説明

新規sEH阻害剤およびそれらの使用

本発明は、新規sEH阻害剤、およびsEH酵素により媒介される疾患の治療におけるそれらの使用を対象とする。詳しくは、本発明は、式I:


[式中、R1、R2、R4、R5、R6、A、B、Y、Z、nおよびmは以下に定義される]で示される化合物およびその医薬上許容される塩を対象とする。本発明の化合物は、sEH阻害剤であり、高血圧症のようなsEH酵素により媒介される疾患の治療において使用され得る。したがって、本発明は、また、本発明の化合物を含む医薬組成物を対象とする。本発明は、また、本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物を使用する、sEHの阻害およびsEHに関連する状態の治療の方法を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規sEH阻害剤、およびsEH酵素により媒介される疾患の治療におけるそれらの使用を対象とする。
【背景技術】
【0002】
エポキシド官能基は、薬物、生体異物および内在性生体分子に見られる。植物および動物のどちらにも見られるエポキシドヒドロラーゼは、加水分解によってエポキシドをジオールに変換する酵素である。哺乳動物において、可溶性エポキシドヒドロラーゼ(「sEH」)は、主に、エポキシエイコサトリエン酸類(「EETs」)として知られているアラキドン酸誘導体の代謝に関与する。sEHは、EETsをジヒドロキシエイコサトリエン酸類(「DHETs」)に変換する。EETsの有益な血管拡張効果、抗炎症効果および抗血栓効果を記載している刊行物がいくつかある。非特許文献1、非特許文献2を参照。DHETsは、一般的に、不活性であり、かくして、EETsの有益な効果を示さない。
【0003】
反対に、ミクロソームエポキシドヒドロラーゼ(「mEH」)は、発癌性多環式芳香族炭化水素および反応性エポキシドを包含する様々なエポキシド基質の加水分解を触媒し、かくして、重要な解毒作用経路をもたらす。mEHの多型は前発癌物質の生体内活性化の差異をもたらす可能性があり、mEH遺伝子型が発癌リスクの変化に関与することを示唆するヒト疫学研究がいくつかある。非特許文献3。
【0004】
ノックアウトマウス表現型および遺伝子多型の薬理学的研究は、EETレベルの上昇が高血圧症[非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7]、心不全[非特許文献8]、腎機能障害/末端臓器障害[非特許文献9;非特許文献10]、脳卒中[非特許文献11;非特許文献12;非特許文献13]、アテローム性動脈硬化症および血栓症[非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17]ならびに炎症[非特許文献18]を含む多くの心血管障害において防御的であることを示唆している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】E.g. Spector et al., Prog. Lipid Res., 43, 55-90, 2004
【非特許文献2】Imig, Cardiovasc. Drug Rev., 24, 169-188, 2006
【非特許文献3】Fretland & Omiecinski, Chemico-Biol. Int., 129, 41-59, 2000
【非特許文献4】Sinal et al., J. Biol. Chem., 275, 40504-40510, 2000
【非特許文献5】Imig et al., Hypertension, 39, 690-694, 2002
【非特許文献6】Jung et al., Hypertension, 45, 759-765, 2005
【非特許文献7】Loch et al., Cell Biochem Biophys., 47, 87-98, 2007
【非特許文献8】Xu et al., Proc. Natl Acad. Sci. U.S.A.,103, 18733-18738, 2006
【非特許文献9】Zhao et al., J. Am. Soc. Nephrol., 15, 1244-1253, 2004
【非特許文献10】Imig et al., Hypertension, 46, 975-981, 2005
【非特許文献11】Dorrance et al., J. Cardiovasc. Pharmacol., 46, 842-848, 2005
【非特許文献12】Fornage et al., Hum. Mol. Genet., 14, 2829-2837, 2005
【非特許文献13】Koerner et al., J. Neurosci., 27; 4642-4649, 2007
【非特許文献14】Sato et al., J. Hum. Genet., 49, 29-34, 2004
【非特許文献15】Lee et al., Hum Mol Genet., 15, 1640-1649, 2006
【非特許文献16】Wei et al., Atherosclerosis, 190, 26-34, 2007
【非特許文献17】Krotz et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 24; 595-600, 2004
【非特許文献18】Inceoglu et al., Life Sci., 79, 2311-2319, 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
EETsの有益な効果を利用するように設計されたかかる状態の治療に対する一のアプローチは、sEHの作用を阻害し、それによりEET分解を防止することであった。sEHがEETsの分解において果たす役割を考慮すると、その活性を阻害する化合物を製造することが望ましい。かくして、sEH酵素により媒介される様々な状態の治療に用いることができる、sEHを阻害する化合物を同定することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、新規sEH阻害剤、およびsEH酵素により媒介される疾患の治療におけるそれらの使用に関する。詳しくは、本発明は、式I:
【化1】

[式中、R1、R2、R4、R5、R6、A、B、Y、nおよびmは以下に定義される]
で示される化合物およびその医薬上許容される塩を対象とする。
【0008】
本発明の化合物は、新規sEH阻害剤、および高血圧症のようなsEH酵素により媒介される疾患の治療において使用され得る。したがって、本発明は、また、本発明の化合物を含む医薬組成物を対象とする。本発明は、また、本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物を使用する、sEHの阻害およびsEHに関連する状態の治療の方法を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を説明するにおいて、化学元素は、元素周期表に従って同定される。本明細書で用いられる略語および記号は、化学的技術分野よび生物学的技術分野の当業者によるかかる略語および記号の汎用に従う。例えば、本明細書では以下の略語が使用される:
「aq」は、水溶液の略語である。
「BOP」は、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロリン酸塩の略語である。
「℃」は、摂氏温度の略語である。
「DIEA」は、ジ−イソプロピルエチルアミンの略語である。
「DMAP」は、ジメチルアミノピリジンの略語である。
「DMF」は、ジメチルホルムアミドの略語である。
「DMSO」は、ジメチルスルホキシドの略語である。
「EDCI」は、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド・塩酸塩の略語である。
「equiv」は、当量の略語である。
「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィーの略語である。
「g」は、グラムの略語である。
「L」は、リットルの略語である。
「LC−MS」は、液体クロマトグラフィー−質量分析の略語である。
「mL」は、ミリリットルの略語である。
「min」は、分の略語である。
「mmol」は、ミリモルの略語である。
「N」は、規定の略語であり、溶液1リットル当たりの試薬の当量数をいう。
「Ph」は、フェニルの略語である。
「sat」は、飽和の略語である。
「TFA」は、トリフルオロ酢酸の略語である。
「THF」は、テトラヒドロフランの略語である。
【0010】
用語および定義
「アルキル」とは、所定の数の構成原子を有する一価の飽和炭化水素鎖をいう。例えば、C1〜C8アルキルは、1〜8個の構成原子を有するアルキル基をいう。アルキル基は、本明細書で定義されるような1個以上の置換基で置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。代表的な分枝アルキル基は、1、2または3本の分枝を有する。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、イソブチルおよびt−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、イソペンチルおよびネオペンチル)およびヘキシルが挙げられる。
【0011】
「シクロアルキル」とは、所定の数の構成原子を有する一価の飽和または不飽和炭化水素環をいう。例えば、C3〜C6シクロアルキルとは、3〜6個の構成原子を有するシクロアルキル基をいう。不飽和シクロアルキル基は、環内に炭素−炭素二重結合を1つまたはそれ以上有する。シクロアルキル基は芳香族ではない。3〜7個以下の構成原子を有するシクロアルキルは、単環式環系である。少なくとも7個の構成原子を有するシクロアルキル基は、単環式、架橋、または縮合二環式環系であり得る。シクロアルキル基は、本明細書で定義されるような1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタニルおよびシクロヘプテニルが挙げられる。
【0012】
「鏡像異性的に豊富」とは、鏡像体過剰率が0よりも大きい生成物に適用される。例えば、鏡像異性的に豊富とは、鏡像体過剰率が50%eeよりも大きい生成物、75%eeよりも大きい生成物、および90%eeよりも大きい生成物をいう。
【0013】
「鏡像体過剰率」または「ee」は、他のエナンチオマーに対する一のエナンチオマーの超過をパーセンテージとして表したものである。結果として、両方のエナンチオマーがラセミ混合物中に等量存在する場合には、鏡像体過剰率は0(0%ee)である。しかし、一のエナンチオマーが生成物の95%を構成するように豊富である場合、鏡像体過剰率は、90%eeである(豊富なエナンチオマーの量95%から他のエナンチオマーの量5%を差し引く)。
【0014】
「鏡像異性的に純粋な」とは、鏡像体過剰率が99%ee以上である生成物に適用される。
【0015】
「半減期」とは、インビトロまたはインビボで、ある物質の量の半分が化学的に異なる別の種に変換されるのに要する時間をいう。
【0016】
「ハロ」とは、ハロゲンラジカルであるフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードをいう。
【0017】
「ハロアルキル」とは、1個以上のハロ置換基で置換されているアルキル基をいう。ハロアルキルとしては、トリフルオロメチルが挙げられる。
【0018】
「ヘテロアリール」とは、環中に構成原子としてのヘテロ原子を1〜4個含有する一価の芳香環をいう。ヘテロ原子を2個以上含有するヘテロアリール基は、異なるヘテロ原子を含有することができる。ヘテロアリール基は、本明細書で定義されるような置換基1個以上で置換されていてもよい。他に特に規定されない限り、ヘテロアリール基は、単環式環系であるか、または縮合、スピロもしくは架橋二環式環系である。単環式ヘテロアリール環は、構成原子を5個または6個有する。二環式ヘテロアリール環は、構成原子を7〜11個有する。二環式ヘテロアリール環としては、フェニルと単環式ヘテロシクロアルキル環が結合して縮合、スピロまたは架橋二環式環系を形成する二環式ヘテロアリール環、ならびに、単環式ヘテロアリール環と単環式シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール環が結合して縮合、スピロまたは架橋二環式環系を形成する二環式ヘテロアリール環が挙げられる。ヘテロアリールとしては、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、フラザニル、チエニル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、テトラゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、プテリジニル、シンノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチエニル、フロピリジニルおよびナフチリジニルが挙げられる。
【0019】
「ヘテロ原子」とは、窒素原子、硫黄原子または酸素原子をいう。
【0020】
「ヘテロシクロアルキル」とは、環中に構成原子としてのヘテロ原子を1〜4個含有する飽和または不飽和の環をいう。しかし、ヘテロシクロアルキル環は芳香族ではない。ヘテロ原子を2個以上含有するヘテロシクロアルキル基は、異なるヘテロ原子を含有することができる。ヘテロシクロアルキル基は、本明細書で定義されるような1個以上の置換基で置換されていてもよい。他に特に規定されない限り、ヘテロシクロアルキル基は、単環式、架橋、または縮合環系である。単環式ヘテロシクロアルキル環は、構成原子を4〜7個有する。架橋または二環式ヘテロシクロアルキル環は、構成原子を7〜11個有する。ある実施態様では、ヘテロシクロアルキルは飽和している。別の実施態様では、ヘテロシクロアルキルは不飽和であるが、芳香族ではない。ヘテロシクロアルキルとしては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、アゼピニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、1,3−オキサチオラニル、1,3−オキサチアニル、1,3−ジチアニル、アゼチジニル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[3.3.1]ノニル、アザビシクロ[4.3.0]ノニル、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプチルおよびフタルイミジルが挙げられる。
【0021】
「構成原子」とは、鎖または環を形成する原子をいう。鎖または環の中に構成原子が2個以上存在する場合、各構成原子は、鎖または環の中で隣接する構成原子と共有結合する。鎖または環上の置換基を形成する原子は、該鎖または環の構成原子ではない。
【0022】
「置換されていてもよい」とは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールのような基が非置換であっても、本明細書で定義されるような1個以上の置換基で置換されていてもよいことを示す。基に関する「置換される」とは、基の中の構成原子に結合した水素原子が置き換えられることを示す。当然のことながら、「置換される」なる用語は、かかる置換が置換された原子と置換基との許容バランスに従うこと、および該置換が安定な化合物(すなわち、転位、環化または脱離によるような変換を自然には受けないもの)をもたらすこと、という暗黙の条件を含む。ある実施態様では、置換が原子の許容バランスに従う限りは、1個の原子は2個以上の置換基で置換され得る。好適な置換基は、置換されている基または置換されていてもよい基の各々について本明細書で定義される。
【0023】
「医薬上許容される」とは、正しい医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合っている、過剰の毒性、刺激または他の問題もしくはめんどうな問題を伴わずにヒトおよび動物の組織との接触使用に好適なこれらの化合物、物質、組成物および投与剤形に適用される。
【0024】
化合物
本発明は、式I:
【化2】

[式中、
Aは、フェニルまたは単環式ヘテロアリールであり;
R1は、独立して、ハロ、CN、Ra、ORb、C(O)ORc、C(O)NRcRc、NRcRc、NRcC(O)Rb、NRcS(O2)Ra、SRb、S(O2)RaおよびS(O2)NRcRcからなる群から選択され;
nは、0〜5の整数であり;
R2は、HまたはC1〜C3アルキルであり;
mは、1または2であり;
Zは、OまたはSであり;
Bは、C3−C10 シクロアルキルであり;
R4は、HまたはC1〜C6アルキルであり;
Yは、R7、R8、R9、R10、R11またはR12であり;
R5は、H、R51、R52、R53、R54、R55、−C(O)Rb、−C(O)NRcRc、−S(O2)Raまたは−S(O2)NRcRcであり;
各R51は、ハロ、ORd、SRk、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReRe、Rg、Rh、Ri、Rjからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC1〜C6アルキルであり;
各R52は、ハロ、ORd、SRd、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReRe、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3ハロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキルであり;
R53は、1個以上のC1〜C3アルキルで置換されていてもよい単環式ヘテロシクロアルキルであり;
R54は、ハロ、CN、Ra、ORb、C(O)ORc、C(O)NRcRc、NRcRc、NRcC(O)Rb、NRcS(O2)Ra、SRb、S(O2)RaおよびS(O2)NReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
R55は、ハロ、−CN、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ORdおよびNReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい単環式ヘテロアリールであり;
R6は、H、R51またはR52であるか;または
R5およびR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7個の構成原子を有する飽和単環式環を形成し、ここで、該環は、構成原子として1個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよく、該環は、C1〜C3アルキル、ORdおよびNRfRfからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
R7は、ハロ、ORd、SRd、NReRe、C3〜C6シクロアルキル、RiおよびRjからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC1〜C8アルキルであり;
R8は、ハロ、ORd、SRd、NReRe、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3ハロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキルであり;
R9は、1個以上のC1〜C3アルキルで置換されていてもよい単環式ヘテロシクロアルキルであり;
R10は、ハロ、CN、Ra、ORb、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReRe、NRcC(O)Rb、NRcS(O2)Ra、SRb、S(O2)RaおよびS(O2)NRcRcからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
R11は、ハロ、CN、Ra、ORb、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReRe、NRcC(O)Rb、NRcS(O2)Ra、SRb、S(O2)RaおよびS(O2)NRcRcからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールであり;
R12は、−OR8、−OR9、−OR10、−OR11、−SR7、−SR8、−SR9、−SR10またはSR11であり;
各Raは、独立して、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6ハロアルキルであり;
各Rbは、独立して、H、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6ハロアルキルであり;
各Rcは、独立して、HまたはC1〜C6アルキルであり;
窒素と結合している2つのRc基がある場合、
両Rc基は、各々の場合に独立して、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7個の構成原子を有する飽和単環式環を形成し、ここで、該環は、構成原子として1個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよく、該環は、C1〜C3アルキル、ORdおよびNRfRfからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
各Rdは、独立して、H、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
各Reは、独立して、H、C1〜C3アルキル、CH2−CF3であるか;または
両Re基は、各々の場合に独立して、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7個の構成原子を有する飽和単環式環を形成し、ここで、該環は、構成原子として1個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよく、該環は、C1〜C3アルキル、ORdおよびNRfRfからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
各Rfは、独立して、HまたはC1〜C3アルキルであり;
各Rgは、ハロ、ORd、SRd、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReReおよびC1〜C3アルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキルであり;
各Rhは、1個以上のC1〜C3アルキルで置換されていてもよい単環式ヘテロシクロアルキルであり;
各Riは、ハロ、−CN、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ORdおよびNReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
各Rjは、ハロ、−CN、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ORdおよびNReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい単環式ヘテロアリールであり;
各Rkは、独立して、H、C1〜C3アルキルもしくはC1〜C3ハロアルキルであるか、または、ハロ、−CN、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ORdおよびNReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいベンジルである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を対象とする。
【0025】
式Iまたはその下位の式において、いずれか1つの場合における官能基またはその置換基の意味は、特に明記しない限り、他の場合におけるその意味または他の官能基もしくは置換基の意味から独立している。
【0026】
式Iで示される化合物には、1個以上の不斉中心(キラル中心とも称される)を含有するものがあり、したがって、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは他の立体異性体形態として、またはその混合物として存在するものがある。キラル炭素原子のようなキラル中心はまた、アルキル基のような置換基中に存在することがある。式I中または本明細書に例示されるいずれもの化学構造中に存在するキラル中心の立体化学が明記されていない場合、該構造は、いずれもの立体異性体およびその混合物の全てを包含するものとする。かくして、1個以上のキラル中心を含有する式Iで示される化合物は、ラセミ混合物、鏡像異性的に豊富な混合物または鏡像異性的に純粋な個々の立体異性体として使用され得る。
【0027】
1個以上の不斉中心を含有する式Iで示される化合物の個々の立体異性体は、当業者に公知の方法で分割され得る。例えば、かかる分割は、(1)ジアステレオ異性体塩、錯体または他の誘導体の形成によって;(2)立体異性体特異的試薬との選択的反応によって、例えば、酵素酸化もしくは還元によって;または(3)キラル環境下での、例えば結合キラルリガンドを用いるかまたはキラル溶媒中でのシリカのようなキラル支持体上での、ガス液体クロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーによって、行うことができる。当業者には当然のことながら、上記の分離法のうちの1つによって所望の立体異性体が別の化学物質に変換される場合、所望の形態を遊離するのにさらなる工程が必要である。別法として、光学活性試薬、基質、触媒または溶媒を使用して不斉合成を行うことによって、または、不斉変換により一のエナンチオマーを別のエナンチオマーに変換することによって、特定の立体異性体を合成することができる。
【0028】
式Iで示される化合物にはまた、二重結合または他の幾何学的非対称中心を含有するものがある。式I中または本明細書に例示されるいずれもの化学構造中に存在する幾何学的非対称中心の立体化学が明記されていない場合、該構造は、トランス(E)幾何異性体、シス(Z)幾何異性体、およびその混合物の全てを包含するものとする。同様に、互変異性体が平衡状態で存在するかまたは主に1つの形態で存在するかにかかわらず、全ての互変異性体が式Iに包含される。
【0029】
ある実施態様では、式Iで示される化合物には、酸性官能基を含有するものがあり、したがって、好適な塩基による処理によって医薬上許容される塩基付加塩を形成することができる。他の実施態様では、式Iで示される化合物には、塩基性官能基を含有するものがあり、したがって、好適な酸による処理によって医薬上許容される酸付加塩を形成することができる。かくして、当業者には当然のことながら、式Iで示される化合物の医薬上許容される塩を調製することができる。実際に、本発明のある実施態様では、式Iで示される化合物の医薬上許容される塩は、かかる塩がより大きな安定性または溶解性を分子に付与することによって投与剤形への製剤化を容易にするので、個々の遊離塩基または遊離酸よりも好ましいことがある。したがって、本発明は、また、式で示される化合物の医薬上許容される塩を対象とする。
【0030】
本明細書で使用する場合、「医薬上許容される塩」なる用語は、対象化合物の所望の生物活性を保持しており、かつ、最小限の望ましくない毒物効果を示す塩をいう。これらの医薬上許容される塩は、該化合物の最終単離および精製の間にその系内で調製され得るか、または、独立して精製化合物をその遊離酸または遊離塩基の形態にてそれぞれ適切な塩基または酸と反応させることによって製造され得る。
【0031】
それらの医薬に使用できる可能性のために、式(I)で示される化合物の塩は、好ましくは、医薬上許容されるものである。好適な医薬上許容される塩としては、酸付加塩または塩基付加塩を挙げることができる。
【0032】
医薬上許容される酸付加塩は、例えば結晶化および濾過によって通常単離される該塩を得るために、所望により有機溶媒のような好適な溶媒中にて、式(I)で示される化合物を好適な無機酸または有機酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、コハク酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸のようなナフタレンスルホン酸またはヘキサン酸)と反応させることによって形成され得る。式(I)で示される化合物の医薬上許容される酸付加塩は、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(例えば、2−ナフタレンスルホン酸塩)またはヘキサン酸塩であるかまたはそれを含むことができる。
【0033】
医薬上許容される塩基付加塩は、例えば結晶化および濾過によって通常単離される塩基付加塩を得るために、所望により有機溶媒のような好適な溶媒中にて、式(I)で示される化合物を好適な無機塩基または有機塩基(例えば、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、コリン、アルギニン、リジンまたはヒスチジン)と反応させることによって形成され得る。
【0034】
他の好適な医薬上許容される塩としては、医薬上許容される金属塩、例えば、医薬上許容されるアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩が挙げられる;特に、式(I)で示される化合物中に存在し得る1個以上のカルボン酸部分の医薬上許容される金属塩が挙げられる。
【0035】
他の医薬上許容されない塩、例えば、シュウ酸塩は、例えば、本発明の化合物の単離において使用することができ、本発明の範囲内に含まれる。
【0036】
本発明は、その範囲内に、式(I)で示される化合物の塩のあらゆる化学量論的形態および非化学量論的形態を包含する。
【0037】
本明細書で使用する場合、「本発明の化合物」(複数)なる用語は、式Iで示される化合物およびその医薬上許容される塩の両方を意味する。「本発明の化合物」(単数)なる用語もまた、式Iで示される化合物およびその医薬上許容される塩の両方をいう。
【0038】
固体状態では、本発明の化合物は、結晶形、半結晶形および非晶形ならびにそれらの混合物で存在することができる。当業者には当然のことながら、本発明の化合物の医薬上許容される溶媒和物が形成されることもあり、この場合、結晶化の間に溶媒分子が固体構造に取り込まれる。溶媒和物は、水もしくは非水性溶媒またはその混合物にかかわるものであり得る。加えて、かかる溶媒和物の溶媒含量は、環境に応じて、および貯蔵により、様々な値をとり得る。例えば、水は、相対湿度および温度に依存して経時的に別の溶媒と置き換わることがある。
【0039】
固体構造中に取り込まれる溶媒が水である場合には、溶媒和物は、典型的には、「水和物」と称される。2種類以上の溶媒が固体構造中に取り込まれる場合には、溶媒和物は、典型的には、「混合溶媒和物」と称される。溶媒和物は、「化学量論溶媒和物」および可変量の溶媒を含有する組成物(「非化学量論溶媒和物」と称される)を含む。固体構造中に取り込まれる溶媒が水である場合の化学量論溶媒和物は、典型的には、「化学量論水和物」と称され、固体構造中に取り込まれる溶媒が水である場合の非化学量論溶媒和物は、典型的には、「非化学量論水和物」と称される。本発明は、化学量論溶媒和物および非化学量論溶媒和物の両方を含む。
【0040】
加えて、溶媒和物を含む本発明の化合物の結晶形は、固体構造中に取り込まれていない溶媒分子を含有することができる。例えば、溶媒分子は、単離後に結晶中に閉じ込められるようになることがある。加えて、溶媒分子は、結晶の表面上に保持され得る。本発明は、かかる形態を包含する。
【0041】
さらに当業者には当然のことながら、溶媒和物を含む本発明の化合物は多形性(すなわち、異なる結晶充填配置で生じる能力)を示すことがある。これらの異なる結晶形は、典型的には、「多形体」として知られている。本発明は、かかる多形体の全てを包含する。多形体は、同一の化学組成を有するが、幾何学的充填配置、および結晶性の固体状態の他の記述的特性が異なる。したがって、多形体は、形状、密度、硬度、変形性、安定性および溶解性の特性のような物理的特性が異なり得る。多形体は、典型的には、異なるIRスペクトルおよびX線粉末回折図形を示し、同定に使用することができる。多形体はまた、異なる融点を示すことがあり、同定に使用することができる。当業者には当然のことながら、例えば化合物の製造に使用される反応条件または試薬を変更または調整することによって、異なる多形体を製造することができる。例えば、温度、圧力または溶媒の変更は、結果的に、異なる多形体の生成をもたらすことがある。加えて、一の多形体が、ある条件下で自然に別の多形体に変わることがある。
【0042】
代表的な実施態様
一の実施態様では、
Aは、フェニル、チオフェニルまたはピリジルであり;
R1は、CF3、ハロ、OCF3、CN、OC1〜C6アルキル、モルホリノ、CO2HまたはN(CH3)2であり;
nは、1、2または3であり;
Bは、シクロヘキシルであり;
R4は、水素であり;
Zは、Oであり;
Yは、C1〜C3アルキル、フェニル、チオフェニルまたはピリジルであり;ここで、該フェニル、チオフェニルまたはピリジルは−CO2H、SO2Me、CF3、ハロまたはCNによって置換されていてもよく;
R5は、水素またはC1〜C6アルキルであり;
R6は、水素またはC1〜C6アルキルである。
【0043】
別の実施態様では、
Aは、フェニルであり;
R1は、CF3、ハロ、OCF3、CN、OC1〜C6アルキルまたはモルホリノであり;
nは、1または2であり;
Bは、シクロヘキシルであり;
R4は、水素であり;
Zは、Oであり;
Yは、メチルであり;
R5は、水素であり;
R6は、メチルである。
【0044】
本発明の化合物の具体的な例としては、以下の化合物が挙げられる:
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−チエニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(2−フルオロフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(4−シアノフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサン;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
3−{4−(メチルアミノ)−6−[(シス−4−{[({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}安息香酸;
3−[4−(メチルアミノ)−6−({シス−4−[({[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]安息香酸;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
3−[4−(メチルアミノ)−6−({シス−4−[({[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]安息香酸;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
3−[4−{[シス−4−({[(2−クロロ−4−シアノフェニル)メチル]アミノ}カルボニル)シクロヘキシル]アミノ}−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]安息香酸;
シス−N−[(2−クロロ−4−シアノフェニル)メチル]−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−メチル−6−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−メチル−6−[(フェニルメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−[(4−メチル−6−{[2−(メチルオキシ)エチル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(ジメチルアミノ)−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−メチル−6−(1−ピペリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−[(4−アミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−({2−クロロ−4−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}メチル)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−{[2−クロロ−4−(ジメチルアミノ)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−[(2−クロロ−4−シアノフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−{[2−クロロ−4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[3−(トリフルオロメチル)−4−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−(2−フルオロフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−(4−フルオロフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−(4−シアノフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
トランス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
3−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
3−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド ;
4−{[({シス−4−[(4−(メチルチオ)−6−{[(2R)−2−フェニルプロピル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸;
シス−N−({4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(4−モルホリニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(1−ピペリジニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(1−ピロリジニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−{[2−クロロ−4−(1−ピペリジニル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−{[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;および
(シス)−N−{[4−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド。
【0045】
化合物の製造
式Iで示される化合物は、慣用の有機合成を使用して製造することができる。以下の一般的な反応スキームに好適な合成経路が示される。全ての官能基は、特に定義しない限り、式Iにおいて定義したとおりである。以下の一般的な反応スキームに示される出発物質および試薬は、商業的に入手可能であるか、または当業者に公知の方法を使用して商業的に入手可能な出発物質から製造することができる。
【0046】
当業者には当然のことながら、本明細書に記載される置換基が本明細書に記載の合成方法に適しない場合、該置換基は、該反応条件に対して安定な好適な保護基で保護することができる。該保護基を反応シーケンスにおける好適な時点で除去して所望の中間体または目的化合物を得ることができる。好適な保護基、ならびにかかる好適な保護基を使用して異なる置換基を保護および脱保護する方法は、当業者に周知である;例えば、T. Greene and P. Wuts, Protecting Groups in Chemical Synthesis (3rd ed.), John Wiley & Sons, NY (1999)に見ることができる。場合によっては、置換基は、使用される反応条件下で反応性を有するように特異的に選択することができる。このような場合には、該反応条件は、選択された置換基を、中間化合物として有用であるかまたは目的化合物中の所望の置換基である別の置換基に変換する。
【0047】
【化3】

【0048】
スキーム1は、中間体1.7を製造するための一般的な反応スキームを表す。0〜50℃の温度で溶媒(例えば、1,4−ジオキサンおよび水)中にて対応するアミノ酸(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)をBoc2Oおよび塩基(例えば、NaOH)で処理することによってBoc保護アミノ酸1.1を得ることができる。R4がR41またはR42であるべき場合には、0〜50℃の温度で溶媒(例えば、DMF)中にてR4−ハライド(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)および塩基(例えば、NaH)を使用してboc保護アミノ酸1.1をアルキル化することによりboc保護アミノ酸1.2が得られる。室温で溶媒(例えば、DMF)中にて中間体1.1または1.2をアミン1.3(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)およびアミドカップリング試薬(例えば、EDCIまたはBOP)で処理することによって、アミド中間体1.4を製造することができる。TFAを用いて中間体1.4のboc保護基の加水分解を行って、中間体1.5を得ることができる。0℃で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて塩化シアヌル(市販品)を1当量の中間体1.5および塩基(例えば、NaOHまたはヒューニッヒ塩基)で処理することによって、ジクロロトリアジン中間体1.6を合成することができる。続いて、25〜50℃の温度で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて1当量のHNR5R6(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)および塩基(例えば、NaOHまたはヒューニッヒ塩基)を添加することによりモノクロロトリアジン1.7が得られる。
【0049】
【化4】

【0050】
スキーム2は、式Iで示されるある化合物を製造するための一般的な反応スキームを表す。80〜170℃の温度(サーマルまたはマイクロ波加熱)で溶媒(例えば、THF)中にてモノクロロトリアジン2.1(中間体1.7として上記されている)をYB(OH)2(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)、パラジウム源(例えば、PdCl2(dppf)2)および塩基(例えば、K2CO3)で処理して、YがR7、R8、R9、R10またはR11である式Iで示される化合物を得ることができる。
【0051】
【化5】

【0052】
スキーム3は、式Iで示されるある化合物を製造するための一般的な反応スキームを表す。0〜50℃の温度で溶媒(例えば、1,4−ジオキサンおよび水)中にて対応するアミノ酸(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)をBoc2Oおよび塩基(例えば、NaOH)で処理することによってBoc保護アミノ酸3.1を得ることができる。R4がR41またはR42であるべき場合には、0〜50℃で溶媒(例えば、DMF)中にてR4−ハライド(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)および塩基(例えば、NaH)を使用してboc保護アミノ酸3.1をアルキル化することによりboc保護アミノ酸3.2が得られる。続いて、TFAを用いて中間体3.2のboc保護基を加水分解してアミノ酸3.3を得ることができる。0℃で溶媒(例えば、THF)中にて1当量の適当なグリニャール試薬(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)を塩化シアヌル(市販品)に添加することによって2,4−ジクロロトリアジン3.4を合成することができる。25〜50℃の温度で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて中間体3.4を1当量のHNR5R6(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)および塩基(例えば、NaOHまたはヒューニッヒ塩基)で処理することができる。高温(60〜90℃)で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて、得られた中間体3.5を過剰のアミノ酸3.3と反応させてカルボン酸3.6を得ることができる。室温で溶媒(例えば、DMF)中にて、中間体3.6をアミン3.7(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)およびカップリング試薬(例えば、EDCIまたはBOP)で処理して、YがR7、R8、R9、R10またはR11である式Iで示される化合物を得ることができる。
【0053】
【化6】

【0054】
スキーム4は、式Iで示されるある化合物を製造するための一般的な反応スキームを表す。0℃で溶媒(例えば、THF)中にて1当量の適当なグリニャール試薬(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)を塩化シアヌル(市販品)に添加して2,4−ジクロロトリアジン4.1を合成することができる。25〜50℃の温度で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて中間体4.1を1当量のアミド4.3(中間体1.5として上記されている)および塩基(例えば、NaOHまたはヒューニッヒ塩基)で処理して、モノクロロトリアジン4.4を得ることができる。高温(60〜80℃)で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて中間体4.4を過剰のHNR5R6(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)および塩基(例えば、NaOHまたはヒューニッヒ塩基)で処理して、YがR7、R8、R9、R10またはR11である式Iで示される化合物を得ることができる。
【0055】
別法として、25〜50℃の温度で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて中間体4.1を1当量のHNR5R6(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)および塩基(例えば、NaOHまたはヒューニッヒ塩基)で処理して、モノクロロトリアジン4.2を得ることができる。高温(60〜80℃)で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて中間体4.2を過剰のアミド4.3および塩基(例えば、NaOHまたはヒューニッヒ塩基)で処理して、YがR7、R8、R9、R10またはR11である式Iで示される化合物を得ることができる。
【0056】
【化7】

【0057】
スキーム5は、式Iで示されるある化合物を製造するための一般的な反応スキームを表す。0℃で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて塩化シアヌル(市販品)を1当量のHNR5R6(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)および塩基(例えば、NaOHまたはヒューニッヒ塩基)で処理することによりジクロロトリアジン5.1を合成することができる。続いて、25〜50℃の温度で溶媒(例えば、MeCNおよび水)中にて1当量のアミド5.2(中間体1.5として上記されている)および塩基(例えば、NaOHまたはヒューニッヒ塩基)を添加することによりモノクロロトリアジン5.3が得られる。次いで、中間体5.3を過剰のNaY(市販されているか、または当業者に知られている方法を使用して市販されている出発物質から調製された)で処理することにより、YがR12である式Iで示される化合物を得ることができる。
【実施例】
【0058】
以下の実施例は本発明を例示する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の化合物、組成物および方法を調製および使用するための指針を当業者に与えるものである。本発明の特定の実施態様が記載されるが、当業者には当然のことながら、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な変更および修正を行うことができる。
【0059】
中間体1
シス−4−アミノ−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化8】

【0060】
工程1: シス−4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸
【化9】

シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸(4.3g、30mmol、1.0当量)を充填したフラスコに1,4−ジオキサン(36mL)を添加した。該懸濁液を0℃に冷却し、1.0N水酸化ナトリウム(72mL、72mmol、2.4当量)を5分間にわたって添加した。該溶液を0℃で20分間撹拌した。ジ炭酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(7.87g、36.0mmol、1.1当量)の1,4−ジオキサン(36ml)中溶液を5分間にわたって添加した。該反応物を室温に加温し、撹拌を一夜続けた。反応物を0℃に冷却し、1.5M硫酸水素カリウムで酸性化した(約pH4)。所望の生成物を酢酸エチル(3×)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮して、標記化合物6.55g(90%)を得た。MS(ES+): m/e 265.9 [M+Na]+
【0061】
工程2: {シス−4−[({[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化10】

室温でのシス−4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸(3.0g、12mmol、1.0当量)および1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミン(1.9mL、14mmol、1.0当量)のCH2Cl2(82mL)中溶液にDMAP(301mg、2.47mmol、0.2当量)を添加した。EDC(2.95g、15.4mmol、1.25当量)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA、2.7ml、15mmol、1.25当量)を添加した。撹拌を室温で一夜続けた。該溶液をCH2Cl2(100ml)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(200mL)、水(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。CH2Cl2抽出物をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、標記化合物を得た。MS(ES+): m/e 400.8 [M+Na]+
【0062】
工程3: シス−4−アミノ−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化11】

0℃での{シス−4−[({[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル] シクロヘキシル}カルバミン酸1,1−ジメチルエチルのCH2Cl2(40ml)中溶液にCH2Cl2(10ml)およびTFA(10ml)のプレミックス溶液を添加した。該反応混合物を0℃で10分間撹拌した。反応物を室温に加温し、撹拌を2時間続けた。次いで、溶媒を減圧除去して、標記化合物2.83g(二工程にわたって69%)を得た。MS ES+): m/e 301.1 [M+H]+
【0063】
別法として、以下の方法を使用して中間体1を合成することができる:
【0064】
工程1: シス−4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸
【化12】

アルゴンを充填した250mLの丸底フラスコに磁気撹拌子を装備した。室温にて該フラスコにシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸(9.27g、64.7mmol)、イソプロパノール(83mL)および1N NaOH(70.6mL、70.6mmol)を添加した。固体の全てが溶解した後、ジ炭酸ビス(tert−ブチル)(15.54g、71.2mmol)を添加し、該混合物を室温で21時間維持した。粗混合物をヘキサン(3×100mL)で洗浄した。その後、水性層に1N HCl 100mLを添加し、混合物を酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、シス−4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロヘキサン カルボン酸12.85g(82%)をオフホワイト色の固体として得た。
【0065】
工程2: {シス−4−[({[2(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルバミン酸1,1−ジメチルエチル:
【化13】

アルゴンを充填した250mLの丸底フラスコにシス−4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸(15.54g、63.9mmol)、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン(8.95mL、63.9mmol)およびDMF 100mLを添加した。トリエチルアミン(26.7mL、192mmol)を添加し、該溶液を数分間撹拌した。次いで、室温にて、該混合物に、DMF 60mLに1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬、28.3g、63.9mmol)を溶解した溶液を添加した。反応混合物を2時間撹拌し、次いで、強く撹拌している飽和重炭酸ナトリウムおよび水の混合物(1:1、1.6L)中に注いだ。これにより、所望の生成物がオフホワイト色の固体として沈殿した。真空濾過により固体を回収し、24時間真空乾燥させて、{シス−4−[({[2(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルバミン酸1,1−ジメチルエチル24.88g(62.1mmol、97%)を得た。MS(ES)m/e 401 [M+H]+
【0066】
工程3: シス−4−アミノ−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド:
【化14】

磁気撹拌子を装備した500mLの丸底フラスコに{シス−4−[({[2(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(24.88g、62.1mmol)およびジクロロメタン(100mL)を充填した。トリフルオロ酢酸(100mL)をゆっくりと添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。揮発成分をロータリー式エバポレーションにより除去し、粗油状物を酢酸エチルに溶解し、重炭酸ナトリウム飽和溶液(3×200mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、標記化合物18.3g(98%)をオフホワイト色の固体として得た。MS(ES)m/e 301 [M+H]+
【0067】
中間体2
シス−4−アミノ−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化15】

中間体1の合成において上記した一般的な方法を用い、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンの代わりに2−[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンジルアミンを用いて中間体2を製造した。MS(ES+): [M+H]+
【0068】
中間体3
N−[4−(アミノメチル)−3−クロロフェニル]メタンスルホンアミド
【化16】

【0069】
工程1: N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)メタンスルホンアミド
【化17】

2下、0℃にて、4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル(5g、32.8mmol)およびピリジン(3.18mL、39.3mmol)のジクロロメタン(DCM)(75mL)中溶液にメタンスルホニルクロリド(4.50g、39.3mmol)をゆっくりと添加した。添加後、混合物を室温に加温し、一夜撹拌した。反応混合物を2N NaOH 50mLで処理した。層を分取した。水性層を濃HClでpH2に酸性化し、これにより生成物が沈殿した。固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、所望の生成物を白色固体として得た(7.0g、93%)。 MS(ES+): m/e 230.8 [M+H]+
【0070】
工程2: N−[4−(アミノメチル)−3−クロロフェニル]メタンスルホンアミド
【化18】

LiAlH4の0℃溶液(THF中2M)(26.0mL、52.0mmol)を入れた三つ口丸底フラスコ中にて、N2下にてTHF(20mL)中のヨウ素(6.60g、26.0mmol)を滴下した。添加後、該混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、THF(20mL)中のN−(3−クロロ−4−シアノフェニル)メタンスルホンアミド(4g、17.34mmol)を滴下した。添加後、反応混合物を室温に加温し、1時間撹拌し、その間に溶液から沈殿物が析出した。該反応混合物を濾過し、ケーキを冷THFで洗浄した。該ケーキを、THF 60mLを入れたビーカーに注意深く移した。該混合物を0℃で一定に撹拌しながら6N HClでpH2に酸性化した。層を分取し、水性層をDCM(30mL)で洗浄した。水性層をロータリー式エバポレーションによって濃縮した。得られた固体を冷MeOHで洗浄して黄色固体を得た。該母液に対して同後処理を行った(2×)。合わせた生成物を回収し、乾燥させて、標記化合物をHCl塩として得た(4.2g、89%)。MS(ES+): m/e 234.7 [M+H]+
【0071】
中間体4
[4−(アミノメチル)−3−クロロフェニル]ジメチルアミン
【化19】

【0072】
工程1: 2−クロロ−4−(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル
【化20】

密閉管中にて、4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル(1g、6.55mmol)、ヨードメタン(7.44g、52.4mmol)および炭酸セシウム(4.27g、13.11mmol)のアセトニトリル(10mL)中混合物を100℃に加熱した。一夜撹拌した後、該混合物に水(15mL)を添加し、次いで、EtOAc(25mL)を添加した。有機層を分取し、水性層をEtOAc(25mL)で再抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、エパキュエートした。カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=0〜40%)により、所望の生成物を白色固体として得た(0.76g、64%)。MS(ES+): m/e 180.8 [M+H]+
【0073】
工程2: [4−(アミノメチル)−3−クロロフェニル]ジメチルアミン
【化21】

2−クロロ−4−(ジメチルアミノ)ベンゾニトリル(0.76g、4.21mmol)のTHF(5mL)中溶液にTHF中1M LiAlH4/I2(8.41ml、8.41mmol、中間体3の工程2で製造した)を添加した。該混合物を10分間撹拌した。そのとき、LCMSは、所望の生成物の形成を示した。該混合物に水(15mL)を添加し、6N HClでpH2に酸性化した。水性層を分取し、Et2O(2×25mL)で洗浄した。次いで、水性層を6N NaOHで塩基性化し、Et2O(3×30mL)で抽出した。有機物をNa2SO4で乾燥させた。エーテル層を3分の1の容量にエバキュエートし、エーテル中1MのHCl溶液8mLを添加した。10分間撹拌した後、溶液から固体が沈殿した。固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、標記化合物を淡黄色固体として得た(1.0g、92%)。MS(ES+): m/e 185.0 [M+H]+
【0074】
中間体5
{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミン
【化22】

4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(14g、65mmol、1.0当量)、水性NH3(25〜28%、370mL、5.20mol、80当量)およびMeOH(300mL)の混合物にラネーニッケル(3.8g、65mmol、1.0当量)を添加した。フラスコに水素バルーンを装着し、該混合物を室温で7日間撹拌した。反応混合物をセライトケーキで濾過し、濾液を濃縮した。残留物をHPLCにより精製して、標記化合物をトリフルオロ酢酸塩として9g(64%)得た。MS(ES+): m/e 206 [M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ 7.6(d,1H), 7.3(d,1H), 7.2(s,1H), 4.1(s,2H), 3.8(s,3H)
【0075】
中間体6
4−(アミノメチル)−3−クロロベンゾニトリル
【化23】

【0076】
工程1: 4−(ブロモメチル)−3−クロロベンゾニトリル
【化24】

3−クロロ−4−メチルベンゾニトリル(7.5g、50mmol、1.0当量)、N−ブロモスクシンイミド(9.14g、52mmol、1.1当量)およびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、0.82g、5mmol、0.1当量)の四塩化炭素中混合物を還流温度に25時間加熱した。水(50mL)を添加し、生成物をCH2Cl2で抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、蒸発させて、標記化合物11.3gを得た。この物質を精製せずに次工程で使用した。
【0077】
工程2: 4−(アミノメチル)−3−クロロベンゾニトリル
【化25】

4−(ブロモメチル)−3−クロロベンゾニトリル(11g、49mmol、1.0当量)および6M NH3のメタノール(200mL)中混合物を18℃で17時間撹拌した。HCl水溶液(1M、200mL)を添加し、水層を酢酸エチルで洗浄した。水性相を1M NaOHでpH9〜10に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルで精製して、標記化合物2.71gを得た。MS(ES+): m/e 167.0 [M+H]+
【0078】
中間体7
{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}アミン
【化26】

4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボニトリル(9.5g、55mmol、1.0当量)および5M NH3のメタノール(600mL、3.0mol、54当量)中混合物にラネーニッケル(3.0g、52mmol、0.95当量)を添加した。フラスコに水素バルーンを装着し、混合物を16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物をHPLCにより精製して、標記化合物をビス−トリフルオロ酢酸塩として10.5g(47%)得た。MS(ES+): m/e 177.1 [M+H]+
【0079】
中間体8
シス−4−アミノ−N−({2−クロロ−4−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化27】

中間体1の合成において上記した一般的な方法を用い、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンの代わりにN−[4−(アミノメチル)−3−クロロフェニル]メタンスルホンアミドを用いて中間体8を製造した。MS(ES+): m/e 359.9 [M+H]+
【0080】
中間体9
シス−4−アミノ−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化28】

中間体1の合成において上記した一般的な方法を用い、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンの代わりに1−[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて中間体9を製造した。MS(ES+): m/e 331.0 [M+H]+
【0081】
中間体10
シス−4−アミノ−N−{[4−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化29】

中間体1の合成において上記した一般的な方法を用い、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンの代わりに4−(アミノメチル)−3−クロロベンゾニトリルを用いて中間体10を製造した。MS(ES+): m/e 292.0 [M+H]+
【0082】
中間体11
シス−4−アミノ−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化30】

中間体1の合成において上記した一般的な方法を用い、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンの代わりに1−[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メタンアミンを用いて中間体11を製造した。MS(ES+): 302.0 [M+H]+
【0083】
中間体12
シス−4−{[4−クロロ−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化31】

【0084】
工程1: シス−4−[(4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化32】

−50℃での2,4,6−クロロ−1,3,5−トリアジン(307mg、1.66mmol、1.00当量)のCH2Cl2(6mL)中溶液にジイソプロピルエチルアミン(DIEA、1.45ml、8.30mmol、5.00当量)および中間体1(500mg、1.66mmol、1.00当量)のCH2Cl2(3mL)中プレミックス溶液を添加した。該反応物を室温に加温し、3時間撹拌した。標記化合物を得、後処理または精製を行わずに次工程に使用した。MS(ES+): m/e 449.7 [M+H]+
【0085】
工程2: シス−4−{[4−({2−[(フェニルメチル)チオ]エチル}アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化33】

工程1で得た粗反応混合物にジイソプロピルエチルアミン(DIEA、0.872mL、4.98mmol、3当量)およびメチルアミン(0.830mL、1.66mmol、1当量)のCH2Cl2(3mL)中プレミックス溶液を滴下した。該混合物を3時間撹拌した。揮発成分を減圧除去して、標記化合物695mg(94%)を得た。この物質の一部を逆相HPLC精製法によって精製し、残りを精製せずに使用した。MS(ES+): m/e 443.9 [M+H]+
【0086】
中間体13
2,4−ジクロロ−6−メチル−1,3,5−トリアジン
【化34】

−10℃での2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(20g、108mmol、1.0当量)のTHF(8mL)中溶液に臭化メチルマグネシウム(45ml、135mmol、1.25当量)を滴下した。反応混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。該混合物を氷水上に注ぎ、さらに1時間撹拌した。生成物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、標記化合物14gを得た。粗生成物を次工程で使用した。MS(ES+): m/e 186.1 [M+Na]+
【0087】
中間体14
{[2−クロロ−4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]メチル}アミン
【化35】

中間体6(0.1g、0.600mmol)およびトリメチルシリルアジド(0.159ml、1.200mmol)のトルエン(5mL)中溶液に酸化ジブチルスズ(0.015g、0.060mmol)を添加した。該混合物を100℃で一夜撹拌した。その時、LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を真空濾過した。濾過ケーキを冷MeOHで洗浄し、乾燥させて標記化合物を淡褐色の固体として得た(0.08g、63.6%)。MS(ES+): m/e 210.0 [M+H]+
【0088】
中間体15
3−アミノ−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化36】

実施例28(工程2)の合成に上記した一般的な方法を用い、2,4−ジクロロベンジルアミンの代わりに2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを用いて中間体15を製造した。MS(ES+): m/e 301.1 [M+H]+
【0089】
中間体16
シス−4−(メチルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸
【化37】

【0090】
工程1: シス−4−[{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}(メチル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸
【化38】

−10℃でのNaH(1.0g、41mmol、2.5当量)のDMF(30mL)中懸濁液にシス−4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸(4.0g、16mmol、1.0当量)を添加した。反応混合物を室温に加温し、次いで、1時間撹拌した。該混合物を−10℃に冷却し、MeI(25g、260mmol、16当量)を滴下した。冷却浴を外し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。該混合物を氷上に注ぎ、次いで、NaOH(1.5g)を添加して、生じた不要のメタルエーテルを加水分解した。この溶液をさらに4時間撹拌した。水性層を酢酸エチルで洗浄し、減圧濃縮して、DMFを除去した。得られた残留物を水で希釈し、pHを3〜4に調整した。所望の生成物が白色固体として沈殿し、これを濾過により回収した(2.5g)。
【0091】
工程3: シス−4−(メチルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸
【化39】

シス−4−[{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}(メチル)アミノ]シクロヘキサン カルボン酸(2.5g、16mmol、1.0当量)および1M HClのジオキサン(15mL)中溶液を4時間加熱還流した。溶媒を減圧除去して、標記化合物1.3gを得た。この物質を精製せずに使用した。
【0092】
中間体17
シス−4−アミノ−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]シクロヘキサンカルボキサミド
【化40】

中間体1の合成において上記した一般的な方法を用い、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンの代わりに[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンを用いて中間体17を製造した。MS(ES+): m/e 303.0 [M+H]+
【0093】
中間体18
3−アミノ−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化41】

中間体15の合成において上記した一般的な方法を用い、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンの代わりに2−[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンジルアミンを用いて中間体18を製造した。MS(ES+): m/e 317.1 [M+H]+
【0094】
中間体19
3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸の製造
【化42】

2,4−ジクロロ−6−メチル−1,3,5−トリアジン(2.291g、13.97mmol)およびメチルアミン(6.98ml、13.97mmol)の混合物に1N NaOHを滴下してpH10を維持した。反応物を30分間撹拌した。次いで、3 アミノシクロヘキサン−カルボン酸(2.0g、13.97mmol)を一度に添加し、1N NaOHを滴下してpH10を維持した。反応物を一夜70℃に加熱した。反応物を冷却し、直接、分取HPLCによって精製した。MS(ES+): m/e 266.2 [M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ 9.0-8.5(bm,2H), 3.9(bs,1H), 2.9(m,2H), 2.3(s,3H), 2.2(s,3H), 1.9-1.7(bm,4H), 1.4-1.1(bm,4H)
【0095】
中間体20: 1−{4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミン
【化43】

【0096】
工程1: 4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンズアルデヒド:
【化44】

5−ブロモ−2−ヨードフェニルトリフルオロメチルエーテル(500mg、1.37mmol)を無水THF 10mLに溶解し、−70℃に冷却した。次いで、n−ブチルリチウム(2.5M溶液0.55mL、1.37mmol)を30分間滴下した。DMF(0.19mL、2.74mmol)を添加し、反応物を−70℃で30分間撹拌し、次いで、0℃に加温し、3時間撹拌した。反応物を塩化アンモニウム飽和溶液5mLでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンズアルデヒドを黄色固体として得た(100mg、0.37mmol、27%)。1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ 10.1(s,1H), 7.9(s,3H)
【0097】
工程2: 1−{4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミン:
【化45】

4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンズアルデヒド(3g、11.2mmol)をアンモニアのメタノール中5M溶液100mLに溶解し、一夜撹拌した後、反応混合物を水素化ホウ素ナトリウム(858mg、22.5mmol)で処理し、室温で4日間撹拌した。反応物を、水20mLの添加によりクエンチし、30分間撹拌した。揮発物質を除去し、残留物を塩化メチレン(3×20mL)で抽出した。塩化メチレンを蒸発させて黄色油状物を得、これを分取HPLCによって精製して、1−{4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミンのTFA塩を白色固体として得た(900mg、3.3mmol、29%)。MS(ES)m/e 270, 272 [M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ 8.5(bs,2H), 7.8(d,1H), 7.7(s,1H), 7.6(d,1H), 4.1(bs,2H)
【0098】
中間体21: 4−(アミノメチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化46】

【0099】
工程1: 4−(ブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化47】

4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(10g、54mmol)を四塩化炭素200mLに溶解し、N−ブロモスクシンイミド(10.5g、59mmol)および過酸化ベンゾイル(1.3g、0.54mmol)で処理した。反応混合物を還流温度に加熱し、1週間撹拌した。次いで、水80mLを添加し、層を分取した。水性層を塩化メチレン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、4−(ブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルを黄色油状物として得(14g、53mmol)、これを、さらなる精製を行わずに次工程に使用した。
【0100】
工程2: 4−(アミノメチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化48】

4−(ブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(14g)をアンモニアのメタノール中5M溶液500mLに溶解し、室温で24時間撹拌した。溶媒を真空除去して、黄色固体を得、これを1M HClに溶解し、ジエチルエーテル(3×30mL)で抽出した。次いで、水性層を1M NaOHでpH9〜10に調整し、ジクロロメタン(3×80mL)で抽出した。これにより、4−(アミノメチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルを黄色固体として得た(4.7g、23mmol、43%)。MS(ES)m/e 201 [M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ 8.2(s,1H), 8.15(d,1H), 8.0(d,1H), 3.9(s,2H)
【0101】
実施例1
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化49】

マイクロ波バイアルにPdCl2(dppf)2(27.7mg、0.0339mmol、0.2当量)および3−ピリジニルボロン酸(52.0mg、0.423mmol、2.5当量)を充填した。THF(2.1mL)および中間体13(75mg、0.17mmol、1.0当量)のプレミックス溶液を添加し、次いで、0.6M炭酸カリウム水溶液(2.8mL、1.7mmol、10当量)を添加した。反応物をマイクロ波反応器によって150℃で20分間加熱した。反応物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(5mL)で3回抽出した。酢酸エチル抽出物を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を逆相HPLCにより精製して、標記化合物7.2mg(8.8%)を得た。MS(ES+): m/e 486.1 [M+H]+
【0102】
実施例2
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化50】

マイクロ波バイアルに酢酸パラジウム(II)(0.38mg、0.0017mmol、0.01当量)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.95mg、0.0034mmol、0.02当量)およびフェニルボロン酸(30.9mg、0.253mmol、1.5当量)を充填した。1,4−ジオキサン(0.86mL)および中間体1(75mg、0.17mmol、1当量)の溶液を添加し、次いで、水(0.13mL)および三塩基性リン酸カリウム(71.7mg、0.338mmol、2当量)の溶液を添加した。反応物をマイクロ波反応器によって150℃で20分間加熱した。反応物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(5mL)で3回抽出した。酢酸エチル抽出物を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残留物を逆相HPLC精製法により精製して、標記化合物4.3mg(5.3%)を得た。MS(ES+): m/e 485.1 [M+H]+
【0103】
別法として、以下の方法に従って実施例2を製造することができる:
【0104】
実施例2
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化51】

【0105】
工程1: 2,4−ジクロロ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン
【化52】

0℃での塩化シアヌル(18.0g、97.6mmol、1.0当量)のTHF(8mL)溶液に臭化フェニルマグネシウム(THF中1.0M溶液97.6ml、97.6mmol、1.0当量)を滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、氷上に注ぎ、30分間撹拌した。生成物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を(飽和)塩化ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、減圧濃縮して、標記化合物16gを得た。粗生成物を精製せずに次工程に使用した。
【0106】
工程2: 4−クロロ−N−メチル−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化53】

CH3CN:H2O(1:1、80mL)に2,4−ジクロロ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(16.0g、70.8mmol、1.00当量)を溶解した冷溶液(0℃)にNH2Me(8.00g、H2O中27.5%溶液、70.8mmol、1.00当量)を添加した。溶液を1N NaOHで処理してpHを9〜10に維持し、15分間撹拌した。得られた懸濁液を水で希釈し、濾過して、粗生成物12gを得た。この物質の一部(8g)を逆相HPLCによって精製して、標記化合物3.6gを得た。MS(ES+): m/e 221.1 [M+H]+
【0107】
工程3: シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化54】

中間体1(2.04g、6.80mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(3.55mL、20.4mmol)のアセトニトリル(100mL)中混合物に4−クロロ−N−メチル−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−アミン(1.5g、6.8mmol)を添加した。該混合物を還流温度で18時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物をDMFに溶解し、TFAで酸性化し、逆相HPLC(Phenomenex、90mL/分、20%〜85%MeCN/水(0.1%TFAを含む)、20分、214nmでUV検出)により精製して、標記化合物のTFA塩を得た(2.05g、純度99.7%、収率50.2%)。MS(ES+): m/e 485.1 [M+H]+。不純物を含むHPLCフラクションを合わせ、HPLCによって再精製して、さらなる生成物(0.6g、純度>99%、収率14.8%)を得た。MS(ES+): m/e 485.1 [M+H]+
【0108】
実施例3
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−チエニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化55】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、フェニルボロン酸の代わりに3−チエニルボロン酸を用いて実施例3を製造した。MS(ES+): m/e 491.0 [M+H]+
【0109】
実施例4
シス−4−{[4−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化56】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、フェニルボロン酸の代わりに[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]ボロン酸を用いて実施例4を製造した。MS(ES+): m/e 541.1 [M+H]+
【0110】
実施例5
シス−4−{[4−(2−フルオロフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化57】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、フェニルボロン酸の代わりに2−フルオロフェニルボロン酸を用いて実施例5を製造した。MS(ES+): m/e 503.0 [M+H]+
【0111】
実施例6
シス−4−{[4−(4−シアノフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化58】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、フェニルボロン酸の代わりに4−シアノフェニルボロン酸を用いて実施例6を製造した。MS(ES+): m/e 510.0 [M+H]+
【0112】
実施例7
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化59】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体2を用い、フェニルボロン酸の代わりに[4−(メチルスルホニル)フェニル]ボロン酸を用いて実施例7を製造した。MS(ES+): m/e 579.0 [M+H]+
【0113】
実施例8
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化60】

上記実施例1に記載した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体2を用いて実施例8を製造した。MS(ES+): m/e 502.0 [M+H]+
【0114】
実施例9
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化61】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体2を用い、フェニルボロン酸の代わりに[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸を用いて実施例9を製造した。MS(ES+): m/e 569.0 [M+H]+
【0115】
実施例10
3−{4−(メチルアミノ)−6−[(シス−4−{[({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}安息香酸
【化62】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体2を用い、フェニルボロン酸の代わりに3−(ジヒドロキシボラニル)安息香酸を用いて実施例10を製造した。MS(ES+): m/e 545.0 [M+H]+
【0116】
実施例11
3−[4−(メチルアミノ)−6−({シス−4−[({[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]安息香酸
【化63】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体9を用い、フェニルボロン酸の代わりに3−(ジヒドロキシボラニル)安息香酸を用いて実施例11を製造した。MS(ES+): m/e 559.0 [M+H]+
【0117】
実施例12
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化64】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体9を用い、フェニルボロン酸の代わりに[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸を用いて実施例12を製造した。MS(ES+): m/e 583.0 [M+H]+
【0118】
実施例13
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化65】

上記実施例1に記載した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体9を用いて実施例13を製造した。MS(ES+): m/e 516.0 [M+H]+
【0119】
実施例14
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化66】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体9を用い、フェニルボロン酸の代わりに[4−(メチルスルホニル)フェニル]ボロン酸を用いて実施例12を製造した。MS(ES+): m/e 593.0 [M+H]+
【0120】
実施例15
3−[4−(メチルアミノ)−6−({シス−4−[({[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]安息香酸
【化67】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体11を用い、フェニルボロン酸の代わりに3−(ジヒドロキシボラニル)安息香酸を用いて実施例15を製造した。MS(ES+): m/e 530.1 [M+H]+
【0121】
実施例16
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化68】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体11を用い、フェニルボロン酸の代わりに[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸を用いて実施例16を製造した。MS(ES+): m/e 534.0 [M+H]+
【0122】
実施例17
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化69】

実施例1において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体11を用いて実施例13を製造した。MS(ES+): m/e 487.0 [M+H]+
【0123】
実施例18
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化70】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体11を用い、フェニルボロン酸の代わりに[4−(メチルスルホニル)フェニル]ボロン酸を用いて実施例18を製造した。MS(ES+): m/e 564.0 [M+H]+
【0124】
実施例19
3−[4−{[シス−4−({[(2−クロロ−4−シアノフェニル)メチル]アミノ}カルボニル)シクロヘキシル]アミノ}−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]安息香酸
【化71】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体10を用い、フェニルボロン酸の代わりに3−(ジヒドロキシボラニル)安息香酸を用いて実施例19を製造した。MS(ES+): m/e 520.2 [M+H]+
【0125】
実施例20
シス−N−[(2−クロロ−4−シアノフェニル)メチル]−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化72】

実施例1において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体10を用いて実施例20を製造した。MS(ES+): m/e 477.0 [M+H]+
【0126】
実施例21
シス−4−({4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化73】

【0127】
工程1: シス−4−[(4−クロロ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化74】

室温でのシス−4−アミノ−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド(90mg、0.30mmol、1.0当量)のアセトニトリル(12ml)中溶液に中間体13(49mg、0.30mmol、1.0当量)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA、35mg、0.30mmol、1.0当量)を添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、25%酢酸エチル/石油エーテルを用いて残留物をシリカゲルで精製して、黄色固体100mg(収率78%)を得た。MS(ES+): m/e 428.1 [M+H]+
【0128】
工程2: シス−4−({4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化75】

シス−4−[(4−クロロ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド(70mg、0.16mmol、1.0当量)、2−アミノエタノール(15mg、0.25mmol、1.5当量)および炭酸カリウム(34mg、0.25mmol、1.0当量)のアセトニトリル(3ml)中混合物を16時間加熱還流した。溶媒を減圧除去し、残留物をCH2Cl2で抽出し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を逆相HPLC精製法により精製して、標記化合物を得た。MS(ES+): m/e 453.3 [M+H]+
【0129】
実施例22
シス−4−{[4−メチル−6−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化76】

実施例21において上記した一般的な方法を用い、工程2おける2−アミノエタノールの代わりにN−メチルピペラジンを用いて実施例22を製造した。MS(ES+): m/e 492.4 [M+H]+
【0130】
実施例23
シス−4−({4−メチル−6−[(フェニルメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化77】

実施例21において上記した一般的な方法を用い、工程2おける2−アミノエタノールの代わりにベンジルアミンを用いて実施例23を製造した。MS(ES+): m/e 499.3 [M+H]+
【0131】
実施例24
シス−4−[(4−メチル−6−{[2−(メチルオキシ)エチル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化78】

実施例21において上記した一般的な方法を用い、工程2おける2−アミノエタノールの代わりに2−(メチルオキシ)エタンアミンを用いて実施例24を製造した。MS(ES+): m/e 467.3 [M+H]+
【0132】
実施例25
シス−4−{[4−(ジメチルアミノ)−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化79】

実施例21において上記した一般的な方法を用い、工程2おける2−アミノエタノールの代わりにジメチルアミンを用いて実施例25を製造した。MS(ES+): m/e 437.3 [M+H]+
【0133】
実施例26
シス−4−{[4−メチル−6−(1−ピペリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化80】

実施例21において上記した一般的な方法を用い、工程2おける2−アミノエタノールの代わりにピペリジンを用いて実施例26を製造した。MS(ES+): m/e 477.3 [M+H]+
【0134】
実施例27
シス−4−[(4−アミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化81】

実施例21において上記した一般的な方法を用い、工程2における2−アミノエタノールの代わりにアンモニアを用いて実施例27を製造した。MS(ES+): m/e 409.3 [M+H]+
【0135】
実施例28
N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化82】

【0136】
工程1: 4−クロロ−N−6−ジメチル−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化83】

中間体13(500mg、3.07mmol)のCH3CN/H2O(15mL)中溶液に25〜30%メチルアミン(300μL、3.07mmol)の水中溶液を添加した。該混合物を0℃に冷却し、1M NaOHでpHを9〜10に調整した。pHを9〜10に0.5時間維持した。反応の進行をLCMSによってモニターし、該混合物を後処理せずに次工程にて使用した。
【0137】
工程2: 3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸
【化84】

0℃にて4−クロロ−N−6−ジメチル−1,3,5−トリアジン−2−アミン(485mg、3.07mmol)の混合物に3−アミノシクロヘキサンカルボン酸(527mg、3.68mmol)を添加した。該混合物を室温に加温した。pHを9〜10に3時間維持した。該混合物を濃縮し、生成物をHPLCによって精製して、所望の生成物を白色固体として0.6g(2.26mmol、収率74%)得た。MS(ES+): m/e 266.2 [M+H]+
【0138】
工程3: シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化85】

3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸(100mg、0.377mmol)の溶液に[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミン(82mg、0.47mmol)、DMAP(10mg、0.08mmol)およびEDCl(108mg、0.56mmol)を添加した。該混合物を室温で4時間撹拌した。該混合物を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物をHPLCにより精製して、所望の物質を単一の主要なラセミジアステレオマーとして55mg(0.13mmol、収率35%)得た。MS(ES+): m/e 423.0 [M+H]+
【0139】
別法として、以下の方法で実施例28を製造することができる:
【0140】
工程1: 3−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸
【化86】

3−アミノシクロヘキサンカルボン酸(10g、69.8mmol)の1,4−ジオキサン(100.0mL)中懸濁液に1N NaOH(41.9ml、105mmol)を添加した。10分間撹拌した後、該混合物は透明溶液に変わり、該反応物にジ炭酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(21.08ml、91mmol)を添加した。反応物を室温で一夜撹拌した。得られた固体を真空濾過し、次いで、水(150mL)に再溶解した。水性物質を3N HClで酸性化し(pH4)、次いで、DCM(2×100mL)で抽出した。有機物をNa2SO4で乾燥させ、エバキュエートして、標記化合物を白色粉末として得た(17.0g、100%)。
【0141】
工程2: 3−アミノ−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]シクロヘキサンカルボキサミド
【化87】

3−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロヘキサンカルボン酸(10.0g、41.1mmol)のDMF(200mL)中溶液にDIEA(10.77mL、61.7mmol)を添加し、次いで、2,4−ジクロロベンジルアミン(5.53mL、41.1mmol)およびBOP(18.18g、41.1mmol)を添加した。反応物を室温で一夜撹拌した。該反応物に飽和NaHCO3(300mL)を添加し、これにより10分後に白色沈殿物が生じた。該沈殿物を真空濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。固体をDCM(50mL)に懸濁し、TFA(10mL)で処理した。2時間撹拌した後、反応物を0℃に冷却し、6N NaOHでpH10に塩基性化し、次いで、DCM(3×100mL)で抽出した。有機物を乾燥させ(Na2SO4)、エバキュエートして、中間体14を白色固体として得た(6.2g、50%)。MS(ES+): m/e 301.0 [M]+。
【0142】
工程3: シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化88】

3−アミノ−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]シクロヘキサンカルボキサミド(5.00g、16.60mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(207mL)中混合物に中間体13(2.72g、16.60mmol)を添加した。次いで、DIEA(3.62ml、20.75mmol)を滴下した。反応物を室温で30分間撹拌した。その時、LCMSは、所望の中間体を示した。次いで、該反応物にメチルアミン(41.5ml、83mmol)を添加し、45℃に加熱し、一夜撹拌した。LCMSは、所望の生成物への変換を示した。反応物をエバキュエートし、次いで、アセトニトリル(100mL)中で造粒した。固体を濾過し、乾燥して、遊離塩基を白色固体として得た。固体をDMSOおよびTFAに溶解し、逆相HPLC精製処理して、標記化合物を白色固体として得た(2.0g、22%)。2D NMRによって主要な異性体の相対立体化学をシスと決定した。MS(ES+): m/e 423.0 [M+H]+
【0143】
実施例29
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化89】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例29を製造した。MS(ES+): m/e 423.1 [M+H]+
【0144】
実施例30
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化90】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−{2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミンを用いて実施例30を製造した。MS(ES+): m/e 439.1 [M+H]+
【0145】
実施例31
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化91】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例31を製造した。MS(ES+): m/e 457.3 [M+H]+
【0146】
実施例32
(シス)−N−({2−クロロ−4−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}メチル)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化92】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに中間体3を用いて実施例32を製造した。MS(ES+): m/e 482.0 [M+H]+
【0147】
実施例33
(シス)−N−{[2−クロロ−4−(ジメチルアミノ)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化93】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに中間体4を用いて実施例33を製造した。MS(ES+): m/e 432.0 [M+H]+
【0148】
実施例34
(シス)−N−[(2−クロロ−4−シアノフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化94】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに中間体6を用いて実施例34を製造した。MS(ES+): m/e 366.0 [M+H]+
【0149】
実施例35
(シス)−N−{[2−クロロ−4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化95】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに中間体14を用いて実施例35を製造した。MS(ES+): m/e 457.1 [M+H]+
【0150】
実施例36
(シス)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[3−(トリフルオロメチル)−4−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化96】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに中間体7を用いて実施例36を製造した。MS(ES+): m/e 424.0 [M+H]+
【0151】
実施例37
(シス)−3−{[4−(2−フルオロフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化97】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体15を用い、フェニルボロン酸の代わりに2−フルオロフェニルボロン酸を用いて実施例37を製造した。MS(ES+): m/e 503.0 [M+H]+
【0152】
実施例38
(シス)−3−{[4−(4−フルオロフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化98】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体15を用い、フェニルボロン酸の代わりに4−フルオロフェニルボロン酸を用いて実施例38を製造した。MS(ES+): m/e 503.0 [M+H]+
【0153】
実施例39
(シス)−3−{[4−(4− シアノフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化99】

実施例2において上記した一般的な方法を用い、中間体1の代わりに中間体15を用い、フェニルボロン酸の代わりに4−シアノフェニルボロン酸を用いて実施例39を製造した。MS(ES+): m/e 510.0 [M+H]+
【0154】
実施例40
(シス)−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化100】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例40を製造した。MS(ES+): m/e 423.1 [M+H]+
【0155】
実施例41
シス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化101】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−{2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミンを用いて実施例41を製造した。MS(ES+): m/e 439.1 [M+H]+
【0156】
実施例42
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化102】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用いて実施例42を製造した。MS(ES+): m/e 423.0 [M+H]+
【0157】
実施例43
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化103】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例43を製造した。MS(ES+): m/e 457.3 [M+H]+
【0158】
実施例44
シス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化104】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−{2−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}メタンアミンを用いて実施例44を製造した。MS(ES+): m/e 455.0 [M+H]+
【0159】
実施例45
トランス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化105】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例44を製造した。MS(ES+): m/e 423.1 [M+H]+
【0160】
実施例46
トランス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化106】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−{2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミンを用いて実施例46を製造した。MS(ES+): m/e 439.1 [M+H]+
【0161】
実施例47
トランス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化107】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用いて実施例47を製造した。MS(ES+): m/e 423.0 [M+H]+
【0162】
実施例48
トランス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化108】

上記実施例12に記載した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例48を製造した。MS(ES+): m/e 457.3 [M+H]+
【0163】
実施例49
シス−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化109】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに中間体16を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例49を製造した。MS(ES+): m/e 437.1 [M+H]+
【0164】
実施例50
シス−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化110】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに中間体16を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−{2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミンを用いて実施例50を製造した。MS(ES+): m/e 453.1 [M+H]+
【0165】
実施例51
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化111】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに中間体16を用いて実施例51を製造した。MS(ES+): m/e 437.0 [M+H]+
【0166】
実施例52
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化112】

実施例28において上記した一般的な方法を用い、工程2における3−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに中間体16を用い、工程3における[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンの代わりに1−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例52を製造した。MS(ES+): m/e 471.0 [M+H]+
【0167】
実施例53
トランス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化113】

【0168】
工程1: トランス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸
【化114】

4−クロロ−N−メチル−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−アミン(1.0g、4.5mmol)のCH3CN:H2O(1:1、5mL)中混合物にトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸(973mg、6.80mmol)を添加した。該溶液を1N NaOHで処理してpHを9〜10に維持し、80℃で36時間撹拌した。得られた混合物を水で希釈し、濾過して、粗生成物を得、これをHPLCによって精製して、所望の生成物300mg(収率20%)を得た。MS(ES+): m/e 328.2 [M+H]+
【0169】
工程2: トランス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化115】

トランス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸(40mg、0.12mmol)の溶液に1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミン(22mg、0.12mmol)、EDCl(24mg、0.12mmol)、HOBt(17mg、0.12mmol)およびN−メチルモルホリン(13mg、0.12mmol)を添加した。該混合物を室温で20時間撹拌した。溶媒を真空除去し、得られた残留物をHPLCにより精製して、所望の物質20mg(収率34%)を得た。MS(ES+): m/e 485.3 [M+H]+
【0170】
実施例54
トランス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化116】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに1−{2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミンを用いて実施例54を製造した。MS(ES+): m/e 501.1 [M+H]+
【0171】
実施例55
トランス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化117】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンを用いて実施例55を製造した。MS(ES+): m/e 485.2 [M+H]+
【0172】
実施例56
トランス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化118】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに1−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例56を製造した。MS(ES+): m/e 519.3 [M+H]+
【0173】
実施例57
シス−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化119】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程1におけるトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに中間体16を用いて実施例57を製造した。MS(ES+): m/e 499.3 [M+H]+
【0174】
実施例58
シス−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化120】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程1におけるトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに中間体16を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに1−{2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミンを用いて実施例58を製造した。MS(ES+): m/e 515.3 [M+H]+
【0175】
実施例59
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化121】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程1におけるトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに中間体16を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンを用いて実施例59を製造した。MS(ES+): m/e 499.0 [M+H]+
【0176】
実施例60
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化122】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程1におけるトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに中間体16を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに1−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例60を製造した。MS(ES+): m/e 533.1 [M+H]+
【0177】
実施例61
3−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化123】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程1におけるトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに3−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用いて実施例61を製造した。MS(ES+): m/e 485.3 [M+H]+
【0178】
実施例62
3−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化124】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程1におけるトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに3−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに1−{2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メタンアミンを用いて実施例62を製造した。MS(ES+): m/e 501.1 [M+H]+
【0179】
実施例63
N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化125】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程1におけるトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに3−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンを用いて実施例63を製造した。MS(ES+): m/e 485.2 [M+H]+
【0180】
実施例64
N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化126】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程1におけるトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりに3−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに1−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンを用いて実施例64を製造した。MS(ES+): m/e 519.3 [M+H]+
【0181】
実施例65
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化127】

実施例53において上記した一般的な方法を用い、工程1におけるトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の代わりにシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を用い、工程2における1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メタンアミンの代わりに[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]アミンを用いて実施例65を製造した。MS(ES+): m/e 485.0 [M+H]+
【0182】
実施例66
4−{[({シス−4−[(4−(メチルチオ)−6−{[(2R)−2−フェニルプロピル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸
【化128】

【0183】
a)4,6−ジクロロ−N−[(2R)−2−フェニルプロピル]−1,3,5−トリアジン−2−アミンの製造
0℃での塩化シアヌル(677mg、3.67mmol、1.00当量)のCH3CN:H2O(1:1、6.1mL)中懸濁液に(2R)−2−フェニル−1−プロパンアミン(0.52mL、3.7mmol、1.0当量)のTHF(1.8mL)中溶液を添加した。反応混合物を1N NaOHで処理してpHを9〜10に維持し、0℃で10分間撹拌した。得られた懸濁液を、後処理または精製を行わずに次工程にて使用した。MS(ES+): m/e 282.9 [M+H]+
【0184】
b)4−({[(シス−4−アミノシクロヘキシル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチルの製造
実施例1の工程bにおいて上記した一般的な方法を用い、適当な出発物質を用いて、標記化合物を製造した。MS(ES+): m/e 291.0 [M+H]+
【0185】
c)4−{[({シス−4−[(4−クロロ−6−{[(2R)−2−フェニルプロピル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸メチルの製造
工程aで製造した懸濁液に4−({[(シス−4−アミノシクロヘキシル)カルボニル]アミノ}メチル)安息香酸メチル(1.48g、3.67mmol、1.00当量)を添加した。得られた混合物を40℃に加熱し、1N NaOHで処理してpHを9〜10に維持した。反応混合物を30分間撹拌し、次いで、後処理または精製を行わずにすぐに次工程にて使用した。MS(ES+): m/e 537.1 [M+H]+
【0186】
d)4−{[({シス−4−[(4−(メチルチオ)−6−{[(2R)−2−フェニルプロピル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸の製造
工程cで製造した粗反応混合物の5分の1(容量)にNaSMe(51.4mg、7.34mmol、10.0当量)を添加した。得られた混合物を50℃に1時間加熱した。最終溶液を逆相HPLC(Sunfire、25〜40%CH3CN、H2O、0.1%TFA、12分)によって精製して、標記化合物27.9mgを得た。MS(ES+): m/e 535.2 [M+H]+
【0187】
実施例67
シス−N−({4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化129】

({4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)アミン(0.4g、1.041mmol)、3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸(0.276g、1.041mmol)、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬、0.507g、1.146mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.364ml、2.083mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5ml)中混合物を室温で一夜撹拌した。反応混合物を水で処理し、これにより沈殿物が生じた。該沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、N−({4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド(0.35g、0.543mmol、53%)をオフホワイト色の固体として得た。MS(ES)m/e 517, 519 [M+H]+
【0188】
実施例68
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(4−モルホリニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化130】

N−({4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド(60mg、0.116mmol)、モルホリン(20.21mg、0.232mmol)、Pd2(dba)3(5.31mg、5.80μmol)、BINAP(5.42mg、8.70μmol)および炭酸セシウム(76mg、0.232mmol)の1,4−ジオキサン(2ml)中混合物にマイクロ波反応器によって170℃で20分間照射した。粗反応混合物を2グラムSCXイオン交換カラムに通した。該カラムをMeOHでフラッシュし、次いで、MeOH中の2N NH3でフラッシュした。NH3溶液を回収し、溶媒をエバキュエートして残留物を得、これを分取HPLCによって精製して、3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(4−モルホリニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド(15mg、0.022mmol、19%)を得た。MS(ES)m/e 524 [M+H]+
【0189】
実施例69
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(1−ピペリジニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化131】

実施例68において上記した一般的な方法を用い、モルホリンの代わりにピペリジンを用いて、実施例69を製造した。MS(ES+): m/e 522 [M+H]+
【0190】
実施例70
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(1−ピロリジニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化132】

実施例68において上記した一般的な方法を用い、モルホリンの代わりにピロリジンを用いて実施例70を製造した。MS(ES+): m/e 508 [M+H]+
【0191】
実施例71
シス−N−{[2−クロロ−4−(1−ピペリジニル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化133】

【0192】
a)1−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)メタンアミン
【化134】

4−ブロモ−2−クロロベンゾニトリル(2g、9.24mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(10ml)中溶液にTHF中の水素化アルミニウム(37.0ml、18.48mmol)を添加した。反応混合物を1N HClでpH4に酸性化した。該混合物をエーテル(2×50ml)で洗浄した。水性層を分取し、1N NaOHでpH10に調整した。該混合物をエーテルで抽出した。有機層を分取し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒をエバキュエートして、1−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)メタンアミン(1.8g、8.2mmol、88%)を得た。MS(ES+): m/e 220, 222 [M+H]+
【0193】
b)N−[(4−ブロモ−2−クロロフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化135】

3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸(0.324g、0.855mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(25ml)中溶液にジイソプロピルエチルアミン(0.329ml、1.881mmol)を添加し、次いで、1−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)メタンアミン(0.286g、0.855mmol)および1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬、0.416g、0.940mmol)を添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。該反応物に飽和NaHCO3を添加した。その時、溶液から白色固体が沈殿した。固体を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥させて、N−[(4−ブロモ−2−クロロフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド(160mg、.34mmol、40%)を得た。MS(ES+): m/e 467, 469 [M+H]+
【0194】
c)シス−N−{[2−クロロ−4−(1−ピペリジニル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化136】

マイクロ波反応容器中にて窒素下で炭酸セシウム(0.049g、0.150mmol)を添加した。次いで、該反応バイアルにPd2(dba)3(4.89mg、5.34μmol)、BINAP(4.99mg、8.02μmol)、N−[(4−ブロモ−2−クロロフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド(.050g、0.107mmol)およびピペリジン(10.58μl、0.107mmol)を添加した。トルエン(4.00ml)を添加し、反応物を100℃に16時間加熱した。LCMSは、所望の生成物の形成および出発物質の消費を示した。反応物を冷却し、溶媒を真空除去し、残留物を分取HPLCによって精製して、シス−N−{[2−クロロ−4−(1−ピペリジニル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド(19mg、0.032mmol、30%)を得た。MS(ES+): m/e 472, 474 [M+H]+
【0195】
実施例72
(シス)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化137】

3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸(0.100g、0.377mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5ml)中溶液に({[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミン(0.132g、0.415mmol)を添加し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(0.197ml、1.131mmol)および1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬、0.183g、0.415mmol)を添加した。反応物を室温で4時間撹拌し、次いで、分取HPLCによって精製して、(シス)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド(31mg、0.06mmol、16%)を得た。MS(ES+): m/e 453 [M+H]+
【0196】
実施例73
(シス)−N−{[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化138】

3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸(0.100g、0.264mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(4ml)中溶液に({[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミン(0.051g、0.264mmol)を添加し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(0.101ml、0.580mmol)および1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬、0.128g、0.290mmol)を添加した。該反応物を室温で4時間撹拌し、次いで、分取HPLCによって精製して、(シス)−N−{[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド(82mg、0.148mmol、56%)を得た。MS(ES)m/e 441 [M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ 7.6(bs,1H), 6.8(m,1H), 6.7(m,1H), 6.5(m,1H), 3.8(m,2H), 3.3(m,1 H), 2.2(s,3H), 2.2-2.1(m,1H), 1.7-1.6(bm,1H), 1.5(s,3H), 1.3-1.1(bm,4H), 0.8-0.5(bm,4H)
【0197】
実施例74
(シス)−N−{[4−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
【化139】

3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボン酸(0.100g、0.264mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(4ml)中溶液に4−(アミノメチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(0.053g、0.264mmol)を添加し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(0.101ml、0.580mmol)および1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬、0.128g、0.290mmol)を添加した。該反応物を室温で4時間撹拌し、次いで、分取HPLCによって精製して、(シス)−N−{[4−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド(83mg、0.148mmol、56%)を得た。MS(ES)m/e 448 [M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ 7.8(bs,1H), 7.3(bs,1H), 7.2(m,1H), 6.9(m,1H), 3.8(bs,2H), 3.3(bm,1 H), 2.2(bm,4H), 1.8-1.5(bm,4H), 1.3-1.1(bm,4H), 0.8-0.5(bm,4H)
【0198】
上記で使用する場合、「上記した一般的な方法を使用して」なる文言は、用いられる方法が引用された反応条件と同様であるが必ずしも同一というわけではない反応条件を使用することを示す。
【0199】
生物活性
式Iで示される化合物はsEH阻害剤である。したがって、式Iで示される化合物は、高血圧症、およびsEH活性に関連する他の状態の治療に有用である。上記のように、mEHは、哺乳動物において重要な解毒経路をもたらす。したがって、mEHに対するよりもsEHに対するほうが高い薬理選択性を示す化合物は、下記の処置法において望ましい。したがって、一の実施態様では、本発明は、mEHに対するよりもsEHに対するほうが10倍以上高い選択性を示す式Iで示される化合物を対象とする。別の実施態様では、本発明は、mEHに対するよりもsEHに対するほうが100倍以上高い選択性を示す式Iで示される化合物を対象とする。別の実施態様では、本発明は、mEHに対するよりもsEHに対するほうが1000倍以上高い選択性を示す式Iで示される化合物を対象とする。
【0200】
式Iで示される化合物の生物活性は、sEHおよび/またはmEH阻害剤としての候補化合物の活性を判定するのに好適なアッセイ、ならびに好適な組織および/またはインビボモデルを使用して決定することができる。
【0201】
インビトロ蛍光アッセイ
可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)活性の阻害は、Wolf et al.(Analytical Biochemistry Vol. 355 (2006) pp. 71-80)によって記載されているフォーマットに基づいて蛍光アッセイにて測定される。sEHの存在下で、PHOME((3−フェニル−オキシラニル)−酢酸シアノ−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−メチルエステル)をジオールに加水分解し、分子内環化させ、シアノヒドリンの遊離および分解を行う(生成物=シアニドおよび6−メトキシ−2−ナフタルデヒド)。6−メトキシ−2−ナフタルデヒドの生成を360nmの励起および465nmの発光でモニターする。
【0202】
該アッセイは、所望の濃度の化合物25〜100nLでプレスタンプした384ウェルアッセイプレート(Greiner 784076)に連続して酵素(5uL;25mM Hepes(pH7.0)、0.01%CHAPS(w/v)、0.005%カゼイン(w/v)中の200pM sEH;添加後10分間、環境プレインキュベーション)、次いで、PHOME基質(5ul;25mM Hepes(pH7.0)、0.01%CHAPS(w/v)、0.005%カゼイン(w/v)中の10uM PHOME基質)を添加することによってクエンチしたアッセイフォーマットにて使用される。反応物を室温で30分間インキュベートし、次いで、停止液(5uL;25mM Hepes(pH7.0)、0.01%CHAPS(w/v)、0.005%カゼイン(w/v)中の10mM ZnSO4)の添加によってクエンチする。毎添加後にマイクロタイタープレートを500rpmで30秒間遠心分離する。360nm励起フィルター、465nm発光フィルター、および400nm干渉フィルターを使用してEnVisionプレートリーダープラットフォーム(Perkin Elmer)にて蛍光を測定する。
【0203】
まず、DMSO原液中にて10mMの濃度で化合物を調製し、次いで、必要に応じて希釈して所望のアッセイ濃度にする。阻害曲線のために、3倍段階希釈液を使用して化合物を希釈し、11種類の濃度(例えば、50μM〜0.8nM、または25μM〜0.42nM、または2.5μM〜42pM)で試験する。ActivityBaseおよびXLfitを使用して曲線を解析し、結果をpIC50値として表す。
【0204】
細胞ベースsEH阻害剤アッセイ
以下の方法に従って、Detroit R&Dから入手可能な14,15−DHETイムノアッセイELISAキット(カタログ番号DH1)を使用して、細胞ベースsEH阻害を測定する:
【0205】
・以下のとおり、HEK293細胞(BioCat ID 80556)をsEH BacMamウイルスによって形質導入させてsEH発現を増大させる(他の細胞株が好適なこともある):実験の1日前、25cm2のフラスコ(Corning Incorporatedから、カタログ番号430639)中にて、10%ウシ胎仔血清(SAFC Biosciencesから、カタログ番号12176−1000M)を含むが抗生物質を含まないDMEM/F12(L−グルタミンを含む、15mM HEPES(pH7.30)を含む;Media Prep Labから)3ml中に150万個のHEK293細胞(BioCat ID 80556)を入れ、sEH BacMamウイルス30μLを添加する。細胞を静かに混合し、次いで、37℃で5%CO2にて24時間インキュベートする。
【0206】
・細胞をトリプシン処理してそれらを増殖フラスコから離し、PBSで1回洗浄し、次いで、フェノールレッドを含まないDMEM/F12(Media Prep labから)5mLに再懸濁する。Cedex AS20(Innovatisから)を使用してカウントされる細胞密度は、約3×105細胞/mL(=300細胞/μL)である。
【0207】
・次いで、細胞をDMEM/F12で5.1細胞/μLに希釈し、この細胞懸濁液の98μL/ウェル(=500細胞/ウェル)をアッセイプレート(96ウェル、透明なポリスチレン製、平底;Whatmanから、カタログ番号7701−1350)に移す。
【0208】
・次いで、アッセイプレート中にて該細胞に希釈した試験化合物2μLを添加する。該反応プレートを静かに振盪し、室温で30分間インキュベートし、その後、基質溶液10μLを添加する(基質溶液は、14,15−EET(Cayman Chemicalから、カタログ番号50651)1.24μLをDMEM/F12(8.24μL)で希釈することによって調製される)。次いで、該アッセイプレートを室温で1時間インキュベートする。
【0209】
・1時間の反応後、反応混合物を試料希釈バッファーで3倍希釈し(例えば、反応混合物110μLに220μLを加え)、十分に混合し、500rpmで5分間回転させる。
【0210】
・次いで、希釈した反応混合物100μLを反応プレートからELISAプレートへ移し、キットに添付された説明書に従ってELISAを行う。
【0211】
・次いで、IC50およびpIC50を算出する。IC50は、14,15−DHET濃度を使用して、または、阻害%[阻害%=100*(1−(試料DHET−細胞0個のDHET)/(細胞500個のDHET−細胞0個のDHET)]を使用して、直接算出することができる。
【0212】
・まず、DMSO原液中にて0.5mMの濃度で化合物を調製し、次いで、必要に応じて希釈して所望のアッセイ濃度を達成する。阻害曲線のために、3倍段階希釈液を使用して化合物を希釈し、9種類の濃度(例えば、10μM〜1.5nM)で試験する。ActivityBaseおよびXLfitを使用して曲線を解析し、結果をpIC50値として表す。
【0213】
生物活性結果
上記にて例示した化合物の全てをsEH阻害剤としての活性について試験した。特定の化合物についてのアッセイを2回以上行った場合、それらの活性に関する以下の結論は個々の実験の平均に基づく。例示した化合物の全てが、0.1〜10,000nMの範囲のIC50を有することが判明した。
【0214】
使用方法
本発明の化合物は、sEH酵素を阻害し、基礎症状がsEH関与に(少なくとも一部)起因する症状の治療において、または基礎症状がsEH関与に(一部であっても)起因しない場合でさえsEH阻害が若干の臨床的有効性をもたらす症状において、有用であり得る。かかる症状の例としては、高血圧症、臓器不全/損傷(心不全、腎不全、および肝不全を含む)、心臓・腎臓線維症、末梢血管疾患(虚血性四肢疾患、間欠性跛行、内皮機能不全、勃起機能不全、レイノー病、および糖尿病性脈管障害(例えば、網膜症)を含む)、アテローム血栓性障害(冠動脈疾患、冠動脈痙攣、狭心症、脳卒中、心筋虚血、心筋梗塞、および高脂血症を含む)、代謝障害(糖尿病を含む)、および炎症性障害(関節炎、炎症性疼痛、過活動性膀胱、喘息、およびCOPDを含む)が挙げられる。したがって、別の態様では、本発明は、かかる症状を治療する方法を対象とする。
【0215】
本態性高血圧症は、一般に、腎機能障害、内皮機能障害、心筋機能障害、および勃起機能障害のような重大な末端臓器障害の発症に関与する。かかる症状は、全身動脈血圧の上昇により「二次的に」生じる。二次的症状は、根本(「第一」)原因の治療によって予防され得る。したがって、別の態様では、本発明は、かかる二次的症状を予防する方法を対象とする。
【0216】
心不全は、心拍出力低下を特徴とする複合型の不均一な障害であり、心臓が身体の灌流要求を満たすことができないようになる。心臓炎症誘発性サイトカイン動員および不適応な心肥大、線維症およびアポトーシス/壊死は、心不全の進行に関連する因子である。本発明の化合物は、このような状態を治療する方法を対象とする。
【0217】
加えて、sEHは、間接的に、EETsに対するその効果によって血小板機能の調節に関与する。血小板凝集を阻害する薬物は、罹患している心血管アテローム性動脈硬化性疾患の患者における心筋梗塞および脳卒中のようなアテローム血栓事象のリスクを減少させると考えられる。したがって、別の態様では、本発明は、最近の心筋梗塞、脳卒中、一過性脳虚血発作、不安定性狭心症またはアテローム性動脈硬化症の病歴を持つ患者における心筋梗塞および脳卒中のようなアテローム血栓事象を予防する方法を対象とする。
【0218】
上記の治療方法および予防方法は、それを必要とする患者に本発明の化合物の安全かつ有効な量を投与することを含む。
【0219】
本明細書で使用する場合、症状に関連する「治療」とは、(1)治療される症状または治療される症状の1種類以上の生物学的現象の寛解または予防、(2)(a)治療される症状を引き起こすかまたは該症状の原因となる生物学的カスケードにおける1つまたはそれ以上の点の干渉または(b)治療される症状の1種類以上の生物学的現象の干渉、または(3)治療される症状に伴う1種類以上の症状または影響の軽減を意味する。
【0220】
上記で示す場合、症状の「治療」は、症状の予防を包含する。当業者には当然のことながら、「予防」とは、絶対的な用語ではない。医学において、「予防」とは、症状またはその生物学的現象の可能性または重篤度を実質的に減少させるか、またはかかる症状またはその生物学的現象の発症を遅延させる薬物の予防的投与をいうものと解される。
【0221】
本明細書で使用する場合、本発明の化合物または他の医薬的に活性な剤に関連する「安全かつ有効な量」とは、正しい医学的判断の範囲内で、治療される症状の好ましい変更を有意に誘発するのに十分であるが重篤な副作用を回避できるほど低い(妥当な利益/リスク比の)化合物の量を意味する。本発明の化合物の安全かつ有効な量は、選択された特定の化合物(例えば、化合物の効力、有効性および半減期を考慮);選択された投与経路;治療される症状;治療される症状の重篤度;治療を受ける患者の年齢、大きさ、体重および健康状態;治療を受ける患者の病歴;治療の期間;併用療法の性質;所望の治療効果;および同類の因子によって異なるが、それにもかかわらず、当業者によって決定され得る。
【0222】
本明細書で使用する場合、「患者」とは、ヒトまたは他の動物をいう。
【0223】
本発明の化合物は、全身投与および局所投与の両方を含むいずれの適切な投与経路によっても投与され得る。全身投与としては、経口投与、非経口投与、経皮投与、直腸投与、および吸入による投与が挙げられる。非経口投与とは、経腸、経皮または吸入以外の投与経路をいい、典型的には、注射または輸液によるものである。非経口投与としては、静脈内、筋肉内および皮下の注射または輸液が挙げられる。吸入とは、口を介して吸入されるか鼻道を介して吸入されるかにかかわらず患者の肺中に投与されることをいう。局所投与としては、皮膚への適用、ならびに眼内投与、耳投与、膣内投与および鼻腔内投与が挙げられる。
【0224】
本発明の化合物は、1回、または多数の投与が所定の期間に様々な時間間隔で施される投与計画に従って、投与され得る。例えば、投与は、1日1回、2回、3回または4回施され得る。投与は、所望の治療効果が達成されるまで、または所望の治療効果を永久に維持するために、施され得る。本発明の化合物に好適な投与計画は、当業者が決定することができる吸収、分布および半減期のような該化合物の薬物動態学的特性に依存する。加えて、投与量およびこのような計画が施される期間を含む好適な投与計画は、本発明の化合物については、治療される症状、治療される症状の重篤度、治療を受ける患者の年齢および健康状態、治療を受ける患者の病歴、併用療法の性質、選択された特定の投与経路、所望の治療効果、および当業者の知識および専門的技術の範囲内の同類のファクターに依存する。また、このような当業者にとって当然のことながら、好適な投与計画は、該投与計画に対する個々の患者の反応を鑑みて、または個々の患者が変更を必要とする場合には徐々に、調節を必要とするかもしれない。典型的な1日投与量は、1mg〜1000mgの範囲である。
【0225】
また、本発明の化合物は、プロドラッグとして投与することができる。本明細書で使用する場合、本発明の化合物の「プロドラッグ」は、患者への投与後にインビボで最終的に本発明の化合物を遊離する、該化合物の機能的誘導体である。プロドラッグとしての本発明の化合物の投与によって、当業者は、下記事象のうち1つ以上を行うことができるようになる:(a)インビボで該化合物の発現を変えること;(b)インビボで該化合物の作用期間を変えること;(c)インビボで該化合物の輸送または分布を変えること;(d)インビボで該化合物の溶解性を変えること;および(e)該化合物によってもたらされる副作用または他の問題を回避すること。プロドラッグの製造に使用される典型的な機能的誘導体は、インビボで化学的または酵素的に開裂される化合物の変更を含む。リン酸塩、アミド、エステル、チオエステル、炭酸塩、およびカルバミン酸塩の調製を含むかかる変更は当業者に周知である。
【0226】
組成物
本発明の化合物は、必ずではないが通常、患者への投与前に医薬組成物に製剤化されるであろう。したがって、別の態様では、本発明は、本発明の化合物および医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物を対象とする。
【0227】
本発明の医薬組成物は、バルク形態で調製および包装され得、この場合、本発明の化合物の安全かつ有効な量が抽出され得、次いで、例えば散剤、シロップ剤および注射液剤でもって患者に投与され得る。別法として、本発明の医薬組成物は、単位投与剤形で調製および包装され得、この場合、各々の物理的に個別のユニットは、本発明の化合物の安全かつ有効な量を含有する。単位投与剤形で調製される場合、本発明の医薬組成物は、典型的には、1mg〜1000mgを含有する。
【0228】
本発明の医薬組成物は、典型的には、1種類の本発明の化合物を含有する。しかしながら、実施態様によっては、本発明の医薬組成物は、2種類以上の本発明の化合物を含有する。例えば、実施態様によっては、本発明の医薬組成物は、2種類の本発明の化合物を含有する。加えて、本発明の医薬組成物は、1種類以上のさらなる医薬活性化合物を含むことができる。反対に、本発明の医薬組成物は、典型的には、2種類以上の医薬上許容される賦形剤を含有する。しかしながら、実施態様によっては、本発明の医薬組成物は、1種類の医薬上許容される賦形剤を含有する。
【0229】
本明細書で使用する場合、「医薬上許容される賦形剤」とは、医薬組成物に形態または一貫性を与えることに関与する医薬上許容される物質、組成物またはビヒクルを意味する。各賦形剤は、患者に投与した場合の本発明の化合物の効力を実質的に減少させる相互作用および医薬上許容されない医薬組成物をもたらす相互作用が回避されるように、混ぜ合わせた場合に医薬組成物の他の成分と適合しなければならない。加えて、各賦形剤は、もちろん、それを医薬上許容できるものにするのに十分に高い純度のものでなければならない。
【0230】
本発明の化合物および医薬上許容される賦形剤は、典型的には、所望の投与経路による患者への投与に適した投与剤形に製剤化されるであろう。例えば、投与剤形としては、以下のものが挙げられる:(1)錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、液剤、乳剤、サシェ剤およびカシェ剤のような経口投与に適したもの;(2)滅菌液剤、懸濁剤、および復元用散剤のような非経口投与に適したもの;(3)経皮パッチ剤のような経皮投与に適したもの;(4)坐剤のような直腸投与に適したもの;(5)エアゾール剤および液剤のような吸入に適したもの;ならびに(6)クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、液剤、ペースト剤、スプレー剤、フォーム剤およびゲル剤のような局所投与に適したもの。
【0231】
好適な医薬上許容される賦形剤は、選ばれた個々の投与剤形によって異なるであろう。加えて、好適な医薬上許容される賦形剤は、それらが組成物において役割を果たすことが可能な特定の機能で選ばれ得る。例えば、ある種の医薬上許容される賦形剤は、均一な投与剤形の生成を促進することができるそれらの能力で選ばれ得る。ある種の医薬上許容される賦形剤は、安定な投与剤形の生成を促進することができるそれらの能力で選ばれ得る。ある種の医薬上許容される賦形剤は、一旦患者に投与されると一の臓器または身体の一の部分から別の臓器または身体の別の部分への本発明の化合物の運搬または輸送を促進することができるそれらの能力で選ばれ得る。ある種の医薬上許容される賦形剤は、患者コンプライアンスを高めることができるそれらの能力で選ばれ得る。
【0232】
好適な医薬上許容される賦形剤としては、以下の種類の賦形剤が挙げられる:希釈剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒剤、コーティング剤、湿潤剤、溶媒、共溶媒、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、香味マスキング剤、着色剤、凝固防止剤、保湿剤、キレート剤、可塑剤、増粘剤、抗酸化剤、保存剤、安定化剤、界面活性剤および緩衝剤。当業者には当然のことながら、ある種の医薬上許容される賦形剤は、2種類以上の機能を果たすことがあり、製剤中に存在する賦形剤の量および製剤中に存在する他の成分によって別の機能を果たすことがある。
【0233】
当業者は、本発明において使用するのに適当な量の好適な医薬上許容される賦形剤を選択することができる知識および技術を有する。加えて、医薬上許容される賦形剤を記載しており、好適な医薬上許容される賦形剤を選択するのに有用であり得る、当業者に入手可能な多くのリソースがある。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives(Gower Publishing Limited)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Excipients(the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
【0234】
本発明の医薬組成物は、当業者に知られている技術および方法を使用して製造される。当該技術分野で一般的に使用される方法のいくつかは、Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company)に記載されている。
【0235】
一の態様では、本発明は、本発明の化合物の安全かつ有効な量および希釈剤または充填剤を含む錠剤またはカプセル剤のような固体経口投与剤形を対象とする。好適な希釈剤および充填剤としては、ラクトース、シュークロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルファ化デンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えば、微結晶性セルロース)、硫酸カルシウム、および第二リン酸カルシウムが挙げられる。経口固体投与剤形は、さらに、結合剤を含むことができる。好適な結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルファ化デンプン)、ゼラチン、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガカント、グアーガム、ポビドン、ならびにセルロースおよびその誘導体(例えば、微結晶性セルロース)が挙げられる。経口固体投与剤形は、さらに、崩壊剤を含むことができる。好適な崩壊剤としては、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、アルギン酸、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。経口固体投与剤形は、さらに、滑沢剤を含むことができる。好適な滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびタルクが挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Aは、フェニルまたは単環式ヘテロアリールであり;
R1は、独立して、ハロ、CN、Ra、ORb、C(O)ORc、C(O)NRcRc、NRcRc、NRcC(O)Rb、NRcS(O2)Ra、SRb、S(O2)RaおよびS(O2)NRcRcからなる群から選択される;
nは、0〜5の整数であり;
R2は、Hであり;
mは、1または2であり;
Zは、OまたはSであり;
Bは、C3〜C10シクロアルキルであり;
R4は、HまたはC1〜C6アルキルであり;
Yは、R7、R8、R9、R10、R11またはR12であり;
R5は、H、R51、R52、R53、R54、R55、−C(O)Rb、−C(O)NRcRc、−S(O2)Raまたは−S(O2)NRcRcであり;
各R51は、ハロ、ORd、SRk、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReRe、Rg、Rh、Ri、Rjからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC1〜C6アルキルであり;
各R52は、ハロ、ORd、SRd、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReRe、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3ハロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキルであり;
R53は、1個以上のC1〜C3アルキルで置換されていてもよい単環式ヘテロシクロアルキルであり;
R54は、ハロ、CN、Ra、ORb、C(O)ORc、C(O)NRcRc、NRcRc、NRcC(O)Rb、NRcS(O2)Ra、SRb、S(O2)RaおよびS(O2)NReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
R55は、ハロ、−CN、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ORdおよびNReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい単環式ヘテロアリールであり;
R6は、H、R51またはR52であるか;または
R5およびR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7個の構成原子を有する飽和単環式環を形成し、ここで、該環は、構成原子として1個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよく、該環は、C1〜C3アルキル、ORdおよびNRfRfからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
R7は、ハロ、ORd、SRd、NReRe、C3〜C6シクロアルキル、RiおよびRjからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC1〜C8アルキルであり;
R8は、ハロ、ORd、SRd、NReRe、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3ハロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキルであり;
R9は、1個以上のC1〜C3アルキルで置換されていてもよい単環式ヘテロシクロアルキルであり;
R10は、ハロ、CN、Ra、ORb、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReRe、NRcC(O)Rb、NRcS(O2)Ra、SRb、S(O2)RaおよびS(O2)NRcRcからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
R11は、ハロ、CN、Ra、ORb、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReRe、NRcC(O)Rb、NRcS(O2)Ra、SRb、S(O2)RaおよびS(O2)NRcRcからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールであり;
R12は、−OR8、−OR9、−OR10、−OR11、−SR7、−SR8、−SR9、−SR10またはSR11であり;
各Raは、独立して、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6ハロアルキルであり;
各Rbは、独立して、H、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6ハロアルキルであり;
各Rcは、独立して、HまたはC1〜C6アルキルであり;
窒素と結合している2つのRc基がある場合、
両Rc基は、各々の場合に独立して、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7個の構成原子を有する飽和単環式環を形成し、ここで、該環は、構成原子として1個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよく、該環は、C1〜C3アルキル、ORdおよびNRfRfからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
各Rdは、独立して、H、C1〜C3アルキルまたはC1〜C3ハロアルキルであり;
各Reは、独立して、H、C1〜C3アルキル、CH2−CF3であるか;または
両Re基は、各々の場合に独立して、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7個の構成原子を有する飽和単環式環を形成し、ここで、該環は、構成原子として1個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよく、該環は、C1〜C3アルキル、ORdおよびNRfRfからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
各Rfは、独立して、HまたはC1〜C3アルキルであり;
各Rgは、ハロ、ORd、SRd、C(O)ORc、C(O)NReRe、NReReおよびC1〜C3アルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキルであり;
各Rhは、1個以上のC1〜C3アルキルで置換されていてもよい単環式ヘテロシクロアルキルであり;
各Riは、ハロ、−CN、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ORdおよびNReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
各Rjは、ハロ、−CN、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ORdおよびNReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい単環式ヘテロアリールであり;
各Rkは、独立して、H、C1〜C3アルキルもしくはC1〜C3ハロアルキルであるか、または、ハロ、−CN、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ORdおよびNReReからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいベンジルである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
Aが、フェニル、チオフェニルまたはピリジルであり;
R1が、CF3、ハロ、OCF3、CN、OC1〜C6アルキル、モルホリノ、CO2HまたはN(CH3)2であり;
nが、1、2または3であり;
Bが、シクロヘキシルであり;
R4が、水素であり;
Zが、Oであり;
Yが、C1〜C3アルキル、フェニル、チオフェニルまたはピリジルであり;ここで、該フェニル、チオフェニルまたはピリジルは、−CO2H、SO2Me、CF3、ハロまたはCNによって置換されていてもよく;
R5が、水素またはC1〜C6アルキルであり;
R6が、水素またはC1〜C6アルキルである、
請求項1記載の化合物または塩。
【請求項3】
Aが、フェニルであり;
R1が、CF3、ハロ、OCF3、CN、OC1〜C6アルキルまたはモルホリノであり;
nが、1または2であり;
Bが、シクロヘキシルであり;
R4が、水素であり;
Zが、Oであり;
Yが、メチルであり;
R5が、水素であり;
R6が、メチルである、
請求項1記載の化合物または塩。
【請求項4】
以下の化合物から選択される請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩:
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−チエニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(2−フルオロフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(4−シアノフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサン;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
3−{4−(メチルアミノ)−6−[(シス−4−{[({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}安息香酸;
3−[4−(メチルアミノ)−6−({シス−4−[({[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]安息香酸;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
3−[4−(メチルアミノ)−6−({シス−4−[({[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}アミノ)カルボニル]シクロヘキシル}アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]安息香酸;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−(メチルアミノ)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
3−[4−{[シス−4−({[(2−クロロ−4−シアノフェニル)メチル]アミノ}カルボニル)シクロヘキシル]アミノ}−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]安息香酸;
シス−N−[(2−クロロ−4−シアノフェニル)メチル]−4−{[4−(メチルアミノ)−6−(3−ピリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−メチル−6−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−({4−メチル−6−[(フェニルメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミノ)−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−[(4−メチル−6−{[2−(メチルオキシ)エチル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−(ジメチルアミノ)−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−メチル−6−(1−ピペリジニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−[(4−アミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−({2−クロロ−4−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}メチル)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−{[2−クロロ−4−(ジメチルアミノ)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−[(2−クロロ−4−シアノフェニル)メチル]−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−{[2−クロロ−4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[3−(トリフルオロメチル)−4−ピリジニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−(2−フルオロフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−(4−フルオロフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−(4−シアノフェニル)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{メチル[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド
トランス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−{メチル[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
3−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
3−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−{[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−[(2,4−ジクロロフェニル)メチル]−4−{[4−(メチルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド ;
4−{[({シス−4−[(4−(メチルチオ)−6−{[(2R)−2−フェニルプロピル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]シクロヘキシル}カルボニル)アミノ]メチル}安息香酸;
シス−N−({4−ブロモ−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(4−モルホリニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(1−ピペリジニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−({4−(1−ピロリジニル)−2−[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−N−{[2−クロロ−4−(1−ピペリジニル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}−N−{[4−(メチルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
(シス)−N−{[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;および
(シス)−N−{[4−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド。
【請求項5】
以下の化合物から選択される請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩:
(シス)−N−{[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド;および
(シス)−N−{[4−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−3−{[4−メチル−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ}シクロヘキサンカルボキサミド。
【請求項6】
前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩および1種類以上の医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項7】
高血圧症の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項8】
心不全の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項9】
腎不全の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項10】
肝不全の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項11】
末梢血管疾患の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項12】
冠動脈疾患の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項13】
心筋虚血の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項14】
狭心症の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項15】
心筋梗塞の予防方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項16】
脳卒中の予防方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項17】
COPDおよび喘息の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
【請求項18】
耐糖能異常、インスリン非感受性、糖尿病および肥満症の治療方法であって、かかる治療を必要とするヒトに前記請求項のいずれか1項記載の化合物または塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2011−500594(P2011−500594A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529081(P2010−529081)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/079517
【国際公開番号】WO2009/049157
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(591002957)グラクソスミスクライン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (341)
【氏名又は名称原語表記】GlaxoSmithKline LLC
【Fターム(参考)】