説明

新規デンドリマー及びそれを用いた発光素子

【課題】 溶解性および発光強度が高く、濃度消光が抑制され、発光性色素をコアとするデンドリマーを提供する。
【解決手段】 新規デンドリマーは、反応性基を有する発光性化合物(スクアリリウム系化合物、ペリレン系化合物などの発光性色素)と、発光性化合物の反応性基に結合し、かつ下記式(1)で表される少なくとも1つの繰り返し単位と、下記式(2)で表され、かつ末端を構成する単位とで構成された第n世代(n=1〜5)のデンドロンとで構成されている。
【化1】


(式中、X1及びX2はそれぞれ連結基、pは0又は1、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、炭化水素環基を示す)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光性化合物とデンドロンとが結合した新規デンドリマー及びそれを用いた発光素子(有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子)に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL材料には低分子材料と高分子材料が知られており、低分子材料では真空蒸着法により製膜して有機ELが製造されている。一方、後者の有機EL材料に関し、有機EL素子の発光層には、通常、発光量子収率の大きい蛍光色素が添加される。特開2004−123595号公報(特許文献1)には、アゼピン化合物と、このアゼピン化合物を発光層に含む有機EL素子が開示されている。
【0003】
このような発光層を有機高分子と発光性化合物(又は蛍光色素)とで構成すると、発光性化合物の含有量を高めても発光強度が向上しない現象、すなわち濃度消光が生じる。また、発光性化合物は、通常、溶媒や有機高分子に対する溶解性や親和性が低いため、発光性化合物の含有量が制約される。さらに、発光性化合物の添加に伴って発光のための駆動電圧が高くなるため、低電圧で発光させることができない。
【0004】
特開2004−55355号公報(特許文献2)には、透明基板と、この透明基板上に配置され、マトリックス樹脂と蛍光変換色素とデンドリマーとを含む色素変換層とを備えた色変換フィルタが開示されている。この文献には、蛍光変換色素とデンドリマーとが共有結合を介して結合していること、デンドリマーに蛍光変換色素が包接されていることも記載され、前記蛍光変換色素として、ローダミン色素、シアニン色素、ピリジン色素、オキサジン色素、クマリン色素、クマリン色素系染料、ナフタルイミド系色素が例示されている。前記特許文献2には、トリフェニルエタンをコアとし、このコアにローダミンBとデンドリマーとが結合したローダミンB−デンドリマー結合体が具体的に記載されているが、他の色素とデンドリマーとの結合については記載されていない。
【0005】
特開2004−99874号公報(特許文献3)には、置換基を有していてもよい二価の有機基である線状部Xと、置換基を有していてもよい三価の有機基である分岐部Yとからなる式:−X−Y< で表される単位であって、前記線状部Xが少なくとも1つのチエニレン構造を含み、かつ前記分岐部と少なくとも部分的に共役しているデンドリマーが開示されている。この文献には、前記デンドリマーを用いた電子デバイス素子(発光デバイス素子など)も記載されている。しかし、特許文献2のデンドリマーはチエニレン構造を含むため発光色が制限される可能性がある。
【0006】
なお、「Synthetic Metals」Vol.102, 1571-1574(1999)(非特許文献1)には、コアをジスチルベンゼンで構成し、端部がスチルベンである共役型デンドリマーをホール輸送層材料として用い、発光材料としてピリジンポリマーを用いた二層構造のEL素子が開示されている。「化学工業」((株)化学工業社発行)8月号26〜30頁(2001)(非特許文献2)には、フッ素化フェニレンデンドリマーを電子輸送層に用いた多層型EL素子が開示されている。
【特許文献1】特開2004−123595号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2004−55355号公報(特許請求の範囲、段落番号[0022]〜[0030])
【特許文献3】特開2004−99874号公報(特許請求の範囲、実施例2)
【非特許文献1】「Synthetic Metals」Vol.102, 1571-1574(1999)
【非特許文献2】「化学工業」((株)化学工業社発行)8月号26〜30頁(2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、濃度消光を低減できるとともに、低電圧で発光可能な新規デンドリマーおよびそれを用いた発光素子(有機EL素子)を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、溶剤に対する溶解性や有機高分子に対する親和性が高く、発光強度を向上できる新規デンドリマーおよびそれを用いた発光素子を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、駆動電圧が低く発光効率が高い発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、発光性化合物(発光色素など)にデンドロン(樹状側鎖)を結合させると、溶剤に対する溶解性、有機高分子に対する親和性を向上できるとともに、濃度消光を著しく抑制でき、駆動電圧が低く、かつ発光効率の高い有機EL素子が得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の新規デンドリマーは、反応性基を有する発光性化合物と、この発光性化合物の反応性基に結合したデンドロンとで構成されている。すなわち、発光性化合物とデンドロンとが直接結合している。本発明の新規デンドリマーは、前記発光性化合物とデンドロンとが結合しているため、発光性化合物の溶剤に対する溶解性や樹脂に対する親和性を向上できるとともに、発光強度を高めることができる。さらに、濃度消光を低減でき、高濃度に含有させて効率よく発光できる。さらには、デンドロンが、発光性化合物(発光性色素など)へのキャリアの捕捉を抑制するためか、駆動電圧が低くても効率よく発光できる。そのため、新規デンドリマーは、発光素子用又は有機EL用新規デンドリマーということもできる。
【0012】
前記デンドリマーにおいて、デンドロンは、下記式(1)で表される少なくとも1つの繰り返し単位と、下記式(2)で表され、かつ末端を構成する単位とで構成された第n世代(n=1〜5)のデンドロンであってもよい。
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、X1及びX2はそれぞれ連結基、pは0又は1、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、又は炭化水素環基を示す)
前記式において、R1及びR2はt−ブチル基などであってもよい。デンドリマーにおいて、発光性化合物からのデンドロンの分岐数mは1〜3程度であってもよく、デンドロンは第n世代(n=1〜4)のデンドロンであってもよい。前記発光性化合物は、発光性色素、電荷輸送剤、電子輸送剤及びホール輸送剤から選択された少なくとも一種の化合物であってもよい。具体的には、発光性化合物は、縮合多環式炭化水素類(ペリレン系化合物など)、複素環化合物又は縮合複素環化合物(スクアリリウム系化合物、クマリン系化合物、ピラジン系化合物、キナクリドン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピロメテン系化合物、オキサジアゾール系化合物、フルオレン系化合物、スチリルベンゼン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物など)から選択された少なくとも一種であってもよい。前記発光性化合物は、発光性色素(又は蛍光色素)である場合が多い。
【0015】
本発明は、電極間に有機層を備えた発光素子であり、前記有機層に前記デンドリマーが含有されている発光素子も含む。この発光素子において、前記有機層はデンドリマーを含む発光層であってよい。また、発光層は、デンドリマーと少なくとも一種の高分子とで構成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、発光性化合物とデンドロン(樹状側鎖)とを結合させているため、濃度消光を低減できるとともに、低電圧で発光可能である。また、溶剤に対する溶解性や有機高分子に対する親和性が高く、発光強度を大きく向上できる。さらに、キャリアが発光性化合物に捕捉されるのをデンドロンが規制するためか、駆動電圧を低減できる。そのため、駆動電圧が低く発光効率が高い有機EL素子を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[発光性化合物]
発光性化合物は、蛍光化合物及び/又はリン光化合物であってもよく、発光性(特に電気的作用により発光可能な化合物)を有する限り、電荷輸送剤、電子輸送剤およびホール輸送剤であってもよい。また、発光性化合物はデンドロン(樹状側鎖)との結合部位(すなわち、デンドロンに対する反応性基)を有していればよい。
【0018】
発光性化合物(蛍光又はリン光色素などの発光性色素、以下、色素を含めて単に化合物という)としては、例えば、スチリル系化合物(スチリルベンゼン系化合物など)、縮合多環式炭化水素類(ルブレン系化合物、ピレン系化合物、ジベンゾクリセン系化合物などのクリセン系化合物、ペリレン系化合物、コロネン系化合物、フルオレン系化合物など)、トリフェニレン系化合物(ジビニルフェニル結合トリフェンニン系化合物などを含む)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択された少なくとも一種のヘテロ原子を含む複素環化合物又は縮合複素環化合物(スクアリリウム系化合物、クマリン系化合物、ピラジン系化合物、キナクリドン、ジメチルキナクリドン、ジエチルキナクリドンなどのキナクリドン系化合物、ナフタルイミド系化合物(カルバゾール−ナフタルイミド系化合物などを含む)、ピロメテン系化合物、ピラン系化合物、カルバゾール系化合物、ベンズオキサゾール系化合物(メチル置換ベンズオキサゾール系化合物などを含む)、ベンズイミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ローダミン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物、オキサジン系化合物、トリアリールピラゾリン系化合物、ピリジン系化合物(ジピラゾールピリジン系化合物、キンキピリジン系化合物を含む)、ビチアゾール系化合物など)、ジピリリルジシアノベンゼン系化合物、アリールアミン系化合物、ボリル系化合物(ジメシチルボリルアントラセン系化合物などを含む)、ポルフィリン系化合物など;金属錯体、例えば、リチウム系錯体、マグネシウム系錯体、亜鉛系錯体、ルテニウム系錯体、銅系錯体、ボロン系錯体、ランタニド系錯体、オキサジアゾール−べリリウム系錯体、ユーロピウム系錯体(テルビウム置換ユーロピウム系錯体を含む)、ホスフィン−金錯体、テルビウム系錯体、アルミニウム系錯体(チオフェン−アルミニウム系錯体を含む)などが例示できる。これらの化合物は、置換基(C1-4アルキル基、カルボニル基、ジアルキルアミノ基、シアノ基など)を有していてもよい。
【0019】
さらに、電荷輸送剤(電荷輸送能を有する化合物)としては、例えば、バソフェナントロリン系化合物などが例示できる。電子輸送剤(電子輸送性発光化合物又は電子注入輸送剤)としては、例えば、オキサジアゾール系化合物などが例示できる。
【0020】
ホール輸送剤(ホール輸送性発光化合物又はホール注入輸送剤)としては、例えば、スピロ系化合物、イソインドール系化合物(イソインドール、ポリイソインドールなど)、ピラゾリン系化合物、トリアリールアミン系化合物(トリフェニルアミン系化合物など)、インドロカルバゾール系化合物、カルコケニド系化合物、フルオレニル基含有化合物などが例示できる。
【0021】
これらの発光性化合物のうち発光性色素、例えば、スチリルベンゼン系化合物、縮合多環式炭化水素類(ペリレン系化合物、フルオレン系化合物など)、複素環化合物又は縮合複素環化合物(スクアリリウム系化合物、クマリン系化合物、ピラジン系化合物、キナクリドン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピロメテン系化合物、オキサジアゾール系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物など)を用いる場合が多い。なお、複素環化合物又は縮合複素環化合物は、通常、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子(特に、窒素原子及び酸素原子)から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環の構成原子として含む5又は6員環を有する場合が多く、5又は6員環は芳香族性であってもよく、非芳香族性であってもよい。
【0022】
これらの発光性化合物は反応性基を有する。この反応性基の種類は、デンドロンに対して結合可能である限り特に制限されず、例えば、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素原子など)、反応性金属原子(リチウム原子など)、ヒドロキシル基又はその反応性誘導基(低級アルコキシ基など)、メルカプト基、カルボキシル基又はその反応性誘導体基(アシルハライド基(ハロホルミル基)、酸無水物基など)、アミノ基又はイミノ基、エポキシ基(又はグリシジル基)、イソシアネート基などが例示できる。反応性基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基又は酸無水物基などであってもよい。なお、反応性基を有していない発光性化合物には、単一又は複数の公知の化学反応を利用して反応性基を導入できる。
【0023】
[デンドリマー]
本発明のデンドリマー(又は発光素子用デンドリマー)は、前記発光性化合物(コア)の反応性基に対してデンドロン(樹木状側鎖又は超分岐側鎖)が結合した構造を有する。このデンドロンは非芳香族性基で構成してもよいが、芳香族性基を有しているのが好ましい。また、発光性化合物(コア)に対してデンドロンは共役又は非共役の関係で結合していてもよく、通常、非共役又は非伝導性(又は非導電性)の関係で結合している場合が多い。さらに、デンドロンを構成するデンドリック構造単位は互いに共役又は非共役の関係で結合していてもよく、通常、非共役又は非伝導性(又は非導電性)の関係で結合している場合が多い。
【0024】
発光性化合物(コア)とデンドロンとは前記式(1)の連結基X1を介して結合し、単位(1)の結合手のうち連結基X1を含まない遊離の結合手は単位(2)の結合手(連結基X2を含む結合手)と結合する。発光性化合物の反応性基とデンドロンの官能基との反応には、種々の反応、例えば、ハロゲン原子や反応性金属原子(リチウム原子など)と、活性水素原子(又は活性水素原子を有する官能基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基など)との反応、ヒドロキシル基又はその反応性誘導基(低級アルコキシ基など)やメルカプト基と、ハロゲン原子、カルボキシル基又は酸無水物基、アルコキシシリル基、及び/又はイソシアネート基との反応、カルボキシル基又はその反応性誘導体基(アシルハライド基、酸無水物基など)と、ヒドロキシル基、アミノ基、及び/又はエポキシ基との反応、アミノ基又はイミノ基と、カルボキシル基、エポキシ基、及び/又はイソシアネート基との反応、エポキシ基(又はグリシジル基)とカルボキシル基、及び/又はアミノ基との反応、イソシアネート基とヒドロキシル基、及び/又はアミノ基などとの反応などが例示できる。また、ハロゲン原子などを利用したカップリング反応なども利用できる。
【0025】
前記式(1)及び(2)において、連結基X1及びX2としては、直接結合(p=0)、酸素原子(エーテル結合)、硫黄原子(スルフィド結合)、窒素原子、アルキレン基(直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキレン基)、アルキレンオキシ基[基−RO−又は−OR−(Rは直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキレン基)]、エステル結合(−COO−又は−OCO−)、イミド結合(ジカルボン酸イミド結合を含む)、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合などが例示できる。これらの連結基X1及びX2はそれぞれ同一であってもよく互いに異なっていてもよい。連結基X1及びX2は、通常、直接結合(p=0)、エーテル結合、アルキレンオキシ基[基−RO−又は−OR−(Rは直鎖状又は分岐鎖状C1-2アルキレン基)]である場合が多い。連結基X1はジカルボン酸イミド結合などを構成してもよい。式中、係数pは0又は1である。
【0026】
前記式(2)において、R1及びR2としては、水素原子、ハロゲン原子(フッ素、臭素、塩素又はヨウ素原子)、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルコキシ基)、環状炭化水素基(例えば、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、フェニル基などのC6-10アリール基)などが例示できる。好ましい置換基R1及びR2は、バルキーな置換基、例えば、t−ブチル基などの分岐鎖状C3-5アルキル基である。置換基R1及びR2は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
【0027】
代表的なデンドロンは、少なくとも1つの前記式(1)で表される単位(少なくとも1つの繰り返し単位)を有し、かつ規則的な分岐構造を有しているが、分岐構造が規則的でないハイパーブランチ(超分岐)構造であってもよい。前記式(1)で表されるn個の繰り返し単位と、前記式(2)で表される2n個の単位とで第n世代(Gn)デンドロンを構成できる。例えば、1つの前記式(1)で表される繰り返し単位と、2つの前記式(2)で表される単位とで第1世代(G1)デンドロン、2つの前記式(1)で表される繰り返し単位と、4つの前記式(2)で表される単位とで第2世代(G2)デンドロン、3つの前記式(1)で表される繰り返し単位と、8つの前記式(2)で表される単位とで第3世代(G3)デンドロンを構成できる。デンドロンの世代nは、1〜5(好ましくは1〜4)程度である。なお、第0世代(G0)のデンドロン(モノマー)は、前記式(2)で表される単位に対応させることができる。
【0028】
さらに、発色性化合物の価数(又は反応性基の数)をmとすると、分岐数(又は結合数)mの第n世代のデンドリマーを得ることができる。分岐数mは、1〜5程度、通常、1〜3程度である。デンドリマーの世代nは、1〜10、好ましくは1〜5(例えば、2〜5)程度であってもよい。好ましいデンドリマーは、分岐数m=1の第n世代(Gn,n=1〜5、好ましくは1〜4(例えば、2〜4)程度)のデンドリマー、分岐数m=2の第n世代(Gn,n=1〜4、好ましくは2〜4程度)のデンドリマー、分岐数m=3の第n世代(Gn,n=1〜4、好ましくは2〜4程度)のデンドリマーである。デンドリマーは、分岐数m=2の第n世代(Gn,n=2〜3程度)のデンドリマーである場合が多い。
【0029】
なお、デンドリマーの世代が大きくなると、溶剤に対する溶解性や有機高分子との親和性を向上させることができるとともに、発光強度も向上できる。さらに、デンドリマーの世代が大きくなると、発光のための駆動電圧を低減できるとともに、濃度消光を低減でき、高濃度に含有させても効率よく発光できる。そのため、本発明のデンドリマーは、発光素子の発光材料、例えば、有機EL素子の発光層を構成する色素(例えば、製膜性色素、ドーパント色素など)として利用できる。
【0030】
デンドロンは、公知乃至慣用の方法で調製でき、種々の書籍や文献、例えば、Tetrahedron, 58 (2002) 825-843などを参照できる。また、デンドリマーは、公知乃至慣用の方法、例えば、コアとなる発光性化合物にモノマーを逐次結合させて枝分かれさせていくダイバージェント(Divergent)法、予め枝状デンドロンを調製し、コアとなる発光性化合物に結合させるコンバージェント(Convergent)法、これらを組み合わせた方法などを利用して調製できる。これらの反応には、クロスカップリング反応などの公知又は慣用の反応が利用できる。
【0031】
本発明の新規デンドリマー(又は発光素子用デンドリマー)のうち第2世代のデンドロンを有するデンドリマーは、例えば、下記式で表すことができる。
【0032】
【化2】

【0033】
(式中、Aは発光性化合物の残基、mは分岐数1〜3を示し、X1,X2,p,R1,R2は、前記に同じ)
[発光素子]
本発明の発光素子(又は有機EL素子)は、一対の電極と、この電極間に介在する有機層とで構成されており、この有機層は少なくとも前記デンドリマー(発光性デンドリマー)を含んでいる。前記有機層は少なくとも1つの層で構成すればよく、代表的な例では、前記有機層は、発光層単独、正孔輸送層と発光性電子輸送層との組合せ、発光性正孔輸送層と電子輸送層との組合せ、正孔輸送層と発光層と電子輸送層との組合せで構成してもよい。好ましい態様において、前記デンドリマーは発光層に含有されている。
【0034】
図1は、本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。この例では、有機EL素子は、透明基板(ガラス基板など)1に形成された透明電極(陽極)2と、この透明電極上に形成された正孔輸送層5と、この正孔輸送層上に形成された発光層4と、この発光層上に形成された電子輸送層6と、この電子輸送層上に形成された陰極3とで構成された積層構造を有しており、前記陽極2及び陰極3には、それぞれリード線9a及び9bが接続されている。
【0035】
図2は本発明の有機EL素子の他の例を示す概略断面図である。図2に示す有機EL素子では、図1に示す素子において、前記透明電極2と正孔輸送層5との間に、陽極バッファ層(正孔注入層)7を介在させている。さらに、本発明の有機EL素子のさらに他の例を示す図3において、透明電極(陽極)2上に形成された正孔輸送層5と、この正孔輸送層の上に形成された発光性電子輸送層8と、この発光性電子輸送層8上に形成された陰極3とで構成された積層構造の有機EL素子が示されている。さらには、図4に示す有機EL素子では、図3に示す素子において、透明電極(陽極)2と正孔輸送層5との間に陽極バッファ層(正孔注入層)7を介在させている。
【0036】
前記有機層のうち少なくとも発光層は、前記デンドリマーを含んでいる。なお、前記デンドリマーとともに他のドーパント色素(又は発光性化合物)を併用してもよい。このようなドーパント色素(又は発光性化合物)としては、例えば、例示の発光性化合物の他、例えば、2,5−ビス(5−tert−ブチル−2−ベンゾオキサゾリル)−チオフェンなどのビス(C1-6アルキル−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、ナイルレッド、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランなどの4−(ジシアノC1-4アルキレン)−2−C1-4アルキル−6−(p−ジC1-4アルキルアミノスチリル)−4H−ピラン;1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)などのテトラC6-12アリール−1,3−ブタジエン;1,4−ビス(2−(4−エチルフェニル)エチニル)ベンゼンなどのビス(2−(4−C1-4アルキルフェニル)C2-4アルキニル)ベンゼン;4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニルなどのビス(2,2’−ジC6-12アリールビニル)ビフェニル;N,N,N−トリス(ターフェニルアミン)(p−TTA)などが挙げられる。これらの発光性化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0037】
発光性化合物は高分子であってもよい。高分子発光性化合物としては、例えば、オリゴフェニレンビニレンテトラマー、π共役系高分子[例えば、フルオレン系ポリマー(液晶性キラル置換フルオレン系ポリマー、スピロ型フルオレン系ポリマー、ビナフチル−フルオレン系コポリマー、フルオレン−カルバゾール系コポリマー、液晶性ジオクチルフルオレン系ポリマーなどを含む)、ビナフタレン含有ポリマー、ジシラニレンオリゴチエニレン系ポリマー、シリコン青色発光コポリマー、オキサジアゾール系ポリマー(オキサジアゾール−カルバゾール−ナフタルイミド系コポリマー、全芳香族オキサジアゾール系ポリマーなどを含む)、PPV系ポリマー(ポルフィリン基グラフトPPV系ポリマー、ジシアノフェニレンビニレン−PPV系コポリマーなどを含む)、チェニレン−フェニレン系コポリマー、ジエチルベンゼン系ポリマー、アセチレン系ポリマー、ビニル−ピリジン系ゲル状ポリマー、チオフェン系発光ポリマー(チオフェン−フルオレン系コポリマー、アルキルチオフェン系コポリマー、エチレンオキサイド基付加チオフェン系ポリマー、オリゴチオフェンベースポリマーなどを含む)、クマリン系ポリマー(カルバゾイルメタクリレート−クマリン系コポリマーなどを含む)、カルバゾイルシアノテレフタリデン系ポリマー、ナフタルイミド系ポリマー、アルミニウムキレート系ポリマー、オクタフルオロビフェニル基含有ポリマーなど]、σ共役系高分子(ポリシラン系ポリマーなど)などが例示できる。
【0038】
正孔輸送層は、ホール輸送機能を有する有機化合物(ホール輸送剤)を含んでいてもよく、ホール輸送剤としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン(TPD)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(1−ナフチル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン(NPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン、N,N,N',N'−テトラ(3−メチルフェニル)−1,3−ジアミノベンゼン(PDA)、4,4',4"−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(1−TNATA)、4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)、4,4’,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス[4−(3−メチルフェニルフェニルアミノ)フェニル]ベンゼン(m−MTDAPB)、トリフェニルアミンなどの芳香族第3級アミン類;フタロシアニン類などが挙げられる。ホール輸送剤としては、高分子ホール輸送剤、例えば、ポリイミド、ポリシロキサン、トリフェニルアミンポリマー、フルオレン含有アリールアミンポリマー、ジフェニルアセチレン系ポリマー、カルバゾール−チオフェン系コポリマーなどを用いてもよい。これらのホール輸送剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0039】
なお、正孔輸送層には、発光機能を付与するためには、発光機能を有する有機化合物又は高分子を添加してもよく、正孔輸送層には、発光機能を有する有機化合物又は高分子で構成された発光層を積層してもよい。また、電子輸送層は、電子輸送機能を有する有機化合物又は高分子で構成することができ、発光機能と電子輸送機能とを併せ持つ発光性電子輸送層として形成してもよい。
【0040】
前記電子輸送層は、前記電子輸送機能を有する有機化合物(電子輸送剤)を含んでいてもよい。電子輸送剤としては、例えば、オキサジアゾール誘導体[例えば、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)、1,3−ビス[5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリル]ベンゼン(BPOB)、1,3,5−トリス[5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリル]ベンゼン(TPOB)、1,3,5−トリス[5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾリル]ベンゼン(TNOB)などの置換基を有していてもよいC6-20アリール基を有するオキサジアゾール誘導体];ジフェノキノン類[例えば、3,5,3’,5’−テトラキス−t−ブチルジフェノキノンなどの置換基(C1-10アルキル基など)を有していてもよいジフェノキノン類;1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP);トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体、トリス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラト)ベリリウム錯体などのキノリノラト錯体;1,3,5−トリス[5−(ジメシチルボリル)−2−チエニル]ベンゼン、5,5’−ビス(ジメシチルボリル)−2,2’−ビチオフェン(BMB−2T)、5,5’’−ビス(ジメシチルボリル)−2,2’:5’,2’’−ターチオフェン(BMB−3T)などのチオフェン類が挙げられる。これらのうち、TPOBなどのオキサジアゾール類;Alq3などのキノリノラト錯体;1,3,5−トリス[5−(ジメシチルボリル)−2−チエニル]ベンゼン、BMB−2T及びBMB−3Tなどのチオフェン類などを用いる場合が多い。電子輸送剤としては、高分子電子輸送剤、例えば、フルオレン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素化デンドリマー化合物などを用いてもよい。前記電子輸送剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0041】
前記電子輸送機能及び/又はホール輸送機能を有する有機高分子としては、例えば、主鎖又は側鎖にホール輸送機能基及び/又は電子輸送機能基を有するビニル系重合体、例えば、ポリフェニレンビニレン類[例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリ(2,5−ジメトキシフェニレンビニレン)、ポリナフタレンビニレンなどの置換基(C1-10アルコキシ基など)を有していてもよいC6-12アリーレンビニレンの単独又は共重合体];ポリフェニレン類(特に、ポリパラフェニレン類)[例えば、ポリパラフェニレン、ポリ2,5−ジメトキシパラフェニレンなどの置換基(C1-10アルコキシ基など)を有していてもよいフェニレンの単独又は共重合体];ポリチオフェン類[ポリ(3−アルキルチオフェン)などのポリC1-20アルキルチオフェン類、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)などのポリC3-20シクロアルキルチオフェン類、ポリ(3−(4−n−ヘキシルフェニル)チオフェン)などの置換基(C1-10アルキル基)を有していてもよいC6-20アリールチオフェン類などのチオフェン類の単独又は共重合体];ポリC1-20アルキルフルオレンなどのポリフルオレン類;ポリビニルカルバゾール(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVK)など);ポリスチレン類(例えば、ポリ−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン、ポリ−4−(5−ナフチル−1,3,4−オキサジアゾール)スチレン);ポリ(メタ)アクリルアミド[例えば、ポリ(N−(p−ジフェニルアミノ)フェニルメタクリルアミド)、ポリ(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミノメタクリルアミド)(PTPDMA)など]などの主鎖又は側鎖にホール輸送機能基及び/又は電子輸送機能基を有するビニル系重合体;ポリメチルフェニルシランなどのポリC1-4アルキルフェニルシラン;芳香族アミン誘導体を側鎖または主鎖に有する重合体(例えば、ポリアニリン系ポリマー);またはこれらの共重合体などが挙げられる。これらの電子輸送機能及び/又はホール輸送機能を有する有機高分子は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0042】
陽極バッファ層(ホール注入層)を構成する材料としては、慣用の陽極バッファ層用材料、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが挙げられる。PEDOTは、単独で用いてもよいが、ポリスチレンスルホネート(PSS)で化学的にドーピングして用いてもよい。PSSでドーピングしたPEDOTは、水/メタノール溶液の状態で、(株)バイエルより「BAYTRON P AI 4083」などとして入手可能である。
【0043】
有機EL素子を構成する層(正孔輸送層、発光層、電子輸送層、発光性電子輸送層など)の厚みは、特に制限されず、それぞれ5nm〜1μm、好ましくは10〜800nm、さらに好ましくは30〜500nm、特に50〜300nm程度である。
【0044】
有機EL素子の陽極には、透明導電膜(例えば、インジウム−スズ−酸化物(ITO)膜、酸化スズ膜、酸化亜鉛膜、アルミニウム膜など)などが使用され、陰極としては、仕事関数の小さい高導電性金属(例えば、マグネシウム、リチウム、アルミニウム又は銀など)、カルシウムなどが使用される。陰極としてマグネシウムを使用する場合には、有機EL素子用フィルムとの接着性を向上させるために、少量(例えば、1〜10重量%)の銀と共蒸着させてもよい。好ましい陰極としては、マグネシウム−銀合金電極、アルミニウム電極、カルシウム電極、リチウム/アルミニウム積層電極、弗化リチウム/アルミニウム積層電極などが挙げられる。
【0045】
前記有機EL素子を構成する層(正孔輸送層、発光層、電子輸送層、発光性電子輸送層など)は、慣用の方法、例えば、蒸着(真空蒸着法など)、塗布又は流延(スピンコート法など)などにより形成できる。また、ホール輸送剤、発光性化合物や電子輸送剤などの各機能層の成分が成膜性に劣る場合、必要により、前記ホール輸送機能、発光性、電子輸送機能を阻害しない範囲でバインダー樹脂と併用してもよい。前記バインダー樹脂としては、各種熱可塑性樹脂[ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)などのスチレン系樹脂;アクリル系樹脂(ポリメチル(メタ)アクリレート又はその共重合体など);ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール系重合体;ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂;6−ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリエステル樹脂[ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(ポリエチレンテレフタレート系共重合体など)などのアルキレンアリレート系樹脂など];フッ素系樹脂;ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;熱可塑性ポリイミド;熱可塑性ポリウレタン;ノルボルネン系ポリマーなど]、熱硬化性樹脂[フェノール樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂など)、熱硬化性アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など]などが使用できる。これらのバインダー樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。バインダー樹脂としては、通常、被膜形成能を有し、かつ溶媒可溶性の樹脂が使用される。
【0046】
正孔輸送層、発光層、電子輸送層、発光性電子輸送層におけるバインダー樹脂の割合は、例えば、1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%程度であってもよい。
【0047】
本発明の有機EL素子は、慣用の方法、例えば、透明基板上に前記透明電極を形成し、この透明電極上に、蒸着、塗布液のコーティング(例えば、スピンコーティングなど)を利用して前記有機層(正孔輸送層、発光層、電子輸送層や発光性電子輸送層、陽極バッファ層(ホール注入層))を順次形成し、有機層上に陰極を形成することにより有機EL素子を製造できる。
【0048】
なお、基板としては、例えば、透明基板(例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、石英ガラスなどのガラス板、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどの高分子シートまたはフィルムなど)が使用でき、フレキシブルな有機EL素子を作製する場合には、高分子フィルムが利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のデンドリマーは発光性化合物とデンドロンとが結合しており、発光材料として有用である。また、本発明の発光素子(有機EL素子)は、種々のディスプレイ装置、例えば、携帯電話などの携帯情報通信装置、パーソナルコンピュータなどのデータ又は画像処理装置(コンピュータシステム)、テレビジョンシステムなどの表示装置として利用するのに有用である。
【実施例】
【0050】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、デンドロンは、Tetrahedron, 58 (2002) 825-843に従って調製した。
【0051】
合成例1(G0−Brの調製)
3,5−ジ(tert−ブチル)トルエン(4.56g,22mmol)とN−ブロモコハク酸イミド(3.9g,22mmol)とを含む四塩化炭素溶液(25ml)を4時間還流し、室温に冷却した後、固形物をろ過した。ろ液を濃縮し、3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルブロミド(G0−Br)を含む無色のシロップ状の粗生成物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィ(SiO2,ヘキサン/トルエン(容積比)=20/1)で精製し、目的化合物3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルブロミド(G0−Br)を得た。
【0052】
収率:70%
1H−NMR(CDCl3)δ:1.33(s,18H),4.52(s,2H),7.23−7.26(m,3H)。
【0053】
合成例2(G0−NPの調製)
3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルブロミド(G0−Br)(0.6g,1.5mmol)と、フタルイミドカリウム(0.333g,1.8mmol)とを含む乾燥ジメチルホルムアミド(DMF,10ml)の懸濁液を70〜75℃で5時間加熱した。反応混合液を室温に冷却し、水(20ml)を添加した。黄色油状物を分離し、ジクロロメタン(2×15ml)で抽出した。有機層を合わせて乾燥し、ろ過し濃縮して黄色シロップ状物を生成させ、メタノールから結晶化させて白色固体の標記化合物N−(3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジル)フタルイミド(G0−NP)を得た。
【0054】
収率:80%
融点:141−143℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.31(s,18H),4.85(s,2H),7.34−7.36(m,3H),7.69(dd,J=5.2及び3.2Hz,2H),7.84(dd,J=5.2及び3.2Hz,2H)
EIMS(70eV)m/z(相対強度):349(M+,25),334(100),292(17),160(88),131(27),77(16),57(67)。
【0055】
合成例3(G0−NH2の調製)
エタノール(10ml)にN−(3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジル)フタルイミド(G0−NP,0.35g,1mmol)とヒドラジン1水和物(0.5ml)とが分散した懸濁液を20分間還流し、白色ゼラチン状析出物を生成させた。室温に冷却した後、ジエチルエーテル(50ml)と20%水酸化カリウム(50ml)とを添加した。水層をジエチルエーテル(3×40ml)で洗浄した。有機層を合わせて水(2×40ml)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで一昼夜乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(SiO2,ジクロロメタン)で精製し、標記化合物3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルアミン(G0−NH2)を得た。
【0056】
収率:70%
1H−NMR(CDCl3)δ:1.34(s,18H),3.86(s,2H),7.16(s,2H),7.32(s,1H)
EIMS(70 eV)m/z(相対強度):218(M+−H,4),203(29),162(23),133(29),57(100)。
【0057】
合成例4(G1−OHの調製)
3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルブロミド(G0−Br,3.96g,14mmol)と、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコール(0.98g,7mmol)と、乾燥炭酸カリウム(4.83g,35mmol)と、18−クラウン−6−エーテル(0.74g,2.8mmol)と、乾燥アセトン(150ml)との混合物をアルゴン雰囲気下で加熱して還流し48時間激しく撹拌した。混合物を冷却して減圧下で乾固させた。残渣に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。水層をジクロロメタンで2回洗浄し、有機層を合わせた。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(SiO2,ジクロロメタン)で精製し、標記化合物3,5−ビス[3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジルアルコール(G1−OH)を得た。
【0058】
収率:70%;
融点:134−136℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.34(s,36H),4.66(s,2H),5.01(s,4H),6.63(t,J=2.2Hz,1H),6.67(d,J=2.2Hz,2H),7.27(d,J=1.9Hz,4H),7.40(t,J=1.9Hz,2H)
EIMS(70eV)m/z(相対強度):544(M+,3),203(100),57(36)。
【0059】
合成例5(G1−Brの調製)
G1−OH(2.1g,3.86mmol)のエーテル溶液(25ml)に、三臭化リン(1.0g,3.69mmol)のエーテル溶液(5ml)を0℃でゆっくりと添加した。混合物を2時間撹拌し、水(10ml)でゆっくりとクエンチした。有機層をエーテル(2×10ml)で抽出した。有機層を合わせて食塩水(10ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗固体生成物をヘキサンから再結晶させ、白色粉末状の標記化合物3,5−ビス[3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジルブロミド(G1−Br)を得た。
【0060】
収率:85%
融点:103−105℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.35(s,36H),4.44(s,2H),5.01(s,4H),6.62(t,J=2.2Hz,1H),6.68(d,J=2.2Hz,2H),7.27(d,J=1.8Hz,4H),7.41(t,J=1.8Hz,2H)
EIMS(70eV)m/z(相対強度):347(M+−(3,5−ジ−t−ブチルベンジル+t−ブチル),4),203(100),57(41)。
【0061】
合成例6(G1−NPの調製)
G0−Brに代えてG1−Brを用いる以外、合成例2と同様にして標記化合物N−[3,5−ビス[3,5−ジ(t−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジル]フタルイミド(G1−NP)を得た。
【0062】
収率:94%
融点:196−198℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.33(s,36H),4.81(s,2H),4.96(s,4H),6.59(t,J=2.3Hz,1H),6.71(d,J=2.3Hz,2H),7.25(d,J=1.8Hz,4H),7.39(t,J=1.8Hz,2H),7.71(dd,J=5.6及び3.2Hz,2H),7.85(dd,J=5.6及び3.2Hz,2H)
EIMS(70eV)m/z(相対強度):470(M+−(3,5−ジ−t−ブチルベンジル)+H,24),203(100),57(32)。
【0063】
合成例7(G1−NH2の調製)
G0−NPに代えてG1−NPを用いる以外、合成例3と同様にして標記化合物3,5−ビス[3,5−ジ(t−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジルアミン(G1−NH2)を得た。
【0064】
収率:80%
融点:81−83℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.34(s,36H),3.83(s,2H),5.01(s,4H),6.58(t,J=2.3Hz,1H),6.61(d,J=2.3Hz,2H),7.28(d,J=1.8Hz,4H),7.41(t,J=1.8Hz,2H)
EIMS(70eV)m/z(相対強度):544(MH+,19),469(16),380(18),340(27),203(100),57(94)。
【0065】
合成例8(G2−OHの調製)
G0−Brに代えてG1−Brを用いる以外、合成例4と同様にして標記化合物3,5−ビス[3,5−ビス(3,5−ジ(t−ブチル)ベンジルオキシ)ベンジルオキシ]ベンジルアルコール(G2−OH)を得た。
【0066】
収率:70%
融点:69−71℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.34(s,72H),4.64(d,J=6.2 Hz,2H),5.00(s,12H),6.58(t,J=2.2Hz,1H),6.63(d,J=2.2Hz,2H),6.65(t,J=2.2Hz,1H),6.73(d,J=2.2Hz,4H),7.28(d,J=1.8Hz,8H),7.41(t,J=1.8Hz,4H)。
【0067】
合成例9(G2−Brの調製)
G2−OH(1.8g,1.51mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液(10ml)に四臭化炭素(0.5g,1.51mmol)とトリフェニルホスフィン(0.4g,1.51mmol)とを添加した。混合物を40分間撹拌したところいくつかの析出物が観察された。四臭化炭素(0.25g,0.76mmol)とトリフェニルホスフィン(0.2g,0.76mmol)とをさらに追加して添加した。反応混合物をさらに1時間撹拌した。反応を水(5ml)でクエンチし、混合物をジクロロメタン(4×30ml)で抽出した。有機層を合わせて食塩水(5ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残粗をカラムクロマトグラフィ(SiO2,ジクロロメタン)で精製し、標記化合物3,5−ビス[3,5−ビス(3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルオキシ)ベンジルオキシ]ベンジルブロミド(G2−Br)を得た。
【0068】
収率:83%
融点:63−65℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.32(s,72H),4.42(s,2H),4.99(s,4H),5.01(s,8H),6.57(t,J=2.2Hz,1H),6.64(t,J=2.2Hz,2H),6.65(d,J=2.2Hz,1H),6.72(d,J=2.2Hz,4H),7.27(d,J=1.8Hz,8H),7.41(t,J=1.8Hz,4H)。
【0069】
合成例10(G2−NPの調製)
G0−Brに代えてG2−Brを用いる以外、合成例2と同様にして標記化合物N−[3,5−ビス[3,5−ビス(3,5−ジ(t−ブチル)ベンジルオキシ)ベンジルオキシ]ベンジル]フタルイミド(G2−NP)を得た。
【0070】
収率:90%
融点:85−87℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.33(s,72H),4.79(s,2H),4.96(s,4H),4.99(s,8H),6.55(t,J=2.1Hz,1H),6.62(t,J=2.1Hz,2H),6.68(d,J=2.1Hz,2H),6.71(d,J=2.1Hz,4H),7.27(d,J=1.8Hz,8H),7.40(t,J=1.8Hz,4H),7.68(dd,J=5.3及び3.2Hz,2H),7.82(dd,J=5.3及び3.2Hz,2H)。
【0071】
合成例11(G2−NH2の調製)
G0−NPに代えてG2−NPを用いる以外、合成例3と同様にして標記化合物3,5−ビス[3,5−ビス(3,5−ジ(t−ブチル)ベンジルオキシ)ベンジルオキシ]ベンジルアミン(G2−NH2)を得た。
【0072】
収率:80%
融点:72−74℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.33(s,72H),2.18(s,2H),3.82(s,2H),5.00(s,12H),6.54(t,J=2.5Hz,1H),6.58(d,J=2.5Hz,2H),6.65(t,J=1.9Hz,2H),6.73(d,J=1.9Hz,4H),7.28(d,J=1.8Hz,8H),7.41(t,J=1.8Hz,4H)。
【0073】
合成例12(G3−OHの調製)
G0−Brに代えてG2−Brを用いる以外、合成例4と同様にして標記化合物3,5−ビス[3,5−ビス[3,5−ビス(3,5−ジ(t−ブチル)ベンジルオキシ)ベンジルオキシ]ベンジルオキシ]ベンジルアルコール(G3−OH)を得た。
【0074】
収率:56%
融点:83−85℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.32(s,144H),4.57(d,J=5.5Hz,2H),4.99(s,28H),6.56−6.72(m,21H),7.27(d,J=1.0Hz,16H),7.39(t,J=1.0Hz,8H)。
【0075】
合成例13(G3−Brの調製)
G2−OHに代えてG3−OHを用いる以外、合成例9と同様にして標記化合物3,5−ビス[3,5−ビス[3,5−ビス(3,5−ジ(t−ブチル)ベンジルオキシ)ベンジルオキシ]ベンジルオキシ]ベンジルブロマイド(G3−Br)を得た。
【0076】
収率:87%
融点:73−75℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.33(s,144H),4.37(s,2H),5.00(s,28H),6.57−6.73(m,21H),7.27(d,J=1.6Hz,16H),7.39(t,J=1.6Hz,8H)。
【0077】
合成例14(G3−NPの調製)
G0−Brに代えてG3−Brを用いる以外、合成例2と同様にして標記化合物N−[3,5−ビス[3,5−ビス[3,5−ビス(3,5−ジ(t−ブチル)ベンジルオキシ)ベンジルオキシ]ベンジルオキシ]ベンジル]フタルイミド(G3−NP)を得た。
【0078】
収率:75%
融点:91−93℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.31(s,144H),4.77(br,2H),5.00(s,28H),6.55−6.73(m,21H),7.27(d,J=1.7Hz,16H),7.39(t,J=1.7Hz,8H),7.62(dd,J=5.5及び3.2Hz,2H),7.80(dd,J=5.5及び3.2Hz,2H)。
【0079】
合成例15(G3−NH2の調製)
G0−NPに代えてG3−NPを用いる以外、合成例3と同様にして標記化合物3,5−ビス[3,5−ビス[3,5−ビス(3,5−ジ(t−ブチル)ベンジルオキシ)ベンジルオキシ]ベンジルオキシ]ベンジルアミン(G3−NH2)を得た。
【0080】
収率:72%
融点:85−87℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.32(s,144H),3.80(s,2H),4.99(s,28H),6.54−6.73(m,21H),7.27(d,J=1.6Hz,16H),7.39(t,J=1.6Hz,8H)。
【0081】
上記合成例で得られたハロゲン原子を有するデンドロンと、スクアリリウム系色素を発光性化合物(コア)として含むデンドリマーの反応工程式を示す。
【0082】
【化3】

【0083】
比較例1(OH−SQの調製)
N−ブチル−5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾチアゾリウム=ヨージド(0.349g,1mmol)、3,4−ジブトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン(0.113g,0.5mmol)、及びキノリン(0.4ml)を、1−ブタノール/ベンゼン(容積比4:1)の混合溶媒20mlに加え、5時間還流を行いOH−SQを調製した。析出した固体を吸引ろ過にて分取した。反応工程式を以下に示す。
【0084】
【化4】

【0085】
融点:>300℃
1H−NMR(CDCl3)δ:0.94(t,J=7.5Hz,6H,Ha),1.41(sext,J=7.5Hz,4H,Hb),1.66(quint,J=7.5Hz,4H,Hc),4.15(t,J=7.5Hz,4H,Hd),5.72(s,2H,He),6.72(dd,J=8.3及び2.0Hz,2H,Hf),6.86(d,J=2.0Hz,2H,Hg),7.61(d,J=8.3Hz,2H,Hh),9.92(s,2H,Hi)。
【0086】
比較例2(G0−SQの調製)
比較例1で調製したOH−SQ(0.052g,0.1mmol)と、18−クラウン−6−エーテル(0.016g,0.06mmol)と、無水炭酸カリウム(0.124g,0.9mmol)とのDMSO溶液(70ml)を加熱し、OH−SQを完全に溶解させた後、室温まで冷やした。この溶液に、3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルブロミド(0.141g,0.5mmol)を加え、アルゴン雰囲気下で4日間攪拌した。反応終了後、水(50ml)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(50ml×3)で生成物を抽出した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,CH2Cl2:MeOH(容積比)=25:1)で目的化合物(G0−SQ)を得た。反応工程式を以下に示す。
【0087】
【化5】

【0088】
融点:>300℃
1H−NMR(CDCl3)δ:0.96(t,J=7.5Hz,6H,Hb),1.33(s,36H,Ha),1.40(sext,J=7.5Hz,4H,Hc),1.73(quint,J=7.5Hz,4H,Hd),3.97(t,J=7.5Hz,4H,He),5.06(s,4H, f),5.83(s,2H,Hg),6.71(d,J=1.7Hz,2H,Hh),6.87(dd,J=8.6及び1.7Hz,2H,Hi),7.26(d,J=1.7Hz,4H,Hj),7.38(d,J=8.6Hz,2H,Hk),7.42(dd,J=1.7及び1.7Hz,2H,Hl)。
【0089】
実施例1(G1−SQの調製)
OH−SQ(0.052g,0.1mmol)と、18−クラウン−6−エーテル(0.016g,0.06mmol)と、無水炭酸カリウム(0.124g,0.9mmol)とのDMSO溶液(70ml)を加熱し、OH−SQを完全に溶解させた後、室温まで冷やした。この溶液に3,5−ビス[3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジルブロミド(0.182g,0.3mmol)を加え、アルゴン雰囲気下で4時間攪拌した。反応終了後、水(50 ml)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(50ml×3)で生成物を抽出した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,CH2Cl2:CH3COCH3(容積比)=20:1)で目的化合物(G1−SQ)を得た。反応工程式を以下に示す。
【0090】
【化6】

【0091】
融点:126−127℃
1H−NMR(CDCl3)δ:0.96(t,J=7.5Hz,6H,Hb),1.33(s,72H,Ha),1.41(sext,J=7.5Hz,4H,Hc),1.72(quint,J=7.5Hz,4H,Hd),3.96(t,J=7.5Hz,4H,He),5.00(s,8H,Hf),5.06(s,4H,Hg),5.83(s,2H,Hh),6.65(dd,J=2.3Hz,2H,Hi),6.70(d,J=2.3Hz,2H,Hj),6.71(d,J=2.3Hz,4H,Hk),6.82(dd,J=8.6及び2.3Hz,2H,Hl),7.27(d,J=1.7Hz,8H,Hm),7.35(d,J=8.6Hz,2H,Hn),7.41(dd,J=1.7及び1.7Hz,4H,Ho)。
【0092】
実施例2(G2−SQの調製)
OH−SQ(0.052g,0.1mmol)と、18−クラウン−6−エーテル(0.016g,0.06mmol)と、無水炭酸カリウム(0.124g,0.9mmol)とのDMSO溶液(70ml)を加熱し、OH−SQを完全に溶解させた後、室温まで冷やした。次に、この溶液に3,5−ビス{3,5−ビス[3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジルオキシ}ベンジルブロミド(0.376g,0.3mmol)を加え、アルゴン雰囲気下で4時間攪拌した。反応終了後、水(50ml)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(50ml×3)で生成物を抽出した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,CH2Cl2:CH3COCH3(容積比)=20:1)にて目的化合物(G2−SQ)を得た。反応工程式を以下に示す。
【0093】
【化7】

【0094】
融点:74−75℃
1H−NMR(CDCl3)δ:0.96(t,J=7.5Hz,6H,Hb),6.81(dd,J=8.6及び2.3Hz,2H,Hn),1.31(s,144H,Ha),7.27(d,J=1.7Hz,16H,Ho),1.42(sext,J=7.5Hz,4H,Hc),7.35(d,J=8.6Hz,2H,Hp),1.76(quint,J=7.5Hz,4H,Hd),7.40(dd,J=1.7Hz,8H,Hq),3.95(t,J=7.5Hz,4H,He),5.00(s,24H,Hf,Hg),5.03(s,4H,Hh),5.83(s,2H,Hr),6.61(dd,J=2.3Hz,2H,Hi),6.65(dd,J=2.3Hz,4H,Hj),6.67(d,J=2.3Hz,2H,Hk),6.69(d,J=2.3Hz,4H,Hl),6.71(d,J=2.3Hz,8H,Hm)。
【0095】
実施例3(G3−SQの調製)
OH−SQ(0.052g,0.1mmol)と、18−クラウン−6−エーテル(0.016g,0.06mmol)と、無水炭酸カリウム(0.124g,0.9mmol)のDMSO溶液(70ml)を加熱し、OH−SQを完全に溶解させた後、室温まで冷やした。次に、この溶液に3,5−ビス(3,5−ビス{3,5−ビス[3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジルオキシ}ベンジルオキシ)ベンジルブロミド(0.638g,0.25mmol)を加え、アルゴン雰囲気下で3時間攪拌した。水(50ml)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(50ml×3)にて生成物を抽出した。分取用薄層クロマトグラフィー(TLC)(SiO2,CH2Cl2:Et2O(容積比)=50:1)にて目的化合物(G3−SQ)を得た。反応工程式を以下に示す。
【0096】
【化8】

【0097】
融点:44−45℃
1H−NMR(CDCl3)δ:0.97(t,J=7.4Hz,6H,Hb),6.71−6.72(m,14H,Hm,Hn,Ho),1.34(s,288H,Ha),6.74−6.75(m,16H,Hp),1.40−1.44(m,4H,Hc),6.83(d,J=8.6Hz,2H,Hq),1.71−1.78(m,4H,Hd),7.28(brs,32H,Hr),3.94−3.97(m,4H,He),7.36(d,J=8.6Hz,2H,Hs),4.97−5.03(m,60H,Hf,Hg,Hh,Hi),7.41(brs,16H,Ht),5.86(s,2H,Hu),6.62−6.63(m,4H,Hj),6.65(brs,2H,Hk),6.66−6.67(m,8H,Hl)。
【0098】
試験例1
シクロヘキサンに対する得られたデンドリマー色素(OH−SQ、G0−SQ、G1−SQおよびG2−SQ)の溶解度(25℃)を調べたところ、OH−SQ:0mol/dm3、G0−SQ:0.00421×10-3mol/dm3、G1−SQ:20.8×10-3mol/dm3およびG2−SQ:42.6×10-3mol/dm3であり、デンドロンの世代が大きくなると、色素の溶解性が大きく向上した。
【0099】
試験例2
得られたデンドリマー色素(G0−SQ、G1−SQ、G2−SQ)の濃度を変えてクロロホルム溶液を調製し、蛍光スペクトルを測定したところ、図5に示す結果を得た。図5に示すように、デンドロンの世代が大きくなると、蛍光の濃度消光が抑制される。
【0100】
試験例3
ポリビニルカルバゾール(PVK)40mg、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)40mg、および所定量の色素(G0−SQ、G1−SQ、G2−SQ、G3−SQ)を、トルエン3mlに溶解し、コーティング液を調製した。このコーティング液を、回転数1000rpm、10秒でのスピンコーティング、又は回転数2000rpm、10秒のスピンコーティング条件で、基板に形成したITO膜上に約1000Å(100nm)の厚みで製膜した。このコーティング膜上に、真空蒸着法によりアルミニウムリチウム(AlLi)を厚み1500Å(150nm)に製膜した。
【0101】
添加する色素のモル数を一定にして色素依存性を調べた。すなわち、各色素の量を約2.5×10-7モルで、印加電圧と輝度との関係、印加電圧と電流密度との関係、印加電圧と発光効率との関係を調べた。結果を図6、図7及び図8に示す。
【0102】
図6及び図7から明らかなように、デンドロンの世代が大きくなると、発光輝度が向上するとともに、小さな印加電圧で発光し、発光効率が高い。また、G3−SQは、G2−SQに比べて駆動電圧が小さくなっている。
【0103】
合成例で調製されたアミノ基を有するデンドロンと、ペリレン系色素を発光性化合物(コア)として含むデンドリマーの反応工程式を示す。
【0104】
【化9】

【0105】
実施例4(Gn−Perys)
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジ無水物(0.05g,0.125mmol)のキノリン分散液(5ml)に、デンドロンGn−NH2(n=0〜3、0.3mmol)と酢酸亜鉛(0.0175g,0.08mmol)とを加え、混合物を、アルゴン雰囲気下、200℃で4時間加熱した。反応終了後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)に注入し、ジクロロメタンで抽出し、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィ(SiO2、ジクロロメタン)、次いで高速液体クロマトグラフィ(カラム:Chromatorex-SI(Fuji-Davison Chemical Ltd.),ポアサイズ70Å(7nm),粒子径5μm,10×250mm,展開溶媒:ヘキサン−イソプロピルアルコール98:2(容積比)混合溶媒(2mL/min),検出:UV254nm,装置:Jasco Gulliver series)で精製し、目的化合物(Gn−Perys:G0−Pery、G1−Pery、G2−Pery及びG3−Pery)を得た。
【0106】
(1)G0−Pery:N,N'−ビス[3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジル}−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボジイミド
融点:>300℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.32(s,36H),5.40(s,4H),7.35(d,J=1.1Hz,2H),7.49(t,J=1.1Hz,4H),8.57(d,J=8.0Hz,4H),8.68(d,J=8.0Hz,4H)
元素分析:C545424
理論値:C=81.58;H=6.85;N=3.52
実測値:C=81.89;H=6.72;N=3.38。
【0107】
(2)G1−Pery:N,N'−ビス{3,5−ビス[3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジル}−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボジイミド
融点:134−136℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.31(s,72H),4.97(s,8H),5.39(s,4H),6.60(t,J=2.3Hz,2H),6.82(d,J=2.3Hz,4H),7.25(d,J=1.8Hz,8H),7.38(t,J=1.8Hz,4H),8.63(d,J=7.8Hz,4H),8.71(d,J=7.8Hz,4H)
元素分析:C9811028
理論値:C=81.52;H=7.68;N=1.94
実測値:C=81.86;H=7.63;N=1.93。
【0108】
(3)G2−Pery:N,N'−ビス(3,5−ビス{3,5−ビス[3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジルオキシ}ベンジル)−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボジイミド
融点:87−89℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.32(s,144H),4.98(s,24H), 5.37(s,4H),6.56(t,J=1.8Hz,2H),6.61(t,J=1.8Hz,4H),6.71(d,J=1.8Hz,8H),6.82(d,J=1.8Hz,4H),7.28(d,J=1.5Hz,16H),7.39(t,J=1.5Hz,8H),8.56(d,J=8.1Hz,4H),8.69(d,J=8.1Hz,4H)
元素分析:C186222216
理論値:C=81.48;H=8.16;N=1.02
実測値:C=81.08;H=8.26;N=0.89。
【0109】
(4)G3−Pery:N,N'−ビス[3,5−ビス(3,5−ビス{3,5−ビス[3,5−ジ(tert−ブチル)ベンジルオキシ]ベンジルオキシ}ベンジルオキシ)ベンジル]−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボジイミド
融点:79−81℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.31(s,288H),4.95−4.99(m,56H),5.32(br,4H),6.55−6.80(m,42H),7.28(d,J=1.8Hz,32H),7.39(t,J=1.8Hz,16H),8.53(d,J=8.2Hz,4H),8.64(d,J=8.2Hz,4H)
元素分析:C361444232
理論値:C=81.45;H=8.41;N=0.53
実測値:C=81.76;H=8.53;N=0.48。
【0110】
試験例4
ヘキサン、ジエチルエーテルおよびジクロロメタンに対する得られたデンドリマー色素(G0−Pery、G1−Pery、G2−PeryおよびG3−Pery)の溶解度(25℃)をそれぞれ調べたところ、以下の結果を得た(単位:10-4mol/dm3)。
【0111】
【表1】

【0112】
デンドロンを導入することにより、溶剤に対するペリレン系化合物の溶解性を向上できる。また、デンドロンの世代が大きくなると、色素の溶解性が大きく向上した。
【0113】
試験例5
得られたデンドリマー色素Gn−Pery(n=0〜3)の濃度を変えてクロロホルム溶液を調製し、蛍光スペクトルを測定したところ、図9に示す結果を得た。図9に示すように、デンドロンの世代が大きくなると、蛍光の濃度消光が抑制されるとともに、発光強度も増加する。
【0114】
試験例6
試験例3の色素に代えて、G0−Pery、G1−Pery、G2−PeryおよびG3−Peryをそれぞれ2.7×10-7モル用いた以外は試験例3と同様の操作を行うことにより、EL素子を作製した。このEL素子を用いて、25Vの電圧印加に伴う電流密度の色素依存性を評価した。結果を表2に示す。
【0115】
【表2】

【0116】
表2から明らかなようにデンドリマーの世代が大きくなるにつれ、電流密度は大きくなった。
【0117】
実施例5(Gn−QA)
(i)G0−QAの合成
キナクリドン(0.312g、1mmol)と、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.306g、0.95mmol)と、37.5重量%水酸化カリウム水溶液13.5gとをトルエン(35ml)に添加し、混合物を加熱しながら、キナクリドンを完全に溶解させ、均一溶液を得た。次いで、この溶液に、G0−Br(1.128g、4mmol)を添加し、4時間還流した後、溶媒を留去した。残渣に、水(50ml)を添加し、ジクロロメタン(50ml×3回)を用いて生成物を抽出した。得られた有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2:C614(n−ヘキサン)(容積比)=5:1)にて目的物を分取した。分取後、さらにジクロロメタンを用いて再結晶することにより、精製されたG0−QAを得た。
【0118】
(ii)G1−QA、G2−QA、およびG3−QAの合成
G0−Brに代えて、表3に示すGn−Brを用いるとともに、使用する成分の添加量及び再結晶溶媒を表3に示す添加量及び溶媒に変更する以外は、上記(i)のG0−QAの合成法に準じて、G1−QA、G2−QA、及びG3−QAをそれぞれ合成した。
【0119】
【表3】

【0120】
得られたキナクリドン式を含むデンドリマーの反応工程式を示す。
【0121】
【化10】

【0122】
(1)G0−QA
融点:>300℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.21(s,36H),5.76(s,4H),7.05(s,4H),7.22(t,J=7.9Hz,2H),7.32(s,2H),7.42(d,J=7.9Hz,2H),7.63(t,J=7.9Hz,2H),8.52(d,J=7.9Hz,2H),8.73(s,2H)
元素分析:C505622
理論値:C=83.76;H=7.87;N=3.91
実測値:C=82.64;H=8.26;N=3.60。
(2)G1−QA
融点:>300℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.28(s,72H),4.91(s,8H),5.70(br,4H),6.53(d,J=1.8Hz,4H),6.61(t,J=1.8Hz,2H),7.21(d,J=1.7Hz,8H),7.26(t,J=8.0Hz,2H),7.36(t,J=1.7Hz,4H),7.40(d,J=8.0Hz,2H),7.65(t,J=8.0Hz,2H),8.53(d,J=8.0Hz,2H),8.71(s,2H)
元素分析:C9411226
理論値:C=82.66;H=8.26;N=2.05
実測値:C=81.76;H=8.70;N=1.85。
(3)G2−QA
融点:112−113℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.28(s,144H),4.90(s,8H),4.99(s,16H),5.62(br,4H),6.45(s,4H),6.55−6.57(m,6H),6.63(d,J=1.7Hz,8H),7.19(t,J=8.0Hz,2H),7.25(br s,16H),7.35(d,J=8.0Hz,2H),7.38(br s,8H),7.60(t,J=8.0Hz,2H),8.50(d,J=8.0Hz,2H),8.64(s,2H)
元素分析:C182224214
理論値:C=82.06;H=8.84;N=1.05
実測値:C=81.37;H=9.02;N=0.92。
(4)G3−QA
融点:102−103℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.27(s,288H),4.90(s,24H),4.97(s,32H),6.44(brs,4H),6.50(brs,4H),6.56(brs,2H),6.60(brs,8H),6.62(brs,8H),6.70(brs,16H),7.14(t,J=8.0Hz,2H),7.25(brs,32H),7.31(d,J=8.0Hz,2H),7.37(brs,16H),7.55(t,J=8.0Hz,2H),8.47(d,J=8.0Hz,2H),8.62(s,2H)
元素分析:C358448230
理論値:C=81.76;H=8.59;N=0.53
実測値:C=80.77;H=9.04;N=0.41。
【0123】
試験例7
トルエンに対するキナクリドン、デンドリマー色素(G0−QA、G1−QA、G2−QAおよびG3−QA)の溶解性を調べた。トルエン3ml中にそれぞれの色素を2.7×10-7モル添加し、溶解性を比較した。G0−QA、G1−QA、G2−QAおよびG3−QAは全て溶解したが、キナクリドンは溶解しなかった。G0−QAは放置すると析出したが、G1−QA、G2−QA、G3−QAは析出しなかった。以上のように、明らかに、デンドロン導入によりキナクリドンの溶解性は向上することがわかる。
【0124】
試験例8
試験例3の色素に代えて、G0−QA、G1−QA、G2−QAおよびG3−QAをそれぞれ2.7×10-7モル用いた以外は試験例3と同様に操作を行うことにより、EL素子を作製した。このEL素子を用いて、25Vの電圧印加に伴う電流密度の色素依存性を評価した。結果を表4に示す。
【0125】
【表4】

【0126】
表4から明らかなようにデンドリマーの世代が大きくなるにつれ、電流密度が大きくなった。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】図1は本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は本発明の有機EL素子の他の例を示す概略断面図である。
【図3】図3は本発明の有機EL素子のさらに他の例を示す概略断面図である。
【図4】図4は本発明の有機EL素子の別の例を示す概略断面図である。
【図5】図5は比較例及び実施例1〜2で得られたデンドリマー色素(G0−SQ、G1−SQ、G2−SQ)の濃度による蛍光スペクトル強度の変化を示すグラフである。
【図6】図6は比較例及び実施例1〜3で得られたデンドリマー色素(G0−SQ、G1−SQ、G2−SQおよびG3−SQ)での印加電圧と輝度との関係を示すグラフである。
【図7】図7は比較例及び実施例1〜3で得られたデンドリマー色素(G0−SQ、G1−SQ、G2−SQおよびG3−SQ)での印加電圧と電流密度との関係を示すグラフである。
【図8】図8は比較例及び実施例1〜3で得られたデンドリマー色素(G0−SQ、G1−SQ、G2−SQおよびG3−SQ)での印加電圧と発光効率との関係を示すグラフである。
【図9】図9は実施例4で得られたデンドリマー色素Gn−Pery(n=0〜3)の濃度による蛍光スペクトル強度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0128】
1…ガラス基板
2…陽極
3…陰極
4…発光層
5…正孔輸送層
6…電子輸送層
7…陽極バッファ層
8…発光性電子輸送層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性基を有する発光性化合物と、この発光性化合物の反応性基に結合したデンドロンとで構成されている新規デンドリマー。
【請求項2】
デンドロンが、下記式(1)で表される少なくとも1つの繰り返し単位と、下記式(2)で表され、かつ末端を構成する単位とで構成された第n世代(n=1〜5)のデンドロンである請求項1記載のデンドリマー。
【化1】

(式中、X1及びX2はそれぞれ連結基、pは0又は1、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、又は炭化水素環基を示す)
【請求項3】
発光性化合物からのデンドロンの分岐数mが1〜3であり、デンドロンが第n世代(n=1〜4)のデンドロンである請求項1記載のデンドリマー。
【請求項4】
発光性化合物が、発光性色素、電荷輸送剤、電子輸送剤及びホール輸送剤から選択された少なくとも一種の化合物である請求項1記載のデンドリマー。
【請求項5】
発光性化合物が、ペリレン系化合物、スクアリリウム系化合物、クマリン系化合物、ピラジン系化合物、キナクリドン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピロメテン系化合物、オキサジアゾール系化合物、フルオレン系化合物、スチリルベンゼン系化合物、シアニン系化合物、及びメロシアニン系化合物から選択された少なくとも一種である請求項1記載のデンドリマー。
【請求項6】
1及びR2が、t−ブチル基である請求項2記載のデンドリマー。
【請求項7】
電極間に有機層を備えた発光素子であり、前記有機層に請求項1記載のデンドリマーが含有されている発光素子。
【請求項8】
有機層が、デンドリマーを含む発光層である請求項7記載の発光素子。
【請求項9】
発光層が、デンドリマーと少なくとも一種の高分子とで構成されている請求項8記載の発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−241019(P2006−241019A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56036(P2005−56036)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年9月17日 中部化学関係学協会支部連合協議会発行の「第35回 中部化学関係学協会支部連合 秋季大会講演予稿集」に発表
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】