説明

新規のポリマー

本発明は、式(I)の反復単位を含むポリマーおよび電子素子におけるその使用に関する。本発明によるポリマーは、有機溶媒への優れた溶解性および優れた膜形成特性を有する。加えて、本発明によるポリマーをポリマー発光ダイオード(PLED)に使用する場合、高い電荷キャリア移動度および発光色の高温安定性が認められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの反復単位を含む新規のポリマーおよび電子素子におけるその使用に関する。本発明によるポリマーは、有機溶媒への優れた溶解性および優れた膜形成特性を有する。加えて、本発明によるポリマーをポリマー発光ダイオード(PLED)に使用する場合、高い電荷キャリア移動度および発光色の高温安定性が認められる。
【0002】
WO2006043539には、なかでも、青色光を発光し、ピレンを含む発光ポリマー化合物が開示されている。
【0003】
EP0964045には、固体状態で可視蛍光を示すポリマー蛍光物質が記載されており、該ポリマー蛍光物質は、以下の式(1)
−Ar1−CR1=CR2−(1)
[式中、
Ar1は、シアノ基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ基、3〜60個の炭素原子を有するアルキルシリル基、1〜40個の炭素原子を有するアルキルアミノ基、6〜20個の炭素原子を有するアリール基もしくはアリールオキシ基、8〜20個の炭素原子を有するアリールアルケニル基もしくはアリールアルキニル基、7〜14個の炭素原子を有するアラルキル基および4〜14個の炭素原子を有する複素環式化合物基から選択される置換基で置換されていてよい縮合多環式芳香族基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、4〜20個の炭素原子を有する複素環式化合物およびシアノ基から選択される基を表す]によって表される1つ以上の反復単位を含み、これらの反復単位の量は、反復単位の全量に基づいて0.5モル%〜100モル%である。
【0004】
Ar1の例として、なかでも、式
【化1】

[式中、
5〜R20は、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基、アルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基もしくはアルキルチオ基;3〜60個の炭素原子を有するアルキルシリル基;1〜40個の炭素原子を有するアルキルアミノ基;6〜20個の炭素原子を有するアリール基もしくはアリールオキシ基;8〜20個の炭素原子を有するアリールアルケニル基もしくはアリールアルキニル基;7〜14個の炭素原子を有するアラルキル基;および4〜14個の炭素原子を有する複素環式化合物基から選択される基を表す]の基が挙げられる。
【0005】
有機ELディスプレイの導入に際して、その性能を既存の技術と比較するといくつかの課題に直面する。具体的なガイドライン(すなわちNTSC)によって要求される正確な色座標を得ることが難しい。EL装置の稼働寿命は、陰極線管(CRT)および液晶ディスプレイ(LCD)の既存の無機技術と比較すると依然短い。加えて、純粋な青色および長い寿命を有する材料の製造は、この業界では最大の課題の1つである。
【0006】
よって、本発明の目的は、電子−光学装置に組み込むと、色純度、装置効率および/または稼働寿命の点で有意な優越性を示す新規の材料を提供することである。
【0007】
前記目的は、式Iの反復単位を含む本発明のポリマーによって解決される。本発明のポリマーを含む有機発光素子(OLED)は、色純度、装置効率および/または稼働寿命の点で有意な優越性を示すことができる。加えて、該ポリマーは、良好な溶解特性および比較的高いガラス転移温度を有し得るため、熱および機械安定性を有し、欠陥が比較的ない塗膜および薄膜への加工が容易になる。ポリマーが、架橋可能な末端基を含む場合は、膜または塗膜が形成された後の当該基の架橋は、その耐溶剤性を向上させるため、1つ以上の溶媒系材料層をその上に堆積する用途に有益である。
【0008】
したがって、本発明は、式
【化2】

[式中、
1、R2、R3、R4、R5およびR6は、互いに独立して、水素、F、SiR100101102または有機置換基であり、あるいは
1およびR2、R3およびR4、および/または互いに隣接する置換基R1、R2、R3、R4、R5および/またはR6のいずれかは、一緒になって、場合により置換され得る芳香族または芳香族複素環または環系を形成し、
mは0、または1もしくは2の整数であり、
1およびn2は0、または整数1もしくは2であり、
100、R101およびR102は、互いに独立して、C1−C18アルキル、置換または非置換C6−C18アリールであり、
Ar1およびAr2は、それぞれ互いに独立して、置換または非置換アリーレン、またはヘテロアリーレン基である]の反復単位を含むポリマーに関する。置換または非置換アリーレン、またはヘテロアリーレン基の例として、置換または非置換ベンゼン基、置換または非置換ナフタレン基、置換または非置換アントラセン基、置換または非置換ジフェニルアントラセン基、置換または非置換フェナントレン基、置換または非置換アセナフテン基、置換または非置換ビフェニル基、置換または非置換フルオレン基、置換または非置換カルバゾリル基、置換または非置換チオフェン基、置換または非置換トリアゾール基、および置換または非置換チアジアゾール基から選択される二価の基が挙げられる。
【0009】
本発明のポリマーは、100℃超のガラス転移温度、特に150℃超のガラス転移温度を有するべきである。
【0010】
1およびR2ならびにR3およびR4は、互いに異なり得るが、好ましくは同じである。最も好適なR1、R2、R3およびR4は、同じ意味を有する。
【0011】
1、R2、R3およびR4は、好ましくは、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル;C1−C18アルコキシ、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシ;C1−C18ペルフルオロアルキルから選択され、最も好ましくは、場合により置換されたC6−C24アリールまたはC2−C20ヘテロアリール基である。
【0012】
本発明の好適な実施形態において、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つ、特に少なくとも2つがHでない。最も好ましくは、置換基R1、R2、R3およびR4のすべてがHでない。本発明の別の好適な実施形態において、置換基R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つ、好ましくは2つが、場合により置換されたC1−C18アルコキシ基である。最も好ましくは、置換基R1、R2、R3およびR4のすべてが場合により置換されたC1−C18アルコキシ基である。
【0013】
好ましくは、本発明のポリマーは、式I[R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、H、F、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C6−C24アリール、Gによって置換されたC6−C24アリール、C2−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2−C20ヘテロアリールであり;
各基R5およびR6は、各存在において互いに独立して、H、ハロゲン、特にF、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C6−C24アリール、Gによって置換されたC6−C24アリール、C2−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2−C20ヘテロアリール、C2−C18アルケニル、C2−C18アルキニル、C1−C18アルコキシ、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシ、C7−C25アラルキル、CNまたは−CO−R28であり、
mは0、または整数1もしくは2であり、
Dは、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−;−CR23=CR24−;または−C≡C−であり、
Eは、−OR29;−SR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;またはハロゲン、特にFであり;
Gは、E、C1−C18アルキル、Dによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C1−C18アルコキシ、またはEによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシであり、
23、R24、R25およびR26は、互いに独立して、H;C6−C18アリール;C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;C1−C18アルキル;または−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり、
27は、H;C6−C18アリール;C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;特にC1−C18アルキル;または−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり、
28は、H;C6−C18アリール;C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;C1−C18アルキル;または−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり、
29は、H;C6−C18アリール;C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;C1−C18アルキル;または−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり、
30およびR31は、互いに独立して、C1−C18アルキル、C6−C18アリール、またはC1−C18アルキルによって置換されたC6−C18アリールであり、
32は、C1−C18アルキル、C6−C18アリール、またはC1−C18アルキルによって置換されたC6−C18アリールである]の反復単位を含む。
【0014】
1、R2、R3およびR4の少なくとも1つ、特に少なくとも2つがHでない。
【0015】
特に好適な実施形態において、該ポリマーは、式
【化3】

[式中、
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、C6−C12アリール、または1つ以上のG基によって場合により置換されていてよいC2−C11ヘテロアリールであり、Gは、以上に定義されている通りであり、あるいは
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、C1−C18アルキル、−O−によって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ;または−O−によって中断されたC1−C18アルコキシである]の反復単位を含む。好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、同じ意味を有する。より好ましくは、R3およびR4が同じ意味を有し、C1−C18アルコキシ;または−O−によって中断されたC1−C18アルコキシである。
【0016】
本発明の別の好適な実施形態において、式Ia
[式中、
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、
【化4】

であり、ここでn3は0、または整数1、2、3、4もしくは5であり、R11は、それぞれの存在において同一であっても異なっていてもよく、C1−C25アルキルまたはC1−C25アルコキシであり、あるいは
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、C1−C18アルキル、−O−によって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、または−O−によって中断されたC1−C18アルコキシ;特に−O−によって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ;または−O−によって中断されたC1−C18アルコキシである]のポリマーが好適である。好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、同じ意味を有する。
【0017】
好ましくは、R5およびR6は、互いに独立して、H、C1−C18アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルまたはn−ヘプチル;Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、例えば、−CH2OCH3、−CH2OCH2CH3、−CH2OCH2CH2OCH3または−CH2OCH2CH2OCH2CH3;C1−C18アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシまたはn−ヘプチルオキシ;C6−C14アリール、例えば、フェニル、ナフチルまたはビフェニリル、C5−C12シクロアルキル、例えば、シクロヘキシル、Gによって置換されたC6−C14アリール、例えば、−C64OCH3、−C64OCH2CH3、−C63(OCH32または−C63(OCH2CH32、−C64CH3、−C63(CH32、−C62(CH33、−C64OtBuまたは−C64tBuである。最も好ましくは、R5およびR6はHである。
【0018】
mは、好ましくは0である。1つの分子内に2つ以上のR5またはR6が存在する場合は、異なる意味を有し得る。
【0019】
Dは、好ましくは、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR25−であり、ここでR25は、C1−C12アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチルもしくはsec−ブチル、またはC6−C14アリール、例えば、フェニル、ナフチルもしくはビフェニリルである。
【0020】
Eは、好ましくは、−OR29;−SR29;−NR2525;−COR28;−COOR27;−CONR2525または−CNであり;ここでR25、R27、R28およびR29は、互いに独立して、C1−C12アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ヘキシル、オクチルもしくは2−エチル−ヘキシル、またはC6−C14アリール、例えば、フェニル、ナフチルもしくはビフェニリルである。
【0021】
Gは、Eと同じ選好を表し、あるいはC1−C18アルキル、特にC1−C12アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ヘキシル、オクチル、1−(2−ヘキシル)−デカンまたは2−エチル−ヘキシルである。
【0022】
式(Ia)の反復単位を含む特に好適なポリマーの例として、請求項5に記載の化合物A−1〜A−34が挙げられる。
【0023】
本発明のポリマーを製造するためのモノマーは新規であり、本発明のさらなる実施形態を形成する。よって、本発明は、また、式
【化5】

[式中
Ar1、Ar2、n1、n2、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびmは、以上に定義されている通りである]のモノマーに関する。X11は、それぞれの存在において独立して、ハロゲン原子、特にI、ClまたはBr;−ZnX12、−SnR207208209[R207、R208およびR209は同一であるか、または異なっており、HまたはC1−C6アルキルであり、ここで2つの基が共通の環を場合により形成し、これらの基は、場合により分枝状または非分枝状であり、X12はハロゲン原子、特にIまたはBrである];あるいは−OS(O)2CF3、−OS(O)2−アリール、特に
【化6】

、−OS(O)2CH3、−B(OH)2、−B(OY112
【化7】

、−BF4Naまたは−BF4Kであり、ここでY11は、それぞれの存在において独立して、C1−C10アルキル基であり、Y12は、それぞれの存在において独立して、C2−C10アルキレン基、例えば−CY1314−CY1516または−CY1718−CY1920−CY2122であり、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17、Y18、Y19、Y20、Y21およびY22は、互いに独立して、水素、またはC1−C10アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−または−C(CH32CH2C(CH32−である。
【0024】

【化8】

の化合物は、新規であり、本発明のさらなる実施形態を形成する。よって、本発明は、また、式XIV
[式中、
11、Ar1、Ar2、n1、n2、R5、R6およびmは以上に定義されている通りである]の化合物に関する。
【0025】
【化9】

【0026】
式XIVa(n1=n2=0;X11=Br)の2,7−ジブロモ−ピレン−4,5,9,10−テトラノンを、式XVの2,7−ジ−tert−ブチル−ピレン−4,5,9,10−テトラノンまたは式XIIのピレン−4,5,9,10−テトラノンをそれぞれBr2/FeおよびNBS/H2SO4と反応させることによって製造することができる。
【0027】
【化10】

【0028】
式XIIのピレン−4,5,9,10−テトラノンを、J.Org.Chem.2005,70,707−708に記載の手順に従い、式XVIのピレンをメチレンクロリド中三塩素酸ルテニウムの存在下にて過塩素酸ナトリウムまたは過ヨウ素酸ナトリウムで酸化することによって製造することができる。
【0029】
【化11】

【0030】
あるいは、式XIVa(n1=n2=0;X11=Br)の2,7−ジブロモ−ピレン−4,5,9,10−テトラノンを、J.Org.Chem.2005,70,707−708に記載の手順に従い、式XVIIのピレンをメチレンクロリド中、三塩化ルテニウムの存在下にて過塩素酸ナトリウムまたは過ヨウ素酸ナトリウムで酸化することによって製造することができる。2,7−ジブロモピレンの合成は、例えば、J.Org.Chem.1986,51,2847に記載されている。
【0031】
【化12】

【0032】
式XIa(n1=n2=0)のモノマーを、既知の手順によって、または既知の手順と同様にして式XIb(n1=n2≠0)のモノマーと反応させることができる。
−WO04039786の実施例22a:
【化13】

−J.Org.Chem.2007,72,2279:
【化14】

【0033】
式XIVa(n1=n2=0;X11=Br)の2,7−ジブロモ−ピレン−4,5,9,10−テトラノンを、既知の手順によって、または既知の手順と同様にして式XI(n1=n2=0;X11=Br)のモノマーと反応させることができる:
−WO2005/104264(R1=アルキルおよびアリール):
【化15】

−Org.Lett.10(2008)773:
【化16】

【0034】
【化17】

【0035】
あるいは、式XIのモノマーは、式XIIIの化合物とビス(トリクロロヘキシル錫)スルフィドまたはB23とを反応させることで得られる。例えば、US20070191583およびMacromolecules 39(2006)5213−5221を参照されたい。式XIIIの化合物の合成をそれらに記載の手順に従って、またはそれと同様にして実施することができる。
【0036】
一実施形態において、本発明によるポリマーは、式Iの1種類以上の反復単位のみからなる。好適な実施形態において、本発明によるポリマーは、式Iの1種類のみの反復単位からなる(ホモポリマー)。
【0037】
本発明によれば、「ポリマー」という用語は、ポリマーならびにオリゴマーを含み、ポリマーは、高相対分子質量の分子であり、その構造は、本質的に、低相対分子質量の分子から実際にまたは概念的に誘導された単位の反復を含み、オリゴマーは、中分子量の分子であり、その構造は、本質的に、より低い相対分子質量の分子から実際にまたは概念的に誘導された少数の単位を複数含む。分子は、1つまたは2,3の単位を除去しても有意に変化しない特性を有する場合、高相対分子質量を有するものと見なされる。分子は、1つまたはいくつかの単位を除去すると有意に変化する特性を有する場合、中分子量を有するものと見なされる。
【0038】
本発明によれば、ホモポリマーは、1種類の(真の、潜在的な、または仮想的な)モノマーから誘導されたポリマーである。多くのポリマーは、相補的なモノマーの相互反応によって製造される。これらのモノマーが反応して「潜在するモノマー」を与えるよう容易に視覚化でき、その単独重合は、ホモポリマーと見なせる実際の生成物を与えることになる。いくつかのポリマーは、得られたポリマーを構成する巨大分子の構造を仮想的なモノマーの単独重合によって形成されたと考えられるように、他のポリマーの化学的改質によって得られる。
【0039】
よって、コポリマーは、2種類以上のモノマーから誘導されたポリマー、例えば、二元重合体、三元重合体、四元重合体等である。
【0040】
本発明のオリゴマーは、2000ダルトン未満の重量平均分子量を有する。本発明のポリマーは、好ましくは、2000ダルトン以上、特に2,000〜2,000,000ダルトン、より好ましくは10,000〜1,000,000、および最も好ましくは20,000〜500,000ダルトンの重量平均分子量を有する。分子量は、ポリスチレン標準を使用するゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される。
【0041】
本発明を、以下の特に好適な実施形態に基づいてより詳細に説明するが、それに限定されるべきでない。前記実施形態において、ポリマーは、式
【化18】

[式中、
Ar1、n1、Ar2、n2、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびmは、以上に定義されている通りであり、
TおよびAr3は、WO06/097419に定義されている通りであり、Ar3は、式
【化19】

、特に
【化20】

および/または
【化21】

(WO06/097419に記載)、および/または
【化22】

(WO08/012250に記載)
の反復単位であってもよく、
1''、R2''およびR3''は、互いに独立して、C6−C12アリール、または1つ以上のG基によって場合により置換されていてよいC2−C11ヘテロアリールであり、Gは以上に定義されている通りであり、R4''は、R3''の意味を有し、またはC1−C18アルキル、特にC4−C18アルキルであり、
7’は、有機置換基であり、同じ分子内の2つ以上の置換基R7’は、異なる意味を有し得、あるいは一緒になって芳香族、芳香族複素環または環系を形成することができ、
X’は0、または整数1〜5である]のポリマーである。
【0042】
Aは、置換され得、および/または縮合芳香族または芳香族複素環系の一部であり得る、窒素、酸素および硫黄から選択される1個のヘテロ原子を含む5、6または7員芳香族複素環であり、
1’およびR4’は水素であり、
2’、R3’、R5’およびR6’は、互いに独立して、H、C1−C18アルキル、Dによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C1−C18アルコキシ、Dによって中断されたC1−C18アルコキシ、C7−C25アラルキルまたは基−X2−R18’であり、
8’およびR9’は、互いに独立して、H、C1−C18アルキル、Dによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C1−C18アルコキシ、Dによって中断されたC1−C18アルコキシまたは基−X2−R18’であり、あるいは互いに隣接する2つの置換基R2’およびR3’および/またはR5’およびR6’は、一緒になって、基
【化23】

を形成し、あるいは互いに隣接する2つの置換基R5’およびR3’は、一緒になって、基
【化24】

を形成し、
8’およびR9’は、一緒になって、基
【化25】

を形成し、R205’、R206’、R207’、R208’、R209’およびR210’は、互いに独立して、H、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、またはEによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシ、C1−C18ペルフルオロアルキルであり、
10’は、H、Gによって置換され得るC6−C18アリール、Gによって置換され得るC2−C18ヘテロアリール、C1−C18アルキル、Dによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C1−C18アルコキシ、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシ、または基−X2−R18’であり、X2はスペーサ、例えば、C6−C12アリールまたはC6−C12ヘテロアリール、特に、C1−C18アルキル、Dによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C1−C18アルコキシ、またはEによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシで1回以上、特に1回〜2回置換され得るフェニルまたはナフチルであり、R18’は、H、C1−C18アルキル、Dによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C1−C18アルコキシ、Dによって中断されたC1−C18アルコキシまたは−NR25’26’−であり;
X’は、O、SまたはNR17’であり、
11’およびR14’は水素であり、
12’、R13’、R15’およびR16’は水素であり、
17’は、C6−C18アリール;C1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;C1−C18アルキル;−O−によって中断されたC1−C18アルキル;あるいは
互いに隣接する2つの置換基R11’およびR12’および/またはR14’およびR16’、R12’およびR13’および/またはR15’およびR16’は、一緒になって、基
【化26】

を形成し、あるいは互いに隣接する2つの置換基R15’およびR13’は、一緒になって、基
【化27】

を形成し、R105’、R106’、R107’およびR108’は、互いに独立して、HまたはC1−C8アルキルであり、D、EおよびGは以上に定義されている通りであり;
aは1であり、
bは0または1であり、
cは0.005〜1であり、
dは0または1であり、
eは0または1であり、dが0の場合、eは1でなく、
fは0.995〜0であり、cとfの合計が1である。
【0043】
Ar3は、好ましくは、式:
【化28】

[式中、
44およびR41は、水素、C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシであり、
45は、H、C1−C18アルキル、またはEによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、特に−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり、
116およびR117は、互いに独立して、H、ハロゲン、−CN、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、C6−C24アリール、Gによって置換されたC6−C24アリール、C2−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2−C20ヘテロアリール、C2−C18アルケニル、C2−C18アルキニル、C1−C18アルコキシ、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシ、C7−C25アラルキル、−C(=O)−R127、−C(=O)OR127または−C(=O)NR127126であり、
119およびR120は、互いに独立して、H、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、C6−C24アリール、Gによって置換されたC6−C24アリール、C2−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2−C20ヘテロアリール、C2−C18アルケニル、C2−C18アルキニル、C1−C18アルコキシ、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシ、またはC7−C25アラルキルであり、あるいは
119およびR120は、一緒になって=CR121122の基を形成し、
121およびR122は、互いに独立して、H、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、C6−C24アリール、Gによって置換されたC6−C24アリール、またはC2−C20ヘテロアリール、もしくはGによって置換されたC2−C20ヘテロアリールであり、あるいは
119およびR120は、一緒になって、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、C6−C24アリール、Gによって置換されたC6−C24アリール、C2−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2−C20ヘテロアリール、C2−C18アルケニル、C2−C18アルキニル、C1−C18アルコキシ、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシ、C7−C25アラルキルまたは−C(=O)−R127によって場合により置換されてよい5または6員環を形成し、
126およびR127は、互いに独立して、H;C6−C18アリール;C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;C1−C18アルキル;または−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり、G、DおよびEは以上に定義されている通りである]の反復単位から選択される。
【0044】
反復単位Tは、特に、以下の基VI:
【化29】

[式中、
1は、水素原子またはシアノ基であり、
116およびR117は、以上に定義されている通りである、
41は、それぞれの存在において同一であっても異なっていてもよく、Cl、F、CN、N(R452、C1−C25アルキル基、C4−C18シクロアルキル基、互いに隣接しない1個以上の炭素原子を−NR45−、−O−、−S−、−C(=O)−O−もしくは−O−C(=O)−O−で置換可能な、および/または1個以上の水素原子をFで置換可能なC1−C25アルコキシ基、C6−C24アリール基、または1個以上の炭素原子をO、SもしくはNで置換可能な、および/または1つ以上の非芳香族基R4で置換可能なC6−C24アリールオキシ基であり、あるいは2つ以上の基R41が環系を形成し;
45は、H、C1−C25アルキル基、互いに隣接しない1個以上の炭素原子を−NR45’−、−O−、−S−、−C(=O)−O−もしくは−O−C(=O)−O−で置換可能な、および/または1個以上の水素原子をFで置換可能なC4−C18シクロアルキル基、C6−C24アリール基、または1個以上の炭素原子をO、SもしくはNで置換可能な、および/または1つ以上の非芳香族基R41で置換可能なC6−C24アリールオキシ基であり、
45’は、H、C1−C25アルキル基、またはC4−C18シクロアルキル基であり、
nは、それぞれの存在において同一であっても異なっていてもよく、0、1、2または3、特に0、1または2、とりわけ0または1であり、uは1、2、3または4であり;
4は、C6−C24アリール基、1つ以上の非芳香族基R41で置換可能なC2−C30ヘテロアリール基、特に、フェニル、ナフチル、アントリル、ビフェニリル、2−フルオレニル、フェナントリルまたはペリレニルであり、Tは、好ましくは、式VIa、VIbまたはVIfの反復単位である]から選択される。式VII[a=1、b=0、c=1、d=0、e=0、f=0]のホモポリマーは、例えば、ニッケルカップリング反応、特にヤマモト反応:
【化30】

[式中、
Ar1、n1、Ar2、n2、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびmは、以上に定義されている通りである]によって得られる。前記態様において、式Iaの反復単位からなるホモポリマーが好適である。
【0045】
式Iの反復単位および−Ar3−(a=1、c=0.995〜0.005、b=0、d=1、e=0、f=0.005〜0.995)を含む式VIIのコポリマーはニッケルカップリング反応:
【化31】

[式中、
10は式I、特にIaの反復単位であり、c、fおよびAr3は以上に定義されている通りである]によって得られる。
【0046】
ジハロ官能性反応物質のみを含む重合法を、ニッケルカップリング反応を用いて実施することができる。1つの当該カップリング反応は、Colon et al.のJ.Pol.Sci.,Part A,Polymer Chemistry Edition 28(1990)367およびColon et al.のJ.Org.Chem.51(1986)2627に記載された。該反応は、典型的には、触媒量のニッケル塩、実質的な量のトリフェニルホスフィンおよび過剰量の亜鉛末を用いて極性非プロトン性溶媒(例えばジメチルアセトアミド)中で実施される。この方法の変形が、有機可溶性ヨウ素を促進剤として使用したIoyda et al.のBull.Chem.Soc.Jpn,63(1990)80に記載されている。
【0047】
別のニッケルカップリング反応は、ジハロ芳香族化合物の混合物を不活性溶媒中にて過剰量のニッケル(1,5−シクロオクタジエン)錯体で処理したYamamotoのProgress in Polymer Science 17(1992)1153に開示された。すべてのニッケルカップリング反応は、2つ以上の芳香族二ハロゲン化物の反応性混合物に適用されると、基本的にランダムコポリマーを生成する。末端ハロゲン基を水素基で置換する少量の水を重合反応混合物に添加することで当該重合反応を終了させることができる。あるいは、一官能性ハロゲン化アリールを当該反応に連鎖停止剤として使用し、末端アリール基を形成させることができる。
【0048】
ニッケルカップリング重合は、基本的に、式Iの単位および他のコポリマーから誘導された単位を含むホモポリマーまたはランダムコポリマーを生成する。
【0049】
式VII[a=1、c=1、b=0、d=1、e=0、f=1]のホモポリマーは例えばスズキ反応:
【化32】

[X10およびAr3は以上に定義されている通りである]によって得られる。
【0050】
一般に「スズキ反応」と称される芳香族ボロン酸塩とハロゲン化物、特に臭化物との縮合反応は、N.MiyauaおよびA.SuzukiのChemical Reviews,Vol.95,pp.457−2483(1995)に報告されているように、様々な有機官能基の存在に耐性がある。この反応を高分子量ポリマーおよびコポリマーの製造に適用することができる。好適な触媒は、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジ−アルコキシビフェニル/酢酸パラジウム(II)である。特に好適な触媒は、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジ−メトキシビフェニル(sPhos)/酢酸パラジウム(II)である。
【0051】
式VIIcに対応するポリマーを製造するために、二ハロゲン化物、例えば二臭化物または二塩化物、特に、式
【化33】

に対応する二臭化物と、式
【化34】

[式中、
11は、各存在において独立して、−B(OH)2、−B(OY112、または
【化35】

であり、Y11は、各存在において独立して、C1−C10アルキル基であり、Y12は、各存在において独立して、C2−C10アルキレン基、例えば−CY1314−CY1516または−CY1718−CY1920−CY2122であり、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17、Y18、Y19、Y20、Y21およびY22は、互いに独立して、水素またはC1−C10アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−または−C(CH32CH2C(CH32−である]に対応する等モル量の二ボロン酸または二ボロン酸塩とを、Pdおよびホスフィンリガンド、特にトリフェニルホスフィンの触媒作用下で反応させる。反応は、典型的には、トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒中、約70℃〜180℃にて実施される。ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランなどの他の溶媒を単独で、または芳香族炭化水素との混合物で使用することもできる。塩基水溶液、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、K3PO4または重炭酸塩が、HBr捕集剤として使用される。反応物質の反応性に応じて、重合反応は、2〜100時間であってよい。有機塩基、例えば水酸化テトラアルキルアンモニウム、および相関移動触媒、例えばTBABは、ホウ素の活性を促進することができる(例えば、Leadbeater&Marco;Angew.Chem.Int.Ed.Eng.42(2003)1407およびそれに引用されている参考文献を参照のこと)。反応条件の他の変形が、T.I.Wallow and B.M.NovakのJ.Org.Chem.59(1994)5034−5037;およびM.Remmers,M.Schulze,and G.WegnerのMacromol.Rapid Commun.17(1996)239−252に示されている。
【0052】
所望の場合、一官能性ハロゲン化アリールまたはボロン酸アリールを当該反応に連鎖停止剤として使用して、末端アリール基を形成することができる。
【0053】
スズキ反応におけるモノマー原料の順序および組成を制御することによって、得られるコポリマーにおけるモノマー単位の配列を制御することができる。
【0054】
式VII[a=1、c=1、b=1、d=0、e=0、f=0]のホモポリマーは例えばヘック反応:
【化36】

[X10およびTは以上に定義されている通りである]によって得られる。
【0055】
ポリフェニレンテニレン誘導体およびポリフェニレンチニレン誘導体はヘック反応によるジビニルまたはジエチニル化合物と二ハロゲン化合物との重合によって得られる(R.F.Heck,Palladium Reagents in Organic Synthesis,Academic Press,New York 1985,pp.179;L.S.Hegedus,Organometalics in Synthesis,Ed.M.Schlosser,Wiley,Chichester,UK 1994,pp.383;Z.Bao,Y.Chen,R.Cai,L.Yu,Macromolecules 26(1993)pp.5281;W.−K.Chan,L.Yu,Macromolecules 28(1995)pp.6410;A.Hilberer,H.−J.Brouwer,B.−J.van der Scheer,J.Wildeman,G.Hadziioannou,Macromolecules 1995,28,4525)and the Sonogaschira reaction(Dmitri Gelman and Stephen L.Buchwald,Angew.Chem.Int.Ed.42(2003)5993−5996;Rik R.Tykwinski,Angew.Chem.115(2003)1604−1606;Jason M.Nolan and Daniel L.Comins,J.Org.Chem.68(2003)3736−3738;Jiang Cheng et al.,J.Org.Chem.69(2004)5428−5432;Zolta’n Nova’k et al.,Tetrahedron 59(2003)7509−7513):
【化37】

(ソノガシラ)
ソノガシラ反応は、銅(I)触媒および/またはパラジウム(0)、例えば、テトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0)の存在下で、場合により溶媒、例えばトルエン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド中、および場合により塩基、例えば水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたはアミン塩基、例えばピペリジン中にて実施される。特殊なパラジウム触媒を用いる際、銅触媒は不要である(Angew.Chem.2007,119,850−888)。反応時間および温度は、出発材料および反応条件に依存する。通常、ジブロモ化合物を50℃〜100℃、特に60〜80℃の温度で1〜48時間アルキンと反応させる。ソノガシラ反応(有機ハロゲン化物と末端アルキンとのPd/Cu触媒クロスカップリング)、Cadiot−ChodkiewiczカップリングまたはCastro−Stephens反応(Castro−Stepghensカップリングは化学量論量の銅を使用するのに対して、ソノガシラカップリングは触媒パラジウムおよび触媒銅を使用する)と称されるこの反応は、Sonogashira K.;Tohda,Y.;Hagihara,N.Tetrahedron Lett.1975,4467;Richard Heck(パラジウムは使用するが銅は使用しない同じ変換を発見した)J.Organomet.Chem.1975,93,259;McCrindle,R.;Ferguson,G.;Arsenaut,G.J.;McAlees,A.J.;Stephenson,D.K.J.Chem.Res.(S)1984,360;Sakamoto,T.;Nagano,T.;Kondo,Y.;Yamanaka,H.Chem.Pharm.Bull.1988,36,2248;Rossi,R.Carpita,A.;Belina,F.Org.Prep.Proc.Int.1995,27,129;Ernst,A.;Gobbi,L.;Vasella,A.Tetrahedron Lett.1996,37,7959;Campbell,I.B.In Organocopper Reagents;Taylor,R.J.K.Ed.;IRL Press:Oxford,UK,1994,217.(Review);Hundermark,T.;Littke,A.;Buchwald,S.L.;Fu,G.C.Org.Lett.2000,2,1729;Dai,W.−M.;Wu,A.Tetrahedron Lett.2001,42,81;Alami,M.;Crousse,B.;Ferri,F.J.Organomet.Chem.2001,624,114;Bates,R.W.;Boonsombat,J.J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1 2001,654;Batey,R.A.;Shen,M.;Lough,A.J.Org.Lett.2002,4,1411;Balova,I.A.;Morozkina,S.N.;Knight,D.W.;Vasilevsky,S.F.Tetrahedron Lett.2003,44,107;Garcia,D.;Cuadro,A.M.;Alvarez−Builla,J.;Vaquero,J.J.Org.Lett.2004,6,4175;Li,P.;Wang,L.;Li,H.Tetrahedron 2005,61,8633,Lemhadri,M.;Doucet,H.;Santelli,M.Tetrahedron 2005,61,9839,Angew.Chem.2007,119,8632−8635,Angew.Chem.2006,118,6335−6339,J.Am.Chem.Soc.2005,127,9332−9333,and Adv.Mater.2007,19,1234−1238に記載されている。
【0056】
式VII[aは1であり、bは1であり、cは0.005〜0.995であり、dは1であり、eは1であり、fは0.995〜0.005であり、cとfの合計が1である]の(ランダム)コポリマーはヘック反応:
【化38】

[式中、
a、b、c、d、e、f、X10、Ar3およびTは以上に定義されている通りである]
によっても得られる。
【0057】
式(I)の基を含むポリマーを任意の好適な方法によって製造することができるが、好ましくは、上記の方法によって製造する。
【0058】
本発明のポリマーは、末端部分E1を場合により含むことができ、ここでE1は、場合により鎖延長または架橋を生じ得る反応性基またはトリ(C1−C18)アルキルシロキシ基で置換されていてよい。本明細書に使用されているように、鎖延長または架橋を生じ得る反応性基は、ポリマーを製造するための結合を形成するよう同じ基または別の基のひとつと反応可能な任意の基を指す。好ましくは、当該反応性基は、ヒドロキシ、グリシジルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エテニル、エチニル、マレイミド、ナフチミド、オキセタン、トリフルオロビニルエーテル部分、またはE1の芳香族環に縮合したシクロブテン部分である。
【0059】
1が以上に定義されている反応性基である本発明のポリマーは、100℃以上、より好ましくは150℃以上で架橋して耐溶剤性の耐熱性膜を形成することができる。好ましくは、当該架橋は350℃以下、より好ましくは300℃以下、最も好ましくは250℃以下の温度で生じる。本発明の架橋性ポリマーは、100℃以上、より好ましくは150℃以上で安定である。本明細書に使用されている「安定」は、当該ポリマーが記載の温度以下で架橋または重合反応を生じないことを意味する。架橋性材料を所望する場合、E1は、好ましくは、ビニルフェニル、エチニルフェニルまたは4−(もしくは3−)ベンゾシクロブテニル基である。別の実施形態において、E1は、式−C64−O−Y[Yは、−H、−CN、
【化39】

である]のフェノール誘導体の群から選択される。所望の場合、架橋性基は、ポリマー鎖の他の部分に存在し得る。例えば、コモノマーTの置換基の1つが架橋性基E1であってよい。
【0060】
末端封止剤E1−X12(E1は以上に定義されている通りであり、X12はClまたはBrのいずれかである)が、得られたポリマーを反応性基E1によって実質的に封止する条件下で本発明のポリマーに組み込まれる。この目的に有用な反応は、上記のニッケルカップリング、ヘック反応およびスズキ反応である。平均重合度は、モノマーと末端封止剤のモル比によって制御される。
【0061】
本発明によるポリマーを、例えば、D.Braun,H.Cherdron,H.Ritter,Praktikum der makromolekularen Stoffe,1st Edn.,Wiley VCH,Weinheim 1999,p.68−79またはR.J.Young,P.A.Lovell,Introduction to Polymers,Chapman & Hall,London 1991に記載の、当業者に熟知された既知の方法によって処理することができる。例えば、反応混合物を濾過し、水性酸で希釈し、抽出し、乾燥および溶媒の除去後に得られた粗製物を、沈殿剤を加えながら好適な溶媒からの再沈殿によってさらに精製することができる。活性化炭素、クロマトグラフィー等を用いて残留パラジウムを除去することができる。有利には、ポリマーを含む粗有機溶媒層を室温から有機溶媒の沸点までの温度にてL−システインの水溶液で洗浄し、特に、ポリマーを含むトルエン層を85〜95℃にてL−システインの水溶液で洗浄し、その後場合により78〜82℃にてL−システインおよびチオ硫酸ナトリウムの溶液で洗浄することで、残留パラジウムを3ppm未満まで減少させることができる(Mahavir Prashad,Yugang Liu,Oljan Repicoe,Adv.Synth.Catal.2003,345,533−536;Christine E.Garrett,Kapa Prasad,Adv.Synth.Catal.2004,346,889−900)。また、US−B−6,956,095に記載のNaCN水溶液でポリマーを洗浄することによりPdを除去することができる。続いて、ポリマーのさらなる官能化のためにポリマー類似反応を実施することができる。したがって、例えば、末端ハロゲン原子を、例えばLiAlH4を用いて還元により還元的に除去することができる(例えば、J.March,Advanced Organic Chemistry,3rd Edn.McGraw−Hill,p.510を参照のこと)。
【0062】
本発明の別の態様は、式Iの単位を含むポリマーの少なくとも1つを1〜99%含むポリマーブレンドに関する。ブレンドの残り1〜99%は、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ(メタクリル酸メチル)およびポリ(エチレンオキシド)などの連鎖成長ポリマー;フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリイミドなどの段階成長ポリマー;ならびに架橋エポキシ樹脂、架橋フェノール樹脂、架橋アクリレート樹脂および架橋ウレタン樹脂などの架橋ポリマーの中から選択される1つ以上のポリマー材料で構成される。これらのポリマーの例はPreparative Methods of Polymer Chemistry,W.R.Sorenson and T.W.Campbell,Second Edition,Interscience Publishers(1968)に見られる。ポリ(フェニレンビニレン)、置換ポリ(フェニレンビニレン)、置換ポリフェニレンおよびポリチオフェンなどの共役ポリマーをブレンドに使用することもできる。これらの共役ポリマーの例が、Greenham and FriendのSolid State Physics,Vol.49,pp.1−149(1995)に示されている。
【0063】
特に好適な実施形態において、本発明は、式
【化40】

[式中、
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、
【化41】

であり、n3は0、または整数1、2もしくは3、特に0もしくは1であり;R11は、それぞれの存在において同一であっても異なっていてもよく、H、Oによって場合により中断され得るC1−C25アルキル、またはOによって場合により中断され得るC1−C25アルコキシであり、
Ar3’は、
【化42】

であり、ここでR1''、R2''およびR3''は、互いに独立して、
【化43】

【化44】

であり、n1’は0、または整数1、2、3もしくは4、特に0、1もしくは2であり;n2’は0、または整数1、2もしくは3、特に0、1もしくは2であり;n3’は0、または整数1、2、3、4もしくは5、特に0、1、2もしくは3であり;R10''およびR11''は、互いに独立して、C1−C25アルキルまたはC1−C25アルコキシであり、R4''は、R3''の意味を有し、またはC1−C18アルキル、特にC4−C18アルキルであり、
44、R116、R117、R119およびR120は、以上に定義されている通りであり、
8’およびR9’は、互いに独立して、
【化45】

であり、ここでn3およびR11は、以上に定義されている通りであり、R17’は、Oによって場合により中断され得るC1−C25アルキルであり、
10’はR8’、または
【化46】

であり、ここでn2は0、1または2である]のポリマーに関する。
【0064】
1''、R2''およびR3''は、好ましくは、互いに独立して、
【化47】

であり、R4''は、R3''の意味を有し、またはC1−C18アルキル、特にC4−C18アルキルである。
【0065】
以下のポリマーが特に好適である。
【化48−1】

【化48−2】

【0066】
本発明のポリマーは、高度なフォトルミネセンスおよび/またはエレクトロルミネセンスを示し得る。
【0067】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素である。
【0068】
1−C25アルキル(C1−C18アルキル)は、通常、可能であれば直鎖状または分枝状である。例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、テトラコシルまたはペンタコシルが挙げられる。C1−C8アルキルは、典型的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチル−プロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシルである。C1−C4アルキルは、典型的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルである。
【0069】
1−C25アルコキシ(C1−C18アルコキシ)基は、直鎖状または分枝状アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシもしくはtert−アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシおよびオクタデシルオキシである。C1−C8アルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシおよび2−エチルヘキシルオキシが挙げられる。C1−C4アルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシが挙げられる。「アルキルチオ基」という用語は、エーテル結合の酸素原子が硫黄原子によって置換される点を除き、アルコキシ基と同じ基を指す。
【0070】
2−C25アルケニル(C1−C18アルケニル)基は、直鎖または分枝状アルケニル基、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−ペンタ−2,4−ジエニル、3−メチル−ブト−2−エニル、n−オクト−2−エニル、n−ドデカ−2−エニル、イソドデセニル、n−ドデカ−2−エニルまたはn−オクタデカ−4−エニルである。
【0071】
2−C24アルキニル(C2−C18アルキニル)は、非置換であっても、置換されていてもよい直鎖または分枝状の好ましくはC2−C8アルキニル、例えば、エチニル、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イル、または1−テトラコシン−24−イルである。
【0072】
1−C18ペルフルオロアルキル、特にC1−C4ペルフルオロアルキルは、分枝状または非分枝状の基、例えば−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF32、−(CF23CF3および−C(CF33である。
【0073】
「ハロアルキル、ハロアルケニルおよびハロアルキニル」という用語は、上記アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基をハロゲンで部分的または全面的に置換することで得られる基、例えばトリフルオロメチル等を指す。「アルデヒド基、ケトン基、エステル基、カルバモイル基およびアミノ基」は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環式基で置換されたものを含み、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基および複素環式基は、非置換であっても置換されていてもよい。「シリル基」という用語は、式−SiR626364[R62、R63およびR64は、互いに独立して、C1−C8アルキル基、特にC1−C4アルキル基、C6−C24アリール基またはC7−C12アラルキル基、例えばトリメチルシリル基である]の基を指す。
【0074】
「シクロアルキル基」という用語は、典型的には、C4−C18シクロアルキル、特にC5−C12シクロアルキル、例えば、非置換であっても置換されていてもよいシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを指す。「シクロアルケニル基」という用語は、1つ以上の二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基、例えば、非置換であっても置換されていてもよいシクロペンテニル、シクロペンタジエニルおよびシクロヘキセニル等を指す。シクロアルキル基、特にシクロヘキシル基を、C1−C4−アルキル、ハロゲンおよびシアノで1〜3回置換され得るフェニルによって1または2回縮合することができる。
【0075】
当該縮合シクロヘキシル基の例として、
【化49】

【化50】

、特に
【化51】

であり、R51、R52、R53、R54、R55およびR56は、互いに独立して、C1−C8−アルキル、C1−C8−アルコキシ、ハロゲンおよびシアノ、特に水素が挙げられる。
【0076】
アリールは、通常、C6−C30アリール、好ましくは、場合により置換され得るC6−C24アリール(C6−C18アリール)、例えば、非置換であっても置換されていてもよいフェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、特に1−ナフチルもしくは2−ナフチル、ビフェニリル、テルフェニリル、ピレニル、2−もしくは9−フルオレニル、フェナントリル、アントリル、テトラシル、ペンタシル、ヘキサシルまたはクアデルフェニリルである。
【0077】
「アラルキル基」という用語は、典型的にはC7−C25アラルキル、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、ω−フェニル−オクタデシル、ω−フェニル−エイコシルまたはω−フェニル−ドコシル、好ましくはC7−C18アラルキル、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシルまたはω−フェニル−オクタデシル、特に好ましくは、C7−C12アラルキル、例えば、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基の両方が非置換であっても置換されていてもよいベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチルまたはω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチルである。
【0078】
「アリールエーテル基」という用語は、典型的には、C6-24アリールオキシ基、すなわちO−C6-24アリール、例えばフェノキシまたは4−メトキシフェニルである。「アリールチオエーテル基」という用語は、典型的には、C6-24アリールチオ基、すなわちS−C6-24アリール、例えばフェニルチオまたは4−メトキシフェニルチオである。「カルバモイル基」という用語は、典型的には、C1-18カルバモイル基、好ましくは、非置換であっても置換されていてもよいC1-8カルバモイル基、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、tert−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルバモイルまたはピロリジノカルバモイルである。
【0079】
アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基、アリールアミノ基およびジアリール基における「アリール」および「アルキル」という用語は、典型的には、それぞれC1−C25アルキルおよびC6−C24アリールである。
【0080】
アルキルアリールは、アルキル置換アリール基、特にC7−C12アルキルアリールを指す。例として、トリル、例えば3−メチル−もしくは4−メチルフェニル、またはキシリル、例えば3,4−ジメチルフェニル、もしくは3,5−ジメチルフェニルが挙げられる。
【0081】
ヘテロアリールは、典型的には、C6−C26ヘテロアリール(C2−C20ヘテロアリール)、すなわち5〜7個の環原子を有する環または縮合環系であり、窒素、酸素または硫黄であり得るヘテロ原子であり、典型的には、少なくとも6個の共役π電子を有する5〜30個の原子を含む不飽和複素環式基、例えば、非置換であっても置換されていてもよいチエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾ[b,d]チエニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニリル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニルまたはフェノキサジニルである。
【0082】
上記の基として考えられる置換基は、C1−C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1−C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基またはシリル基、特に、C1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキルチオ、ハロ−C1−C8アルキルまたはシアノ基である。
【0083】
置換基、例えばR6が2つ以上存在する場合は、それぞれの存在において異なり得る。
【0084】
「Gによって置換された」という表現は、1つ以上、特に1〜3つの置換基Gが存在し得ることを意味する。
【0085】
上記のように、前記の基は、Eによって置換されてよく、および/または所望の場合、Dによって中断されていてよい。中断は、勿論、一重結合によって互いに結合された少なくとも2個の炭素原子を含む基の場合にのみ可能である。C6−C18アリールは中断されていない;中断されたアリールアルキルまたはアルキルアリールは、アルキル部分に単位Dを含む。1つ以上のEによって置換され、および/または1つ以上の単位Dによって中断されたC1−C18アルキルは、例えば、(CH2CH2O)1-9−Rx[Rxは、HまたはC1−C10アルキルまたはC2−C10アルカノイル(例えばCO−CH(C25)C49)、CH2−CH(ORy’)−CH2−O−Ry[Ryは、C1−C18アルキル、C5−C12シクロアルキル、フェニル、C7−C15フェニルアルキルであり、Ry’は、Ryと同じ定義を包含するか、またはHである]];C1−C8アルキレン−COO−Rz、例えば、CH2COORz、CH(CH3)COORz、C(CH32COORz[RzはH、C1−C18アルキル、(CH2CH2O)1-9−Rxであり、Rxは、以上に示されている定義を包含する];CH2CH2−O−CO−CH=CH2;CH2CH(OH)CH2−O−CO−C(CH3)=CH2である。
【0086】
好適なアリーレン基は、1,4−フェニレン、2,5−トリレン、1,4−ナフチレン、1,9アントラシレン、2,7−フェナントリレンおよび2,7−ジヒドロフェナントリレンである。
【0087】
好適なヘテロアリーレン基は、2,5−ピラジニレン、3,6−ピリダジニレン、2,5−ピリジニレン、2,5−ピリミジニレン、1,3,4−チアジアゾール−2,5−イレン、1,3−チアゾール−2,4−イレン、1,3−チアゾール−2,5−イレン、2,4−チオフェニレン、2,5−チオフェニレン、1,3−オキサゾール−2,4−イレン、1,3−オキサゾール−2,5−イレンおよび1,3,4−オキサジアゾール−2,5−イレン、2,5−インデニレンおよび2,6−インデニレンである。
【0088】
本発明の別の態様は、本発明のポリマーから形成された膜である。当該膜をポリマー発光ダイオード(PLED)に使用することができる。好ましくは、当該膜は、発光層に使用される。これらの膜を電子素子のための保護被膜および蛍光被膜として使用することもできる。被膜または膜の厚さは、最終的な用途に応じて決まる。一般的に当該厚さは、0.01〜200ミクロンであり得る。該被膜が蛍光被膜として使用される実施形態において、被膜または膜の厚さは10〜200ミクロンである。該被膜が電子保護層として使用される実施形態において、被膜の厚さは、5〜20ミクロンであり得る。該被膜がポリマー発光ダイオードに使用される実施形態において、形成される層の厚さは、0.01〜0.5ミクロンである。本発明のポリマーは、ピンホールおよび欠陥のない良好な膜を形成する。当該膜を、スピン塗布、スプレー塗装、浸漬塗装およびローラ塗装を含む当該技術分野で周知の手段によって製造することができる。当該被膜は、組成物を基板に塗布し、塗布した組成物を、膜が形成される条件に曝すことを含む方法によって製造される。膜を形成する条件は、塗布技術に応じて決まる。好ましくは、溶液は、0.1〜10質量%のポリマーを含む。この組成物は、所望の方法によって適切な基板に塗布され、溶媒は蒸発される。残留溶媒を真空および/または熱乾燥によって除去することができる。膜は、好ましくは、厚さが実質的に均一であり、実質的にピンホールがない。別の実施形態において、ポリマーを部分的に硬化させることができる。これは、B−ステージングとして知られる。
【0089】
本発明のさらなる実施形態は、電子素子、または基板および本発明によるポリマーを含むその構成要素に関する。
【0090】
当該装置において、本発明によるポリマーは、エレクトロルミネセント材料として使用される。本発明の目的では、「エレクトロルミネセント材料」という用語は、エレクトロルミネセント装置における活性層として、または活性層に使用できる材料を指すものと捉えられる。「活性層」という用語は、電場が印加されると層が発光し得ること(発光層)、および/またはそれが正電荷および/または負電荷の注入および/または輸送を向上させること(電荷注入または電荷輸送層)を意味する。したがって、本発明は、また、エレクトロルミネセント材料としての本発明によるポリマーの使用に関する。本発明は、また、本発明によるポリマーを含むエレクトロルミネセント材料に関する。エレクトロルミネセント装置は、例えば、自光式ディスプレイ素子、例えばコントロールランプ、英数字表示装置、標識および光電子カプラーに使用される。
【0091】
本発明による装置を、その開示内容が参考として本明細書で援用されるWO99/48160の開示に従って製造することができる。本発明によるポリマーは、単独発光ポリマー、あるいは正孔および/または電子輸送ポリマーをさらに含むブレンドにおける成分として装置に存在してよい。あるいは、該装置は、本発明のポリマー、正孔輸送ポリマーおよび/または電子輸送ポリマーの異なる層を含むことができる。
【0092】
一実施形態において、電子素子は、
(a)正電荷キャリアを注入するための電荷注入層と、
(b)負電荷キャリアを注入するための電荷注入層と、
(c)本発明によるポリマーを含む層(a)と層(b)の間に配置された発光層とを含むエレクトロルミネセント装置を含む。
【0093】
層(a)は、発光層(c)と陽極電極層の間に配置される正電荷キャリア輸送層であってよく、または陽極電極層であってよい。層(b)は、発光層(c)と陰極電極層の間に配置される負電荷キャリア輸送層であってよく、または陰極電極層であってよい。場合により、有機電荷輸送層を発光層(c)と、層(a)および(b)を注入する電荷キャリアのうちの1つとの間に配置することができる。
【0094】
EL装置は、400nm〜780nm、好ましくは青色については430nm〜470nm、好ましくは緑色については520nm〜560nm、好ましくは赤色については600nm〜650nmの可視電磁スペクトルで発光する。特定の反復単位をポリマーの骨格に組み込むことによって、発光をさらに近赤外にシフトさせることができる(NIR、>780nm)。
【0095】
本発明による1つ以上のポリマーおよび場合によりさらなる異なるポリマーを含む材料のブレンドまたは混合物から発光層を形成できることが理解されるであろう。さらなる異なるポリマーは、いわゆる正孔輸送ポリマー(すなわち発光材料への正孔輸送の効率を向上させるポリマー)または電子輸送ポリマー(すなわち発光材料への電子輸送の効率を向上させるポリマー)であってよい。好ましくは、ブレンドまたは混合物は、少なくとも0.1質量%、好ましくは少なくとも0.5質量%、より好ましくは少なくとも1質量%の本発明によるポリマーを含む。
【0096】
有機EL装置は、典型的には、正のバイアスが装置に印加されると、正孔が陽極から有機膜に注入され、電子が陰極から有機膜に注入されるように陽極と陰極の間に狭持された有機膜からなる。正孔と電子の組み合せは、光子を放出することによって基底状態まで放射崩壊し得る励起子を発することができる。実際、陽極は、一般的にその導電性および透明性のために錫とインジウムの混合酸化物である。混合酸化物(ITO)は、有機膜によって放射された光を確認できるようにガラスまたはプラスチックなどの透明基板上に堆積される。有機膜は、それぞれ異なる機能向けに設計されたいくつかの個々の層の複合体であってよい。正孔は、陽極から注入されるため、陽極の次の層は、正孔を輸送する機能を有する必要がある。同様に、陰極の次の層は、電子を輸送する機能を有する必要がある。多くの場合、正孔−(電子)輸送層は、発光層としても作用する。場合によっては、1つの層が、正孔および電子輸送と発光の複合機能を発揮することができる。有機膜の個々の層は、本質的にすべてがポリマーであっても、ポリマーの膜と熱蒸着によって堆積された小分子の膜との組み合わせであってもよい。有機膜の全厚は、1000ナノメートル(nm)未満、特に500nm未満であってよい。好ましくは、全厚は300nm未満であり、より好ましくは、活性層の厚さは、40〜160nmの範囲である。
【0097】
基板および陽極としての役割を果たすITOガラスを、洗剤、有機溶媒による通常の洗浄およびUV−オゾン処理後の被膜に使用することができる。最初に、それに導電性物質の薄層を塗布して正孔注入を容易にすることができる。当該物質としては、銅フタロシアニン、ポリアニリン(PANI)およびポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が挙げられる;(ドープ)導電型の最後の2つは、例えば、FeCl3またはNa228がドープされている。それらは、水溶性を確保するために対イオンとしてポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)を含む。好ましくは、この層の厚さは、200nm以下である。より好ましくは、厚さは100nm以下である。
【0098】
正孔輸送層が使用される場合、米国特許第5,728,801号に記載のポリマーアリールアミンを使用することができる。ポリビニルカルバゾールなどの他の既知の正孔導電性ポリマーを使用することもできる。次に塗布されるコポリマー膜の溶液による浸食に対する、この層の抵抗性は、多層装置の成功裡の作製に明らかに重要である。この層の厚さは、500nm以下、好ましくは300nm以下、最も好ましくは150nm以下であってよい。
【0099】
電子輸送層が使用される場合、それを、低分子量材料の熱蒸発によって、または基底膜に有意な損傷をもたらすことのない溶媒によるポリマーの溶液塗装によって塗布することができる。
【0100】
低分子量材料の例としては、(Burrows et al.のAppl.Phys.Lett.64(1944)2718−2720に記載の)8−ヒドロキシキノリンの金属錯体、(Hamada et al.のChem.Lett.(1993)906−906に記載の)10−ヒドロキシベンゾキノリンの金属錯体、(Hamada et al.のOptoelectronics−Devices and Technologies 7(1992)83−93に記載の)1,3,4−オキサジアゾール、(Kido et al.のChem.Lett.(1996)47−48に記載の)1,3,4−トリアゾールおよび(Yoshida et al.のAppl.Phys.Lett.69(1996)734−736に記載の)ペリレンのジカルボキシミドが挙げられる。
【0101】
ポリマー電子輸送材料は、(Li et al.のJ.Chem.Soc.(1995)2211−2212、Yang and PeiのJ.Appl.Phys.77(1995)4807−4809に記載の)1,3,4−オキサジアゾール含有ポリマー、(Strukelj et al.のScience 267(1995)1969−1972に記載の)1,3,4−トリアゾール含有ポリマー、(Yamamoto et al.のJpn.J.Appl.Phys.33(1994)L250−L253、O’Brien et al.のSynth.Met.76(1996)105−108に記載の)キノキサリン含有ポリマーおよび(Weaver et al.のThin Solid Films 273(1996)39−47に記載の)シアノ−PPVによって例示される。薄層の厚さは、500nm以下、好ましくは300nm以下、最も好ましくは150nm以下であってよい。
【0102】
陰極材料を熱蒸発またはスパッタリングによって堆積することができる。陰極の厚さは、1nm〜10,000nm、好ましくは5nm〜500nmであってよい。
【0103】
本発明により製造されるOLEDは装置の発光層に分散されたリン光ドーパントを含み得るため、100%に近い内部量子効率を達成することが可能である。本明細書に使用されているように、「リン光」という用語は、有機または金属有機分子の三重項励起状態からの発光を指す。リン光ドーパントを使用する高効率有機発光装置が、いくつかの導電性母材を使用して実証された(M.A.Baldo et al.,Nature,Vol 395,151(1998)、C.Adachi et al.,Appl.Phys.Lett.,Vol.77,904(2000))。
【0104】
好適な実施形態において、エレクトロルミネセント装置は、電圧印加時に装置が順方向バイアスされると、正孔が陽極材料から正孔輸送ポリマー膜に注入され、電子が陰極材料から発光ポリマー膜に注入されて、発光層が発光するように、陽極材料と陰極材料の間に配置された、本発明のポリマーで構成される少なくとも1つの正孔輸送ポリマー膜および発光ポリマー膜を含む。
【0105】
別の好適な実施形態において、正孔輸送ポリマーの層は、陽極に近い層ほど低い酸化電位を有し、隣接層が漸次より高い酸化電位を有するように配置される。これらの方法によって、単位電圧当たりの光出力が比較的大きなエレクトロルミネセント装置を製造することができる。
【0106】
本明細書に使用されている「正孔輸送ポリマー膜」という用語は、電界が印加された、正孔が陽極から注入される2つの電子間に配置されると、正孔の発光ポリマーへの十分な輸送を可能にするポリマーの膜の層に関する。正孔輸送ポリマーは、典型的には、トリアリールアミン部分で構成される。本明細書に使用されている「発光ポリマー膜」という用語は、光子を放射することによってその励起状態が、好ましくは可視範囲の波長に対応する基底状態に緩和できるポリマーの膜の層を指す。本明細書に使用されている「陽極材料」という用語は、仕事関数が4.5電子ボルト(eV)〜5.5eVの半透明または透明の導電性膜を指す。例として、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、鉄、錫、クロミウム、チタン、バナジウム、コバルト、ニッケル、鉛、マンガンおよびタングステン等、金属合金、例えば、マグネシウム/銅、マグネシウム/銀、マグネシウム/アルミニウムおよびアルミニウム/インジウム等、半導体、例えば、Si、GeおよびGaAs等、金属酸化物、例えば、インジウム錫酸化物(「ITO」)およびZnO等、金属化合物、例えばCul等、ならびに電子伝導ポリマー、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールおよびポリパラフェニレン等が挙げられる。インジウムおよび錫の酸化物および混合酸化物、ならびに金が好適である。ITO、特に、基板としてのガラス上、またはポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック材料上のITOが最も好適である。
【0107】
本明細書に使用されている「陰極材料」という用語は、仕事関数が2.0eV〜4.5eVの導電性膜を指す。例として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第13族元素、銀および銅、ならびにその合金および混合物、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、フッ化リチウム(LiF)、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、バリウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−銅合金、マグネシウム−アルミニウム合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム−酸化アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、インジウム、カルシウム、およびEP−A499,011に例示されている材料、例えば導電性ポリマー、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。好ましくは、リチウム、バリウム、カルシウム、マグネシウム、インジウム、銀、アルミニウムまたは上記金属のブレンドおよび合金が使用される。金属または金属合金を電極の材料として使用する場合は、電極を真空蒸着法によって形成することもできる。電極を形成する材料として金属または金属合金を使用する場合、電極を、また、化学メッキ法によって形成することができる(例えば、Handbook of Electrochemistry,pp 383−387,Mazuren,1985を参照のこと)。導電性ポリマーを使用する場合、それを陽極酸化重合法によって膜に成形することで、導電性被膜が既に設けられている基板上に電極を作製することができる。
【0108】
前記薄膜を形成するための方法として、例えば、真空蒸着法、スピン塗布法、鋳造法、ラングミュア・ブロジェット(「LB」)法およびインクジェット印刷法等がある。なかでも、真空蒸着法、スピン塗布法、インクジェット印刷法および鋳造法が、扱いやすさおよびコストの点で特に好適である。
【0109】
スピン塗布法、鋳造法およびインクジェット印刷法を使用することにより層を形成する場合、組成物を0.0001〜90質量%の濃度で適切な有機溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリル、アニソール、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシドおよびその混合物に溶解させることによって調製された溶液を使用して塗装を実施することができる。
【0110】
大型高解像度ディスプレイのための活性マトリックスOLED(AMOLED)材料のパターニングを、レーザによる熱転写法(LITI;Organic Light−Emitting Materials and Devices VII、Zakya H.Kafafi,Paul A.Lane編、Proceedings of SPIE Vol.5519,12−23)を使用して実施することができる。
【0111】
本発明の有機EL装置は、壁掛テレビのフラットパネルディスプレイ、平面発光素子、例えば壁紙、コピー機もしくはプリンタの光源、液晶ディスプレイもしくはカウンタの光源、表示掲示板および信号灯に対する将来の代用技術と見なされ、恐らくさらには白熱灯および蛍光灯に取って代わるものと見なされる。本発明のポリマーおよび組成物を有機EL装置、光起電装置、電子写真感光体、光電変換素子、太陽電池および画像センサ等の分野に使用することができる。
【0112】
よって、本発明は、また、本発明によるポリマーを1つ以上含むPLED、有機集積回路(O−IC)、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機太陽電池(O−SC)、熱電装置または有機レーザダイオードに関する。
【0113】
以下の実施例は、例示の目的でのみ含められ、特許請求の範囲を制限するものではない。特に明記しない限り、すべての部および百分率は、質量部および質量百分率である。重量平均分子量(Mw)および多分散性(Mw/Mn=PD)はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定する[装置:屈折率(RI)、底角度光散乱(LALS)、直角光散乱(RALS)および示差粘度(DP)測定からの応答を示すViscotek(米国テキサス州ヒューストン)のGPCmax+TDA302。クロマトグラフィー条件:カラム:約1×10〜約2.5×106Daの分子量範囲を包含するPolymer Laboratories(英国チャーチストレットン)のPLgel混合C(300×7.5mm、5μm粒子);移動相:5g/lのトリフルオロ酢酸ナトリウムを含むテトラヒドロフラン;移動相流量:0.5〜0.7ml/分;溶質濃度:約1〜2mg/ml;注入容量:100μl;検出:RI、LALS、RALS、DP。分子量較正:1’930’000Da−5’050Da、すなわちPS1’930’000、PS1’460’000、PS1’075’000、PS56’0000、PS330’000、PS96’000、PS52’000、PS30’300、PS10’100、PS5’050Daの分子量範囲に及ぶ、Polymer Laboratories(英国チャーチストレットン)から入手した10セットのポリスチレン較正標準の仕様によって相対的較正を実施する。LALS、RALSおよびDPの応答に基づいて絶対的較正を実施する。多数の調査で認められた通り、この組合せは、分子量データの最適な計算を提供する。通常、PS96’000を分子量較正標準として使用するが、概して、測定すべき分子量範囲にある他のあらゆるPS標準をこの目的のために選択することができる。
【0114】
以下の実施例に示されるすべてのポリマー構造は、記載の重合手順を介して得られたポリマー製造物の理想化された代表例である。3つ以上の成分を互いに共重合すると、ポリマーにおける配列は、重合条件に応じて交互またはランダムであり得る。
【0115】
実施例
実施例1
【化52】

【0116】
a)4−クロロ−2,6−ジメチルヨードベンゼン(9.6g、36mmol)をピレン(60mL)に溶解させる。この溶液にKMnO4(28g、0.18mol)の熱溶液を注ぎ、該混合物を115℃で8時間撹拌する。さらに5時間加熱した後、1MのHCl溶液を添加する。沈殿物を濾別し、THFで洗浄する。得られた濾液をTHFで洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。蒸発後、ジカルボン酸誘導体を固体として得る。収量9.1g(78%)。FD−MS(8kV):m/z=326.7。

【0117】
【化53】

【0118】
b)5−クロロ−2−ヨード−イソフタル酸(実施例1aの製造物、3.8g、12mmol)をSOCl2(30mL、過剰)に添加し、該混合物を窒素下で2日間還流させる。過剰のSOCl2を減圧下で蒸発させ、次いで5−クロロ−2−ヨード−イソフタロイル二塩化物(4.2g、12mmol)を含む得られた油をジクロロメタン(50mL)に溶解させる。この溶液に対して1−フェニルドデカン(10g、47mmol)およびAlCl3(4.7g、35mmol)を0℃で添加する。該混合物を0℃〜室温にて終夜撹拌する。1MのHCl溶液で失活させた後、残渣をジクロロメタンで抽出する。該混合物をMgSO4で乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=80:1)で精製し、クロロ−ヨードジベンゾイルベンゼンを無色油として得る。収量2.3g(27%)。FD−MS(8kV):m/z=727.7。

【0119】
【化54】

【0120】
c)アルゴン下、ジベンゾイル誘導体(実施例1bの製造物、0.57g、0.22mmol)および銅粉末(0.11g、1.8mmol)をDMF(10mL)に添加する。該混合物を110℃で2日間撹拌する。冷却後、残渣を濾過し、酢酸エチルおよび塩水を濾液に添加する。有機相を塩水で3回洗浄し、MgSO4で乾燥させる。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=20:1)で精製し、ビフェニル誘導体を無色油として得る。収量0.52g(42%)。FD−MS(8kV):m/z=1202.3。

【0121】
【化55】

【0122】
d)アルゴン下、ビフェニル誘導体(実施例1cの製造物(0.26g、0.22mmol))およびビス(トリシクロヘキシル錫)スルフィド(0.70g、0.91mmol)をトルエン(50mL)に溶解させる。該溶液に対して、ジクロロメタン(0.91mL、0.91mmol)中1MのBCl3を添加する。該混合物を室温で10分間撹拌し、125℃で3日間還流させる。冷却後、溶媒を蒸発させ、酢酸エチルおよび塩水を濾液に添加する。有機相を塩水で3回洗浄し、MgSO4で乾燥させる。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)で生成して、新たな2,7−ジクロロピレン誘導体を粉末として得る。収量80mg(33%)。FD−MS(8kV):m/z=1135.9。

【0123】
実施例2
【化56】

【0124】
a)オリゴ(2,7−ピレニレン)の合成:
DMF(3.5mL)および乾燥トルエン(3.5mL)、(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(64mg、0.23mmol)、2,2’−ビピリジル(36mg、0.23mmol)および1,5−シクロオクタジエン(28μL、0.23mmol)を含むシュレンク管をアルゴン下、80℃にて30分間加熱する。2,7−ジクロロ−(4,5,9,10−テトラフェニル)−ピレン誘導体(実施例1dの製造物、0.11g、97μmol)を乾燥トルエン(5mL)に溶解させ、アルゴン下、該溶液に添加する。反応混合物を暗所にて3日間80℃に維持する。ブロモベンゼン(0.1mL)を反応混合物に添加する。該混合物をさらに一日間反応させる。次いで、反応混合物を濃塩酸/メタノール1:1(300ml)に注ぎ込む。単離したポリマーをジクロロメタンに溶解させ、メタノール中で再沈殿させる。残渣をソックスレー抽出器で精製し、アセトン中で2日間小分子を洗い落とす。残渣をTHFに溶解させ、メタノールから沈殿させ、乾燥させる。収率0.056g(54%)。

【0125】
b)ポリ(2,7−ピレニレン)の合成:
DMF(3mL)および乾燥トルエン(2mL)、(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(58mg、0.21mmol)、2,2’−ビピリジル(33mg、0.21mmol)および1,5−シクロオクタジエン(26μL、0.21mmol)を含むマイクロ波用サンプル管をアルゴン下、80℃にて30分間加熱する。2,7−ジクロロピレン誘導体(実施例1dの製造物、0.1g、88μmol)を乾燥トルエン(3mL)に溶解させ、アルゴン下、該溶液に添加する。反応混合物をマイクロ波中80℃にて維持、反応させる(80W、60分)。ブロモベンゼン(0.2mL)を反応混合物に添加し、混合物をマイクロ波中で反応させる(80W、30分)。次いで、反応混合物を濃塩酸/メタノール1:1(300mL)に注ぎ込む。沈殿したポリマーを濾過し、ジクロロメタンに溶解させ、メタノール中で再沈殿させる。残渣をソックスレー抽出器で精製して、アセトン中で2日間小分子を洗い落とす。残渣をTHFに溶解させ、メタノールから沈殿させ、乾燥させる。収率66mg(66%)。

【0126】
Mn=21800g/mol;Mw=39000g/mol PD=1.7(PPP標準)
1,2−ジクロロベンゼンでの吸収極大は376nmに観察され、蛍光極大は429nmに生じる。
【0127】
実施例3−ポリ[2,7−(4,5,9,10−テトラアルコキシ)ピレニレン]
【化57】

【0128】
DMF(2mL)および乾燥トルエン(2mL)、(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(0.13g、0.48mmol)、2,2’−ビピリジル(76μg、0.48mmol)および1,5−シクロオクタジエン(60μL、0.48mmol)を含むマイクロ波用サンプル管をアルゴン下で80℃にて30分間加熱する。2,7−ジブロモ−(4,5,9,10−テトラアルコキシ)−ピレン(0.2g、0.20mol)を乾燥トルエン(3mL)に溶解させ、アルゴン下、該溶液に添加する。反応混合物をマイクロ波中80℃にて維持、反応させる(80W、60分)。ブロモベンゼン(0.2mL)を反応混合物に添加し、混合物をマイクロ波中で反応させる(80W、30分)。次いで、反応混合物を濃塩酸/メタノール1:1(300mL)に注ぎ込む。沈殿したポリマーを濾過し、ジクロロメタンに溶解させ、メタノール中で再沈殿させる。残渣をソックスレー抽出器で精製し、アセトン中で2日間小分子を洗い落とす。残渣をTHFに溶解させ、メタノールから沈殿させ、乾燥させる。収率0.1g(50%)。
【0129】

【0130】
GPS分析は、Mn=29700g/mol、Mw=58800g/molおよび多分散性PD=2.0(PPP標準)を示した。
【0131】
THF溶液および薄膜における光学特性を測定したところ、それぞれ371および375nmに吸収極大λmaxが示された。放出極大は、該溶液および膜についてそれぞれ441および451nmの青色範囲にある。
【0132】
実施例4
a)2,7−ジブロモピレン−4,5,9,10−テトラノン
【化58】

【0133】
a)J.Org.Chem.2005,70,707−708に従って、4,5,9,10−ピレンテトラノンを、ピレンから出発して1つの工程で得る。
【0134】
3gのピレン−4,5,9,10−テトラノンを80mlの濃H2SO4に溶解させる。室温にて、過剰の2.2当量N−ブロモスクシンイミド(NBS)を徐々に添加する。反応混合物をさらに1時間撹拌し、最後に氷水に入れる。沈殿後、製造物を濾過し、水で洗浄する。粗製物をメタノール中で撹拌し、乾燥させ、エチルエーテル中および最終的に塩化メチレン中で再び煮沸する。2,7−ジブロモピレン−4,5,9,10−テトラノンを78%の収率で得る。
【0135】
FD−MS(8KV):m/z420.1(100%)、計算値420.0。

【0136】
【化59】

【0137】
b)2,7−ジブロモピレン−4,5,9,10−テトラアルコキシピレン
2,7−ジブロモピレン−4,5,9,10−テトラノン(0.50g、1.2mmol)、n−Bu4NBr(0.50g、1.5mmol)、Na224(2.5g、14mmol)、THF(8mL)およびH2O(4mL)の混合物を25℃で10分間撹拌する。1−ブロモ−2−ヘキシルデカン(1.7g、7.9mmol)および水酸化カリウム(4mL、36mmol)を該溶液に添加し、該混合物を70℃で5時間撹拌する。次いで、THFおよび塩水を添加し、有機相を塩水で(3回)洗浄し、MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:CH2Cl2=10:1)で精製し、無色油(0.62g)を53%の収率で得る。
【0138】
FD−MS(8KV):m/z986.3(100%)、計算値985.1。

【0139】
実施例5
【化60】

【0140】
a)2,7−ジブロモピレンの合成がJ.Org.Chem.1986,51,2848に記載されている。5.3g(25mmol)のNalO4、25mLのH2Oおよび0.14gのRuCl3xH2Oを20mLのCH2Cl2および20mLのCH3CN中1g(2.8mmol)の2,7−ジブロモピレンの溶液に添加する。暗褐色の懸濁液を終夜50℃に加熱する。反応混合物を100mLのH2Oに注ぎ込み、100mLのTHFで抽出する。有機相を分離し、濃縮する。粗製物の2,7−ジブロモピレン−4,5,9,10−テトラノンを赤色オレンジ色の物質として得る(収率<15%、m/z420.0)。
【0141】
実施例6
【化61】

【0142】
a)6,11−ジブロモ−1,2,3,4−テトラフェニルトリフェニレン(1.1g、1.6mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.9g、3.5mmol)、AcOK(0.5g、4.7mmol)をシュレンクフラスコに充填し、17mlのジオキサンに溶解させる。混合物全体を脱気し、触媒[PdCl2(dppf)]CH2Cl2(0.065g、0.08mmol)を添加し、反応混合物全体を20時間90℃まで加熱する。溶媒を減圧下で除去し、製造物を、最後に、ヘキサン:ジクロロメタン(1:3)を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製し、所望の製造物(0.309g、25%)を得る。
【0143】
【化62】

【0144】
b)トルエン(4.5mL)中2,7−ジ−4,4,5,5−テトラメチル(9,10,11,12−テトラフェニル−トリフェニレン−2−イル)−[1,3,2]ジオキサボロラン(0.309g、0.39mmol)、2,7−ジブロモ−4,5,9,10−テトラキス−(3,7−ジメチル−オクチルオキシ)−ピレン(0.388g、0.39mmol)、K2CO3水溶液(3ml/2M)、Aliquat(登録商標)336(0.04g、0.1mmol)およびPd(PPh34(0.023g、0.02mmol)の懸濁液を、アルゴンでパージされ密封された、磁気撹拌棒を備えたマイクロ波管に充填する。該混合物をCEMディスカバーマイクロ波中50Wで激しく撹拌し、冷却しながら活性化させ、温度を5時間100℃に維持する。続いて、脱気トルエン(3ml)中ブロモベンゼン(0.56g、3.6mmol)およびベンゼンボロン酸(0.28g、2.3mmol)を反応混合物に添加し、それぞれ1/2時間100℃で撹拌する。室温にて、有機相を抽出し、シアン化ナトリウム水溶液(1%、2×50ml)で洗浄する。有機層を再びトルエンで抽出し、該溶液を、高粘度溶液が得られるまで真空中で濃縮する。ポリマーを300mlのメタノールに徐々に添加することにより沈殿させる。ポリマーを濾別し、続いてメタノール、水、アセトン、そしてメタノールで洗浄する。ポリマーを再びトルエンに溶解させ、シアン化ナトリウム水溶液(1%、100ml)中で90℃にて2時間激しく撹拌する。有機層を抽出し、濃縮し、最後に過剰のメタノールに注ぎ込む。ポリマーを濾別し、オリゴマー分を抽出(1日/ソックスレー装置/酢酸エチル)によって除去する。ポリマーの収量:0.28g(52%)。
【0145】
GPC分析:Mw=12.4×103gmol-1、PDI=1.4(PPP標準)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式
【化1】

[式中、
1、R2、R3、R4、R5およびR6は、互いに独立して、水素、F、SiR100101102、または有機置換基であり、あるいは
1およびR2、R3およびR4、および/または互いに隣接する置換基R1、R2、R3、R4、R5および/またはR6のいずれかは、一緒になって、場合により置換され得る芳香族または芳香族複素環または環系を形成し、
mは0、または整数1もしくは2であり、
1およびn2は0、または整数1もしくは2であり、
100、R101およびR102は、互いに独立して、C1−C18アルキル、置換または非置換C6−C18アリールであり、
Ar1およびAr2は、それぞれ互いに独立して、置換または非置換アリーレン、またはヘテロアリーレン基である]の反復単位を含むポリマー。
【請求項2】
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、H、F、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシ、C1−C18ペルフルオロアルキル、C6−C24アリール、Gによって置換されたC6−C24アリール、C2−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2−C20ヘテロアリールであり;
各基R5およびR6は、各存在において互いに独立して、H、ハロゲン、特にF、C1−C18アルキル、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C6−C24アリール、Gによって置換されたC6−C24アリール、C2−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2−C20ヘテロアリール、C2−C18アルケニル、C2−C18アルキニル、C1−C18アルコキシ、Eによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシ、C7−C25アラルキル、CNまたは−CO−R28であり、
mは0、または整数1もしくは2であり、
Dは、−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO2−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−;−CR23=CR24−;または−C≡C−であり;
Eは、−OR29;−SR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;またはハロゲン、特にFであり、
Gは、E、C1−C18アルキル、Dによって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18ペルフルオロアルキル、C1−C18アルコキシ、またはEによって置換され、および/またはDによって中断されたC1−C18アルコキシであり、
23、R24、R25およびR26は、互いに独立して、H;C6−C18アリール;C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;C1−C18アルキル;または−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり;
27は、H;C6−C18アリール;C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;特にC1−C18アルキル;または−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり、
28は、H;C6−C18アリール;C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;C1−C18アルキル;または−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり、
29は、H;C6−C18アリール;C1−C18アルキルまたはC1−C18アルコキシによって置換されたC6−C18アリール;C1−C18アルキル;または−O−によって中断されたC1−C18アルキルであり、
30およびR31は、互いに独立して、C1−C18アルキル、C6−C18アリール、またはC1−C18アルキルによって置換されたC6−C18アリールであり、
32は、C1−C18アルキル、C6−C18アリール、またはC1−C18アルキルによって置換されたC6−C18アリールである、式Iの反復単位を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
ポリマーが、式
【化2】

[式中、
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、C6−C12アリール、または1つ以上のG基によって場合により置換されていてよいC2−C11ヘテロアリールであり、Gは、請求項2に定義されている通りであり、あるいは
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、C1−C18アルキル、−O−によって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ;または−O−によって中断されたC1−C18アルコキシである]の反復単位を含有する、請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、
【化3】

であり、ここでn3は0、または整数1、2、3、4もしくは5であり、R11は、それぞれの存在において同一であっても異なっていてもよく、C1−C25アルキルまたはC1−C25アルコキシであり、あるいは
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、C1−C18アルキル、−O−によって中断されたC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ;または−O−によって中断されたC1−C18アルコキシである、請求項3に記載のポリマー。
【請求項5】

【化4】

[式中、
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

である]
の反復単位を含む、請求項4に記載のポリマー。
【請求項6】
【化5−1】

【化5−2】

【化5−3】

である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のポリマーを含む電子素子またはその構成要素。
【請求項8】
ポリマー発光ダイオード(PLED)における、特にエレクトロルミネセント材料としての、請求項1〜6のいずれかに記載のポリマーの使用。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載のポリマーを1つ以上含む、PLED、有機集積回路(O−IC)、有機電界トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機太陽電池(O−SC)、熱電装置、エレクトロクロミック素子または有機レーザダイオード。
【請求項10】

【化6】

[式中
Ar1、Ar2、n1、n2、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびmは、請求項1に定義されている通りであり;
11は、それぞれの存在において独立して、ハロゲン原子、特にI、ClまたはBr;−ZnX12、−SnR207208209[R207、R208およびR209は同一であるか、または異なっており、HまたはC1−C6アルキルであり、ここで2つの基が場合により共通の環を形成し、これらの基は、場合により分枝状または非分枝状であり、X12はハロゲン原子、とりわけIまたはBrである];あるいは−OS(O)2CF3、−OS(O)2−アリール、特に
【化7】

、−OS(O)2CH3、−B(OH)2、−B(OY112
【化8】

、−BF4Naまたは−BF4Kであり、ここでY11は、それぞれの存在において独立して、C1−C10アルキル基であり、Y12は、それぞれの存在において独立して、C2−C10アルキレン基、例えば−CY1314−CY1516−または−CY1718−CY1920−CY2122−であり、ここでY13、Y14、Y15、Y16、Y17、Y18、Y19、Y20、Y21およびY22は、互いに独立して、水素、またはC1−C10アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−または−C(CH32CH2C(CH32−である]の化合物。
【請求項11】

【化9】

[式中、
11、Ar1、Ar2、n1、n2、R5、R6およびmは、請求項10に定義されている通りである]の化合物。
【請求項12】

【化10】

の化合物の製造方法であって、式
【化11】

の化合物と臭素化剤、例えばN−ブロモスクシンイミド(NBS)または1,3−ブロモ−5,5−ジメチルダントインとを反応させることを含み、上記式中、X11はBrであり、n1およびn2は0であり、Ar1、Ar2、R5、R6およびmは請求項10に定義されている通りである、製造方法。

【公表番号】特表2011−526630(P2011−526630A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515290(P2011−515290)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057126
【国際公開番号】WO2010/006852
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【出願人】(390040420)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ (54)
【氏名又は名称原語表記】Max−Planck−Gesellschaft zur Foerderung der Wissenschaften e.V.
【Fターム(参考)】