説明

新規水中油形乳化剤

本発明は水中油系で適当な両親媒性化合物を提供する。該両親媒性化合物は、a)約20個またはそれ以上の炭素原子を含む炭化水素基である親油性成分;b)以下から選択される親水性成分:i)2個またはそれ以上の炭素原子を含むオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー;ii)3個またはそれ以上の炭素原子を含むオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー;iii)以下を含むオリゴマー:1)3個またはそれ以上の炭素原子を含むオキシアルキレン基;2)2個またはそれ以上の炭素原子を含むオキシアルキレン基であり、但し、成分2)は成分1)とは異なる;iv)ヒドロカルビル置換ヒドロキシアミン;v)多価アルコール;およびvi)ポリアミンまたは;およびc)該親水性成分と該親油性成分とを共有結合するリンカーを含み、該親水性成分は該両親媒性化合物を少なくとも部分的に水に分散するのに十分な量で存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親油性成分;親水性成分;およびリンカーを含有する水中油形乳濁液に適当な乳化剤に関する。本発明は、さらに、水中油形乳化剤を製造する方法、および工業用途でのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの種類の乳化剤が当該技術分野で公知であり、また、多くの乳濁液系(例えば、油中水形技術または水中油形技術)で使用され、これらは、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,1993,North American & International Editionおよび/または「Emulsions Theory and Practice」(P.Becherが執筆し、そしてOxford University Press,2001により出版された)で開示されている。典型的には、油中水形界面活性剤は、典型的には、約8未満の低い親水性:親油性バランス(以下、「HLB」と呼ぶ)を有する傾向にある。逆に、水中油形乳化剤は、約8以上の高いHLBを有する傾向にある。
【0003】
油中水形または水中油形乳化剤の親油性成分は、約20個以下の炭素原子を含有する傾向にある。水中油形乳化剤中の親油性成分の長さを約20個未満の炭素原子まで大きくすることにより、乳濁液の安定性が低下することが知られている。
【0004】
ポリイソブチレンスクシンイミドまたはポリイソブチレン無水コハク酸ベースの乳化剤は、周知であり、そして良好な分散性、安定性、洗浄性などを与えるために、油中水形乳濁液または潤滑油で広く使用されている。しかしながら、そのポリイソブチレン(すなわち、約20個以上の炭素原子を含有する)の親油性という性質が原因で、これらの乳化剤を水中油形用途に使用することは困難である。
【0005】
国際公開WO 03/029309 A2は、水中油形用途で使用するポリイソブチレンベースの親水性乳化剤を開示している。この乳化剤は、以下から出来ている:(a)親油性部分であって、これは、300と10,000の間の分子量を有するポリイソブチレンから誘導される;(b)親水性部分であって、これは、ポリエチレンオキシド鎖を含む;および(c)リンカーであって、これは、多塩基性カルボン酸(例えば、無水マレイン酸)から誘導される。
【0006】
欧州特許出願EP 0 156 572 A2は、以下から誘導された界面活性剤を開示している:(a)疎水性成分および(b)共に共有結合された親水性成分。この親水性成分は、さらに、以下から選択されるアニオン性基を含有する:ホスフェート、ホスホネート、サルフェート、スルホネートおよびカルボキシメチル。この疎水性成分は、2個〜6個の炭素原子を含有するモノオレフィンの重合体から誘導され、典型的には、400〜5000の範囲の分子量を有する。開示された界面活性剤は、油中水形または水中油形乳濁液で有用であり、そして油相に取り込まれている。しかしながら、これらの界面活性剤は、水中油形乳濁液で使用するとき、無機物質(例えば、塩化マグネシウムまたは塩化カルシウム)が多く溶解した水相で分散しにくい。
【0007】
米国特許第4,776,966号は、逆油性(invert oil−based)乳濁液の穿孔液組成物を開示しており、これは、ポリカルボン酸および疎水性成分(これは、モノオレフィンおよび無水マレイン酸から誘導された)から生成されたブロックまたはグラフト共重合体を含有する。この無水マレイン酸は、さらに、水酸基またはアミノ基を含有する化合物(例えば、ポリオールまたはポリアミン)と反応できる。しかしながら、この組成物は、乳濁液の安定性のために溶解した無機物質が必要であるので、油中ブライン形乳濁液で使用するのに適当であるにすぎない。
【0008】
米国特許第4,708,753号は、油中水形乳濁液を開示しており、これは、乳化剤、コハク酸のモノ−またはジアミン塩、もしくはコハク酸半エステルまたはコハク酸半アミドのモノアミン塩を含有する。これらの半エステルまたは半アミドは、アルカノールアミン、ポリアミン、オリゴアルコールまたはポリオールと、ヒドロカルビル置換無水コハク酸とを反応させることにより、調製される。このヒドロカルビルは、20個〜500個の炭素原子を含有する(例えば、ポリイソブチレン)。しかしながら、この乳化剤組成物は、油中水形乳濁液で使用するのに適当であるにすぎない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
水中油形乳濁液で使用するのに適当な親油性成分を含有する両親媒性化合物があれば、望ましい。本発明は、水中油形乳濁液で使用するのに適当な親油性成分を備えた両親媒性化合物を提供する。
【0010】
水相で分散できる親油性成分を含有する両親媒性化合物があれば、望ましい。本発明は、水相で分散できる親油性成分を含有する両親媒性化合物を提供する。
【0011】
約20個以上の炭素原子を含有する親油性成分を含んでいても、両親媒性化合物に水への分散性または溶解性を与えるのに十分な親水性成分を含有する両親媒性化合物があれば、望ましい。
【0012】
ブライン安定剤を必要としない保存安定性乳濁液を形成できる親油性成分を含有する両親媒性化合物があれば、望ましい。本発明は、ブライン安定剤を必要としない保存安定性乳濁液を形成できる親油性成分を含有する両親媒性化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、以下を含有する両親媒性化合物を提供する:
(a)親油性成分であって、ここで、該親油性成分は、約20個またはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素基である;
(b)親水性成分であって、ここで、該親水性成分は、以下からなる群の少なくとも1つから選択される:
(i)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;
(ii)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;
(iii)以下を含むオリゴマー:
(1)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体;および
(2)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体であって、但し、成分(2)は、成分(1)とは異なる;
(iv)ヒドロキシアミノ基またはその誘導体;
(v)多価アルコールまたはその誘導体;および
(vi)ポリアミンまたはその誘導体;および
(c)該親水性成分と該親油性成分とを共有結合するリンカーであって、ここで、該親水性成分は、該両親媒性化合物を少なくとも部分的に水に分散するのに十分な量で、存在している。
【0014】
本発明は、さらに、両親媒性化合物を調製する方法を提供し、該方法は、以下を反応させる工程を包含する:
(a)親油性反応物であって、該親油性反応物は、該両親媒性化合物の約6〜約94重量パーセントの範囲で存在している;
(b)親水性反応物であって、該親水性反応物は、該両親媒性化合物の約6〜約93.9重量パーセントの範囲で存在している;
(c)該親水性成分と該親油性成分とを共有結合するリンカー反応物であって、該リンカー反応物は、該両親媒性化合物の約0.1〜約30重量パーセントの範囲で存在しており、
ここで、該親油性反応物は、約20個またはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素基である;該親水性反応物は、以下からなる群の少なくとも1つから選択される:(i)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;(ii)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;(iii)以下を含むオリゴマー:(1)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体;および(2)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体であって、但し、成分(2)は、成分(1)とは異なる;(iv)ヒドロキシアミノ基またはその誘導体;(v)多価アルコールまたはその誘導体;および(vi)ポリアミンまたはその誘導体;ここで、該親水性反応物は、該両親媒性化合物を少なくとも部分的に水に分散するのに十分な量で、存在している。
【0015】
本発明は、さらに、水中油形用途で界面活性剤および/または乳化剤として使用するのに適当な両親媒性化合物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
本発明は、以下を含有する両親媒性化合物を提供する:
(a)親油性成分であって、ここで、該親油性成分は、約20個またはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素基である;
(b)親水性成分であって、ここで、該親水性成分は、以下からなる群の少なくとも1つから選択される:
(i)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;
(ii)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;
(iii)以下を含むオリゴマー:
(1)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体;および
(2)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体であって、但し、成分(2)は、成分(1)とは異なる;
(iv)ヒドロキシアミノ基またはその誘導体;
(v)多価アルコールまたはその誘導体;および
(vi)ポリアミンまたはその誘導体;および
(c)該親水性成分と該親油性成分とを共有結合するリンカーであって、ここで、該親水性成分は、該両親媒性化合物を少なくとも部分的に水に分散するのに十分な量で、存在している。
【0017】
この両親媒性化合物は、少なくとも部分的に、水に分散されている。水相に部分的に分散された両親媒性化合物の量は、25℃で水に分散された両親媒性化合物の約0.01重量%に等しいかそれより高く、好ましくは、約0.05重量%に等しいかそれより高く、さらに好ましくは、約0.1重量%に等しいかそれより高く、さらにより好ましくは、約0.3重量%に等しいかそれより高く、さらにより好ましくは、約0.5重量%に等しいかそれより高く、最も好ましくは、約0.9重量%に等しいかそれより高い。1実施態様では、水に部分的に分散された親油性成分の量は、25℃での水中の両親媒性化合物の約1重量%〜約10重量%の範囲である。
【0018】
本明細書中で使用する「イオン強度」との用語は、各種のイオンのモル濃度にその電荷の平方をかけた数に等しい溶液中のイオンの電荷の効果を表す機能に関する。従って、イオン強度が高くなると、イオンは、より極性となる。それゆえ、親油性成分の長さ、および/または親水性成分の長さ、またはそのイオン強度は、この両親媒性化合物が少なくとも部分的に分散されるように、変えることができる。1実施態様では、親油性成分の分子量は、低くされ、そして親水性成分の分子量は、一定に保たれる。1実施態様では、親水性成分の分子量は、高くされ、そして親油性成分の分子量は、一定に保たれる。1実施態様では、親油性成分の分子量は、低くされ、そして親水性成分の分子量は、高くされる。1実施態様では、親油性成分の分子量は、低くされ、そして親水性成分の分子量は、一定に保たれる。1実施態様では、親水性成分のイオン強度は、高くされ、そして親油性成分の分子量は、一定に保たれる。
【0019】
この両親媒性化合物は、しばしば、約8に等しいかそれより高いHLB、好ましくは、約8〜約100のHLB、さらに好ましくは、約8〜約60のHLB、最も好ましくは、約8〜約40の範囲のHLBを有する。両親媒性化合物の混合物は、個々の両親媒性化合物のHLB値が約8〜約100または約8〜約40の範囲外であるが、両親媒性化合物の混合物全体がこれらの範囲内であるという条件で、使用され得る。
【0020】
(親油性成分)
本発明の親油性成分(これは、しばしば、「テイル」と呼ばれている)は、しばしば、約20個またはそれ以上、好ましくは、約25個またはそれ以上、さらに好ましくは、約30個またはそれ以上、さらにより好ましくは、約35個またはそれ以上、最も好ましくは、約40個またはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素基である。炭素原子の最大数は、しばしば、約750個またはそれ以下、好ましくは、約720個またはそれ以下、さらに好ましくは、約680個またはそれ以下、最も好ましくは、約420個またはそれ以下の炭素原子である。しばしば、この親油性成分は、少なくとも約250、好ましくは、少なくとも約300、最も好ましくは、少なくとも約500の最低数平均分子量を有する。しばしば、この親油性成分は、約10,000に等しいかそれ未満、好ましくは、約8000に等しいかそれ未満、さらに好ましくは、約5000に等しいかそれ未満、最も好ましくは、約3000に等しいかそれ未満の最大数平均分子量を有する。適当な数平均分子量範囲の例には、約250〜約10,000、好ましくは、約300〜約10、000、さらに好ましくは、約450〜約9000、さらにより好ましくは、約450〜約6000、最も好ましくは、約550〜約4750が挙げられる。典型的には、この親油性成分分子を作製するのに使用される炭化水素基の約5重量%未満は、約250未満の
【0021】
【数1】

を有し、さらに多くの場合、この親油性成分分子を作製するのに使用される炭化水素基は、少なくとも約800の
【0022】
【数2】

を有する。
【0023】
この炭化水素基は、好ましくは、ポリオレフィンから誘導される。適当なポリオレフィン化合物の例には、ポリイソブチレン;ポリプロピレン;ポリエチレン;イソブチレンとブタジエンとから誘導された共重合体;イソブテンとイソプレンとから誘導された共重合体;またはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、このポリオレフィンは、ポリイソブチレンまたはその混合物である。この親油性成分は、単独で、または組み合わせて使用できる。
【0024】
この親油性成分は、この両親媒性化合物の約6〜約94重量パーセント、好ましくは、約9〜約91重量パーセント、さらにより好ましくは、約12〜約88重量パーセント、最も好ましくは、約15〜約85重量パーセントの範囲で、存在している。
【0025】
(親水性成分)
本発明の親水性成分(これは、しばしば、「ヘッド」と呼ばれている)は、極性であり、そして以下からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む:
(i)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;
(ii)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;
(iii)以下を含むオリゴマー:
(1)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体;および
(2)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体であって、但し、成分(2)は、成分(1)とは異なる;
(iv)ヒドロキシアミノ基またはその誘導体;
(v)多価アルコールまたはその誘導体;および
(vi)ポリアミンまたはその誘導体。
【0026】
この親水性成分の成分(i)は、2個またはそれ以上の炭素原子、典型的には、約7個未満の炭素原子、好ましくは、約5個未満の炭素原子を含有するアルキレンオキシドから誘導されたオキシアルキレン基誘導体を含む。2個またはそれ以上の炭素原子を含有するアルキレンオキシドの適当な例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシドまたはそれらの混合物の誘導体が挙げられる。好ましくは、2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基は、エチレンオキシドまたはそれらの混合物の誘導体である。典型的には、2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基は、約1個〜約60個、好ましくは、約2個〜約45個、さらに好ましくは、約4個〜約35個、最も好ましくは、約6個〜約30個の繰り返し単位の数を有する。
【0027】
この親水性成分の成分(ii)は、しばしば、3個またはそれ以上の炭素原子、典型的には、約7個未満の炭素原子、好ましくは、約5個未満の炭素原子を含有するオキシアルキレン基を含む。3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基の適当な例には、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシドまたはそれらの混合物の誘導体が挙げられる。好ましくは、3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基には、プロピレンオキシドまたはそれらの混合物の誘導体が挙げられる。典型的には、3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基は、約1個〜約60個、好ましくは、約2個〜約45個、さらに好ましくは、約4個〜約35個、最も好ましくは、約6個〜約30個の繰り返し単位の数を有する。
【0028】
この親水性成分の成分(iii)は、以下を含むオリゴマーを含有する:(1)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基;(2)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基であって、但し、成分(2)は、成分(1)とは異なる。成分(1)は、上述の3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基と同様に定義される。成分(2)は、上述の2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基と同様に定義される。成分(1)および成分(2)で存在している炭素原子数の差は、しばしば、5個まで、好ましくは、3個まで、最も好ましくは、1個の炭素原子である。
【0029】
成分(1)および成分(2)の適当なオリゴマーの例には、エチレンオキシド−プロピレンオキシド、エチレンオキシド−ブチレンオキシド、エチレンオキシド−ペンチレンオキシド、エチレンオキシド−ヘプチレンオキシド、プロピレンオキシド−ブチレンオキシド、プロピレンオキシド−ペンチレンオキシド、プロピレンオキシド−ヘプチレンオキシドまたはそれらの混合物のオリゴマーが挙げられる。好ましくは、成分(1)および成分(2)のオリゴマーには、エチレンオキシド−プロピレンオキシド、エチレンオキシド−ブチレンオキシド、エチレンオキシド−ペンチレンオキシドまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、成分(1)および成分(2)のオリゴマーは、エチレンオキシド−プロピレンオキシドまたはそれらの混合物である。
【0030】
この親水性成分の成分(iv)は、ヒドロキシアミノ基である。しばしば、このヒドロキシアミノ基は、1個〜約10個、好ましくは、1個〜約8個、さらに好ましくは、約2個〜約6個、最も好ましくは、約2個〜約6個の水酸基を含有する。
【0031】
このヒドロキシアミノ基は、しばしば、1個〜約8個、さらに好ましくは、1個〜約4個、最も好ましくは、1個〜約2個のアミノ基を含有する。そのアミンには、第一級、第二級または第三級が挙げられるが、第二級または第三級が好ましい。
【0032】
このヒドロカルビル置換ヒドロキシアミンは、しばしば、1個〜約30個、好ましくは、約2個〜約20個、さらに好ましくは、約2個〜約10個の炭素原子を含有する。1実施態様では、このヒドロカルビル置換ヒドロキシアミンは、4個またはそれ以上の炭素原子と2個またはそれ以上の水酸基とを含有する。
【0033】
このヒドロキシアミノ基は、しばしば、ヒドロキシルアミンから誘導される。ヒドロキシアミンの適当な例には、エタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール;セリノール;2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール;トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン;N−メチルグルカミン、1−アミノ−1−デオキシ−D−ソルビトール;ジエタノールアミン;ジイソプロパノールアミン;N−メチル−N,N−ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−ジメチルアミノ−メチル−1−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−1−ブタノールおよびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、このヒドロキシアミンは、N−メチルグルカミンまたはそれらの混合物である。
【0034】
この親水性成分の成分(v)は、多価アルコール(これはまた、しばしば、ポリオールとも呼ばれる)から誘導される。この多価アルコールは、グリコール、非グリコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。この多価アルコールは、しばしば、脂肪族、環状脂肪族、芳香族または複素環である。この多価アルコールは、脂肪族−置換環状脂肪族アルコール、脂肪族−置換芳香族アルコール、脂肪族−置換複素環アルコール、環状脂肪族−置換脂肪族アルコール、環状脂肪族−置換芳香族アルコール、環状脂肪族−置換複素環アルコール、複素環−置換脂肪族アルコール、複素環−置換環状脂肪族アルコール、複素環−置換芳香族アルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0035】
この多価アルコールは、約2個〜約10個、好ましくは、約2個〜約6個の水酸基を含有する。典型的には、非グリコール多価アルコールは、約40個以下、好ましくは、約20個以下、最も好ましくは、約3個〜約15個の炭素原子を含有する。グリコールから誘導したアルコールは、約150個までのオキシアルキレン基を含有し、そのオキシアルキレン基ラジカルは、約2個〜約8個、さらに好ましくは、約2個〜約5個の炭素原子を含有する。
【0036】
この多価アルコールがグリコールであるとき、グリコールの適当な例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ジ−グリセロール、トリ−グリセロール、テトラ−グリセロール、エリスリトール、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(トリメチロールエタン)、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール−(トリメチロールプロパン)、1,2,4−ヘキサントリルおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0037】
この多価アルコールが非グリコールであるとき、適当な例には、ジヒドロキシプロパン、ジヒドロキシブタン、ジヒドロキシペンタン、グリセリン、トリヒドロキシプロパン、トリヒドロキシブタン、トリヒドロキシペンタン、グリセロール、エリスリトール、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(トリメチロールエタン)、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリメチロールプロパン)、1,2,4−ヘキサントリオールおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0038】
この親水性成分の成分(vi)は、ポリアミンから誘導される。このポリアミンは、直鎖または分枝であり得、そしてアルキレンポリアミン、環状脂肪族ポリアミン、複素環ポリアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0039】
1実施態様では、このアルキレンポリアミンは、エチレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ブチレンポリアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。プロピレンポリアミンの例には、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミンまたはそれらの混合物が挙げられる。エチレンポリアミンが好ましく、具体例には、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリアミンスティルボトムス、重質アミン(例えば、Union Carbide製のHPA−XTM、Dow製のE−100TM)およびそれらの混合物が挙げられる。
【0040】
1実施態様では、このポリアミンは、α,β−ジアミノアルカンである。適当なα,β−ジアミノアルカンには、ジアミノプロパン、ジアミノブタンまたはそれらの混合物が挙げられる。特定のジアミノアルカンは、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、3,3’−ジアミン−N−メチルジプロピルアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、N,N’−1,2−エタンジイルビス−(1,3−プロパンジアミン)およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0041】
本発明は、この親水性成分の誘導体を含む。しばしば、これらの誘導体は、他の極性部分を含む。この極性部分の適当な例は、アルコール、非イオン性アミン、カチオン性第一級アミン、カチオン性第二級アミン、カチオン性第三級アミン、四級アミン、アミド、イミド、アルカノールアミン、サルコシネート、スルホスクシネート、タウレート、スルホネート、サルフェート、アミンオキシド、ポリ(オキシアルキレン)化合物(アルキレンオキシド繰り返し単位を含むブロック共重合体(例えば、PluronicTM);ビス(2−アミノプロピル)エーテル−エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(これは、Jeffamine ED 2003TM(またはXTJ−502TM)、Jeffamine M−1000TM(またはXTL−506TM)として、市販されている)を含めて)、エトキシレート(例えば、エトキシル化アルコール;エトキシル化アミン;エトキシル化アミド;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化酸;エトキシル化フェノール;エトキシル化エステル)、ケトン、カルボキシレート、アルデヒド、グリセロールエステル、エステル、2−アクリロミドメチルプロパンスルホン酸、2−メタクリロミドメチルプロパンスルホン酸、イミダゾリン、ホスフェート、ホスホネート、ボレート、ボラン、シリケート、モノグリセリド、ジグリセリド、リン酸エステル、プロポキシル化酸、ソルビタン、スクロースエステル、カルボキシレート塩、ハロゲン化物、含酸素ハロゲン化物、ナイトレート、ナイトライト、ニトロソ化合物、ニトラミン、ニトロ化合物、スルフィド、スルフィット、チオール、含酸素イオウ、アジド、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0042】
好ましくは、この極性部分は、非イオン性アミン、カチオン性第一級アミン、N−メチルグルカミン、ポリ(オキシアルキレン)化合物、2−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、2−メタクリロミドメチルプロパンスルホン酸、スルホネート、サルフェート、エトキシレート、ビス(2−アミノプロピル)エーテル−エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、ホスホネート、カルボキシレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0043】
この極性部分がアンモニウムまたは金属対イオンを必要とするとき、その金属の適当な例には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、この金属対イオンは、ナトリウムまたはそれらの混合物である。
【0044】
この親水性成分は、この両親媒性化合物の約6〜約93.9重量パーセント、好ましくは、約9〜約90.9重量パーセント、さらにより好ましくは、約12〜約87.9重量パーセント、最も好ましくは、約15〜約84.9重量パーセントの範囲で、存在している。この親水性成分は、単独で、または組み合わせて使用できる。
【0045】
(リンカー)
本発明は、さらに、この親水性成分と親油性成分とを共有結合するリンカーを含む。本発明の1実施態様では、このリンカーは、この親水性成分と親油性成分との間の直接の共有結合(例えば、C−Qであり、ここで、Cは、炭素原子であり、そしてQは、C、N、O、PまたはSであり、好ましくは、Cは、親油性成分から誘導され、そしてQは、親水性成分から誘導される)である。QがCであるとき、このリンカーは、C−C結合であり、これは、飽和または不飽和である。
【0046】
本発明の1実施態様では、このリンカーは、α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸またはその反応性等価物から誘導され、そして一塩基性または多塩基性のいずれかの性質であり得る。一塩基カルボン酸には、次式で表わされるものが挙げられる:
【0047】
【化1】

ここで、Rは、水素またはヒドロカルビル(これは、1個〜20個、好ましくは、1個〜10個、さらに好ましくは、1個〜5個、最も好ましくは、1個〜2個の炭素原子を含有する)である;そしてRおよびRは、同一または異なり得、そして別個に、水素またはアルキル(これは、1個〜6個、好ましくは、1個〜4個、最も好ましくは、1個〜2個の炭素原子を有する)である。好ましくは、RおよびRの少なくとも1つは、水素であり、最も好ましくは、RおよびRの両方は、水素である。
【0048】
一塩基カルボン酸には、(メタ)アクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、3−フェニルプロペン酸、α,β−デセン酸、グリオキシル酸およびそれらの混合物が挙げられる。(「(メタ)アクリル酸」との表現は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を含むことが意図される)。
【0049】
多塩基カルボン酸は、好ましくは、ジカルボン酸であるが、トリ−カルボン酸およひせテトラ−カルボン酸は、使用できる。適当な多塩基酸の例には、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、イタコン酸、シトラコン酸またはそれらの混合物が挙げられる。
【0050】
一塩基または多塩基のカルボン酸の反応性等価物には、無水物、ヘミアセタール、エステル、アシル化窒素、ハロゲン化アシル、ニトリル、金属塩またはそれらの混合物が挙げられる。これらのうちでは、無水物、特に、二酸の無水物が好ましい。1実施態様では、二塩基カルボン酸の誘導体は、無水マレイン酸である。、二塩基カルボン酸の誘導体は、イミド、アミド、半アミド、エステル、半エステル、金属塩、半金属塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0051】
本発明の1実施態様では、このリンカーは、アルキルフェノールまたはその誘導体であり、そして次式により表わされる:
【0052】
【化2】

ここで、Rは、親油性成分であり、そしてGは、ヒドロカルビル基またはそれらの混合物である。Gは、存在しているとき、全ての位置で位置できるか、または別個に、水酸基に対して、2位置、3位置、5位置または6位置で位置できるものの、2位置または6位置が好ましい。vは、0、1、2、3または4の値を有する整数である。好ましくは、vは、0、1または2の値であり、最も好ましくは、1である。1実施態様では、vは、0であり、そして他の実施態様では、vは、1である。
【0053】
1実施態様では、このリンカーは、公知の清浄剤から誘導され、これらには、フェネート、スルホネート、サリゲニン、サリキサレートまたはそれらの混合物が挙げられる。これらの清浄剤は、オーバーベース(overbased)であってもなくてもよい。フェネートは、架橋基を含み得るか、または非架橋であり得る。架橋基には、イオウ原子、または共に結合された多数のイオウ原子、アルキレン基(特に、メチレンカップリングした)またはそれらの混合物が挙げられる。
【0054】
本発明の1実施態様では、このリンカーは、1,2,4−トリアゾールまたはベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2−アルキルジチオベンゾイミダゾール、2−(N,N−ジアルキルジチオカルバモイル)ベンゾチアゾール、2,5−ビス(アルキル−ジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジアルキルジチオカルバモイル)−1,3,4−チアジアゾール、2−アルキルジチオ−5−メルカプトチアジアゾール、2−アルキルジチオベンゾチアゾール、またはそれらの混合物により、代表される。1実施態様では、このリンカーは、1,2,4−トリアゾールの誘導体またはそれらの混合物である。1実施態様では、この任意のリンカーは、ベンゾトリアゾールの誘導体またはそれらの混合物である。1実施態様では、この任意の誘導体は、2,5−ビス(アルキル−ジチオ)−1,3,4−チアジアゾールまたはそれらの混合物である。
【0055】
適当なベンゾトリアゾールの例には、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、4−エチルベンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、4−プロピルベンゾトリアゾール、5−プロピルベンゾトリアゾール、N,N−ビス(ヘプチル)−ar−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メタンアミン、N,N−ビス(ノニル)−ar−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メタンアミン、N,N−ビス(デシル)−ar−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メタンアミン、N,N−ビス(ウンデシル)−ar−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メタンアミン、N,N−ビス(ドデシル)−ar−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メタンアミン、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−ar−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メタンアミンおよびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、適当なベンゾトリアゾールの例は、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0056】
適当な2,5−ビス(アルキル−ジチオ)−1,3,4−チアジアゾールの例には、2,5−ビス(第三級オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級デシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級ウンデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級ドデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級トリデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級テトラデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級ペンタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級ヘキサデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級ヘプタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級オクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級ノナデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(第三級エイコシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールおよびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、適当な2,5−ビス(アルキル−ジチオ)−1,3,4−チアジアゾールの例には、2,5−ビス(第三級ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0057】
このリンカーは、両親媒性化合物の約0.1〜約30重量パーセント、好ましくは、約0.1〜約25重量パーセント、さらにより好ましくは、約0.1〜約20重量パーセント、最も好ましくは、約0.1〜約15重量パーセントの範囲で、存在している。
【0058】
(方法)
本発明は、さらに、両親媒性化合物を調製する方法を提供し、該方法は、以下を反応させる工程を包含する:
(a)親油性反応物であって、該親油性反応物は、該両親媒性化合物の約6〜約94重量パーセントの範囲で存在している;
(b)親水性反応物であって、該親水性反応物は、該両親媒性化合物の約6〜約93.9重量パーセントの範囲で存在している;
(c)該親水性成分と該親油性成分とを共有結合するリンカー反応物であって、該リンカー反応物は、該両親媒性化合物の約0.1〜約30重量パーセントの範囲で存在しており、
ここで、該親油性反応物は、約20個またはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素基である;該親水性反応物は、以下からなる群の少なくとも1つから選択される:(i)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;(ii)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;(iii)以下を含むオリゴマー:(1)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体;および(2)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体であって、但し、成分(2)は、成分(1)とは異なる;(iv)ヒドロキシアミノ基またはその誘導体;(v)多価アルコールまたはその誘導体;および(vi)ポリアミンまたはその誘導体;ここで、該親水性反応物は、該両親媒性化合物を少なくとも部分的に水に分散するのに十分な量で、存在している。
【0059】
本発明の両親媒性化合物は、親油性成分、親水性成分およびリンカーを含有し、これらは、それぞれ、親油性反応物、親水性反応物およびリンカー反応物から誘導される。
【0060】
反応物(a)、(b)および(c)は、しばしば、単一部分、複数部分またはそれらの混合で加えられる。好ましくは、反応物(a)および(c)は、単一部分で加えられる;そして反応物(b)は、複数部分で加えられる。複数部分は、約2回またはそれ以上の添加、好ましくは、約3回またはそれ以上の添加、最も好ましくは、約4回またはそれ以上の添加を伴う。各部分は、ほぼ同じ重量、異なり重量、またはそれらの混合である。好ましくは、1個より多い部分が加えられるとき、各部分は、ほぼ同じ重量である。
【0061】
必要に応じて、この方法は、(a)、(b)および(c)を反応させる前または反応中に溶媒を加える工程を包含するが、好ましくは、この溶媒は、反応前に加えられる。適当な溶媒の例には、トルエンまたはキシレン、鉱油、水、C〜C20一価アルコール、C〜C20二価アルコール、C〜C20三価アルコール、カルボン酸エステル(例えば、酢酸エチル)、エーテルまたはそれらの混合物が挙げられる。あるいは、この溶媒は、炭化水素溶媒または鉱油と組み合わせて、C〜C一価アルコール(例えば、メタノール)を含む。好ましくは、この溶媒は、トルエンまたはそれらの混合物である。
【0062】
反応物(a)、(b)および(c)を反応させる温度は、約25℃〜約250℃、好ましくは、約35℃〜200℃、最も好ましくは、約40℃〜約175℃の範囲である。1実施態様では、この温度範囲は、約45℃〜約65℃である。1実施態様では、この温度範囲は、約120℃〜約150℃である。
【0063】
反応物(a)、(b)および(c)を反応させる温度は、約30秒間〜約24時間、好ましくは、約1分間〜約20時間、最も好ましくは、約2分間〜約15時間の範囲の時間で、保持される。1実施態様では、この混合物は、約5分間保持される。1実施態様では、この混合物は、約7分間保持される。1実施態様では、この混合物は、約10分間保持される。1実施態様では、この混合物は、約15分間保持される。1実施態様では、この混合物は、約20分間保持される。1実施態様では、この混合物は、約30分間保持される。1実施態様では、この混合物は、約1.5時間保持される。1実施態様では、この混合物は、約5時間保持される。1実施態様では、この混合物は、約7時間保持される。
【0064】
反応物(a)、(b)および(c)を反応させるのに使用される圧力は、約93.3kPa〜約266.7kPa(約700mmHg〜約2000mmHg)、好ましくは、約100kPa〜約133.3kPa(約750mmHg〜約1000mmHg)、最も好ましくは、約103kPa〜約120kPa(約775mmHg〜約900mmHg)の範囲である。
【0065】
必要に応じて、この方法は、さらに、好ましくは、減圧中で、さらに好ましくは、減圧オーブンにて、(a)、(b)および(c)を反応させることにより形成された両親媒性化合物を乾燥する工程を包含する。
【0066】
この減圧オーブンは、存在するとき、約7kPa〜約102kPa(約50mmHg〜約765mmHg)、好ましくは、約13kPa〜約96kPa(約100mmHg〜約720mmHg)、最も好ましくは、約28kPa〜約92kPa(約210mmHg〜約690mmHg)の範囲の圧力を有する。この減圧オーブンは、しばしば、約25℃〜約120℃、好ましくは、約35℃〜90℃、最も好ましくは、約40℃〜約80Cの範囲の温度を有する。1実施態様では、この温度は、約60℃である。1実施態様では、この温度は、約65℃である。本発明の両親媒性化合物は、しばしば、溶媒および/または水分の少なくとも約50重量%、好ましくは、少なくとも約70重量%、さらに好ましくは、少なくとも約90重量%、さらにより好ましくは、少なくとも約98重量%が除去されるまで、減圧オーブン中に残る。1実施態様では、本発明の両親媒性化合物は、溶媒および/または水分の少なくとも約99重量%が除去されるまで、減圧オーブン中で乾燥される。1実施態様では、本発明の両親媒性化合物は、実質的に溶媒および/または水分を含まない。
【0067】
(工業用途)
本発明の両親媒性化合物は、他の非極性液体および/または固体の乳化または分散または他の表面または界面水中油形界面活性剤または乳化剤を湿潤する性能が必要な任意の用途で、有用である。この両親媒性化合物は、ブライン、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウムおよびそれらの混合物からなる群の少なくとも1種から誘導された塩溶液の存在下または非存在下にて、使用され得る。好ましくは、この両親媒性化合物は、塩溶液の存在を要しない。これらの用途には、乳濁液、マイクロ−乳濁液、ナノ−乳濁液、逆性乳濁液、水中油中水形および油中水中油形だけでなく、それらの他の組み合わせが挙げられる。
【0068】
本発明の両親媒性化合物は、以下からなる群から選択される少なくとも1つの用途で使用できる:油圧作動液、金属加工液、洗浄液、洗剤またはパーソナルケア製品、農業製品(例えば、除草剤または殺虫剤の乳化)、顔料またはスラリーのような固形物の分散、塗料(例えば、水系塗料)の分散、コーティング、アスファルト、輸送用途(例えば、水中油形乳濁液としての重油または原油の輸送)、セメント、粘土用のオルガノフィリックコーティング、汎用格子、インク、発泡抑制剤、医薬品、食品、皮革処理、織物、爆薬、研磨剤および乳化重合。
【0069】
1実施態様では、本発明の両親媒性化合物は、パーソナルケア製品(ローション、クリームまたは固形物を含めて)で使用できる。これらの製品は、着色されているか無色である。適当なパーソナルケア品目の例には、ヘアケア製品(シャンプー、コンディショナー、染料)またはヘアスタイリング処方物(例えば、ゲル、フォーム、ムース、メーキャップ)または他のスキンケア製品(例えば、口紅、リップグロス、マニキュア液、マスカラ、日焼け止め剤またはモイスチャライザー)が挙げられる。
【0070】
1実施態では、本発明の両親媒性化合物は、工業用または家庭用の硬質表面洗浄用途で使用する洗浄液で使用できる。例には、食器の洗浄、織物の洗浄、浴槽およびタイル(特に、セラミックタイル)の洗浄、床の洗浄、一般の流し、カウンタ、キャビネット、金属およびガラス製品の洗浄が挙げられる。1実施態様では、本発明の両親媒性化合物は、タイルの洗浄に使用できる。
【0071】
1実施態様では、本発明の両親媒性化合物は、例えば、洗濯機または手で食器を洗う用途での水性材料の発泡を増やすかまたは減らす。
【0072】
1実施態様では、この両親媒性化合物は、水性または他の極性液体中にて、液晶または他の構造を作り出すのに役立ち、それにより、溶解性能および/またはレオロジー変性および/または色または光屈性の変性を与える。
【0073】
以下の実施例は、本発明を例示する。しかしながら、これらの実施例は、全てを網羅するものではなく、本発明の範囲を限定するとは解釈されないことに留意すべきである。
【実施例】
【0074】
(特定の実施態様)
(実施例1)
1リットル丸底フラスコに、およそ276.5gのポリイソブチレン無水コハク酸(約1000 M.W.のポリイソブチレン鎖)を加え、そして冷却器を取り付ける。フラスコを約120℃まで加熱し、そして撹拌しつつ、約12.8gのN−メチルグルカミンを加える。次いで、このフラスコを約130℃まで加熱し、そして撹拌しつつ、第二量のN−メチルグルカミンを加える(約12.8g)。約10分後、第三量のN−メチルグルカミンを加える(約12.8g)。この試料を、130℃で、約10分間保持し、次いで、約46.8gのプロピレングリコールを加える。このフラスコの内容物を、130℃で、生成物が形成されるまで、約5時間撹拌する。全般的に、この生成物は、1:1のモル比のポリイソブチレン無水コハク酸:N−メチルグルカミンを含有する。
【0075】
(実施例2)
1リットル丸底フラスコに、およそ251.3gのポリイソブチレン無水コハク酸(約1000 M.W.のポリイソブチレン鎖)を加え、そして冷却器を取り付ける。フラスコを約150℃まで加熱し、そして撹拌しつつ、約46.4gのN−メチルグルカミンを加える。次いで、このフラスコを約160℃まで加熱し、そして撹拌しつつ、第二量のN−メチルグルカミンを加える(約15.5g)。約10分後、第三量のN−メチルグルカミンを加える(約15.5g)。この試料を約165℃まで加熱し、そして約50.0gのプロピレングリコールを加え、続いて、他の量のN−メチルグルカミンを加える(約21.6g)。このフラスコの内容物を、165℃で、生成物が形成されるまで、約7時間撹拌する。全般的に、この生成物は、1:2のモル比のポリイソブチレン無水コハク酸:N−メチルグルカミンを含有する。
【0076】
(実施例3)
丸底フラスコに、およそ80.8gのビス(2−アミノプロピル)エーテル−エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(これは、JEFFAMINE(登録商標)ED−2003(またはXTJ−502)として、市販されている)を入れ、そして約48℃まで加熱する。このフラスコに、約15分間にわたって、約41.5gのポリイソブチレン無水コハク酸(約1000 M.W.のポリイソブチレン鎖)と約41.7gのトルエンとの混合物を加える。その反応物を約65℃まで加熱し、そして約20分間保持する。生成物を、減圧下にて、約60℃で、乾燥するまで、ガラス皿に置く。最終生成物は、琥珀色固形物であり、そしてポリイソブチレン無水コハク酸:JEFFAMINE(登録商標)ED−2003のモル比は、約1:1である。
【0077】
(実施例4)
丸底フラスコに、およそ141.9gのビス(2−アミノプロピル)エーテル−エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(これは、JEFFAMINE(登録商標)ED−2003)として、市販されている)を入れ、そして約65℃まで加熱する。このフラスコに、約7分間にわたって、約73.7gのポリイソブチレン無水コハク酸(約1000 M.W.のポリイソブチレン鎖)と約75.3gのトルエンとの混合物を加える。次いで、このフラスコを約65℃まで加熱し、約5分間保持し、そして約5.7gの50%水酸化ナトリウム溶液を加える。その反応混合物に、約28gの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS(登録商標)−Na;これは、The Lubrizol Corporationから市販されている)を加え、その温度を、約1.5時間にわたって、約110℃まで上げる。ディーン・スタークトラップにて、水副生物を集める。生成物を、減圧下にて、約60℃で、乾燥するまで、ガラス皿に置く。最終生成物は、琥珀色固形物であり、そしてポリイソブチレン無水コハク酸:JEFFAMINE(登録商標)ED−2003:水酸化ナトリウム:AMPS(登録商標)−Naのモル比は、約1:1:1:1である。
【0078】
(実施例5)
フラスコに、およそ145gのポリエチレングリコール1450を加え、そして約80℃まで加熱する。このフラスコに、約30分間にわたって、約100gのポリイソブチレン無水コハク酸(約1000 M.W.のポリイソブチレン鎖)を加え、そして温度を約80℃で保ちつつ、3時間保持する。次いで、その反応混合物を約110℃まで加熱し、約4時間保持した後、約80℃まで冷却し、そして約3時間保持する。この反応混合物に、4つの部分の約10gのアミノプロピルエーテル−エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(これは、JEFFAMINE(登録商標)M−1000(またはXTJ−506)として、市販されている)を加える。JEFFAMINE(登録商標)M−1000の4番目の部分を加えた後、その混合物を撹拌し、そして約300gの水を加えた後、周囲温度まで冷却する。1:1:0.4のモル比のポリイソブチレン無水コハク酸(約1000 M.W.のポリイソブチレン鎖):ポリエチレングリコール1450:JEFFAMINE(登録商標)M−1000で、透明生成物が得られる。
【0079】
(実施例6)
フラスコに、およそ180gのポリエチレングリコール600を加え、そして約48℃まで加熱する。このフラスコに、約0.3gの酢酸ナトリウムを加え、得られた混合物を、約2時間にわたって、約120℃まで加熱し、この間、約150gのポリイソブチレン無水コハク酸(約1000 M.W.のポリイソブチレン鎖)をゆっくりと加える。その反応混合物を、約120℃で、約7.5時間保持した後、約0.7gの酢酸ナトリウムの第二添加を行う。この反応混合物を、約120℃で、さらに約13時間保持する。次いで、この反応混合物を約85℃まで冷却し、そして約330gの蒸留水を加える。熱プレート上で約30分間撹拌した後、生成物を得た。
【0080】
(実施例7)
この実験手順は、約300gの実施例6の生成物をビーカーに注ぎ、そして約3.6gの50%水酸化ナトリウム溶液を加えること以外は、実施例6と同じである。熱プレート上で約30分間撹拌した後、生成物を得た。
【0081】
(試験1−洗浄試験)
素焼きのセラミックタイルを、約10〜15mm長のほぼ立方体のブロックに割り、そして土(これは、飽和脂肪(ステアリン酸)および不飽和脂肪(オレイン酸/リノール酸)の組み合わせから構成され、そして水溶性染料を含有する)で被覆する。土と素焼きのセラミックタイルとの混合物を、約20分ごとに断続的に混合して均一な被覆を確保しつつ、約1時間にわたって、約90℃まで加熱する。土を付けたセラミックを、連続的なロール混合と共に、室温まで冷却し、そして一晩放置する。およそ25gの土を付けた素焼きのセラミックタイルを秤量して、25gの溶液(これは、実施例1〜7で調製した両親媒性化合物を含有する)と共に、75gガラス容器に入れる。このガラス容器を、リストシェーカーにて、10分間にわたって、レベル3で振盪する。それらの試料を秤量した後、蒸留水でリンスする。蒸留水でリンスした後、これらの試料を再秤量し、除去された土の割合を計算する。この過程を、1試料あたり3回実行し、2回の結果を平均した結果を得る。実施例1〜7について、除去された土の平均割合は、以下である:
(表1:土除去について得られた結果)
【0082】
【表1】

この試験は、本発明の両親媒性化合物がセラミックタイルを洗浄できることを立証している。
【0083】
(試験2−残留洗浄性能)
この試験は、土組成物が試験1の最後に洗い落とされた蒸留水を使用すること以外は、試験1と同じ方法を使用して、実行する。実施例1〜7について、除去された土の平均割合は、以下である:
(表2:残留洗浄液からの土除去について得られた結果)
【0084】
【表2】

全般的に、実施例1〜7で使用された乳化剤の全ては、セラミックタイルを洗浄する性能を示す。しかしながら、試験1の最後に洗い落とされた水を使用すると、この水は乳化剤が少なく乳化剤の洗浄性能が低下するので、これらの乳化剤は、試験2では、それ程良好な残留洗浄性能を有しない。
【0085】
本発明を説明しているものの、それらの種々の変更は、本明細書を読めば、当業者に明らかなことが理解できるはずである。従って、本明細書中で開示の発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るこれらの変更を含むべく意図されていることが理解できるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含有する、両親媒性化合物:
(a)親油性成分であって、ここで、該親油性成分は、約20個またはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素基である;
(b)親水性成分であって、ここで、該親水性成分は、以下からなる群の少なくとも1つから選択される:
(i)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;
(ii)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;
(iii)以下を含むオリゴマー:
(1)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体;および
(2)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体であって、但し、成分(2)は、成分(1)とは異なる;
(iv)ヒドロキシアミノ基またはその誘導体;
(v)多価アルコールまたはその誘導体;および
(vi)ポリアミンまたはその誘導体;および
(c)該親水性成分と該親油性成分とを共有結合するリンカーであって、ここで、該親水性成分は、該両親媒性化合物を少なくとも部分的に水に分散するのに十分な量で、存在している、
化合物。
【請求項2】
前記親油性成分が、約30個またはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素基である、請求項1に記載の両親媒性化合物。
【請求項3】
前記親油性成分が、ポリオレフィンである、請求項1に記載の両親媒性化合物。
【請求項4】
前記ポリオレフィンが、ポリイソブチレンまたはその混合物である、請求項3に記載の両親媒性化合物。
【請求項5】
前記ポリイソブチレンの数平均分子量が、少なくとも約250である、請求項4に記載の両親媒性化合物。
【請求項6】
前記両親媒性化合物を部分的に水に分散させる量が、25℃で水に分散された該両親媒性化合物の約0.01重量%に等しいかそれより多くされ得る、請求項1に記載の両親媒性化合物。
【請求項7】
前記両親媒性化合物を部分的に水に分散させる量が、25℃で水に分散された該両親媒性化合物の約0.3重量%に等しいかそれより多くされ得る、請求項1に記載の両親媒性化合物。
【請求項8】
前記両親媒性化合物が、約8またはそれ以上のHLBを有する、請求項1に記載の両親媒性化合物。
【請求項9】
前記親水性成分が、さらに、他の極性部分を含む、請求項1に記載の両親媒性化合物。
【請求項10】
前記極性部分が、アルコール、非イオン性アミン、カチオン性第一級アミン、カチオン性第二級アミン、カチオン性第三級アミン、四級アミン、アミド、イミド、アルカノールアミン、サルコシネート、スルホスクシネート、タウレート、スルホネート、サルフェート、アミンオキシド、ポリ(オキシアルキレン)化合物、エトキシレート、ケトン、カルボキシレート、アルデヒド、グリセロールエステル、エステル、2−アクリロミドメチルプロパンスルホン酸、2−メタクリロミドメチルプロパンスルホン酸、イミダゾリン、ホスフェート、ホスホネート、ボレート、ボラン、シリケート、モノグリセリド、ジグリセリド、リン酸エステル、プロポキシル化酸、ソルビタン、スクロースエステル、カルボキシレート塩、ハロゲン化物、含酸素ハロゲン化物、ナイトレート、ナイトライト、ニトロソ化合物、ニトラミン、ニトロ化合物、スルフィド、スルフィット、チオール、含酸素イオウ、アジド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の両親媒性化合物。
【請求項11】
前記極性部分が、2−アクリロミドメチルプロパンスルホン酸、
エトキシレート、カチオン性第一級アミン、非イオン性アミン、ビス(2−アミノプロピル)エーテル−エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、ホスフェート、サルフェート、スルホネート、カルボキシレート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の両親媒性化合物。
【請求項12】
前記親水性成分と前記親油性成分とを共有結合するリンカーが、α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸またはその反応性等価物である、請求項1に記載の両親媒性化合物。
【請求項13】
前記α,β−オレフィン性不飽和カルボン酸またはその反応性等価物が、ジカルボン酸の誘導体またはその混合物である、請求項12に記載の両親媒性化合物。
【請求項14】
前記ジカルボン酸が、無水マレイン酸またはその混合物である、請求項13に記載の両親媒性化合物。
【請求項15】
前記ジカルボン酸の誘導体が、イミド、アミド、半アミド、エステル、半エステル、金属塩、半金属塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の両親媒性化合物。
【請求項16】
両親媒性化合物を調製する方法であって、該方法は、以下を反応させる工程を包含する:
(a)親油性反応物であって、該親油性反応物は、該両親媒性化合物の約6〜約94重量パーセントの範囲で存在している;
(b)親水性反応物であって、該親水性反応物は、該両親媒性化合物の約6〜約93.9重量パーセントの範囲で存在している;
(c)該親水性成分と該親油性成分とを共有結合するリンカー反応物であって、該リンカー反応物は、該両親媒性化合物の約0.1〜約30重量パーセントの範囲で存在しており、
ここで、該親油性反応物は、約20個またはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素基である;該親水性反応物は、以下からなる群の少なくとも1つから選択される:(i)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;(ii)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基のモノマーまたはオリゴマー、またはその誘導体;(iii)以下を含むオリゴマー:(1)3個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体;および(2)2個またはそれ以上の炭素原子を含有するオキシアルキレン基、またはその誘導体であって、但し、成分(2)は、成分(1)とは異なる;(iv)ヒドロキシアミノ基またはその誘導体;(v)多価アルコールまたはその誘導体;および(vi)ポリアミンまたはその誘導体;ここで、該親水性反応物は、該両親媒性化合物を少なくとも部分的に水に分散するのに十分な量で、存在している、
方法。
【請求項17】
さらに、溶媒を加える工程を包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、前記両親媒性化合物を乾燥する工程を包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
乾燥が、減圧下にて実行される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記両親媒性化合物を部分的に水に分散させる量が、25℃で水に分散された該両親媒性化合物の約0.01重量%に等しいかそれより多い、請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2007−525566(P2007−525566A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535409(P2006−535409)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/034402
【国際公開番号】WO2005/042140
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(591131338)ザ ルブリゾル コーポレイション (203)
【氏名又は名称原語表記】THE LUBRIZOL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】29400 Lakeland Boulevard, Wickliffe, Ohio 44092, United States of America
【Fターム(参考)】