフェクションしそしてLUC活性対CAT量の相対比を決定した。バーは、二重の2つの別々の実験で得られた平均を表す。誤差バーは標準偏差を現す。 (b)各構築物をin vitroで転写しそして同等な量のすべてのRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物において翻訳した。翻訳産物をSDS−PAGEにより直接分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。融合タンパク質は、黒く塗られた矢頭印により示される。開いた矢頭印はCATタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図1C】パネルB、C:HCV−1(B)及びHCV−1a(H)(C)融合構築物のin vivo)a)発現及びin vitro(b)発現。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物(dupliate cultures)を各構築ブロックでトランスフェクションしそしてLUC活性対CAT量の相対比を決定した。バーは、二重の2つの別々の実験で得られた平均を表す。誤差バーは標準偏差を現す。 (b)各構築物をin vitroで転写しそして同等な量のすべてのRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物において翻訳した。翻訳産物をSDS−PAGEにより直接分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。融合タンパク質は、黒く塗られた矢頭印により示される。開いた矢頭印はCATタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図2A】コア+1−LUCキメラ遺伝子の発現に対するHCV−1(N18、N19)及びHCV−1a(H)(N15、N16)コアコード配列のコドン8〜11内の突然変異の効果。 パネルA、B:野生型HCV−1(A)及びHCV−1a(H)(B)プラスミド並びに対応する突然変異体バリアントN18、N19(HCV−1(A)及びN15、N16[HCV−1a(H)](B)のコドン8〜11の領域におけるコアヌクレオチド配列。コドン8〜11の野生型配列は太字で示される。矢印は挿入された突然変異を示し、太字の文字は突然変異されたヌクレオチド及び影響を受けたアミノ酸を示す。括弧内の数字は突然変異したコドンの番号を示す。
【図2B】コア+1−LUCキメラ遺伝子の発現に対するHCV−1(N18、N19)及びHCV−1a(H)(N15、N16)コアコード配列のコドン8〜11内の突然変異の効果。 パネルA、B:野生型HCV−1(A)及びHCV−1a(H)(B)プラスミド並びに対応する突然変異体バリアントN18、N19(HCV−1(A)及びN15、N16[HCV−1a(H)](B)のコドン8〜11の領域におけるコアヌクレオチド配列。コドン8〜11の野生型配列は太字で示される。矢印は挿入された突然変異を示し、太字の文字は突然変異されたヌクレオチド及び影響を受けたアミノ酸を示す。括弧内の数字は突然変異したコドンの番号を示す。
【図2C】パネルC、D:HCV−1(C)及びCV−1a(H)(D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに対応する突然変異体[それぞれ、pHPI−1382(N18)、−1383(N19)及びpHPI−1395(N15)、−1396(N16)]を使用して、BHK−21細胞(a)をトランスフェクションし、又はin vitroで転写しそして等量のRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物(b)において翻訳した。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物を野生型又は突然変異した構築物でトランスフェクションした。各突然変異体の活性を、LUC活性対CAT量の比を決定することにより計算しそして野生型のそれの百分率として表す。バーは、各々二重に行われた3つの別別の実験で観察された平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (b)[35S]−メチオニン標識されたin vitro翻訳産物5λを12%SDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。融合タンパク質コア+1−LUCは黒く塗られた矢頭により示される。開いた矢頭はCATタンパク質を示す。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図2D】パネルC、D:HCV−1(C)及びCV−1a(H)(D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに対応する突然変異体[それぞれ、pHPI−1382(N18)、−1383(N19)及びpHPI−1395(N15)、−1396(N16)]を使用して、BHK−21細胞(a)をトランスフェクションし、又はin vitroで転写しそして等量のRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物(b)において翻訳した。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物を野生型又は突然変異した構築物でトランスフェクションした。各突然変異体の活性を、LUC活性対CAT量の比を決定することにより計算しそして野生型のそれの百分率として表す。バーは、各々二重に行われた3つの別別の実験で観察された平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (b)[35S]−メチオニン標識されたin vitro翻訳産物5λを12%SDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。融合タンパク質コア+1−LUCは黒く塗られた矢頭により示される。開いた矢頭はCATタンパク質を示す。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図3A】コア/コア+1コード領域の突然変異分析 0(A)及び+1(B)オープンリーディングフレーム(ORFs)に影響を与える突然変異を含むHCV−1コアコード領域のヌクレオチド配列。挿入された突然変異は矢印により示される。突然変異したヌクレオチド及び影響を受けたアミノ酸は太字で示される。
【図3B】コア/コア+1コード領域の突然変異分析 0(A)及び+1(B)オープンリーディングフレーム(ORFs)に影響を与える突然変異を含むHCV−1コアコード領域のヌクレオチド配列。挿入された突然変異は矢印により示される。突然変異したヌクレオチド及び影響を受けたアミノ酸は太字で示される。
【図4】コア+1−LUCキメラ遺伝子の発現に対するHCV−1(A)及びHCV−1a(H)(B)コアコード領域のコドン8〜11にフランキング(flank)するヌクレオチド配列内の突然変異の効果。 それぞれ、野生型pHPI−1333(HCV−1)及びpHPI−1335[HCV−1a(H)]及びN3、N6突然変異体バリアントpHPI−1343、pHPI−1344(HCV−1)及びpHPI−1346、pHPI−1347[HCV−1a(H)]を使用して、BHK−21細胞(a)をトランスフェクションしそしてin vitroで転写し、そして等量のRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物(b)中で翻訳した。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物を野生型又は突然変異した構築物でトランスフェクションした。各突然変異体バリアントの相対的活性を、図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは、各々二重に行われた2つの別々の実験からの平均を表す。誤差バーは標準偏差を示す。 (b)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭は、それぞれ、キメラコア+1−LUC及びCATタンパク質を示す。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図5A】HCV−1及びHCV−1a(H)単離物のコア+1コード配列内の突然変異分析。 HCV−1(A、C)及びHCV−1a(H)(B、D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに突然変異させたプラスミド[それぞれ、pHPI−1342(N1)、−1380(N21)、−1381(N22)及びpHPI−1345(N1)−1398(N21、−1397(N22)]をBHK−21(a)及びHuh−7(b)細胞又はFlexiウサギ網状赤血球溶解物(c)中で発現させた。 (a)及び(b)実験を二重に行いそして少なくとも2回反復した。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (c)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。ハイブリッドコア+1−LUC及びCATタンパク質の位置は、それぞれ、黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭により示される。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図5B】HCV−1及びHCV−1a(H)単離物のコア+1コード配列内の突然変異分析。 HCV−1(A、C)及びHCV−1a(H)(B、D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに突然変異させたプラスミド[それぞれ、pHPI−1342(N1)、−1380(N21)、−1381(N22)及びpHPI−1345(N1)−1398(N21、−1397(N22)]をBHK−21(a)及びHuh−7(b)細胞又はFlexiウサギ網状赤血球溶解物(c)中で発現させた。 (a)及び(b)実験を二重に行いそして少なくとも2回反復した。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (c)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。ハイブリッドコア+1−LUC及びCATタンパク質の位置は、それぞれ、黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭により示される。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図5C】HCV−1及びHCV−1a(H)単離物のコア+1コード配列内の突然変異分析。 HCV−1(A、C)及びHCV−1a(H)(B、D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに突然変異させたプラスミド[それぞれ、pHPI−1342(N1)、−1380(N21)、−1381(N22)及びpHPI−1345(N1)−1398(N21、−1397(N22)]をBHK−21(a)及びHuh−7(b)細胞又はFlexiウサギ網状赤血球溶解物(c)中で発現させた。 (a)及び(b)実験を二重に行いそして少なくとも2回反復した。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (c)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。ハイブリッドコア+1−LUC及びCATタンパク質の位置は、それぞれ、黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭により示される。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図5D】HCV−1及びHCV−1a(H)単離物のコア+1コード配列内の突然変異分析。 HCV−1(A、C)及びHCV−1a(H)(B、D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに突然変異させたプラスミド[それぞれ、pHPI−1342(N1)、−1380(N21)、−1381(N22)及びpHPI−1345(N1)−1398(N21、−1397(N22)]をBHK−21(a)及びHuh−7(b)細胞又はFlexiウサギ網状赤血球溶解物(c)中で発現させた。 (a)及び(b)実験を二重に行いそして少なくとも2回反復した。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (c)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。ハイブリッドコア+1−LUC及びCATタンパク質の位置は、それぞれ、黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭により示される。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図6】コア+1コード配列のコドンATG598及びATG604を標的化する突然変異の効果。 BHK−21(A)及びHuh−7(B)細胞の二重の培養物を、ジシストロンHCV−1野生型(pHPI−1333)並びに突然変異させた構築物:pHPI−1399(N23)、pHPI−1400(N24)及びpHPI−(N25)によりトランスフェクションした。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載したとおりに計算した。バーは各々二重に行われた2つの別々の実験からの平均を表す。誤差バーは標準偏差を示す。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図7A】トランスフェクションされた細胞におけるキメラコア+1−LUCタンパク質の発現 パネルA:モノシストロン構築物pHPI−1362(コア+1−LUC)及びpHPI−1363(コア−1−LUC)の略図である。 パネルB:BHK−21細胞の二重の培養物を、モノシストロンコア+1−LUC構築物pHPI−1362又はジシストロンコア+1−LUCpHPI−1333でトランスフェクションし、そして相対的ルシフェラーゼ活性を決定した。バーは2つの別々の実験からの平均を示す。誤差バーは標準偏差を表す。 パネルC:抗LUCヤギポリクローナル抗体を使用する、一過性にトランスフェクションされたBHK−21細胞からのコア+1−LUC及びコア−1−LUC含有モノシストロン構築物の[35S]−メチオニン標識された翻訳産物の免疫沈殿。免疫沈殿物をSDS−PAGEにより分析し、続いてオートラジオグラフィーにより分析した。in vivoで産生されたハイブリッドコア+1−LUCタンパク質をドットによりマークした。開いた矢頭は、ウサギ網状赤血球溶解物中で合成された[35S]−メチオニン標識されたコア+1−LUCタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図7B】トランスフェクションされた細胞におけるキメラコア+1−LUCタンパク質の発現 パネルA:モノシストロン構築物pHPI−1362(コア+1−LUC)及びpHPI−1363(コア−1−LUC)の略図である。 パネルB:BHK−21細胞の二重の培養物を、モノシストロンコア+1−LUC構築物pHPI−1362又はジシストロンコア+1−LUCpHPI−1333でトランスフェクションし、そして相対的ルシフェラーゼ活性を決定した。バーは2つの別々の実験からの平均を示す。誤差バーは標準偏差を表す。 パネルC:抗LUCヤギポリクローナル抗体を使用する、一過性にトランスフェクションされたBHK−21細胞からのコア+1−LUC及びコア−1−LUC含有モノシストロン構築物の[35S]−メチオニン標識された翻訳産物の免疫沈殿。免疫沈殿物をSDS−PAGEにより分析し、続いてオートラジオグラフィーにより分析した。in vivoで産生されたハイブリッドコア+1−LUCタンパク質をドットによりマークした。開いた矢頭は、ウサギ網状赤血球溶解物中で合成された[35S]−メチオニン標識されたコア+1−LUCタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図7C】トランスフェクションされた細胞におけるキメラコア+1−LUCタンパク質の発現 パネルA:モノシストロン構築物pHPI−1362(コア+1−LUC)及びpHPI−1363(コア−1−LUC)の略図である。 パネルB:BHK−21細胞の二重の培養物を、モノシストロンコア+1−LUC構築物pHPI−1362又はジシストロンコア+1−LUCpHPI−1333でトランスフェクションし、そして相対的ルシフェラーゼ活性を決定した。バーは2つの別々の実験からの平均を示す。誤差バーは標準偏差を表す。 パネルC:抗LUCヤギポリクローナル抗体を使用する、一過性にトランスフェクションされたBHK−21細胞からのコア+1−LUC及びコア−1−LUC含有モノシストロン構築物の[35S]−メチオニン標識された翻訳産物の免疫沈殿。免疫沈殿物をSDS−PAGEにより分析し、続いてオートラジオグラフィーにより分析した。in vivoで産生されたハイブリッドコア+1−LUCタンパク質をドットによりマークした。開いた矢頭は、ウサギ網状赤血球溶解物中で合成された[35S]−メチオニン標識されたコア+1−LUCタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図8A】HCVの種々のバリアント中のより短い形態のコア+1コード配列の変動性。
【図8B】HCVの種々のバリアント中のより短い形態のコア+1コード配列の変動性。
【図9】突然変異分析で使用されるオリゴヌクレオチド及び構築物のリスト。
【技術分野】
【0001】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質(shorter form core + 1 protein)と名付けられたC型肝炎ウイルス(HCV)のコア+1タンパク質の新規な形態に関する。本発明は、生物学的サンプルにおけるC型肝炎ウイルスによる感染を検出する方法、HCVに感染した細胞におけるウイルス増殖と相互作用する化合物、有利には、ウイルス増殖を減少、抑制又は阻止する化合物をスクリーニングする方法及びより短い形態のコア+1タンパク質の発現に対して影響する化合物のスクリーニング方法及びそれらの抗ウイルス活性に有用な組成物の製造のためのこれらの化合物の使用も提供する。本発明は、HCV感染又はその結果に対する保護のための免疫原性組成物を誘導するために本発明のより短い形態のコア+1タンパク質を使用することも提唱する。
【0002】
肝炎Cは、原因作用物質が同定されるまで、「非A非B肝炎」(NANBH)とも呼ばれてきた肝臓のウイルス感染症である。C型肝炎ウイルスは、一緒になってウイルス肝炎の症例の大多数の原因となるウイルス(A、B、C、D及びE)の1つである。C型肝炎ウイルスは、1989年に初めて同定され(choo et al. 1989)そして感染した人々は世界中で1億7千万人と見積もられている肝臓疾患のよく知られた原因として定義された。C型肝炎ウイルス(HCV)感染は肝臓を冒し、これは、肝炎、即ち、肝臓の炎症を引起す。HCVに感染した人の75〜85%は慢性感染へと進行し、これらの症例の約20%は、感染の20年後には肝臓の硬変又は肝細胞がんを含む慢性肝炎Cの合併症を発生する(Di Bisceglie 2000)。HCV感染に対する最近の推奨される処置は、インターフェロン及びリバビリン薬物の組み合わせであるが、この処置はすべての症例において有効とはかぎらず、そして肝臓移植が肝炎C関連最終段階肝臓疾患において適用される。現在では、HCV感染を阻止するのに入手可能なワクチンがなく、ゆえに、感染を回避するためにすべての予防手段を取らなければならない。
【0003】
HCVはフラビウイルス科(flaviviridae family)内のHepacivirus属の(+)センス一本鎖エンベロープドRNAウイルス((+) sense single-stranded enveloped RNA virus)である。ウイルスゲノムは、長さが約10kbでありそして3011アミノ酸のポリプロテイン前駆体をコードする。HCVゲノムは、独特なポリプロテインをコードする大きな単一オープンリーディングフレーム(ORF)を有し、該ポリプロテインは、細胞プロテアーゼ及びウイルスプロテアーゼにより3つの構造タンパク質、即ち、コア、E1及びE2並びに少なくとも6つの非構造NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A及びNS5Bタンパク質に翻訳と同時に及び翻訳後にプロセッシングされる(Houghton 1996 and Reed et al.2000)。
【0004】
HCVゲノムの翻訳の開始は、主として、ヌクレオチド42と341又は356との間の、ウイルスRNAの5’非コード領域内に位置した内部リボソームエントリー部位(IRES)により制御されるが、この3’限界は議論を呼ぶ。ウイルスヌクレオカプシドを形成するコアタンパク質は、長さが191アミノ酸であると予言されそして23kDaの分子質量を有することが予言される(p23)。P23の更なるプロセッシングは、173〜182アミノ酸からなる成熟コアタンパク質(p21)を産生する。約17kDaの分子量を有するタンパク質も、或るHCV単離物(HCV isolate)のコアタンパク質コード配列からin vitro及びin vivoで、例えば、E.coli細胞において発現されることが以前に報告された。最大160アミノ酸からなる16/17kDaのこの追加のHCVポリペプチド(p16/p17)は、+1フレームにおけるコア遺伝子にオーバーラップするオープンリーディングフレーム(コア+1ORF)によりコードされそして翻訳のための+1リボソームフレームシフトの結果としてin vitroで合成される。
【0005】
この16/17kDaポリペプチドは、オルタナティブリーディングフレームタンパク質(Alternative Reading Frame Protein)としてARFP、又はフレームシフトタンパク質としてF、又はこの新規なタンパク質の位置に従ってコア+1タンパク質と名付けられる。ARFP/F/コア+1タンパク質は、コアコドン8〜14の領域で作用する(operating)+1リボソームフレームシフトが後に続いているポリプロテイン配列のイニシエーターコドンからin vitroで合成される(Xu et al. 2001, Varaklioti et al. 2000)。
【0006】
より最近では、コア+1タンパク質の生物学的意義を調べるために、コア+1タンパク質コード配列の発現が、哺乳動物細胞において、即ち、in vivoでアッセイされた。ウサギ網状赤血球溶解物(rabbit reticulocyte lysates)におけるHCV−1及びHCV−1a(H)のコア+1ORFの発現(in vitro)は、HCV−1単離物(HCV-1 isolate)についてそれぞれ得ることができるが、これに対してHCV−1a(H)単離物(HCV-1a(H) isolate)についてはそれは検出されないことが示された(Varakioti et al.2002)。実際、コア+1タンパク質は、HCV−1からのコア+1ORFを発現させるときin vitroで合成されたが、HCV−1a(H)からのコア+1ORFを発現させるとき検出されなかった。HCVのHCV−1及びHCV−1a(H)単離物は、同じ遺伝子型に属するけれども、HCV−1のコドン8〜14に位置したフレームシフト部位に異なる配列を有することが思い起こされる。その差は、特に、推定フレームシフト部位でHCV−1a(H)配列における10個のAヌクレオチド残基(10-A nucleotide residues)の欠如からなる。コア+1タンパク質の発現機構に関するいくらかのデータを与えるために、本発明者はin vivoでの該発現を研究した。
【0007】
本発明で開示された結果は、in vitro発現の研究と違って、HCV−1及びHCV−1a(H)コアコード配列の両方共トランスフェクションされた哺乳動物細胞においてコア+1ORFの発現を効率的に可能とすることを示す。哺乳動物細胞で行われたトランスフェクション及び発現実験は、コア+1ORFのin vivo発現が新規なタンパク質の合成と関連しており、該発現は、コア+1タンパク質のin vitro発現のための同定された機構と比較して、コア+1ORFの新規な別の翻訳開始機構(alternative translation initiation mechanism)に従うということを、本発明者が確認することも可能とした。この別の機構はin vivoでより短い形態のコア+1タンパク質の合成を指向する。
【0008】
HCV−1及びHCV−1a(H)の特定の種は、それぞれ、参照番号No.M62321及びNo.M67463の下にGenebankにおいて開示された。
【0009】
ゲノムサイズ拘束(genome size constraints)にさらされているウイルスは、それらのコード能力を広げるための種々のストラテジー、例えば、リボソームフレームシフティング(ribosomal frameshifting)又は内部翻訳開始(internal translational initiation)を開発した。リボソームフレームシフティングは、そうしなければリボソームと遭遇したであろう終止コドンを回避することからなり、そしてその代わりにそのC末端に余分のアミノ酸配列を有するタンパク質を創生する。ゆえに、リボソームフレームシフティングにおいて、翻訳リーディングフレームの指向された変化は、2つ以上のオーバーラッピング遺伝子から単一タンパク質の合成を可能とする。内部翻訳開始は、リーキースキャニング(leaky scanning)及びリボソームシャンティング(ribosome shunting)及び内部リボソームエントリー部位(internal ribosome entry site)を含む種々の機構に従って上流のイニシエーターコドンから逃れることからなる。かかる機構が、より短い形態のコア+1タンパク質のin vivo発現のために用いられていることは明らかである。
【0010】
ゆえに、本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質と名付けられそして、特に哺乳動物細胞におけいて、コア+1コード配列又はORFのin vivo発現により得られうるHCVライフサイクルの新規なタンパク質を提供する。
【0011】
本発明は、該より短い形態のコア+1タンパク質をコードする核酸配列にも関する。
【0012】
本発明は、C型肝炎ウイルス感染の証拠を与えるより短い形態のコア+1タンパク質の存在又は不存在を個体の生物学的サンプルにおいて検出する方法も提供する。
【0013】
本発明は、免疫原性組成物における本発明のより短い形態のコア+1タンパク質の使用も提供する。本発明の免疫原性組成物は、患者におけるHCV感染に対するCTL応答を誘発するために有利に製造されうる。
【0014】
より短い形態のコア+1HCVタンパク質は、特に持続した感染が現れるとき、HCV感染の結果と相互作用することを目的とする治療組成物の製造に関与することもできる。
【0015】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質の翻訳を指向するコア+1ORFのin vivo発現との相互作用の結果として、化合物、特に抗ウイルス活性を有する化合物をスクリーニングする手段も提供する。本方法のいくつかの利点の中でも、これらのスクリーニング方法は、ウイルス増殖及びウイルスのライフサイクルの制御と相互作用することができる化合物、特にウイルス増殖を抑制又阻止することができる化合物のルーチンな高スループットスクリーニングのために適切であることに留意されるべきである。
【0016】
更に、本発明は、ウイルス増殖及びウイルスのライフサイクルの制御と相互作用することができる化合物、有利にはHCVに感染した細胞中のより短い形態のコア+1タンパク質の発現と相互作用することができることの結果として、特にウイルス増殖を抑制又は防止することができる化合物であって、C型肝炎ウイルスの感染により誘発される疾患又はC型肝炎ウイルスの感染と関連した疾患の処置用の薬物の製造に有用である化合物の使用も提供する。
【0017】
ゆえに、本発明の第1の目的は、図3Bに示されたHCVのコア+1ORF内のヌクレオチド598からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列のすべて又は一部からなるコード配列の翻訳の産物であるHCVのより短い形態のコア+1タンパク質である。
【0018】
特定の態様では、HCVコア+1コード配列の位置598に翻訳開始コドン(ATG)を有するヌクレオチド配列又はHCVコア+1コード配列の位置606にATGを有するヌクレオチド配列によりコードされるより短い形態のコア+1タンパク質。
【0019】
特定の態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、
(i)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列,又は
(ii)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、又は
(iii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、又は
(iv)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、又は
(v)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
によりコードされる。
【0020】
本明細書に使用された、「より短い形態のコア+1タンパク質」又は「in vivoコア+1タンパク質」という表現は、HCVに感染した細胞又はコアコード配列若しくはコア+1ORFを含むDNA構築物でトランスフェクションされた細胞においてin vivoで得ることができるC型肝炎ウイルスタンパク質を指す。主なより短い形態のコア+1は特にin vivoで産生され、これは16/17kDaコア+1in vitro合成産物より小さい。何故ならば、10kDaより小さい計算された分子量を有することが予言されるからである。更に、より短い形態のコア+1タンパク質は、コアタンパク質の最初の10個の連続したA残基を含まない。これらのA残基は、HCV−1ゲノムのコドン8〜11(ヌクレオチド364〜373)に位置しており、そしてコア+1ORFの発現に対する大きな意義(importance)を有する。分子量のこの特異的な差は、「より短い形態のコア+1タンパク質」という用語を説明する。
【0021】
本明細書で使用した、「コア+1ORF」という表現は、HCVの「コアコード配列」内に含まれる本願の図3Bに示された如きヌクレオチド配列を指す。該コア+1ORFは、ヌクレオチド342において翻訳開始コドンで始まりそして図3Bに示された配列において位置920におけるヌクレオチドまで延びている(US n°09/644,987)。
【0022】
より短い形態のコア+1タンパク質は、該ヌクレオチド配列がin vivoで発現されるときコア+1ORF又はコアコード配列によりコードされていることが指摘される。
【0023】
本発明は、更に、図3Bに示されたヌクレオチド配列の位置342のヌクレオチドから位置920のヌクレオチドまで、好ましくは位置826のヌクレオチドまで延びているヌクレオチド配列に含まれるコア+1オープンリーディングフレーム(ORF)の発現によりin vivoで得られうるHCVのより短い形態のコア+1タンパク質であって、計算された分子量は10kDaより小さい、より短い形態のコア+1タンパク質に関する。
【0024】
より短い形態のコア+1タンパク質は、HCVポリプロテインの発現とは独立にそしてコア+1タンパク質の発現からも独立にin vivoで得られうることが強調される。in vivoでの該発現は、コア+1ORFにおけるコア+1発現のために使用されるフレームと同じフレームを使用するが、コア+1in vitro発現に必要なフレームシフトトランスフェクション機構を関与させない。
【0025】
他の態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、哺乳動物細胞におけるコア+1ORFの発現産物である。
【0026】
好ましい態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、HCVで感染した患者の血清により認識される。同じ方法で、循環している抗コア+1抗体が、HCV感染した個体において検出されたが、これは、このタンパク質が自然のHCV感染期間中産生されることを示唆する。
【0027】
好ましい態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、図3Bに示された配列のヌクレオチド598に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド826、又はヌクレオチド897又はヌクレオチド920に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む。他の好ましい態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、図3Bに示された配列のヌクレオチド606に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド826、又はヌクレオチド897又はヌクレオチド920に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む。
【0028】
より短いコア+1タンパク質のために開示された開始コドン及び/又は停止コドンは、考慮されるHCV単離物に依存して変わることができる。開始コドン及び停止コドンの上記位置は図3のアミノ酸配列に関して与えられる。ヌクレオチド826に対応するコドンで終わるより短い形態のコア+1タンパク質は該タンパク質の好ましい形態とみなすことができるけれども、上記したより長い配列が同時に又は替わりにコードされうる。
【0029】
本発明は、更に、より短い形態のコア+1タンパク質内に含まれたペプチド、特にエピトープとして有用なペプチドに関する。本発明の目的で、ペプチドに言及するとき「エピトープ」という用語は、抗原決定基又は該ペプチドの免疫学的に活性な領域と考えられるべきである。それは、抗体又はTCRにより特異的に結合される該免疫原性ペプチドの部分である。ペプチド抗原上の該エピトープは、ペプチドの一次、二次、三次、さらに四次構造のエレメントを含むことができそして少なくとも3つの残基を含有する。本発明は、エピトープとして有用なそして下記の配列、
COOH−T−Y−R−S−S−A−P−L−L−E−A−L−P−G−P−NH2
を有する興味ある特定のペプチドを提供する。
【0030】
興味あるこのようなペプチドは、図3Bの配列においてヌクレオチド749に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド793、又はヌクレオチド796に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む。
【0031】
このペプチドのバリアント(variants)、例えば、ペプチドにおけるアミノ酸の欠失、付加又は置換により得られるバリアントも、これらのバリアントが抗体を誘発することができるか又は上記配列に対して指向された抗体と免疫学的に反応することができるかぎり、本発明に包含されそして当該技術分野で知られた方法により得ることができる。
【0032】
本発明により包含される興味あるこのペプチドのバリアントの例は、下記のとおり例示することができそして図8に従って例示することができる:
【0033】
【表1】
【0034】
このようなペプチドは、ポリクローナル又はモノローナルのいずれかの抗体の製造に特に興味深い。
【0035】
より短い形態のコア+1タンパク質の翻訳開始コドンは、HCV単離物に依存して変わることができる。ある単離物は、2つのATGを含有し、この両方共より短い形態のコア+1タンパク質の合成のために使用されうる。他の単離物は、該タンパク質のための1つのみのATGを含有する。
【0036】
種々のより短い形態のコア+1タンパク質は、例えば、バリアントにより発現されるタンパク質に対応する図8に開示されたアミノ酸配列と図3Bの配列のタンパク質アラインメントから誘導することができる。
【0037】
本発明は、HCVの上記したコアコード配列によりコードされたタンパク質のモザイクにも関する。このようなモザイクは、コアタンパク質、コア+1タンパク質、より短い形態のコア+1タンパク質又はそれらの誘導体の中から選ばれた少なくとも2つのタンパク質を含有し、これらは該配列によりコードされた誘導体を含みそしてコアコード配列の3’末端部分における更なるフレームシフト機構を含む。
【0038】
これらのタンパク質の組成物は、同じ単離物のタンパク質又は異なるHCV単離物からのタンパク質を含むことができる。
【0039】
本発明は、図3Bに示されたヌクレオチド342からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列の断片であって、発現条件下に哺乳動物細胞にトランスフェクションされるときHCVのより短い形態のコア+1タンパク質をコードすることができる断片からなるヌクレオチド配列にも関する。
【0040】
更に詳しくは、より短い形態のコア+1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、図3Bのコアコード配列内のヌクレオチド598から又はヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列を含む。
【0041】
特定の態様では、より短い形態のコア+1タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、
(i)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、
(ii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、
(iii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
(iv)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、
(v)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、
(vi)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
(vii)哺乳動物細胞における上記したより短い形態のコア+1タンパク質又はそのエピトープをコードすることができる配列(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)又は(vi)の断片、
の中から選ばれる。
【0042】
本発明は、図8に示されたより短い形態のコア+1タンパク質をコードする種々の単離物に由来するバリアントヌクレオチド配列も提供する。
【0043】
かくして、本発明は、下記:
9番目及び11番目のコドンのそれぞれにおいて2つのAのGへの置換及びAのCへの置換のトリプル置換に対応する突然変異、又は
9番目、10番目及び11番目のコドンのそれぞれにおいて1つのAのGへの置換及び2つのAのCへの置換からなる突然変異、又は
9番目のコドンにおいてAのGへの置換からなる突然変異、又は
10番目のコドンにおいてAのCへの置換からなる突然変異、又は
イニシエーターコドンのターミネーターコドンへの置換、又は
25番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
43番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
79番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
87番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
85番目のコドンの停止コドンへの置換及び/又は87番目のコドンの停止コドンへの置換、
の中から選ばれる1つ以上の突然変異の結果として図3Bに示されたヌクレオチド配列に由来するC型肝炎ウイルスコアタンパク質コード配列を含むヌクレオチド配列も提供する。
【0044】
本発明のヌクレオチド配列は、特に精製された形態下にあり、即ち、それらはHCVにおけるそれらの自然の環境から単離される。
【0045】
上記突然変異は、in vivoでのコア+1発現にとって決定的に重要であるコドンを検出するために、ヌクレオチド配列の特定の位置においてミスセンスコドンを発生させることからなる。本明細書で言及した、「停止コドン」、「ミスセンスコドン」、「ナンセンスコドン」、「ターミネーターコドン及び「連鎖終結コドン(chain terminating codon)」は、翻訳を停止することができる。何故ならば、いかなるアミノ酸も該コドンに対応するからである。停止コドンのコード配列は、しばしばUAA、UAG及びUGAである。停止コドンの存在は、コア+1コード領域を中断させ、そして該停止コドンがコア+1コード領域のオープンリーディングフレーム(ORF)を有するフレーム内にあろうとなかろうとコア+1タンパク質の産生を支持しない。
【0046】
本発明は、該ヌクレオチド配列の機能的バリアントでありそして少なくとも70%同一性、好ましくは80%若しくは90%同一性を有するヌクレオチド配列も提供する。
【0047】
本明細書で使用された、「バリアント」という用語は、HCVのより短い形態のコア+1ヌクレオチド配列に実質的に相同性の、しかし突然変異、特に、1つ以上の欠失、挿入又は遺伝子コード縮重をもたらす置換を受けたヌクレオチド配列を指す。バリアントヌクレオチド配列は、ネイティブなより短い形態のコア+1タンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも70%同一の、最も好ましくは少なくとも80%又は90%同一である。本発明に従うバリアント配列の決定は、GAPコンピュータープログラムを使用して行うことができる(Devereux et al Nucl.Acids.Res.12:387,1984)。バリアントは、特に、突然変異した配列の物理化学的特徴がネイティブなより短い形態のコア+1ヌクレオチド配列の物理化学的特徴と実質的に同一であるような保存性置換を含むことができる。バリアントは、ネイティブなより短い形態のコア+1タンパク質に対して指向される抗体により認識されるバリアントなより短い形態のコア+1タンパク質(variant shorter form core +1 protein)をコードするそれらの能力についても選ばれうる。
【0048】
図3Bのヌクレオチド配列の特定のバリアントは、遺伝子コードの縮重から生じる変動性を考慮することを含めて、図8のアミノ酸配列から誘導可能である。
【0049】
本発明は、本明細書に開示されたヌクレオチド配列に対してストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列、このような単離されたDNA又はRNA配列にも関する。これらのヌクレオチド配列は、コアタンパク質、より短い形態のコア+1タンパク質、より短い形態のコア+1タンパク質の断片及びそれらの誘導体を含むタンパク質のモザイクをコードするヌクレオチド配列の相補性配列も含む。
【0050】
本発明は、少なくとも上記に開示されたいかなるヌクレオチド配列の相補性配列ともストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列にも関する。
【0051】
本発明は、上記開示された配列の中から選ばれる配列に相補性のヌクレオチド配列にも関する。
【0052】
本明細書で使用された「ストリンジエントな条件」という表現は、Sambrook et al. in molecular Cloning : a laboratory manual(1989)により定義されている如き厳しいストリンジェンシーの条件を指す。高いストリンジェンシーのこれらの条件は、下記のハイブリダイゼーション条件として定義される:即ち、ニトロセルロースフィルター用の予備洗浄溶液5X SSC、0.5%SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)、42℃での50%ホルムアルデヒド、6X SSCのハイブリダイゼーション条件及び68℃、0.2X SSC及び0.1%SDSの洗浄条件を使用する。プロトコールは当業者に知られている。更に、当業者は、温度及び洗浄溶液塩濃度を実験的拘束に従って必要に応じて調節することができることを認識するであろう。
【0053】
本発明は、上記した如きヌクレオチド配列に作動的に連結されたプロモーターを含むキメラ遺伝子を提供する。
【0054】
よく使用されるプロモーター配列は、ラクトースプロモーターシステム、トリプトファンプロモーターシステム、tacプロモーター及びCMVプロモーターからなる群より選ばれる。
【0055】
本明細書で述べた、「キメラ遺伝子」又は「組換え遺伝子」は、天然には一緒に見出されない2つのDNAソースの相互の組み合わせ又は連結から生じるDNA分子からなる。
【0056】
より短い形態のコア+1タンパク質は、より短い形態のコア+1配列の適当な転写及び翻訳を可能とするようなプロモーターに「作動的に連結されており」、かくして該調節配列はより短い形態のコア+1DNA配列に機能的に関係する。
【0057】
特定の態様では、キメラ遺伝子は、第1シストロンにおいてCMV/T7キメラプロモーター及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子、並びに第2シストロンにおいてLUC遺伝子に融合されたHCVコアコード配列の全体の内部リボソームエントリー部位(entire internal ribosome entry site)(IRES)及び野生型コアコード配列の一部を含む。ジシストロンカセットCAT−IRES−コア−LUCは、CMV/T7(ここで、CMVはサイトメガロウイルスに由来しそしてT7はバクテリオファージに由来する)の制御下に置かれて、in vivo及びin vitroでの発現のための同じDNAプラスミドの使用を可能とする。更に、LUC遺伝子の開始コドンによりトリガーされる内部翻訳開始事象の可能性を排除するために、ATGはGGGコドンに変えられた。上記修飾により、LUC遺伝子の発現は、融合したコア及びコード配列の発現に直接関係する。更に、CAT活性は、in vivoでのトランスフェクション効率又はin vitroでの転写物量の潜在的変動を標準化するために内部コントロールとして働く。
【0058】
好ましい態様において、0、+1又は−1フレームにおけるコア配列にLUC遺伝子が融合されている如きキメラ遺伝子が構築される。
【0059】
オープンリーディングフレーム(ORF)は、フレーム0、+1又は−1においてポリペプチド鎖、即ち、この特定の場合にはLUCポリペプチド、を得るために終止コドンにより翻訳が中断されないようなものである。
【0060】
本発明の他の目的は、上記した如きキメラ遺伝子を含むベクターを提供することである。本発明に従うベクターは、DNA配列、例えば、キメラ遺伝子を移すのに特に適当であり、そしてタンパク質発現を許容する性質を有する。
【0061】
このベクターは、プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスである。好ましい態様では、ベクターは、図1に示されたpHPI−1333及びpHPI−1335からなる群より選ばれるプラスミドである。
【0062】
本発明は、本発明のヌクレオチド配列でトランスフェクションされた組換え細胞、特に哺乳動物細胞にも関する。「トランスフェクション」又は「形質転換」とは、受容細胞へのDNAの導入及び該受容細胞染色体DNAへのその後のその組み込みであると理解される。トランスフェクション又は形質転換の方法は、当該技術分野で周知された通常の方法、例えば、エレクトロポレーションである。トランスフェクションは一過性であるか又は安定であることができる。
【0063】
ベクターによりトランスフェクション又は形質転換される組換え細胞は、好ましくは、動物、哺乳動物又はヒト細胞である。特定の態様では、組換え細胞はBHK−21又はHuh−1である。
【0064】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質に対して又はそのペプチドに対して生じる抗体も提供する。
【0065】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質に特異的に、即ち、コアタンパク質及び/又はコア+1タンパク質と交差反応することなく結合する精製された抗体に関する。
【0066】
本明細書で使用された、「交差反応」は、1つの抗原に対する抗体が、非同一なしかし免疫学的に密接に関連した抗原と反応する血清学的反応である。本発明においては、抗原は、コアタンパク質及び/又はコア+1タンパク質に近いポリペプチド配列を有するより短い形態のコア+1タンパク質である。
【0067】
かくして、より短い形態のコア+1タンパク質に特異的に結合する抗体は、他のタンパク質中に、特にHCVコアタンパク質又はHCVコア+1タンパク質中に存在しないか又は露出されない該タンパク質のエピトープに対して指向されうる。
【0068】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質、コア+1タンパク質及び場合によりコアタンパク質にとって共通のポリペプチド断片に特異的に結合する精製された抗体にも関する。好ましい態様では、上記タンパク質の共通のポリペプチド断片は、ヌクレオチド897からヌクレオチド920までの間に含まれる。好ましいポリペプチド断片は上記に例示される。
【0069】
本発明の抗原に対して指向されるモノクローナル抗体を産生させることもできる。モノクローナル抗体を産生する方法は、ハイブリドーマの産生及び必要な結合アフィニティーを有する産生されたモノクローナル抗体を単離することを含む、当該技術分野で周知の通常の方法である。
【0070】
本発明の観点内では、より短い形態のコア+1タンパク質を使用してより短い形態のコア+1タンパク質に特異的に結合する抗体を製造するのに使用される。
【0071】
本発明は、より短い形態のコア+1タンパク質又はそのポリペプチド断片にそれ自体結合する少なくとも1種の精製された抗体、又はより短い形態のコア+1タンパク質若しくはそのポリペプチド断片を抗原として使用する方法により産生された抗体に、特異的に結合する精製されたポリペプチドにも関する。本明細書で使用された「精製されたポリペプチド」という表現は、上記した精製された抗体により認識されるポリペプチド少なくとも70%、好ましくは、80%又は90%に相当するC型肝炎ウイルスのより短い形態のコア+1タンパク質を指す。
【0072】
C型肝炎ウイルスによる感染を検出する方法を下記した。より短い形態のコア+1タンパク質の存在又は不存在を決定することにより、生物学的サンプルにおいてC型肝炎ウイルスによる個体の感染を検出することが可能である。好ましい態様では、より短い形態のコア+1タンパク質は、抗原−抗体複合体を形成することにより該タンパク質と免疫学的に反応性である抗体により検出される。抗原に結合した抗体の量を決定する方法は、当該技術分野で周知されている。例えば、抗体は、検出可能なマーカーを担うことができ、次いで試験された抗原の既知の量及びマーカーにより発生されるシグナルの量を使用して標準曲線を発生させることができる。
【0073】
本発明は、生物学的サンプル中のより短い形態のコア+1タンパク質を認識する抗体を検出することからなるC型肝炎ウイルスによる感染のin vitro検出方法にも関する。より短い形態のコア+1タンパク質は、抗原として使用して、物質中の該より短い形態を認識する抗体を同定することができそしてこれらのサンプル中の抗体の濃度を決定することができる。
【0074】
本明細書に述べられたとおり、個体の生物学的サンプルは、尿及び血液サンプル又は組織及び細胞のような生物学的流体を含むがそれらに限定はされない。
【0075】
特定の態様では、これらの方法は、イムノアッセイ(直接の検出)又はELISA(間接の検出)によってHCVの検出のための抗原−抗体複合体の形成を使用する。イムノアッセイの使用又は二次反応による抗原−抗体の観察は、流体中の体液性成分を検出及び定量することなおいて周知である。
【0076】
本発明は、HCVのより短い形態のコア+1タンパク質又はそのペプチド(特異的免疫原性ペプチドを含む)を含む免疫原性組成物にも関する。
【0077】
このような組成物は、患者において、免疫応答、抗体応答及び/又は好ましくはCTL応答を生じさせるのに有用である。有利には、CTL応答は、それがHCV感染に対して又はその結果に対して患者を保護するようなCTL応答である。あるいは、核酸配列は、免疫原性組成物の製造に関与させることもできる。
【0078】
本発明は、HCV感染又はその結果の処置のための治療組成物に使用するためのより短い形態のコア+1タンパク質にも関する。興味深いことに、より短い形態のコア+1タンパク質は、ウイルスライフサイクルに干渉することができそして患者におけるHCV増殖を特異的にダウンレギュレートすることができる。
【0079】
本発明は、HCVにより感染された細胞におけるウイルス増殖と相互作用するその能力について化合物をスクリーニングする方法であって、
a)該細胞を候補化合物と接触させ、
b)該候補化合物と該より短い形態のコア+1タンパク質の発現との間の相互作用を決定する、
ことを含む方法に関する。
【0080】
本発明は、HCV感染細胞を候補化合物と接触する前及び後に、より短い形態のコア+1タンパク質の発現レベルを測定することにより相互作用が決定される、化合物をスクリーニングする方法にも関する。
【0081】
別の翻訳機構(alternative translation mechanism)が、ウイルスにより使用されて、構造タンパク質及び酵素タンパク質の産生を調節しそして、そして最終的にウイルス増殖を調節する。これらの翻訳機構を変えることは、ウイルスライフサイクルを中断しし、そして該ウイルス増殖を排除又は減少させることによりウイルス産生と相互作用する。ゆえに、別の機構の翻訳は、抗ウイルス剤が作用することができる主要な標的を与える。
【0082】
翻訳機構は、これらのプロセスの効率に影響を与える作用物質を同定するための魅力的な標的である。実際に、開始翻訳の変化(非ATGコドン、開始コドンの修飾)は、ウイルス産生に対する大きな効果を有することができる。更に、翻訳機構の効率を変化させる化合物は、翻訳装置又は例えばHCVウイルスにより感染された細胞を妨害しない治療濃度に同等な低い濃度で機能する。
【0083】
本明細書で使用した、「化合物」という用語は、天然(単離された)又は合成の無機若しくは有機化学的又は生物学的化合物を指し、特に核酸、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、糖ペプチド、脂質、脂質タンパク質及び炭水化物を包含する。
【0084】
コアORFの翻訳をブロックすることは、コア+1ORFの発現のレベルの翻訳に対するポジティブな効果を有する。好ましい態様では、翻訳は、HCVポリプロテインのイニシエーターATGコドンが停止コドンに変換されようとされまいと、2倍増加する。このような突然変異は、コア発現をブロックするが、コア+1in vivo発現のレベルを増加もさせる。
【0085】
ヌクレオチド配列、キメラ遺伝子及びベクターがトランスフェクションされうるいかなる細胞も、本発明のスクリーニング方法において使用することができる。本発明の好ましい態様では、トランスフェクションされた細胞は動物細胞、哺乳動物細胞又はヒト細胞である.更なる好ましい態様では、化合物をスクリーニングする方法で使用される細胞は、BHK−21又はHuh−1である。
【0086】
本発明は、スクリーニングの上記方法を行う結果として同定された化合物にも関する。
【0087】
本発明の上記方法により同定されたこのような化合物は、C型肝炎ウイルスにより誘発された疾患又はC型肝炎ウイルスによる感染と関連した疾患の処置のために有用である。
【0088】
上記スクリーニング方法に従って選ばれるこれらの化合物は、HCVの感染により誘発される疾患又はHCVの感染と関連した疾患の処置用の薬物の製造に使用することができる。
【0089】
これらの化合物のいくらかは、より短い形態のコア+1タンパク質の翻訳を回復又は改良することによりHCVの感染により誘発される疾患又はHCVの感染と関連した疾患をモジュレートすることができる。宿主におけるHCV増殖をもたらす疾患の例は、硬変、肝細胞がん又は肝臓慢性感染に関連した疾患である。
【0090】
実施例
1.材料及び方法
1.1部位特異的突然変異誘発及びプラスミド構築
Quikchange(登録商標)キット(Stratagene)を使用して、部位特異的突然変異誘発を行った。突然変異分析で使用されたテンプレート及びオリゴヌクレオチド並びに対応する突然変異体は図9に列挙される。すべての突然変異は配列分析により確かめられた。
【0091】
このようにして得られたHCV−1cDNA配列を、Varaklioti et al.2002に記載のpHPI−888においてクローニングした。HCV−1cDNAは、HCVF17(ヌクレオチド9〜27)と名付けられたセンスプライマー、5’−CGCCGGATCCTGATGGGGGCGACACTCCAC−3’ プラス HCVR38(ヌクレオチド342〜322)と名付けられたアンチセンスプライマー、5’−CGCCGGATCCGGTTGCACGGTCTACGAGACC−3’並びに、HCVF36(ヌクレオチド268〜287)と名付けられたセンスプライマー、5’−CGCCGGATCCGGTCGCGAAAGGCCTTGTGG−3’、HCVR27(ヌクレオチド1052〜1030)と名付けられたアンチセンスプライマー、5’−CGCCGGATCCTCGAGGCGTTGCCCTCACGA−3’を使用するPCRによりpHPI−888から得られた。プラスミドpHPI−888は、pGEM−3zf(+)ベクター(Promega)に基づいておりそしてHCV−1単離物からのcDNA配列(ヌクレオチド9〜1054)(IRES−コアHCV−1配列:アクセッション番号No.M62321)を含む。
【0092】
HCV−1a(H)cDNA配列は、pDNA−C1からのHCV−1a(H)の配列を下記のプライマーを使用して増幅するPCRにより得る。HCV株Hの最初の1064ヌクレオチドのベクターpcDNA3(Invitrogen)への挿入によりpDNA−C1プラスミドを創生する。クローニングされた配列は、5’−NCR(ヌクレオチド1〜341)、ヌクレオカプシドコード配列(ヌクレオチド342〜914)及びエンベロープE1(ヌクレオチド915〜1064)の最初の50アミノ酸をコードする150ヌクレオチドを含んでいた(Inchauspe et al.1991,IRES−core HCV strain H sequence:アクセッション番号No:M67463)。
【0093】
ジシストロン構築物pHPI−1331、−1333及び−1332は、第1シストロンとしてクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を含有し、続いてそれぞれ、0、+1及び−1フレームにおけるホタルLUC遺伝子に融合したプロトタイプHCV−1単離物からの野生型コアコード配列(ヌクレオチド9〜630)の全体IRES及び野生型コアコード配列(ヌクレオチド9〜630)の一部を含有する。それらは、プライマー5’−TGGATCCAAGGGGAAGACGCC−3’(センス)及び5’−GGCGTCTTCCCCTTGGATCCA−3’(アンチセンス)を使用して、それぞれ、ジシストロンpHPI−1311、−1313及び−1312から部位特異的突然変異誘発により産生された。このプライマーのセットは、ルシフェラーゼコード領域の開始コドン(ATG)をグリシンコドン(GGG)に変換する。pHPI−1311、−1313及び−1312は、LUC遺伝子の一部と融合したIRES−コア配列のヌクレオチド249〜407を担うジシストロンpHPI−1046(Psaridi et al.1999)の203bpNheI−XbaI断片を、LUC遺伝子の最初の50ヌクレオチドと融合したIRESコア配列のヌクレオチド249〜630を含有するpHPI−766、−767、−768(Varaklioti et al.2002)の435bpNheI−XbaI断片で置き換えることにより構築された。ジシストロン構築物pHPI−1334、−1335及び−1336は、すべての3つのフレーム(それぞれ、0、+1及び−1)においてLUC遺伝子に融合させたHCV−1a(H)からの野生型コアコード領域(ヌクレオチド9〜630)の全体IRES及び野生型コアコード領域(ヌクレオチド9〜630)の一部を有する。それらは、テンプレートとして、それぞれ、pHPI−1328、−1329及び−1330を使用しそしてプライマー5’−TGGATCCAAGGGGAAGACGCC−3’(センス)及び5’−GGCGTCTTCCCCTTGGATCCA−3’(アンチセンス)を使用して部位特異的突然変異誘発により誘導された。プライマーは、ルシフェラーゼコード領域の開始コドンをグリシンコドンに変える(ATG→GGG)。pHPI−1328、−1329及び−1330は、pHPI−1046の203bpNheI−XbaI断片を、それぞれ、pHPI−748、−749、−750(Varaklioti et al 2002)の435bpNheI−XbaIl断片で置き換えることにより発生させた。プラスミドの特徴付けを容易にするために、野生型203bpNheI−XbaI断片を突然変異させたテンプレートの対応する断片で置き換えることにより、ジシストロン構築物pHPI−1333(HCV−1)及びpHPI−1335[HCV−1a(H)]に挿入された突然変異の大部分をpHIP−1046に再クローニングした。モノシストロン構築物pHPI−1362及び−1363は、pEGFPN3(Clontech)のHindIII部位とSalI部位との間にクローニングされた、それぞれ、pHPI−1333及び−1332と同じIRES−コア−LUCカセットを含有する。
【0094】
1.2in vitro翻訳
すべてのプラスミドについて、120mM KCl及び0.5mM Mg(OAc)2を補充したFlexiウサギ網状赤血球溶解物(Promega)を使用した。各プラスミドからのDNA(3μg)を線状化しそして製造者のインストラクションに従ってT7RNAポリメラーゼによりin vitroで転写した。野生型pHPI−1331、−1333、−1332、−1334、−1335、−1336及び対応する突然変異したジシストロン構築物をPstIで線状化した。
【0095】
[35S]−メチオニン(Amersham Biosciences)を使用して25μlの全容積においてキャップされていないRNAsで、in vitro翻訳実験を行った。翻訳産物(5μl)を、12%SDS−PAGEにより分析し、ニトロセルロース膜に移しそしてオートラジオグラフィーにより可視化した。
【0096】
1.3細胞及びDNAトランスフェクション
BHK−21及びHuh−7細胞を、10%ウシ胎仔血清を補充したダルベッコの修正イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium)(DMEM)[DMEM/FBS]中に5%CO2インキュベーター中で37℃に維持した。6ウエルのプレート(60%密集度)に接種された細胞を製造者のプロトコール(Invitrogen,Cat.No 10964-013)に従ってリポフェクタミンプラス(登録商標)試薬(lipofectamine plusTM reagent)(invitrogen)の存在下にプラスミドDNA1μgでトランスフェクションした。培地をトランスフェクションの24時間後に新しいDMEM/FBSで置き換えた。細胞を、トランスフェクションの48時間後にリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で2回洗浄しそして1×ルシフェラーゼ溶解緩衝液(Promega)260μlに溶解させた。抽出物20μlをルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega)100μlと混合しそして発光をTurner TD−20/20ルミノメーターで直接測定することにより、ホタルLUCを定量した。ジシストロン構築物の場合には、製造者のインストラクション(Roche,Cat. No.1363727)に従ってCAT−ELISAキットでCATを定量した。
【0097】
1.4抗体産生
ホタルルシフェラーゼに対するヤギポリクローナル抗体を、Promega Corporationからのキット(Promega,Cat.No.G7451)により1mg/mlの濃度で得た。
【0098】
1.5免疫沈殿分析
pHPI−1362又はpHPI−1363によるトランスフェクションの36時間後に、BHK−21細胞の単層(〜107細胞)を、1%FBSを補充したメチオニンを含まない培地1ml当たり20μCi[35S]−メチオニン(Amersham Biosciences)で12時間代謝的に標識した。標識した細胞をPBSで洗浄しそして50mMトリス(pH8)、150mMNaCl、0.1%SDS、1%NonidetP−40、0.5%デオキシコール酸ナトリウム及び100μg/mlフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)からなるトリプル洗剤緩衝液の全容積500μlに溶解した。細胞溶解物をボルテックスすることにより混合し、そして4℃で10分間14000×gで遠心した。透明化した溶解物を4℃で一夜ロッカー(rocker)上で抗LUCポリクローナル抗体10μlとインキュベーションした。プロテインG+アガロース(Protein G PLUS Agarose)(Santa Cruz Biotechnology)をこの混合物に加え(20μl)そして反応を更に2時間同じ条件でインキュベーションした。ミクロ遠心後に、アガロースビーズを、50mMトリス(pH8)、150mMNaCl、0.1%NonidetP−4及び1mMEDTAを含有する緩衝液で3回洗浄した。次いで10%SDS−PAGEにより免疫沈殿を溶解し、ニトロセルロース膜上に移しそしてオートラジオグラフィーにより検出した。
【0099】
2.結果
2.1コア+1ORFはトランスフェクションされた細胞において効率的に発現される(in vivo)
in vitroアッセイは、HCV−1コアコード領域からのみコア+1ORFの検出可能な発現を示しそしてHCV−1a(H)単離物からは発現を示さないことは、以前に報告された。
【0100】
哺乳動物細胞におけるHCV−1及びHCV−1a(H)単離物からのコア+1タンパク質の翻訳を分析した。コア+1ORFの発現をウサギ網状赤血球溶解物に基づいたin vitroシステムと比較した。3つのすべてのフレームにおけるLUC遺伝子に融合したHCV−1及びHCV−1a(H)からのコアコード配列(ヌクレオチド9〜630)の全体IRES及びコアコード配列(ヌクレオチド9〜630)の一部を含有するcDNA配列を、CATが最初の遺伝子であるジシストロンベクターに移した。ジシストロンカセットCAT−IRES−コア−LUCをCMV/SP6プロモーターの制御下に置いて、in vivo及びin vitroでの発現のための同じDNAプラスミドの使用を可能とした。これらの構築物を本願の図1Aに示す。LUC遺伝子の発現は、融合したコア又はコア+1コード配列の発現に直接関係しており、そしてCAT活性は、in vivoでのトランスフェクション効率又はin vitroでの転写物の量(transcript abundance)の潜在的変動(potential variations)を標準化するための内部コントロールとして役立つ。各構築物をBHK−21細胞にトランスフェクションし、そして48時間後にLUC及びCAT活性を測定した。
【0101】
HCV−1の場合に、実質的な量のルシフェラーゼがpHPI−1333のコア+1LUCカセットから発現された。何故ならば、ルシフェラーゼ活性のレベルは、pHPI−1331に由来するコア−LUC融合タンパク質のルシフェラーゼ活性のレベルと同様であったからである(図1B[a])。ルシフェラーゼ活性のバックグラウンドレベルのみは、対応するネガティブコントロールコア−1LUC構築物(pHPI−1332)の発現から検出された。驚くべきことに、in vitroとは対照的に、LUC遺伝子に融合したHCV−1a(H)からのコア+1ORFを含有する構築物pHPI−1335から、非常に高いレベルのルシフェラーゼ活性が観察された。レベルは、pHPI−1334から生じたHCV−1a(H)コア−LUCハイブリッドタンパク質の約200%であった(図1C[a])。対応するネガティブコントロールプラスミド(pHPI−1336)は、ルシフェラーゼ発現のバックグラウンドレベルをもたらした。かくして、HCV−1コア+1LUC−タグ付タンパク質(HCV-1 core +1 LUC-tagged protein)は、コアコード配列と同様な翻訳レベルで、in vivoで効率的に産生される。
【0102】
これらの結果は、ウサギ網状赤血球溶解物における発現の研究とは対照的に、HCV−1a(H)及びHCV−1単離物も、一過性トランスフェクションされたBHK−21細胞においてコア+1ORFを効率的に発現することを示す。
【0103】
これらの結果は、in vitro及びトランスフェクションされた細胞におけるコア+1ORFの発現を指向する翻訳機構の差も示す。
【0104】
2.2 コアコード配列のコドン8〜11におけるAに富んだ配列は、in vivoでのコア+1タンパク質の発現に必須ではない。
HCV−1a(H)のコアコード領域は、リボソームフレームシフティングのための既知のずれやすい部位(slippery site)であるHCV−1ゲノムのコドン8〜11(ヌクレオチド364〜373)を表す10個の連続したA残基を欠くことが示された。トランスフェクションされた細胞におけるコア+1ORFの発現に対する10個のA残基領域の意義も分析しそしてウサギ網状赤血球溶解物におけるそれと比較した。
【0105】
10個のA残基領域における突然変異の研究もin vivoでのコア+1タンパク質の産生に対するそれらの効果を決定するために分析された。即ち、
−HCV−1(図2A)では、それぞれ、ヌクレオチド366、367及び373(コドン9及び10)における2つのAのGへの置換及びAのCへの置換のトリプル置換を含有する突然変異N18の挿入は、pHPI−1382を生じるが、これに対してそれぞれ、ヌクレオチド367、369及び373(コドン9、10及び11)におけるAのGへの変化及び2つのAのCへの変化からなる突然変異N19は、pHPI−01383をもたらし;
−HCV−1a(H)(図2B)では、位置366(コドン9)におけるAからGへの変化からなる突然変異15は、pHPI−1395を生じ、そしてヌクレオチド369(コドン10)におけるAのCへの置換を有するN16は、pHPI−1396をもたらした。N15及びN16突然変異は単一置換を含有する。何故ならば、HCV−1a(H)単離物は、位置367及び373においてG及びCを既に有するからであり;
これらの突然変異のどれもがin vivoでのルシフェラーゼ活性に対する有意な効果を持たない。
【0106】
この結果は、HCV−1単離物中にのみ見出されるコドン8〜11における10個の連続したアデニンの存在は、in vivoでのコア+1発現にとって決定的に重要でもなければウサギ網状赤血球溶解物中のコア+1タンパク質の発現にとっても決定的に重要ではないということを示唆する。
【0107】
2.3 HCVコアコード配列のATGイニシエーターコドンは、トランスフェクションされた細胞におけるコア+1タンパク質の発現に必須ではない
コア+1ORFのin vivo発現において示唆された分子機構を、HCV−1及びHCV−1a(H)単離物の両方のコア+1−LUC−タグ付構築物のコアコード領域に導入された2つの突然変異に従って更に研究する。
【0108】
突然変異N3は、コアORFのATGイニシエーターコドンをターミターコドンに変換し、そして突然変異N6はヌクレオチド414(P25、CCG)におけるコアコード配列の25番目の位置に停止コドンを導入した。得られるプラスミドは、それぞれ、HCV−1ではpHPI−1343及びpHPI−1344と名付けられそしてHCV−1a(H)ではpHPI−1346及びpHPI−1347と名付けられた。
【0109】
N3及びN6突然変異は、HCV−1及びHCV−1a(H)単離物の両方についてトランスフェクションされた細胞においてコア+1発現をブロックしなかった。更に、該N3及びN6突然変異は、増加したレベルのルシフェラーゼ活性も有する。反対にそして先のin vitro研究と合致して、N3突然変異はHCV−1からの72kDaコア+1−LUCタンパク質の合成を妨げるが(図4A[b]、レーン2)、これに対してN6はコア+1−LUCキメラタンパク質の産生に対する効果を持たない(図4A[b]、レーン3)。更に、先の研究に従って予想されるとおり、HCV−1a(H)からのコア+1−LUC構築物(WT、N3、N6)は、検出可能なレベルのキメラタンパク質を産生しなかった(図4B[b])。
【0110】
これらのデータは、ウサギ網状赤血球溶解物(in vitro)とトランスフェクションされた細胞(in vivo)とではコア+1発現のための主要な翻訳機構間で差が現れることを示す。更に、これらのデータは、in vivoでのコア+1ORFの発現はコアタンパク質の発現を必要としないことを示す。
【0111】
これらの結果は、コアORFの翻訳をブロックすることは、コア+1ORFの翻訳に対するポジティブな効果を有すること及びリボソームフレームシフティングは、in vivoコア+1発現を指向する主要な機構ではないことを示唆する。
【0112】
2.4 in vivoでのコア+1ORFの効率的な翻訳は、内部開始(1つ又は複数)コドン(1つ又は複数)により媒介される。
in vivoでのコア+1ORFの発現は、イニシエーターATG又はAに富んだ領域における変化により抑制されないことが上記実験で示された。ゆえに、下流のコドンがコア+1ORFの発現のための翻訳開始部位として機能することができるかどうかを試験するために、突然変異誘発実験を行った。
【0113】
コア+1ORFに影響を与える突然変異の説明を容易にするために、ヌクレオチド346におけるGCAアラニンコドンは、コア+1ORFの最初のコドンとして任意に定義される。3つのナンセンス突然変異を、HCV−1及びHCV−1a(H)のコア+1コード配列に別々に挿入された。即ち、
−突然変異N1は、ヌクレオチド472(W43、TGG)においてコア+1ORFにTAG停止コドンを導入し、その結果HCV−1及びHCV−1a(H)について、それぞれ、pHPI−1342及びpHPI−1345を得;
−突然変異N21は、ヌクレオチド580においてコア+1ORFの79番目のコドン(G79、GGT)をTAG停止コドンに変え、その結果pHPI−1380(HCV−1)及びpHPI−1398[HCV−1a(H)]を得;
−突然変異N22は、ヌクレオチド604(M87)において突然変異N21の8コドン下流にTAGターミネーターコドンを導入し、その結果pHPI−1381(HCV−1)及びpHPI−1397[HCV−1a(H)]を得た。
【0114】
突然変異N1及びN21は、HCV−1及びHCV−1a(H)単離物の両方についてコア+1−LUC遺伝子のin vivo発現に対する有意な効果を持たなかった。反対に、N22突然変異は、HCV−1及びHCV−1a(H)単離物の両方からの並びにBHK−21及びHuh−7細胞系の両方からのコア+1−LUCタンパク質の合成を殆ど完全に止めた。
【0115】
先の研究に従って予測されるとおり、突然変異N1、N21及びN22は、コア+1ORFのin vitro発現を支持しなかった。
【0116】
これらのデータは、トランスフェクションされた細胞におけるコア+1ORFの効率的な翻訳開始がほぼヌクレオチド580と604との間に位置することができる下流/内部開始コドンから媒介されることを示す。
【0117】
ヌクレオチド583と606との間の領域(コドン80〜87)は、2つのATG(ヌクレオチド598−ATGNNNATG−606)を含有し、これは、in vivoでのコア+1タンパク質の翻訳のための開始部位としてこれらのATGの機能的重要性を評価する。3つの下記の突然変異を試験した。即ち、
−突然変異N25は位置85及び87の両メチオニンをグリシンに変え、その結果pHPI−1401を得、
−突然変異N23はM87のみを変更してpHPI−1399を得、
−突然変異N24はM87のみを変更してpHPI−1400を得た。
【0118】
突然変異体pHPI−1399(N23)及びpHPI−1400(N24)によるBHK−21及びHuh−7のトランスフェクションは、野生型構築物と同様なレベルのルシフェラーゼ翻訳を生じさせた。対照的に、突然変異N25は、キメラコア+1−LUCタンパク質の産生にひどく影響与え、該産生はBHK−21細胞では野生型レベルの約23%でありそしてHuh−7では約26%であった。
【0119】
これらの結果は、コア+1コード領域の2つのメチオニン(M85及びM87)がコア+1発現に関与していることを示唆する。何故ならば、それらの両方のグリシンへの変換はルシフェラーゼ活性のレベルを有意に減少させたからである。
【0120】
2.5 in vivo及びin vitroで産生されたコア+1タンパク質のサイズの比較
ジシストロン構築物pHPI−1333(HCV−1)に含有されたIRES−コア+1−LUCカセット並びにpHPI−1332の対応するネガティブコントロールIRES−コア−1−LUCカセットを、CMVプロモーターの制御の下にモノシストロン発現ベクターに移し、その結果それぞれpHPI−1362及びpHPI−1363を得た(図7A)。このシステムは、ルシフェラーゼタンパク質の検出を改良する。何故ならば、HCV IRESはモノシストロン構築物において活性がより高いからである。特に、翻訳の48時間後にBHK−21細胞におけるモノシストロンIRES−コア+1−LUC構築物pHPI−1362により示されたルシフェラーゼ活性は、それぞれのジシストロンpHPI−1333から生じたルシフェラーゼ活性よりも約9倍高かった。ルシフェラーゼに対して生じたヤギポリクローナル抗体を使用して、pHPI−1362でトランスフェクションされたBHK−21細胞の抽出物により、免疫沈殿実験を行った。
【0121】
約62kDaの見かけの分子質量を有するタンパク質はポリクローナル抗体と強く反応し、このタンパク質は、pHPI−1333構築物からin vitroで産生されたキメラタンパク質コア+1−LUCより明らかに小さかった。
【0122】
これらの結果は、上記突然変異誘発と合致しておりそして、哺乳動物細胞で産生されたコア+1タンパク質はin vitroで産生されたコア+1タンパク質よりも約10kDa小さいことを示す。
【0123】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1A】コア+1−LUCキメラ遺伝子の発現分析 パネルA:タグ化実験のために使用されるCAT−LUCジシストロン構築物の略図の表現。HCV−1及びHCV−1a(H)からの全体のIRES(ヌクレオチド9〜341)及びコアコード配列の一部(ヌクレオチド342〜630)を、pHPI−1046のCMV及びT7プロモーターの両方の制御下にLUC遺伝子と融合させた。コアとルシフェラーゼコード領域との間の接続部のヌクレオチド配列を示す。部位特異的突然変異誘発によるATGイニシエーターに由来するルシフェラーゼシストロンの第1コドン、GGGは四角で囲まれている。LUC遺伝子は、0フレームでは、pHPI−1331(HCV−1)及びpHPI−1334[HCV−1a(H)]における先行するコアコード配列に対して融合され、+1フレームでは、HPI−1333(HCV−1)及びpHPI−1335[HCV−1a(H)]における先行するコアコード配列に対して融合され、そして−1フレームでは、HPI−1332(HCV−1)及びpHPI−1336[HCV−1a(H)]における先行するコアコード配列に対して融合された。下線を施されたヌクレオチドは、チミジン残基の挿入を示しそして逆向き三角形はアデニン残基の欠失を示す。
【図1B】パネルB、C:HCV−1(B)及びHCV−1a(H)(C)融合構築物のin vivo)a)発現及びin vitro(b)発現。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物(dupliate cultures)を各構築ブロックでトランスフェクションしそしてLUC活性対CAT量の相対比を決定した。バーは、二重の2つの別々の実験で得られた平均を表す。誤差バーは標準偏差を現す。 (b)各構築物をin vitroで転写しそして同等な量のすべてのRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物において翻訳した。翻訳産物をSDS−PAGEにより直接分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。融合タンパク質は、黒く塗られた矢頭印により示される。開いた矢頭印はCATタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図1C】パネルB、C:HCV−1(B)及びHCV−1a(H)(C)融合構築物のin vivo)a)発現及びin vitro(b)発現。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物(dupliate cultures)を各構築ブロックでトランスフェクションしそしてLUC活性対CAT量の相対比を決定した。バーは、二重の2つの別々の実験で得られた平均を表す。誤差バーは標準偏差を現す。 (b)各構築物をin vitroで転写しそして同等な量のすべてのRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物において翻訳した。翻訳産物をSDS−PAGEにより直接分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。融合タンパク質は、黒く塗られた矢頭印により示される。開いた矢頭印はCATタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図2A】コア+1−LUCキメラ遺伝子の発現に対するHCV−1(N18、N19)及びHCV−1a(H)(N15、N16)コアコード配列のコドン8〜11内の突然変異の効果。 パネルA、B:野生型HCV−1(A)及びHCV−1a(H)(B)プラスミド並びに対応する突然変異体バリアントN18、N19(HCV−1(A)及びN15、N16[HCV−1a(H)](B)のコドン8〜11の領域におけるコアヌクレオチド配列。コドン8〜11の野生型配列は太字で示される。矢印は挿入された突然変異を示し、太字の文字は突然変異されたヌクレオチド及び影響を受けたアミノ酸を示す。括弧内の数字は突然変異したコドンの番号を示す。
【図2B】コア+1−LUCキメラ遺伝子の発現に対するHCV−1(N18、N19)及びHCV−1a(H)(N15、N16)コアコード配列のコドン8〜11内の突然変異の効果。 パネルA、B:野生型HCV−1(A)及びHCV−1a(H)(B)プラスミド並びに対応する突然変異体バリアントN18、N19(HCV−1(A)及びN15、N16[HCV−1a(H)](B)のコドン8〜11の領域におけるコアヌクレオチド配列。コドン8〜11の野生型配列は太字で示される。矢印は挿入された突然変異を示し、太字の文字は突然変異されたヌクレオチド及び影響を受けたアミノ酸を示す。括弧内の数字は突然変異したコドンの番号を示す。
【図2C】パネルC、D:HCV−1(C)及びCV−1a(H)(D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに対応する突然変異体[それぞれ、pHPI−1382(N18)、−1383(N19)及びpHPI−1395(N15)、−1396(N16)]を使用して、BHK−21細胞(a)をトランスフェクションし、又はin vitroで転写しそして等量のRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物(b)において翻訳した。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物を野生型又は突然変異した構築物でトランスフェクションした。各突然変異体の活性を、LUC活性対CAT量の比を決定することにより計算しそして野生型のそれの百分率として表す。バーは、各々二重に行われた3つの別別の実験で観察された平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (b)[35S]−メチオニン標識されたin vitro翻訳産物5λを12%SDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。融合タンパク質コア+1−LUCは黒く塗られた矢頭により示される。開いた矢頭はCATタンパク質を示す。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図2D】パネルC、D:HCV−1(C)及びCV−1a(H)(D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに対応する突然変異体[それぞれ、pHPI−1382(N18)、−1383(N19)及びpHPI−1395(N15)、−1396(N16)]を使用して、BHK−21細胞(a)をトランスフェクションし、又はin vitroで転写しそして等量のRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物(b)において翻訳した。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物を野生型又は突然変異した構築物でトランスフェクションした。各突然変異体の活性を、LUC活性対CAT量の比を決定することにより計算しそして野生型のそれの百分率として表す。バーは、各々二重に行われた3つの別別の実験で観察された平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (b)[35S]−メチオニン標識されたin vitro翻訳産物5λを12%SDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。融合タンパク質コア+1−LUCは黒く塗られた矢頭により示される。開いた矢頭はCATタンパク質を示す。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図3A】コア/コア+1コード領域の突然変異分析 0(A)及び+1(B)オープンリーディングフレーム(ORFs)に影響を与える突然変異を含むHCV−1コアコード領域のヌクレオチド配列。挿入された突然変異は矢印により示される。突然変異したヌクレオチド及び影響を受けたアミノ酸は太字で示される。
【図3B】コア/コア+1コード領域の突然変異分析 0(A)及び+1(B)オープンリーディングフレーム(ORFs)に影響を与える突然変異を含むHCV−1コアコード領域のヌクレオチド配列。挿入された突然変異は矢印により示される。突然変異したヌクレオチド及び影響を受けたアミノ酸は太字で示される。
【図4】コア+1−LUCキメラ遺伝子の発現に対するHCV−1(A)及びHCV−1a(H)(B)コアコード領域のコドン8〜11にフランキング(flank)するヌクレオチド配列内の突然変異の効果。 それぞれ、野生型pHPI−1333(HCV−1)及びpHPI−1335[HCV−1a(H)]及びN3、N6突然変異体バリアントpHPI−1343、pHPI−1344(HCV−1)及びpHPI−1346、pHPI−1347[HCV−1a(H)]を使用して、BHK−21細胞(a)をトランスフェクションしそしてin vitroで転写し、そして等量のRNAsをFlexiウサギ網状赤血球溶解物(b)中で翻訳した。 (a)BHK−21細胞の二重の培養物を野生型又は突然変異した構築物でトランスフェクションした。各突然変異体バリアントの相対的活性を、図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは、各々二重に行われた2つの別々の実験からの平均を表す。誤差バーは標準偏差を示す。 (b)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭は、それぞれ、キメラコア+1−LUC及びCATタンパク質を示す。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図5A】HCV−1及びHCV−1a(H)単離物のコア+1コード配列内の突然変異分析。 HCV−1(A、C)及びHCV−1a(H)(B、D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに突然変異させたプラスミド[それぞれ、pHPI−1342(N1)、−1380(N21)、−1381(N22)及びpHPI−1345(N1)−1398(N21、−1397(N22)]をBHK−21(a)及びHuh−7(b)細胞又はFlexiウサギ網状赤血球溶解物(c)中で発現させた。 (a)及び(b)実験を二重に行いそして少なくとも2回反復した。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (c)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。ハイブリッドコア+1−LUC及びCATタンパク質の位置は、それぞれ、黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭により示される。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図5B】HCV−1及びHCV−1a(H)単離物のコア+1コード配列内の突然変異分析。 HCV−1(A、C)及びHCV−1a(H)(B、D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに突然変異させたプラスミド[それぞれ、pHPI−1342(N1)、−1380(N21)、−1381(N22)及びpHPI−1345(N1)−1398(N21、−1397(N22)]をBHK−21(a)及びHuh−7(b)細胞又はFlexiウサギ網状赤血球溶解物(c)中で発現させた。 (a)及び(b)実験を二重に行いそして少なくとも2回反復した。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (c)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。ハイブリッドコア+1−LUC及びCATタンパク質の位置は、それぞれ、黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭により示される。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図5C】HCV−1及びHCV−1a(H)単離物のコア+1コード配列内の突然変異分析。 HCV−1(A、C)及びHCV−1a(H)(B、D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに突然変異させたプラスミド[それぞれ、pHPI−1342(N1)、−1380(N21)、−1381(N22)及びpHPI−1345(N1)−1398(N21、−1397(N22)]をBHK−21(a)及びHuh−7(b)細胞又はFlexiウサギ網状赤血球溶解物(c)中で発現させた。 (a)及び(b)実験を二重に行いそして少なくとも2回反復した。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (c)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。ハイブリッドコア+1−LUC及びCATタンパク質の位置は、それぞれ、黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭により示される。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図5D】HCV−1及びHCV−1a(H)単離物のコア+1コード配列内の突然変異分析。 HCV−1(A、C)及びHCV−1a(H)(B、D)野生型(それぞれ、pHPI−1333及びpHPI−1335)並びに突然変異させたプラスミド[それぞれ、pHPI−1342(N1)、−1380(N21)、−1381(N22)及びpHPI−1345(N1)−1398(N21、−1397(N22)]をBHK−21(a)及びHuh−7(b)細胞又はFlexiウサギ網状赤血球溶解物(c)中で発現させた。 (a)及び(b)実験を二重に行いそして少なくとも2回反復した。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載のとおりに決定した。バーは平均を表す。誤差バーは標準偏差に対応する。 (c)翻訳産物をSDS−PAGEにより分離しそしてオートラジオグラフィーにより分析した。ハイブリッドコア+1−LUC及びCATタンパク質の位置は、それぞれ、黒く塗られた矢頭及び開いた矢頭により示される。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図6】コア+1コード配列のコドンATG598及びATG604を標的化する突然変異の効果。 BHK−21(A)及びHuh−7(B)細胞の二重の培養物を、ジシストロンHCV−1野生型(pHPI−1333)並びに突然変異させた構築物:pHPI−1399(N23)、pHPI−1400(N24)及びpHPI−(N25)によりトランスフェクションした。各突然変異体バリアントの相対的活性を図2の説明に記載したとおりに計算した。バーは各々二重に行われた2つの別々の実験からの平均を表す。誤差バーは標準偏差を示す。WT及びNCは、それぞれ、野生型及びネガティブコントロールを意味する。
【図7A】トランスフェクションされた細胞におけるキメラコア+1−LUCタンパク質の発現 パネルA:モノシストロン構築物pHPI−1362(コア+1−LUC)及びpHPI−1363(コア−1−LUC)の略図である。 パネルB:BHK−21細胞の二重の培養物を、モノシストロンコア+1−LUC構築物pHPI−1362又はジシストロンコア+1−LUCpHPI−1333でトランスフェクションし、そして相対的ルシフェラーゼ活性を決定した。バーは2つの別々の実験からの平均を示す。誤差バーは標準偏差を表す。 パネルC:抗LUCヤギポリクローナル抗体を使用する、一過性にトランスフェクションされたBHK−21細胞からのコア+1−LUC及びコア−1−LUC含有モノシストロン構築物の[35S]−メチオニン標識された翻訳産物の免疫沈殿。免疫沈殿物をSDS−PAGEにより分析し、続いてオートラジオグラフィーにより分析した。in vivoで産生されたハイブリッドコア+1−LUCタンパク質をドットによりマークした。開いた矢頭は、ウサギ網状赤血球溶解物中で合成された[35S]−メチオニン標識されたコア+1−LUCタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図7B】トランスフェクションされた細胞におけるキメラコア+1−LUCタンパク質の発現 パネルA:モノシストロン構築物pHPI−1362(コア+1−LUC)及びpHPI−1363(コア−1−LUC)の略図である。 パネルB:BHK−21細胞の二重の培養物を、モノシストロンコア+1−LUC構築物pHPI−1362又はジシストロンコア+1−LUCpHPI−1333でトランスフェクションし、そして相対的ルシフェラーゼ活性を決定した。バーは2つの別々の実験からの平均を示す。誤差バーは標準偏差を表す。 パネルC:抗LUCヤギポリクローナル抗体を使用する、一過性にトランスフェクションされたBHK−21細胞からのコア+1−LUC及びコア−1−LUC含有モノシストロン構築物の[35S]−メチオニン標識された翻訳産物の免疫沈殿。免疫沈殿物をSDS−PAGEにより分析し、続いてオートラジオグラフィーにより分析した。in vivoで産生されたハイブリッドコア+1−LUCタンパク質をドットによりマークした。開いた矢頭は、ウサギ網状赤血球溶解物中で合成された[35S]−メチオニン標識されたコア+1−LUCタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図7C】トランスフェクションされた細胞におけるキメラコア+1−LUCタンパク質の発現 パネルA:モノシストロン構築物pHPI−1362(コア+1−LUC)及びpHPI−1363(コア−1−LUC)の略図である。 パネルB:BHK−21細胞の二重の培養物を、モノシストロンコア+1−LUC構築物pHPI−1362又はジシストロンコア+1−LUCpHPI−1333でトランスフェクションし、そして相対的ルシフェラーゼ活性を決定した。バーは2つの別々の実験からの平均を示す。誤差バーは標準偏差を表す。 パネルC:抗LUCヤギポリクローナル抗体を使用する、一過性にトランスフェクションされたBHK−21細胞からのコア+1−LUC及びコア−1−LUC含有モノシストロン構築物の[35S]−メチオニン標識された翻訳産物の免疫沈殿。免疫沈殿物をSDS−PAGEにより分析し、続いてオートラジオグラフィーにより分析した。in vivoで産生されたハイブリッドコア+1−LUCタンパク質をドットによりマークした。開いた矢頭は、ウサギ網状赤血球溶解物中で合成された[35S]−メチオニン標識されたコア+1−LUCタンパク質を示す。NCはネガティブコントロールを意味する。
【図8A】HCVの種々のバリアント中のより短い形態のコア+1コード配列の変動性。
【図8B】HCVの種々のバリアント中のより短い形態のコア+1コード配列の変動性。
【図9】突然変異分析で使用されるオリゴヌクレオチド及び構築物のリスト。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図3Bに示されたHCVのコア+1ORF内のヌクレオチド598からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列のすべて又は一部からなるコード配列の翻訳の産物であるC型肝炎ウイルス(HCV)のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項2】
HCVコア+1コード配列の位置598に翻訳開始コドン(ATG)を有するヌクレオチド配列又はHCVコア+1コード配列の位置606にATGを有するヌクレオチド配列によりコードされる、請求項1に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項3】
(i)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列,又は
(ii)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、又は
(iii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、又は
(iv)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、又は
(v)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
によりコードされる、請求項1又は2に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項4】
図3Bに示されたヌクレオチド配列の位置342のヌクレオチドから位置920のヌクレオチドまで延びているヌクレオチド配列に含まれるコア+1オープンリーディングフレーム(ORF)のトランスフェクションされた細胞における発現によりin vivoで得ることができ、そして分子量が10kDaより小さい、HCVのより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項5】
哺乳動物細胞におけるコア+1ORFの発現産物である、請求項4に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項6】
HCVに感染した患者の血清により認識される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項7】
ヌクレオチド598に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド826又はヌクレオチド897又はヌクレオチド920に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項8】
ヌクレオチド606に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド826又はヌクレオチド897又はヌクレオチド920に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項9】
エピトープを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質内に含まれるペプチド。
【請求項10】
下記のアミノ酸配列、
COOH−T−Y−R−S−S−A−P−L−L−E−A−L−P−G−P−NH2
を含む請求項9に記載のペプチド、又は該ペプチド配列に対して指向される抗体と反応するそのバリアント。
【請求項11】
図8の配列に由来する、請求項10に記載のペプチドバリアント。
【請求項12】
図3Bに示されたヌクレオチド342からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列の断片であって、発現条件下に哺乳動物細胞にトランスフェクションされるときHCVのより短い形態のコア+1タンパク質をコードすることができる断片からなるヌクレオチド配列。
【請求項13】
請求項7又は8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質をコードするヌクレオチド配列。
【請求項14】
図3Bに示されたコア+1コード配列内のヌクレオチド598から又はヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列を含む、請求項12又は13に記載のヌクレオチド配列。
【請求項15】
(i)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、
(ii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、
(iii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
(iv)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、
(v)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、
(vi)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
(vii)哺乳動物細胞における請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質又はそのエピトープをコードすることができる配列(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)又は(vi)の断片、
の中から選ばれるヌクレオチド配列。
【請求項16】
下記:
9番目及び11番目のコドンのそれぞれにおいて2つのAのGへの置換及びAのCへの置換のトリプル置換に対応する突然変異、又は
9番目、10番目及び11番目のコドンのそれぞれにおいて1つのAのGへの置換及び2つのAのCへの置換からなる突然変異、又は
9番目のコドンにおいてAのGへの置換からなる突然変異、又は
10番目のコドンにおいてAのCへの置換からなる突然変異、又は
イニシエーターコドンのターミネーターコドンへの置換、又は
25番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
43番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
79番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
87番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
85番目のコドンの停止コドンへの置換及び/又は87番目のコドンの停止コドンへの置換、
の中から選ばれる1つ以上の突然変異の結果として図3Bに示されたヌクレオチド配列に由来するHCVコアタンパク質コード配列を含むヌクレオチド配列。
【請求項17】
該配列が少なくとも70%の同一性を有するその機能的バリアントである、請求項12〜15のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項18】
請求項12〜17のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列に対してストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列。
【請求項19】
請求項12〜18のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列に対して相補性の配列であるヌクレオチド配列。
【請求項20】
請求項12〜17のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列の少なくとも相補性配列とストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列。
【請求項21】
請求項12〜15及び17〜20のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列に作動的に連結されたプロモーターを含むキメラ遺伝子。
【請求項22】
該プロモーターが、ラクトースプロモーターシステム、トリプトファンプロモーターシステム、tacプロモーター及びCMVプロモーターからなる群より選ばれる、請求項21に記載のキメラ遺伝子。
【請求項23】
第1シストロンにおけるCMV/T7プロモーター及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子、並びに第2シストロンにおけるLUC遺伝子に融合されたHCVコアコード配列の全体のIRES及び野生型コアコード配列の一部を含む、請求項21に記載のキメラ遺伝子。
【請求項24】
0、+1又は−1フレームにおいてLUC遺伝子がコア配列に融合されている、請求項23に記載のキメラ遺伝子。
【請求項25】
請求項21〜24のいずれか1項に記載のキメラ遺伝子を含むベクター。
【請求項26】
プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスである、請求項24に記載のベクター。
【請求項27】
好ましくは、図1に示されたpHPI−1333及びpHPI−1335からなる群より選ばれるプラスミドである、請求項24に記載のベクター。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列でトランスフェクションされた組換え細胞。
【請求項29】
動物細胞、哺乳動物細胞又はヒト細胞である、請求項28に記載の組換え細胞。
【請求項30】
BHK−21細胞又はHuh−1細胞である、請求項29に記載の組換え細胞。
【請求項31】
コアタンパク質及び/又はコア+1タンパク質と交差反応することなく、請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質に特異的に結合する精製された抗体。
【請求項32】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質、及びコア+1タンパク質及び場合によりコアタンパク質にとって共通のポリペプチド断片に特異的に結合する精製された抗体。
【請求項33】
請求項9〜11のいずれか1項に記載のペプチドに特異的に結合する精製された抗体。
【請求項34】
モノクローナル抗体である、請求項31〜33のいずれか1項に記載の精製された抗体。
【請求項35】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質又はその断片を抗原として使用する、抗体を産生する方法。
【請求項36】
請求項31〜34のいずれか1項に記載の少なくとも1種の抗体又は請求項35に記載の方法により産生された抗体に特異的に結合する精製されたポリペプチド。
【請求項37】
生物学的サンプルにおけるC型肝炎ウイルスによる感染のin vitro検出方法であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質の存在又は不存在を決定することを含む方法。
【請求項38】
より短い形態のコア+1タンパク質を、請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質と免疫学的に反応性である抗体により検出する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
より短い形態のコア+1タンパク質を、請求項9〜11のいずれか1項に記載のペプチドと免疫学的に反応性である抗体により検出する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
生物学的サンプルにおいて、請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質を認識する抗体を検出することを含む、C型肝炎ウイルスによる感染のin vitro検出方法。
【請求項41】
イムノアッセイ(直接の検出)又はELISA(間接の検出)によって抗原−抗体複合体の形成を検出する、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
化合物を、HCVにより感染された細胞におけるウイルス増殖と相互作用するその能力についてスクリーニングする方法であって、
a)該細胞を候補化合物と接触させること、
b)該候補化合物とより短い形態のコア+1タンパク質の発現との間の相互作用を決定すること、
を含む方法。
【請求項43】
HCV感染細胞を候補化合物と接触する前及び後に、より短い形態のコア+1タンパク質の発現レベルを測定することにより相互作用を決定する、請求項42に記載の化合物をスクリーニングする方法。
【請求項44】
HCVにより感染された該細胞が動物細胞、哺乳動物細胞又はヒト細胞である、請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
HCVにより感染された該細胞がBHK−21細胞又はHuh−1細胞である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
HCVの感染により誘発された疾患又はHCVの感染と関連した疾患の処置用の医薬を製造するための請求項38〜41のいずれか1項に記載の方法に従って選ばれる化合物の使用。
【請求項1】
図3Bに示されたHCVのコア+1ORF内のヌクレオチド598からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列のすべて又は一部からなるコード配列の翻訳の産物であるC型肝炎ウイルス(HCV)のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項2】
HCVコア+1コード配列の位置598に翻訳開始コドン(ATG)を有するヌクレオチド配列又はHCVコア+1コード配列の位置606にATGを有するヌクレオチド配列によりコードされる、請求項1に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項3】
(i)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列,又は
(ii)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、又は
(iii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、又は
(iv)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、又は
(v)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
によりコードされる、請求項1又は2に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項4】
図3Bに示されたヌクレオチド配列の位置342のヌクレオチドから位置920のヌクレオチドまで延びているヌクレオチド配列に含まれるコア+1オープンリーディングフレーム(ORF)のトランスフェクションされた細胞における発現によりin vivoで得ることができ、そして分子量が10kDaより小さい、HCVのより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項5】
哺乳動物細胞におけるコア+1ORFの発現産物である、請求項4に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項6】
HCVに感染した患者の血清により認識される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項7】
ヌクレオチド598に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド826又はヌクレオチド897又はヌクレオチド920に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項8】
ヌクレオチド606に対応するアミノ酸残基からヌクレオチド826又はヌクレオチド897又はヌクレオチド920に対応するアミノ酸残基まで延びているアミノ酸配列を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質。
【請求項9】
エピトープを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質内に含まれるペプチド。
【請求項10】
下記のアミノ酸配列、
COOH−T−Y−R−S−S−A−P−L−L−E−A−L−P−G−P−NH2
を含む請求項9に記載のペプチド、又は該ペプチド配列に対して指向される抗体と反応するそのバリアント。
【請求項11】
図8の配列に由来する、請求項10に記載のペプチドバリアント。
【請求項12】
図3Bに示されたヌクレオチド342からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列の断片であって、発現条件下に哺乳動物細胞にトランスフェクションされるときHCVのより短い形態のコア+1タンパク質をコードすることができる断片からなるヌクレオチド配列。
【請求項13】
請求項7又は8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質をコードするヌクレオチド配列。
【請求項14】
図3Bに示されたコア+1コード配列内のヌクレオチド598から又はヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列を含む、請求項12又は13に記載のヌクレオチド配列。
【請求項15】
(i)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、
(ii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、
(iii)図3Bに示された配列のヌクレオチド606からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
(iv)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド826まで延びているヌクレオチド配列、
(v)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド897まで延びているヌクレオチド配列、
(vi)図3Bに示された配列のヌクレオチド598からヌクレオチド920まで延びているヌクレオチド配列、
(vii)哺乳動物細胞における請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質又はそのエピトープをコードすることができる配列(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)又は(vi)の断片、
の中から選ばれるヌクレオチド配列。
【請求項16】
下記:
9番目及び11番目のコドンのそれぞれにおいて2つのAのGへの置換及びAのCへの置換のトリプル置換に対応する突然変異、又は
9番目、10番目及び11番目のコドンのそれぞれにおいて1つのAのGへの置換及び2つのAのCへの置換からなる突然変異、又は
9番目のコドンにおいてAのGへの置換からなる突然変異、又は
10番目のコドンにおいてAのCへの置換からなる突然変異、又は
イニシエーターコドンのターミネーターコドンへの置換、又は
25番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
43番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
79番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
87番目のコドンの停止コドンへの置換、又は
85番目のコドンの停止コドンへの置換及び/又は87番目のコドンの停止コドンへの置換、
の中から選ばれる1つ以上の突然変異の結果として図3Bに示されたヌクレオチド配列に由来するHCVコアタンパク質コード配列を含むヌクレオチド配列。
【請求項17】
該配列が少なくとも70%の同一性を有するその機能的バリアントである、請求項12〜15のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列。
【請求項18】
請求項12〜17のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列に対してストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列。
【請求項19】
請求項12〜18のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列に対して相補性の配列であるヌクレオチド配列。
【請求項20】
請求項12〜17のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列の少なくとも相補性配列とストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列。
【請求項21】
請求項12〜15及び17〜20のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列に作動的に連結されたプロモーターを含むキメラ遺伝子。
【請求項22】
該プロモーターが、ラクトースプロモーターシステム、トリプトファンプロモーターシステム、tacプロモーター及びCMVプロモーターからなる群より選ばれる、請求項21に記載のキメラ遺伝子。
【請求項23】
第1シストロンにおけるCMV/T7プロモーター及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子、並びに第2シストロンにおけるLUC遺伝子に融合されたHCVコアコード配列の全体のIRES及び野生型コアコード配列の一部を含む、請求項21に記載のキメラ遺伝子。
【請求項24】
0、+1又は−1フレームにおいてLUC遺伝子がコア配列に融合されている、請求項23に記載のキメラ遺伝子。
【請求項25】
請求項21〜24のいずれか1項に記載のキメラ遺伝子を含むベクター。
【請求項26】
プラスミド、コスミド、ファージ又はウイルスである、請求項24に記載のベクター。
【請求項27】
好ましくは、図1に示されたpHPI−1333及びpHPI−1335からなる群より選ばれるプラスミドである、請求項24に記載のベクター。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列でトランスフェクションされた組換え細胞。
【請求項29】
動物細胞、哺乳動物細胞又はヒト細胞である、請求項28に記載の組換え細胞。
【請求項30】
BHK−21細胞又はHuh−1細胞である、請求項29に記載の組換え細胞。
【請求項31】
コアタンパク質及び/又はコア+1タンパク質と交差反応することなく、請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質に特異的に結合する精製された抗体。
【請求項32】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質、及びコア+1タンパク質及び場合によりコアタンパク質にとって共通のポリペプチド断片に特異的に結合する精製された抗体。
【請求項33】
請求項9〜11のいずれか1項に記載のペプチドに特異的に結合する精製された抗体。
【請求項34】
モノクローナル抗体である、請求項31〜33のいずれか1項に記載の精製された抗体。
【請求項35】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質又はその断片を抗原として使用する、抗体を産生する方法。
【請求項36】
請求項31〜34のいずれか1項に記載の少なくとも1種の抗体又は請求項35に記載の方法により産生された抗体に特異的に結合する精製されたポリペプチド。
【請求項37】
生物学的サンプルにおけるC型肝炎ウイルスによる感染のin vitro検出方法であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質の存在又は不存在を決定することを含む方法。
【請求項38】
より短い形態のコア+1タンパク質を、請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質と免疫学的に反応性である抗体により検出する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
より短い形態のコア+1タンパク質を、請求項9〜11のいずれか1項に記載のペプチドと免疫学的に反応性である抗体により検出する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
生物学的サンプルにおいて、請求項1〜8のいずれか1項に記載のより短い形態のコア+1タンパク質を認識する抗体を検出することを含む、C型肝炎ウイルスによる感染のin vitro検出方法。
【請求項41】
イムノアッセイ(直接の検出)又はELISA(間接の検出)によって抗原−抗体複合体の形成を検出する、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
化合物を、HCVにより感染された細胞におけるウイルス増殖と相互作用するその能力についてスクリーニングする方法であって、
a)該細胞を候補化合物と接触させること、
b)該候補化合物とより短い形態のコア+1タンパク質の発現との間の相互作用を決定すること、
を含む方法。
【請求項43】
HCV感染細胞を候補化合物と接触する前及び後に、より短い形態のコア+1タンパク質の発現レベルを測定することにより相互作用を決定する、請求項42に記載の化合物をスクリーニングする方法。
【請求項44】
HCVにより感染された該細胞が動物細胞、哺乳動物細胞又はヒト細胞である、請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
HCVにより感染された該細胞がBHK−21細胞又はHuh−1細胞である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
HCVの感染により誘発された疾患又はHCVの感染と関連した疾患の処置用の医薬を製造するための請求項38〜41のいずれか1項に記載の方法に従って選ばれる化合物の使用。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【公表番号】特表2008−500801(P2008−500801A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518183(P2006−518183)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007996
【国際公開番号】WO2005/005468
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(593218462)インスティチュート・パスツール (19)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT PASTEUR
【出願人】(506005455)インスティチュート・パスツール・エレニック (1)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT PASTEUR HELLENIQUE
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007996
【国際公開番号】WO2005/005468
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(593218462)インスティチュート・パスツール (19)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT PASTEUR
【出願人】(506005455)インスティチュート・パスツール・エレニック (1)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT PASTEUR HELLENIQUE
【Fターム(参考)】
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